JP2015118475A - フィラー配合ゴムの有限要素モデルの作成方法 - Google Patents

フィラー配合ゴムの有限要素モデルの作成方法 Download PDF

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【課題】作成時間及び計算コストを低減しつつ、計算精度を維持しうる。【解決手段】マトリックスゴム3中にフィラー4が分散配置されたフィラー配合ゴム2の有限要素モデルを作成するための方法である。この作成方法では、フィラー4の表面4sのみを有限個の要素6を用いて離散化したフィラーモデル4Mを定義する工程S1と、少なくともマトリックスゴム3が占めている空間を有限個の要素9を用いて離散化したマトリックスゴムモデル3Mをフィラーモデル4Mとは独立して定義する工程S2と、マトリックスゴムモデル3Mに、フィラーモデル4Mを、埋め込むモデル埋込工程S3とを含む。モデル埋込工程S3では、マトリックスゴムモデル3Mとフィラーモデル4Mとが、互いの要素6、9の節点7、10の共有を考慮することなく重ねられるとともに、フィラーモデル4Mとマトリックスゴムモデル3Mとの境界部に、拘束条件を与えてフィラー配合ゴムモデル2Mが定義される。【選択図】図3

Description

本発明は、作成時間及び計算コストを低減しつつ、計算精度を維持しうるフィラー配合ゴムの有限要素モデルの作成方法に関する。
近年、有限要素法を用いたコンピュータシミュレーションが種々行われている。これらのシミュレーションでは、解析対象物がコンピュータで取り扱い可能な有限個の要素に離散化され、有限要素モデルが作成される。有限要素モデルには、その剛性や粘性を示す特性が入力される。コンピュータシミュレーションでは、予め定めた変形条件等に基づいて、各要素の節点の変位が計算される。
近年、機械的な構造物のみならず、ゴム材料等の開発にもシミュレーションが用いられている。例えば、ゴムを強化するためのフィラー(充填剤)の開発を効率化するために、マトリックスゴム中にフィラーが分散配置されたフィラー配合ゴムの有限要素モデルを、コンピュータを用いて作成するための方法が、下記特許文献1及び2で提案されている。
特許文献1及び2では、例えば、フィラー配合ゴムの顕微鏡断面写真等に基づいて、マトリックスゴム及びフィラーが占めているそれぞれの部分が特定される。各部分は、例えば、有限個の要素を用いて離散化され、マトリックスゴムモデル及びフィラーモデルにそれぞれモデル化される。
特開2012−185733号公報 特開2012−198654号公報
ところで、フィラーの表面形状が複雑な場合、それを正確にモデル化するためには、小さな要素で離散化する必要がある。一方、計算コストを低減するには、要素数を減らす必要がある。この場合、マトリックスゴムモデルが、大きな要素で離散化されるのが望ましい。
しかしながら、上記従来の方法では、マトリックスゴムモデルと、フィラーモデルとの境界部において、各々の要素の節点が共有されていた。このため、一方のモデルの解像度が、他方のモデルの解像度の制約を受けるという問題があった。
例えば、計算精度を高めるために、フィラーの解像度に合わせてマトリックスゴムモデルが離散化された場合、計算コストが増大する傾向があった。逆に、計算コストを低減するために、大きな要素で離散化されたマトリックスゴムモデルの解像度に合わせてフィラーモデルが離散化された場合、計算精度が低下する傾向があった。
また、上記従来の方法では、フィラーモデルが、フィラーの表面から内部まで、前記要素を用いてモデル化されていた。このため、上記従来の方法では、例えば、フィラーの表面形状が複雑である場合、その表面形状に沿って容易に離散化することできず、フィラーモデルの作成に、多くの時間を要するという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、作成時間及び計算コストを低減しつつ、計算精度を維持しうるフィラー配合ゴムの有限要素モデルの作成方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち第1の発明は、マトリックスゴム中にフィラーが分散配置されたフィラー配合ゴムの有限要素モデルを、コンピュータを用いて作成するための方法であって、前記フィラーの表面のみを有限個の要素を用いて離散化したフィラーモデルを定義する工程と、少なくとも前記マトリックスゴムが占めている空間を有限個の要素を用いて離散化したマトリックスゴムモデルを前記フィラーモデルとは独立して定義する工程と、前記マトリックスゴムモデルに、前記フィラーモデルを、埋め込むモデル埋込工程とを含み、前記モデル埋込工程では、前記マトリックスゴムモデルと前記フィラーモデルとが、互いの前記要素の節点の共有を考慮することなく重ねられるとともに、前記フィラーモデルと前記マトリックスゴムモデルとの境界部に、拘束条件を与えてフィラー配合ゴムモデルが定義されることを特徴とする。
前記第1の発明において、前記マトリックスゴムモデルは、前記マトリックスゴムが占めている第1空間と、前記フィラーが占めている第2空間とを合わせた合計空間を有しているのが望ましい。
前記第1の発明において、前記フィラー配合ゴムモデルは、三次元モデルからなり、前記フィラーの表面は、二次元要素で離散化され、前記空間は、三次元要素で離散化されるのが望ましい。
本発明のうち第2の発明は、マトリックスゴム中にフィラーが分散配置されたフィラー配合ゴムの有限要素モデルを、コンピュータを用いて作成するための方法であって、前記フィラーの表面のみを有限個の要素を用いて離散化したフィラーモデルを定義する工程と、少なくとも前記マトリックスゴムが占めている空間を有限個の要素を用いて離散化したマトリックスゴムモデルを前記フィラーモデルとは独立して定義する工程と、前記フィラーの回りを取り囲む少なくとも1層の界面層を有限個の要素で離散化した界面層モデルを前記フィラーモデル及び前記マトリックスゴムモデルとは独立して定義する工程と、前記マトリックスゴムモデルに、前記フィラーモデルと前記界面層モデルとを、埋め込むモデル埋込工程とを含み、前記モデル埋込工程では、前記マトリックスゴムモデル、前記フィラーモデル及び前記界面層モデルが、互いの前記要素の節点の共有を考慮することなく重ねられるとともに、前記フィラーモデルと前記界面層モデルとの間の境界部、及び、前記界面層モデルと前記マトリックスゴムモデルとの間の境界部に、それぞれ拘束条件を与えてフィラー配合ゴムモデルが定義されることを特徴とする。
前記第2の発明において、前記マトリックスゴムモデルは、前記マトリックスゴムが占めている第1空間と、前記フィラーが占めている第2空間と、前記界面層が占めている第3空間とを合わせた合計空間を有しているのが望ましい。
前記第2の発明において、前記フィラー配合ゴムモデルは、三次元モデルからなり、前記フィラーの表面は、二次元要素で離散化され、前記空間は、三次元要素で離散化され、前記界面層は、三次元要素で離散化されるのが望ましい。
本発明の第1の発明では、フィラーの表面のみを有限個の要素を用いて離散化したフィラーモデルを定義する工程と、少なくともマトリックスゴムが占めている空間を有限個の要素を用いて離散化したマトリックスゴムモデルを前記フィラーモデルとは独立して定義する工程と、マトリックスゴムモデルに、前記フィラーモデルを、埋め込むモデル埋込工程とを含む。
このような第1の発明では、フィラーの表面のみが離散化されるため、例えば、フィラーの表面形状が複雑であっても、フィラーの表面から内部まで離散化していた従来の方法に比べて、容易に離散化することができる。従って、第1の発明では、フィラーモデルの作成時間を大幅に短縮することができる。また、フィラーモデルの要素数を減らすことができるため、フィラー配合ゴムモデルを用いたシミュレーションにおいて、計算コストを低減しうる。
モデル埋込工程では、マトリックスゴムモデルとフィラーモデルとが、互いの要素の節点の共有を考慮することなく重ねられるとともに、フィラーモデルとマトリックスゴムモデルとの境界部に、拘束条件を与えてフィラー配合ゴムモデルが定義される。
このため、第1の発明では、フィラーモデル及びマトリックスゴムモデルを、それぞれの形状や精度要求に適したサイズ及び形状の要素を用いて離散化することができる。従って、ある実施形態では、フィラーモデルにはより小さな要素が、マトリックスゴムモデルにはより大きくかつ単純な形状の要素が、それぞれ採用され得る。このような実施形態では、より単純な形状のマトリックスゴムモデルによる計算コストの抑制、及び、より詳細な形状のフィラーモデルによる計算精度の維持が両立され得る。
本発明の第2の発明では、フィラーの表面のみを有限個の要素を用いて離散化したフィラーモデルを定義する工程と、少なくともマトリックスゴムが占めている空間を有限個の要素を用いて離散化したマトリックスゴムモデルを前記フィラーモデルとは独立して定義する工程と、フィラーの回りを取り囲む少なくとも1層の界面層を有限個の要素で離散化した界面層モデルをフィラーモデル及びマトリックスゴムモデルとは独立して定義する工程と、マトリックスゴムモデルに、フィラーモデルと界面層モデルとを、埋め込むモデル埋込工程とを含む。
このような第2の発明では、フィラーの表面のみが離散化されるため、例えば、フィラーの表面形状が複雑であっても、フィラーの表面から内部まで離散化していた従来の方法に比べて、容易に離散化することができる。従って、第2の発明では、フィラーモデルの作成時間を大幅に短縮することができる。また、フィラーモデルの要素数を減らすことができるため、フィラー配合ゴムモデルを用いたシミュレーションにおいて、計算コストを低減しうる。
モデル埋込工程では、マトリックスゴムモデル、フィラーモデル及び界面層モデルが、互いの要素の節点の共有を考慮することなく重ねられるとともに、フィラーモデルと界面層モデルとの間の境界部、及び、界面層モデルとマトリックスゴムモデルとの間の境界部に、それぞれ拘束条件を与えてフィラー配合ゴムモデルが定義される。
このため、第2の発明では、フィラーモデル、マトリックスゴムモデル及び界面層モデルは、それぞれの形状や精度要求に適したサイズ及び形状の要素で離散化が可能になる。従って、ある実施形態では、フィラーモデルにはより小さな要素が、界面層モデルにはより小さな要素が、マトリックスゴムモデルにはより大きくかつ単純な形状の要素がそれぞれ採用され得る。このような実施形態では、より単純な形状のマトリックスゴムモデルによる計算コストの抑制、及び、より詳細な形状のフィラーモデル及び界面層モデルによる計算精度の維持が両立され得る。
本発明の有限要素モデルの作成方法を実行するコンピュータ装置の斜視図である。 (a)は、本発明の第1の発明が対象とするフィラー配合ゴムの一例の部分斜視図、(b)は、図2(a)のA−A断面図である。 第1の発明の有限要素モデルの作成方法の処理手順を示すフローチャートである。 (a)は、一つのフィラーモデルを視覚化して示す斜視図、(b)は、図4(a)のB部拡大図である。 マトリックスゴムモデルを視覚化して示す斜視図である。 第1の発明のフィラー配合ゴムモデルを視覚化して示す斜視図である。 フィラー配合ゴムモデルの部分拡大図である。 第2の発明が対象とするフィラー配合ゴムの一例の部分拡大断面図である。 第2の発明の有限要素モデルの作成方法の処理手順を示すフローチャートである。 (a)は、界面層モデルを視覚化して示す斜視図、(b)は、図10(a)のC部拡大図である。 第2の発明で視覚化されたフィラー配合ゴムモデルの斜視図である。 実施例のフィラー配合ゴムモデルの変形後の歪分布を示す図である。 比較例のフィラー配合ゴムモデルの変形後の歪分布を示す図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本発明のフィラー配合ゴムの有限要素モデルの作成方法(以下、単に「作成方法」ということがある)は、マトリックスゴム中にフィラーが分散配置されたフィラー配合ゴムの有限要素モデル(フィラー配合ゴムモデル)を、コンピュータを用いて作成するための方法である。
図1は、本発明の作成方法を実行するコンピュータ装置の斜視図である。コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んでいる。この本体1aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置1a1、1a2が設けられる。また、記憶装置には、本実施形態の作成方法を実行するためのソフトウェア(汎用のメッシュ化ソフトウェア(例えば、ANSYS社の「ICEM CFD」))等が予め記憶されている。
図2(a)は、本発明の第1の発明が対象とするフィラー配合ゴム2の一例の部分斜視図である。図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。フィラー配合ゴム2は、ゴムの主要部分を構成しているマトリックスゴム3と、その中に配されたほぼ円形の粒子であるフィラー4とを含んでいる。フィラー4としては、カーボンブラックが用いられているが、シリカやその他の充填剤が単独で又は組み合わされて用いられても良い。
第1の発明では、上記フィラー配合ゴム2から有限要素モデル(フィラー配合ゴムモデル)が作成される。この有限要素モデルは、メッシュモデル等とも呼ばれている。このような有限要素モデルは、コンピュータ1を用いて作成され、かつ、記憶される。コンピュータ1は、この有限要素モデルを使用して数値シミュレーションを実行する。数値シミュレーションでは、有限要素モデルに各種の条件が与えられ、そのときの有限要素モデルの変位や応力といった物理量が、コンピュータ1により計算される。
有限要素モデル(フィラー配合ゴムモデル)は、三次元又は二次元の座標系に従って作成される。以下の実施形態では、フィラー配合ゴムモデルが三次元モデルとして、x−y−zの三次元座標系に定義される。
図3は、第1の発明の有限要素モデルの作成方法の処理手順を示すフローチャートである。図4(a)は、一つのフィラーモデルを視覚化して示す斜視図である。図4(b)は、図4(a)のB部拡大図である。図4(a)では、フィラーモデル4Mの表面を着色して表示している。
第1の発明の作成方法では、先ず、コンピュータ1に、フィラー4をモデル化したフィラーモデルが定義される(工程S1)。フィラーモデル4Mは、図2に示したフィラー配合ゴム2の中に配置されているフィラー4の表面4sのみが、有限個の要素6で分割(離散化)されたものである。このため、フィラーモデル4Mは、内部に空間4Miを有する中空状に定義される。
要素6としては、本実施形態の三次元構造の場合、二次元要素(面要素)が用いられる。二次元要素としては、例えば、四辺形要素又は三角形要素が好適に用いられる。工程S1では、フィラー4の表面4s(図2に示す)に沿って、複数の要素6で離散化される。
このように、工程S1では、図2に示したフィラー4の表面4sのみが、二次元の要素6を用いて離散化される。このため、第1の発明の作成方法では、フィラー4の表面4sから内部まで離散化していた従来の方法に比べて、フィラーモデル4Mの作成時間を短縮することができる。また、工程S1では、二次元の要素6を用いて離散化されるため、例えば、フィラー4の表面4sに、フィラー4の半径方向に突出する凸部(図示省略)や半径方向に凹む凹部(図示省略)が形成されている場合でも、凸部及び凹部に沿って容易に離散化することができる。従って、工程S1では、フィラーモデル4Mの作成時間を大幅に短縮することができる。
また、フィラーモデル4Mは、フィラー4の内部が複数の要素でモデル化される従来の中実状のフィラーモデル(図示省略)に比べて、要素数を減らすことができる。このため、第1の発明の実施形態では、フィラー配合ゴムモデル(図6に示す)を用いたシミュレーションにおいて、計算コストを低減しうる。さらに、フィラーモデル4Mは、フィラー4の表面4sの形状を忠実に再現できるため、計算精度(シミュレーション精度)を維持しうる。なお、表面4sの凹凸を高い精度で定義するために、凹凸が大きいほど、小さな要素6で離散化されるのが望ましい。
フィラーモデル4Mの各要素6の番号や節点7の位置座標などは、コンピュータ1に記憶される。さらに、各要素6には、フィラー4(図2に示す)の物性値に基づいた弾性率や減衰係数などの物理量が入力される。これらの物理量は、各要素6の変形計算(フィラー配合ゴムモデルを用いたシミュレーション)に利用される。
フィラーモデル4Mは、フィラー4の表面4s(図2に示す)のみがモデル化された中空状に定義されるため、フィラー4の内部まで複数の要素でモデル化される従来の中実状のフィラーモデル(図示省略)に比べて、その剛性が小さく定義される傾向がある。このため、各要素6に入力される物理量には、従来のフィラーモデルの各要素に設定される物理量よりも大きい値が設定されるのが望ましい。これにより、中空状のフィラーモデル4Mの剛性を、従来の中実状のフィラーモデルの剛性に近づけることができ、計算精度を向上しうる。例えば、フィラーモデル4Mの要素6の弾性率は、中実状のフィラーモデルの要素に設定される弾性率の2倍〜100倍に設定されるのが望ましい。
次に、コンピュータ1に、図2に示したマトリックスゴム3をモデル化したマトリックスゴムモデルが定義される(工程S2)。図5は、マトリックスゴムモデル3Mを視覚化して示す斜視図である。マトリックスゴムモデル3Mは、フィラー配合ゴム2中の少なくともマトリックスゴム3が占めている空間を、有限個の要素9を用いて離散化することで定義されている。好ましい態様では、フィラー配合ゴム2のうち、マトリックスゴム3が占めている第1空間と、フィラー4が占めている第2空間とを合わせた合計空間が、マトリックスゴムモデル3Mとして、要素9で離散化される。即ち、この実施形態によれば、フィラー配合ゴム2の解析対象部分の輪郭内の全範囲が、要素9で離散化されている。これにより、マトリックスゴムモデル3Mを容易にモデル化することができるため、作成時間を短縮することができる。
要素9としては、本実施形態の三次元構造の場合、三次元要素が用いられる。三次元要素としては、例えば、六面体要素又は四面体要素が好適に用いられる。本実施形態のマトリックスゴムモデル3Mは、矩形の輪郭形状を有しているため、単純な六面体要素9aだけが使用されている。好ましい態様では、マトリックスゴムモデル3Mの各要素9は、全て同じ大きさとされている。また、マトリックスゴムモデル3Mの各要素9は、フィラーモデル4Mの要素6(図4に示す)と同じかそれよりも大きいのが望ましい。これにより、マトリックスゴムモデル3Mが、少ない要素数で容易に作成され得る。
必要に応じて、マトリックスゴムモデル3Mは、要素9のx軸方向、y軸方向、又は、z軸方向の長さを変えることができる。例えば、解析対象領域がx軸方向に大きな変形をなすことが経験則から判明している場合、要素9のx軸方向の長さを、y軸方向の長さよりも小さくするのが望ましい。これにより、x軸方向の要素9の個数を相対的に増やすことができるため、x軸方向の変形を精度よく計算することができる。
マトリックスゴムモデル3Mの各要素9の番号や節点10の位置座標などは、コンピュータ1に記憶される。さらに、各要素9には、マトリックスゴム3の物性値に基づいた弾性率や減衰係数などの物理量が入力される。これらの物理量は、各要素9の変形計算(フィラー配合ゴムモデルを用いたシミュレーション)に利用される。
工程S2において、マトリックスゴムモデル3Mは、フィラーモデル4Mとは独立して定義される。ここで、「独立して定義される」とは、マトリックスゴムモデル3Mとフィラーモデル4Mとが、互いに関連付けられることなく、それぞれ、独自に定義されることを意味している。例えば、マトリックスゴムモデル3Mの節点10は、フィラーモデル4Mの節点7と共有される必要がなく、形状を精度よく表現するために任意の位置に定義され得る。
従って、第1の発明では、マトリックスゴムモデル3M及びフィラーモデル4Mが、それぞれに適したサイズ又は形状の要素で離散化され得る。好ましい実施形態では、計算精度を維持するために、フィラーモデル4Mは、より小さな要素6で離散化され、フィラー4の表面4sの形状が精度よく再現され得る。他の好ましい実施形態では、計算コストを抑制するために、マトリックスゴムモデル3Mは、より大きくかつ単純な形状の要素9で離散化され得る。
この実施形態では、工程S1の後に、工程S2が実施されるものが例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、工程S2は、工程S1よりも先に行われても良く、工程S1と並列して行われても良い。
次に、マトリックスゴムモデル3Mに、フィラーモデル4Mが埋め込まれる(モデル埋込工程S3)。図6は、第1の発明で視覚化されたフィラー配合ゴムモデルの斜視図である。図7は、フィラー配合ゴムモデルの部分拡大図である。
モデル埋込工程S3では、マトリックスゴムモデル3M及びフィラーモデル4Mの互いの節点7、10の共有を考慮することなく、マトリックスゴムモデル3Mと、フィラーモデル4Mとが重ねられる。即ち、モデル埋込工程S3では、2以上のモデルの相互の重なりが許容されている。マトリックスゴムモデル3Mに対するフィラーモデル4Mの位置は、解析対象物の配合ゴム等に基づいて定められる。
モデル埋込工程S3では、さらに、フィラーモデル4Mとマトリックスゴムモデル3Mとの境界部11に、相対変形を禁止する拘束条件が与えられる。これにより、コンピュータに、フィラー配合ゴムモデル2Mが定義される。
拘束条件は、各モデル3M、4Mの節点7、10の並進自由度を拘束する条件であり、コンピュータ1によって計算される。このような拘束条件は、コンピュータ1に記憶される。
図7では、マトリックスゴムモデル3Mとして二つの要素9が示されている。各要素9の節点10としては、節点10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g及び10hが含まれている。また、フィラーモデル4Mの要素6は、マトリックスゴムモデル3Mの要素9に埋め込まれる(重ねられる)。この要素6の節点7としては、節点7a、7b、7c及び7dが含まれている。これらの節点7a〜7dは、マトリックスゴムモデル3Mの要素9の内部に位置している。
このように、フィラーモデル4Mがマトリックスゴムモデル3Mに埋め込まれるので、コンピュータ1は、マトリックスゴムモデル3Mの要素9の領域内に、フィラーモデル4Mの要素6の各節点7a〜7dが存在しているか否かの判定を行う。この判定が、マトリックスゴムモデル3Mの全ての要素9について行われる。
コンピュータ1は、フィラーモデル4Mの要素6の各節点7a〜7dが、マトリックスゴムモデル3Mの要素9の中に存在していると判断した場合、マトリックスゴムモデル3Mの要素9に対するフィラーモデル4Mの要素6の各節点7a〜7dの幾何学的な位置に基づいて、各節点7a〜7dの重み係数を決定する。重み係数は、フィラーモデル4Mの要素6の各節点7a〜7dから、その周囲のマトリックスゴムモデル3Mの要素9の各節点10a〜10fまでの距離と反比例の関係がある。フィラーモデル4Mの要素6の節点7a〜7dは、マトリックスゴムモデル3Mの要素9の各節点10a〜10fに近いほど強く拘束される。例えば、フィラーモデル4Mの要素6の節点7bは、マトリックスゴムモデル3Mの要素9の節点10dに最も強く拘束される。このように、重み係数を用いることにより、フィラーモデル4Mの各要素6において、全ての節点7a〜7dの自由度(並進自由度)を拘束することができる。
重み係数は、フィラーモデル4Mの各要素6の全ての節点7a〜7dについて、計算される。これにより、マトリックスゴムモデル3Mとフィラーモデル4Mとの間の境界部11において、両モデル間の相対的な動きが拘束され得る。
以上説明したように、第1の発明では、マトリックスゴムモデル3Mとフィラーモデル4Mとが互いに独立して定義されるため、要素のサイズや節点の共有等を考慮する必要がない。従って、モデル作成の手間が低減する。第1の発明では、マトリックスゴムモデル3Mの要素数の増加を防ぎながら、フィラーモデル4Mの表面形状等を精度よくシミュレーションに再現できる。独立してそれぞれ定義されたマトリックスゴムモデル3Mとフィラーモデル4Mとの境界部11には、拘束条件が与えられているため、節点が共有されていなくても、境界部11で力や変位が正確に伝達され、計算精度が低下することもない。
図2及び図5に示されるように、この実施形態では、マトリックスゴム3が占めている第1空間と、フィラー4が占めている第2空間とを合わせた合計空間が、マトリックスゴムモデル3Mとして離散化されるものが例示されたが、このような態様に限定されるわけではない。例えば、フィラー4が占めている第2空間のうち、フィラー4の表面4sが重なる領域と、第1空間とを合わせた合計空間が、マトリックスゴムモデル3Mとして、要素9で離散化されてもよい。このようなマトリックスルゴムモデルは、要素9の個数をより少なくすることができるため、計算コストを低減することができる。
次に、本発明の第2の発明の実施形態が説明される。
図8は、第2の発明が対象とするフィラー配合ゴム15の一例の部分拡大断面図である。この実施形態のフィラー配合ゴム15は、図2のフィラー配合ゴム2よりもさらに、詳細な構成で表現されている。フィラー配合ゴム15は、マトリックスゴム3と、フィラー4と、フィラー4とマトリックスゴム3との間の界面層5とを含んでいる。
種々の実験の結果、フィラー4の周囲には、マトリックスゴム3のバルク部分とは異なる力学的性質を示す薄い界面層(ガラス層と呼ばれることもある)5が形成されていることが知られている。第2の発明では、このような界面層5を含む有限要素モデル(フィラー配合ゴムモデル)が作成されるのに適している。
図9は、第2の発明の実施形態に係る有限要素モデルの作成方法の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、図8のフィラー配合ゴム15の有限要素モデル(フィラー配合ゴムモデル)を、コンピュータ1を用いて作成するための手順である。
第2の発明の実施形態においても、第1の発明の実施形態の工程S1及び工程S2を含んでいる。工程S1及び工程S2の内容は、第1の発明の実施形態で説明された通りである。従って、図4に示されるように、第2の発明の実施形態でも、工程S1において、フィラー配合ゴム15の中に配置されているフィラー4の表面4sのみが、複数の二次元の要素6で分割(離散化)される。これにより、第2の発明の実施形態では、第1の発明の実施形態と同様に、フィラー4の表面4sから内部まで離散化していた従来の方法に比べて、容易に離散化することができるため、計算精度を維持しつつ、フィラーモデル4Mの作成時間を大幅に短縮することができる。また、フィラーモデル4Mは、フィラー4の内部が複数の要素でモデル化される従来の中実状のフィラーモデル(図示省略)に比べて、要素数を減らすことができるため、フィラー配合ゴムモデル(図6に示す)を用いたシミュレーションにおいて、計算コストを低減しうる。
また、第2の発明の実施形態において、工程S2では、マトリックスゴム3が占めている第1空間と、フィラー4が占めている第2空間と、界面層5が占めている第3空間とを合わせた合計空間が、マトリックスゴムモデル3Mとして、要素9で離散化されるのが望ましい。即ち、この実施形態においても、図5に示されるように、フィラー配合ゴム15の解析対象部分の輪郭内の全範囲が要素6で離散化されている。
次に、第2の発明の実施形態では、コンピュータ1に、フィラー4の回りを取り囲む少なくとも1層の界面層5を有限個の要素で離散化した界面層モデルが定義される(工程S4)。
図10(a)は、界面層モデル5Mを視覚化して示す斜視図である。図10(b)は、図10(a)のC部拡大図である。界面層モデル5Mは、図8に示したフィラー配合ゴム15の中で界面層5が占めている三次元空間(第3空間)にほぼ等しい空間が、複数の要素16で分割(離散化)されたものである。本実施形態の界面層モデル5Mは、球状の外形を有している。また、界面層モデル5Mは、図8に示したフィラー4が占めている第2空間にほぼ等しい空間に、空間を有する中空状に定義される。
要素16としては、本実施形態の三次元構造の場合、例えば、三次元要素が用いられる。三次元要素としては、例えば、六面体要素16a又は四面体要素16bが好適に用いられる。この実施形態では、六面体要素16a及び四面体要素16bが使用されているため、滑らかな球状の外形を有した界面層モデル5Mを定義することができる。
界面層モデル5Mの各要素16の番号や節点17の位置座標などは、コンピュータ1に記憶される。さらに、各要素16には、界面層5(図8に示す)の物性値(例えば、マトリックスゴムよりも硬い物性値等)に基づいた弾性率や減衰係数などの物理量が入力される。これらの物理量は、各要素16の変形計算(フィラー配合ゴムモデルを用いたシミュレーション)に利用される。
なお、界面層モデル5Mは、後述するモデル埋込工程S5において、マトリックスゴムモデル3Mに埋め込まれる。このため、界面層モデル5Mの物性値は、フィラー配合ゴムモデルにおいて、本工程S4で設定された物性値と、マトリックスゴムモデル3Mの物性値との和で定義される。従って、工程S4において、界面層モデル5Mに設定される物性値は、界面層5(図8に示す)の物性値から、マトリックスゴムモデル3Mに設定された物性値を減じた値が設定されるのが望ましい。これにより、フィラー配合ゴムモデルでの界面層モデル5Mの物性値を、実際の界面層5に近似させることができる。
工程S4において、界面層モデル5Mは、図4に示すフィラーモデル4M、及び、図5に示すマトリックスゴムモデル3Mとは独立して定義される。工程S4において、「独立して定義される」とは、界面層モデル5Mは、マトリックスゴムモデル3M及びフィラーモデル4Mと、互いに関連付けられることなく、独自に定義されることを意味している。従って、界面層モデル5Mの各節点17は、マトリックスゴムモデル3Mの節点7及びフィラーモデル4Mの節点10のいずれとも共有される必要がなく、任意の位置に定義され得る。従って、モデルの作成自由度が向上する。
次に、第2の発明の実施形態では、マトリックスゴムモデル3Mに、フィラーモデル4Mと界面層モデル5Mとが埋め込まれる(モデル埋込工程S5)。図11は、第2の発明で視覚化されたフィラー配合ゴムモデルの斜視図である。この図では、界面層モデル5Mを着色して表示している。
モデル埋込工程S5では、マトリックスゴムモデル3Mとフィラーモデル4Mと界面層モデル5Mが、図8に示したフィラー配合ゴム15に基づいた位置でそれぞれ重ねられる。
モデル埋込工程S5では、さらに、フィラーモデル4Mと界面層モデル5Mとの間の第1境界部19の拘束条件と、界面層モデル5Mとマトリックスゴムモデル3Mとの間の第2境界部20の拘束条件とがそれぞれ与えられる。これにより、フィラー配合ゴムモデル15Mが定義される。第1境界部19の拘束条件を定義する方法については、第1の発明の実施形態と同一である。
第2境界部20の拘束条件を定義する方法についても、第1の発明の実施形態と同様に、コンピュータ1によって、界面層モデル5Mの各節点17が、マトリックスゴムモデル3Mの要素9の中に存在していると判断された場合、マトリックスゴムモデル3Mの要素9に対する界面層モデル5Mの要素16の各節点17の幾何学的な位置に基づいて、各節点17の重み係数が決定される。このように、重み係数を用いることにより、界面層モデル5Mの各要素16において、全ての節点17の自由度(並進自由度)を拘束することができる。重み係数は、界面層モデル5Mの各要素16の全ての節点17について計算される。これにより、マトリックスゴムモデル3Mと界面層モデル5Mとの間の境界部20において、両モデル間の相対的な動きが拘束され得る。
本実施形態では、界面層モデル5Mの物性値が、フィラーモデル4Mの物性値よりも小に設定されている。このため、界面層モデル5Mの各節点17の重み係数と、フィラーモデル4Mの各節点7の重み係数とを同一にしても、界面層モデル5Mのマトリックスゴムモデル3Mに対する相対的な動きを一部許容でき、界面層5の挙動を効果的に再現することができる。
また、界面層モデル5Mの各節点17の重み係数は、フィラーモデル4Mの各節点7(図4に示す)の重み係数よりも小さく設定してもよい。これにより、界面層モデル5Mのマトリックスゴムモデル3Mに対する相対的な動きをさらに許容することができる。なお、界面層モデル5Mの各節点17の重み係数が小さすぎると、マトリックスゴムモデル3Mと界面層モデル5Mとを十分に拘束できなくなり、フィラー配合ゴムモデル15Mの大変形時に、マトリックスゴムモデル3Mと界面層モデル5Mとの重複部分が、界面層モデル5Mからはみ出る(マトリックスゴムモデル3Mが増加する)おそれがある。
第2の発明でも、マトリックスゴムモデル3M、フィラーモデル4M及び界面層モデル5Mが互いに独立して定義されているため、節点を共有させる等の手間が削減される。第2の発明では、要素数の増加を防ぎながら、フィラーモデル4Mや界面層モデル5Mの表面形状等を精度よくシミュレーションに再現できる。さらに、独立してそれぞれ定義されたマトリックスゴムモデル3M、フィラーモデル4M及び界面層モデル5Mの各境界部19、20には、拘束条件が与えられているため、節点が共有されていなくても、各境界部19、20で力や変位の伝達が確実に行われ、計算精度を損ねることもない。
上述した第1の発明及び第2の発明の各実施形態では、各フィラー配合ゴムモデル2M、15Mが、三次元モデルである場合が例示されたが、2次元モデルとして定義されてもよい。この場合、フィラーモデル4Mは、一次元の線要素(図示省略)を用いて、フィラー4の表面4sのみが離散化されるのが望ましい。また、マトリックスゴムモデル3M及び界面層モデル5Mは、四辺形要素又は三角形要素(図示省略)を用いて離散化されるのが望ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図3に示した手順に従って、フィラー配合ゴム(図2に示す)をモデル化したフィラー配合ゴムモデル(図5に示す)が定義された(実施例)。そして、シミュレーションソフトLS−DYNAを用いて、実施例のフィラー配合ゴムモデルの変形計算(y軸方向に35%伸張)が実施された。実施例のフィラー配合ゴムモデルの歪分布を、図12に示す。
また、比較のために、従来の方法に基づいて、フィラーの表面から内部にかけて複数の要素でモデル化される中実のフィラーモデルがモデル化され、該フィラーモデルを含むフィラー配合ゴムモデル(図示省略)が定義された(比較例)。そして、上記シミュレーションソフトを用いて、実施例のフィラー配合ゴムモデルと同様に、比較例のフィラー配合ゴムモデルの変形計算が実施された。比較例のフィラー配合ゴムモデルの歪分布を、図13に示す。
テストの結果、実施例のフィラー配合ゴムモデルをモデル化するのに要した時間は、比較例のフィラー配合ゴムモデルをモデル化するのに要した時間の50%であった。従って、実施例の作成方法では、比較例の作成方法に比べて、フィラー配合ゴムモデルを短時間で作成できることが確認できた。
また、実施例のフィラー配合ゴムモデルを変形させるのに要した計算時間は、比較例のフィラー配合ゴムモデルを変形させるのに要した計算時間の90%であった。従って、実施例のフィラー配合ゴムモデルは、比較例のフィラー配合ゴムモデルに比べて、計算コストを低減しうることが確認できた。
図12及び図13に示されるように、実施例のフィラー配合ゴムモデルの歪分布は、比較例のフィラー配合ゴムモデルの歪分布と、ほぼ同一であることが確認できた。従って、実施例のフィラー配合ゴムモデルは、計算精度を維持しうることが確認できた。
2 フィラー配合ゴム
2M フィラー配合ゴムモデル
3 マトリックスゴム
3M マトリックスゴムモデル
4 フィラー
4M フィラーモデル
6、9 要素
7、10 節点

Claims (6)

  1. マトリックスゴム中にフィラーが分散配置されたフィラー配合ゴムの有限要素モデルを、コンピュータを用いて作成するための方法であって、
    前記フィラーの表面のみを有限個の要素を用いて離散化したフィラーモデルを定義する工程と、
    少なくとも前記マトリックスゴムが占めている空間を有限個の要素を用いて離散化したマトリックスゴムモデルを前記フィラーモデルとは独立して定義する工程と、
    前記マトリックスゴムモデルに、前記フィラーモデルを、埋め込むモデル埋込工程とを含み、
    前記モデル埋込工程では、前記マトリックスゴムモデルと前記フィラーモデルとが、互いの前記要素の節点の共有を考慮することなく重ねられるとともに、
    前記フィラーモデルと前記マトリックスゴムモデルとの境界部に、拘束条件を与えてフィラー配合ゴムモデルが定義されることを特徴とするフィラー配合ゴムの有限要素モデルの作成方法。
  2. 前記マトリックスゴムモデルは、前記マトリックスゴムが占めている第1空間と、前記フィラーが占めている第2空間とを合わせた合計空間を有している請求項1記載のフィラー配合ゴムの有限要素モデルの作成方法。
  3. 前記フィラー配合ゴムモデルは、三次元モデルからなり、
    前記フィラーの表面は、二次元要素で離散化され、
    前記空間は、三次元要素で離散化される請求項1又は2記載のフィラー配合ゴムの有限要素モデルの作成方法。
  4. マトリックスゴム中にフィラーが分散配置されたフィラー配合ゴムの有限要素モデルを、コンピュータを用いて作成するための方法であって、
    前記フィラーの表面のみを有限個の要素を用いて離散化したフィラーモデルを定義する工程と、
    少なくとも前記マトリックスゴムが占めている空間を有限個の要素を用いて離散化したマトリックスゴムモデルを前記フィラーモデルとは独立して定義する工程と、
    前記フィラーの回りを取り囲む少なくとも1層の界面層を有限個の要素で離散化した界面層モデルを前記フィラーモデル及び前記マトリックスゴムモデルとは独立して定義する工程と、
    前記マトリックスゴムモデルに、前記フィラーモデルと前記界面層モデルとを、埋め込むモデル埋込工程とを含み、
    前記モデル埋込工程では、前記マトリックスゴムモデル、前記フィラーモデル及び前記界面層モデルが、互いの前記要素の節点の共有を考慮することなく重ねられるとともに、
    前記フィラーモデルと前記界面層モデルとの間の境界部、及び、前記界面層モデルと前記マトリックスゴムモデルとの間の境界部に、それぞれ拘束条件を与えてフィラー配合ゴムモデルが定義されることを特徴とするフィラー配合ゴムの有限要素モデルの作成方法。
  5. 前記マトリックスゴムモデルは、前記マトリックスゴムが占めている第1空間と、前記フィラーが占めている第2空間と、前記界面層が占めている第3空間とを合わせた合計空間を有している請求項4記載のフィラー配合ゴムの有限要素モデルの作成方法。
  6. 前記フィラー配合ゴムモデルは、三次元モデルからなり、
    前記フィラーの表面は、二次元要素で離散化され、
    前記空間は、三次元要素で離散化され、
    前記界面層は、三次元要素で離散化される請求項4又は5記載のフィラー配合ゴムの有限要素モデルの作成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107644120A (zh) * 2017-08-16 2018-01-30 南京大学 一种用于岩土体三维离散元快速建模和模拟的通用数值模拟箱

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