JP2008156764A - 繊維処理剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記(a)成分、(b)HLBが0を超え7以下のポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン及び(c)水を、特定割合で含有する繊維処理剤組成物。
(a)成分:単糖単位等(a1)、及び単糖単位等のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、基(1)で置換されている単糖単位(a2)を特定割合で有する重量平均分子量15万〜25万の多糖誘導体
−R1a−(OR1b)n−E−R1c (1)
[式中、R1aはC1-6の2価の飽和炭化水素基、R1bはC1-6の2価の飽和炭化水素基、nは1〜50の数、Eは−O−、−COO−又は−OCO−、R1cはC8-22の1価炭化水素基を示す。]
【選択図】 なし
Description
(a)成分:単糖単位、又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化された単糖単位(a1)、及び単糖単位又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化された単糖単位のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、一般式(1)で表される基で置換されている単糖単位(a2)を有し、[(a1)+(a2)]/(a2)がモル比で1000/9より大きく1000/1以下である重量平均分子量15万〜25万の多糖誘導体
−R1a−(OR1b)n−E−R1c (1)
[式中、R1aはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、R1bはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、nは1〜50の数を示し、n個のR1bは同一又は異なっていてもよい。Eは−O−、−COO−又は−OCO−から選ばれる基を示し、R1cはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の1価炭化水素基を示す。]
(b)成分:HLBが0を超え7以下のポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン
(c)成分:水
本発明の(a)成分は、上記単糖単位(a1)及び単糖単位(a2)を有し、[(a1)+(a2)]/(a2)がモル比で1000/9より大きく1000/1以下である重量平均分子量15万〜25万の多糖誘導体である。
G−(OR1b)n−E−R1c (2)
(式中、Gは、ヒドロキシ基と反応してエーテル結合もしくはエステル結合を形成する基を示し、R1b、n,E及びR1cは前記の意味を示す。)
で表される化合物を上記[(a1)+(a2)]/(a2)のモル比の範囲内に入るように反応させることで得られる。
本発明では、式(2)で表される化合物として、式(2−1)で表される化合物が最も好ましい。
多糖類がヒドロキシアルキル化物の場合には、ヒドロキシアルキル基の導入率(単糖単位中のヒドロキシアルキル基の数)は、好ましくは0.01〜3.5、より好ましくは0.01〜3.0である。
本発明の(b)成分は、HLBが0を超え7以下のポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサンである。
これらのポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサンのHLBは0を越え7以下であり、0を超え4以下であるものが好ましく、0を超え3以下であるものがより好ましい。
また、一般式(4)で表される化合物のHLBは、下記式で求められる値である。
また(b)成分のポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサンで40℃において流動性の低いものは、流動パラフィン、流動イソパラフィン、パラフィン、低級アルコール、低級脂肪酸、低分子量エステル化合物と混合して用いることができる。
本発明の(c)成分は水であり、微量に存在する重金属などを取り除いたイオン交換水や蒸留水を用いることができる。また、塩素などで滅菌した滅菌水を用いることも可能である。
本発明の繊維処理剤組成物は、上記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を必須成分とするが、乳化物の安定性を向上させる目的、及び(a)成分及び(b)成分の対象表面への吸着を促進させる目的から(d)成分として界面活性剤を用いることができる。用いることができる界面活性剤としては非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤を挙げることができ、乳化物の安定性の点から非イオン界面活性剤(d1)が好適であり、対象表面への吸着促進の観点から陽イオン界面活性剤(d2)を併用することが好適である。
R6a−T−[(R6b−O)t−R6c]u (6)
[式中、R6aは炭素数8〜32、好ましくは10〜28、より好ましくは10〜24、特に好ましくは10〜18のアルキル基又はアルケニル基、R6bは炭素数2又は3のアルキレン基である。R6cは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Tは−O−、−COO− 、−CON<又は−N<から選ばれる連結基であり、Tが−O−又は−COO−の場合にはuは1であり、Tが−CON<又は−N<の場合にはuは2である。tは数平均で1〜150、好ましくは2〜80、特に好ましくは4〜50の値である。ここで、複数個のR6b及びR6cは同一でも異なっていても良い。]
一般式(5)において、R5は炭素数8〜30、好ましくは8〜20の直鎖若しくは分岐鎖の飽和あるいは不飽和の炭化水素基である。具体的にはオクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2-エチルヘキシル基、イソデシル基、イソセチル基、イソステアリル基、ヘキシルデシル基、ヘプチルウンデシル基、オクチルドデシル基、オレイル基が挙げられる。
[式中、R6a及びtは前記の意味を示す。]
陽イオン界面活性剤(d2)としては一般式(7)で表される化合物が対象表面への油剤の吸着促進の点から好適である。
一般式(7)で表される化合物において、R7aは好ましくは炭素数14〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、vは1の数が好ましい。陽イオン界面活性剤(d2)としては、R7cがR7a−[W−R7b]v−である化合物(d2−2)、及びR7cがメチル基又はヒドロキシエチル基である化合物(d2−1)の混合物が好ましく、(d2−2)/(d2−1)の質量比が、100/1〜100/10、好ましくは100/2〜100/6の混合物が油剤の吸着性を促進させる目的から好適である。R7dはメチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、R7eは水素原子又はメチル基が好適である。X-はハロゲンイオン(好ましくはクロルイオン)、炭素数1から3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいベンゼンスルホン酸イオンが好適である。
本発明の繊維処理剤組成物中の、(a)成分の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8.0質量%がより好ましく、0.1〜5.0質量%が特に好ましい。(b)成分の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、1.0〜50質量%がより好ましく、3.0〜45質量%が特に好ましい。また(a)成分と(b)成分の配合比率は、(a)成分/(b)成分(質量比)=1/100〜30/100であり、1/100〜1/4が好ましく、1/80〜1/5がより好ましい。本発明の繊維処理剤組成物中の(c)成分である水の含有量は、40〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、60〜90質量%が特に好ましい。
本発明の組成物はO/W型の乳化形態が対象表面への(b)成分の吸着を促進できる点で好ましい。又(a)成分を外殻として(b)成分を内包するカプセル状の粒子が分散したO/W型乳化組成物がより好適である。これは(a)成分中のヒドロキシル基が被処理対象物と相互作用する為であるか、(a)成分中のアルキル基が(b)成分と相互作用し効率良く乳化する為であると考えられる。
・(a)成分
(a−1):合成例1で製造した多糖誘導体(a−1)
(a−2):合成例2で製造した多糖誘導体(a−2)
・比較の化合物
(a’−1):合成例3で製造した多糖誘導体(a’−1)
(a’−2):合成例4で製造した多糖誘導体(a’−2)
・(b)成分
(b−1):式(4)[式中、R4a、R4b、R4cはメチル基、R4dは炭素数3のアルキレン基、R4e中のpは350〜450、qは5〜15、jは2〜5、kは0、Lは水素原子である。]で表されるポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン(HLB値1)
・(c)成分:水
・(d)成分
(d1−1):2―エチルヘキシルグリセリルエーテル
・(e)成分
(e−1):グリセリン
合成例1:多糖誘導体(a−1)の合成例
冷却管を装備した5Lの卓上型ニーダーに、重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(SE390、ダイセル社製)1000gを入れ、攪拌しながらイソプロピルアルコール(IPA)500g、次式(8)
冷却管を装備した5Lの卓上型ニーダーに、重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(SE390、ダイセル社製)1000gを入れ、攪拌しながらイソプロピルアルコール500g、前記式(8)で表される化合物27.97g、48%水酸化ナトリウム水溶液61.21g、水68.17gを加えた。13.3kPaまで減圧した後、窒素により常圧に戻す操作を3回繰り返して内部を窒素で置換し、76℃まで昇温、10時間攪拌・反応した。反応終了後、50℃以下に冷却し、混合物にコハク酸43.38g、IPA30gからなるスラリーを加え、再度75℃まで昇温して3時間中和反応を行った。中和終了後、減圧下(26.6kPa)75℃で溶媒を留去し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(多糖誘導体(a−2))997gを得た。
冷却管を装備した5Lの卓上型ニーダーに、重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(SE390、ダイセル社製)700gを入れ、攪拌しながらイソプロピルアルコール350g、前記式(8)で表される化合物22.02g、48%水酸化ナトリウム水溶液42.85g、水47.72gを加えた。13.3kPaまで減圧した後、窒素により常圧に戻す操作を3回繰り返して内部を窒素で置換し、76℃まで昇温、10時間攪拌・反応した。反応終了後、40℃以下に冷却し、混合物にコハク酸30.36g、IPA30gからなるスラリーを加え、再度75℃まで昇温して3時間中和反応を行った。中和終了後、減圧下(26.6kPa)75℃で溶媒を留去し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(多糖誘導体(a’−1))680gを得た。
冷却管を装備した5Lの卓上型ニーダーに、重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(SE390、ダイセル社製)1000gを入れ、攪拌しながらイソプロピルアルコール500g、前記式(8)で表される化合物50.65g、48%水酸化ナトリウム水溶液61.21g、水68.2gを加えた。13.3kPaまで減圧した後、窒素により常圧に戻す操作を3回繰り返して内部を窒素で置換し、76℃まで昇温、10時間攪拌・反応した。反応終了後、50℃以下に冷却し、混合物にコハク酸43.38g、IPA30gからなるスラリーを加え、再度75℃まで昇温して3時間中和反応を行った。中和終了後、減圧下(26.6kPa)75℃で溶媒を留去し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(多糖誘導体(a’−2))1055gを得た。
表1に示す(a)〜(e)成分を用い、下記に記す方法で、表1に示す組成の繊維処理剤組成物を調製した。得られた組成物の粘度を下記方法で測定した。また、得られた組成物を全自動洗濯機による洗濯に用い、その投入口における液残りを下記方法で測定した。結果を表1に示す。
表1の(a)成分、(b)成分の1/5(質量比)及び(e)成分を表1の組成にするのに必要な(c)成分の15%(25℃)に添加し、25℃にて1時間攪拌した後、(d1)成分を添加し、更に20分攪拌した後、残りの(b)成分を添加する。次に、25℃で1時間攪拌した後、配合物の温度を60℃に上昇させ、1時間攪拌し、組成物を得る。上記の方法で得られた組成物を30分かけて40℃まで冷却した後、残りの(c)成分を添加し、30分攪拌し、pHを調整した後、1時間掛けて、25℃にまで配合物の温度を下げて、水中油型乳化物を含む繊維処理剤組成物を得た。尚、攪拌速度は全ての工程で400rpmである。
30℃の各組成物をB型VISCOMETER(TOKIMEC製 ロータNo.2、回転速度60rpm)により粘度を測定した。
全自動洗濯機(シャープ製 ES−U70C)の投入口に表1記載の各組成物40gを入れて、洗濯処理を行った(水量45L、浴比17(下記の方法で調製した木綿タオル)、水温20℃、アタック使用量40g、水温成り行き)。その後、投入口に残った液をアルミホイルプレートに回収し、70℃で一晩乾燥させた。一方、各組成物原液5gをアルミホイルプレートに入れ、同様に乾燥させた。乾燥して残った残渣の重量から下記式(9)により液残りを算出した。
(A):投入口に残った液の乾燥重量(g)
(B):各組成物原液5gの乾燥重量(g)。
(1)柔軟性能の評価に供する木綿タオルの調製
市販の木綿タオル(木綿100%)を市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)アタック)を用いて洗濯した(ナショナル製全自動洗濯機NA−F60E、洗剤濃度20g/30L、浴比17、水温20℃、洗濯コースは標準コース)。この操作を計5回繰り返した後、20℃、45%RHの条件で乾燥させ、評価用タオルとした。
(2)柔軟効果の評価
比較例3の繊維処理剤組成物で処理した木綿タオルの柔らかさを基準として、表1記載の他の繊維処理剤組成物で処理した木綿タオルの柔らかさを判定した。
Claims (4)
- 下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有し、(a)成分と(b)成分の質量比が、(a)/(b)=1/100〜30/100である繊維処理剤組成物。
(a)成分:単糖単位、又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化された単糖単位(a1)、及び単糖単位又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化された単糖単位のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、一般式(1)で表される基で置換されている単糖単位(a2)を有し、[(a1)+(a2)]/(a2)がモル比で1000/9より大きく1000/1以下である重量平均分子量15万〜25万の多糖誘導体
−R1a−(OR1b)n−E−R1c (1)
[式中、R1aはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、R1bはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、nは1〜50の数を示し、n個のR1bは同一又は異なっていてもよい。Eは−O−、−COO−又は−OCO−から選ばれる基を示し、R1cはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の1価炭化水素基を示す。]
(b)成分:HLBが0を超え7以下のポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン
(c)成分:水 - さらに、水溶性溶剤を含有する、請求項1記載の繊維処理剤組成物。
- (a)成分及び(b)成分を含有する混合溶液(A)に、攪拌下、(c)成分を添加して乳化させることにより調整した水中油型乳化物を含有する、請求項1又は2記載の繊維処理剤組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の繊維処理剤組成物を用い、洗濯機の自動投入口を使用して繊維製品を処理する方法。
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