JP2015123778A - プログラム及び列車ダイヤ作成装置 - Google Patents

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武俊 國松
Taketoshi Kunimatsu
武俊 國松
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Abstract

【課題】折り返し運転を含む運転整理のし易さに着目した列車ダイヤの新たな作成手法を実現するための技術の提供。【解決手段】列車ダイヤの作成は、運転整理を必要とする輸送障害を含む輸送障害シナリオの生成、パターンダイヤであるダイヤ候補の生成、折り返し駅での折り返し運転を含む運転整理を行った運転整理ダイヤ組を、ダイヤ候補それぞれについて生成、運転整理ダイヤ組を用いたダイヤ候補に対する1次評価、1次評価の結果に基づくダイヤ候補の抽出、抽出したダイヤ候補に対する旅客流動シミュレーションを実施した2次評価、2次評価の結果に基づく最適なダイヤ候補の選択、の順に行われる。【選択図】図1

Description

本発明は、列車ダイヤ作成装置等に関する。
コンピュータによる自動的な列車ダイヤの作成方法として、列車ダイヤの評価及び修正を繰り返すことでより“良い”列車ダイヤを作成する手法が知られている。このときの列車ダイヤの評価基準として、例えば、旅客全員分の不効用値である旅客コストと、鉄道事業者の運行コストとの和を評価値として用いる手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−237948号公報
ところで、鉄道では、事故や故障、災害等によって列車運行に乱れが生じた場合、乱れたダイヤを正常な運行に復帰させるため、列車ダイヤを修正・変更する運転整理が行われる。運転整理の方法の1つとして、支障箇所の手前の駅での折り返し運転があるが、この折り返し運転を含む運転整理を行い易いダイヤと行い難いダイヤとが存在する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、折り返し運転を含む運転整理のし易さに着目した列車ダイヤの新たな作成手法を実現するための技術を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明は、
コンピュータを、
所定線区の列車ダイヤをパターンダイヤで作成したダイヤ候補を複数生成するダイヤ候補生成手段、
前記所定線区における折り返し駅を設定する折り返し駅設定手段、
運転整理を必要とする輸送障害を含む複数の輸送障害シナリオを設定する輸送障害シナリオ設定手段、
前記輸送障害シナリオそれぞれに対して前記折り返し駅での折り返し運転を含む運転整理を行った運転整理ダイヤの組(以下「運転整理ダイヤ組」という)を、前記ダイヤ候補それぞれについて生成する運転整理ダイヤ生成手段、
前記ダイヤ候補それぞれを、対応する運転整理ダイヤ組を用いて評価する評価手段、
として機能させるためのプログラムである。
また、他の発明として、
所定線区の列車ダイヤをパターンダイヤで作成したダイヤ候補を複数生成するダイヤ候補生成手段と、
前記所定線区における折り返し駅を設定する折り返し駅設定手段と、
運転整理を必要とする輸送障害を含む複数の輸送障害シナリオを設定する輸送障害シナリオ設定手段と、
前記輸送障害シナリオそれぞれに対して前記折り返し駅での折り返し運転を含む運転整理を行った運転整理ダイヤ組を、前記ダイヤ候補それぞれについて生成する運転整理ダイヤ生成手段と、
前記ダイヤ候補それぞれを、対応する運転整理ダイヤ組を用いて評価する評価手段と、
を備えた列車ダイヤ作成装置を構成しても良い。
ここで、輸送障害シナリオとは、例えば1日分あるいは1回分の輸送障害のことであり、輸送障害シナリオ1つに対して、1つの運転整理を適用することができる。この第1の発明等によれば、パターンダイヤで作成したダイヤ候補が、複数の輸送障害シナリオそれぞれに対して折り返し運転を含む運転整理を行った運転整理ダイヤ組を用いて評価される。輸送障害としては様々なケースが考えられる。そのため、複数の輸送障害シナリオを用意し、各輸送障害シナリオに対して運転整理を行うことで、1つのダイヤ候補を、総体的に、折り返し運転を含む運転整理がし易いかという観点から評価することができる。これにより、折り返し運転を含む運転整理のし易さに着目した列車ダイヤの新たな作成手法を実現するための技術を提供できる。
また、第2の発明として、第1の発明のプログラムであって、
前記ダイヤ候補生成手段は、
上り列車用のパターンダイヤを生成し、
下り列車用のパターンダイヤを生成し、
前記上り列車用のパターンダイヤと、前記下り列車用のパターンダイヤとを、相対時刻をずらして組み合わせることで複数の前記ダイヤ候補を生成する、
プログラムを構成しても良い。
この第2の発明によれば、上り列車用のパターンダイヤと下り列車用のパターンダイヤとを、相対時刻をずらして組み合わせることで複数のダイヤ候補が生成される。これにより、パターンダイヤであるダイヤ候補を簡易な方法で多数生成することができる。
また、第3の発明として、第1又は第2の発明のプログラムであって、
前記輸送障害シナリオ設定手段は、支障箇所および支障時間帯が異なる複数の支障条件と当該支障条件の発生確率とを設定し、前記発生確率を用いて当該支障条件の発生有無を判定することで複数日数分の輸送障害シナリオを設定する、
プログラムを構成しても良い。
この第3の発明によれば、支障箇所及び支障時間帯が異なる複数の支障条件それぞれに設定された発生確率を用いて支障条件の有無を判定することで、複数日数分の輸送障害シナリオが設定される。これにより、例えば、支障条件に設定する発生確率を、対象線区の過去の輸送障害の発生頻度に基づいて設定することで、実情に即した輸送障害を想定し、より適切なダイヤ候補の評価を行うことができる。
また、第4の発明として、第1〜第3の何れかの発明のプログラムであって、
前記評価手段は、
前記運転整理ダイヤ組に含まれる各運転整理ダイヤを、当該運転整理の結果を評価対象として1次評価する1次評価手段と、
前記運転整理ダイヤ組に含まれる各運転整理ダイヤを、出現時刻、出現駅、及び、目的駅が定められた複数の仮想旅客それぞれの旅客流動シミュレーションを行って2次評価する2次評価手段と、
を有し、前記1次評価の評価結果を用いて前記複数のダイヤ候補の中から絞り込んだダイヤ候補について前記2次評価を行う、
プログラムを構成しても良い。
この第4の発明によれば、ダイヤ候補の評価として、運転整理の結果を評価対象とした1次評価が行われ、この1次評価の評価結果を用いて複数のダイヤ候補の中から絞り込んだダイヤ候補について、旅客流動シミュレーションを行って2次評価が行われる。つまり、二段階の評価が行われる。また、1次評価は、運転整理の結果を評価対象としているため2次評価に比べて演算量が少なく、高速に評価することができる。他方、2次評価では、旅客流動シミュレーションを行うため、詳細かつ実際的な評価結果を得られる。これにより、運転整理のし易さと、旅客の利便性とを考慮した評価を、多数のダイヤ候補に対して効率良く行うことができる。
また、第5の発明として、第4の発明のプログラムであって、
前記1次評価手段は、前記運転整理によって定められた不通駅間の数、折り返し運転の総数、運休列車本数、及び、過剰列車数のうちの少なくとも1つを用いて前記1次評価を行う、
プログラムを構成しても良い。
この第5の発明によれば、1次評価は、運転整理によって定められた不通駅間の数、折り返し運転の総数、運休列車本数、過剰列車数のうちの少なくとも1つを用いて行われる。
列車ダイヤ作成の概要図。 輸送障害シナリオの説明図。 上り/下り方向のパターン候補の生成の説明図。 ダイヤ候補の生成の説明図。 折り返し運転を含む運転整理の説明図。 折り返し運転が不可能な例。 運転抑止の例。 運転整理専用スジへの折り返し運転の例。 運転整理ダイヤに対する1次評価の一例。 運転整理ダイヤに対する1次評価の一例。 列車ダイヤ作成装置の機能構成例。 輸送障害発生確率テーブルのデータ構成例。 輸送障害シナリオデータのデータ構成例。 ダイヤ候補評価用データのデータ構成例。 列車ダイヤ作成処理のフローチャート。 折り返し設備設置計画の評価への適用例。
[概要]
本実施形態の列車ダイヤ作成装置は、例えば人身事故や信号機トラブルなどの輸送障害の発生時に円滑な折り返し運転が可能なダイヤを作成するための一種のコンピュータである。また、本実施形態では、比較的に列車本数が多いダイヤを想定し、列車ダイヤとして、所定時分(例えば、15分)間隔で同じダイヤパターンを繰り返すパターンダイヤを作成することとする。
図1は、本実施形態における列車ダイヤの作成手順の概要図である。図1に示すように、列車ダイヤの作成は、(1)輸送障害シナリオの生成、(2)ダイヤ候補の生成、(3)ダイヤ候補に対する1次評価、(4)1次評価の結果に基づくダイヤ候補の抽出、(5)抽出したダイヤ候補に対する2次評価、(6)2次評価の結果に基づく最適なダイヤ候補の選択、の順に行われる。以下、各手順について詳細に説明する。
(1)輸送障害シナリオの生成
先ず、複数の輸送障害シナリオを生成する。輸送障害シナリオは、想定する輸送障害を定めたデータであり、図2に示すように、輸送障害の発生した支障箇所と、支障期間(発生時刻及び支障の継続時間である支障時間長)とを含む支障条件を定めており、輸送障害の1日分或いは1回分のシナリオである。多数の輸送障害シナリオを用意するのは、列車ダイヤ作成装置では、折り返し運転を含む運転整理のし易さを評価の1つとしているため、列車ダイヤについて、様々な輸送障害シナリオに対する運転整理の適応性を総体的に評価するためである。また、この輸送障害シナリオは、対象区間における過去の輸送障害の統計データに基づき確率的に生成される。
(2)ダイヤ候補の生成
また、複数のダイヤ候補を生成する。ダイヤ候補は、所定時間(例えば、15分)間隔で同じダイヤパターンを繰り返すパターンダイヤとする。
先ず、上り/下りの方向別に、1サイクルのパターン候補を生成する。すなわち、図3に示すように、予め定められた複数のカゲスジのうちから所定数を選択することで、パターン候補を生成する。カゲスジとは、列車運転の候補となる列車スジであり、列車種別毎に生成される。例えば快速を1本、普通を2本といったように、1サイクル内に列車種別毎に所定数のカゲスジを選択することで、上り/下りの方向それぞれについて、1サイクルにおける列車の運行間隔を定めた複数のパターン候補を生成する。なお、図3を含む各図面において、列車スジは、誤解を避け、理解を容易にするために、駅停車を省略した簡易なスジで示している。
次いで、生成した上りパターン候補と下りパターン候補とを重ね合わせることで、ダイヤ候補を生成する。詳細には、図4に示すように、上りパターン候補を1サイクルとして繰り返す上りパターンダイヤ候補と、下りパターン候補を1サイクルとして繰り返す下りパターンダイヤ候補とを、それぞれのサイクルの開始時点を、例えば、0分、2分、4分、・・といったように、相対的に所定時分ずつずらして組み合わせることで、1つの組み合わせに対して複数のダイヤ候補を生成する。
(3)ダイヤ候補に対する1次評価
続いて、ダイヤ候補に対する1次評価(簡易評価)を行う。具体的には、ダイヤ候補それぞれについて、輸送障害シナリオそれぞれを適用した場合の運転整理を行って運転整理ダイヤを生成し、生成したこれらの運転整理ダイヤを用いて、1次評価として運転整理の結果を評価する。N個のダイヤ候補と、M個の輸送障害シナリオがある場合には、N×M個の運転整理ダイヤを生成して評価する。
運転整理ダイヤの作成の際には、先ず、輸送障害シナリオに従って、列車が運行されない不通区間、及び、支障時間帯を設定する。不通区間は、輸送障害シナリオで定められる支障箇所を含み、予め定められた折り返し駅を両端とする駅間である。支障時間帯は、輸送障害シナリオにおいて定められる輸送障害の発生時刻から支障時間が経過するまでの時間帯である。
次いで、図5に示すように、上り/下り列車それぞれを、不通区間の終端駅、すなわち折り返し駅における折り返し運転を行って、運転整理ダイヤを作成する。このとき、同一種別(快速/不通)であり逆方向の列車に折り返すとともに、折り返し時間(着時刻から発時刻までの時間)を確保するため、当該時間が所定時間以上となるように、折り返しを設定する。図5(a)はダイヤ候補であり、図5(b)は図5(a)のダイヤ候補に対して運転整理を行って生成した運転整理ダイヤである。
図5に示す例では、C駅が支障箇所であり、このC駅を含むA〜D駅間が不通区間である。また、不通区間の終端駅であるA,D駅はともに折り返し駅であり、上り列車はD駅で折り返し、下り列車はA駅で折り返すように、運転整理ダイヤが生成されている。
なおこのとき、図6に示すように、折り返しが不可能な場合があり得る。図6の例ではB,D駅が折り返し駅であった場合を示している。図6に示す例では、C駅が支障箇所であり、このC駅を含むB〜D駅間が不通区間である。上り列車はD駅で折り返し、下り列車はB駅で折り返す。しかし、下り列車が折り返すB駅において、複数の列車(普通と快速)が競合して折り返しが不可能となっている。
このように、折り返しが不可能な場合には、図7に示すように、折り返しを行わず、運転再開まで抑止するように、運転整理ダイヤを生成する。図7に示す例では、上り列車は、折り返し駅であるD駅において折り返されているが、下り列車は、C駅より上流の各駅において、支障時間帯が経過して運転が再開されるまで抑止されている。
また、図8に示すように、予め定められた運転整理用スジに折り返しても良い。運転整理用スジは、ダイヤ候補においては列車が設定されていない(存在しない)列車スジであり、例えば列車間隔等を考慮して定められる。なお、運転整理用スジは、列車種別(快速/普通)毎に定めることとしても良い。この場合、同一種別の運転整理用スジに折り返すことになる。
このように、ダイヤ候補それぞれについて、輸送障害シナリオそれぞれを適用した場合の運転整理ダイヤを生成する。以下、1つのダイヤ候補について、輸送障害シナリオそれぞれを適用して生成した運転整理ダイヤを「運転整理ダイヤ組」という。従って、ダイヤ候補それぞれについて運転整理ダイヤ組が生成される。生成された運転整理ダイヤ組を用いて、対応するダイヤ候補を1次評価する。1次評価は、第1の評価尺度で評価値を算出する。第1の評価尺度は、運転整理のし易さを観点とした指標であり、複数の評価尺度(図1の評価尺度α,β,・・・)を含む。例えば、不通区間、列車不足、列車過剰、運転整理専用列車、運休列車、折り返し運転、列車間隔などがある。
不通区間は、輸送障害によって不通区間となる駅間の数である。例えば図9では、B〜D駅間が不通区間であり、評価値は「2」となる。また、図10では、A〜E駅間が不通区間であり、評価値は「4」となる。但し、図7に示したように、折り返さずに運転抑止とした場合には、対象線区の全ての駅数を、不通区間の評価値とする。
列車不足は、折り返し駅において以降の区間が運休となった列車の数である。例えば、図9では、B駅において1本の上り列車が、D駅において1本の下り列車が、それぞれ運休となっており、評価値は「2」となる。また、図10では、折り返し駅において運休となった列車は無く、評価値は「0」となる。
列車過剰は、折り返し駅以降の区間において過剰となった列車の数である。例えば図9では、D駅以降において1本の上り列車が、B駅以降において1本下り列車が、それぞれ過剰となっており、評価値は「2」となる。また、図10では、折り返し駅において以降の区間において過剰となった列車は無く、評価値は「0」となる。
運転整理専用列車は、運転整理専用スジへの折り返しを行った列車数である。例えば、図8では、B駅において3本の下り列車が逆方向の運転整理用スジに折り返し、D駅において3本の上り列車が逆方向の運転整理用スジに折り返しており、評価値は「6」となる。
運休列車は、各駅における運休列車数の総和である。例えば、図9では、B駅において3本の下り列車と1本の上り列車、C駅において3本の下り列車と3本の上り列車、D駅において1本の下り列車と3本の上り列車が運休となっており、評価値は「14」となる。また、図10では、A駅において、3本の下り列車、B駅において、3本の下り列車と3本の上り列車、C駅において、3本の下り列車と3本の上り列車、D駅において、3本の下り列車と3本の上り列車、E駅において、3本の上り列車が運休となっており、評価値は「24」となる。
折り返し運転は、折り返し運転の回数である。例えば、図9では、B駅において2回、D駅において2回の折り返しを行っており、評価値は「4」となる。また、図10では、A駅において3回、E駅において3回の折り返しを行っており、評価値は「6」となる。
列車間隔は、各駅における上り下り各方向の運転整理ダイヤ上の最大列車間隔と運転整理前の候補ダイヤ上の最大列車間隔との差の総和である。
次いで、ダイヤ候補それぞれについて第1の評価尺度の期待値を算出する。1つのダイヤ候補に着目して説明すると、当該ダイヤ候補に対応する運転整理ダイヤ組に対して1次評価した評価値をもとに、当該ダイヤ候補に関する第1の評価尺度の期待値を算出する。第1の評価尺度には複数の評価尺度があるため、各評価尺度について期待値を算出する。ダイヤ候補i(i=1,2,・・,I)についての評価尺度k(k=1,2,・・,K)の期待値Ei,kは、次式(1)で算出する。
i,k=Σ(P×Vi,j,k) ・・(1)
式(1)において、Vi,j,kは、ダイヤ候補iに輸送障害シナリオj(j=1,2,・・,J)を適用した列車整理ダイヤに対する評価尺度kの評価値である。Pは、輸送障害シナリオjの発生確率である。
(4)1次評価の結果に基づくダイヤ候補の抽出
そして、第1の評価尺度それぞれについて、期待値が“最良”となったダイヤ候補を、最終候補として抽出する。重複がなければ、第1の評価尺度の数だけのダイヤ候補が最終候補として抽出される。ここで、期待値が“最良”とは、評価尺度の定義によって決まる。本実施形態では、第1の評価尺度を、運転整理による列車ダイヤの利便性の低下の程度を示すものとしているため、期待値が最小となるダイヤ候補を“最良”として抽出する。勿論、“最良”だけでなく、“最良”から3番目以内のダイヤ候補といった具合に抽出条件は適宜設定することができる。例えば、2次評価の演算時間に余裕がある場合には、抽出するダイヤ候補の数が多くなるように、抽出条件を緩めることとしてもよい。
(5)抽出したダイヤ候補に対する2次評価
続いて、抽出した最終候補のダイヤ候補に対する2次評価(詳細評価)を行う。具体的には、最終候補のダイヤ候補それぞれについて、対応する運転整理ダイヤ組を用いて、第2の評価尺度の評価値を算出する。
第2の評価尺度は、旅客の利便性を観点とした指標であり、1つの評価尺度(評価尺度χ)を用いる。本実施形態では、運転整理ダイヤに対する旅客不効用値を採用することとする。すなわち、運転整理ダイヤに対する旅客流動シミュレーションを行い、出現させた仮想旅客それぞれの不効用値Uの総和を、評価値とする。運転整理ダイヤに対する旅客の旅客不効用値Uは、次式(2)によって与えられる。
式(2)において、α,β,γ,δは、定数であり、例えば、α=0.019,β=4.52,γ=5.63,δ=1.202、である。jは、旅客の出現駅から目的駅に至る移動経路中の駅間の集合である。tは、駅間jの走行時間であり、Cは、駅間jの乗車率である。Nは、移動経路における旅客の乗り換え回数である。Tは、旅客の待ち時間であり、移動経路中の各乗り換えの際の待ち時間の総和である。Tは、旅客の乗車時間であり、移動経路中に乗車した各列車の乗車時間の総和である。
次いで、最終候補のダイヤ候補それぞれについて、第2の評価尺度の期待値を、第2の評価尺度の評価値をもとに、1次評価と同様に、式(1)に従って算出する。
(6)2次評価の結果に基づく“最適”なパターンダイヤ候補の選択
そして、最終候補のダイヤ候補のうちから、第2の評価尺度の期待値が“最良”となるダイヤ候補を、“最適”なパターンダイヤとして選択する。本実施形態では、第2の評価尺度を旅客不効用値としているため、期待値が最小のダイヤ候補を選択する。2次評価は、旅客流動シミュレーションを実施して行うため、1次評価に比べて演算量が増加するが、折り返し運転を含む運転整理について、詳細かつ実際的な評価結果を得ることができる。
[機能構成]
図11は、列車ダイヤ作成装置1の機能構成図である。図11によれば、列車ダイヤ作成装置1は、操作部110と、表示部120と、通信部130と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成される。
操作部110は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等で実現される入力装置であり、操作入力に応じた操作信号を処理部200に出力する。表示部120は、例えばLCD(液晶ディスプレイ)やELD(有機ELディスプレイ)等で実現される表示装置であり、処理部200からの表示信号に基づく各種表示を行う。通信部130は、例えば無線通信モジュール、ルータ、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で実現される通信装置であり、外部機器との間でデータ通信を行う。
処理部200は、例えばCPU等の演算装置で実現され、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ、操作部110からの入力データ等に基づいて、列車ダイヤ作成装置1を構成する各部への指示やデータ転送を行い、列車ダイヤ作成装置1の全体制御を行う。また、本実施形態では、処理部200は、輸送障害シナリオ生成部210と、ダイヤ候補生成部220と、運転整理ダイヤ生成部230と、旅客流動推定部240と、1次評価部250と、2次評価部260とを有し、列車ダイヤ作成プログラム310に従った列車ダイヤ作成処理(図15参照)を実行する。
輸送障害シナリオ生成部210は、輸送障害の支障箇所、発生時刻、支障時間長を含む支障条件を定めた複数の輸送障害シナリオを生成する。
具体的には、対象線区の各駅或いは各駅間のうちから、輸送障害発生確率テーブル320に従った確率演算によって、輸送障害の支障箇所を決定する。図12は、輸送障害発生確率テーブル320のデータ構成例である。図12によれば、輸送障害発生確率テーブル320は、輸送障害の支障箇所の候補である駅間321それぞれについて、輸送障害の発生確率322を対応付けて格納している。この輸送障害発生確率テーブル320は、対象線区における過去の輸送障害の発生頻度の統計データをもとに、定められる。図12の例では、駅間321のみとしたが、各駅を含めてもよいことは勿論である。
また、所定時分間隔(例えば、5分間隔)で定めた候補時刻のうちから、等確率の確率演算によって1つの時刻を選択することで、支障時刻(輸送障害の発生時刻)を決定する。また、支障時間長は、所定時分(例えば、60分)とする。
生成された輸送障害シナリオは、輸送障害シナリオデータ330として記憶される。図13は、輸送障害シナリオデータ330のデータ構成の一例である。図13によれば、輸送障害シナリオデータ330は、輸送障害シナリオ毎に生成され、識別番号であるシナリオ番号331を付して、支障条件である支障箇所332と、発生時刻333と、支障時間長334と、発生確率335とを格納している。発生確率335は、当該輸送障害シナリオの発生確率であり、輸送障害発生確率テーブル320で定められる、支障箇所332(駅間321が該当)に対応する発生確率とする。
ダイヤ候補生成部220は、複数のダイヤ候補データを生成する。具体的には、上り/下りの方向それぞれについて、1サイクル(例えば、15分)において予め定められたカゲスジのうちから、所定数(例えば、快速を1本、普通を2本)のカゲスジを選択することで、複数のパターン候補(上りパターン候補、下りパターン候補)を生成する。
次いで、1つ1つのパターン候補について次の処理を行う。すなわち、上りパターン候補を時間軸方向に展開することで上りパターン候補を繰り返す上りパターンダイヤ候補を生成する。同様に、下りパターン候補を時間軸方向に展開することで下りパターン候補を繰り返す下りパターンダイヤ候補を生成する。そして、上りパターンダイヤ候補と下りパターンダイヤ候補とを、相対的に所定時分ずつずらしながら重ね合わせることで、複数のダイヤ候補を生成する。これを、先に生成したパターン候補1つ1つについて行う。最終的に生成したダイヤ候補は、ダイヤ候補データ340として記憶される。
運転整理ダイヤ生成部230は、ダイヤ候補に輸送障害シナリオを適用して折り返し運転を含む運転整理を行って、運転整理ダイヤを生成する。具体的には、輸送障害シナリオにて定められる支障箇所を含み、折り返し駅を両端駅とするように不通区間を設定する。対象線区における折り返し駅は、折り返し駅設定データ380として定められている。また、輸送障害シナリオで定められる輸送障害の発生時刻から支障時間長が経過するまでの時間帯を、支障時間帯として設定する。そして、支障区間の終端駅、すなわち、折り返し駅において折り返す運転整理を行って、運転整理ダイヤを生成する。なお、この運転整理自体は、公知の処理を適用することができるため、詳細な説明を省略する。
旅客流動推定部240は、列車ダイヤ(ダイヤ候補や運転整理ダイヤ)に対する旅客流動シミュレーションを行う。旅客流動シミュレーションは、公知の列車運行・旅客流動推定を適用することができる。具体的には、列車ダイヤ(運転整理されたダイヤでも勿論よい)をもとに時刻を少しずつ進行させて列車及び旅客の移動をシミュレーションするのが旅客流動シミュレーションであり、仮想旅客の行動を推定する旅客管理と、列車の運行を管理する運行管理とを行う。
旅客管理では、出発駅(出現駅)と目的駅との組み合わせ及び出現時刻を定めた多数の旅客が設定されたODデータ390に従って、シミュレーション時刻に合わせて対象線区の各駅に仮想旅客を出現させる。そして、出現させた仮想旅客それぞれについて、出現駅から目的駅に至る移動経路(乗車経路)を設定し、設定した移動経路に沿って列車に乗降させる。また、例えば駅への到着時といった所定のタイミングで、移動経路の更新や、他路線への迂回判断などを行う。目的駅に至った旅客の移動に係るデータ(移動経路や到着時刻など)は、実績旅行データとして更新・記憶する。
また、運行管理では、シミュレーション時刻に合わせて、列車ダイヤに定められた列車の着時刻となると、他列車の運行状況などをもとに到着可能かを判断して列車を到着させる。列車を到着させると、当該列車への旅客の乗降時間を算出して発時刻を決定し、出発させる。また、シミュレーション時刻が経過した従前のダイヤについては、実績ダイヤとして更新・記憶する。
1次評価部250は、ダイヤ候補生成部220によって生成されたダイヤ候補に対する1次評価を行う。具体的には、ダイヤ候補それぞれの運転整理ダイヤ組に含まれる運転整理ダイヤそれぞれを1次評価して、第1の評価尺度の評価値を算出する。運転整理ダイヤは、運転整理ダイヤ生成部230によって生成される。次いで、ダイヤ候補それぞれについて、第1の評価尺度の評価値と、対応する輸送障害シナリオの発生確率Pとをもとに、(1)式に従って第1の評価尺度の期待値を算出する。そして、第1の評価尺度それぞれについて、期待値が“最良”のダイヤ候補を選択することで、ダイヤ候補を抽出する。
2次評価部260は、1次評価部250によって抽出されたダイヤ候補に対する2次評価を行う。具体的には、抽出されたダイヤ候補それぞれの運転整理ダイヤ組に含まれる運転整理ダイヤそれぞれを2次評価して、第2の評価尺度の評価値を算出する。運転整理ダイヤは、運転整理ダイヤ生成部230によって生成され、1次評価部250による1次評価に用いられるものと同一である。
2次評価に当たって、各運転整理ダイヤについて、旅客流動推定部240に旅客流動シミュレーションを行わせる。そして、2次評価部260は、旅客流動シミュレーションの結果として得られる各旅客の実績旅行データ及び実績ダイヤと、旅客流動シミュレーションを実施する前の旅客データ(ODデータ)及び運転整理ダイヤとを用いて、(2)式から第2の評価尺度の評価値である旅客不効用値を算出する。
次いで、2次評価部260は、算出した第2の評価尺度の評価値と、対応する輸送障害シナリオの発生確率Pとをもとに、(1)式を用いて第2の評価尺度の期待値を算出する。そして、評価尺度の期待値が“最良”となるダイヤ候補を、“最適”なダイヤ候補として選択する。
1次評価部250、及び、2次評価部260による評価に関するデータは、ダイヤ候補評価用データ350として記憶される。
図14は、ダイヤ候補評価用データ350のデータ構成例である。図14によれば、ダイヤ候補評価用データ350は、ダイヤ候補それぞれについて生成され、該当するダイヤ候補のダイヤ候補番号351を付して、評価値算出用データ360と、1次期待値データ352と、1次評価結果353と、2次期待値データ354と、2次評価結果355とを格納している。
評価値算出用データ360は、該当するダイヤ候補に輸送障害シナリオを適用した場合の評価尺度の評価値に関するデータである。すなわち、輸送障害シナリオ毎に生成される運転整理に係るデータ(まとめると運転整理ダイヤ組のデータ)である。評価値算出用データ360は、該当する輸送障害シナリオ番号361と、輸送障害シナリオを適用して生成した運転整理ダイヤデータ362と、旅客流動シミュレーション結果データ365と、1次評価値データ363と、2次評価値データ364とを格納している。1次評価値データ363は、第1の評価尺度363aそれぞれの評価値363bを格納している。2次評価値データ364は、第2の評価尺度364aの評価値364bを格納している。旅客流動シミュレーション結果データ365は、運転整理ダイヤデータ362についてODデータ390を用いて旅客流動シミュレーションを行って得られた各仮想旅客の実績旅行データ、及び、実績ダイヤデータを格納している。
1次期待値データ352は、第1の評価尺度352aそれぞれの期待値352bを格納している。1次評価結果353は、該当するダイヤ候補が、最終候補として抽出されたか否かを示す1次評価の結果のデータである。2次期待値データ354は、第2の評価尺度354aの期待値354bを格納している。2次評価結果355は、該当するダイヤ候補が、“最適”なダイヤ候補として選択されたか否かを示す2次評価の結果のデータである。
なお、2次評価値データ364、2次期待値データ354、2次評価結果355は、該当するダイヤ候補が、1次評価の結果によって最終候補として抽出されなかった場合には、格納されないか、或いは空のデータが格納される。
図11に戻り、記憶部300は、処理部200が列車ダイヤ作成装置1を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態を実現するためのプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作部110からの入力データ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部300には、列車ダイヤ作成プログラム310と、輸送障害発生確率テーブル320と、輸送障害シナリオデータ330と、ダイヤ候補データ340と、ダイヤ候補評価用データ350と、対象線区構成データ370と、折り返し駅設定データ380と、ODデータ390とが記憶される。
[処理の流れ]
図15は、列車ダイヤ作成処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、処理部200が列車ダイヤ作成プログラム310を実行することで実現される。
先ず、輸送障害シナリオ生成部210が、複数の輸送障害シナリオ(輸送障害シナリオデータ330)を生成する(ステップS1)。また、ダイヤ候補生成部220が、複数のダイヤ候補(ダイヤ候補データ340)を生成する(ステップS3)。
その後、1次評価部250が、生成された複数のダイヤ候補それぞれに対する1次評価を行う。すなわち、ダイヤ候補それぞれを対象としたループAの処理を行う。ループAでは、運転整理ダイヤ生成部230が、対象のダイヤ候補に輸送障害シナリオそれぞれを適用した運転整理を行って、輸送障害シナリオそれぞれに対応する運転整理ダイヤ(運転整理ダイヤデータ362)を生成する(ステップS5)。次いで、1次評価部250が、生成された運転整理ダイヤをもとに、第1の評価尺度それぞれの評価値(1次評価値データ363)を算出する(ステップS9)。そして、算出した評価値をもとに、対象のダイヤ候補について、1次評価尺度それぞれの期待値(1次期待値データ352)を算出する(ステップS11)。ループAはこのように行われる。
全てのダイヤ候補を対象としたループAの処理を終了すると、1次評価部250は、複数のダイヤ候補のうちから、第1の評価尺度それぞれの期待値が“最良”となるダイヤ候補を最終候補として抽出し、1次評価結果353に書き込む(ステップS11)。
その後、2次評価部260が、最終候補として抽出されたダイヤ候補に対する2次評価を行う。すなわち、最終候補のダイヤ候補それぞれを対象としたループBの処理を行う。ループBでは、対象のダイヤ候補の運転整理ダイヤ組に含まれるそれぞれの運転整理ダイヤ(運転整理ダイヤデータ362)をもとに、第2の評価尺度の評価値を算出する(ステップS13)。すなわち、旅客流動推定部240に旅客流動シミュレーションを行わせて旅客流動シミュレーション結果データ365を算出し、この旅客流動シミュレーション結果データ365を用いて第2の評価尺度の評価値(2次評価値データ364)を算出する。次いで、対象のダイヤ候補について、算出した評価値をもとに、第2の評価尺度の期待値(2次期待値データ354)を算出する(ステップS15)。ループBはこのように行われる。
最終候補のダイヤ候補の全てを対象としたループBの処理を終了すると、2次評価部260は、最終候補のダイヤ候補のうちから、第2の評価尺度の期待値が“最良”となるダイヤ候補を選択し、2次評価結果355に書き込む(ステップS17)。以上の処理を行うと、処理部200は、列車ダイヤ作成処理を終了する。
[作用効果]
本実施形態の列車ダイヤ作成装置1によれば、パターンダイヤであるダイヤ候補1つ1つについて、輸送障害シナリオそれぞれを適用した場合の複数の運転整理ダイヤを生成する。輸送障害としては様々なケースが考えられる。そのため、複数の輸送障害シナリオを用意し、各輸送障害シナリオについて1つのダイヤ候補を運転整理することで、様々な輸送障害シナリオに対する当該ダイヤ候補の運転整理の適応性を総体的に評価することができ、折り返し運転を含む運転整理がし易いかという観点からの評価を可能とする。
また、評価として、運転整理の結果を評価対象とする1次評価と、1次評価の評価結果を用いて絞り込んだダイヤ候補について、旅客流動シミュレーションを行って評価する2次評価とを行う。1次評価は、運転整理の結果を評価対象とするため2次評価に比べて演算量が少なく、高速に評価することができる。他方、2次評価では、旅客流動シミュレーションを行うため、詳細かつ実際的な評価結果を得ることができる。これにより、折り返し運転を含む運転整理がし易いかという観点において最適なダイヤ候補を選択することが可能となる。
また、ダイヤ候補の生成は、上り方向のパターン候補と下り方向のパターン候補とを相対時刻を少しずつずらしながら重ね合わせることで、上り/下り方向のパターン候補の1つの組み合わせから、複数のダイヤ候補を生成している。これにより、多数のダイヤ候補を容易に生成できるとともに、折り返し運転のし易いダイヤ候補を見つけることが容易となる。すなわち、運転整理における折り返し運転の可能/不可能は、上り列車と下り列車のすれ違いのタイミング(すれ違う箇所)に依存するからである。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)折り返し設備設置計画の評価
例えば、対象線区における折り返し設備設置計画の評価に適用しても良い。その場合、列車ダイヤ作成装置1は、折り返し設備設置計画評価装置となる。
折り返し設備設置計画とは、対象線区において、折り返し設備の設置駅(すなわち、折り返し駅)を定めたデータである。
具体的には、ダイヤ候補(この場合には列車ダイヤと呼んでもよい)を1つとした上で、図16に示すように、複数の折り返し設備計画1,2,…を生成する。つまり、列車ダイヤは同じであるが、折り返し駅が異なる計画となる。そして、この折り返し設備計画に基づく列車ダイヤ(ダイヤ候補)を運転整理し、その運転整理の結果を用いた評価を行って、“最適”な折り返し設備設置計画を選択する。
より具体的には、折り返し設備設置計画が異なるダイヤ候補に、輸送障害シナリオを適用して運転整理を行うことで、当該折り返し設備設置計画に従って折り返し駅を設定した運転整理を行う。輸送障害シナリオが複数あるため、折り返し設備設置計画ごとに運転整理ダイヤ組を生成することとなる。そして、折り返し設備設置計画それぞれを、対応する運転整理ダイヤを用いて評価する(1次評価)。つまり、対応する運転整理ダイヤ組の各運転整理ダイヤに基づいて、第1の評価尺度(評価尺度α、β、・・)それぞれの評価値を算出し、これらの評価値を用いて、第1の評価尺度それぞれの期待値を算出する。そして、第1の評価尺度それぞれについて、期待値が“最良”となる折り返し設備計画を抽出する。
続いて、抽出した折り返し設備設置計画に対応する運転整理ダイヤ組の各運転整理ダイヤについて旅客流動シミュレーションを行って2次評価を行う。すなわち、第2の評価尺度の期待値を算出し、期待値が“最良”となる折り返し設備設置計画を、 “最適”な折り返し設備設置計画として選択する。
1 列車ダイヤ作成装置
110 操作部、120 表示部、130 通信部
200 処理部
210 輸送障害シナリオ生成部、220 ダイヤ候補生成部
230 運転整理ダイヤ生成部、240 旅客流動推定部
250 1次評価部、260 2次評価部
300 記憶部
310 列車ダイヤ作成プログラム、320 輸送障害発生確率テーブル
330 輸送障害シナリオデータ、340 ダイヤ候補データ
350 ダイヤ候補評価用データ、370 対象線区構成データ
380 折り返し駅設定データ、390 ODデータ

Claims (6)

  1. コンピュータを、
    所定線区の列車ダイヤをパターンダイヤで作成したダイヤ候補を複数生成するダイヤ候補生成手段、
    前記所定線区における折り返し駅を設定する折り返し駅設定手段、
    運転整理を必要とする輸送障害を含む複数の輸送障害シナリオを設定する輸送障害シナリオ設定手段、
    前記輸送障害シナリオそれぞれに対して前記折り返し駅での折り返し運転を含む運転整理を行った運転整理ダイヤの組(以下「運転整理ダイヤ組」という)を、前記ダイヤ候補それぞれについて生成する運転整理ダイヤ生成手段、
    前記ダイヤ候補それぞれを、対応する運転整理ダイヤ組を用いて評価する評価手段、
    として機能させるためのプログラム。
  2. 前記ダイヤ候補生成手段は、
    上り列車用のパターンダイヤを生成し、
    下り列車用のパターンダイヤを生成し、
    前記上り列車用のパターンダイヤと、前記下り列車用のパターンダイヤとを、相対時刻をずらして組み合わせることで複数の前記ダイヤ候補を生成する、
    請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記輸送障害シナリオ設定手段は、支障箇所および支障時間帯が異なる複数の支障条件と当該支障条件の発生確率とを設定し、前記発生確率を用いて当該支障条件の発生有無を判定することで複数日数分の輸送障害シナリオを設定する、
    請求項1又は2に記載のプログラム。
  4. 前記評価手段は、
    前記運転整理ダイヤ組に含まれる各運転整理ダイヤを、当該運転整理の結果を評価対象として1次評価する1次評価手段と、
    前記運転整理ダイヤ組に含まれる各運転整理ダイヤを、出現時刻、出現駅、及び、目的駅が定められた複数の仮想旅客それぞれの旅客流動シミュレーションを行って2次評価する2次評価手段と、
    を有し、前記1次評価の評価結果を用いて前記複数のダイヤ候補の中から絞り込んだダイヤ候補について前記2次評価を行う、
    請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
  5. 前記1次評価手段は、前記運転整理によって定められた不通駅間の数、折り返し運転の総数、運休列車本数、及び、過剰列車数のうちの少なくとも1つを用いて前記1次評価を行う、
    請求項4に記載のプログラム。
  6. 所定線区の列車ダイヤをパターンダイヤで作成したダイヤ候補を複数生成するダイヤ候補生成手段と、
    前記所定線区における折り返し駅を設定する折り返し駅設定手段と、
    運転整理を必要とする輸送障害を含む複数の輸送障害シナリオを設定する輸送障害シナリオ設定手段と、
    前記輸送障害シナリオそれぞれに対して前記折り返し駅での折り返し運転を含む運転整理を行った運転整理ダイヤ組を、前記ダイヤ候補それぞれについて生成する運転整理ダイヤ生成手段と、
    前記ダイヤ候補それぞれを、対応する運転整理ダイヤ組を用いて評価する評価手段と、
    を備えた列車ダイヤ作成装置。
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