JP2015106052A - 偏光子及びそれを含む偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏光子の厚みが小さい場合であっても、耐熱試験下で赤変を生じにくい偏光板、及びこのような偏光板を得るために好適に適用される偏光子を提供する。【解決手段】厚みが10μm以下の偏光子を含み、波長700nmでの吸光度A700と波長450nmでの吸光度A450との比A700/A450が0.85以上である偏光板、並びに厚みが10μm以下であり、100℃で30分間熱処理したときの、波長700nmでの吸光度A700と波長450nmでの吸光度A450との差の絶対値が0.11以下である偏光子及びこれを含む偏光板である。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子及びそれを含む偏光板に関する。
偏光板は、液晶表示装置等の表示装置、とりわけ近年ではスマートフォン、スレートPCのような各種モバイル機器に広く用いられている。モバイル機器への展開に伴い、偏光板の薄肉軽量化が益々求められており、また一方で、耐熱性に優れることも要求されている。
しかしながら、従来の偏光板は、耐熱試験(通常、80〜85℃で500〜750時間)を実施すると、偏光板から赤色領域の光が漏れる「赤変」という不具合を生じることがあった。赤変のような変色を抑制する方法として、従来各種の方法が提案されている。
偏光子の変色又は脱色を抑制するための従来の方法には、例えば、偏光子に硫酸イオンへを含有させる方法(特許文献1);偏光子製造プロセスに、所定のpH域に調整された水溶液へのフィルム浸漬処理を付加する方法(特許文献2及び3);偏光子上に所定の保護層を設ける方法(特許文献4);偏光子中のヨウ素含有量とカリウム含有量との比を調整する方法(特許文献5);偏光子に吸着されるI3 の配向を改善する方法(特許文献6);偏光子に亜鉛イオンを含有させる方法(特許文献7〜9)などがある。
特開2009−193047号公報 特開2009−282137号公報 特開2008−070571号公報 特開2008−065222号公報 特開2007−114581号公報 特開2004−341503号公報 特公昭60−033245号公報 特公平02−034001号公報 特開2000−035512号公報
上述のように、赤変を抑制し得る方法として種々のものが提案されているが、偏光子の厚みが小さい場合には特に赤変が生じやすく、このような偏光子に対して上述の方法は十分な赤変抑制対策であるとはいえなかった。また、亜鉛イオンを含有させる方法は、皮膚への刺激、廃液の環境負荷、偏光子表面への亜鉛の析出など、他の問題をも招来する。
本発明の目的は、偏光子の厚みが小さい場合であっても、耐熱試験下で赤変を生じにくい偏光板、及びこのような偏光板を得るために好適に適用される偏光子を提供することにある。
本発明は、次の偏光子及び偏光板を提供する。
[1] 厚みが10μm以下の偏光子を含み、
波長700nmでの吸光度A700と波長450nmでの吸光度A450との比A700/A450が0.85以上である、偏光板。
[2] 前記吸光度A450が0.42以下である[1]に記載の偏光板。
[3] 前記偏光子は、100℃で30分間熱処理したときの、波長700nmでの吸光度A700と波長450nmでの吸光度A450との差の絶対値が0.11以下である[1]又は[2]に記載の偏光板。
[4] 厚みが10μm以下であり、
100℃で30分間熱処理したときの、波長700nmでの吸光度A700と波長450nmでの吸光度A450との差の絶対値が0.11以下である偏光子。
[5] [4]に記載の偏光子を含む偏光板。
[6] 偏光子の少なくとも一方の面に貼合される保護フィルムをさらに含む[1]〜[3]及び[5]のいずれかに記載の偏光板。
本発明の偏光子及び偏光板によれば、偏光子の厚みが10μm以下と小さいにもかかわらず、耐熱試験下における赤変を抑制することができ、ニュートラルな表示を保つことができる。
本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板の層構成の他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板の製造方法の好ましい一例を示すフローチャートである。 樹脂層形成工程で得られる積層フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 延伸工程で得られる延伸フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 染色工程で得られる偏光性積層フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 第1貼合工程で得られる貼合フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。
<偏光子及び偏光板>
(1)偏光板の基本的構成
図1は、本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。図1に示される偏光板1のように、本発明の偏光板は、厚み10μm以下の偏光子5と、その一方の面に第1接着剤層15を介して積層される第1保護フィルム10と、他方の面に第2接着剤層25を介して積層される第2保護フィルム20とを備えるものであることができる。偏光板1は、第1保護フィルム10及び/又は第2保護フィルム20上に積層される他の光学機能層や粘着剤層等をさらに有していてもよい。
また本発明の偏光板は、図2に示される偏光板2のように、厚み10μm以下の偏光子5と、その一方の面に第1接着剤層15を介して積層される第1保護フィルム10とを備える片面保護フィルム付偏光板であってもよい。偏光板2は、第1保護フィルム10及び/又は偏光子5上に積層される他の光学機能層や粘着剤層等をさらに有していてもよい。
(2)偏光板又は偏光子の吸光度特性
第1の実施形態において本発明の偏光板は、厚みが10μm以下の偏光子を含み、波長700nmでの吸光度A700(以下、単に「吸光度A700」ともいう。)と波長450nmでの吸光度A450(以下、単に「吸光度A450」ともいう。)との比A700/A450が0.85以上である。かかる吸光特性を示す本発明の偏光板は、偏光子5の厚みが10μm以下と小さいために比較的厚みの大きい従来の偏光子(35μm程度)に比べて偏光子5への水分の出入が格段に速く、赤変を生じやすいにもかかわらず、耐熱試験(通常、80〜85℃で500〜750時間)に供しても赤変が生じにくく、ニュートラルな表示を保つことができ、耐熱性に優れている。このような高耐熱性(赤変のしにくさ)は、偏光板を液晶表示装置のような表示装置などに適用し、実使用に供される場合においても長期にわたって持続する。
本発明者は、厚み10μm以下の薄膜の偏光子について赤変の要因を解析したところ、薄膜の偏光子においては、従来厚み(35μm程度)の偏光子よりも短波長側(青色領域)の吸収帯は劣化しにくい一方で、長波長側(赤色領域)の吸収帯は薄膜の偏光子の方が劣化しやすいことが赤変の要因であることを見出し、この知見に基づきさらなる検討を加えて、耐熱試験によって赤色領域の光が優先的に偏光子から漏れるようになることを抑制するためには吸光度比A700/A450を0.85以上とすることが極めて有効であることを見出したものである。
ここで、偏光板(及び偏光子)の「吸光度A700」及び「吸光度A450」はそれぞれ、長波長側(赤色領域)の吸収帯の裾野における吸光度、短波長側(青色領域)の吸収帯の裾野における吸光度を指している。一般に、耐熱試験前の偏光板の長波長側及び短波長側の吸収帯は非常に大きいため、紫外可視分光光度計では飽和してその強度を把握できないことが多いところ、検討の結果、長波長側及び短波長側の吸収帯の強度はそれぞれ「吸光度A700」及び「吸光度A450」と十分に相関しており、長波長側及び短波長側の吸収帯の強度をそれぞれ「吸光度A700」及び「吸光度A450」によって評価できること、及びこのような吸収帯強度の代替評価物性としての偏光板における「吸光度A700」及び「吸光度A450」を用い、それらの比A700/A450を0.85以上とすることが赤変抑制に極めて有利であることを見出し、本実施形態に係る偏光板に至ったものである。
偏光板の吸光度比A700/A450は、赤変をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.87以上であり、より好ましくは0.90以上である。また、吸光度比A700/A450は通常、2.0以下であり、初期状態の黒表示をニュートラル付近に保つ観点から、好ましくは1.5以下である。
偏光板の吸光度A700及び吸光度A450はそれぞれ、0.1〜0.6の範囲、0.1〜0.6の範囲であることができるが、赤変を抑制するためには、吸光度A700を通常よりも高くして吸光度比A700/A4500.85以上を実現するよりも、吸光度A450を通常よりも低くして吸光度比A700/A4500.85以上を実現する方が好ましいことから、吸光度A450は、0.42以下であることが好ましく、0.41以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る偏光板は、耐熱試験下における赤変を効果的に抑制する観点から、後述する第2の実施形態に係る、100℃で30分間熱処理したときの、吸光度A700と吸光度A450との差の絶対値が0.11以下である偏光子5を含む偏光板であることが好ましい。
偏光板の吸光度A700及び吸光度A450は、紫外可視分光光度計などの吸光光度計を用いて測定することができる。入射光には自然光を用いる。入射光強度をT0、透過光強度をTとするとき、吸光度(吸光度A700、吸光度A450)は、下記式:
吸光度=−log(T/T0
により求められる。
なお、試料(偏光板)に入射される入射光が偏光性を有していると、試料を吸光光度計にセットする際の配向に依存して、得られる吸光度値が変動し得る。例えば、吸光光度計によっては光源から試料までの間にあるミラーや光学素子などの影響で入射光に多少の偏光が生じたり、プリズムなどの偏光分離素子が入っていたりするものもあるため、測定時には注意が必要である。このような吸光光度計を用いる場合は、偏光板をある角度(光軸周りでのある方位を意味する。)で測定した後、90度まわした方位で再び測定し、これらの平均の透過光強度から吸光度を算出することで入射光の偏光性の影響をなくすことができる。
第2の実施形態において本発明の偏光板は、厚みが10μm以下であり、100℃で30分間熱処理したときの、吸光度A700と吸光度A450との差の絶対値が0.11以下である偏光子5を含む。かかる吸光特性を示す偏光子を含む本発明の偏光板もまた、偏光子5の厚みが10μm以下と小さいにもかかわらず、耐熱試験に供しても赤変が生じにくく、ニュートラルな表示を保つことができ、耐熱性に優れている。このような高耐熱性(赤変のしにくさ)は、偏光板を液晶表示装置のような表示装置などに適用し、実使用に供される場合においても長期にわたって持続する。なお以下では、100℃で30分間熱処理することを「100℃試験」ともいう。
ここでいう偏光子5の吸光度特性(吸光度A700と吸光度A450との差の絶対値が0.11以下)は、上述の吸光度比A700/A450とは異なり、保護フィルムを貼合して偏光板とする前の状態のもの、すなわち、偏光板の原料としての偏光子における吸光度特性を指している。
上述のように偏光板の赤変は、耐熱試験下での長波長側吸収帯の劣化のしやすさと、短波長側吸収帯の劣化のしやすさとの相違に起因するところ、長波長側及び短波長側の吸収帯強度をそれぞれ偏光子の吸光度A700及び吸光度A450によって評価できることを見出し、さらには、100℃試験を行ったときにこれらの吸光度の差の絶対値が0.11以下となるような偏光子を用いると、耐熱試験(通常、80〜85℃で500〜750時間)に供しても赤変を生じにくい偏光板が得られることを見出して、本実施形態に係る偏光板に至ったものである。
また本発明は、厚みが10μm以下であり、100℃試験を実施したときの、吸光度A700と吸光度A450との差の絶対値が0.11以下である偏光子それ自体をも提供する。
本実施形態に係る発明に付随して提供される技術は、偏光板となった後(あるいはさらにこれが液晶表示装置のような表示装置に組み込まれた後)の耐熱試験での偏光板の赤変の程度を、偏光板となる前の偏光子の100℃試験によって予測、評価する方法を含む。すなわち、偏光子の100℃試験を行ったときに、吸光度A700と吸光度A450との差の絶対値が0.11以下であれば、偏光板又は表示装置となった後の耐熱試験下での赤変は十分に抑えられると評価することができる。
このように、保護フィルムを貼合する前の段階で偏光板又は表示装置となった後の耐熱試験下での赤変の程度をあらかじめ予想し得ることは、長い製造工程における早い段階で良品/不良品の判断が得られることを意味しており、製造上のメリットが大きい。加えて、30分(100℃試験の試験時間)という短時間で、通常500〜750時間もかかる耐熱試験の結果を予測できることから、偏光子の製造時の事前確認として用いることができ、製造上のロスを減らすことができる観点から非常にメリットが大きい。
100℃試験後の偏光子の吸光度A700と吸光度A450との差の絶対値は、赤変をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.09以下であり、より好ましくは0.06以下である。100℃試験後の偏光子の吸光度A700及び吸光度A450はそれぞれ、0.1〜0.6の範囲、0.1〜0.6の範囲であることができる。
100℃試験は、例えば100℃の加熱炉(オーブン)に30分投入することにより行うことができ、100℃試験後の吸光度A700及び吸光度A450の測定は、試料として偏光子を用いること以外は、上記と同様にして行うことができる。ただし、100℃試験後に偏光子を長時間放置していると水分を吸って再び色相が元に戻っていくため、加熱炉から取り出し後は、23〜27℃、50〜65%RHの環境下に置き、同環境下で30分以内に測定を実施する必要がある。
(3)偏光板又は偏光子の偏光特性
偏光板又は偏光子の偏光性能は、主に単体透過率及び偏光度と呼ばれる数値で表すことができ、それぞれ下記式:
単体透過率(λ)=0.5×(Tp(λ)+Tc(λ))
偏光度(λ)=100×(Tp(λ)−Tc(λ))/(Tp(λ)+Tc(λ))
で定義される。
ここで、Tp(λ)は、入射する波長λnmの直線偏光とパラレルニコルの関係で測定した偏光板又は偏光子の透過率(%)であり、Tc(λ)は、入射する波長λnmの直線偏光とクロスニコルの関係で測定した偏光板又は偏光子の透過率(%)であり、共に分光光度計による偏光紫外可視吸収スペクトル測定で得られる測定値である。また、各波長毎に求めた単体透過率(λ)及び偏光度(λ)に、視感度補正と呼ばれる感度補正をかけたものを、それぞれ視感度補正単体透過率(Ty)及び視感度補正偏光度(Py)と呼ぶ。これらTy、Pyの値は例えば、日本分光(株)製の吸光光度計(型番:V7100)などで簡便に測定できる。
偏光板を液晶表示装置のような表示装置に適用したときの画像の良好な明瞭さを確保するために、本発明に係る偏光板又は偏光子は、視感度補正単体透過率(Ty)が40.0%以上であることが好ましく、かつ、視感度補正偏光度(Py)が99%以上であることが好ましい。
(4)偏光子
偏光子5は、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させたものであることができる。本発明において偏光子5の厚みは10μm以下であり、好ましくは7μm以下である。偏光子5の厚みを10μm以下とすることにより偏光板1,2の薄膜化を実現できる一方、本発明によれば、このような薄膜の偏光子5を用いる場合であっても耐熱試験下での赤変を効果的に抑制することができる。
ポリビニルアルコール系樹脂層を構成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが偏光子5を構成する。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法で製膜することができるが、所望の厚さの偏光子5を得やすいという点から、ポリビニルアルコール系樹脂の溶液を基材フィルム上に塗布して製膜することが好ましい。
偏光子5は、延伸されて配向していることが必要であり、好ましくは5倍超、さらに好ましくは5倍超でかつ17倍以下の延伸倍率で延伸されたものである。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、80.0〜100.0モル%の範囲であることができるが、好ましくは90.0〜99.5モル%の範囲であり、より好ましくは94.0〜99.0モル%の範囲である。ケン化度が80.0モル%未満であると、得られる偏光板1,2の耐水性及び耐湿熱性が低下する。ケン化度が99.5モル%を超えるポリビニルアルコール系樹脂を使用した場合、染色速度が遅くなり、生産性が低下するとともに十分な偏光性能を有する偏光子5が得られない場合がある。
ケン化度とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸基(アセトキシ基:−OCOCH3)がケン化工程により水酸基に変化した割合をユニット比(モル%)で表したものであり、下記式:
ケン化度(モル%)=100×(水酸基の数)÷(水酸基の数+酢酸基の数)
で定義される。ケン化度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。ケン化度が高いほど、水酸基の割合が高いことを示しており、従って結晶化を阻害する酢酸基の割合が低いことを示している。
ポリビニルアルコール系樹脂は、一部が変性されている変性ポリビニルアルコールであってもよい。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂をエチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸;不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。変性の割合は30モル%未満であることが好ましく、10%未満であることがより好ましい。30モル%を超える変性を行った場合には、二色性色素を吸着しにくくなり、十分な偏光性能を有する偏光子5が得られない。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100〜10000であり、より好ましくは1500〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度もJIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。
本発明において好適に用いられるポリビニルアルコール系樹脂の市販品の例は、いずれも商品名で、(株)クラレ製の「PVA124」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「PVA117」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「PVA624」(ケン化度:95.0〜96.0モル%)、「PVA617」(ケン化度:94.5〜95.5モル%);日本合成化学工業(株)製の「AH−26」(ケン化度:97.0〜98.8モル%)、「AH−22」(ケン化度:97.5〜98.5モル%)、「NH−18」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「N−300」(ケン化度:98.0〜99.0モル%);日本酢ビ・ポバール(株)の「JC−33」(ケン化度:99.0モル%以上)、「JM−33」(ケン化度:93.5〜95.5モル%)、「JM−26」(ケン化度:95.5〜97.5モル%)、「JP−45」(ケン化度:86.5〜89.5モル%)、「JF−17」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「JF−17L」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「JF−20」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)を含む。
偏光子5に含有(吸着配向)される二色性色素は、ヨウ素又は二色性有機染料であることができる。二色性有機染料の具体例は、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックを含む。二色性色素は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(5)第1及び第2保護フィルム
第1保護フィルム10及び第2保護フィルム20はそれぞれ、熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等からなる透明樹脂フィルムであることができる。第1保護フィルム10と第2保護フィルム20は、互いに同種の保護フィルムであってもよいし、異種の保護フィルムであってもよい。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
環状ポリオレフィン系樹脂は種々の製品が市販されている。環状ポリオレフィン系樹脂の市販品の例は、いずれも商品名で、「Topas」(Topas Advanced Polymers GmbH社製、ポリプラスチックス(株)から入手できる)、「アートン」(JSR(株)製)、「ゼオノア(ZEONOR)」(日本ゼオン(株)製)、「ゼオネックス(ZEONEX)」(日本ゼオン(株)製)、「アペル」(三井化学(株)製)を含む。
また、いずれも商品名で、「エスシーナ」(積水化学工業(株)製)、「SCA40」(積水化学工業(株)製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン(株)製)のような製膜された環状ポリオレフィン系樹脂フィルムの市販品を保護フィルムとして用いてもよい。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートを含む。また、これらの共重合物や、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものを用いることもできる。これらの中でも、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース:TAC)が特に好ましい。セルローストリアセテートは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。セルローストリアセテートの市販品の例は、いずれも商品名で、「フジタックTD80」(富士フイルム(株)製)、「フジタックTD80UF」(富士フイルム(株)製)、「フジタックTD80UZ」(富士フイルム(株)製)、「フジタックTD40UZ」(富士フイルム(株)製)、「KC8UX2M」(コニカミノルタオプト(株)製)、「KC4UY」(コニカミノルタオプト(株)製)を含む。
第1保護フィルム10及び/又は第2保護フィルム20は、位相差フィルム、輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。例えば、上記材料からなる透明樹脂フィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
第1保護フィルム10及び/又は第2保護フィルム20の偏光子5とは反対側の表面には、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を形成することもできる。保護フィルム表面に表面処理層を形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
第1及び第2保護フィルム10,20の厚みは、偏光板1,2の薄膜化の観点から薄いことが好ましいが、薄すぎると強度が低下して加工性に劣る。従って、第1及び第2保護フィルム10,20の厚みは5〜90μm以下が好ましく、より好ましくは5〜60μm、さらに好ましくは5〜50μmである。
(6)第1及び第2接着剤層
第1及び第2接着剤層15,25を形成する接着剤としては、水系接着剤又は光硬化性接着剤を用いることができる。第1接着剤層15を形成する接着剤と第2接着剤層25を形成する接着剤とは同種であってもよいし、異種であってもよい。
水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤などが挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、又はそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体などを用いることができる。水系接着剤は、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物などの添加剤を含むことができる。水系接着剤を用いた場合、それから得られる接着剤層の厚みは、通常1μm以下である。
水系接着剤を用いた偏光子5と保護フィルムとの貼合方法は特に限定されるものではなく、一方の貼合面に水系接着剤を均一に塗布又は流し込み、塗布面に他方を重ねてロールなどにより貼合し、乾燥する方法などが挙げられる。通常、水系接着剤は、その調製後、15〜40℃の温度下で塗布され、貼合温度は、通常15〜30℃の範囲である。
水系接着剤を使用する場合は、貼合後、水系接着剤中に含まれる水を除去するために乾燥させる乾燥工程を実施することが好ましい。乾燥は、例えば貼合後のフィルムを乾燥炉に導入することによって行うことができる。乾燥温度(乾燥炉の温度)は、好ましくは30〜90℃である。30℃未満であると、保護フィルムが偏光子5から剥離しやすくなる傾向がある。また乾燥温度が90℃を超えると、熱によって偏光子5の偏光性能が劣化するおそれがある。乾燥時間は10〜1000秒程度とすることができる。
乾燥工程後、室温又はそれよりやや高い温度、例えば20〜45℃程度の温度で12〜600時間程度養生する養生工程を設けてもよい。養生温度は、乾燥温度よりも低く設定されるのが一般的である。
上記光硬化性接着剤とは、紫外線などの活性エネルギー線を照射することで硬化する接着剤をいい、例えば、重合性化合物及び光重合開始剤を含むもの、光反応性樹脂を含むもの、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含むものなどを挙げることができる。重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマーなどの光重合性モノマーや、光重合性モノマーに由来するオリゴマーなどを挙げることができる。光重合開始剤としては、紫外線などの活性エネルギー線の照射により中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルのような活性種を発生する物質を含むものを挙げることができる。重合性化合物及び光重合開始剤を含む光硬化性接着剤として、光硬化性エポキシ系モノマー及び光カチオン重合開始剤を含むものを好ましく用いることができる。
光硬化性接着剤を用いた偏光子5と保護フィルムとの貼合方法は特に限定されるものではなく、例えば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクタープレート法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などにより、一方の貼合面に光硬化性接着剤を塗布し、両者を重ね合わせ、ニップロール等で挟んで貼合する方法が挙げられる。流延法とは、被塗布物を、概ね垂直方向、概ね水平方向、又は両者の間の斜め方向に移動させながら、その貼合面に接着剤を流下して拡布させる方法である。ニップロール等を用いて貼合された後の接着剤層の、乾燥又は硬化前の厚みは、5μm以下かつ0.01μm以上であることが好ましい。
光硬化性接着剤を用いる場合、上述の貼合を実施した後、必要に応じて乾燥工程を行い(光硬化性接着剤が溶媒を含む場合など)、次いで活性エネルギー線を照射することによって光硬化性接着剤を硬化させる硬化工程を行う。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが好ましく用いられる。
光硬化性接着剤への光照射強度は、光硬化性接着剤の組成によって適宜決定され、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜6000mW/cm2となるように設定されることが好ましい。照射強度が0.1mW/cm2以上である場合、反応時間が長くなりすぎず、6000mW/cm2以下である場合、光源から輻射される熱及び光硬化性接着剤の硬化時の発熱による光硬化性接着剤の黄変や偏光子の劣化を生じるおそれが少ない。
光硬化性接着剤への光照射時間についても、光硬化性接着剤の組成によって適宜決定され、上記照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10000mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。積算光量が10mJ/cm2以上である場合、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、10000mJ/cm2以下である場合、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。
なお、活性エネルギー線照射後の接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μm程度であり、好ましくは0.01〜2μm、さらに好ましくは0.01〜1μmである。
(7)粘着剤層
図1に示される偏光板1における第1保護フィルム10又は第2保護フィルム20上、図2に示される偏光板2における偏光子5上に、偏光板を他の部材(例えば液晶表示装置に適用する場合における液晶セル)に貼合するための粘着剤層を積層してもよい。粘着剤層を形成する粘着剤は通常、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物のような架橋剤を加えた粘着剤組成物からなる。さらに微粒子を含有して光散乱性を示す粘着剤層とすることもできる。
粘着剤層の厚みは1〜40μmであることができるが、加工性、耐久性の特性を損なわない範囲で、薄く塗るのが好ましく、具体的には3〜25μmであることが好ましい。3〜25μmの厚みは、良好な加工性を有し、かつ偏光子5の寸法変化を押さえる上でも好適である。粘着剤層が1μm未満であると粘着性が低下し、40μmを超えると粘着剤がはみ出すなどの不具合を生じ易くなる。
粘着剤層を形成する方法は特に限定されるものではなく、保護フィルム面又は偏光子面に、上記したベースポリマーをはじめとする各成分を含む粘着剤組成物(粘着剤溶液)を塗工し、乾燥して粘着剤層を形成してもよいし、セパレーター(剥離フィルム)上に粘着剤層を形成した後、この粘着剤層を保護フィルム面又は偏光フィルム面に転写してもよい。粘着剤層を保護フィルム面又は偏光子面に形成する際には、必要に応じて保護フィルム面若しくは偏光子面、又は粘着剤層の片面若しくは両面に表面処理、例えばコロナ処理などを施してもよい。
偏光板は、その保護フィルムや偏光子上に積層される他の光学層をさらに含むことができる。他の光学層としては、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルム;表面に凹凸形状を有する防眩機能付フィルム;表面反射防止機能付フィルム;表面に反射機能を有する反射フィルム;反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム;視野角補償フィルムなどが挙げられる。
ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルムに相当する市販品としては、例えば、「DBEF」(3M社製、日本では住友スリーエム(株)から入手可能)、「APF」(3M社製、日本では住友スリーエム(株)から入手可能)が挙げられる。
視野角補償フィルムとしては、基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向・固定されている光学補償フィルム、ポリカーボネート系樹脂からなる位相差フィルム、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムなどが挙げられる。
基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向・固定されている光学補償フィルムに相当する市販品としては、「WVフィルム」(富士フイルム(株)製)、「NHフィルム」(JX日鉱日石エネルギー(株)製)、「NRフィルム」(JX日鉱日石エネルギー(株)製)などが挙げられる。
環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムに相当する市販品としては、「アートンフィルム」(JSR(株)製)、「エスシーナ」(積水化学工業(株)製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン(株)製)などが挙げられる。
<偏光子及び偏光板の製造方法>
本発明の偏光子及び偏光板は、図3に示される方法によって好適に製造することができる。図3に示される偏光板の製造方法は、下記工程:
(1)基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工した後、乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程S10、
(2)積層フィルムを延伸して延伸フィルムを得る延伸工程S20、
(3)延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して偏光子を形成することにより偏光性積層フィルムを得る染色工程S30、
(4)偏光性積層フィルムの偏光子上に第1保護フィルムを貼合して貼合フィルムを得る第1貼合工程S40、
(5)貼合フィルムから基材フィルムを剥離除去して片面保護フィルム付の偏光板を得る剥離工程S50、
をこの順で含む。
図1に示されるような両面保護フィルム付の偏光板1を作製する場合には、剥離工程S50の後に、さらに
(6)片面保護フィルム付偏光板の偏光子面に第2保護フィルムを貼合する第2貼合工程S60、
を含む。以下、図4〜図7を参照しながら各工程について説明する。
(1)樹脂層形成工程S10
図4を参照して、本工程は、基材フィルム30の少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層6を形成して積層フィルム100を得る工程である。このポリビニルアルコール系樹脂層6は、延伸工程S20及び染色工程S30を経て偏光子5となる層である。ポリビニルアルコール系樹脂層6は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を基材フィルム30の片面又は両面に塗工し、塗工層を乾燥させることにより形成することができる。このような塗工によりポリビニルアルコール系樹脂層を形成する方法は、薄膜の偏光子5を得やすい点で有利である。
〔基材フィルム〕
基材フィルム30は熱可塑性樹脂から構成することができ、中でも透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性等に優れる熱可塑性樹脂から構成することが好ましい。このような熱可塑性樹脂の具体例は、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;ポリエステル系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;及びこれらの混合物、共重合物を含む。
基材フィルム30は、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなる1つの樹脂層からなる単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層を複数積層した多層構造であってもよい。基材フィルム30は、後述する延伸工程S20にて積層フィルム100を延伸する際、ポリビニルアルコール系樹脂層6を延伸するのに好適な延伸温度で延伸できるような樹脂で構成されることが好ましい。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。鎖状ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム30は、安定的に高倍率に延伸しやすい点で好ましい。中でも基材フィルム30は、ポリプロピレン系樹脂(プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂や、プロピレンを主体とする共重合体)、ポリエチレン系樹脂(エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂や、エチレンを主体とする共重合体)からなることがより好ましい。
基材フィルム30を構成する熱可塑性樹脂として好適に用いられる例の1つであるプロピレンを主体とする共重合体は、プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体である。
プロピレンに共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、エチレン、α−オレフィンを挙げることができる。α−オレフィンとしては、炭素数4以上のα−オレフィンが好ましく用いられ、より好ましくは、炭素数4〜10のα−オレフィンである。炭素数4〜10のα−オレフィンの具体例は、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセンのような直鎖状モノオレフィン類;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンのような分岐状モノオレフィン類;ビニルシクロヘキサンを含む。プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
上記他のモノマーの含有量は、共重合体中、例えば0.1〜20重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%である。共重合体中の他のモノマーの含有量は、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法に従い、赤外線(IR)スペクトル測定を行うことにより求めることができる。
上記の中でも、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体又はプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体が好ましく用いられる。
ポリプロピレン系樹脂の立体規則性は、実質的にアイソタクチック又はシンジオタクチックであることが好ましい。実質的にアイソタクチック又はシンジオタクチックの立体規則性を有するポリプロピレン系樹脂からなる基材フィルム30は、その取扱性が比較的良好であるとともに、高温環境下における機械的強度に優れている。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸又はその誘導体としては2価のジカルボン酸又はその誘導体を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。多価アルコールとしては2価のジオールを用いることができ、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂の代表例として、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合体であるポリエチレンテレフタレートが挙げられる。ポリエチレンテレフタレートは結晶性の樹脂であるが、結晶化処理する前の状態のものの方が、延伸等の処理を施しやすい。必要であれば、延伸時、又は延伸後の熱処理等によって結晶化処理することができる。また、ポリエチレンテレタレートの骨格にさらに他種のモノマーを共重合することで、結晶性を下げた(もしくは、非晶性とした)共重合ポリエステルも好適に用いられる。このような樹脂の例として、例えば、シクロヘキサンジメタノールやイソフタル酸を共重合させたもの等が挙げられる。これらの樹脂も、延伸性に優れるので、好適に用いることができる。
ポリエチレンテレフタレート及びその共重合体以外のポリエステル系樹脂の具体例を挙げれば、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレート、及びこれらの混合物、共重合物等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂の具体例は、例えば、ポリメタクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂等);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)を含む。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステルを主成分とする重合体が用いられ、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなるエンジニアリングプラスチックであり、高い耐衝撃性、耐熱性、難燃性、透明性を有する樹脂である。基材フィルム30を構成するポリカーボネート系樹脂は、光弾性係数を下げるためにポリマー骨格を修飾したような変性ポリカーボネートと呼ばれる樹脂や、波長依存性を改良した共重合ポリカーボネート等であってもよい。
ポリカーボネート系樹脂は種々の製品が市販されている。ポリカーボネート系樹脂の市販品の例としては、いずれも商品名で、「パンライト」(帝人化成(株)製)、「ユーピロン」(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)、「SDポリカ」(住友ダウ(株)製)、「カリバー」(ダウケミカル(株)製)等が挙げられる。
以上の中でも、延伸性や耐熱性等の観点から、ポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。
基材フィルム30に用いることができる環状ポリオレフィン系樹脂及びセルロースエステル系樹脂については、保護フィルムについて記述した事項が引用される。また、基材フィルム30に関連して上で記述したような鎖状ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂は、保護フィルムの構成材料としても使用できる。
基材フィルム30には、上記の熱可塑性樹脂のほかに、任意の適切な添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、及び着色剤等が挙げられる。基材フィルム30中の熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。基材フィルム30中の熱可塑性樹脂の含有量が50重量%未満の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現されないおそれがある。
基材フィルム30の厚みは適宜に決定し得るが、一般には強度や取扱性等の作業性の点から1〜500μmが好ましく、1〜300μmがより好ましく、さらには5〜200μmが好ましく、5〜150μmが最も好ましい。
〔ポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液〕
塗工液は、好ましくはポリビニルアルコール系樹脂の粉末を良溶媒(例えば水)に溶解させて得られるポリビニルアルコール系樹脂溶液である。ポリビニルアルコール系樹脂の詳細は、上述のとおりである。
塗工液は必要に応じて、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を含有していてもよい。可塑剤としては、ポリオール又はその縮合物等を用いることができ、例えばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が例示される。添加剤の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂の20重量%以下とするのが好適である。
〔塗工液の塗工及び塗工層の乾燥〕
上記塗工液を基材フィルム30に塗工する方法は、ワイヤーバーコーティング法;リバースコーティング、グラビアコーティングのようなロールコーティング法;ダイコート法;カンマコート法;リップコート法;スピンコーティング法;スクリーンコーティング法;ファウンテンコーティング法;ディッピング法;スプレー法等の方法から適宜選択することができる。
基材フィルム30の両面に塗工液を塗工する場合、上述の方法を用いて片面ずつ順番に行うこともできるし、ディッピング法やスプレーコート法やその他の特殊な装置を用いて、基材フィルム30の両面に同時に塗工することもできる。
塗工層(乾燥前のポリビニルアルコール系樹脂層)の乾燥温度及び乾燥時間は塗工液に含まれる溶媒の種類に応じて設定される。乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は80℃以上であることが好ましい。乾燥時間は、例えば2〜20分である。
ポリビニルアルコール系樹脂層6は、基材フィルム30の一方の面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。両面に形成すると偏光性積層フィルム300(図6参照)の製造時に発生し得るフィルムのカールを抑制できるとともに、1枚の偏光性積層フィルム300から2枚の偏光板を得ることができるので、偏光板の生産効率の面でも有利である。
積層フィルム100におけるポリビニルアルコール系樹脂層6の厚みは、3〜30μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。この範囲内の厚みを有するポリビニルアルコール系樹脂層6であれば、後述する延伸工程S20及び染色工程S30を経て、二色性色素の染色性が良好で偏光性能に優れ、かつ十分に厚み10μm以下の偏光子5を得ることができる。ポリビニルアルコール系樹脂層6の厚みが30μmを超えると、偏光子5の厚みが10μmを超えることがある。また、ポリビニルアルコール系樹脂層6の厚みが3μm未満であると、延伸後に薄くなりすぎて染色性が悪化する傾向にある。
塗工液の塗工に先立ち、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との密着性を向上させるために、少なくともポリビニルアルコール系樹脂層6が形成される側の基材フィルム30の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム(火炎)処理等を施してもよい。
また、塗工液の塗工に先立ち、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との密着性を向上させるために、基材フィルム30上にプライマー層や接着剤層を介してポリビニルアルコール系樹脂層6を形成してもよい。
〔プライマー層〕
プライマー層は、プライマー層形成用塗工液を基材フィルム30の表面に塗工した後、乾燥させることにより形成することができる。プライマー層形成用塗工液は、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との両方にある程度強い密着力を発揮する成分を含む。プライマー層形成用塗工液は通常、このような密着力を付与する樹脂成分と溶媒とを含有する。樹脂成分としては、好ましくは透明性、熱安定性、延伸性等に優れる熱可塑樹脂が用いられ、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。中でも、良好な密着力を与えるポリビニルアルコール系樹脂が好ましく用いられる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂及びその誘導体が挙げられる。ポリビニルアルコール樹脂の誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等のほか、ポリビニルアルコール樹脂をエチレン、プロピレンのようなオレフィン類で変性したもの;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸のような不飽和カルボン酸類で変性したもの;不飽和カルボン酸のアルキルエステルで変性したもの;アクリルアミドで変性したもの等が挙げられる。上述のポリビニルアルコール系樹脂の中でも、ポリビニルアルコール樹脂を用いることが好ましい。
溶媒としては通常、上記樹脂成分を溶解できる一般的な有機溶媒や水系溶媒が用いられる。溶媒の例を挙げれば、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;酢酸エチル、酢酸イソブチルのようなエステル類;塩化メチレン、トリクロロエチレン、クロロホルムのような塩素化炭化水素類;エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールのようなアルコール類である。ただし、有機溶媒を含むプライマー層形成用塗工液を用いてプライマー層を形成すると、基材フィルム30を溶解させてしまうこともあるので、基材フィルム30の溶解性も考慮して溶媒を選択することが好ましい。環境への影響をも考慮すると、水を溶媒とする塗工液からプライマー層を形成することが好ましい。
プライマー層の強度を上げるために、プライマー層形成用塗工液に架橋剤を添加してもよい。架橋剤は、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて、有機系、無機系等公知のものの中から適切なものを適宜選択する。架橋剤の例の挙げれば、例えば、エポキシ系、イソシアネート系、ジアルデヒド系、金属系の架橋剤である。
エポキシ系架橋剤としては、一液硬化型、二液硬化型のいずれも用いることができ、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジ−又はトリ−グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン−トリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのケトオキシムブロック物又はフェノールブロック物等が挙げられる。
ジアルデヒド系架橋剤としては、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒド等が挙げられる。
金属系架橋剤としては、例えば、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、有機金属化合物が挙げられる。金属塩、金属酸化物、金属水酸化物としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル、ジルコニウム、チタン、珪素、ホウ素、亜鉛、銅、バナジウム、クロム、スズのような二価以上の原子価を有する金属の塩、酸化物及び水酸化物が挙げられる。
有機金属化合物とは、金属原子に直接有機基が結合しているか、又は、酸素原子や窒素原子等を介して有機基が結合している構造を分子内に少なくとも1個有する化合物である。有機基とは、少なくとも炭素元素を含む一価又は多価の基を意味し、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アシル基等であることができる。また結合とは、共有結合だけを意味するものではなく、キレート状化合物のような配位による配位結合であってもよい。
有機金属化合物の好適な例は、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機珪素化合物を含む。有機金属化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機チタン化合物としては、例えば、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネートのようなチタンオルソエステル類;チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、チタンエチルアセトアセテートのようなチタンキレート類;ポリヒドロキシチタンステアレートのようなチタンアシレート類等が挙げられる。
有機ジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニウムノルマルプロピオネート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビスエチルアセトアセテート等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムアセチルアセトナート、アルミニウム有機酸キレート等が挙げられる。有機珪素化合物としては、例えば、先に有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物において例示した配位子が珪素に結合した化合物が挙げられる。
以上の低分子系架橋剤のほかにも、メチロール化メラミン樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂のような高分子系架橋剤を用いることもできる。ポリアミドエポキシ樹脂の市販品の例を挙げれば、田岡化学工業(株)から販売されている「スミレーズレジン650(30)」や「スミレーズレジン675」(いずれも商品名)等である。
プライマー層を形成する樹脂成分としてポリビニルアルコール系樹脂を使用する場合は、ポリアミドエポキシ樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ジアルデヒド系架橋剤、金属キレート化合物系架橋剤等が、架橋剤として好適に用いられる。
プライマー層形成用塗工液中の樹脂成分と架橋剤の割合は、樹脂成分100重量部に対して、架橋剤0.1〜100重量部程度の範囲から、樹脂成分の種類や架橋剤の種類等に応じて適宜決定すればよく、とりわけ0.1〜50重量部程度の範囲から選択するのが好ましい。また、プライマー層形成用塗工液は、その固形分濃度が1〜25重量%程度となるようにするのが好ましい。
プライマー層の厚みは、0.05〜1μm程度であることが好ましく、0.1〜0.4μmであることがより好ましい。0.05μmより薄くなると、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との密着力向上の効果が小さく、1μmより厚くなると、偏光板の薄膜化に不利である。
プライマー層形成用塗工液を基材フィルム30に塗工する方法は、ポリビニルアルコール系樹脂層形成用の塗工液と同様であることができる。プライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂層形成用の塗工液が塗工される面(基材フィルム30の片面又は両面)に塗工される。プライマー層形成用塗工液からなる塗工層の乾燥温度及び乾燥時間は塗工液に含まれる溶媒の種類に応じて設定される。乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は80℃以上であることが好ましい。乾燥時間は、例えば30秒〜20分である。
プライマー層を設ける場合、基材フィルム30への塗工の順番は特に制約されるものではなく、例えば基材フィルム30の両面にポリビニルアルコール系樹脂層6を形成する場合には、基材フィルム30の両面にプライマー層を形成した後、両面にポリビニルアルコール系樹脂層6を形成してもよいし、基材フィルム30の一方の面にプライマー層、ポリビニルアルコール系樹脂層6を順に形成した後、基材フィルム30の他方の面にプライマー層、ポリビニルアルコール系樹脂層6を順に形成してもよい。
(2)延伸工程S20
図5を参照して、本工程は、基材フィルム30及びポリビニルアルコール系樹脂層6からなる積層フィルム100を延伸して、延伸された基材フィルム30’及びポリビニルアルコール系樹脂層6’からなる延伸フィルム200を得る工程である。延伸処理は通常、一軸延伸である。
積層フィルム100の延伸倍率は、所望する偏光特性に応じて適宜選択することができるが、好ましくは、積層フィルム100の元長に対して5倍超17倍以下であり、より好ましくは5倍超8倍以下である。延伸倍率が5倍以下であると、ポリビニルアルコール系樹脂層6が十分に配向しないため、偏光子5の偏光度が十分に高くならないことがある。一方、延伸倍率が17倍を超えると、延伸時にフィルムの破断が生じ易くなるとともに、延伸フィルム200の厚みが必要以上に薄くなり、後工程での加工性及び取扱性が低下するおそれがある。
延伸処理は、一段での延伸に限定されることはなく多段で行うこともできる。この場合、多段階の延伸処理のすべてを染色工程S30の前に連続的に行ってもよいし、二段階目以降の延伸処理を染色工程S30における染色処理及び/又は架橋処理と同時に行ってもよい。このように多段で延伸処理を行う場合は、延伸処理の全段を合わせて5倍超の延伸倍率となるように延伸処理を行うことが好ましい。
延伸処理は、フィルム長手方向(フィルム搬送方向)に延伸する縦延伸であることができるほか、フィルム幅方向に延伸する横延伸又は斜め延伸等であってもよい。縦延伸方式としては、ロールを用いて延伸するロール間延伸、圧縮延伸、チャック(クリップ)を用いた延伸等が挙げられ、横延伸方式としては、テンター法等が挙げられる。延伸処理は、湿潤式延伸方法、乾式延伸方法のいずれも採用できるが、乾式延伸方法を用いる方が、延伸温度を広い範囲から選択することができる点で好ましい。
延伸温度は、ポリビニルアルコール系樹脂層6及び基材フィルム30全体が延伸可能な程度に流動性を示す温度以上に設定され、好ましくは基材フィルム30の相転移温度(融点又はガラス転移温度)の−30℃から+30℃の範囲であり、より好ましくは−30℃から+5℃の範囲であり、さらに好ましくは−25℃から+0℃の範囲である。基材フィルム30が複数の樹脂層からなる場合、上記相転移温度は該複数の樹脂層が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度を意味する。
延伸温度を相転移温度の−30℃より低くすると、5倍超の高倍率延伸が達成されにくいか、又は、基材フィルム30の流動性が低すぎて延伸処理が困難になる傾向にある。延伸温度が相転移温度の+30℃を超えると、基材フィルム30の流動性が大きすぎて延伸が困難になる傾向にある。5倍超の高延伸倍率をより達成しやすいことから、延伸温度は上記範囲内であって、さらに好ましくは120℃以上である。延伸温度が120℃以上の場合、5倍超の高延伸倍率であっても延伸処理に困難性を伴わないからである。
延伸処理における積層フィルム100の加熱方法としては、ゾーン加熱法(例えば、熱風を吹き込み所定の温度に調整した加熱炉のような延伸ゾーン内で加熱する方法。);ロールを用いて延伸する場合において、ロール自体を加熱する方法;ヒーター加熱法(赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーター等を積層フィルム100の上下に設置し輻射熱で加熱する方法)等がある。ロール間延伸方式においては、延伸温度の均一性の観点からゾーン加熱法が好ましい。この場合、2つのニップロール対は調温した延伸ゾーン内に設置してもよく、延伸ゾーン外に設置してもよいが、積層フィルム100とニップロールとの粘着を防止するために延伸ゾーン外に設置する方が好ましい。
なお、延伸温度とは、ゾーン加熱法の場合、ゾーン内(例えば加熱炉内)の雰囲気温度を意味し、ヒーター加熱法においても炉内で加熱を行う場合は炉内の雰囲気温度を意味する。また、ロール自体を加熱する方法の場合は、ロールの表面温度を意味する。
延伸工程S20に先立ち、積層フィルム100を予熱する予熱処理工程を設けてもよい。予熱方法としては、延伸処理における加熱方法と同様の方法を用いることができる。延伸処理方式がロール間延伸である場合、予熱は、上流側のニップロールを通過する前、通過中、通過した後のいずれのタイミングで行ってもよい。延伸処理方式が熱ロール延伸である場合には、予熱は、熱ロールを通過する前のタイミングで行うことが好ましい。延伸処理方式がチャックを用いた延伸である場合には、予熱は、チャック間距離を広げる前のタイミングで行うことが好ましい。予熱温度は、延伸温度の−50℃から±0℃の範囲であることが好ましく、延伸温度の−40℃から−10℃の範囲であることがより好ましい。
また、延伸工程S20における延伸処理の後に、熱固定処理工程を設けてもよい。熱固定処理は、延伸フィルム200の端部をクリップにより把持した状態で緊張状態に維持しながら、結晶化温度以上で熱処理を行う処理である。この熱固定処理によって、ポリビニルアルコール系樹脂層6’の結晶化が促進される。熱固定処理の温度は、延伸温度の−0℃〜−80℃の範囲であることが好ましく、延伸温度の−0℃〜−50℃の範囲であることがより好ましい。
(3)染色工程S30
図6を参照して、本工程は、延伸フィルム200のポリビニルアルコール系樹脂層6’を二色性色素で染色してこれを吸着配向させ、偏光子5とする工程である。本工程を経て基材フィルム30’の片面又は両面に偏光子5が積層された偏光性積層フィルム300が得られる。
染色工程は、二色性色素を含有する溶液(染色溶液)に延伸フィルム200全体を浸漬することにより行うことができる。染色溶液としては、上記二色性色素を溶媒に溶解した溶液を使用できる。染色溶液の溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。染色溶液における二色性色素の濃度は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.02〜7重量%であることがより好ましく、0.025〜5重量%であることがさらに好ましい。
二色性色素としてヨウ素を使用する場合、染色効率をより一層向上できることから、ヨウ素を含有する染色溶液にヨウ化物をさらに添加することが好ましい。ヨウ化物としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。染色溶液におけるヨウ化物の濃度は、0.01〜20重量%であることが好ましい。ヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましい。ヨウ化カリウムを添加する場合、ヨウ素とヨウ化カリウムとの割合は重量比で、1:5〜1:100の範囲にあることが好ましく、1:6〜1:80の範囲にあることがより好ましく、1:7〜1:70の範囲にあることがさらに好ましい。
染色溶液への延伸フィルム200の浸漬時間は、通常15秒〜15分間の範囲であり、30秒〜3分間であることが好ましい。また、染色溶液の温度は、10〜60℃の範囲にあることが好ましく、20〜40℃の範囲にあることがより好ましい。
なお、染色工程S30を延伸工程S20の前に行ったり、これらの工程を同時に行ったりすることも可能であるが、ポリビニルアルコール系樹脂層に吸着させる二色性色素を良好に配向させることができるよう、積層フィルム100に対して少なくともある程度の延伸処理を施した後に染色工程S30を実施することが好ましい。すなわち、延伸工程S20にて目標の倍率となるまで延伸処理を施して得られる延伸フィルム200を染色工程S30に供することができるほか、延伸工程S20にて目標より低い倍率で延伸処理を行った後、染色工程S30中に総延伸倍率が目標の倍率となるまで延伸処理を施すこともできる。後者の実施態様としては、1)延伸工程S20において目標より低い倍率で延伸処理を行った後、染色工程S30における染色処理中に総延伸倍率が目標の倍率となるように延伸処理を行う態様や、後述するように、染色処理の後に架橋処理を行う場合には、2)延伸工程S20において目標より低い倍率で延伸処理を行った後、染色工程S30における染色処理中に、総延伸倍率が目標の倍率に達しない程度まで延伸処理を行い、次いで、最終的な総延伸倍率が目標の倍率となるように架橋処理中に延伸処理を行う態様等を挙げることができる。
染色工程S30は、染色処理に引き続いて実施される架橋処理工程を含むことができる。架橋処理は、架橋剤を含む溶液(架橋溶液)中に染色されたフィルムを浸漬することにより行うことができる。架橋剤としては、従来公知の物質を使用することができ、例えば、ホウ酸、ホウ砂のようなホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられる。架橋剤は1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋溶液は、具体的には架橋剤を溶媒に溶解した溶液であることができる。溶媒としては、例えば水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒をさらに含んでもよい。架橋溶液における架橋剤の濃度は、1〜20重量%の範囲であることが好ましく、6〜15重量%の範囲であることがより好ましい。
架橋溶液はヨウ化物を含むことができる。ヨウ化物の添加により、偏光子5の面内における偏光性能をより均一化させることができる。ヨウ化物としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。架橋溶液におけるヨウ化物の濃度は、0.05〜15重量%であることが好ましく、0.5〜8重量%であることがより好ましい。
架橋溶液への染色されたフィルムの浸漬時間は、通常15秒〜20分間であり、30秒〜15分間であることが好ましい。また、架橋溶液の温度は、10〜90℃の範囲にあることが好ましい。
なお架橋処理は、架橋剤を染色溶液中に配合することにより、染色処理と同時に行うこともできる。また、架橋処理中に延伸処理を行ってもよい。架橋処理中に延伸処理を実施する具体的態様は上述のとおりである。また、組成の異なる2種以上の架橋溶液を用いて、架橋溶液に浸漬する処理を2回以上行ってもよい。
染色工程S30の後、後述する第1貼合工程S40の前に洗浄工程及び乾燥工程を行うことが好ましい。洗浄工程は通常、水洗浄工程を含む。水洗浄処理は、イオン交換水、蒸留水のような純水に染色処理後の又は架橋処理後のフィルムを浸漬することにより行うことができる。水洗浄温度は、通常3〜50℃、好ましくは4〜20℃の範囲である。水への浸漬時間は通常2〜300秒間、好ましくは3〜240秒間である。
洗浄工程は、水洗浄工程とヨウ化物溶液による洗浄工程との組み合わせであってもよい。また、水洗浄工程及び/又はヨウ化物溶液による洗浄処理で使用する洗浄液には、水のほか、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノールのような液体アルコールを適宜含有させることができる。
洗浄工程の後に行われる乾燥工程としては、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥等の任意の適切な方法を採用し得る。例えば加熱乾燥の場合、乾燥温度は、通常20〜95℃であり、乾燥時間は、通常1〜15分間程度である。
以上の工程を経て、偏光子5を含む偏光性積層フィルム300が得られる。このように、図3に示される製造方法に従って偏光子5を作製する場合において、偏光子5の吸光度特性(吸光度A700と吸光度A450との差の絶対値)を測定するときには、その測定用試料として基材フィルム30’が積層された偏光性積層フィルム300を用いることができる。吸光度特性に関し、偏光子5単体と偏光性積層フィルム300との間に実質的な差異はない。
(4)第1貼合工程S40
図7を参照して、本工程は、偏光性積層フィルム300の偏光子5上、すなわち、偏光子5の基材フィルム30’側とは反対側の面に第1保護フィルム10を貼合して貼合フィルム400を得る工程である。偏光性積層フィルム300が基材フィルム30’の両面に偏光子5を有する場合は通常、両面の偏光子5上にそれぞれ第1保護フィルム10が貼合される。この場合、これらの第1保護フィルム10は同種の保護フィルムであってもよいし、異種の保護フィルムであってもよい。
第1保護フィルム10は、第1接着剤層15を介して偏光子5に貼合することができる。第1接着剤層15を形成する接着剤、及び保護フィルムと偏光子5との接着剤を用いた貼合方法については上述のとおりである。第1保護フィルム10と偏光子5とは、上述したような粘着剤層を介して貼合することもできる。
偏光子5上に第1保護フィルム10を貼合するにあたり、第1保護フィルム10の偏光子5側表面には、偏光子5との接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理(易接着処理)を行うことができ、中でも、プラズマ処理、コロナ処理又はケン化処理を行うことが好ましい。例えば第1保護フィルム10が環状ポリオレフィン系樹脂からなる場合、通常プラズマ処理やコロナ処理が行われる。また、セルロースエステル系樹脂からなる場合には、通常ケン化処理が行われる。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリ水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
(5)剥離工程S50
本工程は、第1保護フィルム10を貼合して得られた貼合フィルム400から基材フィルム30’を剥離除去する工程である。この工程を経て、偏光子5の片面に第1保護フィルム10が積層された図2に示される片面保護フィルム付偏光板2が得られる。偏光性積層フィルム300が基材フィルム30’の両面に偏光子5を有し、これら両方の偏光子5に第1保護フィルム10を貼合した場合には、この剥離工程S50により、1枚の偏光性積層フィルム300から2枚の片面保護フィルム付偏光板2が得られる。
基材フィルム30’を剥離除去する方法は特に限定されるものでなく、通常の粘着剤付偏光板で行われるセパレータ(剥離フィルム)の剥離工程と同様の方法で剥離できる。基材フィルム30’は、第1貼合工程S40の後、そのまますぐ剥離してもよいし、第1貼合工程S40の後、一度ロール状に巻き取り、その後の工程で巻き出しながら剥離してもよい。
(6)第2貼合工程S60
本工程は、片面保護フィルム付き偏光板2の偏光子5上、すなわち第1貼合工程S40にて貼合した第1保護フィルム10とは反対側の面に、第2保護フィルム20を貼合し、図1に示されるような両面保護フィルム付の偏光板1を得る工程である。
第2保護フィルム20は、第2接着剤層25を介して偏光子5に貼合することができる。第2接着剤層25を形成する接着剤、及び保護フィルムと偏光子5との接着剤を用いた貼合方法については上述のとおりである。第2保護フィルム20と偏光子5とは、上述したような粘着剤層を介して貼合することもできる。第2保護フィルム20の貼合における表面処理(易接着処理)については、第1貼合工程S40について記載した内容が引用される。
(7)偏光子及び偏光板の吸光度特性の制御
以上のような製造方法によって両面保護フィルム付偏光板1又は片面保護フィルム付偏光板2を作製する場合において、当該製造方法における各種処理は、偏光板1,2の吸光度比A700/A450や、100℃試験後の偏光子5の吸光度差(吸光度A700と吸光度A450との差の絶対値)に影響を与えるいくつかの因子を含んでいる。その主な例を挙げれば、
a)染色工程S30の架橋処理に用いる架橋溶液のヨウ化カリウム濃度、
b)ポリビニルアルコール系樹脂層の延伸倍率、延伸時のネックイン率、延伸温度、
c)染色工程S30における架橋処理後の水洗浄工程での水洗浄温度、水への浸漬時間、
d)染色工程S30における水洗浄工程後の乾燥工程での乾燥温度、乾燥時間、
e)第1貼合工程S40及び/又は第2貼合工程S60にて水系接着剤を用いて保護フィルムを偏光子5に貼合する場合において、貼合後の乾燥工程での乾燥温度、乾燥時間。
上記の中でもとりわけa)は、偏光板1,2の吸光度比A700/A450や、100℃試験後の偏光子5の吸光度差に大きな影響を及ぼす。偏光板1,2の吸光度比A700/A450を0.85以上及び100℃試験後の偏光子5の吸光度差を0.11以下とするためには、染色工程S30において染色処理後に架橋溶液に浸漬する処理を2回行い、2回目の架橋溶液中のヨウ化カリウムの含有量を、水100重量部に対して10重量部以下とすることが好ましく、7重量部以下とすることがより好ましく、5重量部以下とすることがさらに好ましい。
ただし、偏光板1,2の吸光度比A700/A450や、100℃試験後の偏光子5の吸光度差は、a)のみに依存するのではなく、例えば上記b)〜e)にも依存するため、これらb)〜e)をも制御しながら最終的に得られる吸光度比A700/A450や吸光度差を調整する必要がある。
具体的には、上記b)に関し、延伸倍率があまりに高いと吸光度A700及びA450の制御が難しくなることから、ポリビニルアルコール系樹脂層の最終的な総延伸倍率は、6.0倍以下であることが好ましい。一方で、あまりに延伸倍率が低い場合には長波長側の吸収帯そのものが形成されにくくなることから、ポリビニルアルコール系樹脂層の最終的な総延伸倍率は、5倍超であることが好ましい。また延伸温度は、あまりに高いとポリビニルアルコール系樹脂の結晶化が過度に進行し、吸光度A700及びA450の制御が難しくなることから、170℃以下であることが好ましい。
上記c)に関し、水洗浄工程での水洗浄温度が高いほど、また水への浸漬時間が長いほど、偏光板1,2の吸光度比A700/A450は0.85以上となり易く、100℃試験後の偏光子5の吸光度差は0.11以下となり易い傾向にある。ただし、あまりに水洗浄温度が高い場合や、浸漬時間が長い場合には長波長側及び短波長側を含む全体の吸光度が低くなり、これに伴い偏光子5の偏光性能が低下してしまう。従って、水洗浄温度は5〜15℃の範囲であることが好ましく、水への浸漬時間は5〜30秒程度であることが好ましい。
上述のような影響因子に関する指針及び後述する実施例の項を参照すれば、偏光板1,2の吸光度比A700/A450を0.85以上及び100℃試験後の偏光子5の吸光度差を0.11以下を達成する各種製造条件を当業者は見出すことができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<実施例1>
(1)プライマー層形成工程
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業(株)製の「Z−200」、平均重合度1100、ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650」)をポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部の割合で混合して、プライマー層形成用塗工液を得た。
次に、基材フィルムとして厚み90μmの未延伸のポリプロピレン(PP)フィルム(融点:163℃)を用意し、その片面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面にマイクログラビアコーターを用いて上記プライマー層形成用塗工液を塗工し、80℃で10分間乾燥させることにより、厚み0.2μmのプライマー層を形成した。
(2)積層フィルムの作製(樹脂層形成工程)
ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製の「PVA124」、平均重合度2400、ケン化度98.0〜99.0モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製し、これをポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液とした。
上記(1)で作製したプライマー層を有する基材フィルムのプライマー層表面にリップコーターを用いて上記ポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液を塗工した後、80℃で20分間乾燥させることにより、プライマー層上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成し、基材フィルム/プライマー層/ポリビニルアルコール系樹脂層からなる積層フィルムを得た。
(3)延伸フィルムの作製(延伸工程)
上記(2)で作製した積層フィルムに対して、フローティングの縦一軸延伸装置を用いて160℃で5.8倍の自由端一軸延伸を実施し、延伸フィルムを得た。延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは6.1μmであった。
(4)偏光性積層フィルムの作製(染色工程)
上記(3)で作製した延伸フィルムを、ヨウ素とヨウ化カリウムとを含む30℃の染色水溶液(水100重量部あたりヨウ素を0.6重量部、ヨウ化カリウムを10重量部含む。)に約180秒間浸漬してポリビニルアルコール系樹脂層の染色処理を行った後、10℃の純水で余分な染色水溶液を洗い流した。
次いで、ホウ酸を含む78℃の第1架橋水溶液(水100重量部あたりホウ酸を9.5重量部含む。)に120秒間浸漬し、次いで、ホウ酸及びヨウ化カリウムを含む70℃の第2架橋水溶液(水100重量部あたりホウ酸を9.5重量部、ヨウ化カリウムを4重量部含む。)に60秒間浸漬して架橋処理を行った。その後、10℃の純水で10秒間洗浄し、最後に40℃で300秒間乾燥させることにより、基材フィルム/プライマー層/偏光子からなる偏光性積層フィルムを得た。
(5)両面保護フィルム付偏光板の作製(第1貼合工程、剥離工程、第2貼合工程)
ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製の「KL−318」、平均重合度1800)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650」)をポリビニルアルコール粉末2重量部に対して1重量部の割合で混合し、接着剤水溶液とした。
次に、上記(4)で作製した偏光性積層フィルムの偏光子上に上記接着剤水溶液を塗工した後、貼合面にケン化処理を施した第1保護フィルム〔トリアセチルセルロース(TAC)からなる透明保護フィルム(コニカミノルタオプト(株)製の「KC4UY」)〕を貼合し、一対の貼合ロール間に通すことにより圧着した。次いで、80℃のオーブンで2分間乾燥させて、偏光子層上に貼合し、第1保護フィルム/接着剤層/偏光子/プライマー層/基材フィルムの層構成からなる貼合フィルムを得た(第1貼合工程)。
次に、得られた貼合フィルムから基材フィルムを剥離除去した(剥離工程)。基材フィルムは容易に剥離され、第1保護フィルム/接着剤層/偏光子/プライマー層の層構成からなる片面保護フィルム付偏光板を得た。
最後に、得られた片面保護フィルム付偏光板の第1保護フィルムとは反対側の面に紫外線硬化型接着剤を用いて、貼合面にコロナ処理を施した第2保護フィルム〔環状ポリオレフィン系樹脂からなる透明保護フィルム(日本ゼオン(株)製の「ZF14」)〕を貼合した後、紫外線照射により接着剤層を硬化させて、第1保護フィルム/接着剤層/偏光子/プライマー層/接着剤層/第2保護フィルムの層構成からなる両面保護フィルム付偏光板を得た。
<実施例2>
第2架橋水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量を、水100重量部あたり5重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして両面保護フィルム付偏光板を作製した。
<実施例3>
第2架橋水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量を、水100重量部あたり6重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして両面保護フィルム付偏光板を作製した。
<実施例4>
第2架橋水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量を、水100重量部あたり7重量部とし、第2架橋水溶液への浸漬処理後の10℃の純水での洗浄時間を60秒間としたこと以外は、実施例1と同様にして両面保護フィルム付偏光板を作製した。
<比較例1>
第2架橋水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量を、水100重量部あたり8重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして両面保護フィルム付偏光板を作製した。
<比較例2>
第2架橋水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量を、水100重量部あたり10重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして両面保護フィルム付偏光板を作製した。
〔吸光度特性及び偏光特性の測定、並びに耐熱試験下における赤変の評価〕
(1)100℃試験後の偏光子の吸光度差の測定
実施例及び比較例で得られた偏光子(保護フィルムを貼合する前の偏光性積層フィルムの状態)を100℃のオーブンに30分投入した後、吸光光度計(日本分光(株)製の「V7100」)を用いて、波長700nmでの吸光度A700と波長450nmでの吸光度A450を測定し、これらの差の絶対値を求めた。結果を表1に示す。吸光光度計V7100には偏光分離素子であるグラントムソンプリズムが入っているため、吸光度A700及びA450には、偏光子とグラントムソンプリズムとがクロスニコル位置であるときの測定値と、そこから90度回した方位での測定値との平均値を採用した。
(2)偏光板の吸光度比A700/A450の測定
実施例及び比較例で得られた両面保護フィルム付偏光板について、上記(1)と同様にして(ただし、100℃試験は実施していない。)、吸光度A700及びA450を測定し、吸光度比A700/A450を求めた。結果を表1に示す。
(3)偏光子の偏光特性の測定
実施例及び比較例で得られた偏光子(保護フィルムを貼合する前の偏光性積層フィルムの状態)について、吸光光度計(日本分光(株)製の「V7100」)を用いて、視感度補正単体透過率(Ty)及び視感度補正偏光度(Py)を測定した。結果を表1に示す。測定の際、偏光性積層フィルムは、その偏光子側に入射光が入射されるようにセットした。
(4)耐熱試験下における偏光板の赤変の評価
実施例及び比較例で得られた両面保護フィルム付偏光板を長さ10cmの短冊状試料を2つ切り出し、これらの試料をガラス板の両面に粘着剤を用いて貼合した。この際、第2保護フィルム「ZF14」側がガラス板側になるようにし、かつ、両面に配置した試料はクロスニコルの位置関係となるようにした。試料を貼合したガラス板を85℃のオーブンに500時間投入した後、オーブンから取り出し、暗室にてバックライト上で赤変の目視評価を行った。赤変のレベルの指標は、下記に示すとおりである。Lv3までを合格とした。結果を表1に示す。
Lv1:全く赤変のないレベル、
Lv2:真っ黒の状態を保ち、目視で赤変が認識できないレベル、
Lv3:耐熱試験前のものと並べてみるとやや色が薄くなったように見えるが赤変はほとんどないレベル、
Lv4:全体的に赤っぽく変色してしまっているレベル、
Lv5:完全に赤に変色してしまっているレベル。
Figure 2015106052
1,2 偏光板、5 偏光子、10 第1保護フィルム、15 第1接着剤層、20 第2保護フィルム、25 第2接着剤層、6 ポリビニルアルコール系樹脂層、6’ 延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層、30 基材フィルム、30’ 延伸された基材フィルム、100 積層フィルム、200 延伸フィルム、300 偏光性積層フィルム、400 貼合フィルム。

Claims (6)

  1. 厚みが10μm以下の偏光子を含み、
    波長700nmでの吸光度A700と波長450nmでの吸光度A450との比A700/A450が0.85以上である、偏光板。
  2. 前記吸光度A450が0.42以下である請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記偏光子は、100℃で30分間熱処理したときの、波長700nmでの吸光度A700と波長450nmでの吸光度A450との差の絶対値が0.11以下である請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 厚みが10μm以下であり、
    100℃で30分間熱処理したときの、波長700nmでの吸光度A700と波長450nmでの吸光度A450との差の絶対値が0.11以下である偏光子。
  5. 請求項4に記載の偏光子を含む偏光板。
  6. 偏光子の少なくとも一方の面に貼合される保護フィルムをさらに含む請求項1〜3及び5のいずれか1項に記載の偏光板。
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