JP2015105154A - エレベータ - Google Patents
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Abstract
【課題】エレベータのかごの偏心荷重を補償する機構において、かご枠の重量増加がなく、かごへ伝達される振動や騒音を抑制すること。【解決手段】エレベータは、補償ロープ6がN組(Nは2以上の整数)に分割されて、各組の補償ロープ6a〜6dの一端がかご1の底面の互いに離れた位置に取り付けられる。荷重計測装置12は、ガイド装置8a〜8dがガイドレールから受ける荷重を計測し、張力調整装置16は各組の補償ロープ毎に張力を付与する。制御装置17は荷重計測装置12の計測値に基づいて張力調整装置16を制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、かごの偏心荷重による傾斜を補償するエレベータに関する。
エレベータのかごの偏心荷重を補償する装置として、例えば特許文献1、2にには、補償ロープの吊り位置を移動させる構成が開示されている。特許文献1では、かご枠にベアリング支持した補償ロープ支持部を水平方向駆動用アクチュエータで移動させている。特許文献2では、テールコード支持部を搭載した台車をかご枠上で走行させている。
しかしながら、特許文献1、2に記載の装置では、支持部を移動させるための機構がかご枠に積載されるため、この機構を支持するためにかご枠の強度を増す必要がある。その結果、この機構の重量、並びに、強度増強に伴うかご枠の重量増加分とバランスするように釣り合い錘の重量が増加する。さらに、これらの増加した重量を支持するために、主ロープの本数が増えてその重量が増し、巻上機が懸垂する荷重が増加する。そして、エレベータのコスト上昇を招くことになる。さらに、かご枠に駆動機構が設置されているため、その運転による振動や騒音が乗客に伝わり、乗客が不快に感じる可能性がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、エレベータのかごの偏心荷重を補償する機構において、かご枠の重量増加がなく、かごへ伝達される振動や騒音を抑制することを目的とする。
本発明のエレベータは、補償ロープがN組(Nは2以上の整数)に分割されて、各組の補償ロープの一端がかごの底面の互いに離れた位置に取り付けられるとともに、各組の補償ロープ毎に張力を付与する張力調整装置と、かごをガイドレールに沿って案内するガイド装置と、ガイド装置がガイドレールから受ける荷重を計測する荷重計測装置と、荷重計測装置の計測値に基づいて張力調整装置を制御する制御装置とを備える。
本発明によれば、かごに新たな装置を搭載する必要が無いので、かご枠の重量増加はない。また、補償機構は昇降路下部に設置されるので、その運転によりかごに伝達される振動や騒音は減衰される。
以下、本発明の実施形態について、図示する実施例を参照して説明する。なお、同一の数字と互いに異なるアルファベットで構成した符号を有する装置は、特に断りのない限り同等の機能を有する。各図面には、その方向を示すためX,Y,Z軸を示している。
図1は、実施例1に係るエレベータの全体構成を示す図である。乗客や貨物を積載するかご1は、主ロープ2によって吊り下げられている。主ロープ2は巻上機3に巻き掛けられるとともに、駆動される。主ロープ2の他端には釣合い錘4が吊り下げられている。かご1と釣合い錘4が水平方向(X方向)に距離を保つように、主ロープ2は反らせ車5にも巻き掛けられている。巻上機3を境とした、かご1側の主ロープと釣合い錘4側の主ロープの長さの差は、かご1の昇降とともに変化する。この差により生じる質量アンバランスを補償するため、かご1と釣合い錘4には補償ロープ6を吊り下げている。
かご1に対する積載物の重心位置が偏ると、かご1が傾斜する。本実施例では、補償ロープ6を4つの組に分割し(それぞれ6a、6b、6c、6dとする)、かご1の底面に取り付けている。そして、各補償ロープ6a〜6dの張力を調整することで、かご1の傾斜をなくすようにした。分割した補償ロープはそれぞれ1本のロープで示しているが、複数本のロープを束ねた構成でも良い。補償ロープ6aは補償プーリ7a、7bに巻き掛けられ、補償ロープ6bは補償プーリ7bに巻き掛けられ、補償ロープ6cは補償プーリ7c、7dに巻き掛けられ、補償ロープ6dは補償プーリ7dに巻き掛けられ、それぞれかご1の底面に取り付けられている。なお、図1は正面図であるため、補償ロープ6c、6d、補償プーリ7c、7dはそれぞれ補償ロープ6a、6b、補償プーリ7a、7bの裏側に位置し、図示していない。補償プーリ7a、7b、7c、7dは、それぞれ、アクチュエータ15a、15b、15c、15dを介して昇降路底面に接続されている。ここに補償プーリ7a〜7dとアクチュエータ15a〜15dは、分割された各補償ロープ6a〜6dの張力を調整するためのもので、張力調整装置16と呼ぶことにする。
補償ロープ6a〜6dのかご1への取付け位置は、長方形であるかご1の床面の4つの頂点近傍とする。このとき、水平投影面(XY面)において、これらの4組の補償ロープの取付け位置は、主ロープ2のかご1への取付け位置に関して点対称であるのが望ましい。ただし点対称位置からずれたとしても、主ロープ2の取付け位置からの距離に応じて各補償ロープの張力を調整することで同等の効果が得られるので、この限りではない。
かご1に設置されたガイド装置8a、8b、8c、8dは、図示しないガイドレール9a、9bに沿ってかご1を鉛直方向(Z方向)に案内する。この例では、ガイド装置8a、8bはかご1の上部でX方向両端、Y方向中央位置に設置し、ガイド装置8c、8dはかご1の下部でX方向両端、Y方向中央位置に設置している。後述するように、ガイド装置8a〜8dは荷重計を備え、各ガイド装置がガイドレールから受ける荷重を計測する。計測した荷重値は制御装置17に送られ、制御装置17は荷重の偏り(偏心荷重)を算出する。そして、偏心荷重を補償するよう張力調整装置16に制御信号を送り、各アクチュエータ15a〜15dを駆動する。これにより、各補償プーリ7a〜7dの鉛直方向(Z方向)位置、すなわち各補償ロープ6a〜6dの張力を調整して、積載物の重心位置のずれによるかご1の傾斜をなくす。
図2は、ガイド装置の拡大図を示し、1つのガイド装置8aについて図1と同方向(Y方向)から見た図である。ガイド装置8aは、ガイドレール9aの右側表面上を走行する車輪10a、ガイドレール9aの奥行方向両側面を走行する車輪10a’,10a”(図示せず)、これらの車輪を転動可能に支持する支持具11aとともに、支持具11aとかご1の間に荷重計(荷重計測装置)12aを備えている。なお、側面を走行する車輪10a’,10a”は、ガイドレール9aを挟むことでかご1を安定に走行させる。荷重計12aにより、各車輪10a,10a’,10a”がガイドレール9aから受ける荷重を計測する。
他のガイド装置8b、8c、8dも同様の構成である。なお、各ガイド装置を対角上に設置した場合、各ガイド装置の間では水平方向(X方向)の力の釣り合いから向きが互いに反対で、大きさが等しい荷重が作用する。従って、荷重計12は全てのガイド装置に設置する必要がなく、かご1の上部に設けたガイド装置8a、8bの両方、あるいは、かご1の下部に設けたガイド装置8c、8dの両方のいずれかとして、構成を簡略化しても良い。
図3は、張力調整装置16の拡大図を示し、補償プーリ7aを図1の横方向(X方向)から見た図である。補償プーリ7aは、プーリ台13aにより水平方向回転軸に対して回転可能なように支持される。プーリ台13aは、図示しないリニアガイドによって鉛直方向のみに移動可能なように保持されている。さらにプーリ台13aは、ばね14aとアクチュエータ15aを介して昇降路底面に接続されている。ばね14aは補償ロープ6aに初期張力を与えるものである。アクチュエータ15aは鉛直方向(Z方向)に伸縮することで、プーリ台13aのZ方向位置、すなわち補償プーリ7aのZ方向位置を変化させる。これにより補償ロープ6aの張力を調整する。アクチュエータ15aの方式は問わないが、例えば、モータ、ピニオン、ギヤなどを含む直線駆動機構とする。
次に、制御装置17における偏心荷重の補償方法を説明する。手順として、積載質量の重心位置を計測し、補償ロープの張力を決定する。
まず、重心位置の計測方法を説明する。一般に、かご1に乗客や荷物などの積載質量mが乗っているとき、水平面(XY面)内において、積載質量mの重心位置は主ロープ2のかご1への取付け位置と一致しない。そのため、かご1は積載質量mによって鉛直平面内で回転するような偏心荷重(モーメント)を受ける。
図4は、第1の鉛直投影面(XZ面)においてかごに作用する荷重を示す図である。図示するように、積載質量mの重心がX方向中心から左側にずれている場合、かご1は反時計回りに回転しようとするため、ガイド装置8a、8dはかご1の外側に配置されているガイドレール9a、9b(図示せず)に押付けられ、その反力Fa1、Fd1を受ける。さらに、かご1は補償ロープ6a〜6dを吊り下げているので、それぞれから鉛直下方(Z方向)への引張荷重Ta、Tb、Tc、Tdを受ける。また、かご1は主ロープ2によって吊られているので、鉛直上方への引張荷重Pも受けている。
いま、主ロープ2の取付け位置を基準に、図4の右方向を正として、積載質量mの重心のX方向位置をL1、補償ロープ6a、6b、6c、6dの取付け位置のX方向位置をWa1、Wb1、Wc1、Wd1と定め、−Wa1=Wb1=−Wc1=Wd1=W1の場合を想定する。ガイド装置8a、8c間(8b、8d間)のZ方向距離をHとするとき、かご1の左右方向の力の釣り合いは式(1)で与えられるので、かご1の回転モーメントの釣り合いは式(2)となる。
Fa1=Fd1 (1)
(−Ta+Tb−Tc+Td)W1+Fa1・H+m・g・L1=0 (2)
Fa1=Fd1 (1)
(−Ta+Tb−Tc+Td)W1+Fa1・H+m・g・L1=0 (2)
図5は、第2の鉛直投影面(YZ面)においてかごに作用する荷重を示す図である。図4の第1の鉛直投影面(XZ面)とは直交している。積載質量mの重心のY方向位置をL2、補償ロープ6a、6b、6c、6dの取付け位置のY方向位置をW2とおく。ガイド装置8a、8bがガイドレール9a、9bから受ける反力をFa2、Fb2とおくと、かご1の回転モーメントの釣り合いは式(3)となる。
(−Ta−Tb+Tc+Td)W2+(Fa2+Fb2)H+m・g・L2
=0 (3)
(−Ta−Tb+Tc+Td)W2+(Fa2+Fb2)H+m・g・L2
=0 (3)
これらの式において、H、W1、W2、gは既知であり、Ta、Tb、Tc、Tdは制御対象であるため計測されており、mは通常のエレベータに備えられている秤装置で計測可能であり、Fa1、Fa2、Fb2は荷重計12a、12bで計測される。ゆえに、式(2)を用いて重心のX方向位置L1を、式(3)を用いて重心のY方向位置L2を算出できる。
次に、偏心荷重の補償のための補償ロープの張力の決定方法を説明する。本実施例の制御装置17が目標とする状態は、ガイド装置8a、8b、8c、8dがガイドレール9a、9bから受ける荷重が全てゼロ、すなわち、Fa1=Fa2=Fb2=0である。また、かご1が補償ロープから受ける引張荷重Ta、Tb、Tc、Tdは正の値である。なお、以下では積載質量mの重心が補償ロープ6aの取付け位置に最も近い場合について説明するが、他の補償ロープの取付け位置に最も近いときには適宜符合や添え字を読み替えれば良い。
まず、制御装置17は積載質量mの重心に最も近くに取り付けられた補償ロープ6aの引張荷重Taを決定する。この下限値はかご1に吊られている補償ロープの自重であり、補償ロープのたるみや振動の防止のために補償プーリ7aで張力を付与して下限値以上の値としても良い。次に、制御装置17は、補償ロープ6aに対して対角の位置に取り付けられた補償ロープ6dの引張荷重Tdを式(4)に基づいて算出する。
Td=Ta−m・g(L1/W1+L2/W2)/2 (4)
また、残りの補償ロープ6b、6cの引張荷重Tb、Tcは、式(5)の関係となる。
Tc−Tb=m・g(L1/W1−L2/W2)/2 (5)
Td=Ta−m・g(L1/W1+L2/W2)/2 (4)
また、残りの補償ロープ6b、6cの引張荷重Tb、Tcは、式(5)の関係となる。
Tc−Tb=m・g(L1/W1−L2/W2)/2 (5)
上述の通り、Tb、Tcは正の値であるので、式(5)の右辺の括弧内の符号によってTbとTcの大小関係が決まる。制御装置17では、Tb、Tcのうち、小さい方をTaと等しくし、大きい方を式(5)に基づいて算出する。例えば、式(5)の右辺の括弧内の符号が正であれば、TbとTcは式(6)、(7)から算出する。
Tb=Ta (6)
Tc=Ta+m・g(L1/W1−L2/W2)/2 (7)
このようにして、制御装置17は4組の補償ロープの引張荷重Ta〜Tdを算出し、その実現に必要な各アクチュエータ15a〜15dの制御量を出力する。
Tb=Ta (6)
Tc=Ta+m・g(L1/W1−L2/W2)/2 (7)
このようにして、制御装置17は4組の補償ロープの引張荷重Ta〜Tdを算出し、その実現に必要な各アクチュエータ15a〜15dの制御量を出力する。
なお、重心位置の計測、ならびに張力の決定は、かご1の走行に伴う振動の影響を避けるように、かご1が停止しているとき、特に、かご1のドアが閉鎖される直前、乃至、直後に行うのが好ましい。
なお、図3におけるばね14は、一般の弾性体でも良く、または錘に置き換えて装置を簡素化しても良い。あるいは、補償ロープ6a〜6dに与える張力が小さい場合、ばね14を無くし、アクチュエータ15のみで張力を付与しても良い。
図6は、荷重計測装置の変形例を示す図である。図2における荷重計12aを無くし、支持具18aにより車輪10aがガイドレール9aの表面の法線方向(X方向)に変位可能なように支持している。さらに、支持具18aの車輪10aの回転軸近傍とかご1との間に弾性体19aを配置する。そして、弾性体19aの伸縮量を図示しない変位計で計測し、この計測値を変位−荷重変換器により荷重値に変換して、ガイドレール9aから受ける押付け力を算出する。この構成例によれば、車輪10aの許容変位を大きくとれるので、ガイドレール9a、9bの単体の曲がり、継ぎ目の段差、両者の間隔のガイドレール長手方向の変化があっても、その影響を受けにくくなる利点がある。
実施例1では、補償ロープを4組に分割してかご1に取り付けたが、実施例2では補償ロープを3組に分割してかご1に取り付ける構成である。
図7と図8は、実施例2においてかごに作用する荷重を示す図であり、図7は第1の鉛直投影面(XZ面)、図8は第2の鉛直投影面(YZ面)を示す。なお、実施例1と共通の部分については説明を省略する。
図7と図8は、実施例2においてかごに作用する荷重を示す図であり、図7は第1の鉛直投影面(XZ面)、図8は第2の鉛直投影面(YZ面)を示す。なお、実施例1と共通の部分については説明を省略する。
かご1の底面には、3組の補償ロープ6a、6b、6cが取り付けられている。補償ロープ6a、6bは、実施例1(図4,5)と同様に底面の一辺の両端に取り付け、補償ロープ6cは、対辺の中央位置に取り付けている。一方、主ロープ2は、かご1の上面の中央に取り付けており、水平投影面(XY面)におけるその取付け位置は、3組の補償ロープ6a、6b、6cの取付け位置を頂点とする三角形の内側に存在する。このように、3組の補償ロープ6a〜6cの取付け位置が、主ロープ2の取付け位置を内側に含む三角形の頂点位置とすれば、補償ロープ6a〜6cの配置はこれ以外でも良い。実施例2では実施例1と比較して、補償ロープ6dと補償プーリ7d、アクチュエータ15dなどが無くなり、張力調整装置16の簡素化が図れる。
次に、重心位置の計測方法を説明する。主ロープ2の取付け位置を基点とし、3組の補償ロープ6a、6b、6cの取付け位置のX方向位置をそれぞれWa1、Wb1、Wc1、Y方向位置をそれぞれWa2、Wb2、Wc2とする。取付け位置を対称とし、Wa1=−Wb1=W1、Wc1=0、−Wa2=−Wb2=Wc2=W2の場合を想定する。また、積載質量mの重心のX方向位置をL1、Y方向位置をL2とする。各補償ロープ6a、6b、6cの張力をTa、Tb、Tcとする。
図7に示すXZ平面内でのかごの回転モーメントの釣り合いは式(8)となり、図8に示すYZ平面内でのかごの回転モーメントの釣り合いは式(9)となる。
(−Ta+Tb)W1+Fa1・H+m・g・L1=0 (8)
(−Ta−Tb+Tc)W2+(Fa2+Fb2)・H+m・g・L2
=0 (9)
(−Ta+Tb)W1+Fa1・H+m・g・L1=0 (8)
(−Ta−Tb+Tc)W2+(Fa2+Fb2)・H+m・g・L2
=0 (9)
積載質量mの重心が補償ロープ6aの取付け位置に最も近い場合を例に、以下で補償ロープの引張荷重の算出方法を説明する。補償ロープ6aの引張荷重Taは、かご1に吊られている補償ロープ6aの自重を下限値とし、補償ロープのたるみや振動の防止のために補償プーリ7aで張力を付与した値としても良い。このTaを式(8)に代入し、Fa1=0として補償ロープ6bの引張荷重Tbは式(10)で算出される。また、TaとTbを式(9)に代入し、Fa2=Fb2=0として補償ロープ6cの引張荷重Tcは式(11)で算出される。
Tb=Ta−m・g・L1/W1 (10)
Tc=2Ta−m・g(L1/W1+L2/W2) (11)
このようにして、制御装置17は3組の補償ロープの引張荷重Ta〜Tcを算出し、その実現に必要な各アクチュエータ15a〜15cの制御量を出力する。
Tb=Ta−m・g・L1/W1 (10)
Tc=2Ta−m・g(L1/W1+L2/W2) (11)
このようにして、制御装置17は3組の補償ロープの引張荷重Ta〜Tcを算出し、その実現に必要な各アクチュエータ15a〜15cの制御量を出力する。
実施例2の変形例として、補償ロープを2組に分割し、かご1の底面の離れた2点に配置しても良い。この場合、2組の補償ロープを含む鉛直平面内に限定して偏心荷重を補償することができ、補償プーリ7c、7dが無くなり、張力調整装置16の更なる簡素化が図れる。ガイドレール9a、9bを含む鉛直平面内に2組の補償ロープ6a、6bを配置した場合、式(8)の関係が成り立つので、積載荷重の重心に近い方の補償ロープ6aの引張荷重Taを、前述と同様に下限値、あるいは、補償プーリによる張力を付与した値として定める。遠い方の補償ロープ6bの引張荷重Tbは、Fa1=0として式(8)を用いて算出すれば良い。
実施例3は、同一面内で回転する2個の補償プーリの位置を1個のアクチュエータで調整する構成である。
図9は、実施例3に係る張力調整装置16の構成図である。図9において、XZ面内で回転する2個の補償プーリ7a、7bは、支持棒21の両端でそれぞれ回転可能に支持される。支持棒21は、2個の補償プーリ7a、7bの中点Qに取り付けたばね22を介して昇降路底面に接続されるとともに、図示しないリニアガイドによって、ばね22との取り付け点Qの変位は鉛直方向(Z方向)のみに制限されている。さらに、支持棒21の一端には(ここでは補償プーリ7a側)アクチュエータ23を取付け、アクチュエータ23の他端は、その鉛直下方の昇降路底面上に取付けている。
図9は、実施例3に係る張力調整装置16の構成図である。図9において、XZ面内で回転する2個の補償プーリ7a、7bは、支持棒21の両端でそれぞれ回転可能に支持される。支持棒21は、2個の補償プーリ7a、7bの中点Qに取り付けたばね22を介して昇降路底面に接続されるとともに、図示しないリニアガイドによって、ばね22との取り付け点Qの変位は鉛直方向(Z方向)のみに制限されている。さらに、支持棒21の一端には(ここでは補償プーリ7a側)アクチュエータ23を取付け、アクチュエータ23の他端は、その鉛直下方の昇降路底面上に取付けている。
アクチュエータ23を駆動しその全長を変化させることで、支持棒21をばね22の取り付け点Qの周りに回転させる。これによって補償プーリ7aと7bのZ方向位置をずらし、補償ロープ6aと6bの間に所定の張力差(Ta−Tb)を発生させることができる。このような構成とすることで、アクチュエータの数を削減して張力調整装置の簡素化が図れる。
図10は、図9の変形例を示す図で、昇降路底面側でのアクチュエータ23の取付け位置とばね22の取付け位置と共通の位置Rとしたものである。この構成では、昇降路底面との接続箇所を削減でき、設置性が向上する。本実施例においても、ばね22は一般の弾性体としても良い。
実施例4は、同軸上で回転する2個の補償プーリの位置を1個のアクチュエータで調整する構成である。
図11は、実施例4に係るエレベータの構成図(XZ面)を示し、図12は、その張力調整装置16の拡大図で、X方向から見たものである。ここでは補償ロープが2組(6a、6b)に分割された場合を示しているが、4組に分割された場合でも良い。
図11は、実施例4に係るエレベータの構成図(XZ面)を示し、図12は、その張力調整装置16の拡大図で、X方向から見たものである。ここでは補償ロープが2組(6a、6b)に分割された場合を示しているが、4組に分割された場合でも良い。
図11において、補償ロープ6a、6bはそれぞれ、同軸上で回転する2個の補償プーリ24a、24bに巻き掛けられている。図12において、補償プーリ24a、24bは共通の支持棒25にて支持され、それぞれ独立に回転可能となっている。2個の補償プーリ24a、24bの中点となる支持棒25上の位置Sには、ばね26が取り付けられ、ばね26の他端は昇降路底面に接続されている。また支持棒25の一端(図では右端)には、アクチュエータ27が取り付けられ、アクチュエータ27の他端は昇降路底面に接続されている。ばね26は補償ロープ6a、6bに初期張力を与えるものである。
アクチュエータ27を駆動し伸縮させることで、支持棒25をばね26の取付け位置Sの周りに回転させる。これによって補償プーリ7aと7bのZ方向位置をずらし、補償ロープ6aと6bの間に所定の張力差(Ta−Tb)を発生させることができる。このような構成とすることで、アクチュエータの数を削減して装置の簡素化が図れるとともに、張力調整装置16が占める昇降路底面の面積を減らすことが可能となる。本実施例においても、ばね26は一般の弾性体としても良い。
以上説明したように、各実施例の張力調整装置によれば、積載荷重の偏りによる偏心荷重、すなわちかごの傾きをなくし、ガイド装置のガイドレールへの押付け力を低減できる。その結果、ガイド装置の長寿命化が図れると共に、ガイドレールの継ぎ目の段差などによるかごへの外力が抑制されて、乗り心地が向上する。
各実施例においては、かごに新たな装置を搭載する必要が無いので、かご枠の重量増加はない。また、張力調整装置は昇降路下部に設置されるので、その運転によりかごに伝達される振動や騒音は減衰される。
1:かご、
2:主ロープ、
4:釣合い錘、
6,6a,6b,6c,6d:補償ロープ、
7a,7b,24:補償プーリ、
8a,8b,8c,8d:ガイド装置、
9a,9b:ガイドレール、
10a:車輪、
12a:荷重計、
14a,22,26:ばね、
15a,23,27:アクチュエータ、
16:張力調整装置、
17:制御装置、
19a:弾性体。
2:主ロープ、
4:釣合い錘、
6,6a,6b,6c,6d:補償ロープ、
7a,7b,24:補償プーリ、
8a,8b,8c,8d:ガイド装置、
9a,9b:ガイドレール、
10a:車輪、
12a:荷重計、
14a,22,26:ばね、
15a,23,27:アクチュエータ、
16:張力調整装置、
17:制御装置、
19a:弾性体。
Claims (11)
- 積載物を積載するかごと、該かごを吊り下げる主ロープと、該主ロープを巻き掛け駆動する巻上機と、前記主ロープの他端に接続された釣合い錘と、前記かごの昇降により生じる前記主ロープの質量アンバランスを補償する補償ロープを有するエレベータにおいて、
前記補償ロープがN組(Nは2以上の整数)に分割されて、各組の補償ロープの一端が前記かごの底面の互いに離れた位置に取り付けられるとともに、
前記各組の補償ロープ毎に張力を付与する張力調整装置と、
前記かごに取り付けられ、前記かごをガイドレールに沿って案内するガイド装置と、
前記ガイド装置が前記ガイドレールから受ける荷重を計測する荷重計測装置と、
前記荷重計測装置の計測値に基づいて前記張力調整装置を制御する制御装置とを備えることを特徴とするエレベータ。 - 請求項1に記載のエレベータであって、
前記補償ロープの分割数Nは4組であり、前記各組の補償ロープの前記かごへの取付け位置は、前記かごの底面を構成する四角形の各頂点付近であることを特徴とするエレベータ。 - 請求項1に記載のエレベータであって、
前記補償ロープの分割数Nは3組であり、水平投影面において、前記各組の補償ロープの前記かごへの取付け位置は、前記主ロープの前記かごへの取付け位置を内側に含む三角形の頂点位置としたことを特徴とするエレベータ。 - 請求項1乃至3に記載のエレベータであって、
前記張力調整装置は、
前記補償ロープが巻き掛けられる補償プーリと、
前記補償プーリの鉛直方向位置を調整するアクチュエータとを備えることを特徴とするエレベータ。 - 請求項4に記載のエレベータであって、
前記張力調整装置は、さらに、
前記補償プーリへ鉛直下向きの荷重を付与する弾性体を備えることを特徴とするエレベータ。 - 請求項4に記載のエレベータであって、
前記張力調整装置は、さらに、
前記補償プーリへ鉛直下向きの荷重を付与する錘を備えることを特徴とするエレベータ。 - 請求項4乃至6に記載のエレベータであって、
前記張力調整装置は、
前記補償プーリのうち同一面内で回転する2個の補償プーリを回転可能に支持する支持棒と、
前記2個の補償プーリの中点となる前記支持棒上の位置に取り付けられ、前記支持棒へ鉛直下向きの荷重を付与する弾性体と、を有し、
前記アクチュエータは前記支持棒の一端に取り付けられ、前記支持棒を前記弾性体の取付け位置の周りに回転させることを特徴とするエレベータ。 - 請求項4乃至6に記載のエレベータであって、
前記張力調整装置は、
前記補償プーリのうち同軸上で回転する2個の補償プーリを回転可能に支持する支持棒と、
前記2つの補償プーリの中点となる前記支持棒上の位置に取り付けられ、前記支持棒へ鉛直下向きの荷重を付与する弾性体と、を有し、
前記アクチュエータは前記支持棒の一端に取り付けられ、前記支持棒を前記弾性体の取付け位置の周りに回転させることを特徴とするエレベータ。 - 請求項1乃至3に記載のエレベータであって、
前記荷重計測装置として、前記ガイド装置に組み込んだ荷重計を用いることを特徴とするエレベータ。 - 請求項1乃至3に記載のエレベータであって、
前記荷重計測装置は、
前記ガイド装置を構成する車輪を前記ガイドレールに押付けるための弾性体の変形量を計測する変位計と、
前記変位計の出力値から前記ガイド装置が前記ガイドレールから受ける荷重を算出する変位−荷重変換器と、を含むことを特徴とするエレベータ。 - 請求項1乃至3に記載のエレベータであって、
前記制御装置は、前記荷重計測装置の計測結果から前記かごが受ける偏心荷重を求め、該偏心荷重を補償するために必要な前記各補償ロープの張力を算出することを特徴とするエレベータ。
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