JP2009246007A - プラズマ処理方法およびプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理方法およびプラズマ処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ処理の単位時間当たりの処理量の安定化を図り、これによりワークに目的とする所定の処理量でプラズマ処理を施すことができるプラズマ処理方法およびプラズマ処理装置を提供すること。
【解決手段】本発明のプラズマ処理方法は、対向配置された一対の電極間にワーク10を位置させ、ワーク10の被処理面101に処理ガスを供給するとともに、一対の電極間に電圧を印加し、それにより処理ガスを活性化させてプラズマを発生させ、被処理面101に対してプラズマ発生領域Sを走査することにより、被処理面101の内側に設定された有効領域101aにエッチングを施す際に、プラズマ発生領域Sが、被処理面101の有効領域101aの外側に設定された非有効領域101bに滞在するときのみ、プラズマ発生領域S近傍を排気することによって、エッチングレートの安定化を図る。
【選択図】図4

Description

本発明は、プラズマ処理方法およびプラズマ処理装置に関するものである。
材料の表面を加工する方法の1つとして、高周波電圧を印加した電極間に反応ガスを含む処理ガスを供給し、反応ガスに基づくラジカルを発生させ、該ラジカルとワークとのラジカル反応によって生成された生成物質を除去することで加工を行う、いわゆるプラズマChemical Vaporization Machining(以下、「プラズマCVM」と略す。)が知られている。
このようなプラズマCVMでは、電極をワークに対して2次元的に走査して、電極とワークとを相対的に移動し、互いの位置関係を変化させながらワークの被処理面に対しエッチングする方法が行われている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、プラズマCVMでは、エッチングの進行とともにエッチングレートが経時的に大きく変化してしまうことが問題となっている。このようにエッチングレートが不安定であると、エッチング量を厳密に制御することが困難となり、ワークを所望の形状に加工することができない。
特開2001−176844号公報
本発明の目的は、プラズマ処理の単位時間当たりの処理量の安定化を図り、これによりワークに目的とする所定の処理量でプラズマ処理を施すことができるプラズマ処理方法およびプラズマ処理装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のプラズマ処理方法は、対向配置された一対の電極間にワークを位置させ、前記ワークの被処理面に処理ガスを供給するとともに、前記一対の電極間に電圧を印加し、それにより前記処理ガスを活性化させてプラズマを発生させ、前記プラズマが発生しているプラズマ発生領域と前記ワークとを相対的に移動することにより、前記被処理面の有効領域を処理するとともに、前記プラズマ処理により生じた反応生成物を必要時に排気するプラズマ処理方法であって、
前記プラズマ発生領域が、前記被処理面の前記有効領域に対する前記プラズマ処理の開始から終了までの間に、前記被処理面の前記有効領域以外の非有効領域を少なくとも1回通過するよう、前記プラズマ発生領域と前記ワークとを相対的に移動し、
前記プラズマ発生領域が前記有効領域に位置するときの単位時間当たりの前記排気量が、前記プラズマ発生領域が前記非有効領域に位置するときの単位時間当たりの前記排気量に比べて小さくなるようにしたことを特徴とする。
これにより、プラズマ処理の単位時間当たりの処理量の安定化を図り、これによりワークに目的とする所定の処理量でプラズマ処理を施すことができる。
本発明のプラズマ処理方法では、前記プラズマ発生領域が前記有効領域に位置している間、前記単位時間当たりの排気量を実質的に0にすることが好ましい。
これにより、プラズマ発生領域が有効領域に位置している間、プラズマ処理の単位時間当たりの処理量を、比較的高く維持することができる。
本発明のプラズマ処理方法では、前記プラズマ発生領域が定期的に前記非有効領域を通過し、かつ、定期的に前記プラズマ処理により生じた反応生成物を排気することが好ましい。
これにより、前記反応生成物を間欠的に排気することとなり、プラズマ処理の単位時間当たりの処理量が低下と回復とを繰り返すこととなる。その結果、前記単位時間当たりの処理量が著しく低下するのを防止し、プラズマ発生領域が有効領域に位置しているときの前記単位時間当たりの処理量の振れ幅を比較的狭い範囲に抑制することができる。その結果、実際の処理結果を、あらかじめ設定されていた目標処理量により近付けることができる。
本発明のプラズマ処理方法では、前記単位時間当たりの排気量が実質的に0である状態から排気を開始するタイミングは、前記プラズマ発生領域が前記有効領域から前記非有効領域に相対的に移動した直後とすることが好ましい。
これにより、プラズマ発生領域が非有効領域に滞在している間に排気が確実に完了するとともに、プラズマ処理の単位時間当たりの処理量が回復した直後の不安定な処理がなされる範囲が、有効領域にはみ出すのを防止することができる。
本発明のプラズマ処理方法では、前記単位時間当たりの排気量が実質的に0である状態から排気を開始するとき、前記プラズマ発生領域が前記有効領域から前記非有効領域に相対的に移動する直前から前記排気量を徐々に増大させることが好ましい。
これにより、プラズマ発生領域が非有効領域に到達する直前の、プラズマ処理の単位時間当たりの処理量の低下を、排気による前記単位時間当たりの処理量の回復作用によって補うことができる。このようにすれば、前記単位時間当たりの処理量のさらなる安定化を図ることができる。
本発明のプラズマ処理方法では、前記プラズマ発生領域が前記有効領域に位置している間において、前記プラズマ処理の処理量の経時的な変化を補うように、前記プラズマ処理条件を調整することが好ましい。
これにより、有効領域をプラズマ処理する際の単位時間当たりの処理量の低下を抑制することができるため、処理精度のさらなる向上を図ることができる。
本発明のプラズマ処理方法では、前記プラズマ処理条件は、前記プラズマ発生領域と前記ワークとを相対的に移動する際の移動速度であることが好ましい。
前記移動速度は、例えばNCステージのような機構によって厳密に制御することが可能であるため、再現性が高い因子である。したがって、この移動速度を適宜設定することにより、ラジカルの濃度を厳密に制御することができ、単位時間当たりの処理量を厳密に制御することができる。
本発明のプラズマ処理方法では、前記非有効領域は、前記被処理面の縁部に設定されていることが好ましい。
被処理面の縁部は、製品化に不適切な要素を含んでいることが多いため、縁部に設定された非有効領域に対して、たとえ処理精度が著しく悪化した処理がなされたとしても、それによる精度の低い処理は、製品化に際して差し支えがなく、結果として、有効領域に対して精度の低い処理がなされるのを避けることができる。
本発明のプラズマ処理方法では、前記プラズマ発生領域は、前記被処理面を往復するとともに、該往復の折り返しで改行するような移動パターンで前記被処理面を走査し、
前記排気は、前記改行の際に行われることが好ましい。
これにより、被処理面の各部がプラズマと接触する時間がほぼ同等になる。その結果、例えば、被処理面の全体を均一の単位時間当たりの処理量で処理する場合には、処理量を高い精度で均一化することができる。
本発明のプラズマ処理方法では、前記ワークは、一部に結晶育成時の種部を含む結晶性材料による基板であり、
前記種部は、前記非有効領域であることが好ましい。
種部は、製品化に不適切な要素を含んでいることが多いため、種部に設定された非有効領域に対して、たとえ処理精度が著しく悪化した処理がなされたとしても、それによる精度の低い処理は、製品化に際して差し支えがなく、結果として、有効領域に対して精度の低い処理がなされるのを避けることができる。
本発明のプラズマ処理方法では、前記種部は細長い形状をなしており、前記プラズマ発生領域は、前記細長い形状の種部に交差するような移動パターンで前記被処理面を走査することが好ましい。
これにより、プラズマ発生領域は、有効領域を往復するたびに、種部を一定の周期で通過することができる。したがって、このような往復パターンによれば、有効領域を連続的に効率よく処理することができ、かつ、非有効領域を頻繁に通過するパターンを容易に設定することができるので、単位時間当たりの処理量の振れ幅をより狭くすることができる。
本発明のプラズマ処理方法では、前記被処理面に対するプラズマ処理は、一筆書きで連続的に行うことが好ましい。
これにより、効率よくプラズマ処理を行うことができる。
本発明のプラズマ処理装置は、対向配置された一対の電極と、
前記一対の電極間に前記ワークを載置する載置部と、
前記一対の電極の少なくとも一方の電極と前記ワークとを相対的に移動する移動手段と、
前記ワークの被処理面にプラズマ処理を行うための処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記プラズマ処理により生じた反応生成物を排気する排気手段と、
前記一対の電極間へ通電する通電手段とを有し、
前記処理ガス供給手段により前記被処理面に前記処理ガスを供給するとともに、前記通電手段により前記一対の電極間へ通電し、前記処理ガスを活性化させてプラズマを発生させ、前記移動手段により前記少なくとも一方の電極と前記ワークとを相対的に移動させることにより、前記被処理面の有効領域を処理するとともに、前記プラズマ処理により生じた反応生成物を必要時に排気するものであり、
前記排気手段は、前記プラズマが発生しているプラズマ発生領域が前記有効領域に位置するときの単位時間当たりの排気量が、前記プラズマ発生領域が前記被処理面の前記有効領域以外の非有効領域に位置するときの前記単位時間当たりの排気量に比べて小さくなるよう作動することを特徴とする。
これにより、プラズマ処理の単位時間当たりの処理量の安定化を図り、これによりワークに目的とする所定の処理量でプラズマ処理を施すことができるプラズマ処理装置が得られる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記処理ガス供給手段は、前記被処理面近傍に前記処理ガスを供給するガス供給口を備え、
前記排気手段は、前記被処理面近傍に設定された排気口と、前記排気口を介して前記プラズマ処理により生じた反応生成物を排気する排気ポンプと、前記排気量を調整するバルブまたはマスフローコントローラとを備えることが好ましい。
これにより、排気量を厳密に制御し得るプラズマ処理装置が得られる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記排気手段は、前記プラズマ発生領域が前記有効領域に位置するとき、前記単位時間当たりの排気量を実質的に0にするよう作動することが好ましい。
これにより、プラズマ発生領域が有効領域に位置している間、プラズマ処理の単位時間当たりの処理量を、比較的高く維持することができるプラズマ処理装置が得られる。
以下、本発明のプラズマ処理方法およびプラズマ処理装置を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明のプラズマ処理装置について説明する。
図1は、本発明のプラズマ処理装置の実施形態を示す図(断面図、側面、ブロック図)である。
なお、以下の説明では、図1中互いに直交する3つの方向をx軸方向、y軸方向およびz軸方向とする。そのうち、ワーク10の被処理面101をxy平面とし、被処理面101の法線方向をz軸方向とする。以下、対応する方向はその他の図においても同様である。
図1に示すように、プラズマ処理装置1は、一対の電極(上部電極21および下部電極22)と、上部電極21と下部電極22との間に処理ガスを供給する処理ガス供給手段3と、上部電極21と下部電極22との間に高周波電圧を印加する通電手段4と、上部電極21と下部電極22とをx軸、y軸およびz軸方向に相対的に移動する移動手段5と、上部電極21と下部電極22との間を排気する排気手段6と、処理ガス供給手段3、通電手段4、移動手段5および排気手段6の作動を制御する制御手段7とを有している。
このプラズマ処理装置1は、ワーク10を被処理面101を上側にして下部電極22に固定した状態で、処理ガス供給手段3により一対の電極21、22間に処理ガスを供給しつつ、通電手段4により一対の電極21、22間に高周波電圧を印加することにより、処理ガスを活性化してプラズマを生成させ、このプラズマが発生するプラズマ発生領域Sとワーク10とを移動手段5により相対的に移動することにより、前記プラズマにより被処理面101を局所的にかつ連続してプラズマ処理する装置である。
なお、本願明細書中の「プラズマ処理」は、被処理面101の研磨(例えば、被処理面101の凹凸を除去し、処理面を平坦化する加工など)、厚さ方向へ貫通または凹没する孔を形成するエッチング加工、所望の平面視形状となるように不要な部分を削除するエッチング加工、被処理面に親水性、撥水性などの所望の特性を発揮させるための表面改質など、プラズマを利用した処理全般を含むものである。
以下、プラズマ処理装置1の各部の構成について説明する。
上部電極21は、例えば円柱状をなしている。このような上部電極21は、導線42を介して後述する高周波電源41に接続されている。なお、上部電極21の形状は、角柱状等であってもよく、特に限定されない。
上部電極21の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウム、鉄、銀等の金属単体、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウム合金等の各種合金、金属間化合物、各種炭素材料等が挙げられる。
また、上部電極21は、その下側部分が誘電体部24によって覆われている。
誘電体部24は、誘電体材料で構成された円柱状の形状をなしている。そして、その上面に開口する凹部241が形成されていて、この凹部241に上部電極21の下側部分が挿入されている。これにより、一対の電極21、22間において、電極である金属等が露出しないため、一対の電極21、22間に電界を均一に発生させることができる。また、上部電極21を誘電体部24で覆っているため、インピーダンスの増大を防止することができ、比較的低電圧で所望の放電を生じさせ、プラズマを確実に発生させることができる。
なお、誘電体部24の形状は、例えば円錐台や円柱状など、特に限定されない。
このような誘電体部24の構成材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の各種プラスチック、石英ガラス等の各種ガラス、水晶等の結晶性材料のような無機酸化物等が挙げられる。前記無機酸化物としては、例えば、Al(アルミナ)、SiO、ZrO、TiO等の金属酸化物、窒化シリコンなどの窒化物、BaTiO(チタン酸バリウム)等の複合酸化物等の誘電体材料等が挙げられる。これらのうち、金属酸化物が好ましく、アルミナがより好ましい。このような材料を用いることにより、電界におけるアーク放電の発生をより効果的に抑制することができる。
このような上部電極21および誘電体部24には、これらを上下に貫通する2つの貫通孔が設けられている。このうち、一方の貫通孔は、上端が処理ガス供給手段3に接続されており、後述するガスボンベから供給された処理ガスを、下端から一対の電極21、22間に供給するガス供給口25として機能する。また、他方の貫通孔は、上端が後述する排気ポンプに接続されており、下端から一対の電極21、22間を排気する排気口26として機能する。
下部電極22は、接地電極としての機能を有する電極であり、導線42を介して直接接地されている。これにより、下部電極22の帯電を防止することができ、プラズマ発生領域Sに確実に電界を発生させることができる。
また、下部電極22はワーク10を載置する載置部としての機能も有する。本実施形態では、下部電極22の上面221にワーク10が接触して設置(載置)されている。これにより、確実に、ワーク10の被処理面101をプラズマ処理することができる。
下部電極22の形状は、例えば平板状、円柱状など、特に限定されない。また、下部電極22の構成材料は、上部電極21と同様に、特に限定されない。
ワーク10としては、特に限定されないが、本実施形態では、例えば、電子デバイスの基板として用いられるものが挙げられる。具体的な材料としては、例えば、水晶、サファイア、LiTaO、LiNbO、ダイヤモンド等の結晶性材料、石英ガラス、無アルカリガラス等の各種ガラス材料、アルミナ、チタニア等の各種セラミックス材料、シリコン、ガリウム−ヒ素等の各種半導体材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、液晶ポリマー、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の各種プラスチック(樹脂材料)等が挙げられる。これらのうち、特に、各種結晶性材料、各種ガラス材料および各種半導体材料で構成された基板に好ましく用いられる。
処理ガス供給手段3は、所定のガスを充填するガスボンベ(ガス供給源)31と、ガスボンベ31から供給されるガスの流量を調整するマスフローコントローラ(流量調整手段)32と、ガス供給口25とガスボンベ31とを接続する処理ガス供給流路34と、マスフローコントローラ32より下流端側で、処理ガス供給流路34内の流路を開閉するバルブ35とを有している。マスフローコントローラ32およびバルブ35は、それぞれ、制御手段7に電気的に接続していて、制御手段7によりその作動が制御される。
このような処理ガス供給手段3は、ガスボンベ31から処理ガスを送り出し、マスフローコントローラ32により処理ガスの流量を調節する。そして、流量が調整された処理ガスを処理ガス供給流路34を介してガス供給口25からプラズマ発生領域Sに導入(供給)する。また、処理ガス供給手段3は、バルブ35を閉状態とすることにより、プラズマ発生領域Sへの処理ガスの供給を停止する。
ガスボンベ31内に充填する処理ガスとしては、例えば、CF、C、C、C、CClF、SF等のフッ素原子含有化合物ガスやCl、BCl、CCl等の塩素原子含有化合物ガスなどの各種ハロゲン系ガスが用いられる。
また、処理ガスは、一般に、上記処理ガスとキャリアガスとからなる混合ガスが用いられる。なお、「キャリアガス」とは、放電開始と放電維持のために導入するガスのことを言う。
この場合、ガスボンベ31内に、混合ガス(処理ガス+キャリアガス)を充填して用いてもよいし、処理ガスとキャリアガスとがそれぞれ別のガスボンベに充填され、処理ガス供給流路34の途中でこれらが所定の混合比で混合されるような構成であってもよい。
キャリアガスとしては、He、Ne、Ar、Xe等の希ガスを用いることができる。これらは、単独でも2種以上を混合した形態でも用いることができる。また、処理ガスの解離促進のためにOを混合ガスに混ぜても良い。
通電手段4は、上部電極21および下部電極22間に高周波電圧を印加する高周波電源41と、上部電極21と高周波電源41と下部電極22とを導通する導線42とを備えている。また、高周波電源41は、制御手段6によりその作動が制御される図示しない電力調整部を有しており、制御手段6の制御により、供給する電力の大きさを変更し得るようになっている。また、図示されていないが、供給する電力に対する整合回路(インピーダンスマッチング回路)や、高周波電源41の周波数を変える周波数調整手段(回路)や、高周波電源41の印加電圧の最大値(振幅)を変える電圧調整手段(回路)などが必要に応じて設置されている。これにより、ワーク10に対するプラズマ処理の処理条件を適宜調整することができる。
ワーク10に対してプラズマ処理を行うときは、高周波電源41が作動して上部電極21および下部電極22間に高周波電圧が印加される。これにより、上部電極21と下部電極22との間に電界が発生し、処理ガス供給手段3により上部電極21と下部電極22との間に処理ガスが供給されると、放電が生じて、プラズマ発生領域Sにプラズマが発生する。
上部電極21および下部電極22間に印加する高周波の周波数は、特に限定されないが、10〜70MHzであるのが好ましい。
移動手段5は、プラズマ発生領域Sとワーク10とを相対的に、x軸方向およびy軸方向に2次元的に移動する第1移動手段51と、上部電極21とワーク10とをz軸方向に相対的に移動する第2移動手段52とで構成されている。
第1移動手段51は、下部電極22をx軸方向およびy軸方向に移動させるNC(数値制御)ステージ移動装置が用いられる。この第1移動手段51は、ワーク10をプラズマ処理する際に、下部電極22をx軸方向およびy軸方向に移動することにより、被処理面101を上部電極21に対して2次元的に移動する移動手段である。
このような第1移動手段51は、移動速度(すなわち、上部電極21とワーク10との相対的な移動速度)や停止時間等を調整することができるように構成されている。このような第1移動手段51の作動は、NC(数値制御)制御装置15により制御される。
一方、第2移動手段52は、上部電極21をz軸方向に移動する(x軸方向およびy軸方向には移動しない)移動装置が用いられる。この第2移動手段52により、上部電極21と被処理面101との間の間隙距離(換言すれば、上部電極21と下部電極22との電極間距離)を調整することができる。このような第2移動手段52の作動は、制御手段6により制御される。
以上のような構成の移動手段5により、上部電極21は、被処理面101の上方の空間において、ワーク10に対して、相対的に、xyzの3次元空間内で任意の位置(座標)に移動可能となる。
なお、移動手段5としては、本実施形態のものに限定されず、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の移動を第1移動手段51および第2移動手段52のいずれが担っていてもよい。例えば、第1移動手段51が下部電極22のz軸方向の移動を担い、第2移動手段52が上部電極21のx軸方向およびy軸方向の移動を担っていてもよい。また、第1移動手段51が下部電極22のすべての方向(x軸方向、y軸方向およびz軸方向)への移動を担っていてもよいし、逆に第2移動手段52が同様の構成であってもよい。
排気手段6は、排気ポンプ61と、排気口26と排気ポンプ61とを接続する排気流路62と、排気流路62内を開閉するバルブ(またはマスフローコントローラ)63とを有している。バルブ63は、排気流路62の開度を任意または多段階に調整し得る電磁バルブ等で構成されており、制御手段7に電気的に接続していて、制御手段7によりその作動が制御される。
このような排気手段6は、プラズマ発生領域Sにおいて、ラジカルと被処理面101との反応によって生じた反応生成物を、排気口26を介して排気する。そして、バルブ(またはマスフローコントローラ)63の開度を調整することにより、排気の際の排気速度が調整され、また、バルブ63を閉状態とすることにより、排気を停止する。
また、排気手段6は、排気流路62の途中に、排気した反応生成物を捕捉するフィルタ64を備えている。このフィルタ64により、反応生成物中に環境に有害な物質が含まれていたとしても、環境中への放出を防止することができる。
次に、プラズマ処理装置1の回路構成について説明する。
図1に示すように、このプラズマ処理装置1は、入力等の各操作を行う操作部(入力手段)11と、記憶手段12と、プラズマ処理装置1の全体の作動(駆動)を制御する制御手段7と、目標形状データ入力部13と、表面測定器14と、NC制御により第1移動手段51の作動を制御するNC制御装置15とを備えている。
操作部11としては、例えば、キーボード、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えたタッチパネル等を用いることができ、この場合は、操作部11は、各種の情報を表示(報知)する表示手段(報知手段)を兼ねるものでもよい。
目標形状データ入力部13は、ワーク10の被処理面101の目標形状を示す目標形状データを入力する手段である。目標形状データは、目標形状データ入力部13から制御手段7に入力される。
表面測定器14は、ワーク10の被処理面101の形状、特に、凹凸の有無およびその程度を検出する検出部と、その検出結果に基づいて、ワーク10の被処理面101の形状を示す形状データ(凹凸形状プロファイル)を作成するデータ作成部とを有している。被処理面101の形状データは、表面測定器14から制御手段7に入力される。
制御手段7は、例えば、CPUあるいはこれを備えるマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ等のコンピュータで構成されている。この制御手段7には、操作部11からの信号、目標形状データ入力部13および表面測定器14からのデータ等が、それぞれ入力される。
制御手段7は、例えば、予めテストピースを用いて求めた、所定条件(上部電極21および下部電極22に印加する高周波電圧の出力、上部電極21および下部電極21の電極間距離、処理ガスの種類、供給量等の組み合わせ)でのエッチングレートと、操作部11からの信号、目標形状データ入力部13および表面測定器14からのデータ(例えば前記凹凸形状プロファイル)等とに基づき、予め設定されたプログラムに従って、加工計画データを作成する。そして、制御手段6は、作成された加工計画データに基づいて、プラズマ処理装置1の各部の作動、例えば、ガス供給手段3、通電手段4、移動手段5、排気手段6等の作動をそれぞれ制御する。
ここで、被処理面101を平坦化する場合の加工計画データは、例えば、以下のようにして作成される。
まず、ワーク10の形状(平面視形状)に基づいて、下部電極21の移動パターンを設定する。次いで、被処理面101上の凹凸の最も深い点(またはその点よりも下面側の点)と交わる平坦な基準面を設定するとともに、設定した基準面から突出している突出部位の位置とその程度(基準面からの距離)を求める。次いで、予め所定値に設定(固定)されたエッチングレートと、被処理面101の各部位における突出の程度とに基づいて、前記突出部位がプラズマ処理領域Sを通過する際の下部電極22の移動速度を決定する。
この移動速度の決定は、まず、被処理面101の前記基準面と交わる点をプラズマ発生領域Sに通過させる際(すなわち、プラズマ処理する必要のない部位をプラズマ発生領域Sに通過させる際)の移動速度を基準移動速度として設定する。次いで、前記突出部位の突出の程度に基づいて、基準移動速度から所定速度だけ遅くした速度を移動速度として決定する。なお、突出の程度が大きいほど、移動速度は遅くなる。
以上により、エッチングレート、移動パターンおよび移動速度の各データを含む加工計画データが作成される。この加工計画データに基づいて、プラズマ処理を行うことにより、前記突出部分を除去することができ、被処理面101を平坦化することができる。
記憶手段12は、記録媒体を有していて、この記録媒体に、目標形状データ入力部13で入力された被処理面101の目標形状を示す目標形状データ、表面測定器14に測定された被処理面101の形状、前記加工計画データ等を記憶する。記録媒体としては、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、ICメモリー、HD(ハードディスク)等が挙げられる。この記憶手段12における書き込み(記憶)、書き換え、消去、読み出し等の制御は、制御手段7によりなされる。
NC制御装置15は、例えば、CPUあるいはこれを備えるマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ等のコンピュータで構成されており、NC制御装置15には、制御手段7により作成された加工計画データ(この中の下部電極22の移動パターン)等が入力される。NC制御装置15は、制御手段7からの加工計画データ等に基づき、予め設定されたプログラムに従って、NC制御により第1移動手段51の作動を制御する。
次に、プラズマ処理装置1の動作(本発明のプラズマ処理方法)を説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のプラズマ処理方法の第1実施形態について説明する。なお、以下の説明では、ワーク10の被処理面101の一部に設定された有効領域101aにプラズマエッチング加工を施す場合を例にして説明する。
図2は、本発明のプラズマ処理方法の第1実施形態に用いられるワークの一例を示す平面図、図3は、本発明のプラズマ処理方法の第1実施形態を説明するための図(平面図)である。
なお、図2および図3にドットを付した領域として示すワーク10の被処理面101は、外縁部とその内側の領域とに分けられており、内側の領域を有効領域101aとし、外縁部を非有効領域101bとする。
このうち、有効領域101aは、例えば、エッチング加工を施されて、製品を製造するために使用される領域に該当するものである。
一方、非有効領域101bは、例えば、有効領域101aを支持するための領域、または、ワーク10を移動する際に把持する領域であり、最終的には、有効領域101aと切り離されて処分されたり、再利用の原材料に利用されたりする領域に該当するものである。
なお、ワーク10の外縁部は、一般に切断時のバリや材料の変質部等が高い確率で存在することが知られている。これを考慮すると、ワーク10の外縁部は製品を製造するためには不適切であるが、本実施形態のようにワーク10の外縁部を非有効領域101bとして設定することにより、有効領域101aを製品化に適した品質の高い材料として効率よく利用することができる。
制御手段7は、前述した加工計画データに基づいて、処理ガス供給手段3、通電手段4、移動手段5および排気手段6の作動を制御し、ワーク10の被処理面101に対して所定のシーケンスでプラズマ処理を行う。
具体的には、まず、高周波電源41を作動させるとともに、バルブ35を開く。そして、マスフローコントローラ32によりガスの流量を調整し、ガスボンベ31から処理ガスを送り出す。これにより、処理ガスは、処理ガス供給流路34内を流れ、ガス供給口25から噴出する。噴出した処理ガスは、被処理面101に供給される。一方、高周波電源41の作動により、上部電極21と下部電極22の間に高周波電圧が印加され、プラズマ発生領域Sに電界が発生する。
プラズマ発生領域Sに流入した処理ガスは、放電によって活性化され、プラズマが発生する。そして、発生したプラズマ(活性化されたガス)が、ワーク10の被処理面101に局所的に接触し、その接触した部位に対しプラズマ処理が施される。第1移動手段51により、ワーク10を上部電極21に対してx軸方向およびy軸方向に移動することにより、上部電極21とワーク10とを相対的に移動し、その移動を所定順序かつ所定ルートで行うことにより、被処理面101の全域が連続的にプラズマ処理される。換言すれば、プラズマ発生領域Sが被処理面101の全域を走査し、これにより被処理面101の全域がプラズマ処理される。
本実施形態では、プラズマ発生領域Sが被処理面101をx軸方向に沿って往復するとともに、折り返し点でy軸方向に沿って改行する(y軸方向に一定距離移動する)ルート(図3参照)で走査するように、NC制御装置15によって下部電極22を移動する。
ここで、プラズマ発生領域Sでは、処理ガスにプラズマが作用して、ラジカル(中性活性種)が発生する。そして、このラジカルは、被処理面101(ワーク10)近傍の原子と反応して、反応生成物を生じさせる。この反応生成物は、気体となってプラズマ発生領域Sに拡散し、被処理面101から脱離する。このようにして被処理面101が徐々にエッチングされる。
ここで、従来のエッチング方法における問題点について説明する。
上記のようなメカニズムのエッチングでは、単位時間当たりのエッチング量(エッチングレート)が、プラズマ発生領域S中のラジカルの濃度に依存する。このラジカルの濃度は、エッチングの進行に伴って徐々に低下する一方、反応生成物の濃度が徐々に上昇する。すなわち、エッチングの進行に伴って、ラジカルが徐々に反応生成物に置換される。
上記のような理由から、エッチングの進行に伴ってエッチングレートが徐々に低下することが、従来、エッチングの加工精度の観点から問題となっていた。
また、前述した加工計画データは、エッチングレートが一定であることを前提にしたものであるため、エッチングレートの経時的な変化によって、加工結果が、あらかじめ設定されていた目標形状から外れてしまうことが問題であった。このため、従来のプラズマエッチングでは、加工精度に限界があった。
上記のような従来の問題点に対し、プラズマ発生領域Sから反応生成物を除去し、ラジカルのワークに対する反応頻度を高めることによって、エッチングレートの経時的な低下を抑制することが試みられてきた。
具体的には、プラズマ発生領域S近傍を常時排気することにより、発生する反応生成物をプラズマ発生領域Sから逐次除去することが試みられた。これにより、エッチングレートの経時的な低下を抑制することができた。
しかしながら、プラズマ発生領域Sを常時排気することによって、反応生成物のみでなく、ラジカルも排気されることとなる。このため、ワーク10のエッチングに寄与するラジカルの濃度が低下し、エッチングレートの全体的な低下を招くことが課題となっていた。
図8は、上述した従来のプラズマ処理におけるエッチングレートの経時的変化を模式的に示すグラフである。
前述したように、反応生成物が排気されない場合には、図8において実線Aで示すように、エッチングの進行に伴ってエッチングレートが経時的に低下する。このため、エッチングレートの振れ幅が大きく、加工量の制御が困難である。
一方、プラズマ発生領域Sの近傍を常時排気した場合には、図8において実線Bで示すように、エッチングレートの経時的な低下は抑制されるものの、プラズマ処理の開始から終了までの全体においてエッチングレートが低下する。このため、加工速度が低く、効率が悪い。
上記のような問題に対し、本発明では、エッチングレートが経時的に著しく低下するのを防止する一方、十分な処理効率(処理速度)を確保するべく、プラズマ発生領域S近傍の排気速度を所定の条件に基づいて制御することとした。また、ワーク10の被処理面101には、一般に、その全面が確実に処理される必要はなく、一部に設置された領域(本実施形態では、有効領域101a)に対して確実にプラズマ処理されればよい。これらの観点から、排気速度の制御により、プラズマ発生領域Sにおけるラジカルの濃度と反応生成物の濃度とを高度に制御し、また、排気するタイミングを制御することによって、被処理面101の有効領域101aに対して高精度のエッチング加工を高い効率で施すことができる。
具体的には、本発明では、プラズマ発生領域Sが非有効領域101bに位置するとき、プラズマ発生領域Sを排気する排気速度(単位時間当たりの排気量)が、プラズマ発生領域Sが有効領域101aに位置するときの排気速度に比べて大きくなるように制御される。
図4は、図3に示す走査ルートの部分図と、この走査ルートにおけるエッチングレートの推移の一例とを示すグラフである。なお、以下の説明では、図4中の左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」と言う。
図4に示す走査ルートの開始点aから被処理面101の右側に向かってプラズマ発生領域Sが移動すると、プラズマ発生領域Sが通過した部分にエッチング加工がなされる。このとき、排気手段6のバルブ63を閉状態としているため、プラズマ発生領域Sは排気されない。したがって、当初は、ラジカルの濃度が高く、比較的高いエッチングレートで加工を行うことができるものの、エッチングの進行とともにラジカルが消費されて、ラジカルの濃度が低下し、図4のグラフに示すように、エッチングレートも徐々に低下する。
プラズマ発生領域Sが被処理面101の右端部の非有効領域101bに設定された往復動の折り返し点bに達すると、図4の上方に改行され、今度は左側に移動する。
ここで、本実施形態では、排気手段6により、この改行時にのみプラズマ発生領域S近傍を排気する。すなわち、プラズマ発生領域Sが非有効領域101bにあるときのみ、プラズマ発生領域S近傍を排気し、プラズマ発生領域Sが有効領域101aにあるときには、プラズマ発生領域S近傍を排気しない(排気速度を0にする)よう排気手段6を制御する。このように排気速度を制御することにより、有効領域101aでは、経時的に徐々に低下するものの比較的高いエッチングレートを確保するとともに、非有効領域101bでは、プラズマ発生領域S中の反応生成物を積極的に除去し、その結果、図4のグラフに示すように、低下していたエッチングレートを低下前の水準まで回復させることができる。なお、排気中は、エッチングレートが大きく低下(図8の実線Bに示すエッチングレートにまで低下)するが、排気中はプラズマ発生領域Sが非有効領域にあるのでエッチングレートが低下しても加工精度に影響は無い。
その後、プラズマ発生領域Sが折り返し点bから被処理面101の左端に向かって移動すると、再び、図4のグラフに示すように、エッチングレートが徐々に低下する。
そして、プラズマ発生領域Sが被処理面101の左端部の非有効領域101bに設定された折り返し点cに達すると、図4の上方に改行され、再び右側に移動する。
この改行の際にも、前述したようにして、プラズマ発生領域Sを排気する。これにより、低下していたエッチングレートを低下前の水準まで回復することができる。なお、排気量はプラズマ発生領域S内の雰囲気を僅かに流動させる程度の微量でよく、精度よく排気量を制御するには排気手段にマスフローコントローラを用いるのが望ましい。
以上のようにして、プラズマ発生領域S近傍を間欠的に排気することにより、エッチングレートの低下と回復とを繰り返すこととなる。これにより、エッチングレートが著しく低下するのを防止し、プラズマ発生領域Sが有効領域101aに位置しているときのエッチングレートの振れ幅を比較的狭い範囲に抑制することができる。その結果、実際のエッチング量(加工結果)と加工計画データとのズレが抑制され、加工後の形状を、予め設定されていた目標形状により近付けることができる。
また、常時排気するのではなく、間欠的に排気するため、エッチングレート全体が低下するのを抑制することができる。これにより、処理効率(処理速度)が著しく低下するのを防止することができる。
また、上記のように、プラズマ発生領域Sが周期的に往復するとともに、往復の折り返しで改行するようなパターンで被処理面101を走査することにより、被処理面101の各部がプラズマと接触する時間がほぼ同等になる。このため、例えば、被処理面101の全体を均一のエッチング量で加工する場合には、エッチング量を高い精度で均一化することができる。
さらに、このような往復パターンは、被処理面101を一筆で走査することのできる無駄の少ない走査パターンであり、かつ、一定の周期で被処理面101の外縁部に設定された非有効領域101bを通過することができるパターンである。したがって、この往復パターンによれば、安定したエッチングレートで、有効領域101aを連続的に効率よく、より短時間でエッチングすることができる。
また、プラズマ発生領域Sを往復パターンで走査する場合、その行間ピッチは、プラズマ発生領域Sの大きさに応じて適宜設定される。具体的には、隣接する行間では、図4に示すように、プラズマ発生領域Sが走査した領域同士が重なるように、行間ピッチを調整するのが好ましい。これにより、行間では、少なくとも2回エッチングに供される。このとき、2回のエッチングは、プラズマ発生領域Sが異なる方向に進行したときに行われるため、それぞれが、エッチングレートの経時的な低下を相殺するように作用する。このため、行間ピッチを上記のように調整することによって、有効領域101aにおけるエッチングレートが平均化され、例えば、被処理面101の全体を均一のエッチング量で加工する場合には、エッチング量をより高い精度で均一化することができる。
ここで、本実施形態のように、排気を停止した状態から各折り返し点b、c(非有効領域101b)で排気を行うと、プラズマ発生領域S中の反応生成物が急速に除去されるため、図4に示すように、エッチングレートが急速に回復する。このように各折り返し点b、cでは、エッチングレートが急激に変化するため、加工精度が著しく悪化するおそれがある。
一方、本実施形態では、排気を行う各折り返し点b、cを被処理面101の非有効領域101bに設定している。したがって、たとえ加工精度が著しく悪化したとしても、それによる精度の低い加工は非有効領域101bになされるため差し支えがなく、結果として、有効領域101aに対して精度の低い加工がなされるのを避けることができる。
なお、排気はその開始から終了まで比較的短時間で行えるため、排気操作は、図4に示すように、プラズマ発生領域Sが各折り返し点b、cの非有効領域101bに到達した直後に開始するのが好ましい。このようにすれば、各折り返し点b、cで非有効領域101bに滞在している間に排気が確実に完了するとともに、エッチングレートが回復した直後の不安定な加工がなされる範囲が有効領域101aにはみ出すのを防止することができる。
また、上記の観点から、エッチングレートが回復した直後の不安定な加工が有効領域101aに及ばないように、プラズマ発生領域Sが非有効領域101bに滞在する時間を設定するのが好ましい。すなわち、エッチングレートの回復直後の加工が有効領域101aに及ばないように、プラズマ発生領域Sの移動速度を設定するのが好ましい。以上のようにすれば、エッチングレートのさらなる安定化を図り、より高精度のエッチング加工を行うことができる。
なお、上記のように、本実施形態では、排気手段6は、プラズマ発生領域Sが有効領域101aに位置しているときは排気を停止している(排気速度が0である)が、プラズマ発生領域Sが非有効領域101bに位置しているときの排気速度に比べて小さくなるような排気速度であれば、停止することなく排気するようにしてもよい。
この場合、例えば、プラズマ発生領域Sが各折り返し点b、cの非有効領域101bに到達する直前から、排気の速度を徐々に増大するようにするのが好ましい。このように排気速度を徐々に増大することにより、プラズマ発生領域Sが非有効領域101bに到達する直前のエッチングレートの低下を、排気によるエッチングレートの回復作用によって補うことができる。このようにすれば、エッチングレートのさらなる安定化を図ることができる。
また、本実施形態では、図4に示すように、プラズマ発生領域Sが有効領域101aに位置する第1の時間帯(排気の間隔)と、プラズマ発生領域Sが非有効領域101bに位置する第2の時間帯とが、周期的に繰り返されるように、ワーク10の移動が制御される。このようにワーク10の移動を制御すると、排気が定期的になされ、エッチングレートが周期的に回復することになるので、エッチングレートが著しく低下するのを抑制することができる。
また、第1の時間帯と第2の時間帯とを周期的に複数回繰り返したとき(排気を定期的に行ったとき)には、複数の第1の時間帯は、それぞれがほぼ同じ長さになるよう制御されるのが好ましい。このようにすれば、第1の時間帯においてエッチングレートが低下する際の低下量が、各第1の時間帯で一定になる。このため、エッチング加工の全時間において、エッチングレートの振れ幅をより狭い範囲に抑制することができる。
また、第1の時間帯で、エッチング条件を適宜変化させることにより、エッチングレートの低下を補うのが好ましい。すなわち、第1の時間帯におけるエッチングレートの低下量を補うべく、エッチングレートを高めるようにエッチング条件を経時的に変化させるのが好ましい。このような補正を行うことにより、有効領域101aをエッチングする際のエッチングレートの低下を抑制することができるため、加工精度のさらなる向上を図ることができる。
このとき、エッチングレートを高めるように用いるエッチング条件としては、例えば、高周波の出力、上部電極21と下部電極22との離間距離、ガスの供給量(濃度)、排気速度、プラズマ発生領域Sとワーク10との相対的な移動速度(プラズマ発生領域Sの走査速度)等のうちの少なくとも1つを用いればよい。
具体的には、高周波の出力を高めたり、上部電極21と下部電極22との離間距離を短縮することにより、いずれも、プラズマ発生領域Sでプラズマを発生させる際に供給される、単位時間あたりのエネルギー量を高めることができる。これにより、プラズマ発生領域Sに発生するラジカルの濃度を高めることができ、エッチングレートを高めることができる。
また、ガスの供給量(濃度)を高めたり、プラズマ発生領域Sとワーク10との相対的な移動速度を下げたりすることによっても、ラジカルの濃度を高めることができる。このうち、プラズマ発生領域Sとワーク10との相対的な移動速度は、例えばNCステージのような機構によって厳密に制御することが可能であるため、再現性が高い因子である。したがって、この移動速度の因子を適宜設定することにより、ラジカルの濃度を厳密に制御することができ、エッチングレートを厳密に制御することができる。
図5は、図3に示す走査ルートにおけるエッチングレートの推移の他の例と、そのときの走査速度の推移を示すグラフである。
図5に示す走査パターンでは、図4に示す走査パターンと同様の走査速度で走査するが、プラズマ発生領域Sが有効領域101aを通過する時間帯(第1の時間帯)の前半部と後半部とで走査速度を異ならせる。具体的には、第1の時間帯の後半部での走査速度が前半部より小さく(遅く)なるよう、NCステージを制御する。このようにすれば、第1の時間帯の後半部において、ラジカルとワーク10との接触頻度が相対的に増加し、エッチングレートが上昇する。これにより、図4に示す第1の時間帯におけるエッチングレートの低下を補うことができる。その結果、第1の時間帯におけるエッチングレートの振れ幅をより小さくすることができるので、有効領域101aに対する加工精度のさらなる向上を図ることができる。
なお、図5に示す一点鎖線のグラフは、図4に示す走査パターンにおけるエッチングレートおよびそのときの走査速度の推移であり、図5に示す実線のグラフは、破線のグラフに前述したエッチングレートの補正を加味したものおよびそのときの走査速度の推移である。
したがって、上記の走査速度の変更パターンは、あらかじめ設定された加工計画データに基づく走査速度のパターンに重畳させるようにすればよい。すなわち、図5の例は、走査速度が一定になるよう設定された加工計画データ(図5に示す破線のグラフ)に、第1の時間帯の後半部で走査速度を徐々に低下させる変更パターンを重畳させたものである。
以上のようにして、本発明によれば、ワーク10の被処理面101の有効領域101aに対して高精度のプラズマ処理を高い効率で行うことができる。
なお、プラズマ発生領域Sの走査パターンは、上述したような往復パターンに限定されず、例えば、被処理面101の内側から外側に向かう渦巻き状のパターン、被処理面101の外側から内側に向かう渦巻き状のパターン等であってもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明のプラズマ処理方法の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、ワーク10の被処理面101の一部に設定された有効領域101aにプラズマエッチング加工を施す場合を例にして説明する。
図6は、本発明のプラズマ処理方法の第2実施形態に用いられるワークの一例を示す平面図、図7は、本発明のプラズマ処理方法の第2実施形態を説明するための図(平面図)と、エッチングレートの推移の一例を示すグラフである。なお、以下の説明では、図6中および図7中の平面図の左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、この図を参照して本発明のプラズマ処理方法の第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、ワークにおける有効領域の設定が異なり、それに伴って排気を行う時期が異なること以外は、前記第1実施形態と同様である。
図6に示すワーク10’は、水晶基板であり、結晶育成時に用いられた種部(種結晶)10cを含んでいる。この種部10cは、ワーク10’の中心部に位置しており、ワーク10’の上下方向に沿う帯状の部位である。
水晶基板は、一般に、ブロック状の人工水晶をスライスして得られる。人工水晶は、種水晶を育成することによって製造されるため、その中心部には、育成の核となる種水晶(種部10c)を含んでいる。したがって、水晶基板も、その中心部に種水晶を含んだものとなる。また、種水晶は、通常細長いものであるため、水晶基板に含まれる種部10cも、帯状の細長いものとなる。
ここで、水晶基板は、一般に多数の個片に分離されて、水晶振動子等の素子に加工されるが、種部10cの部分は、種々の不適合要素を含んでいるため、製品化に適さない場合が多い。
かかる観点から、図6に示すワーク10’においては、外縁部に加え、この種部10cも非有効領域101bとして設定するのが好ましい。すなわち、本実施形態では、ワーク10’の被処理面101の外縁部および種部10cの部分を非有効領域101bとし、被処理面101のそれ以外の領域を有効領域101aとされている。このようにすれば、たとえ加工精度が著しく悪化したとしても、それによる精度の低い加工は種部10cに設定された非有効領域101bになされるため差し支えがなく、結果として、有効領域101aに対して精度の低い加工がなされるのを避けることができる。
各領域101a、101bを上記のように設定することにより、被処理面101の中心付近にも非有効領域101bを設定することができるため、非有効領域101bを頻繁に通過するようなプラズマ発生領域Sの走査ルートを比較的自由に選択することができる。
図7に示す走査ルートは、図3〜5に示す走査ルートと同様のルートである。以下、図7に示す走査ルートに基づいて本実施形態を説明する。
図7に示す走査ルートの開始点aから被処理面101の右側に向かってプラズマ発生領域Sが移動すると、プラズマ発生領域Sが通過した部分にエッチング加工がなされる。なお、このとき、排気手段6のバルブ63を閉状態としているため、プラズマ発生領域Sは排気されない。したがって、当初は、ラジカルの濃度が高く、排気する場合に比べて高いエッチングレートで加工を行うことができるものの、エッチングの進行とともにラジカルが消費されて、ラジカルの濃度が低下し、図7のグラフに示すように、エッチングレートも徐々に低下する。
その後、プラズマ発生領域Sが種部10cに設定された非有効領域101bに達したとき、プラズマ発生領域S近傍を排気する。すなわち、プラズマ発生領域Sが非有効領域101bにあるときのみ、プラズマ発生領域S近傍を排気し、プラズマ発生領域Sが有効領域101aにある時には、プラズマ発生領域S近傍を排気しない(排気速度を0にする)よう排気手段6を制御する。このように排気速度を制御することにより、前記第1実施形態と同様に、有効領域101aでは、経時的に徐々に低下するものの比較的高いエッチングレートを確保するとともに、非有効領域101bでは、プラズマ発生領域S中の反応生成物を積極的に除去し、その結果、図7のグラフに示すように、低下していたエッチングレートを低下前の水準まで回復させることができる。
その後、プラズマ発生領域Sが、種部10cに設定された非有効領域101bと、被処理面101の右端部に設定された非有効領域101bとの間にあるときは、再び排気を停止した状態で、エッチング加工を行う。このとき、比較的高いエッチングレートでエッチング加工を行うことができるが、エッチングレートは徐々に低下する。
プラズマ発生領域Sが被処理面101の右端部の非有効領域101bに設定された折り返し点bに達すると、図7の上方に改行され、今度は左側に移動する。
この改行の際にも、前記第1実施形態と同様にしてプラズマ発生領域S近傍を排気する。これにより、低下していたエッチングレートを低下前の水準まで回復させることができる。
その後、折り返し点bから折り返し点cまでの間でも、プラズマ発生領域Sは種部10cに設定された非有効領域101bを通過するが、この際にもプラズマ発生領域S近傍を排気する。
以上のようにして、プラズマ発生領域S近傍を排気する時間帯と排気しない時間帯とを、より短い周期で繰り返すことにより、エッチングレートの低下と回復とをより短い周期で繰り返すこととなる。これにより、エッチングレートが著しく低下するのを防止するとともに、プラズマ発生領域Sが有効領域101aに位置しているときのエッチングレートの振れ幅をより狭い範囲に抑制することができる。
ここで、本実施形態では、図7に示すように、プラズマ発生領域Sが有効領域101aに位置する第1の時間帯(排気の間隔)と、プラズマ発生領域Sが非有効領域101bに位置する第2の時間帯とが、周期的に繰り返される。
本実施形態では、前記第1実施形態と比べて、第1の時間帯の間に第2に時間帯が挿入されることによって、第1の時間帯を短く分割することが可能になる。このため、エッチングレートが低下する時間が短縮されることとなり、その結果、エッチングレートの低下量を抑制することができる。
また、本実施形態では、細長い帯状の種部10cの長手方向を横切る(交差する)ように、走査ルートが設定されている。このような走査ルートでは、プラズマ発生領域Sが有効領域101aを往復するたびに、種部10cを一定の周期で通過することができる。
図7に示すような被処理面101をプラズマ発生領域Sが往復するパターンは、被処理面101を一筆で走査することのできる無駄の少ない走査パターンであるのに加え、上記のように、種部10cを一定の周期で通過することができる。したがって、このような走査パターンによれば、有効領域101aを連続的に効率よくエッチングすることができ、かつ、エッチングレートの振れ幅の狭い、高精度の加工を行うことができる。
なお、本実施形態では、ワーク10が水晶基板である場合を例に説明したが、このワーク10は、結晶育成時の核となる種部を含む結晶性材料(例えば、サファイア等)による基板であれば特に限定されない。
以上、本発明のプラズマ処理方法およびプラズマ処理装置について、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、プラズマ処理としては、前述したように、エッチングに限らず、アッシング、表面改質、表面清浄化等を目的にしたものであってもよい。
本発明のプラズマ処理装置の実施形態を示す図(断面図、側面、ブロック図)である。 本発明のプラズマ処理方法の第1実施形態に用いられるワークの一例を示す平面図である。 本発明のプラズマ処理方法の第1実施形態を説明するための図(平面図)である。 図3に示す走査ルートの部分図と、この走査ルートにおけるエッチングレートの推移の一例を示すグラフである。 図3に示す走査ルートにおけるエッチングレートの推移の他の例と、そのときの走査速度の推移を示すグラフである。 本発明のプラズマ処理方法の第2実施形態に用いられるワークの一例を示す平面図である。 本発明のプラズマ処理方法の第2実施形態を説明するための図(平面図)と、エッチングレートの推移の一例を示すグラフである。 従来のプラズマ処理におけるエッチングレートの経時的変化を模式的に示すグラフである。
符号の説明
1……プラズマ処理装置 11……操作部 12……記憶手段 13……目標形状データ入力部 14……表面測定器 15……NC制御装置 21……上部電極 22……下部電極 221……上面 24……誘電体部 241……凹部 25……ガス供給口 26……排気口 3……処理ガス供給手段 31……ガスボンベ(ガス供給源) 32……マスフローコントロ−ラ(流量調整手段) 34……処理ガス供給流路 35……バルブ 4……通電手段 41……高周波電源 42……導線 5……移動手段 51……第1移動手段 52……第2移動手段 6……排気手段 61……排気ポンプ 62……排気流路 63……バルブ 64……フィルタ 7……制御手段 10……ワーク 101……被処理面 101a……有効領域 101b……非有効領域 10c……種部

Claims (15)

  1. 対向配置された一対の電極間にワークを位置させ、前記ワークの被処理面に処理ガスを供給するとともに、前記一対の電極間に電圧を印加し、それにより前記処理ガスを活性化させてプラズマを発生させ、前記プラズマが発生しているプラズマ発生領域と前記ワークとを相対的に移動することにより、前記被処理面の有効領域を処理するとともに、前記プラズマ処理により生じた反応生成物を必要時に排気するプラズマ処理方法であって、
    前記プラズマ発生領域が、前記被処理面の前記有効領域に対する前記プラズマ処理の開始から終了までの間に、前記被処理面の前記有効領域以外の非有効領域を少なくとも1回通過するよう、前記プラズマ発生領域と前記ワークとを相対的に移動し、
    前記プラズマ発生領域が前記有効領域に位置するときの単位時間当たりの前記排気量が、前記プラズマ発生領域が前記非有効領域に位置するときの単位時間当たりの前記排気量に比べて小さくなるようにしたことを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 前記プラズマ発生領域が前記有効領域に位置している間、前記単位時間当たりの排気量を実質的に0にする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  3. 前記プラズマ発生領域が定期的に前記非有効領域を通過し、かつ、定期的に前記プラズマ処理により生じた反応生成物を排気する請求項2に記載のプラズマ処理方法。
  4. 前記単位時間当たりの排気量が実質的に0である状態から排気を開始するタイミングは、前記プラズマ発生領域が前記有効領域から前記非有効領域に相対的に移動した直後とする請求項2または3に記載のプラズマ処理方法。
  5. 前記単位時間当たりの排気量が実質的に0である状態から排気を開始するとき、前記プラズマ発生領域が前記有効領域から前記非有効領域に相対的に移動する直前から前記排気量を徐々に増大させる請求項2または3に記載のプラズマ処理方法。
  6. 前記プラズマ発生領域が前記有効領域に位置している間において、前記プラズマ処理の処理量の経時的な変化を補うように、前記プラズマ処理条件を調整する請求項1ないし5のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  7. 前記プラズマ処理条件は、前記プラズマ発生領域と前記ワークとを相対的に移動する際の移動速度である請求項6に記載のプラズマ処理方法。
  8. 前記非有効領域は、前記被処理面の縁部に設定されている請求項1ないし7のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  9. 前記プラズマ発生領域は、前記被処理面を往復するとともに、該往復の折り返しで改行するような移動パターンで前記被処理面を走査し、
    前記排気は、前記改行の際に行われる請求項1ないし8のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  10. 前記ワークは、一部に結晶育成時の種部を含む結晶性材料による基板であり、
    前記種部は、前記非有効領域である請求項1ないし9のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  11. 前記種部は細長い形状をなしており、前記プラズマ発生領域は、前記細長い形状の種部に交差するような移動パターンで前記被処理面を走査する請求項10に記載のプラズマ処理方法。
  12. 前記被処理面に対するプラズマ処理は、一筆書きで連続的に行う請求項1ないし11のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  13. 対向配置された一対の電極と、
    前記一対の電極間に前記ワークを載置する載置部と、
    前記一対の電極の少なくとも一方の電極と前記ワークとを相対的に移動する移動手段と、
    前記ワークの被処理面にプラズマ処理を行うための処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
    前記プラズマ処理により生じた反応生成物を排気する排気手段と、
    前記一対の電極間へ通電する通電手段とを有し、
    前記処理ガス供給手段により前記被処理面に前記処理ガスを供給するとともに、前記通電手段により前記一対の電極間へ通電し、前記処理ガスを活性化させてプラズマを発生させ、前記移動手段により前記少なくとも一方の電極と前記ワークとを相対的に移動させることにより、前記被処理面の有効領域を処理するとともに、前記プラズマ処理により生じた反応生成物を必要時に排気するものであり、
    前記排気手段は、前記プラズマが発生しているプラズマ発生領域が前記有効領域に位置するときの単位時間当たりの排気量が、前記プラズマ発生領域が前記被処理面の前記有効領域以外の非有効領域に位置するときの前記単位時間当たりの排気量に比べて小さくなるよう作動することを特徴とするプラズマ処理装置。
  14. 前記処理ガス供給手段は、前記被処理面近傍に前記処理ガスを供給するガス供給口を備え、
    前記排気手段は、前記被処理面近傍に設定された排気口と、前記排気口を介して前記プラズマ処理により生じた反応生成物を排気する排気ポンプと、前記排気量を調整するバルブまたはマスフローコントローラとを備える請求項13に記載のプラズマ処理装置。
  15. 前記排気手段は、前記プラズマ発生領域が前記有効領域に位置するとき、前記単位時間当たりの排気量を実質的に0にするよう作動する請求項13または14に記載のプラズマ処理装置。
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