JP2015113282A - ハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】オレフィン重合触媒成分として有用なハフニウムの含有量が50〜10000ppmであるハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物および前記ハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ハフニウムの含有量が50〜10000ppmであることを特徴とするハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物、およびシクロペンタジエニル骨格を有する化合物とアルキルリチウム化合物を反応させて得られる反応混合物を、ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物と反応させることを特徴とするハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】ハフニウムの含有量が50〜10000ppmであることを特徴とするハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物、およびシクロペンタジエニル骨格を有する化合物とアルキルリチウム化合物を反応させて得られる反応混合物を、ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物と反応させることを特徴とするハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明はハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物に関するものであり、特にオレフィン重合触媒成分として有用なハフニウムの含有量が50〜10000ppmであるハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物に関するものである。また、本発明はハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物とシクロペンタジエニル骨格を有する化合物を反応させるハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物の製造方法に関するものである。
ハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物は、オレフィンの重合触媒成分として用いられており、例えば、ビス(ノルマルプロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド99.1モル%とビス(ノルマルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド0.9モル%をそれぞれ含有する混合組成物が知られている。当該特許文献によれば、前記混合組成物を触媒成分として用いると、広い分子量分布および/または多峰性の分子量分布を有するポリマーを製造できる旨記載されている。
しかしながら、特許文献1には、ハフニウムの含有量が50〜10000ppmである、ハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物についての記載が一切なく、また前記混合組成物の製造方法に関する記載および示唆が一切ない。
本発明が解決しようとする課題は、オレフィン重合触媒成分として有用なハフニウムの含有量が50〜10000ppmであるハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物および前記ハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討することにより、本発明によって前記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、ハフニウムの含有量が50〜10000ppmであることを特徴とするハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物、およびハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物とシクロペンタジエニル骨格を有する化合物を反応させるハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物の製造方法に関するものである。
本発明によれば、オレフィン重合触媒成分として有用な、ハフニウムの含有量が50〜10000ppmであるハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、ハフニウムの含有量が50〜10000ppmであることを特徴とするハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物に関するものである。前記ハフニウムの含有量としては、通常50〜10000ppmであり、100〜5000ppmが好ましく、1000〜2500ppmがより好ましい。
また、本発明のハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物は、ジルコニウムの含有量が1〜50重量%であるものが好ましく、10〜30重量%であるものがより好ましく、15〜25重量%であるものがさらに好ましい。
前記ハフニウム化合物としては有機ハフニウム化合物が好ましく、前記ジルコニウム化合物としては有機ジルコニウム化合物が好ましい。
前記有機ハフニウム化合物としては、シクロペンタジエニル骨格を有する有機ハフニウム化合物が好ましく、また、前記有機ジルコニウム化合物としては、シクロペンタジエニル骨格を有する有機ジルコニウム化合物が好ましい。
前記シクロペンタジエニル骨格を有する有機ハフニウム化合物としては、式(1)〜(4)で表される有機ハフニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機ハフニウム化合物が好ましく、シクロペンタジエニル骨格を有する有機ジルコニウム化合物としては、式(1)〜(4)で表される有機ジルコニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機ジルコニウム化合物が好ましい。
式(1):
式(1):
以下に、本発明のハフニウムのハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物を製造する方法について説明する。本発明のハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物は、以下の方法で製造できる。まず、シクロペンタジエニル骨格を有する化合物とアルキルリチウム化合物を反応させてシクロペンタジエニル骨格を有する化合物のリチオ化物を含む反応混合物を製造する(以下、第1工程という)。次に、第1工程で得たシクロペンタジエニル骨格を有する化合物のリチオ化物を含む反応混合物をハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物と反応させる(以下、第2工程という)。
はじめに第1工程について説明する。前記の通り、第1工程ではシクロペンタジエニル骨格を有する化合物とアルキルリチウム化合物を反応させてシクロペンタジエニル骨格を有する化合物のリチオ化物を得る。シクロペンタジエニル骨格を有する化合物としては、式(5)〜(7):
式(5)で表されるシクロペンタジエニル骨格を有する化合物の具体例としては、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、ジメチルシクロペンタジエン、トリメチルシクロペンタジエン、テトラメチルシクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン、クロロシクロペンタジエン、ブロモシクロペンタジエン、ヨードシクロペンタジエン、シクロペンタジエンカルボン酸メチル、1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエンおよび1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエンなどが挙げられ、1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエンおよび1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエンが好ましい。
式(6)で表されるシクロペンタジエニル骨格を有する化合物の具体例としては、インデン、2−メチルインデン、2−メチル−4−フェニルインデン、2−エチル−4−フェニルインデン、2−イソプロピル−4−フェニルインデン、4−クロロインデン、4−ブロモインデン、4−ヨードインデン、2−メチル−4−クロロインデン、2−メチル−4−ブロモインデン、2−メチル−4−ヨードインデン、2−メチルインデン−4−カルボン酸メチルなどが挙げられ、インデンおよび2−メチルインデンが好ましい。
式(7)で表されるシクロペンタジエニル骨格を有する化合物の具体例としては、1,2−ビスインデニルエタン、1,2−ビス(2−メチルインデニル)エタン、1,2−ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)エタン、1,2−ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)エタン、1,2−ビス(2−イソプロピル−4−フェニルインデニル)エタン、1,2−ビス(4−クロロインデニル)エタン、1,2−ビス(4−ブロモインデニル)エタン、1,2−ビス(4−ヨードインデニル)エタン、1,2−ビス(インデン−4−カルボン酸メチル)エタン、1,2−ビス(2−メチル−4−クロロインデニル)エタン、1,2−ビス(2−メチル−4−ブロモインデニル)エタン、1,2−ビス(2−メチル−4−ヨードインデニル)エタン、1,2−ビス(2−メチルインデン−4−カルボン酸メチル)エタンなどが挙げられ、1,2−ビスインデニルエタンおよび1,2−ビス(2−メチルインデニル)エタンが好ましい。
アルキルリチウム化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウムなどが挙げられ、ブチルリチウムが好ましく用いられる。
アルキルリチウムの使用量は、シクロペンタジエニル骨格を有する化合物1モルに対して通常1モル以上であり、好ましくは1〜1.5モル、特に好ましくは1〜1.2モルである。
使用する溶媒としては、反応に影響を与えなければ特に限定されないが、好ましくは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒および前記溶媒の混合溶媒が用いられ、より好ましくはエーテル溶媒が用いられる。溶媒の使用量は、シクロペンタジエニル骨格を有する化合物1重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜30重量部である。
シクロペンタジエニル骨格を有する化合物、アルキルリチウム化合物および溶媒の混合順序は特に限定されないが、反応が急激に進行することを防止するため、シクロペンタジエニル骨格を有する化合物および溶媒を反応器にはかりとり、そこにアルキルリチウム化合物を少量ずつ加えながら反応させる方法、またはアルキルリチウム化合物および溶媒を反応器にはかりとり、そこにシクロペンタジエニル骨格を有する化合物を少量ずつ加えながら反応させる方法を採用することが好ましく、シクロペンタジエニル骨格を有する化合物および溶媒を反応器にはかりとり、そこにアルキルリチウム化合物を少量ずつ加えながら反応させる方法が特に好ましい。
反応温度は、通常−20〜100℃、好ましくは−20〜50℃、より好ましくは−20〜25℃である。アルキルリチウム化合物またはシクロペンタジエニル骨格を有する化合物の添加後は、0〜25℃で一定時間さらに撹拌して反応させるのが好ましい。
シクロペンタジエニル骨格を有する化合物とアルキルリチウム化合物の反応で得られるシクロペンタジエニル骨格を有する化合物のリチオ化物を含む反応混合物は、通常そのまま第2工程に使用される。
次に、第2工程について説明する。第2工程では、シクロペンタジエニル骨格を有する化合物とアルキルリチウム化合物を反応させて得られるシクロペンタジエニル骨格を有する化合物のリチオ化物を含む反応混合物を、ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物と反応させて、本発明のハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物を製造する。
前記ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物は、式(8):
式(8)で表されるハロゲン化ハフニウム化合物としては、四塩化ハフニウムおよびジベンジルハフニウムジクロリドが挙げられ、四塩化ハフニウムが好ましい。
式(8)で表されるハロゲン化ジルコニウム化合物としては、四塩化ジルコニウムおよびジベンジルジルコニウムジクロリドが挙げられ、四塩化ジルコニウムが好ましい。
ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物の使用量は、シクロペンタジエニル骨格を有する化合物のリチオ化物1モルに対して、通常0.4モル以上であり、好ましくは0.4〜0.5モル、特に好ましくは0.48モルである。
溶媒としては、反応に影響を与えなければ特に限定されないが、好ましくは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒および前記溶媒の混合溶媒が用いられ、より好ましくは炭化水素溶媒が用いられる。溶媒の使用量は、ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物1重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜30重量部である。
ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物、シクロペンタジエニル骨格を有する化合物のリチオ化物および溶媒の混合順序は特に限定されないが、反応が急激に進行することを防止するため、ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物および溶媒を反応器にはかりとり、そこにシクロペンタジエニル骨格を有する化合物のリチオ化物を少量ずつ加えながら反応させる方法、またはシクロペンタジエニル骨格を有する化合物のリチオ化物および溶媒を反応器にはかりとり、そこにハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物を少量ずつ加えながら反応させる方法を採用することが好ましく、ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物および溶媒を反応器にはかりとり、そこにシクロペンタジエニル骨格を有する化合物のリチオ化物を少量ずつ加えながら反応させる方法が特に好ましい。
反応温度は、通常−20〜100℃、好ましくは−20〜50℃、より好ましくは−20〜25℃である。ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物またはシクロペンタジエニル骨格を有する化合物のリチオ化物の添加後は、0〜25℃で一定時間さらに撹拌して反応させるのが好ましい。
前記反応終了後、例えば、得られた反応混合物を濃縮後、結晶を析出させてろ過することにより、反応によって生成したハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物を得ることができる。ここで得られたハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物は、再結晶などにより、さらに精製することもできる。
式(1)で表されるシクロペンタジエニル骨格を有する有機ハフニウム化合物およびシクロペンタジエニル骨格を有する有機ジルコニウム化合物の具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(クロロシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(ブロモシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(ヨードシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニルカルボン酸メチル)ハフニウムジクロリド、ビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、前記ハフニウムがジルコニウムに置換された有機ジルコニウム化合物などが挙げられ、ビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドおよびビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドが好ましい。
式(2)で表されるシクロペンタジエニル骨格を有する有機ハフニウム化合物およびシクロペンタジエニル骨格を有する有機ジルコニウム化合物の具体例としては、ビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(2−イソプロピル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(4−クロロインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(4−ブロモインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(4−ヨードインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−クロロインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−クロロインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−ブロモインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−ヨードインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル−4−カルボン酸メチル)ハフニウムジクロリド、前記ハフニウムがジルコニウムに置換された有機ジルコニウム化合物などが挙げられ、ビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドおよびビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドが好ましい。
式(3)で表されるシクロペンタジエニル骨格を有する有機ハフニウム化合物およびシクロペンタジエニル骨格を有する有機ジルコニウム化合物の具体例としては、1,2−エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(2−メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(2−イソプロピル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(4−クロロインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(4−ブロモインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(4−ヨードインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(2−メチル−4−クロロインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(2−メチル−4−ブロモインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(2−メチル−4−ヨードインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(インデニル−4−カルボン酸メチル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(2−メチルインデニル−4−カルボン酸メチル)ハフニウムジクロリド、前記ハフニウムがジルコニウムに置換された有機ジルコニウム化合物などが挙げられ、1,2−エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(2−メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、1,2−エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドが好ましい。
次に本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。下記の実施例中、1H−NMRはブルカー・バイオスピン株式会社製の「AV400」を使用し、溶媒に重クロロホルム(CDCl3)または重ベンゼン(C6D6)を用いて400MHzで測定した。
ジルコニウム化合物およびハフニウム化合物の混合組成物中のジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)の分析は、株式会社島津製作所製の「ICPS−7510」を使用して行った。分析試料の前処理は、次の手順で行った。試料0.1gに硫酸1mLを添加した後650℃で灰化し、そこに、硫酸1mL、フッ酸1mLおよび超純水数10mL加えた後、ホウ酸1.0gを添加した。得られた混合物を超純水で100mLに定容し、Hfの分析に使用した。さらに、前記超純水で100mLに定容したサンプルから1mLを取り出し、超純水で20mLに定容し、Zrの分析に使用した。
製造例1 1,2−ビスインデニルエタンの製造
撹拌子を備えたフラスコに、インデン240g(2.1モル)およびテトラヒドロフラン1176gをはかりとり、この混合物を撹拌しながら内温が−5℃〜0℃になるように冷却した。得られたインデンのテトラヒドロフラン溶液にノルマルブチルリチウムの20%シクロヘキサン溶液661.8g(2.1モル)を滴下し、内温−5℃〜0℃で3時間反応させてインデンのリチオ化物を含む反応混合物を得た。
撹拌子を備えたフラスコに、1,2−ジブロモエタン194.1g(1.0モル)およびテトラヒドロフラン504gをはかりとり、この混合物を内温−40℃以下まで冷却した。得られた1,2−ジブロモエタンのテトラヒドロフラン溶液に対し、前記のインデンのリチオ化物を含む反応混合物を内温−40℃以下で滴下した。滴下終了後、内温を室温に昇温し、5時間反応させて反応混合物を得た。
得られた反応混合物に水288gを加え、内温50℃以下で留出液が2257gになるまで濃縮した。得られた濃縮液に水192gおよびトルエン650gを加えて分液した。分液して得られたオイル層に水480gを加えて水洗し、再び分液した。分液して得たオイル層を内温50℃以下で、留出液が810gになるまで濃縮した。得られた濃縮液にメチルシクロヘキサン288gを加え、析出した固体をろ過した。得られた固体を冷却したメチルシクロヘキサン240gで洗浄後、内温40℃以下で乾燥し、1,2−ビスインデニルエタン184.2gを得た。
撹拌子を備えたフラスコに、インデン240g(2.1モル)およびテトラヒドロフラン1176gをはかりとり、この混合物を撹拌しながら内温が−5℃〜0℃になるように冷却した。得られたインデンのテトラヒドロフラン溶液にノルマルブチルリチウムの20%シクロヘキサン溶液661.8g(2.1モル)を滴下し、内温−5℃〜0℃で3時間反応させてインデンのリチオ化物を含む反応混合物を得た。
撹拌子を備えたフラスコに、1,2−ジブロモエタン194.1g(1.0モル)およびテトラヒドロフラン504gをはかりとり、この混合物を内温−40℃以下まで冷却した。得られた1,2−ジブロモエタンのテトラヒドロフラン溶液に対し、前記のインデンのリチオ化物を含む反応混合物を内温−40℃以下で滴下した。滴下終了後、内温を室温に昇温し、5時間反応させて反応混合物を得た。
得られた反応混合物に水288gを加え、内温50℃以下で留出液が2257gになるまで濃縮した。得られた濃縮液に水192gおよびトルエン650gを加えて分液した。分液して得られたオイル層に水480gを加えて水洗し、再び分液した。分液して得たオイル層を内温50℃以下で、留出液が810gになるまで濃縮した。得られた濃縮液にメチルシクロヘキサン288gを加え、析出した固体をろ過した。得られた固体を冷却したメチルシクロヘキサン240gで洗浄後、内温40℃以下で乾燥し、1,2−ビスインデニルエタン184.2gを得た。
製造例2 1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエンの製造
撹拌子を備えたフラスコに、60%油性水素化ナトリウム20.8gおよびテトラヒドロフラン150.2gをはかりとり、内温0℃まで冷却した。得られた混合物に蒸留したシクロペンタジエン41.4gをテトラヒドロフラン151.7gに溶解させた溶液を0℃以下で滴下後、室温まで昇温し、2時間反応させて、シクロペンタジエンのナトリウム塩を含む反応混合物を得た。
前記で得られたシクロペンタジエンのナトリウム塩を含む反応混合物を0℃に冷却し、ノルマルブチルブロミド63.4gを加えた後、室温に昇温し、2時間反応させた。反応終了後、反応混合物にメタノール1.5gを加え、さらに2時間反応させた後、ろ過によって固形分を除いた。得られた固体をテトラヒドロフラン94.3gで2回洗浄した。得られたろ液と洗浄液を合わせたものを内温25℃以下、減圧度7kPaで濃縮し、得られた濃縮液にテトラヒドロフラン188.5gを加えた。得られた溶液259.7gは、1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエン36.6gを含んでいた。
撹拌子を備えたフラスコに、60%油性水素化ナトリウム20.8gおよびテトラヒドロフラン150.2gをはかりとり、内温0℃まで冷却した。得られた混合物に蒸留したシクロペンタジエン41.4gをテトラヒドロフラン151.7gに溶解させた溶液を0℃以下で滴下後、室温まで昇温し、2時間反応させて、シクロペンタジエンのナトリウム塩を含む反応混合物を得た。
前記で得られたシクロペンタジエンのナトリウム塩を含む反応混合物を0℃に冷却し、ノルマルブチルブロミド63.4gを加えた後、室温に昇温し、2時間反応させた。反応終了後、反応混合物にメタノール1.5gを加え、さらに2時間反応させた後、ろ過によって固形分を除いた。得られた固体をテトラヒドロフラン94.3gで2回洗浄した。得られたろ液と洗浄液を合わせたものを内温25℃以下、減圧度7kPaで濃縮し、得られた濃縮液にテトラヒドロフラン188.5gを加えた。得られた溶液259.7gは、1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエン36.6gを含んでいた。
製造例3 1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエンの製造
撹拌子を備えたフラスコに、28.9gのマグネシウムをはかりとり、減圧下で加熱乾燥後、テトラヒドロフラン317.4gを加えた。得られた混合物を35℃まで加熱した後、1,2−ジブロモエタンを2.8g加えた。その後、45℃まで加熱し、そこにノルマルブチルクロリド103.1gとテトラヒドロフラン104.4gの混合物を滴下した。滴下終了後、内温を70℃に昇温し、2時間反応させた。得られたノルマルブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液の力価を測定したところ、2.1mmol/gであった。
撹拌子を備えたフラスコに、3−メチル−2−シクロペンテノン116.6gおよびトルエン403.3gをはかりとり、−5℃以下まで冷却した。得られた混合物に前記ノルマルブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液500gを滴下し、室温まで昇温した後、4時間反応させた。反応後の反応混合物に、10%の塩化アンモニウム水溶液1185.0gを加え、−5℃で静置した後、分液によって水層を除いた。得られた有機層をろ過して固体を得、得られた固体をトルエン45.0gで2回洗浄した。ろ液と洗浄液を混合した液を濃縮して、濃縮液552.1gを得た。
得られた濃縮液に酢酸21.7gを加えて撹拌し、4時間反応させた。得られた反応混合物に10%の炭酸水素ナトリウム水溶液200.0gを加えて撹拌し、静置後分液によって水層を除いた。得られたオイル層を単蒸留することにより、1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエン141.5gを得た。
撹拌子を備えたフラスコに、28.9gのマグネシウムをはかりとり、減圧下で加熱乾燥後、テトラヒドロフラン317.4gを加えた。得られた混合物を35℃まで加熱した後、1,2−ジブロモエタンを2.8g加えた。その後、45℃まで加熱し、そこにノルマルブチルクロリド103.1gとテトラヒドロフラン104.4gの混合物を滴下した。滴下終了後、内温を70℃に昇温し、2時間反応させた。得られたノルマルブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液の力価を測定したところ、2.1mmol/gであった。
撹拌子を備えたフラスコに、3−メチル−2−シクロペンテノン116.6gおよびトルエン403.3gをはかりとり、−5℃以下まで冷却した。得られた混合物に前記ノルマルブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液500gを滴下し、室温まで昇温した後、4時間反応させた。反応後の反応混合物に、10%の塩化アンモニウム水溶液1185.0gを加え、−5℃で静置した後、分液によって水層を除いた。得られた有機層をろ過して固体を得、得られた固体をトルエン45.0gで2回洗浄した。ろ液と洗浄液を混合した液を濃縮して、濃縮液552.1gを得た。
得られた濃縮液に酢酸21.7gを加えて撹拌し、4時間反応させた。得られた反応混合物に10%の炭酸水素ナトリウム水溶液200.0gを加えて撹拌し、静置後分液によって水層を除いた。得られたオイル層を単蒸留することにより、1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエン141.5gを得た。
実施例1 1,2−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドと1,2−エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物(Zr:20.0%、Hf:0.12%)の製造
撹拌子を備えたフラスコに、四塩化ジルコニウム6.5g(0.028モル)、四塩化ハフニウム0.1g(0.0003モル)およびトルエン30.0gをはかりとり、撹拌しながら、内温を−3℃〜0℃に冷却した。得られた溶液にテトラヒドロフラン4.5gを内温が0℃を超えない速度で滴下し、滴下終了後、内温を−3〜0℃に保ったまま、2時間撹拌した。その後、内温を室温に戻して、さらにテトラヒドロフラン138.0gを加えた。
撹拌子を備えたフラスコに、1,2−ビスインデニルエタン7.5g(0.029モル)およびテトラヒドロフラン119.0gをはかりとり、撹拌しながら、内温を−3℃〜0℃に冷却した。得られた混合物にノルマルブチルリチウムの20%シクロヘキサン溶液19.5gを内温が0℃を超えない速度で滴下し、滴下終了後、内温を−3〜0℃に保ったまま、2時間した後、内温を室温に戻した。
得られた1,2−ビスインデニルエタンを含む反応液を、上記の四塩化ジルコニウムおよび四塩化ハフニウムを含む溶液に滴下し、3時間反応を行った。反応終了後、得られた反応混合物を内温50℃以下、減圧度20〜27kPaで、留出液が220.0gになるまで濃縮した。得られた濃縮液を攪拌しながら、4時間かけて40℃から0℃まで冷却し、析出した固体をろ過した。ろ紙上に残った固体をトルエン6.4gで2回洗浄して乾燥することで、黄色粉末状固体の1,2−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドと1,2−エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物4.0gを得た。
得られた1,2−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドと1,2−エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物をICP分析した結果、Zrを20.0%、Hfを0.12%含有していた(Zr:Hf=100:0.6)。
撹拌子を備えたフラスコに、四塩化ジルコニウム6.5g(0.028モル)、四塩化ハフニウム0.1g(0.0003モル)およびトルエン30.0gをはかりとり、撹拌しながら、内温を−3℃〜0℃に冷却した。得られた溶液にテトラヒドロフラン4.5gを内温が0℃を超えない速度で滴下し、滴下終了後、内温を−3〜0℃に保ったまま、2時間撹拌した。その後、内温を室温に戻して、さらにテトラヒドロフラン138.0gを加えた。
撹拌子を備えたフラスコに、1,2−ビスインデニルエタン7.5g(0.029モル)およびテトラヒドロフラン119.0gをはかりとり、撹拌しながら、内温を−3℃〜0℃に冷却した。得られた混合物にノルマルブチルリチウムの20%シクロヘキサン溶液19.5gを内温が0℃を超えない速度で滴下し、滴下終了後、内温を−3〜0℃に保ったまま、2時間した後、内温を室温に戻した。
得られた1,2−ビスインデニルエタンを含む反応液を、上記の四塩化ジルコニウムおよび四塩化ハフニウムを含む溶液に滴下し、3時間反応を行った。反応終了後、得られた反応混合物を内温50℃以下、減圧度20〜27kPaで、留出液が220.0gになるまで濃縮した。得られた濃縮液を攪拌しながら、4時間かけて40℃から0℃まで冷却し、析出した固体をろ過した。ろ紙上に残った固体をトルエン6.4gで2回洗浄して乾燥することで、黄色粉末状固体の1,2−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドと1,2−エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物4.0gを得た。
得られた1,2−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドと1,2−エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物をICP分析した結果、Zrを20.0%、Hfを0.12%含有していた(Zr:Hf=100:0.6)。
1H−NMR(CDCl3溶媒中,テトラメチルシラン基準) δ(ppm):3.69−3.82(m,4H),6.21(d,2H,J=3.2Hz),6.60(d,2H,J=3.2Hz),7.20(t,2H、J=8.0Hz),7.33(t,2H,J=8.0Hz),7.49(d,2H,J=8.0Hz),7.66(d,2H,J=8.0Hz)
実施例2 ビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物(Zr:21.6%、Hf:0.21%)の製造
撹拌子を備えたフラスコに、製造例2で調製した1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエンのテトラヒドロフラン溶液47.0gをはかりとり、内温0℃以下まで冷却した。そこにノルマルブチルリチウムの20%シクロヘキサン溶液16.0gを内温が0℃を超えない速度で滴下し、滴下終了後、反応混合物を室温まで昇温し、さらに2時間撹拌を続け、1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエンのリチオ化物を含む反応混合物を得た。
撹拌子を備えたフラスコに、四塩化ジルコニウム5.5g(0.024モル)、四塩化ハフニウム0.1g(0.0003モル)およびトルエン64.1gをはかりとり、室温で撹拌しながら、前記1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエンのリチオ化物を含む反応混合物を滴下した。滴下終了後、3時間反応させ、その後内温60℃以下、減圧度16kPaで、留出液が40.0gになるまで濃縮した。得られた濃縮液にトルエン13.0gを加えて、内温を40℃から0℃へ冷却すると、固体が析出した。析出した固体をろ過して取得し、乾燥することで、薄褐色粉末状固体のビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物3.0gを得た。
得られたビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物をICP分析した結果、Zrを21.6%、Hfを0.21%含有していた(Zr:Hf=100:1.0)。
撹拌子を備えたフラスコに、製造例2で調製した1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエンのテトラヒドロフラン溶液47.0gをはかりとり、内温0℃以下まで冷却した。そこにノルマルブチルリチウムの20%シクロヘキサン溶液16.0gを内温が0℃を超えない速度で滴下し、滴下終了後、反応混合物を室温まで昇温し、さらに2時間撹拌を続け、1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエンのリチオ化物を含む反応混合物を得た。
撹拌子を備えたフラスコに、四塩化ジルコニウム5.5g(0.024モル)、四塩化ハフニウム0.1g(0.0003モル)およびトルエン64.1gをはかりとり、室温で撹拌しながら、前記1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエンのリチオ化物を含む反応混合物を滴下した。滴下終了後、3時間反応させ、その後内温60℃以下、減圧度16kPaで、留出液が40.0gになるまで濃縮した。得られた濃縮液にトルエン13.0gを加えて、内温を40℃から0℃へ冷却すると、固体が析出した。析出した固体をろ過して取得し、乾燥することで、薄褐色粉末状固体のビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物3.0gを得た。
得られたビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1−ノルマルブチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物をICP分析した結果、Zrを21.6%、Hfを0.21%含有していた(Zr:Hf=100:1.0)。
1H−NMR(CDCl3溶媒中、テトラメチルシラン基準) δ(ppm):0.914(t,6H,J=7.6Hz),1.31−1.38(m,4H),1.49−1.58(m,4H),2.63(t,4H,J=7.6Hz),6.20−6.22(m,4H),6.28−6.31(m,4H)
実施例3 ビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物(Zr:20.5%、Hf:0.21%)の製造
撹拌子を備えたフラスコに、1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエン8.7g(0.063モル)およびテトラヒドロフラン17.7gをはかりとり、撹拌しながら内温が−5℃になるように冷却した。そこに、ノルマルブチルリチウムの20%シクロヘキサン溶液48.9gを内温が0℃を超えない速度で滴下し、滴下終了後、室温まで昇温し、さらに3時間撹拌して、1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエンのリチオ化物を含む反応混合物を得た。
撹拌子を備えたフラスコに、塩化ジルコニウム7.1g(0.031モル)、四塩化ハフニウム0.2g(0.0006モル)およびトルエン123.1gをはかりとり、内温が−5℃になるまで冷却した後、前記1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエンのリチオ化物を含む反応混合物を滴下し、室温まで昇温した後、さらに4時間反応させた。得られた反応混合物を内温40℃以下、減圧度7kPaで、留出液が74.7gになるまで濃縮した。得られた濃縮液にノルマルヘキサン85.9gを加えると固体が析出した。析出した固体をろ過により分離して、分離した固体をノルマルヘキサン35.1gで洗浄し、得られた洗浄液はろ液と混合した。
前記混合液を内温40℃以下、減圧度5kPaで、留出液が119.0gになるまで濃縮した。得られた濃縮液にノルマルヘキサン49.4gを加えた後、40℃から−20℃まで冷却した。析出した固体をろ過し、乾燥することで、薄褐色粉末状固体のビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物4.6gを得た。
得られたビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物をICP分析した結果、Zrを20.5%、Hfを0.21%含有していた(Zr:Hf=100:1.0)。
撹拌子を備えたフラスコに、1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエン8.7g(0.063モル)およびテトラヒドロフラン17.7gをはかりとり、撹拌しながら内温が−5℃になるように冷却した。そこに、ノルマルブチルリチウムの20%シクロヘキサン溶液48.9gを内温が0℃を超えない速度で滴下し、滴下終了後、室温まで昇温し、さらに3時間撹拌して、1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエンのリチオ化物を含む反応混合物を得た。
撹拌子を備えたフラスコに、塩化ジルコニウム7.1g(0.031モル)、四塩化ハフニウム0.2g(0.0006モル)およびトルエン123.1gをはかりとり、内温が−5℃になるまで冷却した後、前記1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエンのリチオ化物を含む反応混合物を滴下し、室温まで昇温した後、さらに4時間反応させた。得られた反応混合物を内温40℃以下、減圧度7kPaで、留出液が74.7gになるまで濃縮した。得られた濃縮液にノルマルヘキサン85.9gを加えると固体が析出した。析出した固体をろ過により分離して、分離した固体をノルマルヘキサン35.1gで洗浄し、得られた洗浄液はろ液と混合した。
前記混合液を内温40℃以下、減圧度5kPaで、留出液が119.0gになるまで濃縮した。得られた濃縮液にノルマルヘキサン49.4gを加えた後、40℃から−20℃まで冷却した。析出した固体をろ過し、乾燥することで、薄褐色粉末状固体のビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物4.6gを得た。
得られたビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1−ノルマルブチル−3−メチル−1,3−シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの混合組成物をICP分析した結果、Zrを20.5%、Hfを0.21%含有していた(Zr:Hf=100:1.0)。
1H−NMR(C6D6溶媒中,テトラメチルシラン基準) δ(ppm):0.84(t,6H,J=8.0Hz),1.18−1.28(m,4H),1.32−1.46(m,4H),2.05(d,6H,J=2.0Hz),2.38−2.62(m,4H),5.51−5.53(m,2H),5.57−5.59(m,2H),5.92−5.93(m,2H)
Claims (8)
- ハフニウムの含有量が50〜10000ppmであることを特徴とするハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物。
- さらに、ジルコニウムの含有量が1〜50重量%である請求項1に記載のハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物。
- ハフニウム化合物が有機ハフニウム化合物であり、ジルコニウム化合物が有機ジルコニウム化合物である請求項1または2に記載のハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物。
- 有機ハフニウム化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する有機ハフニウム化合物であり、有機ジルコニウム化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する有機ジルコニウム化合物である請求項3に記載のハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物。
- シクロペンタジエニル骨格を有する有機ハフニウム化合物が式(1)〜(4)で表される有機ハフニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機ハフニウム化合物であり、シクロペンタジエニル骨格を有する有機ジルコニウム化合物が式(1)〜(4)で表される有機ジルコニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機ジルコニウム化合物である請求項4に記載のハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物。
式(1):
- シクロペンタジエニル骨格を有する化合物とアルキルリチウム化合物を反応させて得られる反応混合物を、ハロゲン化ハフニウム化合物およびハロゲン化ジルコニウム化合物の混合物と反応させることを特徴とするハフニウム化合物とジルコニウム化合物の混合組成物の製造方法。
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