JP2015115518A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】低背形状であっても優れた耐たわみ性を有する、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品を提供する。【解決手段】複数の誘電体セラミック層2及びその層間に形成された複数の内部電極層3で構成される容量部と、該容量部の上下面に設けられた複数のダミー誘電体セラミック層4a−1〜4,4b−1〜4と、その層間に形成された複数のダミー内部電極層5a−1〜5,5b−1〜5からなる非容量部と、さらに非容量部の上下面に設けられた外層部13a,13bからなるセラミック基体に対して、前記ダミー内部電極層を相互に連結させるブリッジ7を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品に関するものである。
電子機器の小型化や薄層化に伴い、フレキシブルプリント基板(FPC基板)の需要が拡大している。FPC基板上に実装させる電子部品には、短小、低背である事に加えて、耐たわみ性が求められる。最近では1005サイズ(1.0×0.5mm)においてチップ厚み0.22mmの低背設計積層セラミックコンデンサが使用されている。
しかしながら、低背設計部品は機械強度が低く、基板のたわみ変形によって、セラミック層と内部電極層の剥離(デラミネーション)やクラックといった構造欠陥が発生し易いという問題がある。
特許文献1は、電子部品の外層部中に緩衝層(ダミー層)を形成させる事により、外的な要因によってクラックが生じても内層へのクラック進行を抑制し、信頼性の低下を防止することができる技術を開示している。
また、特許文献2は、積層体の表面及び/又は内部にダミー配線導体を配設し、外部電極端子と電気的・機械的に接続する事により、外部衝撃による積層体と外部電極端子の剥離を防止できる技術を開示している
特開平11−26295号公報 特許第4463045公報
特許文献1の技術は、クラックが内層へ進入する事を抑制する事は可能だが、デラミネーションやクラックの発生を抑制する事はできない。
さらに、低背設計部品に対しては、緩衝層(ダミー層)と内層との厚みを十分確保することができないので、クラックが内層へ進入することを阻止する事が困難である。
又、特許文献2の技術によって、積層体と外部電極端子の接続部を高強度にする事ができるが、補強領域が積層体の端部から外部電極の延在部に限定される為、プリント回路基板実装後に熱が加えられたり、プリント回路基板がたわんだ際に、積層体自身の耐たわみ性は向上しないため、クラックやデラミネーション等の発生要因となる。
本発明はこのような実状を鑑みてなされ、その目的は、優れた耐たわみ性を有する、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品を提供する事である。
上述した課題を解決する為、本発明は、複数の誘電体セラミック層及び、該誘電体セラミック層の間に形成された複数の内部電極層で構成される容量部を有し、前記容量部を挟むように設けられた前記複数の誘電体セラミック層と層間に位置するダミー内部電極層を含む非容量部と、該非容量部の表面に外層部を有するセラミック基体と、前記セラミック基体の両端面に設けられた一対の外部電極とを備える積層セラミック電子部品であって、前記非容量部の隣接する前記ダミー内部電極層を相互に接合させる、金属からなるブリッジを有する事を特徴とする。
非容量部を設ける事で、容量部と外層部のみから成るセラミック基体と比べて、たわみ変形によるクラックの発生を抑制させる事が可能となる。さらに、ダミー内部電極層同士をブリッジにより一体化させる事より、デラミネーションを効果的に抑制する事ができる。その上、ダミー内部電極及びブリッジは、外部電極の形状に制限されることなく配設する事が出来るので、セラミック基体自身の耐たわみ性が向上する。
また、前記容量部を挟むように設けられた複数のダミー内部電極層は、前記一対の外部電極のいずれか一方と接続することが好ましい。上記を満足することで、セラミック基体のたわみ変形時に、セラミック基体と外部端子の接続部近傍に集中する応力をダミー内部電極層およびブリッジに分散させる事が可能になり、耐たわみ性がより強化される。
また、前記ダミー内部電極層を相互に連結させるブリッジは、前記容量部との境界から前記外層部との境界に向かって、該ブリッジの数が多くなることが好ましい。セラミック基体のたわみ変形時作用する曲げ応力は、上端もしくは下端に近くなる程大きい事から、曲げ応力が大きく作用する部位にブリッジを多く設ける事によって、耐たわみ性がより強化される。
本発明によれば、デラミネーションやクラックなどの構造欠陥が発生し難い優れた耐たわみ性を有する、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品を提供する事が出来る。
本発明の実施例1に係る積層セラミックコンデンサの断面外略図である。 比較例2に係る従来の積層セラミックコンデンサの断面外略図である。 本発明の実施例5に係る積層セラミックコンデンサの断面外略図である。 本発明の実施例に係る積層セラミックコンデンサについて行ったたわみ強度試験の方法を説明する図である。 本発明の実施例7に係る積層セラミックコンデンサの断面における、非容量部の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 本発明の実施例2〜4に係る積層セラミックコンデンサにおける、非容量部に設けるブリッジの頻度分布である。 本発明の実施例5〜7に係る積層セラミックコンデンサにおける、非容量部に設けるブリッジの頻度分布である
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、同一の部材については同一の符号を付すものとし、重複する説明を省略する。なお、図面は模式的なものであり、部材相互間の寸法の比率や部材の形状等は実際のものと異なっていても良い。
<積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)>
本発明の積層セラミック電子部品の一実施形態として、図1および図2に積層セラミックコンデンサの断面模式図を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1(実施例1)の断面
模式図である。積層セラミックコンデンサ1は、セラミック基体10の内部に配設された
内部電極層3が、誘電体セラミック層2を介して積層され、かつセラミック基体10の両
端面には、交互に逆側の端面に露出した内部電極層3と導通するように一対の外部電極6a,6bが配設される。
セラミック基体10は、誘電体セラミック層2および内部電極層3が交互に積層され、静電容量を形成する容量部11を挟み込むように、静電容量の形成に寄与しないダミー誘電体セラミック層4(4a−1〜4,4b−1〜4)およびダミー内部電極層5(5a−1〜5,5b−1〜5)が交互に積層されている非容量部12(12a、12b)を形成し、さらに、最上下層のダミー内部電極層4a−1,4b−1を挟み込むように外層部13(13a,13b)を形成する。
非容量層12a,12bには、ダミー内部電極層(5a−1〜5,5b−1〜5)を相互に連結させるブリッジ7が配設される。
セラミック基体10の形状は、特に制限されず、目的および用途に応じて適宜選択されるが、形状は通常、直方体とされる。寸法についても、制限はなく、目的および用途に応じて適宜選択され、通常、縦(0.4〜3.2mm)×横(0.2〜2.5mm)×高さ(0.15〜1.9mm)程度である。
誘電体セラミック層2、ダミー誘電体セラミック層4および外層部13は、たとえば、
BaTiO、CaZrO、(Bi0.5Na0.5)TiO、NaNbO、KNbO等を主成分とした誘電体磁器組成物から構成される。
本実施形態では、上記の誘電体粒子は、所望の特性に応じて、添加成分元素を含有してもよい。さらにSi、B、Liを含む酸化物を含有してもよい。
外層部13の厚みは、目的や用途に応じ適宜決定すればよい。
好ましくは、2μm〜20μm、より好ましくは、4μm〜10μmである。
誘電体セラミック層2及びダミー誘電体セラミック層4の厚みは、目的や用途に応じ適宜決定すればよい。好ましくは、1.0μm以下、より好ましくは、0.6μm以下である。また、ダミー誘電体セラミック層4の厚みは、誘電体セラミック層2の厚みに対して0.5〜1.2倍とする事が好ましい。
内部電極層3及びダミー内部電極層5に含有される導電材は特に限定されないが、たとえば、Ni,Cu,Ni-Cu合金、Ag−Pd合金等を用いる事ができる。内部電極層3及びダミー内部電極層5は、異なる導電材であっても良い。
内部電極層3及びダミー内部電極層5の厚みは目的や用途に応じ適宜決定すればよい。好ましくは、1.0μm以下、より好ましくは、0.6μm以下である。
また、ダミー内部電極層5の厚みは、内部電極層3の厚みに対して1.0〜1.5倍とする事が好ましい。
非容量部12におけるダミー内部電極層5の層数は、少なくとも2層以上あれば良いが、好ましくは、4〜20層である。
また、非容量部12の厚みは、外層部13に対して0.5〜8.0倍とする事が好ましい。
ブリッジ7は金属から構成されるが、ダミー内部電極層5に含有される導電材と同じ金属でも良く、異なる金属であっても良い。ブリッジ7と、ダミー内部電極層5を異なる金属とする場合は、互いが拡散接合している事が好ましい。ブリッジ7の幅は、好ましくは0.2〜4.0μm、より好ましくは0.3μm〜2.0μmである。ダミー内部電極層5の厚みに対して0.5〜2.0倍であるとさらに好ましい。
ブリッジ7の頻度は、ダミー誘電体セラミック層4の面方向に100μmあたり3.0〜20個設ける事が好ましい。
また、ブリッジ7は、容量部11との境界から外層部13との境界に向かって、頻度が高くなることが好ましい。曲げ応力が大きく作用する部位にブリッジを多く設ける事によって、耐たわみ性がより強化される。
外部電極6に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi,Cu、これらの合金を用いることができる。
又、外部電極6には、それぞれ熱硬化性樹脂と導電性粒子とを主成分とする導電性樹脂からなる樹脂電極層を設けても良い。
<積層セラミックコンデンサの製造方法>
本実施形態の積層セラミックコンデンサは、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して焼き付けすることにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
まず、誘電体セラミック層を形成するための誘電体セラミック原料を準備し、これを塗料化して、誘電体セラミック層用ペーストを調製する。
誘電体セラミック原料として、まずBaTiO、CaZrO、(Bi0.5Na0.5)TiO、NaNbO、KNbO等を主成分とした粉末を準備する。これらの原料としては、上記した成分の酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができる。また、上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物から適宜選択して用いることができ、これらを混合して用いることもできる。各種化合物としては、たとえば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等が挙げられる。
なお、誘電体セラミック原料は、いわゆる固相法、シュウ酸塩法の他、各種液相法(たとえば、水熱合成法、アルコキシド法、ゾルゲル法など)により製造されたものなど、種々の方法で製造されたものを用いることができる。
さらに、誘電体磁器組成物に上記の主成分以外の成分が含有される場合には、該成分の原料として、それらの成分の酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができる。
次に、上記の誘電体セラミック原料に、有機ビヒクルを混合して誘電体セラミック層用ペーストを作製する。有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。バインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の周知の各種バインダから適宜選択すればよい。有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法などに応じて、ジヒドロターピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
内部電極層用ペーストは、導電性金属や合金からなる導電材と、上記の有機ビヒクルを混合して作製する。導電材として用いる金属としてはNi,Cu,Ni-Cu合金、Ag−Pd合金等が使用できる。
そして、誘電体セラミック層用ペーストを印刷法等によりグリーンシート形状とし、そのグリーンシート上に内部電極層用ペーストを印刷して内部電極層パターンを形成する。このようにして得られた内部電極層パターン印刷済みのグリーンシートを複数積層してグリーンチップを得る。
非容量部に対応するグリーンシート上に印刷するダミー内部電極層用ペーストには、
ペースト中の溶剤がグリーンシート中の有機バインダを膨潤または溶解させる、いわゆる「シートアタック」現象を生じる様に設計した有機ビヒクルを用いる事が好ましい。
グリーンシートとダミー内部電極層用ペーストとの界面から、グリーンシートへ導電材の一部を拡散させる事が出来る。後に記述する焼成工程において、グリーンシートへ拡散した導電材が、隣接するダミー内部電極層同士と金属接合することにより、ブリッジが形成される。
尚、非容量部に対応するグリーンシートへ導電材を含有させる方法は上記に限定されず、たとえば、誘電体セラミック層用ペーストに金属粒子を加え、グリーンシートを作製してもよい。
次に、得られたグリーンチップを脱バインダ工程に供し、加熱によって有機成分を除去する。その後、焼成工程、アニール工程を経て、セラミック基体10となる。そして、得られたセラミック基体10に、端子電極6を形成して、積層セラミック電子部品が製造される。
脱バインダ工程における条件としては、昇温速度を好ましくは10〜300℃/時間、保持温度を好ましくは500〜800℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間とする。また、雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とする。
焼成工程における条件としては、昇温速度を好ましくは100℃/時間以上である。
保持温度は、好ましくは1000〜1350℃であり、その保持時間は、好ましくは0.05〜1時間である。
また、焼成工程の雰囲気は、還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、NとHとの混合ガスを加湿して用いることができる。酸素分圧は、10−6〜10−2Paとすることが好ましい。
また、焼結工程において、チップに加圧しながら実施する事で、ブリッジの頻度を好ましい範囲に制御することができる。加圧量は、好ましくは、5〜80MPaである。加圧しながら焼成を行なう方法として、たとえば、ホットプレス法、HIP処理等を採用して行うこともできる。
アニール工程における保持温度は、好ましくは650〜1100℃であり、保持時間は、好ましくは0.1〜24時間である。また、アニール工程の雰囲気は、加湿したNガス(酸素分圧:1.0×10−3〜1.0Pa)とすることが好ましい。
上記した脱バインダ工程、焼成工程およびアニール工程において、Nガスや混合ガス等を加湿する場合には、たとえばウェッター等を使用すればよい。
脱バインダ工程、焼成工程およびアニール工程は、連続して行なっても、独立に行なってもよい。尚、必要に応じて焼成工程、アニール工程を複数回実施してもよい。
上記のようにして得られたセラミック基体10に、たとえばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷ないし転写して焼成し、外部電極6を形成する。そして必要に応じ、外部電極の外面にめっき等により被覆層を形成する。
このようにして製造された本発明の積層セラミック電子部品は、ハンダ付等によりプ
リント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々
に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る積層セラミック電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る積層セラミック電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、ダミー誘電体セラミック層を跨ぐようにダミー内部電極層同士を繋ぐブリッジが形成された、非容量層積層体を有する積層セラミック電子部品であれば何でも良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
<実施例1>
本実施例では、BaTiO+MgO(1.5質量部)+MnO(0.1質量部)+Y(1.0質量部)+SiO(0.5質量部)+V(0.05質量部)の組成の誘電体セラミック層を有する積層セラミックコンデンサを製造した。
まず、粒径0.1〜1.0μmのBaTiO、MgCO3、MnCO、Y
SiOの材料粉末を、ボールミルにより16時湿式混合し、乾燥することによって誘電体セラミック原料を用意した。
得られた誘電体セラミック原料:100質量部と、ポリビニルブチラール樹脂:10質量部と、可塑剤としてのジオクチルフタレート(DOP):5質量部と、溶媒としてのプロパノール:100質量部とをボールミルで混合してペースト化し、誘電体セラミック層用ペーストを得た。
次いで、平均粒径0.15μmのNi粒子100質量部に対し、有機ビヒクル(エチルセルロース8質量部とミネラルスピリット40質量部をジヒドロターピネオール52質量部に溶解したもの)40質量部を3本ロールにより混練してペースト化し、内部電極層用ペーストを得た。
次いで、平均粒径0.15μmのNi粒子100質量部に対し、有機ビヒクル(エチルセルロース8質量部をジヒドロターピネオール92質量部に溶解したもの)40質量部を3本ロールにより混練してペースト化し、ダミー内部電極層用ペーストを得た。
得られた誘電体セラミック層用ペーストを用いて、PETフィルム上に、ドクターブレード法によ
りシート成形を行い、乾燥することにより、グリーンシートを形成した。この上に内部電極用ペースト、ダミー内部電極層用ペーストを印刷した後、PETフィルムからシートを剥離した。次いで、内部電極層パターン層印刷済みグリーンシート(140枚)、ダミー内部電極層パターン層印刷済みグリーンシート(上下部各5枚)、外層部用グリーンシート(内部電極層用ペーストを印刷しないもの)とを積層、圧着して、グリーン積層体を得た。
次いで、得られたグリーン積層体を、ダイシングソーを適用して切断し、グリーンチップを得た。
続いて、上記切断後の個片化したグリーンチップを高強度プレート上に、積層方向が高強度プレートに対して垂直となるように向け、0.15mm間隔で並べ、高強度プレートと共に脱バインダをした。本実施例では、高強度プレートとしてシリコンカーバイドを用いた。
脱バインダ工程は、下記条件にて行なった。
昇温速度:50℃/時間
保持温度:600℃
保持時間:20時間
降温速度:200℃/時間
雰囲気:6.0×10−17Pa
脱バインダ後のチップを、高強度プレートで挟み、ホットプレス焼成装置を用いて焼成し、焼結体チップを得た。
焼成工程は、下記条件にておこなった。
昇温速度:600°C/時間
保持温度:1200℃
保持時間:0.2時間
降温速度:2000℃/時間
加圧量:10MPa
雰囲気:2.0×10−5Pa
焼成後の焼結体チップを、無加圧のバッチ炉を用いてアニール処理した。
アニール工程は、下記条件にて行なった。
昇降温速度:200℃/時間
保持温度:900℃
保持時間:2時間
雰囲気:2.0×10−2Pa
なお、脱バイ工程、焼成工程およびアニール工程の雰囲気は、Hと加湿したNとの混合雰囲気とした。
アニール後の焼結体チップに、バレル研磨にて端面研磨を施し、Cu端子電極用ペーストを焼き付けて端子電極を形成し、上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1を形成した。
得られた積層セラミックコンデンサの端子電極部を除いたサイズは、1.0mm×0.5mm×0.21mmであり、内部電極層に挟まれた誘電体セラミック層の数は129層、1層あたりの誘電体セラミック層の厚みは、0.70μm、内部電極層の厚みは0.65μm、ダミー誘電体セラミック層の厚みは0.67μm、ダミー内部電極層の厚みは0.72μmであった。また、外層部の厚みは上下各5μmであった。
さらに、得られた積層セラミックコンデンサを積層方向に平行な面で切断し、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、非容量部において、ブリッジを形成している事を確認した。
<比較例1>
ダミー内部電極層用ペーストに含まれる導電材をグリーンシートに拡散させない為に、ダミー内部電極層用ペーストの作製工程において、内部電極層用ペーストと同様の有機ビヒクルを用いる他は、実施例1と同様に作製した。
さらに、得られたコンデンサ試料を積層方向に平行な面で切断し、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、非容量部において、ブリッジは存在しない事を確認した。
<比較例2>
比較例2に係る、従来の積層セラミックコンデンサ21の断面模式図を図2に示す。
積層セラミックコンデンサ31は、セラミック基体10の内部に配設された内部電極層3が、誘電体セラミック層2を介して積層され、かつセラミック基体10の両端面には、交互に逆側の端面に露出した内部電極層3と導通するように一対の外部電極5a,5bが配設される。セラミック基体10は、誘電体セラミック層2および内部電極層3が交互に積層された構成の容量部11を挟み込むように、外層部13(13a,13b)を形成する。
焼結体チップの寸法が実施例1と一致するように、ダミー内部電極層パターン印刷済みグリーンシートの代わりに外層部用グリーンシートを積層する他は、実施例1と同様に作製した。
<たわみ強度評価>
作製した積層セラミックコンデンサを、はんだ(Sn96.5%-Ag3%-Cu0.5%)を用いてガラスエポキシ基板に実装した後、たわみ試験機を用いて、積層セラミック電子部品の実装部の下側から、ガラスエポキシ基板にたわみ応力を加え、基板曲げ試験を実施した。試験方法を図4に示す。
試験は、積層セラミックコンデンサを実装した基板が8mmたわむまで応力を加え、その後5秒間保持した。そして、積層セラミックコンデンサを積層方向に平行な面で切断し、光学顕微鏡を用いてセラミック基体へのデラミネーションおよびクラックの発生の有無を調べた。積層セラミックコンデンサ100個について評価をおこない、デラミネーションもしくはクラックが確認できるものを故障と判断し、故障率を求めた。
結果を表1に示す。
表1を見れば明らかなように、非容量部においてブリッジを形成した積層セラミックコンデンサは耐たわみ性が優れている事が確認できる。
一方、比較例1、および比較例2は、故障率が高い事がわかる。
<実施例2>
下記に示す焼成工程条件で焼成する他は、実施例1と同様に作製した。
焼成工程は、下記条件にておこなった。
昇温速度:600°C/時間(25〜1000℃)
100°C/時間(1000〜1200℃)
保持温度:1200℃
保持時間:0.2時間
降温速度:2000°C/時間
加圧量:10MPa
雰囲気:2.0×10−5Pa
<実施例3>
下記に示す焼成工程条件で焼成する他は、実施例1と同様に作製した。
焼成工程は、下記条件にておこなった。
昇温速度:600°C/時間(25〜1000℃)
800°C/時間(1000〜1220℃)
保持温度:1220℃
保持時間:0.1時間
降温速度:2000°C/時間
加圧量:13MPa
雰囲気:3.0×10−5Pa
<実施例4>
下記に示す焼成工程条件で焼成する他は、実施例1と同様に作製した。
焼成工程は、下記条件にておこなった。
昇温速度:600°C/時間(25〜1000℃)
2000°C/時間(1000〜1240℃)
保持温度:1240℃
保持時間:0.05時間
降温速度:2000°C/時間
加圧量:16MPa
雰囲気:7.0×10−5Pa
<実施例5>
実施例5に係る、積層セラミックコンデンサ31の断面模式図を図3に示す。
積層セラミックコンデンサ21は、セラミック基体10の内部に配設された内部電極層3が、誘電体セラミック層2を介して積層され、かつセラミック基体10の両端面には、交互に逆側の端面に露出した内部電極層
3と、最上下層と同じ極性となるダミー内部電極層5(5a−1〜5,5b−1〜5)が導通するように一対の外部電極6a,6bが配設される。
内部電極層パターン印刷および積層工程において、ダミー内部電極層を内部電極層の最上下層と同じ極性となるようにグリーン積相体を作製する他は、実施例2と同様に作製した。
<実施例6>
下記に示す焼成工程条件で焼成する他は、実施例5と同様に作製した。
焼成工程は、下記条件にておこなった。
昇温速度:600°C/時間(25〜1000℃)
800°C/時間(1000〜1220℃)
保持温度:1220℃
保持時間:0.1時間
降温速度:2000°C/時間
加圧量:13MPa
雰囲気:3.0×10−5Pa
<実施例7>
下記に示す焼成工程条件で焼成する他は、実施例5と同様に作製した。
焼成工程は、下記条件にておこなった。
昇降温速度:600°C/時間(25〜1000℃)
2000°C/時間(1000〜1240℃)
保持温度:1240℃
保持時間:0.05時間
降温速度:2000°C/時間
加圧量:16MPa
雰囲気:7.0×10−5Pa
<ブリッジの頻度評価>
非容量部の各ダミー誘電体セラミック層を跨ぐブリッジの層別頻度を算出するため、
得られた積層セラミックコンデンサを積層方向に平行な面で切断し、断面を走査型電子顕
鏡(SEM)で観察した。上下の非容量部を倍率1000倍で各8視野撮影した。
実施例7に対して観察した中の1枚を図5に示す。
次いで、各ダミー誘電体セラミック層4a−1〜4、4b−1〜4を跨ぐように存在する
ブリッジを数え上げ、ダミー誘電体セラミック層100μm辺りに存在するブリッジの数
を算出した。実施例2〜4に対する評価結果を図6に、実施例5〜7に対する評価結果を図7に示す。
<たわみ強度評価>
実施例1と同様に実装し、たわみ強度試験を実施した。
試験は、実施例1と同条件の試験に加え、基板のたわみ変形量を16mmとした試験を実施した。各試験は積層セラミックコンデンサ100個について評価をおこない、デラミネーションもしくはクラックが確認できるものを故障と判断し、故障率を求めた。
結果を表2に示す。
表2、図6および図7を見れば明らかなように、
ダミー内部電極層を外部電極と接続させた実施例5,6および7は、故障率が少ない事がわかる。また、実施例4および7は前記容量部との境界から前記外層部との境界に向かってブリッジの数が多くなるので、故障率がより少ない事がわかる。
その上、上記した2項目を満足している実施例7は、耐たわみ性が特に優れている事がわかる。
本発明は、耐たわみ性の優れた積層セラミック電子部品を提供できる。また、本発明は積層セラミックコンデンサに限らず、その他の表面実装型電子部品、たとえば、バリスタ、サーミスタ、LC複合部品などにも適用可能である。
1,31… 積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)
2… 誘電体セラミック層
3… 内部電極層
4,4a−1〜4,4b−1〜4… ダミー誘電体セラミック層
5,5a−1〜4,5b−1〜4… ダミー内部電極層
6,6a,6b… 外部電極
7… ブリッジ
10… セラミック基体
11… 容量部
12,12a,12b… 非容量部
13,13a,13b… 外層部
21… 従来の積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)

Claims (3)

  1. 複数の誘電体セラミック層及び、該誘電体セラミック層の間に形成された複数の内部電極層で構成される容量部を有し、前記容量部を挟むように設けられた前記複数の誘電体セラミック層と層間に位置するダミー内部電極層を含む非容量部と、該非容量部の表面に外層部を有するセラミック基体と、前記セラミック基体の両端面に設けられた一対の外部電極とを備える積層セラミック電子部品であって、前記非容量部の隣接する前記ダミー内部電極層を相互に接合させる、金属からなるブリッジを有する事を特徴とする、積層セラミック電子部品。
  2. 前記容量部を挟むように設けられた複数のダミー内部電極層は、前記一対の外部電極のいずれか一方と接続することを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 前記ダミー内部電極層を相互に連結させるブリッジは、前記容量部との境界から前記外層部との境界に向かって、該ブリッジの数が多くなることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の積層セラミック電子部品。
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