JP2015167472A - 発泡性アルコール飲料及びその製造方法 - Google Patents

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潔 蛸井
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友洋 佐野
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智洋 小泉
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武雄 石原
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Abstract

【課題】プリン体を低減しつつ、泡持ちが良い発泡性アルコール飲料及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るエンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有することを特徴とする。本発明に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、前記した発泡性アルコール飲料を製造する発泡性アルコール飲料の製造方法であって、原料を混合して混合液を製造する混合工程を含み、前記混合工程において、エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有させることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性アルコール飲料及びその製造方法に関する。
近年の健康志向の高まりにより、高尿酸血症や痛風などを引き起こすと考えられているプリン体を低減する技術について、発泡性アルコール飲料の分野においても、様々な研究開発が進められている。
例えば、特許文献1には、発泡アルコール飲料の泡立ち、泡持ちを向上させることを目的として、麦芽又は麦芽及び副原料を液化、糖化する糖化工程と、当該糖化液を濾過して麦汁を得る第1濾過工程と、該麦汁にホップを加えて煮沸することにより発酵前液を製造する煮沸工程と、前記発酵前液を、酵母を用いて発酵させる発酵工程と、発酵工程を経て得られた発泡アルコール飲料を濾過する第2濾過工程と、で構成された発泡アルコール飲料の製造方法において、前記第2濾過工程前の前記各工程又は各工程間のいずれかにエンドウ豆から抽出して得たエンドウタンパク質(エンドウタンパク質抽出物)を添加することを特徴とする発泡アルコール飲料の製造方法が開示されている。
しかしながら、エンドウタンパク質抽出物は酸性で沈殿する性質があるため、製品への移行率が低く、泡持ちへの効果は限定的であった。また、エンドウタンパク質抽出物を酵素処理してタンパク質分解産物とし、これを使用する場合には、アミノ酸にまで分解されているため、泡持ちへの効果は低かった。つまり、特許文献1に開示されている発泡アルコール飲料の製造方法には、泡持ちを向上させる効果が十分ではないという問題があった。そのため、泡持ちを向上させる発明が、例えば、特許文献2、3に開示されている。
特許文献2には、酵母細胞壁由来可溶性画分からなることを特徴とする泡安定化剤が開示されている。
特許文献3には、麦芽と麦芽以外の副原料を用いた発酵麦芽飲料の製造方法において、該副原料の一部又は全部に小麦分解物を用いたことを特徴とする、発酵麦芽飲料の製造方法が開示されている。
特許第3822898号公報 特開2008−271820号公報 特開2005−328729号公報
しかしながら、特許文献2、3に開示されている発明には、泡持ちは向上できるものの、プリン体を低減することができないという問題があった。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、プリン体を低減しつつ、泡持ちが良い発泡性アルコール飲料及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有することを特徴とする発泡性アルコール飲料。
(2)発酵原料として用いる麦の使用比率が5%以下であることを特徴とする前記(1)に記載の発泡性アルコール飲料。
(3)前記エンドウタンパク質由来物質の含有量が1〜200ppmであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の発泡性アルコール飲料。
(4)前記エンドウタンパク質由来物質が、エンドウタンパク質抽出物及びエンドウタンパク質分解物のうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発泡性アルコール飲料。
(5)前記キラヤサポニンの含有量が3〜50ppmであることを特徴とする前記(1)から(4)のいずれか1つに記載の発泡性アルコール飲料。
(6)アルコール度数が1〜8%であることを特徴とする前記(1)から(5)のいずれか1つに記載の発泡性アルコール飲料。
(7)前記(1)に記載の発泡性アルコール飲料を製造する発泡性アルコール飲料の製造方法であって、原料を混合して混合液を製造する混合工程を含み、前記混合工程において、エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有させることを特徴とする発泡性アルコール飲料の製造方法。
(8)前記(1)に記載の発泡性アルコール飲料を製造する発泡性アルコール飲料の製造方法であって、アルコール発酵を行う前の発酵前工程と、アルコール発酵を行う発酵工程と、アルコール発酵を行った後の発酵後工程と、を含み、前記発酵前工程、前記発酵工程、及び前記発酵後工程のうちの少なくとも1つの工程で、エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有させることを特徴とする発泡性アルコール飲料の製造方法。
(9)発酵原料として用いる麦の使用比率を5%以下とすることを特徴とする前記(7)又は(8)に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
(10)前記エンドウタンパク質由来物質の含有量が1〜200ppmであることを特徴とする前記(7)から(9)のいずれか1つに記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
(11)前記エンドウタンパク質由来物質が、エンドウタンパク質抽出物及びエンドウタンパク質分解物のうちの少なくとも一方であることを特徴とする前記(7)から(10)のいずれか1つに記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
(12)前記キラヤサポニンの含有量が3〜50ppmであることを特徴とする前記(7)から(11)のいずれか1つに記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
(13)アルコール度数を1〜8%に調整することを特徴とする前記(7)から(12)のいずれか1つに記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
本発明によれば、プリン体を低減しつつ、泡持ちが良い発泡性アルコール飲料及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法を説明するフローチャートである。
以下、本発明に係る発泡性アルコール飲料及びその製造方法を実施するための形態(実施形態)について説明する。
[発泡性アルコール飲料]
本発明の一実施形態に係る発泡性アルコール飲料は、エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有する。
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料に対しては、任意の香料や酸味料などの添加材料を添加して、任意のテイストを付与することができる。
任意のテイストとしては、例えば、ビールテイストが挙げられる。つまり、本実施形態に係る発泡性アルコール飲料の好ましい態様としては、例えば、ビールテイスト飲料が挙げられる。なお、ビールテイスト飲料とは、ビール様(風)飲料とも称され、ビールのような味わいを有し、ビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいう。
また、本実施形態に係る発泡性アルコール飲料は、アルコール発酵させないものであってもよいし、アルコール発酵させたものであってもよい。以下、アルコール発酵させない発泡性アルコール飲料を「発泡性非発酵アルコール飲料」といい、アルコール発酵させた発泡性アルコール飲料を「発泡性発酵アルコール飲料」という。また、これらの中でも、ビールテイストである発泡性非発酵アルコール飲料を「発泡性非発酵ビールテイストアルコール飲料」といい、ビールテイストである発泡性発酵アルコール飲料を「発泡性発酵ビールテイストアルコール飲料」という。
「発泡性非発酵アルコール飲料」は、例えば、飲用水に麦汁、糖類、香料及びエタノールなどを加えて製造することができる。つまり、発泡性非発酵アルコール飲料は、アルコール発酵を行う発酵工程を経ないで製造される。
「発泡性発酵アルコール飲料」は、例えば、麦、麦芽、麦芽エキスなどの麦を由来とする原料(麦由来原料)とともに、その他の発酵原料を用いて発酵前液(一般的に「麦汁」などと呼ばれている。)を調製し、これをアルコール発酵させる発酵工程を経ることにより製造することができる。
「発泡性非発酵ビールテイストアルコール飲料」は、例えば、前記した発泡性非発酵アルコール飲料において、ビールテイストを付与する香料などの添加材料を添加することにより製造することができる。
「発泡性発酵ビールテイストアルコール飲料」は、例えば、前記した発泡性発酵アルコール飲料を製造する過程において、ホップを用いて発酵前液を調製し、これを発酵させる発酵工程を経ることにより製造することができる。なお、発泡性発酵ビールテイストアルコール飲料は、発酵工程前、発酵工程中、発酵工程後の少なくとも1つの段階において、ビールテイストを付与するための添加材料を添加してビールテイストを調整・増強することができる。
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料は、発酵原料として麦を使用しないものであってもよいし、麦を使用したものであってもよい。麦を使用する場合は、発酵原料として用いる麦の使用比率を5%以下とするのが好ましい。発酵原料として用いる麦の使用比率を5%以下とすることにより、確実にプリン体を低減することができる。ここで、プリン体とは、プリン骨格と呼ばれる共通の構造を有する物質の総称であり、例えば、アデニン(Adenine)、グアニン(Guanine)、ヒポキサンチン(Hypoxanthine)、キサンチン(Xanthine)などのプリン塩基が該当する。
発泡性発酵アルコール飲料や発泡性発酵ビールテイストアルコール飲料を製造するために用いる発酵前液は、(1)少なくとも麦由来原料と水(好ましくは湯)とを混合することにより調製されるものであってもよいし、(2)少なくとも麦由来原料と水(好ましくは湯)を混合した後、糖化を行うことにより調整されるものであってもよい。
発酵前液が(1)の場合、少なくとも麦由来原料と水(好ましくは湯)とを混合し、当該麦由来原料に含まれる成分を抽出することにより調製すればよい。
発酵前液が(2)の場合、少なくとも麦由来原料と水(好ましくは湯)とを混合し、得られた混合液の糖化を行うことにより調製すればよい。なお、糖化は、麦由来原料及び水を含む混合液を、当該麦由来原料に含まれる消化酵素(例えば、デンプン分解酵素、タンパク質分解酵素)が働く温度(例えば、30〜80℃)に維持することにより行うという公知の方法で行えばよい。
なお、麦由来原料の形態は問わない。麦由来原料の形態としては、麦、麦芽及びこれらのエキスなどが挙げられ、これらは単独で又は複数併用して用いることができる。
麦、麦芽及びこれらのエキスはそれぞれ、大麦、小麦、ライ麦、燕麦などを適宜に加工することにより得ることができる。これらの麦は、発泡性発酵アルコール飲料や発泡性発酵ビールテイストアルコール飲料の味と香りに大きな影響を与えるとともに、アルコール発酵させる場合は、酵母が資化可能な窒素源及び炭素源ともなる。
なお、麦由来原料として用いられる麦とは、大麦、小麦、ライ麦、燕麦などを発芽させないものをいい、脱穀してもよいし、穀粒をそのままの状態又は適宜の大きさに粉砕等した状態で用いることができる。
麦由来原料として用いられる麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、燕麦などを所定の条件で発芽させたものをいい、発芽させた状態又はこれを適宜の大きさに粉砕等した状態で用いることができる。
麦由来原料として用いられる麦又は麦芽由来のエキスとは、麦又は麦芽を水及び/又は有機溶剤等を用いて所定の成分を抽出等し、これを濃縮させたものをいう。
前記したそれぞれの麦は、消費者のニーズに応じ、焙燥して使用することができる。麦の焙燥は麦の焙燥条件を適宜に調節することによって任意に行うことができる。
(麦由来のエキス分)
なお、前記したように、本発明においては、麦由来原料を用いていなくてもよいし、用いていてもよい。麦由来原料を用いている場合であっても、前記したように、発酵原料として用いる麦の使用比率を5%以下とするのが好ましいので、麦由来のエキス分は0.2g/100cm3以下であるのが好ましい。なお、麦由来原料を用いない場合の麦由来のエキス分は0g/100cm3である。ここで、エキス分とは、糖分(炭水化物)、タンパク質、アミノ酸、苦味質、不揮発性有機酸、ミネラル、ポリフェノール、色素成分などからなる不揮発性固形分をいう。麦由来のエキス分を0.2g/100cm以下とすると、プリン体の含有量をより確実に低減することができる。従って、プリン体の摂取に抵抗のある消費者であっても飲み易い発泡性アルコール飲料とすることができる。
エキス分は、日本国の国税庁所定分析法に準拠して比重及びアルコール度を測定し、算出した値、すなわち、温度15℃において原容量100立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数(g/100cm3)で定めることができる。
麦由来のエキス分を0.2g/100cm3以下とする手法については、特に限定されないが、例えば、麦使用量を一般的なビールを製造する場合の1/20以下に制限して麦汁(発酵前液)を製造し、かかる麦汁をアルコール発酵させるか、又は一般的なビールを製造する麦使用量にて麦汁を製造し、かかる麦汁をアルコール発酵させた後、これを前記した麦由来のエキス分となるように希釈してもよい。
なお、「発泡性」とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2)以上であることをいう。発泡性は、発酵前液を発酵させることにより得ることができるが、発泡性が十分でない場合は、カーボネーションや炭酸ガス含有水を用いることで所望のガス圧を得ることができる。
(エンドウタンパク質由来物質)
エンドウタンパク質由来物質としては、例えば、エンドウタンパク質抽出物及びエンドウタンパク質分解物を挙げることができ、本実施形態においてはこれらのうちの少なくとも一方を含んでいるのが好ましい。エンドウタンパク質由来物質を含むことにより、キラヤサポニンとの相互作用により、エンドウタンパク質を従来よりも低い濃度とした場合であっても、泡持ちを良くすることができる。
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料におけるエンドウタンパク質由来物質の含有量は、1〜200ppmとするのが好ましい。エンドウタンパク質由来物質の含有量をこの範囲とすることにより、後記するキラヤサポニンとの相互作用により泡持ちを向上させることができる。なお、エンドウタンパク質由来物質の含有量は1〜100ppmとするのが好ましく、1〜50ppmとするのがより好ましく、1〜20ppmとするのがさらに好ましく、2〜5ppmとするのがよりさらに好ましい。なお、エンドウタンパク質由来物質の含有量を少なくするほどエンドウタンパク質に由来するプリン体を低減することができる。そのため、プリン体を低減する観点からすると、エンドウタンパク質由来物質の含有量が少ないほど好ましい。実施例の項目で説明するように、本実施形態に係る発泡性アルコール飲料では、エンドウタンパク質由来物質の含有量が少なくても泡持ちを十分向上させることができる。
(エンドウタンパク質抽出物)
エンドウタンパク質抽出物は、エンドウタンパク質を酸性条件にて沈殿させて得られたものである。なお、酸性条件としては、例えば、pH3.0〜6.0などとすることができるがこれに限定されるものではない。エンドウタンパク質抽出物は市販されているものを好適に用いることができる。
(エンドウタンパク質分解物)
エンドウタンパク質分解物は、市販されているエンドウタンパク質、又は、より好ましくは、前記したエンドウタンパク質抽出物をさらに酵素処理して分解したものである。酵素は、プロテアーゼであるのが好ましく、中性プロテアーゼであるのがより好ましい。さらに好ましくは、エンド型中性プロテアーゼである。エンド型中性プロテアーゼは、枯草菌由来のものを好適に用いることができる。枯草菌由来のエンド型中性プロテアーゼを用いる場合、酵素処理の条件としては、例えば、原料に対する使用量を0.003〜0.3%とするのが好ましく、0.006〜0.09%とするのがより好ましい。反応温度は40〜60℃とするのが好ましく、50〜55℃とするのがより好ましい。また、反応時間は1時間以上とするのが好ましく、3〜6時間とするのがより好ましい。さらに、反応pHは5.0〜8.0とするのが好ましい。このような条件でエンドウタンパク質(より好ましくはエンドウタンパク質抽出物)の酵素処理を行えば、確実にエンドウタンパク質分解物を得ることができる。また、かかる酵素処理を行って得られたエンドウタンパク質分解物は、適度な大きさに分解されているので、エンドウタンパク質の利用効率(製品への移行率)の向上と、泡持ちの向上を図ることができる。なお、前記した酵素処理の条件は一例を示すものであり、これらに限定されるものではない。
エンドウタンパク質由来物質、すなわち、エンドウタンパク質抽出物やエンドウタンパク質分解物は、スプレードライすることにより粉末化するのがより好ましい。エンドウタンパク質由来物質を粉末化すると、飲料への添加時に添加濃度の調整が行い易いだけでなく、高濃度に添加することも可能であり、微生物汚染などに対する保存性の向上や、重量減による輸送コスト低減などを図ることができる。
(キラヤサポニン)
キラヤサポニンは、キラヤから得られるサポニンである。キラヤサポニンは、苦味、渋み、えぐみといった収斂(しゅうれん)味を呈する。なお、発泡性アルコール飲料にキラヤサポニンを多く含有させればさせるほど当該飲料の泡持ちが向上することは従来から知られていた。しかしながら、今回、エンドウタンパク質由来物質とともに発泡性アルコール飲料に含有させることによってさらに泡持ちを向上させることができることが分かった。特に、エンドウタンパク質由来物質とともに用いることで少量のキラヤサポニンで泡持ちを向上させることが可能となることが分かった。
すなわち、本実施形態に係る発泡性アルコール飲料においては、キラヤサポニンの含有量を、例えば、3〜50ppmとすることができる。前記したように、エンドウタンパク質由来物質との相互作用により、このような少量のキラヤサポニンでも泡持ちを向上させることができる。なお、キラヤサポニンの含有量は、3〜20ppmとするのが好ましく、3〜10ppmとするのがより好ましく、3〜5ppmとするのがさらに好ましい。
(アルコール度数)
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、1〜8容量/容量%(「v/v%」や、一般的には単に「%」とも表される。)とするのが好ましく、3〜7%などとするとより好ましい。なお、アルコール度数はこの範囲に限定されるものではなく、8%超とすることもできる。なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
アルコール度数は、アルコールを添加することによって調節することができる。添加するアルコールは、飲用アルコールであればよく、種類、製法、原料などは限定されない。例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカなどの各種スピリッツ、原料用アルコールなどを1種又は2種以上を組み合わせて添加することができる。なお、麦を発酵させて得られたアルコールの濃度が高い場合は、所望のアルコール度数となるように希釈することもできることはいうまでもない。
(その他)
また、本実施形態においては、麦及びエンドウタンパク質由来物質以外の発酵原料として、例えば、トウモロコシ、コメ、ダイズなどを用いることができるが、これら以外の原料を用いることも可能である。なお、これらの発酵原料も発泡性アルコール飲料の味と香りに影響を与え、アルコール発酵させる場合には、酵母が資化可能な窒素源及び炭素源となる。
さらに、本実施形態においては、麦及びエンドウタンパク質由来物質以外の原料として、例えば、ホップやホップ加工品を用いることができる。ホップやホップ加工品を用いることにより、発泡性アルコール飲料にビール特有の味と香り、苦味などを付与することができる。
ホップとしては、例えば、予め粉砕してペレット状に加工したホップペレット、かかる加工に際して予めルプリン粒をふるいわけ、ルプリンを多く含んだホップペレット、また、ルプリンの苦味質、精油などを抽出したホップエキスなどを用いることができる。
なお、ホップの添加方法としては、例えば、ケトルホッピング、レイトホッピング、ドライホッピングを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ここで、ケトルホッピングとは、発酵前液(麦汁)の昇温中又は煮沸初期にホップを投入したものをいい、レイトホッピングとは、煮沸の終了間際にホップを投入することをいう。また、ドライホッピングとは、発酵工程開始以降にホップを投入することをいう。
また、ホップ加工品としては、例えば、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキスなどを用いることができる。
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料においては、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類など(これらを単に「任意添加材料」ということがある。)を添加することもできる。
着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素などを用いることができる。
甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。
高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、リチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。
酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。
塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。
これらの任意添加材料及び前記した麦、酵素処理する前のエンドウタンパク質、エンドウタンパク質又はエンドウタンパク質抽出物を酵素処理するための酵素、飲用アルコールなどは、一般に市販されているものを使用することができる。
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料は容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る発泡性アルコール飲料は、エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有しているので、プリン体を低減しつつ、泡持ちを良くすることができる。なお、エンドウタンパク質自体はアレルゲン性もなく、食品に安全に使用できる素材である。また、好ましい形態として説明したように、キラヤサポニンとともに少量で泡持ちを向上させることができる。そのため、製造コストを従来よりも低くすることが可能となる。
(泡持ちの評価方法)
発泡性アルコール飲料の泡持ちは、例えば、NIBEM法により好適に評価することができる。NIBEM法は、欧州醸造協会(European Brewery Convention;EBC)において公定法とされ、欧米の多くのビール会社で泡持ち評価に用いられている評価方法である。NIBEM法は、20℃のビールなどの飲料を、専用の円筒グラス(内径60mm、内高120mm)の中に炭酸ガスを用いて強制的に注いで起泡させ、ビール液面が10mm降下したときから40mmまで降下するまでの時間を、電極を用いて測定する方法である。測定された値はNIBEM値(単位:sec)として表され、NIBEM値が高い値を示すほど泡持ちが良いと評価される。なお、泡持ちの評価は、Ross&Clark法やΣ法によっても行うことができる。Ross&Clark法とΣ法は、25℃のビールなどの飲料を一定条件下で泡立て、一定時間に泡から生じる液体の量、及び、その時点で残っている泡から生じる液体の量を測定し、所定の計算式によって泡持ち(泡の平均寿命)を算出する方法である。
[発泡性アルコール飲料の製造方法]
次に、本発明の一実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法について説明する。
(アルコール発酵を行わない製造方法)
一実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、アルコール発酵を行わないで前記した本発明に係る発泡性アルコール飲料を製造する方法である。つまり、前記した発泡性非発酵アルコール飲料や発泡性非発酵ビールテイストアルコール飲料を製造するための製造方法である。図1は、本発明の一実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法を説明するフローチャートである。
図1に示すように、本実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、原料を混合して混合液を製造する混合工程S11を含み、この混合工程S11において、エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有させる。なお、エンドウタンパク質由来物質としてエンドウタンパク質を用いる場合は、混合工程S11を行う前に、前記したようにしてエンドウタンパク質を酸性条件にて沈殿させて、エンドウタンパク質抽出物としておくのが好ましい。なお、市販されているエンドウタンパク質抽出物は既に酸性条件にて沈殿させて得られているので、かかる操作を行う必要はない。エンドウタンパク質由来物質としてエンドウタンパク質分解物を用いる場合は、混合工程S11を行う前に、前記したようにしてエンドウタンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質抽出物を酵素処理してエンドウタンパク質分解物を得ておくのが好ましい。
混合工程S11の後には、図1に示すように後処理工程S12を行い、製品化するのが好ましい。後処理工程S12については後述する。
(混合工程)
混合工程S11は、例えば、混合タンクに飲用水、任意添加材料、飲用アルコールなどとともに、エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを投入して混合後液を製造する工程である。混合工程S11で含有させるエンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンの好ましい含有量は前記したとおりであるので、ここでの説明は省略する。
(後処理工程)
後処理工程S12としては、例えば、混合後液のろ過(いわゆる一次ろ過に相当)、混合後液の精密ろ過(いわゆる二次ろ過に相当)、加熱殺菌、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う工程などが挙げられる。
混合工程S11及び後処理工程S12にて行われる各処理は、Ready To Drink(RTD)飲料などを製造するために一般的に用いられている設備にて行うことができる。
(アルコール発酵を行う製造方法)
他の実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、アルコール発酵を行って前記した本発明に係る発泡性アルコール飲料を製造する方法である。つまり、前記した発泡性発酵アルコール飲料や発泡性発酵ビールテイストアルコール飲料を製造するための製造方法である。図2は、本発明の他の実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法を説明するフローチャートである。
図2に示すように、本実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、発酵前工程S21と、発酵工程S22と、アルコール発酵を行った後の発酵後工程S23と、を含む。
(発酵前工程)
発酵前工程S21は、アルコール発酵を行う前の工程である。発酵前工程S21では、具体的には、アルコール発酵させる発酵前液を調製する。また、エンドウタンパク質由来物質としてエンドウタンパク質を用いる場合は、発酵前工程S21を行う前に、前記したようにしてエンドウタンパク質を酸性条件にて沈殿させて、エンドウタンパク質抽出物としておくのが好ましい。なお、市販されているエンドウタンパク質抽出物は既に酸性条件にて沈殿させて得られているので、かかる操作を行う必要はない。また、発酵前工程S21を行う前に、エンドウタンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質抽出物を酵素処理してエンドウタンパク質分解物を得ておくのが好ましい(図2において図示せず。)。
発酵前液は、例えば、麦の使用比率100%のビールを製造する場合の1/20以下に制限して調製したものを用いることができる。また、発酵前液は、麦の使用比率100%にて調製したものを用いることができる。いずれによっても、麦の使用比率を5%以下とすることができる。ただし、後者の場合は、後記する発酵工程S22中、又は発酵工程S22にてアルコール発酵させた発酵後液の濃度が1/20以下となるように希釈するとよい。なお、これらのようにすると、麦由来のエキス分を0.2g/100cm3以下とすることができる。
(発酵工程)
発酵工程S22は、発酵前液を所定の条件でアルコール発酵させる工程である。アルコール発酵の条件は、例えば、ビールやビールテイスト飲料を製造する際に行われる一般的な条件とすればよい。
(発酵後工程)
発酵後工程S23は、アルコール発酵を行った後の工程である。発酵後工程S23では、例えば、発酵後液のろ過(いわゆる一次ろ過に相当)、発酵後液の精密ろ過(いわゆる二次ろ過に相当)、加熱殺菌、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法においては、発酵前工程S21、発酵工程S22、及び発酵後工程S23のうちの少なくとも1つの工程で、エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンをそれぞれ好ましくは前記した含有量にて含有させることができる。
発酵前工程S21から発酵後工程S23において行われる各処理は、発泡性発酵ビールテイストアルコール飲料を含む発泡性発酵アルコール飲料を製造するために一般的に用いられている設備にて行うことができる。
なお、発酵後液のアルコール度数が1%未満である場合は、前記したように飲用アルコールを添加してアルコール度数を1〜8%に調整するとよい。また、発酵後液のアルコール度数が8%を超える場合はそのまま製品化することもできるが、8%以下にしたい場合は、飲用水又は炭酸ガス含有水で希釈するとよい。
さらに、製造した発泡性アルコール飲料の発泡性が所望の値(例えば、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2))に満たない場合は、発酵後液に炭酸ガス含有水を加えたり、カーボネーションを行ったりするなどして所望の発泡性を有するようにしてもよい。
以上、アルコール発酵を行わない場合とアルコール発酵を行う場合とに分けて本発明に係る発泡性アルコール飲料の製造方法について説明した。これらの製造方法によれば、いずれによっても前記した本実施形態に係る発泡性アルコール飲料を製造することができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明に係る発泡性アルコール飲料及びその製造方法について具体的に説明する。
市販のビール(麦芽使用比率100%、アルコール度数5%、プリン体約11mg/100mL、麦由来のエキス分4g/100cm3)と、炭酸ガス含有水と、飲用アルコールと、エンドウタンパク質抽出物と、エンドウタンパク質分解物と、キラヤサポニンと、を用いて表1〜7に記載の発泡性アルコール飲料に係るサンプルCS1〜7−5を用意した。なお、表1〜7には、エンドウタンパク質抽出物を単に「抽出物」と表記し、エンドウタンパク質分解物を単に「分解物」と表記した。
サンプルの作製にあたり、エンドウタンパク質抽出物は、オルガノローディアフード社製エンドウタンパクを用いた。
エンドウタンパク質分解物は、前記エンドウタンパク質抽出物を枯草菌由来のエンド型中性プロテアーゼにて酵素処理して得た。なお、酵素処理の条件は、エンドウタンパク質抽出物に対する使用量を0.1%、反応温度を55℃、反応時間を3時間、反応pHを5.0〜8.0とする条件にて行った。そして、このようにして得られた酵素分解物を活性炭処理し、スプレードライすることにより粉末化し、粉末状のエンドウタンパク質分解物を得た。
キラヤサポニンは、丸善製薬株式会社製キラヤニンC−100を用いた。
なお、サンプルはいずれも前記市販のビールの量が1/20となるように希釈した(20倍希釈とした)。従って、サンプルはいずれも麦芽使用比率5%、プリン体約0.55mg/100mL、麦由来のエキス分0.2g/100cm3である。
表1〜7に示すように、各サンプルとも飲用アルコールを4.75%分添加して、アルコール度数を5%に調整した。
サンプルのガス圧は全て約0.235MPaであった。
用意したサンプルCS1〜7−5の泡持ちを評価した。泡持ちの評価は、欧州醸造協会(European Brewery Convention;EBC)において公定法とされるNIBEM法に準じてNIBEM値(sec)を測定した。
表1〜7に、サンプルCS1〜7−5の成分を示すとともに、泡持ちの評価(NIBEM値(sec))を示す。なお、表1〜7には、条件、結果及び検討を容易とするために、条件が重なるサンプルを重複して記載している。
また、NIBEM値が50未満のものはNIBEM法で測定することができない。そのため、NIBEM値が50未満のサンプルに関しては、表1〜7において「測定不能」と示した。
表1〜7に示すコントロールサンプル(表1〜7に示すCS1〜CS7がこれに該当する。)は、いずれも前記した市販のビールを5%含有し(従って、この分のアルコール度数は0.25%となる。)、原料用アルコールを4.75%分添加してアルコール度数を5%となるようにしたものであり、いずれも同じ組成のものであるが、各表中における対比を行い易くするため、各表において前記したようにCS1〜CS7として示した。
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はじめに、表1に示すサンプル1−1〜1−9と、表2に示すサンプル2−1〜2−9と、を対比すると、いずれもエンドウタンパク質抽出物、又はエンドウタンパク質分解物を含まない対照サンプル(CS1、CS2)ではNIBEM値が測定不能であるのに対して、エンドウタンパク質抽出物、又はエンドウタンパク質分解物を1ppm以上含む場合、NIBEM値が向上することが確認された。
また、サンプル1−1〜1−8、サンプル2−1〜2−6の結果から、エンドウタンパク質抽出物1〜200ppm、又はエンドウタンパク質分解物1〜50ppmの範囲では先に述べたとおり一定のNIBEM値の向上効果を有するものの、添加量に応じた増加効果は発揮されず、サンプル1−8〜1−9、サンプル2−6〜2−9を対比するとエンドウタンパク質抽出物200〜500ppm、又はエンドウタンパク質分解物50〜500ppmの範囲では濃度が増すに従ってNIBEM値がさらに向上することが確認された。
ここで、表7のサンプルについて説明する。表7のサンプル7−1に示すように、キラヤサポニンのみを1ppmという低濃度で含有する場合、NIBEM値は測定不能であった。しかし、サンプル7−2〜7−5に示すように、キラヤサポニンの含有量が5ppmを超えると、その強い界面活性作用により、含有量が高くなるにつれてNIBEM値が高くなることが確認された。これは、キラヤサポニンの界面活性作用が直接的に影響しているものと考えられる。なお、サンプル7−5は、NIBEM値が非常に高く、泡持ちは良かったが、味にえぐ味、渋味が非常に目立ち、香味の評価が著しく劣っていた。
次いで、表1に示すサンプル1−1〜1−9と、表3に示すサンプル3−1〜3−7と、を対比すると、エンドウタンパク質抽出物の含有量は同じでも、キラヤサポニン10ppmを含有する表3に示すサンプルの方が、総じてNIBEM値が高い傾向にあることが確認された。また、サンプル3−1と表7に示すサンプル7−3との比較からエンドウタンパク質抽出物の添加量が1ppmであっても、キラヤサポニン10ppmのみの場合と比べてNIBEM値が向上していることが確認された。
また、表2に示すサンプル2−1〜2−9と、表4に示すサンプル4−1〜4−9と、を対比すると、エンドウタンパク質分解物の含有量は同じでも、キラヤサポニン10ppmを含有する表4に示すサンプルの方が、総じてNIBEM値が高い傾向にあることが確認された。また、サンプル4−1と表7に示すサンプル7−3との比較からエンドウタンパク質分解物の添加量が1ppmであっても、キラヤサポニン10ppmのみの場合と比べてNIBEM値が向上していることが確認された。
そして、表3に示すサンプル3−1〜3−7と、表4に示すサンプル4−1〜4−9は、いずれもNIBEM値が非常に高いことが確認された。また、これらを対比すると、キラヤサポニンの含有量が10ppmの場合、エンドウタンパク質抽出物及びエンドウタンパク質分解物の含有量が1〜5ppmの範囲においても131〜142という非常に高いNIBEM値が得られることが確認された。
また、表5のサンプル5−1〜5−6を対比すると、エンドウタンパク質分解物が50ppmの場合、キラヤサポニンは1ppmではNIBEM値の向上効果を示さず、5ppm以上でNIBEM値の向上効果を示すことが確認された。さらに、サンプル5−5と5−6の対比では、キラヤサポニンの増加に応じたNIBEM値の向上効果は示されず、エンドウタンパク質分解物とキラヤサポニンの組み合わせの場合、より低い濃度とより低い濃度の組み合わせが効果的であることが確認された。
さらに、表6のサンプル6−1〜6−8を対比すると、エンドウタンパク質分解物が5ppmの場合、キラヤサポニンは1〜2ppmではNIBEM値の向上効果を示さず、3ppm以上でNIBEM値の向上効果を示すことが確認された。これは、従来では考えられないほどエンドウタンパク質の含有量を少なくしても良好な泡持ちが得られることを意味するとともに、エンドウタンパク質の含有量を低減することにより、その分、プリン体を低減できることを意味するものである。また、この知見から、原材料をより少なくし、コストダウンを図ることができることが分かった。
以上をまとめると、表1〜7(特に、表3〜6)に示すように、エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有することにより、泡持ちを向上させることができることが分かった。また、エンドウタンパク質由来物質の含有量は1〜200ppmとするのが好ましいこと、及びキラヤサポニンの含有量は3〜50ppmとするのが好ましいことも確認できた。さらに、表3の3−1〜3−4(特に、3−1〜3−3)、表4の4−1〜4−4(特に、4−1〜4−3)、及び、表6の6−1〜6−8に示すように、エンドウタンパク質由来物質の使用量を少なくした場合であっても泡持ちが良く、また、エンドウタンパク質の含有量を低減していることから、その分、プリン体を低減することが可能であることが分かる。
S11 混合工程
S12 後処理工程
S21 発酵前工程
S22 発酵工程
S23 発酵後工程

Claims (13)

  1. エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有することを特徴とする発泡性アルコール飲料。
  2. 発酵原料として用いる麦の使用比率が5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性アルコール飲料。
  3. 前記エンドウタンパク質由来物質の含有量が1〜200ppmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発泡性アルコール飲料。
  4. 前記エンドウタンパク質由来物質が、エンドウタンパク質抽出物及びエンドウタンパク質分解物のうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発泡性アルコール飲料。
  5. 前記キラヤサポニンの含有量が3〜50ppmであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発泡性アルコール飲料。
  6. アルコール度数が1〜8%であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発泡性アルコール飲料。
  7. 請求項1に記載の発泡性アルコール飲料を製造する発泡性アルコール飲料の製造方法であって、
    原料を混合して混合液を製造する混合工程を含み、
    前記混合工程において、エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有させる
    ことを特徴とする発泡性アルコール飲料の製造方法。
  8. 請求項1に記載の発泡性アルコール飲料を製造する発泡性アルコール飲料の製造方法であって、
    アルコール発酵を行う前の発酵前工程と、
    アルコール発酵を行う発酵工程と、
    アルコール発酵を行った後の発酵後工程と、を含み、
    前記発酵前工程、前記発酵工程、及び前記発酵後工程のうちの少なくとも1つの工程で、エンドウタンパク質由来物質及びキラヤサポニンを含有させる
    ことを特徴とする発泡性アルコール飲料の製造方法。
  9. 発酵原料として用いる麦の使用比率を5%以下とすることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
  10. 前記エンドウタンパク質由来物質の含有量が1〜200ppmであることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
  11. 前記エンドウタンパク質由来物質が、エンドウタンパク質抽出物及びエンドウタンパク質分解物のうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
  12. 前記キラヤサポニンの含有量が3〜50ppmであることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
  13. アルコール度数を1〜8%に調整することを特徴とする請求項7から請求項12のいずれか1項に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
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