JP2017210181A - 目標ダイヤ作成装置および目標ダイヤ作成方法 - Google Patents

目標ダイヤ作成装置および目標ダイヤ作成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017210181A
JP2017210181A JP2016106076A JP2016106076A JP2017210181A JP 2017210181 A JP2017210181 A JP 2017210181A JP 2016106076 A JP2016106076 A JP 2016106076A JP 2016106076 A JP2016106076 A JP 2016106076A JP 2017210181 A JP2017210181 A JP 2017210181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
train
diagram
target
candidate
target diagram
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016106076A
Other languages
English (en)
Inventor
皆川 剛
Takeshi Minagawa
剛 皆川
友恵 富山
Tomoe Tomiyama
友恵 富山
匠 伏木
Takumi Fushiki
伏木  匠
恵二 木村
Keiji Kimura
恵二 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2016106076A priority Critical patent/JP2017210181A/ja
Publication of JP2017210181A publication Critical patent/JP2017210181A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)

Abstract

【課題】列車群の運行コストを効率的に低減させるダイヤ作成技術を提供する。【解決手段】目標ダイヤ作成装置130において、走行予定の列車が実際に走行可能であるような列車ダイヤである候補ダイヤごとに、当該候補ダイヤに沿った列車運行に要するエネルギーコストを含む期待コストを算定する期待コスト算出部223と、候補ダイヤ中から前記期待コストに基づき最適な候補ダイヤを、列車群の制御において目標とする列車ダイヤである目標ダイヤとして特定する目標ダイヤ作成部221を含む構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、列車群の制御において目標とする列車ダイヤ(以下「目標ダイヤ」と呼ぶ)を作成する目標ダイヤ作成装置および目標ダイヤ作成方法に関するものであり、具体的には、エネルギーに関するコストも含めた列車群の運行コストを効率的に低減させるためのダイヤ作成技術に関する。
列車ダイヤと列車の走行実績データを用いて列車の運行状況を予測し、これにより列車群の円滑な運行につなげる技術が提案されている。
例えば、列車の運行管理システムから取得した、列車ダイヤの情報と、現在の列車の在線状況を示す在線列車情報とを格納した記憶装置と、記憶装置から読み出した列車ダイヤ情報と在線列車情報とに基づいて、前記列車ダイヤ情報が含む各列車の各駅での着発予定時刻を算定する予測演算処理と、前記算定した着発予定時刻と列車ダイヤ情報と在線列車情報とに基づいて、複数列車間で進路が競合しうる閉塞区間に対し接近中の複数の列車の存在を特定し、該当列車間の前記閉塞区間での通過順序による、以降の列車運行上の影響を所定のアルゴリズムで算定し、前記影響が所定条件を満たすよう、該当列車間での通過順序を決定する順序判断処理と、前記決定した通過順序に従って、該当列車の進路を制御する進路制御情報を生成し、作成した進路制御情報を、鉄道設備の制御を行う地上装置に出力する進路制御情報生成処理を実行する演算装置と、を備えることを特徴とする進路制御装置(特許文献1参照)が提案されている。
また、予め定められた駅発着の計画時刻を含む運行計画データと、実際の駅発着時刻を含む運行実績データと、予め支障があると認定された支障列車情報を含む入力データと、に基づいて列車毎に駅発着の準備が整う時刻を予測し、予測された前記駅発着の準備が整う時刻における列車内乗客数及び駅の乗客数を推定し、前記駅発着の準備が整う時刻と前記列車内乗客数と前記駅の乗客数を含む運行予測データを生成する現状把握機能と、前記運行予測データに基づいて、各列車の出発準備完了時刻における列車間隔と列車内の乗客数及び駅の乗客数とを算出し、算出された前記列車間隔と前記列車内の乗客数と前記駅の乗客数に基づいて各列車に対する運転指示データを生成する指示判断機能と、を有する運転整理装置(特許文献2参照)も提案されている。
上述の従来技術は、列車の遅延に着目し、遅延に関するコストが低減されるように、列車制御或いは運転整理案を作成する技術である。例えば、特許文献1において、予測演算処理によって算定された着発予定時刻を用いることで、列車群の適切な制御(自動進路制
御等)ができる。特許文献2で運転整理案を受諾した場合についても同様である。
さらに、これらの従来技術により算定した着発予定時刻を、運行管理エリア内の各列車のC−DAS(Connected-Driver Advisory System)に対して当該列車の運転目標として提供することで、運転士に対して適切な運転アドバイスが提示され、列車群の円滑な運行につなげることができる(これは、「運転士を介して列車の運行を間接的に制御している」
とも解釈できる)。
特開2014−172542号公報 特開2006−143088号公報
従来技術においては、遅延に関するコストを低減させるような列車制御或いは運転整理案の作成技術が開示されている。しかしながら、列車群全体の運行状況を踏まえ、当該列車群の運行に伴うエネルギーコストを低減する技術については開示されていない。
エネルギーコストに着目しない前提であれば、列車群全体の運行に係るコストの推定値が不正確となるため、運行サービス提供側のコストを効率的に低減するよう、列車群を制御することができない。そのため、従来技術のような提案を用いるとしても、運行サービス提供側の利益率向上の機会を逸する結果となっていた。
そこで本発明の目的は、列車群の運行コストを効率的に低減するダイヤ作成技術を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の目標ダイヤ作成装置は、走行予定の列車が実際に走行可能であるような列車ダイヤである候補ダイヤごとに、当該候補ダイヤに沿った列車運行に要するエネルギーコストを含む期待コストを算定する期待コスト算出部と、前記候補ダイヤ中から前記期待コストに基づき最適な候補ダイヤを列車群の制御において目標とする列車ダイヤである目標ダイヤとして特定する目標ダイヤ作成部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の目標ダイヤ作成方法は、情報処理装置が、走行予定の列車が実際に走行可能であるような列車ダイヤである候補ダイヤごとに、当該候補ダイヤに沿った列車運行に要するエネルギーコストを含む期待コストを算定する期待コスト算出処理と、前記候補ダイヤ中から前記期待コストに基づき最適な候補ダイヤを列車群の制御において目標とする列車ダイヤである目標ダイヤとして特定する目標ダイヤ作成処理とを実行することを特徴とする。
本発明によれば、列車群の運行コストを効率的に低減させるダイヤ作成が可能となる。
本発明の一実施形態に係る運行管理システムの構成例を示す図である。 当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置の構成例を示す図である。 当該実施形態に係る目標ダイヤ作成方法のフロー例1を示す図である。 当該実施形態に係る候補ダイヤ作成時の条件として列車の走行経路を選択可能とする場合の動作例1を説明する図である。 当該実施形態に係る候補ダイヤ作成時の条件として列車の走行経路を選択可能とする場合の動作例2を説明する図である。 当該実施形態に係る候補ダイヤ作成時の条件として進路競合箇所の通過順序を選択可能とする場合の動作例を説明する図である。 当該実施形態に係る候補ダイヤ作成時の条件として時刻管理点の通過時刻を選択可能とする場合の動作例を説明する図である。 当該実施形態に係る目標ダイヤ作成方法のフロー例2を示す図である。 当該実施形態に係る目標ダイヤ作成方法のフロー例3を示す図である。 当該実施形態に係る目標ダイヤ作成方法のフロー例4を示す図である。 当該実施形態に係る目標ダイヤ作成方法フロー例5を示す図である。 当該実施形態に係る目標ダイヤ作成方法のフロー例6を示す図である。 当該実施形態に係る目標ダイヤ作成方法のフロー例7を示す図である。 当該実施形態に係る目標ダイヤ作成方法のフロー例8を示す図である。 当該実施形態に係る目標ダイヤ作成方法のフロー例9を示す図である。 当該実施形態に係る目標ダイヤ作成方法のフロー例10を示す図である。
−−−運行管理システムの構成例−−−
以下、本発明の実施形態の一つについて、図1乃至図15を参照して説明する。ここではまず、当該実施形態の目標ダイヤ作成装置130を含む運行管理システム100の構成例について示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る運行管理システム100の構成例を示す図である。当該実施形態の運行管理システム100は、列車ダイヤ管理装置110と、走行実績取得装置120と、目標ダイヤ作成装置130と、運転整理端末140と、記憶装置150と、通信装置160と、目標ダイヤ出力装置161とを備えるように構成する。
このうち列車ダイヤ管理装置110は、設備データ151、列車データ152、走行実績データ153、計画ダイヤ157、目標ダイヤ158を管理する装置である。
より具体的には、当該列車ダイヤ管理装置110は、日替わりの際に、図示しない輸送計画系のシステムから新規の計画ダイヤを取得し、運行管理システム100内の基準時刻及び列車コードを更新し、さらに、当該更新に合わせて走行実績データ153及び計画ダイヤ157を更新する機能と、走行実績取得装置120から送信された情報に基づいて走行実績データ153を更新する機能と、運転整理端末140を介して入力された運転整理を計画ダイヤ157に反映する機能と、を備える装置である。
なお、当該実施形態において、「時刻」とは「1秒」など所定の単位で値を丸めた離散値であるものとする。
こうした列車ダイヤ管理装置110の具体例は、例えば、これらの機能を実行するためのプログラム及びデータと、関連する他装置との通信インタフェースを備えたPCである。
また、上述の走行実績取得装置120は、各列車の各駅における到着実績及び出発実績や、駅間での在線状況(各列車の位置や速度)を取得し、これらの情報を列車ダイヤ管理装置110に送信する機能を備える装置である。
なお、列車重量の推定に利用可能な応荷重の情報が適宜な所定装置から取得できる場合、こうした応荷重の情報の取得も当該走行実績取得装置120が実行する。
当該走行実績取得装置120の具体例は、例えば、これらの機能を実行するためのプログラム及びデータと、関連する他装置(図示しない線路設備や信号設備等)との通信インタフェースを備えたPCである。
また、上述の目標ダイヤ作成装置130は、記憶装置150に記憶されたデータを用いて、列車を制御する際の目標とする列車ダイヤ(目標ダイヤ)を作成する装置である。当該目標ダイヤ作成装置130の詳細は、後述(図2乃至図15)する。
また、運転整理端末140は、記憶装置150の計画ダイヤ157または目標ダイヤ1
58をスジ画面として表示装置に表示し、指令員に提示する機能を備える端末である。
当該運転整理端末140は、運行管理システム100の管理対象となっている列車群に対する運転整理を実施するためのユーザインタフェースを備え、各種事象や遅延の発生状況に応じて計画ダイヤを修正する機能を備える。
また、上述の記憶装置150は、設備データ151と、列車データ152と、走行実績データ153と、コスト算出用データ154と、リソース管理データ155と、環境予測データ156と、計画ダイヤ157と、目標ダイヤ158と、を含むデータを格納する装置である。当該記憶装置150は、例えばハードディスクやSSDといった不揮発性記憶素子で構成されている。
当該記憶装置150には、例示したデータのほか、各種処理の途中段階における中間データなどが一時的に書き込まれ、運行管理システム100の各装置から適宜に参照される。
上述の各データのうち、設備データ151は、目標ダイヤ作成装置130における目標ダイヤ作成や、運転整理端末140におけるスジ表示等において使用されるパラメータである。具体的には、基準運転時分や最小停車時分、続行時隔や交差時隔等、予め求めた時間に関する情報のほか、走行可能な経路に関する情報や、運転曲線の作成や消費エネルギー計算のために必要となる線路の曲率や勾配情報などを含む。
また、列車データ152は、運転曲線の作成や消費エネルギー計算の際に用いられるデータであり、車両の形式ごとに定義される。具体的には、動力伝達効率などの性能に関する定数や、各種特性曲線(主電動機特性曲線や運転性能曲線等)などのデータであり、必要とする精度に応じたものとなっている。
また、走行実績データ153は、各駅の到着時刻や出発時刻の実績のほか、駅間での在線情報(位置や速度)、運転曲線や消費エネルギー計算に用いる応荷重の情報などを含むデータである。
また、コスト算出用データ154は、電気料金や燃料代など、消費エネルギーを価格換算する際に必要となる定数のほか、遅延コストも含めたコスト計算に用いる情報を格納したデータである。具体的には、電気料金の基本料金表や電力量単価、燃料価格表を含むものである。
また、リソース管理データ155は、電力管理システム180や座席管理システム181や乗務員管理システム182から、所定の時間間隔で取得した情報を格納したデータである。
また、環境予測データ156は、気象予測サーバ170や人流予測サーバ171から所定の時間間隔で取得した情報を格納したデータである。
また、計画ダイヤ157は、各列車の走行経路(駅並び)と、運行計画上の当該列車の各駅への到着時刻及び各駅からの出発時刻を定めたものである。このほか、前運用列車や後運用列車の情報など、列車の走行方法に関する情報に加えて、列車に付随する情報として、車両の型式(電車なのか気動車なのか等の動力種別や、運転曲線の計算や消費エネルギ
ー計算を実行する際の情報を列車データ152から参照するためのキーとなる情報)を含
む。
また、目標ダイヤ158は、列車を制御する際の目標とする列車ダイヤであり、目標ダイヤ作成装置130によって定期的(例えば30秒毎)に更新されるものである。
また、運行管理システム100における通信装置160は、気象予測サーバ170、人流予測サーバ171、電力管理システム180、座席管理システム181、および、乗務員管理システム182といった外部装置らとの間で、ネットワーク10を介して情報の授受を行う装置である。具体的には、ネットワークインタフェースカード(NIC)を想定できる。
なお、上述の気象予測サーバ170は、降雨量や風向・風速などを確率付きで予測するサーバ装置である。また、人流予測サーバ171は、所定の条件下での鉄道駅等など所定領域での人の流れを確率付きで予測するサーバ装置である。また、電力管理システム180は、列車の走行に必要な電力の管理や地上に設置された蓄電設備の状況管理などを実行するシステムである。また、座席管理システム181は、指定席を含む列車の座席指定状況などを管理するシステムである。また、乗務員管理システム182は、列車乗務員の行路や勤務状況などを管理するシステムである。
また、目標ダイヤ出力装置161は、所定の時間間隔で、或いは、何らかのトリガに基づいて、目標ダイヤ158を列車制御に関する装置や情報系のシステムに送信する装置である。
当該目標ダイヤ出力装置161の具体例は、例えば、上述の機能を実行するためのプログラム及びデータと、関連する他装置との通信インタフェースを備えたPCである。こうした目標ダイヤ出力装置161が適宜なネットワーク11を介してデータを送信する相手としては、進路制御装置190やC−DAS191、旅客案内システム192等が挙げられるが、これらに限るものではない。
−−−目標ダイヤ作成装置の構成例−−−
図2は、当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130の構成例を説明する図である。当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130は、演算処理部210、記憶部220、および通信部230とを含んで構成されている。
このうち演算処理部210は、記憶部220に記憶されたプログラムを実行するものであり、例えばCPUである。当該演算処理部210は、必要に応じて通信部230を介して記憶装置150に格納されたデータを参照する。
また、記憶部220は、目標ダイヤ作成プログラム221と、候補ダイヤ列挙プログラム222と、期待コスト算出プログラム223と、最適候補ダイヤ選択プログラム224と、を格納するものである。記憶部220の具体例は、例えば、メモリ、ハードディスク、またはその両方である。
記憶部220が保持するプログラムのうち、目標ダイヤ作成プログラム221は、列車を制御する際の目標とする列車ダイヤを求めるプログラムである。目標ダイヤ作成プログラム221の処理の詳細は、後述(図3乃至図6)する。当該目標ダイヤ作成プログラム221を演算処理部210が実行することで、目標ダイヤ作成部が実装される。
また、候補ダイヤ列挙プログラム222は、列車を制御する際の目標とする列車ダイヤの候補となる列車ダイヤである、候補ダイヤを生成するプログラムである。当該候補ダイヤ列挙プログラム222の処理の詳細は、後述(図7乃至図8)する。当該候補ダイヤ列挙
プログラム222を演算処理部210が実行することで、候補ダイヤ列挙部が実装される。
また、期待コスト算出プログラム223は、所定の環境下で或る列車ダイヤに従って列車群を制御する場合に発生が予想されるコストを算出するプログラムである。当該期待コスト算出プログラム223の処理の詳細は後述(図9乃至図13)する。当該期待コスト算出プログラム223を演算処理部210が実行することで、期待コスト算出部が実装される。
また、最適候補ダイヤ選択プログラム224は、環境の変化がない場合にコストの観点で最適となる候補ダイヤを特定するプログラムである。当該最適候補ダイヤ選択プログラム224の処理の詳細は、後述(図14乃至図15)する。当該最適候補ダイヤ選択プログラム224を演算処理部210が実行することで、最適候補ダイヤ選択部が実装される。
なお、通信部230は、目標ダイヤ作成装置130と、運行管理システム100内の他の装置との間で、データを授受するためのインタフェースとなる。具体的には、ネットワークインタフェースカード(NIC)を想定する。
−−−フロー例1−−−
図3は、当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130の動作のうち、目標ダイヤ作成処理に関する動作を示すフローチャートである。目標ダイヤ作成処理は、これまでに得られている列車群の運行状況を基に、現在時刻以降、列車群を制御する際の目標とする列車ダイヤを求める処理である。
なお、当該目標ダイヤ作成処理は、例えば30秒毎など周期的に実行される。例えば、C−DAS191で運転士に対して運転アドバイスを提示する場合には、運転士の反応のしかたの違いなどによって理想的な運転方法からのずれが出てしまうため、当該目標ダイヤ作成処理の周期的な実行によって、列車群の運行状況が逐次反映されるような構成とする。
当該フローにおいて、目標ダイヤ作成装置130は、まず始めに、ステップS301において、暫定目標ダイヤ初期化処理を実行する。この暫定目標ダイヤ初期化処理は、暫定目標ダイヤを「未作成」とし、暫定最適コストを「無限大」とする処理である。
ここで「無限大」の値については、実際には無限大を表すマーカーとして使用するための十分大きな数値を予め定めておき、その数値を使用するようにする(以降についても同
様である)。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS302において、候補ダイヤ列挙処理を実行する。この候補ダイヤ列挙処理は、考えられる様々な走行条件(走行経路や進路
競合箇所の通過順序、時刻管理点における通過時刻等)に対して、実行可能となる列車ダ
イヤを生成する処理である。
ここで、時刻管理点とは、各列車の走行経路上の各駅の着発番線やジャンクションにおける所定箇所など、列車の到着時刻や出発時刻を管理する点のことを指す(一般的には、
実績を取得する点(採時点)となる)。ステップS302の候補ダイヤ列挙処理の詳細は、
後述(図7)する。
以下、図4乃至図6を用いて、上述の候補ダイヤを作成する際の条件と、その条件によって得られると期待される効果について説明する。
図4A、図4Bは、候補ダイヤを作成する際の条件として列車の走行経路を選択可能とする場合の例である。このうち図4Aは、列車「A」が待避線400を走行する場合の例であり、図4Bは列車「A」が待避線401を走行する場合の例である。本線410を走行する列車「B」は、鉱山から港に向けて鉱物を運搬する列車であるため、港から鉱山に向けて空の貨車を運ぶ列車「A」よりも運行管理上優先され、列車「B」の運行を妨げないように、列車「A」の運行が管理される。
当該実施形態では、候補ダイヤ列挙処理において図4Aと図4Bに対応する候補ダイヤを列挙した後、列車「A」が緩やかな加減速で待避線400に退避できる図4Aに対応する候補ダイヤの方が、列車「A」が急激な加減速を行う必要がある図4Bに対応する候補ダイヤよりも、予想されるエネルギーコスト(最も単純には消費エネルギー量)が小さいとして、図4Aに対応する候補ダイヤが目標ダイヤとして選択される。
図5は、候補ダイヤを作成する際の条件として進路競合箇所の通過順序を選択可能とする場合の例である。図5において、列車「D」の走行経路500と列車「E」の走行経路510は進路競合箇所520において競合しているため、進路競合箇所520を通過する順序として列車「D」を先に通過させるか、列車「E」を先に通過させるかの2通りが存在する。
後続となる列車は先行列車通過後に所定の時間を空けてから進路競合箇所520を通過することになるため、どちらの通過順序を採用するかは、遅延の要素も関係する。当該実施形態では、候補ダイヤ列挙処理において、各々の通過順序に対応する候補ダイヤを列挙した後、遅延に関するコストも踏まえた上で、予想される総コストが小さい方の候補ダイヤが目標ダイヤとして選択される。
図6は、候補ダイヤを作成する際の条件として時刻管理点の通過時刻を選択可能とする場合の例である。図6において、列車「C」の走行経路600には2つのき電区間(き電
区間610、及び、き電区間611)が存在し、各々のき電区間において、通過時刻に時
間差が発生するため時間帯料金の金額が異なってくる場合、或いは、電力を供給する電力会社が異なるために電気料金体系が異なる場合、を想定する。
列車「C」が僅かに遅延している場合、どの駅間の余裕時分を消化して回復運転を行うか、に関して選択肢があるため、当該実施形態では、どの時刻管理点をいつ通過するか、について実行可能な幾つかの選択肢が候補ダイヤとして列挙され、予想される総コストが小さい候補ダイヤが目標ダイヤとして選択される。
なお、き電区間の境界が駅に一致していない場合、列車「C」が次のき電区間に進入するタイミングを管理することができないが、その場合、例えば、き電区間の境界の部分に時刻管理点620を挿入することによって、従来技術を用いた運行管理が可能である。
ここで図3のフローの説明に戻る。候補ダイヤ列挙処理S302が終了すると、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS303において、ステップS302で列挙された候補ダイヤの各々に関するループを回し、以下のステップS304乃至ステップS305の処理を繰り返し実行する。なお、現在の処理対象が何番目の候補ダイヤに対応するかは、対応するループ変数を用意し、メモリ等にて当該ループ変数の値を保持、更新することで管理すればよい。
当該ループが開始されると、まず、目標ダイヤ作成装置130はステップS304において、期待コスト算出処理を実行する。この期待コスト算出処理は、処理対象となってい
る候補ダイヤに対して予想される期待コストを求める処理である。当該期待コストは、エネルギーコストと遅延コストを考慮して算出される。ステップS304の期待コスト算出処理の詳細は、後述(図9)する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS305において、暫定目標ダイヤ更新処理を実行する。当該暫定目標ダイヤ更新処理は、ステップS304で求めた期待コストが現在の暫定最適コストより小さい場合、処理対象となっている候補ダイヤを暫定目標ダイヤとして登録し、ステップS304で求めた期待コストを暫定最適コストとして登録する処理である。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS306において、ステップS302で列挙された候補ダイヤのすべてについて処理が完了したか否かを、ループ変数を参照して判定する。当該判定の結果、処理が完了していない候補ダイヤがある場合、目標ダイヤ作成装置130は、ループ変数を更新後、ステップS304の処理に戻って処理を続ける。他方、上述の判定の結果、すべての候補ダイヤについて処理が完了している場合、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS307の処理に進んで処理を続ける。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS307において、暫定目標ダイヤが更新されたか否かを判定する。具体的には、暫定最適コストが無限大である場合に「暫定目標ダイヤは更新されていない(ステップS307「NO」)」と判定し、それ以外の場合に「暫定目標ダイヤは更新された(ステップS307「YES」)」と判定する。
当該判定の結果、暫定目標ダイヤが更新されなかった場合(ステップS307「NO」)、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS308の処理に進み、最適候補ダイヤ選択処理を実行した後、ステップS309の処理に進んで処理を続ける。
ステップS308の最適候補ダイヤ選択処理において、目標ダイヤ作成装置130は、各々の候補ダイヤに対して、環境変化がないと仮定した場合における期待コストを求め、期待コストが最適となる候補ダイヤを目標ダイヤに登録する。当該最適候補ダイヤ選択処理の詳細は、後述(図14)する。
他方、上述の判定の結果、暫定目標ダイヤが更新された場合(ステップS307「YE
S」)、目標ダイヤ作成装置130はステップS309の処理に進んで処理を続ける。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS309において、目標ダイヤ更新処理を実行する。ステップS309の目標ダイヤ更新処理は、暫定目標ダイヤで目標ダイヤを上書きする処理である。
ステップS309の目標ダイヤ更新処理の終了後、目標ダイヤ作成装置130は、目標ダイヤ作成処理を終了する。
−−−フロー例2−−−
図7は、当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130の動作のうち、上述のフロー例1のステップS302の候補ダイヤ列挙処理に関する動作を示すフローチャートである。
候補ダイヤ列挙処理が開始されると、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS701において走行条件列挙処理を実行する。この走行条件列挙処理は、物理的な走行可否を確認しながら、実行可能な走行経路と進路競合箇所の通過順序の組合せを列挙する処理である。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS702において、ステップS701で列挙された走行条件の各々に関するループを回し、以下のステップS703乃至ステップS706の処理を繰り返し実行する。現在の処理対象が何番目の走行条件に対応するかは、対応するループ変数を用意し、メモリ等にて当該ループ変数の値を保持、更新することで管理すればよい。
当該ループが開始されると、まず、目標ダイヤ作成装置130はステップS703において、列車運行ネットワーク作成処理を実行する。この列車運行ネットワーク作成処理は、計時開始イベント及び各時刻管理点の到着イベントまたは出発イベントに対応するノード(頂点)と、各イベントの発生時刻の間の制約条件を表すアーク(有向辺)とで構成される、列車運行ネットワークを作成する処理である。
このとき、アークの重みとしては、始点側のイベントが発生してから終点側のイベントが発生するまでに最低限必要な時間を登録する。例えば、計画時刻よりも早い出発を禁止する場合(=早発禁止制約)には、計時開始イベントに対応する「時刻ノード(時刻0を表
すノード)」に対して、時刻ノードを始点、着目ノードを終点、重みを計画時刻、とした
アークを作成すればよい。
各イベントの発生時刻の間の制約条件としては、時刻に関するもの(例えば、早発禁止
制約、指定された時間帯の間は指定された番線や線路を使用できないという制約条件を表す支障見込み制約など)、1つの列車の運行に関するもの(例えば、後方駅の出発から当駅の到着まで所定の時分以上の運転時分が必要であるという制約条件を表す運転時分制約、当駅の到着から当駅の出発まで所定の時分以上の停車時分が必要であるという制約条件を表す停車時分制約、着目列車の到着や出発が計画に対して所定の時分以上遅れるという制約条件を表す遅延見込み制約など)、複数の列車の運行に関するもの(例えば、先行列車がある番線を出発してから後続列車が当該番線に到着するまでには所定の時分以上が必要であるという制約条件を表す番線使用制約、同一の線路を同一の方向に走行する2つの列車があった場合に後方駅から先に当該線路に向けて出発した列車が先に当該線路から当駅に到着するという制約条件を表す駅間追越し禁止制約,進路競合箇所の通過順序が上位の列車が通過してから下位の列車が通過するまでには所定の時分以上が必要であるという制約条件を表す交差時隔制約など)のうちから、必要なものが登録されているものとする。
ここで、支障見込み制約は「『指定された時間帯の開始前に指定された番線や線路の使用を完了してしまう』または『指定された時間帯の終了後に指定された番線や線路の使用を開始する』」というように、条件分岐を伴う複数の制約条件として表現すればよい。また、交差時隔制約は、近くの駅の到着イベントや出発イベントの時刻間の制約として近似して表現すればよいが、更に進路のペア毎に予め求めておいた所定の補正時分を加味した制約としてもよく、その場合、予測結果の尤もらしさを向上させることができる。
なお、アークの重みとなる値(基準運転時分や最小停車時分、続行時隔や交差時隔など)については、実測値や走行シミュレーションを用いて予め求めて設備データ151の一部として保持しておく。また、複数の列車の運行に関する制約条件については、アークの重みとなる値を、列車長を考慮して作成するようにしてもよい。
ステップS703の列車運行ネットワーク作成処理は、与えられた走行条件(進路競合
箇所の通過順序と列車の走行経路)に対して作成するが、これは、鉄道分野における列車
群の運行状況を予測する技術分野において、マクロシミュレーション(マクロモデルを用
いたシミュレーション)と呼ばれる技術など、公知の技術を用いて実行すればよい。
なお、運行管理対象となるエリアの外からの進入口となる駅を除く、各駅での計画時刻
よりも早い到着と、通過駅における計画時刻より早い出発については、該当するアークを作成せず、後述の列車運行予測処理において、それらを許容した条件下での予測結果が得られるようにするのがよい。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS704において、列車運行予測処理を実行する。この列車運行予測処理は、ステップS703で作成した列車運行ネットワークを用いて、時刻ノードを除く各ノードに対応するイベントの発生時刻を定める処理であり、公知の技術を用いて実行すればよい。その際、走行実績(各時刻管理点における到着
実績や出発実績)がある場合には、該当するイベントの発生時刻を、実績値と一致させる
。 当該実施形態では、各ノードに対応するイベントの発生時刻をスカラー量としてだけでなく「ドメイン(取り得る時刻を列挙した集合)」として管理するため、公知の技術として、各ノードに対応するイベントの発生時刻が制約変数(ドメインを求めるべき変数)となるようにモデル化した、制約プログラミングを用いた技術を使用する。すなわち、ステップS704の列車運行予測処理において、各ノードに対応するイベントの発生時刻として遅延の観点で好適な予測時刻が算出され、加えて、各ノードに対応するイベントの発生時刻に関するドメインが算出されるものとする。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS705において、着発時刻限定処理を実行する。この着発時刻限定処理は、ステップS704の列車運行予測処理の結果として得られた予測ダイヤを用いて、遅延が所定の範囲内に収まるような制約変数のドメインを求める処理である。
ここで「所定の範囲」については、遅延ペナルティなどの観点から予め遅延が許容される時間を列車毎にコスト算出用データ154の一部として記憶しておき、当該許容時間を基に、判断する。ステップS705の着発時刻限定処理の詳細は、後述(図8)する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130はステップS706において、候補ダイヤ抽出処理を実行する。この候補ダイヤ抽出処理は、制約伝播の考え方を使って、実行可能となる各制約変数値の組合せを列挙する処理である。各制約変数について順にドメイン内の要素を1つずつ選択していき、すべての制約変数についてドメイン内の要素が選択できた組合せを実行可能解として列挙する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS707において、ステップS701で列挙された走行条件のすべてについて処理が完了したか否かをループ変数を参照して判定する。
当該判定の結果、処理が完了していない走行条件がある場合は、目標ダイヤ作成装置130は、ループ変数を更新後、ステップS703の処理に戻って処理を続ける。他方、上述の判定の結果、すべての走行条件について処理が完了している場合、目標ダイヤ作成装置130は、候補ダイヤ列挙処理を終了する。
−−−フロー例3−−−
図8は、当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130の動作のうち、上述のフロー例2のステップS705の着発時刻限定処理に関する動作を示すフローチャートである。
当該フローにおいて、目標ダイヤ作成装置130は、まず始めに、ステップS801において、処理対象となっている候補ダイヤに対応する列車運行ネットワークに含まれる各々の制約変数に関するループを回し、以下のステップS802乃至ステップS804の処理を繰り返し実行する。なお、現在の処理対象が何番目の制約変数に対応するかは、対応するループ変数を用意し、メモリ等にて当該ループ変数の値を保持、更新することで管理
すればよい。
当該ループが開始されると、まず、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS802において、処理対象の制約変数の下限値が当該制約変数に対応する許容時刻より大きいか否かを判定する。
当該判定の結果、処理対象の制約変数の下限値が当該制約変数に対応する許容時刻より大きい場合(ステップS802「YES」)、目標ダイヤ作成装置130はステップS803の処理に進み、処理対象の制約変数の上限値を下限値と同じ値に設定する。
他方、上述の判定の結果、処理対象の制約変数の下限値が当該制約変数に対応する許容時刻より等しいか小さい場合(ステップS802「NO」)、目標ダイヤ作成装置130はステップS804の処理に進み、処理対象の制約変数の上限値を許容時刻と同じ値に設定する。ここで、許容時刻は、当該制約変数に対応する列車に関して定義されている許容遅延量を、計画時刻に加えた値である。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS805において、処理対象となっている候補ダイヤに対応する列車運行ネットワークに含まれる制約変数のすべてに対して処理が完了したか否かをループ変数を参照して判定する。
当該判定の結果、処理が完了していない制約変数がある場合、目標ダイヤ作成装置130は、ループ変数を更新後、ステップS802の処理に戻って処理を続ける。他方、当該判定の結果、すべての制約変数について処理が完了している場合、目標ダイヤ作成装置130は、着発時刻限定処理を終了する。
−−−フロー例4−−−
図9は、当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130の動作のうち、上述のフロー例1のステップS304の期待コスト算出処理に関する動作を示すフローチャートである。
当該フローにおいて、目標ダイヤ作成装置130は、まず始めに、ステップS901において、期待コスト初期化処理を実行する。この期待コスト初期化処理は、メモリ等に保持した期待コストを表す変数の値を「0」とする処理である。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS902において、シナリオ集合作成処理を実行する。このシナリオ集合作成処理は、処理対象となっている候補ダイヤを基準として、環境の変化に伴って列車運行予測処理に用いるパラメータに変動があった場合に、(1)当該変動に基づく摂動を踏まえても前記候補ダイヤが実行可能となるか否かの判定と、(2)実行可能となる場合には環境変化のパラメータと発生確率を一組としたシナリオの集合を求める処理である。当該ステップS902のシナリオ集合作成処理の詳細は後述(図10)する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS903において、ステップS902のシナリオ集合作成処理の結果として得られたシナリオ集合が空集合であるか否かを判定する。
当該判定の結果、得られたシナリオ集合が空集合である場合(ステップS903「YE
S」)、目標ダイヤ作成装置130はステップS904に進み、期待コストを表す変数の
値を無限大とする。このステップS904の処理の終了後、目標ダイヤ作成装置130は、最新状態の期待コストを返り値として返し、期待コスト算出処理を終了する。
他方、上述の判定の結果、得られたシナリオ集合が空集合でない場合(ステップS90
3「NO」)、目標ダイヤ作成装置はステップS905に進んで処理を続ける。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS905において、ステップS902で列挙されたシナリオ集合に含まれるシナリオの各々に関するループを回し、以下のステップS906乃至ステップS910の処理を繰り返し実行する。なお、現在の処理対象が何番目のシナリオに対応するかは、対応するループ変数を用意し、メモリ等にて当該ループ変数の値を保持、更新することで管理すればよい。
当該ループが開始されると、まず、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS906において、与えられた候補ダイヤの発着時刻を守るように各列車の運転曲線を求める。この処理は、記憶装置150に記憶したデータを用いて、処理対象のシナリオの条件下で、エネルギーに関して最適な運転曲線を求めればよく、公知の技術を用いて実行することができる。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS907において、エネルギーコスト算出処理を実行する。このエネルギーコスト算出処理は、運行サービス提供会社等、コスト計算の際に一纏めとする単位を考慮して列車群を幾つかのグループに分類し、処理対象となっているシナリオの下でのグループ毎のエネルギーコストを求める処理である。
こうしたエネルギーコストの算出にあたっては、電車か気動車か等の動力種別や、列車の重量などが考慮される。電車であれば、さらに、回生電力や蓄電、電気料金体系等についても考慮され、列車単体ではなく列車群や地上設備も含んだコスト計算が為される。ステップS907のエネルギーコスト算出処理の詳細は、後述(図11)する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS908において、遅延コスト算出処理を実行する。この遅延コスト算出処理は、遅延ペナルティや、走行時間帯の違いによる線路使用料の違い、切符の払い戻しが発生する場合の払い戻し金額、乗務員に残業が発生する場合の残業代、など遅延に関するコストを上述のグループ毎に求める処理である。こうした遅延コスト算出処理の詳細は、後述(図13)する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS909において、コスト係数算出処理を実行する。このコスト係数算出処理は、例えば、車両故障等、ある運行サービス提供会社が責めを負うべき原因によって2次遅延が発生した場合に、遅延の原因となった運行サービス提供会社に関するコストに対する重みを軽くするよう重み付けをしてから期待コストを計算することで、遅延に巻き込まれた運行サービス提供会社に対する影響を軽減する処理である。コスト算出用データ154が運行ルールとして予め定めた定数テーブルを含むように構成し、当該定数テーブルを用いてルールベースで実行すればよい。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS910において、期待コスト更新処理を実行する。この期待コスト更新処理は、ステップS907の処理で求めたエネルギーコストと、ステップS908の処理で求めた遅延コストに、各々ステップS909で求めたコスト係数を乗じて得られる総コストに対して、処理対象としているシナリオの発生確率を乗じた上で、期待コストを表す変数が保持している値に加える処理である。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS911において、ステップS902で列挙されたシナリオ集合に含まれるシナリオのすべてについて処理が完了したか否かを、ループ変数を参照して判定する。
当該判定の結果、処理が完了していないシナリオがある場合、目標ダイヤ作成装置13
0は、ループ変数を更新後、ステップS905の処理に戻って処理を続ける。他方、当該判定の結果、すべてのシナリオについて処理が完了している場合には、目標ダイヤ作成装置130は最新状態の期待コストを返り値として返し、期待コスト算出処理を終了する。−−−フロー例5−−−
図10は、当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130の動作のうち、上述のフロー例4のステップS902のシナリオ集合作成処理に関する動作を示すフローチャートである。当該シナリオ集合作成処理は、シナリオ集合を空集合とした状態で開始される。
当該フローにおいて、目標ダイヤ作成装置130は、まず始めに、ステップS1001において、変動要因列挙処理を実行する。この変動要因列挙処理は、列車の運行に影響を与える環境の変化要素を列挙する処理である。例えば、ある駅の近隣にてテニス大会が行われている場合、当該大会の終了時刻、が変動要因として挙げられる。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1002において、変動パターン列挙処理を実施する。この変動パターン実施処理は、列車の運行に影響を与える環境の変化とその発生確率の組をシナリオの集合として列挙する処理であり、気象予測サーバ170や人流予測サーバ171から得られる情報を用いて処理を行う。例えば、前記テニス大会がある時刻に終了する確率と、その場合の人流の予測結果を組にして列挙する処理であり、後段の処理で駅における列車の客扱い時間(停車時間)の変動の影響を反映することを目的とした処理である。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1003において、ステップS1002で列挙されたシナリオ集合に含まれるシナリオの各々に関するループを回し、以下のステップS906乃至ステップS910の処理を繰り返し実行する。なお、現在の処理対象が何番目のシナリオに対応するかは、対応するループ変数を用意し、メモリ等にて当該ループ変数の値を保持、更新することで管理すればよい。
当該ループが開始されると、まず、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1004において列車運行予測パラメータ摂動処理を実行する。この列車運行予測パラメータ摂動処理は、シナリオの状況に従い、過去事例等から推測される影響を、運転時分や停車時分のような列車運行予測処理で使用されるパラメータに反映させる処理である。
例えば、降雨量が多い場合、列車の制動がきき難くなるため運転時分が通常よりも長くなり、また、傘などの荷物が増える影響で乗客の乗降に通常よりも時間が掛かり、停車時分が長くなる傾向にある。これらの影響を反映させるのが、ステップS1004の列車運行予測パラメータ摂動処理である。過去事例に基づいて典型的な状況毎の統計値を求めて作成したデータベースを、コスト算出用データ154の一部として記憶しておき、適宜、参照するようにすればよい。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1005において、摂動ダイヤ算出処理を実行する。この摂動ダイヤ算出処理は、処理対象となっている候補ダイヤに対応する候補ダイヤ抽出モデル、すなわち、処理対象となっている候補ダイヤが抽出された処理ループにおいてステップS705の着発時刻限定処理が終了した時点におけるノードと制約アークと制約変数の状態の組に対し、制約アークの重みをステップS1004で求めたパラメータの値に置き換えた上で、各々の制約変数の値として元と同じ値が許される場合には算出成功、それ以外の場合、すなわち、候補ダイヤ抽出モデルに含まれるいずれかの制約変数のドメインが潰れた場合に算出失敗とする処理である。
続いて、目標ダイヤ作成装置130はステップS1006において、ステップS100
5の摂動ダイヤ算出処理が成功したか否かを判定する。候補ダイヤ抽出モデルに含まれるいずれかの制約変数のドメインが潰れた場合、摂動ダイヤ算出失敗(ステップS1006
「NO」)と判定し、それ以外の場合、摂動ダイヤ算出成功(ステップS1006「YES」)と判定する。
当該判定の結果、摂動ダイヤの算出が成功した場合(ステップS1006「YES」)、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1007の処理に進んで処理を続ける。他方、当該判定の結果、摂動ダイヤの算出が失敗した場合(ステップS1006「NO」)、目標ダイヤ作成装置130はステップS1009の処理に進み、シナリオ集合を空集合とした後、シナリオ集合作成処理を終了する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1007において、シナリオ登録処理を実行する。このシナリオ登録処理は、現在着目しているシナリオ(列車の運行に影響
を与える環境変化のパラメータとその発生確率の組)を、シナリオ集合に追加で登録する
処理である。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1008において、ステップS1002で列挙されたシナリオ集合に含まれるシナリオのすべてについて処理が完了したか否かを、ループ変数を参照して判定する。
当該判定の結果、処理が完了していないシナリオがある場合、目標ダイヤ作成装置130は、ループ変数を更新後、ステップS1004の処理に戻って処理を続ける。他方、当該判定の結果、すべてのシナリオについて処理が完了している場合には、目標ダイヤ作成装置130はシナリオ集合作成処理を終了する。
−−−フロー例6−−−
図11は、当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130の動作のうち、上述のフロー例4のステップS907のエネルギーコスト算出処理に関する動作を示すフローチャートである。
当該フローにおいて、目標ダイヤ作成装置130は、まず始めに、ステップS1101において電力コスト算出処理を実行する。この電力コスト算出処理は、電車や電気機関車に関する運行コストを算出する処理である。当該電力コスト算出処理の詳細は後述(図1
2)する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1102において、燃料コスト算出処理を実行する。この燃料コスト算出処理は、気動車に関する運行コストを求める処理である。運転曲線と列車重量や設備データから算出した消費エネルギーから価格への変換は、熱効率など列車性能に基づき実行すればよい。尚、幾つかの典型的な運行状況毎に、同一路線の過去の実績値から統計的に求めた換算係数をコスト算出用データ154の一部として記憶しておき、現在の運行状況に類似する当該換算係数を参照することで、運行コストを求めるようにしてもよい。
−−−フロー例7−−−
図12は、当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130の動作のうち、上述のフロー例6のステップS1101の電力コスト算出処理に関する動作を示すフローチャートである。
当該実施形態では、契約形態として、1)電力料金は基本料金と従量料金の二種類の合計として算出され、2)基本料金は毎時ごとの0分〜30分,30分〜60分の30分間
(デマンド時限)の平均使用電力であるデマンド電力が計算のベースとなっており、3)1ヶ月(計量期間)の中で最大のデマンド電力として最大需要電力が定義され、4)過去1年間の最大需要電力の最大値によって契約電力と基本料金が定まり、5)デマンド電力が現在の契約電力を超過している場合には、違約金が発生する、という形態が採られている場合の処理について説明するが、本発明の実施形態はこれに限るものではない。
当該フローにおいて、目標ダイヤ作成装置130は、まず始めに、ステップS1201において瞬時電力算出処理を実行する。この瞬時電力算出処理は、き電設備の能力を超過しないことを保証するために、各列車の運転曲線及び列車性能及び列車重量及び設備データに基づいて、き電区間毎に瞬時電力を算出する処理である。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1202において、き電設備の能力を超過している区間があるか否かを判定する。
当該判定の結果、き電設備の能力を超過している区間がある場合(ステップS1202
「YES」)、実行不可能な解であるため、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1
203の処理に進み、電力コストを無限大とした後、電力コスト算出処理を終了する。
他方、当該判定の結果、き電設備の能力を超過している区間がない場合(ステップS1
202「NO」)、目標ダイヤ作成装置130はステップS1204の処理に進んで処理
を続ける。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1204において、デマンド電力算出処理を実行する。このデマンド電力算出処理は、毎時ごとの0分〜30分,30分〜60分の30分間(デマンド時限)の平均使用電力を算出する処理である。当該計算にあたっては、他列車から供給される回生電力や蓄電設備からの給電などを考慮した上で、実際に消費する電力のみを用いる。太陽光発電を電力供給源とした電力供給などの場合における天候等の影響は、シナリオに基づき反映する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1205において、最大需要電力算出処理を実行する。この最大需要電力算出処理は、1ヶ月(計量期間)の中で最大のデマン
ド電力を求める処理である。ここで、過去のデマンド電力は、実績値をコスト算出用データ154の一部として記憶しておくか、電力管理システム180から取得すればよい。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1206において、契約電力超過ペナルティ算出処理を実行する。この契約電力超過ペナルティ算出処理は、予想されるデマンド電力が現在の契約電力を超過している場合に、違約金の金額を算出する処理である。超過量に対する違約金の金額については、過去事例をコスト算出用データ154の一部として記憶しておき、類似の事例に基づき推定すればよい。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1207において、基本料金変動コスト算出処理を実行する。この基本料金変動コスト算出処理は、契約電力の増減への寄与を算出する処理であり、翌月以降11ヶ月間、今回のデマンド電力以下を維持したと仮定した場合の1年分の差額を求める処理である。増額となる場合は正の値、減額となる場合は負の値とする。契約電力は、必要に応じて、過去履歴に基づく推定値として求める。なお、当該推定に必要となる過去履歴は、コスト算出用データ154の一部として記憶しておく。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1208において、電力量料金算出処理を実行する。この電力量料金算出処理は、電気料金のうち従量制の料金部分の金額を
算出する処理であり、実績の消費電力量(実測値)と予測の消費電力量の和に基づいて算出する。算出に必要となる定数は、コスト算出用データ154の一部として記憶しておく。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1209において、電力コスト総額算出処理を実行する。この電力コスト総額算出処理は、ステップS1206乃至ステップS1208で求めたコストの総和を計算する処理である。ステップS1209の処理の終了後、目標ダイヤ作成装置は、求めた電力コストの総額を返り値として返して、電力コスト算出処理を終了する。
−−−フロー例8−−−
図13は、当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130の動作のうち、上述のフロー例4のステップS908の遅延コスト算出処理に関する動作を示すフローチャートである。
当該フローにおいて、目標ダイヤ作成装置130は、まず始めに、ステップS1301において遅延ペナルティ算出処理を実行する。この遅延ペナルティ算出処理は、旅客列車や貨物列車において、所定の箇所への到着時刻に所定以上の遅延が発生した場合に発生するペナルティの総額を算定する処理である。当該算定では、処理対象としている候補ダイヤにおける各々の到着時刻と計画時刻とを比較することで計算を行えばよい。なお、遅延ペナルティの計算に必要となる定数は、コスト算出用データ154の一部として記憶しておく。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1302において、線路使用料算出処理を実行する。この線路使用料算出処理は、ある線路を使用する料金が時間帯によって変動する場合に、それを、コストとして候補ダイヤの評価指標に加えるための処理である。当該処理においては、処理対象としている候補ダイヤにおける各駅の到着時刻や出発時刻を用いて計算を行えばよい。計算に必要となる定数は、コスト算出用データ154の一部として記憶しておく。
続いて、目標ダイヤ作成装置130はステップS1303において、払い戻し金額算出処理を実行する。この払い戻し金額算出処理は、遅延による特急券等の切符の払い戻しに伴うコストを候補ダイヤの評価指標に加えるための処理である。当該処理において、処理対象としている候補ダイヤにおける各駅の到着時刻や出発時刻を用いるほか、座席管理システム181から座席予約に関する情報(自由席特急券か指定席特急券かなど券種の情報
や、乗車区間の情報などを含む情報)を取得して、計算を行えばよい。券種に応じた払戻
し金額など、計算に必要となる定数は、コスト算出用データ154の一部として記憶しておく。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1304において、乗務員残業代算出処理を実行する。この乗務員残業代算出処理は、遅延に伴って発生する乗務員の残業代をコストとして候補ダイヤの評価指標に加えるための処理である。当該所定において、処理対象としている候補ダイヤにおける各駅の到着時刻や出発時刻を乗務員管理システム182に送信し、乗務員管理システム182から残業代の情報を取得するとすればよい。なお、乗務員管理システム182にそのような機能が備わっていない場合は、乗務員の行路情報や労務情報を用いて目標ダイヤ作成装置130が計算するような構成としてもよい。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1305において、遅延コスト総額算出処理を実行する。この遅延コスト総額算出処理は、ステップS1301乃至ステップS1304で求めたコストの総和を計算する処理である。
ステップS1305の処理の終了後、目標ダイヤ作成装置130は、求めた遅延コストの総額を返り値として返して、遅延コスト算出処理を終了する。
−−−フロー例9−−−
図14は、当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130の動作のうち、上述のフロー例1のステップS308の最適候補ダイヤ選択処理に関する動作を示すフローチャートである。
当該フローにおいて、目標ダイヤ作成装置130は、まず始めに、ステップS1401において、ステップS302で列挙された候補ダイヤの各々に関するループを回し、以下のステップS1402乃至ステップS1403の処理を繰り返し実行する。なお、現在の処理対象が何番目の候補ダイヤに対応するかは、対応するループ変数を用意し、メモリ等にて当該ループ変数の値を保持、更新することで管理すればよい。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1402において、期待コスト再算出処理を実行する。この期待コスト再算出処理の詳細は、後述(図15)する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1403において、暫定目標ダイヤ更新処理を実行する。この暫定目標ダイヤ更新処理は、ステップS305の暫定目標ダイヤ更新処理と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1404において、ステップS302で列挙された候補ダイヤのすべてについて処理が完了したか否かを、ループ変数を参照して判定する。
当該判定の結果、処理が完了していない候補ダイヤがある場合、目標ダイヤ作成装置130は、ループ変数を更新後、ステップS1402の処理に戻って処理を続ける。他方、当該判定の結果、すべてのシナリオについて処理が完了している場合には、目標ダイヤ作成装置130は最新状態の暫定目標ダイヤを返り値として返し、最適候補ダイヤ選択処理を終了する。
−−−フロー例10−−−
図15は、当該実施形態に係る目標ダイヤ作成装置130の動作のうち、上述のフロー例9のステップS1402の期待コスト再算出処理に関する動作を示すフローチャートである。
当該フローにおいて、目標ダイヤ作成装置130は、まず始めに、ステップS1501において運転曲線算出処理を実行する。この運転曲線算出処理は、候補ダイヤを処理対象とする以外は、ステップS905の運転曲線算出処理と同様であるため、処理の詳細な説明は省略する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1502において、エネルギーコスト算出処理を実行する。このエネルギーコスト算出処理は、候補ダイヤを処理対象とする以外は、ステップS906のエネルギーコスト算出処理と同様であるため、処理の詳細な説明は省略する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1503において、遅延コスト算出処理を実行する。この遅延コスト算出処理は、候補ダイヤを処理対象とする以外は、ステップS907の遅延コスト算出処理と同様であるため、処理の詳細な説明は省略する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1504において、コスト係数算出処理を実行する。このコスト係数算出処理は、候補ダイヤを処理対象とする以外は、ステップS908のコスト係数算出処理と同様であるため、処理の詳細な説明は省略する。
続いて、目標ダイヤ作成装置130は、ステップS1505において、期待コスト更新処理を実行する。この期待コスト更新処理は、候補ダイヤを処理対象とする以外は、ステップS909の期待コスト更新処理と同様であるため、処理の詳細な説明は省略する。
ステップS1505の処理の終了後、目標ダイヤ作成装置130は、最新状態の期待コストを返り値として返し、期待コスト再算出処理を終了する。
以上、当該実施形態によれば、目標ダイヤを作成する際に、列車群の運行に伴うエネルギーに関するコストを考慮することで、従来技術に比べて、得られた目標ダイヤに従って列車群が運行した場合の運行コストを低減させることができる。
また、基準となる列車ダイヤに対し列車群の未来の運行状況が異なる可能性のあるシナリオ群を作成し、当該シナリオ群を考慮した期待値として列車群の運行に伴うコストを推定するような構成としたことで、不確定な未来の状況も鑑みた上で、従来技術に比べて、得られた目標ダイヤに従って列車群が運行した場合の運行コストを低減させることができる。
−−−変形例−−−
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変更することができる。
例えば上述の実施形態における、フロー例7のステップS1204のデマンド電力算出処理は、毎時ごとの0分〜30分、30分〜60分など、時刻を基準とした処理である。そのため、給電側のシステムの時刻と目標ダイヤ作成装置130がステップS1204のデマンド電力算出処理で参照する時刻(例えば目標ダイヤ作成装置130の内部システム時刻など)との間にずれが生じるケースがあり、その場合、ステップS1101の電力コスト算出処理で算出される電力コストに誤差が発生してしまう。
そこでこの誤差を小さくするため、目標ダイヤ作成装置130が、時刻補正部を新たに備える構成としてもよい。ここで、時刻補正部は、目標ダイヤ作成装置130が、上述のステップS1204のデマンド電力算出処理で参照する時刻を、給電側のシステムの時刻と一致するように予め調整する構成としてもよいし、或いは、給電側のシステムの時刻と目標ダイヤ作成装置130がステップS1204のデマンド電力算出処理で参照する時刻との差である時刻補正量を記憶部220に記憶しておき、ステップS1204のデマンド電力算出処理において、記憶部220に記憶しておいた時刻補正量を読み込んで、当該処理で使用する時刻を補正するような構成としてもよい。さらに、期待コスト算出処理において目標ダイヤ作成装置以外の時刻を参照する他の処理についても同様に、各々対応する時刻補正部を備えるような構成とすることもできる。
また、運行コスト低減に関する最適性より演算時間(応答性能)を優先する等の目的で、当該目標ダイヤ作成装置130における幾つかの構成を省略或いは簡素化してもよい。例えば、目標ダイヤ作成処理において、ステップS302の候補ダイヤ列挙処理の後、ステップS304の期待コスト算出処理等を省略し、ステップS308の最適候補ダイヤ選択処理を直接実施するようにしてもよい。
また、ステップS909やステップS1504のコスト係数算出処理を省略し、各々の
コストを等しい重みで評価するようにしてもよい。さらに、S302の候補ダイヤ列挙処理やS701の走行条件列挙処理において、考えられるすべての可能性について列挙するのではなく、経験的に最適な列車ダイヤになる可能性が高いものなど、一部に限定して列挙するようにしてもよい。
また、必要な候補ダイヤをすべて列挙してから期待コストを算出するのではなく、候補ダイヤを列挙しながら、逐次、期待コストを算出するような構成としてもよいし、さらに、期待コストが許容される値以下となった時点でその時点で最適な候補ダイヤを用いて目標ダイヤを更新する構成としてもよい。
また、作成した目標ダイヤをC−DAS等に送信し、制御に使用する場合は、データ転送に係るタイムラグを考慮し「現在時刻に対して所定時間経過後の時刻に対するイベントが、前回作成した目標ダイヤに対する変更が可能なイベントである」という制約条件を付して、目標ダイヤを作成するようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、列車重量の推定に走行実績取得装置120で取得した応荷重の情報を利用する構成としたが、本発明の実施形態はこれに限るものではない。例えば電車の場合であれば、架線電圧と架線電流の情報から計算される供給エネルギーの推定値と加速度センサの値を用いて推測するなど、他のセンサの情報を用いて推定してもよい。
また、前記実施形態においては、期待コストが最良となるような目標ダイヤを求める構成としたが、本発明の実施形態は、これに限るものではない。例えば、最悪コストが最良となるような目標ダイヤを求めるようにしてもよい。
また、鉱山鉄道の場合のように、計画ダイヤが明確に存在しない場合は、遅延コストに関して、計画ダイヤからの遅延量ではなく、例えば港湾側の鉱石の備蓄状況や運搬計画などに基づいて計算するようにしてもよい。また、計画ダイヤが明確に存在しない場合、ステップS302の候補ダイヤ列挙処理において「現在の目標ダイヤと走行実績に従って求めた運行予測結果の各々の時刻管理点の時刻に対して、遅延が一律で所定の時間まで許容される」としてステップS705の着発時刻限定処理を行うようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、作成した目標ダイヤをC−DAS等に送信し、制御に用いるような構成としたが、本発明の実施形態はこれに限るものではない。
例えば、最新の目標ダイヤ、すなわち、今回作成した目標ダイヤで更新する直前の状態の目標ダイヤと、今回作成した目標ダイヤとの間で、競合箇所の通過順序や列車の走行経路等が相違する箇所がある場合に、最新の目標ダイヤの当該相違箇所を今回の目標ダイヤに合わせるような運転整理案を、運転整理端末140で提示し、指令員による承認する旨の入力が為された時点で、最新の目標ダイヤを今回の目標ダイヤで更新するような構成としてもよい。このような構成とすることにより、指令員の意図しないダイヤ変更が自動で為されたことに伴う指令員の誤操作を抑制することができる。
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、当該実施形態の目標ダイヤ作成装置において、前記期待コスト算出部は、列車運行に要する電力量の観測時間単位たるデマンド時限を用いて前記期待コストを算定するものである、としてもよい。
これによれば、電力使用料の基本料金等の決定根拠となる、各デマンド時限(例:30分ごと)での最大電気使用量を踏まえて、期待コストの算定を行い、例えば、或る時間帯
(デマンド時限)に電力消費が集中しない適宜な目標ダイヤを選択するといったことが可能となる。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成装置において、前記期待コスト算出部は、所定の基準ダイヤに基づき、運行状況が異なる場合の複数の運行シナリオを生成し、前記複数の運行シナリオに応じて前記期待コストを算定するものである、としてもよい。
これによれば、様々な運行状況における期待コストを踏まえた、適宜な目標ダイヤの選択が可能となる。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成装置において、前記期待コスト算出部は、前記期待コストを、列車遅延により生じるコストと前記エネルギーコストの関数として算定するものである、としてもよい。
これによれば、例えば、列車性能を最大限に活かして駅間を走行し、列車遅延を低減させることにより鉄道運行会社が当初支払う見込みであった遅延ペナルティ(すなわち列車遅延によるコスト)を削減できる量と、こうして列車性能を最大限活かした走行とすることで余計に消費されたエネルギーのコストとを併せて考慮する等、異なる基準によって定まる運行コスト間のトレードオフを考慮することが出来る。ひいては精度良い期待コストの算定、適宜な目標ダイヤの特定が可能となる。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成装置において、前記期待コスト算出部は、前記期待コストのうち前記列車遅延により生じるコストを、列車遅延が影響する列車の座席予約状況に関する情報を用いて算定するものである、としてもよい。
これによれば、列車遅延による乗車券払い戻しや予約キャンセル等に対処するコストを期待コストに含めて算定することが可能となる。ひいては適宜な目標ダイヤの特定が可能となる。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成装置において、前記期待コスト算出部は、前記期待コストを、列車の走行時刻に依存するコスト関数を用いて算定するものである、としてもよい。
これによれば、例えば、走行時間帯の違いによる線路使用料の違いや、時間帯による電力料金の違いなど、走行時刻によって異なるコスト構造を踏まえて、期待コストを算定出来る。ひいては適宜な目標ダイヤの特定が可能となる。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成装置において、列車の走行実績データに基づく列車運行予測結果を踏まえて、列車の遅延時分の増加量が所定の基準内に収まる列車ダイヤを前記候補ダイヤとして生成する候補ダイヤ列挙部を更に備える、としてもよい。
これによれば、「旅客など鉄道運行会社の顧客に対する鉄道運行サービスの品質を列車遅延の観点において所定の範囲で維持する」という条件を満たした列車ダイヤのみを候補ダイヤとして、期待コストを算定出来る。ひいては適宜な目標ダイヤの特定が可能となる。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成装置において、前記候補ダイヤ列挙部は、進路制御上の競合箇所の通過順序が互いに異なる列車ダイヤ、または、二地点間の走行経路が互いに異なる列車ダイヤ、または、採時点での着発時刻が互いに異なる列車ダイヤ、を候補ダイヤとして生成するものである、としてもよい。
これによれば、競合箇所の通過順序によって当該列車の走行時間帯が変化するなど、列車運行上の複数の選択肢が期待コストに与える影響を比較して判断することが可能となる。ひいては適宜な目標ダイヤの特定が可能となる。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成装置において、前記目標ダイヤ作成部は、前記特定した目標ダイヤと所定の列車ダイヤとの間で、前記通過順序または前記走行経路が相違する箇所がある場合、前記列車ダイヤの相違箇所を前記目標ダイヤに合わせる運転整理案を出力するものである、としてもよい。
これによれば、上述の通過順序等の列車運行管理上の重要事項を、運行管理を担当する指令員の判断の下で列車ダイヤに反映させることができ、ひいては指令員の意図も踏まえた適宜な目標ダイヤによる列車群の運行が可能となる。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成装置において、前記期待コスト算出部は、前記期待コストの算定に際し、算定時に参照する他装置由来の時刻と自身で管理する時刻との間の誤差を補正し、当該補正した時刻を利用するものである、としてもよい。
これによれば、精度良い期待コストの算定が可能となり、ひいては適宜な目標ダイヤの特定が可能となる。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成方法において、情報処理装置が、前記期待コスト算出処理において、列車運行に要する電力量の観測時間単位たるデマンド時限を用いて前記期待コストを算定するとしてもよい。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成方法において、情報処理装置が、前記期待コスト算出処理において、所定の基準ダイヤに基づき、運行状況が異なる場合の複数の運行シナリオを生成し、前記複数の運行シナリオに応じて前記期待コストを算定するとしてもよい。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成方法において、情報処理装置が、前記期待コスト算出処理において、前記期待コストを、列車遅延により生じるコストと前記エネルギーコストの関数として算定するとしてもよい。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成方法において、情報処理装置が、前記期待コスト算出処理において、前記期待コストのうち前記列車遅延により生じるコストを、列車遅延が影響する列車の座席予約状況に関する情報を用いて算定するとしてもよい。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成方法において、情報処理装置が、前記期待コスト算出処理において、前記期待コストを、列車の走行時刻に依存するコスト関数を用いて算定するとしてもよい。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成方法において、情報処理装置が、列車の走行実績データに基づく列車運行予測結果を踏まえて、列車の遅延時分の増加量が所定の基準内に収まる列車ダイヤを前記候補ダイヤとして生成する候補ダイヤ列挙処理を更に実行するとしてもよい。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成方法において、情報処理装置が、前記候補ダイヤ列挙処理において、進路制御上の競合箇所の通過順序が互いに異なる列車ダイヤ、または、二地点間の走行経路が互いに異なる列車ダイヤ、または、採時点での着発時刻が互いに
異なる列車ダイヤ、を候補ダイヤとして生成するとしてもよい。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成方法において、情報処理装置が、前記目標ダイヤ作成処理において、前記特定した目標ダイヤと所定の列車ダイヤとの間で、前記通過順序または前記走行経路が相違する箇所がある場合、前記列車ダイヤの相違箇所を前記目標ダイヤに合わせる運転整理案を出力するとしてもよい。
また、当該実施形態の目標ダイヤ作成方法において、情報処理装置が、前記期待コスト算出処理において、前記期待コストの算定に際し、算定時に参照する他装置由来の時刻と自身で管理する時刻との間の誤差を補正し、当該補正した時刻を利用するとしてもよい。
10、11 ネットワーク
100 運行管理システム
110 列車ダイヤ管理装置
120 走行実績取得装置
130 目標ダイヤ作成装置
140 運転整理端末
150 記憶装置
151 設備データ
152 列車データ
153 走行実績データ
154 コスト算出用データ
155 リソース管理データ
156 環境予測データ
157 計画ダイヤ
158 目標ダイヤ
160 通信装置
161 目標ダイヤ出力装置
170 気象予測サーバ
171 人流予測サーバ
180 電力管理システム
181 座席管理システム
182 乗務員管理システム
190 進路制御装置
191 C−DAS
192 旅客案内システム
210 演算処理部
220 記憶部
221 目標ダイヤ作成プログラム(目標ダイヤ作成部)
222 候補ダイヤ列挙プログラム(候補ダイヤ列挙部)
223 期待コスト算出プログラム(期待コスト算出部)
224 最適候補ダイヤ選択プログラム(最適候補ダイヤ選択部)
230 通信部

Claims (20)

  1. 走行予定の列車が実際に走行可能であるような列車ダイヤである候補ダイヤごとに、当該候補ダイヤに沿った列車運行に要するエネルギーコストを含む期待コストを算定する期待コスト算出部と、
    前記候補ダイヤ中から前記期待コストに基づき最適な候補ダイヤを列車群の制御において目標とする列車ダイヤである目標ダイヤとして特定する目標ダイヤ作成部と、
    を備えることを特徴とする目標ダイヤ作成装置。
  2. 前記期待コスト算出部は、
    列車運行に要する電力量の観測時間単位たるデマンド時限を用いて前記期待コストを算定するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の目標ダイヤ作成装置。
  3. 前記期待コスト算出部は、
    所定の基準ダイヤに基づき、運行状況が異なる場合の複数の運行シナリオを生成し、前記複数の運行シナリオに応じて前記期待コストを算定するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の目標ダイヤ作成装置。
  4. 前記期待コスト算出部は、
    前記期待コストを、列車遅延により生じるコストと前記エネルギーコストの関数として算定するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の目標ダイヤ作成装置。
  5. 前記期待コスト算出部は、
    前記期待コストのうち前記列車遅延により生じるコストを、列車遅延が影響する列車の座席予約状況に関する情報を用いて算定するものである、
    ことを特徴とする請求項4に記載の目標ダイヤ作成装置。
  6. 前記期待コスト算出部は、
    前記期待コストを、列車の走行時刻に依存するコスト関数を用いて算定するものである、 ことを特徴とする請求項1に記載の目標ダイヤ作成装置。
  7. 列車の走行実績データに基づく列車運行予測結果を踏まえて、列車の遅延時分の増加量が所定の基準内に収まる列車ダイヤを前記候補ダイヤとして生成する候補ダイヤ列挙部を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の目標ダイヤ作成装置。
  8. 前記候補ダイヤ列挙部は、
    進路制御上の競合箇所の通過順序が互いに異なる列車ダイヤ、または、二地点間の走行経路が互いに異なる列車ダイヤ、または、採時点での着発時刻が互いに異なる列車ダイヤ、を候補ダイヤとして生成するものである、
    ことを特徴とする請求項7に記載の目標ダイヤ作成装置。
  9. 前記目標ダイヤ作成部は、
    前記特定した目標ダイヤと所定の列車ダイヤとの間で、前記通過順序または前記走行経路が相違する箇所がある場合、前記列車ダイヤの相違箇所を前記目標ダイヤに合わせる運転整理案を出力するものである、
    ことを特徴とする請求項8に記載の目標ダイヤ作成装置。
  10. 前記期待コスト算出部は、
    前記期待コストの算定に際し、算定時に参照する他装置由来の時刻と自身で管理する時刻との間の誤差を補正し、当該補正した時刻を利用するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の目標ダイヤ作成装置。
  11. 情報処理装置が、
    走行予定の列車が実際に走行可能であるような列車ダイヤである候補ダイヤごとに、当該候補ダイヤに沿った列車運行に要するエネルギーコストを含む期待コストを算定する期待コスト算出処理と、
    前記候補ダイヤ中から前記期待コストに基づき最適な候補ダイヤを列車群の制御において目標とする列車ダイヤである目標ダイヤとして特定する目標ダイヤ作成処理と、
    を実行することを特徴とする目標ダイヤ作成方法。
  12. 情報処理装置が、
    前記期待コスト算出処理において、列車運行に要する電力量の観測時間単位たるデマンド時限を用いて前記期待コストを算定する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の目標ダイヤ作成方法。
  13. 情報処理装置が、
    前記期待コスト算出処理において、所定の基準ダイヤに基づき、運行状況が異なる場合の複数の運行シナリオを生成し、前記複数の運行シナリオに応じて前記期待コストを算定する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の目標ダイヤ作成方法。
  14. 情報処理装置が、
    前記期待コスト算出処理において、前記期待コストを、列車遅延により生じるコストと前記エネルギーコストの関数として算定する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の目標ダイヤ作成方法。
  15. 情報処理装置が、
    前記期待コスト算出処理において、前記期待コストのうち前記列車遅延により生じるコストを、列車遅延が影響する列車の座席予約状況に関する情報を用いて算定する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の目標ダイヤ作成方法。
  16. 情報処理装置が、
    前記期待コスト算出処理において、前記期待コストを、列車の走行時刻に依存するコスト関数を用いて算定する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の目標ダイヤ作成方法。
  17. 情報処理装置が、
    列車の走行実績データに基づく列車運行予測結果を踏まえて、列車の遅延時分の増加量が所定の基準内に収まる列車ダイヤを前記候補ダイヤとして生成する候補ダイヤ列挙処理を更に実行する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の目標ダイヤ作成方法。
  18. 情報処理装置が、
    前記候補ダイヤ列挙処理において、進路制御上の競合箇所の通過順序が互いに異なる列車ダイヤ、または、二地点間の走行経路が互いに異なる列車ダイヤ、または、採時点での着発時刻が互いに異なる列車ダイヤ、を候補ダイヤとして生成する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の目標ダイヤ作成方法。
  19. 情報処理装置が、
    前記目標ダイヤ作成処理において、前記特定した目標ダイヤと所定の列車ダイヤとの間で、前記通過順序または前記走行経路が相違する箇所がある場合、前記列車ダイヤの相違箇所を前記目標ダイヤに合わせる運転整理案を出力する、
    ことを特徴とする請求項18に記載の目標ダイヤ作成方法。
  20. 情報処理装置が、
    前記期待コスト算出処理において、前記期待コストの算定に際し、算定時に参照する他装置由来の時刻と自身で管理する時刻との間の誤差を補正し、当該補正した時刻を利用する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の目標ダイヤ作成方法。
JP2016106076A 2016-05-27 2016-05-27 目標ダイヤ作成装置および目標ダイヤ作成方法 Pending JP2017210181A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016106076A JP2017210181A (ja) 2016-05-27 2016-05-27 目標ダイヤ作成装置および目標ダイヤ作成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016106076A JP2017210181A (ja) 2016-05-27 2016-05-27 目標ダイヤ作成装置および目標ダイヤ作成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017210181A true JP2017210181A (ja) 2017-11-30

Family

ID=60475926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016106076A Pending JP2017210181A (ja) 2016-05-27 2016-05-27 目標ダイヤ作成装置および目標ダイヤ作成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017210181A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020117169A (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 株式会社東芝 運行管理システム
JP2021172229A (ja) * 2020-04-24 2021-11-01 株式会社東芝 運転整理支援装置、運転整理支援システム、方法及びプログラム
WO2023199720A1 (ja) * 2022-04-12 2023-10-19 株式会社日立製作所 ダイヤ作成装置、列車制御システム、及びダイヤ作成方法

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0516808A (ja) * 1991-07-16 1993-01-26 Toshiba Corp 列車運行管理システム
JPH06274243A (ja) * 1993-03-24 1994-09-30 Hitachi Ltd 計算機システム、列車モニタリングシステムの時刻設定装置および方法
JPH08292988A (ja) * 1995-04-21 1996-11-05 N T T Data Tsushin Kk 交通流管理装置および交通流管理方法
JP2000300847A (ja) * 1999-04-21 2000-10-31 Taito Corp 列車運転シミュレーションゲーム装置におけるゲーム難易度変動方式
JP2001030904A (ja) * 1999-07-23 2001-02-06 Hitachi Ltd 自動ダイヤ作成システム
JP2002187551A (ja) * 2000-12-19 2002-07-02 Omron Corp シミュレーション装置
JP2013047055A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Toshiba Corp 運転状況記録装置
WO2013057969A1 (ja) * 2011-10-19 2013-04-25 三菱電機株式会社 走行計画作成装置および自動列車運転装置
WO2014064778A1 (ja) * 2012-10-24 2014-05-01 株式会社日立製作所 列車運行管理装置、システム、および方法
JP2014203124A (ja) * 2013-04-01 2014-10-27 株式会社日立製作所 バス運行管理システム、装置、および方法
JP2014210571A (ja) * 2013-04-01 2014-11-13 株式会社神戸製鋼所 車両衝突警告システム
JP2015123778A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 公益財団法人鉄道総合技術研究所 プログラム及び列車ダイヤ作成装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0516808A (ja) * 1991-07-16 1993-01-26 Toshiba Corp 列車運行管理システム
JPH06274243A (ja) * 1993-03-24 1994-09-30 Hitachi Ltd 計算機システム、列車モニタリングシステムの時刻設定装置および方法
JPH08292988A (ja) * 1995-04-21 1996-11-05 N T T Data Tsushin Kk 交通流管理装置および交通流管理方法
JP2000300847A (ja) * 1999-04-21 2000-10-31 Taito Corp 列車運転シミュレーションゲーム装置におけるゲーム難易度変動方式
JP2001030904A (ja) * 1999-07-23 2001-02-06 Hitachi Ltd 自動ダイヤ作成システム
JP2002187551A (ja) * 2000-12-19 2002-07-02 Omron Corp シミュレーション装置
JP2013047055A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Toshiba Corp 運転状況記録装置
WO2013057969A1 (ja) * 2011-10-19 2013-04-25 三菱電機株式会社 走行計画作成装置および自動列車運転装置
WO2014064778A1 (ja) * 2012-10-24 2014-05-01 株式会社日立製作所 列車運行管理装置、システム、および方法
JP2014203124A (ja) * 2013-04-01 2014-10-27 株式会社日立製作所 バス運行管理システム、装置、および方法
JP2014210571A (ja) * 2013-04-01 2014-11-13 株式会社神戸製鋼所 車両衝突警告システム
JP2015123778A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 公益財団法人鉄道総合技術研究所 プログラム及び列車ダイヤ作成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020117169A (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 株式会社東芝 運行管理システム
JP7273524B2 (ja) 2019-01-28 2023-05-15 株式会社東芝 運行管理システム
JP2021172229A (ja) * 2020-04-24 2021-11-01 株式会社東芝 運転整理支援装置、運転整理支援システム、方法及びプログラム
WO2023199720A1 (ja) * 2022-04-12 2023-10-19 株式会社日立製作所 ダイヤ作成装置、列車制御システム、及びダイヤ作成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wu et al. Simulation-based robust optimization of limited-stop bus service with vehicle overtaking and dynamics: A response surface methodology
Ehmke et al. Customer acceptance mechanisms for home deliveries in metropolitan areas
Huang et al. Coupling time-indexed and big-M formulations for real-time train scheduling during metro service disruptions
Meng et al. An integrated train service plan optimization model with variable demand: A team-based scheduling approach with dual cost information in a layered network
Maróti et al. Maintenance routing for train units: The interchange model
US9108652B2 (en) Method and system for timetable optimization utilizing energy consumption factors
US10202133B2 (en) Method and system for timetable optimization utilizing energy consumption factors
US10621529B2 (en) Goal-based travel reconstruction
Lovrić et al. Sustainable revenue management: A smart card enabled agent-based modeling approach
Lapouchnian et al. Re-designing process architectures towards a framework of design dimensions
JP2017210181A (ja) 目標ダイヤ作成装置および目標ダイヤ作成方法
Lee et al. Scheduling zonal-based flexible bus service under dynamic stochastic demand and Time-dependent travel time
Andrés et al. Maintenance scheduling in rolling stock circulations in rapid transit networks
Schmaranzer et al. Multi-objective simulation optimization for complex urban mass rapid transit systems
JP6393766B2 (ja) 列車運行予測システム、列車運行予測方法、運転時分算出装置、および運転時分算出方法
Hellem et al. The dynamic electric carsharing relocation problem
Lian et al. The on-demand bus routing problem with real-time traffic information
Zhang et al. Routing and charging optimization for electric bus operations
Sánchez-Martínez et al. Schedule-free high-frequency transit operations
Gkiotsalitis Bus operations optimization: a literature review on bus holding, rescheduling and stop-skipping
Gkiotsalitis Scheduling on-demand minibuses considering the in-vehicle crowding inconvenience due to Covid-19.
WO2024203131A1 (ja) 運行管理システム及び運行管理方法
WO2022180680A1 (ja) コンテナ管理装置、コンテナ積載管理システム、方法、および、プログラム
WO2022180679A1 (ja) コンテナ積載管理システム、および、コンテナ積載管理方法
Yang et al. Evaluating the Impacts of Optimization Horizon on the Shared Autonomous Vehicle Reservation Request System

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200413

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201006