JP2019008538A - 複合材料のシミュレーション方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複合材料モデルの応力が、必要以上に大きく計算されるのを防ぐ。【解決手段】 少なくとも1つのフィラー粒子と、前記フィラー粒子を取り囲むように配置されかつ前記フィラー粒子に比して柔らかいマトリックスゴムとを含む複合材料の変形状態を調べるための方法である。この複合材料のシミュレーション方法は、コンピュータに、複合材料を有限個の要素で離散化した複合材料モデルを入力する工程と、コンピュータが、予め定められた条件に基づいて、複合材料モデル12を変形させて予め定められた物理量を計算する工程とを含んでいる。複合材料モデル12は、フィラー粒子及びマトリックスゴムを、それぞれ、有限個の要素で離散化したフィラー粒子モデル13及びマトリックスゴムモデル14を含んでいる。マトリックスゴムモデル14は、フィラー粒子モデル13と点19aのみで結合されている。【選択図】図8
Description
本発明は、複合材料のシミュレーション方法に関し、少なくとも1つのフィラー粒子と、フィラー粒子を取り囲むように配置されたマトリックスゴムとを含む複合材料の変形状態を調べるための方法に関する。
下記特許文献1は、マトリックスゴム中にフィラーが分散配置されたフィラー配合ゴムのシミュレーション方法を提案している。下記特許文献1のシミュレーション方法では、先ず、フィラー配合ゴムを、有限個の要素で離散化したフィラー配合ゴムの有限要素モデルが作成される。そして、下記特許文献1のシミュレーション方法では、有限要素モデルを変形させて、有限要素モデルの応力等を含む物理量が計算される。
図15は、従来のフィラー領域の要素に結合されたゴム領域の要素の一例を示す図である。上記特許文献1の有限要素モデルは、フィラー領域aとゴム領域bとの境界cにおいて、ゴム領域bの要素eが、フィラー領域aに、辺f又は面(図示省略)で結合されている。ゴム領域bの要素eには、例えば、その要素eの面積一定又は体積一定の拘束条件が定義されている。
境界cに配されるゴム領域bの要素eは、実質的に変形しないフィラー領域aと辺f又は面(図示省略)で強固(伸縮不能)に拘束されるため、前記拘束条件の下で、辺f又は面の寸法を変化させることができない。このため、ゴム領域bの要素eは、有限要素モデルの変形計算時において、フィラー領域aから離間する方向に実質的に変形することができず、剛体として計算される。従って、上記特許文献1のシミュレーション方法では、有限要素モデルの応力が、必要以上に大きく計算されるという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、複合材料モデルの応力が、必要以上に大きく計算されるのを防ぐことができる複合材料のシミュレーション方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、少なくとも1つのフィラー粒子と、前記フィラー粒子を取り囲むように配置されかつ前記フィラー粒子に比して柔らかいマトリックスゴムとを含む複合材料の変形状態を調べるための方法であって、コンピュータに、前記複合材料を有限個の要素で離散化した複合材料モデルを入力する工程と、前記コンピュータが、予め定められた条件に基づいて、前記複合材料モデルを変形させて予め定められた物理量を計算する工程とを含み、前記複合材料モデルは、前記フィラー粒子及び前記マトリックスゴムを、それぞれ、有限個の要素で離散化したフィラー粒子モデル及びマトリックスゴムモデルを含み、前記マトリックスゴムモデルは、前記フィラー粒子モデルと点のみで結合されていることを特徴とする。
本発明に係る前記複合材料のシミュレーション方法において、前記複合材料モデルを入力する工程は、前記フィラー粒子モデルと前記マトリックスゴムモデルとが辺又は面で結合されるように、前記フィラー粒子モデルの周りに前記マトリックスゴムモデルを定義する第1工程と、前記第1工程の後、前記フィラー粒子モデルと前記マトリックスゴムモデルとが点のみで結合されるように、前記マトリックスゴムモデルの前記要素の一部を取り除く第2工程とを含むであってもよい。
本発明の複合材料のシミュレーション方法は、前記コンピュータに、前記複合材料を有限個の要素で離散化した複合材料モデルを入力する工程と、前記コンピュータが、予め定められた条件に基づいて、前記複合材料モデルを変形させて予め定められた物理量を計算する工程とを含んでいる。
前記複合材料モデルは、前記フィラー粒子及び前記マトリックスゴムを、それぞれ、有限個の要素で離散化したフィラー粒子モデル及びマトリックスゴムモデルを含んでいる。マトリックスゴムモデルは、フィラー粒子モデルと点のみで結合されている。
このような前記フィラー粒子モデルと前記点のみで結合された前記マトリックスゴムモデルの前記要素は、例えば、前記フィラー粒子モデルと辺又は面で結合された前記マトリックスゴムモデルの前記要素に比べて、その変形量を大きくすることができる。従って、本発明の複合材料のシミュレーション方法は、前記複合材料モデルの応力が、必要以上に大きく計算されるのを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態の複合材料のシミュレーション方法(以下、単に「シミュレーション方法」ということがある。)では、コンピュータを用いて、複合材料の変形状態が調べられる。
本実施形態の複合材料のシミュレーション方法(以下、単に「シミュレーション方法」ということがある。)では、コンピュータを用いて、複合材料の変形状態が調べられる。
図1は、複合材料のシミュレーション方法を実行するためのコンピュータの一例を示す斜視図である。コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んで構成されている。本体1aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置1a1、1a2が設けられている。また、記憶装置には、本実施形態のシミュレーション方法を実行するためのソフトウェアが予め記憶されている。
図2は、複合材料2の一例を示す部分断面図である。複合材料2は、少なくとも1つのフィラー粒子3と、フィラー粒子3に比して柔らかいマトリックスゴム4とを含んで構成されている。フィラー粒子3は、例えば、シリカ又はカーボンブラック等の充填剤である。本実施形態のフィラー粒子3は、シリカである場合が例示される。マトリックスゴム4は、例えば、天然ゴムやブタジエンゴム等である。マトリックスゴム4は、フィラー粒子3を取り囲むように配置されている。
図3は、複合材料のシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態のシミュレーション方法では、先ず、コンピュータ1に、複合材料2を有限個の要素で離散化した複合材料モデルが入力される(入力工程S1)。複合材料モデルは、二次元又は三次元の座標系に従って作成される。本実施形態の複合材料モデルは、二次元の座標系に従って、ニ次元モデルとして作成される。図4は、入力工程S1の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の入力工程S1では、先ず、フィラー粒子モデルの周りに、マトリックスゴムモデルが定義される(第1工程S11)。図5は、二次元空間の一例を示す部分平面図である。図6は、フィラー粒子モデル13及びマトリックスゴムモデル14の一例を示す部分平面図である。
図5に示されるように、本実施形態の第1工程S11では、先ず、予め決定された二次元空間7に、フィラー粒子3が占めるフィラー領域9、及び、マトリックスゴム4が占めるマトリックス領域10がそれぞれ割り当てられる。フィラー領域9及びマトリックス領域10は、それぞれ座標によって特定される。
フィラー領域9及びマトリックス領域10は、例えば、複合材料2(図2に示す)の顕微鏡画像等に基づいて割り当てられるのが望ましい。これにより、精度の高い複合材料モデルを作成することができる。二次元空間7及びフィラー領域9の大きさについては、上記特許文献1と同様に設定することができる。図5では、フィラー領域9とマトリックス領域10とを区別しやすいように、フィラー領域9が着色して表示されている。
次に、本実施形態の第1工程S11では、フィラー領域9及びマトリックス領域10が、有限個の要素17(図6に示す)でそれぞれ離散化される。これにより、第1工程S11では、図6に示されるように、フィラー粒子3(図2に示す)を有限個の要素17で離散化したフィラー粒子モデル13、及び、マトリックスゴム4(図2に示す)を有限個の要素17で離散化したマトリックスゴムモデル14がそれぞれ定義される。本実施形態の第1工程S11では、フィラー粒子モデル13の周りに、マトリックスゴムモデル14が定義されている。
複合材料2の離散化は、例えば、汎用のメッシュ化ソフトウェア(例えば、ANSYS社の「ICEM CFD」)等によって実施することができる。要素17は、有限要素法により取り扱い可能なものである。また、要素17は、複合材料モデル12が二次元モデルとして作成される場合、平面要素として定義される。本実施形態の平面要素としては、三角形要素が用いられている。このような三角形要素は、例えば、他の平面要素(例えば、四辺形要素等)に比べて、容易に離散化することができるため、複合材料モデル12のモデル化するのに要する時間を短縮することができる。
図7は、図6の部分拡大図である。要素17は、複数の節点19と、隣接する節点19、19間を接続する辺20とを有している。各要素17には、節点19の番号、及び、節点19の座標値が設定される。フィラー粒子モデル13を構成する要素17には、フィラー粒子3の物性値に基づく弾性率や減衰係数などの物理量が入力される。また、マトリックスゴムモデル14を構成する要素17には、マトリックスゴム4の物性値に基づく弾性率や減衰係数などの物理量、及び、面積一定の拘束条件が入力される。
第1工程S11において、フィラー粒子モデル13及びマトリックスゴムモデル14は、フィラー粒子モデル13とマトリックスゴムモデル14との境界22において、要素17の辺20で結合されている。さらに、本実施形態のフィラー粒子モデル13及びマトリックスゴムモデル14は、フィラー粒子モデル13とマトリックスゴムモデル14との境界22において、要素17の節点19を共有している。フィラー粒子モデル13及びマトリックスゴムモデル14は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の入力工程S1では、第1工程S11の後、マトリックスゴムモデル14の要素17の一部が取り除かれる(第2工程S12)。第2工程S12では、フィラー粒子モデル13とマトリックスゴムモデル14とが点のみで結合されるように、マトリックスゴムモデル14の要素17の一部が取り除かれる。
本実施形態の第2工程S12では、フィラー粒子モデル13の要素17に結合されているマトリックスゴムモデル14の要素17のうち、フィラー粒子モデル13と結合する辺20を有する要素(以下、単に「第1要素」ということがある。)17Aが取り除かれる。図8は、図6のマトリックスゴムモデル14の要素17の一部が取り除かれた複合材料モデル12の部分拡大図である。
図8に示されるように、第1要素17Aが取り除かれることにより、フィラー粒子モデル13には、フィラー粒子モデル13と節点19を共有する要素(以下、単に「第2要素」ということがある。)17Bのみが結合されている。これにより、第2工程S12では、フィラー粒子モデル13とマトリックスゴムモデル14とが点19a(節点19)のみで結合させた複合材料モデル12を定義することができる。また、本実施形態の複合材料モデル12には、マトリックスゴムモデル14の第1要素17Aを取り除くことで形成された空隙23が設けられている。複合材料モデル12は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、コンピュータ1が、予め定められた条件に基づいて複合材料モデル12を変形させて、予め定められた物理量を計算する(工程S2)。複合材料モデル12の変形計算としては、例えば、複合材料モデル12の引張変形や圧縮変形など適宜選択することができる。本実施形態の変形計算は、引張変形が行われる。図9は、複合材料モデル12を変形させる工程を説明する部分平面図である。
工程S2では、予め定められた歪みに基づいて、Y軸方向に引張された複合材料モデル12が計算される。本実施形態の工程S2では、複合材料モデル12を1%〜100%程度伸長している。Y方向の引張速度Vについては、適宜設定される。複合材料モデル12の変形計算は、従来の方法と同様に、市販の有限要素解析アプリケーションソフト(例えば、ANSYS社の「LS-DYNA」)を用いて、単位時間Tx(x=0、1、…)ごと(例えば、1μ秒ごと)に行われる。
本実施形態の複合材料モデル12において、フィラー粒子モデル13とマトリックスゴムモデル14との相互作用(力や変位)は、フィラー粒子モデル13とマトリックスゴムモデル14とを結合する点19a(節点19)を介して伝達される。そして、工程S2では、複合材料モデル12の変位や応力等を含む物理量が計算される。計算された物理量は、コンピュータ1に記憶される。
図10は、フィラー粒子モデル13に結合されたマトリックスゴムモデル14の要素17(第2要素17B)の一例を示す平面図である。上述したように、マトリックスゴムモデル14は、フィラー粒子モデル13と点19aのみで結合されている。マトリックスゴムモデル14の要素17のうち、フィラー粒子モデル13と点19aのみで結合されたマトリックスゴムモデル14の要素17(第2要素17B)は、例えば、フィラー粒子モデル(フィラー領域a)と辺fで結合された従来のマトリックスゴムモデル(ゴム領域b)の要素e(図15に示す)に比べて、各辺20の寸法を柔軟に変化(伸縮)させることができる。
このように、本実施形態のシミュレーション方法は、マトリックスゴムモデル14の要素17を、面積一定の拘束条件の下で、フィラー粒子モデル13から離間する方向に柔軟に変形させることができるため、要素17の変形量を大きくでき、複合材料モデル12の応力が必要以上に大きく計算されるのを防ぐことができる。
本実施形態の複合材料モデル12において、フィラー粒子モデル13と点19a(節点19)のみで結合されたマトリックスゴムモデル14の要素17の辺20の一部は、空隙23に配置されている。このような空隙23に配置された辺20は、他の要素17に拘束されることなく、その寸法を柔軟に変化(伸縮)させることができる。従って、本実施形態のシミュレーション方法では、マトリックスゴムモデル14の要素17を、より柔軟に変形させることができるため、複合材料モデル12の応力が、必要以上に大きく計算されるのを効果的に防ぐことができる。
図8に示されるように、フィラー粒子モデル13に結合されたマトリックスゴムモデル14の要素17(第2要素17B)について、フィラー粒子モデル13に結合される点19a(節点19)と、点19aと向き合う(即ち、フィラー粒子モデル13から離間する方向で向き合う)辺20との間の第1長さ(最短距離)L1は、他の要素17の辺20の長さL2よりも小さいのが望ましい。これにより、第2要素17Bは、フィラー粒子モデル13から離間する方向の剛性を高くできるため、空隙23によって低下しがちなマトリックスゴムモデル14の剛性を維持することができる。なお、第1長さL1は、複合材料モデル12を変形させる工程S2が実施される前に、特定されるものとする。
第1長さL1については、他の要素17の辺20の長さL2よりも小さければ、適宜設定することができる。なお、第1長さL1が大きいと、マトリックスゴムモデル14の剛性を維持できないおそれがある。逆に、第1長さL1が小さいと、マトリックスゴムモデル14の剛性が過度に大きくなるおそれがある。このような観点より、第1長さL1は、長さL2の10%〜90%が望ましい。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、コンピュータ1が、複合材料モデル12の物理量が良好であるか否かを判断する(工程S3)。工程S3では、複合材料モデル12の物理量に基づいて、複合材料モデル12の強度等が評価される。
工程S3において、複合材料モデル12の物理量が良好であると判断された場合(工程S3で、「Y」)、複合材料2を用いて、ゴム製品が製造される(工程S4)。他方、工程S3において、複合材料モデル12の物理量が良好でないと判断された場合(工程S3で、「N」)、複合材料2の構造や条件等を変更して(工程S5)、工程S1〜工程S3が再度実施される。これにより、本実施形態のシミュレーション方法では、所望の性能を有するゴム製品(ゴム材料)を開発することができる。
これまでの実施形態の複合材料モデル12は、二次元の座標系に従って、ニ次元モデルとして作成されたが、このような態様に限定されない。複合材料モデル12は、三次元の座標系に従って、三次元モデルとして作成されてもよい。図11は、本発明の他の実施形態のフィラー粒子モデル13に結合されたマトリックスゴムモデル14の要素17(第2要素17B)を示す部分斜視図である。図11では、マトリックスゴムモデル14の一つの要素17のみを代表して示している。
この実施形態の要素17は、ソリッド要素として設定される。本実施形態のソリッド要素としては、4面体ソリッド要素が用いられている。このような4面体ソリッド要素は、例えば、他のソリッド要素(例えば、5面体ソリッド要素等)に比べて、容易に離散化することができるため、複合材料モデル12をモデル化するのに要する時間を短縮することができる。
要素17は、複数の節点19と、隣接する節点19間を接続する面21とを有している。各要素17には、節点19の番号、及び、節点19の座標値が設定される。フィラー粒子モデル13の要素17には、フィラー粒子3の物性値に基づく弾性率や減衰係数などの物理量が入力される。マトリックスゴムモデル14の要素17には、マトリックスゴム4の物性値に基づく弾性率や減衰係数などの物理量、及び、体積一定の拘束条件が入力される。
この実施形態の第1工程S11では、前実施形態の第1工程S11と同様に、フィラー粒子モデル13の周りに、マトリックスゴムモデル14が定義される。また、フィラー粒子モデル13及びマトリックスゴムモデル14は、フィラー粒子モデル13とマトリックスゴムモデル14との境界22において、要素17の面21で結合されている(二点鎖線で示す)。さらに、本実施形態のフィラー粒子モデル13及びマトリックスゴムモデル14は、フィラー粒子モデル13とマトリックスゴムモデル14との境界22において、要素17の節点19を共有している。フィラー粒子モデル13及びマトリックスゴムモデル14は、コンピュータ1に記憶される。
この実施形態の第2工程S12では、フィラー粒子モデル13の要素17に結合されているマトリックスゴムモデル14の要素17のうち、フィラー粒子モデル13の要素17に面21を介して結合されている要素17(第1要素17A)が取り除かれる。これにより、フィラー粒子モデル13には、フィラー粒子モデル13と節点19を共有する要素17(第2要素17B)のみが結合される。これにより、第2工程S12では、フィラー粒子モデル13とマトリックスゴムモデル14とが点19a(節点19)のみで結合させた複合材料モデル12を定義することができる。また、本実施形態の複合材料モデル12には、マトリックスゴムモデル14の第1要素17Aを取り除いて形成された空隙23(図示省略)が設けられている。複合材料モデル12は、コンピュータ1に記憶される。
上述したように、この実施形態のマトリックスゴムモデル14は、フィラー粒子モデル13と点19aのみで結合されている。これにより、複合材料モデル12を変形させる工程S2では、フィラー粒子モデル13と点19のみで結合されたマトリックスゴムモデル14の要素17(第2要素17B)の各面21の面積を、柔軟に変化(伸縮)させることができる。従って、この実施形態のシミュレーション方法は、マトリックスゴムモデル14の要素17を、体積一定の拘束条件の下で、フィラー粒子モデル13から離間する方向に柔軟に変形させることができるため、要素17の変形量を大きくでき、複合材料モデル12の応力が必要以上に大きく計算されるのを防ぐことができる。
本実施形態の複合材料モデル12において、フィラー粒子モデル13と点19a(節点19)のみで結合されたマトリックスゴムモデル14の要素17の面21の一部は、空隙23(図示省略)に配置されている。これにより、この実施形態のシミュレーション方法では、マトリックスゴムモデル14の要素17を、より柔軟に変形させることができるため、複合材料モデル12の応力が、必要以上に大きく計算されるのを効果的に防ぐことができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図3に示した処理手順に従って、複合材料を離散化した複合材料モデルを変形させて、複合材料モデルの物理量が計算された(実施例、比較例)。
実施例の複合材料モデルは、図4に示した処理手順に従って、フィラー粒子モデルとマトリックスゴムモデルとが点のみで結合されるように、マトリックスゴムモデルの要素の一部を取り除かれた複合材料モデルが設定された。他方、比較例の複合材料モデルは、上記特許文献1と同様に、フィラー粒子モデルとマトリックスゴムモデルとが辺で結合された複合材料モデルが設定された。そして、実施例の複合材料モデル、及び、比較例の複合材料モデルを引張する変形計算が行われ、応力−ひずみ曲線が求められた。
複合材料モデルの作成に用いられた複合材料の引張試験が行われ、応力−ひずみ曲線が求められた(実験例)。共通仕様は、次のとおりである。
フィラー粒子:シリカ
マトリックスゴム:ブタジエンゴム
実施例の第1長さL1/要素の辺の長さL2:25%
フィラー粒子:シリカ
マトリックスゴム:ブタジエンゴム
実施例の第1長さL1/要素の辺の長さL2:25%
図12は、応力−ひずみ曲線の一例を示すグラフである。図13は、実施例の複合材料モデルの応力分布図である。図14は、比較例の複合材料モデルの応力分布図である。これらの応力分布図は、公称ひずみが30%時に計算されたものである。
図12に示されるように、実施例の公称応力は、比較例の公称応力よりも小さく計算された。さらに、実施例の応力−ひずみ曲線は、実験例の応力−ひずみ曲線に近似した。また、図13に示した実施例の複合材料モデルは、図14に示した比較例の複合材料モデルに比べて、マトリックスゴムモデルの応力が小さく計算された。従って、実施例は、複合材料モデルの応力が、必要以上に大きく計算されるのを防ぐことができた。
12 複合材料モデル
13 フィラー粒子モデル
14 マトリックスゴムモデル
13 フィラー粒子モデル
14 マトリックスゴムモデル
Claims (2)
- 少なくとも1つのフィラー粒子と、前記フィラー粒子を取り囲むように配置されかつ前記フィラー粒子に比して柔らかいマトリックスゴムとを含む複合材料の変形状態を調べるための方法であって、
コンピュータに、前記複合材料を有限個の要素で離散化した複合材料モデルを入力する工程と、
前記コンピュータが、予め定められた条件に基づいて、前記複合材料モデルを変形させて予め定められた物理量を計算する工程とを含み、
前記複合材料モデルは、前記フィラー粒子及び前記マトリックスゴムを、それぞれ、有限個の要素で離散化したフィラー粒子モデル及びマトリックスゴムモデルを含み、
前記マトリックスゴムモデルは、前記フィラー粒子モデルと点のみで結合されている、
複合材料のシミュレーション方法。 - 前記複合材料モデルを入力する工程は、
前記フィラー粒子モデルと前記マトリックスゴムモデルとが辺又は面で結合されるように、前記フィラー粒子モデルの周りに前記マトリックスゴムモデルを定義する第1工程と、
前記第1工程の後、前記フィラー粒子モデルと前記マトリックスゴムモデルとが点のみで結合されるように、前記マトリックスゴムモデルの前記要素の一部を取り除く第2工程とを含む請求項1記載の複合材料のシミュレーション方法。
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