JP2015104843A - 積層体とその製造方法、及び該積層体を用いた電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
従来よりも高温プロセスにおける接着層の分解やバブルの発生が抑制され、さらに、長期高温耐性が高い、新規かつ改良された接着層を用いた積層体を提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明は、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する積層体に関する。
【選択図】なし
Description
(1) 無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する、積層体。
(2) 前記シルセスキオキサン樹脂が、式1で表わされる構成単位を有する、(1)に記載の積層体。
(3) 前記シルセスキオキサン樹脂が、式2で表わされる構成単位を有する、(2)に記載の積層体。
(5) 前記耐熱性樹脂フィルムが、ポリイミド樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリベンゾオキサゾール樹脂フィルム、及びフッ素樹脂フィルムからなる群より選択される少なくとも1つである、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の積層体。
(6) 前記接着層の厚さが50nm〜10μmである、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の積層体。
(7) 無機支持体上に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を形成する工程と、前記接着層を活性化処理する工程と、前記接着層上に耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程を含む、積層体の製造方法。
(8) 前記活性化処理が、プラズマ処理、活性放射線照射、コロナ処理、レーザー光照射処理、活性ガス処理、及び薬液処理からなる群より選択される少なくとも1つである、(7)に記載の積層体の製造方法。
(9) (1)〜(6)の何れか1つに記載の積層体、または(7)若しくは(8)に記載の製造方法にて製造された積層体を利用した、電子デバイスの製造方法であって、前記耐熱性樹脂フィルムを、前記接着層から剥離処理する工程を含む、電子デバイスの製造方法。
(10) 前記剥離処理は、レーザーアブレーション、または機械剥離によって行われる、(9)に記載の電子デバイスの製造方法。
本発明に係る積層体は、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する。
本発明に係る積層体の接着層に含まれるシルセスキオキサン樹脂は、主鎖骨格がシロキサン結合(Si−O−Si)からなる化合物であり、ラダー型、籠型及びランダム型の構造をとるネットワーク状ポリシロキサンの総称である。シルセスキオキサン樹脂の組成比は[RSiO3/2]で表わされ、無機シリカ[SiO2]と有機シリコーン[R2SiO]の中間的な物質として位置付けられる、3官能性のTレジンである。シルセスキオキサン樹脂は、一般的な有機溶媒に可溶であることから、取り扱いが容易であり、成膜等の加工性、成形性等に優れるという特徴を有する。
本発明において、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層の厚さは、好ましくは50nm〜10μmであり、より好ましくは100nm〜5μmであり、さらに好ましくは500nm〜1μmである。接着層の厚さが50nm以上であれば、接着性がより安定となり、また、接着層の厚さを10μm以下にすることで、活性化処理や加圧加熱処理をした際に、接着層から溶剤が抜けやすくなるという効果がある。
本発明に係る積層体の接着層には、任意に、硬化剤等のシルセスキオキサン樹脂以外の成分が含まれていても良い。硬化剤としては、従来公知の熱硬化剤や光重合開始剤等を用いることができる。
本発明に係る積層体の接着層の接着強度は、180°ピール試験(JIS Z0237の引き剥がし粘着力試験に準拠)により測定することができる。より具体的には、積層体から切りだした試験片(25mm×100mm)を、耐熱性樹脂フィルムの端部をチャックで掴み、180°に折り返し、5mm/secの速度で引き剥がした時の粘着力(接着強度)を測定する。本発明に係る接着層の接着強度は特に制限されるものではなく、製造される素子など使用目的・製造条件等によって適宜設定すればよいが、積層体形成直後の接着強度が、1N/cm以上であることが好ましく、10N/cm以上であることがより好ましい。上限は特に制限はないが、例えば24N/cmである。また、積層体から切りだした試験片を350℃で2時間加熱した後、前記方法にて測定した粘着強度が、0.1N/cm以上であることが好ましく、1N/cm以上であることがより好ましく、10N/cm以上であることが更に好ましい。上限は特に制限はないが、例えば24N/cmである。
本発明に係る積層体に用いられる無機支持体は、200〜500℃程度の高温度域に対する耐熱性のあるものであれば特に制限されず、例えば、ウエハベース等の平面基板を対象とした既存プロセスにおいて使用されてきた基体も応用できる。本発明に係る積層体に用いられる無機支持体は、特に制限されるものではないが、例えば、銅、アルミニウム、鉄、金、白金等の金属及びステンレス等のこれらの合金からなる金属板;石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス(例えば、パイレックス(登録商標)、テンパックス(登録商標)、バイコール(登録商標))、無アルカリガラス(例えば、EAGLE XG(登録商標)(コーニング社製))等の耐熱ガラス基板;アルミナ、ジルコニア、チタニア、スピネル、ムライト、サイアロン、サファイア、炭化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、コージライト等のセラミックス基板;シリコン基板;グラファイト基板;等が挙げられる。
本発明に係る耐熱性樹脂フィルムは、半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子などの電子デバイスの基材として用いることができる高分子フィルムであり、融点が300℃を超えるものが用いられることが好ましい。本発明に係る積層体に用いられる耐熱性樹脂フィルムは、特に限定されるものではないが、例えば、ポリイミド(PI)樹脂;ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、アラミド等のポリアミド樹脂;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂;ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂;ポリスルホン(PSU)樹脂;ポリエーテルスルホン(PES)樹脂;ポリアミドイミド(PAI)樹脂;ポリエーテルイミド(PEI)樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂;液晶ポリマー(LCP);ポリベンゾオキサゾール樹脂;等のフィルムが挙げられ、この中でもポリイミド樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリベンゾオキサゾール樹脂フィルム、またはフッ素樹脂フィルムを用いることが好ましく、特に、ポリイミド樹脂フィルムが耐熱性・原料コスト等の面からより好ましい。
本発明に係る積層体は、耐熱性樹脂フィルム上に接着層を形成した後、耐熱性樹脂フィルムを無機支持体に積層し、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に接着層が位置するように製造することもできる。好ましくは、本発明に係る積層体の製造方法は、無機支持体上に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を形成する工程と、接着層を活性化処理する工程と、接着層上に耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程を含む。以下、本発明に係る積層体の製造方法について、より詳細に説明する。
本発明に係る積層体は、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を無機支持体上に形成した後、耐熱性樹脂フィルムを無機支持体に積層し、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に接着層が位置するよう、製造することが好ましい。すなわち、本発明に係る積層体の製造方法は、無機支持体上に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を形成する工程が含まれることが好ましい。この場合、特に制限されるものではないが、接着層を形成する方法は、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む塗布液を無機支持体に塗布して形成する、塗膜形成法を採用することが好ましい。
本発明に係る積層体の製造工程においては、無機支持体上に形成したシルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を、活性化処理する工程を含むことが好ましい。支持体上に形成した接着層に対して後述の活性化処理を行うことにより、SiやOの未結合手を形成することで、接着性が向上する。
接着層の活性化処理に採用できるプラズマ処理としては、公知の技術が採用でき、特に限定されるものではないが、RF(Radio Frequency)プラズマ処理、VHF(Very High Frequency)プラズマ処理、UHF(Ultra High Frequency)プラズマ処理、マイクロ波プラズマ処理、マイクロ波ECRプラズマ処理、大気圧プラズマ処理などがあり、フッ素を含むガス処理、イオン源を使ったイオン打ち込み処理、PBII(Plasma Based Ion Implantation)法を使った処理、フレーム処理、イトロ処理なども含める。これらの中でもRFプラズマ処理、VHFプラズマ処理、UHFプラズマ処理、またはマイクロ波プラズマ処理が好ましい。プラズマ処理は、減圧下で行うこと(真空プラズマ処理)がより好ましい。
接着層の活性化処理に採用できる活性放射線照射処理は、電子線、アルファ線、X線、ベータ線、赤外線、可視光線、紫外線、レーザー光などの放射線を、接着層に照射する処理をいう。なかでも、紫外線照射処理が好ましく、エキシマランプ照射処理がより好ましい。
接着層の活性化処理は、コロナ処理によって行うこともできる。コロナ処理とは、大気圧雰囲気下におかれた気体中で生じるコロナ放電雰囲気に接着層を曝露し、または放電によって生じたイオンを接着層に衝突させる処理をいう。
接着層の活性化処理は、レーザー光照射処理によって行うこともできる。レーザー光照射処理によって活性化処理を行うことで、直描方式で処理を行うことが容易になる。この場合、可視光レーザーであっても、一般の可視光線と比較して遙かに大きなエネルギーを有するため、本発明では活性放射線の一種として扱うことができる。
接着層の活性化処理は、活性ガス処理によって行うこともできる。活性ガス処理とは、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層表面を、化学的ないし物理的変化を生じせしめる活性を有する気体、例えばハロゲンガス、ハロゲン化水素ガス、オゾン、高濃度の酸素ガス、アンモニア、有機アルカリ、有機酸などのガスに曝露する処理をいう。
接着層の活性化処理は、薬液処理によって行うこともできる。薬液処理とは、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層表面を、化学的ないし物理的変化を生じせしめる活性を有する液体、例えばアルカリ溶液、酸溶液、還元剤溶液、酸化剤溶液、などの液体、ないし溶液に曝露する処理をいう。
本発明に係る積層体の製造方法においては、支持体上に形成した接着層上に、耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程を含むことが好ましい。接着層上に、耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程は、接着層を活性化処理する工程の後に行うことがより好ましい。支持体上に形成した接着層上に耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理することにより、接着層と耐熱性樹脂フィルムとの結合形成が促進され、更には、接着層に残留した微量な残留溶剤が除去されるため、長期高温プロセスにおけるバブルの発生が抑制され、接着層と耐熱性樹脂フィルムとの接着性が強化される。
本発明の一実施形態は、前記積層体、または前記製造方法にて製造された積層体を利用した、電子デバイスの製造方法であって、耐熱性樹脂フィルムを、前記接着層から剥離処理する工程を含むことを特徴とする、電子デバイスの製造方法が提供される。すなわち、本発明に係る電子デバイスの製造方法では、前記積層体または前記製造方法にて製造された積層体の、耐熱性樹脂フィルム上に電子デバイスが形成され、該電子デバイスが形成された耐熱性樹脂フィルムが、無機支持体から剥離処理される工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る電子デバイスの製造方法においては、前記積層体または前記製造方法にて製造された積層体の、耐熱性樹脂フィルム上に電子デバイスを形成し、該電子デバイスが形成された耐熱性樹脂フィルムが、無機支持体から剥離処理される。本発明においては、剥離処理として、(レーザー)アブレーション、機械剥離が採用できる。
アブレーションとは、接着層に光を照射し、照射光を吸収した接着層が光化学的または熱的に励起され、その表面や内部の原子または分子の結合が切断されて放出されることをいい、主に、接着層の構成材料の全部または一部が溶融、蒸散等の相変化を生じる現象として現れる。また、相変化によって微小な発泡状態となり、結合力が低下することもある。
機械剥離は、耐熱性樹脂フィルムを、接着層から物理的・機械的に剥離する方法である。ヘラやワイヤーなど、当業者に公知の技術を用いて、耐熱性樹脂フィルムと接着層界面とを削り落とし剥がせばよい。
シルセスキオキサン樹脂として水素シルセスキオキサン樹脂(式1で表わされる構成単位において、R1が全てHであるシルセスキオキサン樹脂)を用い、活性化処理として真空プラズマ処理を行い、ロールラミネーターを用いて加圧加熱処理を行うことにより、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層を有する積層体を得た。
(1)無機支持体の洗浄
無機支持体としては、ガラス基板(EAGLE XG コーニング社製 厚さ700μm)を用いた。接着層の形成前に、ガラス基板をUVオゾン装置(ランテクニカルサービス社製(SKB1102N−01))にて、5分間洗浄処理を行った。
(2)接着層の形成
(接着層の形成)
水素シルセスキオキサン樹脂としては、HSQ(東京応化工業社製)(分子量:8500)を用いた。水素シルセスキオキサン樹脂の終濃度が、塗布液全体に対して15重量%となるよう、n−ブタノール(和光純薬工業(株)社製)に溶解し、シルセスキオキサン樹脂を含む塗布液を調製した。調製した塗布液を無機支持体にスピンコートし、100℃で5分間、クリーンホットプレート(アズワン社製)により乾燥した。
(3)活性化処理
真空UHFプラズマ処理により、接着層を活性化処理した。真空UHFプラズマ処理には、日立ハイテク社製のプラズマエッチング装置U−8250を用いた。
(活性化処理条件)
真空プラズマ処理(真空UHFプラズマ処理)
プラズマ出力: 250W
反応ガス: CF4ガス 50sccm
Arガス 100sccm
処理時間: 5分
雰囲気圧力(真空度):20Pa
(4)加圧加熱処理
接着層上に耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理を行った。耐熱性樹脂フィルムとしては、ポリイミド樹脂フィルム(XENOMAX 東洋紡社製 厚さ36μm)を用いた。加圧加熱処理は、フィルムロールラミネーター(株式会社MCK社製)を用い、無機支持体上の接着層と耐熱性樹脂フィルムとを重ね合わせた状態で行った。
(加圧加熱処理条件)
圧力: 5MPa
温度: 150℃
フィルム搬送速度: 1m/分
(5)剥離処理
下記の長時間温度耐性試験を行った後、以下の方法でレーザーアブレーションにより剥離処理を行った。剥離処理には、エキシマレーザー装置(コヒーレント社製)を用いた。すなわち、Xe−Clエキシマレーザー(波長:308nm)をガラス基板側から照射し、接着層とフィルム界面に剥離(層内剥離および界面剥離)を生じさせた。照射したXe−Clエキシマレーザーのエネルギー密度は、接着層において250mJ/cm2、照射時間は20nsecであった。
(接着層の厚さ)
接着層の厚さは触針式表面形状測定器(Dektak 8)を用いて計測した。形成された接着層の厚さは、500nmであった。
シルセスキオキサン樹脂として水素シルセスキオキサン樹脂を用い、活性化処理としてエキシマランプ照射処理を行い、ロールラミネーターを用いて加圧加熱処理を行うことにより、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層を有する積層体を得た。具体的には、実施例1の工程(3)を以下の条件のエキシマランプ照射処理に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。活性化処理には、エキシマランプ照射装置(センエンジニアリング社製)を用いた。
(活性化処理条件)
エキシマランプ照射処理
Xe−Cl: エキシマランプ(波長:308nm)
エネルギー密度: 250mJ/cm2
照射時間: 20sec
(実施例3)
シルセスキオキサン樹脂として水素シルセスキオキサン樹脂を用い、活性化処理として真空プラズマ処理を行い、真空加熱プレスを用いて加圧加熱処理を行うことにより、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層を有する積層体を得た。具体的には、実施例1の工程(4)において真空加熱プレス(KVHC(北川電機社製))を用いた以外は、実施例1と同様の処理を行った(圧力:45MPa、真空度:10−1Pa、加熱温度:270℃、加圧加熱処理時間:30分)。
シルセスキオキサン樹脂として水素シルセスキオキサン樹脂を用い、活性化処理をせず、ロールラミネーターを用いて加圧加熱処理を行うことにより、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層を有する積層体を得た。具体的には、実施例1の方法に従い、工程(3)の活性化処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の処理を行った。
シルセスキオキサン樹脂として、フェニルシルセスキオキサン樹脂(式1で表わされる構成単位において、R1が全てフェニル基であるシルセスキオキサン樹脂)を用い、活性化処理として真空プラズマ処理を行い、ロールラミネーターを用いて加圧加熱処理を行うことにより、無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層を有する積層体を得た。具体的には、実施例1の工程(2)におけるシルセスキオキサン樹脂をフェニルシルセスキオキサン樹脂に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(接着層の形成)
フェニルシルセスキオキサン樹脂としてはSR−20(小西化学社製)(分子量:16900)を用いた。フェニルシルセスキオキサン樹脂の終濃度が、塗布液全体に対して5重量%となるよう、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)(昭和電工社製)に溶解し、シルセスキオキサン樹脂を含む塗布液を調製した。調製した塗布液を無機支持体にスピンコートし、100℃で5分間、クリーンホットプレート(アズワン社製)により乾燥した。
実施例4におけるシルセスキオキサン樹脂をエポキシ樹脂(EPICLON HP−6000 DIC社製)に変更し、接着層の厚さを2000nmとした以外は、実施例4と同様の処理を行った。
実施例4におけるシルセスキオキサン樹脂をアクリル樹脂(CE−6400 DIC社製)に変更し、接着層の厚さを1000nmとした以外は、実施例4と同様の処理を行った。
実施例4におけるシルセスキオキサン樹脂をシリコーン樹脂(シリコーンレジン 信越シリコーン社製)に変更し、接着層の厚さを1500nmとした以外は、実施例4と同様の処理を行った。
実施例1におけるシルセスキオキサン樹脂を無機シリカに変更した。実施例1の工程(2)において、無機シリカを、真空蒸着装置(ULEYES アルバック社製)によって無機支持体上に成膜した。さらに、接着層の厚さを300nmとした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
株式会社リガク社製熱分析装置(TG−DTA)を用いて、室温から500℃までの重量減少を測定した。
窒素雰囲気下350℃で2時間、オーブン(DN410I ヤマト科学社製)で加熱(高温プロセス)後の表面を観察し以下の基準で評価した。
○:変化無し
△:変色または変形(クラックなど)のどちらかが認められたもの
×:変色と変形(クラックなど)の両方が発生したもの
(外観検査:バブル発生度)
高温プロセス後、外観検査によって評価し、積層体中にバブル(気泡)が全くないものを「◎」;5μm以下の大きさのバブルが球状に数個あるものを「○」;5μm以下の小さなバブルが数十個以上、または5μmよりも大きいバブルが視認できたものを「×」;とした。
得られた積層体から、試験片(25mm×100mm)を切りだし、180°ピール試験(JIS Z0237の引き剥がし粘着力試験に準拠)によって室温で評価した。具体的には、積層体から切り出した帯状の試験片の両主面のうち、ガラス基板側の主面を平坦に固定したうえで、耐熱性樹脂フィルム側の主面が向かい合うように、耐熱性樹脂フィルムの端部をチャックでつかんで180°に折り返し、5mm/secの速度で引き剥がした時の粘着力(N/cm)で評価した。粘着力の測定は、テクスチャアナライザ(島津製作所社製)で行った。
剥離処理後、接着層は耐熱性フィルム側には残存せず、無機支持体側へ残存する。
Claims (10)
- 無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する、積層体。
- 前記シルセスキオキサン樹脂が、式1で表わされる構成単位を有する、請求項1に記載の積層体。
- 前記シルセスキオキサン樹脂が、式2で表わされる構成単位を有する、請求項2に記載の積層体。
- 前記シルセスキオキサン樹脂が、ラダー型シルセスキオキサン樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記耐熱性樹脂フィルムが、ポリイミド樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリベンゾオキサゾール樹脂フィルム、及びフッ素樹脂フィルムからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記接着層の厚さが50nm〜10μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
- 無機支持体上に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を形成する工程と、
前記接着層を活性化処理する工程と、
前記接着層上に耐熱性樹脂フィルムを積層し、加圧加熱処理する工程を含む、積層体の製造方法。 - 前記活性化処理が、プラズマ処理、活性放射線照射、コロナ処理、レーザー光照射処理、活性ガス処理、及び薬液処理からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項7に記載の積層体の製造方法。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の積層体、または請求項7若しくは8に記載の製造方法にて製造された積層体を利用した、電子デバイスの製造方法であって、
前記耐熱性樹脂フィルムを、前記接着層から剥離処理する工程を含む、電子デバイスの製造方法。 - 前記剥離処理は、レーザーアブレーション、または機械剥離によって行われる、請求項9に記載の電子デバイスの製造方法。
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