JP2015119042A - 基板処理装置、基板処理装置の制御方法、および記録媒体 - Google Patents

基板処理装置、基板処理装置の制御方法、および記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】処理ユニットから排出される排気の流量が安定するまでの時間を短縮すること。【解決手段】基板処理装置の制御装置4は、処理スケジュールの各時間において設定値変更条件が成立するか否かを判断する。処理スケジュールのいずれかの時間において設定値変更条件が成立する場合、制御装置4は、設定値変更条件が成立する時間における個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が基準値よりも大きな値に設定されるように、処理スケジュールの各時間における個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する個別排気スケジュールを作成する。そして、制御装置4は、処理スケジュールと並行して個別排気スケジュールを実行する。【選択図】図6

Description

本発明は、基板を処理する基板処理装置と、基板処理装置を制御する基板処理装置の制御方法と、基板処理装置の制御装置によって実行されるプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体とに関する。
処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板を処理する基板処理装置が用いられる。
特許文献1には、チャンバー本体内の圧力を計測する圧力計の圧力値を監視し、電空レギュレータを流通する流体の圧力を制御するフィードバック制御を行う制御部を備える基板処理装置が開示されている。
特許文献2には、第1窒素濃度計および第2窒素濃度計の測定の結果に基づいて、濃度可変部における窒素ガスの溶解あるいは脱気を制御するフィードバック制御を行う制御部を備える基板処理装置が開示されている。
特開2000−252275号公報 特開2004−79990号公報
基板の処理では排気流量などの流量を最適な値で安定させることが重要であるが、流量を高精度で安定させることは難しい。
従来の基板処理装置は、流量を安定化させるために、計測器などで装置の状態を計測し、フィードバック制御を行っている。しかし、流量に係るフィードバック制御は、流量が安定するまで時間がかかるといった問題がある。
そこで、本発明の目的の一つは、処理ユニットから排出される排気の流量が安定するまでの時間を短縮できる基板処理装置、基板処理装置の制御方法、および記録媒体を提供することである。
前記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、複数枚の基板を一枚ずつ処理する処理ユニットと、前記処理ユニットから気体を排出する排気ユニットと、前記処理ユニットおよび排気ユニットを制御するコンピュータとしての制御装置と、を備える、基板処理装置である。
前記処理ユニットは、内部空間を有するチャンバーと、前記チャンバー内で基板を保持する基板保持ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている基板に処理流体を供給する処理流体供給ユニットと、互いに離れた位置である原点位置および動作位置の間で前記チャンバー内を移動可能な可動部材と、を含む。
前記排気ユニットは、前記チャンバーから排出された気体を排気処理設備に向けて案内する個別排気ダクトと、前記排気処理設備に向かって前記個別排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する個別排気流量調整ユニットと、を含む。
前記制御装置は、基板を処理するときの前記処理ユニットの動作を時系列で規定する処理スケジュールを作成する処理スケジュール作成ステップと、前記処理スケジュール作成ステップで作成された前記処理スケジュールの各時間において、前記可動部材が前記原点位置以外の位置に位置している位置条件を含む設定値変更条件が成立するか否かを判断する設定値変更判断ステップと、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が、前記可動部材が前記原点位置に位置しているときの設定値である基準値よりも大きな値に設定されるように、前記処理スケジュールの各時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する個別排気スケジュールを作成する個別排気スケジュール作成ステップと、前記処理スケジュールと並行して前記個別排気スケジュールを実行する個別排気スケジュール実行ステップと、を実行する。
設定値変更条件が複数の条件(たとえば、位置条件と処理流体吐出中条件)を含む場合、「設定値変更条件が成立する」とは、「設定値変更条件に含まれる複数の条件の少なくとも一つが成立する」ことを意味する。
処理流体供給ユニットによって基板に供給される処理流体は、処理液であってもよいし、処理ガスであってもよい。処理ガスは、処理剤の蒸気(液状または固体状の処理剤から発生した気体)であってもよいし、処理剤の蒸気またはミストに加えて、キャリアガス(たとえば、不活性ガス)を含む気体であってもよい。
請求項1に係る構成によれば、基板を処理するときの処理ユニットの動作を時系列で規定する処理スケジュールが作成される。この処理スケジュールを参照しながら、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する個別排気スケジュールが作成される。そして、処理スケジュールと並行して個別排気スケジュールが実行される。
設定値変更条件は、可動部材が原点位置以外の位置に位置している位置条件を含む。処理スケジュールのいずれかの時間において、可動部材を原点位置以外の位置に配置するように計画されている場合、すなわち、設定値変更条件が成立する場合、設定値変更条件が成立する時間における個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、可動部材が原点位置に位置しているときの設定値(基準値)よりも大きな値に設定されるように計画される。基板処理装置が複数の可動部材を備える場合、基準値は、全ての可動部材が原点位置に位置しているときの設定値である。
可動部材が原点位置以外の位置に実際に位置しているとき、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、基準値よりも大きい値に設定される。したがって、チャンバー内の気体を個別排気ダクト内に排出する力(排気圧)が強くなる。言い換えると、大気圧よりも低い排気圧(負圧)の絶対値が大きくなる。そのため、処理ユニットの排気抵抗(圧力損失)が可動部材の位置に応じて増加したとしても、それに応じて排気圧が強くなるので、処理ユニットから排出される排気の流量の変動を抑えることができる。
さらに、個別排気スケジュールは、処理スケジュールと並行して実行される。つまり、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、処理ユニットから排出される気体の流量が実際に変化した後に変更されるのではなく、流量の変化が発生する前に調整される。したがって、フィードバック制御が行われる場合よりも排気流量が安定するまでの時間を短縮できる。
個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する個別排気スケジュールは、処理スケジュールに基づいて作成される。同じレシピを実行する場合でも、排気流量に影響するパラメータは異なることがある。したがって、個々の処理スケジュールに基づいて個別排気スケジュールを作成することにより、いずれの基板の処理でも排気流量を最適化できる。
請求項2に記載の発明は、前記設定値変更条件は、前記処理流体供給ユニットが処理流体を吐出している処理流体吐出中条件をさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、処理流体を吐出するように計画されている場合にも、チャンバー内の気体を個別排気ダクト内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。
処理流体が吐出されている場合(特に、処理液が吐出されている場合)、ミストが処理ユニット内に発生し易い。ミストが基板に付着すると、基板が汚染される場合がある。また、ミストが基板の汚染原因の一つであるパーティクルに変化し、パーティクルが処理ユニット内を浮遊する場合がある。したがって、処理流体が実際に吐出されているときに、排気圧を強くすることにより、ミストを処理ユニット内から効率的に排出でき、ミストの拡散範囲を狭めることができる。そのため、ミストやパーティクルの付着による基板の汚染を低減できる。
請求項3に記載の発明は、前記処理流体供給ユニットは、処理流体としての薬液を前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて吐出する薬液ノズルを含み、前記設定値変更条件は、前記薬液ノズルが薬液の吐出を開始する薬液吐出開始条件をさらに含み、前記個別排気スケジュール作成ステップは、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値よりも大きな値に設定されると共に、前記薬液吐出開始条件が成立する時間よりも前から前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値よりも大きな値に設定されるように、前記個別排気スケジュールを作成するステップを含む、請求項1または2に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、処理流体としての薬液を吐出するように計画されている場合にも、チャンバー内の気体を個別排気ダクト内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。薬液が吐出されている場合、薬液のミストが処理ユニット内に発生し易い。さらに、薬液のミストは、純水などのリンス液のミストよりも基板を汚染する可能性が高い。したがって、薬液が実際に吐出されているときに、排気圧を強くすることにより、薬液のミストを処理ユニット内から効率的に排出でき、ミストの拡散範囲を狭めることができる。そのため、ミストやパーティクルの付着による基板の汚染を低減できる。
さらに、薬液吐出開始条件が成立する時間よりも前から、すなわち、薬液の吐出が開始される前から、チャンバー内の気体を個別排気ダクト内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。そして、薬液の吐出が継続している間も、排気圧が強くされた状態が維持されるように計画される。したがって、排気圧が強められた状態で薬液の吐出が開始されるので、薬液の吐出直後から薬液のミストを効率的に排出できる。これにより、チャンバー内における薬液のミストの残留量を低減でき、ミストやパーティクルの付着による基板の汚染を低減できる。
請求項4に記載の発明は、前記処理流体供給ユニットは、処理流体としての薬液を前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて吐出する薬液ノズルを含み、前記設定値変更条件は、前記薬液ノズルが薬液の吐出を終了する薬液吐出終了条件をさらに含み、前記個別排気スケジュール作成ステップは、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値よりも大きな値に設定されると共に、前記薬液吐出開始条件が成立する時間よりも後まで前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値よりも大きな値に設定されるように、前記個別排気スケジュールを作成するステップを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、薬液吐出終了条件が成立する時間よりも後、すなわち、薬液の吐出が停止された後も、チャンバー内の気体を個別排気ダクト内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。したがって、薬液の吐出停止後にチャンバー内を浮遊する薬液のミストを確実に排出できる。これにより、チャンバー内における薬液のミストの残留量を低減でき、ミストやパーティクルの付着による基板の汚染を低減できる。
請求項5に記載の発明は、前記基板保持ユニットは、前記チャンバー内で基板を保持しながら回転させるスピンチャックを含み、前記設定値変更条件は、基板が回転している基板回転条件をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、スピンチャックが基板を回転させるように計画されている場合にも、チャンバー内の気体を個別排気ダクト内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。
処理液が付着している基板が回転すると、基板から処理液が飛散するので、ミストが発生し易い。したがって、基板が実際に回転しているときに、排気圧を強くすることにより、ミストを処理ユニット内から効率的に排出でき、ミストの拡散範囲を狭めることができる。そのため、ミストやパーティクルの付着による基板の汚染を低減できる。
請求項6に記載の発明は、前記基板回転条件は、前記処理流体供給ユニットが処理流体(たとえば、処理液)を吐出しているときの基板の回転速度よりも大きい乾燥速度で、基板が回転している乾燥実行条件を含む、請求項5に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板が乾燥速度で回転しているときに、チャンバー内の気体を個別排気ダクト内に排出する力(排気圧)が強められる。
乾燥速度は、処理流体供給ユニットが処理流体を吐出しているときの基板の回転速度よりも大きい回転速度である。基板の回転速度が増加すると、基板に付着している処理液に働く遠心力も増加するので、基板から飛散する処理液の量が増加する。したがって、基板が乾燥速度で回転しているときは、ミストが発生し易い。そのため、基板が乾燥速度で回転しているときに、排気圧を強めることにより、ミストを処理ユニット内から効率的に排出でき、ミストの拡散範囲を狭めることができる。
請求項7に記載の発明は、前記可動部材は、前記基板保持ユニットの上方の遮断板原点位置と前記遮断板原点位置と前記基板保持ユニットとの間の遮断板動作位置との間で、前記チャンバー内を移動可能な遮断板を含み、前記設定値変更条件は、前記遮断板が前記遮断板動作位置から前記遮断板原点位置に移動する遮断板上昇条件をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、遮断板を上方に移動させるように計画されている場合にも、チャンバー内の気体を個別排気ダクト内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。
遮断板が遮断板動作位置から遮断板原点位置に上昇すると、遮断板が基板から離れ、遮断板と基板との間隔が広がる。遮断板の上昇速度が大きいと、遮断板と基板との間の気圧が低下し、チャンバー内の雰囲気が遮断板と基板との間に吸い込まれる。そのため、基板の周囲を浮遊するミストやパーティクルが基板に付着するおそれがある。
遮断板の上昇速度を低下させれば、負圧の発生による雰囲気の吸い込みが低減されると考えられる。しかしながら、遮断板の上昇速度が遅いと、基板の処理に要する時間が増加するので、基板処理装置のスループット(単位時間あたりの基板の処理枚数)が減少するおそれがある。
遮断板と基板との間隔が広がるときに排気圧を強くすれば、基板の周囲の雰囲気が個別排気ダクトの方に強制的に吸い寄せられるので、遮断板と基板との間への雰囲気の進入が抑制される。したがって、遮断板の上昇速度を低下させずに、基板の周囲の雰囲気が基板に接触することを抑制または防止できる。そのため、スループットを維持しながら、基板の汚染を低減できる。
請求項8に記載の発明は、前記制御装置は、前記可動部材の位置ごとに割り振られた複数の点数と、前記処理流体供給ユニットからの処理流体の吐出状態ごとに割り振られた複数の点数と、を含むテーブルが記憶された記憶装置を含み、前記制御装置は、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合に、前記処理スケジュールの各時間における点数の合計値を前記テーブルに基づいて求める合計値計算ステップをさらに実行し、前記個別排気スケジュール作成ステップは、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が、前記合計値の大きさに応じて前記基準値よりも大きな値に設定されるように、前記個別排気スケジュールを作成するステップを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、複数の点数を含むテーブルが制御装置の記憶装置に記憶されている。複数の点数は、処理ユニットの稼動状況ごとに割り振られている。具体的には、テーブルは、可動部材の原点位置および動作位置にそれぞれ割り振られた複数の点数と、処理流体の吐出中状態および吐出停止状態にそれぞれ割り振られた複数の点数と、を含む。
処理スケジュールのいずれかの時間において設定値変更条件が成立する場合、処理スケジュールの各時間における点数の合計値が計算される。そして、処理スケジュールの各時間における個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、点数の合計値の大きさに応じて基準値よりも大きな値に設定されるように計画される。したがって、チャンバー内の気体を個別排気ダクト内に排出する力(排気圧)は、処理ユニットの稼動状況に応じて調整される。そのため、チャンバー内の気流を理想的な状態に近づけることができる。
請求項9に記載の発明は、前記基板保持ユニットは、前記チャンバー内で基板を保持しながら回転させるスピンチャックを含み、前記テーブルは、基板の回転状態ごとに割り振られた複数の点数をさらに含む、請求項8に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、制御装置の記憶装置に記憶されたテーブルは、可動部材の位置ごとに割り振られた複数の点数と、処理流体の吐出状態ごとに割り振られた複数の点数と、に加えて、基板の回転中状態および回転停止状態にそれぞれ割り振られた複数の点数を含む。したがって、チャンバー内の気体を個別排気ダクト内に排出する力(排気圧)は、基板の回転状態をも考慮した大きさに調整される。そのため、チャンバー内の気流を理想的な状態に近づけることができる。
請求項10に記載の発明は、前記処理流体供給ユニットからの処理流体の吐出状態ごとに割り振られた前記複数の点数は、処理流体としてのリンス液が吐出されている状態に対して割り振られたリンス液の点数と、処理流体としての薬液が吐出されている状態に対して割り振られており、前記リンス液の点数よりも大きい薬液の点数と、を含む、請求項8または9に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、制御装置の記憶装置に記憶されたテーブルは、リンス液の吐出中状態に対して割り振られたリンス液の点数と、薬液の吐出中状態に対して割り振られた薬液の点数と、を含んでいる。薬液の点数は、リンス液の点数よりも大きい。したがって、処理ユニットの他の稼動状況が同じであれば、薬液が吐出されているときの点数の合計値は、リンス液が吐出されているときの点数の合計値よりも大きい。
前述のように、処理スケジュールの各時間における個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、点数の合計値の大きさに応じて基準値よりも大きな値に設定されるように計画される。点数の合計値が大きければ、チャンバー内の気体を個別排気ダクト内に排出する力(排気圧)が強いので、チャンバー内の気体が確実に排出される。
薬液のミストは、純水などのリンス液のミストよりも基板を汚染する可能性が高い。したがって、薬液が実際に吐出されているときに、排気圧を強くすることにより、薬液のミストを処理ユニット内から効率的に排出でき、ミストの拡散範囲を狭めることができる。そのため、ミストやパーティクルの付着による基板の汚染を低減できる。
請求項11に記載の発明は、前記テーブルは、点数の合計値を、点数の合計値の大きさに応じて、大きさがそれぞれ異なる複数の加算値がそれぞれ割り振られた複数のグループに分類する一つ以上のしきい値を含み、前記制御装置は、前記合計値計算ステップで求められた点数の合計値が前記複数のグループのいずれに属するかを前記テーブルに基づいて求めるグループ判定ステップをさらに実行し、前記個別排気スケジュール作成ステップは、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が、前記基準値よりも、前記合計値計算ステップで求められた点数の合計値が属する前記グループに割り振られた前記加算値だけ大きくなるように、前記個別排気スケジュールを作成するステップを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、点数の合計値を複数のグループに分類する一つ以上のしきい値が、制御装置の記憶装置に記憶されたテーブルに含まれている。点数の合計値が複数のグループのいずれに属するかは、テーブルに基づいて求められる。
処理スケジュールの各時間における点数の合計値が異なる場合でも、グループが共通であれば、このグループに割り振られた加算値が、個別排気流量調整ユニットの基準値に加えられる。言い換えると、点数の合計値が変わったとしても、合計値が属するグループが同じであれば、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は変わらない。したがって、点数の合計値が変化するたびに排気の強さを変更する場合よりも、制御の複雑化を防止できる。
請求項12に記載の発明は、前記基板処理装置は、複数の前記処理ユニットを含み、前記排気ユニットは、前記複数の前記処理ユニットにそれぞれ対応しており、前記複数の前記処理ユニットの前記チャンバーから排出された気体を前記排気処理設備に向けて案内する複数の前記個別排気ダクトと、前記複数の前記個別排気ダクトにそれぞれ対応しており、前記排気処理設備に向かって前記複数の前記個別排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する複数の前記個別排気流量調整ユニットと、前記複数の前記個別排気ダクトのそれぞれが接続された集合排気ダクトと、前記排気処理設備に向かって前記集合排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する集合排気流量調整ユニットと、を含み、前記制御装置は、前記個別排気スケジュール作成ステップで作成された前記個別排気スケジュールの各時間において、前記複数の前記個別排気流量調整ユニットのいずれかの排気流量設定値が前記基準値よりも大きい元圧変更条件が成立するか否かを判断する元圧変更判断ステップと、前記個別排気スケジュールのいずれかの時間において前記元圧変更条件が成立する場合、前記元圧変更条件が成立する時間における前記集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値が、各個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値のときの設定値である元圧基準値よりも大きな値に設定されるように、前記個別排気スケジュールの各時間における前記集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する集合排気スケジュールを作成する集合排気スケジュール作成ステップと、前記個別排気スケジュールと並行して前記集合排気スケジュールを実行する集合排気スケジュール実行ステップと、をさらに実行する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、複数の処理ユニット内の気体が、それぞれ、複数の個別排気ダクトに排出される。各個別排気ダクト内を排気処理設備に向かって下流側に流れる排気は、集合排気ダクト内に排出される。排気処理設備に向かって集合排気ダクト内を流れる排気の流量は、集合排気流量調整ユニットによって調整される。
集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する集合排気スケジュールは、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する個別排気スケジュールを参照しながら作成される。そして、個別排気スケジュールと並行して集合排気スケジュールが実行される。
個別排気スケジュールのいずれかの時間において、いずれかの個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が基準値よりも大きい元圧変更条件が成立する場合、元圧変更条件が成立する時間における集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、各個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が基準値であるときの設定値(元圧基準値)よりも大きな値に設定されるように計画される。
いずれかの個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が基準値よりも大きいと、集合排気ダクト内の排気圧が低下し、この排気圧の低下の影響が他の処理ユニットに及ぶ場合がある。したがって、集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値を元圧基準値よりも大きくすることにより、他の処理ユニットから排出される排気の流量の減少を抑制または防止できる。これにより、他の処理ユニットでの圧力変動を抑制または防止できる。
さらに、集合排気スケジュールは、個別排気スケジュールと並行して実行される。つまり、集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、集合排気ダクト内を流れる排気の流量が実際に変化した後に変更されるのではなく、流量の変化が発生する前に調整される。したがって、フィードバック制御が行われる場合よりも排気流量が安定するまでの時間を短縮できる。
請求項13に記載の発明は、前記基板処理装置は、複数の前記処理ユニットを含み、前記排気ユニットは、前記複数の前記処理ユニットにそれぞれ対応しており、前記複数の前記処理ユニットの前記チャンバーから排出された気体を前記排気処理設備に向けて案内する複数の前記個別排気ダクトと、前記複数の前記個別排気ダクトにそれぞれ対応しており、前記排気処理設備に向かって前記複数の前記個別排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する複数の前記個別排気流量調整ユニットと、前記複数の前記個別排気ダクトのそれぞれが接続された集合排気ダクトと、前記排気処理設備に向かって前記集合排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する集合排気流量調整ユニットと、前記排気処理設備に向かって前記集合排気ダクト内を流れる排気の流量を検出する集合流量計と、を含み、前記制御装置は、前記集合流量計の検出値に基づいて求められた前記集合排気ダクト内の排気流量が、各個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値のときの値である流量基準値に近づくように、前記集合排気流量調整ユニットを制御する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、集合流量計の検出値に基づいて集合排気ダクト内の排気流量が求められる。集合排気ダクトは、複数の個別排気ダクトのそれぞれに接続されている。集合排気ダクト内の排気流量が変動すると、各個別排気ダクト内を流れる排気の流量も変動する。集合排気ダクト内の排気流量が変動すると、制御装置は、集合排気ダクト内の排気流量が流量基準値に近づくように、集合排気流量調整ユニットを制御するフィードバック制御を行う。これにより、各処理ユニットから排出される排気の流量の変化を低減でき、各処理ユニットでの圧力変動を抑制または防止できる。
請求項14に記載の発明は、前記集合排気流量調整ユニットは、前記集合排気ダクトを開閉する集合ダンパーと、前記排気処理設備に向かって流れる気流を前記集合排気ダクト内に形成するブロワと、の少なくとも一つを含む、請求項12または13に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、集合ダンパーとブロワとの少なくとも一つが、集合排気流量調整ユニットに設けられている。
集合ダンパーが集合排気ダクトの流路面積を増加または減少させると、集合排気ダクト内を流れる排気の流量が増加または減少する。また、ブロワの送風により排気処理設備に向かって流れる気流が集合排気ダクト内に形成されると、集合排気ダクトからの気体の排出が促進されるので、集合排気ダクト内を流れる排気の流量が増加する。これにより、排気処理設備に向かって集合排気ダクト内を流れる排気の流量が調整される。
さらに、ブロワが送風を行うと、集合排気ダクト内の気体がブロワによって強制的に排出されるので、集合排気ダクト内の排気圧が高まる(排気圧の絶対値が大きくなる)。したがって、排気設備の吸引力が十分でない場合でも、ブロワを作動させることにより、集合排気ダクト内の排気圧を一定の圧力に保つことができる。これにより、各処理ユニットでの圧力変動を抑制または防止できる。
請求項15に記載の発明は、前記可動部材は、前記個別排気ダクトに向かって前記チャンバーの内部を流れる気体の流路を前記チャンバー内に形成している、請求項1〜14のいずれか一項に記載の基板処理装置である。前記動作位置は、前記可動部材が前記原点位置に位置しているときよりも前記チャンバー内流路の圧力損失が大きい位置である。
この構成によれば、個別排気ダクトに向かってチャンバーの内部を流れる気体の流路が、可動部材によってチャンバー内に形成されている。したがって、可動部材がチャンバー内を移動すると、流路の形状が変化するので、処理ユニットの排気抵抗が変化する。そのため、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値を、可動部材の位置に応じて変更することにより、処理ユニットから排出される気体の流量を安定させることができる。
請求項16に記載の発明は、前記可動部材は、前記基板保持ユニットの上方の遮断板原点位置と前記遮断板原点位置と前記基板保持ユニットとの間の遮断板動作位置との間で前記チャンバー内を移動可能な遮断板と、前記基板保持ユニットに保持されている基板よりも下方のガード原点位置と前記基板保持ユニットに保持されている基板の周囲に位置するガード動作位置との間で前記チャンバー内を移動可能なスプラッシュガードと、の少なくとも一方を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の基板処理装置である。遮断板原点位置およびガード原点位置は、いずれも原点位置である。同様に、遮断板動作位置およびガード動作位置は、いずれも動作位置である。
請求項17に記載の発明は、複数枚の基板を一枚ずつ処理する処理ユニットと、前記処理ユニット内の気体を排出する排気ユニットと、前記処理ユニットおよび排気ユニットを制御するコンピュータとしての制御装置と、を備える基板処理装置の前記制御装置によって実行される基板処理装置の制御方法である。
前記処理ユニットは、内部空間を有するチャンバーと、前記チャンバー内で基板を保持する基板保持ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている基板に処理流体を供給する処理流体供給ユニットと、互いに離れた位置である原点位置および動作位置の間で前記チャンバー内を移動可能な可動部材と、を含む。
前記排気ユニットは、前記チャンバーから排出された気体を排気処理設備に向けて案内する個別排気ダクトと、前記排気処理設備に向かって前記個別排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する個別排気流量調整ユニットと、を含む。
前記基板処理装置の制御方法は、基板を処理するときの前記処理ユニットの動作を時系列で規定する処理スケジュールを作成する処理スケジュール作成ステップと、前記処理スケジュール作成ステップで作成された前記処理スケジュールの各時間において、前記可動部材が前記原点位置以外の位置に位置している位置条件を含む設定値変更条件が成立するか否かを判断する設定値変更判断ステップと、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が、前記可動部材が前記原点位置に位置しているときの設定値である基準値よりも大きな値に設定されるように、前記処理スケジュールの各時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する個別排気スケジュールを作成する個別排気スケジュール作成ステップと、前記処理スケジュールと並行して前記個別排気スケジュールを実行する個別排気スケジュール実行ステップと、を含む。この方法によれば、前述の効果と同様の効果を奏することができる。
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の基板処理装置の制御方法に係る基板処理装置の制御装置によって実行されるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。前記記録媒体は、コンピュータとしての前記制御装置に前記基板処理装置の制御方法を実行させるようにステップ群が組み込まれたコンピュータプログラムを記録している。
本発明の一実施形態に係る基板処理装置の模式的な平面図である。 処理ユニットを水平に見たときの処理ユニットの内部を示す模式図である。 処理ユニットおよび排出ユニットを示す模式図である。 基板処理装置の排気系統を示すブロック図である。 制御装置の物理的な構成を示すブロック図である。 制御装置の機能的な構成を示すブロック図である。 制御装置に記憶されている点数表を示す図である。 制御装置に記憶されている分類表を示す図である。 制御装置によって作成された処理スケジュールおよび個別排気スケジュールの一例を示す図である。 制御装置によって作成された集合排気スケジュールの一例を示す図である。 処理スケジュールの作成および実行の流れを示すフローチャートである。 処理スケジュールで計画された各工程が実行されるときの流れを示すフローチャートである。 個別排気スケジュールの作成および実行の流れを示すフローチャートである。 集合排気スケジュールの作成および実行の流れを示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、複数のキャリアCを保持する複数のロードポート2と、基板Wを処理する複数(たとえば12台)の処理ユニット3と、を備えている。基板処理装置1は、さらに、ロードポート2に対して基板Wの搬入および搬出を行う搬送ロボットとしてのインデクサロボットIRと、処理ユニット3に対して基板Wの搬入および搬出を行う搬送ロボットとしてのセンターロボットCRと、基板処理装置1に備えられた装置や機器を制御する制御装置4と、を備えている。
図1に示すように、収容器保持ユニットとしてのロードポート2は、処理ユニット3から水平方向に離れた位置に配置されている。複数のロードポート2は、複数のキャリアCが水平な配列方向D1に配列されるように、複数のキャリアCを保持している。キャリアCは、複数枚の基板Wが水平な姿勢で間隔を空けて上下に積層されるように当該複数枚の基板Wを収容可能な収容器である。
図1に示すように、インデクサロボットIRは、平面視U字状の2つのハンドHを備えている。2つのハンドHは、異なる高さに配置されている。各ハンドHは、基板Wを水平な姿勢で支持する。インデクサロボットIRは、水平方向および鉛直方向の少なくとも一方にハンドHを移動させる。さらに、インデクサロボットIRは、鉛直軸線まわりに回転(自転)することにより、ハンドHの向きを変更する。インデクサロボットIRは、受渡位置(図1に示す位置)を通る経路に沿って配列方向D1に移動する。受渡位置は、平面視で、インデクサロボットIRおよびセンターロボットCRが配列方向D1に直交する方向に対向する位置である。
インデクサロボットIRは、水平方向および鉛直方向の少なくとも一方にハンドHを移動させることにより、センターロボットCRまたは任意のキャリアCにハンドHを対向させる。インデクサロボットIRは、キャリアCに基板Wを搬入する搬入動作と、キャリアCから基板Wを搬出する搬出動作とを行う。また、インデクサロボットIRは、センターロボットCRと協働して、インデクサロボットIRおよびセンターロボットCRの一方から他方に基板Wを移動させる受渡動作を受渡位置で行う。
図1に示すように、センターロボットCRは、平面視U字状の2つのハンドHを備えている。2つのハンドHは、異なる高さに配置されている。各ハンドHは、基板Wを水平な姿勢で支持する。センターロボットCRは、水平方向および鉛直方向の少なくとも一方にハンドHを移動させる。さらに、センターロボットCRは、鉛直軸線まわりに回転(自転)することにより、ハンドHの向きを変更する。センターロボットCRは、平面視において複数の処理ユニット3に取り囲まれている。複数の処理ユニット3は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された4つの塔を形成している。各塔は、上下に積層された3台の処理ユニット3によって構成されている。
センターロボットCRは、水平方向および鉛直方向の少なくとも一方にハンドHを移動させることにより、任意の処理ユニット3およびインデクサロボットIRにハンドHを対向させる。そして、センターロボットCRは、処理ユニット3に基板Wを搬入する搬入動作と、処理ユニット3から基板Wを搬出する搬出動作を行う。また、センターロボットCRは、インデクサロボットIRと協働して、インデクサロボットIRおよびセンターロボットCRの一方から他方に基板Wを移動させる受渡動作を行う。
複数枚の基板Wを処理するとき、制御装置4は、インデクサロボットIR、センターロボットCR、および処理ユニット3等を制御することにより、以下の一連の動作を基板処理装置1に繰り返させる。
具体的には、制御装置4は、ロードポート2に保持されているキャリアC内の未処理の基板WをインデクサロボットIRに搬出させる。その後、制御装置4は、未処理の基板WをインデクサロボットIRからセンターロボットCRに移動させる。続いて、制御装置4は、センターロボットCRに未処理の基板Wをいずれかの処理ユニット3に搬入させる。その後、制御装置4は、処理ユニット3に未処理の基板Wを処理させる。
制御装置4は、処理ユニット3内の処理済みの基板WをセンターロボットCRに搬出させる。その後、制御装置4は、処理済みの基板WをセンターロボットCRからインデクサロボットIRに移動させる。続いて、制御装置4は、インデクサロボットIRに処理済みの基板WをいずれかのキャリアCに搬入させる。このようにして、ロードポート2に保持されているキャリアC内の未処理の基板Wが処理ユニット3で処理され、処理ユニット3で処理された基板Wが、ロードポート2に保持されているキャリアC内に収容される。
図2に示すように、各処理ユニット3は、処理液を用いて複数枚の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式のユニットである。各処理ユニット3は、内部空間を有する箱形のチャンバー5と、チャンバー5内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持して、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック8と、を備えている。各処理ユニット3は、さらに、スピンチャック8に保持されている基板Wに向けて処理液を吐出する複数のノズル(第1薬液ノズル12、第2薬液ノズル13、リンス液ノズル14)と、水平な姿勢でスピンチャック8の上方に配置された円板状の遮断板30と、スピンチャック8を取り囲む筒状の処理液捕獲部材15と、を備えている。遮断板30および処理液捕獲部材15は、いずれも、排気口としての排出口27に向かってチャンバー5の内部を流れる気体の流路をチャンバー5内に形成する可動部材の一例である。
図2に示すように、チャンバー5は、スピンチャック8等を収容する箱形の隔壁6と、隔壁6の上部から隔壁6内にクリーンエアー(フィルターによってろ過された空気)を送る送風ユニットとしてのFFU7(ファン・フィルタ・ユニット7)と、を備えている。FFU7は、隔壁6の上方に配置されている。FFU7は、隔壁6の天井からチャンバー5内に一定の流量で下向きにクリーンエアーを送る。これにより、チャンバー5内を下方に流れるダウンフロー(下降流)が、FFU7によって形成される。基板Wは、チャンバー5内にダウンフローが形成されている状態で処理される。
図2に示すように、スピンチャック8は、基板Wの周端面に押し付けられる複数のチャックピン9と、複数のチャックピン9と共に回転軸線Aまわりに回転可能な円板状のスピンベース10と、チャックピン9およびスピンベース10を回転軸線A1まわりに回転させるスピンモータ11とを含む。スピンチャック8は、複数のチャックピン9を備えるメカニカルチャックに限らず、非デバイス形成面である基板Wの裏面(下面)を吸着ベースとしてのスピンベース10の上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持するバキューム式のチャックであってもよい。
図2に示すように、複数のノズルは、基板Wに向けて第1薬液を吐出する第1薬液ノズル12と、基板Wに向けて第2薬液を吐出する第2薬液ノズル13と、基板Wに向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル14とを含む。
図2に示すように、処理ユニット3は、第1薬液ノズル12に接続された第1薬液配管37と、第1薬液配管37に介装された第1薬液バルブ38とを含む。同様に、処理ユニット3は、第2薬液ノズル13に接続された第2薬液配管40と、第2薬液配管40に介装された第2薬液バルブ41と、を含む。処理ユニット3は、さらに、リンス液ノズル14に接続されたリンス液配管43と、リンス液配管43に介装されたリンス液バルブ44とを含む。
第1薬液バルブ38が開かれると、第1薬液供給源からの第1薬液が、第1薬液ノズル12から吐出される。同様に、第2薬液バルブ41が開かれると、第2薬液供給源からの第2薬液が、第2薬液ノズル13から吐出される。リンス液バルブ44が開かれると、リンス液供給源からのリンス液が、リンス液ノズル14から吐出される。
第1薬液の一例は、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液である。
同様に、第2薬液の一例は、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液である。第1薬液および第2薬液は、互いに異なる種類の薬液であってもよいし、同種の薬液であってもよい。
リンス液の例は、純水(脱イオン水:Deionzied Water)である。リンス液は、純水に限らず、IPA(イソプロピルアルコール)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
図2に示すように、処理ユニット3は、処理位置(図2に示す第1薬液ノズル12の位置)と退避位置との間で第1薬液ノズル12を移動させる第1薬液ノズル移動ユニット39と、処理位置と退避位置(図2に示す第2薬液ノズル13の位置)との間で第2薬液ノズル13を移動させる第2薬液ノズル移動ユニット42と、処理位置と退避位置との間でリンス液ノズル14を移動させるリンス液ノズル移動ユニット45と、を含む。処理位置は、ノズルから吐出された処理液が基板Wの上面に着液する位置であり、退避位置は、ノズルが基板Wの上方から退避した位置である。
図2に示すように、遮断板30は、外径が基板Wの外径よりも大きい円板状である。遮断板30は、回転軸線A1に沿って上下方向に延びる支軸32によって水平な姿勢で支持されている。支軸32は、遮断板30の上方で水平に延びる支持アーム33に支持されている。遮断板30は、支軸32の下方に配置されている。遮断板30の中心軸線は、回転軸線A1上に配置されている。遮断板30の下面(対向面)は、基板Wの上面に対向している。遮断板30は、ガスバルブ35が介装されたガス配管36に接続されている。ガスバルブ35が開かれると、ガス配管36から遮断板30に供給された気体(たとえば、窒素ガス)が、遮断板30の下面中央部で開口する中心開口31から下方に吐出される。
図3に示すように、処理ユニット3は、支持アーム33を鉛直方向に昇降させることにより、支持アーム33と共に、遮断板30および支軸32を昇降させる遮断板昇降ユニット34を含む。遮断板昇降ユニット34は、遮断板30の下面がスピンチャック8に保持されている基板Wの上面に近接する近接位置(図3に示す位置)と、近接位置の上方に設けられた退避位置(図2に示す位置)との間で、遮断板30を昇降させる。退避位置は、各ノズル12〜14が基板Wと遮断板30との間に進入できるように遮断板30が基板Wから離れた原点位置である。近接位置は、各ノズル12〜14が基板Wと遮断板30との間に進入できないように遮断板30が基板Wに近づいた動作位置である。遮断板昇降ユニット34は、近接位置から退避位置までの任意の位置(高さ)に遮断板30を位置させることができる。
図3に示すように、処理液捕獲部材15は、基板Wから外方に飛散する処理液を受け止める筒状のスプラッシュガード16と、スプラッシュガード16によって案内される処理液を受け止める筒状のカップ22と、スプラッシュガード16を昇降させるガード昇降ユニット29と、を備えている。
図3に示すように、スプラッシュガード16は、カップ22の上方に配置されている。スプラッシュガード16は、スピンチャック8を取り囲んでいる。スプラッシュガード16の内周面は、直径がスピンベース10の外径よりも大きいガード開口17を形成する上端を含む。スプラッシュガード16は、内向き(回転軸線A1に向かう方向)に開いたV字状の断面を有する環状の上捕獲部18と、上捕獲部18の下端からカップ22に向かって延びる筒状の上案内部19と、を備えている。スプラッシュガード16は、さらに、斜め下に内向きに開いた弓形の断面を有する環状の下捕獲部20と、カップ22の一部(後述するカップ22の内壁24)を収容する環状の収容部21と、を備えている。
図3に示すように、カップ22は、スピンチャック8を取り囲む底壁23と、底壁23から上方に延びる筒状の内壁24と、内壁24の周囲で底壁23から上方に延びる筒状の外壁25と、を備えている。内壁24は、スピンチャック8を取り囲んでおり、外壁25は、内壁24を取り囲んでいる。カップ22は、底壁23の上面と内壁24の内周面とによって、スピンチャック8を取り囲む環状の排液溝26を形成している。カップ22は、さらに、底壁23の上面と内壁24の外周面と外壁25の内周面とによって、排液溝26を取り囲む環状の回収溝28を形成している。排液溝26および回収溝28は、いずれも上向きに開いている。スプラッシュガード16の上案内部19は、排液溝26の上方に配置されている。スプラッシュガード16の収容部21は、内壁24の上方に配置されている。スプラッシュガード16の下捕獲部20は、回収溝28の上方に配置されている。
図3に示すように、ガード昇降ユニット29は、下位置(図3で実線で示す位置)、中間位置(図3で二点鎖線で示す位置)、および上位置(図2に示す位置)を含む複数の位置にスプラッシュガード16を移動させる。下位置は、スピンチャック8による基板Wの保持位置よりも下方にスプラッシュガード16が配置される受渡位置である。中間位置は、上捕獲部18がスピンチャック8に保持されている基板Wの周端面に水平に対向する排液位置である。上位置は、下捕獲部20がスピンチャック8に保持されている基板Wの周端面に水平に対向する回収位置である。下位置は、原点位置であり、中間位置および上位置は、動作位置である。中間位置は、下位置よりも上方の位置であり、上位置は、中間位置よりも上方の位置である。したがって、ガード開口17の高さは、スプラッシュガード16が下位置に位置しているときが最も低く、スプラッシュガード16が上位置に位置しているときが最も高い。
センターロボットCRがスピンチャック8上に基板Wを置いたりスピンチャック8から基板Wを取ったりするとき、制御装置4は、ガード昇降ユニット29によってスプラッシュガード16を下位置に位置させる。基板Wから外方に飛散した処理液をスプラッシュガード16の上捕獲部18で受け止めるとき、制御装置4は、ガード昇降ユニット29によってスプラッシュガード16を排液位置としての中間位置に位置させる。また、基板Wから外方に飛散した処理液をスプラッシュガード16の下捕獲部20で受け止めるとき、制御装置4は、ガード昇降ユニット29によってスプラッシュガード16を回収位置としての上位置に位置させる。
スプラッシュガード16が中間位置に位置しているとき、基板Wから排出された処理液は、スプラッシュガード16の上捕獲部18によって受け止められ、スプラッシュガード16の上案内部19を伝ってカップ22の排液溝26内に流下する。また、スプラッシュガード16が上位置に位置しているとき、基板Wから排出された処理液は、スプラッシュガード16の下捕獲部20によって受け止められ、スプラッシュガード16の下捕獲部20からカップ22の回収溝28内に流下する。これにより、スプラッシュガード16によって受け止められた処理液が、カップ22の排液溝26または回収溝28に案内される。
図3に示すように、基板処理装置1は、複数の処理ユニット3から気体および液体を排出する排出する排出ユニット46を備えている。排出ユニット46は、排気ユニットの一例である。
図3に示すように、排出ユニット46は、カップ22の回収溝28から排出される処理液を案内する回収配管47と、排液溝26内で開口する排出口27を通じてカップ22の排液溝26から排出される流体(気体および液体の少なくとも一方)を案内する排出配管48と、排出配管48によって処理液捕獲部材15から排出された、気体および液体の混合流体から液体を分離する気液分離ボックス49(ミストセパレータ)と、気液分離ボックス49内の液体を排出する排液配管50と、を備えている。
図3に示すように、排出ユニット46は、気液分離ボックス49内の気体を排出する個別排気ダクト51と、個別排気ダクト51内を流れる排気の流量を検出する個別流量計52と、個別排気ダクト51内を流れる排気の流量を調整する個別ダンパー53と、個別ダンパー53を制御することにより個別ダンパー53の開度を調整する個別制御装置58と、を備えている。個別ダンパー53は、個別排気流量調整ユニットの一例である。個別ダンパー53の開度の設定値は、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値の一例である。
個別制御装置58は、個別流量計52の検出値に基づいて個別排気ダクト51内を流れる排気の流量を演算する。個別流量計52は、たとえば、個別排気ダクト51内の排気圧(気圧)を検出する圧力計である。この場合、制御装置4は、個別排気ダクト51内の排気圧に応じて変化する個別流量計52の検出値に基づいて個別排気ダクト51内を流れる排気の流量を演算する。また、制御装置4は、個別ダンパー53の開度の設定値(目標値)を個別制御装置58に送る。個別制御装置58は、制御装置4から送られた設定値と個別ダンパー53の実際の開度との差が減少するように、個別ダンパー53の開度を増加または減少させる。
図3に示すように、個別ダンパー53は、排気を案内する排気流路を形成するダンパー本体54と、ダンパー本体54によって形成された排気流路を開閉する弁体55と、弁体55を移動させることにより個別ダンパー53の開度(排気流路の流路面積)を変更するアクチュエータ56と、弁体55の位置を検出する位置センサー57と、を備えている。個別ダンパー53のダンパー本体54は、個別排気ダクト51に介装されている。
図4に示すように、個別制御装置58は、位置センサー57の検出値に基づいて個別ダンパー53の開度を演算する開度演算部59と、個別ダンパー53のアクチュエータ56を駆動するダンパー駆動部60と、個別ダンパー53の実際の開度と開度の設定値との差を減少させる指令をダンパー駆動部60に与える開度制御部61と、を含む。
個別ダンパー53の開度の設定値は、制御装置4から個別制御装置58の開度制御部61に送られる。開度制御部61は、開度演算部59によって演算された個別ダンパー53の実際の開度と設定値とを比較し、個別ダンパー53の実際の開度と設定値との差を減少させる指令をダンパー駆動部60に送る。ダンパー駆動部60は、開度制御部61からの指令に応じて、個別ダンパー53の開度が増加または減少するように、アクチュエータ56を駆動する。これにより、個別ダンパー53の実際の開度が設定値に近づけられる。
個別ダンパー53の開度が増加または減少すると、個別ダンパー53の流路面積および排気抵抗(圧力損失)が変化する。したがって、個別ダンパー53の開度が増加または減少すると、個別排気ダクト51内の排気圧および排気流量が変化する。そのため、制御装置4は、開度の設定値を個別制御装置58に送ることにより、個別排気ダクト51内の実際の排気圧および排気流量を目標とする排気圧および排気流量に近づけることができる。
図4に示すように、排出ユニット46は、複数の処理ユニット3にそれぞれ対応する複数の個別排気ダクト51を備えている。したがって、個別排気ダクト51は、処理ユニット3ごとに設けられている。同様に、個別ダンパー53、個別流量計52、個別制御装置58は、処理ユニット3ごとに設けられている。排出ユニット46は、各個別排気ダクト51に接続された集合排気ダクト62を備えている。集合排気ダクト62は、一定の排気圧で気体を吸引する排気処理設備に接続されている。排気処理設備は、基板処理装置1が設置される工場に設置されている。
図4に示すように、排出ユニット46は、各個別排気ダクト51と集合排気ダクト62との接続位置よりも下流側で集合排気ダクト62内を流れる排気の流量を調整する集合ダンパー63と、集合ダンパー63を制御することにより集合排気ダクト62から排出される排気の流量を調整する集合制御装置64と、集合排気ダクト62内を流れる排気の流量を検出する集合流量計65と、を備えている。集合ダンパー63は、集合排気流量調整ユニットの一例である。集合ダンパー63の開度の設定値は、集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値の一例である。
集合流量計65は、たとえば、集合排気ダクト62内の2つの位置の排気圧(圧力)を検出する差圧流量計である。この場合、図4に示すように、集合流量計65は、各個別排気ダクト51と集合排気ダクト62との接続位置と集合ダンパー63との間で排気圧(個別排気ダクト51内の気圧)を検出する第1集合流量計65aと、集合ダンパー63よりも下流側で排気圧を検出する第2集合流量計65bと、を含む。集合流量計65は、差圧流量計に限らず、熱式質量流量計、渦流量計、超音波流量計などの他の形式の流量計であってもよい。
制御装置4は、第1集合流量計65aの検出値と第2集合流量計65bの検出値とに基づいて、個別排気ダクト51内における集合ダンパー63の上流位置および下流位置間の圧力差(差圧)を演算する。また、制御装置4は、集合ダンパー63の開度の設定値(目標値)を集合制御装置64に送る。集合制御装置64は、制御装置4から送られた設定値と集合ダンパー63の実際の開度との差が減少するように、集合ダンパー63の開度を増加または減少させる。
図示はしないが、集合ダンパー63は、個別ダンパー53と同様の構成を備えている。具体的には、集合ダンパー63は、排気を案内する排気流路を形成するダンパー本体54と、ダンパー本体54によって形成された排気流路を開閉する弁体55と、弁体55を移動させることにより集合ダンパー63の開度(排気流路の流路面積)を変更するアクチュエータ56と、弁体55の位置を検出する位置センサー57と、を備えている(図3参照)。集合ダンパー63のダンパー本体54は、集合排気ダクト62に介装されている。
図4に示すように、集合制御装置64は、位置センサー57の検出値に基づいて集合ダンパー63の開度を演算する開度演算部59と、集合ダンパー63のアクチュエータ56を駆動するダンパー駆動部60と、集合ダンパー63の実際の開度と開度の設定値との差を減少させる指令をダンパー駆動部60に与える開度制御部61と、を含む。
個別ダンパー53の開度の設定値は、制御装置4から集合制御装置64の開度制御部61に送られる。開度制御部61は、開度演算部59によって演算された集合ダンパー63の実際の開度と設定値とを比較し、集合ダンパー63の実際の開度と設定値との差を減少させる指令をダンパー駆動部60に送る。ダンパー駆動部60は、開度制御部61からの指令に応じて、集合ダンパー63の開度が増加または減少するように、アクチュエータ56を駆動する。これにより、集合ダンパー63の実際の開度が設定値に近づけられる。
集合ダンパー63の開度が増加または減少すると、集合ダンパー63の流路面積および排気抵抗(圧力損失)が変化する。したがって、集合ダンパー63の開度が増加または減少すると、集合排気ダクト62内の排気圧および排気流量が変化する。そのため、制御装置4は、開度の設定値を集合制御装置64に送ることにより、集合排気ダクト62内の実際の排気圧および排気流量を目標とする排気圧および排気流量に近づけることができる。
図5に示すように、制御装置4は、コンピュータ本体67と、コンピュータ本体67に接続された周辺装置68とを含む。コンピュータ本体67は、各種の命令を実行するCPU69(central processing unit:中央処理装置)と、情報を記憶する主記憶装置70とを含む。周辺装置68は、プログラム等の情報を記憶する補助記憶装置71と、リムーバブルメディアMから情報を読み取る読取装置72と、ホストコンピュータHC等の外部装置と通信する通信装置73と、を含む。
図5に示すように、コンピュータ本体67は、補助記憶装置71、読取装置72、および通信装置73のそれぞれに接続されている。コンピュータ本体67は、さらに、インデクサロボットIRや処理ユニット3等の各装置に接続されている。コンピュータ本体67は、補助記憶装置71等のそれぞれと情報のやり取りを行う。CPU69は、補助記憶装置71に記憶されているプログラムPや、読取装置72によってリムーバブルメディアMから読み取られたプログラムPを実行する。補助記憶装置71内のプログラムは、制御装置4に予めインストールされたものであってもよいし、読取装置72を通じてリムーバブルメディアMから補助記憶装置71に送られたものであってもよいし、通信装置73を通じて外部装置から補助記憶装置71に送られたものであってもよい。
補助記憶装置71は、電力が供給されていなくても記憶を保持する不揮発性メモリーである。補助記憶装置71は、たとえば、ハードディスクドライブ等の磁気記憶装置である。補助記憶装置71は、磁気記憶装置以外の不揮発性メモリーであってもよい。図5に示すように、レシピ74、設定値変更条件75、元圧変更条件76、およびテーブル77は、補助記憶装置71に格納されている。テーブル77は、点数表78および分類表79を含む。
リムーバブルメディアMは、電力が供給されていなくても記憶を保持する不揮発性メモリーである。リムーバブルメディアMは、たとえば、コンパクトディスクなどの光ディスクまたはメモリーカードなどの半導体メモリーである。リムーバブルメディアMは、光ディスクおよび半導体メモリー以外の不揮発性メモリーであってもよい。リムーバブルメディアMは、プログラムPが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体の一例である。
図5に示すように、ホストコンピュータHCは、制御装置4と通信を行う。ホストコンピュータHCは、処理すべき基板Wを収容したキャリアC(出発位置)と、処理ユニット3で処理された基板Wを収容すべきキャリアC(目的位置)とを、基板Wごとに制御装置4に指定する。ホストコンピュータHCは、さらに、基板Wに対して行われる一連の工程を示すレシピ74の識別情報を基板Wごとに制御装置4に指定する。
図5に示すように、制御装置4は、複数種類のレシピ74を補助記憶装置71に記憶している。レシピ74は、レシピ識別情報、基板処理条件、および基板処理手順を含む。コンピュータ本体67は、ホストコンピュータHCによって指定されたレシピ74を補助記憶装置71から読み込む。そして、コンピュータ本体67は、指定されたレシピ74に従って当該基板Wを処理ユニット3で処理する処理スケジュールを作成する。その後、コンピュータ本体67は、インデクサロボットIR、センターロボットCR、および処理ユニット3等の基板処理装置1の制御対象(リソース)に処理スケジュールを実行させる。
図6に示すように、制御装置4は、処理スケジュール作成部80と、処理スケジュール実行部81と、を含む。処理スケジュール作成部80および処理スケジュール実行部81は、制御装置4にインストールされたプログラムをCPU69が実行することにより実現される機能ブロックである。
図11に示すように、処理スケジュール作成部80は、基板Wを処理するときの処理ユニット3の動作を時系列で規定する処理スケジュールを作成する(ステップS11)。処理スケジュール実行部81は、処理スケジュールに従って基板処理装置1のリソースを制御することにより、基板処理装置1のリソースに処理スケジュールを実行させる(ステップS12)
図9は、処理スケジュール作成部80によって作成された処理スケジュールの一例を示している。図9に示す処理スケジュールは以下のように実行される。以下では、図2、図9および図12を参照する。
基板Wが処理ユニット3で処理されるときには、チャンバー5内に基板Wを搬入する搬入工程(ステップS21)が行われる。
具体的には、制御装置4は、遮断板30が退避位置に位置しており、スプラッシュガード16が下位置に位置している状態で、基板Wを保持しているセンターロボットCRのハンドHをチャンバー5内に進入させる。そして、制御装置4は、センターロボットCRを制御することにより、基板Wを複数のチャックピン9上に載置させる。その後、制御装置4は、センターロボットCRのハンドHをチャンバー5内から退避させると共に、各チャックピン9を開位置から閉位置に移動させる。これにより、基板Wがスピンチャック8に保持される。その後、制御装置4は、スピンモータ11を制御することにより、基板Wの回転を開始させる。これにより、基板Wが液処理速度で回転軸線A1まわりに回転する。
次に、リンス液の一例である純水を基板Wに供給する第1リンス液供給工程(ステップS22)が行われる。
具体的には、制御装置4は、リンス液ノズル移動ユニット45を制御することにより、リンス液ノズル14を退避位置から処理位置に移動させる。その後、制御装置4は、リンス液バルブ44を開いて、スプラッシュガード16が下位置に位置している状態で、基板Wの上面中央部に向けて純水をリンス液ノズル14に吐出させる。これにより、基板Wの上面全域が純水の液膜で覆われる。リンス液バルブ44が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置4は、リンス液バルブ44を閉じて、リンス液ノズル14からの純水の吐出を停止させる。その後、制御装置4は、リンス液ノズル移動ユニット45を制御することにより、リンス液ノズル14を基板Wの上方から退避させる。
次に、第1薬液を基板Wに供給する第1薬液供給工程(ステップS23)が行われる。
具体的には、制御装置4は、第1薬液ノズル移動ユニット39を制御することにより、第1薬液ノズル12を退避位置から処理位置に移動させる。制御装置4は、さらに、ガード昇降ユニット29を制御することにより、スプラッシュガード16を下位置から中間位置に移動させる。この状態で、制御装置4は、第1薬液バルブ38を開いて、基板Wの上面中央部に向けて第1薬液を第1薬液ノズル12に吐出させる。これにより、基板W上の純水が第1薬液に置換され、基板Wの上面全域が第1薬液の液膜で覆われる。第1薬液バルブ38が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置4は、第1薬液バルブ38を閉じて、第1薬液ノズル12からの第1薬液の吐出を停止させる。その後、制御装置4は、第1薬液ノズル移動ユニット39を制御することにより、第1薬液ノズル12を基板Wの上方から退避させる。
次に、リンス液の一例である純水を基板Wに供給する第2リンス液供給工程(ステップS24)が行われる。
具体的には、制御装置4は、リンス液ノズル移動ユニット45を制御することにより、リンス液ノズル14を退避位置から処理位置に移動させる。その後、制御装置4は、リンス液バルブ44を開いて、スプラッシュガード16が中間位置に位置している状態で、基板Wの上面中央部に向けて純水をリンス液ノズル14に吐出させる。これにより、基板W上の第1薬液が純水で洗い流され、基板Wの上面全域が純水の液膜で覆われる。リンス液バルブ44が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置4は、リンス液バルブ44を閉じて、リンス液ノズル14からの純水の吐出を停止させる。その後、制御装置4は、リンス液ノズル移動ユニット45を制御することにより、リンス液ノズル14を基板Wの上方から退避させる。
次に、第2薬液を基板Wに供給する第2薬液供給工程(ステップS25)が行われる。
具体的には、制御装置4は、第2薬液ノズル移動ユニット42を制御することにより、第2薬液ノズル13を退避位置から処理位置に移動させる。制御装置4は、さらに、ガード昇降ユニット29を制御することにより、スプラッシュガード16を中間位置から上位置に移動させる。この状態で、制御装置4は、第2薬液バルブ41を開いて、基板Wの上面中央部に向けて第2薬液を第2薬液ノズル13に吐出させる。これにより、基板W上の純水が第2薬液に置換され、基板Wの上面全域が第2薬液の液膜で覆われる。第2薬液バルブ41が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置4は、第2薬液バルブ41を閉じて、第2薬液ノズル13からの第2薬液の吐出を停止させる。その後、制御装置4は、第2薬液ノズル移動ユニット42を制御することにより、第2薬液ノズル13を基板Wの上方から退避させる。
次に、リンス液の一例である純水を基板Wに供給する最終リンス液供給工程としての第3リンス液供給工程(ステップS26)が行われる。
具体的には、制御装置4は、リンス液ノズル移動ユニット45を制御することにより、リンス液ノズル14を退避位置から処理位置に移動させる。その後、制御装置4は、リンス液バルブ44を開いて、スプラッシュガード16が上位置に位置している状態で、基板Wの上面中央部に向けて純水をリンス液ノズル14に吐出させる。これにより、基板W上の第2薬液が純水で洗い流され、基板Wの上面全域が純水の液膜で覆われる。制御装置4は、ガード昇降ユニット29を制御することにより、リンス液ノズル14が純水を吐出している状態で、スプラッシュガード16を上位置から下位置に移動させる。リンス液バルブ44が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置4は、リンス液バルブ44を閉じて、リンス液ノズル14からの純水の吐出を停止させる。その後、制御装置4は、リンス液ノズル移動ユニット45を制御することにより、リンス液ノズル14を基板Wの上方から退避させる。
次に、基板Wを乾燥させる乾燥工程(ステップS27)が行われる。
具体的には、制御装置4は、遮断板昇降ユニット34を制御することにより、遮断板30を退避位置から近接位置に移動させる。制御装置4は、さらに、ガスバルブ35を開いて、遮断板30の下面中央部で開口する中心開口31から窒素ガスを吐出させる。その後、制御装置4は、スピンモータ11を制御することにより、第1リンス液供給工程(ステップS22)から第3リンス液供給工程(ステップS26)までの基板Wの回転速度(液処理速度)よりも大きい乾燥速度(たとえば数千rpm)まで、基板Wの回転を加速させる。これにより、遮断板30が近接位置に位置しており、スプラッシュガード16が下位置に位置している状態で、基板Wが乾燥速度で回転する。
遮断板30が基板Wに近づいている状態で、遮断板30と基板Wとの間の空間に窒素ガスが供給されることにより、遮断板30と基板Wとの間の雰囲気が、遮断板30と基板Wとの間から押し出される。これにより、遮断板30と基板Wとの間の空間が窒素ガスで満たされる。また、基板Wが乾燥速度で回転することにより、大きな遠心力が基板W上の液体に加わり、基板Wに付着している液体が基板Wの周囲に振り切られる。これにより、基板Wから液体が除去され、基板Wが窒素ガス雰囲気中で乾燥する。そして、基板Wの高速回転が開始されてから所定時間が経過すると、制御装置4は、スピンモータ11を制御することにより基板Wの回転速度を低下させると共に、ガスバルブ35を閉じて遮断板30からの窒素ガスの吐出を停止させる。
次に、基板Wをチャンバー5内から搬出する搬出工程(ステップS28)が行われる。
具体的には、制御装置4は、遮断板昇降ユニット34を制御することにより、遮断板30を近接位置から退避位置に移動させる(遮断板30の上昇)。その後、制御装置4は、スピンモータ11を制御することにより、スピンチャック8による基板Wの回転を停止させる。制御装置4は、さらに、各チャックピン9を閉位置から開位置に移動させて、スピンチャック8による基板Wの把持を解除させる。これにより、スピンチャック8による基板Wの保持が解除される。この状態で、制御装置4は、センターロボットCRのハンドHをチャンバー5内に進入させる。そして、制御装置4は、センターロボットCRのハンドHにスピンチャック8上の基板Wを保持させる。その後、制御装置4は、センターロボットCRのハンドHをチャンバー5内から退避させる。これにより、処理済みの基板Wがチャンバー5から搬出される。
このようにして、複数の基板処理工程(処理液供給工程や乾燥工程)が、レシピ74で指定された基板処理条件で、かつレシピ74で指定された基板処理手順で実行される。
図6に示すように、制御装置4は、設定値変更判断部82と、合計値計算部83と、グループ判定部84と、個別排気スケジュール作成部85と、個別排気スケジュール実行部86と、を含む。制御装置4は、さらに、設定値変更条件75およびテーブル77を含む。設定値変更判断部82、合計値計算部83、グループ判定部84、個別排気スケジュール作成部85、および個別排気スケジュール実行部86は、制御装置4にインストールされたプログラムをCPU69が実行することにより実現される機能ブロックである。
図13に示すように、設定値変更判断部82は、処理スケジュール作成部80によって処理スケジュールが作成された後に、後述する設定値変更条件75が処理スケジュールのいずれかの時間において成立するか否かを判断する(ステップS31)。処理スケジュールのいずれかの時間において設定値変更条件75が成立する場合(ステップS31でYesの場合)、合計値計算部83は、処理スケジュールの各時間における点数の合計値をテーブル77に基づいて求める(ステップS32)。グループ判定部84は、合計値計算部83で求められた点数の合計値が複数のグループのいずれに属するかをテーブル77に基づいて求める(ステップS33)。
図13に示すように、個別排気スケジュール作成部85は、処理スケジュールの各時間における個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値(個別ダンパー53の開度の設定値)を規定する個別排気スケジュールを作成する(ステップS34)。個別排気スケジュール実行部86は、個別排気スケジュールに従って個別ダンパー53を制御することにより、処理スケジュールと並行して個別ダンパー53に個別排気スケジュールを実行させる(ステップS35)。
このように、設定値変更判断部82は、処理スケジュールの各時間において設定値変更条件75が成立するか否かを判断する。遮断板30および処理液捕獲部材15は、チャンバー5内を移動可能な可動部材の一例である。設定値変更条件75は、可動部材が原点位置以外の位置に位置している位置条件を含む。
また、第1薬液ノズル12、第2薬液ノズル13、およびリンス液ノズル14のそれぞれは、処理流体を基板Wに供給する処理流体供給ユニットの一例である。設定値変更条件75は、ノズル12〜14の少なくとも一つが処理流体を吐出している処理流体吐出中条件と、第1薬液ノズル12および第2薬液ノズル13の少なくとも一方が薬液の吐出を開始する薬液吐出開始条件と、第1薬液ノズル12および第2薬液ノズル13の少なくとも一方が薬液の吐出を終了する薬液吐出終了条件と、をさらに含む。
設定値変更条件75は、さらに、基板Wが回転している基板回転条件と、遮断板30が動作位置としての近接位置から原点位置としての退避位置に移動する遮断板上昇条件と、を含む。基板回転条件は、基板Wが液処理速度で回転している液処理実行条件と、基板Wが乾燥速度で回転している乾燥実行条件と、を含む。
また、合計値計算部83は、処理スケジュールの各時間における点数の合計値を点数表78に基づいて求める。図7は、処理ユニット3の稼動状況ごとに割り振られた複数の点数が記述された点数表78の一例を示している。
図7に示すように、点数表78は、可動部材の位置ごとに割り振られた複数の点数と、第1薬液ノズル12、第2薬液ノズル13、およびリンス液ノズル14からの処理流体の吐出状態ごとに割り振られた複数の点数と、基板Wの回転状態ごとに割り振られた複数の点数と、を含む。
図7に示すように、遮断板30の退避位置は0点に、遮断板30の近接位置は2点に、それぞれ割り振られている。スプラッシュガード16の下位置は0点に、スプラッシュガード16の中間位置は1点に、スプラッシュガード16の上位置は2点に、それぞれ割り振られている。薬液の吐出中状態は3点に、薬液の吐出停止状態は0点に、それぞれ割り振られている。リンス液の吐出中状態は1点に、リンス液の吐出停止状態は0点に、それぞれ割り振られている。基板Wの回転停止状態は0点に、液処理速度で基板Wが回転している液処理実行状態は1点に、乾燥速度で基板Wが回転している基板Wの乾燥実行状態は2点に割り振られている。
また、グループ判定部84は、合計値計算部83で求められた点数の合計値が複数のグループのいずれに属するかを分類表79に基づいて求める。図8は、合計値計算部83によって求められた点数の合計値をその大きさに応じて3つのグループに分類する分類表79の一例を示している。
図8に示すように、分類表79は、点数の合計値をその大きさに応じて3つのグループに分類する2つのしきい値を含む。図8は、2点と5点とが合計値のしきい値に設定されている例を示している。点数の合計値が0点〜1点のグループは、弱排気グループであり、点数の合計値が2点〜4点のグループは、中排気グループであり、点数の合計値が5点以上のグループは、強排気グループである。
図8に示すように、点数の合計値が0点〜1点の場合、すなわち、弱排気条件が成立する場合、個別ダンパー53の開度の設定値は、弱設定値(基準値)に設定される。つまり、弱排気条件が成立する場合、加算値は0である。
図8に示すように、点数の合計値が2点〜4点の場合、すなわち、中排気条件が成立する場合、個別ダンパー53の開度の設定値は、基準値よりも大きい中設定値に設定される。したがって、中排気条件が成立する場合(点数の合計値が2点〜4点の場合)、個別ダンパー53の開度の設定値は、弱設定値(基準値)に中加算値が加算された値に設定される。
図8に示すように、点数の合計値が5点以上の場合、すなわち、強排気条件が成立する場合、個別ダンパー53の開度の設定値は、中設定値よりも大きい強設定値に設定される。したがって、強排気条件が成立する場合(点数の合計値が5点以上の場合)、個別ダンパー53の開度の設定値は、弱設定値(基準値)に強加算値が加算された値に設定される。強加算値は、中加算値よりも大きい値である。
個別ダンパー53の開度の設定値は、点数の合計値が属するグループに応じて調整される。強排気グループは、個別ダンパー53の開度の設定値が3つのグループのうちで最も大きいグループであり、弱排気グループは、個別ダンパー53の開度の設定値が3つのグループのうちで最も小さいグループである。
処理スケジュールのある時間における点数の合計値が、たとえば3点の場合、図8に示すように、グループ判定部84は、点数の合計値が中排気グループに属すると判定する。個別排気スケジュール作成部85は、この時間における個別ダンパー53の開度の設定値が中設定値に設定されるように、個別排気スケジュールを作成する。
また、点数の合計値が3点から4点に変化している場合も、図8に示すように、グループ判定部84は、点数の合計値が中排気グループに属すると判定する。この場合、点数の合計値が変化しているものの、点数の合計値が属するグループが変化していないので(中排気グループのままなので)、個別排気スケジュール作成部85は、点数の合計値が4点の時間における個別ダンパー53の開度の設定値が中設定値に設定されるように、個別排気スケジュールを作成する。
図9は、処理スケジュールの一例に加えて、個別排気スケジュール作成部85によって作成された個別排気スケジュールの一例を示している。
予定時刻T1では、遮断板30およびスプラッシュガード16をそれぞれ退避位置および下位置に位置させるように計画されており、可動部材が原点位置以外の位置に位置していることを要求する位置条件が成立していない。しかし、予定時刻T1では、液処理速度で基板Wを回転させるように計画されており、基板回転条件が成立する。したがって、予定時刻T1では設定値変更条件75が成立している。
予定時刻T0から予定時刻T1までの期間は、点数の合計値が2未満であり、点数の合計値が弱排気グループに属しているので、この期間の個別ダンパー53の開度が弱設定値(基準値)に設定されるように計画される。
予定時刻T2では、液処理速度で基板Wを回転させると共に、純水を吐出させるように計画されている。したがって、予定時刻T2では、基板回転条件(液処理実行条件)と処理流体吐出中条件とが成立している。
予定時刻T1から予定時刻T2までの期間は、点数の合計値が2点であり、点数の合計値が中排気グループに属しているので、この期間の個別ダンパー53の開度が中設定値に設定されるように計画される。
予定時刻T2から予定時刻T3までの期間は、第1薬液の吐出による加算を除けば、点数の合計値が5点未満(2点)であり、本来であれば、点数の合計値が中排気グループに分類される。しかし、予定時刻T3に第1薬液の吐出が開始されるので(薬液吐出条件の成立)、予定時刻T2から予定時刻T3までの期間も第1薬液を吐出するとみなして、つまり、この期間では第1薬液の吐出が計画されていないが、図10に太線で示すように第1薬液の吐出を計画しているとみなして、第1薬液の吐出中状態に割り振られた3点が加算される。そのため、この期間の点数の合計値が強排気グループに属するとみなされ、個別ダンパー53の開度が強設定値に設定されるように計画される。
予定時刻T3から予定時刻T4までの期間では、液処理速度で基板Wを回転させると共に、第1薬液を吐出させるように計画されている。したがって、この期間では、基板回転条件と処理流体吐出中条件とが成立している。さらに、この期間では、スプラッシュガード16を中間位置に位置させるように計画されている。したがって、この期間では、スプラッシュガード16に係る位置条件も成立している。この期間の点数の合計値は5点以上であるので、個別ダンパー53の開度が強設定値に設定されるように計画される。
予定時刻T4から予定時刻T5までの期間は、予定時刻T2から予定時刻T3までの期間と同様に、第1薬液の吐出による加算を除けば、点数の合計値が2点〜4点の範囲内(3点)であり、本来であれば、点数の合計値が中排気グループに分類される。しかし、予定時刻T4に第1薬液の吐出が停止されるので(薬液吐出終了条件の成立)、予定時刻T4から予定時刻T5までの期間も第1薬液を吐出するとみなして、第1薬液の吐出中状態に割り振られた3点が加算される。そのため、この期間の点数の合計値が強排気グループに属するとみなされ、個別ダンパー53の開度が強設定値に設定されるように計画される。
予定時刻T5から予定時刻T6までの期間と、予定時刻T7から予定時刻T8までの期間とについても、前述の第1薬液の吐出開始および吐出終了と同様に、第2薬液が吐出されるとみなして、第2薬液の吐出中状態に割り振られた3点が加算される。そのため、これらの期間の点数の合計値は強排気グループに属するとみなされ、個別ダンパー53の開度が強設定値に設定されるように計画される。
予定時刻T6から予定時刻T7までの期間では、予定時刻T3から予定時刻T4までの期間と同様に、基板回転条件(液処理実行条件)と処理流体吐出中条件と位置条件とが成立している。予定時刻T3から予定時刻T4までの期間では、スプラッシュガード16を中間位置に位置させるように計画されているのに対し、予定時刻T6から予定時刻T7までの期間では、スプラッシュガード16を上位置に位置させるように計画されている。
スプラッシュガード16の上位置は、スプラッシュガード16の中間位置よりも大きい点数が割り振られている。したがって、予定時刻T6から予定時刻T7までの期間の点数の合計値(6点)は、予定時刻T3から予定時刻T4までの期間の点数の合計値(5点)よりも大きい。しかしながら、いずれの期間の合計値も強排気グループに属しているので、個別ダンパー53の開度が強設定値に設定されるように計画される。
予定時刻T9から予定時刻T10までの期間では、乾燥速度で基板Wを回転させる計画されている。したがって、この期間では、基板回転条件(乾燥実行条件)が成立している。さらに、この期間では、遮断板30を近接位置に位置させるように計画されている。したがって、この期間では、遮断板30に係る位置条件も成立している。この期間の点数の合計値は2点〜4点の範囲内(4点)である。したがって、この期間の個別ダンパー53の開度が中設定値に設定されるように計画される。
予定時刻T10から予定時刻T11までの期間では、遮断板30による加算を除けば、点数の合計値が0点〜1点の範囲内(1点)であり、本来であれば、点数の合計値が弱排気グループに分類される。しかし、予定時刻T10で、遮断板30を近接位置から退避位置に上昇させるように計画されているので、遮断板上昇条件が成立している。そのため、予定時刻T10から予定時刻T11までの期間も遮断板30を近接位置に位置させるとみなして、遮断板30の近接位置に割り振られた点数(2点)が加算される。そのため、この期間の点数の合計値が中排気グループに属するとみなされ、個別ダンパー53の開度が中設定値に設定されるように計画される。
個別排気スケジュール作成部85は、このように処理スケジュールを参照しながら、個別排気スケジュールを作成する。個別排気スケジュール実行部86は、個別排気スケジュールに従って個別ダンパー53を制御することにより、個別排気スケジュールが処理スケジュールに同期するように、個別ダンパー53に個別排気スケジュールを実行させる。
図6に示すように、制御装置4は、個別排気スケジュール作成部85および個別排気スケジュール実行部86等に加えて、個別流量計52の検出値に基づいて個別ダンパー53の開度を調整するフィードバック制御を個別排気スケジュールの実行中に行う個別フィードバック実行部87をさらに含んでいてもよい。個別フィードバック実行部87は、制御装置4にインストールされたプログラムをCPU69が実行することにより実現される機能ブロックである。
個別フィードバック実行部87は、個別流量計52の検出値に基づいてチャンバー5の内部から個別排気ダクト51に排出される排気の流量を監視する。そして、個別フィードバック実行部87は、個別排気ダクト51に排出される排気の流量が、個別ダンパー53の開度の設定値に対応付けられた排気流量に近づくように、個別排気スケジュールの実行中に個別ダンパー53の開度を調整する。したがって、制御装置4が、個別フィードバック実行部87をさらに備えている場合には、処理ユニット3から排出される排気の流量をより精密に制御できる。
図6に示すように、制御装置4は、元圧変更判断部88と、集合排気スケジュール作成部89と、集合排気スケジュール実行部90と、を含む。制御装置4は、さらに、元圧変更条件76を含む。元圧変更判断部88、集合排気スケジュール作成部89、および集合排気スケジュール実行部90は、制御装置4にインストールされたプログラムをCPU69が実行することにより実現される機能ブロックである。
図14に示すように、元圧変更判断部88は、個別排気スケジュールが作成された後、複数の個別排気流量調整ユニットのいずれかの排気流量設定値が基準値よりも大きい元圧変更条件76が個別排気スケジュールのいずれかの時間において成立するか否かを判断する(ステップS41)。
図14に示すように、個別排気スケジュールのいずれかの時間において元圧変更条件76が成立する場合(ステップS41でYesの場合)、集合排気スケジュール作成部89は、元圧変更条件76が成立する時間における集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値(集合ダンパー63の開度の設定値)が、全ての個別ダンパー53の開度の設定値が基準値のときの設定値である元圧基準値よりも大きな値に設定されるように、個別排気スケジュールの各時間における集合ダンパー63の開度の設定値を規定する集合排気スケジュールを作成する(ステップS42)。
図14に示すように、集合排気スケジュール実行部90は、集合排気スケジュールに従って集合ダンパー63を制御することにより、個別排気スケジュールと並行して集合ダンパー63に集合排気スケジュールを実行させる(ステップS43)。
図10は、3つの処理ユニット3(第1処理ユニット3、第2処理ユニット3、および第3処理ユニット3)にそれぞれ対応する3つの個別排気スケジュールの一例と、集合排気スケジュール作成部89によって作成された集合排気スケジュールの一例とを示している。基板処理装置1に備えられた処理ユニット3の総数は12台であるが、図10に係る説明では、処理ユニット3の総数が3台であると仮定する。
図10に示すように、予定時刻T20から予定時刻T21までの期間は、各個別ダンパー53の開度の設定値を弱設定値(基準値)に設定するように計画されている。したがって、この期間では元圧変更条件76が成立しない。そのため、集合ダンパー63の開度を元圧基準値に設定するよう計画される。
図10に示すように、予定時刻T21から予定時刻T22までの期間は、いずれかの処理ユニット3(図10では、第1処理ユニット3)に対応する個別ダンパー53の開度の設定値を中設定値に設定するように計画されている。したがって、この期間では元圧変更条件76が成立している。そのため、集合ダンパー63の開度の設定値を元圧基準値よりも大きな値に変更するように計画される。図10は、集合ダンパー63の開度の設定値が弱設定値から中設定値に変更される例を示している。
図10に示すように、予定時刻T22から予定時刻T23までの期間は、各個別ダンパー53の開度の設定値を弱設定値(基準値)に設定するように計画されている。したがって、この期間では元圧変更条件76が成立しない。そのため、集合ダンパー63の開度の設定値を元圧基準値に設定するよう計画される。
集合排気スケジュール作成部89は、このように個別排気スケジュールを参照しながら、集合排気スケジュールを作成する。集合排気スケジュール実行部90は、集合排気スケジュールに従って集合ダンパー63を制御することにより、集合排気スケジュールが個別排気スケジュールに同期するように、集合ダンパー63に集合排気スケジュールを実行させる。
図6に示すように、制御装置4は、集合排気スケジュール作成部89および集合排気スケジュール実行部90等に加えて、若しくは、集合排気スケジュール作成部89および集合排気スケジュール実行部90等に代えて、集合流量計65の検出値に基づいて集合ダンパー63の開度を調整するフィードバック制御を行う集合フィードバック制御実行部91をさらに含んでいてもよい。集合フィードバック制御実行部91は、制御装置4にインストールされたプログラムをCPU69が実行することにより実現される機能ブロックである。
集合フィードバック制御実行部91は、集合流量計65の検出値に基づいて個別排気ダクト51の内部から集合排気ダクト62に排出される排気の流量を監視する。そして、集合フィードバック制御実行部91は、集合排気ダクト62に排出される排気の流量が、流量基準値(全ての個別ダンパー53の開度の設定値が基準値のときの値)に近づくように、集合ダンパー63の開度を調整する。したがって、制御装置4が集合フィードバック制御実行部91を備えている場合には、集合排気ダクト62内の排気圧が安定するので、各個別排気ダクト51に加わる排気圧の変動を抑制または防止できる。これにより、各処理ユニット3での圧力変動を抑制または防止できる。集合フィードバック制御実行部91によるフィードバック制御は、集合排気スケジュールと並行して実行されてもよいし、集合排気スケジュールが実行されていない期間に実行されてもよい。
各処理ユニット3は、同じ排気源(排気処理設備)に接続されている。各個別ダンパー53の開度は、通常、元圧(排気処理設備の排気圧)が一定であることを前提にして設定される。すなわち、集合排気ダクト62内の排気圧が一定であることを前提にして、各個別ダンパー53の開度が設定される。
いずれかの個別ダンパー53の開度が変わり、その個別ダンパー53に対応する処理ユニット3からの排気流量が変わると、その影響により集合排気ダクト62内の排気圧が変化する場合がある。したがって、残りの処理ユニット3からの排気流量が変化する場合がある。つまり、排気処理設備の吸引力の強さ自体は同じであるが、各処理ユニット3に作用する排気圧が変化し得る。集合排気ダクト62内の排気圧が変化すると、個別ダンパー53の開度が同じであっても、各処理ユニット3から排出される排気流量が変化する。
前述のように、同時期に実行される予定の全ての個別排気スケジュールを参照して集合排気スケジュールを作成し、集合排気スケジュールを実行することにより、集合排気ダクト62内の排気圧の変動を抑えることができる。同様に、集合排気ダクト62内の排気圧に基づいて集合ダンパー63の開度を調整することにより、集合排気ダクト62内の排気圧の変動を抑えることができる。これにより、各処理ユニット3から排出される排気の流量が意図せず変化することを抑制または防止できる。
以上のように本実施形態では、基板Wを処理するときの処理ユニット3の動作を時系列で規定する処理スケジュールが作成される。この処理スケジュールを参照しながら、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値(前述の例では、個別ダンパー53の開度の設定値)を規定する個別排気スケジュールが作成される。そして、処理スケジュールと並行して個別排気スケジュールが実行される。
遮断板30および処理液捕獲部材15は、チャンバー5内を移動可能な可動部材の一例である。設定値変更条件75は、可動部材が原点位置以外の位置に位置している位置条件を含む。処理スケジュールのいずれかの時間において、遮断板30および処理液捕獲部材15のいずれかを原点位置以外の位置に配置するように計画されている場合、すなわち、設定値変更条件75が成立する場合、設定値変更条件75が成立する時間における個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、可動部材が原点位置に位置しているときの設定値(基準値)よりも大きな値に設定されるように計画される。
可動部材が原点位置以外の位置に実際に位置しているとき、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、基準値よりも大きい値に設定される。したがって、チャンバー5内の気体を個別排気ダクト51内に排出する力(排気圧)が強くなる。言い換えると、大気圧よりも低い排気圧(負圧)の絶対値が大きくなる。そのため、処理ユニット3の排気抵抗(圧力損失)が可動部材の位置に応じて増加したとしても、それに応じて排気圧が強くなるので、処理ユニット3から排出される排気の流量の変動を抑えることができる。
さらに、個別排気スケジュールは、処理スケジュールと並行して実行される。つまり、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、処理ユニット3から排出される気体の流量が実際に変化した後に変更されるのではなく、流量の変化が発生する前に調整される。したがって、フィードバック制御が行われる場合よりも排気流量が安定するまでの時間を短縮できる。
個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する個別排気スケジュールは、処理スケジュールに基づいて作成される。同じレシピ74を実行する場合でも、排気流量に影響するパラメータは異なることがある。したがって、個々の処理スケジュールに基づいて個別排気スケジュールを作成することにより、いずれの基板Wの処理でも排気流量を最適化できる。
また本実施形態では、設定値変更条件75が処理流体吐出中条件を含んでいる。したがって、処理流体の一例である処理液を吐出するように計画されている場合にも、チャンバー5内の気体を個別排気ダクト51内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。
処理流体が吐出されている場合(特に、処理液が吐出されている場合)、ミストが処理ユニット3内に発生し易い。ミストが基板Wに付着すると、基板Wが汚染される場合がある。また、ミストが基板Wの汚染原因の一つであるパーティクルに変化し、パーティクルが処理ユニット3内を浮遊する場合がある。したがって、処理流体が実際に吐出されているときに、排気圧を強くすることにより、ミストを処理ユニット3内から効率的に排出でき、ミストの拡散範囲を狭めることができる。そのため、ミストやパーティクルの付着による基板Wの汚染を低減できる。
また本実施形態では、設定値変更条件75が薬液吐出開始条件を含んでいる。したがって、処理流体としての薬液を吐出するように計画されている場合にも、チャンバー5内の気体を個別排気ダクト51内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。薬液が吐出されている場合、薬液のミストが処理ユニット3内に発生し易い。さらに、薬液のミストは、純水などのリンス液のミストよりも基板Wを汚染する可能性が高い。したがって、薬液が実際に吐出されているときに、排気圧を強くすることにより、薬液のミストを処理ユニット3内から効率的に排出でき、ミストの拡散範囲を狭めることができる。そのため、ミストやパーティクルの付着による基板Wの汚染を低減できる。
さらに、薬液吐出開始条件が成立する時間よりも前から、すなわち、薬液の吐出が開始される前から、チャンバー5内の気体を個別排気ダクト51内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。そして、薬液の吐出が継続している間も、排気圧が強くされた状態が維持されるように計画される。したがって、排気圧が強められた状態で薬液の吐出が開始されるので、薬液の吐出直後から薬液のミストを効率的に排出できる。これにより、チャンバー5内における薬液のミストの残留量を低減でき、ミストやパーティクルの付着による基板Wの汚染を低減できる。
また本実施形態では、設定値変更条件75が薬液吐出終了条件を含んでいる。薬液吐出終了条件が成立する時間よりも後、すなわち、薬液の吐出が停止された後も、チャンバー5内の気体を個別排気ダクト51内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。したがって、薬液の吐出停止後にチャンバー5内を浮遊する薬液のミストを確実に排出できる。これにより、チャンバー5内における薬液のミストの残留量を低減でき、ミストやパーティクルの付着による基板Wの汚染を低減できる。
また本実施形態では、設定値変更条件75が基板回転条件を含んでいる。したがって、スピンチャック8が基板Wを回転させるように計画されている場合にも、チャンバー5内の気体を個別排気ダクト51内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。
処理液が付着している基板Wが回転すると、基板Wから処理液が飛散するので、ミストが発生し易い。したがって、基板Wが実際に回転しているときに、排気圧を強くすることにより、ミストを処理ユニット3内から効率的に排出でき、ミストの拡散範囲を狭めることができる。そのため、ミストやパーティクルの付着による基板Wの汚染を低減できる。
また本実施形態では、設定値変更条件75が乾燥実行条件を含んでいる。したがって、基板Wが乾燥速度で回転しているときに、チャンバー5内の気体を個別排気ダクト51内に排出する力(排気圧)が強められる。
乾燥速度は、第1薬液ノズル12、第2薬液ノズル13、およびリンス液ノズル14のいずれかが処理流体を吐出しているときの基板Wの回転速度よりも大きい回転速度である。基板Wの回転速度が増加すると、基板Wに付着している処理液に働く遠心力も増加するので、基板Wから飛散する処理液の量が増加する。したがって、基板Wが乾燥速度で回転しているときは、ミストが発生し易い。そのため、基板Wが乾燥速度で回転しているときに、排気圧を強めることにより、ミストを処理ユニット3内から効率的に排出でき、ミストの拡散範囲を狭めることができる。
また本実施形態では、設定値変更条件75が遮断板上昇条件を含んでいる。したがって、遮断板30を上方に移動させるように計画されている場合にも、チャンバー5内の気体を個別排気ダクト51内に排出する力(排気圧)を強めるように計画される。
遮断板30が遮断板動作位置としての近接位置から遮断板原点位置としての退避位置に上昇すると、遮断板30が基板Wから離れ、遮断板30と基板Wとの間隔が広がる。遮断板30の上昇速度が大きいと、遮断板30と基板Wとの間の気圧が低下し、チャンバー5内の雰囲気が遮断板30と基板Wとの間に吸い込まれる。そのため、基板Wの周囲を浮遊するミストやパーティクルが基板Wに付着するおそれがある。
遮断板30の上昇速度を低下させれば、負圧の発生による雰囲気の吸い込みが低減されると考えられる。しかしながら、遮断板30の上昇速度が遅いと、基板Wの処理に要する時間が増加するので、基板処理装置1のスループット(単位時間あたりの基板Wの処理枚数)が減少するおそれがある。
遮断板30と基板Wとの間隔が広がるときに排気圧を強くすれば、基板Wの周囲の雰囲気が個別排気ダクト51の方に強制的に吸い寄せられるので、遮断板30と基板Wとの間への雰囲気の進入が抑制される。したがって、遮断板30の上昇速度を低下させずに、基板Wの周囲の雰囲気が基板Wに接触することを抑制または防止できる。そのため、スループットを維持しながら、基板Wの汚染を低減できる。
また本実施形態では、複数の点数を含むテーブル77が制御装置4の補助記憶装置71に記憶されている。複数の点数は、処理ユニット3の稼動状況ごとに割り振られている。具体的には、テーブル77は、可動部材の原点位置および動作位置にそれぞれ割り振られた複数の点数と、処理流体の吐出中状態および吐出停止状態にそれぞれ割り振られた複数の点数と、を含む。
処理スケジュールのいずれかの時間において設定値変更条件75が成立する場合、処理スケジュールの各時間における点数の合計値が計算される。そして、処理スケジュールの各時間における個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、点数の合計値の大きさに応じて基準値よりも大きな値に設定されるように計画される。したがって、チャンバー5内の気体を個別排気ダクト51内に排出する力(排気圧)は、処理ユニット3の稼動状況に応じて調整される。そのため、チャンバー5内の気流を理想的な状態に近づけることができる。
また本実施形態では、制御装置4の補助記憶装置71に記憶されたテーブル77は、可動部材の位置ごとに割り振られた複数の点数と、処理流体の吐出状態ごとに割り振られた複数の点数と、に加えて、基板Wの回転中状態および回転停止状態にそれぞれ割り振られた複数の点数を含む。したがって、チャンバー5内の気体を個別排気ダクト51内に排出する力(排気圧)は、基板Wの回転状態をも考慮した大きさに調整される。そのため、チャンバー5内の気流を理想的な状態に近づけることができる。
また本実施形態では、制御装置4の補助記憶装置71に記憶されたテーブル77は、リンス液の吐出中状態に対して割り振られたリンス液の点数と、薬液の吐出中状態に対して割り振られた薬液の点数と、を含んでいる。薬液の点数は、リンス液の点数よりも大きい。したがって、処理ユニット3の他の稼動状況が同じであれば、薬液が吐出されているときの点数の合計値は、リンス液が吐出されているときの点数の合計値よりも大きい。
前述のように、処理スケジュールの各時間における個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、点数の合計値の大きさに応じて基準値よりも大きな値に設定されるように計画される。点数の合計値が大きければ、チャンバー5内の気体を個別排気ダクト51内に排出する力(排気圧)が強いので、チャンバー5内の気体が確実に排出される。
薬液のミストは、純水などのリンス液のミストよりも基板Wを汚染する可能性が高い。したがって、薬液が実際に吐出されているときに、排気圧を強くすることにより、薬液のミストを処理ユニット3内から効率的に排出でき、ミストの拡散範囲を狭めることができる。そのため、ミストやパーティクルの付着による基板Wの汚染を低減できる。
また本実施形態では、点数の合計値を複数のグループに分類する一つ以上のしきい値が、制御装置4の補助記憶装置71に記憶されたテーブル77に含まれている。点数の合計値が複数のグループのいずれに属するかは、テーブル77の分類表79に基づいて求められる。
処理スケジュールの各時間における点数の合計値が異なる場合でも、グループが共通であれば、このグループに割り振られた加算値が、個別排気流量調整ユニットの基準値に加えられる。言い換えると、点数の合計値が変わったとしても、合計値が属するグループが同じであれば、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値は変わらない。したがって、点数の合計値が変化するたびに排気の強さを変更する場合よりも、制御の複雑化を防止できる。
また本実施形態では、複数の処理ユニット3内の気体が、それぞれ、複数の個別排気ダクト51に排出される。各個別排気ダクト51内を排気処理設備に向かって下流側に流れる排気は、集合排気ダクト62内に排出される。排気処理設備に向かって集合排気ダクト62内を流れる排気の流量は、集合排気流量調整ユニットとしての集合ダンパー63によって調整される。
集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値(集合ダンパー63の開度の設定値)を規定する集合排気スケジュールは、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値(個別ダンパー53の開度の設定値)を規定する個別排気スケジュールを参照しながら作成される。そして、個別排気スケジュールと並行して集合排気スケジュールが実行される。
個別排気スケジュールのいずれかの時間において、いずれかの個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が基準値よりも大きい元圧変更条件76が成立する場合、元圧変更条件76が成立する時間における集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、各個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が基準値であるときの設定値(元圧基準値)よりも大きな値に設定されるように計画される。
いずれかの個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が基準値よりも大きいと、集合排気ダクト62内の排気圧が低下し、この排気圧の低下の影響が他の処理ユニット3に及ぶ場合がある。したがって、集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値を元圧基準値よりも大きくすることにより、他の処理ユニット3から排出される排気の流量の減少を抑制または防止できる。これにより、他の処理ユニット3での圧力変動を抑制または防止できる。
さらに、集合排気スケジュールは、個別排気スケジュールと並行して実行される。つまり、集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値は、集合排気ダクト62内を流れる排気の流量が実際に変化した後に変更されるのではなく、流量の変化が発生する前に調整される。したがって、フィードバック制御が行われる場合よりも排気流量が安定するまでの時間を短縮できる。
また本実施形態では、個別排気ダクト51に向かってチャンバー5の内部を流れる気体の流路が、可動部材としての遮断板30および処理液捕獲部材15によってチャンバー5内に形成されている。したがって、遮断板30および処理液捕獲部材15の少なくとも一方がチャンバー5内を移動すると、流路の形状が変化するので、処理ユニット3の排気抵抗が変化する。そのため、個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値(個別ダンパー53の開度の設定値)を、遮断板30および処理液捕獲部材15の位置に応じて変更することにより、処理ユニット3から排出される気体の流量を安定させることができる。
本発明の実施形態の説明は以上であるが、本発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の実施形態では、設定値変更条件75は、位置条件以外に、処理流体吐出中条件、薬液吐出開始条件、薬液吐出終了条件、基板回転条件、および遮断板上昇条件を含む場合について説明した。しかし、薬液吐出開始条件、薬液吐出終了条件、基板回転条件、および遮断板上昇条件の少なくとも一つが、設定値変更条件75から除外されてもよい。
また図4に示すように、前述の実施形態において、排出ユニット46は、集合ダンパー63に加えて、集合排気ダクト62の下流端に向けて気体を送ることにより集合排気ダクト62内の排気圧を強めるブロワ66を備えていてもよい。集合ダンパー63およびブロワ66は、いずれも、排気処理設備に向かって集合排気ダクト62内を流れる排気の流量を調整する集合排気流量調整ユニットの一例である。
ブロワ66は、集合ダンパー63よりも下流側で集合排気ダクト62に接続されている。制御装置4は、ブロワ66を制御することにより、送風状態(オン)と送風停止状態(オフ)との間でブロワ66を切り替える。制御装置4は、ブロワ66のオン/オフに加えて、ブロワ66の送風流量を変更してもよい。ブロワ66は、集合排気ダクト62内を下流側(排気処理設備の方)に流れる気流を形成する。したがって、ブロワ66の送風中は、集合排気ダクト62内の気体を集合排気ダクト62の下流側に移動させる力が、排気処理設備とブロワ66とによって形成され、集合排気ダクト62内の排気圧が高められる。そのため、制御装置4は、ブロワ66を制御することにより、集合排気ダクト62内の排気圧および排気流量を変化させることができる。
送風状態と送風停止状態との間でブロワ66が切り替えられると、集合排気ダクト62内を流れる排気の流量が調整される。同様に、集合ダンパー63の開度が変更されると、集合排気ダクト62内を流れる排気の流量が調整される。したがって、制御装置4の集合排気スケジュール作成部89は、集合ダンパー63の開度調整とブロワ66の切り替えとの少なくとも一方を行うように、集合排気スケジュールを作成してもよい。同様に、制御装置4の集合フィードバック制御実行部91は、集合流量計65の検出値に基づいて、集合ダンパー63およびブロワ66の少なくとも一方を制御してもよい。
ブロワ66が送風を行うと、集合排気ダクト62内の気体がブロワ66によって強制的に排出されるので、集合排気ダクト62内の排気圧が高まる(排気圧の絶対値が大きくなる)。したがって、排気設備の吸引力が十分でない場合でも、ブロワ66を作動させることにより、集合排気ダクト62内の排気圧を一定の圧力に保つことができる。これにより、各処理ユニット3での圧力変動を抑制または防止できる。
また前述の実施形態において、排出ユニット46は、個別ダンパー53に加えて若しくは個別ダンパー53に代えて、個別排気ダクト51内の気体を集合排気ダクト62に排出する排気ポンプ(個別ポンプ)を備えていてもよい。この場合、制御装置4の個別排気スケジュール作成部85は、個別ダンパー53の開度調整と排気ポンプの出力調整との少なくとも一方を行うように、個別排気スケジュールを作成してもよい。同様に、制御装置4の個別フィードバック実行部87は、個別流量計52の検出値に基づいて、個別ダンパー53および排気ポンプの少なくとも一方を制御してもよい。
また前述の実施形態では、基板保持ユニットとしてのスピンチャック8が、基板Wを保持しながら回転させる場合について説明した。しかし、基板保持ユニットは、基板Wと共に回転可能なスピンベース10に代えて、基板Wの下面を支持する回転不能な保持ベースを備えていてもよい。
また前述の実施形態では、処理ユニット3の稼動状況ごとに割り振られた複数の点数に基づいて点数の合計値を求め、点数の合計値の大きさに応じて個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が基準値よりも大きな値に設定されるように、個別排気スケジュールを作成する場合について説明した。つまり、基準値に加算される加算値が、点数の合計値の大きさに応じて変更される場合について説明した。しかし、設定値変更条件75が成立する場合には、点数の合計値を求めずに、一定の値を基準値に加算してもよい。
また前述の実施形態では、点数の合計値が複数のグループ(弱排気グループ、中排気グループ、および強排気グループ)のいずれに属するかを判断し、属するグループに割り振られた加算値を基準値に加える場合について説明した。つまり、点数の合計値が異なっていても、属するグループが同じであれば、同じ大きさの加算値が基準値に加えられる場合について説明した。しかし、点数の合計値ごとに加算値が変更されてもよい。
また前述の実施形態では、基板処理装置1が、円板状の基板を処理する装置である場合について説明した。しかし、基板処理装置1は、液晶表示装置用基板などの多角形の基板を処理する装置であってもよい。
また、前述の全ての実施形態のうちの2つ以上が組み合わされてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 :基板処理装置
3 :処理ユニット
4 :制御装置
5 :チャンバー
8 :スピンチャック
12 :第1薬液ノズル
13 :第2薬液ノズル
14 :リンス液ノズル
15 :処理液捕獲部材
16 :スプラッシュガード
22 :カップ
30 :遮断板
46 :排出ユニット
51 :個別排気ダクト
52 :個別流量計
53 :個別ダンパー
62 :集合排気ダクト
63 :集合ダンパー
65 :集合流量計
66 :ブロワ
69 :CPU
70 :主記憶装置
71 :補助記憶装置
72 :読取装置
73 :通信装置
74 :レシピ
75 :設定値変更条件
76 :元圧変更条件
77 :テーブル
78 :点数表
79 :分類表
80 :処理スケジュール作成部
81 :処理スケジュール実行部
82 :設定値変更判断部
83 :合計値計算部
84 :グループ判定部
85 :個別排気スケジュール作成部
86 :個別排気スケジュール実行部
87 :個別フィードバック実行部
88 :元圧変更判断部
89 :集合排気スケジュール作成部
90 :集合排気スケジュール実行部
91 :集合フィードバック制御実行部
M :リムーバブルメディア
P :プログラム
W :基板

Claims (18)

  1. 複数枚の基板を一枚ずつ処理する処理ユニットと、
    前記処理ユニットから気体を排出する排気ユニットと、
    前記処理ユニットおよび排気ユニットを制御するコンピュータとしての制御装置と、を備え、
    前記処理ユニットは、
    内部空間を有するチャンバーと、
    前記チャンバー内で基板を保持する基板保持ユニットと、
    前記基板保持ユニットに保持されている基板に処理流体を供給する処理流体供給ユニットと、
    互いに離れた位置である原点位置および動作位置の間で前記チャンバー内を移動可能な可動部材と、を含み、
    前記排気ユニットは、
    前記チャンバーから排出された気体を排気処理設備に向けて案内する個別排気ダクトと、
    前記排気処理設備に向かって前記個別排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する個別排気流量調整ユニットと、を含み、
    前記制御装置は、
    基板を処理するときの前記処理ユニットの動作を時系列で規定する処理スケジュールを作成する処理スケジュール作成ステップと、
    前記処理スケジュール作成ステップで作成された前記処理スケジュールの各時間において、前記可動部材が前記原点位置以外の位置に位置している位置条件を含む設定値変更条件が成立するか否かを判断する設定値変更判断ステップと、
    前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が、前記可動部材が前記原点位置に位置しているときの設定値である基準値よりも大きな値に設定されるように、前記処理スケジュールの各時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する個別排気スケジュールを作成する個別排気スケジュール作成ステップと、
    前記処理スケジュールと並行して前記個別排気スケジュールを実行する個別排気スケジュール実行ステップと、を実行する、基板処理装置。
  2. 前記設定値変更条件は、前記処理流体供給ユニットが処理流体を吐出している処理流体吐出中条件をさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記処理流体供給ユニットは、処理流体としての薬液を前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて吐出する薬液ノズルを含み、
    前記設定値変更条件は、前記薬液ノズルが薬液の吐出を開始する薬液吐出開始条件をさらに含み、
    前記個別排気スケジュール作成ステップは、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値よりも大きな値に設定されると共に、前記薬液吐出開始条件が成立する時間よりも前から前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値よりも大きな値に設定されるように、前記個別排気スケジュールを作成するステップを含む、請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記処理流体供給ユニットは、処理流体としての薬液を前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて吐出する薬液ノズルを含み、
    前記設定値変更条件は、前記薬液ノズルが薬液の吐出を終了する薬液吐出終了条件をさらに含み、
    前記個別排気スケジュール作成ステップは、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値よりも大きな値に設定されると共に、前記薬液吐出開始条件が成立する時間よりも後まで前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値よりも大きな値に設定されるように、前記個別排気スケジュールを作成するステップを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  5. 前記基板保持ユニットは、前記チャンバー内で基板を保持しながら回転させるスピンチャックを含み、
    前記設定値変更条件は、基板が回転している基板回転条件をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記基板回転条件は、前記処理流体供給ユニットが処理流体を吐出しているときの基板の回転速度よりも大きい乾燥速度で、基板が回転している乾燥実行条件を含む、請求項5に記載の基板処理装置。
  7. 前記可動部材は、前記基板保持ユニットの上方の遮断板原点位置と前記遮断板原点位置と前記基板保持ユニットとの間の遮断板動作位置との間で、前記チャンバー内を移動可能な遮断板を含み、
    前記設定値変更条件は、前記遮断板が前記遮断板動作位置から前記遮断板原点位置に移動する遮断板上昇条件をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記制御装置は、前記可動部材の位置ごとに割り振られた複数の点数と、前記処理流体供給ユニットからの処理流体の吐出状態ごとに割り振られた複数の点数と、を含むテーブルが記憶された記憶装置を含み、
    前記制御装置は、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合に、前記処理スケジュールの各時間における点数の合計値を前記テーブルに基づいて求める合計値計算ステップをさらに実行し、
    前記個別排気スケジュール作成ステップは、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が、前記合計値の大きさに応じて前記基準値よりも大きな値に設定されるように、前記個別排気スケジュールを作成するステップを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  9. 前記基板保持ユニットは、前記チャンバー内で基板を保持しながら回転させるスピンチャックを含み、
    前記テーブルは、基板の回転状態ごとに割り振られた複数の点数をさらに含む、請求項8に記載の基板処理装置。
  10. 前記処理流体供給ユニットからの処理流体の吐出状態ごとに割り振られた前記複数の点数は、処理流体としてのリンス液が吐出されている状態に対して割り振られたリンス液の点数と、処理流体としての薬液が吐出されている状態に対して割り振られており、前記リンス液の点数よりも大きい薬液の点数と、を含む、請求項8または9に記載の基板処理装置。
  11. 前記テーブルは、点数の合計値を、点数の合計値の大きさに応じて、大きさがそれぞれ異なる複数の加算値がそれぞれ割り振られた複数のグループに分類する一つ以上のしきい値を含み、
    前記制御装置は、前記合計値計算ステップで求められた点数の合計値が前記複数のグループのいずれに属するかを前記テーブルに基づいて求めるグループ判定ステップをさらに実行し、
    前記個別排気スケジュール作成ステップは、前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が、前記基準値よりも、前記合計値計算ステップで求められた点数の合計値が属する前記グループに割り振られた前記加算値だけ大きくなるように、前記個別排気スケジュールを作成するステップを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  12. 前記基板処理装置は、複数の前記処理ユニットを含み、
    前記排気ユニットは、
    前記複数の前記処理ユニットにそれぞれ対応しており、前記複数の前記処理ユニットの前記チャンバーから排出された気体を前記排気処理設備に向けて案内する複数の前記個別排気ダクトと、
    前記複数の前記個別排気ダクトにそれぞれ対応しており、前記排気処理設備に向かって前記複数の前記個別排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する複数の前記個別排気流量調整ユニットと、
    前記複数の前記個別排気ダクトのそれぞれが接続された集合排気ダクトと、
    前記排気処理設備に向かって前記集合排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する集合排気流量調整ユニットと、を含み、
    前記制御装置は、
    前記個別排気スケジュール作成ステップで作成された前記個別排気スケジュールの各時間において、前記複数の前記個別排気流量調整ユニットのいずれかの排気流量設定値が前記基準値よりも大きい元圧変更条件が成立するか否かを判断する元圧変更判断ステップと、
    前記個別排気スケジュールのいずれかの時間において前記元圧変更条件が成立する場合、前記元圧変更条件が成立する時間における前記集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値が、各個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値のときの設定値である元圧基準値よりも大きな値に設定されるように、前記個別排気スケジュールの各時間における前記集合排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する集合排気スケジュールを作成する集合排気スケジュール作成ステップと、
    前記個別排気スケジュールと並行して前記集合排気スケジュールを実行する集合排気スケジュール実行ステップと、をさらに実行する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  13. 前記基板処理装置は、複数の前記処理ユニットを含み、
    前記排気ユニットは、
    前記複数の前記処理ユニットにそれぞれ対応しており、前記複数の前記処理ユニットの前記チャンバーから排出された気体を前記排気処理設備に向けて案内する複数の前記個別排気ダクトと、
    前記複数の前記個別排気ダクトにそれぞれ対応しており、前記排気処理設備に向かって前記複数の前記個別排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する複数の前記個別排気流量調整ユニットと、
    前記複数の前記個別排気ダクトのそれぞれが接続された集合排気ダクトと、
    前記排気処理設備に向かって前記集合排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する集合排気流量調整ユニットと、
    前記排気処理設備に向かって前記集合排気ダクト内を流れる排気の流量を検出する集合流量計と、を含み、
    前記制御装置は、前記集合流量計の検出値に基づいて求められた前記集合排気ダクト内の排気流量が、各個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が前記基準値のときの値である流量基準値に近づくように、前記集合排気流量調整ユニットを制御する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  14. 前記集合排気流量調整ユニットは、前記集合排気ダクトを開閉する集合ダンパーと、前記排気処理設備に向かって流れる気流を前記集合排気ダクト内に形成するブロワと、の少なくとも一つを含む、請求項12または13に記載の基板処理装置。
  15. 前記可動部材は、前記個別排気ダクトに向かって前記チャンバーの内部を流れる気体の流路を前記チャンバー内に形成している、請求項1〜14のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  16. 前記可動部材は、前記基板保持ユニットの上方の遮断板原点位置と前記遮断板原点位置と前記基板保持ユニットとの間の遮断板動作位置との間で前記チャンバー内を移動可能な遮断板と、前記基板保持ユニットに保持されている基板よりも下方のガード原点位置と前記基板保持ユニットに保持されている基板の周囲に位置するガード動作位置との間で前記チャンバー内を移動可能なスプラッシュガードと、の少なくとも一方を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  17. 複数枚の基板を一枚ずつ処理する処理ユニットと、前記処理ユニット内の気体を排出する排気ユニットと、前記処理ユニットおよび排気ユニットを制御するコンピュータとしての制御装置と、を備える基板処理装置の前記制御装置によって実行される基板処理装置の制御方法において、
    前記処理ユニットは、
    内部空間を有するチャンバーと、
    前記チャンバー内で基板を保持する基板保持ユニットと、
    前記基板保持ユニットに保持されている基板に処理流体を供給する処理流体供給ユニットと、
    互いに離れた位置である原点位置および動作位置の間で前記チャンバー内を移動可能な可動部材と、を含み、
    前記排気ユニットは、
    前記チャンバーから排出された気体を排気処理設備に向けて案内する個別排気ダクトと、
    前記排気処理設備に向かって前記個別排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する個別排気流量調整ユニットと、を含み、
    前記基板処理装置の制御方法は、
    基板を処理するときの前記処理ユニットの動作を時系列で規定する処理スケジュールを作成する処理スケジュール作成ステップと、
    前記処理スケジュール作成ステップで作成された前記処理スケジュールの各時間において、前記可動部材が前記原点位置以外の位置に位置している位置条件を含む設定値変更条件が成立するか否かを判断する設定値変更判断ステップと、
    前記処理スケジュールのいずれかの時間において前記設定値変更条件が成立する場合、前記設定値変更条件が成立する時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値が、前記可動部材が前記原点位置に位置しているときの設定値である基準値よりも大きな値に設定されるように、前記処理スケジュールの各時間における前記個別排気流量調整ユニットの排気流量設定値を規定する個別排気スケジュールを作成する個別排気スケジュール作成ステップと、
    前記処理スケジュールと並行して前記個別排気スケジュールを実行する個別排気スケジュール実行ステップと、を含む、基板処理装置の制御方法。
  18. 請求項17に記載の基板処理装置の制御方法に係る基板処理装置の制御装置によって実行されるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体において、
    コンピュータとしての前記制御装置に前記基板処理装置の制御方法を実行させるようにステップ群が組み込まれたコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
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