JP2015112088A - 未発酵のビール風味飲料の製造方法 - Google Patents

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【課題】不快な穀物フレーバーを低減させた未発酵のビール風味飲料の製造方法の提供。【解決手段】麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液と、吸着剤とを接触させる工程を含む、未発酵のビール風味飲料の製造方法を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は未発酵のビール風味飲料の製造方法に関し、より詳細には麦および麦芽を原料として使用しない未発酵のビール風味飲料の製造方法に関する。
近年の健康志向の高まりの中でアルコール摂取量を自己管理する消費者が増加している。また、飲酒運転に対する罰則の強化など道路交通法の改正により、自動車等の運転に従事する者のアルコール摂取に対する関心が高まっている。このような中で低アルコールあるいは無アルコールのビール風味飲料への需要が一段と高まっている。
これまでに、不快な麦汁フレーバーが低減され、ビール風味を備えた未発酵の麦芽飲料が開示されているが(例えば、特許文献1および2参照)、麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液を用いた不快な穀物フレーバーが低減されたビール風味飲料の製造方法はこれまでに全く知られていない。
また、特許文献3には、大豆蛋白質を含む溶液を弱塩基性陰イオン交換樹脂、両性イオン交換樹脂または無官能基型吸着樹脂の合成吸着樹脂と接触させて、大豆特有の豆臭あるいは青草臭を除去する方法は開示されているが、吸着剤を用いることにより、ビール風味飲料の不快な穀物フレーバーが低減されることについてはこれまで全く知られていない。
特開2011−67215号公報 特開2012−135283号公報 特開平6−276955号公報
本発明は、麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液を用いた不快な穀物フレーバーが低減された未発酵のビール風味飲料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液と、吸着剤とを接触させる工程を含む製造方法を用いることにより、不快な穀物フレーバーが低減されたビール風味飲料が製造できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液と、吸着剤とを接触させる工程を含む、未発酵のビール風味飲料の製造方法。
(2)麦以外の穀物が、大豆、エンドウ豆、およびトウモロコシからなる群から選択される穀物である、(1)に記載の製造方法。
(3)麦以外の穀物由来のタンパク質が、タンパク質分解酵素により分解されたものである、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)麦以外の穀物由来のタンパク質が、大豆タンパク分解物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)吸着剤が活性炭である、(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)活性炭の平均細孔直径が3.6nm未満である、(5)に記載の製造方法。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法により製造された、未発酵のビール風味飲料。
(8)飲料中に含まれるヘキサナールが、該飲料1L当たり3μg以下である、(7)に記載の未発酵のビール風味飲料。
(9)麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液と、吸着剤とを接触させることを特徴とする、未発酵のビール風味飲料の不快な穀物フレーバー低減方法。
本発明の製造方法を用いることにより、麦以外の穀物由来のタンパク質を用いた不快な穀物フレーバーが低減されたビール風味飲料を提供できる点で有利である。また、本発明の製造方法を用いることにより、不快な穀物フレーバーが低減され、ビール風味飲料として好まれる苦味および泡持ちの効果が低減しないビール風味飲料を提供できる点で有利である。
図1は、各活性炭処理条件における、得られた未発酵のビール風味飲料のヘキサナール含有量を示すグラフである。縦軸はヘキサナールの濃度(μg/L)を表し、横軸は試験区1〜14を表す。
発明の具体的説明
本発明の製造方法は、麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液と、吸着剤とを接触させる工程を含む、未発酵のビール風味飲料の製造方法である。このような製造方法を用いることにより、麦以外の穀物由来のタンパク質を用いた、不快な穀物フレーバーが低減されたビール風味飲料を提供できる。本発明において、「ビール風味」とは、通常にビールを製造した場合、すなわち、酵母等による発酵に基づいてビールを製造した場合に得られるビール特有の味わいや、香りをいう。また、本発明において、「穀物フレーバー」とは、未発酵の麦以外の穀物に特有のフレーバー(香り)を意味する。このような未発酵穀物に特有のフレーバーとしては、穀物の煮沸で熱分解により発生する飴様臭や穀物様臭のような不快なフレーバー(本明細書において「不快な穀物フレーバー」ということがある)が挙げられ、これらの臭気は後述するヘキサナールなどに由来していると考えられる。
本発明の製造方法には、麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液が用いられる。この仕込液の調製は、常法に従って行うことができ、例えば、(a)麦以外の穀物タンパク質にタンパク質分解酵素を入れ、分解させる工程、(b)加熱した溶液にホップを添加後、煮沸し、静置する工程を行うことにより得ることができる。本発明において、特に限定されるものではないが、本発明の製造方法に用いられる仕込液と、吸着剤との接触が、ホップ添加後に行われることが好ましい。また、仕込液にビール様の液色を付与する方法として、(a)の工程と、(b)の工程との間に、(a)で得られた麦以外の穀物由来タンパク分解物に糖液を加え、加熱する工程(c)を行ってもよい。
工程(a)において用いられる麦以外の穀物が、好ましくは大豆、エンドウ豆、およびトウモロコシからなる群から選択される穀物であり、より好ましくは大豆である。タンパク質分解酵素としては、例えば、プロテアーゼP アマノG ( 天野エンザイム社製)などが挙げられる。さらに、麦以外の穀物由来のタンパク質は、好ましくはタンパク質分解酵素により分解されたものであり、より好ましくは大豆タンパク分解物である。
工程(b)において添加されるホップとしては、例えば、毬花ホップ、ホップペレット、ホップエキスが挙げられる。また、工程(b)における煮沸は、例えば、100℃で、30〜90分行われ、さらに静置は、例えば、80〜100℃で、1〜60分行われる。
工程(c)において用いられる糖液としては、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、オリゴ糖が挙げられる。また、工程(c)における加熱は、例えば、105〜130℃で、10分〜60分行われる。
本発明の製造方法に用いられる仕込液には、香料、色素、起泡剤や、泡持ち向上剤などの添加剤を添加してもよい。これらの添加剤は、上記工程(a)〜(c)のいずれの段階で加えてもよい。
本発明の製造方法に用いられる仕込液は、麦以外の穀物由来のタンパク質を原料とするものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは大豆、エンドウ豆、およびトウモロコシからなる群から選択される穀物を原料としたものであり、好ましくは大豆を原料としたものである。
本発明の製造方法は、麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液と、吸着剤とを接触させる工程を含む製造方法である。本発明の製造方法に用いられる吸着剤としては、例えば、活性炭、活性白土、酸性白土、活性炭、イオン交換樹脂、またはキレート樹脂、シリカ系吸着剤、ゼオライト、ベントライトなどが用いられ、好ましくは活性炭が用いられる。使用できる活性炭としては粉末活性炭や粒状活性炭が挙げられる。本発明の製造方法において、吸着剤として活性炭を用いる場合には、粉末活性炭および粒状活性炭のいずれであってもよいが、平均細孔直径が3.6nm未満の活性炭であることが好ましく、2.5nm未満の活性炭であることがより好ましい。
本発明の製造方法に用いられる仕込液と、吸着剤との接触は、1〜5℃程度の温度範囲で実施することができる。
本発明の製造方法に用いられる仕込液と、吸着剤との接触は、例えば、1時間〜168時間、好ましくは24〜168時間で実施することができる。
本発明の製造方法において、本発明の製造方法に用いられる仕込液と接触させる吸着剤の使用量は、特に限定されるものではないが、本発明の製造方法に用いられる仕込液1L当たり、0.01〜5.0g使用されることが好ましく、0.1〜3.0g使用されることがより好ましい。また、本発明の製造方法において、本発明の製造方法に用いられる仕込液と接触させる吸着剤の使用量は、特に限定されるものではないが、本発明の製造方法に用いられる仕込液を製造するために用いられる穀物タンパク質1kg当たり、乾燥重量で0.2〜5kg使用されることが好ましく、0.5〜3kg使用されることがより好ましい。
本発明の製造方法により製造される未発酵のビール風味飲料は、未発酵の麦以外の穀物を使用する飲料であるにも関わらず、不快な穀物フレーバーが低減されるとともに、ビールの風味が備わった飲料である。本発明の製造方法により製造される未発酵のビール風味飲料は、好ましくはアルコール含量が0.01質量%未満である完全無アルコール飲料である。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、大豆タンパク分解物を原料として配合した仕込液と、平均細孔直径が3.6nm未満である活性炭とを接触させる工程を含む、未発酵のビール風味飲料(好ましくは、3μg/L以下のヘキサナールが含まれる未発酵のビール風味飲料)の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液と、吸着剤とを接触させる工程を含む、3μg/L以下のヘキサナールが含まれる未発酵のビール風味飲料の製造方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、本発明の製造方法により製造された、未発酵のビール風味飲料が提供される。本発明の製造方法は、上記の製造方法のいずれを用いてもよい。本発明の未発酵のビール風味飲料は、該飲料中に好ましくは3μg/L以下、より好ましくは2μg/L以下のヘキサナールが含まれる。
本発明の別の態様によれば、麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液と、吸着剤とを接触させることを特徴とする、未発酵のビール風味飲料の不快な穀物フレーバー低減方法が提供される。
未発酵のビール風味飲料の不快な穀物フレーバーが低減されたとは、ビール風味飲料の不快な穀物フレーバー(穀物臭など)が、吸着剤を用いずに製造されたビール風味飲料と比較してわずかでも低減していればよく、例えばビール風味飲料の不快な穀物フレーバーが低減したか否かは、下記の実施例に示されたような官能評価試験や成分分析試験により確認することができる。成分分析試験により確認する場合には、飲料中のヘキサナールの濃度を指標にして、吸着剤と接触していないビール風味飲料と比較して、ヘキサナールの濃度が低い場合には、ビール風味飲料の不快な穀物フレーバーが低減されていると判断することができる。
麦以外の穀物フレーバー低減方法に用いられる穀物の仕込液、吸着剤等は、上記の本発明の製造方法と同じであってもよい。
本発明の穀物フレーバー低減方法の好ましい態様によれば、大豆タンパク分解物を原料として配合した仕込液と、平均細孔直径が3.6nm未満である活性炭とを接触させることを特徴とする、未発酵のビール風味飲料(好ましくは、3μg/L以下のヘキサナールが含まれる未発酵のビール風味飲料)の不快な穀物フレーバー低減方法が提供される。
本発明の穀物フレーバー低減方法の別の好ましい態様によれば、麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液と、吸着剤とを接触させることを特徴とする、3μg/L以下のヘキサナールが含まれる未発酵のビール風味飲料の不快な穀物フレーバー低減方法が提供される。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
試験例1:活性炭処理による穀物フレーバー低減効果
(1)仕込液の作成
市販の大豆タンパク3gと、適量のタンパク質分解酵素とを100mlの水に加え溶解し、50℃で120分保持し、タンパク分解を行った後、果糖ブドウ糖液糖8.7gを加え、120℃で30分加熱した。加熱後、さらに水を加えて750mlに調整し、ホップペレット(Steiner社 ハラタウトラディション種)を0.7g加え、100℃で30分煮沸を行った。煮沸後、30分静置し、濾紙によって沈殿物を除去した後、水を加えて仕込液を下記表1に記載の所定の大豆タンパク使用量に調整した。
(2)活性炭の前処理
仕込液に接触させる活性炭として、ヤシガラ活性炭A(日本エンバイロケミカル社製)(平均細孔直径1.85nm)、ヤシガラ活性炭B(日本エンバイロケミカル社製)(平均細孔直径:2.52nm)、およびヤシガラ活性炭C(日本エンバイロケミカル社製)(平均細孔直径:3.63nm)を用いた。これらの活性炭を固形換算で300mL当たり12gとなるように水で希釈した。希釈した活性炭を、オートクレーブSS−325(トミー精工社製)を用いて80℃で20分間加熱した。この加熱した活性炭を氷水に漬け、仕込液と同じ4℃まで冷却した。
(3)仕込液の吸着剤処理
上記で得られた仕込液を、下記表1に記載した活性炭の添加濃度(g/L)の各活性炭と接触させ、攪拌を行わずに、4℃で3日静置した。処理後、仕込液と接触させた各活性炭を濾紙(日本ミリポア社製)で濾過を行い、仕込液から活性炭を除去して、未発酵のビール風味飲料とした。試験区1および2については、活性炭を接触させないこと以外は、他の試験区と同様の処理を行った。活性炭との接触時の仕込液のpHは4〜5程度であった。
(4)評価方法
各活性炭が除去されたビール風味飲料について、その液色を分光光度計UV1800(島津製作所社製)で測定し、EBC法(ANALYTICA-EBC, 4th ed. Supplement 1989(E131)参照)に準拠してカラー(EBC)として下記表1に記載した。また、このビール風味飲料のヘキサナール含有量(μg/L)をヘッドスペースSPME(Solid-Phase Micro-Extraction)分析法(J.Agric.Food Chem. 2003, 52, 6941-6944参照)に従って測定した。具体的には、以下の測定機器を用いて測定した。
ガスクロマトグラフ質量分析計(Agilent社製5973型)
多機能オートサンプラー(GERSTEL社製MPS2)
多機能オートサンプラーラック冷却装置
(GERSTEL社製PELTIER THERMOSTAT)
SPME Fiber(SUPELCO社製57328−U)
さらに、各活性炭が除去された未発酵のビール風味飲料について、訓練されたパネリスト4名によって、「穀物臭」について、官能評価を実施した。その官能評価の評価基準は以下の通りである。これらの結果を下記表1および図1に表す。
評価基準
穀物臭
強:穀物由来の不快な香りが強く、「ビールらしさ」が感じられない
中:穀物由来の不快な香りが残っているものの、「ビールらしさ」をある程度感じられる。
弱:穀物由来の不快な香りが少なく、ビールらしい爽快な香り、飲み応えが感じられる。
無:穀物由来の不快な香りが殆ど感じられず、ビールらしい爽快な香り、飲み応えが感じられる。
上記表1および図1の結果から、仕込液を活性炭と接触させた場合(試験例3〜14)には、仕込液を活性炭と接触させてない場合(試験例1および2)と比較して、ヘキサナールの濃度を低下させることができ、得られたビール風味飲料の穀物臭を低減できることがわかった。また、この穀物臭の低減の程度は、接触させる活性炭の平均細孔直径が3.6nm未満である場合に顕著であり、接触させる活性炭の平均細孔直径が2.5nm未満である場合により顕著であることがわかった。さらに、ビール風味飲料のビール様の液色は、接触させる活性炭の平均細孔直径が3.6nm未満である場合により維持され、接触させる活性炭の平均細孔直径が2.5nm未満である場合にさらに維持されることがわかった。
試験例2:活性炭処理による仕込液の苦味および全窒素含有量
(1)仕込液の作成および活性炭処理
市販の大豆タンパク3gと、適量のタンパク質分解酵素とを100mlの水に加え溶解し、50℃120分保持しタンパク分解を行った後、果糖ブドウ糖液糖8.7gを加え、120℃で30分加熱した。加熱後、さらに水を加えて750mlに調整し、ホップペレット(Steiner社 ハラタウトラディション種)を0.7g加え、100℃で30分煮沸を行った。煮沸後、30分静置し、濾紙によって沈殿物を除去した後、水を加えて仕込液を下記表2に記載の所定の大豆タンパク使用量に調整した。
仕込液に接触させる活性炭として、全て植物系の粉末活性炭A(日本エンバイロケミカル社製)、粉末活性炭D(クラレケミカル社製)、活性炭E(クラレケミカル社製)を用いた。これらの活性炭を固形換算で300mL当たり12gとなるように水で希釈した。希釈した活性炭を、オートクレーブSS−325(トミー精工社製)を用いて80℃で20分間加熱した。この加熱した活性炭を氷水に漬け、仕込液と同じ4℃まで冷却した。
上記で得られた仕込液を、下記表2に記載の添加濃度(g/L)の各活性炭と接触させ、攪拌を行わずに、4℃で3日静置した。仕込液と接触させた活性炭を、濾紙(日本ミリポア社製)で濾過を行い仕込液から活性炭を除去して、未発酵のビール風味飲料とした。試験区15については、活性炭を接触させないこと以外は、他の試験区と同様の処理を行った。活性炭との接触時の仕込液のpHは4〜5程度であった。
(2)評価方法
活性炭が除去されたビール風味飲料のビター ユニット(BU)、全窒素含有量(mg/L)、およびアミノ酸含有量(mg/L)を測定した。活性炭が除去されたビール風味飲料のビター ユニット(BU)、全窒素量、およびアミノ酸含有量は上述したEBC法(ANALYTICA-EBC, 4th ed. Supplement 1989(E131)参照)に準拠して測定した。測定結果を下記表2に示す。
上記表2の結果から、活性炭で処理した場合(試験例16〜19)であっても、活性炭で処理していない場合(試験例15)と比較して、ビター ユニット(BU)の値が維持されており、本発明のビール風味飲料は苦味が維持さていることがわかった。また、本発明のビール風味飲料中の全窒素含有量およびアミノ酸含有量についても、活性炭で処理していない場合と比較して、際立った減少が見られず、維持されていることから、活性炭で処理していない場合と同様に泡持ち効果が維持されると考えられる。
上記試験例1および2の結果から、仕込液を吸着剤で処理することにより、本発明のビール風味飲料の穀物臭が低減する一方で、ビール風味飲料として好まれる苦味および泡持ちの効果が低減しないビール風味飲料を提供できることがわかった。

Claims (9)

  1. 麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液と、吸着剤とを接触させる工程を含む、未発酵のビール風味飲料の製造方法。
  2. 麦以外の穀物が、大豆、エンドウ豆、およびトウモロコシからなる群から選択される穀物である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 麦以外の穀物由来のタンパク質が、タンパク質分解酵素により分解されたものである、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 麦以外の穀物由来のタンパク質が、大豆タンパク分解物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 吸着剤が活性炭である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 活性炭の平均細孔直径が3.6nm未満である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により製造された、未発酵のビール風味飲料。
  8. 飲料中に含まれるヘキサナールが、該飲料1L当たり3μg以下である、請求項7に記載の未発酵のビール風味飲料。
  9. 麦以外の穀物由来のタンパク質を原料として配合した仕込液と、吸着剤とを接触させることを特徴とする、未発酵のビール風味飲料の不快な穀物フレーバー低減方法。
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