JP2004211232A - 繊維製品のしわ除去剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリシロキサン鎖の末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、特定の繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合しているポリアシルアルキレンイミン変性シリコーン化合物を含有するしわ除去剤組成物を用い、回転式加熱乾燥機により繊維製品を加熱処理する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維製品のしわ除去剤組成物、しわ除去材、しわ除去方法に関する。
特に、回転式乾燥機を用いて繊維製品を処理する上で好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ワイシャツやポロシャツなどの衣料は洗濯/すすぎ/脱水/乾燥を通じて洗濯じわが形成され、特に木綿などのセルロース系繊維を主成分とする衣料はアイロンがけを省いては着用できない程度にしわが形成される。また、近年形態安定化加工が施されたワイシャツなどが普及しているが、これらも着用/洗濯を繰り返すうちに効果が低下し、アイロンがけを全く省くまでには至っていない。しかし、アイロンがけは最も手間のかかる家事の一つであることから、アイロンがけをしなくても着用できる程度に簡単にしわが除去できる方法が熱望されている。
【0003】
家庭用の回転式加熱乾燥機を用いた衣料の処理剤及び処理方法はすでに知られている。特許文献1には常温で固体状の造膜性高分子化合物を基体に担持させた洗濯物乾燥機用帯電防止剤の技術が開示されている。特許文献2には抗真菌剤を担持させた乾燥機用繊維製品処理材が開示されている。特許文献3〜7には柔軟剤を含有する特定の基材からなる乾燥機用衣料コンディショニング製品が開示されている。特許文献8〜9には特定のシリコーン化合物を含有する乾燥機用シートの技術が開示されている。特許文献10には柔軟剤と特定の汚れ剥離重合体を含有する自動布乾燥機用処理剤が開示されている。しかしながら、これら技術はしわ除去に関しては何ら示唆するものではなく、しかもこれら公報の技術を用いても満足できるしわ除去効果を得ることができない。
【0004】
また、衣料からしわを除去する方法についても多くの研究がなされている。特許文献11〜13にはポリカルボン酸を含有する処理剤を繊維に含浸させ加熱処理する、防しわ効果と防縮効果を有するセルロース繊維の製造方法が開示されている。特許文献14〜18には特定のポリオルガノシロキサン系化合物を用いた繊維処理剤が開示されている。しかしながら、これら技術は工業用に開発されたものであり、一般家庭で簡単にしわ除去する方法については何ら開示するものではない。
【0005】
一般家庭で簡単にしわを除去する方法として、特許文献19及び特許文献20にはスプレー処理するアイロンを必要としないしわ取り用水性組成物が開示されている。特許文献21にはポリヒドロキシ脂肪酸アミドなどの非イオン界面活性剤を洗浄成分として用いるしわ形成を抑制する洗浄剤の技術が開示されている。
しかしながら、これら技術が対象としている衣料はスーツやスラックスなどのウール製品の着用じわであり、これら対象衣料にはある程度効果が得られるものの、木綿製品の洗濯じわに関しては満足できる効果を有するものではない。
【0006】
一方、ポリアシルアルキレンイミン変性シリコーン化合物を繊維処理剤として用いる技術は特許文献22におしゃれ着用の処理剤として開示されている。この技術によれば、該組成物を洗濯機のすすぎ工程の段階で用いることで衣料に好ましい風合いを付与できるが、木綿製品の洗濯じわを除去する効果に関しては満足できるものではない。
【0007】
従って本発明の課題は、アイロンがけを必要とせず、一般家庭で簡単に行える繊維製品のしわ除去方法、及び該効果を付与できるしわ除去剤組成物、並びにしわ除去材を提供することにある。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−25979号公報
【特許文献2】
特開平10−121375号公報
【特許文献3】
特表平9−502369号公報
【特許文献4】
特表平10−512929号公報
【特許文献5】
特開平7−82669号公報
【特許文献6】
特開平7−18578号公報
【特許文献7】
特開昭52−31200号公報
【特許文献8】
特開平6−17376号公報
【特許文献9】
特開昭63−42978号公報
【特許文献10】
特開昭62−45780号公報
【特許文献11】
特開平7−243176号公報
【特許文献12】
特開平8−27666号公報
【特許文献13】
特開平8−13334号公報
【特許文献14】
特開平7−70937号公報
【特許文献15】
特開平9−228255号公報
【特許文献16】
特開平9−217282号公報
【特許文献17】
特開平10−96173号公報
【特許文献18】
特開平10−195781号公報
【特許文献19】
特開平10−25660号公報
【特許文献20】
特開平10−46471号公報
【特許文献21】
特表2001−526741号公報
【特許文献22】
特開平11−229273号公報
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリシロキサン鎖の末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合している、ポリアシルアルキレンイミン変性シリコーン化合物を含有する、回転式加熱乾燥機による繊維製品の加熱処理に使用される、繊維製品のしわ除去剤組成物に関する。
【0010】
【化2】
【0011】
〔式中、R1は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、nは2又は3の数を示す。〕。
【0012】
また、本発明は、上記本発明の繊維製品のしわ除去剤組成物を可撓性吸収体に担持させてなる、回転式加熱乾燥機による繊維製品の加熱処理に使用される、繊維製品のしわ除去材に関する。
【0013】
また、本発明は、上記本発明の繊維製品のしわ除去材の存在下で、繊維製品を回転式加熱乾燥機により加熱処理する、繊維製品のしわ除去方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
(しわ除去剤組成物)
本発明のしわ除去剤組成物は、ポリシロキサン鎖の末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合しているポリアシルアルキレンイミン変性シリコーン化合物(以下(a)成分という)を含有する。
【0015】
【化3】
【0016】
〔式中、R1は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、nは2又は3の数を示す。〕。
【0017】
一般式(1)中のR1で示されるアルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、シクロアルキル基としては、炭素数3〜6のものが好ましく、アラルキル基としては、フェニルアルキル基、ナフチルアルキル基等が好ましく、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アルキル基置換フェニル基等が好ましく、nは2又は3である。
【0018】
また、ヘテロ原子を含むアルキレン基としては、窒素原子、酸素原子又はイオウ原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基を挙げることができる。具体的に好ましいヘテロ原子を含むアルキレン基としては、下記式で表されるものを挙げることができる。
【0019】
【化4】
【0020】
(a)成分は、ポリシロキサン鎖部分とポリ(N−アシルアルキレンイミン)との質量比が、好ましくは98/2〜30/70であり、特に好ましくは94/6〜40/60である。ここで質量比とは、製造時において反応に使用するポリシロキサン鎖とポリ(N−アシルアルキレンイミン)の質量比であってもよい。
【0021】
本発明の(a)成分の重量平均分子量は、好ましくは20,000〜500,000であり、より好ましくは50,000〜500,000であり、特に好ましくは100,000〜300,000である。
【0022】
ここでポリシロキサン鎖部分の含有率は、プラズマ発光分析によるケイ素原子定量分析により求めた値であり、重量平均分子量はクロロホルムを展開溶媒としたゲル浸透型液体クロマトグラフィーから求めたポリスチレン重量換算分子量である。
【0023】
本発明のしわ除去剤組成物は、しわ除去効果を向上させる目的から、融点が30〜100℃の有機化合物(以下(b)成分という)を併用することが好ましい。具体的に好ましい(b)成分としては(1)炭素数12〜28の脂肪酸又は脂肪アルコール、(2)植物油、動物油から選ばれる油脂を水素化触媒を用いて水素化又は部分水素化した硬化油脂、または半硬化油脂、もしくはこれらのアルキレンオキシド付加物、(3)アルキレン基の炭素数が2又は3の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリエチレングリコールを標準として求める)が1000〜15,000のポリアルキレングリコール、(4)アルキル基の炭素数が10〜18であり、平均付加モル数が20〜200のポリオキシエチレンアルキルエーテル、又は炭素数12〜18の脂肪酸と平均付加モル数20〜200のポリオキシアルキレンとのエステル化合物、(5)炭素数3〜8のヒドロキシ基を3〜6個有する多価アルコールと炭素数12〜20の脂肪酸とのエステル化合物(但し(2)の化合物は除く)、またはこれらのアルキレンオキシド付加物、(6)炭素数8〜24の脂肪酸と炭素数6〜24の1価アルコールとのエステル化合物(但し(2)の化合物は除く)を挙げることができる。
【0024】
(1)の化合物としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。(2)の化合物としては、ステアリン酸残基が30mol%以上、好ましくは40mol%以上含まれる油脂が好ましく、具体的には硬化、又は半硬化牛脂、硬化、又は半硬化パーム油、硬化、又は半硬化綿実油、硬化、又は半硬化オリーブ油から選ばれる油脂が好適である。本発明では特に硬化、又は半硬化牛脂、硬化、又は半硬化パーム油が好適である。(3)の化合物としては重量平均分子量が2000〜15,000のポリエチレングリコールが好適である。(4)の化合物としては、アルキル基の炭素数が12〜18であり平均付加モル数55〜200のポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び炭素数12〜18の飽和脂肪酸と平均付加モル数55〜200のポリオキシエチレンとのエステル化合物が好適である。(5)の化合物の多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、及びアピオース、アラビノース、ガラクトース、グルコース、リキソース、マンノース、ガロース、アルドース、イドース、タロース、キシロースから選ばれる還元糖、ソルビタン、ソルビトール、イソソルバイト、ソルバイトが好適であり、脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が好ましい。本発明では特にソルビタン、ソルビトール、イソソルバイト、及びソルバイトから選ばれる多価アルコールとラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸から選ばれる脂肪酸とのエステルが好ましい。また、融点を調整する目的からこれらにさらにエチレンオキシドを1〜30モル付加させた化合物を用いることも可能である。(6)の化合物の脂肪酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が好適であり、1価アルコールとしては、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコールが好適である。
【0025】
融点が30〜100℃の有機化合物であっても、含窒素化合物はしわ除去効果を妨げる場合があるため、含有しないほうが好適である。
【0026】
本発明のしわ除去剤組成物は、(a)成分を1〜50質量%、更に3〜45質量%、特に5〜40質量%含有することが好ましい。
【0027】
また、(b)成分を含有する場合、(a)成分と(b)成分の質量比が、(a)成分/(b)成分で、1/99〜50/50、更に5/95〜45/55、特に10/90〜40/60であることが好ましい。また、(a)成分と(b)成分の合計は、50〜100質量%、更に70〜100質量%、特に80〜100質量%であることが好ましい。
【0028】
(a)成分及び(b)成分以外にしわ除去剤組成物に含有することができる成分としては、色素、香料、溶剤を挙げることができる。
【0029】
本発明のしわ除去剤組成物は、回転式加熱乾燥機による繊維製品の加熱処理に使用される。その際、予め該しわ除去剤組成物を繊維製品に噴霧、含浸等により付着させた後、上記処理に供しても良いが、好ましくは後述のように、該しわ除去剤組成物を適当な可撓性吸収体に担持させたしわ除去材として、用いることである。
【0030】
(しわ除去材)
本発明のしわ除去材は、上記本発明のしわ除去剤組成物を可撓性吸収体に担持させた物品であり、回転式加熱乾燥機による繊維製品の加熱処理に使用される。
これにより、担持したしわ除去剤組成物が繊維製品に有効に適用され、しわ除去効果が発現する。
【0031】
可撓性吸収体としては紙、織物、不織布、スポンジを挙げることができ、特に空隙率が70〜98%のものが好ましい。ここで、空隙率は下式で求めることができる。
空隙率=[1−W/(T×ε)]×100
〔式中、Wは可撓性吸収体の質量(g)であり、Tは可撓性吸収体の見かけ体積(cm3)であり、εは可撓性吸収体を構成する材料の比重を示す。〕。
【0032】
本発明では特に、しわ除去効果の点から不織布が最も好適である。不織布としては、湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド、エアレイ等の乾式不織布の他にスパンレース、スパンボンド、メルトブローン、ニードルパンチ及び/又はステッチボンドを挙げることができるが、特に湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド、メルトブローン、又は、スパンレースから選ばれる1種以上がしわ除去効果の点から好ましい。また、不織布は坪量10〜150g/m2、より好ましくは10〜100g/m2、特に好ましくは15〜80g/m2のものが好ましい。
【0033】
不織布の材質としてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルから選ばれる疎水性繊維、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、ポリウレタン、セルロース、から選ばれる親水性繊維を用いることができる。本発明では疎水性繊維及び親水性繊維を併用することができる。
【0034】
不織布を構成する繊維は1.0〜20dtex、好ましくは1〜10dtexが好適であり、繊維長は38〜102mmが好適である。
【0035】
本発明の可撓性吸収体はブロック状でもよくシート状でも良いが、しわ除去効果の点からシート状のものが良好である。シートの厚さとしては好ましくは平均20μm〜1000μm、特に好ましくは50μm〜500μmであり、回転式加熱乾燥機の大きさにもよるが、縦10〜30cm、横10〜50cm程度の大きさのものが適当である。
【0036】
本発明のしわ除去材は、上記可撓性吸収体に上述の本発明のしわ除去剤組成物を担持させてなる。可撓性吸収体がシート状のものを用いる場合において、しわ除去剤組成物の担持量は、好ましくは3〜80g/m2、より好ましくは5〜60g/m2、特に好ましくは10〜45g/m2が好適である。担持方法としてはリバースロールコーター法、グラビアロールコーター法、オポジットナイフコーター法、インバースナイフコーター法、キスロールコーター法、スプレーコート法、エアナイフコーター法、ディップロールコーター法、ダイレクトロールコーター法、ハケ塗り法等の湿式コーティング法を用いて担持させることができ、特にグラビアロールコーター法が製造の容易性の点から好ましい。
【0037】
なお、しわ除去剤組成物を担持させるに際しては、エタノール、イソプロパノールなどの溶媒にしわ除去剤組成物を溶解または分散させて可撓性吸収体に含浸させた後、溶媒を除去する方法、あるいは、しわ除去剤組成物を50〜150℃に融解させて、可撓性吸収体に含浸させた後、冷却して担持させる方法が採用される。
【0038】
(しわ除去方法)
本発明ではこのような繊維製品を、上記本発明の繊維製品のしわ除去材の存在下で、繊維製品を回転式加熱乾燥機により加熱処理する。繊維製品に対するしわ除去材の比率は、しわ除去材中のしわ除去剤組成物の質量が繊維製品の質量に対して好ましくは0.01〜5%、より好ましくは0.03〜3%になる比率である。また、繊維製品の量は回転式加熱乾燥機の乾燥室の体積に対して少ないほど良く、30g/m3以下になるように投入することが好ましい。
【0039】
本発明では回転式加熱乾燥機の回転によって、繊維製品が繰り返し機械力を受けることで緩く引き伸ばされた状態となる。また、このような状態でしわ除去材と繊維製品が接触すると、しわ除去材中のしわ除去剤組成物が繊維製品に均一に吸着する。本発明の(a)成分はこのような状態で繊維製品に滑り性を与え、更に(b)成分を併用する場合、(b)成分は繊維製品に張り性を付与することができ、これら2種の成分が相乗的に作用して高いしわ除去効果を付与できるものと本発明者らは考えている。回転式加熱乾燥機処理の温度は、好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜100℃であり、処理時間は、好ましくは5〜40分、より好ましくは10〜30分である。
【0040】
【発明の効果】
本発明のしわ除去剤組成物は、回転式加熱乾燥機による繊維製品の加熱処理により、繊維製品にしわ除去効果を付与することができるので、アイロンがけを行わなくても、簡易にしわのない繊維製品を提供できる。
【0041】
【実施例】
〔1〕(a)成分の製造方法
下記の製造方法(i)〜(iii)により、(a)成分を製造した(特開平7−133352号公報参照)。
【0042】
製造方法(i)
硫酸ジエチル3.75g(0.0244モル)と2−エチル−2−オキサゾリン58.6g(0.591モル)を脱水した酢酸エチル125gに溶解し、窒素雰囲気下5時間過熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量110,000、アミン当量9,840)200g(アミノ基にして0.0203モル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、8時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性ポリジメチルシロキサンを淡黄色ゴム状固体(257g、収率98%)として得た。シリコーンセグメントの含有率は76%、重量平均分子量は118,000であった。また、溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、アミノ基が残存していないことを確認した。
【0043】
製造方法(ii)
硫酸ジエチル29.7g(0.193モル)と2−エチル−2−オキサゾリン153g(1.54モル)を脱水した酢酸エチル370gに溶解し、窒素雰囲気下3時間過熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量90,000、アミン当量1,870)300g(アミノ基にして0.160モル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性ポリジメチルシロキサンを淡黄色ゴム状固体(468g、収率97%)として得た。シリコーンセグメントの含有率は61%、重量平均分子量は102,000であった。また、溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、アミノ基が残存していないことを確認した。
【0044】
製造方法(iii)
硫酸ジエチル3.75g(0.0244モル)と2−エチル−2−オキサゾリン49.8g(0.585モル)を脱水したクロロホルム107gに溶解し、窒素雰囲気下5時間過熱還流し、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量110,000、アミン当量9,840)400g(アミノ基にして0.0407モル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、13時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)変性ポリジメチルシロキサンを淡黄色ゴム状固体(444g、収率98%)として得た。シリコーンセグメントの含有率は88%、重量平均分子量は137,000であった。また、溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、アミノ基が残存していないことを確認した。
【0045】
〔2〕しわ除去剤組成物
表1に示す組成のしわ除去剤組成物を調製した。なお、(a)及び(b)成分としては下記のものを用いた。
【0046】
(a)成分:(i)〜(iii):製造方法(i)〜(iii)で得られたもの
(iv):未変性ジメチルシリコーン(SH−200−5000、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)
(v):アミノ変性シリコーン(KF−864、信越化学工業株式会社製)
(b)成分:(b−1)ソルビタンモノステアレート(商品名レオドールスーパーSP−S10、花王株式会社製、融点52℃)
(b−2)ステアリルアルコール(試薬、融点60℃)
(b−3)ポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名エマルゲン220、花王株式会社製、融点約40℃)。
【0047】
〔3〕しわ除去材
表1のしわ除去剤組成物を約70℃で溶融混合した後、空隙率93%、坪量20g/m2、厚さ約200μmのポリエステル不織布にグラビアロールコーター法により担持させた。その際、担持量は30g/m2になるよう調節した。こうして得られたシートを縦20cm、横30cmに裁断し試験用のしわ除去材とした。
【0048】
〔4〕しわ除去方法
市販のYシャツ(商品名:形態安定シャツ ECOSYS 28℃ ポリエステル/綿=50/50)を予め全自動洗濯機(松下電器産業株式会社製 NA−F50K1 やさしい愛妻号 標準コース)を用いて60回繰り返し洗濯したものをしわ評価用Yシャツとした。
【0049】
家庭用回転式衣類乾燥機(松下電器産業株式会社製 NH−D502型)を用いて、吊り干し乾燥後のしわ評価用Yシャツを3枚と、試験用のしわ除去材1枚を投入してから20分間乾燥機を運転した。この条件では、しわ除去材中のしわ除去剤組成物の質量はしわ評価用Yシャツの質量に対して約0.3%となり、またしわ評価用Yシャツの量は乾燥室の体積に対して8g/m3になる。
【0050】
乾燥機で処理したYシャツを乾燥機から取り出し室温で1時間放置した後、しわの取れ具合を判定した。判定には5名のパネラーによって、以下に示す基準で採点してもらい、その平均値を求めてしわレベルの評価点とした。結果を表1に示す。
【0051】
「しわ判定基準」
5:全くしわがない
4:ほとんどしわがない
3:わずかにしわが残っている
2:かなりしわが残っている
1:著しくしわが残っている
【0052】
【表1】
Claims (3)
- 請求項1記載の繊維製品のしわ除去剤組成物を可撓性吸収体に担持させてなる、回転式加熱乾燥機による繊維製品の加熱処理に使用される、繊維製品のしわ除去材。
- 請求項2記載の繊維製品のしわ除去材の存在下で、繊維製品を回転式加熱乾燥機により加熱処理する、繊維製品のしわ除去方法。
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