JP2013151776A - 衣料用仕上げ剤組成物 - Google Patents

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隼人 木下
Yukiko Fujii
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Abstract

【課題】衣料等の繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することができる衣料用仕上げ剤組成物において、洗濯機の投入口に液残りが生じることがない衣料用仕上げ剤組成物及びこの衣料用仕上げ剤組成物用いた衣料の処理方法を提供する。
【解決手段】炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを70〜100質量%含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、特定のカチオン性ポリマー(C)及び水を含有する衣料用仕上げ剤組成物であって、(B)成分に対する(C)成分の質量比[(C)/(B)]が0.15〜3であり、(A)成分に対する(C)成分の質量比[(C)/(A)]が0.005〜0.15である衣料用仕上げ剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、衣料用仕上げ剤組成物及びこれを用いた衣料の処理方法に関する。
近年、ファッション性に優れたニット衣料が増えている。ニット衣料は、糊料組成物の対象衣料となるシーツやYシャツ等の衣布帛に比べて、しなやかな風合いが求められる。ニット衣料は布帛に比べて単繊維を甘く撚った糸を使用し、ニット編みという編み方で構成されている。ニット編みは、糸や糸を構成する単繊維が動き易いために、衣料全体にしなやかな風合いを与えている。
前記衣料は糸から構成され、糸は単繊維から構成されている。衣料は、着用等の使用により衣料同士が擦れたり、衣料が椅子等の衣料以外の対象物と擦れあうことで、その摩擦により、毛羽立ちや毛玉が発生することが知られている。そして、前記毛羽立ちや毛玉が発生することで表面に凹凸が生じ、この凹凸に光が当たると影が生じるため衣料の色目がくすんで見え、美観的に好ましくない。とりわけ毛玉が生じると顕著に影が生じるため、美観上の課題が大きくなる。
前記のニット衣料は、単繊維を甘く撚った糸を使用しているため、糸から単繊維が抜け易く、毛羽立ちや毛玉が発生しやすくなっている。よって、ニット衣料を洗濯する場合には、洗面器等の容器で、ニット衣料を浸漬して処理することが行われてきたが、近年、全自動洗濯機の高機能化により全自動洗濯機でも洗濯できるようになり、これに伴って毛羽や毛玉の発生を抑えることができる洗浄剤が提案されている。
例えば、特許文献1には、ポリマーのガラス転移温度が、−45℃〜20℃である、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等の水系分散体を主成分とし、更に濡れ剤を含有する繊維加工用樹脂組成物が開示されている。また、特許文献1には、濡れ剤として、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が記載されている。
特許文献2には、(メタ)アクリル酸エステル等のモノマー混合物をカチオン性乳化剤を用いて乳化重合させて得られたガラス転移温度が0〜30℃の共重合体のカチオン性抗菌剤を含む洗濯糊用抗菌性樹脂組成物が開示されている。この特許文献2には、カチオン性乳化剤として、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド等の化合物が記載されている。
特許文献3には、低級脂肪酸ビニルエステル等と不飽和カルボン酸との乳化重合により得られたエマルジョンを含有する糊料組成物が記載されている。この特許文献3にはカチオン性澱粉等のカチオン性ポリマーを重合時に共存させるか、重合終了後に添加することが記載されている。
特開2008−248432号公報 特開2001−226204号公報 特開平3−260174号公報
本発明者らは、特許文献1〜3に記載されるような衣料用仕上げ剤組成物、すなわち、特定のポリマー、カチオン成分及び水を含有し、衣類の毛羽立ち、毛玉の発生を抑制することができる衣料用仕上げ剤組成物において、新たな課題が存在することを知見した。
すなわち、本発明者らは、洗濯機の仕上げ剤投入口の中で、衣料用仕上げ剤組成物と、炭酸塩アルカリ度が10〜60度の水とが接触した場合に、該衣料用仕上げ剤組成物のごく一部が仕上げ剤投入口に付着(液残り)し、仕上げ剤投入口が審美的に好ましくない外観になるという課題を知見した。
この課題に対して鋭意検討を行ったところ、前記課題は炭酸塩アルカリ度の要因となる水中の炭酸イオン(CO3 2-)や炭酸水素イオン(HCO3 -)等の陰イオンが原因であることを突き止めた。具体的には、当該陰イオンが、衣料用仕上げ剤組成物中のカチオン化澱粉のカチオン基の対イオン(一般的には塩素イオン)と交換することで、カチオン化澱粉の表面電位が低下して電荷反発の力が弱まり、ポリマー粒子が凝集しやすくなった結果、衣料用仕上げ剤が投入口に付着(液残り)しやすくなるものと考えられる。
さらに、もう一つの原因が、ポリマーの物性にあることを知見した。すなわち、通常、洗濯に用いられる5〜40℃程度の水道水の温度では、ガラス転移温度0℃未満のポリマーは柔らかい物性を示し、この柔らかい物性を示すポリマーが、カチオン化澱粉と共に凝集し、投入口に付着しやすくなっていると考えられる。
なお、特許文献1〜3には、ガラス転移温度が−45℃〜20℃のポリマーと、濡れ剤としての第4級アンモニウム化合物とを用いた場合において、洗濯機の投入口に水道水中のCO3 2-やHCO3 -等の陰イオンに起因する汚染が発生することに関する記載はない。
本発明は上記従来の課題を鑑みてなされたものであって、衣料等の繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することができる衣料用仕上げ剤において、洗濯機の投入口に液残りが生じることがない衣料用仕上げ剤、及びこの衣料用仕上げ剤組成物を用いた衣料の処理方法を提供する。
本発明は、下記[1],[2]を提供する。
[1]炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを70〜100質量%含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるモノマーを含有するカチオン性ポリマー(C)及び水を含有する衣料用仕上げ剤組成物であって、(B)成分に対する(C)成分の質量比[(C)/(B)]が0.15〜3であり、(A)成分に対する(C)成分の質量比[(C)/(A)]が0.005〜0.15である衣料用仕上げ剤組成物。
Figure 2013151776
(式中、R1は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R2はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3の炭化水素基を示し、YはO又はNHを示し、Zはヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルカンジイル基を示し、X-は陰イオンである。各R2は互いに同一であっても、異なっていてもよい。)
(CH2=C(R3)CH224 2+・X- (2)
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4はメチル基又はヒドロキシエチル基を示し、X-は陰イオンを示す。各R3及び各R4は互いに同一であっても、異なっていてもよい。)
[2] 下記工程1〜工程4を含む、衣料の処理方法。
工程1:前記衣料用仕上げ剤組成物を洗濯機の仕上げ剤投入口に投入する工程。
工程2:該衣料用仕上げ剤組成物を保持する仕上げ剤投入口に、炭酸塩アルカリ度が10〜60度である水を投入し、該衣料用仕上げ剤組成物と水とを接触させる工程。
工程3:工程2の後に、仕上げ剤投入口内の該衣料用仕上げ剤組成物を洗濯槽内に投入する工程。
工程4:洗濯槽内の水浴中で、衣料用仕上げ剤組成物と衣料を接触させる工程。
本発明は、衣料等の繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することができる衣料用仕上げ剤において、洗濯機の投入口に液残りが生じることがない衣料用仕上げ剤及び衣料の処理方法を提供する。
[衣料用仕上げ剤組成物]
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを70〜100質量%含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるモノマーを含有するカチオン性ポリマー(C)及び水を含有する衣料用仕上げ剤組成物であって、(B)成分に対する(C)成分の質量比[(C)/(B)]が0.15〜3であり、(A)成分に対する(C)成分の質量比[(C)/(A)]が0.005〜0.15であるものである。
Figure 2013151776
(式中、R1は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R2はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3の炭化水素基を示し、YはO又はNHを示し、Zはヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルカンジイル基を示し、X-は陰イオンである。各R2は互いに同一であっても、異なっていてもよい。)
(CH2=C(R3)CH224 2+・X- (2)
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4はメチル基又はヒドロキシエチル基を示し、X-は陰イオンを示す。各R3及び各R4は互いに同一であっても、異なっていてもよい。)
本発明は、衣料等の繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を十分に抑制することができる衣料用仕上げ剤組成物において特有の問題である、洗濯機の投入口に液残りが生じるという問題を抑制することができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、「アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル」をいう。
また、本明細書において「毛羽立ち」とは摩擦によって単繊維が引っ張られ、糸から単繊維が抜けかけたり(視覚的には、糸表面から単繊維が飛び出したり)している状態、又は磨耗によって単繊維に亀裂が入り、単繊維表面から繊維片が剥離しかけたりする状態をいう。
また、「毛玉」とは衣料から抜け落ちた単繊維同士が絡まり、玉状になって衣料に再付着している状態、繊維上の前記毛羽同士が絡まって玉状になった状態、又は糸を構成する単繊維から剥離しかかった繊維片が繊維上で絡まって玉状となった状態をいう。
<ポリマー(A)>
ポリマー(A)は、炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下、モノマー(a1)ともいう)を70〜100質量%含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満のポリマーである。
モノマー(a1)は、炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであれば特に制限はなく、ポリマー(A)が前記ガラス転移温度を満すのであれば1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において、「炭素数1〜16のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル」とは、「(メタ)アクリル酸アルキルエステルであって、前記アルキル基が炭素数1〜16のアルキル基である化合物」をいう。
また、前記アルキル基は、n−体、sec−体、tert−体、iso−体を含む、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。
アクリル酸エステルを用いる場合のアルキル基の炭素数は、ガラス転移温度の調節しやすさの観点から、2〜12が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が更に好ましい。
具体的な化合物としては、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸n−プロピルエステル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸iso−ブチルエステル、アクリル酸tert−ブチルエステル、アクリル酸n−ペンチルエステル、アクリル酸n−ヘキシルエステル、アクリル酸n−ヘプチルエステル、アクリル酸n−オクチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステルが好ましく、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸iso−ブチルエステル、アクリル酸tert−ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステルがより好ましく、アクリル酸n−ブチルエステルが更に好ましい。
メタクリル酸エステルを用いる場合のアルキル基の炭素数は、ガラス転移温度の調節しやすさの観点から、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2が更に好ましい。
具体的な化合物としては、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸n−プロピルエステル、メタクリル酸n−ブチルエステル、メタクリル酸iso−ブチルエステル、メタクリル酸tert−ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステルが好ましく、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステルがより好ましく、メタクリル酸メチルエステルが更に好ましい。
モノマー(a1)は、ポリマー(A)(以下、(A)成分ともいう)のガラス転移温度を−40℃以上、0℃未満の範囲に調整する観点から、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルとを併用することが好ましい。
両者を併用する場合は、炭素数が1〜6のアルキル基を有するメタクリル酸エステルと炭素数が2〜6のアルキル基を有するアクリル酸エステルとを併用することが好ましく、炭素数が1〜2のアルキル基を有するメタクリル酸エステルと炭素数が3〜5のアルキル基を有するアクリル酸エステルとを併用することがより好ましく、メタクリル酸メチルエステルとアクリル酸n−ブチルエステルとの併用が更に好ましい。
メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルとを併用する際の質量比[アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル]は、(A)成分のガラス転移温度を前記範囲に調整する観点から、99/1〜55/45が好ましい。より好ましくは、80/20〜56/44である。
本明細書において、(A)成分のガラス転移温度(Tg)は、各モノマー(i)のホモポリマーのガラス転移温度〔Tg(i)〕から、下記式(I)にしたがって共重合体のガラス転移温度(Tg)を算出した。ただし、小数点以下は四捨五入し、共重合体が多官能性モノマーを含む場合には、該多官能性モノマーを除いたモノマーについて計算を行った。各モノマー(i)のホモポリマーのガラス転移温度は、表1に記載のモノマーを使用する場合には、表1に記載の値を用いた。また、表1に記載のないモノマーを用いる場合には、ガラス転移温度(Tg)は、「ポリマーハンドブック、Fourth EditionVolume1, WILEY-INTERSCIENCE, A John Wiley & Sons, Inc., Publication,1999」に記載のホモポリマーの値を用いた。
Figure 2013151776
Figure 2013151776
(式中、Tgは共重合体のガラス転移温度(℃)であり、Tg(i)は共重合体を構成する各モノマー(i)のホモポリマーのガラス転移温度であり、wiは共重合体を構成するモノマー(i)の重量分率である。)
(A)成分のガラス転移温度(Tg)は、−40℃以上、0度未満である。ガラス転移温度(Tg)が−40℃未満又は0℃以上である場合は、着用等の際に衣類に発生する毛羽を抑制することができない。また、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上であると、着用等の際に衣料に発生する毛羽立ちを抑制することができず、且つ衣料のしなやかな風合いが損なわれる課題がある。毛羽の発生をより一層抑制する観点から、ガラス転移温度(Tg)は、−30℃〜−5℃が好ましく、−25〜−8℃がより好ましい。また、(A)成分のガラス転移温度(Tg)は、全自動洗濯機の仕上げ剤投入口に衣類用仕上げ剤組成物が残留することを防止する観点から、−25℃〜−5℃が更に好ましい。
ポリマー(A)は、前記モノマー(a1)の1種又は2種以上の共重合体であってもよいが、(a1)と(a1)以外の他のモノマーとの共重合体であってもよい。
前記(a1)以外のモノマーを用いる場合、(A)成分中に含まれるモノマー(a1)の割合は、毛羽の発生を抑制する観点から70質量%以上が好ましく、80〜98質量%がより好ましく、85〜95質量%が更に好ましい。
モノマー(a1)と共重合してもよい他のモノマーとしては、例えば下記のモノマー(a2)及びモノマー(a3)が挙げられる。
<モノマー(a2)>
モノマー(a2)としては、炭素数が2〜4であるヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いる。モノマー(a2)を用いることにより、衣類等に付着した(A)成分を洗濯時に衣類から容易に洗い落とすことができる(易洗性)と共に、仕上げ剤投入口の液残りを防止することができる。
本発明において、炭素数2〜4であるヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルであって、前記ヒドロキシアルキル基の炭素数が2〜4であることをいう。
モノマー(a2)のヒドロキシアルキル基としては、洗浄工程における(A)成分の衣類からの易洗性(衣類から(A)成分を容易に洗い流すことができる性質であることを意味する)をより向上させる観点、及び液残りを防止する観点から、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数2のヒドロキシアルキル基がより好ましい。
アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの具体例としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステルが挙げられる。
メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチルエステルが挙げられる。
これらの中では、(A)成分の衣類からの易洗性を向上させる観点及び液残りを防止する観点から、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステルが好ましい。
(A)成分中のモノマー(a2)の割合は、(A)成分の衣類からの易洗性を向上させる観点及び液残りを防止する観点から、1〜15質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましく、3〜8質量%が更に好ましい。
<モノマー(a3)>
モノマー(a3)としては、エチレン性不飽和カルボン酸及びその塩を用いる。なお、本発明において「エチレン性不飽和カルボン酸」とは、分子内にビニル基及びカルボキシ基を有する化合物をいう。
モノマー(a3)を用いることにより、衣類に付着した(A)成分の衣類からの易洗性を向上させることができると共に、仕上げ剤投入口の液残りを防止することができる。
エチレン性不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸が挙げられる。これらの中では、原料の入手容易性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸塩としては、前記エチレン性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩を挙げることができる。また、エチレン性不飽和カルボン酸塩は、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩であってもよい。これらのエチレン性不飽和カルボン酸及びその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中のモノマー(a3)の割合は、衣類からの易洗性を向上させる観点及び液残りを防止する観点から、0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましく、0.4〜2質量%が更に好ましい。
(A)成分は、毛羽及び毛玉の発生をより抑制する観点から、前記モノマー(a1)、モノマー(a2)及びモノマー(a3)を含む共重合体が好ましい。
なお、(A)成分としては、(A)成分の効果に影響を及ぼさない範囲で、前記モノマー(a1)〜(a3)以外のモノマーを使用してもよい。
(a)成分の重量平均分子量(Mw)は、50000〜500000が好ましく、100000〜450000がより好ましく、200000〜400000が更に好ましい。
なお、(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定による値をいう。より具体的には、溶離液としてクロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン及びこれらの溶媒を組み合わせた液のいずれか、好ましくはジメチルホルムアミドを使用して測定したポリスチレン換算の分子量をいう。
(A)成分は溶液重合や乳化重合等の方法で製造することができるが、取り扱いの容易性の観点から、乳化重合で製造することが好ましい。乳化重合の方法としては、例えば特開2008−88414号公報に記載の方法を挙げることができる。
<カチオン化澱粉(B)>
本発明においては、(A)成分の衣類への吸着性を高めることを目的として、また、(A)成分を乳化重合等で製造する際の乳化安定化剤として、カチオン化澱粉(B)を用いる(以下、(B)成分ともいう。)。
カチオン化澱粉の主骨格を形成する多糖類としては、特開2010−180320号公報に記載の澱粉等を用いることができる。具体的には、コーンスターチ、小麦スターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ等の澱粉が挙げられる。
前記澱粉にカチオン基を導入してカチオン化澱粉とする方法は特に限定されず、例えば、多糖類と四級アンモニウムアルキル化試薬とを反応させる方法が挙げられる。
四級アンモニウムアルキル化試薬としては、例えば、特開2010−180320号公報に記載のグリシジル基を有する4級アンモニウム化合物を挙げることができ、化合物の入手の容易性の観点から、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
四級アンモニウムアルキル化試薬の具体的な製造方法としては、例えば特開昭56−36501号公報、特開平6−100603号公報、特開2010−180320号公報、及び特開平8−198901号公報等に記載の方法が挙げられる。
(B)成分であるカチオン化澱粉の窒素原子の含有量(以下、N質量%ともいう)は、0.01〜1.5質量%が一般的であるが、(A)成分の衣類への吸着性をより高める点から、0.3〜1.3質量%が好ましく、0.4〜1質量%がより好ましく、0.5〜0.9質量%が更に好ましい。
本明細書において、N質量%は(B)成分の全質量に対して第4級アンモニウム基由来の窒素原子の含有量(質量%)をいう。N質量%は、「第十二改正日本薬局方」(財団法人日本公定書協会・第一法規出版(株)発行)の第43〜44頁に記載された窒素定量法(セミミクロケルダール法)に基づいて測定することができる。
(B)成分であるカチオン化澱粉の重量平均分子量は、毛羽立ち、毛玉の発生を抑制する観点から、10万〜190万が好ましく、30万〜170万がより好ましく、50万〜150万がより好ましく、80万〜130万が更に好ましい。
<カチオン性ポリマー(C)>
(C)成分は、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるモノマーを含有するカチオン性ポリマー(以下(C)成分ともいう)である。
Figure 2013151776
(式中、R1は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R2はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3の炭化水素基を示し、YはO又はNHを示し、Zはヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルカンジイル基を示し、X-は陰イオンである。各R2は互いに同一であっても、異なっていてもよい。)
(CH2=C(R3)CH224 2+・X- (2)
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4はメチル基又はヒドロキシエチル基を示し、X-は陰イオンを示す。各R3及び各R4は互いに同一であっても、異なっていてもよい。)
一般式(1)中のR1は、水素原子、メチル基、エチル基であり、モノマーの入手容易性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましい。
2は、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3の炭化水素基であり、入手容易性の観点から、メチル基、エチル基又はヒドロキシプロピル基が好ましい。
Yは、O又はNHであり、入手容易性の観点から酸素原子が好ましい。
Zはヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
-は陰イオンであり、クロロイオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンが好ましい。
一般式(2)中のR3は、水素原子又はメチル基であり、モノマーの入手容易性の観点から水素原子が好ましい。
4はメチル基、ヒドロキシエチル基であり、モノマーの入手容易性の観点からメチル基が好ましい。
-は陰イオンであり、クロロイオンが好ましい。
(C)成分は本願の効果を妨げない範囲で、前記一般式(1)又は一般式(2)で表されるモノマー(以下、モノマー(c1)ともいう)と共重合可能なモノマー(以下、モノマー(c2)ともいう)を含有することができる。
(c2)成分としては、アミド基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、エチレン性不飽和カルボン酸及びその塩等が好ましい。
(c2)成分の具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−イソブチルアクリルアミド、N−アクロイルモルホリン、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミド、N−イソブチルメタアクリルアミド、N−メタクロイルモルホリン、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸が挙げられる。
(C)成分のカチオン性ポリマーがモノマー(c1)とモノマー(c2)との共重合体である場合、(C)成分中のモノマー(c1)の含有量は、液残りをより一層抑制する観点から、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。(C)成分中の(c2)成分の含有量は、液残りの抑制に影響を与えない程度に含むことが好ましく、0を超え、50質量%以下となる量で含有する事が好ましく、0を超え、30質量%以下となる量で含有する事が好ましく、0を超え、20質量%以下となる量で含有する事が好ましい。
最も好ましい(C)成分であるカチオン性ポリマーは、(c1)成分からなるホモポリマーである。
カチオン性ポリマー(C)の重量平均分子量(Mw)は、3,000〜1,000,000が好ましく、4,000〜500,000がより好ましく、5,000〜400,000がより好ましい。
なお、カチオン性ポリマー(C)の重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)測定による値をいう。具体的には、(1%酢酸/エタノール):水=3:7(質量比)の混合溶媒で調製したLiBrの50mmol/L溶液を溶離液として用い、極性溶媒用GPCカラム「α−M(東ソー(株)製)」を2本直列して用い、ポリエチレングリコール換算の分子量により算出した値をいう。
(各成分の含有量)
衣料用仕上げ剤組成物中の(A)成分の含有量は、1〜30質量%が好ましく、洗濯1回当たりの前記衣料用仕上げ剤組成物の使用量を低減させる点から、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。仕上げ剤投入口への付着性を低減できる点から、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
(A)成分に対する(B)成分の質量比[(B)/(A)]は、衣料の毛羽・毛玉抑制及び仕上げ剤投入口への液残り抑制の両立の点から、0.02〜0.3が好ましく、0.025〜0.2がより好ましく、0.03〜0.15がより好ましく、0.035〜0.1が更に好ましい。
(B)成分に対する(C)成分の質量比[(C)/(B)]は、0.15〜3である。前記質量比が0.15未満又は3を超えると、衣料への毛羽立ち、毛玉の抑制と仕上げ剤投入口への液残りの抑制とを両立することができない。衣料への毛羽立ち、毛玉の抑制と、仕上げ剤投入口への液残りの抑制とを両立する観点から、前記質量比[(C)/(B)]は0.2〜2.5が好ましく、0.25〜2がより好ましく、0.35〜2がより好ましく、0.5〜2が更に好ましい。
(A)成分に対する(C)成分の質量比[(C)/(A)]は、0.01〜0.15である。前記質量比が0.15を超えると衣料の毛羽立ち、毛玉の発生を抑制することができない。毛羽立ち、毛玉の発生を抑制する観点から、前記質量比[(C)/(A)]は0.015〜0.15が好ましく、0.018〜0.1がより好ましく、0.02〜0.06が更に好ましい。
<ポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤(D)>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、前記(A)成分の乳化安定性の点から、ポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤(以下、(D)成分ともいう)を含有することが好ましい。ポリオキシアルキレン付加型非イオン界面活性剤としては、分子内に炭素数8〜18の脂肪族炭化水素基及びポリオキシアルキレン基を有する非イオン界面活性剤が好ましい。
(D)成分の含有量は、乳化安定性の観点から、(A)成分の質量に対して3〜40質量%が好ましく、また、毛羽立ち、又は毛玉の発生を抑制する観点から、4〜30質量%が好ましく、7〜20質量%がより好ましい。
<炭素数が2〜6であり2〜6価のアルコール(E)>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、貯蔵安定性を高める観点から、炭素数が2〜6であり2〜6価のアルコール(以下、(E)成分ともいう)を使用することが好ましい。具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。これらは溶剤としても用いることができる。
<シリコーン化合物(F)>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、なめらかな風合いを付与する観点から、シリコーン化合物(以下、(F)成分ともいう)を使用することが好ましい。
(F)成分のシリコーン化合物としては、ジメチルポリシロキサンや変性シリコーン、例えば、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アミドポリエーテル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等を挙げることができる。
これらの中では、なめらかな風合いを付与する観点から、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アミドポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
ジメチルシリコーンの重量平均分子量は、なめらかな風合いを付与する観点から、1,000〜100万が好ましく、3,000〜50万がより好ましく、5,000〜25万が更に好ましい。
ジメチルシリコーンの25℃における動粘度は、100〜100万mm2/sが好ましく、500〜70万mm2/sがより好ましく、1,000〜50万mm2/sが更に好ましい。
アミノ変性シリコーンのアミノ当量(アミノ当量とは窒素原子1個当たりの分子量)は、なめらかな風合いを付与する観点から、200〜40,000g/molが好ましく、2,500〜20,000g/molがより好ましく、3,000〜10,000g/molが更に好ましい。
また、アミノ変性シリコーンの25℃における動粘度は、100〜20000mm2/sが好ましく、200〜10000mm2/sがより好ましく、500〜5000mm2/sが更に好ましい。
ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン及びアミドポリエーテル変性シリコーンとしては、なめらかな風合いを付与する観点から、1質量%水溶液の曇点が80℃以下の化合物が好ましく、更に70℃以下の化合物が好ましい。
また、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン及びアミドポリエーテル変性シリコーンの25℃における動粘度は、100〜6500mm2/sが好ましく、200〜6000mm2/sがより好ましく、500〜5500mm2/sが更に好ましい。
(F)成分は、オイル状のものをそのまま使用しても差し支えないが、本発明の組成物の製造上の観点から、(F)成分の粒子が水中に分散した水性エマルジョンの形態で配合することが好ましい。(F)成分の水性エマルジョンを得るためには、乳化剤として界面活性剤を用いることが好ましい。
前記乳化剤としての界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、脂肪酸塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、蔗糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン性界面活性剤、アミンオキサイド、スルホベタイン、カルボベタイン等の両性界面活性剤、トリ長鎖アルキル4級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤を用いることができる。
(F)成分を水性エマルジョンとした場合における乳化粒子の平均粒径は、繊維製品等の風合いを維持する観点から、0.01〜10μmが好ましく、0.01〜5μmがより好ましく、0.01〜1μmが更に好ましい。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物中の(F)成分の含有量は、なめらかな風合いを付与する観点から、0.1〜30質量%が好ましく、0.3〜20質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が更に好ましい。
(A)成分に対する(F)成分の質量比[(F)/(A)]は、なめらかな風合いを付与する観点から、0.02〜1が好ましく、0.03〜0.9がより好ましく、0.05〜0.8が更に好ましい。
[衣料の処理方法]
本発明の衣料の処理方法は、下記工程1〜工程4を含むものである。
工程1:前記衣料用仕上げ剤組成物を洗濯機の仕上げ剤投入口に投入する工程。
工程2:該衣料用仕上げ剤組成物を保持する仕上げ剤投入口に、炭酸塩アルカリ度が10〜60度である水を投入し、該衣料用仕上げ剤組成物と水とを接触させる工程。
工程3:工程2の後に、仕上げ剤投入口内の該衣料用仕上げ剤組成物を洗濯槽内に投入する工程。
工程4:洗濯槽内の水浴中で、衣料用仕上げ剤組成物と衣料を接触させる工程。
工程1は、衣料用仕上げ剤組成物を洗濯機の仕上げ剤投入口に投入する工程である。仕上げ剤投入口に投入される該衣料用仕上げ剤組成物の質量は、2〜80gが一般的であるが本発明の効果を実感し易くする観点から、5〜60gが好ましく、10〜50gがより好ましい。
工程2は、該衣料用仕上げ剤組成物を保持する洗濯機の仕上げ剤投入口に、炭酸塩アルカリ度が10〜60度である水を投入し、該衣料用仕上げ剤組成物と水とを接触させる工程である。
工程2では、仕上げ剤投入口内に存在する衣料用仕上げ剤組成物と水とが均一になるように接触させてもよく、衣料用仕上げ剤組成物の一部と水の一部のみを接触させるようにしてもよい。仕上げ剤投入口に投入する水の流速は、0.5〜4L/minが好ましい。
また、水の炭酸塩アルカリ度は、10〜60度であれば、本発明の効果を享受できる。
なお、本明細書における炭酸塩アルカリ度とは、下記の方法に従って測定された値をいう。
<炭酸塩アルカリ度の測定方法>
検水100mlを200mlビーカーにとり、指示薬としてブロモクレゾールグリーン−メチルレッド・エタノール溶液(和光純薬工業(株)製)を0.15ml加える。この溶液をマグネットスターラーと回転子(長さ30mm、直径8mm)で撹拌しながら(回転数200rpm)、10mmol/l硫酸で、溶液の色が青から赤紫色になるまで滴定する。次式によって炭酸塩アルカリ度を算出する。
炭酸塩アルカリ度(度)=a×10
(aは、滴定に要した10mmol/lの硫酸の量(ml)である。上記の式において、1度は1CaCO3mg/lを意味する。)
工程3は、工程2の後に仕上げ剤投入口内の該衣料用仕上げ剤組成物を、洗濯槽内に投入する工程である。工程2の後とは、工程2において仕上げ剤投入口内に存在する該衣料用仕上げ剤組成物と該水とが最初に接触した後を意味する。
この工程3では、衣料用仕上げ剤組成物が存在する仕上げ剤投入口に更に水を投入することで衣料用仕上げ剤組成物を洗濯槽内に流し出すことが好ましい。
工程4は、洗濯槽内の水浴中で衣料用仕上げ剤組成物と衣料とを接触させる工程である。
洗濯槽内の水の量は、一般的に浴比で決めることができる。なお、本明細書における「浴比」とは、衣類の容量と水の質量の比、[水の容量(リットル)]/[衣類の質量(kg)]で表す値をいう。
浴比が小さいと衣類同士の擦れによって毛羽や毛玉が発生しやすくなるため、浴比は10〜90が好ましく、20〜80がより好ましく、30〜60が更に好ましい。
衣料用仕上げ剤組成物中の(A)成分の質量は、衣類の質量に対して、0.1〜1質量%が好ましく、0.12〜0.8質量%がより好ましく、0.15〜0.6質量%が特に好ましい。
また、前記衣料の処理方法で衣料を処理する場合において、前記衣料用仕上げ剤組成物の(A)成分の衣料に対する吸着量は、毛羽立ち、毛玉の発生を効果的に抑制する観点から、衣料の質量に対して0.05〜0.4質量%が好ましく、しなやかな風合いの付与と、毛羽や毛玉抑制効果を衣料に付与する観点から、0.08〜0.3質量%がより好ましく、0.1〜0.2質量%が更に好ましい。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、前述のとおり、洗濯機の仕上げ剤投入口内に液残りしにくいため、前記投入口への投入用途に好適に用いることができる。また、毛羽立ち、毛玉の発生を抑制することができるため、ニット衣料の洗濯に好適に用いることができる。
なお、本明細書において「ニット衣料」とは、ニット(編物)で構成されている衣料をいい、「ニット(編物)」とは糸のループを連結して構成された布をいう。
また、本明細書において、「仕上げ剤投入口」とは、洗濯工程において仕上げ剤を投入するタイミングに水が注水される区画をいい、販売メーカーによってその名称は異なるが、洗濯機に設けられている「洗剤ケース」や「洗剤投入ケース」内にある「柔軟剤投入」、「ソフト仕上剤」と表記されている投入区画、又は洗濯機に設けられている「柔軟剤投入ケース」等と表記されている投入区画をいう。
まず、以下の合成例にしたがって各成分の合成を行った。
[各成分の合成例]
<(A)成分の合成例>
合成例1:(a−1)成分の合成
窒素雰囲気下、反応容器に下記合成例9で得られたカチオン化澱粉1.1重量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学製、GL−05)0.2重量部、及びイオン交換水48.7重量部を90℃にて均一溶解したのち60℃まで冷却した。これに、アクリル酸n−ブチル0.3重量部、メタクリル酸メチル0.2重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製、エマルゲン150)1.68重量部、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.03重量部、及びイオン交換水19.4重量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(重量比19/75/5/1)になるように予め混合しておいたもの16.2重量部、及び2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.05重量部をイオン交換水11.9重量部に溶解した水溶液を、5時間かけて反応溶液中に滴下した。滴下終了後、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.004重量部を加え、1時間そのまま撹拌を続けた。冷却後、255メッシュにて反応溶液を濾過し、重合体重量が約20%の基剤を得た。
得られた基剤5gを20mLのメスフラスコに入れ、アセトンでメスアップした後、0.5μmのPTFEメンブランフィルターでろ過した。ろ液を用い、GPCにて分子量を測定したところ、重合平均分子量は33万であった。GPC測定条件を下記に示す。
カラム:α−M+α−M(アニオン)
溶離液 :H3PO4(60mmol/L)/LiBr(50mmol/L)/DMF
流速 :1.0mL/min
カラム温度 :40℃
検出器 :RI
サンプル濃度:5mg/mL
サンプル量 :100μL
合成例2:(a−2)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(重量比30/64/5/1)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は35万であった。
合成例3:(a−3)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(重量比38/56/5/1)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は36万であった。
合成例4:(a−4)成分の合成
窒素雰囲気下、反応容器に下記合成例9で得られたカチオン化澱粉0.69重量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学製、GL-05)0.2重量部、及びイオン交換水48.7重量部を90℃にて均一溶解したのち60℃まで冷却した。これに、アクリル酸n−ブチル0.3重量部、メタクリル酸メチル0.2重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製、エマルゲン150)1.05重量部、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.03重量部、及びイオン交換水19.4重量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、5時間かけてメタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(重量比30/64/5/1)になるように予め混合しておいたもの16.2重量部、及び2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.05重量部をイオン交換水11.9重量部に溶解した水溶液を反応溶液中に滴下した。滴下終了後、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.004重量部を加え、1時間そのまま撹拌を続けた。冷却後、255メッシュにて反応溶液を濾過し、重合体重量が約20%の基剤を得た。得られた基剤をエバポレーターにて減圧濃縮し、重合体重量が約30%の基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は38万であった。
合成例5:(a−5)成分の合成
下記合成例9で得られたカチオン化澱粉の添加量を2.2重量部に変え、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(重量比30/64/5/1)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は33万であった。
合成例6:(a−6)成分の合成
窒素雰囲気下、反応容器に下記合成例9で得られたカチオン化澱粉1.1重量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学製、GL-05)0.2重量部、及びイオン交換水48.7重量部を90℃にて均一溶解したのち60℃まで冷却した。これに、アクリル酸n−ブチル0.3重量部、メタクリル酸メチル0.2重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製、エマルゲン150)1.68重量部、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.03重量部、及びイオン交換水19.4重量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(重量比30/64/5/1)になるように予め混合しておいたもの10.6重量部、及び2,2'-アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.05重量部をイオン交換水11.9重量部に溶解した水溶液を、5時間かけて反応溶液中に滴下した。滴下終了後、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.004重量部を加え、1時間そのまま撹拌を続けた。冷却後、255メッシュにて反応溶液を濾過し、重合体重量が約15%の基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は32万であった。
合成例7:(a−7)成分の合成
下記合成例9で得られたカチオン化澱粉を添加せず、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(重量比30/64/5/1)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は33万であった。
合成例8:(a−8)成分の合成
下記合成例9で得られたカチオン化澱粉の添加量を6.7重量部に変え、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(重量比30/64/5/1)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は35万であった。
比較合成例1:(a’−1)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(重量比49/45/5/1)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は35万であった。
<(B)成分の合成例>
合成例9:(b−1)成分の合成
プロペラ型撹拌羽根、冷却管、温度計がついた500mL容量の4つ口フラスコに苛性ソーダ0.9g、イオン交換水45g、イソプロピルアルコール100gを入れ、この溶液を25℃に調温した。なお、以下の操作は撹拌条件下で行った。前記溶液に対してコーンスターチ(三和澱粉工業(株)製)100gを30分かけて投入した。更に苛性ソーダの20%水溶液9.7gと3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド150gとの混合物を4つ口フラスコ内に投入した。投入後50℃まで昇温し、10時間撹拌した。次に36%塩酸水溶液で反応液のpHを7に調整した後、25℃まで冷却した。更に36%塩酸水溶液2.3gを加えた後、40℃まで昇温して反応液の粘度が50〜100mPa.sになるまで撹拌した。次に5%苛性ソーダ水溶液で反応液のpHを5.0に調整した。この反応物をイソプロピルアルコール/水(質量比50/50)で2回洗浄して乾燥させた。GPC法にて分子量を測定したところ、重量平均分子量は97.2万であった。また、N質量%は0.67質量%であった。
[実施例1〜10、比較例1〜6]
以下の各成分を表3に示すとおりに配合し衣料用仕上げ剤組成物を調製した。表3の各組成物は、合計で100質量%となる。得られた組成物について、以下に示す評価方法に沿って、毛羽立ち及び毛玉抑制効果と風合いを評価した。結果を表3に示す。
<(A)成分>
前記合成例1〜8で得られた化合物(a−1)〜(a−8)を表2に示す。
<(a’)成分:(A)成分の比較化合物>
前記比較合成例1で得られた化合物(a’−1)を表2に示す。
<(B)成分>
(b−1):前記合成例5により合成したカチオン化澱粉
(N質量%0.67質量%、重量平均分子量97.2万)
<(C)成分>
(c−1):ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド
(重量平均分子量:15,000)
(c−2):ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド
(重量平均分子量:100,000)
(c−3):ポリメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
(重量平均分子量:400,000)
<任意成分>
<(D)成分>
(d−1):ポリオキシエチレン(平均付加モル数:50モル)ラウリルエーテル
<(E)成分>
(e−1):溶剤(プロピレングリコール)
<衣料用仕上げ剤組成物の処理方法>
300mLビーカーに衣料用仕上げ剤の調製後の質量を200gとするのに必要な量のイオン交換水(温度:25℃)を入れ、一つの羽根の長さが2cmの撹拌羽根が3枚ついたタービン型の撹拌羽根で撹拌(300r/m)しながら上記合成例にて得られた基剤((A)成分、(B)成分、(d)成分)をビーカー内に入れて10分間撹拌した。その後、所要量の(C)成分((C)成分の10質量%水溶液)を添加して5分間撹拌し、次いで、さらに(E)成分を添加して10分間撹拌することにより衣料用仕上げ剤組成物を調製した。
<毛羽立ち及び毛玉抑制効果の評価法>
(1)試験布の準備
T/Cニット布(ポリエステル65%、綿35%、エアーフライスF401−F11、マスダ(株)製)2kgを市販の液体洗剤(花王(株)のアタックバイオジェル(登録商標)、2011年製)を用いて全自動洗濯機(HITACHI NW−7FT)で5回繰り返し洗濯した(洗剤濃度0.083質量%、水道水(20℃)40L使用、標準コース、洗濯9分−すすぎ2回−脱水6分、浴比1/20)。
洗濯したT/Cニット布を25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させたものを10×10cm角に裁断し、試験布(X1)とした。
(2)毛羽立ち及び毛玉抑制効果の評価方法
500mlガラスビーカーに水道水(炭酸塩アルカリ度:37度(mg/lCaCO3))300gと、表3に示す各実施例及び比較例の衣料用仕上げ剤組成物0.30gをそれぞれ加え、マグネットスターラーと回転子(クロスヘッド回転子ダブル、型番001.1140、高さ14mm、直径40mm、アズワン製)で10分間撹拌した(回転速度400rpm)。撹拌後、試験布(X1)を10g(4枚)入れ、5分間撹拌した(回転速度400rpm)。その後、二層式洗濯機(TOSHIBA VH−52G(H))を用い、試験布(X1)の評価面が表側(脱水槽の中心側)に出るように脱水槽の内壁に貼りつけ2分間脱水し、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させた。
乾燥させた試験布(X1)をアピアランス・リテンションテスター(ARP−1、大栄科学精器製作所製)を用いて荷重3.2Nにて2回転摩擦したものを試験布(X2)とした。
評価は、摩擦した各試験布(X2)の毛羽立ちレベルを下記の基準サンプル1〜4と比較し、下記判定基準にて得点をつけ平均点を求めることにより行った。なお、布帛の外観の評価に5年以上従事した判定者10人(30歳代)により評価を行った。
毛羽立ち抑制効果としては3.5以下が合格であり、3.0未満が更に好ましい。
<基準サンプル>
基準サンプル1:未処理の前記T/Cニット布(評価点:0)
基準サンプル2:試験布(X1)(評価点:2.0)
基準サンプル3:実施例1の衣料用仕上げ剤組成物0.20gで処理した試験布(X
2)(評価点:3.5)
基準サンプル4:比較例1で処理した試験布(X2)(評価点:5.0)
<判定基準>
0 :基準サンプル1の試験布と同等の外観で、毛羽も毛玉もない。
1.0:基準サンプル1と2の試験布の中間の外観で、極わずかに毛羽立ちがあるが
、毛玉はない。
2.0:基準サンプル2の試験布と同等の外観で、僅かに毛羽立ちがあるが毛玉はな
い。
2.5:基準サンプル2と3の試験布の外観の間であるが、どちらかというと基準サ
ンプル2の外観に近く、基準サンプル2よりも毛羽立ちは多いが、毛玉はな
い。
3.0:基準サンプル2と3の試験布の外観の間であるが、どちらかというと基準サ
ンプル3の外観に近く、毛羽立ちがあるが、毛玉はない。
3.5:基準サンプル3の試験布と同等の外観で、毛羽立ちはあるが、毛玉はない。
4.0:基準サンプル3と4の試験布の外観の間であるが、どちらかというと基準サ
ンプル3の外観に近く、毛羽立ちがあり、やや毛玉がある。
4.5:基準サンプル3と4の試験布の外観の間であるが、どちらかというと基準サ
ンプル4の外観に近く、毛羽立ちがあり、毛玉がある。
5.0:基準サンプル4の試験布と同等の外観で、毛羽立ちも毛玉もある。
<仕上げ剤投入口残留評価法1>
仕上げ剤投入口残留評価法1とは、仕上げ剤投入口に一般的に使用される材質のテストピースに対する、前記衣料用仕上げ剤組成物の残りやすさを評価する方法である。
表3に示す各衣料用仕上げ剤組成物10gをスクリュー管瓶(マルエム(株) No.4)に入れ、次に洗濯機投入口と同じ基材のポリプロピレン板(日本テストパネル(株) 標準試験板、縦70mm、幅10mm、厚さ1mm)を2枚が重ならないように縦方向に入れ、下半分(35mm)を20分浸漬させた。浸漬後、2.4L/minの流量に調節した水道水を200mlビーカーで受け、水をオーバーフローさせた状態にし、このビーカーに前記ポリプロピレン板を直接水流に当てないようにしながら、ポリプロピレン板の全面を水中に浸漬させて2分静置し、その後、ポリプロピレン板を取り出して25℃、50%RHの室内で30分間静置した。
次いで、0.3質量%の赤色401号水溶液10gを入れたスクリュー管瓶(マルエム(株) No.4)の中に、前記ポリプロピレン板の縦方向の半分(35mm)を1分浸漬させた。前記と同様に水をオーバーフローさせたビーカー内に、ポリプロピレン板を直接水流に当てないように全面を浸漬させて10秒静置した。その後、ポリプロピレン板をビーカー内から取り出し、25℃、50%RHの条件で12時間乾燥させた。
乾燥させたポリプロピレン板を測色計(日本電色工業(株) Spectro Color Meter SE2000)を用いてa*値を測定した(測定条件:反射、C/2光源、ゼロ合わせ:標準白板、ポリプロピレン板1枚の染色部に対して2点測定し、2枚の平均値(計4点)を算出した)。a*値とはCIE L***表色系における値を示し、洗濯機投入口残留抑制効果としては、a*値0.5以下が合格であり、0.4以下が更に好ましく、0.3以下が特に好ましい。結果を表3に示す。
Figure 2013151776
Figure 2013151776
<仕上げ剤投入口残留評価法2>
仕上げ剤投入口残留評価法2は、洗濯機の仕上げ剤投入口に衣料用仕上げ剤組成物を投入して衣料を処理する工程を実際に行い、仕上げ剤投入口の汚れ度合いを試験する方法である。前記試験布X1(500g)を全自動洗濯機(TOSHIBA AW−70DE(W))の洗濯槽内に投入した。仕上げ剤投入口に表3の実施例2、比較例2の衣料用仕上げ剤組成物をそれぞれ30g入れ、ドライコースで洗濯した(水道水28L 水温20℃、炭酸塩アルカリ度37度)。洗濯終了後、仕上げ剤投入口を25℃、50%RHで12時間放置した。実施例の組成物と比較例の組成物の洗浄後投入口を目視で観察した結果、比較例2の組成物を使用した仕上げ剤投入口は残留物が見られたか、実施例2の組成物を使用した仕上げ剤投入口は残留物が見られなかった。結果を表4に示す。
Figure 2013151776
以上のとおり、本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、衣料等の繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することができるものでありながら、洗濯機の投入口に液残りが生じることがない。
[実施例11〜13]
表5に示す配合量にしたがって衣料用仕上げ剤組成物を調製した。表5の各組成物は、合計で100質量%となる。得られた組成物について、後述の評価方法に従って、衣料の風合い(なめらかさ)を評価した。結果を表5に示す。
<(F)成分>
(f−1):信越化学工業(株)
ジメチルシリコーンエマルション「KM−902」
ベースオイル:ジメチルシリコーン
動粘度50万mm2/s(25℃)、シリコーン濃度50質量%
(f−2):東レ・ダウコーニング(株)製、
ポリエーテル変性シリコーン「SH−3749」
動粘度1300mm2/s(25℃)、1質量%水溶液の曇点36℃
<衣料用仕上げ剤組成物の処理方法>
<試験布の準備>
T/Cニット布(ポリエステル65%、綿35%、エアーフライスF401−F11、マスダ(株)製)2kgを市販の液体洗剤(花王(株)のアタックバイオジェル(登録商標)、2011年製)を用いて全自動洗濯機(HITACHI NW−7FT)で5回繰り返し洗濯した(洗剤濃度0.083質量%、水道水(20℃)40L使用、標準コース、洗濯9分−すすぎ2回−脱水6分、浴比1/20)。
洗濯したT/Cニット布を25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させて30×40cm角に裁断し、試験布(T1)とした。
次いで、電気バケツ(National製、N−BK2)に水道水(炭酸塩アルカリ度:37mg/lCaCO3)6.3L、及び表5に示す実施例11〜13の衣料用仕上げ剤組成物6.3gをそれぞれ加えて、弱水流にて1分間撹拌した。撹拌後、この溶液に試験布(T1)を6枚(210g)入れ、弱水流にて5分間撹拌した。その後、二層式洗濯機(TOSHIBA VH−52G(H))を用い、試験布(T1)を2分間脱水し、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させ、これを試験布(T2)とした。
<風合い(なめらかさ)評価>
試験布(T1)に対して、衣料用仕上げ剤組成物を用いずに水道水だけで処理を行ったこと以外は試験布(T2)を得るための処理と同様の処理を行い、25℃/50%RHの環境下で調湿処理したものを対照品とした。
各試験布(T2)の風合い(なめらかさ)を以下の判定基準に従い、得点をつけて平均点を求めることにより評価した。なお、評価は布帛の外観評価に5年以上従事した判定者6名により行った。
なめらかさとしては、0以上が合格であり、0.5以上がより好ましく、1以上が更に好ましい。
〔判定基準〕
2 :対照品より非常になめらかである
1 :対照品よりなめらかである
0 :対照品と同等のなめらかさである
−1:対照品のほうがなめらかである
−2:対照品のほうが非常になめらかである
Figure 2013151776
以上の結果から明らかなように、本発明の衣料用仕上げ剤組成物によれば、衣料に対してなめらかな風合いを付与することができる。

Claims (7)

  1. 炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを70〜100質量%含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるモノマーを含有するカチオン性ポリマー(C)及び水を含有する衣料用仕上げ剤組成物であって、(B)成分に対する(C)成分の質量比[(C)/(B)]が0.15〜3であり、(A)成分に対する(C)成分の質量比[(C)/(A)]が0.005〜0.15である衣料用仕上げ剤組成物。
    Figure 2013151776
    (式中、R1は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R2はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3の炭化水素基を示し、YはO又はNHを示し、Zはヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルカンジイル基を示し、X-は陰イオンである。各R2は互いに同一であっても、異なっていてもよい。)
    (CH2=C(R3)CH224 2+・X- (2)
    (式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4はメチル基又はヒドロキシエチル基を示し、X-は陰イオンを示す。各R3及び各R4は互いに同一であっても、異なっていてもよい。)
  2. 前記(A)成分に対する(B)成分の質量比[(B)/(A)]が0.02〜1である、請求項1に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  3. 更に、ポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤(D)を含有する、請求項1又は2に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  4. 更に、シリコーン化合物(F)を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  5. 洗濯機の仕上げ剤投入口への投入用の衣料用仕上げ剤組成物である、請求項1〜4のいずれかに記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  6. 前記衣料がニット衣料である、請求項1〜5のいずれかに記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  7. 下記工程1〜工程4を含む、衣料の処理方法。
    工程1:請求項1〜6のいずれかに記載の衣料用仕上げ剤組成物を洗濯機の仕上げ剤投入口に投入する工程。
    工程2:該衣料用仕上げ剤組成物を保持する仕上げ剤投入口に、炭酸塩アルカリ度が10〜60度である水を投入し、該衣料用仕上げ剤組成物と水とを接触させる工程。
    工程3:工程2の後に、仕上げ剤投入口内の該衣料用仕上げ剤組成物を洗濯槽内に投入する工程。
    工程4:洗濯槽内の水浴中で、衣料用仕上げ剤組成物と衣料を接触させる工程。
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JP2019504216A (ja) * 2016-01-25 2019-02-14 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 処理組成物

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