JP7254424B2 - 衣料用仕上げ剤組成物 - Google Patents
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Description
特許文献2には、i)特定重量平均分子量のポリ酢酸ビニルの鹸化物、ii)特定重量平均分子量のポリスチレンスルホン酸及びiii)特定重量平均分子量のN-ビニル-2-ピロリドンの重合物から選ばれる水溶性高分子化合物(A)と、4級アンモニウム化合物、3級アミンの無機又は有機の酸塩及びシリコーン化合物から選ばれる柔軟化剤(B)と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型の特定の非イオン性界面活性剤(C)とを、それぞれ特定比率で含有することで、型くずれ、のび、縮み等、劣化した繊維製品の形態を回復させる繊維製品処理剤組成物が開示されている。
特許文献3には、特定重量平均分子量の水溶性高分子化合物(A)と、アミノ変性シリコーン化合物(B)とを、それぞれ特定比率で含有することで、型くずれ、のび、縮み等、劣化した繊維製品の形態を回復させる繊維製品処理剤が開示されている。
特許文献4には、(a)エステル、アミドもしくはエーテル結合を含む炭素数11~36の炭化水素基を有する第3級アミン、それらの塩及びそれらの4級化物から選ばれる1種以上のカチオン性柔軟基剤と、(b)共有結合以外の結合による分子内及び分子間架橋を生じる、温度20℃で固体のポリシロキサンであって、その成形体が、温度20℃、相対湿度65%における伸長率0~15%の範囲で破断又は塑性変形を生じないポリシロキサンを含有することで、優れた柔軟性付与効果を維持したまま、繊維製品に滑り性や弾力性のある風合いを付与できる柔軟剤が開示されている。
なお、ヨレやくたびれ感は、例えば、新品の衣料と比べて身ごろ、袖口、首周りの形状が伸びたり縮んだりして当初とは異なる長さや形へと変化していることで生じると考えられる。
また本発明において、「風合い」とは、人が素肌で感じる感触的心地よさのことを指し、柔軟性だけでなく滑り、かさ高さ、弾力性、はり、こし、ぬめり等、他の多種多様の因子が混ざったものであり、心地良さのベクトルにおいて一定の方向性を示すものである。
<成分(A)>
本発明の成分(A)は、酢酸ビニル由来の構成単位を含む重合体であり、酢酸ビニル由来の構成単位が一部ないし全部を占める重合体である。
酢酸ビニル由来の構成単位の割合は、衣料の型崩れを回復させる観点から、重合体の重合に用いる全モノマー中に好ましくは75質量%以上、より好ましくは82質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは96質量%以下である。なお本発明において、製造時に用いるモノマー比率は、後述する酢酸ビニルと共重合可能なモノマーも含めて、成分(A)である重合体の構成単位の比率としてもよい。
前記不飽和カルボン酸の割合は、成分(A)の重合体の重合に用いる全モノマー中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
前記不飽和カルボン酸の低級アルコールエステルの割合は、成分(A)の重合体の重合に用いる全モノマー中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
前記不飽和カルボン酸アミドの割合は、成分(A)の重合体の重合に用いる全モノマー中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
成分(A)の重合体5gを20mLのメスフラスコに入れ、アセトンでメスアップした後、0.5μmのPTFEメンブランフィルターでろ過する。ろ液を用いて以下の条件のGPCにより重量平均分子量を測定する。
カラム :TSKgel α-M+TSKgel α-M(東ソー株式会社製)
溶離液 :H3PO4(60mmol/L)/LiBr(50mmol/L)/DMF
流速 :1.0mL/min
カラム温度 :40℃
検出器 :RI
サンプル濃度:5mg/mL
サンプル量 :100μL
本発明の成分(B)は、ポリシロキサンのケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(B1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)が結合している化合物である。
一般式(B1)中のR1bで示されるアルキル基としては、炭素数1以上10以下のものがより好ましく、シクロアルキル基としては、炭素数3以上6以下のものがより好ましく、アラルキル基としては、フェニルアルキル基、ナフチルアルキル基がより好ましく、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アルキル基置換フェニル基がより好ましい。一般式(B1)中のR1bは、炭素数1以上5以下のアルキル基が更に好ましく、エチル基がより更に好ましい。
ここで前記質量比は、ポリシロキサンの含有率をプラズマ発光分析によるケイ素原子定量分析により求めた値を用いて算出することができる。
また前記質量比は、製造時において反応に使用するポリシロキサンとポリ(N-アシルアルキレンイミン)の質量比としてもよい。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、成分(A)の水中分散安定性の観点から、成分(C)として、カチオン化澱粉を含有する。
カチオン化澱粉の主骨格を形成する澱粉類としては、特開2010-180320号公報に記載の澱粉等を用いることができる。具体的には、コーンスターチ、小麦スターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ等の澱粉が挙げられる。
前記澱粉にカチオン基を導入してカチオン化澱粉とする方法は特に限定されず、例えば、澱粉類と四級アンモニウムアルキル化試薬とを反応させる方法が挙げられる。
四級アンモニウムアルキル化試薬としては、例えば、特開2010-180320号公報に記載のグリシジル基を有する四級アンモニウム化合物を挙げることができ、化合物の入手の容易性の観点から、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
四級アンモニウムアルキル化試薬の具体的な製造方法としては、例えば特開昭56-36501号公報、特開平6-100603号公報、特開2010-180320号公報、及び特開平8-198901号公報等に記載の方法が挙げられる。
なお、カチオン化澱粉の置換度は、CHN元素分析計(エレメンタール社製、商品名:VARIO ELIII)によって測定した、カチオン化澱粉の窒素含有量(N)質量%から下記の式より算出される。
置換度=(グルコースの分子量-水の分子量)×N÷(窒素の原子量×100-四級アンモニウムアルキル化試薬の分子量×N)
この置換度は、カチオン化の程度を示すものであり、澱粉の無水単糖ユニット当りに付加したカチオン基のモル数を示す値である。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、成分(D)として、ジメチルポリシロキサンを含有する。成分(D)を含有することで、高濃度でも保存安定性に優れ、衣料に発生した型崩れの高い回復性を維持したまま、風合いを向上させることができる。
本発明において、成分(A)と成分(C)は、複合体(以下、複合体(M)という場合がある)を形成していることが好ましい。すなわち、本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、成分(A)と成分(C)とを含む複合体(M)を含有することが好ましい。複合体(M)は、後述する成分(E)であるポリビニルアルコールを含有することが好ましい。
従って成分(A)、成分(C)及び任意の成分(E)が複合体微粒子を構成していると仮定して、成分(A)、成分(C)及び任意の成分(E)の合計に対する成分(A)の質量比は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、成分(E)として、ポリビニルアルコールを含有することが好ましい。とりわけ、本発明の衣料用仕上げ剤組成物が、成分(A)と成分(C)とを含む複合体微粒子を含有する場合、エマルジョンの貯蔵安定性をさらに向上させる観点から、前記複合体微粒子が、更に、成分(E)を含むことが好ましい。
成分(E)は重量平均分子量が10,000以上、そして、200,000以下、好ましくは100,000以下であるものが好適である。成分(E)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、アセトニトリルと水の混合溶液(リン酸緩衝液)を展開溶媒とし、ポリエチレングリコールを標準物質として測定することができる。
なお成分(A)、成分(C)及び任意の成分(E)の合計に対する成分(E)の質量比は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは4質量%以下である。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、成分(F)として、非イオン界面活性剤を含有することが好ましい。とりわけ、本発明の衣料用仕上げ剤組成物が、成分(A)と成分(C)とを含む複合体を含有する場合、複合体微粒子、好ましくは保護コロイドを構成し、安定化する観点から、前記複合体を含む後述の液状組成物Iが、更に、成分(F)を含むことが好ましい。本発明では、複合体微粒子、好ましくは保護コロイドを構成し、安定化する観点から、成分(F)は、具体的には、特開平10-195772号公報の7欄43行~8欄40行に記載されたものを用いることが出来る。成分(F)としては、好ましくは炭素数7以上22以下の飽和又は不飽和アルコールのエチレンオキサイド付加物であるポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテルである。該ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテルのオキシエチレン基の平均付加モル数は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上、そして、好ましくは60以下、より好ましくは50以下である。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、風合いをより良好にする観点から、成分(G)として、カチオン界面活性剤を含有することが好ましい。
カチオン界面活性剤としては、後述する下記一般式(G1)に包含されるアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩の他に、構造にエステル結合又はアミド結合を有するカチオン界面活性剤である、トリエタノールアミンのジ脂肪酸エステル四級アンモニウム塩、ジエタノールジメチルアミンのジ脂肪酸エステル四級アンモニウム塩、N-ヒドロキシエチル-N-メチル-プロパンジアミンの脂肪酸モノエステルモノアミド塩、またベンジル基を有するアルキルベンジルジメチル四級アンモニウム塩が挙げられ、その他にアルキルピリジニウム塩、ポリエチレンポリアミン等が挙げられる。
四級アンモニウム塩は、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸塩又は塩化物塩が好ましい。またアルキル基又は脂肪酸残基(カルボニル炭素原子を含む)の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。この段落においてカチオン界面活性剤は、アルキル基又は脂肪酸残基をアルケニル基や不飽和脂肪酸等の不飽和結合を有するものに置き換えた化合物も含まれる。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、仕上げ剤組成物の保存安定性の観点から、成分(H)として、水溶性有機溶剤を含有することができる。水溶性有機溶剤としては、液体柔軟剤組成物に用いられる一般的な水溶性有機溶剤が挙げられる。なお、成分(H)における「水溶性有機溶剤」とは、20℃の脱イオン水100gに対して20g以上溶解する有機溶剤をいう。水溶性有機溶剤の具体例としては、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、モノエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、イソプロパノール、及びエタノールから選ばれる1種以上を挙げることができる。これらの中でも、グリセリン及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物において、成分(H1)と成分(H2)の両方を含有する場合、成分(H1)の含有量と成分(H2)の含有量との質量比(H1)/(H2)は、仕上げ剤組成物の保存安定性の観点から、好ましくは2.0以上、より好ましくは5.0以上、そして、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは10以下である。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、成分(A)、成分(C)及び水を含有する液状組成物(以下、液状組成物Iという場合もある)を調製する工程Iと、工程Iで得られた液状組成物Iと成分(B)と成分(D)とを混合する工程IIとを有する製造方法により製造することが好ましい。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物の製造方法は、本発明の衣料用仕上げ剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
工程Iでは、成分(A)、成分(C)、成分(E)、成分(F)、及び水を含有する液状組成物Iであって、成分(A)、成分(C)、成分(E)が、複合体(M)として、更には複合体微粒子として、より更には保護コロイドとして、分散している液状組成物Iを調製することがより好ましい。
本発明の衣料の処理方法は、前記衣料用仕上げ剤組成物を、衣料の質量に対して0.1質量%から3質量%となるように水浴中で接触させるものであり、衣料の型崩れ回復とごわつきのない風合いを効果的に達成することができる。衣料の質量に対する衣料用仕上げ剤組成物の量が0.1質量%以上であると、前記衣料用仕上げ剤組成物を用いることによる効果を十分に得ることができ、3質量%以下であれば経済的に好ましい。
(1)複合体(M-1)の調製
窒素雰囲気下で重合反応槽に、成分(C)としてカチオン化澱粉8.9質量部、及びイオン交換水100質量部を添加し、90℃にて攪拌しながら均一溶解した後60℃まで冷却した。ここで、カチオン化澱粉は、コーンスターチと3-(N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド)-1,2-プロピレンオキサイドとの反応で得たもの(表中、C-1とした)であり、カチオン置換度は0.08、5%水溶液の50℃における粘度は70mPa・sであった。
次いで、成分(A)である重合体を含む複合体(M)を得るために、酢酸ビニルを10質量部とポリビニルアルコール(重量平均分子量66,000、表中、E-1とした)3質量部、非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(平均付加モル数40、HLB18.3)、表中、F-1とした)1.5質量部を、攪拌している前記カチオン化澱粉を含む水溶液に加え、さらに、リン酸3ナトリウム0.5質量部、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩0.4質量部、イオン交換水20質量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、酢酸ビニル、アクリル酸、N,N-ジメチルアクリルアミドの最終比率が95.5/2.5/2(質量比)になるように予め混合しておいたもの100質量部を、6時間かけて、反応溶液中に滴下した。滴下終了後、80℃に昇温し、1時間そのまま攪拌を続け、25℃まで冷却しエマルションを得た。冷却後、10質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いてエマルションのpHを5に調整し、成分(A)、成分(C)及び成分(E)を含有する複合体(M-1)、成分(F)並びに水を含む液状組成物Iを得た。液状組成物I中の複合体(M-1)の含有量は50質量%、(F)成分の含有量は0.6質量%であった。また、複合体(M-1)では、(A)/(C)/(E)の質量比は19/1.53/0.52であった。なお、複合体(M-1)は液状組成物I中で、複合体微粒子、具体的には保護コロイドを形成していた。
成分(A)である重合体(表中、A-1とした)は、酢酸ビニル/アクリル酸/N,N-ジメチルアクリルアミドが95.5/2.5/2(質量比)の重合体(重量平均分子量340,000)であった。
下記の製造方法により、B-1を製造した。
2-エチル-2-オキサゾリン12.9g(0.13モル)と酢酸エチル27.7gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(商品名:ゼオラムA-4、東ソー株式会社製)2.0gで15時間脱水を行った。また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量100,000、アミン当量20,000)100gと酢酸エチル203gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.2gで15時間脱水を行った。上記の脱水2-エチル-2-オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル0.77g(0.005モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。この末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液に一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン-ジメチルシロキサン共重合体を白色ゴム状固体(108g、収率95%)として得た。最終生成物におけるポリシロキサン鎖部分とポリ(N-アシルアルキレンイミン)との質量比(ポリシロキサン鎖/ポリ(N-アシルアルキレンイミン))は88.6/11.4、最終生成物の重量平均分子量は115,000であった。
実施例1~6、比較例1及び参考例1
表1に示す配合量にしたがって衣料用仕上げ剤組成物を調製した。具体的には以下の通り調製した。500mLビーカーに衣料用仕上げ剤組成物の全量が400gになる量のイオン交換水(温度:25℃)を入れた。このビーカーに上記製造法で得られた成分(B)及び下記成分(D)を投入して、成分(G)を含む場合は下記成分(G)も併せて投入し、均一に溶解させた後10分間撹拌した。更に成分(H)を含む場合は下記成分(H)も加えて均一溶解させた後に、上記合成例にて得られた複合体(M-1)を含む液状組成物Iを投入して10分間撹拌した。
表1の各組成物は、合計で100質量%となる。表1の各組成物の25℃におけるpHは5であった。得られた組成物について、後述の評価方法に沿って、保存安定性、型崩れ回復性効果、風合いを評価した。結果を表1に示す。なお表1において、液状組成物Iに含まれる水は、衣料用仕上げ剤組成物中に含まれる水に算入して表記した。
<成分(A)>
A-1:酢酸ビニル/アクリル酸/N,N-ジメチルアクリルアミドが95.5/2.5/2(質量比)の重合体(重量平均分子量340,000)
<成分(B)>
B-1:上記製造法で得られたもの
<成分(C)>
C-1:カチオン化澱粉(コーンスターチと3-(N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド)-1,2-プロピレンオキサイドとの反応で得たもの。カチオン置換度0.08、粘度70mPa・s(5%水溶液、50℃))
<成分(D)>
D-1:ジメチルポリシロキサン、KF-96L-2cs(動粘度(25℃)2mm2/s、信越化学工業株式会社製)
D-2:ジメチルポリシロキサン、KF-96-20cs(動粘度(25℃)20mm2/s、信越化学工業株式会社製)
D-3:ジメチルポリシロキサン、KF-96-100cs(動粘度(25℃)100mm2/s、信越化学工業株式会社製)
D-4:ジメチルポリシロキサン、KF-96-500cs(動粘度(25℃)500mm2/s、信越化学工業株式会社製)
<成分(E)>
E-1:ポリビニルアルコール(重量平均分子量66,000)
<成分(F)>
F-1:非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、平均付加モル数40、HLB18.3)
<成分(G)>
G-1:ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド(一般式(G1)中、R1gがステアリル基、R2g、R3g、R4gがメチル基、Y―が塩化物イオンの化合物)
<成分(H)>
H-1:グリセリン
H-2:プロピレングリコール
各衣料用仕上げ剤組成物を調製後、室温にて60分間静置後の外観を目視で確認し、下記の判定基準で保存安定性を判定した。結果を表1に示す。
〔判定基準〕
〇:均一であり、且つ分離がない。
×:不均一又は分離している。
T/C天竺(ニット)布(綿50質量%、ポリエステル50質量%、MVSカラーTOP天竺、サックスモク、双日ファッション株式会社製)2kgを市販の液体洗剤(花王株式会社製のアタックバイオジェル(登録商標)、2019年製)を用いて全自動洗濯機(日立アプライアンス株式会社製、NW-7FT)で5回繰り返し洗濯した(洗剤濃度0.083質量%、水道水(20℃)40L使用、標準コース(洗濯9分-すすぎ2回-脱水6分)、浴比20)。
洗濯したT/Cニット布を25℃/40%RHの環境下で12時間乾燥させて5×7cm角に裁断した試験布(X1)及び、10×20cm角に裁断した試験布(X2)を得た。
次いで、500mLプラスチックカップに水道水(炭酸塩アルカリ度:37mg/L CaCO3)285g、及び各衣料用仕上げ剤組成物0.12gをそれぞれ加えてマグネットスターラーと回転子(クロスヘッド回転子ダブル、型番001.1140、高さ14mm、直径40mm、アズワン株式会社製)を使用して1分間撹拌した(回転速度400rpm)。撹拌後、この溶液に試験布(X1)を6枚及び、試験布(X2)を2枚(9.5g)入れ、5分間撹拌した(回転速度400rpm)。その後、二層式洗濯機(東芝ライフスタイル株式会社製、VH-52G(H))を用い、試験布(X1及びX2)を脱水槽に入れて1.5分間脱水し、布の形を元のように手で整えて25℃/40%RHの環境下で12時間乾燥させた。乾燥後、処理した試験布(X1)を試験布(X3)、処理した試験布(X2)を試験布(X4)とした。
各衣料用仕上げ剤組成物で処理した各試験布(X3)の型崩れ回復性を以下の基準サンプル1、3と比較して下記判定基準にて得点をつけて平均点を求めることにより評価した。なお、評価はT/C天竺布や衣類の外観状態の変化を判断するのによく訓練された専門評価者5名により評価判定した。基準サンプル1は、未処理の前記T/C天竺布を、前記の全自動洗濯機を使用して、前記のように洗剤で5回洗濯した後に、さらに洗剤なしで前記と同様の方法で2回洗濯を繰り返すことによって劣化した状態になったものを使用した。
型崩れ回復性評価は、数値が高いほど優れており、具体的には2.0以上が好ましい。
基準サンプル1:未処理で型崩れしている前記T/C天竺布
基準サンプル3:比較例1の試験布(X3)
基準サンプル1は強く型崩れがあり、基準サンプル3は型崩れの回復性があった。
0 :基準サンプル1の試験布と同等の外観で、強い型崩れがあり、型崩れ回復性がない。
1.0:基準サンプル1の試験布より、やや型崩れが少ないが、型崩れ回復性は低い。
2.0:基準サンプル1の試験布より型崩れが少なく、やや型崩れ回復性がある。
2.5:基準サンプル3の試験布より、やや型崩れが残っているが、型崩れ回復性がある。
3.0:基準サンプル3の試験布と同等の外観で、明らかに型崩れ回復性がある。
各衣料用仕上げ剤組成物で処理した各試験布(X4)の風合いを以下の基準サンプル2、3と比較して下記判定基準にて得点をつけて平均点を求めることにより評価した。なお、評価はT/C天竺布や衣類の風合いの変化を判断するのによく訓練された専門評価者5名により評価判定した。
風合い評価は数値が高いほど優れている。
基準サンプル2:未処理の前記T/C天竺布
基準サンプル3:比較例1の試験布(X4)
基準サンプル3はごわつきがあり、基準サンプル2はごわつきがなかった。
0 :基準サンプル3の試験布と同等の風合いで、ごわつく。
1.0:基準サンプル3の試験布より、ややごわつきが少ない。
2.0:基準サンプル3の試験布よりごわつきが少なく、ごわつきはあまりない。
2.5:基準サンプル2の試験布よりやや風合いの違いを感じるが、ごわつきはない。
3.0:基準サンプル2の試験布と同等の風合いで、明らかにごわつきがない。
Claims (10)
- 成分(A)を5質量%以上50質量%以下、成分(B)を0.05質量%以上5質量%以下含有する、請求項1に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
- 成分(B)が、ポリシロキサンとポリ(N-アシルアルキレンイミン)との質量比(ポリシロキサン/ポリ(N-アシルアルキレンイミン))が1.5以上50以下であり、重量平均分子量が20,000以上500,000以下である、請求項1又は2に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
- 成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比(A)/(B)が5以上250以下である、請求項1から3の何れか1項に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
- 成分(D)の25℃における動粘度が1mm2/s以上1000mm2/s以下である、請求項1から4の何れか1項に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
- 成分(C)を0.1質量%以上10質量%以下含有する、請求項1から5の何れか1項に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
- 成分(D)を0.05質量%以上5質量%以下含有する、請求項1から6の何れか1項に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
- 成分(A)と成分(C)を含む複合体微粒子を含有する、請求項1から7の何れか1項に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
- 前記複合体微粒子が、更に、(E)ポリビニルアルコール(以下、成分(E)という)を含む、請求項8に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
- 前記複合体微粒子が保護コロイドである、請求項8又は9に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019102072A JP7254424B2 (ja) | 2019-05-31 | 2019-05-31 | 衣料用仕上げ剤組成物 |
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