JP5041952B2 - 運転整理支援システム、及びその方法とプログラム - Google Patents

運転整理支援システム、及びその方法とプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5041952B2
JP5041952B2 JP2007266670A JP2007266670A JP5041952B2 JP 5041952 B2 JP5041952 B2 JP 5041952B2 JP 2007266670 A JP2007266670 A JP 2007266670A JP 2007266670 A JP2007266670 A JP 2007266670A JP 5041952 B2 JP5041952 B2 JP 5041952B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
train
track circuit
time
station
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007266670A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009096221A (ja
Inventor
修一郎 崎川
達広 佐藤
豊久 森田
弘毅 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2007266670A priority Critical patent/JP5041952B2/ja
Publication of JP2009096221A publication Critical patent/JP2009096221A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5041952B2 publication Critical patent/JP5041952B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)

Description

本発明は、交通ダイヤグラムの乱れを正常な状態へ戻す運転整理業務に対する計算機による支援技術に関する。特に、列車の到着実績より現在時刻以降の列車運行を計算機によりシミュレーションし、結果をダイヤ図としてユーザーに提示する運転整理支援装置、及びその方法とプログラムに関する。
天候や地震、事故などによる交通ダイヤグラム(以下、単に「ダイヤ」ともいう)の乱れを正常な状態へと戻す運転整理業務においては、近年、列車の高密度化、運行路線区の拡張による整理案作成業務の複雑さ、整理案作成の迅速化による顧客サービス向上を背景として計算機による業務支援のニーズが高まっている。計算機による業務支援として代表的なのは現時点における列車の走行実績から現在時刻以降の列車の運行予測を行うダイヤ予想である。
従来から広く認知されているダイヤ予想方式は、各駅の着発時刻の値を列車の走行条件や駅の設備条件を守りつつ時系列順に決めてゆくものである。ここで、列車の走行条件としてダイヤ予想に組み込まれているのは、列車の走行速度や、停車時間、折返し時間、出発順序、列車間の走行間隔が代表的である。また、設備条件としては同一線路内での追越禁止や、同一番線への複数列車の在線禁止などが代表的である。これらの条件を守ったダイヤ予想の運行予測結果は、整理案を作成する担当者が運行の乱れの規模を把握したり、整理案の有効性を評価するにあたっては、有用な精度が得られているものである。
しかし、実際の列車運行においては上記に挙げた条件よりも数多くの条件に縛られながら列車は走行している。ダイヤ予想には組み込まれていない条件の1つに信号現示における速度制限条件がある。信号現示速度とは軌道回路単位に列車の最高速度を制限するもので、列車の種別や軌道回路の勾配により定常的に決められているだけでなく、列車同士の走行間隔により動的に変化するものである。例えば列車Aの前方を列車Bが走行しており、二つの列車の間隔が十分に開いているときには、信号現示速度は定常的に決められている速度を表示するだけである。しかし、列車Aと列車Bの距離が近づいている場合には、列車の衝突を避けるために列車Aの速度を減速させるような速度を信号現示速度として表示する。
先に述べたダイヤ予想方式では定常的な信号現示速度の条件は組み込めても、このように列車間の距離に依存して動的に変化する信号現示速度の条件を組み込むことはできていない。また、進路鎖錠における出発/到着条件もダイヤ予想方式に組み込まれていない条件である。進路鎖錠とは、列車が駅に進出/進入するときに走行する閉塞区間に対し、他列車が進入することを不可とすることである。
例えば、駅Xを出発する列車Aと駅Xに到着する列車Bが存在し、これら2列車が同一の番線を使用するとき、進路鎖錠を守る場合には列車Aが出発した後すぐに列車Bが駅Xに到着できるわけではなく、列車Aが出発後一定距離を走行して閉塞区間を抜けた後で、列車Bは駅Xに到着する。ダイヤ予想においても列車Aの出発と列車Bの到着の間にあらかじめ決められている一定の時隔を保つことで進路鎖錠の条件を模擬しているが、列車Aが閉塞区間内で減速して走行する場合(例えば列車Aの前方近くを走行する列車がいる場合など)などにおいては、進路鎖錠を守った列車Bの到着時刻を予測することができない。
以上の、列車間の距離に依存して動的に変化する信号現示速度の条件と進路鎖錠における出発/到着条件との2つの条件が組み込まれていないため、ダイヤ予想の結果は現実の列車運行と走行速度や出発/到着のタイミングが異なるものになっている。
これに対し、駅における着発時刻だけを計算するのでなく、信号現示速度や進路鎖錠条件を踏まえつつ列車の速度を微小時間毎に計算しながら、列車の在線位置を進めてゆくことにより、現実の列車運行を模擬するダイヤ予想方式がある(特許文献1)。
特開平8−156793号
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、以下の課題がある。
・全ての列車は平面交差支障箇所を計画通りに走行することを前提としているため、平面交差の走行順序が計画と変化することを前提とする運行予測には適用できない。
・全ての列車は番線の使用順序を計画通りとすることを前提としているため、番線の使用順序が計画と変化することを前提とする運行予測には適用できない。
上記課題は、本発明の次のような態様の運転整理支援システム、運転整理支援方法及びそのプログラムにより解決される。列車ダイヤ情報と列車の在線状況とを格納する列車情報テーブル及び軌道回路情報を格納する軌道回路情報テーブルを含むデータベースと、番線使用順序および平面交差走行順序の各々の計画変更の可否を入力する入力装置と処理装置とを備え、処理装置によって次の処理を実行する。計画変更の可否の入力に応答して、列車の運行予測の制約条件である列車の走行条件及び駅の設備条件を切り替えて、データベースの列車ダイヤ情報、列車の在線状況及び軌道回路情報を用いて、列車の運行を予測する。
本発明によれば、番線使用順序や平面交差走行順序の計画変更の可否を入力でき、その入力に応じて、列車の運行予測の制約条件である列車の走行条件及び駅の設備条件を切り替えて、列車の運行を予測できる。
以下、本発明に係る一実施形態を、図1から図12を用いて説明する。なお、本実施形態では、鉄道運行システムにおける運転整理支援システムを適用対象として説明するものとする。
図1は本発明の一実施形態に係る運転整理支援システムのシステム構成図である。本実施形態の運転整理支援システムは計算機システムとしての構成をとるもので、プログラムを実行する中央処理装置1100、列車情報や基礎情報を蓄積するデータベース1200、ユーザーからの入力を受け付ける入力装置1300、ダイヤ図をはじめとする各種GUIを表示する表示装置1400からなる。データベース1200は、記憶装置に記憶されている。
中央処理装置1100では、列車の着発実績時刻と現在の在線位置より未来の運行を予測する運行予測部1110 、列車ダイヤをグラフィカル表示するダイヤ図表示部1120、運行予測部1110の処理に対する制御パラメータをユーザーより受け付けるためのGUI表示部1130、線形式や論理式、集合演算などで記述される数理モデルを解くための汎用ライブラリである数理計画実行部1140をプログラムとして実行する。
データベース1200では、列車ダイヤの情報を管理する列車情報テーブル1201、列車の走行時分や駅レイアウト、時隔の情報を管理する基礎情報テーブル1202、駅間及び駅内に敷設されている軌道回路の情報を保有する軌道回路情報テーブル1203を保有する。
なお、データベース1200に格納されている情報の中で、時々刻々変化する情報は外部の運行管理システムなどにより更新される。また、高頻度に更新される情報がある場合は、それらの情報のある時点のスナップショットをとったものがデータベース1200に格納される。
入力装置1300はマウスやキーボードなど汎用的な計算機への入力デバイスである。表示装置1400はディスプレイなどの計算機で用いられる出力デバイスである。
本運転整理支援システムにおける運行予測の処理の流れについて説明する。図1に示す表示装置1400は現時刻における列車の運行状況をダイヤ図として常時表示する。
図2はダイヤ図の一例を示す図である。ダイヤ図は縦軸2100に列車が走行する駅(駅及び駅間距離)、横軸2200に時間をとり、列車ダイヤを2次元のグラフとして表示する。グラフ上で斜線として表示される箇所は列車が駅間を走行していることを示し、横軸2200と平行な水平線として示す箇所は列車が駅に停車していることを示す。また、列車は端末駅まで走行した後に折返し運転する。列車は1本ごとに列車番号という固有の名前(識別子)を持ち、一意な識別がなされる。
図2における列車2310は列車番号eを持ち、A駅まで走行した後、列車番号を列車番号e'に変えてA駅を出発したことを示す。A駅において列車eと列車e'をつなぐ水平線として表示される箇所は折返しを行うための待機時間を示す。
なお、折返し後の列車を列車Xに対する「折返し列車」と呼ぶ。また、列車の進行方向にある駅を「列車Xにおける前方駅」、反対方向、つまりすでに走行が終わった方向にある駅を「列車Xにおける後方駅」と呼ぶ。
運行予測の処理の流れについての説明を続ける。運行予測を実行に移す前に、ユーザーは図1に示すGUI表示部1130を用いて運行予測を実行するにあたっての制御パラメータである運行予測パラメータを設定する。
図3は運行予測パラメータの入力画面を示す。運行予測パラメータの入力画面は、列車がある番線を使用する順序(以下、番線使用順序)とある平面交差支障箇所を走行する順序(以下、平面交差走行順序)を計画通りとして運行予測結果を出力するのか、それとも計画を変更して運行予測結果を出力するのかを設定する画面である。それぞれ、番線使用順序パネル3100と平面交差走行順序パネル3200内のチェックボックスへ入力することにより計画通り(変更不可)の順序に基づき運行予測を出力するのか、それとも計画と変更した(変更可)順序により運行予測結果を出力するのかを設定する。
図4は番線使用順序と平面交差走行順序を説明する図である。図4(a)において、列車4110は上り方向(図中左方向)から駅に進入して番線4210で折返し、上り方向へ進出する列車を示す。列車4120は下り方向(図中右方向)から駅に進入し列車4110が折返すのと同じ番線4210で折返し、下り方向へ進出する列車を示す。列車4110が折返す時刻が、列車4120が折り返す時刻より早い計画であれば、番線4210における計画通りの番線使用順序は列車4110が先で、列車4120が後になる。このとき、上り方向で事故などがあり列車4110に遅れが生じた場合、番線使用順序を計画通りとするならば、列車4120は列車4110の折返しを待たなければならないので、列車4120も遅延する。しかし、番線使用順序を変更するのであれば、列車4120は列車4110よりも先に折返すことで遅延せずに走行することが可能となる。
図4(b)において、列車4130は上り方向から駅の番線4230を通過して下り方向へ向かう列車を示し、列車4140は下り方向から駅に進入し、番線4220へ停車する列車を示す。このとき、列車4130、列車4140はポイント4310で交差する関係にある。列車4130の駅通過時刻が、列車4140の駅到着時刻より早い計画のとき、計画通りのポイント4310の平面交差走行順序は列車4130が先で、列車4140が後になる。このとき、上り方向で事故などがあり列車4130に遅れが生じた場合、交差支障順序を計画通りとするならば、列車4140は列車4130のポイント4310通過を待たなければ駅へ進入できないので、列車4140も遅延する。しかし、平面交差走行順序を変更するのであれば、列車4140は、列車4130よりも先にポイント4310を通過でき、遅延せずに走行することが可能となる。
図3に戻り運行予測パラメータ入力画面の説明を続ける。運行予測パラメータを指定後、実行ボタン3300を押下することにより、図1に示す運行予測部1110が起動され、運行予測が実行される。
図5は運行予測部1110の処理フローを示す。ステップ5010では図1に示すデータベース1200から、列車情報テーブル1201、基礎情報テーブル1202、及び軌道回路情報テーブル1203に格納されているデータを読み込むと共に、GUI表示部1130を介してユーザーが入力した運行予測パラメータを読み込む。
図6は軌道回路情報テーブル1203のデータが示す概念図である。軌道回路情報テーブルは、路線上に敷設された軌道回路の固有IDと軌道回路長、図1の運行予測部1110の処理過程で随時更新される情報を管理する軌道回路情報、及び軌道回路を構成要素とする走行区間情報を含む。走行区間情報は、駅間及び駅内の2つの種別に分かれている。駅間の軌道回路を構成要素とする走行区間情報の種別は駅間であり、列車が駅へ進入(到着)または駅より進出(出発)する進路上にある軌道回路を構成要素とする走行区間情報の種別は駅内である。
例えば、0D 6100は種別が駅間の走行区間情報でA駅からB駅へ向かう駅間に存在する軌道回路0T 6000、1T 6010、2T 6020を構成要素とする。また、1D 6110は種別が駅内の走行区間情報で、A駅よりB駅のβ番線6210に進入する進路上にある駅内の軌道回路B0T 6030、B1T 6050を構成要素とする。
種別が駅内の走行区間情報においては、「走行区間情報を構成する軌道回路の集合=閉塞区間」である。閉塞区間とは、列車が1本しか走行(在線)することが出来ない区間のことで、種別が駅内の走行区間情報では、構成要素となる軌道回路内に複数の列車が存在することはできないことを意味する。また、同一の軌道回路を共有する、異なる走行区間情報においては、走行区間内を同時に列車が走行(在線)することが不可となる。
図7は軌道回路情報テーブル1203のテーブル構成を示す。軌道回路情報テーブル1203は1つの走行区間情報を1レコードとして保持する。レコード内の項目は走行区間のID、区間開始駅/終了駅などの走行区間の基本属性を示す基本情報部と、走行区間情報に属する軌道回路に関する情報を示す軌道回路情報部に分かれる。
基本情報部は走行区間の固有IDを示す走行区間ID7110、走行区間の種別を示す種別コード7120、走行区間の出発側の駅を示す出発駅7130、到着側の駅を示す到着駅7140、種別コード7120が駅内である場合、到着(進入)側の走行区間情報であるのか出発(進出)側の走行区間情報であるのかを示す着発フラグ 7150、種別コードが 7120が駅内である場合に到着(進入)又は出発(進出)に使用する番線コードを示す着発番線コード7160の項目を持つ。
軌道回路情報部は軌道回路1区間分の情報を1つのブロックとして保持し、それらのブロックを列車の走行方向に沿って並べて保有している。軌道回路情報は、軌道回路の固有IDを示す軌道回路ID7210、軌道回路の長さを示す軌道回路長7220、軌道回路に在線している列車の列車番号を示す在線列車番号7230、軌道回路への進入を可能とする時刻を示す進入可能時刻7240の項目を持つ。なお、在線列車番号7230、進入可能時刻7240は静的な情報ではなく、図1の運行予測部1110の処理過程において随時更新される情報である。
レコード7310は走行区間IDが「0D」、種別が「駅間」、出発駅が「A駅」、到着駅が「B駅」の走行区間情報を示し、レコード7320は走行区間IDが「1D」、種別が「駅内」「A駅」を出発し「B駅」の「β番線」に「到着」する走行区間情報を示している。
図8は列車情報テーブル1201のテーブル構成を示す。列車情報テーブル1201は1本の列車に関する情報(以下、列車情報)を1レコードとして保持する。、レコード内の項目は列車の基本属性を示す基本情報部、図1の運行予測部1110の処理過程で随時更新される在線状況である運行予測情報部、及び列車が走行する駅の名称や着発時刻に関する項目を持つ駅情報部に分かれる。
基本情報部は列車の固有IDを示す列車番号8110、列車の走行方向が上り方向か下り方向かを示す方向8120、列車が端末駅又は途中駅で折り返した際のその列車を示す折返し列車番号8130の項目を持つ。
運行予測情報部は、図1の運行予測部1110の処理過程で列車が在線中となる走行区間情報のIDと軌道回路情報のIDとをそれぞれ示す走行区間ID8140と軌道回路ID 8150、在線中の軌道回路内での列車位置をメートル表示で示す在線位置8160、及び在線時刻8170の項目を持つ。在線時刻8170は走行区間ID8140で示される走行区間に列車が在線した時刻を示す。
駅情報部は1駅分の情報(以下駅情報)を1つのブロックとして保持し、それらのブロックを列車の走行方向に沿って並べて保有している。したがって、駅情報部の最初にある駅情報はその列車の始発駅に関する駅情報、最後にある駅情報はその列車の終着駅に関する駅情報となる。駅情報は、列車がその駅を何番目に走行するかを示す走行順序8210、その駅の名前を示す駅名8220、使用する番線名称を示す番線8230、計画されている到着時刻を示す計画到着時刻8240、計画されている出発時刻を示す計画出発時刻8250の項目を持つ。
図5に戻り運行予測部1110における処理フローの説明を続ける。ステップ5010で読み込む基礎情報テーブル1202には列車の走行速度や、各駅における停車時分、折返しに要する時間、駅出発/到着時における後続列車との走行間隔などの情報が保持されている。なお、本実施例の説明においては基礎情報の詳細説明は省略することとする。
ステップ5020では数理モデルを構築する。数理モデルは、整理案を作るうえで守らねばならない要件(以下、制約条件とする)を数式で表現するものである。本実施例においては以下を制約条件として定義する。
早発禁止制約:計画出発時刻より早く出発してはならない。
駅間走行時分制約:駅間走行時分は最小駅間走行時分以上でなければならない。
停車時分制約:停車時分は最小停車時分以上でなければならない。
折返し時分制約:折返し時分は最小折返時分以上でなければならない。
出発続行時隔:同一方向へ向けて駅を出発する列車は、出発の時間間隔を出発続行時隔以上に保たねばならない。
到着続行時隔:同一方向より駅に到着する列車は、到着の時間間隔を到着続行時隔以上に保たねばならない。
番線競合制約:同一番線を使用する列車においては番線使用時間に番線競合時隔以上の時間間隔を持たねばならない。
駅間順序同一制約:駅間で同一線路上を走行する列車は順序が入れ替わってはならない。
平面交差制約:同一交差支障ポイントを通過する列車は通過時刻に交差支障時隔以上の時間間隔を持たせねばならない。
これらの制約条件を数理的に記述するために、以下ではその準備として各種記号を定義する。
(1)集合
R:列車の集合
S:駅の集合
T(r):列車rが走行する駅の集合
U(s):駅sを走行する列車の集合
ここで、T(r)、U(s)はそれぞれS、Rの部分集合となる。
(2)定数
s( r , i ) :列車rがi番目に走行する駅
plannedArvTime( r , s ):列車rの駅sにおける計画到着時刻
plannedDptTime( r , s ):列車rの駅sにおける計画出発時刻
Sot(r,s):列車rの駅sにおける計画通りの出発順序
RT:駅間走行時分
ST:最小停車時分
TT:最小折返し時分
DIT:出発続行時隔
AIT:到着続行時隔
TIT:番線競合時隔
CIT::交差支障制約
(3)決定変数
ArvTime(r,s):列車rの駅sにおける到着時刻
DptTime(r,s):列車rの駅sにおける出発時刻
Aot(r,s):列車rの駅sにおける到着順序
ToT(r,s,t):列車rの駅sにおける番線tの使用順序
CoT(r,s,c):列車rの駅sにおける交差支障cの通過順序
整理案を生成する上で、Aot(r,s)、ToT(r,s,t)、Cot(r,s,c)を決定する必要はないが本実施形態においては数理モデルを解くために必要となるため、決定変数として処理する。
上記の記号の定義の元で制約条件は下記の通り数式化される。
(1)早発禁止制約
Figure 0005041952
(2)駅間走行時分制約
Figure 0005041952
(3)停車時分制約
Figure 0005041952
(4)折返し時分制約
Figure 0005041952
(5)出発続行時隔制約
Figure 0005041952
Figure 0005041952
(6)到着続行時隔制約
Figure 0005041952
Figure 0005041952
(7)番線競合制約
Figure 0005041952
Figure 0005041952
(8)駅間順序同一制約
Figure 0005041952
Figure 0005041952
(9)平面交差制約
Figure 0005041952
Figure 0005041952
Figure 0005041952
Figure 0005041952
Figure 0005041952
図3の運行予測パラメータにおいて番線使用順序を計画と変更不可とした場合には、Aot(r,s)とToT(r,s,t)は変数ではなく、計画通りの順序を示す定数となり、制約条件(6)(7)(式(7)〜式(10))は以下の制約条件(6')(7')(式(18)〜式(21))に置き換わる。また、運行予測パラメータにおいて平面交差走行順序を計画と変更不可とした場合には、CoT(r,s,c)は変数ではなく、計画通りの順序を示す定数となり、制約条件(9)(式(13)〜式(17))は以下の制約条件(9')(式(22)〜式(26))に置き換わる。
(6')到着続行時隔制約
Figure 0005041952
Figure 0005041952
(7')番線競合制約
Figure 0005041952
Figure 0005041952
(9')平面交差制約
Figure 0005041952
Figure 0005041952
Figure 0005041952
Figure 0005041952
Figure 0005041952
このうち単純な線形式として表現される制約条件(1)(2)(3)(4)(5)(8)(6')(7')(9')(式(1)〜式(6)、式(11)、式(12)、式(18)〜式(26))については本ステップ(ステップ5020)にて全列車、全駅に関わる制約式を一括で数理モデルへ組込む。if文形式で表現される制約条件(6)(7)(9)(式(7)〜式(10)、式(13)〜式(17))について後述の処理過程を通して、線形式の形に落とし込むことが可能となった段階で1列車、1駅分ずつ随時、数理モデルへ組込む。
ステップ5030では、ステップ5020で構築した数理モデルに対する演算を実行する。本実施形態においては演算の実行に制約論理プログラミングを適用する。制約論理プログラミングは、制約充足問題に対する解探索手法の一種であり、(1)決定変数の取り得る値(ドメイン)の変化を、関連する制約を介して他の変数に伝えることにより探索領域を絞り込む「制約伝播」手法に基づく効率的な解探索メカニズムを持ち、(2)論理制約、記号制約や非線形制約等、幅広い制約条件を含むモデルの解探索に対応可能、であることが特徴である。制約論理プログラミングは線形計画法(LP)等と同様に汎用ライブラリが広く流通しており、本問題の数理モデルはそれらのライブラリが扱うことができる一般的な形式である。したがって、本ステップ(ステップ5030)の演算においては、制約論理の実行メカニズムを独自に実装してもよいし、汎用ライブラリをコールすることにより演算を実行することとしても良い。
本ステップ(ステップ5030)の演算にて到着時刻変数及び出発時刻変数の解を算出すると数理モデルに組み込んでいない制約条件(6)(7)(9) (式(7)〜式(10)、式(13)〜式(17))の要件を満たさない解となる。したがって、本ステップでの演算においては、到着時刻変数及び出発時刻変数の値を1つに決定せずに、数理モデルに組み込んだ制約条件(1)(2)(3)(4)(5)(8)(6')(7')(9')(式(1)〜式(6)、式(11)、式(12)、式(18)〜式(26))を基に各変数のドメインを定める(上下限値を境界値として定める)までの処理とし、以降のステップ5040〜5060により到着時刻変数及び出発時刻変数の値を決定する。
ステップ5040では数理モデルに組み込まれた全ての着発時刻変数(到着時刻変数及び出発時刻変数)について値が決定しているかを判定し、全ての着発時刻変数について値が決定していれば運行予測の処理を終了し、終わっていないのであれば処理をステップ5050へと移す。
ステップ5050では未決定の着発時刻変数を持つ列車の中から、列車情報中の在線時刻 8170の値が最も小さい列車を処理対象として選択する。なお、本ステップで選択した列車を「列車r」として以降の説明を続ける。
ステップ5060では列車rが持つ未決定な着発時刻変数のうち1つの変数について値を決定する。図9はステップ5060の時刻決定の詳細な処理フローを示す。ステップ9010では、列車rが持つ未決定の変数を走行順に並べたとき、一番目に並ぶ変数が到着時刻変数であるか、それとも出発時刻変数であるのかを判別し、到着時刻変数であるときにはステップ9020へと進み出発時刻変数であるときにはステップ9110へと進む。本ステップで選択した変数を「VarTime(r,s):列車rの駅sにおける到着または出発時刻変数」として以降の説明を続ける。
ステップ9020では、列車rの在線状態を更新する。在線状態の更新は信号現示速度に基づき列車を走行させることによって行う。
図10は、ステップ9020の在線状態更新の詳細な処理フローを示す。ステップ10010では列車rが在線している軌道回路の信号現示速度を取得する。信号現示速度は列車の種別や軌道回路の勾配や曲線(カーブ)に応じて決まるだけでなく、他列車の位置に応じて動的に変化する。
図11は信号現示速度の動的な変化例を示す図である。図11(a)の例では列車11010とその前方を同一方向に走行する列車11020との間に十分な距離がある場合を示す図である。この場合、列車11010が在線する軌道回路の信号現示速度は前方列車11020の影響を受けないので、勾配や曲線(カーブ)に応じて決まる速度を示す。
図11(b)の例では列車11110とその前方を同一方向に走行する列車11120の距離が詰まっている場合を示す図である。この場合、列車11110が在線する軌道回路の信号現示速度は列車11110に対し、前方列車11120と距離を開けるために、勾配や曲線(カーブ)に応じて決まる速度よりも低速を示す。この低速の速度段階は一般に複数の段階がある。たとえば、勾配や曲線(カーブ)に応じて決まる速度が70km/hであれば、低速は55km/hと30km/hとの2段階のようにである。
図11(c)の例では列車11210に対して、その前方を同一方向に走行する列車11220が前方に隣接する軌道回路の区間に在線する場合を示す図である。この場合、列車11210が在線する軌道回路の信号現示速度は前方列車11220との衝突を避けるために停止(速度0)を示す。
図11(a)〜(c)のように、同一方向へ進む前方列車に応じて信号現示速度は変化するだけでなく、図11(d)のような場合にも信号現示速度は変化する。図11(d)は、駅に近い軌道回路を走行中のときに、駅内の同一軌道回路を走行する列車との位置関係が信号現示速度に影響する場合を示す。列車11310が図中の軌道回路上を走行しているとき、列車11320が駅内に停止している時には信号現示速度は低速とならないが、列車11320が矢印方向に駅を出発するために又は出発して進路を鎖錠すると、軌道回路11330を含む閉塞区間内に列車11310が進入できないようにするために、信号現示速度は低速を示すことになる。
図10に戻り図9のステップ9020の在線状態更新処理の説明を続ける。ステップ10010では、信号現示速度を判定する。列車rの進行方向前方にある複数の軌道回路に前方の列車が在線していなければ信号現示速度は最高速度(定常的に決まっている速度で走行可)、前方に隣接する軌道回路の次の軌道回路に前方の列車が在線している場合には信号現示速度は速度制限あり(低速)を示し、前方の隣接する軌道回路に前方の列車が在線している場合には信号現示速度は停止を示すこととする。厳密には、前方の列車が在線する軌道回路の後方の軌道回路から順次軌道回路ごとの信号現示速度を決定し、当該列車が在線する軌道回路の信号現示速度を決定する。たとえば、前述の数値例を用いると、前方の列車が在線する軌道回路の後方の軌道回路の信号現時速度は停止(速度0)、その手前の軌道回路の信号現時速度は30km/h、さらにその手前は55km/h、さらにその手前は70km/hというように軌道回路ごとの信号現示速度を決定し、当該列車在線する軌道回路の信号現示速度を決定する。
軌道回路に前方の列車が在線しているか否かについては、列車rの在線時刻8170と各軌道回路の進入可能時刻7240を比較し、在線時刻8170のほうが進入可能時刻7240よりも大きければ列車の在線はなしとし、在線時刻8170が進入可能時刻7240よりも小さい場合には列車在線有りとする。
信号現示速度が停止の場合にはステップ10020へと処理を進め、信号現示速度が最高速度の場合にはステップ10030へと処理を進め、速度制限有り(低速)の場合にはステップ10050へと処理を進める。
ステップ10020では前方軌道回路(以下、軌道回路T)に在線中の前方の列車(以下、列車r0)が軌道回路Tを進出するまで列車rが現在位置で停止した状態となるように、列車rの在線時刻8170を列車r0が軌道回路Tを進出すると推定される時刻(以下、軌道回路進出推定時刻)の値に更新する。
軌道回路進出推定時刻は軌道回路Tが駅間に敷設されたものかそれとも駅内に敷設されたものかで算出方法が異なる。駅間の場合には、前方の列車r0が最高速度で軌道回路T内を走行したときに軌道回路Tを進出する時刻を軌道回路進出推定時刻として次式にて求める。
軌道回路進出推定時刻
= 軌道回路Tの残りの距離( 軌道回路Tの軌道回路長 7220
列車r0の在線位置8160 ) / 軌道回路Tの最高速度
駅内(以下、駅s0)の場合は、列車r0が駅s0を出発するまで列車rは停止することとなるので、軌道回路進出推定時刻を列車r0の駅s0出発時刻とする。軌道回路進出推定時刻、つまり列車r0の駅s0出発時刻を推定する方法は複数あるが、ここでは以下により軌道回路進出推定時刻を推定することとする。
軌道回路進出推定時刻
=r0の駅s0出発時刻変数DptTime( r0 , s0 )のドメイン最小値
また、前方軌道回路において在線列車番号7230が登録されていないときには、駅間、駅内に問わず軌道回路進出推定時刻を次式で推定する。
軌道回路進出推定時刻=軌道回路Tの進入可能時刻7240
ステップ10030ではステップ10010で信号現示速度取得において、列車の在線有無を確認した軌道回路の中に、駅内走行区間にある軌道回路が存在したか否かを判定し、存在しない場合にはステップ10040へと処理を進め、存在する場合にはステップ10050へと処理を進める。信号現示取得において場内走行区間の軌道回路を含まない場合とは、同一方向を走行する前方列車のみが信号現示速度に影響を及ぼすこととなる。ステップ10010の信号現示速度取得において前方列車との間に十分な距離が取れていることは確認済みであるので列車rが軌道回路内を走行する間、信号現示速度が変わることがない。従って、ステップ10040では信号現示速度で在線中の軌道回路を走行完了したものとして、列車rの在線時刻8170及び在線位置8160を更新する。在線時刻8170は次式により更新する。
在線時刻8170=在線時刻8170
+軌道回路の残りの距離(軌道回路長7220列車rの在線位置8160)/信号現示速度
在線位置8160は軌道回路長7220の値に更新する。
信号現示速度の影響範囲内に場内走行区間を含む場合とは、図11の四角で囲んだような場合であり、反対方向へ進出する列車の動きにより信号現示速度が軌道回路走行途中で減速に変わる場合があるときである。よって図10のステップ10050では微小時間分のみ軌道回路内を走行したものとして、在線位置8160及び在線時刻8170を更新する。在線位置8160は、信号現示速度×微小時間の値を加算した値に更新し、在線時刻8170は微小時間を加算した値とする。信号現示速度が減速を示す場合もステップ10050へと進むが、これは前方列車が前方軌道回路を進出し減速が解除され、軌道回路内を走行中に信号現示速度が変化する場合があるためである。
図9に戻り図5のステップ5060の時刻決定処理の説明を続ける。ステップ9030では列車rの在線位置8160が在線中の軌道回路の軌道回路長7220以上であるかを判定し、未満の場合、つまり、列車rは軌道回路途中に在線している場合にはステップ9040へと処理を進め、以上となる場合、つまり、列車rは在線軌道回路の走行を完了しているときにはステップ9050へと処理を進める。
ステップ9040では列車rの在線時刻8170と変数VarTime(r,s)のドメイン最小値を比較し、VarTime(r,s)のドメイン最小値の値が在線時刻8170より大きい場合には、在線時刻8170の値をVarTime(r,s)のドメイン最小値に更新する。なお、ステップ9040の処理は着発時刻変数の値を時系列順に決定してゆくための補正処理である。
ステップ9050では列車rが次の軌道回路へ進出するにあたって進路鎖錠を実行する必要の有無を判定し、進路鎖錠の必要がある場合にはステップ9060へと進み、必要がない場合にはステップ9080へと処理を進める。進路鎖錠とは、列車が駅に進出/進入するときに走行する閉塞区間に対し、他列車が進入することを不可とすることである。進路鎖錠を実行する位置とは、図6において、A駅からB駅へ進入する列車が軌道回路2T 6020のように駅直近の軌道回路を進出する場合や、列車が駅を出発する直前の場合である。
ステップ9060ではVarTime(r,s)の値を決定するのに対し、図5のステップ5020の数理モデル構築において定義した制約条件と矛盾が生じないかを判定する。なお、本ステップの処理はVarTime(r,s)が到着時刻変数であり、かつ、図3の運行予測パラメータ設定において番線使用順序を計画と変更可とした場合に適用されるものである。
図12は図9のステップ9060の到着判定処理を説明する図である。図12(a)において、Aレ 12010はS駅で折返しA'レ12020となる列車で、列車r 12030はT駅方向からS駅にAレ12010と同一の番線に到着する列車である。また、A'レ12020と列車r12030は同一方向へ出発し、出発順序はA'レ12020→列車r12030であると計画されている。Aレ12010の到着が図12(b)の12110のように遅延した場合、列車r12130はS駅に遅れることなく到着できるとしても出発順序A'レ12120→列車r12130の計画を守るためには、A'レ12120のS駅出発後に到着するよう遅延させなければならない。運行予測対象が列車r12130のS駅到着時刻であり、Aレ12110が遅延してS駅到着時刻が未決定である場合、つまりAレ12110がまだS駅に到着していない場合には、列車r12130のS駅到着をAレ12110のS駅到着よりも遅らせるため、図9のステップ9060の到着判定では制約式(27)を図5のステップ5020にて構築した数理モデルへと追加し、到着判定を到着不可として処理を終了する。
Figure 0005041952
図12(c)及び(d)は合流駅のパターンを示す図であり、U駅方向から来る列車とV駅歩行から来る列車がS駅で合流する。Aレ 12210はU駅方向からS駅へ到着する列車であり、列車r12220はV駅方向からS駅に到着し、Aレ12210と同じ番線に停車する列車である。また、Aレ12210と列車r12220はS駅から同一方向へ出発する列車で出発順序はAレ12210→列車r12220と計画されている。Aレ12310到着が図12(d)のように遅延した場合、列車r 12320はS駅に遅れることなく到着することができるとしても出発順序Aレ12310→列車r12320の計画を守るためには、Aレ12310のS駅出発後に到着するようにしなければならない。運行予測対象が列車r12320のS駅到着時刻変数であり、Aレ12310のS駅到着時刻変数が未決定である場合、つまりAレ12310がまだS駅に到着していない場合には、列車r12320のS駅到着をAレ12310のS駅到着よりも遅らせるため、図9のステップ9060の到着判定では制約式(28)を数理モデルへ追加し、到着判定を到着不可として処理を終了する。
Figure 0005041952
以上のように合流駅や折返し駅の場合は、上記のように到着判定し、ダイヤの矛盾を回避することが必要となる。
図9に戻り、図5のステップ5060の時刻決定処理の説明を続ける。ステップ9070では列車rが駅へ到着もしくは駅を出発する際に走行する閉塞区間へ進入することが可能であるのかを判定する。進入の判定は閉塞区間内の軌道回路が全て進入可能であるときには進入可能、1つでも進入不可となる場合には進入不可とする。
進入可能となる場合は閉塞区間内の全軌道回路について、在線列車番号7230を列車rの列車番号8110、進入可能時刻7240を無限大を表す数値に更新し、処理をステップ9080へと進める。進入が不可となる場合には、進入不可となった軌道回路に在線している列車(以下列車r1)が閉塞区間内を進出するまで在線位置で停止する状態となるよう列車の在線時刻を更新する。
ステップ9080では列車rが在線している軌道回路の状態を列車rが軌道回路を進出した状態に更新し、列車rが次に進入する軌道回路の情報を列車rが軌道回路へ進入した状態に更新する。軌道回路を列車が進出した状態とするためには、軌道回路情報の在線列車番号7230を空白にし、進入可能時刻7240を列車rの在線時刻8170の値に更新する。軌道回路に列車が進入した状態とするためには、軌道回路情報の在線列車番号7230を列車rの列車番号8110に変え、進入可能時刻7240を無限大を示す数値に更新する。
また、駅内の番線に到着したときや、駅を出発し駅間の軌道回路に移ったときには、進路鎖錠を開放して、在線していた閉塞区間に他列車の進入を許可するため、閉塞区間内の全軌道回路について在線列車番号7230を空白にし、進入可能時刻7240を列車rの在線時刻8170に更新する。
ステップ9090では、列車情報の走行区間ID8140と軌道回路ID8150の値を現在走行していた走行区間及び軌道回路の次の走行区間及び軌道回路となるように更新する。
ステップ9100では変数VarTime(r,s)の値を以下のルールに基づき決定する。
(1)VarTime(r,s)が到着時刻変数の場合、以下の条件(a)〜(c)を満たすときに列車rは駅内の番線に到着するものとみなし、到着時刻変数ArvTime( r , s )の値を列車rの在線時刻8170と同じ値と定める制約式(29)を図5のステップ5020にて構築した数理モデルへと追加する。
条件:
列車rが在線している走行区間情報の種別7120が「駅内」である。
列車rが在線している走行区間情報の着発フラグ7150が「着」である。
列車rが在線している軌道回路が走行区間情報内の最後の軌道回路である。
Figure 0005041952
(2)運行予測対象が発時刻の場合、出発時刻変数DptTime( r , s )の値を列車rの在線時刻8170と同じ値と定める制約式(30)を図5のステップ5020にて構築した数理モデルへと追加する。
Figure 0005041952
ステップ9010で運行予測対象が出発時刻となった場合、ステップ9110では、列車rの在線時刻 8170と出発時刻変数DptTime( r , s )のドメイン最小値の値を比較し、出発時刻変数DptTime( r , s )のドメイン最小値の方が列車rの在線時刻8170より大きい場合には、変数DptTime( r , s )のドメイン最小値を更新する以下の制約式(31)を数理モデルへと追加し、変数DptTime(r,s)の値を定めることなく処理を終了する。
Figure 0005041952
図5に戻り、運行予測部1110の処理の説明を続ける。ステップ5060が終了後、ステップ5030へと処理を戻し、ステップ5060で制約式が追加された数理モデルの計算を実行する。運行予測部1110の処理が終了後、図1のGUI表示部1130により現時点の運行状況を示すダイヤ図から、運行予測結果を示すダイヤ図に更新する。以上の処理にて、運行予測の一連の流れが終了する。
本実施形態によれば、列車の走行条件や駅の設備条件を制約式として表現した数理モデルに対し、数理計画技術の一つである制約論理技術と列車の走行位置/速度を微小時間単位に演算することにより運行予測結果を求めることができる。また、晩線使用順序や平面交差走行順序を計画通りとするか、又は変更するかの運行予測の前提条件について、ユーザーからの入力に応じて条件の有効/無効の切替が可能となる。
運転整理支援システムのシステム構成図である。 ダイヤ図の一例を示す。 運行予測パラメータの入力画面を示す。 番線使用順序と平面交差走行順序を説明する図である。 運行予測部の処理フローを示す。 軌道回路情報テーブルのデータが示す概念図である。 軌道回路情報テーブルのテーブル構成を示す。 列車情報テーブルのテーブル構成を示す。 時刻決定の処理フローを示す 在線状態更新の処理フローを示す。 信号現示速度の動的な変化例を示す図である。 到着判定処理を説明する図である。
符号の説明
1100・・中央処理装置、1200・・データベース、1300・・入力装置、1400・・表示装置、1110・・運行予測部、1120・・ダイヤ図表示部、1130・・GUI表示部、1140・・数理計画実行部、1201・・列車情報テーブル、1202・・基礎情報テーブル、1203・・軌道回路情報テーブル。

Claims (16)

  1. 列車ダイヤ情報と列車の在線状況とを格納する列車情報テーブル及び軌道回路情報を格納する軌道回路情報テーブルを含むデータベースと、番線使用順序および平面交差走行順序の各々の計画変更の可否を入力する入力装置と、前記計画変更の可否の入力に応答して、列車の運行予測の制約条件である列車の走行条件及び駅の設備条件を切り替えて、前記データベースの前記列車ダイヤ情報、列車の在線状況及び前記軌道回路情報を用いて、前記列車の運行を予測する処理装置とを備えたことを特徴とする運転整理支援システム。
  2. 前記処理装置は、前記列車が在線する前記軌道回路情報で示される信号現示速度が、該列車が該軌道回路に在線中に変化し得る場合、該列車の走行位置及び走行速度を微小時間単位に予測することを特徴とする請求項1記載の運転整理支援システム。
  3. 前記処理装置は、前記制約条件に基づいて前記列車の到着時刻及び出発時刻のとり得る範囲(ドメイン)の最小値を列車の在線時刻として置換して運行を予測することを特徴とする請求項2記載の運転整理支援システム。
  4. 前記処理装置は、前記制約条件を定式化した数理モデルを構築し、制約プログラミングを適用した演算を実行することにより前記ドメインを更新することを特徴とする請求項3記載の運転整理支援システム。
  5. 前記処理装置は、前記計画変更の可否の入力に応答して変化する前記制約条件に応じて前記ドメインを更新することを特徴とする請求項3記載の運転整理支援システム。
  6. 前記処理装置は、前記列車情報テーブルに格納される在線状況の在線時刻の値が最も小さい列車を前記列車として選択し、前記列車の運行を予測することを特徴とする請求項2記載の運転整理支援システム。
  7. 番線使用順序および平面交差走行順序の各々の計画変更の可否を入力し、
    前記計画変更の可否の入力に応答して、列車の運行予測の制約条件である列車の走行条件及び駅の設備条件を切り替えて、
    列車ダイヤ情報と列車の在線状況とを格納する列車情報テーブル及び軌道回路情報を格納する軌道回路情報テーブルを含むデータベースを用いて、前記列車の運行を予測することを特徴とする運転整理支援方法。
  8. 前記列車が在線する前記軌道回路情報で示される信号現示速度が、該列車が該軌道回路に在線中に変化し得る場合、該列車の走行位置及び走行速度を微小時間単位に予測することを特徴とする請求項7に記載の運転整理支援方法。
  9. 前記制約条件に基づいて前記列車の到着時刻及び出発時刻のとり得る範囲(ドメイン)の最小値を列車の在線時刻として置換して運行を予測することを特徴とする請求項7記載の運転整理支援方法。
  10. 前記計画変更の可否の入力に応答して変化する前記制約条件に応じて前記ドメインを更新することを特徴とする請求項9に記載の運転整理支援方法。
  11. 前記列車情報テーブルに格納される在線状況の在線時刻の値が最も小さい列車を前記列車として選択し、前記列車の運行を予測することを特徴とする請求項7記載の運転整理支援方法。
  12. 番線使用順序および平面交差走行順序の各々の計画変更の可否を入力し、前記計画変更の可否の入力に応答して、列車の運行予測の制約条件である列車の走行条件及び駅の設備条件を切り替えて、列車ダイヤ情報と列車の在線状況とを格納する列車情報テーブル及び軌道回路情報を格納する軌道回路情報テーブルを含むデータベースを用いて、前記列車の運行を予測する手順をコンピュータに実行させることを特徴とする運転整理支援プログラム。
  13. 前記列車が在線する前記軌道回路情報で示される信号現示速度が、該列車が該軌道回路に在線中に変化し得る場合、該列車の走行位置及び走行速度を微小時間単位に予測する手順をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項12に記載の運転整理支援プログラム。
  14. 前記制約条件に基づいて前記列車の到着時刻及び出発時刻のとり得る範囲(ドメイン)の最小値を列車の在線時刻として置換して運行を予測する手順をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項12記載の運転整理支援プログラム。
  15. 前記計画変更の可否の入力に応答して変化する前記制約条件に応じて前記ドメインを更新する手順をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項14に記載の運転整理支援プログラム。
  16. 前記列車情報テーブルに格納される在線状況の在線時刻の値が最も小さい列車を前記列車として選択し、
    前記列車の運行を予測する手順をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項12記載の運転整理支援プログラム。
JP2007266670A 2007-10-12 2007-10-12 運転整理支援システム、及びその方法とプログラム Active JP5041952B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007266670A JP5041952B2 (ja) 2007-10-12 2007-10-12 運転整理支援システム、及びその方法とプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007266670A JP5041952B2 (ja) 2007-10-12 2007-10-12 運転整理支援システム、及びその方法とプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009096221A JP2009096221A (ja) 2009-05-07
JP5041952B2 true JP5041952B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=40699655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007266670A Active JP5041952B2 (ja) 2007-10-12 2007-10-12 運転整理支援システム、及びその方法とプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5041952B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5271139B2 (ja) * 2009-03-31 2013-08-21 株式会社日立製作所 ダイヤ管理方法、プログラムおよびダイヤ管理装置
JP5474053B2 (ja) 2009-04-10 2014-04-16 パナソニック株式会社 端末装置及びマッピング方法
KR101058509B1 (ko) * 2010-07-06 2011-08-25 (주)에이알텍 철도신호 폐색구간 분할 설계 시스템
JP5647566B2 (ja) * 2011-05-25 2014-12-24 株式会社日立製作所 列車運行指令装置
JP6038693B2 (ja) * 2013-03-11 2016-12-07 株式会社日立製作所 進路制御装置、進路制御方法、および進路制御プログラム
JP7271451B2 (ja) * 2020-01-17 2023-05-11 株式会社東芝 情報処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラム及び方法
CN114524004B (zh) * 2022-01-04 2023-06-20 国能包神铁路集团有限责任公司 机车运用统计方法、装置、设备和存储介质
CN114987581B (zh) * 2022-06-02 2023-10-20 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 一种列车的调度方法、列车的调度装置及介质

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3208054B2 (ja) * 1995-11-09 2001-09-10 三菱電機株式会社 列車運転整理支援装置
JP4191497B2 (ja) * 2003-01-21 2008-12-03 財団法人鉄道総合技術研究所 運転整理案作成情報及び運転整理案作成装置
JP4241584B2 (ja) * 2003-11-27 2009-03-18 株式会社日立製作所 車両基地構内入換シーケンス作成装置、方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009096221A (ja) 2009-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5041952B2 (ja) 運転整理支援システム、及びその方法とプログラム
Yang et al. Isolated intersection control for various levels of vehicle technology: Conventional, connected, and automated vehicles
Corman et al. Closing the loop in real-time railway control: Framework design and impacts on operations
Ghanim et al. Real-time dynamic transit signal priority optimization for coordinated traffic networks using genetic algorithms and artificial neural networks
Grube et al. An event-driven simulator for multi-line metro systems and its application to Santiago de Chile metropolitan rail network
Quaglietta et al. Stability analysis of railway dispatching plans in a stochastic and dynamic environment
Corman et al. Effectiveness of dynamic reordering and rerouting of trains in a complicated and densely occupied station area
Zhao et al. A bilevel programming model for autonomous intersection control and trajectory planning
CN114519448A (zh) 用于在操作环境中优化路线规划的系统和方法
KR20050085832A (ko) 동적 최적화 트래픽 플래닝 방법 및 시스템
JP6138934B2 (ja) 交通需要制御装置
CN104463520A (zh) 物流系统
JP6573568B2 (ja) 運行予測システム、運行予測方法、及び運行予測プログラム
Shakibayifar et al. An integrated rescheduling model for minimizing train delays in the case of line blockage
JP6038693B2 (ja) 進路制御装置、進路制御方法、および進路制御プログラム
Zhang et al. An agent-based model for real-time bus stop-skipping and holding schemes
JP5376465B2 (ja) 混雑状況予測プログラム、混雑状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体および混雑状況予測装置、ならびにナビゲーションプログラム、ナビゲーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体およびナビゲーション装置
Espinosa-Aranda et al. A discrete event-based simulation model for real-time traffic management in railways
US20230311965A1 (en) Train operation support system and train operation support method
An et al. Space-time routing in dedicated automated vehicle zones
Daniels Real-time conflict resolution in automated guided vehicle scheduling
JP7233889B2 (ja) 歩行者シミュレーション装置
Liu et al. Modeling and efficient passenger-oriented control for urban rail transit networks
JP6633981B2 (ja) 交通情報配信システムおよび交通情報配信方法
Sarker* et al. Route planning for automated guided vehicles in a manufacturing facility

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120612

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5041952

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720

Year of fee payment: 3