JP2015104843A - 積層体とその製造方法、及び該積層体を用いた電子デバイスの製造方法 - Google Patents

積層体とその製造方法、及び該積層体を用いた電子デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015104843A
JP2015104843A JP2013247517A JP2013247517A JP2015104843A JP 2015104843 A JP2015104843 A JP 2015104843A JP 2013247517 A JP2013247517 A JP 2013247517A JP 2013247517 A JP2013247517 A JP 2013247517A JP 2015104843 A JP2015104843 A JP 2015104843A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
treatment
resin film
heat
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013247517A
Other languages
English (en)
Inventor
智幸 菊地
Tomoyuki Kikuchi
智幸 菊地
坂井 信支
Nobushi Sakai
信支 坂井
玲奈 岩崎
Reina Iwasaki
玲奈 岩崎
中吉 和己
Kazumi Nakayoshi
和己 中吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samsung Electronics Co Ltd
Original Assignee
Samsung Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samsung Electronics Co Ltd filed Critical Samsung Electronics Co Ltd
Priority to JP2013247517A priority Critical patent/JP2015104843A/ja
Priority to KR1020140159751A priority patent/KR20150062945A/ko
Priority to US14/550,379 priority patent/US20150151514A1/en
Publication of JP2015104843A publication Critical patent/JP2015104843A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B7/00Layered products characterised by the relation between layers; Layered products characterised by the relative orientation of features between layers, or by the relative values of a measurable parameter between layers, i.e. products comprising layers having different physical, chemical or physicochemical properties; Layered products characterised by the interconnection of layers
    • B32B7/04Interconnection of layers
    • B32B7/12Interconnection of layers using interposed adhesives or interposed materials with bonding properties
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/06Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B27/08Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B38/00Ancillary operations in connection with laminating processes
    • B32B38/0008Electrical discharge treatment, e.g. corona, plasma treatment; wave energy or particle radiation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/30Properties of the layers or laminate having particular thermal properties
    • B32B2307/306Resistant to heat
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2310/00Treatment by energy or chemical effects
    • B32B2310/14Corona, ionisation, electrical discharge, plasma treatment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2457/00Electrical equipment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J183/00Adhesives based on macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only; Adhesives based on derivatives of such polymers
    • C09J183/04Polysiloxanes

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Abstract

【課題】
従来よりも高温プロセスにおける接着層の分解やバブルの発生が抑制され、さらに、長期高温耐性が高い、新規かつ改良された接着層を用いた積層体を提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明は、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する積層体に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する積層体、該積層体の製造方法、及び該積層体を用いた電子デバイスの製造方法に関する。
近年、半導体素子、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子、ディスプレイ素子など電子デバイスの軽量化、小型・薄型化、フレキシブル化を目的として、高分子フィルム上にこれらの素子を形成する技術開発が活発に行われている。例えば、情報通信機器(放送機器、移動体無線、携帯通信機器等)、レーダーや高速情報処理装置などといった電子部品の基材の材料としては、従来、耐熱性を有し且つ情報通信機器の信号帯域の高周波数化(GHz帯に達する)にも対応し得るセラミックが用いられていたが、セラミックはフレキシブルではなく薄型化もしにくいので、適用可能な分野が限定されるという欠点があった。
半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子などの電子デバイスを高分子フィルム表面に形成するにあたっては、高分子フィルムの特性であるフレキシビリティを利用した、いわゆるロール・トゥ・ロールプロセスにて加工することが理想とされている。しかしながら、半導体産業、MEMS産業、ディスプレイ産業界では、これまでウエハベースないしガラス基板ベース等のリジッドな平面基板を対象としたプロセス技術が構築されてきた。そのため、現実的な選択としては、高分子フィルムを、例えばガラス基板、セラミック基板、シリコンウエハ、金属板などの無機物からなるリジッドな支持体に貼り合わせし、所望の素子を形成した後に支持体から剥離することが考えられ、これにより既存インフラを利用して高分子フィルム上に形成した電子デバイスを得ることが可能となる。
従来、無機物からなる支持体への高分子フィルムの貼り合わせは、粘着剤や接着剤を用いて広く行われてきた。しかしながら、高分子フィルムと無機物からなる支持体とを貼り合わせた積層体に所望の電子デバイスを形成する場合、電子デバイスの形成を行う上で支障ないレベルの表面平滑性、寸法安定性、クリーン性、プロセス温度への耐性、微細加工に用いられる薬液への耐性等が当該積層体に求められる。特にポリシリコンや酸化物半導体などの電子デバイスの形成においては200〜500℃程度の温度域でのプロセスが必要となる。例えば低温ポリシリコン薄膜トランジスターの作製においては、脱水素化のために450℃、2時間程度の加熱処理が必要な場合があり、水素化アモルファスシリコン薄膜の作製においては、200℃から300℃程度の温度がフィルムに加わる可能性がある。このように電子デバイスの形成温度が高い場合には、高分子フィルムに耐熱性が必要であることは勿論、高分子フィルムと支持体との接合面(すなわち貼り合せ用の接着剤や粘着剤)がその加工温度に耐えなければならない。しかしながら、従来の貼り合せ用の接着剤や粘着剤は十分な耐熱性を有していなかったため、電子デバイスの形成温度が高い場合には適用できないのが現状であった。
特許文献1には、プラズマ処理が施されたポリイミドフィルムと支持体とを、カップリング剤を用いて接着した積層体に関する発明が開示されている。
特許文献2には、ラダー型ポリシルセスキオキサン樹脂を含有する接着剤を用いて形成された接着剤層を有する、接着シートに関する発明が開示されている。
特開2013−010342号公報 特開2008−248236号公報
しかしながら、特許文献1に開示の積層体では、長期高温プロセス下でカップリング剤から脱ガスが生じ、バブルとなり接着性が低下するという課題を残している。バブルが発生するとフィルムの表面形状が凹凸となり、フィルム上に形成されるデバイスに影響し、デバイスの不良率が増大する。
また、特許文献2に開示の接着シートでは、上記のような高温プロセスに曝されると、特許文献1に開示の積層体と同様に脱ガスが発生し、バブルとなり、接着性が低下するという課題がある。
従来、フレキシブルなフィルム基材上に電子デバイスを作製する場合において、プロセス温度が300℃を超えたとき、接着層が分解温度に達し、または含有物の脱ガスによってバブルが発生し、これが原因となって接着性が低下し、プロセスに要求される水準を満足するものではなかった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、従来よりも高温プロセスにおける接着層の分解やバブルの発生が抑制され、さらに、長期高温耐性を向上させることが可能な、新規かつ改良された接着層を用いた積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する積層体により上記課題を解決できることを見出し、本願発明の完成に至った。本発明は、以下の内容をその骨子とする。
(1) 無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する、積層体。
(2) 前記シルセスキオキサン樹脂が、式1で表わされる構成単位を有する、(1)に記載の積層体。
(式中、Rは水素原子;炭素数1〜15のアルキル基;炭素数6〜15の芳香族炭化水素基;からなる群から選択される。)
(3) 前記シルセスキオキサン樹脂が、式2で表わされる構成単位を有する、(2)に記載の積層体。
(4) 前記シルセスキオキサン樹脂が、ラダー型シルセスキオキサン樹脂である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の積層体。
(5) 前記耐熱性樹脂フィルムが、ポリイミド樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリベンゾオキサゾール樹脂フィルム、及びフッ素樹脂フィルムからなる群より選択される少なくとも1つである、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の積層体。
(6) 前記接着層の厚さが50nm〜10μmである、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の積層体。
(7) 無機支持体上に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を形成する工程と、前記接着層を活性化処理する工程と、前記接着層上に耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程を含む、積層体の製造方法。
(8) 前記活性化処理が、プラズマ処理、活性放射線照射、コロナ処理、レーザー光照射処理、活性ガス処理、及び薬液処理からなる群より選択される少なくとも1つである、(7)に記載の積層体の製造方法。
(9) (1)〜(6)の何れか1つに記載の積層体、または(7)若しくは(8)に記載の製造方法にて製造された積層体を利用した、電子デバイスの製造方法であって、前記耐熱性樹脂フィルムを、前記接着層から剥離処理する工程を含む、電子デバイスの製造方法。
(10) 前記剥離処理は、レーザーアブレーション、または機械剥離によって行われる、(9)に記載の電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、従来よりも高温プロセスにおける接着層の分解やバブルの発生が抑制され、さらに、長期高温耐性を向上させることが可能な接着層を用いた、積層体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」及び「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
本発明は、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する、積層体に関する。かような積層体を用いることにより、電子デバイスを作製する際のプロセス温度が300℃を超えた場合であっても、接着層は分解温度に達せず、含有物のガス発生が抑制され、接着層の分解やバブルによる接着性の低下を防止することができる。以下、本願発明に係る積層体について、より詳細に説明する。
[接着層]
本発明に係る積層体は、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する。
(シルセスキオキサン樹脂)
本発明に係る積層体の接着層に含まれるシルセスキオキサン樹脂は、主鎖骨格がシロキサン結合(Si−O−Si)からなる化合物であり、ラダー型、籠型及びランダム型の構造をとるネットワーク状ポリシロキサンの総称である。シルセスキオキサン樹脂の組成比は[RSiO3/2]で表わされ、無機シリカ[SiO]と有機シリコーン[RSiO]の中間的な物質として位置付けられる、3官能性のTレジンである。シルセスキオキサン樹脂は、一般的な有機溶媒に可溶であることから、取り扱いが容易であり、成膜等の加工性、成形性等に優れるという特徴を有する。
本発明の一実施態様では、本発明の積層体は、後述する加圧加熱処理がされたものである。すなわち、本発明の一実施態様では、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する、加圧加熱処理がされた積層体が提供される。
また、本発明の別の実施態様では、積層体が有するシルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層が、活性化処理がされ、さらに、後述する加圧加熱処理された積層体が提供される。すなわち、本発明の一実施態様では、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、活性化処理がされた接着層を有する、加圧加熱処理された積層体であって、前記接着層がシルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む、積層体、が提供される。
本発明の一実施形態では、本発明に係る積層体の接着層に含まれるシルセスキオキサン樹脂は、下記式1で表わされる構成単位を有する。
式中、Rは水素原子;炭素数1〜15のアルキル基;炭素数6〜15の芳香族炭化水素基;からなる群から選択される。炭素数1〜15のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状のアルキル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の分岐鎖状のアルキル基;シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン等から1個の水素原子を除いた環状のアルキル基;が挙げられる。また、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられるが、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
接着層に含まれるシルセスキオキサン樹脂の重量平均分子量は、後述する活性化処理によって低分子化されることもあるため、特に限定されないが、1500〜30000であることが好ましい。接着層に含まれるシルセスキオキサン樹脂は、ラダー型シルセスキオキサン樹脂であることが好ましい。
本発明の一実施形態では、接着層は式1の構成単位を有するシルセスキオキサンで形成される。この時、積層体の原子組成全体に対して、炭素(C)、酸素(O)、ケイ素(Si)及び水素(H)の合計が80at%以上であり、好ましくは90at%以上であり、より好ましくは95at%以上であり、特に好ましくは98at%以上である。上限は特に制限されないが、例えば100at%である。異物や雰囲気に由来する窒素(N)等の他の元素は、少ないほどよく、特に制限されるものではないが、例えば各元素がそれぞれ10at%未満であり、好ましくは5at%未満であり、より好ましくは2at%未満であり、特に好ましくは1at%未満である。下限は特に制限されないが、各元素がそれぞれ0at%以上でもよく、例えば各元素がそれぞれ0at%を超える。
本発明の別の実施形他においては、積層体の接着層に含まれるシルセスキオキサン樹脂は、下記式2で表わされる構成単位を有する。
上記の式2で表わされる構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂が積層体の接着層に含まれると、積層体の長期高温耐性が向上するという効果がある。本発明の技術的範囲を制限するものではないが、これは、炭素を含む官能基を有するシルセスキオキサン樹脂は長期高温時に結合が切断され易く、バブルの発生要因となり易いのに対し、式2で表わされるようなシルセスキオキサン樹脂は水素で終端されているため、バブルの発生要因となりにくいことによるものと推測される。
式2で表わされる構成単位は、式1で表わされる構成単位おいて、RがHであるものをいう。積層体の接着層に含まれるシルセスキオキサン樹脂は、Rの一部がH(水素原子)である構成単位を有していてもよいが、式1で表わされる構成単位の全てがHである水素シルセスキオキサン樹脂がより好ましい。この時、シルセスキオキサン樹脂の末端基としては、ヒドロキシル基及び/または水素原子であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
本発明の一実施形態では、接着層は式2の構成単位を有する水素シルセスキオキサンで形成される。この時、積層体の原子組成全体に対して、酸素(O)、ケイ素(Si)及び水素(H)の合計が80at%以上であり、好ましくは90at%以上であり、より好ましくは95at%以上であり、特に好ましくは98at%以上である。上限は特に制限されないが、例えば100at%である。接着層における酸素(O)、ケイ素(Si)及び水素(H)の組成比が、1.5:1:1であることが特に好ましい。異物や雰囲気に由来する炭素(C)、窒素(N)等の他の元素は、少ないほどよく、特に制限されるものではないが、例えば各元素がそれぞれ10at%未満であり、好ましくは5at%未満であり、より好ましくは2at%未満であり、特に好ましくは1at%未満である。下限は特に制限されないが、各元素がそれぞれ0at%以上でもよく、例えば各元素がそれぞれ0at%を超える。長期高温耐性の観点から、接着層に含まれる炭素(C)が少ないほど好ましい。
接着層の原子組成は、例えばXPS法など、当業者に公知の方法で行うことができる。
(接着層の厚さ)
本発明において、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層の厚さは、好ましくは50nm〜10μmであり、より好ましくは100nm〜5μmであり、さらに好ましくは500nm〜1μmである。接着層の厚さが50nm以上であれば、接着性がより安定となり、また、接着層の厚さを10μm以下にすることで、活性化処理や加圧加熱処理をした際に、接着層から溶剤が抜けやすくなるという効果がある。
接着層の厚さは、例えば触針式表面形状測定器(例えば、Dektak 8(アルバック株式会社製))等により測定することができる。
(接着層の他の成分)
本発明に係る積層体の接着層には、任意に、硬化剤等のシルセスキオキサン樹脂以外の成分が含まれていても良い。硬化剤としては、従来公知の熱硬化剤や光重合開始剤等を用いることができる。
(接着層の接着強度)
本発明に係る積層体の接着層の接着強度は、180°ピール試験(JIS Z0237の引き剥がし粘着力試験に準拠)により測定することができる。より具体的には、積層体から切りだした試験片(25mm×100mm)を、耐熱性樹脂フィルムの端部をチャックで掴み、180°に折り返し、5mm/secの速度で引き剥がした時の粘着力(接着強度)を測定する。本発明に係る接着層の接着強度は特に制限されるものではなく、製造される素子など使用目的・製造条件等によって適宜設定すればよいが、積層体形成直後の接着強度が、1N/cm以上であることが好ましく、10N/cm以上であることがより好ましい。上限は特に制限はないが、例えば24N/cmである。また、積層体から切りだした試験片を350℃で2時間加熱した後、前記方法にて測定した粘着強度が、0.1N/cm以上であることが好ましく、1N/cm以上であることがより好ましく、10N/cm以上であることが更に好ましい。上限は特に制限はないが、例えば24N/cmである。
[無機支持体]
本発明に係る積層体に用いられる無機支持体は、200〜500℃程度の高温度域に対する耐熱性のあるものであれば特に制限されず、例えば、ウエハベース等の平面基板を対象とした既存プロセスにおいて使用されてきた基体も応用できる。本発明に係る積層体に用いられる無機支持体は、特に制限されるものではないが、例えば、銅、アルミニウム、鉄、金、白金等の金属及びステンレス等のこれらの合金からなる金属板;石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス(例えば、パイレックス(登録商標)、テンパックス(登録商標)、バイコール(登録商標))、無アルカリガラス(例えば、EAGLE XG(登録商標)(コーニング社製))等の耐熱ガラス基板;アルミナ、ジルコニア、チタニア、スピネル、ムライト、サイアロン、サファイア、炭化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、コージライト等のセラミックス基板;シリコン基板;グラファイト基板;等が挙げられる。
無機支持体の厚さは特に制限されるものではなく、任意に設定すればよいが、例えば10μm〜10mmである。
本発明に用いられる無機支持体は、表面粗さRa(算術平均粗さ)が、10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましい。表面粗さRaが10nm以下であることにより、無機支持体上の接着層及び耐熱性樹脂フィルムの平坦性が維持される。
[耐熱性樹脂フィルム]
本発明に係る耐熱性樹脂フィルムは、半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子などの電子デバイスの基材として用いることができる高分子フィルムであり、融点が300℃を超えるものが用いられることが好ましい。本発明に係る積層体に用いられる耐熱性樹脂フィルムは、特に限定されるものではないが、例えば、ポリイミド(PI)樹脂;ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、アラミド等のポリアミド樹脂;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂;ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂;ポリスルホン(PSU)樹脂;ポリエーテルスルホン(PES)樹脂;ポリアミドイミド(PAI)樹脂;ポリエーテルイミド(PEI)樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂;液晶ポリマー(LCP);ポリベンゾオキサゾール樹脂;等のフィルムが挙げられ、この中でもポリイミド樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリベンゾオキサゾール樹脂フィルム、またはフッ素樹脂フィルムを用いることが好ましく、特に、ポリイミド樹脂フィルムが耐熱性・原料コスト等の面からより好ましい。
耐熱性樹脂フィルムの厚さとしては、特に制限されるものではなく、製造される素子など使用目的・製造条件等によって適宜選択すればよいが、例えば1〜1000μmであり、好ましくは5〜200μmであり、より好ましくは15〜40μmである。
[積層体の製造方法]
本発明に係る積層体は、耐熱性樹脂フィルム上に接着層を形成した後、耐熱性樹脂フィルムを無機支持体に積層し、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に接着層が位置するように製造することもできる。好ましくは、本発明に係る積層体の製造方法は、無機支持体上に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を形成する工程と、接着層を活性化処理する工程と、接着層上に耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程を含む。以下、本発明に係る積層体の製造方法について、より詳細に説明する。
(接着層を形成する工程)
本発明に係る積層体は、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を無機支持体上に形成した後、耐熱性樹脂フィルムを無機支持体に積層し、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に接着層が位置するよう、製造することが好ましい。すなわち、本発明に係る積層体の製造方法は、無機支持体上に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を形成する工程が含まれることが好ましい。この場合、特に制限されるものではないが、接着層を形成する方法は、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む塗布液を無機支持体に塗布して形成する、塗膜形成法を採用することが好ましい。
本発明に係る積層体は、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を耐熱性樹脂フィルム上に形成した後、耐熱性樹脂フィルムを無機支持体に積層し、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に接着層が位置するよう、製造することもできる。
接着層の形成に用いられるシルセスキオキサン樹脂は、特に制限されるものではなく、当業者に公知の方法で製造することができる。
シルセスキオキサン樹脂としては、市販のシルセスキオキサン樹脂を使用しても良い。例えば、HSQ(東京応化工業社製)、SR−13、SR−20、SR−21、SR−23、SR−33(いずれも、小西化学工業社製)、OX−SQ、OX−SQ−H、OX−SQ SI−20、OX−SQ−F、MAC−SQ−F、AC−SQ−F(いずれも、東亜合成社製)、KMP−590、KMP−591(いずれも、信越化学社製)、等が挙げられる。
積層体の製造に使用されるシルセスキオキサン樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、2000〜30000であることが好ましく、3000〜15000であることがより好ましい。上記範囲とすることで、有機溶剤への溶解性が良好となる。シルセスキオキサン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)等、当業者に公知の方法によって測定することができる。
塗膜形成法によりシルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を形成する場合、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む塗布液を無機支持体に塗布し、接着層を形成する。
シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む塗布液の調製に用いられる溶剤としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物;上記多価アルコール類又は上記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル若しくはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME));ジオキサン等の環状エーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。この中でも、PGMEA、PGME、n−ブタノールを用いることが好ましい。
塗布液に含まれるシルセスキオキサン樹脂の量は特に限定されないが、塗布液全体に対し、シロキサン樹脂の濃度が0.1〜40質量%となるように用いることが好ましく、1〜30質量%となるように用いることがより好ましい。
シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む塗布液を調製するために使用した溶剤が積層体に残留すると、電子デバイスの製造プロセスにおいて長期高温にさらされたとき、バブル発生の原因となりえる。従って、積層体に残留する溶剤の量は、積層体の製造後(特に、加圧加熱処理後)、電子デバイスの製造前において、接着層1m当りに含まれる溶剤の総量(mg)として、1000〜50000(mg/m;ppm)であることが好ましく、1000〜5000(mg/m;ppm)であることがより好ましい。残量溶剤の量は、ガスクロマトグラフィーなど、当業者に知られた分析方法により測定できる。
シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む塗布液を無機支持体に塗布する前に、無機支持体のうち、接着層が形成される側を洗浄処理してもよい。洗浄処理としては、特に制限されるものではないが、UVオゾン処理、超音波処理、洗浄液処理などを適宜選択できる。
シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む塗布液を無機支持体上に塗布する方法としては、従来公知の適切な湿式塗布方法が採用され得る。具体的には、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディッピングコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。塗布厚さは、好ましい厚さや目的に応じて適切に設定され得るが、接着層の厚さを考慮し、50nm〜10μmの範囲であることが好ましい。
塗布液を塗布した後は、塗膜を乾燥させることが好ましい。塗膜を乾燥することによって、塗膜中に含有される有機溶媒を除去することができる。この際、塗膜に含有される有機溶媒は、すべてを乾燥させてもよいが、一部残存していてもよい。一部の有機溶媒が残存している場合、残存する溶剤は後の活性化処理によって低減及び/または除去される。
塗膜の乾燥温度は、塗布液の調製に用いたシルセスキオキサン樹脂の種類や溶剤によっても異なるが、50〜200℃であることが好ましい。上記温度は、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することによって設定すればよい。乾燥時間は、例えば、乾燥温度が100℃である場合には0.5〜10分に設定することが好ましい。また、乾燥雰囲気は、大気雰囲気下、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、真空雰囲気下、酸素濃度をコントロールした減圧雰囲気下等のいずれの条件であってもよい。
(活性化処理する工程)
本発明に係る積層体の製造工程においては、無機支持体上に形成したシルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を、活性化処理する工程を含むことが好ましい。支持体上に形成した接着層に対して後述の活性化処理を行うことにより、SiやOの未結合手を形成することで、接着性が向上する。
接着層に残留した溶剤や、接着層上に存在する微量な異物は電子デバイス製造プロセスにおけるバブル発生の原因となる。無機支持体上に形成したシルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を活性化処理することにより、接着層に残留した溶剤や、接着層上に存在する微量な異物を低減及び/または除去することができる。従って、活性化処理によりバブル発生を抑え、長期高温プロセスにおいて接着性が低下することを抑えるという効果も得られる。
接着層の活性化処理は、例えば、プラズマ処理、活性放射線照射処理、コロナ処理、レーザー光照射処理、活性ガス処理、及び薬液処理によって行うことができ、プラズマ処理または活性放射線照射処理によって行うことが好ましく、プラズマ処理によって行うことが特に好ましい。これらの活性化処理を1種または2種以上組み合わせて行うことができるが、作業効率の観点から、活性化処理は1種が好ましい。
(プラズマ処理)
接着層の活性化処理に採用できるプラズマ処理としては、公知の技術が採用でき、特に限定されるものではないが、RF(Radio Frequency)プラズマ処理、VHF(Very High Frequency)プラズマ処理、UHF(Ultra High Frequency)プラズマ処理、マイクロ波プラズマ処理、マイクロ波ECRプラズマ処理、大気圧プラズマ処理などがあり、フッ素を含むガス処理、イオン源を使ったイオン打ち込み処理、PBII(Plasma Based Ion Implantation)法を使った処理、フレーム処理、イトロ処理なども含める。これらの中でもRFプラズマ処理、VHFプラズマ処理、UHFプラズマ処理、またはマイクロ波プラズマ処理が好ましい。プラズマ処理は、減圧下で行うこと(真空プラズマ処理)がより好ましい。
プラズマ処理において用いる反応ガスとしては、特に制限されるものではないが、CF、C、C、CH、CHFなどのフッ素を含むフロロカーボン系ガスを用いることが好ましく、Ar、CO、H、N、Neなどのキャリアガスとの混合気体としてプラズマ放電することで活性種が多いプラズマとなり、活性化処理の効果も高くなるため、より好ましい。反応ガスの流量は10sccm〜100sccmであることが好ましく、キャリアガスの流量は50sccm〜200sccmであることが好ましい。プラズマ出力は100W〜500Wの範囲で任意に設定できるが、好ましくは100W〜300Wの範囲である。
プラズマ処理の時間は特に制限されるものではないが、0.1分〜20分であることが好ましく、0.5分〜10分であることがより好ましい。プラズマ処理の時間が0.1分以上であることにより、接着層における未結合手の形成と残留溶剤・異物の除去が十分に行われる。生産性の観点からプラズマ処理の時間は20分以下であることが好ましい。
プラズマ処理における圧力(真空度)は、原料ガスの種類などに応じて適宜調整することができる。プラズマ処理は大気圧雰囲気下で行うこともできるが、圧力を10Pa〜100Pa程度に減圧して行うこと(真空プラズマ処理)が好ましい。
プラズマ処理は1回だけでもよいが、接着層に複数回繰り返して行ってもよい。
(活性放射線照射処理)
接着層の活性化処理に採用できる活性放射線照射処理は、電子線、アルファ線、X線、ベータ線、赤外線、可視光線、紫外線、レーザー光などの放射線を、接着層に照射する処理をいう。なかでも、紫外線照射処理が好ましく、エキシマランプ照射処理がより好ましい。
紫外線照射処理においては、常用されているいずれの紫外線発生装置をも利用可能である。本発明では10〜400nmの波長を有する電磁波を紫外線と称する。
紫外線の照射時間は、1sec〜60secが好ましく、より好ましくは10sec〜30secである。接着層に与えるエネルギー密度は、5mJ/cm〜1J/cmであることが好ましく、10mJ/cm〜700mJ/cmであることがより好ましい。エネルギー密度が5mJ/cm以上であることにより、接着層における未結合手の形成と残留溶剤・異物の除去が十分に行われる。エネルギー密度が1J/cm以下であることにより、紫外線の過度の照射により積層体にクラックが生じることを予防できる。
紫外線照射処理の光源としては、特に限定されるものではないが、例えば、エキシマランプ(172nm、222nm、308nmの単一波長)、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、UV光レーザー、等が挙げられる。
活性放射線照射処理は1回だけでもよいが、接着層に複数回繰り返して行ってもよい。
(コロナ処理)
接着層の活性化処理は、コロナ処理によって行うこともできる。コロナ処理とは、大気圧雰囲気下におかれた気体中で生じるコロナ放電雰囲気に接着層を曝露し、または放電によって生じたイオンを接着層に衝突させる処理をいう。
(レーザー光照射処理)
接着層の活性化処理は、レーザー光照射処理によって行うこともできる。レーザー光照射処理によって活性化処理を行うことで、直描方式で処理を行うことが容易になる。この場合、可視光レーザーであっても、一般の可視光線と比較して遙かに大きなエネルギーを有するため、本発明では活性放射線の一種として扱うことができる。
(活性ガス処理)
接着層の活性化処理は、活性ガス処理によって行うこともできる。活性ガス処理とは、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層表面を、化学的ないし物理的変化を生じせしめる活性を有する気体、例えばハロゲンガス、ハロゲン化水素ガス、オゾン、高濃度の酸素ガス、アンモニア、有機アルカリ、有機酸などのガスに曝露する処理をいう。
(薬液処理)
接着層の活性化処理は、薬液処理によって行うこともできる。薬液処理とは、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層表面を、化学的ないし物理的変化を生じせしめる活性を有する液体、例えばアルカリ溶液、酸溶液、還元剤溶液、酸化剤溶液、などの液体、ないし溶液に曝露する処理をいう。
(耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程)
本発明に係る積層体の製造方法においては、支持体上に形成した接着層上に、耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程を含むことが好ましい。接着層上に、耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程は、接着層を活性化処理する工程の後に行うことがより好ましい。支持体上に形成した接着層上に耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理することにより、接着層と耐熱性樹脂フィルムとの結合形成が促進され、更には、接着層に残留した微量な残留溶剤が除去されるため、長期高温プロセスにおけるバブルの発生が抑制され、接着層と耐熱性樹脂フィルムとの接着性が強化される。
耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程においては、支持体上に形成した接着層上に耐熱性樹脂フィルムを積層し、大気圧雰囲気下あるいは真空中で、プレス、ラミネート、ロールラミネート等を、加熱しながら行えばよい。また、フレキシブルなバッグに入れた状態で加圧加熱処理する方法も採用できる。生産性や加工コストの観点から、ロールラミネート、または真空若しくは大気雰囲気下でのプレスが好ましく、特にロールを用いて行う方法(ロールラミネート等)が好ましい。
加圧加熱処理する工程をロールラミネートを用いて行う場合、圧力の範囲は、1MPa〜20MPaが好ましく、さらに好ましくは3MPa〜10MPaである。圧力が高すぎると、支持体を破損するおそれがあり、圧力が低すぎると、密着しない部分が生じ、接着が不充分になる場合がある。また、加圧加熱処理の際の温度としては、100℃〜400℃、さらに好ましくは120℃〜300℃である。温度が高すぎると、耐熱性樹脂フィルムにダメージを与えるおそれがあり、温度が低すぎると、接着性が弱くなる傾向がある。
加圧加熱処理をロールラミネートで行う場合、フィルムの搬送速度は、加圧加熱処理の圧力や温度によって適宜調整すればよいが、例えば0.1m/分〜3m/分である。
加圧加熱処理は、上述のように大気圧雰囲気中で行うこともできるが、真空下で行うことが好ましい。真空下で加圧加熱処理を行うことにより、全面の安定した剥離強度を得ることができる。このとき真空度は、通常の油回転ポンプによる真空度で充分であり、1000Pa以下程度あれば充分である。
加圧加熱処理を真空加圧プレスによって行う場合、例えば、100〜400℃(好ましくは120〜300℃)で加熱しながら、例えば5〜90分間(好ましくは10〜60分間)、0.2〜50MPa(好ましくは30〜50MPa)の圧力で耐熱性樹脂フィルムと無機支持体とを加圧すればよい。
加圧加熱処理に使用することができる装置としては、真空中でのプレスを行うには、例えば北川電機社製のKVHC等を使用でき、真空中でのロール式のフィルムラミネーターあるいは真空にした後に薄いゴム膜によりガラス全面に一度に圧力を加えるフィルムラミネーター等の真空ラミネートを行うには、例えば名機製作所製のMVLP等を使用できる。加圧加熱処理は加圧プロセスと加熱プロセスとに分離して行うことも可能である。加圧プロセスと加熱プロセスとに分離して行う場合、何れのプロセスを先に行っても良い。
[積層体を利用した、電子デバイスの製造方法]
本発明の一実施形態は、前記積層体、または前記製造方法にて製造された積層体を利用した、電子デバイスの製造方法であって、耐熱性樹脂フィルムを、前記接着層から剥離処理する工程を含むことを特徴とする、電子デバイスの製造方法が提供される。すなわち、本発明に係る電子デバイスの製造方法では、前記積層体または前記製造方法にて製造された積層体の、耐熱性樹脂フィルム上に電子デバイスが形成され、該電子デバイスが形成された耐熱性樹脂フィルムが、無機支持体から剥離処理される工程を含むことを特徴とする。
本発明において、基材である耐熱性樹脂フィルム上に電子デバイスを形成する方法は、従来公知の方法に従って行えばよい。本発明における電子デバイスとしては、特に制限されるものではないが、例えば、コイル、コンデンサー、半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子(例えば、特開2005−174717に記載の有機EL素子)、薄膜トランジスタ(例えば、特開2009−105413に記載の薄膜トランジスタ)、光電変換素子(例えば、特開2010−118158に記載の光電変換素子)、センサー、電子回路システム等が例示できる。また、本発明にかかる電子デバイスの製造方法は、電子デバイス用基材である耐熱性樹脂フィルム(例えば、特開2012−240356に記載の、電子機器用基板)の製造にも利用することができる。本明細書においては、これらの先行技術に開示された電子デバイスの製造方法が適宜参酌される。
(剥離処理する工程)
本発明に係る電子デバイスの製造方法においては、前記積層体または前記製造方法にて製造された積層体の、耐熱性樹脂フィルム上に電子デバイスを形成し、該電子デバイスが形成された耐熱性樹脂フィルムが、無機支持体から剥離処理される。本発明においては、剥離処理として、(レーザー)アブレーション、機械剥離が採用できる。
剥離性を評価する方法としては、耐熱性樹脂フィルム側の表面をFT−IRで分析することによって、定性的に接着層の残存量を確認することができる。特に、接着層から剥離した後の耐熱性樹脂フィルムについて、900〜1200cm−1領域にO−Si−O伸縮モードのスペクトルがないことで、耐熱性樹脂フィルム側へ接着層が残存していないことを確認することができる。
(レーザーアブレーション)
アブレーションとは、接着層に光を照射し、照射光を吸収した接着層が光化学的または熱的に励起され、その表面や内部の原子または分子の結合が切断されて放出されることをいい、主に、接着層の構成材料の全部または一部が溶融、蒸散等の相変化を生じる現象として現れる。また、相変化によって微小な発泡状態となり、結合力が低下することもある。
照射光の光源としては、例えば、X線、紫外線、可視光、赤外線、レーザー光、ミリ波、マイクロ波、電子線、放射線等のいかなるものであってもよい。このような中でも、アブレーションを生じさせ易いという観点から、本発明においてはレーザー光(レーザーアブレーション)が好適に用いられる。レーザー光の種類は、気体レーザー、固体レーザー(半導体レーザー)等のいずれでもよく、中でも、エキシマレーザー、Nd−YAGレーザー、Arレーザー、COレーザー、COレーザー、He−Neレーザー等が好ましく、さらにエキシマレーザーが好ましい。
レーザーアブレーションによって剥離処理を行う場合、例えば、Xe−Clエキシマレーザー(波長:308nm)を接着層に照射し、剥離(層内剥離および界面剥離)を生じさせる。レーザーの照射は、無機支持体側から照射することが好ましい。レーザーの照射時間は、1nsec以上であることが好ましく、より好ましくは10nsec以上である。照射時間の上限は特に制限されないが、生産性の観点から、例えば30nsec以下である。接着層におけるエネルギー密度は、200mJ/cm以上であることが好ましく、より好ましくは250mJ/cm以上である。エネルギー密度が200mJ/cm以上であることにより、接着層と耐熱性樹脂フィルムとの間の結合が十分に切断される。エネルギー密度の上限は特に制限されないが、耐熱性樹脂フィルムを含む電子デバイスへのダメージや、使用する光源の照度を考慮すると、300mJ/cm以下であることが好ましい。なお、エキシマレーザーによって剥離処理を行う場合、エキシマレーザーの照射は、スポットビーム照射とラインビーム照射とがあり、スポットビーム照射の場合は、所定の単位領域(例えば8mm×8mm)にスポット照射し、このスポット照射を単位領域の1/10程度ずつずらしながら照射していく。また、ラインビーム照射の場合は、所定の単位領域を同じく1/10程度ずつずらしながら照射していく。このレーザー照射は、接着層全面に対して、照射領域をずらしながら実施される。
(機械剥離)
機械剥離は、耐熱性樹脂フィルムを、接着層から物理的・機械的に剥離する方法である。ヘラやワイヤーなど、当業者に公知の技術を用いて、耐熱性樹脂フィルムと接着層界面とを削り落とし剥がせばよい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1)
シルセスキオキサン樹脂として水素シルセスキオキサン樹脂(式1で表わされる構成単位において、Rが全てHであるシルセスキオキサン樹脂)を用い、活性化処理として真空プラズマ処理を行い、ロールラミネーターを用いて加圧加熱処理を行うことにより、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層を有する積層体を得た。
(1)無機支持体の洗浄
無機支持体としては、ガラス基板(EAGLE XG コーニング社製 厚さ700μm)を用いた。接着層の形成前に、ガラス基板をUVオゾン装置(ランテクニカルサービス社製(SKB1102N−01))にて、5分間洗浄処理を行った。
(2)接着層の形成
(接着層の形成)
水素シルセスキオキサン樹脂としては、HSQ(東京応化工業社製)(分子量:8500)を用いた。水素シルセスキオキサン樹脂の終濃度が、塗布液全体に対して15重量%となるよう、n−ブタノール(和光純薬工業(株)社製)に溶解し、シルセスキオキサン樹脂を含む塗布液を調製した。調製した塗布液を無機支持体にスピンコートし、100℃で5分間、クリーンホットプレート(アズワン社製)により乾燥した。
(3)活性化処理
真空UHFプラズマ処理により、接着層を活性化処理した。真空UHFプラズマ処理には、日立ハイテク社製のプラズマエッチング装置U−8250を用いた。
(活性化処理条件)
真空プラズマ処理(真空UHFプラズマ処理)
プラズマ出力: 250W
反応ガス: CFガス 50sccm
Arガス 100sccm
処理時間: 5分
雰囲気圧力(真空度):20Pa
(4)加圧加熱処理
接着層上に耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理を行った。耐熱性樹脂フィルムとしては、ポリイミド樹脂フィルム(XENOMAX 東洋紡社製 厚さ36μm)を用いた。加圧加熱処理は、フィルムロールラミネーター(株式会社MCK社製)を用い、無機支持体上の接着層と耐熱性樹脂フィルムとを重ね合わせた状態で行った。
(加圧加熱処理条件)
圧力: 5MPa
温度: 150℃
フィルム搬送速度: 1m/分
(5)剥離処理
下記の長時間温度耐性試験を行った後、以下の方法でレーザーアブレーションにより剥離処理を行った。剥離処理には、エキシマレーザー装置(コヒーレント社製)を用いた。すなわち、Xe−Clエキシマレーザー(波長:308nm)をガラス基板側から照射し、接着層とフィルム界面に剥離(層内剥離および界面剥離)を生じさせた。照射したXe−Clエキシマレーザーのエネルギー密度は、接着層において250mJ/cm、照射時間は20nsecであった。
(接着層の厚さ)
接着層の厚さは触針式表面形状測定器(Dektak 8)を用いて計測した。形成された接着層の厚さは、500nmであった。
(実施例2)
シルセスキオキサン樹脂として水素シルセスキオキサン樹脂を用い、活性化処理としてエキシマランプ照射処理を行い、ロールラミネーターを用いて加圧加熱処理を行うことにより、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層を有する積層体を得た。具体的には、実施例1の工程(3)を以下の条件のエキシマランプ照射処理に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。活性化処理には、エキシマランプ照射装置(センエンジニアリング社製)を用いた。
(活性化処理条件)
エキシマランプ照射処理
Xe−Cl: エキシマランプ(波長:308nm)
エネルギー密度: 250mJ/cm
照射時間: 20sec
(実施例3)
シルセスキオキサン樹脂として水素シルセスキオキサン樹脂を用い、活性化処理として真空プラズマ処理を行い、真空加熱プレスを用いて加圧加熱処理を行うことにより、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層を有する積層体を得た。具体的には、実施例1の工程(4)において真空加熱プレス(KVHC(北川電機社製))を用いた以外は、実施例1と同様の処理を行った(圧力:45MPa、真空度:10−1Pa、加熱温度:270℃、加圧加熱処理時間:30分)。
(実施例4)
シルセスキオキサン樹脂として水素シルセスキオキサン樹脂を用い、活性化処理をせず、ロールラミネーターを用いて加圧加熱処理を行うことにより、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層を有する積層体を得た。具体的には、実施例1の方法に従い、工程(3)の活性化処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(実施例5)
シルセスキオキサン樹脂として、フェニルシルセスキオキサン樹脂(式1で表わされる構成単位において、Rが全てフェニル基であるシルセスキオキサン樹脂)を用い、活性化処理として真空プラズマ処理を行い、ロールラミネーターを用いて加圧加熱処理を行うことにより、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層を有する積層体を得た。具体的には、実施例1の工程(2)におけるシルセスキオキサン樹脂をフェニルシルセスキオキサン樹脂に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(接着層の形成)
フェニルシルセスキオキサン樹脂としてはSR−20(小西化学社製)(分子量:16900)を用いた。フェニルシルセスキオキサン樹脂の終濃度が、塗布液全体に対して5重量%となるよう、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)(昭和電工社製)に溶解し、シルセスキオキサン樹脂を含む塗布液を調製した。調製した塗布液を無機支持体にスピンコートし、100℃で5分間、クリーンホットプレート(アズワン社製)により乾燥した。
形成された接着層の厚さは、1000nmであった。
(比較例1)
実施例4におけるシルセスキオキサン樹脂をエポキシ樹脂(EPICLON HP−6000 DIC社製)に変更し、接着層の厚さを2000nmとした以外は、実施例4と同様の処理を行った。
(比較例2)
実施例4におけるシルセスキオキサン樹脂をアクリル樹脂(CE−6400 DIC社製)に変更し、接着層の厚さを1000nmとした以外は、実施例4と同様の処理を行った。
(比較例3)
実施例4におけるシルセスキオキサン樹脂をシリコーン樹脂(シリコーンレジン 信越シリコーン社製)に変更し、接着層の厚さを1500nmとした以外は、実施例4と同様の処理を行った。
(比較例4)
実施例1におけるシルセスキオキサン樹脂を無機シリカに変更した。実施例1の工程(2)において、無機シリカを、真空蒸着装置(ULEYES アルバック社製)によって無機支持体上に成膜した。さらに、接着層の厚さを300nmとした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
実施例と比較例との比較は、下記4点で評価した。
(耐熱性測定)
株式会社リガク社製熱分析装置(TG−DTA)を用いて、室温から500℃までの重量減少を測定した。
(長時間高温耐性)
窒素雰囲気下350℃で2時間、オーブン(DN410I ヤマト科学社製)で加熱(高温プロセス)後の表面を観察し以下の基準で評価した。
○:変化無し
△:変色または変形(クラックなど)のどちらかが認められたもの
×:変色と変形(クラックなど)の両方が発生したもの
(外観検査:バブル発生度)
高温プロセス後、外観検査によって評価し、積層体中にバブル(気泡)が全くないものを「◎」;5μm以下の大きさのバブルが球状に数個あるものを「○」;5μm以下の小さなバブルが数十個以上、または5μmよりも大きいバブルが視認できたものを「×」;とした。
(接着性評価:180°ピール試験)
得られた積層体から、試験片(25mm×100mm)を切りだし、180°ピール試験(JIS Z0237の引き剥がし粘着力試験に準拠)によって室温で評価した。具体的には、積層体から切り出した帯状の試験片の両主面のうち、ガラス基板側の主面を平坦に固定したうえで、耐熱性樹脂フィルム側の主面が向かい合うように、耐熱性樹脂フィルムの端部をチャックでつかんで180°に折り返し、5mm/secの速度で引き剥がした時の粘着力(N/cm)で評価した。粘着力の測定は、テクスチャアナライザ(島津製作所社製)で行った。
積層体の粘着力は、10N/cm以上のものを「◎」;10N/cm未満〜1N/cmのものを「○」;1N/cm未満のものを「△」;試験片製作時の切断によって剥離し、試験できなかったものを「×」;とした。接着性評価は、高温プロセス前後で行った。
(剥離処理後の評価)
剥離処理後、接着層は耐熱性フィルム側には残存せず、無機支持体側へ残存する。
剥離性を評価する方法として、耐熱フィルム側の表面をFT−IR(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)で分析することによって、残存量を確認することができる。特に、波数900−1200cm−1領域にO−Si−O伸縮モードのスペクトルがないことで、フィルム側への接着層残存していないことを確認する。
表1に示すように、本願発明に係る積層体は、高温プロセスにおける接着層の分解やバブルの発生が抑制され、さらに、長期高温耐性が高いことが分かる。

Claims (10)

  1. 無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する、積層体。
  2. 前記シルセスキオキサン樹脂が、式1で表わされる構成単位を有する、請求項1に記載の積層体。
    (式中、Rは水素原子;炭素数1〜15のアルキル基;炭素数6〜15の芳香族炭化水素基;からなる群から選択される。)
  3. 前記シルセスキオキサン樹脂が、式2で表わされる構成単位を有する、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記シルセスキオキサン樹脂が、ラダー型シルセスキオキサン樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記耐熱性樹脂フィルムが、ポリイミド樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリベンゾオキサゾール樹脂フィルム、及びフッ素樹脂フィルムからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記接着層の厚さが50nm〜10μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 無機支持体上に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を形成する工程と、
    前記接着層を活性化処理する工程と、
    前記接着層上に耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程を含む、積層体の製造方法。
  8. 前記活性化処理が、プラズマ処理、活性放射線照射、コロナ処理、レーザー光照射処理、活性ガス処理、及び薬液処理からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項7に記載の積層体の製造方法。
  9. 請求項1〜6の何れか1項に記載の積層体、または請求項7若しくは8に記載の製造方法にて製造された積層体を利用した、電子デバイスの製造方法であって、
    前記耐熱性樹脂フィルムを、前記接着層から剥離処理する工程を含む、電子デバイスの製造方法。
  10. 前記剥離処理は、レーザーアブレーション、または機械剥離によって行われる、請求項9に記載の電子デバイスの製造方法。
JP2013247517A 2013-11-29 2013-11-29 積層体とその製造方法、及び該積層体を用いた電子デバイスの製造方法 Pending JP2015104843A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013247517A JP2015104843A (ja) 2013-11-29 2013-11-29 積層体とその製造方法、及び該積層体を用いた電子デバイスの製造方法
KR1020140159751A KR20150062945A (ko) 2013-11-29 2014-11-17 적층체와 그 제조 방법, 및 상기 적층체를 이용한 전자 디바이스의 제조 방법
US14/550,379 US20150151514A1 (en) 2013-11-29 2014-11-21 Laminated Structure, Method of Preparing Same, and Method of Fabricating Electronic Device Using Laminated Structure

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013247517A JP2015104843A (ja) 2013-11-29 2013-11-29 積層体とその製造方法、及び該積層体を用いた電子デバイスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015104843A true JP2015104843A (ja) 2015-06-08

Family

ID=53435273

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013247517A Pending JP2015104843A (ja) 2013-11-29 2013-11-29 積層体とその製造方法、及び該積層体を用いた電子デバイスの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2015104843A (ja)
KR (1) KR20150062945A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180075477A (ko) * 2015-11-02 2018-07-04 에베 그룹 에. 탈너 게엠베하 기판을 접합 및 분리하기 위한 방법
JP2019522809A (ja) * 2016-05-16 2019-08-15 ダウ シリコーンズ コーポレーション 表示デバイス基板処理のための、シルセスキオキサンポリマー及びシランのうち少なくとも1つを含む接着剥離層
KR20200049605A (ko) 2018-10-31 2020-05-08 에이지씨 가부시키가이샤 적층체, 도통 체크 방법 및 전자 디바이스의 제조 방법
KR20200110329A (ko) 2018-01-17 2020-09-23 에이지씨 가부시키가이샤 적층체, 적층체의 제조 방법, 및, 전자 디바이스의 제조 방법
KR20200140719A (ko) 2019-06-06 2020-12-16 에이지씨 가부시키가이샤 적층 기판 및 곤포체
KR20200140718A (ko) 2019-06-06 2020-12-16 에이지씨 가부시키가이샤 적층 기판, 전자 디바이스의 제조 방법 및 적층 기판의 제조 방법
JP2021002622A (ja) * 2019-06-24 2021-01-07 Agc株式会社 電子デバイスの製造方法
KR20210045313A (ko) 2019-10-16 2021-04-26 에이지씨 가부시키가이샤 적층 기판 및 박리 방법
WO2023286685A1 (ja) * 2021-07-16 2023-01-19 東洋紡株式会社 無機基板と耐熱高分子フィルムの積層体
WO2023286686A1 (ja) * 2021-07-16 2023-01-19 東洋紡株式会社 無機基板と透明耐熱高分子フィルムの積層体

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11255900A (ja) * 1990-11-30 1999-09-21 Ube Ind Ltd 接着剤の必須成分として使用されるポリイミドシロキサン
US6491979B1 (en) * 1998-07-17 2002-12-10 Daikin Industries, Ltd. Fluorine-containing surface treatment composition
JP2007137933A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Toray Ind Inc 樹脂組成物、これを用いた耐熱性樹脂積層フィルム、及び金属層付き積層フィルム
JP2008248236A (ja) * 2007-03-02 2008-10-16 Lintec Corp ラダー型ポリシルセスキオキサンを含有する接着剤及び接着シート
JP2009510216A (ja) * 2005-09-29 2009-03-12 ダウ・コーニング・コーポレイション 金属基材からの高温用フィルムおよび/またはデバイスの剥離方法
JP2010013735A (ja) * 2009-09-29 2010-01-21 Konica Minolta Holdings Inc 樹脂フィルムの製造方法及び該樹脂フィルムを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2011024690A1 (ja) * 2009-08-27 2011-03-03 旭硝子株式会社 フレキシブル基材-支持体の積層構造体、支持体付き電子デバイス用パネル、および電子デバイス用パネルの製造方法
JP2013059887A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11255900A (ja) * 1990-11-30 1999-09-21 Ube Ind Ltd 接着剤の必須成分として使用されるポリイミドシロキサン
US6491979B1 (en) * 1998-07-17 2002-12-10 Daikin Industries, Ltd. Fluorine-containing surface treatment composition
JP2009510216A (ja) * 2005-09-29 2009-03-12 ダウ・コーニング・コーポレイション 金属基材からの高温用フィルムおよび/またはデバイスの剥離方法
JP2007137933A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Toray Ind Inc 樹脂組成物、これを用いた耐熱性樹脂積層フィルム、及び金属層付き積層フィルム
JP2008248236A (ja) * 2007-03-02 2008-10-16 Lintec Corp ラダー型ポリシルセスキオキサンを含有する接着剤及び接着シート
WO2011024690A1 (ja) * 2009-08-27 2011-03-03 旭硝子株式会社 フレキシブル基材-支持体の積層構造体、支持体付き電子デバイス用パネル、および電子デバイス用パネルの製造方法
JP2010013735A (ja) * 2009-09-29 2010-01-21 Konica Minolta Holdings Inc 樹脂フィルムの製造方法及び該樹脂フィルムを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2013059887A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出装置

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI844173B (zh) * 2015-11-02 2024-06-01 奧地利商Ev集團E塔那有限公司 產品基材與載體基材之接合與去接合之方法,及產品基材至載體基材之複合物
CN108352351A (zh) * 2015-11-02 2018-07-31 Ev 集团 E·索尔纳有限责任公司 用于接合和分开衬底的方法
JP2019501790A (ja) * 2015-11-02 2019-01-24 エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー 基板を結合および剥離させる方法
CN108352351B (zh) * 2015-11-02 2023-03-31 Ev 集团 E·索尔纳有限责任公司 用于接合和分开衬底的方法
JP2023027211A (ja) * 2015-11-02 2023-03-01 エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー 基板を結合および剥離させる方法
KR102653627B1 (ko) 2015-11-02 2024-04-01 에베 그룹 에. 탈너 게엠베하 기판을 접합 및 분리하기 위한 방법
JP7469444B2 (ja) 2015-11-02 2024-04-16 エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー 基板を結合および剥離させる方法
JP7193339B2 (ja) 2015-11-02 2022-12-20 エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー 基板を結合および剥離させる方法
KR20180075477A (ko) * 2015-11-02 2018-07-04 에베 그룹 에. 탈너 게엠베하 기판을 접합 및 분리하기 위한 방법
JP2019522809A (ja) * 2016-05-16 2019-08-15 ダウ シリコーンズ コーポレーション 表示デバイス基板処理のための、シルセスキオキサンポリマー及びシランのうち少なくとも1つを含む接着剥離層
KR20200110329A (ko) 2018-01-17 2020-09-23 에이지씨 가부시키가이샤 적층체, 적층체의 제조 방법, 및, 전자 디바이스의 제조 방법
KR20200049605A (ko) 2018-10-31 2020-05-08 에이지씨 가부시키가이샤 적층체, 도통 체크 방법 및 전자 디바이스의 제조 방법
KR20200140718A (ko) 2019-06-06 2020-12-16 에이지씨 가부시키가이샤 적층 기판, 전자 디바이스의 제조 방법 및 적층 기판의 제조 방법
KR20200140719A (ko) 2019-06-06 2020-12-16 에이지씨 가부시키가이샤 적층 기판 및 곤포체
JP2021002622A (ja) * 2019-06-24 2021-01-07 Agc株式会社 電子デバイスの製造方法
KR20210045313A (ko) 2019-10-16 2021-04-26 에이지씨 가부시키가이샤 적층 기판 및 박리 방법
WO2023286686A1 (ja) * 2021-07-16 2023-01-19 東洋紡株式会社 無機基板と透明耐熱高分子フィルムの積層体
WO2023286685A1 (ja) * 2021-07-16 2023-01-19 東洋紡株式会社 無機基板と耐熱高分子フィルムの積層体

Also Published As

Publication number Publication date
KR20150062945A (ko) 2015-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015104843A (ja) 積層体とその製造方法、及び該積層体を用いた電子デバイスの製造方法
JP5862238B2 (ja) 積層体とその製造方法及びそれを用いたデバイス構造体の製造方法
JP6407362B2 (ja) 表示装置の製造方法
JP5224011B2 (ja) 積層体とその製造方法及びそれを用いたデバイス構造体の製造方法
JP6206729B2 (ja) 薄膜の転写方法
JP5796449B2 (ja) 電子デバイスの製造方法、樹脂層付きキャリア基板の製造方法
TWI445626B (zh) 製造軟性元件的方法
JP6550752B2 (ja) リジッド複合積層板とその製造方法、積層体および該積層体を用いたデバイスの製造方法
JP6588094B2 (ja) 仮止め接着剤、接着フィルム、接着性支持体、積層体およびキット
TWI661935B (zh) 暫時接著用積層體、暫時接著用積層體的製造方法以及帶有元件晶圓的積層體
US20150151514A1 (en) Laminated Structure, Method of Preparing Same, and Method of Fabricating Electronic Device Using Laminated Structure
JP5743450B2 (ja) レチクルチャッククリーナー
JP6601693B2 (ja) 金属配線層が形成された積層体及びそれを製造する方法
TWI654090B (zh) 積層體及其處理方法暨可撓性裝置之製造方法
JP6181984B2 (ja) 高分子フィルム積層基板
KR20120047872A (ko) 고온에서 가요성 반도체 장치를 제공하는 방법 및 그 가요성 반도체 장치
KR20130039701A (ko) 전자 디바이스의 제조 방법
TW201618943A (zh) 積層體及可撓性裝置之製造方法
JPWO2014092015A1 (ja) 電子デバイスの製造方法およびガラス積層体の製造方法
TWI526316B (zh) A method for removing the resin film and a method for producing the layered product
WO2016088490A1 (ja) 積層体の製造方法、基板の処理方法及び積層体
JP6201513B2 (ja) 積層体の製造方法及びそれを用いたデバイス構造体の製造方法
KR20200081226A (ko) 전자 부품의 제조 방법, 및 키트
WO2015016113A1 (ja) 電子デバイスの製造方法
JP2014011179A (ja) 半導体素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180306

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181106