JPH09312234A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents
積層セラミック電子部品Info
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- JPH09312234A JPH09312234A JP12817596A JP12817596A JPH09312234A JP H09312234 A JPH09312234 A JP H09312234A JP 12817596 A JP12817596 A JP 12817596A JP 12817596 A JP12817596 A JP 12817596A JP H09312234 A JPH09312234 A JP H09312234A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 積層セラミックコンデンサに代表される積層
セラミック電子部品の機械的強度を向上させる。 【解決手段】 セラミック積層体1の積層方向での端部
にある外表面7,8から内部に向かって少なくとも50
μmまでの領域9,10に、異なった径を1つの結晶粒
子の中に有する複数の異形結晶粒子11を存在させる。
各異形結晶粒子11が有する最も長い径をa、最も短い
径をbとしたときに、当該異形結晶粒子11全体での平
均b/aを、0.3≦b/a≦0.6の範囲に設定する
とともに、一観察面での単位面積当たりに異形結晶粒子
11が占める割合を60%以上にする。
セラミック電子部品の機械的強度を向上させる。 【解決手段】 セラミック積層体1の積層方向での端部
にある外表面7,8から内部に向かって少なくとも50
μmまでの領域9,10に、異なった径を1つの結晶粒
子の中に有する複数の異形結晶粒子11を存在させる。
各異形結晶粒子11が有する最も長い径をa、最も短い
径をbとしたときに、当該異形結晶粒子11全体での平
均b/aを、0.3≦b/a≦0.6の範囲に設定する
とともに、一観察面での単位面積当たりに異形結晶粒子
11が占める割合を60%以上にする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層セラミック
電子部品に関するもので、特に、積層セラミック電子部
品の機械的強度の向上を図るための改良に関するもので
ある。
電子部品に関するもので、特に、積層セラミック電子部
品の機械的強度の向上を図るための改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサに代表される
積層セラミック電子部品の機械的強度を改善するにあた
って、セラミック自身の改質を行なうことが考えられる
が、従来、特にこのような取り組みが行なわれてきたわ
けではない。たとえば、積層セラミックコンデンサにあ
っては、その外部電極の構造、形状、形成方法等を変更
することにより、積層セラミックコンデンサとしての強
度(たとえば、たわみ強度等)を向上させることは可能
であったが、セラミック自身の強度は改善されないた
め、その改善には限界があった。
積層セラミック電子部品の機械的強度を改善するにあた
って、セラミック自身の改質を行なうことが考えられる
が、従来、特にこのような取り組みが行なわれてきたわ
けではない。たとえば、積層セラミックコンデンサにあ
っては、その外部電極の構造、形状、形成方法等を変更
することにより、積層セラミックコンデンサとしての強
度(たとえば、たわみ強度等)を向上させることは可能
であったが、セラミック自身の強度は改善されないた
め、その改善には限界があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目
的は、セラミック自身の強度向上を図り、それによって
強度改善が図られた積層セラミック電子部品を提供しよ
うとすることである。
的は、セラミック自身の強度向上を図り、それによって
強度改善が図られた積層セラミック電子部品を提供しよ
うとすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、複数のセラ
ミック層を積層してなるセラミック積層体を備える、積
層セラミック電子部品に向けられるものであって、上述
の技術的課題を解決するため、次のような構成を備える
ことを特徴としている。
ミック層を積層してなるセラミック積層体を備える、積
層セラミック電子部品に向けられるものであって、上述
の技術的課題を解決するため、次のような構成を備える
ことを特徴としている。
【0005】すなわち、セラミック積層体の積層方向で
の端部にある外表面から内部に向かって少なくとも50
μmまでの領域には、異なった径を1つの結晶粒子の中
に有する複数の異形結晶粒子が存在している。この各異
形結晶粒子が有する最も長い径をa、最も短い径をbと
したときに、当該異形結晶粒子全体での平均b/aが、
0.3≦b/a≦0.6の範囲にある。そして、前記領
域における一観察面での単位面積当たりに異形結晶粒子
が占める割合が60%以上である。
の端部にある外表面から内部に向かって少なくとも50
μmまでの領域には、異なった径を1つの結晶粒子の中
に有する複数の異形結晶粒子が存在している。この各異
形結晶粒子が有する最も長い径をa、最も短い径をbと
したときに、当該異形結晶粒子全体での平均b/aが、
0.3≦b/a≦0.6の範囲にある。そして、前記領
域における一観察面での単位面積当たりに異形結晶粒子
が占める割合が60%以上である。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミ
ックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
よる積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミ
ックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
【0007】積層セラミックコンデンサ1は、複数のセ
ラミック層を積層してなるセラミック積層体2を備え
る。セラミック積層体2の内部には、複数の第1の内部
電極3および複数の第2の内部電極4が交互に配置され
る。また、セラミック積層体2の両端部の外表面上に
は、第1および第2の外部電極5および6が形成され、
第1の外部電極5は第1の内部電極3と接続され、第2
の外部電極6は第2の内部電極4と接続される。
ラミック層を積層してなるセラミック積層体2を備え
る。セラミック積層体2の内部には、複数の第1の内部
電極3および複数の第2の内部電極4が交互に配置され
る。また、セラミック積層体2の両端部の外表面上に
は、第1および第2の外部電極5および6が形成され、
第1の外部電極5は第1の内部電極3と接続され、第2
の外部電極6は第2の内部電極4と接続される。
【0008】このような積層セラミックコンデンサ1に
おいて、セラミック積層体2の積層方向での端部にある
外表面7および8から内部に向かって少なくとも50μ
mまでの領域9および10には、異なった径を1つの結
晶粒子の中に有する、すなわち球形ではない、複数の異
形結晶粒子11が存在している。
おいて、セラミック積層体2の積層方向での端部にある
外表面7および8から内部に向かって少なくとも50μ
mまでの領域9および10には、異なった径を1つの結
晶粒子の中に有する、すなわち球形ではない、複数の異
形結晶粒子11が存在している。
【0009】これらの異形結晶粒子11は、球形ではな
いため、各々、種々の寸法の径を有することになる。そ
れら径のうち、最も長い径をa、最も短い径をbとした
ときに、異形結晶粒子11全体での平均b/aが、0.
3≦b/a≦0.6の範囲にあるように設定される。そ
して、領域9および10における一観察面での単位面積
当たりに異形結晶粒子11が占める割合が60%以上と
される。
いため、各々、種々の寸法の径を有することになる。そ
れら径のうち、最も長い径をa、最も短い径をbとした
ときに、異形結晶粒子11全体での平均b/aが、0.
3≦b/a≦0.6の範囲にあるように設定される。そ
して、領域9および10における一観察面での単位面積
当たりに異形結晶粒子11が占める割合が60%以上と
される。
【0010】上述した異形結晶粒子11の生成には、た
とえば、セラミック積層体2となるセラミック焼結体を
得た後、これの外表面7および8にTiO2 のような酸
化物を含むペーストを塗布し、熱処理して、これを熱拡
散させ、表面層の制御を行なう方法が採用される。これ
に代えて、セラミックを焼結させる際に、異形結晶粒子
を生成し得る組成または素材を予め選定しておいて、こ
の組成または素材をセラミック積層体の特定の部分に用
いるようにしてもよく、異形結晶粒子の生成方法につい
ては限定するものではない。
とえば、セラミック積層体2となるセラミック焼結体を
得た後、これの外表面7および8にTiO2 のような酸
化物を含むペーストを塗布し、熱処理して、これを熱拡
散させ、表面層の制御を行なう方法が採用される。これ
に代えて、セラミックを焼結させる際に、異形結晶粒子
を生成し得る組成または素材を予め選定しておいて、こ
の組成または素材をセラミック積層体の特定の部分に用
いるようにしてもよく、異形結晶粒子の生成方法につい
ては限定するものではない。
【0011】また、この発明は、積層セラミックコンデ
ンサに限らず、他の積層セラミック電子部品にも適用す
ることができる。
ンサに限らず、他の積層セラミック電子部品にも適用す
ることができる。
【0012】以下において、このような実施形態に従っ
て実施され、また、前述の数値限定の根拠となった実施
例について説明する。
て実施され、また、前述の数値限定の根拠となった実施
例について説明する。
【0013】
【実施例1】主成分がBaTiO3 であり、副成分とし
てCaZrO3 −MgO−SiO2を含む積層セラミッ
クコンデンサのためのセラミック積層体となるセラミッ
ク焼結体と、TiO2 を主成分とする酸化物ペーストと
を準備した。
てCaZrO3 −MgO−SiO2を含む積層セラミッ
クコンデンサのためのセラミック積層体となるセラミッ
ク焼結体と、TiO2 を主成分とする酸化物ペーストと
を準備した。
【0014】次いで、上記セラミック焼結体の積層方向
での端部にある外表面に、上記酸化物ペーストを塗布
し、乾燥させた後、空気中、850℃、1時間の条件で
熱処理を行なった。
での端部にある外表面に、上記酸化物ペーストを塗布
し、乾燥させた後、空気中、850℃、1時間の条件で
熱処理を行なった。
【0015】このようにして得られたセラミック積層体
に外部電極用ペーストを塗布し、焼き付けて、外部電極
の下地層を形成した後、これら下地層上にニッケルおよ
び錫のめっきを施して、積層セラミックコンデンサを得
た。
に外部電極用ペーストを塗布し、焼き付けて、外部電極
の下地層を形成した後、これら下地層上にニッケルおよ
び錫のめっきを施して、積層セラミックコンデンサを得
た。
【0016】この積層セラミックコンデンサを、樹脂基
板に取り付けた状態とし、たわみ試験および重り落下試
験を実施した。重り落下試験ついては、3gの重りを8
0mmの高さから落下させたときのクラック発生数を評価
した。
板に取り付けた状態とし、たわみ試験および重り落下試
験を実施した。重り落下試験ついては、3gの重りを8
0mmの高さから落下させたときのクラック発生数を評価
した。
【0017】また、上記と同じ組成からなる角柱状セラ
ミック焼結体を準備し、この角柱状焼結体の表面に、上
記と同様、TiO2 を主成分とする酸化物ペーストを塗
布し、乾燥させた後、同じ条件にて熱処理を行なった。
ミック焼結体を準備し、この角柱状焼結体の表面に、上
記と同様、TiO2 を主成分とする酸化物ペーストを塗
布し、乾燥させた後、同じ条件にて熱処理を行なった。
【0018】このようにして得られた試料の抗折強度を
3点曲げ法により測定した。
3点曲げ法により測定した。
【0019】以下の表1に、試料数36についての上述
した実施例の評価結果が、TiO2ペーストによる処理
を行なわなかった比較例の評価結果とともに示されてい
る。また、表1には、実施例に係る試料の断面研磨後に
走査型電子顕微鏡により観察した異形結晶粒子の最も長
い径をa、最も短い径をbとしたときの平均b/a、お
よび、異形結晶粒子が存在する領域の厚みも示されてい
る。
した実施例の評価結果が、TiO2ペーストによる処理
を行なわなかった比較例の評価結果とともに示されてい
る。また、表1には、実施例に係る試料の断面研磨後に
走査型電子顕微鏡により観察した異形結晶粒子の最も長
い径をa、最も短い径をbとしたときの平均b/a、お
よび、異形結晶粒子が存在する領域の厚みも示されてい
る。
【0020】
【表1】
【0021】表1から、実施例によれば、比較例に比べ
て、積層セラミックコンデンサまたは角柱状試料の機械
的強度が改善されていることがわかる。また、実施例の
評価結果は、セラミック積層体の耐チッピング性の向上
にも寄与し得ることを示している。
て、積層セラミックコンデンサまたは角柱状試料の機械
的強度が改善されていることがわかる。また、実施例の
評価結果は、セラミック積層体の耐チッピング性の向上
にも寄与し得ることを示している。
【0022】このように、この実施例によれば、塗布し
たTiO2 ペーストが、熱処理によりBaTiO3 中に
拡散し、これと反応し、針状結晶であるBa4 Ti13O
30、Ba6 Ti17O40を体積膨張とともに形成すること
になり、その結果、セラミック積層体または角柱状焼結
体の表面に圧縮応力がかかるようになり、これが強度向
上につながるものと考えられる。
たTiO2 ペーストが、熱処理によりBaTiO3 中に
拡散し、これと反応し、針状結晶であるBa4 Ti13O
30、Ba6 Ti17O40を体積膨張とともに形成すること
になり、その結果、セラミック積層体または角柱状焼結
体の表面に圧縮応力がかかるようになり、これが強度向
上につながるものと考えられる。
【0023】
【実施例2】実施例1と同様に、積層セラミックコンデ
ンサのためのセラミック積層体となるセラミック焼結体
と、酸化物ペーストとを準備した。
ンサのためのセラミック積層体となるセラミック焼結体
と、酸化物ペーストとを準備した。
【0024】次いで、上記セラミック焼結体にTiO2
を熱拡散させるべく、実施例1と同様に、TiO2 ペー
ストを塗布した後、熱処理を行なったが、様々なb/a
および異形結晶粒子が存在する領域の厚みを有する試料
を得るため、この熱処理条件を種々に変えた。
を熱拡散させるべく、実施例1と同様に、TiO2 ペー
ストを塗布した後、熱処理を行なったが、様々なb/a
および異形結晶粒子が存在する領域の厚みを有する試料
を得るため、この熱処理条件を種々に変えた。
【0025】このようにして得られた各セラミック積層
体に、実施例1と同様、外部電極を形成して、積層セラ
ミックコンデンサを得た。
体に、実施例1と同様、外部電極を形成して、積層セラ
ミックコンデンサを得た。
【0026】これら積層セラミックコンデンサについ
て、実施例1と同様の方法により、たわみ試験および重
り落下試験を実施した。
て、実施例1と同様の方法により、たわみ試験および重
り落下試験を実施した。
【0027】また、実施例1の場合と同様、抗折強度を
測定するため、上記と同様の組成および熱処理条件に
て、角柱状セラミック焼結体からなる試料を準備し、3
点曲げ法により抗折強度を測定した。
測定するため、上記と同様の組成および熱処理条件に
て、角柱状セラミック焼結体からなる試料を準備し、3
点曲げ法により抗折強度を測定した。
【0028】以下の表2に、試料数36についての上述
した各試料の評価結果が示されている。また、表2に
は、表1と同様、試料の断面研磨後に走査型電子顕微鏡
により観察した異形結晶粒子の平均b/a、および異形
結晶粒子が存在する領域の厚みも示され、さらに一観察
面での単位面積当たりに異形結晶粒子が占める割合も示
されている。
した各試料の評価結果が示されている。また、表2に
は、表1と同様、試料の断面研磨後に走査型電子顕微鏡
により観察した異形結晶粒子の平均b/a、および異形
結晶粒子が存在する領域の厚みも示され、さらに一観察
面での単位面積当たりに異形結晶粒子が占める割合も示
されている。
【0029】
【表2】
【0030】表2から、試料2ないし4によれば、試料
1または5に比べて、積層セラミックコンデンサまたは
角柱状試料の機械的強度が改善されていることがわか
る。
1または5に比べて、積層セラミックコンデンサまたは
角柱状試料の機械的強度が改善されていることがわか
る。
【0031】ここで、試料2ないし4は、その外表面か
ら内部に向かって少なくとも50μmまでの領域に、異
形結晶粒子が存在していて、平均b/aが、0.3≦b
/a≦0.6の範囲にあり、異形結晶粒子の存在比率が
60%以上である、という条件を満たしている。
ら内部に向かって少なくとも50μmまでの領域に、異
形結晶粒子が存在していて、平均b/aが、0.3≦b
/a≦0.6の範囲にあり、異形結晶粒子の存在比率が
60%以上である、という条件を満たしている。
【0032】他方、試料1および5は、異形結晶粒子存
在比が60%以上である、という条件を満たしている
が、試料1については、その外表面から内部に向かって
34μmまでの領域にしか、異形結晶粒子が存在しな
く、また、平均b/aが、0.3≦b/a≦0.6の範
囲から外れ、0.2しかない。試料5については、その
外表面から内部に向かって少なくとも50μmまでの領
域に、異形結晶粒子が存在する、という条件は満たす
が、平均b/aが、0.3≦b/a≦0.6の範囲から
外れ、0.7もある。
在比が60%以上である、という条件を満たしている
が、試料1については、その外表面から内部に向かって
34μmまでの領域にしか、異形結晶粒子が存在しな
く、また、平均b/aが、0.3≦b/a≦0.6の範
囲から外れ、0.2しかない。試料5については、その
外表面から内部に向かって少なくとも50μmまでの領
域に、異形結晶粒子が存在する、という条件は満たす
が、平均b/aが、0.3≦b/a≦0.6の範囲から
外れ、0.7もある。
【0033】このように、異形結晶粒子が存在する領域
の厚みが50μm未満であり、平均b/aが0.3より
小さい場合、試料1からわかるように、強度改善には効
果がほとんどない。また、平均b/aが0.6より大き
い場合、試料5からわかるように、たとえ異形結晶粒子
が存在する領域の厚みが50μm以上であっても、強度
改善の効果はほとんどない。
の厚みが50μm未満であり、平均b/aが0.3より
小さい場合、試料1からわかるように、強度改善には効
果がほとんどない。また、平均b/aが0.6より大き
い場合、試料5からわかるように、たとえ異形結晶粒子
が存在する領域の厚みが50μm以上であっても、強度
改善の効果はほとんどない。
【0034】以上のことから、強度向上のためには、試
料2ないし4のように、外表面から内部に向かって少な
くとも50μmまでの領域に、異形結晶粒子が存在して
いて、平均b/aが、0.3≦b/a≦0.6の範囲に
あることが必要である。
料2ないし4のように、外表面から内部に向かって少な
くとも50μmまでの領域に、異形結晶粒子が存在して
いて、平均b/aが、0.3≦b/a≦0.6の範囲に
あることが必要である。
【0035】
【実施例3】積層セラミックコンデンサのためのセラミ
ック積層体となるセラミック焼結体については、実施例
1と同じように準備し、他方、酸化物ペーストについて
は、TiO2 含有量の異なる種々のTiO2 ペーストを
準備した。
ック積層体となるセラミック焼結体については、実施例
1と同じように準備し、他方、酸化物ペーストについて
は、TiO2 含有量の異なる種々のTiO2 ペーストを
準備した。
【0036】次いで、上記セラミック焼結体にTiO2
を熱拡散させるべく、各TiO2 ペーストを塗布した
後、実施例1と同様の条件で、それぞれ熱処理を行な
い、異形結晶粒子の存在比率の異なる種々のセラミック
積層体を得た。
を熱拡散させるべく、各TiO2 ペーストを塗布した
後、実施例1と同様の条件で、それぞれ熱処理を行な
い、異形結晶粒子の存在比率の異なる種々のセラミック
積層体を得た。
【0037】このようにして得られた各セラミック積層
体に、実施例1と同様、外部電極を形成して、積層セラ
ミックコンデンサを得た。
体に、実施例1と同様、外部電極を形成して、積層セラ
ミックコンデンサを得た。
【0038】これら積層セラミックコンデンサについ
て、実施例1と同様の方法により、たわみ試験および重
り落下試験を実施した。
て、実施例1と同様の方法により、たわみ試験および重
り落下試験を実施した。
【0039】また、実施例1の場合と同様、抗折強度を
測定するため、上記セラミック積層体と同様の要領に
て、角柱状セラミック焼結体からなる試料を準備し、3
点曲げ法により抗折強度を測定した。
測定するため、上記セラミック積層体と同様の要領に
て、角柱状セラミック焼結体からなる試料を準備し、3
点曲げ法により抗折強度を測定した。
【0040】以下の表3に、試料数36についての上述
した各試料の評価結果が示されている。また、表3に
は、表2と同様、試料の断面研磨後に走査型電子顕微鏡
により観察した異形結晶粒子の平均b/a、異形結晶粒
子が存在する領域の厚み、および一観察面での単位面積
当たりに異形結晶粒子が占める割合も示されている。
した各試料の評価結果が示されている。また、表3に
は、表2と同様、試料の断面研磨後に走査型電子顕微鏡
により観察した異形結晶粒子の平均b/a、異形結晶粒
子が存在する領域の厚み、および一観察面での単位面積
当たりに異形結晶粒子が占める割合も示されている。
【0041】
【表3】
【0042】表3から、試料1ないし4によれば、試料
5に比べて、積層セラミックコンデンサまたは角柱状試
料の機械的強度が改善されていることがわかる。
5に比べて、積層セラミックコンデンサまたは角柱状試
料の機械的強度が改善されていることがわかる。
【0043】ここで、試料1ないし5は、いずれも、そ
の外表面から内部に向かって少なくとも50μmまでの
領域に、異形結晶粒子が存在していて、平均b/aが、
0.3≦b/a≦0.6の範囲にある、という条件を満
たしている。また、試料1ないし4については、異形結
晶粒子存在比が60%以上である、という条件を満たし
ている。これに対して、試料5については、異形結晶粒
子存在比が60%以上である、という条件を満たしてお
らず、55%にすぎない。
の外表面から内部に向かって少なくとも50μmまでの
領域に、異形結晶粒子が存在していて、平均b/aが、
0.3≦b/a≦0.6の範囲にある、という条件を満
たしている。また、試料1ないし4については、異形結
晶粒子存在比が60%以上である、という条件を満たし
ている。これに対して、試料5については、異形結晶粒
子存在比が60%以上である、という条件を満たしてお
らず、55%にすぎない。
【0044】このように、異形結晶粒子存在比が60%
未満である場合、試料5からわかるように、異形結晶粒
子の存在効果が少なく、たとえ異形結晶粒子が存在する
領域の厚みが50μm以上であり、平均b/aが0.3
≦b/a≦0.6の範囲にあっても、強度改善には効果
がほとんどない。
未満である場合、試料5からわかるように、異形結晶粒
子の存在効果が少なく、たとえ異形結晶粒子が存在する
領域の厚みが50μm以上であり、平均b/aが0.3
≦b/a≦0.6の範囲にあっても、強度改善には効果
がほとんどない。
【0045】以上のことから、強度向上のためには、試
料1ないし4のように、異形結晶粒子存在比が60%以
上であることが必要である。
料1ないし4のように、異形結晶粒子存在比が60%以
上であることが必要である。
【0046】
【発明の効果】この発明によれば、セラミック積層体の
積層方向での端部にある外表面から内部に向かって少な
くとも50μmまでの領域には、異なった径を1つの結
晶粒子の中に有する複数の異形結晶粒子が存在し、各異
形結晶粒子が有する最も長い径をa、最も短い径をbと
したときに、当該異形結晶粒子全体での平均b/aが、
0.3≦b/a≦0.6の範囲にあり、かつ前記領域に
おける一観察面での単位面積当たりに異形結晶粒子が占
める割合が60%以上であるように選ばれるので、セラ
ミック積層体の機械的強度が高められ、たとえば、基板
への実装状態等において生じる機械的なストレスに十分
に耐え得る積層セラミック電子部品を得ることができ
る。
積層方向での端部にある外表面から内部に向かって少な
くとも50μmまでの領域には、異なった径を1つの結
晶粒子の中に有する複数の異形結晶粒子が存在し、各異
形結晶粒子が有する最も長い径をa、最も短い径をbと
したときに、当該異形結晶粒子全体での平均b/aが、
0.3≦b/a≦0.6の範囲にあり、かつ前記領域に
おける一観察面での単位面積当たりに異形結晶粒子が占
める割合が60%以上であるように選ばれるので、セラ
ミック積層体の機械的強度が高められ、たとえば、基板
への実装状態等において生じる機械的なストレスに十分
に耐え得る積層セラミック電子部品を得ることができ
る。
【図1】この発明の一実施形態による積層セラミック電
子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を図
解的に示す断面図である。
子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を図
解的に示す断面図である。
1 積層セラミックコンデンサ 2 セラミック積層体 7,8 外表面 9,10 異形結晶粒子が存在する領域 11 異形結晶粒子
Claims (1)
- 【請求項1】 複数のセラミック層を積層してなるセラ
ミック積層体を備える、積層セラミック電子部品におい
て、 前記セラミック積層体の積層方向での端部にある外表面
から内部に向かって少なくとも50μmまでの領域に
は、異なった径を1つの結晶粒子の中に有する複数の異
形結晶粒子が存在し、 各前記異形結晶粒子が有する最も長い径をa、最も短い
径をbとしたときに、当該異形結晶粒子全体での平均b
/aが、0.3≦b/a≦0.6の範囲にあり、かつ前
記領域における一観察面での単位面積当たりに前記異形
結晶粒子が占める割合が60%以上であることを特徴と
する、積層セラミック電子部品。
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-
1996
- 1996-05-23 JP JP12817596A patent/JP3255011B2/ja not_active Expired - Fee Related
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