JP2000009931A - 偏光板用保護フィルム - Google Patents

偏光板用保護フィルム

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JP2000009931A
JP2000009931A JP17467098A JP17467098A JP2000009931A JP 2000009931 A JP2000009931 A JP 2000009931A JP 17467098 A JP17467098 A JP 17467098A JP 17467098 A JP17467098 A JP 17467098A JP 2000009931 A JP2000009931 A JP 2000009931A
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Japan
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present
film
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solvent
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JP17467098A
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English (en)
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Atsuko Matsuda
敦子 松田
Isamu Michihashi
勇 道端
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面形状がよくモアレがない、スリップによ
るスリキズがない保護フィルムを提供する。 【解決手段】 樹脂フィルム表面の円筒及び傾斜補正後
のプロファイルが、7.5mm×0.5mmの視野内
に、ピッチが1mm以上4mm以下で、高さが0.1μ
m以上0.3μm以下であるうねりが少なくとも1個存
在し、かつ3次元プロファイルの中心線平均粗さをRa
1、最大粗さをRt1、75mm×55.6mm視野内
における傾斜補正後の3次元プロファイルの中心線平均
粗さをRa2、最大粗さをRt2とすると、(Ra1/
Ra2)×(Rt1/Rt2)が20以上70以下であ
ることを特徴とする偏光板用保護フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースの低級
脂肪酸エステルを主成分とするフィルムからなる偏光板
保護フィルムに関するものであり、詳しくは液晶表示装
置の偏光板に広く使用され、表面のモアレやゆがみ等の
ないフィルムが収率よく生産することのできる偏光板用
保護フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、偏光板の主要素材である偏光膜を
保護するためには、その表面に耐擦傷性、耐薬品性付与
のため保護フィルムを用いる。この偏光板用保護フィル
ムを作製するにあたり、透明樹脂をステンレスバンドや
ドラム上に均一に流延し、乾燥させた後ステンレスバン
ドやドラム上から剥離して巻き取っている。
【0003】このとき高生産性及び低コストを重視する
あまり、高速で搬送しながら高温で乾燥していた。また
低コストを実現するためステンレスバンドやドラム表面
の形状が変化しても使用し続けることで高生産性を実現
していた。しかし、保護フィルムは最終工程での巻き取
り時に巻き乱れや巻き芯側での表面形状転写や保護フィ
ルム上に屈折率を変化させる材料を設けた表面加工を行
う場合、表面のモアレによって屈折率にムラを生じた
り、偏光板と貼りあわせたときに接着不良をおこすこと
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が上記の表面
形状について研究を進めたところ、この故障の原因が、
うねりの周期や高さ、個数、またうねりと凹凸の割合に
よるものであることを見いだした。
【0005】保護フィルムは原材料の種類、乾燥条件及
びその他の製造条件により、うねりと呼ばれる1mmを
越える周期の(ピッチ)形状と凹凸と呼ばれる周期の短
い形状が認められる。
【0006】また液晶表示装置に組み込んだ場合、光が
散乱し、表示にロスが生じる故障の原因は、保護フィル
ムの光散乱パターンが角度によって変わり、局所的に複
屈折が生じることが原因であるということが判明した。
【0007】本発明の第1の目的は、表面にモアレが無
く、スリップによるスリキズがない偏光板用保護フィル
ムを提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は、表面にモアレが無
く、偏光板との接着性がよく、ブロッキング性の良好な
偏光板用保護フィルムを提供することにある。
【0009】本発明の第3の目的は、表面にモアレが無
く、表示ロスがない偏光板用保護フィルムを提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成の何れかを採ることにより達成される。
【0011】(1) 本発明の第1の目的は、樹脂フィ
ルム表面の円筒及び傾斜補正後のプロファイルが、7.
5mm×0.5mmの視野内に、ピッチが1mm以上4
mm以下で、高さが0.1μm以上0.3μm以下であ
るうねりが少なくとも1個存在し、かつ3次元プロファ
イルの中心線平均粗さをRa1、最大粗さをRt1、7
5mm×55.6mm視野内における傾斜補正後の3次
元プロファイルの中心線平均粗さをRa2、最大粗さを
Rt2とすると、(Ra1/Ra2)×(Rt1/Rt
2)が20以上70以下であることを特徴とする偏光板
用保護フィルムにより達成され、これによってブロッキ
ング測定時のスリップによるスリキズが解決され、また
モアレが生じる不良が解決されたのである。
【0012】ピッチは1mm以上3mm以下であること
がより好ましく、高さは0.1μm以上0.2μm以下
であるのがより好ましく、個数は1個以上3個以下が好
ましい。また、(Ra1/Ra2)×(Rt1/Rt
2)の値は30以上50以下がより好ましい。
【0013】中心線平均粗さRaはその表面形状の平均
的な状態を表し、最大高さRtは特異的な突起が生じた
場合にその性質を表現することができる。したがって
(Ra1/Ra2)×(Rt1/Rt2)の値が20よ
りも小さい場合、うねりの成分が少なく細かい突起が多
く、イレギュラーな突起が多いフィルムとなり、摩擦係
数が高くなることにより製造工程において搬送時のトル
クに負荷がかかったり、巻き乱れ等の問題が生じ、70
よりも大きい場合はゆがみや巻き取後時に特に巻き芯側
に対し形状の転写や傷を生じる。
【0014】本発明(1)を達成する手段は特に限定さ
れないが、たとえば製造プロセスにおいて溶媒含有率が
50重量%未満、12重量%以上のとき、幅方向延伸装
置を用いて、幅手方向の延伸率を溶媒含有率に応じて延
伸させ、さらに緊張状態のまま徐々に冷却し、残りを次
の乾燥室で蒸発させることによって達成できる。また支
持体から剥離された後、乾燥工程の任意の時点において
フィルムの幅手方向に張力付与を開始し、溶媒含有率が
4重量%以上の時点で張力付与を終了する方法等が考え
られる。
【0015】幅方向延伸装置としてはポリエステルフィ
ルムなどの延伸に使用されるテンターを用いることがで
きる。テンターの機構の例としてエンドレスの二組のチ
ェーンがいくつかの節を持つ幅方向に可動なレールに組
み込まれ、各チェーンにはウェブの両側縁部を固持する
ためにクリップが列状に取り付けられており、ウェブの
両縁部を固定アゴの上にシューで押さえているものであ
る。これによりスプロケットを駆動することによりウェ
ブを連続的に幅方向に延伸させることができる。又、ピ
ンを有するピン型延伸装置も本発明に有用である。
【0016】(2) また本発明の第2の目的は、透明
樹脂フィルムの表面のうねりが、円筒及び傾斜補正後の
プロファイルにおいて、7.5mm×0.5mmの視野
内におけるピッチが3mm以上6mm以下で、h/pが
3×10-5以上6×10-5以下であることを特徴とする
偏光板用保護フィルム(但し、p:ピッチ(mm)、h
高さ:(mm))により達成され、これによってブロッ
キングが解決され、モアレが生じたり、偏光板と貼り合
わせたときの接着不良がなくなり、より透明性が高い保
護フィルムが得られるという効果が生じる。
【0017】ピッチが3mm以上5mm以下がより好ま
しく、h/pが3×10-5以上5×10-5以下であるこ
とがより好ましい。
【0018】本発明(2)の達成する手段は特に限定さ
れないが、たとえば本発明(1)で用いた方法に加えて
溶媒含有率が10%以下になった時点でフィルムに対し
厚さ方向に圧力を付与する方法等が考えられる。
【0019】(3) さらに本発明の第3の目的は、樹
脂フィルム表面のVv散乱パターンにおける法位角
(φ)=0゜、45゜、90゜の散乱角(θ)=10°
の散乱強度をそれぞれ算出した場合、散乱強度の比Is
(90°)/Is(45°)が0.80以上1.20以
下で、かつIs(0°)/Is(45°)が0.80以
上1.20以下であることを特徴とする偏光板用保護フ
ィルムにより達成され、これによりモアレが無く、光の
散乱による表示ロスを防ぐことができる。
【0020】Is(90°)/Is(45°)が0.9
0以上1.10以下でかつIs(0°)/Is(45
°)が0.90以上1.10以下がより好ましい。
【0021】本発明の(3)を達成する手段は特に限定
されないが、本発明(1)で用いたように製造プロセス
において溶媒含有率が50重量%未満、12重量%以上
の間で幅方向延伸装置を用いて、幅手方向の延伸率を溶
媒含有率に応じて延伸させ、さらに緊張状態のまま徐々
に冷却し、残りを次の乾燥室で蒸発させることによって
達成できる。また支持体から剥離された後、乾燥工程の
任意の時点においてフィルムの幅手方向に張力付与を開
始し、溶媒含有率が4重量%以上の時点で張力付与を終
了する方法等が考えられる。
【0022】高分子実験学第17巻高分子の固体構造II
(共立出版株式会社)およびアプリケーションノートL
S−N007固体光散乱を利用した高分子高次構造のキ
ャラクタリゼーション(大塚電子株式会社)等の記載よ
り光散乱測定においては、Hv、Vv、HH偏光成分が
よく利用される。その中でVv散乱は光学異方性だけで
なく、密度による散乱も含む成分であることが良く知ら
れている。
【0023】本発明の偏光板用保護フィルムにおいて
は、光の波長オーダーで明確な高次組織を持たない結晶
性高分子固体のため、未配向状態で散乱像は入射光軸に
対して円対称となる。しかし、製造工程においてどちら
かの方向に極端な延伸あるいは収縮等が発生すると円対
称とはならない。
【0024】またベルト表面の形状劣化や巻き取り時の
テンションにムラが生じたりすることによって表面に
傷、ゆがみ等が存在すると散乱パターンは真円でなくな
る。
【0025】本発明に用いる保護フィルムの特性は、2
5℃、65%RH下で樹脂フィルム同士が重ね合わされ
ない条件で24時間調湿したのち、該環境下で行った測
定により得たものである。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の保護フィルムの素材とし
ては、セルロースの低級脂肪酸エステルを主成分とする
ものが用いられる。低級脂肪酸エステルの低級脂肪酸と
は、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子
数は2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロ
ピオネート)または4(セルロースブチレート)である
ことが好ましい。セルロースアセテートがさらに好まし
く、セルローストリアセテートが特に好ましい。
【0027】セルロースの低級脂肪酸エステルを主成分
とするフィルムの製膜方法には、メルトキャスト法とソ
ルベントキャスト法がある。メルトキャスト法では、加
熱溶融したセルロースの低級脂肪酸エステルを支持体上
に流延し、冷却することによりフィルムを形成する。ソ
ルベントキャスト法では、セルロースの低級脂肪酸エス
テルを有機溶媒(例、メチレンクロライド)に溶解して
形成したドープを支持体上に流延し、乾燥することによ
りフィルムを形成する。メルトキャスト法よりソルベン
トキャスト法の方が好ましい。ソルベントキャスト法に
は、支持体としてバンドを用いる方法とドラムを用いる
方法がある。
【0028】本発明に係るセルロースエステルとして
は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセ
テートプロピオネートなどが挙げられ、特に重合度25
0〜400、結合酢酸量が54〜62.5%のセルロー
ストリアセテートが好ましく、結合酢酸量が58〜6
2.5%が強度が強くより好ましい。セルローストリア
セテートは綿花リンターから合成されたセルローストリ
アセテートと木材パルプから合成されたセルローストリ
アセテートのどちらかを単独あるいは混合して用いるこ
とができる。
【0029】ベルトやドラムからの剥離性がもし問題に
なれば、ベルトやドラムからの剥離性が良い綿花リンタ
ーから合成されたセルローストリアセテートを多く使用
すれば生産性効率が高く好ましい。木材パルプから合成
されたセルアセテートを混合し用いた場合、綿花リンタ
ーから合成されたセルローストリアセテートの比率が4
0重量%以上で、剥離性の効果が顕著になるため好まし
く、60重量%以上がさらに好ましく、単独で使用する
ことが最も好ましい。
【0030】本発明に使用される溶剤は良溶剤と貧溶剤
を混合して使用することが、生産効率の点で好ましい。
良溶剤と貧溶剤の混合比率は良溶剤70〜95重量%、
貧溶剤は30〜5重量%が好ましい。又、セルロースエ
ステルの濃度は10〜30重量%が好ましく、18〜2
0重量%がより好ましい。
【0031】本発明中の良溶媒、貧溶媒とは、使用する
セルロースエステルを単独で溶解するものを良溶媒、単
独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶媒と定義し
ている。そのため、セルロースエステルの結合酢酸量に
よって良溶媒、貧溶媒が変わり、例えばアセトンは結合
酢酸量55%では良溶媒、結合酢酸量60%では貧溶媒
となる。
【0032】本発明に使用される良溶剤は、例えばメチ
レンクロライド又は1,3−ジオキソラン類を使用す
る。1,3−ジオキソラン類としては、例えば1,3−
ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、4
−メチル−1,3−ジオキソラン、2−エチル−1,3
−ジオキソラン、4−エチル−1,3−ジオキソラン、
2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン等がある。
【0033】メチレンクロライドと1,3−ジオキソラ
ン類を混合して使用することもできる。
【0034】本発明に使用される貧溶剤は、例えばメタ
ノール、エタノール、ブタノール等の炭素数1〜8のア
ルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、酢酸エチル、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、
ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチ
ルセルソルブ、エチレングリコール、モノメチルエーテ
ル、アセトン、トルエン等をあげることができ、これら
の貧溶媒を単独もしくは2種以上を適宜組み合わせて用
いることができるが、残留溶媒量が多い状態で剥離可能
で生産効率が高いため、メタノール、エタノール、n−
ブタノール、シクロヘキサンが好ましく、n−ブタノー
ル、シクロヘキサンがさらに好ましい。
【0035】本発明に係るセルロースエステルの溶解方
法は、一般的な方法を用いることができるが、好ましい
方法としては、セルロースエステルを貧溶媒と混合し、
湿潤あるいは膨潤させ、さらに良溶媒と混合する方法で
ある。このとき加圧下で、溶剤の常温での沸点以上でか
つ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、撹拌しながら
溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物
の発生を防止するためより好ましい。
【0036】セルロースエステルと溶剤のほかに必要な
可塑剤、紫外線吸収剤等の添加剤は、予め溶剤と混合
し、溶解または分散してからセルロースエステル溶解前
の溶剤に投入しても、セルロースエステル溶解後のドー
プへ投入しても良い。
【0037】また本発明に係るセルロースエステルフィ
ルムには、他に必要ならマット剤として酸化珪素のよう
な微粒子などを加えても支障はない。酸化珪素のような
微粒子は有機物によって表面処理されていることが、フ
ィルムのヘイズを低下できるため好ましい。表面処理で
好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシ
ラン類、シラザン、シロキサンなどがあげられる。微粒
子の平均径が大きい方がマット効果は大きく、平均径の
小さい方は透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次
粒子の平均径は5〜50nmでより好ましくは7〜14
nmである。
【0038】酸化珪素の微粒子としてはアエロジル株式
会社製のAEROSIL200、300、R972、R
974、R202、R812,OX50、TT600な
どがあげられ、好ましくはAEROSILR972、R
974、R202、R812などがあげられる。
【0039】本発明のセルロースエステルフィルムに
は、紫外線吸収剤を用いるが、紫外線吸収剤としては、
液晶の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線の
吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点より波長40
0nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ま
しく用いられる。一般に用いられるものとしては、例え
ばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール
系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノ
ン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯
塩系化合物、無機粉体などがあげられる。
【0040】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は下記一般式〔1〕で示される化合物が好ましく用いら
れる。
【0041】
【化1】
【0042】式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同じ
か又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニト
ロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、ア
リール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ又はジ
アルキルアミノ基、アシルアミノ基又は5〜6員の複素
環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形
成してもよい。
【0043】一般式〔1〕のR1、R2、R3、R4及びR
5は同一又は異ってもよく、水素原子、ハロゲン原子
(塩素、臭素、沃素、フッ素)、ニトロ基、ヒドロキシ
ル基、アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロ
ピル、iso−プロピル、アミノプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、クロロブチ
ル、n−アミル、iso−アミル、ヘキシル、オクチ
ル、ノニル、ステアリルアミドブチル、デシル、ドデシ
ル、ペンタデシル、ヘキサデシル、シクロヘキシル、ベ
ンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなど)、ア
ルケニル基(例えば、ビニル、アリル、メタアリル、ド
デセニル、トリデセニル、テトラデセニル、オクタデセ
ニルなど)、アリール基(例えばフェニル、4−メチル
フェニル、4−エトキシフェニル、2−ヘキソキシフェ
ニル、3−ヘキソキシフェニルなど)、アルコキシ基
(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ、クロロブトキシ、デコキシ、ジアミノフェノキシ、
エトキシ、ペンタデコキシ、オクタデコキシなど)、ア
シルオキシ基(例えば、カルボメトキシ、カルボブトキ
シ、カルボヘキソキシ、カルボペンタデコキシなど)、
アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、4−メチルフ
ェノキシ、2−プロピルフェノキシ、3−アミルフェノ
キシなど)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エ
チルチオ、t−ブチルチオ、t−オクチルチオ、ベンジ
ルチオなど)、アリールチオ基(例えば、フェニルチ
オ、メチルフェニルチオ、エチルフェニルチオ、メトキ
シフェニルチオ、エトキシフェニルチオ、ナフチルチオ
など)、モノ又はジアルキルアミノ基(例えば、N−エ
チルアミノ、N−t−オクチルアミノ、N,N−ジエチ
ルアミノ、N,N−ジ−t−ブチルアミノなど)、アシ
ルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミ
ノ、メタンスルホニルアミノなど)、酸素又は窒素を含
む5又は6員の複素環基(例えば、ピペリジノ、モルホ
リノ、ピロリジノ、ピペラジノなど)を示し、R4とR5
は閉環して炭素原子からなる5又は6員環を形成しても
よい。
【0044】一般式〔1〕において、R1〜R5で示され
る置換基は、炭素数5〜36が好ましく、アルキル基は
炭素数1〜18であることが好ましい。
【0045】上記一般式で表される化合物例を以下に示
すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】(1−1) 2−(2′−ヒドロキシ−
5′−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−2) 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−3) 2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチ
ル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール (1−4) 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル (1−5) 2−(2′−ヒドロキシ−5′−イソオク
チルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−6) 2−(2′−ヒドロキシ−5′−n−オク
チルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−7) 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−8) 2−(2′−ヒドロキシ−5′−ドデシル
フェニル)−ベンゾトリアゾール (1−9) 2−(2′−ヒドロキシ−5′−ヘキサデ
シルフェニル)−ベンゾトリアゾール (1−10) 2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ア
ミル−5′−ベンゾフェニル)−ベンゾトリアゾール なお、本発明においては上記の化合物を含めて本発明と
同一の出願人による特開昭60−128434号公報第
10頁〜第12頁に記載されている化合物例の(IV−
1)〜(IV−39)を用いることが出来る。
【0047】本発明に用いられる上記のベンゾトリアゾ
ール系化合物は、例えば特公昭44−29620号に記
載の方法、又はそれに準じた方法により容易に合成する
ことが出来る。
【0048】また本発明で好ましく用いられる紫外線吸
収剤のひとつであるベンゾフェノン系紫外線吸収剤とし
ては下記一般式〔2〕で表される化合物が好ましく用い
られる。
【0049】
【化2】
【0050】式中、Yは水素原子、ハロゲン原子または
アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニ
ル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフ
ェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、
アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキ
ル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基又
は−CO(NH)n-1−D基を表し、Dはアルキル基、
アルケニル基又は置換基を有していてもよいフェニル基
を表す。m及びnは1または2を表す。
【0051】上記において、アルキル基としては例え
ば、炭素数24までの直鎖又は分岐の脂肪族基を表し、
アルコキシ基としては例えば、炭素数18までのアルコ
キシ基で、アルケニル基としては例えば、炭素数16ま
でのアルケニル基で例えばアリル基、2−ブテニル基な
どを表す。又、アルキル基、アルケニル基、フェニル基
への置換分としてはハロゲン原子、例えばクロール、ブ
ロム、フッ素原子など、ヒドロキシ基、フェニル基、
(このフェニル基にはアルキル基又はハロゲン原子など
を置換していてもよい)などが挙げられる。
【0052】以下に一般式〔2〕で表されるベンゾフェ
ノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらのみに
限定されるものではない。
【0053】
【化3】
【0054】
【化4】
【0055】
【化5】
【0056】サリチル酸エステル系化合物としては、例
えばフェニルサリシレートなどがあげられ、シアノアク
リレート系としては、例えば2−エチルヘキシル−2−
シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレートなどがあげ
られる。
【0057】無機粉体としては、超微粒子酸化チタン、
超微粒子酸化亜鉛、超微粒子酸化鉄、超微粒子酸化セリ
ウム、シリカ−酸化セリウム被覆顔料などがあげられ
る。
【0058】本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤
は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果
に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少
ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好まし
い。
【0059】紫外線吸収剤の添加方法はアルコールやメ
チレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外
線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直
接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有
機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエス
テル中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してか
らドープに添加する。
【0060】本発明における紫外線吸収剤の使用量は透
明性や紫外線吸収能力の点でセルロースエステル100
gに対して0.2〜4gが好ましく、0.5〜2gが特
に好ましい。
【0061】本発明に係る偏光板の作製方法は特に限定
されず、一般的な方法で作製することができる。例え
ば、セルローストリエステルフィルムをアルカリ処理
し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の両面
に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて
貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開
平6−94915号公報、特開平6−118232号公
報に記載されているような接着性を高める方法を使用し
ても良い。
【0062】本発明のセルロースエステルフィルムには
可塑剤を含有されるのが好ましい。用いることのできる
可塑剤としては特に限定はないが、リン酸エステル系で
は、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフ
ェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、
ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジ
オクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート等、グリコール酸エステル系で
は、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチ
ルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、
メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブ
チルグリコレート等を単独あるいは併用するのが好まし
い。リン酸エステル系の可塑剤の使用比率は50重量%
以下が、セルロースエステルフィルムの加水分解を引き
起こしにくく、耐久性に優れるため好ましい。リン酸エ
ステル系の可塑剤比率は少ない方がさらに好ましく、フ
タル酸エステル系やグリコール酸エステル系の可塑剤だ
けを使用することが特に好ましい。
【0063】本発明に好ましく用いられる可塑剤として
は凝固点20℃以上の可塑剤が好ましく、凝固点が20
℃以下であれば特に限定されず、上記可塑剤の中から選
ぶことができる。例えば、トリクレジルホスフェート、
クレジルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェ
ート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオ
クチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリル
エチルグリコレート等をあげることができる。これらの
可塑剤を単独あるいは併用するのが好ましい。
【0064】本発明中の凝固点とは、共立出版株式会社
出版の化学大事典に記載されている真の凝固点を凝固点
としている。
【0065】これらの可塑剤の使用量は、フィルム性
能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜
15重量%が好ましい。液晶表示用部材用としては、寸
法安定性の観点から1〜10重量%がより好ましく、3
〜7重量%がさらにより好ましい。
【0066】またセルロースエステルに対して凝固点が
20℃以下の可塑剤の含有量は1重量%以上かつ10重
量%以下が好ましく、3重量%以上かつ7重量%以下が
さらに好ましい。全可塑剤のうち凝固点が20℃以下の
可塑剤の占める割合は多い方が、セルロースエステルフ
ィルムの柔軟性が良化し加工性に優れるため好ましい。
また、可塑剤の全てが凝固点20℃以下の可塑剤である
ことが最も好ましい。
【0067】本発明では以上のようなフィルムを偏光板
保護フィルムとして用いる。偏光板保護フィルムは、2
5乃至350μmの厚さを有することが好ましく、50
乃至200μmの厚さを有することがさらに好ましい。
保護フィルムには主成分以外にも紫外線吸収剤、滑り剤
あるいは劣化防止剤を添加することができる。偏光板の
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料
系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。いずれの偏光膜
も、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製
造する。保護フィルム上にはさらに表面処理膜を設けて
もよい。表面処理膜の機能には、ハードコート、防曇処
理、防眩処理および反射防止処理が含まれる。
【0068】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0069】 A.本発明(1)の実施例 本発明試料1の作製 (ドープ組成物A) 三酢酸セルロース(原材料酢綿として綿花リンター100%、酢化度61.0 %) 100重量部 トリフェニルホスフェート 3重量部 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリ アゾール 8重量部 メチレンクロライド 475重量部 エタノール 50重量部 以上を密閉容器に投入し、41℃で撹拌しながら完全に
溶解した。ドープ組成物Aを濾過し、ベルト流延装置を
用い、ドープ温度33℃でステンレスバンド支持体上に
均一に流延した。ステンレスバンド支持体が30℃にな
るようにコントロールしながら溶媒を蒸発させ、ステン
レスバンド支持体上から剥離した。その後溶媒含有率2
0重量%の時点でフィルム両端部をピンで固定し、20
m/minの速度で搬送させながら、溶媒含有率30重
量%で両端部を解放した。幅手方向の延伸率は3%とし
た。さらに乾燥し膜厚80μmの三酢酸セルロースフィ
ルムを得た。これを巻き取った後、20℃、55%RH
環境下で保存した。これにより本発明試料1を得た。
【0070】本発明試料2の作製 本発明試料1の搬送速度を25m/min、幅手方向の
延伸率を0に変更し本発明試料2を得た。
【0071】比較試料1の作製 本発明試料1の搬送速度を5m/minとし、幅手方向
の延伸率は8%とし、比較試料1を得た。
【0072】 比較試料2の作製 (ドープ組成物B) 三酢酸セルロース(原材料酢綿として木材パルプ100%、酢化度62.0% ) 100重量部 トリフェニルホスフェート 3重量部 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリ アゾール 8重量部 メチレンクロライド 475重量部 エタノール 50重量部 以上を密閉容器に投入し、41℃で撹拌しながら完全に
溶解した。ドープ組成物Bを濾過し、ベルト流延装置を
用い、ドープ温度33℃でステンレスバンド支持体上に
均一に流延した。ステンレスバンド支持体を38℃にな
るようにコントロールしながら溶媒を蒸発させ、ステン
レスバンド支持体上から剥離した。その後乾燥ゾーンを
30m/minの速度で、幅手方向に張力を付与せずに
搬送させながら、乾燥を終了させ、膜厚80μmの三酢
酸セルロースフィルムを得た。これを巻き取った後、2
0℃、55%RH環境下で保存した。これにより比較試
料2を得た。
【0073】比較試料3の作製 本発明試料1でステンレスバンド支持体上から剥離後、
溶媒含有率20重量%の時点でフィルム両端部をピンで
固定しながら搬送速度10m/minで幅手方向の延伸
率は5%とした。巻き取った後、30℃、85%RH環
境下で保存し、これにより比較試料3を得た。
【0074】B.本発明(2)の実施例 本発明試料1の作製 Aの実施例の本発明試料1の搬送速度を15m/min
とし、溶媒含有率が3重量%の時点で圧力2kPaの条
件でニップロールにより後処理を行い、本発明試料1を
得た。
【0075】本発明試料2の作製 Aの実施例の本発明試料1の搬送速度を25m/mi
n、幅手方向の延伸率を5%に変更し本発明試料2を得
た。
【0076】比較試料1の作製 本発明試料1の搬送速度を5m/minとし、溶媒含有
率が3重量%の時点で圧力10kPaの条件でニップロ
ールにより後処理を行い比較試料1を得た。
【0077】 比較試料2の作製 (ドープ組成物C) 三酢酸セルロース(原材料酢綿として木材パルプ100%、酢化度61.0% ) 100重量部 トリフェニルホスフェート 3重量部 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリ アゾール 8重量部 メチレンクロライド 475重量部 エタノール 50重量部 以上を密閉容器に投入し、41℃で撹拌しながら完全に
溶解した。ドープ組成物Cを濾過し、ベルト流延装置を
用い、ドープ温度33℃でステンレスバンド支持体上に
均一に流延した。ステンレスバンド支持体を38℃にな
るようにコントロールしながら溶媒を蒸発させ、ステン
レスバンド支持体上から剥離した。その後乾燥ゾーンを
30m/minの速度で、幅手方向に張力を付与せずに
搬送させながら、乾燥を終了させ、膜厚80μmの三酢
酸セルロースフィルムを得た。これを巻き取った後、3
0℃、85%RH環境下で保存した。これにより比較試
料2を得た。
【0078】比較試料3の作製 比較試料2の搬送速度を40m/minとし、これを巻
き取った後、20℃、85%RH環境下で保存し比較試
料3を得た。
【0079】比較試料4の作製 比較試料2の搬送速度を10m/minとし、これを巻
き取った後、30℃、85%RH環境下で保存し比較試
料4を得た。
【0080】C.本発明(3)の実施例 本発明試料1 Aの実施例の本発明試料1と同様に作製した。
【0081】本発明試料2 Aの実施例の本発明試料2と同様に作製した。
【0082】比較試料1 Aの実施例の比較試料1と同様に作製した。
【0083】比較試料2 Aの実施例の比較試料2と同様に作製した。
【0084】比較試料3 Aの実施例の比較試料3と同様に作製した。
【0085】以上のようにして作製したAの実施例本発
明試料1、2及び比較試料1〜3、Bの実施例本発明試
料1、2及び比較試料1〜4、Cの実施例本発明試料
1、2及び比較試料1、2について以下の性能測定を行
った。
【0086】表面粗さ測定方法 25℃、65%RH環境下で樹脂フィルム同士が重ね合
わされない条件で24時間調湿したのち、該環境下で測
定した。ここで示す重ね合わされない条件とはたとえば
フィルムエッジ部分を高くした状態で巻き取る方法やフ
ィルムとフィルムの間に紙をはさんで重ねる方法、厚紙
等で枠を作製しその四隅を固定する方法のいずれかであ
る。
【0087】測定装置はWYKO社製 RSTPLUS
非接触三次元微小表面形状測定システムを用いた。
【0088】VSIモードにおいて対物レンズ1.5
倍、中間レンズ0.5倍を用いた。
【0089】測定条件はScan depthは40μ
m、Mod threshは2.0%、Scan ba
ckは15.0μm、Resolutionは368*
238full view、Scan speedはH
IGHで測定した。解析時はTerm removal
をcylinder and tilt(円筒及び傾斜
補正)で補正し、FilteringはMedian
Smoothingで行った。
【0090】試料固定方法は試料を試料台に固定したと
きのたるみ、ゆがみなどを除去するため、直径4cmの
塩化ビニル製の円筒形パイプ表面中央に直径1cmの穴
をあけた試料ホルダーを作製し、その中に試料を円周方
向が試料の長手方向になるように丸めていれた。
【0091】結果の解析方法はプロファイルを2次元で
表示し、測定ポイントより描かれた7.5mm×0.5
mmの視野内の試料形状でのY軸中心を通りX軸と平行
な直線で切った部分をX−profileとして表示す
る。このチャートにおいて、うねりの谷と谷を直線で結
び、これをベースラインとした。谷から谷の直線距離を
ピッチとし、頂点から該ベースラインに垂直な直線を引
き、ベースラインから頂点までの直線距離を高さとし
た。さらに3次元表示に変更しRa1、Rt1を求め
た。
【0092】試料を切り取り、ガラス板に両面テープで
固定し、対物レンズ40倍、中間レンズ2.0倍で同様
に測定した。75mm×55.6mm視野内における解
析においてtilt only(傾斜補正)で補正し
た。この3次元表示よりRa2、Rt2を求めた。
【0093】散乱強度測定方法 測定は大塚電子株式会社製高分子フィルムダイナミック
ス解析装置DYNA−100を用いた。光源には5mW
He−Neレーザーを用い、検出器として二次元CC
D検出器を用いて、散乱パターンを測定した。測定条件
はexpo time0.20でA−SCAN、acc
ess pattern setをfull、grou
p2の条件で試料をセットしない状態にて測定を行い、
これをバックグラウンドとする。
【0094】試料を約2cm×0.8cmの大きさに切
り、ホルダーにセットしたのちVv散乱を測定する。解
析用ソフトにより法位角(φ)0゜、45゜、90゜に
設定したときの散乱強度−角度プロットを表示する。そ
のグラフより散乱角(θ)=10゜における各法位角で
の散乱強度Is(90゜)、Is(45゜)、Is(0
゜)を求めた。
【0095】特性評価 表面形状 試料の表面を目視で下記の4段階に分けて評価した。
【0096】 ◎:モアレが全くない ○:かすかな表面凹凸が認められる △:かすかにモアレが認められる ×:全面にモアレが認められる(実用上問題あり) スリップによるスリキズ 目視により3段階に分けて評価した。
【0097】 ○:スリキズあり ×:スリキズなし(実用上問題あり) 偏光板との接着性 偏光板にポリビニルアルコール系接着剤を塗布し、ロー
ラーをかけて貼り合わせた後、23℃、55%RH環境
下で48時間保存した。そのときの試料の表面を目視で
下記の3段階に分けて評価した。
【0098】 ○:剥がれ箇所なし ×:全面的に剥がれあり(実用上問題あり) ブロッキング性 試料(幅35mm、長さ950mm)を直径50mmの
コアに1kgの荷重をかけて6周巻き付け、試料が緩ま
ないように試料の両端を両面テープ(幅30mm、長さ
5mm)で貼りつけておく。
【0099】コアを抜き取り、23℃、55%RH雰囲
気下で24時間放置後、電子天秤上に試料をのせ、1分
間10mm押し込み、そのときの応力を測定する。
【0100】次に試料を解いて1周巻きにして、同じよ
うに応力を測定する。
【0101】6周巻いたときの応力から1周巻いたとき
の応力の6倍を差し引いて試料のブロッキング力を算出
する。このときの結果を3段階に分けて評価した。
【0102】 A:20%未満 B:20%以上60%未満 C:60%以上(実用上問題あり) 光の散乱による表示ロス 保護フィルムを液晶用表示装置に組み込み、表示ロスを
目視で3段階に評価した。
【0103】 ○:表示ロスが全くない △:かすかに表示ロスが認められる ×:顕著な表示ロスが認められる(実用上問題あり) 評価結果を表1〜3に示す。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】以上の評価結果から次のことが明らかとな
った。
【0108】表1より、ピッチが1mm以上4mm以下
でかつ、高さが0.1μm以上0.3μm以下であるう
ねりが少なくとも1個存在することおよび(Ra1/R
a2)×(Rt1/Rt2)が20以上70以下である
ことで巻き形状において、表面形状にモアレが無く、巻
き取り時のスリップによるスリキズがない元巻きが得ら
れることがA.実施例の本発明試料と比較試料を比べる
ことでわかる。
【0109】表2より、ピッチが3mm以上6mm以下
で、ピッチp(mm)に対する高さh(mm)の比であ
るh/pが3×10-5以上6×10-5以下であること
で、表面形状が良好でモアレがなく、ブロッキング性が
良好で、偏光板との接着性が改良されることがB.実施
例の本発明試料と比較試料を比べることでわかる。
【0110】さらに表3より、Is(90゜)/Is
(45゜)が0.8以上1.2以下でかつIs(0゜)
/Is(45゜)が0.8以上1.2以下であるなら
ば、表面形状が良好で、表示ロスがないことがC.実施
例の本発明試料と比較試料を比べることでわかる。
【0111】
【発明の効果】本発明により、下記の効果を得ることが
出来る。
【0112】(1)の発明により、 透明樹脂フィルム
の表面において、円筒及び傾斜補正後のプロファイルに
ついて7.5mm×0.5mmの視野内に、表面凹凸間
ピッチが1mm以上4mm以下でかつ、高さが0.1μ
m以上0.3μm以下であるうねりが少なくとも1個存
在し、かつ3次元プロファイルの中心線平均粗さをRa
1、最大粗さをRt1、75mm×55.6mm視野内
における傾斜補正後の3次元プロファイルの中心線平均
粗さをRa2、最大粗さをRt2とすると、(Ra1/
Ra2)×(Rt1/Rt2)が20以上70以下にす
ることで表面形状がよくモアレがない、スリップによる
スリキズがない保護フィルムを提供することができる。
【0113】また、(2)の発明により、表面凹凸間ピ
ッチが3mm以上6mm以下で、ピッチp(mm)に対
する高さh(mm)の比であるh/pが3×10-5以上
6×10-5以下にすることによって、表面にモアレがな
く、偏光板との接着性がよく、ブロッキング性の良好な
保護フィルムを提供することができる。
【0114】更に、(3)の発明により、透明樹脂フィ
ルムのVv散乱パターンにおいて、法位角(φ)=0
゜、45゜、90゜における散乱強度を散乱角(θ)=
0から20°まで測定し、このときの散乱角(θ)=1
0°における散乱強度をそれぞれ算出し、散乱強度の比
Is(90°)/Is(45°)が0.80以上1.
20以下でかつIs(0°)/Is(45°)が0.8
0以上1.20以下にすることによって、液晶表示装置
において、表面形状が良く、表示ロスがない保護フィル
ムを提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂フィルム表面の円筒及び傾斜補正後
    のプロファイルが、7.5mm×0.5mmの視野内
    に、ピッチが1mm以上4mm以下で、高さが0.1μ
    m以上0.3μm以下であるうねりが少なくとも1個存
    在し、かつ3次元プロファイルの中心線平均粗さをRa
    1、最大粗さをRt1、75mm×55.6mm視野内
    における傾斜補正後の3次元プロファイルの中心線平均
    粗さをRa2、最大粗さをRt2とすると、(Ra1/
    Ra2)×(Rt1/Rt2)が20以上70以下であ
    ることを特徴とする偏光板用保護フィルム。
  2. 【請求項2】 透明樹脂フィルムの表面のうねりが、円
    筒及び傾斜補正後のプロファイルにおいて、7.5mm
    ×0.5mmの視野内におけるピッチが3mm以上6m
    m以下で、h/pが3×10-5以上6×10-5以下であ
    ることを特徴とする偏光板用保護フィルム。但し、p:
    ピッチ(mm)、h:高さ(mm)
  3. 【請求項3】 樹脂フィルム表面のVv散乱パターンに
    おける法位角(φ)=0゜、45゜、90゜の散乱角
    (θ)=10°の散乱強度をそれぞれ算出した場合、散
    乱強度の比Is(90°)/Is(45°)が0.80
    以上1.20以下で、かつIs(0°)/Is(45
    °)が0.80以上1.20以下であることを特徴とす
    る偏光板用保護フィルム。
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