JP6514848B2 - 発泡性アルコール飲料の製造方法、プリン体低減および泡付着性改善方法 - Google Patents
発泡性アルコール飲料の製造方法、プリン体低減および泡付着性改善方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6514848B2 JP6514848B2 JP2014032106A JP2014032106A JP6514848B2 JP 6514848 B2 JP6514848 B2 JP 6514848B2 JP 2014032106 A JP2014032106 A JP 2014032106A JP 2014032106 A JP2014032106 A JP 2014032106A JP 6514848 B2 JP6514848 B2 JP 6514848B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molecular weight
- alcoholic beverage
- fraction
- wort
- fermentation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
Description
また、特許文献2には、プリン体を除去する工程が、予め珪藻土及び活性炭をプリコートしたフィルターを用いて、珪藻土および活性炭を添加した発酵麦芽飲料をろ過する工程を含む技術が開示されている。
(1)麦由来のエキス分が0.72[g/100cm3]以下である発泡性アルコール飲料の製造方法であって、麦汁を高分子画分と低分子画分とに分画し、前記高分子画分を得る分子量分画工程と、前記高分子画分を発泡性アルコール飲料に添加する添加工程と、を含み、前記添加工程では、前記高分子画分の濃縮倍率をn(=前記麦汁の液量/前記高分子画分の液量)とした場合に、前記高分子画分を0.3/n[v/v%]以上添加することを特徴とする発泡性アルコール飲料の製造方法。
(2)前記分子量分画工程では、分画分子量が5,000〜100,000の限外ろ過処理を行うことを特徴とする(1)に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
(3)発泡性アルコール飲料のプリン体を低減するとともに、泡付着性を改善する方法であって、麦汁を高分子画分と低分子画分とに分画し、前記高分子画分を得た後、前記高分子画分の濃縮倍率をn(=前記麦汁の液量/前記高分子画分の液量)とした場合に、前記高分子画分を0.3/n[v/v%]以上、発泡性アルコール飲料に添加することを特徴とするプリン体低減および泡付着性改善方法。
(4)前記分画の処理は、分画分子量が5,000〜100,000の限外ろ過処理であることを特徴とする(3)に記載のプリン体低減および泡付着性改善方法。
本発明に係るプリン体低減および泡付着性改善方法は、麦汁を分子量分画処理して得られた高分子画分を添加するものであることから、プリン体の含有量を低減できるとともに、泡付着性を改善することができる。
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料は、麦汁を分子量分画処理して得られた高分子画分と低分子画分とのうち、高分子画分を添加したことを特徴とする。
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料に対しては、任意の香料や酸味料などの添加材料を添加して、任意のテイストを付与することができる。
発酵前液が(2)の場合、少なくとも麦由来原料と水(好ましくは湯)とを混合し、得られた混合液の糖化を行うことにより調製すればよい。なお、糖化は、麦由来原料及び水を含む混合液を、当該麦由来原料に含まれる消化酵素(例えば、デンプン分解酵素、タンパク質分解酵素)が働く温度(例えば、30〜80℃)に維持することにより行うという公知の方法で行えばよい。
麦、麦芽及びこれらのエキスはそれぞれ、大麦、小麦、ライ麦、燕麦などを適宜に加工することにより得ることができる。これらの麦は、発泡性発酵アルコール飲料や発泡性発酵ビールテイストアルコール飲料の味と香りに大きな影響を与えるとともに、アルコール発酵させる場合は、酵母が資化可能な窒素源及び炭素源ともなる。
麦由来原料として用いられる麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、燕麦などを所定の条件で発芽させたものをいい、発芽させた状態又はこれを適宜の大きさに粉砕等した状態で用いることができる。
麦由来原料として用いられる麦又は麦芽由来のエキスとは、麦又は麦芽を水及び/又は有機溶剤等を用いて所定の成分を抽出等し、これを濃縮させたものをいう。
前記したそれぞれの麦は、消費者のニーズに応じ、焙燥して使用することができる。麦の焙燥は麦の焙燥条件を適宜に調節することによって任意に行うことができる。
なお、前記したように、本発明においては、後に詳述する「高分子画分(濃縮液)」を除き、麦由来原料を用いていなくてもよいし、用いていてもよい。麦由来原料を用いている場合であっても、麦由来のエキス分は0.72g/100cm3以下であるのが好ましく、0.30g/100cm3以下であるのが特に好ましい。
ここで、エキス分とは、糖分(炭水化物)、タンパク質、アミノ酸、苦味質、不揮発性有機酸、ミネラル、ポリフェノール、色素成分などからなる不揮発性固形分をいう。
麦由来のエキス分が0.72g/100cm3を超える場合、発酵原料として用いる麦の使用比率が高いことを意味する。つまり、もとより泡品質(泡付着性)の良い発泡性アルコール飲料となるので、分子量分画処理を施した麦汁を含有させて泡付着性を向上させる意義が薄れる。また、この場合、発泡性アルコール飲料に含まれるプリン体の含有量が多くなるので、プリン体の摂取に抵抗のある消費者が飲み難いものとなってしまう。従って、前記したように麦由来のエキス分を0.72g/100cm3以下に規制するのが好ましく、0.30g/100cm3以下であるのが特に好ましい。
なお、ここでの「麦由来のエキス分」には、当然、後に詳述する「高分子画分(濃縮液)」由来のエキス分も含まれる。
分子量分画処理とは、高分子画分(所定の分子量以上の物質を含む溶液)と低分子画分(所定の分子量未満の物質を含む溶液)とに分画する処理であって、限外ろ過処理、透析処理などの膜分離処理が該当する。
この分子量分画処理を麦汁に施すことにより、プリン体が低分子画分側に移行し、高分子画分中のプリン体の含有量を低減できるとともに、泡付着性を改善する成分を高分子画分側に濃縮することができる。なお、分子量分画処理は、適切に分子量を分画できる方法であれば、これらの処理に限定されない。
ここで、限外ろ過処理とは、限外ろ過膜(以下、適宜「UF膜」という)を用いて行うろ過処理であって、当該UF膜の表面に対象液を流し続けることにより、UF膜を隔てて、所定分子量以上の高分子画分である溶液(濃縮液)と、所定分子量未満の低分子画分である溶液(ろ過液、ろ液)とに分画する処理である。
なお、限外ろ過処理は、全量ろ過方式(対象液の全量をろ過する方式)でも、クロスフロー方式(膜面に対して略平行に対象液を流す方式)でもよいが、ろ過処理時にUF膜が閉塞するような状態を回避できるクロスフロー方式が好ましい。
なお、分画分子量は5,000〜100,000が好ましいが、5,000〜40,000の間であれば、高分子画分中のプリン体の低減、および泡付着性を改善する成分の濃縮という効果をより確実に確保することができる。特に好ましくは、分画分子量は、5,000である。
麦汁を分子量分画処理して得られた高分子画分(濃縮液)の添加量については、発泡性アルコール飲料全量に対して0.3/n[v/v%]以上であることが好ましい。
ここで、「n」は、高分子画分の濃縮倍率であり、分子量分画処理において処理した麦汁の液量をXとし、当該処理により得られた高分子画分の液量をYとした場合、n=X/Yで算出できる値である。
なお、高分子画分の添加量の上限は特に制限されないが、前記した「麦由来のエキス分」の含有量の上限を考慮して決定すればよい。
分子量分画処理の対象は、麦汁である。
そして、麦汁とは、前記した発酵前液と同様のものであればよく、(1)少なくとも麦由来原料と水(好ましくは湯)とを混合することにより調製されるものであってもよいし、(2)少なくとも麦由来原料と水(好ましくは湯)を混合した後、糖化、ろ過、煮沸、冷却等を行うことにより調整されるものであってもよい。
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、1〜8容量/容量%(「v/v%」や、一般的には単に「%」とも表される。)とするのが好ましく、3〜7%などとするとより好ましい。なお、アルコール度数はこの範囲に限定されるものではなく、8%超とすることもできる。なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
また、本実施形態においては、麦以外の発酵原料として、例えば、トウモロコシ、コメ、ダイズなどを用いることができるが、これら以外の原料を用いることも可能である。なお、これらの発酵原料も発泡性アルコール飲料の味と香りに影響を与え、アルコール発酵させる場合には、酵母が資化可能な窒素源及び炭素源となる。
なお、ホップの添加方法としては、例えば、ケトルホッピング、レイトホッピング、ドライホッピングを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ここで、ケトルホッピングとは、発酵前液(麦汁)の昇温中又は煮沸初期にホップを投入したものをいい、レイトホッピングとは、煮沸の終了間際にホップを投入することをいう。また、ドライホッピングとは、発酵工程開始以降にホップを投入することをいう。
これらの任意添加材料及び前記した麦、飲用アルコール、分子量分画する前の麦汁などは、一般に市販されているものを使用することができる。
次に、本実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法について説明する。
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、麦汁を高分子画分と低分子画分とに分画し、高分子画分を得る分子量分画工程と、高分子画分を添加する添加工程と、を含むことを特徴とする。
まず、本実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法の分子量分画工程と、添加工程とを説明する。
分子量分画工程とは、麦汁を高分子画分と低分子画分とに分画し、高分子画分を得る工程であり、当該工程で行う分子量分画処理は、前記のとおり、限外ろ過処理、透析処理などの膜分離処理が該当する。
添加工程とは、分子量分画工程で得られた高分子画分(濃縮液)である高分子画分を添加する工程である。
なお、前記のとおり、添加工程では、確実な泡付着性改善の観点より、高分子画分の濃縮倍率をnとした場合、高分子画分の添加量は発泡性アルコール飲料全量に対して0.3/n[v/v%]以上であることが好ましい。
(アルコール発酵を行わない製造方法)
一実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、アルコール発酵を行わないで前記した本発明に係る発泡性アルコール飲料を製造する方法である。つまり、前記した発泡性非発酵アルコール飲料や発泡性非発酵ビールテイストアルコール飲料を製造するための製造方法である。図1は、本発明の一実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法を説明するフローチャートである。
混合工程S11は、例えば、混合タンクに飲用水、任意添加材料、飲用アルコールなどとともに、麦汁の高分子画分を添加して混合後液を製造する工程である。
後処理工程S12としては、例えば、混合後液のろ過(いわゆる一次ろ過に相当)、混合後液の精密ろ過(いわゆる二次ろ過に相当)、加熱殺菌、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う工程などが挙げられる。
他の実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、アルコール発酵を行って前記した本発明に係る発泡性アルコール飲料を製造する方法である。つまり、前記した発泡性発酵アルコール飲料や発泡性発酵ビールテイストアルコール飲料を製造するための製造方法である。図2は、本発明の他の実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法を説明するフローチャートである。
発酵前工程S21は、アルコール発酵を行う前の工程である。発酵前工程S21では、具体的には、アルコール発酵させる発酵前液を調製する。また、発酵前工程S21として、前記した分子量分画工程を行ってもよい(図2において図示せず。)。
発酵工程S22は、発酵前液を所定の条件でアルコール発酵させる工程である。アルコール発酵の条件は、例えば、ビールやビールテイスト飲料を製造する際に行われる一般的な条件とすればよい。
発酵後工程S23は、アルコール発酵を行った後の工程である。発酵後工程S23では、例えば、発酵後液のろ過(いわゆる一次ろ過に相当)、発酵後液の精密ろ過(いわゆる二次ろ過に相当)、加熱殺菌、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
さらに、製造した発泡性アルコール飲料の発泡性が所望の値(例えば、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2))に満たない場合は、発酵後液に炭酸ガス含有水を加えたり、カーボネーションを行ったりするなどして所望の発泡性を有するようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る泡付着性改善剤について説明する。
本実施形態に係る泡付着性改善剤は、麦汁を分子量分画処理して得られた高分子画分と低分子画分とのうち、高分子画分であることを特徴とする。
次に、本実施形態に係る泡付着性改善剤の製造方法について説明する。
本実施形態に係る泡付着性改善剤の製造方法は、麦汁を高分子画分と低分子画分とに分画し、高分子画分を得る分子量分画工程を含むことを特徴とする。
そして、本実施形態に係る泡付着性改善剤の製造方法は、分子量分画工程の後に、高分子画分(濃縮液)を粉末剤、顆粒剤、錠剤などに製剤化する製剤化工程を含んでもよい。
表1に示す「麦汁(未処理)」について、限外ろ過装置(アルファラバル社製M20(プレート&フレーム膜モジュール))を用いてろ過処理を行った。なお、使用した「麦汁(未処理)」は、麦由来原料と水とを混合した後、糖化を行ったもの(前記の(2)の態様)である。
詳細には、使用した限外ろ過装置は、クロスフロー式のろ過装置であって、異なる分画分子量のプリン体除去への効果を同時に確認するため、以下の構成とした。すなわち、分画分子量100,000のUF膜によりろ過する第1部分、分画分子量20,000のUF膜によりろ過する第2部分、分画分子量10,000のUF膜によりろ過する第3部分、分画分子量5,000のUF膜によりろ過する第4部分、を備えており、各々独立している。そして、この装置内部に投入された麦汁は、第1部分、第2部分、第3部分、第4部分を並行して通過することとなる。この装置の各部分において、UF膜の示す分画分子量未満のものは「ろ過液」として回収され、UF膜の示す分画分子量以上のものが、原液のタンクに戻りクロスフローで循環し、ろ過が進行するに従い濃縮される。原液タンクに濃縮された液を「濃縮液」とする。この構成により、同じ麦汁から各部分ごとに異なる分子量分画をなされた「ろ過液」が独立して得られる。さらに試験の進行に従い、各々の部分からのろ過液を分析に必要な所定量分取した後は、順次、その後のろ過液を原液のタンクに戻すこととした。限外ろ過においては分画分子量が大きい方がろ過速度が速いため第1部分の「ろ過液」が最も早く所定量に達し、その後の「ろ過液」は原液タンクに戻し入れる。その後、第2部分、第3部分の順で同様の戻し入れを行なう。すなわち、初期の構成では最大で分子量100,000未満の画分が「ろ過液」側にろ過され、100,000以上の画分が「濃縮液」側に濃縮されているが、第1部分の「ろ過液」の分取終了、戻し入れ後は最大で分子量20,000未満の画分がろ過、20,000以上の画分が濃縮される。第2部分以後も同様であるが、最終的に、途中で分析用に分取したろ過液を除いた全麦汁は、第4部分において、分子量5,000未満の画分がろ過され、5,000以上の画分が「濃縮液」として回収される。今回の実施例では、最終的に得られる「濃縮液」(分子量5,000以上の高分子画分を含む麦汁)の濃縮倍率が2倍となるまで(つまり、装置に投入した最初の麦汁の液量に対して1/2の液量の濃縮液が得られるまで)、限外ろ過処理を行った。
この結果、「ろ過液」については各々の膜の分画分子量未満の画分を含む液が4種得られ、「濃縮液」については第1部分から第3部分の戻し入れ前に分子量10,000〜100,000の範囲の高分子画分が一部「ろ過液」側に移行しているものの、最終的には分子量5,000以上の画分が含まれる「濃縮液」が得られた。なお、得られた「濃縮液」の成分については、表1に「麦汁(濃縮液)」として示す。
なお、サンプルはいずれも前記市販のビールの量が1/20となるように希釈(20倍希釈)して用いるとともに、原料用アルコールを添加してアルコール度数を5%とした。
そして、混合したサンプルを350ml缶に充填し、巻締機にて蓋をし、泡付着性の測定に供した。なお、サンプルのガス圧は全て約0.235MPaであった。また、サンプルの麦由来のエキス分は0.20〜0.25g/100cm3程度であった。
泡付着性の測定は、NIBEM Cling Meter(NIBEM−CLM、Haffmans社)を用いて測定した。
詳細には、まず、発泡性アルコール飲料に係るサンプル1〜10について、NIBEM Cling Meterに付属するINPACKフォームフラッシャーを用いて円筒グラス(内径60mm、内高120mm)内に強制的に注いで起泡させた。そして、ビール液面が10mm降下したときから40mmまで降下するまでの時間を、電極を用いて測定し、参考値としてNIBEM値(単位:sec)を測定した。なお、ここまでのNIBEM値の測定は、欧州醸造協会(European Brewery Convention:EBC)において公定法とされているNIBEM法により行った。
そして、NIBEM値測定後直ちに、NIBEM Cling Meterを用いて、グラス上端10mmから40mmまでのグラス内壁面をスキャンし、当該スキャンした総面積に対する泡で覆われている面積の割合(%:=スキャンした面積のうち泡で覆われている面積/スキャンした総面積×100)を算出した。
なお、「泡で覆われている面積の割合」が大きい程、泡付着性が良いと判断することができる。
プリン体の測定はHPLC(Agilent1100、アジレントテクノロジー社)を用いて測定した。
詳細には、表3に示すサンプルA〜Fの「Adenine」、「Guanine」、「Hypoxanthine」、「Xanthine」の含有量を、BCOJビール分析法(日本醸造学会誌, 2014, 108:893−901)のK.Kanekoらの方法(Biomedical Chromatography,2009,23:858−864)に準じて測定した。そして、前記した4つの化合物の含有量を合計し、「総プリン体」の含有量を求めた。
なお、サンプルAは、前記した限外ろ過処理を行っていないもの(表1の「麦汁(未処理)」)であり、サンプルFは、前記した限外ろ過処理を行い濃縮倍率が2倍の「濃縮液」として得られたもの(表1の「麦汁(濃縮液)」)である。そして、サンプルB〜Eは、前記した限外ろ過処理の過程で、限外ろ過装置の各部分において得られた「ろ過液」である。
また、表2には、サンプル1〜10の「アルコール度数」、「添加麦汁」、「泡付着性評価」を示す。
また、表3には、サンプルA〜Fの「総プリン体の含有量」、「プリン体各成分の含有量」を示す。
なお、表2中における「−」は、含有していない、または、濃縮していないことを示す。そして、表3中における「(数値)カット ろ過液」とは、当該(数値)のUF膜により限外ろ過されたろ過液を示す。
つまり、0.15v/v%(=0.30/2)以上の「麦汁(濃縮液)」を添加することで、確実に泡付着性を改善できることがわかった。
このことから、泡付着性改善剤である「麦汁(濃縮液)」は、泡品質の中でも、泡付着性を特異的に改善することがわかった。
このことから、麦汁に限外ろ過処理を行うことにより、麦汁のプリン体を大幅に低減できることがわかった。
また、本発明に係る発泡性アルコール飲料によると、本発明に係る泡付着性改善剤である「麦汁(濃縮液)」を添加したことを特徴としていることから、通常の麦汁を添加する場合と比較し、プリン体を低減できるとともに、泡付着性に優れることが確認された。
S12 後処理工程
S21 発酵前工程
S22 発酵工程
S23 発酵後工程
Claims (4)
- 麦由来のエキス分が0.72[g/100cm3]以下である発泡性アルコール飲料の製造方法であって、
麦汁を高分子画分と低分子画分とに分画し、前記高分子画分を得る分子量分画工程と、
前記高分子画分を発泡性アルコール飲料に添加する添加工程と、
を含み、
前記添加工程では、前記高分子画分の濃縮倍率をn(=前記麦汁の液量/前記高分子画分の液量)とした場合に、前記高分子画分を0.3/n[v/v%]以上添加することを特徴とする発泡性アルコール飲料の製造方法。 - 前記分子量分画工程では、分画分子量が5,000〜100,000の限外ろ過処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
- 発泡性アルコール飲料のプリン体を低減するとともに、泡付着性を改善する方法であって、
麦汁を高分子画分と低分子画分とに分画し、前記高分子画分を得た後、前記高分子画分の濃縮倍率をn(=前記麦汁の液量/前記高分子画分の液量)とした場合に、前記高分子画分を0.3/n[v/v%]以上、発泡性アルコール飲料に添加することを特徴とするプリン体低減および泡付着性改善方法。 - 前記分画の処理は、分画分子量が5,000〜100,000の限外ろ過処理であることを特徴とする請求項3に記載のプリン体低減および泡付着性改善方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014032106A JP6514848B2 (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | 発泡性アルコール飲料の製造方法、プリン体低減および泡付着性改善方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014032106A JP6514848B2 (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | 発泡性アルコール飲料の製造方法、プリン体低減および泡付着性改善方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015156813A JP2015156813A (ja) | 2015-09-03 |
JP6514848B2 true JP6514848B2 (ja) | 2019-05-15 |
Family
ID=54181408
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014032106A Active JP6514848B2 (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | 発泡性アルコール飲料の製造方法、プリン体低減および泡付着性改善方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6514848B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7058098B2 (ja) * | 2017-10-03 | 2022-04-21 | サッポロビール株式会社 | 発泡性飲料及び発泡性飲料の泡持ち特性を向上させる方法 |
JP6545234B2 (ja) * | 2017-11-13 | 2019-07-17 | サッポロビール株式会社 | 泡測定方法及び泡測定装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NZ208134A (en) * | 1984-05-11 | 1987-07-31 | Lion Corp Ltd | Beer production; wort subjected to ultrafiltration prior to fermentation |
TW199905B (en) * | 1992-02-03 | 1993-02-11 | J E Siebel Sons Company Inc | Method and composition for enhancing foam properties of fermented malt beverages |
CA2633703A1 (en) * | 2005-12-19 | 2007-06-28 | Suntory Limited | Method for reducing oral cavity stimulating substance of sprouted grain |
-
2014
- 2014-02-21 JP JP2014032106A patent/JP6514848B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015156813A (ja) | 2015-09-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101665832B1 (ko) | 저엑기스 성분, pH 를 조정한 맥주 테이스트 음료 | |
JP7232875B2 (ja) | ビールテイスト飲料の製造方法及びビールテイスト飲料 | |
TWI508668B (zh) | 非醱酵啤酒口味飲料及其製造方法 | |
JP7109514B2 (ja) | ビールテイスト飲料 | |
JP2021180688A (ja) | ビールテイスト飲料 | |
JP7109513B2 (ja) | ビールテイスト飲料 | |
JP2023060049A (ja) | ビールテイスト飲料の製造方法及びビールテイスト飲料 | |
JP7052131B1 (ja) | ビールテイスト飲料 | |
JP2013135647A (ja) | 煮沸時間が短縮されたビールテイスト飲料の製造方法 | |
JP6514848B2 (ja) | 発泡性アルコール飲料の製造方法、プリン体低減および泡付着性改善方法 | |
JP2022058123A (ja) | ビールテイスト飲料 | |
JP2023105197A (ja) | ビールテイスト飲料およびその製造方法 | |
JP7052132B1 (ja) | ビールテイスト飲料 | |
JP2019110787A (ja) | トランス−2−ノネナール等による酸化臭が低減したビールテイスト飲料 | |
JP6876378B2 (ja) | ビールテイスト飲料の香味向上方法 | |
TW202212557A (zh) | 啤酒風味飲料 | |
JP2015167472A (ja) | 発泡性アルコール飲料及びその製造方法 | |
JP2020036552A (ja) | ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の飲用感向上方法 | |
JP7234443B2 (ja) | 上面発酵ビールテイスト飲料 | |
JP7372421B1 (ja) | ビールテイスト飲料 | |
JP7372420B1 (ja) | ビールテイスト飲料 | |
RU2816894C2 (ru) | Напиток со вкусом пива | |
JP7201334B2 (ja) | ビールテイスト飲料の香味向上方法 | |
JP2022054672A (ja) | ビールテイスト飲料及びその製造方法、並びにビールテイスト飲料にはちみつ様の香りを付与する方法 | |
JP2022009718A (ja) | ビールテイスト飲料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20160516 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170214 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20171227 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180116 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180313 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180904 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181102 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190402 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190415 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6514848 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |