JP2019118283A - ビールテイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、良好な風味を保ちつつも泡持ちのよいビールテイスト飲料を提供することである。【解決手段】平均分子量が500〜8000のコラーゲンペプチド、炭酸ガス、及び植物由来タンパクを含有し、pH3以上4以下であり、前記コラーゲンペプチドの含有量が1〜280mg/100mLであり、前記植物由来タンパクの総窒素量が0.3〜42mg/100mLである、ビールテイスト飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
ビールテイスト飲料において、泡を長時間保持することは従来からの課題の一つである。一般的に、ビールテイスト飲料には麦などの植物原料が含まれており、植物原料の使用量を増やすことで、飲料の泡持ちを向上できることが知られている。また、泡持ちを向上させる方法として、動物由来のタンパクを含有させる方法も提案されている。
例えば、特許文献1には、ビール製造過程の麦汁を煮込む工程において、麦汁に対してコラーゲンペプチドを添加溶融させることにより、発泡酒における泡の質をより肌理こまやかにし、泡の硬さをより保持し、長時間にわたって泡が消えないようにすることにより、発泡酒の味わいを保持する技術が開示されている。
特開2008−271942号公報
しかしながら、ビールテイスト飲料において、植物原料の使用量を増やすとその原料に由来する香り(特に穀物臭)が飲みやすさを損なうことがある。また、ビールテイスト飲料にコラーゲンペプチドを多量に含有させるとコラーゲンに由来する獣様の匂いや魚類の生臭い匂いがついてしまい、飲料の風味を損ねる場合があることが判明した。また、これらの課題は、特にノンアルコールのビールテイスト飲料において顕著に生じることも判明した。
本発明の課題は、良好な風味を保ちつつも泡持ちのよいビールテイスト飲料を提供することである。
本発明は、平均分子量が500〜8000のコラーゲンペプチド、炭酸ガス、及び植物由来タンパクを含有し、pH3以上4以下であり、前記コラーゲンペプチドの含有量が1〜280mg/100mLであり、前記植物由来タンパクの含有量が0.3〜42mg/100mLである、ビールテイスト飲料に関する。
本発明によれば、良好な風味を保ちつつも泡持ちのよいビールテイスト飲料を提供することができる。
本発明者らが前記課題について検討したところ、特定量のコラーゲンペプチドと特定量の植物由来タンパクを併用することで、良好な風味を保ちつつも泡持ちのよいビールテイスト飲料が得られることが分かった。このメカニズムは定かではないが、原料に由来するタンパクなどの相互作用によるためと推定される。
本発明のビールテイスト飲料は、コラーゲンペプチド、炭酸ガス、及び植物由来タンパクを含有するものであり、pH3以上4以下である。
本発明におけるコラーゲンペプチドは、平均分子量が8000以下となるように加水分解処理されたコラーゲンペプチドである。単なるコラーゲンでなくコラーゲンペプチドとすることによって、経口で摂取したときの体内への吸収性が高くなるため、飲料に関する本発明においてはコラーゲンペプチドを使用する。コラーゲンペプチドの平均分子量は、経口で摂取したときの体内への吸収性を高める観点から、上限は8000以下であり、好ましくは7000以下であり、より好ましくは6000以下であり、更に好ましくは5500以下である。また、下限は特に限定されるものではないが500以上、1000以上、1500以上、2000以上などとすることができる。これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。
本明細書において、コラーゲンペプチドの平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:ポリエチレングリコール(PEG)標準)にて測定した値を意味するが、市販品の場合には、供給元から提供される製品情報に従えばよい。GPCでの平均分子量は、あらかじめ分子量が既知で異なるポリエチレングリコール(PEG)数種を同条件で測定して得られたリテンションタイムと分子量の関係の検量線を元に算出する。本発明における平均分子量とは、この手法に従ってPEG換算で算出した重量平均分子量を言う。
本発明で使用するコラーゲンペプチドは、ゼラチンを酵素や酸などによって加水分解して得ることができる。コラーゲンペプチドは、グリシンやヒドロキシプロリンを多く含むタンパク質であり、市販品としても入手可能である。コラーゲンとしては、哺乳類のコラーゲン組織から抽出したコラーゲンであっても、魚類のコラーゲン組織から抽出したコラーゲンであっても、特に限定されるものではない。商品イメージや安全性等の観点から、魚類由来のコラーゲンであることが好ましい。魚類由来のコラーゲンの原料としては、海水魚であっても淡水魚であってもよく、マグロ(キハダ)、サメ、タラ、ヒラメ、カレイ、タイ、テラピア、サケ、ナマズ等の皮が挙げられる。これらの魚類由来のコラーゲンは、魚類の鱗や皮から抽出したものである。哺乳類由来のコラーゲンの原料としては、ブタ、牛などが挙げられる。
本発明のビールテイスト飲料中のコラーゲンペプチドの含有量は、泡持ちの観点から、1mg/100mL以上であり、13mg/100mL以上が好ましく、156mg/100mL以上がより好ましく、風味を保持する観点から、280mg/100mL以下であり、250mg/100mL以下が好ましく、200mg/100mL以下がより好ましい。コラーゲンペプチドの含有量は一般財団法人・日本食品分析センターで分析することもでき、これによりコラーゲンペプチドの濃度を測定することもできる。
本発明のビールテイスト飲料中のコラーゲンペプチドの総窒素量は、泡持ちの観点から、0.1mg/100mL以上が好ましく、0.5mg/100mL以上がより好ましく、25mg/100mL以上が更に好ましく、風味を保持する観点から、50mg/100mL以下が好ましく、40mg/100mL以下がより好ましく、30mg/100mL以下が更に好ましい。コラーゲンペプチドの総窒素量は、コラーゲンペプチドの濃度から算出することができる。また、コラーゲンペプチドの濃度は、下記のコラーゲンペプチドに由来するヒドロキシプロリン濃度から推定することが可能である。
本発明のビールテイスト飲料には、ヒドロキシプロリンが含まれる。ヒドロキシプロリンはコラーゲンに特徴的なアミノ酸であり、本発明においては、コラーゲンペプチドに由来するものであることが好ましいが、他のタンパク質由来のものが含まれていてもよい。ヒドロキシプロリンの含有量は、様々な手法で測定することができる。一例として、Nayama,Shibata,Ohtuki,Saitoの方法(藤本大三郎、永井裕(1985)、コラーゲン実験法、pp.51−56、講談社)に準じて測定することができる。また、一般財団法人・日本食品分析センターに委託して測定することもできる。本発明のビールテイスト飲料におけるヒドロキシプロリンの含有量としては、0.1mg/100mL以上が好ましく、1mg/100mL以上がより好ましく、16mg/100mL以上が更に好ましい。また、30mg/100mL以下が好ましく、25mg/100mL以下がより好ましく、20mg/100mL以下が更に好ましい。
本発明のビールテイスト飲料の炭酸ガス濃度は、0.4w/w%以上であることが好ましい。また、炭酸ガス濃度が高くなるにつれて刺激が強くなり先味に抑揚がつくため、炭酸ガス濃度としては、0.40〜0.60w/w%であることが好ましく、0.45〜0.55w/w%であることがより好ましく、0.48〜0.52w/w%であることが更に好ましい。
ガス濃度は当業者に良く知られている標準的な手法で測定することが出来る。測定には、従来技術の自動測定装置を用いても良い。例えば、ガスボリューム測定装置 GVA−500A(京都電子工業社)を用いることができる。ビールテイスト飲料中のガス含有量は、通常、重量%(w/w%またはg/kg)で表すほか、20℃におけるガス圧(kgf/cmまたはMPa)で表すことができる。炭酸ガスの濃度とガス圧は適宜換算可能である。本明細書中では特に断らない限り、炭酸ガス含有量を濃度(w/w%)で示す。
本発明のビールテイスト飲料中のタンパクは、コラーゲンペプチド由来のタンパクとそれ以外のタンパクに分類され、本明細書においては便宜上、コラーゲンペプチド由来のタンパク以外のタンパクを植物由来タンパクとして扱う。本発明における植物由来タンパクとしては、特に限定されるものではなく、ビールテイスト飲料の製造において公知の植物性タンパクなどを使用することができる。例えば、麦、麦芽、とうもろこし、大豆、エンドウなどに由来するものが挙げられる。また、これらのタンパク分解物も植物由来タンパクに含まれる。また、酵母エキスなどを添加した場合における、酵母由来のタンパクについても植物由来タンパクに含める。
本発明のビールテイスト飲料中の植物由来タンパクの総窒素量は、泡持ちの観点から、0.3mg/100mL以上であり、0.5mg/100mL以上が好ましく、2mg/100mL以上がより好ましく、風味を保持する観点から、42mg/100mL以下であり、40mg/100mL以下が好ましく、20mg/100mL以下がより好ましい。植物由来タンパクの総窒素量は、ビールテイスト飲料の総窒素量からコラーゲンペプチドの総窒素量を引いた量である。ここで、「ビールテイスト飲料の総窒素量(T−N)」とは、飲料全体に含まれる窒素の総量を意味し、「改訂 BCOJビール分析法 8.9.2 燃焼法(改良デュマ法)、ビール酒造組合国際技術委員会(分析委員会)編 2013年増補改訂、財団法人 日本醸造協会」に記載の方法によって測定することができる。
本発明のビールテイスト飲料におけるコラーゲンペプチドの総窒素量と植物由来タンパクの総窒素量の比(コラーゲンペプチド/植物由来タンパク)は、香味の観点から、0.0025〜100が好ましく、0.05〜50がより好ましく、0.25〜25が更に好ましく、1〜13が更にこのましい。
本発明のビールテイスト飲料は、酸味料をさらに含有することができる。酸味料としては、クエン酸、乳酸、リン酸、及びリンゴ酸からなる群より選ばれる1種以上の酸を用いることが好ましい。また、本発明においては、前記酸以外の酸として、コハク酸、酒石酸、フマル酸および氷酢酸等も用いることができる。これらは食品に添加することが認められているものであれば制限なく用いることができる。本発明においては、まろやかな酸味を適切に付与する観点から乳酸と、やや刺激感のある酸味を適切に付与する観点からリン酸との組み合わせを用いることが好ましい。
本発明のビールテイスト飲料中の酸味料の含有量は、特に限定されるものではないが、クエン酸換算で、400〜7000ppmなどとすることができる。酸を複数用いる場合は、合計含有量を意味する。なお、本明細書において、クエン酸換算量とは、クエン酸の酸味度を基準として各酸味料の酸味度から換算される量のことであり、例えば、乳酸100ppmに相当するクエン酸換算量は120ppm、リン酸100ppmに相当するクエン酸換算量は200ppm、リンゴ酸100ppmに相当するクエン酸換算量は125ppmとして換算する。
本発明のビールテイスト飲料の総窒素量は、泡持ちの観点から、0.6mg/100mL以上が好ましく、2mg/100mL以上がより好ましく、27mg/100mL以上が更に好ましく、風味を保持する観点から、90mg/100mL以下が好ましく、70mg/100mL以下がより好ましく、65mg/100mL以下が更に好ましい。ビールテイスト飲料の総窒素量の測定法は前記したとおりである。
本発明のビールテイスト飲料のNIBEMは、泡持ちの観点から、120以上が好ましく、130以上がより好ましく、140以上が更に好ましい。NIBEM値は、注がれた泡の崩壊速度を電気伝導度で測定したものであり、ビール等の泡持ち評価に一般的に用いられているものである。ビール様発泡性飲料のNIBEM値は、EBC(European Brewery Convention)のAnalytica−EBC標準法、又はこれに準じた方法により測定できる。
本発明に係るビールテイスト飲料は、コラーゲンペプチド及び植物由来タンパクを用いる以外は、一般的なビールテイスト飲料と同様にして製造できる。以下に、一般的なビールテイスト飲料の製造例を示す。
麦芽を原料として使用して製造されるアルコールを含有するビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。醗酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた醗酵液を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。このとき、前記各工程においてビールテイスト飲料としてより好ましい風味を得るために、脂肪酸エステルや酢酸エチル、酢酸イソアミルといった香気成分の添加を充填までのどの工程で行ってもよい。前記各工程においてコラーゲンペプチド及び植物由来タンパクの添加は、充填までのどの工程で行ってもよいが、成分移行率の観点から、貯酒ろ過前工程において添加することが好ましい。
麦芽を原料として使用せずに製造されるアルコールを含有するビールテイスト飲料は、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。この糖化液の代替として、麦芽以外の原料を用いたエキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。醗酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた醗酵液を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。このとき、前記各工程においてビールテイスト飲料としてより好ましい風味を得るために、脂肪酸エステルや酢酸エチル、酢酸イソアミルといった香気成分の添加を充填までのどの工程で行ってもよい。前記各工程においてコラーゲンペプチド及び植物由来タンパクの添加は、充填までのどの工程で行ってもよいが、成分移行率の観点から、貯酒ろ過前工程において添加することが好ましい。
麦芽を原料として使用して製造されるノンアルコールビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。煮沸後、得られた麦汁を濾過し、得られた濾過液に酸味料及びイソα酸として市販品を用いる場合は市販のイソα酸を加えた後、炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。コラーゲンペプチド及び植物由来タンパクは、充填までのどのタイミングで混合させてもよいが、成分移行率の観点から、貯酒ろ過前工程において添加することが好ましい。
麦芽を原料として使用しないノンアルコールビールテイスト飲料を製造する場合には、まず、炭素源を含有する液糖や、必要に応じて食物繊維、酵母エキス等のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に該液糖溶液に混合してもよい。煮沸後の液糖溶液に対して、酸味料及びイソα酸として市販品を用いる場合は市販のイソα酸を加えた後、炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。コラーゲンペプチド及び植物由来タンパクは、充填までのどのタイミングで混合させてもよいが、成分移行率の観点から、貯酒ろ過前工程において添加することが好ましい。
コラーゲンペプチドがボディやコクを与えるため、爽快なビールテイスト飲料にするには、エキス分の総量が所定の範囲内であることが好ましい。本明細書における「エキス分の量」は、飲料のアルコール度数が0.005%以上の場合、日本の酒税法におけるエキス分、すなわち、温度15度の時において原容量100立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数をいい、アルコール度数が0.005%未満の飲料においては、脱ガスしたサンプルをビール酒造組合国際技術委員会(BCOJ)が定める「ビール分析法 7.2 エキス」に従い測定したエキス値(重量%)をいう。エキス分全体の内、麦芽等の麦に由来するエキス分の量は、例えば、総エキス分の量を実測で求めた上で、別途求めた添加物や他の原料のエキス分の量を減じることで求めることができる。
本明細書における「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつ炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、ビール風味の炭酸飲料を全て包含するが、好ましくは実質的にノンアルコールタイプのものである。ノンアルコールビールテイスト飲料のアルコール度数は、0.005%以下であり、好ましくは、アルコールを実質的に含まない。ここで、アルコールを実質的に含まない本発明の飲料(ノンアルコール飲料)は、検出できない程度の極く微量のアルコールを含有する飲料を除くものではない。アルコール度数が四捨五入により0.0%となる飲料、中でも、アルコール度数が四捨五入により0.00%となる飲料は、本発明のノンアルコール飲料に包含される。本発明のビールテイスト飲料の種類としては、例えば、ノンアルコールのビールテイスト飲料、ビールテイストの清涼飲料などが含まれる。なお、ここでの「アルコール度数(アルコール含有量)」はエタノールの含有量を意味し、脂肪族アルコールは含まれない。
本発明のビールテイスト飲料のアルコール度数は、飲料中のアルコール分の含有量(v/v%)を意味し、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。アルコール分が1.0%未満の低濃度の場合は、市販のアルコール測定装置や、ガスクロマトグラフィーを用いても良い。
本発明のビールテイスト飲料に、酒感を付与する観点から、脂肪族アルコールを添加してもよい。脂肪族アルコールとしては、公知のものであれば特に制限されない。
(カロリー)
本発明のビールテイスト飲料は、近年の低カロリー嗜好に合わせて、低カロリーであることが望ましい。従って、本発明のビールテイスト飲料のカロリー数は、好ましくは11kcal/100mL以下であり、より好ましくは6kcal/100mL以下であり、さらに好ましくは5kcal/100mL以下である。下限は特に設定されないが、例えば、3kcal/100mL以上とすることができる。
飲料に含まれるカロリー数は、基本的に健康増進法に関連して公表されている「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に従って算出する。すなわち、原則として、定量した各種栄養成分の量に、それぞれの成分のエネルギー換算係数(タンパク質:4kcal/g、脂質:9kcal/g、糖質:4kcal/g、食物繊維:2kcal/g、アルコール:7kcal/g、有機酸:3kcal/g)を乗じたものの総和として算出することができる。詳細は、「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」を参照されたい。
飲料に含まれる各栄養成分量の具体的な測定手法は、健康増進法「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に記載の各種分析法に従えばよい。または、財団法人 日本食品分析センターに依頼すれば、このような熱量及び/又は各栄養成分量を知ることができる。
(糖質)
本発明でいう糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、アルコール分及び水分を除いたものをいう。また、食品中の糖質の量は、当該食品の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量を控除することにより算定される。この場合に、大豆タンパク分解物に由来するタンパク質以外のタンパク質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定する。具体的には、タンパク質の量は窒素定量換算法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法またはレーゼゴットリーブ法で測定し、食物繊維の量は高速液体クロマトグラフ法またはプロスキー法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法または硫酸添加灰化法で測定し、水分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧過熱乾燥法、常圧加熱乾燥法またはプラスチックフィルム法で測定する。
本発明のビールテイスト飲料は、近年の低糖質嗜好に合わせて、低糖質であることが望ましい。従って、本発明のビールテイスト飲料の糖質の含有量は、好ましくは0.5g/100mL以下、より好ましくは0.4g/100mL以下である。また、下限は特に設定されないが、通常、0.1g/100mL程度であり、例えば、0.15g/100mL以上であっても、0.2g/100mL以上であってもよい。
(ホップ)
本発明のビールテイスト飲料においては、原料の一部にホップを用いることができる。香味がビールに類似する傾向にあることから、原料の一部にホップを用いることが望ましい。ホップを使用する際には、ビール等の製造に使用される通常のペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキスを、所望の香味に応じて適宜選択して使用することができる。また、イソ化ホップ、還元ホップなどのホップ加工品を用いてもよい。本発明におけるホップには、これらのものが包含される。また、ホップの添加量は特に限定されないが、典型的には、飲料全量に対して0.0001〜1重量%程度である。
(その他の原料)
本発明では、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、その他の原料を用いてもよい。例えば、苦味料、甘味料(高甘味度甘味料を含む)、香料、難消化性デキストリンなどの食物繊維、酵母エキス、カラメル色素などの着色料、大豆サポニンやキラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、アミノ酸などの調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤を、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて用いることができる。
かくして本発明のビールテイスト飲料が得られる。本発明のビールテイスト飲料のpHはpH3以上4以下であればよいが、好ましくはpH3.0以上、より好ましくはpH3.3以上である。また、好ましくはpH4.0以下、より好ましくはpH3.7以下である。
(容器詰飲料)
本発明のビールテイスト飲料は、容器詰めとすることができる。容器の形態は何ら制限されず、ビン、缶、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、容器入り飲料とすることができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
<ビールテイスト飲料の製造>
実施例1〜16、比較例1〜7
表1〜3に示すビールテイスト飲料を下記のように調製した。
表1〜3に記載の植物由来タンパクの総窒素量となるように麦汁および/又は大豆タンパク分解物(不二製油株式会社製、製品名:ハイニュートAM)を加えた温水に、ホップを加えて20分間煮沸して100Lの液糖溶液を得た。得られた液糖溶液に、表1〜3に記載の含有量となるようにコラーゲンペプチドを加えた。いずれのサンプルも、酸化防止剤、香料、必要によりカラメル色素を適量加え、それぞれ表1〜3に記載のpHとなるように酸味料を添加した後、市販のイソα酸(JOHN I. HAAS,INC.製、製品名:ISOHOP)を、飲料濃度が表1〜3に記載の含有量となるように添加して約24時間貯蔵した。その間、炭酸ガスを表1〜3に記載の含有量となるように添加した。その後、濾過・瓶詰め・殺菌(65℃以上で10分間加熱)の工程を経て、ノンアルコールのビールテイスト飲料を得た。
用いたコラーゲンペプチドは以下の通りである。
平均分子量 600:新田ゼラチン株式会社製、製品名:コラペプPU
平均分子量5100:新田ゼラチン株式会社製、製品名:SCP5100
平均分子量7500:新田ゼラチン株式会社製、特注品
<泡持ちの評価>
得られたビールテイスト飲料のNIBEMを測定した。数値が高いほど泡持ちがよいことを示す。結果を表1〜3に示す。なお、比較例1では泡が発生しなかったため、測定できない。
<香味の評価>
得られたビールテイスト飲料の香味について、評点法による官能試験によって評価した。専門パネリスト6名が、ビール様の香味について、口に含んで約0〜0.5秒後の先味前半の香味バランス、約0.5〜1秒後の先味後半の香味バランス、更に、総合評価として、5点満点で評価した。「非常によい」=5点、「よい」=4点、「ふつう」=3点、「やや劣る」=2点、「劣る」=1点として、評価点の平均点を算出した。平均点が2.5点以上であれば製品としては問題なく、3.0点以上であることが好ましい。結果を表1〜3に示す。
Figure 2019118283
Figure 2019118283
Figure 2019118283
実施例1〜16と比較例1〜7とを対比すると、所定量のコラーゲンペプチド、炭酸ガス、及び所定量の植物由来タンパクを含有し、かつpH3以上4以下のビールテイスト飲料は、優れた香味評価と泡持ち評価が得られ、両立できることがわかる。一方、炭酸ガスを含まない比較例1、pHが3より低い(pH2.65)比較例2、コラーゲンペプチドを含まない比較例3、コラーゲンペプチドの含有量が微量(0.5mg/100mL)の比較例4、コラーゲンペプチドの含有量が多すぎる(331mg/100mL)比較例5、植物由来タンパクの総窒素量が微量(0.1mg/100mL)の比較例6、植物由来タンパクの総窒素量が多すぎる(45mg/100mL)比較例7では、香味評価に劣る結果であり、また、泡持ち評価が十分でないものもあった。
本発明のビールテイスト飲料は、酸味と苦味のバランスのよい先味を有し、かつ泡持ちがよいものであり、嗜好品として新たなテイストを提供できる。

Claims (5)

  1. 平均分子量が500〜8000のコラーゲンペプチド、炭酸ガス、及び植物由来タンパクを含有し、pH3以上4以下であり、前記コラーゲンペプチドの含有量が1〜280mg/100mLであり、前記植物由来タンパクの総窒素量が0.3〜42mg/100mLである、ビールテイスト飲料。
  2. ヒドロキシプロリンを含有し、その含有量が0.1〜30mg/100mLである、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 前記ヒドロキシプロリンが前記コラーゲンペプチドに由来するものを含む、請求項2に記載のビールテイスト飲料。
  4. NIBEMが120以上である、請求項1〜3いずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
  5. ビールテイスト飲料の総窒素量が0.6〜90mg/100mLである、請求項1〜4いずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
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