JP2015119621A - モータの集中配電部材 - Google Patents

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大輔 中川
Daisuke Nakagawa
大輔 中川
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Abstract

【課題】低コストで製造可能な集中配電部材を提供する。
【解決手段】モータのステータの巻線に電力を供給するための集中配電部材Sであって、相手の導電部材と接続される端子20,30が周方向に沿って設けられた複数の導電リング10が、合成樹脂製のホルダ40内に互いに絶縁された形態で同心に配されて収容されたものにおいて、導電リング10が環形に形成された絶縁電線11により構成される一方、端子20,30が絶縁電線11に圧接により接続される圧接端子であって、かつホルダ40内にインサート成形により予め設けられている。
【選択図】図6

Description

本発明は、モータのステータの巻線に電力を供給するための集中配電部材に関する。
従来、3相モータのステータの巻線に電力を供給するための集中配電部材の一例として、特許文献1に記載されたものが知られている。このものは、電源と接続される1個の給電端子と、U,V,Wの各相の巻線と接続される複数の接続端子とを一方の側縁に備えたバスバーを環形に回曲してなる導電リングが、径寸法を異にした形態で3個備えられ、それらが環形をなす合成樹脂製のホルダ内に、互いに絶縁された形態で径方向に積層されて収容された構造となっている。
特開2003−134759号公報
上記従来の集中配電部材に用いる導電リングは、帯状をなすバスバーに、給電端子と接続端子とを一体形成したものを、金属平板製の素材からプレス加工により打ち抜き、そののちバスバーを円環状に回曲する一方、給電端子と接続端子とを曲げ加工して形成しており、特に、帯状のバスバーの側縁から給電端子や接続端子が突出した形状のものを素材から打ち抜くのであるから、歩留まりすなわち素材の材料取りが悪く、材料費ひいては製造コストが高くつくという問題があった。
一方、給電端子と接続端子とをバスバーとは別体に形成し、溶接で後付けすることも提案されているが、煩雑な溶接工程が必要であることから、コスト低減には実効が薄いのが実情であった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、低コストで製造可能な集中配電部材を提供するところにある。
本発明は、モータのステータの巻線に電力を供給するための集中配電部材であって、相手の導電部材と接続される端子が周方向に沿って設けられた複数の導電リングが、合成樹脂製のホルダ内に互いに絶縁された形態で同心に配されて収容されたものにおいて、前記導電リングが環形に形成された絶縁電線により構成される一方、前記端子が前記絶縁電線に圧接により接続される圧接端子であって、かつ前記ホルダ内にインサート成形により予め設けられているところに特徴を有する。
ホルダ内に端子が予めインサート成形により設けられ、絶縁電線が環形に回曲されつつ対応する端子に圧接されることで各導電リングが形成される。導電リングが、予めホルダ内に設けられた端子に後から絶縁電線を圧接した構造であるから、例えば、導電リングが、複数の端子を側縁に一体に設けたバスバーを環形に回曲して形成したものと比較すると、材料取りにおいて不利となることが回避でき、ひいてはコスト低減を図ることができる。また、各端子はインサート成形により予めホルダに設けられるのであるから、端子の配設位置や向き等の装着姿勢の自由度が高められる。
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記端子は、電源側端子と接続される給電端子と、前記巻線と接続される接続端子と、から構成されるとともに、前記ホルダが上面開口の環形の溝状をなし、かつ同ホルダの内部には、環形をなす複数の仕切壁が径方向に間隔を開けて底面から立ち上がり形成されていることにより、前記各絶縁電線を個別に挿入可能な環形の収容溝が同心に配されて設けられており、前記各収容溝内に、所定の前記給電端子と前記接続端子とが対応する前記絶縁電線に対して圧接可能に配されている。
ホルダの各収容溝内に、給電端子と接続端子とが所定の配置で予め設けられ、対応する絶縁電線が環形に回曲されつつ給電端子と接続端子とに圧接されることにより、各収容溝内に導電リングが個別に収容された形態となる。
(2)前記端子が、前記収容溝の溝底に載置された基板における長さ方向の端縁に同収容溝の幅内に緊密に嵌る上向きの圧接刃が形成されるとともに、前記基板の側縁から前記相手の導電部材と接続される接続板が前記収容溝の内面に沿って立ち上がり形成された形状である。
収容溝内に設けられた端子に絶縁電線を圧接により接続する場合は、絶縁電線が当該端子の接続板を避けつつ収容溝の上面開口から挿入されて圧接刃に押し込まれる。圧接刃が収容溝の幅内に緊密に嵌って開き止めされているから、圧接がより確実に行われる。
本発明の集中配電部材によれば、製造コストの低減が図れ、また端子の配設位置を容易に変更できる等により構造の自由度を高めることができる。
本発明の実施形態1に係る集中配電部材の平面図 ホルダの平面図 被覆電線の配設構造を示す平面図 接続端子の斜視図 給電端子の斜視図 接続端子に対する被覆電線の圧接動作を示す断面図 給電端子に対する被覆電線の圧接動作を示す断面図 圧接刃の圧接状態を示す断面図 実施形態2に係る接続端子の斜視図 同給電端子の斜視図 実施形態3に係る端子の圧接刃の圧接状態を示す概略斜視図 同横断面図 実施形態4に係る端子の圧接刃の圧接状態を示す概略斜視図 同縦断面図 実施形態5に係る給電端子に対する被覆電線の圧接動作を示す断面図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図8に基づいて説明する。
本実施形態のモータは、ハイブリッド車に搭載される3相交流6極対のブラシレスモータであり、エンジンとトランスミッションとの間の狭い空間に配置され、エンジンの水平なクランクシャフトに同軸に連結されたロータ(図示せず)と、ロータを同心状に包囲するリング状のステータ(図示せず)と、ステータを同心状に包囲するリング状の集中配電部材Sとを備えて構成される。ステータは、コアに巻線を施すことによって構成された複数の磁極(図示せず)によって構成され、磁極は、ロータと同心の円周に沿って一定ピッチで配置されており、各磁極からは巻線の両端が導出されている。
集中配電部材Sは、ステータの巻線に電力を供給するためのものであって、先にその全体構造を説明すると、図1ないし図3に示すように、環形をなす3個の導電リング10と、1個の中性点リング15と、各導電リング10と中性点リング15とを互いに絶縁された形態で同心に配して収容する合成樹脂製のホルダ40とを備えている。ホルダ40は、後記するように、全体として環形をなす上面開口の溝状をなし、内部には、互いに径を異にする同幅の環形をなす4本の収容溝45が同心に配されて形成され、各収容溝45に、上記した3個の導電リング10と中性点リング15とが個別に収容されている。
内側に配される3個の導電リング10はそれぞれ、図6に示すように、多数の素線からなる芯線12に絶縁被覆13を施した被覆電線11(本発明の絶縁電線に相当)を環形に回曲して形成されており、それぞれ6個の接続端子20と、1個の給電端子30とが設けられた構造であり、径を異にする3個が備えられている。詳細には、図3に示すように、中間径のU相の導電リング10U、小径のV相の導電リング10V、及び大径のW相の導電リング10Wとが備えられている。
なお、3個の導電リング10U,10V,10Wについて共通の説明をする場合には、適宜に導電リング10として説明する。
中性点リング15は、同様に被覆電線11を環形に回曲して形成されている。同中性点リング15は、上記した大径のW相の導電リング10Wよりもさらに大きい径に形成されているとともに、18個の接続端子20が設けられている。
3個の導電リング10と、中性点リング15とに設けられる接続端子20は、導電性に優れた金属板をプレス加工することにより、図4に示すような共通形状に形成されている。接続端子20は圧接端子であって、水平な基板21の一側縁から、上端に接続部23を有する接続板22が立ち上がり形成されているとともに、同基板21における接続板22が形成された側縁とは直角をなす一端縁から、圧接刃25が上向きに形成されている。同圧接刃25は、ホルダ40の収容溝45の溝幅内に緊密に嵌合可能な幅を有している。
3個の各導電リング10に設けられる給電端子30は同じく圧接端子であって、導電性に優れた金属板をプレス加工することにより、図5に示すような形状に形成されている。すなわち、水平な基板31の一側縁から、所定寸法立ち上がったのち外方に向けて延出したL型をなす接続板32が形成され、同接続板32の延出端に接続部33が設けられているとともに、同基板31の一端縁に、接続端子20と同様の上向きの圧接刃25が形成された形状である。
ただし、給電端子30は、接続板32の延出長さを異にした3種類が設けられ、図2に示すように、U相の導電リング10U用として接続板32Uが中間長の給電端子30Uが、V相の導電リング10V用として接続板32Vが最大長の給電端子30Vが、また、W相の導電リング10W用として接続板32Wが最小長の給電端子30Wが、ぞれぞれ備えられている。
ホルダ40は、図2に示すように、全体として上面開口の溝状をなし、同ホルダ40の内底面からは、環形をなす3枚の仕切壁43が径方向に所定間隔を開けて全高に亘って立ち上がり形成され、これにより互いに径を異にする同幅の環形をなす4本の収容溝45が、同心に配されて形成されている。
ホルダ40における内側の3本の収容溝45が、導電リング10を収容するための収容溝であって、3本の収容溝のうち、内から2番目の収容溝45Uには中間径のU相の導電リング10Uが、1番内の収容溝45Vには小径のV相の導電リング10Vが、また、内から3番目の収容溝45Wには大径のW相の導電リング10Wが、それぞれ収容されるようになっている。
残りの最外側の収容溝45Nには、中性点リング15が収容されるようになっている。
さて、本実施形態では、上記した接続端子20と給電端子30とがホルダ40の各収容溝45内にインサート成形により予め埋設されている。
内側の3本の収容溝45U,45V,45Wには、それぞれ6個の接続端子20が、等角度(60度)間隔を開けて設けられており、ただし各収容溝45U,45V,45W間で位相が20度ずつずれている。各接続端子20は、図6に示すように、収容溝45における所定箇所の溝底に基板21が当てられ、接続板22が外側の溝面に沿ってその上端まで立ち上がり、かつ上向きの圧接刃25が溝幅内に緊密に嵌った形態で一体形成されている。
最外側の収容溝45Nには、18個の接続端子20が等角度(20度)間隔を開けて設けられている。同収容溝45Nに配された接続端子20は、収容溝45U,45V,45Wの接続端子20と同じように、接続板22が外側の溝面に沿って立ち上がるとともに、圧接刃25が溝幅内に緊密に嵌った形態で一体形成されている。ただし、最外側の収容溝45Nの接続端子20の配設位置は、その内側の収容溝45Wに配された接続端子20とは、位相が若干ずれている。
内側の3本の収容溝45U,45V,45Wにはまた、それぞれ対応する給電端子30U,30V,30Wが設けられている。各給電端子30U,30V,30Wの配設位置は、各収容溝45U,45V,45Wに設けられた所定の接続端子20(周方向において20度間隔を開けて並んで組をなす3個の接続端子20)の各配設位置から、時計回り方向の前方に所定角度ずれた位置である。
給電端子30は、図7に示すように、収容溝45における所定箇所の溝底に基板31が当てられ、接続板32の垂直部35が外側の溝面に沿ってその上端を越えた位置まで立ち上がったのち、水平部36がホルダ40の上方を通って外壁41(図2)の外側まで延出するとともに、上向きの圧接刃25が溝幅内に緊密に嵌った形態で一体形成されている。
本実施形態の集中配電部材Sの組立手順の一例を説明する。図2に示すように、内側の3本の収容溝45U,45V,45Wにそれぞれ6個の接続端子20と1個の給電端子30U,30V,30Wを、また最外側の収容溝45Nに18個の接続端子20をインサート成形により埋設したホルダ40が形成され、このホルダ40が水平な組立台上に設置される。
係る状態から、各収容溝45に対して被覆電線11が押し込まれる。内側の3本の収容溝45U,45V,45Wについては、各収容溝45U,45V,45Wの周長に対応した長さを有する被覆電線11が、図3に示すように環形に回曲されつつ、図6及び図7に示すように、6個の接続端子20並びに給電端子30U,30V,30Wの圧接刃25に向けて押し込まれる。
ここで、内側から2番目の収容溝45Uと、同3番目の収容溝45Wについては、被覆電線11を押し込むに当たり、図2に示すように、給電端子30Vの接続板32Vまたは給電端子30Uの接続板32Uが邪魔になるから、被覆電線11をそれらを潜らせながら対応する収容溝45U,45Vに押し込む必要がある。
被覆電線11は、図8に示すように、絶縁被覆13が破断されつつ圧接溝26内に押し込まれ、圧接溝26の両側面の間で芯線12が挟持されることで、同被覆電線11の芯線12と6個の接続端子20及び給電端子30U,30V,30Wが電気的に接続される。すなわち、導電リング10U,10V,10Wが形成される。
最外側の収容溝45Nには、最大長さを有する被覆電線11が環形に回曲されつつ、同収容溝45N内に押し込まれる。ここでは、給電端子30Wの接続板32Wが邪魔になるから、被覆電線11は同接続板32Wを潜って、同収容溝45Nに配された18個の接続端子20の圧接刃25に向けて押し込まれ、同様に圧接溝26内に圧接されることで、同被覆電線11の芯線12と18個の接続端子20とが電気的に接続される。すなわち、中性点リング15が形成される。
以上により、図1に示すように、ホルダ40の各収容溝45に、3本の導電リング10U,10V,10Wと中性点リング15とが収容された集中配電部材Sが形成される。ここで、各導電リング10U,10V,10Wに設けられた6個ずつの接続端子20の接続部23は、それぞれ、仕切壁43の上縁から突出した形態を採る。
また、各導電リング10U,10V,10Wの給電端子30U,30V,30Wは、ホルダ40の上面の所定角度範囲において、各接続板32U,32V,32Wの水平部36が同上面を横切って放射状にホルダ40の外側に延出され、各接続板32U,32V,32Wの延出端の接続部33が円弧線上に並んで配される。
さらに、中性点リング15に設けられた18個の接続端子20の接続部23が、外壁41の上縁から突出した形態を採る。
このように組み立てられた集中配電部材Sは、ブラシレスモータにおけるステータの外周側に嵌められる。
この状態から、ステータに設けられた巻線のうち3個並んだ巻線の一端側が、ホルダ40の底面から外壁41の外面に回り込むように配線され、続いて上面を通って、組をなすU,V,Wの接続端子20の接続部23に個別にフュージングにより接続される。それとともに、同3個の巻線の他端側が、ホルダ40の底面から外壁41の外面に回り込むように配線されたのち、対応する中性点リング15の接続端子20の接続部23に同じく個別にフュージングにより接続され、これによりスター結線が完了する。このような巻線と接続端子20との接続が全周に亘って実施され、所定数のスター結線が並列に形成されることになる。
そののち例えば、集中配電部材Sとステータとが、各給電端子30U,30V,30Wの接続部33のみは外部に露出させた形態で、環形をなすモールド成形品内に埋設された状態とされる。集中配電部材Sを電源側と接続するには、上記の各給電端子30U,30V,30Wの接続部33と、相手の電源側端子(図示せず)とがボルト締結等で接続されることになる。
本実施形態の集中配電部材Sでは、導電リング10について、ホルダ40の収容溝45内に接続端子20と給電端子30とを予めインサート成形により埋設しておき、後から被覆電線11を環形に回曲しつつ対応する接続端子20と給電端子30の圧接刃25に圧接することで形成するようにしたから、従来の導電リングのように、接続端子と給電端子とを側縁に一体に設けたバスバーを環形に回曲して形成したものと比較すると、材料取りにおいて不利となることが回避でき、ひいては製造コストの低減を図ることができる。
また、接続端子20と給電端子30とはホルダ40にインサート成形により一体形成するのであるから、接続端子20や給電端子30の配設位置を簡単に変更でき、また接続端子20や給電端子30の接続部23,33の向きも、同接続端子20や給電端子30の形状に変更を加えることにより比較的簡単に変更でき、ひいては集中配電部材Sの全体構造の自由度が高められる。
接続端子20や給電端子30の圧接刃25が、収容溝45の溝幅内に緊密に嵌った形態で設けられているから、被覆電線11が圧接刃25の圧接溝26内に押し込まれた際にも開き止めがなされ、圧接がより確実に行われる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図9及び図10によって説明する。この実施形態では、接続端子20Xと給電端子30Xの構造に変更が加えられている。
接続端子20Xは、図9に示すように、基板21の両端に、一対の上向きの圧接刃25が、所定間隔を開けて形成されている。両圧接刃25は、円弧形をなす収容溝45内で共に溝幅内に緊密に嵌るように、手前側の端縁が若干接近するような斜め姿勢で形成されているとよい。
給電端子30Xは、図10に示すように、基板31の両端に、同じく一対の上向きの圧接刃25が、所定間隔を開けかつ斜め姿勢で対向して形成されている。
各接続端子20X、給電端子30Xについて、それぞれ2箇所で被覆電線11に対する圧接がなされるから、被覆電線11がより確実に圧接状態に維持される。
<実施形態3>
図11及び図12は、本発明の実施形態3を示す。この実施形態では、接続端子20(20X)と給電端子30(30X)とにそれぞれ備える圧接刃25Yの形状に変更が加えられている。
圧接刃25Yは、3本の圧接脚50を間隔を開けて配設した上向きの櫛刃状に形成されている。
圧接刃25Yは、被覆電線11の下面に対して同被覆電線11の軸線と直角をなして差し込まれ、両端の圧接脚50は、その内側縁が絶縁被覆13の側面を破断しつつ押し込まれて、芯線12の外周に押し付けられ、また中央の圧接脚50が、絶縁被覆13の下面を突き破って芯線12の内部に突き刺さり、高圧力で接触する。
ここで、圧接脚50が芯線12の内部に突き刺さった場合も、芯線12の変形を伴って高圧力で芯線12に接触するのであるから、広義の圧接と見なすことができる。
言い換えると本発明では、圧接刃が電線の被覆を突き破ったのち、芯線に対して高圧力で押し付けられる限り、「圧接」と定義される。
本実施形態によれば、接続端子20(20X)若しくは給電端子30(30X)の圧接刃25Yと、被覆電線11の芯線12との接触面積を増加させる分、導電性が高められる。
<実施形態4>
図13及び図14は、本発明の実施形態4を示す。この実施形態では、上記実施形態3で示した圧接刃25Yが、被覆電線11の下面に対して同被覆電線11の軸線に沿った向きで差し込まれるようになっている。
圧接刃25Yの3本の圧接脚50は、それぞれ絶縁被覆13の下面を突き破ったのち芯線12の内部に突き刺さって、芯線12に対して高圧力で接触し、すなわち圧接される。
ホルダ40の収容溝45の幅を小さく抑えたい場合等に有利となる。
<実施形態5>
図15は、本発明の実施形態5を示す。給電端子30はインサート成形によりホルダ40に予め一体形成されるのであるから、図15に示す給電端子30Zのように、接続板32Zを基板31の側縁から面一に延出形成した形状とすると、接続板32Zが収容溝45の底面位置から仕切壁43や外壁41(図2参照)を貫通して外部に突出させた形態で配することができる。
すなわち、給電端子30Zの接続板32Zが収容溝45の上面を横切った構造ではないから、被覆電線11は接続板32を潜らせる等することなく、そのまま上方から収容溝45に押し込むことが可能となる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、導電リングを被覆電線で構成した場合を例示したが、エナメル線等のマグネットワイヤも適用可能であり、さらには他の形態の絶縁電線全般を適用することができる。
(2)上記実施形態では、1個の導電リングに設ける接続端子の数が6個である場合を例示したが、モータの極対数の条件等に応じて6個以外のものにも適用できる。
(3)本発明は、中性点を備えないデルタ結線方式の集中配電部材にも適用可能である。
S…集中配電部材
10,10U,10V,10W…導電リング
11…被覆電線(絶縁電線)
12…芯線
13…絶縁被覆
20,20X…接続端子(端子)
21…基板
22…接続板
23…接続部
25,25Y…圧接刃
30,30U,30V,30W,30X,30Z…給電端子(端子)
31…基板
32,32U,32V,32W,32Z…接続板
33…接続部
40…ホルダ
43…仕切壁
45,45U,45V,45W…収容溝
50…圧接脚

Claims (3)

  1. モータのステータの巻線に電力を供給するための集中配電部材であって、
    相手の導電部材と接続される端子が周方向に沿って設けられた複数の導電リングが、合成樹脂製のホルダ内に互いに絶縁された形態で同心に配されて収容されたものにおいて、
    前記導電リングが環形に形成された絶縁電線により構成される一方、
    前記端子が前記絶縁電線に圧接により接続される圧接端子であって、かつ前記ホルダ内にインサート成形により予め設けられていることを特徴とするモータの集中配電部材。
  2. 前記端子は、電源側端子と接続される給電端子と、前記巻線と接続される接続端子と、から構成されるとともに、
    前記ホルダが上面開口の環形の溝状をなし、かつ同ホルダの内部には、環形をなす複数の仕切壁が径方向に間隔を開けて底面から立ち上がり形成されていることにより、前記各絶縁電線を個別に挿入可能な環形の収容溝が同心に配されて設けられており、
    前記各収容溝内に、所定の前記給電端子と前記接続端子とが対応する前記絶縁電線に対して圧接可能に配されていることを特徴とする請求項1記載のモータの集中配電部材。
  3. 前記端子が、前記収容溝の溝底に載置された基板における長さ方向の端縁に同収容溝の幅内に緊密に嵌る上向きの圧接刃が形成されるとともに、前記基板の側縁から前記相手の導電部材と接続される接続板が前記収容溝の内面に沿って立ち上がり形成された形状であることを特徴とする請求項2記載のモータの集中配電部材。
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