JP4322590B2 - 繊維製品のしわ除去剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は繊維製品のしわ除去剤組成物、しわ除去材、しわ除去方法に関する。特に、回転式乾燥機を用いて繊維製品を処理する上で好適な技術に関する。
ワイシャツやポロシャツなどの衣料は洗濯/すすぎ/脱水/乾燥を通じて洗濯じわが形成され、特に木綿などのセルロース系繊維を主成分とする衣料はアイロンがけを省いては着用できない程度にしわが形成される。また、近年形態安定化加工が施されたワイシャツなどが普及しているが、これらも着用/洗濯を繰り返すうちに効果が低下し、アイロンがけを全く省くまでには至っていない。しかし、アイロンがけは最も手間のかかる家事の一つであることから、アイロンがけをしなくても着用できる程度に簡単にしわが除去できる方法が熱望されている。
衣料からしわを除去する方法については工業用及び家庭用向けに多くの研究がなされている。工業用に開発された方法としては、特許文献1〜3には、ポリカルボン酸を含有する処理剤を繊維に含浸させ加熱処理する、防しわ効果と防縮効果を有するセルロース繊維の製造方法が開示されている。特許文献4〜8には特定のポリオルガノシロキサン系化合物を用いた繊維処理剤が開示されている。しかしながら、これら技術は工業用に開発されたものであり、一般家庭で簡単にしわ除去する方法については何ら開示するものではない。
一般家庭で簡単にしわ除去する方法として、特許文献9〜10にはスプレー処理するアイロンを必要としないしわ取り用水性組成物が開示されている。特許文献11にはポリヒドロキシ脂肪酸アミドなどの非イオン界面活性剤を洗浄成分として用いるしわ形成を抑制する洗浄剤の技術が開示されている。しかしながら、これら技術が対象としている衣料はスーツやスラックスなどのウール製品の着用じわであり、これら対象衣料にはある程度効果が得られるものの、木綿製品の洗濯じわに関しては満足できる効果を有するものではない。
一方、ポリグリセロール変成シリコーンはすでに公知である。特許文献12では、オキシアルキレン基を連結基として、ポリグリセロール基を有するシリコーン化合物の製法を開示しており、特許文献13では、エステル基を連結基として、ポリグリセロール基を有するシリコーン化合物及びその製法について開示している。しかしながら、上記先行技術は化粧品や毛髪洗浄剤に応用するものであり、繊維製品に用いた場合の効果については何ら示唆するものではない。また、特許文献12には繊維処理剤への応用が示唆されているが、特定の処理方法を行うことで繊維製品のしわ除去に高い効果を有する点については何ら示唆するものではない。
特開平7−243176号公報 特開平8−27666号公報 特開平8−13334号公報 特開平7−70937号公報 特開平9−228255号公報 特開平9−217282号公報 特開平10−96173号公報 特開平10−195781号公報 特開平10−25660号公報 特開平10−46471号公報 特表2001−526741号公報 特開昭57−149290号公報 特開平9−278892号公報
従って本発明の課題はアイロンがけを必要とせず、一般家庭で簡単に行える繊維製品のしわ除去方法、及び該効果を繊維製品に付与できるしわ除去剤組成物、並びにしわ除去材を提供することにある。
本発明は、(a)(ポリ)グリセロール変性シリコーン〔以下、(a)成分という〕及び(b)融点が30〜100℃の有機化合物〔以下、(b)成分という〕を含有する、回転式加熱乾燥機による繊維製品の加熱処理に使用される、繊維製品のしわ除去剤組成物に関する
また、本発明は、上記本発明の繊維製品のしわ除去剤組成物を可撓性吸収体に担持させてなる、回転式加熱乾燥機による繊維製品の加熱処理に使用される、繊維製品のしわ除去材に関する。
また、本発明は、上記本発明の繊維製品のしわ除去材の存在下で、繊維製品を回転式加熱乾燥機により加熱処理する、繊維製品のしわ除去方法に関する。
本発明によれば、アイロンがけを必要とせず、一般家庭で簡単に行える繊維製品のしわ除去方法、及び該効果を繊維製品に付与できるしわ除去剤組成物、並びにしわ除去材が得られる。
<(a)成分>
本発明では、(ポリ)グリセロール変成シリコーン〔以下(a)成分という〕を用いる。使用できる(a)成分としては特開平9 −71504号公報、特開平10 −316526号公報、
に記載のシリコーンを用いることができる。本発明ではしわ除去効果の点から、シリコーンのケイ素原子に、連結基を介して、下記構造式(1)で表わされる分岐グリセロール基を1個以上含有する分岐(ポリ)グリセロール鎖が少なくとも1つ結合した分岐(ポリ)グリセロール変性シリコーン化合物が最も好ましい。
Figure 0004322590
〔式中、2つの酸素原子には、同一又は異なって、上記構造式(1)、下記構造式(2)、(3)もしくは(4)
Figure 0004322590
で表されるグリセロール基、又はグリシドール基が結合する。〕
本発明において、分岐(ポリ)グリセロール鎖は、分岐基として1個以上の構造式(1)で表わされる分岐グリセロール基(以下、基(1)という)を含有するものである。分岐(ポリ)グリセロール鎖の構造は、a個の基(1)、b個の構造式(2)で表されるグリシドール基(以下、基(2)という)、c個の構造式(3)で表されるグリセロール基(以下、基(3)という)、及び末端基としてd個の構造式(4)で表されるグリセロール基(以下、基(4)という)が結合してなるものである(但し、aは1以上の整数、b及びcは0以上の整数、dは2以上の整数を示す。)
本発明において、分岐(ポリ)グリセロール鎖中の、基(1)、(2)、(3)及び(4)の数(a+b+c+d)は3以上であり、後述するNMR解析ないし前駆体シリコーンとの分子量比較により求められる、分岐(ポリ)グリセロール鎖中の基(1)、(2)、(3)及び(4)の数平均結合数は、3〜200であることが好ましく、3〜100であることが更に好ましく、3〜50であることが特に好ましい。
分岐(ポリ)グリセロール鎖中、分岐の割合は、十分な吸着効果を有するために、a/(a+b+c+d)が、1/10〜1/2が好ましく、1/5〜1/2が更に好ましい。
分岐(ポリ)グリセロール鎖中において、基(1)、(2)、(3)及び(4)は、任意に結合していてもよい。
シリコーンのケイ素原子と、前述の分岐(ポリ)グリセロール鎖を結合する連結基は、エーテル基又はエステル基を有する2価の基であることが好ましい。
エーテル基を有する2価の基としては、一般式(5)で表わされる基(以下、連結基(5)という)が好ましい。
なお、連結基(5)は、(R5aeがケイ素原子に結合し、(AO)fが分岐(ポリ)グリセロール鎖に結合する。
−(R5ae−O−(AO)f− (5)
(式中、R5aは、置換基を有していてもよい、炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、アルケニレン基又は炭素数6〜22のアリーレン基、AOは炭素数1〜4のアルキレンオキシ基又は炭素数6〜10のアリーレンオキシ基、eは0又は1の数、fは0〜30の数を示し、f個のFOは同一でも異なっていてもよい。)
エステル基を有する2価の基としては、一般式(6)で表わされる基(以下、連結基(6)という)が好ましい。なお、連結基(6)は、R6aがケイ素原子に結合し、(AO)gが分岐(ポリ)グリセロール鎖に結合する。
−R6a−COO−(AO)g− (6)
(式中、R6aは、置換基を有していてもよい、炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、アルケニレン基又は炭素数6〜22のアリーレン基、gは0〜30の数、AOは前記の意味を示し、g個のAOは同一でも異なっていてもよい。)
連結基(5)及び(6)において、R5a及びR6a中のアリーレン基は、アルキレンアリーレン基、アリーレンアルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基を含む。R5a及びR6aとしては、好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜12のアルキレン基又はアルケニレン基であり、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン、ヘキサデカメチレン基等が挙げられる。
eは1が好ましい。f及びgは、0〜15が好ましく、0〜8が更に好ましい。f個のAO、g個のAOは、同一又は異なって、ランダム又はブロック何れの形態で結合していてもよい。好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基又はフェニレンオキシ基である。
5a及びR6a中の置換基として、ヒドロキシ基、アミノ基(炭素数1〜22)、イミノ基(炭素数1〜22)、カルボキシ基、アルコキシ基(炭素数1〜22)、アシル基(炭素数1〜22)等が挙げられる。
本発明の分岐(ポリ)グリセロール変性シリコーンを形成するシリコーンは、ポリシロキサンから誘導されるものであり、ポリシロキサンの形状は鎖状、分岐鎖状、環状の何れであってもよい。また、ポリシロキサンの数平均分子量は、好ましくは300〜50万、より好ましくは300〜10万、更に好ましくは500〜5万である。数平均分子量は、後述する測定法により求めることが出来る。
これらポリシロキサンの具体例としては、例えば、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン等を挙げることができる。
本発明の分岐(ポリ)グリセロール変性シリコーンとしては、一般式(7)で表わされるシリコーン(以下、シリコーン(7)という)が好ましい。
Figure 0004322590
(式中、R7a、R7b、R7c、h個のR7d、h個のR7e、R7f、R7g、R7hは、同一又は異なって、分岐(ポリ)グリセロール鎖が結合した連結基、置換基を有していてもよく、フッソ原子で置換されていてもよい、炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基、あるいは炭素数6〜22のアリール基を示し、R7a、R7b、R7c、h個のR7d、h個のR7e、R7f、R7g、R7hのうち少なくとも1つは分岐(ポリ)グリセロール鎖が結合した連結基である。hは0〜10,000の数を示す。)
シリコーン(7)において、R7a、R7b、R7c、h個のR7d、h個のR7e、R7f、R7g、R7hのうち分岐(ポリ)グリセロール鎖が結合した連結基以外の基は、同一又は異なって、置換基を有していてもよく、フッ素原子で置換されていてもよい、炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基、あるいは炭素数6〜22のアリール基である。炭素数1〜22のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、トリフルオロプロピル等が挙げられ、炭素数1〜22のアルケニル基としては、ビニル基やアリル基が挙げられ、炭素数1〜22のアルコキシル基としては、例えばメトキシル、エトキシル、プロポキシル、ブトキシル、ペンチルオキシル、ヘキシルオキシル、ヘプチルオキシル、オクチルオキシル、ノニルオキシル基、トリフルオロエトキシ基等が挙げられる。また、置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、及びエポキシ基等が挙げられる。これらの中では、炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、あるいは炭素数6〜12のアリール基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が更に好ましい。
シリコーン(7)において、R7a、R7b、R7c、h個のR7d、h個のR7e、R7f、R7g、R7hのうち少なくとも1つ、好ましくは1〜5つ、更に好ましくは1〜3つが分岐(ポリ)グリセロール鎖が結合した連結基であり、シリコーン(7)のいずれに位置に結合していても良い。
シリコーン(7)中のhは、0〜10,000の数を示し、好ましくは1〜1,000の数を、更に好ましくは1〜500の数を示す。
本発明の分岐(ポリ)グリセロール変性シリコーンの数平均分子量は、好ましくは1000〜50万、更に好ましくは1000〜20万、特に好ましくは1000〜10万である。この数平均分子量の測定方法は、後述するように、GPC(ポリスチレン又はポリエチレングリコール換算)による。
本発明の分岐(ポリ)グリセロール変性シリコーンは、シリコーン中のケイ素原子数(Si)と分岐(ポリ)グリセロール鎖中の基(1)、(2)、(3)及び(4)の合計数(以下グリセロール基数という)(G)の比(G/Si)が、0.1〜10が好ましく、0.2〜3が更に好ましく、0.3〜1.2が特に好ましい。この範囲内では、優れたしわ除去効果を有する。
本発明の分岐(ポリ)グリセロール変性シリコーンは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基及びエポキシ基からなる群から選ばれる1つ以上の官能基を有するシリコーン(以下、前駆体シリコーンという)に、酸性又は塩基性触媒の存在下、2,3−エポキシ−1−プロパノール(以下、グリシドールという)を添加することで得られる。
前駆体シリコーンとしては、シリコーンのケイ素原子に式(8)で表される基が結合したヒドロキシ基を有するシリコーン、式(9)で表される基が結合したカルボキシ基を有するシリコーン、式(10)で表される基が結合したアミノ基又はイミノ基を有するシリコーン、式(11)で表される基が結合したメルカプト基を有するシリコーン、式(12)又は(13)で表される基が結合したエポキシ基を有するシリコーンが好ましく挙げられる。これらの官能基の位置としては、シリコーン鎖の側鎖、両末端および片末端いずれのものも用いることが出来る。反応開始の容易さの観点からは、官能基として、ヒドロキシ基、エポキシ基を有するものが好ましい。
−(R5ae−O−(AO)f−H (8)
(式中、R5a、e、f、AOは前記の意味を示す。)
−R6a−COO−(AO)g−G1 (9)
(式中、R6a、g、AOは前記の意味を示す。G1は水素原子、又は金属、アンモニウム、総炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニルアンモニウム、炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニル置換ピリジニウム、総炭素数1〜22のアルカノールアンモニウム、又は塩基性アミノ酸等の塩を形成する基を示す。)
Figure 0004322590
(式中、R10aは炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基又はアルケニレン基、あるいは炭素数6〜22のアリーレン基、B及びDは同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜22の炭化水素基、またはヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜22のアミノアルキル基を示す。但し、XとYは、少なくとも一方は、水素原子、又はアミノ基に水素原子を有するアミノアルキル基である。)
−(R5ae−S−(AO)f−H (11)
(式中、R5a、e、f、AOは前記の意味を示す。)
Figure 0004322590
Figure 0004322590
ヒドロキシ基を有するシリコーンにおいて、親水性向上のためには、式(8)中のfは10以上の大きな数であってもよいが、本発明の分岐(ポリ)グリセロール変性シリコーンの特色を有効に発揮させるには、fは10以下であることが好ましく、より好ましくは3以下で、さらに好ましくは0または1である。
カルボキシ基を有するシリコーンは、ケイ素原子とカルボキシ基とが飽和炭化水素で結合している化合物、又は特願2000−305741号明細書に記載されているように、カルボキシ基又はその塩が、イミノ基又はエーテル基を置換基として有するアルキレン基を介して、ケイ素原子に結合しているシリコーンが好ましい。
アミノ基又はイミノ基を有するシリコーンにおいて、式(10)中のR10aとして、好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基が挙げられ、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン基が挙げられる。
式(10)で表される基の具体例としては、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−(2−ジメチルアミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−アルキル(炭素数1〜22)アミノプロピル基等が挙げられる。中でも3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−(2−ジメチルアミノエチル)−3−アミノプロピル基、特に3−アミノプロピル基が好ましい。
アミノ基又はイミノ基を有するシリコーンのアミン当量は、変性率と反応効率の観点から、300〜50,000g/molが好ましく、300〜10,000g/molがより好ましく、さらに好ましくは300〜5,000g/molである。また、反応効率向上のため、25℃における粘度は、10〜1,000,000 mm2/sが好ましく、20〜10,000 mm2/sがより好ましい。粘度は、測定試料の粘度(25℃)が100,000 mm2/s未満の場合、B型粘度計で測定し、測定試料の粘度(25℃)が100,000 mm2/s以上の場合はE型粘度計で測定する。
メルカプト基又はエポキシ基を有するシリコーンにおいて、式(11)及び(12)中のR5aとして、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく挙げられ、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン基が挙げられる。特に、メチレン基が好ましい。eは1又は0で、1が好ましい。fは0又は1で、0が好ましい。また、式(13)中のiは、好ましくは1〜12の数である。
前駆体シリコーンとグリシドールとの反応に用いる酸性触媒としては、HPF6・Et2O、SnCl4、H2SO4、PhCOSbF6、過塩素酸、フルオロ硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のルイス酸が挙げられる(ここで、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す)。
これらの酸性触媒の量は、副反応を抑制出来る点から、前駆体シリコーンのヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、エポキシ基等の官能基の総当量モルに対して、0.01〜2モル当量が好ましく、0.1〜1.0モル当量が更に好ましい。
前駆体シリコーンとグリシドールとの反応に用いる塩基性触媒としては、NaOH、KOH、LiOH、CsOH等の金属水酸化物、Na、K、Li、Cs等の金属単体、一般式ROM2(R:アルキル基、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、M2:アルカリ金属)で表わされる金属アルコラート、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の金属水素化物等が挙げられる。これらの中では、金属単体、金属水酸化物、金属アルコラートが、高活性で好ましい。
これらの塩基性触媒の量は、副反応を抑制出来る点から、前駆体シリコーンのヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、エポキシ基等の官能基の総当量モルに対して、0.01〜2モル当量が好ましく、0.1〜1.0モル当量が更に好ましい。
上記副反応として、グリシドールの環化反応やシリコーンに結合しない、グリシドールの重合体の生成反応が挙げられる。
塩基性触媒は、前駆体シリコーンと、溶媒中又は無溶媒で混合する。溶媒として、テトラヒドロフラン(THF)のような両極性溶媒;ヘキサン、ヘプタン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、水添トリイソブチレン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン系溶媒等が挙げられる。溶媒を用いる場合は、触媒1質量部に対して、溶媒を好ましくは1〜1000質量部使用する。
塩基性触媒のうち、金属水酸化物又は金属アルコラートを用いる場合、前駆体シリコーンに添加後、例えば減圧下、脱水又は脱アルコールを行うことが好ましい。水及び/又はアルコールは、前記の副反応を生じるため、出来るだけ存在量を減少させることが好ましい。次に、好ましくは30〜120℃で、攪拌しながら、グリシドールを滴下又は間欠的に添加する。滴下時間は、滴下量に依存するが、好ましくは0.5〜24時間、更に好ましくは1〜12時間かけて添加する。 グリシドールは、THFのような両極性溶媒に希釈して、添加しても良い。必要に応じて、同温度で熟成させた後、冷却する。
グリシドールの添加量は、前駆体シリコーンに対し、0.01〜50モル当量が好ましく、0.05〜10モル当量が更に好ましい。
<(b)成分>
本発明の(b)成分は融点が30〜100℃の有機化合物である。具体的に好ましい(b)成分としては、(1)炭素数12〜28の脂肪酸、(2)油脂のアルキレン(炭素数2又は3)オキシド付加物、(3)アルキレン基の炭素数が2又は3の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリエチレングリコールを標準として求める)が1,000〜15,000のポリアルキレングリコール、(4)アルキル基の炭素数が10〜18であり、平均付加モル数が20〜200のポリオキシエチレンアルキルエーテル、又は炭素数12〜18の脂肪酸と平均付加モル数20〜200のポリオキシアルキレンとのエステル化合物、(5)炭素数3〜8のヒドロキシ基を3〜6個有する多価アルコールと炭素数10〜20の脂肪酸とのエステル化合物(但し(2)の化合物は除く)、またはこれらのアルキレン(炭素数2又は3)オキシド付加物を挙げることができる。
(1)の化合物としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が好ましい。(2)の化合物としては、硬化もしくは半硬化牛脂又は硬化もしくは半硬化パーム油のエチレンオキシド付加物が好適である。(3)の化合物としては重量平均分子量が2,000〜15,000のポリエチレングリコールが好適である。(4)の化合物としては、アルキル基の炭素数が12〜18であり平均付加モル数55〜200のポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び炭素数12〜18の飽和脂肪酸と平均付加モル数55〜200のポリオキシエチレンとのエステル化合物が好適である。(5)の化合物の多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、及びアピオース、アラビノース、ガラクトース、グルコース、リキソース、マンノース、ガロース、アルドース、イドース、タロース、キシロースから選ばれる還元糖、ソルビタン、ソルビトール、イソソルバイト、ソルバイトが好適であり、脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が好ましい。本発明では特にソルビタン、ソルビトール、イソソルバイト、及びソルバイトから選ばれる多価アルコールとラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸から選ばれる脂肪酸とのエステルが好ましい。また、融点を調整する目的からこれらにさらにエチレンオキシドを1〜30モル付加させた化合物を用いることも可能である。
本発明では特に(4)の化合物、及び(5)の化合物が好適であり、特に(5)の化合物が最も好ましい。
(b)成分のような常温で固体状の成分を配合することにより、繊維製品に賦形性を付与することができ、更に(a)成分と同様に繊維製品の糸糸間の滑り性を向上させ、しわ取り効果を高めることができる。また、(b)成分は回転式加熱乾燥機で繊維製品を処理する際に発生する静電気の抑制効果も有している。
本発明のしわ除去剤組成物は、(a)成分及び(b)成分を含有する、回転式加熱乾燥機による繊維製品の加熱処理に使用される、繊維製品のしわ除去剤組成物であり、使用方法によって各種形態を採用することができる。具体的には(i)繊維製品の洗濯工程におけるすすぎの段階で該しわ除去剤をすすぎ水に添加し、繊維製品を処理後脱水した処理繊維製品を回転式加熱乾燥機にいれて熱処理を行う方法、(ii)トリガー容器などの噴霧器を用いて繊維製品にスプレーした後、回転式加熱乾燥機にいれて熱処理を行う方法、(iii)可撓性吸収体に該組成物を含浸させたしわ除去剤を処理を施す繊維製品と共に回転式加熱乾燥機にいれて熱処理を行う方法、を挙げることができ、特に(iii)の方法が優れたしわ除去効果を繊維製品と付与することができるため好ましい。本発明の組成物や方法は、繊維製品のうち、特に衣料に好適に適用される。以下、詳細に説明する。
(i)の方法及び(ii)の方法に用いる場合には、本発明の組成物は(a)成分と(b)成分を水及び/又は水溶性溶剤に溶解又は分散させた溶液の形態が好ましく、(a)成分と(b)成分の合計は、方法(i)の場合には、好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは1.0〜50質量%、特に好ましくは2.0〜40質量%、方法(ii)の場合には、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.02〜20質量%、特に好ましくは0.05〜15質量%である。また、(a)成分/(b)成分を質量比で好ましくは0.1〜3、より好ましくは0.3〜2、特に好ましくは0.3〜1.5である。組成物のpH(20℃)は貯蔵安定性の点から、好ましくは3〜10、より好ましくは4〜9が好適であり、このようなpHに調製する方法としては通常の硫酸、塩酸、リン酸、クエン酸、コハク酸などの酸と水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ剤を用いることができる。
また、(a)成分と(b)成分を溶液に安定に溶解又は分散させる目的から界面活性剤を併用することが好ましく、その含有量は0.01〜7質量%、更に0.01〜5質量%が好適である。用いることができる界面活性剤としては、炭素数10〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、炭素数10〜16のアルキル硫酸エステル塩、炭素数10〜16のアルキル基を有し、平均付加モル数1〜6のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる陰イオン界面活性剤、炭素数10〜16のアルキル基を有し、平均付加モル数4〜20のポリオキシエチレンアルキルエーテル、炭素数8〜16のアルキル基を有し、平均縮合度1〜5のアルキルポリグルコシドから選ばれる非イオン界面活性剤、分子中に1又は2個の炭素数12〜20のアルキル基又はアルケニル基と残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であるテトラアルキル型4級アンモニウム界面活性剤を挙げることができる。
(a)成分及び(b)成分を溶解又は分散する溶媒としては、水及び/又は水溶性溶剤を挙げることができ、水溶性溶剤としてはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンが好適であり、特にエタノール、エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールが好ましい。このような溶剤は組成物中に好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。
本発明で(i)の方法を採用する場合には、本発明の組成物を衣料1kg当り好ましくは10〜200ml、より好ましくは10〜100ml、特に好ましくは10〜70mlになるようにすすぎ水に添加することがしわ除去効果の点から好適であり、特に(a)成分を衣料1kg当り好ましくは0.1〜40g、より好ましくは0.5〜20g、特に好ましくは0.7〜10g、(b)成分を衣料1kg当り好ましくは0.2〜70g、より好ましくは0.5〜40g、特に好ましくは1.0〜20gになるようにすすぎ水に添加することが好ましい。
(ii)の方法において用いることのできる噴霧器としては、トリガー式噴霧器が好ましく、1回のストロークで0.1g〜2.0g、好ましくは0.2〜1.5g、さらに好ましくは0.3g〜1.0g噴出するものが良好である。本発明で使用するトリガー式スプレー容器として特に好ましいものは、実開平4−37554号公報に開示されているような蓄圧式トリガーが、噴霧の均一性の点で特に良好である。
噴霧特性としては、特に地面に垂直に置いた対象物に15cm離れた場所からスプレーしたときの液のかかる面積が100〜800cm2、好ましくは150〜600cm2になるトリガー式噴霧器が好ましい。
本発明で(ii)の方法を採用する場合には、本発明の組成物を衣料1kg当り好ましくは50〜900ml、より好ましくは60〜700ml、特に好ましくは70〜600mlになるように衣料にスプレーすることがしわ除去効果の点から好適であり、特に(a)成分を衣料1kg当り好ましくは0.1〜15g、より好ましくは0.5〜10g、特に好ましくは0.7〜5g、(b)成分を衣料1kg当り好ましくは0.2〜15g、より好ましくは0.5〜10g、特に好ましくは1.0〜7gになるように衣料にスプレーすることが好ましい。
(i)の方法を採用する場合には、すすぎの段階でしわ除去剤組成物を添加した後、脱水し、回転式加熱乾燥機にいれて熱処理を行うことでしわを除去することができ、(ii)の方法ではすすぎ/脱水終了後、濡れた繊維製品にスプレーした後、回転式加熱乾燥機にいれて熱処理を行う方法、及び乾燥後の繊維製品のしわが形成している部分にスプレーして再度回転式加熱乾燥機にいれて熱処理を行う方法が好適である。いずれの場合も熱処理の温度は、好ましくは40〜120℃、より好ましくは50〜100℃が良好であり、熱処理時間は好ましくは5〜120分、より好ましくは10〜90分が好ましい。
(iii)の方法に本発明のしわ除去剤組成物を用いる場合には、(a)成分及び(b)成分を含有する組成物を可撓性吸収体に担持させたしわ除去材の存在下、繊維製品を回転式加熱乾燥機に入れて加熱処理する方法が好ましい。(iii)の方法に供される本発明のしわ除去剤組成物は(a)成分と(b)成分の合計を、好ましくは0.05〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは3〜15質量%、(a)成分/(b)成分を質量比で好ましくは0.1〜3、より好ましくは0.3〜2、特に好ましくは0.3〜1.5である。
また、(iii)の方法に供されるしわ除去剤組成物には水を含有することが効果的にしわを除去する上で好ましく、水の含有量は、好ましくは40〜99質量%、より好ましくは50〜99質量%、特に好ましくは60〜99質量%である。また、水/〔(a)成分+(b)成分〕を好ましくは1〜20、より好ましくは3〜15、特に好ましくは5〜15である。さらに水を含有する場合には組成物のpHは貯蔵安定性の点から、好ましくは3〜10、より好ましくは4〜9が好適であり、このようなpHに調製する方法としては通常の硫酸、塩酸、リン酸、クエン酸、コハク酸などの酸と水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ剤を用いることができる。
可撓性吸収体としては紙、織物、不織布、スポンジを挙げることができ、特に空隙率が30〜90%のものが好ましい。ここで、空隙率は下式で求めることができる。
空隙率=[1−W/(T×ε)]×100
〔式中、Wは可撓性吸収体の質量(g)であり、Tは可撓性吸収体の見かけ体積(cm3)であり、εは可撓性吸収体を構成する材料の比重を示す。〕
本発明では特に、しわ除去効果の点から不織布が最も好適である。不織布としては、湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド、エアレイ等の乾式不織布の他にスパンレース、スパンボンド、メルトブローン、ニードルパンチ及び/又はステッチボンドを挙げることができるが、特に湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド、メルトブローン、又は、スパンレースから選ばれる1種以上がしわ除去効果の点から好ましい。また、不織布は坪量10〜300g/m2、より好ましくは10〜200g/m2、特に好ましくは15〜180g/m2のものが好ましい。
不織布の材質としてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルから選ばれる疎水性繊維、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、ポリウレタン、セルロース、から選ばれる親水性繊維を用いることができる。本発明では疎水性繊維及び親水性繊維を併用することができる。
本発明の可撓性吸収体はブロック状でもよくシート状でも良いが、しわ除去効果の点からシート状のものが良好である。シートの厚さとしては好ましくは平均50μm〜3000μm、特に好ましくは100μm〜2000μmであり、回転式加熱乾燥機大きさにもよるが縦10〜30cm、横10〜50cm程度の大きさのものが適当である。
可撓性吸収体がシート状のものを用いる場合において、しわ除去剤組成物の担持量は、好ましくは30〜800g/m2、より好ましくは50〜600g/m2、特に好ましくは100〜500g/m2が好適である。担持方法としてはリバースロールコーター法、グラビアロールコーター法、オポジットナイフコーター法、インバースナイフコーター法、キスロールコーター法、スプレーコート法、エアナイフコーター法、ディップロールコーター法、ダイレクトロールコーター法、ハケ塗り法等の湿式コーティング法を用いて担持させることができ、特にディップロールコーター法が製造の容易性の点から好ましい。
(iii)の方法では、繊維製品を上記本発明の繊維製品のしわ除去材の存在下で、繊維製品を回転式加熱乾燥機により加熱処理する。繊維製品に対するしわ除去剤組成物は、衣料1kg当り、好ましくは10〜200g、より好ましくは20〜100g、特に好ましくは30〜90gになるようにすることがしわ除去効果の点から好適であり、(a)成分を衣料1kg当り好ましくは0.1〜15g、より好ましくは0.5〜10g、(b)成分を衣料1kg当り好ましくは0.2〜15g、より好ましくは0.5〜10gになるようにすることが好ましい。また、繊維製品の量は回転式加熱乾燥機の乾燥室の体積に対して少ないほど良く、30g/m3以下になるように投入することが好ましい。回転式加熱乾燥機処理の温度は、好ましくは40〜120℃、より好ましくは50〜100℃であり、処理時間は、好ましくは5〜120分、より好ましくは10〜90分である。
<合成例1>(a−1)(分岐ポリグリセロール変性シリコーンA)の合成
GE東芝シリコーン(株)製カルビノール変性シリコーン XF42−B0970(両末端変性、水酸基当量=60mg-KOH/g(平均分子量=1870相当))187gをフラスコに取り、カリウムメトキシド(30%メタノール溶液)42.1gを加え、攪拌しながら減圧下に60℃まで加温して、メタノールを全て留去し、黄色油状物としてカリウム化カルビノール変性シリコーンを得た。95℃まで昇温し、激しく攪拌しながらアルゴン気流下にグリシドール74.1g(5当量)を定量液送ポンプを用いて5時間にわたり添加した。20分間さらに加熱攪拌後、室温まで放冷し、エタノール600mLを加え淡黄色溶液とした。これにクエン酸34.6gを添加/攪拌し、析出した塩を濾別した。濾液を濃縮し(少量のポリグリセロール誘導体が析出すれば除去する)、淡黄色油状物として分岐ポリグリセロール変性シリコーンAを得た。収率95%。この分岐ポリグリセロール変性シリコーンAの1H−NMRスペクトル(メタノール−d4溶液)を図1に、13C−NMRスペクトル(メタノール−d4溶液)を図2に示す。また1H−NMRスペクトル中の各ピークの帰属、及び13C−NMRスペクトル中の基(1)のメチン炭素由来のピークの帰属を以下に示す。なお、この分岐ポリグリセロール変性シリコーンAは、連結基として、−CH2CH2CH2−O−CH2CH2O−を有する。
1H−NMRスペクトル
0.1-0.2ppm(Si-CH 3 )
0.6-0.7ppm(4H,Si-CH 2 -CH2-)
1.6-1.8ppm(4H,Si-CH2-CH 2 -)
3.3-4.0ppm(12H,Si-CH2-CH2-CH 2 -O-CH 2 -CH 2 -O、分岐(ポリ)グリセロール鎖のH)
13C−NMRスペクトル
Figure 0004322590
13C−NMRスペクトルの解析により、基(1)を有する分岐ポリグリセロール変性シリコーンであることを確認した。また1H−NMRスペクトルの解析により、平均グリセロール基数(G)=9.8(片側4.9)、平均ケイ素原子数(Si)=22。G/Si比は、0.45であり、GPC解析(カラム:KF−804L(×2)、脂肪族アミン/クロロホルム溶液、40℃、ポリスチレン換算)に依れば、数平均分子量(Mn)は、2600であった。
<合成例2>(a−2)(分岐ポリグリセロール変性シリコーンB)の合成
信越化学工業(株)製カルビノール変性シリコーン KF−6001(両末端変性、水酸基当量=62mg-KOH/g(平均分子量=1810相当))181gをフラスコに取り、カリウムメトキシド(30%メタノール溶液)46.7gを加え、攪拌しながら減圧下に60℃まで加温して、メタノールを全て留去した。微黄色油状物としてカリウム化カルビノール変性シリコーンを得た。95℃まで昇温し、激しく攪拌しながらアルゴン気流下にグリシドール177.8g(12当量)を定量液送ポンプを用いて8時間にわたり添加した。20分間さらに加熱攪拌後、室温まで放冷して、乳濁色ペースト状組成物を得た。エタノール800mLを加えカチオン交換樹脂によりカリウムを除去後、濃縮し(ここで少量のポリグリセロール誘導体が析出すれば除去する)、微黄色粘稠油状物として分岐ポリグリセロール変性シリコーンBを得た。収率92%。13C−NMRスペクトルの解析により、基(1)を有する分岐ポリグリセロール変性シリコーンであることを確認した。また1H−NMRスペクトルの解析により、平均グリセロール基数(G)=23.6(片側11.8)、平均ケイ素原子数(Si)=22。G/Si比は、1.07であり、GPC解析(カラム:G4000PWXL+G2500PWXL、アセトニトリル/リン酸緩衝液、40℃、ポリエチレングリコール換算)に依れば、数平均分子量(Mn)は、3590であった。なお、この分岐ポリグリセロール変性シリコーンBは、連結基として、−CH2CH2CH2−O−CH2CH2O−を有する。
<合成例3>(a−3)(分岐ポリグリセロール変性シリコーンC)の合成
信越化学工業(株)製カルビノール変性シリコーン KF−6003(両末端変性、水酸基当量=22mg-KOH/g(平均分子量=5100相当))255gをフラスコに取り、アルゴン置換後、細断したカリウム3.13gを加え、60℃でカリウム片が消失するまで攪拌することで油状物としてカリウム化カルビノール変性シリコーンを得た。95℃まで昇温し、激しく攪拌しながらアルゴン気流下にグリシドール29.6g(4当量)を5時間にわたり添加した。20分間さらに加熱攪拌後、室温まで放冷し、エタノール600mLを加え淡黄色溶液とした。これにクエン酸15.4gを添加/攪拌し、析出した塩を濾別した。濾液を濃縮し(少量のポリグリセロール誘導体が析出すれば除去する)、無色油状物として分岐ポリグリセロール変性シリコーンCを得た。収率88%。13C−NMRスペクトルの解析により、基(1)を有する分岐ポリグリセロール変性シリコーンであることを確認した。また1H−NMRスペクトルの解析により、平均グリセロール基数(G)=15.9(片側8.0)、平均ケイ素原子数(Si)=69。G/Si比は、0.23であり、この分岐ポリグリセロール変性シリコーンCのGPC(溶媒クロロホルム)の結果を図3に示す。GPC解析(カラム:KF−804L(×2)、脂肪族アミン/クロロホルム溶液、40℃、ポリスチレン換算)に依れば、数平均分子量(Mn)は、6280であった。なお、この分岐ポリグリセロール変性シリコーンCは、連結基として、−CH2CH2CH2−O−CH2CH2O−を有する。
<実施例1>
〔1〕しわ除去剤組成物
表1に示す組成のしわ除去剤組成物を調製した。なお、(a)及び(b)成分としては下記のものを用いた。また、組成物のpH(20℃)は、0.1規定硫酸水溶液及び0.1規定水酸化ナトリウム水溶液により調整した。
(a−1):上記合成例1で製造した分岐ポリグリセロール変性シリコーンA
(a−2):上記合成例2で製造した分岐ポリグリセロール変性シリコーンB
(a−3):上記合成例3で製造した分岐ポリグリセロール変性シリコーンC
(a−4):SH−200 ジメチルシリコーンオイル、東レダウコーニング社製、比較成分
(a−5):FZ−2166 ポリエーテル変性シリコーン、日本ユニカー株式会社製、比較成分
(b−1)ソルビタンモノステアレート(商品名レオドールスーパーSP−S 10、花王株式会社製、融点52℃)
(b−2)ステアリルアルコール(試薬、融点60℃)
(b−3)ポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名エマルゲン220、花王株式会社製、融点約40℃)
〔2〕しわ除去材
表1のしわ除去剤組成物を約70℃で溶融混合した後、空隙率70%、坪量75g/m2、厚さ約700μmのポリエステル不織布にグラビアロールコーター法により担持させた。その際、担持量は400g/m2になるよう調節した。こうして得られたシートを縦30cm、横30cmに裁断し試験用のしわ除去材とした。
〔3〕しわ除去方法
市販のYシャツ(商品名:形態安定シャツ ECOSYS 28℃ ポリエステル/綿=50/50)を予め全自動洗濯機(松下電器産業株式会社製 NA−F50K1 やさしい愛妻号 標準コース)を用いて60回繰り返し洗濯したものをしわ評価用Yシャツとした。
家庭用回転式衣類乾燥機(松下電器産業株式会社製 NH−D502型)を用いて、吊り干し乾燥後のしわ評価用Yシャツを3枚と、試験用のしわ除去材1枚を投入してから20分間乾燥機を運転した。この条件では、しわ除去材中のしわ除去剤組成物の質量はしわ評価用Yシャツの質量に対して約5%となる。
乾燥機で処理したYシャツを乾燥機から取り出し室温で1時間放置した後、しわの取れ具合を判定した。判定には5名のパネラーによって、以下に示す基準で採点してもらい、その平均値を求めてしわレベルの評価点とした。結果を表1に示す。なお、本発明のしわ除去材を用いなかった場合のしわレベル評価点は2.5である。
「しわ判定基準」
5:全くしわがない
4:ほとんどしわがない
3:わずかにしわが残っている
2:かなりしわが残っている
1:著しくしわが残っている
Figure 0004322590
<実施例2>
(a−1)を10質量%、(b−1)を12質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(オキシエチレン基平均縮合度8)を3質量%、プロピレングリコールを3質量%、残部の水(0.1規定硫酸水溶液及び0.1規定水酸化ナトリウム水溶液により20℃のpHを7.0に調節)を含有するしわ除去剤組成物を調製する。市販のYシャツ(商品名:形態安定シャツ ECOSYS 28℃ ポリエステル/綿=50/50)を予め全自動洗濯機(松下電器産業株式会社製 NA−F50K1 やさしい愛妻号 標準コース)を用いて60回繰り返し洗濯したものをしわ評価用Yシャツとした。このYシャツ5枚と、上記しわ除去剤組成物40gとを洗濯機内に投じ、40Lの水道水中で5分間撹拌した。その後Yシャツを脱水し、家庭用回転式衣類乾燥機(松下電器産業株式会社製 NH−D502型)を用いて60分間乾燥機を運転した。乾燥後のYシャツのしわのとれ具合は、すべてのYシャツでほとんどしわがない状態である。
<実施例3>
(a−2)を3質量%、(b−1)を3質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(オキシエチレン基平均縮合度8)を1.0質量%、プロピレングリコールを3.0質量%、残部の水(0.1規定硫酸水溶液及び0.1規定水酸化ナトリウム水溶液により20℃のpHを7.0に調節)を含有するしわ除去剤組成物を調製する。市販のYシャツ(商品名:形態安定シャツ ECOSYS 28℃ ポリエステル/綿=50/50)を予め全自動洗濯機(松下電器産業株式会社製 NA−F50K1 やさしい愛妻号 標準コース)を用いて60回繰り返し洗濯したものをしわ評価用Yシャツとした。最後の洗濯においてこれらYシャツを室内で吊り干し乾燥を行った。これらのYシャツ1枚(約200g)に対し、上記しわ除去剤組成物を、トリガー容器を用いて均一となるように50g(Yシャツ質量に対して25質量%)スプレーした。その後、家庭用回転式衣類乾燥機(松下電器産業株式会社製 NH−D502型)を用いてYシャツ5枚を60分間乾燥機を運転した。乾燥後のYシャツのしわのとれ具合は、すべてのYシャツでほとんどしわがない状態である。
実施例1で得られた分岐ポリグリセロール変性シリコーンAの1H−NMRスペクトルである。 実施例1で得られた分岐ポリグリセロール変性シリコーンAの13C−NMRスペクトルである。 実施例3で得られた分岐ポリグリセロール変性シリコーンCのGPCの結果を示す図である。

Claims (6)

  1. (a)(ポリ)グリセロール変性シリコーン及び(b)下記(1)〜(6)から選ばれる融点が30〜100℃の有機化合物を含有する、回転式加熱乾燥機による繊維製品の加熱処理に使用される、繊維製品のしわ除去剤組成物。
    (1)炭素数12〜28の脂肪酸
    (2)油脂のアルキレン(炭素数2又は3)オキシド付加物
    (3)アルキレン基の炭素数が2又は3の重量平均分子量が1,000〜15,000のポリアルキレングリコール
    (4)アルキル基の炭素数が10〜18であり、平均付加モル数が20〜200のポリオキシエチレンアルキルエーテル、又は炭素数12〜18の脂肪酸と平均付加モル数20〜200のポリオキシアルキレンとのエステル化合物
    (5)炭素数3〜8のヒドロキシ基を3〜6個有する多価アルコールと炭素数10〜20の脂肪酸とのエステル化合物(但し(2)の化合物は除く)、またはこれらのアルキレン(炭素数2又は3)オキシド付加物
    (6)ステアリルアルコール
  2. (a)が、シリコーンのケイ素原子に、連結基を介して、下記構造式(1)で表わされる分岐ポリグリセロール基を1個以上含有する分岐ポリグリセロール鎖が少なくとも1つ結合した、分岐ポリグリセロール変性シリコーンである請求項1記載の繊維製品のしわ除去剤組成物。
    Figure 0004322590

    〔式中、2つの酸素原子には、同一又は異なって、上記構造式(1)、下記構造式(2)、(3)もしくは(4)
    Figure 0004322590

    で表されるグリセロール基、又はグリシドール基が結合する。〕
  3. 分岐ポリグリセロール変性シリコーンが、当該シリコーン中のケイ素原子数(Si)と、当該シリコーンにおける分岐(ポリ)グリセロール鎖中の基(1)、(2)、(3)及び(4)の合計数(G)の比(G/Si)が、0.1〜10である、請求項2記載の繊維製品のしわ除去剤組成物。
  4. 分岐ポリグリセロール変性シリコーンの数平均分子量が1000〜50万である、請求項2又は3記載の繊維製品のしわ除去剤組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載の繊維製品のしわ除去剤組成物を可撓性吸収体に担持させてなる、回転式加熱乾燥機による繊維製品の加熱処理に使用される、繊維製品のしわ除去材。
  6. 請求項記載の繊維製品のしわ除去材の存在下で、繊維製品を回転式加熱乾燥機により加熱処理する、繊維製品のしわ除去方法。
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