JP2015116142A - 作業車両 - Google Patents

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大介 今泉
Daisuke Imaizumi
大介 今泉
奥村 仁
Hitoshi Okumura
仁 奥村
直岐 堀田
Naoki Hotta
直岐 堀田
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Abstract

【課題】作業能率や操作性を向上することができる作業車両を提供する。
【解決手段】作業車両としての苗移植機1は、圃場を走行する走行車体と、苗植付装置と、操縦席と、操作パネル60と、表示パネル61と、ハンドル24とを備える。操作パネル60の左右方向の中央にハンドル24の操舵軸24aを設けている。操作パネル60のハンドル24の操舵軸24aの側方に走行車体2の走行及び苗植付装置3の動作を操作する操作レバー63を設けている。操作パネル60上に苗植付装置3の設定を変更するための設定変更部材64を設けている。
【選択図】図3

Description

本発明は、圃場への苗の植え付けなどの作業を行う作業車両に関する。
作業車両としての苗移植機は、圃場を走行する走行車体と、この走行車体の後部に取り付けた苗植付装置などを有している。この種の苗移植機については、例えば、下記の特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特開2012−205548号公報 特開2004−89066号公報
ところで、特許文献1などに示される苗移植機は、ハンドルポスト上にハンドルを設け、その下方に走行車体や苗植付装置の各種設定を操作する操作パネルを設けている。また、走行車体や苗植付装置の操作スイッチやダイヤル、レバーは、操縦席の側方やボンネットの側壁や下部側、ハンドルポストに配置されている。これにより、作業者は、操作に対応する操作スイッチやダイヤル、レバーを探して操作せねばならず、探す間は走行や操縦を停止する必要があり、作業能率が低下する問題がある。
また、特許文献1などに示される苗移植機は、操作スイッチやダイヤル、レバーを探す間に、他の操作スイッチなどに身体が触れたり、操作すべき操作スイッチやダイヤル、レバーと間違えて、他の操作スイッチなどを操作してしまうことがあった。この場合、特許文献1などに示される苗移植機は、作業が中断されたり、作業者の意図しない設定の変更が行われてしまうことがあり、作業精度や作業能率が低下する問題がある。さらに、特許文献1などに示される苗移植機は、操作スイッチなどの位置によっては、作業者が操縦席から立ち上がったり、屈んだりする必要があるので、作業者に余分な労力がかかるという問題がある。
また、特許文献2に示される苗移植機は、ハンドルポストの左右に操作パネルを設けて、操縦部を構成し、操縦部の後方に主変速レバーと副変速レバーを各々配置するとともに、操縦席の側方に植付部分クラッチレバーを設けている。これにより、特許文献2に示される苗移植機は、苗植付装置や走行車体の操作の大部分を操作パネルで行うことができるが、各操作スイッチが左右に密集しているので、複数のスイッチを同時に押してしまうなどの誤操作が生じやすく、作業能率の低下や操作ミスによる植付精度の低下等の問題がある。
また、特許文献2に示される苗移植機は、主変速レバー及び副変速レバーを操縦部の左右に設けたことにより、操作パネル操作時に手がレバーに触れにくくなるものの、操縦部の側方にレバーが張り出すので、乗り降りの際に、作業者の身体がレバーに接触し、誤操作されるおそれがある。
さらに、特許文献2に示される苗移植機は、植付部分クラッチレバーについては、操縦席の側方に設けられているので、操作時に作業者はハンドルや操作パネルから離れた位置に手を動かす必要があるので、操作のタイムラグが生じやすく、作業能率が低下する問題がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、作業能率や操作性を向上することができる作業車両を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1に記載の発明は、圃場を走行する走行車体(2)と、圃場面で作業する作業装置(3)と、前記走行車体(2)の前部に設けられ、且つ作業者が搭乗する操縦席(22)と、前記走行車体(2)及び前記作業装置(3)を操作する操作パネル(60)と、前記走行車体(2)及び前記作業装置(3)の状況を表示する表示パネル(61)と、前記走行車体(2)を操舵する操舵部材(24)と、を備えた作業車両(1)において、前記操作パネル(60)の左右方向の中央に前記操舵部材(24)を設け、前記操作パネル(60)の前記操舵部材(24)の側方に前記走行車体(2)の走行及び前記作業装置(3)の動作を操作する操作レバー(63)を設け、前記操作パネル(60)上に作業車両(1)の設定を変更するための設定変更部材(64)を設けることを特徴とする作業車両(1)である。
また、請求項2に記載の発明は、前記操作パネル(60)の前記操舵部材(24)の左右方向の一側に、前記操作レバー(63)としての前記走行車体(2)の前後進及び走行速度を切り替える主変速レバー(63a)を設け、前記操作パネル(60)の前記操舵部材(24)の左右方向の他側に、前記操作レバー(63)としての前記走行車体(2)の走行モードを切り替える副変速レバー(63b)を設けることを特徴とする請求項1に記載の作業車両(1)である。
また、請求項3に記載の発明は、前記操縦席(22)の左右方向の側方に設けられ、且つ補充用の苗を積載する複数の予備苗載台(25c)が上下に並ぶ積層形態と前後に並ぶ展開形態とに駆動源により切り替えられる予備苗枠(25b)を備え、前記操作パネル(60)上の前記副変速レバー(63b)よりも前側で、且つ前記操作パネル(60)の外縁部に前記予備苗枠(25b)の形態を切り替える前記設定変更部材(64)としての苗枠切替スイッチ(64a)を設けることを特徴とする請求項2に記載の作業車両(1)である。
また、請求項4に記載の発明は、前記操作パネル(60)上に、前記操舵部材(24)の操舵に連動して前記作業装置(3)を上昇させて前記作業装置(3)を停止させた後、前記走行車体(2)の旋回が終了すると前記作業装置(3)を下降させてから再作動させるタイミングを変更するための前記設定変更部材(64)としてのタイミング切替スイッチ(64b)と、前記走行車体(2)に昇降自在に設けられた整地装置(5)の上下位置を変更するための前記設定変更部材(64)としての整地昇降スイッチ(64c)と、を設け、前記タイミング切替スイッチ(64b)と前記整地昇降スイッチ(64c)とを、前記副変速レバー(63b)と前記操舵部材(24)との左右方向の間で、且つ前記副変速レバー(63b)の最前方の位置よりも後方に配置したことを特徴とする請求項3に記載の作業車両(1)である。
また、請求項5に記載の発明は、前記操作パネル(60)上に、前記走行車体(2)の左右の走行輪(12b,12b)の高さを変更するための前記設定変更部材(64)としてのローリング調節スイッチ(64d)と、前記作業装置(3)の左右に昇降自在に設けられた線引きマーカ(55)の下降した際の上下位置を変更するための前記設定変更部材(64)としての線引き昇降スイッチ(64e)と、前記左右の線引きマーカ(55)の昇降動作を変更するための前記設定変更部材(64)としての線引き切替スイッチ(64f)と、前記走行車体(2)の下部に設けられ前記圃場面を均すとともに圃場面の凹凸により回動するフロート(38a)の回転角度に対する前記作業装置(3)の昇降感度を変更するための前記設定変更部材(64)としての感度調節スイッチ(64g)と、を設け、前記苗枠切替スイッチ(64a)よりも前記操舵部材(24)寄りで、且つ前記タイミング切替スイッチ(64b)及び前記整地昇降スイッチ(64c)よりも前側に前記ローリング調節スイッチ(64d)を設け、前記主変速レバー(63a)よりも前側に前記線引き昇降スイッチ(64e)を設け、前記主変速レバー(63a)と前記操舵部材(24)の左右方向の間に前記感度調節スイッチ(64g)を設け、前記線引き昇降スイッチ(64e)よりも操舵部材(24)寄りで、且つ前記感度調節スイッチ(64g)よりも前側に前記線引き切替スイッチ(64f)を設けることを特徴とする請求項4に記載の作業車両(1)である。
また、請求項6に記載の発明は、前記操舵部材(24)は、操舵軸(24a)と、作業者が把持可能で、且つ内側に空間が形成された操舵輪体(24b)とで構成され、前記操作パネル(60)上の前記操舵軸(24a)よりも前側に表示パネル(61)を設け、前記操作パネル(60)上の前記操舵軸(24a)よりも後側に前記作業装置(3)の一部の作動を入切する部分切替スイッチ(64h)を設けることを特徴とする請求項5に記載の作業車両(1)である。
また、請求項7に記載の発明は、前記操作パネル(60)上の前記主変速レバー(63a)又は前記副変速レバー(63b)よりも前側で、且つ前記線引き切替スイッチ(64f)又は前記苗枠切替スイッチ(64a)よりも外側に前記走行車体(2)の駆動中の動力装置(11)を停止させるための動力停止スイッチ(66)を設け、前記動力停止スイッチ(66)が駆動中の前記動力装置(11)を停止させると、前記表示パネル(61)が、エラーメッセージ(A)と、前記走行車体(2)の左右の走行輪(12b,12b)の高さを示すローリング量(B)及び前記作業装置(3)の昇降感度を示す数値(C)と、のうちの少なくとも一方を表示するとともに、前記表示パネル(61)が、前記走行車体(2)の左右の走行輪(12b,12b)の高さを示すローリング量(B)及び前記作業装置(3)の昇降感度を示す数値(C)を表示すると、前記タイミング切替スイッチ(64b)及び前記整地昇降スイッチ(64c)とが、前記左右の走行輪(12b,12b)の高さ及び昇降感度を設定するために用いられることを特徴とする請求項6に記載の作業車両(1)である。
請求項1に記載の発明によれば、操作レバー(63)と、設定変更部材(64)とを操作パネル(60)上に集中的に設けたことにより、作業者は、操作パネル(60)上で作業に必要な操作レバー(63)や設定変更部材(64)を探して操作することができる。したがって、作業車両(1)によれば、作業者は、走行車体(2)の操舵や作業装置(3)の設定に集中でき、作業能率や操作性を向上することができる。
また、操作レバー(63)や設定変更部材(64)が作業時に作業者の手元付近に集中するので、作業者は操縦席(22)に座った姿勢を変更する必要がなく各種の操作や設定を行うことができる。したがって、作業者の労力が軽減されるとともに、操作レバー(63)や設定変更部材(64)に作業者の足などが接触することがないので、誤操作を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、設定変更部材(64)を操作レバー(63)間に設けたので、設定変更部材(64)の操作時に作業者の手が操作レバー(63)に接触することを抑制でき、誤操作を抑制することができる。また、操作レバー(63)への接触を気にすることなく、設定変更部材(64)の操作を行うことができるので、設定変更部材(64)の操作を素早く行うことができ、作業能率が向上する。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、苗枠切替スイッチ(64a)を副変速レバー(63b)よりも前側で、且つ操作パネル(60)の外縁部に配置しているので、操舵部材(24)を操作する手と反対側の手で苗枠切替スイッチ(64a)を操作しやすくなる。このために、素早く苗枠切替スイッチ(64a)を操作することができ、予備苗枠(25b)が障害物に接触することを抑制でき、予備苗枠(25b)の破損を抑制することができる。
また、予備苗枠(25b)に障害物が接触することを抑制できるので、予備苗枠(25b)からの苗の落下を抑制でき、苗が傷つくことを抑制でき、落下した苗を拾う作業が不要になる。
さらに、苗枠切替スイッチ(64a)が操作パネル(60)の前側の外縁部に設けられているので、走行車体(2)の前側や側方からでも作業者の手が苗枠切替スイッチ(64a)に届きやすくなり、予備苗枠(25b)の切替操作のたびに走行車体(2)上に移動する必要がなく、作業能率が向上する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、タイミング切替スイッチ(64b)と整地昇降スイッチ(64c)を副変速レバー(63b)と操舵部材(24)との間に設けたことにより、操作時に副変速レバー(63b)と操舵部材(24)に干渉しにくくなるので、誤操作が防止されるとともに、作業能率を向上することができる。
また、副変速レバー(63b)が最前方の位置のときに操作する機会の多いタイミング切替スイッチ(64b)と整地昇降スイッチ(64c)を最前方の副変速レバー(63b)よりも後方に配置したことにより、副変速レバー(63b)が手と接触しにくいので、一層誤操作の抑制や作業能率の向上を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、苗枠切替スイッチ(64a)、ローリング調節スイッチ(64d)、タイミング切替スイッチ(64b)及び整地昇降スイッチ(64c)を副変速レバー(63b)よりも内側で、且つ前方にL字上に配置している。また、線引き昇降スイッチ(64e)、線引き切替スイッチ(64f)及び感度調節スイッチ(64g)を主変速レバー(63a)よりも内側で、且つ前方にL字上に配置している。このために、設定変更部材(64)を操作する際に、主変速レバー(63a)や副変速レバー(63b)に手が触れにくくなるので、操作性が向上するとともに、作業能率が向上する。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の効果に加えて、操舵軸(24a)の前側に表示パネル(61)を設け、操舵輪体(24b)の内側に空間を形成したことにより、操縦席(22)上の作業者が表示パネル(61)及び操作パネル(60)を視認することができる。したがって、視認性が向上し、誤操作を抑制することができる。
操舵軸(24a)よりも後側に部分切替スイッチ(64h)を設けたので、部分切替スイッチ(64h)を主変速レバー(63a)や副変速レバー(63b)から離間させることができる。このために、部分切替スイッチ(64h)の操作時に手が主変速レバー(63a)や副変速レバー(63b)に触れにくく、誤操作を抑制できるとともに、作業能率を向上することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の効果に加えて、動力停止スイッチ(66)を操作して動力装置(11)を停止すると、表示パネル(61)がエラーメッセージ(A)などを表示する。このために、部品点数の削減を図ることができる。
実施形態に係る苗移植機を表す側面図である。 実施形態に係る苗移植機を表す上面図である。 実施形態に係る苗移植機の操作パネルの平面図である。 実施形態に係る苗移植機の苗植付部の植付機構の要部の断面図である。 実施形態に係る苗移植機の苗植付部の植込杆の要部を断面で示す図である。 実施形態に係る苗移植機の走行車体の前部の右側面を示す側面図である。 実施形態に係る苗移植機の走行車体の前部の右端部を示す平面図である。 実施形態に係る苗移植機のフロアステップ及びロアステップを示す平面図である。 実施形態に係る苗移植機のフロアステップ及びロアステップを分解して示す平面図である。 実施形態に係る苗移植機のフロアステップのフロントパネルとセンタパネルとの接続部分を示す断面図である。 実施形態に係る苗移植機のフロアステップのセンタパネル同士の接続部分を示す断面図である。 実施形態に係る苗移植機のフロアステップとリアステップとの接続部分を示す断面図である。 実施形態に係る苗移植機の植付フレームの側面図である。 図13中のXIV−XIV線に沿う断面図である。 実施形態に係る苗移植機の可動式予備苗枠の側面図である。 実施形態に係る苗移植機の可動式予備苗枠の正面図である。 実施形態に係る苗移植機の展開形態の可動式予備苗枠の側面図である。 実施形態に係る苗移植機の可動式予備苗枠の展開形態の平面図である。 実施形態に係る苗移植機の表示パネルの表示の一例を示す図である。 実施形態の変形例に係る苗移植機のサイドマーカの平面図である。
以下に、本発明の実施形態に係る作業車両としての苗移植機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能且つ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
[実施形態]
本発明の実施形態に係る作業車両としての苗移植機1を、図1から図19に基いて説明する。図1は、実施形態に係る苗移植機を表す側面図である。図2は、実施形態に係る苗移植機を表す上面図である。図3は、実施形態に係る苗移植機の操作パネルの平面図である。図4は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の植付機構の要部の断面図である。図5は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の植込杆の要部を断面で示す図である。図6は、実施形態に係る苗移植機の走行車体の前部の右側面を示す側面図である。図7は、実施形態に係る苗移植機の走行車体の前部の右端部を示す平面図である。図8は、実施形態に係る苗移植機のフロアステップ及びロアステップを示す平面図である。図9は、実施形態に係る苗移植機のフロアステップ及びロアステップを分解して示す平面図である。図10は、実施形態に係る苗移植機のフロアステップのフロントパネルとセンタパネルとの接続部分を示す断面図である。
図11は、実施形態に係る苗移植機のフロアステップのセンタパネル同士の接続部分を示す断面図である。図12は、実施形態に係る苗移植機のフロアステップとリアステップとの接続部分を示す断面図である。図13は、実施形態に係る苗移植機の植付フレームの側面図である。図14は、図13中のXIV−XIV線に沿う断面図である。図15は、実施形態に係る苗移植機の可動式予備苗枠の側面図である。図16は、実施形態に係る苗移植機の可動式予備苗枠の正面図である。図17は、実施形態に係る苗移植機の展開形態の可動式予備苗枠の側面図である。図18は、実施形態に係る苗移植機の可動式予備苗枠の展開形態の平面図である。図19は、実施形態に係る苗移植機の表示パネルの表示の一例を示す図である。
実施形態に係る苗移植機1は、走行しながら圃場に苗を植え付けるものである。なお、以下では、苗移植機1の前進方向を前方側(図1および図2の左側)とし、苗移植機1の後退方向を後方側(図1および図2の右側)とし、苗移植機1の前後方向に直交する直交方向を左右方向とし、苗移植機1の前後方向に直交する鉛直方向を上下方向としている。
図1および図2に示すように、苗移植機1は、圃場を走行する走行車体2と、走行車体2の後部(後方側)に装着されかつ圃場面で植付作業(作業に相当)する苗植付装置3(作業装置に相当)と、動力伝達機構4と、整地装置5(作業装置に相当)と、制御装置(図示せず)を備えている。
走行車体2は、左右一対の前輪12a,12aおよび左右一対の後輪(走行輪に相当)12b,12bからなる4つの車輪12を有し、該4つの車輪12を駆動輪とする4輪駆動車となっている。走行車体2は、メインフレーム10と、メインフレーム10に搭載されたエンジン11(動力装置に相当)などを有している。この苗移植機1において、エンジン11の駆動力は、走行車体2を前進または後退させるために使用されるだけでなく、苗植付装置3を駆動させるためにも使用される。
エンジン11は、ディーゼル機関やガソリン機関等の熱機関であって、出力軸から駆動力を出力する。出力軸は、走行車体2の左側方から突出している。エンジン11は、走行車体2の左右方向における略中央で、且つ、作業者が乗車時に足を載せるフロアステップ20よりも上方に突出させた状態で配置されている。このとき、エンジン11の出力軸は、フロアステップ20の床面よりも下方に位置している。
ここで、フロアステップ20は、走行車体2の前部(前方側)とエンジン11の後部(後方側)との間に亘って設けられており、メインフレーム10上に取り付けられている。フロアステップ20は、図8及び図9に示すように、フロントパネル20aと、右側センタパネル20bと、左側センタパネル20cとが組み付けられて構成されている。右側センタパネル20bと左側センタパネル20cとが左右方向に並べられ、これらセンタパネル20b,20cの前側にフロントパネル20aが取り付けられる。
センタパネル20b,20cの一部は、格子状となっており、靴に付いた泥を圃場に落とせるようにしている。また、センタパネル20b,20cの後端部には、後方に向うに従って上方に向う方向に傾斜した傾斜面が設けられている。フロントパネル20aの右端と右側センタパネル20bの前部とには、バッテリ13を設置するための切欠き20dが形成されている。センタパネル20b,20cの後方には、後輪12b,12bのフェンダを兼ねたリアステップ21が取り付けられる。このリアステップ21は、エンジン11よりも後方に配置されている。
また、フロントパネル20aとセンタパネル20b,20cとの接続部分では、図10に示すように、フロントパネル20aの後端上にセンタパネル20b,20cの前端が重ねられて、これらを貫通するピン20eにより、フロントパネル20aとセンタパネル20b,20cとが取り付けられている。右側センタパネル20bと左側センタパネル20cとの接続部分では、図11に示すように、左側センタパネル20cの右端上に右側センタパネル20bの左端が重ねられて、これらを貫通するピン20eにより、右側センタパネル20bと左側センタパネル20cとが取り付けられている。センタパネル20b,20cとリアステップ21との接続部分では、図12に示すように、リアステップ21の前端上にセンタパネル20b,20cの後端が重ねられて、これらを貫通するピン20eにより、センタパネル20b,20cとリアステップ21が取り付けられている。
エンジン11は、これらのフロアステップ20とリアステップ21とから上方に突出しており、これらのステップから突出している部分には、エンジン11を覆うエンジンカバー14が配設されている。即ち、エンジンカバー14は、フロアステップ20とリアステップ21とから上方に突出した状態で、エンジン11を覆っている。
また、走行車体2の前部には、エンジンカバー14の上部に操縦席22が設けられている。操縦席22は、作業者が搭乗するものであり、操縦席22の前方で、且つ、走行車体2の前部には、フロントカバー23が配設されている。このフロントカバー23は、フロアステップ20の床面から上方に突出した状態で配置されており、フロアステップ20の前方側を左右に分断している。フロントカバー23の内部には、図示しない制御装置、ステアリング機構およびエンジン用燃料の燃料タンク等が配設されている。
また、苗移植機1は、フロントカバー23の上部に、図2に示すように、ハンドル24(操舵部材に相当)を備えている。ハンドル24は、作業者が回転操作することにより、走行車体2の前輪12a,12aをステアリング操舵する操舵部材として設けられており、フロントカバー23内のステアリング機構等を介して前輪12a,12aをステアリング操舵(転舵)させることが可能になっている。ハンドル24は、図2に示すように、ステアリング機構に接続した操舵軸24aと、作業者が把持可能で、且つ操舵軸24aとスポーク部により連結されて内側に空間が形成された操舵輪体24bとで構成されている。
また、フロアステップ20におけるフロントカバー23の左右それぞれの側方に位置する部分には、補充用の苗を積載する予備苗枠25a,25bが配置されている。即ち、予備苗枠25a,25bは、操縦席22の左右方向の側方に設けられている。予備苗枠25a,25bは、補充用の苗を積載する平板状の予備苗載台25cを複数備えている。なお、本実施形態では、予備苗枠25a,25bは、予備苗載台25cを三つ備えている。予備苗枠25a,25bは、フロアステップ20などに取り付けられた支持フレーム25dによって、走行車体2の前部に支持されている。
フロントカバー23の右側に設けられた予備苗枠25aは、予備苗載台25cが上下に並ぶ積層形態に固定された固定式予備苗枠25aである。固定式予備苗枠25aの下方でかつフロントカバー23の右側方には、図6及び図7に示すように、バッテリ13が設置される。フロントカバー23の左側に設けられた予備苗枠25bは、予備苗載台25cが上下方向に間隔をあけて並ぶ積層形態(図15及び図16に示す)と予備苗載台25cが前後方向に並ぶ展開形態(図17及び図18に示す)とに切り替え可能な可動式予備苗枠25b(作業装置、予備苗枠に相当)である。可動式予備苗枠25bは、圃場面で積層形態と展開形態とに切り替えられるなどの切替操作して、苗の補充作業等を行う。
また、可動式予備苗枠25bは、補充用の苗を積載する平板状の固定式予備苗載台25eが複数の予備苗載台25cの下方に設けられている。固定式予備苗載台25eは、支持フレーム25dに固定され、空箱を載置することができ、図16及び図18に示すように、予備苗載台25cよりも左右方向の内側(即ちフロントカバー23寄り)に配置されている。
可動式予備苗枠25bは、複数の予備苗載台25cと、固定式予備苗載台25eとに加えて、図15〜図18などに示すように、リンク機構25fと、回動機構25gとを備えている。リンク機構25fは、複数の予備苗載台25cが前後方向に並ぶ展開形態と、複数の予備苗載台25cが上下方向に間隔をあけて並ぶ積層形態とに切り替え可能なものである。リンク機構25fは、図15などに示すように、3本のリンクアーム25hを備えている。
3本のリンクアーム25hのうちの1本目のリンクアーム25hの両端部は、積層形態において、最上方の予備苗載台25cの中央部と中央の予備苗載台25cの前端部とに回転自在に連結されている。2本目のリンクアーム25hの両端部は、積層形態において、最上方の予備苗載台25cの後端部と中央の予備苗載台25cの中央部と最下方の予備苗載台25cの前端部とに回転自在に連結されている。3本目のリンクアーム25hの両端部は、積層形態において、中央の予備苗載台25cの後端部と最下方の予備苗載台25cの中央部とに回転自在に連結されている。3本のリンクアーム25hは、積層形態では、互いに平行で、かつ後方に向かうにしたがって徐々に上方に向かって延びている。
回動機構25gは、図15に示すように、支持フレーム25dの上端に固定された固定板25iと、固定板25iに回転自在に設けられかつ2本目のリンクアーム25hの中央に取り付けられた回動用歯車25jと、回動用歯車25jを回転させるモータ25k(駆動源に相当)とを備えている。固定板25iの両表面は、上下方向と平行であるとともに、リンクアーム25hよりもフロントカバー23寄りに配置されている。回動用歯車25jは、その軸心が左右方向と平行である。モータ25kは、固定板25iに固定され、その出力軸に連結された歯車25lが回動用歯車25jと噛み合っている。可動式予備苗枠25bは、モータ25kにより回動用歯車25jが回転されることで、積層形態と展開形態とに切り替えられる。
また、走行車体2の操縦席22の後方に施肥装置26(図1に示す)が設けられている。施肥装置26は、肥料ホッパ27に貯留されている粒状の肥料を植付作業中に一定量ずつ圃場に放出する。
苗植付装置3は、走行車体2の後部に装着され、且つ苗を圃場に植え付ける苗植付部30と、苗植付部30を走行車体2に対して昇降させる苗植付部昇降機構31とを備えている。苗植付部昇降機構31は、昇降リンク機構32を有しており、苗植付部30は、この昇降リンク機構32を介して走行車体2に取り付けられている。昇降リンク機構32は、走行車体2の後部と苗植付部30とを連結させる上リンクと下リンクとを有しており、これらのリンクが、メインフレーム10の後部端に立設した背面視門型のリンクベースフレーム33に回動自在に連結され、各リンクの他端側が苗植付部30に回転自在に連結されることにより、苗植付部30を昇降可能に走行車体2に連結している。
また、苗植付部昇降機構31は、エンジン11の駆動力により発生する油圧によって伸縮する油圧昇降シリンダ34を有しており、油圧昇降シリンダ34の伸縮動作によって、昇降リンク機構32が苗植付部30を昇降させることが可能になっている。苗植付部昇降機構31は、その昇降動作によって、苗植付部30を非作業位置まで上昇させたり、対地作業位置(苗の植付位置)まで下降させたりすることが可能になっている。
苗植付部30は、苗の植付範囲を複数の区画あるいは複数の列で、苗を圃場に植え付けることができる。実施形態に係る苗移植機1は、苗を6つの区画で植え付ける、いわゆる6条植のものである。苗植付部30は、昇降リンク機構32により昇降自在に設けられた植付フレーム35(図13及び図14に示す)と、植付機構36と、苗載せ台37と、フロート38とを備えている。
植付フレーム35は、昇降リンク機構32の上リンクと下リンクの後端が取り付けられている。植付フレーム35は、図13及び図14に示すように、昇降リンク機構32の上リンクと下リンクの後端が取り付けられリンク側フレーム35aと、植付機構36が取り付けられた機構側フレーム35bとを備えている。リンク側フレーム35aと機構側フレーム35bとは、図14に示すように、断面コ字型に形成され、断面の開口が対向し、リンク側フレーム35aが機構側フレーム35bの外側に被せられている。リンク側フレーム35aと機構側フレーム35bとは、ボルト35cとナット35dなどにより固定される。植付フレーム35は、ボルト35cとナット35dとを互いに取り外すことで、昇降リンク機構32の上リンクと下リンクの後端が取り付けられリンク側フレーム35aと、植付機構36が取り付けられた機構側フレーム35bとを容易に分解可能として、植付機構36や苗載せ台37を走行車体2の後部から容易に分解可能にしている。
苗載せ台37は、植付フレーム35に重ねられるなどして設けられ、植付フレーム35などを介して走行車体2の後部に苗植付部昇降機構31により昇降自在に配置されている。苗載せ台37は、走行車体2の左右方向において仕切られた植付条数分の苗載せ面37aを有しており、それぞれの苗載せ面37aに土付きのマット状苗を積載することが可能になっている。これにより、苗載せ台37に積載した苗が植え付けられて無くなるたびに、圃場外に用意している苗を取りに戻る必要が無く、連続した作業を行えるので、作業能率が向上する。
植付機構36は、苗載せ台37の下方に配置され、且つ苗載せ台37に積載された苗を圃場に植え付ける。この植付機構36は、2条毎に一つずつ配設されており、2条分の複数の植込杆36cを備えている。本実施形態では、植付機構36は、合計三つ設けられ、各植付機構36は、1条につき植込杆36cを二つ備えている。また、植付機構36は、植付フレーム35の下端部から後方に延びた伝動ケース36aと、中央部を中心に伝動ケース36aに回転自在に設けられた回転支持部36bを備えている。回転支持部36bは、各条に対応した二つの植込杆36cを両端部それぞれに回転自在に支持している。回転支持部36bは、エンジン11からの駆動力により中央部を中心として回転されるとともに、エンジン11からの駆動力により二つの植込杆36cを回転させる。
回転支持部36bは、図4に示すように、植付ケース36dと、植付ケース36d内に収容された複数の駆動ギヤ36e(本実施形態では図示は省略するが、回転支持部36bと共に駆動回転するサンギヤ36eと、一対の植付軸36f,36fを所定の軌跡で回動させる一対のプラネタリギヤ36e,36eと、サンギヤ36eから一対のプラネタリギヤ36e,36eに各々駆動力を伝達する一対のカウンタギヤ36e,36eである。なお、サンギヤ36e、一対のプラネタリギヤ36e,36e、一対のカウンタギヤ36e,36eは、非円形ギヤである)と、植付ケース36dの両端部に取り付けられた植付軸36fとを備えている。
複数の駆動ギヤ36eは、植付ケース36d内に回転自在に設けられており、植付ケース36dの長手方向に並べられて、隣り合うもの同士が噛み合っている。複数の駆動ギヤ36eのうち中央の駆動ギヤ36e(サンギヤ36e)がエンジン11からの駆動力により回転支持部36bと共に回転される。植付軸36fは、軸受により植込杆36cに回転自在に支持されており、複数の駆動ギヤ36eのうちの両端に位置する駆動ギヤ36e(プラネタリギヤ36e,36e)内に通されて、植付ケース36dに取り付けられている。
植込杆36cは、回動支持部36bに対して回転自在に設けられ、且つ苗載せ台37から苗を取って圃場に植え付ける。植込杆36cは、植付軸36fに固定された植込杆ケース36gと、植込杆ケース36gに固定され、且つ苗載せ台37から苗を掻き取る植付爪(図示せず)と、押し出しアーム36lと、植付軸36fに取り付けられた押し出しカム36kとを備えている。
植込杆ケース36gは、図5に示すように、押し出しアーム36lを凸没自在に支持するフロント側ケース36hと、押し出しアーム36lを突出する方向に付勢するスプリング36iを収容するリア側ケース36mとを備えている。フロント側ケース36hの先端には、植付爪が取り付けられている。リア側ケース36mは、植込杆36cの後端側を覆う蓋状に形成されて、植込杆ケース36g内に泥水などが浸入してスプリング36iに付着することを抑制して、スプリング36iが押し出しアーム36lを付勢できる状態に維持する。フロント側ケース36hとリア側ケース36mとは、互いに重なり合うフランジがボルト36nなどにより固定されて、互いに取り付けられている。また、リア側ケース36mには、ボルト36nなどによりスプリング36i内に通される部材36jが取り付けられている。
押し出しアーム36lは、植付軸36fに取り付けられた押し出しカム36kにより図示しない作動アームが搖動されてスプリング36iの付勢力に抗して移動させたり、スプリング36iの付勢力によって移動されることで、植込杆ケース36gから凸没して、植付爪が掻き取った苗を圃場に植え付ける。また、押し出しアーム36lのスプリング36iに付勢される期端部には、スプリング36iに泥水が付着することを抑制するオイルシール36oが取り付けられている。
植付機構36は、回転支持部36bが中央部を中心として回転されながら、植込杆36cが回転支持部36bの両端部で回転されるとともに、押し出しアーム36lが凸没されることで、植込杆36cが苗載せ台37に積載された苗を圃場に植え付ける。
また、フロート38は、走行車体2の下部に設けられ、走行車体2の移動と共に、圃場上を滑走して、圃場面を均すものである。フロート38は、走行車体2の左右方向における苗植付部30の中央に設けられた一つのセンターフロート38aと、該センターフロート38aの左右両側にそれぞれ設けられたサイドフロート38b,38bとの3枚で構成されている。
また、各フロート38a,38bは、圃場面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられている。苗植付装置3は、センターフロート38aの上下動を検知する迎角制御センサ(図示しない)を設けている。苗植付装置3は、植付作業時にはセンターフロート38aの前部の上下動が迎角制御センサにより検知され、その検知結果に応じて制御装置により油圧昇降シリンダ34を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部30を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
動力伝達機構4は、主変速機としての油圧式無段変速機15と、この油圧式無段変速機15にエンジン11からの駆動力を伝えるベルト式動力伝達機構16と、植付伝動機構17(図4に一部示す)とを有している。先ず、油圧式無段変速機15について説明する。
油圧式無段変速機15は、HST(Hydro Static Transmission)と呼ばれる静油圧式の無段変速機として構成されている。油圧式無段変速機15は、エンジン11からの駆動力で駆動する油圧ポンプと、油圧ポンプによって発生させた油圧により機械的な力(回転力)を出力する油圧モータとを有している。なお、油圧ポンプによって発生させた油圧は、油圧モータを作動させるだけでなく、後述する苗植付部昇降機構31の油圧昇降シリンダ34を作動させるために用いられる。また、油圧式無段変速機15は、エンジン11の駆動力が入力される油圧ポンプの入力軸に対して傾斜可能な図示しない斜板と、走行車体2の目標とする走行速度に応じて斜板の傾斜角を変更させるサーボモータとを有している。斜板は、油圧ポンプの入力軸に対して傾斜させることで、油圧ポンプから油圧モータへ向けて供給される作動油の流量を可変させる。
斜板の傾斜角を変更させるサーボモータは、制御装置に接続されており、制御装置は、走行車体2の目標とする走行速度に応じて、サーボモータにより斜板の傾斜角を変更している。具体的に、走行車体2を停止させる停止位置の場合、制御装置は、サーボモータにより斜板を中立状態とする。ここで、斜板の中立状態とは、斜板と入力軸とがなす角度が90°となる状態である。そして、制御装置は、サーボモータにより斜板を中立状態とすると、油圧ポンプは、油圧モータへ向けて供給する作動油の流量をゼロとする。
一方で、走行車体2を前進させる前進位置の場合、制御装置は、サーボモータにより斜板の傾斜角が正側に大きくなるように変更させる。すると、油圧ポンプは、油圧モータの出力軸が正回転するように、油圧モータへ向けて供給する作動油の流量を多くする。他方で、走行車体2を後退させる後退位置の場合、制御装置は、サーボモータにより斜板の傾斜角が負側に大きくなるように変更させる。すると、油圧ポンプは、油圧モータの出力軸が逆回転するように、油圧モータへ向けて供給する作動油の流量を多くする。なお、油圧モータは、供給される作動油の流量が多ければ多いほど、出力軸の回転数が大きくなる。
このため、油圧式無段変速機15は、エンジン11の駆動力を、走行車体2が前進方向に駆動する駆動力として出力したり、走行車体2を停止させる制動力として出力したり、走行車体2が後退方向に駆動する駆動力として出力可能となっている。
再び、図1を参照するが、この油圧式無段変速機15は、エンジン11よりも前方で且つフロアステップ20の床面よりも下方に配置される。実施形態では、走行車体2の上面から見て、エンジン11の前方に油圧式無段変速機15を配置している。また、油圧式無段変速機15は、エンジン11の出力軸が走行車体2の左側方から突出しているため、走行車体2の左側に寄せて配置され、その入力軸15aが走行車体2の左側方から突出している。
ベルト式動力伝達機構16は、エンジン11の出力軸に取り付けたプーリ41と、油圧式無段変速機15の入力軸15aに取り付けたプーリ42と、双方のプーリ41,42に巻き掛けたベルト43と、を備えている。これにより、ベルト式動力伝達機構16は、エンジン11で発生した駆動力を、ベルト43を介して油圧式無段変速機15に伝達する。
さらに、動力伝達機構4は、エンジン11からの駆動力がベルト式動力伝達機構16と油圧式無段変速機15とを介して伝達されるミッションケース(図示せず)などを有している。ミッションケースは、メインフレーム10の前部に取り付けられている。ミッションケースは、ベルト式動力伝達機構16と油圧式無段変速機15とを介して伝達されたエンジン11からの駆動力を、当該ミッションケース内の副変速機で変速して、前輪12a,12aと後輪12b,12bへの走行用動力と、苗植付装置3への植付用動力などに分けて出力する。
このうち、走行用動力は、走行車体2に設けられた後輪12bに駆動力を供給するドライブシャフト(図示せず)及び左右の後輪ギヤケース29を介して後輪12bに伝達される。また、走行用動力は、図示しない前輪用デフ装置に伝達された後、左右の前輪ファイナルケース28を介して前輪12aに伝達される。
なお、左右の前輪ファイナルケース28は、ミッションケースの左右それぞれの側方に配設されており、左右一対の前輪12aは、前輪側車軸を介して左右の前輪ファイナルケース28に連結されている。また、この前輪ファイナルケース28は、ハンドル24の操舵操作に応じて駆動し、前輪12aをステアリング操舵させることが可能になっている。同様に、左右それぞれの後輪ギヤケース29には、後輪側車軸を介して後輪12bが連結されている。また、左右の後輪ギヤケース29は、圃場の凹凸に対応して、走行車体2を水平に維持しようとする図示しないローリング機構による連結されている。ローリング機構は、後輪12b,12bの高さを変更する図示しないローリングシリンダなどを備えている。
また、植付用動力は、走行車体2の後部に設けた植付伝動機構17の植付クラッチ(図示せず)に伝達され、この植付クラッチの係合時に苗植付装置3のすべての植付機構36へ伝達される。さらに、植付用動力は、各植付機構36の作動を入切する植付部分クラッチ(図示せず)を介して各植付機構36に伝えられる。植付部分クラッチは、植付機構36と対応して設けられ、係合時に対応するエンジン11からの植付用動力を対応する植付機構36に伝達する。即ち、植付用動力は、植付クラッチ及び植付部分クラッチを介して、苗植付装置3の各植付機構36に伝達される。
植付伝動機構17は、エンジン11からの駆動力を苗植付装置3へ植付用動力として伝達するものである。植付伝動機構17は、エンジン11からの駆動力が伝達される図示しないミッションと、伝動ケース36a内に設けられて回転支持部36b及び植込杆36cを回転させる無端チェーン19(図4に示す)などを備えている。ミッションは、エンジン11からの駆動力を、副変速機などで変速して、無端チェーン19を介して苗植付装置3へ植付用動力として出力する。また、動力伝達機構4は、エンジン11からの駆動力を整地装置5へ整地用動力として伝達するものである。
整地装置5は、苗植付装置3の苗植付部30の前方に設けられて、圃場を整地するものである。整地装置5は、植付フレーム35に昇降自在に支持されている。
整地装置5は、フロート38a,38bと同様に、走行車体2の左右方向の中央に設けられたセンターロータ50と、センターロータ50の左右両側でセンターロータ50よりも後方に設けられた一対のサイドロータ51と、センターロータ50の左右両端と一対のサイドロータ51とを連結する一対の連結伝動機構52とを備える。
センターロータ50と一対のサイドロータ51の長手方向は、左右方向と平行に配置されており、連結伝動機構52により軸心回りに回転自在に支持されている。一対の連結伝動機構52は、センターロータ50と一対のサイドロータ51とを軸心回りに連動させて回転させる。一対の連結伝動機構52には、エンジン11からの駆動力が伝達される。これにより、センターロータ50とサイドロータ51とは、共にエンジン11からの出力によって回転可能になっている。
整地装置5は、植付フレーム35などに取り付けられたモータや吊り下げフレームなどにより昇降自在に設けられている。
また、苗植付装置3の左右には、ぞれぞれ、線引きマーカ55が昇降自在に設けられている。線引きマーカ55は、圃場から離間した非線引き位置と、非線引き位置から下降されて圃場面に線引きする線引き位置とに亘ってモータなどの駆動源により昇降される。線引きマーカ55は、線引き位置において、圃場面に線引きして、苗植付条間隔を一定に維持するものである。線引きマーカ55は、線引き位置において、上下位置が変更可能となっている。線引きマーカ55は、苗の植付作業において、左右の線引きマーカ55のうち既に苗が植え付けられた側の線引きマーカ55が非線引き位置とされ、苗が植え付けられてない側の線引きマーカ55が線引き位置とされる。
さらに、フロアステップ20の左右には、図6に示すように、それぞれ、サイドマーカ56が回動自在に取り付けられている。サイドマーカ56は、苗植付条間隔を一定に維持するものである。サイドマーカ56は、バッテリ13の側方に配置されている。サイドマーカ56は、一端部を中心としてフロアステップ20などに回転自在に取り付けられている、サイドマーカ56の回転中心は上下方向と平行である。サイドマーカ56は、一端部よりも他端部が後方に位置して予備苗枠25a,25bの下方に位置する収容位置(図7中に点線で示す)と、他端部が予備苗枠25a,25bの外側に突出する突出位置(図7中に二点鎖線で示す)とに亘って回転自在である。
サイドマーカ56は、収容位置において、前記一端部から後方に向かうにしたがって外側に向かう傾斜部56aと、傾斜部56aから前後方向と平行に屈曲した平行部56bとを備えて、バッテリ13と干渉しないとともに、バッテリ13の外側を覆ってバッテリ13を保護する。サイドマーカ56は、苗の植付作業において、左右のサイドマーカ56のうち既に苗が植え付けられた側のサイドマーカ56が突出位置とされ、苗が植え付けられてない側のサイドマーカ56が収容位置とされる。サイドマーカ56は、突出位置において、他端部が既に植え付けられた苗の上方に位置付けられることで、苗植付条間隔を一定に維持するように、走行車体2を走行させることができる。
制御装置は、苗移植機1を構成する上述した構成要素をそれぞれ制御するものである。制御装置は、例えば、油圧式無段変速機15を制御する変速制御、苗植付部昇降機構31による苗植付部30の昇降制御、エンジン11を制御するエンジン制御等を実行している。
また、制御装置は、ハンドル24の操舵角度を検出する検出センサからの検出結果などにより、圃場上の植付作業中におけてハンドル24の操舵(旋回)に連動して、油圧昇降シリンダ34により苗植付部30を非作業位置まで上昇させて植付クラッチを切って苗植付装置3を停止させる。その後、制御装置は、走行車体2の旋回が終了すると、苗植付装置3を下降させてから植付クラッチを係合して苗植付装置3を再作動させる。
また、苗移植機1は、フロントカバー23の上部に、図3に示すように、操作パネル60と、表示パネル61とを備えている。表示パネル61は、走行車体2及び苗植付装置3等の状況を表示するものであり、操作パネル60の左右方向の中央でかつ前方寄りの端部に設けられている。表示パネル61は、計器類や液晶モニタ62などを備えている。
操作パネル60は、走行車体2及び苗植付装置3などを操作するものである。操作パネル60は、ハンドル24、各種操作レバー63及び複数の設定変更部材64を設けている。各種操作レバー63は、走行車体2の走行及び苗植付装置3の動作を操作するものである。設定変更部材64は、苗植付装置3や可動式予備苗枠25bなどの苗移植機1の設定を変更するためものである。操作パネル60の左右方向の中央にハンドル24の操舵軸24aを設け、操作パネル60のハンドル24の操舵軸24aの左右方向の側方に各種操作レバー63を設け、操作パネル60上に設定変更部材64を設けている。また、操作パネル60上の操舵軸24aよりも前側に表示パネル61を設けている。
各種操作レバー63としての走行車体2の前後進、停止及び走行速度を切り替える主変速レバー63aを、操作パネル60の操舵軸24aの左右方向の一側としての右側に設けている。主変速レバー63aは、操作パネル60の操舵軸24aの右側に前後方向に移動自在に設けられている。主変速レバー63aは、制御装置に油圧式無段変速器15の斜板の傾斜角を変更させて、走行車体2の前後進、停止及び走行速度を切り替える。また、主変速レバー63aの把持部には、制御装置に油圧昇降シリンダ34を伸縮させて、苗植付部30を昇降させるための昇降レバー65が上下方向に搖動自在に取り付けている。
また、各種操作レバー63としての走行車体2の走行モード(路上走行モード、中立停止用モード、植付作業モード等)を切り替える副変速レバー63bを、操作パネル60の操舵軸24aの左右方向の一側としての左側に設けている。副変速レバー63bは、操作パネル60の操舵軸24aの左側に前後方向に移動自在に設けられている。副変速レバー63bは、制御装置にミッションケース内の副変速機を変速させて、路上走行モード、中立停止用モード、植付作業モード等を切り替える。なお、路上走行モードは、走行車体2が路上を走行する走行モードであって、前輪12a,12a、後輪12b,12bを回転駆動するとともに、苗植付装置3を停止させる。また、植付作業モードは、走行車体2が走行しながら圃場に苗を植え付ける走行モードであって、前輪12a,12a、後輪12b,12bを回転駆動するとともに、苗植付装置3を駆動させる。
設定変更部材64としての可動式予備苗枠25bの形態を積層形態と展開形態とに切り替える苗枠切替スイッチ64aを、操作パネル60上の副変速レバー63bよりも前側で、且つ操作パネル60の外縁部上に設けている。苗枠切替スイッチ64aは、上下方向に搖動自在に設けられ、上方に搖動されると制御装置に可動式予備苗枠25bを展開形態に切り替えさせる。苗枠切替スイッチ64aは、下方に搖動されると制御装置に可動式予備苗枠25bを積層形態に切り替えさせる。
また、植付作業モードにおいて、設定変更部材64としてのハンドル24の操舵に連動して苗植付装置3を上昇させて停止させた後、走行車体2の旋回が終了すると苗植付装置3を下降させてから再作動させるタイミングを変更するためのタイミング切替スイッチ64bを操作パネル60上に設けている。タイミング切替スイッチ64bは、制御装置に苗植付装置3を再作動させるタイミングを変更させる。また、設定変更部材64としての整地装置5の上下位置を変更するための整地昇降スイッチ64cを操作パネル60上に設けている。整地昇降スイッチ64cは、制御装置に整地装置5を昇降させる。タイミング切替スイッチ64bと整地昇降スイッチ64cとを、副変速レバー63bとハンドル24の操舵軸24aとの左右方向の間で、且つ前記副変速レバー63bの最前方の位置よりも後方に配置している。
また、タイミング切替スイッチ64bは、苗植付装置3を再作動させるタイミングを制御装置に早めさせるための入力スイッチ64baと、苗植付装置3を再作動させるタイミングを制御装置に遅らせるための入力スイッチ64bbとを備えている。整地昇降スイッチ64cは、整地装置5を制御装置に上昇させるための入力スイッチ64caと、整地装置5を制御装置に下降させるための入力スイッチ64cbとを備えている。
設定変更部材64としての走行車体2の左右の後輪12b,12bの高さを変更するためのローリング調節スイッチ64dを操作パネル60上に設けている。ローリング調節スイッチ64dは、制御装置にローリング機構のローリングシリンダを伸縮させて、後輪12b,12bの高さを変更する。例えば、ローリングシリンダが伸張すると、左右の後輪12b,12bのうち一方が高くなり、他方が低くなる。ローリングシリンダが縮小すると、左右の後輪12b,12bのうち他方が高くなり、一方が低くなる。ローリング調節スイッチ64dは、回動自在なダイヤル式のスイッチであって、右に回されると、制御装置に右側の後輪12b,12bを低くさせ、左に回されると、制御装置に左側の後輪12b,12bを低くさせる。ローリング調節スイッチ64dは、苗枠切替スイッチ64aよりもハンドル24の操舵軸24a寄りで、且つタイミング切替スイッチ64b及び整地昇降スイッチ64cよりも前側に設けられている。
設定変更部材64としての左右の線引きマーカ55の下降した際(線引き位置に位置した際)の上下位置を変更するための線引き昇降スイッチ64eを操作パネル60上に設けている。線引き昇降スイッチ64eは、上下方向に搖動自在に設けられ、上方に搖動されると制御装置に線引きマーカ55を上昇させる。線引き昇降スイッチ64eは、下方に搖動されると制御装置に線引きマーカ55を下降させる。線引き昇降スイッチ64eは、主変速レバー63aよりも前側に設けられている。
設定変更部材64としての左右の線引きマーカ55の昇降動作(自動モード、両出モード、停止モード)を変更するための線引き切替スイッチ64fを操作パネル60上に設けている。線引き切替スイッチ64fは、回動自在なダイヤル式のスイッチであって、制御装置に線引きマーカ55を自動モード、両出モード、停止モード等に切り替える。自動モードでは、線引き切替スイッチ64fは、制御装置に左右の線引きマーカ55のうち既に苗が植え付けられた側の線引きマーカ55を非線引き位置とさせ、苗が植え付けられてない側の線引きマーカ55を線引き位置とさせる。両出モードでは、線引き切替スイッチ64fは、制御装置に左右の線引きマーカ55を線引き位置に維持させる。停止モードでは、線引き切替スイッチ64fは、制御装置に左右の線引きマーカ55を非線引き位置に維持させる。線引き切替スイッチ64fは、線引き昇降スイッチ64eよりもハンドル24の操舵軸24a寄りで、且つ感度調節スイッチ64gよりも前側に設けられている。
設定変更部材64としてのセンターフロート38aの回転角度に対する苗植付装置3の昇降感度を変更するための感度調節スイッチ64gを操作パネル60上に設けている。感度調節スイッチ64gは、回動自在なダイヤル式のスイッチであって、右に回されると、制御装置に迎角制御センサの検知結果の変化に対してより敏感に油圧昇降シリンダ34を伸縮させて、苗植付装置3をより敏感に昇降させる。感度調節スイッチ64gは、左に回されると、制御装置に迎角制御センサの検知結果の変化に対してより鈍感に油圧昇降シリンダ34を伸縮させて、苗植付装置3をより鈍感に昇降させる。感度調節スイッチ64gは、主変速レバー63aとハンドル24の操舵軸24aの左右方向の間に設けられている。
設定変更部材64としての操作パネル60上のハンドル24の操舵軸24aよりも後側に苗植付装置3の一部の植付機構36の作動を入切する部分切替スイッチ64hを複数設けている。部分切替スイッチ64hは、植付機構36と1対1で対応している。部分切替スイッチ64hは、制御装置に対応した植付機構36の植付部分クラッチの入切を変更させる。
また、操作パネル60上にはエンジン11を駆動するための図示しないイグニッションスイッチが設けられている。さらに、操作パネル60上には、走行車体2の駆動中のエンジン11を停止させるための動力停止スイッチ66が設けられている。動力停止スイッチ66は、イグニッションスイッチがオンでエンジン11が駆動中の際に、オンされると制御装置に駆動中のエンジン11を停止させるものである。動力停止スイッチ66は、主変速レバー63aよりも前側で、且つ線引き切替スイッチ64eよりも外側に設けられている。また、動力停止スイッチ66は、副変速レバー63bよりも前側で、且つ苗枠切替スイッチ64aよりも外側に設けられてもよい。
動力停止スイッチ66が駆動中のエンジン11を停止させると、表示パネル61の液晶モニタ62が、図19に示すように、エラーメッセージAと、走行車体2の左右の後輪12b,12bの高さを示すローリング量B及び苗植付装置3の昇降感度を示す数値Cとを表示する。エラーメッセージAは、駆動中のエンジン11が動力停止スイッチ66により停止させたことを示すものである。苗植付装置3の昇降感度を示す数値Cは、センターフロート38aの回転角度に対する苗植付装置3の昇降感度を示すものである。エラーメッセージAと、ローリング量B及び数値Cは、複数の文字、数字や図形などで構成される。なお、本発明では、液晶モニタ62は、エラーメッセージAと、走行車体2の左右の後輪12b,12bの高さを示すローリング量B及び苗植付装置3の昇降感度を示す数値Cとの少なくとも一方を表示すればよい。
表示パネル61の液晶モニタ62が、走行車体2の左右の後輪12b,12bの高さを示すローリング量B及び苗植付装置3の昇降感度を示す数値Cを表示すると、タイミング切替スイッチ64b及び整地昇降スイッチ64cとが後輪12b,12bの高さ及び昇降感度を設定するために用いられる。タイミング切替スイッチ64bの入力スイッチ64baは、左側の後輪12bを高くするために用いられ、入力スイッチ64bbは、右側の後輪12bを高くするために用いられる。また、整地昇降スイッチ64cの入力スイッチ64caは、昇降感度を敏感にするために用いられ、入力スイッチ64cbは、昇降感度を鈍感にするために用いられる。
前述した苗移植機1は、圃場に苗を植え付ける際には、苗移植機1は、圃場内を走行しながら整地装置5のロータ50,51が回転することで圃場の表面を均す。そして、苗移植機1は、苗植付部30の回転支持部36bが中央部を中心として回転しながら回転支持部36bの両端部で植込杆36cが回転して、苗を圃場に植え付ける。
また、苗移植機1は、圃場への苗の植え付けを終了すると、苗植付部昇降機構31により苗植付部30とともに整地装置5が非作業位置まで上昇される。そして、苗移植機1は、圃場間を移動したり、圃場外に移動する。
以上のように、本実施形態の苗移植機1の構成によれば、操作レバー63と、設定変更部材64とを操作パネル60上に集中的に設けたことにより、作業者は、操作パネル60上で作業に必要な操作レバー63や設定変更部材64を探して操作することができる。したがって、苗移植機1によれば、作業者は、走行車体2の操舵や苗植付装置3の設定に集中でき、作業能率や操作性を向上することができる。
また、苗移植機1によれば、操作レバー63や設定変更部材64が作業時に作業者の手元付近に集中するので、作業者は操縦席22に座った姿勢を変更する必要がなく各種の操作や設定を行うことができる。したがって、作業者の労力が軽減されるとともに、操作レバー63や設定変更部材64に作業者の足などが接触することがないので、誤操作を抑制することができる。
また、苗移植機1によれば、設定変更部材64を操作レバー63間に設けたので、設定変更部材64の操作時に作業者の手が操作レバー63に接触することを抑制でき、誤操作を抑制することができる。また、操作レバー63への接触を気にすることなく、設定変更部材64の操作を行うことができるので、設定変更部材64の操作を素早く行うことができ、作業能率が向上する。
また、苗移植機1によれば、苗枠切替スイッチ64aを副変速レバー63bよりも前側でかつ操作パネル60の外縁部に配置しているので、ハンドル24を操作する手と反対側の手で苗枠切替スイッチ64aを操作しやすくなる。このために、素早く苗枠切替スイッチ64aを操作することができ、可動式予備苗枠25bが障害物に接触することを抑制でき、可動式予備苗枠25bの破損を抑制することができる。
また、苗移植機1によれば、可動式予備苗枠25bに障害物が接触することを抑制できるので、可動式予備苗枠25bからの苗の落下を抑制でき、苗が傷つくことを抑制でき、落下した苗を拾う作業が不要になる。
さらに、苗移植機1によれば、苗枠切替スイッチ64aが操作パネル60の前側の外縁部に設けられているので、走行車体2の前側や側方からでも作業者の手が苗枠切替スイッチ64aに届きやすくなる。したがって、苗移植機1によれば、操縦席22を外した作業員が可動式予備苗枠25bの切替操作のたびに走行車体2上に移動する必要がなく、作業能率が向上する。
また、苗移植機1によれば、タイミング切替スイッチ64bと整地昇降スイッチ64cを副変速レバー63bとハンドル24の操舵軸24aとの間に設けたことにより、タイミング切替スイッチ64bと整地昇降スイッチ64cの操作時に副変速レバー63bとハンドル24に干渉しにくくなる。したがって、苗移植機1によれば、誤操作が防止されるとともに、作業能率を向上することができる。
苗移植機1によれば、副変速レバー63bが最前方の位置のときに操作する機会の多いタイミング切替スイッチ64bと整地昇降スイッチ64cを最前方の副変速レバー63bよりも後方に配置している。このために、苗移植機1によれば、タイミング切替スイッチ64bと整地昇降スイッチ64cの操作中に副変速レバー63bに接触することを抑制でき、一層誤操作の抑制や作業能率の向上を図ることができる。
苗移植機1によれば、苗枠切替スイッチ64a、ローリング調節スイッチ64d、タイミング切替スイッチ64b及び整地昇降スイッチ64cを副変速レバー63bよりも内側で、且つ前方にL字上に配置している。また、線引き昇降スイッチ64e、線引き切替スイッチ64f及び感度調節スイッチ64gを主変速レバー63aよりも内側で、且つ前方にL字上に配置している。このために、設定変更部材64を操作する際に、主変速レバー63aや副変速レバー63bに手が触れにくくなるので、操作性が向上するとともに、作業能率が向上する。
苗移植機1によれば、操舵軸24aの前側に表示パネル61を設け、操舵輪体24bの内側に空間を形成したことにより、操縦席22上の作業者が表示パネル61及び操作パネル60を視認することができる。したがって、視認性が向上し、誤操作を抑制することができる。
苗移植機1によれば、操舵軸24aよりも後側に部分切替スイッチ64hを設けたので、部分切替スイッチ64hを主変速レバー63aや副変速レバー63bから離間させることができる。このために、部分切替スイッチ64hの操作時に手が主変速レバー63aや副変速レバー63bに触れにくく、誤操作を抑制できるとともに、作業能率を向上することができる。
苗移植機1によれば、動力停止スイッチ66を操作してエンジン11を停止すると、表示パネル61の液晶モニタ62がエラーメッセージAなどを表示する。このために、部品点数の削減を図ることができる。
また、前述した実施形態では、サイドマーカ56は、傾斜部56aと平行部56bとを備えていたが、本発明では、図20に示すように、サイドマーカ56は、傾斜部56aと平行部56bとにくわえて第2傾斜部56cを備えてもよい。図20は、実施形態の変形例に係る苗移植機のサイドマーカの平面図である。なお、図20において、実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
サイドマーカ56は、バッテリ13の側方に配置され、一端部を中心として収容位置(図20中に実線で示す)と、突出位置(図20中に二点鎖線で示す)とに亘ってフロアステップ20などに回転自在に取り付けられている。サイドマーカ56は、収容位置において、前記一端部から後方に向かうにしたがって外側に向かう傾斜部56aと、傾斜部56aから前後方向と平行に屈曲した平行部56bと、平行部56bから後方に向かうにしたがって内側に向かう第2傾斜部56cとを備えて、バッテリ13と干渉しないとともに、バッテリ13の外側を覆ってバッテリ13を保護する。
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 苗移植機(作業車両)
2 走行車体
3 苗植付装置(作業装置)
5 整地装置(作業装置)
11 エンジン(動力装置)
12b 後輪(走行輪)
22 操縦席
24 ハンドル(操舵部材)
24a 操舵軸
24b 操舵輪体
25b 可動式予備苗枠(予備苗枠、作業装置)
25c 予備苗載台
25k モータ(駆動源)
38a センターフロート(フロート)
55 線引きマーカ
60 操作パネル
61 表示パネル
63 操作レバー
63a 主変速レバー
63b 副変速レバー
64 設定変更部材
64a 苗枠切替スイッチ
64b タイミング切替スイッチ
64c 整地昇降スイッチ
64d ローリング調節スイッチ
64e 線引き昇降スイッチ
64f 線引き切替スイッチ
64g 感度調節スイッチ
64h 部分切替スイッチ
66 動力停止スイッチ
A エラーメッセージ
B ローリング量
C 数値

Claims (7)

  1. 圃場を走行する走行車体と、
    圃場面で作業する作業装置と、
    前記走行車体の前部に設けられ、且つ作業者が搭乗する操縦席と、
    前記走行車体及び前記作業装置を操作する操作パネルと、
    前記走行車体及び前記作業装置の状況を表示する表示パネルと、
    前記走行車体を操舵する操舵部材と、を備えた作業車両において、
    前記操作パネルの左右方向の中央に前記操舵部材を設け、
    前記操作パネルの前記操舵部材の側方に前記走行車体の走行及び前記作業装置の動作を操作する操作レバーを設け、
    前記操作パネル上に作業車両の設定を変更するための設定変更部材を設ける
    ことを特徴とする作業車両。
  2. 前記操作パネルの前記操舵部材の左右方向の一側に、前記操作レバーとしての前記走行車体の前後進及び走行速度を切り替える主変速レバーを設け、
    前記操作パネルの前記操舵部材の左右方向の他側に、前記操作レバーとしての前記走行車体の走行モードを切り替える副変速レバーを設ける
    ことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
  3. 前記操縦席の左右方向の側方に設けられ、且つ、補充用の苗を積載する複数の予備苗載台が上下に並ぶ積層形態と前後に並ぶ展開形態とに駆動源により切り替えられる予備苗枠を備え、
    前記操作パネル上の前記副変速レバーよりも前側で、且つ前記操作パネルの外縁部に前記予備苗枠の形態を切り替える前記設定変更部材としての苗枠切替スイッチを設ける
    ことを特徴とする請求項2記載の作業車両。
  4. 前記操作パネル上に、
    前記操舵部材の操舵に連動して前記作業装置を上昇させて前記作業装置を停止させた後、前記走行車体の旋回が終了すると前記作業装置を下降させてから再作動させるタイミングを変更するための前記設定変更部材としてのタイミング切替スイッチと、
    前記走行車体に昇降自在に設けられた整地装置の上下位置を変更するための前記設定変更部材としての整地昇降スイッチと、を設け、
    前記タイミング切替スイッチと前記整地昇降スイッチとを、前記副変速レバーと前記操舵部材との左右方向の間で、且つ前記副変速レバーの最前方の位置よりも後方に配置した
    ことを特徴とする請求項3記載の作業車両。
  5. 前記操作パネル上に、
    前記走行車体の左右の走行輪の高さを変更するための前記設定変更部材としてのローリング調節スイッチと、
    前記作業装置の左右に昇降自在に設けられた線引きマーカの下降した際の上下位置を変更するための前記設定変更部材としての線引き昇降スイッチと、
    前記左右の線引きマーカの昇降動作を変更するための前記設定変更部材としての線引き切替スイッチと、
    前記走行車体の下部に設けられ前記圃場面を均すとともに圃場面の凹凸により回動するフロートの回転角度に対する前記作業装置の昇降感度を変更するための前記設定変更部材としての感度調節スイッチと、を設け、
    前記苗枠切替スイッチよりも前記操舵部材寄りで、且つ前記タイミング切替スイッチ及び前記整地昇降スイッチよりも前側に前記ローリング調節スイッチを設け、
    前記主変速レバーよりも前側に前記線引き昇降スイッチを設け、
    前記主変速レバーと前記操舵部材の左右方向の間に前記感度調節スイッチを設け、
    前記線引き昇降スイッチよりも操舵部材寄りで、且つ前記感度調節スイッチよりも前側に前記線引き切替スイッチを設ける
    ことを特徴とする請求項4記載の作業車両。
  6. 前記操舵部材は、操舵軸と、作業者が把持可能で、且つ内側に空間が形成された操舵輪体とで構成され、
    前記操作パネル上の前記操舵軸よりも前側に表示パネルを設け、
    前記操作パネル上の前記操舵軸よりも後側に前記作業装置の一部の作動を入切する部分切替スイッチを設ける
    ことを特徴とする請求項5記載の作業車両。
  7. 前記操作パネル上の前記主変速レバー又は前記副変速レバーよりも前側で、且つ前記線引き切替スイッチ又は前記苗枠切替スイッチよりも外側に前記走行車体の駆動中の動力装置を停止させるための動力停止スイッチを設け、
    前記動力停止スイッチが駆動中の前記動力装置を停止させると、前記表示パネルが、エラーメッセージと、前記走行車体の左右の走行輪の高さを示すローリング量及び前記作業装置の昇降感度を示す数値と、のうちの少なくとも一方を表示するとともに、
    前記表示パネルが、前記走行車体の左右の走行輪の高さを示すローリング量及び前記作業装置の昇降感度を示す数値を表示すると、前記タイミング切替スイッチ及び前記整地昇降スイッチとが、前記左右の走行輪の高さ及び昇降感度を設定するために用いられる
    ことを特徴とする請求項6記載の作業車両。
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