JP7233889B2 - 歩行者シミュレーション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空港などの空間内における人の流れを推定する歩行者シミュレーション装置に関する。
経済交流の活発化や航空運賃の低下によって、世界的に航空旅客数は増加している。それによって空港の狭隘化が進んでいる。そのため、旅客手続きの自動化を通して空港の利便性向上と空港設備運用の効率化をめざすファストトラベルが国際空港輸送協会によって提唱されている。
ファストトラベルの実現に向けて、国内外のいくつかの空港では、自動チェックイン端末の導入や増設、短時間でセキュリティ検査を実現できるスマートレーンの導入などが進められている。このようなハードウェアの増強に加えて、空間が限られている空港においては、全体の旅客動線を考慮してこれらの機器を配置することもファストトラベルの実現には重要である。
そのため、カメラなどによって旅客動線を計測して可視化する旅客動線管理システムの導入が空港で進められている。旅客動線管理システムの導入によって、現状把握が容易となるが、どのように旅客動線を改善できるかは容易には判断できない。この判断を支援するためには、設備や運用方法の変更を伴う施策を行った場合の旅客動線を予測して評価する必要がある。このように現状と異なる条件下での旅客動線の予測には歩行者シミュレーション装置が活用されている。
旅客動線を予測することに関して、特許文献1では、建物の各室毎かつ各室の目標物毎に距離ポテンシャルを格子点上に生成した距離格子を生成する手段と、各歩行者に対して別のオブジェクトとの衝突を判定する衝突判定領域を面データとして与える手段と、前記距離格子に基づいて各歩行者の目標物への方向を決定する手段と、前記衝突判定領域の重なりの有無により歩行者の衝突の判定を行う手段と、前記衝突の判定により衝突が発生しなくなるまで歩行者の位置の計算を行う手段を備える歩行者シミュレーション装置が開示されている。
また特許文献2では、路線の運行状況から各駅での乗車可能人数を取得し、各駅についてあらかじめ保持している利用需要人数を減算して各駅で乗車できない人数を滞留必要量として算出する手段と、各駅から利用可能な複数のエリアを滞留エリアとして、それぞれのキャパシティと対応付けて保持し、それら滞留エリアから所定の順序で誘導先滞留エリアとして選択する手段と、選択された誘導先滞留エリアへ人を誘導するための誘導情報を配信する手段を備える人流誘導システムが開示されている。
特開2005-50117号公報 特開2015-108913号公報
しかし、特許文献1では、歩行者の移動を模擬する歩行者シミュレーション装置についての記載はあるが、空港で見られるような時間に応じて通行の可否が変化する搭乗ゲートや、搭乗ゲートが通行可能となる前の歩行者の待合行動を再現する手段についての記載はない。
特許文献2では、複数のエリアから所定の順序で誘導先滞留エリアを選択する手段についての記載はあるが、交通手段の出発時刻までの時間に応じて誘導先を変更する手段や、空間全体の歩行者の流動を推定し、可視化あるいは混雑状況を評価する手段についての記載はない。
そこで、本発明の目的は、空港などで見られるような時間に応じて通行の可否が変化する搭乗ゲートや、航空便などの輸送機関の出発時刻までの時間に応じて待合場所を変えるような歩行者の流動を推定して、可視化あるいは混雑指標として出力することができる歩行者シミュレーション装置を提供することである。
以上のことから本発明は、「待合場所及び目的地を含む空間の構造や属性を構造化して記録する空間情報と、歩行者の入出場を制限できるゲートである搭乗ゲートが通過可能である時間帯を記録する運行情報と、搭乗ゲート毎に利用可能な待合場所を記録する待合場所情報とを記録・読み出し可能な記録部と、運行情報に合わせて歩行者の移動の目的地および搭乗ゲートの通過可否を制御する搭乗状態制御部と、歩行者毎に利用可能な待合場所を選択する待合場所選択部と、歩行者の移動を模擬するエージェント移動部と、歩行者の位置あるいは混雑指標を出力する出力部を有することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。」としたものである。
また本発明は、「複数の待合場所と時刻に応じて通行の可否が変化する搭乗ゲートを空間についての空間情報と時間別の空間の歩行者についての移動需要情報から歩行者の移動を推定する手段と、移動需要情報と複数の待合場所とから歩行者毎に利用可能な待合場所を選択する手段と、搭乗ゲートの通行が可能な時間を記録する運行情報に合わせて歩行者の移動の目的地および搭乗ゲートの通過可否を制御する手段と、空間上に歩行者の移動を表示する歩行者シミュレーション装置。」としたものである。
本発明によれば、空港などで見られるような時間に応じて通行の可否が変化する搭乗ゲートや、航空便などの輸送機関の出発時刻までの時間に応じて待合場所を変えるような歩行者の流動を推定して、可視化あるいは混雑指標として出力することができる歩行者シミュレーション装置を提供できる。
本発明の実施例に係る歩行者シミュレーション装置の全体構成例について示す図。 運行情報210の一例を示す図。 空港内のうち、空港搭乗エリアの例を示す図。 図3の空港搭乗エリアの空間構成を模擬した空間情報230の例を示す図。 移動需要情報220の一例を示す図。 航空便の予約人数情報310の一例を示す図。 搭乗ゲート目的地関連情報320の一例を示す図。 待合場所情報240の一例を示す図。 歩行者シミュレーション装置の処理フローの一例を示す図。 搭乗状態制御部の処理フローの一例を示す図。 待合場所選択部の処理フローの一例を示す図。
以下、本発明の歩行者シミュレーション装置の実施形態について図を用いて説明する。
まず、本発明の実施例に係る歩行者シミュレーション装置の全体構成例について、図1を用いて説明する。
図1の歩行者シミュレーション装置100は、空港などの空間内の人の流れを模擬して可視化あるいは評価指標を算出する装置である。
歩行者シミュレーション装置100は、記憶部10、CPU60、入出力部50、バス70などで構成された計算機システムにより構成されることになるが、このうち記憶部10内には記憶データとして運行情報210、移動需要情報220、空間情報230、待合場所情報240などを保持している。また記憶部10内にはCPU60における演算の中間生成情報あるいは最終情報なども適宜保持している。記憶部10は、DRAMなどの主記憶装置やハードディスクやフラッシュメモリなどの補助記憶装置により構成する。
CPU60内の演算処理はソフトウェアにより処理実行されるが、この機能を便宜的に表すならば、エージェント移動部20、待合場所選択部30、搭乗状態制御部40を含むものである。エージェント移動部20、待機場所選択部30、搭乗状態制御部40は、CPU内で演算されるが、各部に相当するソフトウェアはCPU内部に保持するとは限らない。例えば、記録部10にソフトウェアを保持し、CPUは演算時に各プログラムを読み出して処理を行ってもよい。そのほかに歩行者シミュレーション装置100は、画像表示などを行う表示装置やキーボードなどの入力デバイスを含む入出力部50を有する。なお歩行者シミュレーション装置100を形成する計算機システムは、複数の計算機システムが通信を介して連結されて構成されるものであってもよい。
続いて、歩行者シミュレーション装置100のCPU60における処理の各機能について説明する。
CPU60内のエージェント移動部20は、記憶部10内の記憶データのうち、移動需要情報220と空間情報230を入手する。そのうえで、移動需要情報220に基づいて、所定数の歩行者エージェントを生成し、空間情報230が定義する空港の空間内において目的地(例えば搭乗ゲートや待合場所など)まで歩行者エージェントを動かすことで歩行者の移動を模擬する。この処理には例えば、特許文献1などで公知の方法を用いることができる。本実施例では、公知のセルオートマトンモデルを用いて実現するものとする。なお本発明の説明において、シミュレーション装置内でシミュレートされた歩行者の情報のことを歩行者エージェントということがある。
CPU60内の待合場所選択部30は、記憶部10内の記憶データのうち、待合場所情報240と空間情報230を入手する。そのうえで、待合場所情報240や空間情報230内における各歩行者エージェントと待合場所情報240に関連付けられた位置との距離などに基づいて、各歩行者エージェントの待合場所を選択する機能を有する。
CPU60内の搭乗状態制御部40は、記憶部10内の記憶データのうち、運行情報210を入手する。そのうえで、運行情報210とシミュレーション時刻に基づいて、各搭乗ゲートの通行可否や歩行者が待合行動を行うか否かの判断を行う機能を有する。
なお入出力部50は、空間情報230に基づく空間およびその上で移動する歩行者エージェントを表示装置上に描画することによって、歩行者シミュレーション結果の表示を行う。また、空間の特定の範囲の滞在人数、混雑密度、あるいは特定の位置での通行人数、特定の地点間における移動時間などの指標を表示あるいはデータとして出力する機能も要する。また入力デバイスを用いて、歩行者シミュレーション装置で用いるデータを適宜提供し、あるいは表示装置における表示操作のための指示などを適宜入力する。
次に記憶部10に記憶され、歩行者シミュレーション装置100で用いるデータについて説明する。
図2は、運行情報210の一例を示す図である。運行情報210は、航空便の運航予定を記録するデータである。
図2により、運行情報210に記録される各データ項目について説明する。便名211は、航空便の便名(図2の例ではA001,B100,A002など)を記録する。搭乗ゲート212は、各航空便の搭乗ゲートを特定するIDまたは文字列(図2の例ではGate1、Gate2など)を記録する。出発時刻213は、当該航空便の出発時刻を記録する。搭乗案内時刻214は、当該航空便の搭乗開始案内を行う時刻を記録する。搭乗開始時刻215は、当該航空便の搭乗が開始される時刻を記録する。搭乗終了時刻216は、当該航空便の搭乗が終了する時刻を記録する。
なお、搭乗開始時刻215に、搭乗ゲート212で特定される搭乗ゲートが通行可能状態となる。また搭乗終了時刻216に、搭乗ゲート212で特定される搭乗ゲートが通行不可状態となる。なお、当該航空便の乗客すべてが搭乗を終えた時刻を搭乗ゲートが通行不可状態となる時刻としてもよい。このとき、当該航空便の乗客すべてが搭乗を終えた時刻が搭乗終了時刻216よりも遅い場合、その差分を当該航空便の遅延時間として入出力部50で出力してもよい。
また、搭乗案内時刻214、搭乗開始時刻215、搭乗終了時刻216は、図2のように実時間ではなく、出発時刻213に対する差分として記録してもよい。例えば、搭乗案内時刻214に-35分、搭乗開始時刻215に-30分、搭乗終了時刻216に-10分のように記録してもよい。また、搭乗案内時刻214、搭乗開始時刻215、搭乗終了時刻216を、出発時刻213との差分がすべての便について同一である場合には、搭乗案内時刻214、搭乗開始時刻215、搭乗終了時刻216を運行情報210に記録しなくてもよい。このとき、出発時刻213に対する搭乗案内時刻214、搭乗開始時刻215、搭乗終了時刻216の差分を単一のデータとして他に記録する。
なお、運行情報210は、空港および航空会社の運行予定により作成する。
また、本実施例では対象空間を空港、交通機関を航空便とするが、本発明の対象空間および交通機関はこれに限定しない。例えば、日本国外においては長距離列車が航空便と同様の搭乗システムを用いる事例がある。そのため、本発明を駅および列車のように他の空間および交通機関にも適用することが可能である。
さらに、交通機関も必ずしも必要としない。例えば、イベント会場を対象空間とすると、入出場ゲートを搭乗ゲートとし、イベントの入場開始時刻(あるいは出場開始時刻)および入場完了時刻(あるいは出場完了時刻)を搭乗開始時刻215あるいは搭乗終了時刻216に相当する情報として運行情報210で保持することで、イベント会場への出入り時の待合行動を含む混雑推定も行うことができる。
図3と図4を用いて、空港における具体的な空間構成の例を説明する。図3は、空港内のうち、空港搭乗エリアの例を示している。
図3の空港搭乗エリアの例によれば、歩行者エージェントは左側の地点1101から空港搭乗エリア1000に入場し、右側の地点1102あるいは1103から空港搭乗エリア1000を退場する。従って、この例では左側の地点1101が出発地であり、左側の地点1102あるいは1103が目的地である。出発地1101は例えば図4に示すような空港搭乗エリアにおいては、保安検査や出国審査が完了した地点であり、目的地1102あるいは1103が搭乗ゲートである。
なお空港搭乗エリア1000内には、航空会社などが提供するラウンジや待合室などの座席を配した部屋1401,1402、店舗での買い物などの自由に回遊することができる回遊空間1403、通常は搭乗ゲート脇に設置されている待合用座席などの一般に開放された座席1301,1302などが配置されており、空港搭乗エリア1000内に入場した歩行者エージェントはこの空間内で搭乗案内を待ち、搭乗案内に応じて搭乗ゲート1102(例えばGate1)あるいは1103(例えばGate2)から退出する。
図4は、図3の空港搭乗エリアの空間構成を模擬した空間情報230の例を示している。部屋1401,1402、回遊空間1403、一般座席1301,1302、搭乗ゲート1102、1103などの位置を模擬している。
図4の空間情報230は、シミュレーション対象の空間の構造および設備の情報を構造化して記録するデータである。本実施例では、公知のセルオートマトンモデルを用いるため、空間を格子状に分割し、空間を構成する要素である単位格子の集合として空間を表現する。単位格子は、例えば、通路格子、通行不可格子、搭乗ゲート格子、座席格子、部屋格子、回遊格子などで構成される。各格子は、歩行者エージェントの通行可否や通行可能な方向、通行に要するコスト、歩行者エージェントの空間への流入あるいは流出の可否、対応する待合場所情報240などの属性情報を有する。
なお、空間情報の構造化の方法は、本実施例のように格子状で記録することに限定しない。例えば、各要素をオブジェクトとして形状、位置、属性を保持し、空間情報をオブジェクトの集合として記録してもよい。
図5は、移動需要情報220の一例を示す図である。移動需要情報220は、図3、図4に例示した空港搭乗エリアにおける歩行者エージェントの移動人数を出発地と目的地の組み合わせ毎、時間帯毎に記録するデータである。出発地と目的地は、シミュレーションの対象とする空間内の移動が発生あるいは終結する地点を設定したものであり、図3の例では出発地1101は、保安検査や出国審査が完了した地点であり、目的地は搭乗ゲート1102あるいは1103である。
続いて、移動需要情報220に記録される各データ項目について説明する。出発地221は、歩行者エージェントが生成される位置を示す。空間情報230内の位置を特定できるIDまたは文字列(図5の例では入り口1)で表される。図3の例では出発地221は、保安検査や出国審査が完了した地点である。
開始時刻222および終了時刻223は、シミュレーション対象の時間帯を示す。例えば、開始時刻7:00、終了時刻7:10の場合は、7:00から7:10に発生する歩行者エージェントの移動人数が記録されていることを示す。同様に開始時刻7:10、終了時刻7:20の場合は、7:10から7:20に発生する歩行者エージェントの移動人数が記録されていることを示す。これにより時間帯ごとの歩行者エージェントの移動人数が、時系列的に把握されている。
発生分布224は、当該時間帯内に歩行者エージェントを生成するタイミングを規定する分布を示す。例えば、一様分布の場合は、当該時間帯内において均一の頻度で歩行者エージェントが発生する。一様分布の代わりに、当該時間帯内における歩行者エージェントの発生頻度を正規分布など他の分布に従うように設定してもよい。
目的地別の移動人数225は、当該時間帯内に当該出発地で生成される目的地を各地点とする歩行者エージェント数を示す。目的地は、空間情報230内の位置を特定できるIDまたは文字列で表される。なお図示の例では、目的地は各搭乗ゲート(搭乗口1、搭乗口2)のほかに、主に職員などの入口1からの退出も想定したものとしている。
図5の移動需要情報220は、例えば、図6に示すような航空便の予約人数情報310と、過去の出発時刻に対する旅客の到着時刻分布データに基づいて作成することができる。
予約人数情報310は、図6に示すように、航空便の便名を示す便名311、航空便の定員を示す定員312、航空便の予約数を示す予約数313で構成される。予約人数情報310は、航空会社の予約状況から作成して移動需要情報220の作成に使用する。
具体的には例えば図6の例の場合に、出発時刻8:20分のA001便(図2参照)の予約数190名について、過去の出発時刻に対する旅客の到着時刻分布データに基づいて、各時間帯(図5の例では10分)での旅客の到着人数を分布化する。また同様にして、出発時刻9:50分のB100便の予約数295名及び出発時刻10:10分のA002便の予約数170名についても、各時刻での旅客の到着人数を分布化する。そのうえで、例えば上記3便についての各時刻での旅客の到着人数の合計を分布化する。これが、図5の移動需要情報220である。
なお、予約人数情報310は、運行情報210に項目を追加して、運行情報210で保持してもよい。予約人数情報310のかわりに過去の利用実績人数を利用してもよい。利用実績人数は、航空便の予約数の代わりに、過去の利用実績を利用する。
また、図5の移動需要情報220における各航空便の目的地225は、運行情報210および図7に示す搭乗ゲート目的地関連情報320を用いて便名から対応する目的地を検索することで得ることができる。搭乗ゲート目的地関連情報320は、図7に示すように、搭乗ゲート321と目的地322で構成されている。搭乗ゲート目的地関連情報320は、このように独立して保持してもよく、また空間情報230内の各搭乗ゲートに相当する位置の属性情報として、当該搭乗ゲートの目的地を保持してもよい。
なお、移動需要情報220の作成方法は上記方法に限定されない。例えば、搭乗エリアの入口に設置されたカメラなどの通行人数が計測可能なセンサーのデータを入力として作成してもよい。具体的には、計測された通行人数を各時間帯に出発する航空便に所定の割合で割り当てて、各搭乗ゲートおよび対応する目的地別に割り当てられた合計人数を集計することで移動需要情報220を作成してもよい。
図8は、待合場所情報240の一例を示す図である。待合場所情報240は、歩行者エージェントの搭乗する航空便の搭乗案内がされるまでに歩行者が待合を行う場所の候補を記録するデータである。待合を行う場所として、通常は搭乗ゲート脇に設置されている待合用座席(図3の1301,1302)、航空会社などが提供するラウンジや待合室、喫茶店などの飲食店など(図3の1401,1402)が考えられる。また、店舗での買い物(図3の1403)も待合行動とみなすことができる。
続いて、待合場所情報240に記録される各データ項目について説明する。ID241は、データのレコードを特定する数値あるいは文字列を記録する。名称242は、待合場所の名称を表す文字列として、図8の例では待合席1、待合席2、ラウンジ、店舗、レストランを記録する。優先度243は、待合場所を選択する上での優先度を記録するデータである。図8の例では、数値が小さいほど優先度が高いことを示す。なお図8には表記していないが、待合場所の名称242に関連して、これらの施設の一部には夜間などの時間帯では稼働していないものがある。このため、併せて稼働時間帯の情報や稼働状態のフラグなども併せて記録しておくのがよい。
収容量244は、待合場所に収容可能な人数を記録する。例えば、ID241が1で特定されるレコードでは、200人まで待合可能であることを示す。
種別245は、待合場所の種別を示すデータを記録する。例えば、座席タイプとは空間情報内に実際に座席が描画されるタイプの待合場所を示す。部屋タイプとは、部屋のエリアのみを空間情報内に設定し、歩行者の出入りと現収容人数のみを管理し、歩行者エージェントの描画を省略するタイプの待合場所を示す。例えば、空港の歩行者の流れを見る上では、ラウンジは歩行者の出入りのみを把握すればよく、ラウンジ内の歩行者の流れを把握する必要がない場合がある。このようなとき、部屋タイプを利用することで、歩行者エージェントの移動および描画に係る処理を削減することができる。回遊タイプとは、空間情報内に設定した回遊可能範囲内の1つ以上の地点を一定の時間間隔あるいは特定の分布に従う時間間隔で移動を繰り返すタイプの待合場所を示す。例えば、店舗内での歩行者の回遊行動を再現したい場合に利用する。なお、店舗についても歩行者の流れを描画する必要がない場合には、部屋タイプを利用してもよい。
対象搭乗ゲート246は、当該待合場所を利用可能な歩行者エージェントが利用する搭乗ゲートを示す。例えば、ID241が1で特定される待合場所は、Gate1を搭乗ゲートとする歩行者のみが待合場所として利用することができることを示す。また、ID241が3で特定される待合場所は、Gate1とGate2のいずれを搭乗ゲートとする歩行者とも待合場所として利用できる。
また、ラウンジにはさらに利用資格を属性情報として追加し、歩行者エージェントにも利用資格を属性情報として追加してもよい。例えば、航空会社の提供するラウンジは特定の会員やチケットを有する旅客のみが利用できる場合が多い。利用資格を属性情報として追加することで、ラウンジの利用を利用資格を有する特定の歩行者エージェントに限定することがシミュレーション上でも可能となる。
なお本発明の歩行者シミュレーション装置は、空港搭乗エリアを初期設計する場合に予め歩行者エージェントの動線を推定する場合や、空港搭乗エリアの運用を変更する場合などに予め歩行者エージェントの動線を推定する場合に利用可能である。このため、記憶部10に記憶した情報の一部には、入出力部50を介して可変に設定可能とされるのがよい情報を含んでいる。例えば図8の待合場所情報について、優先度243や対象搭乗ゲート246のデータは、適宜の要望に応じて可変に設定されるものであることが望ましい。
次に、歩行者シミュレーション装置100のCPU60で実行される処理内容を示す処理フローについて説明する。
図9は、歩行者シミュレーション装置100の全体処理フロー例を示している。
図9の最初の処理ステップS1001では、記憶部10にアクセスして、歩行者シミュレーション装置100の入力となる運行情報210、移動需要情報220、空間情報230、待合場所情報240を読み込む。
処理ステップS1002では、歩行者シミュレーション装置100のシミュレーション対象時間をTとすると、シミュレーション時刻t(t∈T)毎に周期的に処理ステップS1003から処理ステップS1009の処理を繰り返し行う。
処理ステップS1003では、歩行者移動部20における処理を行う。具体的には、図5の移動需要情報220から各流入地点における時刻tの歩行者エージェントの生成人数を算出し、各流入地点に対応する空間情報230上の流出入格子(図4参照)に生成人数分の歩行者エージェントを生成する。
また、歩行者エージェントの最終目的地を移動需要情報220に基づいて設定する。なお、歩行者エージェントは最終目的地と移動用目的地の二つの目的地を有する。最終目的地とは、歩行者エージェントが空間情報230で定義する図3の空港搭乗エリア1000から流出する地点である。
移動用目的地は、シミュレーションにおける歩行者エージェントが実際の移動に利用する目的地となる地点である。移動用目的地の初期値は最終目的地となる。例えば、移動用目的地を経由地点に変更し、経由地点に到達したときに、移動用目的地を最終目的地に戻すことにより、特定の地点を経由する動きを実現できる。最終目的地と移動用目的地の保持は二つの変数を使ってもよく、スタックやリストなどのデータ構造を用いて実現してもよい。目的地となる地点の保持にスタックやリストなどのデータ構造を用いた場合、複数の経由地点を保持することができる。また、経由地点に到達したときに、次の目的地を読み込んで適応することで、実際に複数の経由地点を経由した移動を模擬することができる。
処理ステップS1004では、歩行者移動部20における処理を行う。具体的には図4の空間情報230上の流出入格子に当該地点を移動用目的地とする歩行者エージェントが到着しているか否かを走査する。当該流出入格子を移動用目的地とする歩行者エージェントが到着している場合、当該歩行者エージェントを空間情報230から削除することで、シミュレーションから除外する。
処理ステップS1005では、搭乗状態制御部40における処理を行う。具体的には図2の運行情報210に基づいて、各搭乗ゲートの通行可否状態、歩行者エージェントが待合状態か否かの判定を行う。また、各搭乗ゲートの通行可否状態の判定結果に基づいて、空間情報230内の対応する搭乗ゲート格子の通行可否状態の変更を行う。搭乗状態制御部40の処理の詳細については図10のフローチャートを用いて後述する。
処理ステップS1006では、待合場所選択部30における処理を行う。待合状態と判定された歩行者エージェントに対して、待合場所情報240に基づいて待合場所を選択する。また、選択した待合場所に対応する地点を移動用目的地として設定する。待合場所選択部30の処理の詳細については図11のフローチャートを用いて後述する。
処理ステップS1007では、歩行者移動部20における処理を行う。空間情報230の各格子から、各流出入格子、待合室に対応する単位格子、搭乗ゲート格子など目的地となり得る格子までの距離を算出して、距離マップを生成する。距離の算出は、例えば、当該格子から各目的地点までの移動可能な最短経路を算出し、最短経路上にある格子の移動コストの総和を求めるで行う。また、各格子の移動コストは、当該格子に歩行者エージェントが存在する場合には所定の移動コストを加算する処理を行ってもよい。この処理を行うことで、混雑している地点を避ける行動を再現することが可能である。
処理ステップS1008では、歩行者移動部20における処理を行う。歩行者エージェントの次の行動可能時刻が時刻t以前である歩行者エージェントを対象として、当該歩行者エージェントの移動用目的地の距離マップを参照し、当該歩行者エージェントに隣接する移動可能な格子のうち、移動用目的地までの距離が最短となる格子に移動させる処理を行う。
処理ステップS1009では、入出力部50における処理を行う。歩行者エージェントの位置情報に基づいて、シミュレーション画面を再描画することで、画面出力を更新する。このとき、待合状態と判断されてからの経過時間に応じて、歩行者エージェントの表示色あるいは濃淡を変化させて表示してもよい。また、歩行者エージェントが待合状態か否か、待合場所選択部30で選択された待合場所に応じて、歩行者エージェントの表示色や表示方法を変更してもよい。表示方法の変更とは、例えば、表示に用いるアイコンや3Dモデルを変更することをいう。また、歩行者エージェントが待合状態と判断されてからの経過時間や待合場所毎の待合人数、エリア毎の滞在人数などを集計し、数値あるいはグラフとして画面に表示してもよい。また、画面に表示する代わりにデータとして出力してもよい。
以上、処理ステップS1003から処理ステップS1009の処理を繰り返すことにより、待合行動を含めた歩行者シミュレーションを実現する。
続いて、図10のフローチャートを用いて、搭乗状態制御部40の処理フローの一例について説明する。
処理ステップS1101では、空間情報内に存在する搭乗ゲートの集合をGとすると、搭乗ゲートg(g∈G)毎に処理ステップS1102から処理ステップS1113までの処理を繰り返し行う。
処理ステップS1102では、シミュレーション時刻tが、搭乗ゲートgの次に運行される航空便の運行情報の搭乗終了時刻に達しているかを判定する。搭乗終了時刻に達している場合(記号Tで表記)処理ステップS1107に進む。搭乗終了時刻に達していない場合(記号Fで表記)処理ステップS1103に進む。なお図10などのフローチャートにおける判断処理において、条件に合致する場合を記号Tで表記し、条件に合致しない場合を記号Fで表記している。
処理ステップS1103では、シミュレーション時刻tが、搭乗ゲートgの次に運行される航空便の運行情報の搭乗開始時刻に達しているかを判定する。搭乗開始時刻に達している場合処理ステップS1110に進む。搭乗開始時刻に達していない場合処理ステップS1104に進む。
処理ステップS1104では、シミュレーション時刻tが、搭乗ゲートgの次に運行される航空便の運行情報のアナウンス時刻に達しているかを判定する。アナウンス時刻に達している場合処理ステップS1112に進む。アナウンス時刻に達していない場合処理ステップS1105に進む。
処理ステップS1105では、対象搭乗ゲートに搭乗ゲートgを含む待合場所情報240について、収容量とシミュレーション上で各待合場所で待合を行っている人数を比較し、収容量に空きがある利用可能な待合場所があるか否かを判定する。
また、待合場所情報240が稼働時間帯や稼働フラグを含む場合、搭乗ゲートgを含む待合場所情報240について、シミュレーション時刻tが稼働時間帯に包含されているか否か、または稼働フラグが真であるか否かを判定することで、待合場所が稼働しているか否かを判定する。待合場所の収容量に空きがあり、かつ、稼働している場合に利用可能な待合場所があると判定する。
利用可能な待合場所がある場合は、処理ステップS1106に進む。利用可能な待合場所がない場合は、処理ステップS1112に移動する。
処理ステップS1106では、搭乗ゲートgに対応する目的地を移動用目的地とするすべての歩行者エージェントを待合状態に変更する。搭乗ゲートgに対応する目的地は、例えば、搭乗ゲート目的地関連情報320を用いて特定する。
処理ステップS1107では、搭乗ゲートgを通過不可状態に変更する。
処理ステップS1108では、搭乗ゲートgの次に運行される航空便に搭乗し、搭乗ゲートgを移動の目的地とするすべての歩行者エージェントは、乗り遅れた乗客とみなし削除する。また、削除の代わりに乗り遅れた乗客用の移動先を設定し、乗り遅れた乗客用の移動先を移動用目的地に変更してもよい。なお、乗り遅れていない乗客の人数あるいは乗り遅れた乗客の人数を集計し、評価値として出力してもよい。人数の代わりに当該航空便に搭乗する乗客数に対する乗り遅れていない乗客数の比率あるいは乗り遅れた乗客数の比率を評価値として出力してもよい。また、乗り遅れた乗客がいる場合は、搭乗終了時刻に達しても処理ステップS1107搭乗ゲートgを通過不可状態に変更せず、最後の乗客が搭乗ゲートgを通過するまで搭乗ゲートgを通過可能状態のままにする制御を行ってもよい。これによって、搭乗終了時刻が予定よりどの程度遅延するかを評価することができる。また、これらの評価値によって待合場所や搭乗ゲートの配置や数量が適切であるか否かを評価することができる。
処理ステップS1109では、搭乗ゲートgの次に運行される航空便の運行情報を示すポインタを1つ進めて、さらに次に運行される航空便を新たな次に運行される航空便とする。さらに次の航空便がない場合には、搭乗ゲートgについての処理は終える。
処理ステップS1110では、搭乗ゲートgを通過可能状態に変更する。また、処理ステップS1113で、搭乗ゲートgに対応する空間情報上の位置を、搭乗ゲートgの周辺に変更している場合には、搭乗ゲートgに対応する空間情報上の位置を搭乗ゲートgそのものの位置に変更する。これにより、搭乗ゲートgの周辺で待機していた歩行者エージェントが搭乗ゲートgに向かって移動する行動を再現することができる。
処理ステップS1111では、搭乗ゲートgを通過した歩行者エージェントの移動用目的地を元の目的地に戻す。元の目的地とは、例えば最終目的地や、搭乗ゲートgの次に向かうべき経由地点のことを言う。
処理ステップS1112では、搭乗ゲートgの次に運行される航空便に搭乗する歩行者エージェントの待合状態を解除する。
処理ステップS1113では、搭乗ゲートgの次に運行される航空便に搭乗する歩行者エージェントの移動者の移動用目的地を搭乗ゲートgとする。このとき、搭乗ゲートgの空間情報上の位置を搭乗ゲートgそのもの位置から、搭乗ゲートgの周辺に変更してもよい。これにより、処理ステップS1110で搭乗ゲートgが通行可能状態になるまで、搭乗ゲートgの周辺で待合を行う行動を再現することができる。
以上、処理ステップS1102から処理ステップS1113の処理を繰り返すことにより、歩行者エージェントの搭乗行動と搭乗ゲートの通過可否状態の制御を行うことができる。
続いて、図11のフローチャートを用いて、待合場所選択部の処理フローの一例について説明する。
処理ステップS1201では、空間情報内に存在する歩行者エージェントの集合をAとすると、歩行者エージェントa(a∈A)毎に処理ステップS1202から処理ステップS1204の処理を繰り返し行う。
処理ステップS1202では、歩行者エージェントaが待合状態か否かを判定する。待合状態の場合処理ステップS1203に進む。待合状態ではない場合、次の歩行者エージェントの処理に進む。
処理ステップS1203では、歩行者エージェントaの搭乗する便名から対応する搭乗ゲートを運行情報210から取得する。続いて、待合場所情報240から前記搭乗ゲートを対象ゲートに含むレコードを抽出し、かつ収容量が満員になっていないものを待合場所候補情報とする。さらに、待合場所情報240に稼働時間帯を有する場合は、シミュレーション時間tが稼働時間帯に包含されているレコードのみを待合場所候補情報とする。また、待合場所情報240に稼働フラグを有する場合は、稼働フラグが真であるレコードのみを待合場所候補情報とする。待合場所候補情報のうちから、待合場所情報のレコードを1つ確率的に選択する。待合場所情報の選択は、例えば、経路選択で用いられるロジットモデルなどを使用できる。例えば、優先度、現在すでに待合をしている歩行者エージェント数の収容量に対する割合である混雑率、歩行者エージェントaから当該待合場所に対応する空間情報上の距離、当該待合場所から歩行者エージェントaが搭乗する航空機の搭乗ゲートまでの距離、シミュレーションの現時刻から歩行者エージェントaが搭乗する航空機の搭乗開始時刻までの残り時間などを変数として線形結合した関数を用意し、前記関数で算出される効用からロジットモデルを使って各待合場所情報の選択確率を算出する。この選択確率を用いて、待合場所情報を確率的に算出する。
処理ステップS1204では、選択された待合場所情報に対応する空間情報上の位置を歩行者エージェントaの移動用目的地に設定する。
以上、処理ステップS1202から処理ステップS1204の処理を繰り返すことにより、歩行者エージェントが待合場所を選択する行動を再現することができる。
なお、空港の到着エリアにおいてもバッゲージクレームを待合場所として疑似的に再現できる。例えば、バッゲージクレームを待機場所として設定し、搭乗ゲートを空港出口として、運行情報では搭乗アナウンス時刻をバッゲージ回収終了時刻として疑似的に用いて、バッゲージ回収時刻になるまで待合場所で待機する動作をさせることで、バッゲージクレームを疑似的に再現できる。
以上の処理によって、歩行者が空港の搭乗エリアに到着して、航空便の搭乗可能となるまでの待合行動、アナウンスを受けて搭乗ゲート前に集合する行動および搭乗ゲートが通行可能となって搭乗を開始するまでの歩行者の動きを模擬することができる。
また、歩行者エージェントが待合場所に到着しても、待合状態を解除せずに、待合場所選択部を使用して待合場所を再選択することによって、歩行者エージェントaが搭乗する航空機の搭乗開始時間までの残り時間の変化に合わせて、待合場所を再選択する行動を再現できる。例えば、搭乗開始時刻まで時間がある場合は、搭乗エリアの入口に近い待合場所で待って、搭乗開始時刻が近くなったときに、より搭乗ゲートに近い待合場所に移動すると行った行動を再現することができる。
10:記憶部
20:エージェント移動部
30:待合場所選択部
40:搭乗状態制御部
50:入出力部
60:CPU
50:入出力部
70:バス
100:歩行者シミュレーション装置(計算機システム)
210:運行情報
220:移動需要情報
230:空間情報
240:待合場所情報

Claims (12)

  1. 待合場所及び目的地を含む空間の構造や属性を構造化して記録する空間情報と、歩行者の入出場を制限できるゲートである搭乗ゲートが通過可能である時間帯を記録する運行情報と、前記搭乗ゲート毎に利用可能な前記待合場所を記録する待合場所情報とを記録・読み出し可能な記録部と、前記運行情報に合わせて歩行者の移動の目的地を変更し、前記搭乗ゲートの通過可否を制御する搭乗状態制御部と、歩行者毎に利用可能な前記待合場所を前記搭乗ゲートに応じて前記待合場所情報から選択する待合場所選択部と、歩行者の移動を模擬するエージェント移動部と、歩行者の位置あるいは混雑指標を出力する出力部を有することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。
  2. 請求項1に記載の歩行者シミュレーション装置であって、
    交通機関の到着時刻または出発時刻に基づいて前記搭乗ゲートが通過可能となる時刻を定めて運行情報として保持することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。
  3. 請求項1に記載の歩行者シミュレーション装置であって、
    前記運行情報に搭乗案内時刻と搭乗開始時刻を含むあるいは、前記搭乗案内時刻と搭乗開始時刻が計算可能な情報を有することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。
  4. 請求項3に記載の歩行者シミュレーション装置であって、
    シミュレーション時刻が前記搭乗案内時刻より前である場合には前記待合場所選択部で選択した待合場所を移動用の目的地とし、前記搭乗案内時刻から前記搭乗開始時刻の間である場合には前記搭乗ゲートあるいはその周辺を移動用の目的地とし、前記搭乗開始時刻以降は前記搭乗ゲートを通った先を移動の目的地として歩行者の移動を模擬することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。
  5. 請求項1に記載の歩行者シミュレーション装置であって、
    前記空間情報内の空間を構成する格子あるいはオブジェクトに、前記待合場所情報を関連付けることで、前記待合場所情報に対応する位置情報を保持することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。
  6. 請求項1に記載の歩行者シミュレーション装置であって、
    歩行者と座席のアイコンまたはモデルを表示する座席タイプと、歩行者の描画を省略して待機場所の滞在人数のみを表示する部屋タイプと、待機場所内で所定の時間間隔で歩行者エージェントが移動する回遊タイプの種別情報を前記待合場所情報に有することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。
  7. 請求項1に記載の歩行者シミュレーション装置であって、
    すでに待合場所に到着している歩行者に対しても前記待合場所選択部で待合場所の選択処理をし、異なる待合場所が選択された場合に、現在いる待合場所から新たに選択された待合場所に歩行者を移動させる手段を有することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。
  8. 請求項1に記載の歩行者シミュレーション装置であって、
    前記待合場所選択部において、シミュレーション時刻から歩行者の搭乗する交通機関の出発時刻までの時間を待合場所の選択のパラメータとして使用することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。
  9. 請求項1に記載の歩行者シミュレーション装置であって、
    前記待合場所情報に当該待合場所が使用可能な時間帯である稼働時間帯あるいは使用可能か否かを判別または制御する稼働フラグを有することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。
  10. 請求項1に記載の歩行者シミュレーション装置であって、
    前記運行情報に搭乗開始時刻と搭乗終了時刻を含み、前記搭乗開始時刻から前記搭乗終了時刻までの間に前記搭乗ゲートを歩行者が通行可能な状態でシミュレーションを行い、前記搭乗終了時刻に達したときに、前記搭乗ゲートを通過できた歩行者数である第1の人数情報と、前記搭乗ゲートを前記搭乗終了時刻までに通過できなかった歩行者数である第2の人数情報と、前記第1の人数情報と第2の人数情報の合計値である第3の人数情報と、前記第3の人数情報に対する第1の人数情報の比率である入場率、前記第3の人数情報に対する第2の人数情報の比率である遅延率のうち、少なくとも1つを出力することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。
  11. 請求項1に記載の歩行者シミュレーション装置であって、
    前記運行情報に搭乗開始時刻と搭乗終了時刻を含み、前記搭乗開始時刻から前記搭乗ゲートに歩行者を通過させるシミュレーションを行い、前記搭乗ゲートを歩行者が通過し終えた時刻を予測搭乗完了時刻とし、前記予測搭乗完了時刻が前記搭乗終了時刻以降である場合に、その差分を遅延時間として出力することを特徴とする歩行者シミュレーション装置。
  12. 複数の待合場所と時刻に応じて通行の可否が変化する搭乗ゲートを含む空間の構造や属性を構造化して記録する空間情報と、歩行者の目的地別の移動人数を時間別、出発地別に整理した移動需要情報を記憶する手段と、前記空間情報と前記移動需要情報から前記歩行者の移動を推定する手段と、前記移動需要情報と複数の前記待合場所とから前記歩行者毎に利用可能な前記待合場所を歩行者の目的地に応じて選択する手段と、前記搭乗ゲートの通行が可能な時間を記録する運行情報に合わせて前記歩行者の移動の目的地を変更し、前記搭乗ゲートの通過可否を制御する手段と、前記空間上に前記歩行者の移動を表示する歩行者シミュレーション装置。
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