JP2015121744A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ベルトの回転状態を確実に検知し、定着ベルトの耐久性を向上させる。【解決手段】本発明に係る定着装置18は、定着ベルト21と、定着ベルト21に圧接して定着ニップを形成する加圧部材22と、定着ベルト21に装着されるキャップ部材28と、定着ベルト21とキャップ部材28の間に介装される弾性部材29と、キャップ部材28の回転を検出する検出機構と、を備え、定着ベルト21は、記録媒体の搬送方向において定着ニップの下流側に設けられる膨出部21cを備え、キャップ部材28は、膨出部21cと対向する対向部48aを備え、定着ベルト21に加圧部材22が圧接する前は、膨出部21cと対向部48aによって挟まれる領域Rに隙間が形成され、定着ベルト21に加圧部材22が圧接すると、膨出部21cが膨出して隙間が無くなり、弾性部材29を介して定着ベルト21にキャップ部材28が保持されることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置と、この定着装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、プリンターや複写機などの電子写真方式の画像形成装置は、用紙などの記録媒体の表面にトナー像を形成した後、定着装置によって記録媒体とトナー像を加熱及び加圧することにより、トナー像を記録媒体に定着させている。
近年、省電力化やウォームアップ時間の短縮に対する要求が高まる中、定着装置の低熱容量化が盛んに検討されている。定着装置の低熱容量化を実現するための具体的な方式としては、例えば、「摺動ベルト方式」が存在する。摺動ベルト方式の定着装置は、可撓性を有する定着ベルトと、定着ベルトに圧接して定着ニップを形成する加圧部材と、定着ベルトを加圧部材側に向かって押圧する押圧部材と、を備えている。そして、加圧部材に接続された駆動源によって加圧部材を回転させることで、加圧部材の回転に従動して定着ベルトを回転させ、定着ベルトを押圧部材に対して摺動させるのが通常である。
ところで、摺動ベルト方式の定着装置において、トナー像を記録媒体に定着させる動作が繰り返されると、定着ベルトと押圧部材が摺接する部分において押圧部材が摩耗し、定着ベルトの摺動負荷(定着ベルトを押圧部材に対して摺動させるのに必要な負荷)が上昇する。また、定着ベルトの表面や加圧部材の表面も次第に劣化していき、定着ベルトの駆動力(加圧部材に対する定着ベルトの従動性)が低下する。これらの要因により加圧部材と定着ベルトの間でスリップが発生すると、加圧部材の回転に従動して定着ベルトを回転させることができず、定着ベルトの一部が熱源によって局所的に加熱される恐れがある。このような事態が発生すると、定着ベルトの一部が急激に昇温して、定着ベルトが変形する恐れが有る。
このような不具合を防止するために、特許文献1には、定着ベルトの回転状態を検知する回転検知手段を備えた定着装置が開示されている。この従来技術では、回転検知手段のコロが定着ベルトの外周面に当接している。そして、定着ベルトが回転するのと同時にコロが回転することで、定着ベルトの回転状態を検知できるようになっている。
特開2010−072480号公報
しかしながら、特許文献1においては、紙粉やトナーなどが定着ベルトの外周面又はコロに付着した場合や定着ベルトの内周面に塗布した潤滑剤が定着ベルトの外周面に回り込んだ場合などに、定着ベルトとコロの間でスリップが発生し、定着ベルトの回転状態を回転検知手段によって確実に検知することが困難になる。
また、特許文献1においては、定着ベルトの外周面にコロが当接しているため、定着ベルトの外周面とコロの当接部分に応力が集中し、定着ベルトの耐久性が低下する恐れが有る。
そこで、本発明は上記事情を考慮し、定着ベルトの回転状態を確実に検知し、且つ、定着ベルトの耐久性を向上させることを目的とする。
本発明の定着装置は、回転軸を中心に回転可能に設けられる定着ベルトと、前記定着ベルトに圧接して定着ニップを形成し、回転可能に設けられる加圧部材と、前記定着ベルトを介して前記加圧部材と対向する押圧部材と、前記定着ベルトの内周面に接触するガイド部材と、前記定着ベルトの端部に装着されるキャップ部材と、前記定着ベルトの前記端部と前記キャップ部材の間に介装される弾性部材と、前記キャップ部材の回転を検出する検出機構と、を備え、前記押圧部材は、前記定着ベルトを前記加圧部材側に向かって押圧する押圧面を備え、前記押圧面は、記録媒体の搬送方向下流側に向かって前記加圧部材側に傾斜し、前記定着ベルトは、記録媒体の搬送方向において前記定着ニップの下流側に設けられる膨出部を備え、前記キャップ部材は、前記膨出部と対向する対向部を備え、前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接する前の状態では、前記膨出部と前記対向部によって挟まれる領域に隙間が形成され、前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接すると、前記定着ベルトの外径側に向かって前記膨出部が膨出して前記隙間が無くなり、前記弾性部材を介して前記定着ベルトの前記端部に前記キャップ部材が保持されることを特徴とする。
上記のように定着ベルトの端部とキャップ部材の間に弾性部材を介装することで、定着ベルトの端部にキャップ部材を当接させるような場合と比較して、定着ベルトの端部に応力が集中しにくくなる。これに伴って、定着ベルトが破損しにくくなり、定着ベルトの耐久性を向上させることが可能となる。
また、定着ベルトに加圧部材が圧接する前の状態では、定着ベルトの膨出部とキャップ部材の対向部によって挟まれる領域に隙間が形成されている。そのため、定着ベルトの端部にキャップ部材を容易に装着することが可能となり、組み立て性に優れた定着装置を提供することができる。
更に、定着ベルトに加圧部材が圧接すると、定着ベルトの外径側に向かって膨出部が膨出して隙間が無くなり、弾性部材を介して定着ベルトの端部にキャップ部材が保持されるように構成されている。このような構成を採用することで、定着ベルトの回転に従動してキャップ部材を確実に回転させることが可能となる。そのため、キャップ部材の回転検出を通じて、定着ベルトの回転状態を確実に検知することが可能となる。
前記弾性部材は、前記キャップ部材の内周面に固定され、前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接する前の状態では、前記膨出部と前記弾性部材の間に前記隙間が形成されても良い。
このような構成を採用することで、弾性部材をキャップ部材と一体化させることが可能となり、キャップ部材に対する弾性部材の位置ずれを防止することができる。
前記弾性部材は、前記定着ベルトの前記端部の外周面に固定され、前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接する前の状態では、前記対向部と前記弾性部材の間に前記隙間が形成されても良い。
このような構成を採用することで、弾性部材を定着ベルトの端部と一体化させることが可能となり、定着ベルトの端部に対する弾性部材の位置ずれを防止することができる。
前記弾性部材は、前記定着ベルトの前記端部の外周面に固定される第1弾性部と、前記キャップ部材の内周面に固定される第2弾性部と、を備え、前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接する前の状態では、前記第1弾性部と前記第2弾性部の間に前記隙間が形成されても良い。
このような構成を採用することで、定着ベルトに加圧部材が圧接した際に、第1弾性部と第2弾性部が密着することになる。これに伴って、キャップ部材の駆動力(定着ベルトに対するキャップ部材の従動性)を高めることができる。
前記第1弾性部の外周面には、第1弾性ギアが設けられ、前記第2弾性部の内周面には、前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接した状態で前記第1弾性ギアと噛合する第2弾性ギアが設けられていても良い。
このような構成を採用することで、キャップ部材の駆動力(定着ベルトに対するキャップ部材の従動性)を更に高めることができる。
前記ガイド部材は、前記加圧部材から離間する側に向かって円弧状に湾曲し、前記ガイド部材の円弧の中心は、記録媒体の搬送方向における位置が前記定着ベルトの前記回転軸と重なるか、又は、記録媒体の搬送方向において前記定着ベルトの前記回転軸よりも上流側であっても良い。
このような構成を採用することで、定着ベルトの端部によってキャップ部材を保持しやすくなる。
前記ガイド部材の前記回転軸方向外側の端部は、前記弾性部材の前記回転軸方向内側の端部よりも前記回転軸方向内側に位置していても良い。
このような構成を採用することで、ガイド部材と弾性部材の間に定着ベルトの端部が挟まれるのを回避することができ、定着ベルトの端部の摩耗を抑制することが可能となる。
本発明の画像形成装置は、上記したいずれかの定着装置を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、定着ベルトの回転状態を確実に検知し、且つ、定着ベルトの耐久性を向上させることが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係るプリンターの構成の概略を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るプリンターにおいて、定着装置を示す側断面図である。 図2のIII−III断面図である。 図2のIV−IV断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプリンターの定着装置において、定着ベルトに加圧ローラーが圧接する前の状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプリンターの定着装置において、定着ベルトに加圧ローラーが圧接した状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプリンターの定着装置において、定着ベルトに加圧ローラーが圧接する前の状態を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプリンターの定着装置において、定着ベルトに加圧ローラーが圧接した状態を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプリンターの定着装置において、定着ベルトに加圧ローラーが圧接する前の状態を示す断面図である。
<第1の実施形態>
まず、図1を用いて、プリンター1(画像形成装置)の全体の構成について説明する。
プリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備えており、プリンター本体2の下部には、用紙(記録媒体)を収納する給紙カセット3が収容され、プリンター本体2の上面には排紙トレイ4が設けられている。プリンター本体2の上面には、排紙トレイ4の側方に上カバー5が開閉可能に取り付けられ、上カバー5の下方にはトナーコンテナ6が収納されている。
プリンター本体2の上部には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光器7が排紙トレイ4の下方に配置され、露光器7の下方には、画像形成部8が設けられている。画像形成部8には、像担持体である感光体ドラム10が回転可能に設けられており、感光体ドラム10の周囲には、帯電器11と、現像器12と、転写ローラー13と、クリーニング装置14とが、感光体ドラム10の回転方向(図1の矢印X参照)に沿って配置されている。
プリンター本体2の内部には、用紙の搬送経路15が設けられている。搬送経路15の上流端には給紙部16が設けられ、搬送経路15の中流部には、感光体ドラム10と転写ローラー13によって構成される転写部17が設けられ、搬送経路15の下流部には定着装置18が設けられ、搬送経路15の下流端には排紙部19が設けられている。搬送経路15の下方には、両面印刷用の反転経路20が形成されている。
次に、このような構成を備えたプリンター1の画像形成動作について説明する。
プリンター1に電源が投入されると、各種パラメーターが初期化され、定着装置18の温度設定等の初期設定が実行される。そして、プリンター1に接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。
まず、帯電器11によって感光体ドラム10の表面が帯電された後、露光器7からのレーザー光(図1の二点鎖線P参照)により感光体ドラム10に対して画像データに対応した露光が行われ、感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。次に、この静電潜像を、現像器12がトナーによりトナー像に現像する。
一方、給紙部16によって給紙カセット3から取り出された用紙は、上記した画像形成動作とタイミングを合わせて転写部17へと搬送され、転写部17において感光体ドラム10上のトナー像が用紙に転写される。トナー像を転写された用紙は、搬送経路15を下流側へと搬送されて定着装置18に進入し、この定着装置18において用紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙部19から排紙トレイ4に排出される。なお、感光体ドラム10上に残留したトナーは、クリーニング装置14によって回収される。
次に、図2〜図5を用いて定着装置18について説明する。
以下、説明の便宜上、図2における紙面左側を定着装置18の前側(正面側)とする。図2の矢印Frは、定着装置18の前側(正面側)を示している。図2の矢印Iは前後方向内側を示し、図2の矢印Oは前後方向外側を示している。図3の矢印Zは、用紙の搬送方向(本実施形態では左側から右側に向かう方向)を示している。
図2等に示されるように、定着装置18は、定着ベルト21と、定着ベルト21の下側(外側)に配置される加圧ローラー22(加圧部材)と、定着ベルト21の上側(外側)に配置されるIH定着ユニット23と、定着ベルト21の内側に配置される支持部材24と、定着ベルト21の内側において支持部材24の下側に配置される押圧部材25と、定着ベルト21の内側において押圧部材25の下側に配置されるシート部材26と、定着ベルト21の内側において支持部材24の上側に配置されるガイド部材27と、定着ベルト21の前後両端部21a、21bにそれぞれ装着されるキャップ部材28と、定着ベルト21の前後両端部21a、21bと各キャップ部材28の間に介装される弾性部材29と、後側のキャップ部材28の後上側に設けられる検出機構30と、を備えている。
定着ベルト21は、可撓性を有する薄肉ベルトであり、前後方向に長い円筒状を成している。定着ベルト21は、例えば、外径φ20mm〜50mmで形成されている。定着ベルト21は、前後方向に沿って延びる回転軸Aを中心に回転可能に設けられている。つまり、本実施形態では、前後方向が定着ベルト21の回転軸方向である。
定着ベルト21は、例えば、基材層と、この基材層に周設される弾性層と、この弾性層を被覆する離型層と、によって構成されている。定着ベルト21の基材層は、例えば、厚さ30μm〜50μmのNi(ニッケル)によって形成されているか、又は、厚さ50μm〜100μmのポリイミド樹脂によって形成されている。定着ベルト21の基材層をポリイミド樹脂によって形成する場合には、ポリイミド樹脂の中にCu(銅)、Ag(銀)、Al(アルミニウム)等の金属粉末を混ぜても良い。定着ベルト21の弾性層は、例えば、厚さ100μm〜500μmのシリコンゴムによって形成されている。定着ベルト21の離型層は、例えば、厚さ30μm〜50μmのPFA等のフッ素系樹脂によって形成されている。なお、各図において、定着ベルト21の各層(基材層、弾性層、離型層)は、特に区別されずに表示されている。
定着ベルト21の内周面には、シート部材26に対して摺動する部分に、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、PTFE等によって構成されるコーティングが施されている。定着ベルト21の内周面には、シート部材26に対して摺動する部分に、例えばフッ素グリスやシリコンオイル等によって構成される潤滑剤が塗布されている。定着ベルト21の前後両端部21a、21bには、開口部31がそれぞれ形成されている。図3等に示されるように、定着ベルト21の右下部には、膨出部21cが形成されている。定着ベルト21の左上部には、第1挟持部21dが形成されている。第1挟持部21dは、定着ベルト21の回転軸Aを挟んで膨出部21cの反対側に配置されている。
加圧ローラー22は、定着フレーム(図示せず)に回転可能に支持されている。加圧ローラー22は、前後方向に長い円筒状を成している。加圧ローラー22は、定着ベルト21に圧接しており、定着ベルト21と加圧ローラー22の間には定着ニップ32が形成されている。定着ニップ32の右側(用紙の搬送方向において下流側)には、定着ベルト21の膨出部21cが設けられている。
加圧ローラー22は、例えば、円筒状の芯材33と、この芯材33に周設される弾性層34と、この弾性層34を被覆する離型層(図示せず)と、によって構成されている。加圧ローラー22の芯材33は、例えばステンレスやアルミニウム等の金属によって形成されている。図2に示されるように、加圧ローラー22の芯材33の後端部には、駆動ギア35が固定されている。駆動ギア35は、モーター等によって構成される駆動源36に接続されている。加圧ローラー22の弾性層34は、例えばシリコンゴムやシリコンスポンジによって形成されている。加圧ローラー22の離型層(図示せず)は、例えばPFA等のフッ素系樹脂によって形成されている。
図3等に示されるように、IH定着ユニット23は、ケース部材37と、ケース部材37内に収納されるIHコイル38(熱源)と、を備えている。IHコイル38は、定着ベルト21の外周に沿って円弧状に設けられている。IHコイル38は、定着ベルト21の上側(定着ニップ32とは反対側)に設けられている。IHコイル38は、高周波電流が流されることで、磁界を発生させるように構成されている。
図2に示されるように、支持部材24は、前後方向に延びている。支持部材24は、定着ベルト21を貫通している。支持部材24は、固定部40と、固定部40の前後両側に設けられるシャフト部41と、を備えている。
支持部材24の固定部40は、前後方向に延びている。図3に示されるように、固定部40は、断面矩形状を成している。
図2に示されるように、支持部材24の各シャフト部41は、前後方向に延びている。各シャフト部41の前後方向内側の端部は、支持部材24の固定部40に連結されている。各シャフト部41の前後方向外側の部分は、各開口部31を介して定着ベルト21の前後方向外側に突出している。各シャフト部41の前後方向外側の部分には、リング状の寄り止め部材42が固定されている。各シャフト部41の前後方向外側の端部は、定着フレーム(図示せず)に固定されている。図4に示されるように、各シャフト部41は、断面正円状を成している。
図2に示されるように、押圧部材25は、前後方向に延びている。押圧部材25は、定着ベルト21及びシート部材26を介して加圧ローラー22と対向している。押圧部材25は、例えば、LCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマー)等の耐熱性樹脂によって構成されている。押圧部材25の上面は、支持部材24の固定部40の下面に固定されている。これにより、押圧部材25が支持部材24に支持されている。
図3に示されるように、押圧部材25は、断面略矩形状を成している。押圧部材25の左面には、固定突起45が設けられている。押圧部材25の下面には、押圧面46が形成されている。押圧面46は、シート部材26を介して定着ベルト21を下側(加圧ローラー22側)に向かって押圧している。押圧面46は、右側(用紙の搬送方向下流側)に向かって下側(加圧ローラー22側)に傾斜している。押圧面46には、シリコンゴム等のエラストマーの層が設けられていても良い。
シート部材26の左端部は、押圧部材25の固定突起45に固定されている。シート部材26は、定着ベルト21と押圧部材25の間に介装されており、定着ベルト21の内周面に接触している。そして、定着ベルト21が回転すると、定着ベルト21がシート部材26に対して摺動するように構成されている。シート部材26は、例えばPTFE等のフッ素系樹脂によって構成されており、押圧部材25よりも摩擦係数が小さい。
ガイド部材27は、支持部材24によって支持されている。ガイド部材27は、上側(加圧ローラー22から離間する側)に向かって円弧状に湾曲している。ガイド部材27の円弧の中心Cは、定着ベルト21の回転軸A及び加圧ローラー22の回転中心Bを通過する鉛直線Yよりも左側(用紙の搬送方向において上流側)に位置している。つまり、ガイド部材27の円弧の中心Cは、定着ベルト21の回転軸A及び加圧ローラー22の回転中心Bよりも左側(用紙の搬送方向において上流側)に位置している。ガイド部材27の外周面は、定着ベルト21の内周面に接触している。ガイド部材27は、押圧部材25と共に定着ベルト21を張架しており、これに伴って、定着ベルト21が縦長の楕円形に変形している。ガイド部材27は、IHコイル38が発生させる磁界によって発熱する材料(例えば、Fe−Ni合金等の整磁金属)によって形成されている。図2に示されるように、ガイド部材27の前後両端部(前後方向外側の端部)は、各弾性部材29の前後方向内側の端部よりも前後方向内側に位置している。そのため、ガイド部材27よりも前後方向外側の部分においては、定着ベルト21自体の剛性によって定着ベルト21の形状が維持されている。
各キャップ部材28は、円環状の本体部47と、本体部47の外径側の端部から前後方向内側に向かって突出するフランジ部48と、を備えている。
各キャップ部材28の本体部47は、定着ベルト21の前後両端部21a、21bの前後方向外側に配置されている。本体部47の中央部には、円形の貫通穴49が前後方向に設けられており、この貫通穴49に支持部材24の各シャフト部41が遊挿されている。後側のキャップ部材28の本体部47の外周には、第1接続ギア50が設けられている。各キャップ部材28の本体部47の前後方向外側には、支持部材24の各シャフト部41に固定された寄り止め部材42が配置されている。これにより、各キャップ部材28の前後方向外側への移動が規制されている。
各キャップ部材28のフランジ部48は、定着ベルト21の前後両端部21a、21bの外径側を覆うように設けられている。図4等に示されるように、フランジ部48の右下部には、対向部48aが設けられている。対向部48aは、定着ベルト21の膨出部21cと対向しており、定着ベルト21の膨出部21cとの間に弾性部材29を挟み込んでいる。フランジ部48の左上部には、第2挟持部48bが設けられている。第2挟持部48bは、定着ベルト21の回転軸Aを挟んで対向部48aの反対側に配置されている。第2挟持部48bは、定着ベルト21の第1挟持部21dと対向しており、定着ベルト21の第1挟持部21dとの間に弾性部材29を挟み込んでいる。以上のような構成により、弾性部材29を介して定着ベルト21の前後両端部21a、21bに各キャップ部材28が保持されている。
各弾性部材29は、円筒状を成している。各弾性部材29は、例えば、シリコンゴムによって形成されている。各弾性部材29の材料となるシリコンゴムは、ソリッドであっても良いし、スポンジであっても良い。つまり、各弾性部材29の材料となるシリコンゴムは、発泡体でなくても良いし、発泡体であっても良い。各弾性部材29は、定着ベルト21の前後両端部21a、21bの外径側に配置されている。各弾性部材29は、各キャップ部材28のフランジ部48の内径側に配置されている。各弾性部材29の外周面は、各キャップ部材28のフランジ部48の内周面に接着(固定)されている。
図2に示されるように、検出機構30は、第2接続ギア51と、第2接続ギア51の後側に設けられるパルス板52と、第2接続ギア51とパルス板52を接続する接続軸53と、パルス板52の後上側に配置されるセンサー54と、を備えている。
第2接続ギア51は、後側のキャップ部材28の第1接続ギア50と噛合している。パルス板52には、遮光部55が周方向に列設されている。センサー54は、例えば、PIセンサー(Photo Interrupter Sensor)であり、発光部56及び受光部57を備えている。
上記のように構成されたものにおいて、用紙にトナー像を定着させる際には、駆動源36によって駆動ギア35を回転させる。このように駆動ギア35を回転させると、加圧ローラー22が駆動ギア35と一体に回転する(図3の矢印D参照)。これに伴って、加圧ローラー22に圧接する定着ベルト21が加圧ローラー22の回転に従動して回転する(図3の矢印E参照)。
また、用紙にトナー像を定着させる際には、IHコイル38に高周波電流を流す。これに伴って、IHコイル38が磁界を発生させ、この磁界の作用によって定着ベルト21に渦電流が発生し、定着ベルト21が発熱する。つまり、IHコイル38によって定着ベルト21が加熱される。また、IHコイル38が発生させる磁界によってガイド部材27が発熱し、ガイド部材27によって定着ベルト21が加熱される。この状態で、用紙が定着ニップ32を通過すると、用紙とトナー像が加熱及び加圧されて、用紙にトナー像が定着される。
このように用紙にトナー像を定着させる動作が繰り返されると、押圧部材25のシート部材26が摩耗し、定着ベルト21の摺動負荷が上昇する。また、定着ベルト21の表面や加圧ローラー22の表面も次第に劣化していき、定着ベルト21の駆動力(加圧ローラー22に対する定着ベルト21の従動性)が低下する。これらの要因により加圧ローラー22と定着ベルト21の間でスリップが発生すると、加圧ローラー22の回転に従動して定着ベルト21を回転させることができず、定着ベルト21の上部がIHコイル38によって局所的に加熱される恐れがある。このような事態が発生すると、定着ベルト21の上部が急激に昇温して、定着ベルト21が変形する恐れが有る。そこで、本実施形態では以下のようにして、定着ベルト21に対する局所的な加熱を防止している。
定着ベルト21が回転すると、定着ベルト21の回転に従動して各キャップ部材28が回転する。各キャップ部材28が回転すると、後側のキャップ部材28の第1接続ギア50が回転し、後側のキャップ部材28の第1接続ギア50と噛合する第2接続ギア51が回転する。この第2接続ギア51の回転は、接続軸53を介してパルス板52に伝達され、パルス板52が回転する。パルス板52が回転すると、センサー54の発光部56から受光部57に向かって照射された光がパルス板52の遮光部55によって断続的に遮断されるため、センサー54の受光部57の受光量がHighとLowの間で交互に切り替わる。これにより、検出機構30が後側のキャップ部材28の回転を検出する。この場合には、IHコイル38による定着ベルト21に対する加熱が行われる。
一方で、定着ベルト21が停止していれば、各キャップ部材28も停止しており、検出機構30が後側のキャップ部材28の回転を検出することも無い。この場合には、IHコイル38による定着ベルト21に対する加熱が停止される。これにより、定着ベルト21に対する局所的な加熱が防止される。
次に、定着ベルト21に加圧ローラー22を圧接させる際の定着ベルト21の変形について説明する。
図5に示されるように、定着ベルト21に加圧ローラー22(図5では図示せず)を圧接させる前の状態では、膨出部21cと第1挟持部21dを結ぶ定着ベルト21の外径L1が各弾性部材29の内径よりも小さくなっている。そのため、定着ベルト21の膨出部21cと各キャップ部材28の対向部48aによって挟まれる領域Rには、定着ベルト21の膨出部21cと各弾性部材29の間に隙間Gが形成されている。なお、定着ベルト21の第1挟持部21dとキャップ部材28の第2挟持部48bによって挟まれる領域Sには、定着ベルト21の第1挟持部21dと各弾性部材29の間に隙間が形成されていても良いし、形成されていなくても良い。
これに対して、図3に示されるように、加圧ローラー22を定着ベルト21に圧接させて定着ニップ32を形成すると、押圧部材25の押圧面46が右側(用紙の搬送方向下流側)に向かって下側(加圧ローラー22側)に傾斜していることに起因して、定着ベルト21の膨出部21cが右下側(定着ベルト21の外径側)に向かって膨出する。これに伴って、図4に示されるように、膨出部21cと第1挟持部21dを結ぶ定着ベルト21の外径L2(長辺側の径)が各弾性部材29の内径よりも大きくなり、上記領域Rに隙間Gが無くなる。なお、定着ニップ32を形成する前の状態で上記領域Sに隙間が有った場合にはこの隙間が無くなり、上記領域Sに隙間が無かった場合には隙間の無い状態が保持される。
そのため、定着ベルト21の膨出部21c及び第1挟持部21dが各弾性部材29に密着し、各弾性部材29を介して定着ベルト21の前後両端部21a、21bに各キャップ部材28が保持される。そのため、定着ベルト21の回転に従動して各キャップ部材28を回転させることが可能となる。
以上のように、本実施形態では、定着ベルト21に加圧ローラー22を圧接させる前の膨出部21cと第1挟持部21dを結ぶ定着ベルト21の外径L1と、各弾性部材29の内径と、定着ベルト21に加圧ローラー22を圧接させた状態における膨出部21cと第1挟持部21dを結ぶ定着ベルト21の外径L2(長辺側の径)の関係が、
L1<各弾性部材29の内径<L2
となっている。
本実施形態では上記のように、定着ベルト21に加圧ローラー22が圧接する前の状態では、定着ベルト21の膨出部21cと各キャップ部材28の対向部48aによって挟まれる領域Rに隙間Gが形成されている。そのため、定着ベルト21の前後両端部21a、21bに各キャップ部材28を容易に装着することが可能となり、組み立て性に優れた定着装置18を提供することができる。
更に、定着ベルト21に加圧ローラー22が圧接すると、定着ベルト21の膨出部21cが右下側(定着ベルト21の外径側)に向かって膨出して隙間Gが無くなり、各弾性部材29を介して定着ベルト21の前後両端部21a、21bに各キャップ部材28が保持されるように構成されている。このような構成を採用することで、定着ベルト21の回転に従動して各キャップ部材28を確実に回転させることが可能となる。そのため、後側のキャップ部材28の回転検出を通じて、定着ベルト21の回転状態を確実に検知することが可能となる。
また、定着ベルト21の前後両端部21a、21bと各キャップ部材28の間に各弾性部材29が介装されている。そのため、定着ベルト21の前後両端部21a、21bに各キャップ部材28を当接させるような場合と比較して、定着ベルト21の前後両端部21a、21bに応力が集中しにくくなる。これに伴って、定着ベルト21が破損しにくくなり、定着ベルト21の耐久性を向上させることが可能となる。
また、各弾性部材29が各キャップ部材28のフランジ部48の内周面に接着(固定)されている。そのため、各弾性部材29を各キャップ部材28と一体化させることが可能となり、各キャップ部材28に対する各弾性部材29の位置ずれを防止することができる。
また、ガイド部材27の円弧の中心Cは、定着ベルト21の回転軸A及び加圧ローラー22の回転中心Bよりも左側(用紙の搬送方向において上流側)に位置している。そのため、定着ベルト21の前後両端部21a、21bによって各キャップ部材28を保持しやすくなる。
また、ガイド部材27の前後両端部(前後方向外側の端部)は、各弾性部材29の前後方向内側の端部よりも前後方向内側に位置している。そのため、ガイド部材27と各弾性部材29の間に定着ベルト21の前後両端部21a、21bが挟まれるのを回避することができ、定着ベルト21の前後両端部21a、21bの摩耗を抑制することが可能となる。
また、各キャップ部材28の本体部47の前後方向外側に各寄り止め部材42が配置されているため、各キャップ部材28の前後方向外側への移動を規制し、定着ベルト21の蛇行を防止することができる。
また、ガイド部材27の外周面を定着ベルト21の内周面に接触させているため、定着ベルト21の回転軌道を安定させることができる。また、IHコイル38が発生させる磁界によって発熱する材料によってガイド部材27が形成されているため、定着ベルト21の加熱効率を向上させることができる。
また、定着装置18は、定着ベルト21を下側(加圧ローラー22)側に向かって押圧する押圧部材25と、押圧部材25を支持する支持部材24と、を備えている。そのため、定着装置18の熱容量を小さくし、定着ベルト21を迅速に昇温させることが可能となる。
本実施形態では、ガイド部材27の円弧の中心Cが定着ベルト21の回転軸A及び加圧ローラー22の回転中心Bよりも左側(用紙の搬送方向において上流側)に位置する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、ガイド部材27の円弧の中心Cの左右方向(用紙の搬送方向)の位置が定着ベルト21の回転軸A及び加圧ローラー22の回転中心Bの左右方向(用紙の搬送方向)の位置と重なっていても良い。
本実施形態では、加圧ローラー22に駆動源36から駆動を入力する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、加圧ローラー22と定着ベルト21の両方に駆動源36から駆動を入力しても良い。
本実施形態では、IHコイル38を熱源として用いる場合について説明したが、他の異なる実施形態では、ハロゲンヒーターやセラミックヒーター等のヒーターを熱源として用いても良い。
本実施形態では、定着ベルト21をシート部材26に対して摺動させる方式の定着装置18に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、定着ベルト21の内径側に配置される一又は複数のローラーと共に定着ベルト21を回転させる方式の定着装置18に本発明の構成を適用しても良い。
本実施形態では、プリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、複合機等の他の画像形成装置に本発明の構成を適用しても良い。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る定着装置18について、図6及び図7を用いて説明する。
第1の実施形態では、各弾性部材29の外周面が各キャップ部材28のフランジ部48の内周面に接着(固定)されていたが、本実施形態では、各弾性部材29の内周面が定着ベルト21の前後両端部21a、21b(図6、図7では後端部21bのみ表示)の外周面に接着(固定)されている。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図7に示されるように、定着ベルト21に加圧ローラー22(図7では図示せず)を圧接させる前の状態では、各弾性部材29の外径M1が各キャップ部材28の内径よりも小さくなっている。そのため、定着ベルト21の膨出部21cと各キャップ部材28の対向部48aによって挟まれる領域Rには、各キャップ部材28の対向部48aと各弾性部材29の間に隙間Gが形成されている。
これに対して、定着ベルト21に加圧ローラー22を圧接させて定着ニップ32を形成すると、図6に示されるように、定着ベルト21の膨出部21cが右下側(定着ベルト21の外径側)に向かって膨出する。これに伴って、各弾性部材29における定着ベルト21の膨出部21cと対応する部分も右下側に向かって膨出し、各弾性部材29の外径M2(長辺側の径)が各キャップ部材28の内径よりも大きくなり、領域Rに隙間Gが無くなる。これに伴って、各弾性部材29における定着ベルト21の膨出部21cと対応する部分が各キャップ部材28の対向部48aに密着し、各弾性部材29を介して定着ベルト21の前後両端部21a、21bに各キャップ部材28が保持される。そのため、定着ベルト21の回転に従動して各キャップ部材28を回転させることが可能となる。
以上のように、本実施形態では、定着ベルト21に加圧ローラー22を圧接させる前の各弾性部材29の外径M1と、各キャップ部材28の内径と、定着ベルト21に加圧ローラー22を圧接させた状態における各弾性部材29の外径M2(長辺側の径)の関係が、
M1<各キャップ部材28の内径<M2
となっている。
本実施形態では上記のように、各弾性部材29の内周面が定着ベルト21の前後両端部21a、21bの外周面に接着(固定)されている。そのため、各弾性部材29を定着ベルト21の前後両端部21a、21bと一体化させることが可能となり、定着ベルト21の前後両端部21a、21bに対する各弾性部材29の位置ずれを防止することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る定着装置18について、図8及び図9を用いて説明する。なお、各弾性部材61以外の構成については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
各弾性部材61は、第1弾性部62と、第1弾性部62の外径側に設けられる第2弾性部63と、を備えている。
第1弾性部62は、円筒状を成している。第1弾性部62は、例えばシリコンゴムによって形成されている。第1弾性部62の内周面は、定着ベルト21の前後両端部21a、21b(図8、図9では後端部21bのみ表示)の外周面に接着(固定)されている。第1弾性部62の外周面には、第1弾性ギア64が設けられている。
第2弾性部63は、円筒状を成している。第2弾性部63は、例えばシリコンゴムによって形成されている。第2弾性部63の外周面は、各キャップ部材28のフランジ部48の内周面に接着(固定)されている。第2弾性部63の内周面には、第2弾性ギア65が設けられている。
図9に示されるように、定着ベルト21に加圧ローラー22(図9では図示せず)を圧接させる前の状態では、各弾性部材61の第1弾性部62の外径N1が各弾性部材61の第2弾性部63の内径よりも小さくなっている。そのため、定着ベルト21の膨出部21cと各キャップ部材28の対向部48aによって挟まれる領域Rには、各弾性部材61の第1弾性部62と各弾性部材61の第2弾性部63の間に隙間Gが形成されている。また、第1弾性部62の第1弾性ギア64と第2弾性部63の第2弾性ギア65は噛合していない。
これに対して、定着ベルト21に加圧ローラー22を圧接させて定着ニップ32を形成すると、図8に示されるように、定着ベルト21の膨出部21cが右下側(定着ベルト21の外径側)に向かって膨出する。これに伴って、各弾性部材61の第1弾性部62における定着ベルト21の膨出部21cと対応する部分も右下側に向かって膨出し、各弾性部材61の第1弾性部62の外径N2(長辺側の径)が各弾性部材61の第2弾性部63の内径よりも大きくなり、領域Rに隙間Gが無くなる。これに伴って、各弾性部材61の第1弾性部62における定着ベルト21の膨出部21cと対応する部分が各弾性部材61の第2弾性部63における各キャップ部材28の対向部48aと対応する部分に密着し、各弾性部材61を介して定着ベルト21の前後両端部21a、21bに各キャップ部材28が保持される。そのため、定着ベルト21の回転に従動して各キャップ部材28を回転させることが可能となる。また、第1弾性部62の第1弾性ギア64と第2弾性部63の第2弾性ギア65が噛合する。
以上のように、本実施形態では、定着ベルト21に加圧ローラー22を圧接させる前の各弾性部材61の第1弾性部62の外径N1と、各弾性部材61の第2弾性部63の内径と、定着ベルト21に加圧ローラー22を圧接させた状態における各弾性部材61の第1弾性部62の外径N2(長辺側の径)の関係が、
N1<各弾性部材61の第2弾性部63の内径<N2
となっている。
本実施形態では、定着ベルト21の前後両端部21a、21bの外周面に接着(固定)される第1弾性部62と、各キャップ部材28のフランジ部48の内周面に接着(固定)される第2弾性部63と、を各弾性部材61が備えている。このような構成を採用することで、定着ベルト21に加圧ローラー22が圧接した際に、第1弾性部62と第2弾性部63が密着することになる。これに伴って、各キャップ部材28の駆動力(定着ベルト21に対する各キャップ部材28の従動性)を高めることができる。
また、定着ベルト21に加圧ローラー22が圧接した状態で、第1弾性部62の外周面に設けられた第1弾性ギア64と第2弾性部63の内周面に設けられた第2弾性ギア65が噛合するように構成されている。このような構成を採用することで、各キャップ部材28の駆動力(定着ベルト21に対する各キャップ部材28の従動性)を更に高めることができる。
1 プリンター(画像形成装置)
18 定着装置
21 定着ベルト
21a (定着ベルトの)前端部
21b (定着ベルトの)後端部
21c 膨出部
22 加圧ローラー(加圧部材)
25 押圧部材
27 ガイド部材
28 キャップ部材
29 弾性部材
30 検出機構
32 定着ニップ
46 押圧面
48a 対向部
61 弾性部材
62 第1弾性部
63 第2弾性部
64 第1弾性ギア
65 第2弾性ギア
A (定着ベルトの)回転軸
C (ガイド部材の)円弧の中心
G 隙間
R 領域

Claims (8)

  1. 回転軸を中心に回転可能に設けられる定着ベルトと、
    前記定着ベルトに圧接して定着ニップを形成し、回転可能に設けられる加圧部材と、
    前記定着ベルトを介して前記加圧部材と対向する押圧部材と、
    前記定着ベルトの内周面に接触するガイド部材と、
    前記定着ベルトの端部に装着されるキャップ部材と、
    前記定着ベルトの前記端部と前記キャップ部材の間に介装される弾性部材と、
    前記キャップ部材の回転を検出する検出機構と、を備え、
    前記押圧部材は、前記定着ベルトを前記加圧部材側に向かって押圧する押圧面を備え、前記押圧面は、記録媒体の搬送方向下流側に向かって前記加圧部材側に傾斜し、
    前記定着ベルトは、記録媒体の搬送方向において前記定着ニップの下流側に設けられる膨出部を備え、
    前記キャップ部材は、前記膨出部と対向する対向部を備え、
    前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接する前の状態では、前記膨出部と前記対向部によって挟まれる領域に隙間が形成され、
    前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接すると、前記定着ベルトの外径側に向かって前記膨出部が膨出して前記隙間が無くなり、前記弾性部材を介して前記定着ベルトの前記端部に前記キャップ部材が保持されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記弾性部材は、前記キャップ部材の内周面に固定され、
    前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接する前の状態では、前記膨出部と前記弾性部材の間に前記隙間が形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記弾性部材は、前記定着ベルトの前記端部の外周面に固定され、
    前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接する前の状態では、前記対向部と前記弾性部材の間に前記隙間が形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記弾性部材は、
    前記定着ベルトの前記端部の外周面に固定される第1弾性部と、
    前記キャップ部材の内周面に固定される第2弾性部と、を備え、
    前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接する前の状態では、前記第1弾性部と前記第2弾性部の間に前記隙間が形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記第1弾性部の外周面には、第1弾性ギアが設けられ、
    前記第2弾性部の内周面には、前記定着ベルトに前記加圧部材が圧接した状態で前記第1弾性ギアと噛合する第2弾性ギアが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記ガイド部材は、前記加圧部材から離間する側に向かって円弧状に湾曲し、前記ガイド部材の円弧の中心は、記録媒体の搬送方向における位置が前記定着ベルトの前記回転軸と重なるか、又は、記録媒体の搬送方向において前記定着ベルトの前記回転軸よりも上流側であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記ガイド部材の前記回転軸方向外側の端部は、前記弾性部材の前記回転軸方向内側の端部よりも前記回転軸方向内側に位置していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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