JP2007245730A - セルロースエステルフィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、位相差フィルム、光学補償シート、楕円偏光板及び表示装置 - Google Patents
セルロースエステルフィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、位相差フィルム、光学補償シート、楕円偏光板及び表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 セルロースエステルフィルムの製造方法において、支持体上に流延後、フィルムを搬送する工程D0、幅手の端部把持する工程A、幅手方向に引き延ばす工程Bを有し、延伸開始時の残留溶媒量が90質量%〜5質量%であり、且つ、Rt/R0が0.8〜3.5の範囲になるように調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
【選択図】 なし
Description
支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを搬送する工程D0、幅手の端部把持する工程A、幅手方向に引き延ばす工程Bを有し、延伸開始時の前記一般式(1)で表されるフィルムの残留溶媒量が90質量%〜5質量%であることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
工程B開始時のフィルムの残留溶媒量B0%が90質量%〜10質量%であり、該フィルムの温度が30℃〜140℃であり、更に、工程B終了時の前記フィルム温度が70℃〜140℃であり、且つ、工程B終了時のフィルムの残留溶媒量をB1%としたとき、B0%とB1%とが、0.4×B0≦B1≦0.8×B0の関係を満たすことを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
工程B開始時のフィルムの残留溶媒量が90質量%〜10質量%であり、該フィルムの温度が30℃〜130℃であり、工程B終了時の前記フィルム温度が60℃〜130℃であり、且つ、工程B終了時のフィルムの残留溶媒量をB1%、工程B開始時のフィルムの残留溶媒量をB0%としたとき、B0%とB1%とが、0.8×B0≦B1≦0.99×B0の関係を満たすことを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
工程Bのフィルム雰囲気温度が110℃〜140℃であり、且つ、工程B終了時の該フィルムの残留溶媒量をB3%、工程B開始時の前記フィルムの残留溶媒量をB2%としたとき、B3%とB2%とが、0.4×B2≦B3≦0.8×B2の関係を満たすことを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
工程Bのフィルム雰囲気温度が30℃〜130℃の範囲であり、且つ、工程B終了時の該フィルムの残留溶媒量をB1%、工程B開始時の前記フィルムの残留溶媒量をB0%としたとき、B1%とB0%とが、0.8×B0≦B1≦0.99×B0の関係を満たすことを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
工程A、Bにおける雰囲気の良溶媒濃度が2000ppm以上飽和蒸気量未満であることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
工程Bで幅手方向のフィルム延伸倍率が1.1〜2.5の範囲であることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
工程B終了時および工程D1開始時での長手方向のフィルム弾性率をそれぞれDB、DD1とした時、DB<DD1となる条件で乾燥することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
工程B開始前にスリッターによりフィルム端部を切除することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
工程A、B、Cの間にニュートラルゾーンを設けることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
工程A、B、Cの間にニュートラルゾーンを有することを特徴とする前記1〜16のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
幅手方向の引き裂き強度、長手方向の引き裂き強度をそれぞれHtd、Hmdとした時、Htd/Hmdが0.62〜1.0に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
60℃、90%RHで24時間処理前後の幅手方向の寸法変化率、長手方向の寸法変化率をそれぞれStd%、Smd%とした時、Stdが−0.4〜0.4%の範囲であり、且つ、Smdが−0.4〜0.4%に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
流延時の可塑剤含有量をG1、D1終了後の可塑剤含有量をG2としたとき、G2/G1を0.9〜1.0に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
幅手方向での膜厚の最大値、最小値、平均値をそれぞれRmax、Rmin、Raveとした時、前記一般式(4)で表される膜厚分布を0〜8%に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
配向角分布を流延方向(長手方向)に対して90±1度に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
フィルムの面内方向のリターデーション(R0)分布を5%以下に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
フィルムの厚み方向のリターデーション(Rt)分布を10%以下に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
ム。
(a)溶解工程:セルロースエステル(フレーク状もしくはパウダー状もしくは顆粒状(好ましくは平均粒径100μm以上の粒子))に対する良溶媒を主とする有機溶媒に溶解釜中で該セルロースエステルや添加剤を攪拌しながら溶解し、ドープを形成する工程である。溶解には、常圧で行う方法、良溶媒の沸点以下で行う方法、良溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、冷却溶解法で行う方法、高圧で行う方法等種々の溶解方法がある。溶解後ドープを濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送る。
本発明に用いられるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることが出来る。またそれらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することが出来る。
(II) 1.4≦X≦2.85
式中、Xはアセチル基の置換度、Yはプロピオニル基及び/またはブチリル基の置換度である。上記2式を満足するものは、本発明の目的に叶う優れた光学特性を示すセルロースエステルフィルムを製造するのに適しており、耐熱性に優れ、位相差フィルムとして、波長分散性が正となり良好なリターデーションのものが得られる。幅手延伸時に光学特性が均一、特にリターデーション分布のムラの少ないフィルムを得る観点から、さらに好ましくは2.5≦X+Y≦2.8が好ましく、2.6≦X+Y≦2.75がさらに好ましい。
カラム:MPW×1(東ソー(株)製)
試料濃度:0.2(質量/容量)%
流量:1.0ml/分
試料注入量:300μl
標準試料:ポリメタクリル酸メチル(重量平均分子量Mw=188,200)
温度:23℃。
セルロースエステルを溶解するドープ形成に有用な有機溶媒としては、塩素系有機溶媒と非塩素系有機溶媒がある。塩素系の有機溶媒としてメチレンクロライド(塩化メチレン)を挙げることが出来、セルロースエステル、特にセルローストリアセテートの溶解に適している。昨今の環境問題から非塩素系有機溶媒の使用が検討されている。非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることが出来る。これらの有機溶媒をセルローストリアセテートに対して使用する場合には、常温での溶解方法も使用可能であるが、高温溶解方法、冷却溶解方法、高圧溶解方法等の溶解方法を用いることにより不溶解物を少なくすることが出来るので好ましい。セルローストリアセテート以外のセルロースエステルに対しては、メチレンクロライドを用いることも出来るが、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンが好ましく使用される。特に酢酸メチルが好ましい。本発明において、上記セルロースエステルに対して良好な溶解性を有する有機溶媒を良溶媒といい、また溶解に主たる効果を示し、その中で大量に使用する有機溶媒を主有機溶媒または主たる有機溶媒という。本発明における良溶媒とは、25℃において溶媒100gに5g以上のセルロースエステルを溶解する溶媒とする。
ドープ中には、可塑剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、染料、マット剤等も添加されることがある。これらの化合物は、セルロースエステル溶液の調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。液晶画面表示装置用には耐熱耐湿性を付与する可塑剤、酸化防止剤や紫外線防止剤などを添加することが好ましい。
本発明に用いられるドープには、いわゆる可塑剤として知られる化合物を、機械的性質向上、柔軟性を付与、耐吸水性付与、水蒸気透過率低減、リターデーション調整等の目的で添加することが好ましく、例えばリン酸エステルやカルボン酸エステルが好ましく用いられる。また、特願2001−198450に記載の重量平均分子量が500以上10,000であるエチレン性不飽和モノマーを重合して得られるポリマー、アクリル系ポリマー、芳香環を側鎖に有するアクリル系ポリマーまたはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリル系ポリマーなども好ましく用いられる。リン酸エステルとしては、例えばトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、フェニルジフェニルホスフェート等を挙げることが出来る。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステル等、フタル酸エステルとしては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチルを挙げることが出来る。またその他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、トリメチロールプロパントリベンゾエート等も挙げられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートもこの目的で好ましく用いられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートのアルキルは炭素原子数1〜8のアルキル基である。アルキルフタリルアルキルグリコレートとしてはメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることが出来、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートが好ましく、特にエチルフタリルエチルグリコレートが好ましく用いられる。またこれらアルキルフタリルアルキルグリコレート等を2種以上混合して使用してもよい。
本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることが出来るが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号、特開平8−337574号記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、且つ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。また、市販品として、チヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)326(何れもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を好ましく使用出来る。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10ppm〜1000ppmが更に好ましい。
本発明において、マット剤をセルロースエステルフィルム中に含有させることによって、搬送や巻き取りをし易くすることが出来る。マット剤は出来るだけ微粒子のものが好ましく、微粒子としては、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙げることが出来る。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さく出来るので好ましい。
この他カオリン、タルク、ケイソウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ等の無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤を加えてもよい。更に帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤等も加える場合がある。
工程D0でのフィルム搬送張力は、ドープの物性、剥離時及び工程D0での残留溶媒量、工程D0での温度などに影響を受けるが、30N/m〜300N/mが好ましく、更に好ましくは、57N/m〜284N/mであり、特に好ましくは、57N/m〜170N/mである。
本発明に係る延伸工程(テンター工程ともいう)を図2を用いて説明する。
請求項1に記載の製造方法においては、フィルム面内のリターデーション(R0(nm))と厚み方向のリターデーション値(Rt(nm))との比、Rt/R0が0.8〜3.5の範囲になるようにするためには、工程B開始時の残留溶媒量としては、90質量%〜5質量%に調整することが好ましく、さらに好ましくは、40質量%〜10質量%であり、最も好ましくは、35質量%〜10質量%が最も好ましい。
テンター工程で、上記のRt/R0の比を目的の範囲内で得るために、工程A、B、C各終点時点でのフィルム中の残留溶媒について好ましい良溶媒及び貧溶媒の比率が存在する。工程A、B、C終了時点でのそれぞれの残留貧溶媒質量/(残留良溶媒質量+残留貧溶媒質量)×100(%)が95質量%〜15質量%の範囲が好ましい。更に、95質量%〜25質量%が好ましく、95質量%〜30質量%の範囲が最も好ましい。また、工程A、B、C終了時点でのそれぞれの残留貧溶媒質量/(残留良溶媒質量+残留貧溶媒質量)×100(%)は同一であっても、異なっていても良い。
フィルムを幅手方向に延伸する工程で、フィルムの幅手方向で光学遅相軸の分布(以下、配向角分布)が悪くなることは、よく知られている。RtとR0のバランスを良好なものにし、且つ、配向角分布を良好な状態で幅手延伸を行うため、工程A、B、Cで好ましいフィルム温度の相対関係が存在する。工程A、B、C終点でのフィルム温度をそれぞれTa、Tb、Tc℃とすると、Ta≦Tb−10であることが好ましい。また、Tc≦Tbであることが好ましい。Ta≦Tb−10且つ、Tc≦Tbであることがさらに好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法の工程Bにおいて、支持体上に流延後のセルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸するが、ここで、図1を用いて延伸工程の一態様を説明する。
工程D1で、幅手フィルム面内でありフィルム搬送に対して垂直な方向でフィルム雰囲気温度分布が少ない事は、フィルムの均一性を高める観点から好ましい範囲が存在する。テンター工程での温度分布は、±5℃以内が好ましく、±2℃以内がより好ましく、±1℃以内が最も好ましい。
工程D1でのフィルム搬送張力としては、搬送方向のフィルム伸びを防止するために、好ましい条件が存在する。工程D1でのフィルム搬送張力は、ドープの物性、剥離時及び工程D0での残留溶媒量、工程D1での温度などに影響を受けるが、120N/m〜200N/mが好ましく、140N/m〜200N/mがさらに好ましい。140N/m〜160N/mがもっとも好ましい。
セルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸する際に、機械搬送方向(以下、MD方向)と機械搬送方向と垂直な方向(以下、TD方向)のフィルム引き裂き強度の比をある範囲に制御する条件で延伸する事が好ましい。TD、MD方向の引き裂き強度をそれぞれHtd、Hmdとしたとき、0.6<Htd/Hmd<1が好ましく、0.783<Htd/Hmd<1がさらに好ましく、0.83<Htd/Hmd<1がもっとも好ましい。
セルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸する際に、寸法変化率をある範囲に制御する条件で延伸する事が好ましい。TD、MD方向の寸法変化率をそれぞれStd、Smdとしたとき、−0.4%<Std、Smd<0.4%が好ましく、−0.25%<Std、Smd<0.25%がさらに好ましく、−0.2%<Std、Smd<0.2%がもっとも好ましい。
本発明の位相差フィルム、光学補償シート、楕円偏光板等に組み込まれ視野角表示効果の高い、液晶表示装置を得る観点から、セルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸して、結果的に、セルロースエステルフィルムのRt/R0の比を0.8≦Rt/R0≦3.5になるように調整する必要があるが、好ましくは、0.8≦Rt/R0≦3.0であり、更に好ましくは、0.8≦Rt/R0≦2.5である。
本発明において、配向角とはセルロースエステルフィルム面内における遅相軸の方向(流延製膜時の幅手方向に対する角度)を表し、また、配向角の測定は、自動複屈折計KOBURA−21ADHを用いて行った。
本発明においては、セルロースエステルフィルムの面内方向のリターデーション(R0)分布を好ましくは5%以下に調整し、更に好ましくは、2%以下であり、特に好ましくは、1.5%以下である。また、フィルムの厚み方向のリターデーション(Rt)分布を好ましくは10%以下に調整し、更に好ましくは、2%以下であり、特に好ましくは、1.5%以下である。
セルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸した際、波長違いによるリターデーション変化が小さい方がLCDパネルに組み込んだ際の色ムラを防止する意味で好ましい。
LCD表示装置の部材としては高い透過率と紫外線吸収性能が求められ、上述の添加剤を組み合わせて添加し、製造されたセルロースエステルフィルムの500nm透過率は、85%から100%が好ましく、90%から100%がさらに好ましく、92%から100%が最も好ましい。また、400nm透過率は40%から100%が好ましく、50%から100%がさらに好ましく、60%から100%がもっとも好ましい。また、380nm透過率は0%から10%が好ましく、0%から5%がさらに好ましく、0%から3%が最も好ましい。
セルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸する際に、幅手方向での膜厚分布R(%)を0≦R(%)≦8%に調整することが好ましく、更に好ましくは、0≦R(%)≦5%であり、特に好ましくは、0≦R(%)≦4%である。
幅手方向に延伸したセルロースエステルフィルムのヘイズ値が上昇することは、フィルムの長手方向に意図しない延伸が起こったことが原因の一つであると考えられる。ヘイズ値を低く制御する条件で延伸することにより面内、および厚み方向のリターデーションを均一にし、さらにRt/R0を低く保つことができる。
セルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸する際に、延伸終了後のフィルムの引っ張り強度をある範囲に制御する条件で延伸する事が好ましい。
セルロースエステルフィルムをLCD用部材として使用する際、フィルムの光漏れを低減するため高い平面性が要求される。中心線平均粗さ(Ra)は、JIS B 0601に規定された数値であり、測定方法としては、例えば、触針法もしくは光学的方法等が挙げられる。
残留溶媒を含んだサンプルから、残留溶媒を減圧捕集し、ガスクロマトグラフィー測定により各溶媒の定量を行った。
任意の残留溶媒を含むフィルムを試料幅を10mm、長さ130mmに切り出し、任意温度、メチクロ飽和雰囲気下でチャック間距離100mmにして引っ張り速度100mm/分で引っ張り試験を行い求めた。
アッベの屈折率計より試料の平均屈折率を求めた。さらに、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測定を行い、得られた位相差の測定値と平均屈折率から計算により屈折率Nx、Ny、Nzを求めた。
自動複屈折計KOBURA・21ADH(王子計測器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて、試料の幅手方向に1cm間隔で3次元複屈折率測定を行った。得られた面内および厚み方向のリターデーションをそれぞれ(n−1)法による標準偏差をもとめた。リターデーション分布は以下で示される変動係数(CV)を求め、指標とした。実際の測定にあたっては、nとしては、130〜140に設定した。
(波長分散特性)
自動複屈折計KOBURA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が450、650nmにおいて、3次元複屈折率測定を行った。それぞれ得られた値をR450、R650とした。
フィルムを、温度23℃、相対湿度55%に調湿された部屋で4時間調湿した後、試料寸法試料幅50mm×64mmに切り出し、ISO 6383/2−1983に従い測定して求めた。
フィルムを、温度23℃、相対湿度55%に調湿された部屋で4時間調湿した後、幅手、長手それぞれに約10cm間隔にカッターにより目印をつけ、距離(L1)を測定した。次に、60℃90%に調湿された恒温槽中でフィルムを24h保管。再度、フィルムを温度23℃、相対湿度55%に調湿された部屋で4時間調湿した後、目印の距離(L2)を測定した。寸法変化率は、以下の式により評価を行った。
(吸湿膨張率)
フィルムを、温度23℃、相対湿度55%に調湿された部屋で4時間調湿した後、幅手、長手それぞれに約20cm間隔にカッターにより目印をつけ、距離(L3)を測定した。次に、60℃90%に調湿された恒温槽中でフィルムを24h保管。フィルムを恒温槽から出した後、2分以内に目印の距離(L4)を測定した。吸湿膨張率は、以下の式により評価を行った。
(膜厚分布)
試料フィルムを温度23℃、相対湿度55%に調湿された部屋で4時間調湿した後、幅手方向に10mm間隔で、膜厚を測定を行った。得られた膜厚分布データから、以下の式に従って膜厚分布R(%)を算出した。
ここで、R(max):最大膜厚、R(min):最小膜厚、R(ave):平均膜厚
(ヘイズ値)
JIS K−6714に従って、ヘイズメーター(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定し、透明性の指標とした。
透過率Tは、分光高度計U−3400(日立製作所(株))を用い、各試料を350〜700nmの波長領域で10nmおきに求めた分光透過率τ(λ)から、380、400、500nmの透過率を算出した。
当該フィルム試料を25℃55%RH環境下で3日間放置後、該フィルムを巾手方向50mm、長手方向2mmに裁断した。さらに、そのフィルム小片を23℃±2℃55%RH環境下で24時間調湿し、曲率スケールを用いて該フィルムのカール値を測定する。カール度の測定はJIS−K7619−1988のA法に準じて行った。
試料を2枚の偏光子を直交状態(クロスニコル状態)で挟み、一方の偏光板の外側から光を当て、他方の偏光板の外側から顕微鏡(透過光源で倍率30倍)で25mm2当たりに見られる白く光って見える異物の数を測定した。測定は、10箇所にわたって行い計250mm2当たりの個数から輝点異物を個/cm2を求め評価した。本発明では、輝点異物の大きさは5から50μm2であり、それ以上のものは観測されなかった。
試料を2.5N NaOHに50℃、2.5分処理、続いて純水により2.5分洗浄を行った。処理後の試料を温度23℃、相対湿度55%条件で24H調湿し、共和界面科学株式会社製接触角計CA−D型を用いて測定した。
非接触表面微細形状計測装置WYKO NT−2000を用いて、中心線平均粗さ(Ra)を測定した。
JIS K−7105で定義される。1mmスリットで測定した時、90%以上が好ましく、95%以上が好ましく、99%以上が好ましい。
試料を、10cm×10cmの大きさに裁断し、23℃の水中に24時間浸漬し、取り出した直後に回りの水滴を濾紙でふき取り、その質量を測定し、W1とした。次にこのフィルムを、23℃−55%RHの雰囲気下で24時間調湿した後、その質量を測定しW0とした。それぞれの測定値から下記式により計算して、23℃の水中に24時間浸漬した時の吸水率が得られる。
(水分率の測定方法)
試料を10cm×10cmの大きさに裁断し、23℃−80%RHの雰囲気下で48時間調湿した後、その質量を測定しW3とした。次にこのフィルムを120℃−45分間乾燥した後の質量を測定し、W2とした。それぞれの測定値から下記式により計算し、23℃−80%RHにおける水分率が得られる。
(透湿度の測定方法)
JIS Z 0208に記載の方法で測定する事が出来る値で定義する。本発明のセルロースエステルフィルムの透湿度は、25℃、90%RH環境下で10〜250g/m2・24時間であることが好ましく、20〜200g/m2・24時間であることがさらに好ましく、50〜180g/m2・24時間であることが最も好ましい。
《セルロースエステルフィルム1の作製》
下記に記載のように、ドープ液の調製、紫外線吸収剤溶液の調製を行い、それらを用いてセルロースエステルフィルム1を作製した。
アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度0.80、粘度平均重合度350のセルロースアセテートプロピオネート100質量部、エチルフタリルエチルグリコレート2質量部、トリフェニルフォスフェイト8.5質量部、塩化メチレン290質量部、エタノール60質量部を密閉容器に入れ、混合物をゆっくり攪拌しながら徐々に昇温し、60分かけて45℃まで上げ溶解した。容器内は1.2気圧となった。このドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した後、24時間静置しドープ中の泡を除いた。
また、これとは別に、上記セルロースアセテートプロピオネート5質量部、チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)6質量部、チヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)4質量部、チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)5質量部、を塩化メチレン94質量部とエタノール8質量部を混合し撹拌溶解し、紫外線吸収剤溶液を調製した。
(Nx+Ny)/2−Nz=0.0013
R0=64nm
Rt=104nm
Rt/R0=1.63
R0分布=1.4%
Rt分布=1.6%
また、得られたフィルムロールからフィルム中央部をサンプリングし、ヘイズ値を測定したところ0.1%であった。
《セルロースエステルフィルム2の作製》
セルロースエステルフィルム1の作製と同様にして、ドープを作製し、ベルト上に流延剥離を行った。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は90質量%であった。ついで、D0ゾーンでのフィルム搬送張力を100N/mで搬送を行った。D0終点でのエタノール/(塩化メチレン+エタノール)質量は62%であった。
(Nx+Ny)/2−Nz=0.0015
R0=64nm
Rt=120nm
Rt/R0=1.88
R0分布=1.3%
Rt分布=1.4%
また、遅相軸の方向は、各サンプル共、フィルムの巾方向に対し±0.4度の範囲に収まっていた。得られたフィルムロールからフィルム中央部をサンプリングし、ヘイズ値を測定したところ0.1%であった。
《セルロースエステルフィルム3(比較例)の作製》
セルロースエステルフィルム1の作製と同様にして、ドープを作製し、ベルト上に流延剥離を行った。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は90質量%であった。ついで、D0ゾーンでのフィルム搬送張力を100N/mで搬送を行った。D0終点でのエタノール/(塩化メチレン+エタノール)質量は95%であった。
厚み方向のリターデーション(Rt)分布 11.2%
膜厚R(ave) 80μm
最大膜厚R(max) 83.4μm
最小膜厚R(min) 76.1μm
膜厚分布R(%) 9.1%
透過率(500nm) 80%
透過率(400nm) 78%
透過率(380nm) 12%
ヘイズ 2.1%
中心線平均粗さ(Ra) 21.1nm
寸法変化率(Smd) −0.41%
寸法変化率(Std) −0.51%
吸湿膨張率(MD) 1.2%
吸湿膨張率(TD) 2.3%
引き裂き強度(MD) 2.2N/μm
引き裂き強度(TD) 1.2N/μm
Htd/Hmd 0.6
破断点応力(MD) 45MPa
破断点応力(TD) 32MPa
破断点伸度(MD) 15%
破断点伸度(TD) 12%
弾性率(MD) 1.4GPa
弾性率(TD) 1.3GPa
カール(23℃、55%RH) 45m-1
輝点異物 85個/cm2
可塑剤含有比(G2/G1) 0.88
ケン化処理後接触角 65°
透湿度 260g/m2・24h
実施例4
《セルロースエステルフィルム4〜9の作製》
セルロースエステルフィルム1の作製において、アセチル置換度が1.9であること以外は同一のドープを用い、幅手、長手方向の引き裂き強度比(Htd/Hmd)を、各々表1に記載のようになるように調整した以外は同様にして、セルロースエステルフィルム4〜9を各々作製した。
《セルロースエステルフィルム10〜18の作製》
セルロースエステルフィルム1の作製に用いたセルロースアセテートプロピオネートのプロピオニル置換度が0.7であること以外は同一のドープを用い、幅手、長手方向の寸法変化をそれぞれStd(%)、Smd(%)とした時、Std(%)、Smd(%)が以下の表2に記載の条件になるように幅手方向に延伸し、セルロースエステルフィルム10〜18を各々作製した。
《セルロースエステルフィルム19〜23の作製》
セルロースエステルフィルム1の作製に用いたセルロースアセテートプロピオネートのアセチル置換度が1.9、プロピオニル置換度が0.7であること以外は同一のドープを用い、幅手方向の上記の膜厚分布R(%)が以下の表3に記載の条件となるように幅手方向に延伸し、セルロースエステルフィルム19〜23を各々作製した。また、それぞれのフィルムについて得られたリターデーションの比(Rt/R0)を示す。
《偏光板の作製》
(視野角補償楕円偏光板Aの作製)
トリアセチルセルロース支持体(コニカ(株)製、膜厚=80μm)を、60℃、2mol/lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液中に2分間浸漬し水洗した後、100℃で10分間乾燥しアルカリ鹸化処理トリアセチルセルロース支持体を得た。
MEK 86部
化合物2 3部
化合物3 2部
化合物4 3部
化合物5 3部
イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製) 1部
上記で得られた本発明の視野角補償楕円偏光板を、NEC製15型液晶ディスプレイMulti Sync LCD1525Jのあらかじめ貼合されていた光学補償フィルムおよび偏光板を剥がし、本発明の視野角補償楕円偏光板の吸収軸を予め貼合されていた偏光板の吸収軸と同じ方向になるよう貼合した。
《セルロースエステルフィルム24の作製》
セルロースエステルフィルム1の作製と同様の方法でドープを作製し、ベルト上に流延剥離を行った。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は90質量%であった。ついで、D0ゾーンでのフィルム搬送張力を150N/mで搬送を行った。D0終点でのエタノール/(塩化メチレン+エタノール)含有量は、30質量%であった。
Ny 1.4772
Nz 1.4760
R0 50nm
Rt 120nm
Rt/R0 2.4
R450/R0 0.88
R650/R0 1.03
配向角分布 ±0.5°以内
リターデーション分布(R0) 1%
リターデーション分布(Rt) 1.4%
膜厚R(ave) 80.0μm
最大膜厚R(max) 80.5μm
最小膜厚R(min) 79.5μm
膜厚分布R(%) 1.3%
透過率(500nm) 92.2%
透過率(400nm) 58.2%
透過率(380nm) 2.3%
ヘイズ 0.1%
中心線平均粗さ(Ra) 1.65nm
寸法変化率(Smd) −0.05%
寸法変化率(Std) −0.03%
吸湿膨張率(MD) 0.1%
吸湿膨張率(TD) 0.07%
引き裂き強度(MD) 2.3N/μm
引き裂き強度(TD) 2.0N/μm
破断点応力(MD) 93MPa
破断点応力(TD) 87MPa
破断点伸度(MD) 40%
破断点伸度(TD) 45%
弾性率(MD) 2.8GPa
弾性率(TD) 3.0GPa
カール(23℃、55%RH) 8m-1
輝点異物 21個/cm2
可塑剤含有比(G2/G1) 0.99
ケン化処理後接触角 17°
透湿度 245g/m2・24h
本発明のセルロースエステルフィルム24は、位相差フィルム、光学補償シート等に用いるのに適した光学特性を示すことが判る。
実施例7に記載と同様の方法で、偏光子1を作製した。また、実施例8で得られたセルロースエステルフィルム24を、60℃、2mol/lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬し水洗した後、100℃で10分間乾燥し、アルカリ鹸化処理透明支持体Bを得た。
実施例9の配向層の作製において、透明支持体Bの流延時にベルト支持体に接触した側の面にゼラチン薄膜(0.1μm)を塗設した以外は、全て同様にして、配向層、光学補償シートを作製し、視野角補償楕円偏光板Eを得た。得られた視野角補償楕円偏光板Eを実施例7に記載と同様にして、視野角の評価をした結果、極めて極めて高い視野角特性を示すことが判った。
《セルロースエステルフィルム25の作製》
セルロースエステルフィルム1の作製に用いたセルロースアセテートプロピオネートのアセチル基の置換度が1.9プロピオニル基の置換度が0.75のセルロースエステルを用いた以外は、実施例8のセルロースエステルフィルム24の作製と同様にして、セルロースエステルフィルム25を得た。得られたフィルムの物性について、以下にまとめて示した。
Ny 1.4772
Nz 1.4758
R0 70nm
Rt 150nm
Rt/R0 2.1
R450/R0 0.91
R650/R0 1.04
配向角分布 ±0.5°以内
リターデーション分布(R0) 1.2%
リターデーション分布(Rt) 1.5%
膜厚R(ave) 80.0μm
最大膜厚R(max) 80.6μm
最小膜厚R(min) 79.4μm
膜厚分布R(%) 1.5%
透過率(500nm) 92.1%
透過率(400nm) 58.4%
透過率(380nm) 2.3%
ヘイズ 0.1%
中心線平均粗さ(Ra) 1.66nm
寸法変化率(Smd) −0.05%
寸法変化率(Std) −0.08%
吸湿膨張率(MD) 0.1%
吸湿膨張率(TD) 0.07%
引き裂き強度(MD) 2.3N/μm
引き裂き強度(TD) 2.0N/μm
破断点応力(MD) 91MPa
破断点応力(TD) 87MPa
破断点伸度(MD) 39%
破断点伸度(TD) 45%
弾性率(MD) 2.8GPa
弾性率(TD) 3.0GPa
カール(23℃55%RH) 8m-1
輝点異物 23個/cm2
可塑剤含有比(G2/G1) 0.99
ケン化処理後接触角 18°
透湿度 248g/m2・24h
以上から、本発明のセルロースエステルフィルム25は、位相差フィルム、光学補償シート等の用途に適した優れた光学的特性を有することが判る。
《視野角補償楕円偏光板F(比較例)の作製》
実施例7に記載の視野角補償円偏光板Aの作製において、セルロースエステルフィルム1の代わりに、実施例3に記載のセルロースエステルフィルム3を使用する以外は同様にして、視野角補償円偏光板Fを作製した。
《視野角補償楕円偏光板G(比較例)の作製》
(アルカリ鹸化処理透明支持体Gの作製)
実施例9に記載のアルカリ鹸化処理透明支持体Bを得る過程で、セルロースエステルフィルム24の代わりに、実施例3(比較例)で得られたセルロースエステルフィルム3を使用し、アルカリ鹸化処理透明支持体Gを得た。
実施例9に記載の視野角補償楕円偏光板Dの作製において、アルカリ鹸化処理透明支持体Bの代わりに、上記で得たアルカリ鹸化処理透明支持体Gを用いた以外は同様にして視野角補償楕円偏光板Gを作製した。
《セルロースエステルフィルム26の作製》
セルロースエステルフィルム1の作製に用いたセルロースアセテートプロピオネートのアセチル基の置換度が1.9、プロピオニル基の置換度が0.75のセルロースエステルを用い、セルロースエステルフィルム26を得た。流延は実施例1に類似する形で行った。
D0ゾーン張力 100N/m
D0ゾーンエタノール/(塩化メチレン+エタノール) 70質量%
工程Bでの延伸速度 200%/min
工程Bフィルム雰囲気温度 110℃
工程B延伸倍率 1.2倍
延伸開始時フィルム温度 65℃
延伸開始時フィルム残留溶媒量 22%
延伸終了時フィルム温度 80℃
延伸終了時残留溶媒量/延伸開始時残留溶媒量 72%
延伸終了時(エタノール)/(エタノール+塩化メチレン) 94質量%
工程C緩和率 97%
工程A塩化メチレン雰囲気濃度 4000ppm
工程B塩化メチレン雰囲気濃度 4000ppm
工程C塩化メチレン雰囲気濃度 飽和量の60%以下
工程B終了時でのフィルム弾性率 800N/mm2
工程D1開始時でのフィルム弾性率 2200N/mm2
得られたフィルムの物性を以下に示す。
Ny 1.4773
Nz 1.4761
R0 30nm
Rt 105nm
Rt/R0 3.5
R450/R0 0.91
R650/R0 1.04
配向角分布 ±0.5°以内
リターデーション分布(R0) 1.3%
リターデーション分布(Rt) 1.6%
膜厚R(ave) 80.0μm
最大膜厚R(max) 80.4μm
最小膜厚R(min) 79.4μm
膜厚分布R(%) 1.3%
透過率(500nm) 92.1%
透過率(400nm) 58.4%
透過率(380nm) 2.3%
ヘイズ 0.1%
中心線平均粗さ(Ra) 1.54nm
寸法変化率(Smd) −0.05%
寸法変化率(Std) −0.08%
吸湿膨張率(MD) 0.12%
吸湿膨張率(TD) 0.07%
引き裂き強度(MD) 2.1N/μm
引き裂き強度(TD) 2.0N/μm
破断点応力(MD) 91MPa
破断点応力(TD) 87MPa
破断点伸度(MD) 40%
破断点伸度(TD) 45%
弾性率(MD) 2.8GPa
弾性率(TD) 2.9GPa
カール(23℃、55%RH) 6m-1
輝点異物 21個/cm2
可塑剤含有比(G2/G1) 0.99
ケン化処理後接触角 19°
透湿度 247g/m2・24h
以上から、本発明のセルロースエステルフィルム26は、位相差フィルム、光学補償シート等の用途に適した優れた光学的特性を有することが判る。
《視野角補償楕円偏光板H(本発明)の作製》
(アルカリ鹸化処理トリアセチルセルロース支持体の作製)
実施例7の記載と同様にして、アルカリ鹸化処理トリアセチルセルロース支持体を得た。
実施例14で作製されたセルロースエステルフィルム26と同様にアルカリ処理し、アルカリ鹸化処理セルロースエステルフィルム27を作製した。アルカリ鹸化処理セルロースエステルフィルム27の光学特性はセルロースエステルフィルム26と比較し、変化が見られなかった。
実施例7に記載と同様にして、偏光子1を作製した。
上記、偏光子1の片面にアルカリ鹸化処理したトリアセチルセルロース支持体を、もう一方の面にはアルカリ鹸化処理セルロースエステルフィルム27を、完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として用いて各々張り合わせ視野角補償楕円偏光板Hを作製した。
《視野角補償楕円偏光板Iの作製》
視野角補償楕円偏光板Iの作製において、セルロースエステルフィルム26の代わりに、実施例3に記載の、比較のセルロースエステルフィルム3を用いた以外は同様にして視野角補償楕円偏光板Iを作製した。
Claims (50)
- 幅手、長手、膜厚方向の屈折率をそれぞれNx、Ny、Nzとした時、Nx>Ny>Nzであり、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを搬送する工程D0、幅手の端部把持する工程A、幅手方向に引き延ばす工程Bを有し、延伸開始時の下記一般式(1)で表されるフィルムの残留溶媒量が90質量%〜5質量%であることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
一般式(1)
フィルムの残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
〔式中、Mはウェブの測定時点での質量、NはMを測定したウェブを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。〕
R0=(Nx−Ny)×d
Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
〔式中、Nxはフィルムの幅手方向の屈折率、Nyはフィルムの長手方向の屈折率、Nzはフィルムの膜厚方向の屈折率、dはフィルム膜厚(nm)である。〕 - 上記工程D0でのフィルムの搬送張力が30N/m〜300N/mの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
- 上記工程D0終点で、下記一般式(2)で表されるフィルム中の残留溶媒における貧溶媒含有量(%)が15質量%〜95質量%であることを特徴とする請求項2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
一般式(2)
フィルム中の残留溶媒における貧溶媒含有量(%)={(フィルムの残留溶媒量中の貧溶媒の質量)/(フィルムの残留溶媒量中の貧溶媒の質量+良溶媒の質量)}×100 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に引き延ばす工程Bを有し、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
工程B開始時のフィルムの残留溶媒量B0%が90質量%〜10質量%であり、該フィルムの温度が30℃〜140℃であり、更に、工程B終了時の前記フィルム温度が70℃〜140℃であり、且つ、工程B終了時のフィルムの残留溶媒量をB1%としたとき、B0%とB1%とが、0.4×B0≦B1≦0.8×B0の関係を満たすことを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 工程B終了時におけるフィルム中の残留溶媒における貧溶媒含有量(%)が15質量%〜95質量%の範囲であることを特徴とする請求項4に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
- 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に引き延ばす工程Bを有し、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
工程B開始時のフィルムの残留溶媒量が90質量%〜10質量%であり、該フィルムの温度が30℃〜130℃であり、工程B終了時の前記フィルム温度が60℃〜130℃であり、且つ、工程B終了時のフィルムの残留溶媒量をB1%、工程B開始時のフィルムの残留溶媒量をB0%としたとき、B0%とB1%とが、0.8×B0≦B1≦0.99×B0の関係を満たすことを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 工程B終了時におけるフィルム中の残留溶媒における貧溶媒含有量(%)が15質量%〜95質量%であることを特徴とする請求項6に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
- 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に引き延ばす工程Bを有し、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
工程Bのフィルム雰囲気温度が110℃〜140℃であり、且つ、工程B終了時の該フィルムの残留溶媒量をB3%、工程B開始時の前記フィルムの残留溶媒量をB2%としたとき、B3%とB2%とが、0.4×B2≦B3≦0.8×B2の関係を満たすことを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 工程B終了時におけるフィルム中の残留溶媒における貧溶媒含有量(%)が15質量%〜95質量%であることを特徴とする請求項8に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
- 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に引き延ばす工程Bを有し、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
工程Bのフィルム雰囲気温度が30℃〜130℃の範囲であり、且つ、工程B終了時の該フィルムの残留溶媒量をB1%、工程B開始時の前記フィルムの残留溶媒量をB0%としたとき、B1%とB0%とが、0.8×B0≦B1≦0.99×B0の関係を満たすことを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 工程Bにおけるフィルム中の残留溶媒における貧溶媒含有量(%)が15質量%〜95質量%であることを特徴とする請求項10に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
- 工程Bにおけるフィルムの幅手方向への、下記一般式(3)で表される延伸速度が、50%/min〜500%/minであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
一般式(3)
延伸速度(%/min)={(延伸後幅手寸法/延伸前幅手寸法)−1}×100(%)/延伸に要する時間(min) - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを把持する工程A、幅手方向に引き延ばす工程B、把持緩和工程Cを有し、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
工程A、Bにおける雰囲気の良溶媒濃度が2000ppm以上飽和蒸気量未満であることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に引き延ばす工程Bを有し、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
工程Bで幅手方向のフィルム延伸倍率が1.1〜2.5の範囲であることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に引き延ばす工程B、把持緩和工程Cの後、更に乾燥を行う工程D1を有し、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
工程B終了時および工程D1開始時での長手方向のフィルム弾性率をそれぞれDB、DD1とした時、DB<DD1となる条件で乾燥することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に引き延ばす工程Bを有し、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
工程B開始前にスリッターによりフィルム端部を切除することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に把持する工程A、引き延ばす工程B、把持緩和する工程Cを有し、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
工程A、B、Cの間にニュートラルゾーンを設けることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に把持する工程A、引き延ばす工程B、把持緩和する工程Cを有するセルロースエステルフィルムの製造方法において、
工程A、B、Cの間にニュートラルゾーンを有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸させ、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
幅手方向の引き裂き強度、長手方向の引き裂き強度をそれぞれHtd、Hmdとした時、Htd/Hmdが0.62〜1.0に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸させ、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
60℃、90%RHで24時間処理前後の幅手方向の寸法変化率、長手方向の寸法変化率をそれぞれStd%、Smd%とした時、Stdが−0.4〜0.4%の範囲であり、且つ、Smdが−0.4〜0.4%に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸させ、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
流延時の可塑剤含有量をG1、D1終了後の可塑剤含有量をG2としたとき、G2/G1を0.9〜1.0に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸させ、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
幅手方向での膜厚の最大値、最小値、平均値をそれぞれRmax、Rmin、Raveとした時、下記一般式(4)で表される膜厚分布を0〜8%に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
一般式(4)
R(%)=(R(max)−R(min))/R(ave)×100
〔式中、R(max):最大膜厚、R(min):最小膜厚、R(ave):平均膜厚を表す。〕 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸させ、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
配向角分布を流延方向(長手方向)に対して90±1度に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸させ、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
フィルムの面内方向のリターデーション(R0)分布を5%以下に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸させ、フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーションをRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5であるセルロースエステルフィルムの製造方法において、
フィルムの厚み方向のリターデーション(Rt)分布を10%以下に調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。 - 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸するセルロースエステルフィルムの製造方法において、ヘイズ値を0〜2%に調整することを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
- セルロースエステルフィルムの総アシル基置換度が2.3〜2.85であり、アセチル基の置換度が1.4〜2.85であることを特徴とする請求項1〜26のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
- 請求項1〜27のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法を用いて製造されたことを特徴とするセルロースエステルフィルム。
- 請求項28に記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項28に記載のセルロースエステルフィルム上に光学異方層を有することを特徴とする光学補償シート。
- 請求項1〜27のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法により製造されたセルロースエステルフィルムの、流延時に支持体上に接触していた面側に光学異方層を有することを特徴とする光学補償シート。
- 請求項28に記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする楕円偏光板。
- 請求項32に記載の楕円偏光板を有することを特徴とする表示装置。
- 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムにおいて、流延方向に対して幅手、長手方向での引き裂き強度をそれぞれHtd、Hmdとした時、Htd/Hmdが0.62〜1.0の範囲であることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
- 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムにおいて、流延方向に対して幅手、長手、膜厚方向の屈折率をそれぞれNx、Ny、Nzとした時、Nx>Ny>Nzであることを特徴とする請求項34に記載のセルロースエステルフィルム。
- フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーション値をRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5の範囲であることを特徴とする請求項34または35に記載のセルロースエステルフィルム。
- セルロースエステルの総アシル基置換度が2.3〜2.85の範囲であり、アセチル基の置換度が1.4〜2.85の範囲であることを特徴とする請求項34〜36のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
- 配向角分布が、長手方向に対して90±1度の範囲内であることを特徴とする請求項34〜37のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
- 幅手方向での膜厚の最大値、最小値、平均値をそれぞれRmax、Rmin、Raveとした時、(Rmax−Rmin)/Raveが0〜8%の範囲であることを特徴とする請求項34〜38のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
- フィルム面内のリターデーション(R0)分布が、5%以下であることを特徴とする請求項34〜39のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
- フィルム厚み方向のリターデーション(Rt)分布が、10%以下であることを特徴とする請求項34〜40のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
- 支持体上に流延後、剥離されたセルロースエステルフィルムにおいて、60℃、90%RHにおける24時間処理後、流延方向に対して幅手方向の寸法変化率、長手方向の寸法変化率をそれぞれStd%、Smd%とした時、Stdが−0.4%〜0.4%であり、且つ、Smdが−0.4%〜0.4%であることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
- 流延方向に対して幅手、長手、膜厚方向の屈折率をそれぞれNx、Ny、Nzとした時、Nx>Ny>Nzであることを特徴とする請求項42に記載のセルロースエステルフィルム。
- フィルム面内のリターデーションをR0(nm)、厚み方向のリターデーション値をRt(nm)とした時に、Rt/R0が0.8〜3.5の範囲であることを特徴とする請求項42または43に記載のセルロースエステルフィルム。
- セルロースエステルの総置換度が2.3〜2.85の範囲であり、アセチル基の置換度が1.4〜2.85の範囲であることを特徴とする請求項42〜44のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
- 配向角分布が長手方向に対して90±1度の範囲内であることを特徴とする請求項42〜45のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
- 請求項34〜46のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項34〜46のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム上に光学異方層を有することを特徴とする光学補償シート。
- 請求項34〜46のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする楕円偏光板。
- 請求項49に記載の楕円偏光板を有することを特徴とする表示装置。
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