JP2015108846A - セルロースエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
法、偏光板及び表示装置に関するものである。
に、薄型化が可能であることから、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等の表示
装置として広く採用されている。この液晶表示装置は、基本的な構成は、例えば液晶セル
の両側に偏光板を設けたものである。
ツイステッドネマティック(TN)を用いた液晶表示装置からツイスト角が160度以上
のスーパーツイステッドネマティック(STN)を用いた液晶表示装置などが提案されて
きている。
の設計、駆動方式あるいは様々な光学補償フィルムを用いた方法等が提案されており、こ
れらに用いられる光学フィルムへの要求はますます厳しくなってきている。
優れており広く用いられている。しかしながら、液晶セルを設計する上で、より光学的等
方性に優れた光学フィルムが求められていた。特に面内方向だけでなく膜厚方向について
もより光学的等方性に優れた光学フィルムが求められているのである。
テルフィルムを提供することであり、そのセルロースエステルフィルムの製造方法、表示
装置用偏光板及び表示装置を提供することにある。
リタデーションRtが10nm未満であることを特徴とするセルロースエステルフィルム
。
S=(Nx+Ny)/2−Nz
Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
式中、Nxはセルロースエステルフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Nyは遅相軸方
向に対し直角な方向のフィルム面内の屈折率、Nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dは
セルロースエステルフィルムの膜厚(nm)を表す。
のセルロースエステルフィルム。
に記載のセルロースエステルフィルム。
1〜3の何れか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
Ro=(Nx−Ny)×d
式中、Nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Nyは遅相軸方向に対し直角な方向
のフィルム面内の屈折率であり、dはフィルムの膜厚(nm)である。
ルロースエステルフィルム。
ロースエステルフィルム。
ロースエステルフィルム。
以上含有することを特徴とする1〜7の何れか1項に記載のセルロースエステルフィルム
。
量%以上含有することを特徴とする8に記載のセルロースエステルフィルム。
を特徴とする8又は9に記載のセルロースエステルフィルム。
であることを特徴とする10に記載のセルロースエステルフィルム。
が20nm以下であり、且つ、見掛け比重が70g/リットル以上であることを特徴とす
る1〜11の何れか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
.85以上3.00以下のセルロースエステルであることを特徴とする1〜12の何れか
1項に記載のセルロースエステルフィルム。
を特徴とする1〜13の何れか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
テルフィルムを貼り合せたことを特徴とする偏光板。
とする表示装置。
ルフィルム、その製造方法、表示装置用偏光板及び表示装置を提供することができた。
スアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート
、またはセルロースアセテートプロピオネートブチレート等が好ましく用いられる。本発
明で用いられるセルロースエステルは置換度が2.85〜3.00であることが面配向度
がより低く維持できるため好ましく、特に2.92〜3.00であることが好ましい。
が出来る。
ストリアセテートが好ましく用いられる。本発明に係るセルロースエステルの数平均分子
量Mnは、70,000〜250,000が、機械的強度に優れ、且つ、適度なドープ粘
度となり好ましく、更に好ましくは、80,000〜150,000である。又、重量平
均分子量Mwとの比Mw/Mnは1.0〜5.0のセルロースエステルが好ましく用いら
れる。
ら合成されたセルロースエステルのどちらかを単独あるいは混合して用いることができる
。ベルトやドラムからの剥離性が良い綿花リンターから合成されたセルロースエステルを
多く使用した方が生産性効率が高く好ましい。綿花リンターから合成されたセルロースエ
ステルの比率が60質量%以上が、剥離性の効果が顕著になるため好ましく、より好まし
くは85質量%以上、更には、単独で使用することが最も好ましい。
ルを溶解でき、かつ、適度な沸点であることが好ましく、例えばメチレンクロライド、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロ
エタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ
−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロ
パノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,
3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン等を挙げることが出来るが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物
、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(即ち
、良溶媒)として挙げられる。
ブ(ドープ膜)から溶媒を乾燥させるときに、ウェブ中の発泡を防止する観点から、用い
られる有機溶媒の沸点としては、30〜80℃が好ましく、例えば、上記記載の良溶媒の
沸点は、メチレンクロライド(沸点40.4℃)、酢酸メチル(沸点56.32℃)、ア
セトン(56.3℃)、酢酸エチル(76.82℃)等である。
用いられ、特にメチレンクロライドが全有機溶媒に対して50質量%以上含まれているこ
とが好ましい。
ることが好ましい。特に好ましくは5〜30質量%で前記アルコールが含まれることが好
ましい。
率が多くなるとウェブ(ドープ膜)がゲル化し、ウェブを丈夫にし流延用支持体から剥離
することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらが割合が少ない時は非塩素
系有機溶媒のセルロースエステルの溶解を促進する役割もある。
、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール
等を挙げることが出来る。
等からエタノールが好ましい。更に、好ましくはメチレンクロライド70〜95質量%に
対してエタノール5〜30質量%を含む溶媒を用いることである。メチレンクロライドの
代わりに酢酸メチルを用いることもできる。
質量%が好ましい。濃度が高すぎると得られるフィルムの表面の平滑性が悪くなる傾向が
あり、濃度が薄すぎると面配向度Sが高くなる傾向があり、0.00001〜0.000
4のフィルムを得ることが困難となる。
発明において、セルロースエステル溶液のことをセルロースエステルドープまたは単にド
ープという。
溶解工程、流延工程、溶媒蒸発工程、剥離工程、乾燥工程及び巻き取り工程からなる。以
下に各々の工程を説明する。
セルロースエステルのフレークに、上記記載の良溶媒を主とする有機溶媒に溶解釜中で
該フレークを攪拌しながら溶解し、ドープを形成する工程である。
20質量%以上であると得られるフィルムの面配向度をより低減できるため好ましい。尚
、本発明でいうドープ中の固形分とは、本発明のセルロースエステルフィルムを製造する
際、乾燥工程で除かれる低沸点溶媒成分を除くドープ中の成分を言うので、ドープ中の固
形分濃度とは、これら乾燥工程後もフィルム中に残存する成分のドープ溶液全体に対する
質量%をさす。
キンなどが生じてフィルム平面性が劣化する場合があるので、35質量%未満であること
が望ましい。
範囲に調整されていることが好ましい。
点以下で行う方法、上記記載の良溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、冷却溶解法で行う
方法、高圧で行う方法等種々の溶解方法等がある。良溶媒の沸点以上の温度で、かつ沸騰
しない圧力をかけて溶解する方法としては、40.4〜120℃で0.11〜1.50M
Paに加圧することで発泡を抑え、かつ、短時間に溶解することができる。
溶剤と貧溶剤を混合して使用することが、生産効率の点で好ましく、更に好ましくは、良
溶剤と貧溶剤の混合比率は良溶剤が70〜95質量%であり、貧溶剤が30〜5質量%で
ある。
るものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。その
ため、セルロースエステルの結合酢酸量によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばア
セトンを溶剤として用いるときには、セルロースエステルの結合酢酸量55%では良溶剤
になり、結合酢酸量60%では貧溶剤となってしまう。
にセルロースエステルを溶解した後、後から残りの貧溶剤を添加する事も出来る。本発明
に用いられる貧溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シク
ロヘキサン等が好ましく用いられる。
95557号に記載の方法を使用することが出来る。また、特開平11−21379号に
記載の高圧溶解方法も好ましく使用出来る。
その際、ドープ中には、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、マット剤、微粒子等
も添加されることがある。
と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
ィルムを得るためには分子内に複数の環状構造を有する化合物をセルロースエステルに対
して10質量%以上含有させることが特に好ましい。好ましくは、15質量%以上含有さ
せることが好ましい。これらの化合物は単独で10質量%以上含有させることが好ましい
が、複数の化合物を添加する場合は添加量全体として10質量%以上であってもよい。
2000以下の化合物であることが好ましい。環状構造に関して、環の大きさについて特
に制限はないが、3〜8個の原子から構成されていることが好ましく、特に6員環及び/
又は5員環であることが好ましい。これらが炭素、酸素、窒素、珪素あるいは他の原子を
含んでいてもよく、環の結合の一部が不飽和結合であってもよく、例えば6員環がベンゼ
ン環、シクロヘキサン環でもよい。本発明の化合物は、このような環状構造が複数含まれ
ているものであり、例えば、ベンゼン環とシクロヘキサン環をどちらも分子内に有してい
たり、2個のシクロヘキサン環を有していたり、ナフタレンの誘導体あるいはアントラセ
ン等の誘導体であってもよい。より好ましくはこのような環状構造を分子内に3個以上含
んでいる化合物であることが好ましい。また、少なくとも環状構造の1つの結合が不飽和
結合を含まないものであることが好ましい。
ルロースエステルに対してガラス転移点Tgの低下が25℃未満である化合物であること
が、面配向度の低減効果の点で好ましく、更にTgの低下が20℃未満であることが好ま
しく、15℃未満であることが特に好ましい。10質量%添加したときにTgの低下が2
0℃未満であると、製膜工程で不要な延伸が抑制され、膜厚が60μm未満の薄膜フィル
ムであっても面内のリタデーションが低くできるため、光学的等方性に優れたフィルムを
得る上でも特に好ましい。
、特に0.1%未満であることが好ましい。
デヒドロアビエチン酸、パラストリン酸、KE−604(荒川化学製)、KE−85(荒
川化学製)、アラルダイドEPN1139(旭チバ(株)製)、アラルダイドGY260
(旭チバ(株)製)等の樹脂オリゴマー等が挙げられる。又、下記(化3)に示すケトン
樹脂、ハイラック110H(日立化成(株)製)、ハイラック111(日立化成(株)製
)等も好ましく用いることが出来る。以下にこれら化合物の化学式を示すが、添加により
面配向度が0.0002以上低下するものであれば、特にこれらに限定されるものではな
い。
ある。
とによって、流延されたセルロースエステルの配向が妨害されるため、面配向度Sを低く
することができるものと考えられる。
と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
剤、マット剤などを添加することが好ましい。
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコー
ル−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−
ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい
。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
、酸化チタン、アルミナ等の無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類
金属の塩などの熱安定剤を加えてもよい。
ドープを加圧型定量ギヤポンプを通して加圧ダイに送液し、流延位置において、無限に
移送する無端の金属ベルトあるいは回転する金属ドラムの流延用支持体(以降、単に支持
体ということもある)上に加圧ダイからドープを流延する工程である。流延用支持体の表
面は鏡面となっている。
ード法、あるいは逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があ
るが、口金部分のスリット形状を調製出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加
圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられる。
て重層してもよい。
本発明は特にベルトを用いた溶液流延法で特に有効である。これは後述のように支持体上
での乾燥条件を細かく調整することが容易であるからである。ベルトは1周40〜150
mの長さのものが好ましく用いられる。
ウェブ(本発明においては、流延用支持体上にドープを流延し、形成されたドープ膜を
ウェブと呼ぶ)を流延用支持体上で加熱し溶媒を蒸発させる工程である。溶媒を蒸発させ
るには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または支持体の裏面から液体により伝熱さ
せる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効
率が好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。
120質量%の範囲にある時間は20秒未満であることが低い面配向度のフィルムを得る
ために好ましい。さらに17秒以下であることが好ましく、さらに15秒以下であること
が好ましい。10秒未満では溶媒の沸騰による気泡が増加する危険があり、細心の注意が
必要となるため、あまり好ましくはない。そのため、特に、10〜15秒であることが好
ましい。流延用支持体上で乾燥されているウェブの残留溶媒量が200質量%から120
質量%の範囲にある時間が短いほど低い面配向度のフィルムを得ることができる。ここで
いう時間は流延用支持体上にウェブがある時間であり、120質量%となる前に支持体か
らウェブを剥離する場合は200質量%から剥離するまでの時間を指す。
いるウェブ(ドープ膜)中の残留溶媒量が200質量%から120質量%の範囲内のとき
に残留溶媒量の減少速度が4〜15質量%/秒となるように乾燥することが特に面配向度
を低減できるため好ましい。さらに残留溶媒量の減少速度が6質量%/秒以上であること
が好ましく、特に6〜8質量%/秒であることが好ましい。この乾燥速度が、残留溶媒量
200質量%から120質量%まで低下するのに要する時間の50%以上の時間で維持さ
れていることが好ましく、特に60%以上の時間で維持されていることが好ましい。
た雰囲気内でウエブを乾燥させる乾燥工程を有し、かつ流延後25〜90秒で剥離するこ
とが特に好ましい。特にウェブの残留溶媒量が200質量%以下のときに平均温度が41
〜100℃に設定された雰囲気内でウエブを乾燥させることが望ましい。
で剥離することである。これによって、得られるフィルムの面配向度を更に低くすること
ができる。41〜100℃の雰囲気下に維持するにはこの温度の温風をウェブ上面にあて
るか赤外線等の手段により加熱することが好ましい。
り温風、温水あるいは赤外線、ヒーター等によって加熱されることが好ましい。ただし、
ウエブ自身の温度は含まれる溶媒の蒸発潜熱により、溶媒の沸点以下の温度に維持されて
いることが望ましい。
5℃以上高い雰囲気(高温乾燥工程)下で乾燥させることが面配向度を低減させるために
特に好ましく、高温乾燥工程は41〜100℃、より好ましくは45〜90℃、更に50
〜80℃で乾燥させることが好ましい。
ることがより好ましく、±0.5℃以内が更に好ましく、±0.1℃以内であることが、
最も好ましい。特に残留溶媒量が200質量%以下を高温乾燥工程として、所定の乾燥速
度とすることが望ましい。いずれにしてもウェブ中で溶媒が沸騰することによる気泡等が
発生しないことが望ましい。
支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で支持体から剥離する工程である。剥離
されたウェブは次工程に送られる。
り、逆に支持体上で充分に乾燥させてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたり
する。
41〜100℃の雰囲気下で支持体上で乾燥されることがより好ましく、同雰囲気下で乾
燥させた後、一度40℃未満の雰囲気下にして剥離することがフィルムの面内リターデー
ションを低く維持し、面品質も向上するため好ましい。
11〜30℃である。得られるフィルムの面配向度及び/又は面内リターデーションR0
を低く維持するため、該剥離位置におけるウェブの残留溶媒量は20〜120質量%が好
ましく、更に好ましくは40〜100質量%であり、特に70〜100質量であることが
好ましい。
残留溶媒量=(ウェブの加熱処理前質量−ウェブの加熱処理後質量)/
(ウェブの加熱処理後質量)×100%
尚、残留溶媒量を測定する際の、加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うこ
とを表す。
制御し、ウェブからの有機溶媒の蒸発を効率的に行えるように、流延用支持体上の剥離位
置における温度を上記記載の温度範囲に設定することが好ましい。支持体温度を制御する
には、伝熱効率のよい伝熱方法を使用するのがよく、例えば、液体による裏面伝熱方法が
好ましい。
体)マシンにおいて、移送するベルトが下側に来た所の温度制御には、緩やかな風でベル
ト温度を調節することが出来る。
が出来、流延用支持体の流延位置、乾燥部、剥離位置等異なる温度とすることが出来る。
げることが出来る)として、残留溶媒が多くとも剥離出来るゲル流延法(ゲルキャスティ
ング)がある。
化する方法、支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。また、ドープ中に金属塩を
加える方法もある。
出来る。
損なったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易く、経済速度と品質との兼ね合いで
剥離残留溶媒量を決められる。支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常196
〜245N/mで剥離が行われるが、セルロースエステルの単位質量あたりの紫外線吸収
剤の含有量が多く、且つ、従来よりも薄膜化されている本発明のセルロースエステルフィ
ルムは、剥離の際にシワが入りやすいため、190N/m以下で剥離することが好ましく
、更には、剥離できる最低張力〜166.6N/m、次いで、最低張力〜137.2N/
mで剥離することが好ましいが、特に好ましくは、最低張力〜100N/mで剥離するこ
とである。剥離張力が低いほど面内リターデーションR0が低く保てるため好ましいだけ
でなく、面配向度が低いフィルムを得るためにも好ましい。面内リターデーションR0は
20nm未満であることが好ましく、更には、10nm未満、次いで、5nm未満である
ことが好ましいが、最も好ましくは0〜1nmである。剥離張力及び搬送張力、後述する
テンターによる幅手方向の収縮あるいは延伸倍率を調整することによって、R0を低く維
持することができる。
王子計測機器(株)製)を用いて、590nmの波長において、三次元屈折率測定を行い
、得られた屈折率Nx、Ny、Nzから算出することができる。又、膜厚方向のリタデー
ション値Rtは20nm未満のものが得られ、更に10nm未満のものが好ましく得られ
、特に0〜8nmのセルロースエステルが好ましく得られる。
方向のリタデーションR0が下記式(II)のPが0.9999を満たす関係にあり、特に
偏光板保護フィルム等の光学フィルムとして好ましく用いられる。特に、Pが0.999
95でR0とθが下記式(II)を満たすことである。
P≦1−sin2(2θ)sin2(πR0/λ)
R0=(Nx−Ny)×d
式中、Nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Nyは遅相軸方向に対し直角な方向
のフィルム面内の屈折率であり、dはフィルムの膜厚(nm)である。θはフィルム面内
の遅相軸方向と製膜方向(フィルムの直尺方向)とのなす角度(ラジアン)、λは上記N
x、Ny、θを求める三次元屈折率測定の際の光の波長590nm、πは円周率である。
ウェブを千鳥状に配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置及び/またはクリッ
プまたはピンでウェブの両端を保持して搬送するテンター装置を用いて巾保持しながら、
ウェブを乾燥する工程である。乾燥工程における搬送張力も可能な範囲で低めに維持する
ことがR0が低く維持できるため好ましく、190N/m以下であることが好ましい。更
に好ましくは170N/m以下であることが好ましく、更に好ましくは140N/m以下
であることが好ましく100〜130N/mであることが特に好ましい。特に、フィルム
中の残留溶媒量が少なくとも5質量%以下となるまで上記搬送張力以下に維持することが
効果的である。
ロウェーブを当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平
面性を損ね易い。高温による乾燥は残留溶媒が8質量%以下くらいから行うのがよい。全
体を通し、乾燥温度は概ね40〜250℃で行われる。特に本発明では残留溶媒が8質量
%以下まで乾燥されたフィルムを115〜200℃で少なくとも5〜60分間維持するこ
とが好ましく、これによって更に面配向度が低減されるのである。より好ましくは120
〜160℃の範囲で5〜60分間維持されることであり、これは乾燥工程の一部を兼ねて
もよい。加熱温度はフィルムのTg以下であることが望ましい。
収縮しようとする。特に高温度で急激に乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮を可能
な限り抑制しながら乾燥することが、出来上がったフィルムの平面性を良好にする上では
好ましい。一方で、剥離後の乾燥工程である程度収縮させるかあるいは延伸する場合は低
い延伸倍率とすることが面配向を低く維持できるため好ましい。
るいは一部の工程を巾方向にクリップまたはピンでウェブの巾両端を巾保持しつつ乾燥さ
せる方法(テンター方式と呼ばれる)、中でも、クリップを用いるテンター方式、ピンを
用いるピンテンター方式が好ましく用いられる。
を小さくできる。テンターを行う場合のウェブの残留溶媒量は、テンター開始時に100
質量%以下であるのが好ましく、且つ、ウェブの残留溶媒量が10質量%以下になるまで
テンターをかけながら乾燥を行う事が好ましく、更に好ましくは5質量%以下である。
ムを更に乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、更に好ましくは、0
.5質量%以下である。
フィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。液晶表示部材用としては、ピンテンタ
ー方式で幅を保持しながら乾燥させることが、寸法安定性を向上させるために好ましい。
特に支持体より剥離した直後の残留溶剤量の多いところで幅保持を行うことが、寸法安定
性向上効果をより発揮するため特に好ましい。フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく
、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行う。簡便さの点で熱風で行うの
が好ましい。
ウェブ中の残留溶媒量が2質量%以下となってからセルロースエステルフィルムとして
巻き取る工程であり、残留溶媒量を0.4質量%以下にすることにより寸法安定性の良好
なフィルムを得ることが出来る。
ン法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等が
あり、それらを使いわければよい。
として、通常5〜500μmの範囲にあり、更に10〜250μmの範囲が好ましく、特
に液晶画像表示装置用フィルムとしては10〜120μmの範囲が用いられる。本発明で
は特に、10〜60μmの膜厚の薄いフィルムであっても、光学的等方性に優れ、特に面
配向度が低いフィルムを得ることができるのである。
のスリット間隙、ダイの押し出し圧力、流延用支持体の速度等をコントロールするのがよ
い。
ドバック情報を上記各装置にフィードバックさせて調節するのが好ましい。溶液流延製膜
法を通しての流延直後から乾燥までの工程において、乾燥装置内の雰囲気を、空気とする
のもよいが、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気で行ってもよい。
とは勿論のことである。
酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル、クエン酸エステル、グリコレート系可塑剤等の
可塑剤が好ましく用いられるが、特にこれらのみに限定されるわけではない。
レジルホスフェート(TCP)、ビフェニル−ジフェニルホスフェート、ジメチルエチル
ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジ
フェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート
等が挙げられる。
表的なものである。フタル酸エステルの例としては、ジメチルフタレート(DMP)、ジ
エチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(
DOP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)、エチルフタリルエチルグリコ
レート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等が用
いられる。
びクエン酸アセチルトリブチル(OACTB)が用いられる。
ル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。トリアセチン、ト
リブチリン等を用いることもできる。これらの可塑剤は単独で使用しても2種以上を適宜
組み合わせて使用してもよい。
して1〜35質量%が好ましく、特に好ましくは、5〜30質量%である。
で、加工性が悪いと切断面がノコギリ状になり切り屑が発生し、製品に付着して欠陥とな
るため好ましくない。
表示用部材等に使用されるが、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤
が好ましく用いられる。
表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられ
る。具体的には380nmの透過率が10%未満であることが好ましく、特に5%未満で
あることがより好ましい。
ノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェ
ノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。
又、特開平6−148430号記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
しく用いられる。
ゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコ
キシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ又
はジアルキルアミノ基、アシルアミノ基又は5〜6員の複素環基を表し、R4はR5と共
に5〜6員の炭素環を形成してもよい。
。UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフ
タルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル
)−4−メチルフェノール(TINUVIN171、Ciba製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−
3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN109、Cib
a製)
また本発明に係る紫外線吸収剤のひとつであるベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下
記一般式〔2〕で表される化合物が好ましく用いられる。
、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を
有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアル
キル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、又は−CO(NH)n−1−D
基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表
す。m及びnは1または2を表す。
族基を表し、アルコキシル基としては例えば、炭素数18までのアルコキシル基で、アル
ケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基で例えばアリル基、2−ブテニ
ル基などを表す。又、アルキル基、アルケニル基、フェニル基への置換分としてはハロゲ
ン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子など、ヒドロキシル基、フェニル基、
(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子などを置換していてもよい)などが
挙げられる。
れらに限定されない。
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶
素子の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫
外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特
に好ましく用いられる。
。
紫外線吸収剤添加液の調製方法としては、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソ
ランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤を溶解してから直接ドープ組成中に添加する。
紫外線吸収剤添加液の調製方法としては、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソ
ランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤と少量のセルロースエステルを溶解してからインライ
ンミキサーでドープに添加する。
、生産性に優れていて好ましい。
ルロースエステルフィルム1m2当り、0.2〜2.0gが好ましく、0.4〜1.5g
がさらに好ましく、0.6〜1.0gが特に好ましい。
とができる。微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられ
る。
ニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和
ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が
好ましく、更に好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セル
ロースエステル積層フィルムの濁度を低減できるので、二酸化珪素が特に好ましく用いら
れる。
R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエ
ロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
ーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び
同240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
ヘイズを低く抑えるという観点から、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5〜1
6nmであり、特に好ましくは、5〜12nmである。これらの微粒子は0.1〜5μm
の粒径の2次粒子を形成してセルロースエステルフィルムに含まれることが好ましく、好
ましい平均粒径は0.1〜2μmであり、更に好ましくは0.2〜0.6μmである。こ
れにより、フィルム表面に高さ0.1〜1.0μm程度の凹凸を形成し、これによってフ
ィルム表面に適切な滑り性を与えることが出来る。
0万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、その平均値をもって、1次平均粒
子径とした。
0〜200g/リットルであり、特に好ましくは、100〜200g/リットルである。
見掛比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化す
るため好ましく、また、本発明のように固形分濃度の高いドープを調製する際には、特に
好ましく用いられる。
子は、例えば、気化させた四塩化珪素と水素を混合させたものを1000〜1200℃に
て空気中で燃焼させることで得ることができる。また例えばアエロジル200V、アエロ
ジルR972V(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、それらを使
用することができる。
を測定し、下記式で算出したものである。
本発明に係る微粒子の分散液を調製する方法としては、例えば以下に示すような3種類
が挙げられる。
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。微
粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。別
に溶剤に少量のセルローストリアセテートを加え、撹拌溶解する。これに前記微粒子分散
液を加えて撹拌する。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーで
ドープ液と十分混合する。
溶剤に少量のセルローストリアセテートを加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加えて
分散機で分散を行う。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーで
ドープ液と十分混合する。
集しにくい点で優れている。中でも、上記記載の調製方法Bは二酸化珪素微粒子の分散性
と、二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい等、両方に優れている好ましい調製方法である。
二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質
量%が好ましく、10〜25質量%がさらに好ましく、15〜20質量%が最も好ましい
。分散濃度は高い方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向があり、ヘイズ、凝集物が
良化するため好ましい。
ルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げら
れる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製
膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
量部に対して、二酸化珪素微粒子は0.01〜0.3質量部が好ましく、0.05〜0.
2質量部がさらに好ましく、0.08〜0.12質量部が最も好ましい。添加量は多い方
が、動摩擦係数に優れ、添加量が少ない方がヘイズが低く、凝集物も少ない点が優れてい
る。
レス分散機に分けられる。二酸化珪素微粒子の分散にはメディアレス分散機がヘイズが低
く好ましい。
は高圧分散装置が好ましい。高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中
に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。高圧
分散装置で処理する場合、例えば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力
条件が9.807MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは19.613MPa
以上である。またその際、最高到達速度が100m/秒以上に達するもの、伝熱速度が4
20kJ/時間以上に達するものが好ましい。
社製超高圧ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)あるいはナノマイザ社製ナノマ
イザがあり、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホ
モジナイザ、三和機械(株)社製UHN−01等が挙げられる。
高く、ヘイズが低いフィルムが得られるので好ましい。
マット剤の添加の他に、フィルムの両サイドにエンボス加工を施すことができる。エンボ
ス加工は目的に応じて任意の高さに加工する事ができるが、本発明においては、巻き取り
後の不要な残留溶媒を揮発させるために、高さ5μm以上とすることが好ましく、より好
ましくは10μm以上である。
から製品を保護するために通常、包装加工がなされる。この包装材料については、上記目
的が果たせれば特に限定されないが、フィルムからの残留溶媒の揮発を妨げないものが好
ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリス
チレン、紙、各種不織布等が挙げられる。繊維がメッシュクロス状になったものは、より
好ましく用いられる。
成を有するものであってもよい。
または3つのスリットを有するダイ内で合流させ2層または3層構成にする同時多層流延
方法、逐次多層流延と同時多層流延を組み合わせた多層流延方法のいずれであっても良い
。
を用いて説明する。図1において、エンドレスステンレスベルト1は、低温乾燥ゾーン3
と高温乾燥ゾーン4の間を循環している。ドープ組成物は、ダイ2から流延部5でエンド
レスステンレスベルト1の上に流延され、矢印方向に運ばれ、低温乾燥ゾーン3と高温乾
燥ゾーン4で、乾燥され、剥離部6で剥離ロール7によりエンドレスステンレスベルトか
ら剥離されてセルロースエステルフィルムとなる。セルロースエステルフィルムは、更に
第1乾燥ゾーン8を通り、第2乾燥ゾーン10から、第3乾燥ゾーン11へ運ばれ、製品
として巻き取り部12で巻き取られる。尚、第1乾燥ゾーン8と第3乾燥ゾーン11は、
パスを長くとるため、搬送ロール9により搬送される。
ものが、特に偏光板保護フィルムあるいは光学補償フィルムの支持体として好ましく用い
られる。本発明において、輝点異物とは、2枚の偏光板を直交に配置し(クロスニコル)
、この間にセルロースエステルフィルムを配置して、一方の面から光源の光を当てて、も
う一方の面からセルロースエステルフィルムを観察したときに、光源の光がもれて見える
点のことである。
とが望ましく、偏光子の保護にガラス板を使用したものが好ましく用いられる。輝点異物
の発生は、セルロースエステルに含まれる未酢化のセルロースがその原因の1つと考えら
れ、対策としては、未酢化のセルロース量の少ないセルロースエステルを用いることや、
また、セルロースエステルを溶解したドープ液の濾過等により、除去、低減が可能である
。又、フィルム膜厚が薄くなるほど単位面積当たりの輝点異物数は少なくなり、フィルム
に含まれるセルロースエステルの含有量が少なくなるほど輝点異物は少なくなる傾向があ
る。
好ましく、更に好ましくは、100個/cm2以下、50個/cm2以下、30個/cm
2以下、10個/cm2以下であることが好ましいが、特に好ましくは、0であることで
ある。
が好ましく、更に好ましくは、100個/cm2以下、50個/cm2以下、30個/c
m2以下、10個/cm2以下であることが好ましいが、特に好ましいのは、輝点が0の
場合である。0.005mm以下の輝点についても少ないものが好ましい。
濾過するよりも可塑剤を添加混合した組成物を濾過することが輝点異物の除去効率が高く
好ましい。濾材としては、ガラス繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化エチレン樹脂な
どのフッ素樹脂等の従来公知のものが好ましく用いられるが、セラミックス、金属等も好
ましく用いられる。絶対濾過精度としては50μm以下のものが好ましく、更に好ましく
は、30μm以下、10μm以下であるが、特に好ましくは、5μm以下のものである。
プスタイプでも用いることができるが、デプスタイプの方が比較的目詰まりしにくく好ま
しく用いられる。
薄くなると面配向度が高くなる傾向を有するが、本発明のセルロースエステルフィルムの
製造方法により、薄膜でありながら面配向度が低く維持できるのである。膜厚方向のリタ
デーションRtは下式に示すように面配向度と膜厚d(nm)の積で表されるが、本発明
によれば単に膜厚が薄いことによってRtが低く維持できるというだけでなく、面配向度
を小さくできることによって、極めて低いRtを有するセルロースエステルフィルムを提
供することができたのである。
本発明において、面配向度、リタデーション値の測定は、35mm四方にカットした試
料を23℃、55%RH条件下に8時間放置した後、同条件下にて自動複屈折率計KOB
RA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、波長が590nmにおいて、3次
元屈折率測定を行い、屈折率Nx、Ny、Nzを求めることにより得られる。
ロースエステルフィルムをアルカリ処理し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の
両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。上
記記載のアルカリケン化処理とは、このときの水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上
させるために、セルロースエステルフィルムを高温の強アルカリ液中に浸ける処理を示す
。
り、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これ
はポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させた
ものがある。これらは、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染
色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行った
ものが用いられている。該偏光膜の面上に本発明のセルロースエステルフィルムによる偏
光板用保護フィルムである透明なプラスチックフィルムが張り合わされて偏光板を形成す
る。
方性であり、引き裂き強度に代表される機械的強度も十分あり、しかもカールが小さいの
で光学用フィルム、特に偏光板用保護フィルムとして有用であり、更に、反射防止加工、
帯電防止加工、クリアハードコート加工、防眩加工を適宜行うことも出来る。又、プラズ
マCVDあるいは大気圧プラズマ処理によって、金属酸化物層をはじめとする各種機能層
を形成することもできる。
はこれを用いた偏光板を用いることによって、これまで以上に液晶表示装置の設計に合わ
せた光学フィルムを提供することができ、液晶表示装置の表示性能(コントラスト、黒の
しまり具合等)を更に向上させることができ、必要に応じて位相差フィルムあるいは光学
補償フィルムと自在に組み合わせることができるようになった。
限定されるものではない。
〈試料1の作製〉
(ドープ組成物1)
綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92
70kg
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92
30kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1)
0.5kg
チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2)
0.5kg
トリフェニルフォスフェート 8kg
エチルフタリルエチルグリコレート 3kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
メチレンクロライド 391kg
エタノール 34kg
上記組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温・攪拌しながら完全に溶解させ
た。アエロジルR972V(日本アエロジル社製)はあらかじめ添加するエタノールの一
部と混合して分散し、これを密閉容器に投入した。これを、流延する温度まで冷却した後
、静置して脱泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用
して濾過し、ドープ1を得た。
溶液を調製し、ドープ2〜12を調製した。
綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.96
85kg
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.96
15kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1)
0.5kg
チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2)
0.5kg
KE−604 (荒川化学(株)製) 7.5kg
KE−85 (荒川化学(株)製) 7.5kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
メチレンクロライド 412kg
エタノール 39.5kg
(ドープ組成物3)
綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.88
80kg
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.88
20kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤)
0.4kg
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤)
0.3kg
チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤)
0.3kg
アラルダイドGY260 (旭チバ(株)製) 11kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
メチレンクロライド 391kg
エタノール 34kg
(ドープ組成物4)
綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92
90kg
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92
10kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1)
0.5kg
チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2)
0.5kg
KE−604 (荒川化学(株)製) 10kg
KE−85 (荒川化学(株)製) 10kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
メチレンクロライド 392kg
エタノール 26kg
(ドープ組成物5)
綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92
70kg
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92
30kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1)
0.5kg
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2)
1kg
チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2)
1kg
トリフェニルフォスフェート 8kg
エチルフタリルエチルグリコレート 3kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
メチレンクロライド 368kg
エタノール 24.5kg
(ドープ組成物6)
綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.94
81kg
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.94
19kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤)
0.5kg
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤)
1.0kg
チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤)
1.0kg
アラルダイドGY260 (旭チバ(株)製) 19kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
メチレンクロライド 387kg
エタノール 25.5kg
(ドープ組成物7)
綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92
85kg
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92
15kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤)
0.5kg
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤)
1.0kg
チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤)
1.0kg
KE−604 (荒川化学(株)製) 10kg
KE−85 (荒川化学(株)製) 9kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
メチレンクロライド 419kg
エタノール 36kg
(ドープ組成物8)
木材パルプから合成されたセルロースアセテートプロピオネート
アセチル基置換度2.0 プロピオニル基置換度0.9 100kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1)
0.5kg
チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2)
0.5kg
KE−604 (荒川化学(株)製) 10kg
KE−85 (荒川化学(株)製) 10kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
酢酸メチル 319kg
エタノール 136kg
(ドープ組成物9)
木材パルプから合成されたセルロースアセテートプロピオネート
アセチル基置換度2.0 プロピオニル基置換度0.9 100kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1)
0.5kg
チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2)
0.5kg
アラルダイドGY260 (旭チバ(株)製) 20kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
メチレンクロライド 419kg
エタノール 36kg
(ドープ組成物10)
綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92
100kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1)
0.5kg
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1)
1.0kg
チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1)
1.0kg
トリフェニルフォスフェート 8kg
エチルフタリルエチルグリコレート 3kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
メチレンクロライド 415kg
エタノール 26.5kg
(ドープ組成物11)
綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.88
60kg
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.88
40kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1)
0.5kg
チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2)
0.5kg
トリフェニルフォスフェート 13kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
メチレンクロライド 460kg
エタノール 40kg
(ドープ組成物12)
綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.82
50kg
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.84
50kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1)
0.5kg
チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2)
0.5kg
トリフェニルフォスフェート 8kg
エチルフタリルエチルグリコレート 3kg
アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg
メチレンクロライド 437kg
エタノール 38kg
次にセルロースエステルフィルムの作製について述べるが、作製はいずれも図1に示す
装置を用いた。
30℃に温度調整されたドープ1を用いて、裏面から30℃(T2)の温風で加熱した
エンドレスステンレスベルト(支持体)上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上
のドープ膜(ウエブ)に25℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から45秒後
にベルトの裏面から55℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に55℃(T3
)の温風をあてて乾燥させ、流延から90秒後に、剥離張力180N/mで剥離し、多数
のロールで搬送張力150N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステ
ンレスベルトの温度は12℃とした。剥離時の残留溶媒量は26質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブをサンプリングして流延後の時間経過と残留溶媒量を求めたとこ
ろ、流延後18秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、
50℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定された第2乾燥
ゾーンを30秒間搬送させ、さらに115℃に設定された第3乾燥ゾーンで10分間搬送
させて、乾燥を行った。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2000m、膜厚47μ
mの本発明のセルロースエステルフィルム1を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.3%
であった。
30℃に温度調整されたドープ1を用いて、裏面から30℃(T2)の温風で加熱した
エンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜
(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から35秒後にベルトの
裏面から45℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45℃(T3)の温風を
あてて乾燥させ、流延から75秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで
搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベル
トの温度は12℃とした。剥離時の残留溶媒量は40質量%であった。又、支持体上で乾
燥中のウエブは、流延後19秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離された
フィルムは、50℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定さ
れた第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに115℃に設定された第3乾燥ゾーンで
10分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.
05倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの
本発明のセルロースエステルフィルム2を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.2%であ
った。
30℃に温度調整されたドープ2を用いて、裏面から20℃(T2)の温風で加熱した
エンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜
(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から35秒後にベルトの
裏面から45℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45℃(T3)の温風を
あてて乾燥させ、流延から75秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで
搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベル
トの温度は12℃とした。剥離時の残留溶媒量は28質量%であった。又、支持体上で乾
燥中のウエブは、流延後10秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離された
フィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定さ
れた第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで
15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.
05倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの
本発明のセルロースエステルフィルム3を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満
であった。
30℃に温度調整されたドープ3を用いて、裏面から20℃(T2)の温風で加熱した
エンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜
(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から20秒後にベルトの
裏面から45℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45℃(T3)の温風を
あてて乾燥させ、流延から40秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで
搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベル
トの温度は12℃とした。剥離時の残留溶媒量は80質量%であった。又、支持体上で乾
燥中のウエブは、流延後19秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離された
フィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定さ
れた第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで
15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.
05倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの
本発明のセルロースエステルフィルム4を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満
であった。
30℃に温度調整されたドープ4を用いて、裏面から20℃(T2)の温風で加熱した
エンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜
(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から20秒後にベルトの
裏面から41℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に41℃(T3)の温風を
あてて乾燥させ、流延から40秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで
搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベル
トの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は76質量%であった。又、支持体上で乾
燥中のウエブは、流延後16秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離された
フィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定さ
れた第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに127℃に設定された第3乾燥ゾーンで
15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.
07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの
本発明のセルロースエステルフィルム5を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満
であった。
30℃に温度調整されたドープ5を用いて、裏面から20℃(T2)の温風で加熱した
エンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜
(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から20秒後にベルトの
裏面から41℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に41℃(T3)の温風を
あてて乾燥させ、流延から40秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで
搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベル
トの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は74質量%であった。又、支持体上で乾
燥中のウエブは、流延後15秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離された
フィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定さ
れた第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに127℃に設定された第3乾燥ゾーンで
15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.
07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの
本発明のセルロースエステルフィルム6を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満
であった。
30℃に温度調整されたドープ6を用いて、裏面から20℃(T2)の温風で加熱した
エンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜
(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から22秒後にベルトの
裏面から41℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に41℃(T3)の温風を
あてて乾燥させ、流延から45秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで
搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベル
トの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は78質量%であった。又、支持体上で乾
燥中のウエブは、流延後15秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離された
フィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定さ
れた第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに127℃に設定された第3乾燥ゾーンで
15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.
07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの
本発明のセルロースエステルフィルム7を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満
であった。
35℃に温度調整されたドープ7を用いて、裏面から45℃(T2)の温風で加熱した
エンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜
(ウエブ)に45℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から25秒後にベルトの
裏面から60℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に60℃(T3)の温風を
あてて乾燥させ、流延から50秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで
搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベル
トの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は40質量%であった。又、支持体上で乾
燥中のウエブは、流延後18秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離された
フィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定さ
れた第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで
15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.
07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの
本発明のセルロースエステルフィルム8を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満
であった。
30℃に温度調整されたドープ8を用いて、裏面から35℃(T2)の温風で加熱した
エンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜
(ウエブ)に35℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から30秒後にベルトの
裏面から57℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に57℃(T3)の温風を
あてて乾燥させ、流延から60秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで
搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベル
トの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は70質量%であった。又、支持体上で乾
燥中のウエブは、流延後15秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離された
フィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定さ
れた第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで
15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.
07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの
本発明のセルロースエステルフィルム9を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満
であった。
35℃に温度調整されたドープ9を用いて、裏面から45℃(T2)の温風で加熱した
エンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜
(ウエブ)に45℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から25秒後にベルトの
裏面から60℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に60℃(T3)の温風を
あてて乾燥させ、流延から50秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで
搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベル
トの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は40質量%であった。又、支持体上で乾
燥中のウエブは、流延後15秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離された
フィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定さ
れた第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで
15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.
07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの
本発明のセルロースエステルフィルム10を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未
満であった。
35℃に温度調整されたドープ10を用いて、裏面から30℃(T2)の温風で加熱し
たエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ
膜(ウエブ)に30℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から18秒後にベルト
の裏面から45℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45℃(T3)の温風
をあてて乾燥させ、流延から36秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロール
で搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベ
ルトの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は63質量%であった。又、支持体上で
乾燥中のウエブは、流延後9秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離された
フィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、95℃に設定さ
れた第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで
15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.
07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの
本発明のセルロースエステルフィルム11を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.2%未
満であった。
35℃に温度調整されたドープ10を用いて、裏面から35℃(T2)の温風で加熱し
たエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ
膜(ウエブ)に35℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から15秒後にベルト
の裏面から45℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45℃(T3)の温風
をあてて乾燥させ、流延から30秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロール
で搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベ
ルトの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は76質量%であった。又、支持体上で
乾燥中のウエブは、流延後9秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離された
フィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、95℃に設定さ
れた第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで
15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.
07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの
本発明のセルロースエステルフィルム12を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.2%未
満であった。
30℃に温度調整されたドープ11を用いて、裏面から20℃(T2)の温風で加熱し
たエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ
膜(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から150秒後に、剥
離張力180N/mで剥離し、多数のロールで搬送張力150N/mで搬送させながら乾
燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とした。剥離時の残留溶
媒量は20質量%であった又、支持体上で乾燥中のウエブは、流延後32秒で剥離残溶量
が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、50℃に設定された第1乾燥ゾ
ーンを1分間搬送させた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さ
らに115℃に設定された第3乾燥ゾーンで15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾
燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.05倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き
取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの比較のセルロースエステルフィルム1を得た
。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であった。
30℃に温度調整されたドープ12を用いて、裏面から20℃(T2)の温風で加熱し
たエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ
膜(ウエブ)に25℃(T1)の温風をあてて乾燥させ、流延から120秒後に、剥離張
力180N/mで剥離し、多数のロールで搬送張力150N/mで搬送させながら乾燥さ
せた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量
は26質量%であった。又、支持体上で乾燥中のウエブは、流延後30秒で剥離残溶量が
200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、50℃に設定された第1乾燥ゾー
ンを1分間搬送させた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さら
に115℃に設定された第3乾燥ゾーンで15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥
ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.05倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取
る事で、巻長2600m、膜厚40μmの比較のセルロースエステルフィルム2を得た。
巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であった。
フィルム1及び2について、面配向度S、面内リターデーションR0、遅相軸方向とフィ
ルムの製膜方向とのなす角度θ(°)を求めた。得られた結果を表1に示す。
流延後の支持体上のドープ膜を、一定時間毎にサンプリングし、流延から剥離までの残
留溶媒量の変化をグラフにプロットした。そして、グラフより流延後残留溶媒量200質
量%に達する時間T200と流延後残留溶媒量120質量%に達する時間T120を求め
、その差を求めた。又、その時間から乾燥速度を求めた。
(残留溶媒量200質量%−残留溶媒量120質量%)/(T200−T120)
S200 T200−T120
(質量%/秒) (秒)
本発明のセルロースエステルフィルム1 5.2 15.5
本発明のセルロースエステルフィルム2 5.0 16
本発明のセルロースエステルフィルム3 4.8 16.7
本発明のセルロースエステルフィルム4 7.0 11.5
本発明のセルロースエステルフィルム5 6.7 12.0
本発明のセルロースエステルフィルム6 6.4 12.5
本発明のセルロースエステルフィルム7 6.4 12.5
本発明のセルロースエステルフィルム8 6.8 11.7
本発明のセルロースエステルフィルム9 5.0 16
本発明のセルロースエステルフィルム10 7.5 10.6
本発明のセルロースエステルフィルム11 6.8 11.8
本発明のセルロースエステルフィルム12 7.2 11.1
比較のセルロースエステルフィルム1 3.9 20.5
比較のセルロースエステルフィルム2 3.8 21
〈面配向度の測定〉
自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、
55%RHの環境下で、590nmの波長において、3次元屈折率測定を行い、屈折率N
x、Ny、Nzを求めた。請求項1の式(I)に従って、面配向度Sと、請求項3の式に
従って、R0を算出した。
優れることがわかる。
本発明のセルロースエステルフィルム1を40℃の2.5mol/lの水酸化ナトリウ
ム水溶液で60秒間アルカリ処理し、3分間水洗して鹸化処理層を形成し、アルカリ処理
フィルムを得た。
含む水溶液100kgに浸漬し、50℃で4倍に延伸して偏光膜を作った。この偏光膜の
両面に前記アルカリ処理フィルムを完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤
として各々貼り合わせ本発明の偏光板1を作製した。
1〜2を用いてそれぞれ本発明の偏光板2〜12及び比較の偏光板1〜2を得た。
得られた偏光板の偏光度を、400〜700nmの光線領域にて、50nmごとに2枚
の偏光板を平行に配置した場合と直交に配置した場合の光透過率を求め、その平均値から
下式に従って求めた。
ただし、式中H0は平均平行透過率、H90は平均直交透過率である。80℃、90%
RHで500時間処理した前後での偏光度の変化も調べた。その結果、本発明の偏光板1
〜12はいずれも初期の偏光度が88〜90であり、80℃、90%RHで500時間処
理した後の偏光度は86以上であったが、比較の偏光板1〜2は初期の偏光度が88であ
り、80℃、90%RHで500時間処理した後の偏光度は85未満であり、本発明の偏
光板が優れていることが確認された。
2 ダイ
3 低温乾燥ゾーン
4 高温乾燥ゾーン
5 流延部
6 剥離部
7 剥離ロール
8 第1乾燥ゾーン
9 搬送ロール
10 第2乾燥ゾーン
11 第3乾燥ゾーン
12 巻き取り部
少なくともセルローストリアセテート及び有機溶媒を含有するドープを前記有機溶媒の沸点以上の温度で溶解する溶解工程を有し、
製造されたセルローストリアセテートフィルムがリン酸エステル系可塑剤を含有せず、面配向度Sが、0.0004以下であり、且つ、膜厚方向のリタデーションRtが10nm未満であることを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
S=(Nx+Ny)/2−Nz
Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
式中、Nxはセルローストリアセテートフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Nyは遅相軸方向に対し直角な方向のフィルム面内の屈折率、Nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはセルローストリアセテートフィルムの膜厚(nm)を表す。
前記ウェブの溶媒を蒸発させる溶媒蒸発工程と、
前記溶媒が蒸発したウェブを支持体から剥離する剥離工程と、
前記剥離したウェブを乾燥する乾燥工程と、
をさらに有する、1に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
3.前記乾燥工程が、剥離したウェブを1.05倍以上の延伸倍率で延伸することを含む、1または2に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
4.前記セルローストリアセテートフィルムの膜厚が10μm以上60μm以下であることを特徴とする1〜3の何れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
5.前記面配向度が0.00022以下であることを特徴とする1〜4の何れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
6.前記膜厚方向のリタデーションRtが8nm未満であることを特徴とする1〜5の何れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
30℃に温度調整されたドープ1を用いて、裏面から30℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベルト(支持体)上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜(ウエブ)に25℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から45秒後にベルトの裏面から55℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に55℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から90秒後に、剥離張力180N/mで剥離し、多数のロールで搬送張力150N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は12℃とした。剥離時の残留溶媒量は26質量%であった。又、支持体上で乾燥中のウエブをサンプリングして流延後の時間経過と残留溶媒量を求めたところ、流延後18秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、50℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに115℃に設定された第3乾燥ゾーンで10分間搬送させて、乾燥を行った。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2000m、膜厚47μmの参考例のセルロースエステルフィルム1を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.3%であった。
30℃に温度調整されたドープ1を用いて、裏面から30℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から35秒後にベルトの裏面から45℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から75秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は12℃とした。剥離時の残留溶媒量は40質量%であった。又、支持体上で乾燥中のウエブは、流延後19秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、50℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに115℃に設定された第3乾燥ゾーンで10分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.05倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの参考例のセルロースエステルフィルム2を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.2%であった。
30℃に温度調整されたドープ5を用いて、裏面から20℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から20秒後にベルトの裏面から41℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に41℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から40秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は74質量%であった。又、支持体上で乾燥中のウエブは、流延後15秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに127℃に設定された第3乾燥ゾーンで15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの参考例のセルロースエステルフィルム6を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であった。
30℃に温度調整されたドープ8を用いて、裏面から35℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜(ウエブ)に35℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から30秒後にベルトの裏面から57℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に57℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から60秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は70質量%であった。又、支持体上で乾燥中のウエブは、流延後15秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの参考例のセルロースエステルフィルム9を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であった。
35℃に温度調整されたドープ9を用いて、裏面から45℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜(ウエブ)に45℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から25秒後にベルトの裏面から60℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に60℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から50秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は40質量%であった。又、支持体上で乾燥中のウエブは、流延後15秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの参考例のセルロースエステルフィルム10を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であった。
35℃に温度調整されたドープ10を用いて、裏面から30℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜(ウエブ)に30℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から18秒後にベルトの裏面から45℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から36秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は63質量%であった。又、支持体上で乾燥中のウエブは、流延後9秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、95℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの参考例のセルロースエステルフィルム11を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.2%未満であった。
35℃に温度調整されたドープ10を用いて、裏面から35℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜(ウエブ)に35℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から15秒後にベルトの裏面から45℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から30秒後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は76質量%であった。又、支持体上で乾燥中のウエブは、流延後9秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、95℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚40μmの参考例のセルロースエステルフィルム12を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.2%未満であった。
(残留溶媒量200質量%−残留溶媒量120質量%)/(T200−T120)
S200 T200−T120
(質量%/秒) (秒)
参考例のセルロースエステルフィルム1 5.2 15.5
参考例のセルロースエステルフィルム2 5.0 16
本発明のセルロースエステルフィルム3 4.8 16.7
本発明のセルロースエステルフィルム4 7.0 11.5
本発明のセルロースエステルフィルム5 6.7 12.0
参考例のセルロースエステルフィルム6 6.4 12.5
本発明のセルロースエステルフィルム7 6.4 12.5
本発明のセルロースエステルフィルム8 6.8 11.7
参考例のセルロースエステルフィルム9 5.0 16
参考例のセルロースエステルフィルム10 7.5 10.6
参考例のセルロースエステルフィルム11 6.8 11.8
参考例のセルロースエステルフィルム12 7.2 11.1
比較のセルロースエステルフィルム1 3.9 20.5
比較のセルロースエステルフィルム2 3.8 21
〈面配向度の測定〉
自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、
55%RHの環境下で、590nmの波長において、3次元屈折率測定を行い、屈折率N
x、Ny、Nzを求めた。請求項1の式(I)に従って、面配向度Sと、請求項8の式に
従って、R0を算出した。
参考例のセルロースエステルフィルム1を40℃の2.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で60秒間アルカリ処理し、3分間水洗して鹸化処理層を形成し、アルカリ処理フィルムを得た。
含む水溶液100kgに浸漬し、50℃で4倍に延伸して偏光膜を作った。この偏光膜の
両面に前記アルカリ処理フィルムを完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤
として各々貼り合わせ参考例の偏光板1を作製した。
1〜2を用いてそれぞれ本発明の偏光板3〜5、7、8、参考例の偏光板2、6、9〜1
2及び比較の偏光板1〜2を得た。
Claims (1)
- 下記式(I)で表される面配向度Sが0.0004以下であり、且つ、膜厚方向のリタ
デーションRtが10nm未満であって、前記面配向度Sを低下させるための化合物の添
加によって前記面配向度が0.0002以上低下したものであることを特徴とするセルロ
ースエステルフィルム。
式(I)
S=(Nx+Ny)/2−Nz
Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
式中、Nxはセルロースエステルフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Nyは遅相軸方
向に対し直角な方向のフィルム面内の屈折率、Nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dは
セルロースエステルフィルムの膜厚(nm)を表す。
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