JP2015102401A - ガスセンサ素子、及びガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】低温でも高い応答性を発揮することができるガスセンサ素子及びガスセンサを提供すること。
【解決手段】酸化物イオン伝導性の固体電解質体2と、その一方の面201に設けられ、被測定ガスを接触させるための被測定ガス側電極3と、固体電解質体2の他方の面202に設けられ、基準ガスを接触させるための基準ガス側電極4とを有するガスセンサ素子である。被測定ガス側電極3は、貴金属又は貴金属合金からなる。被測定ガス側電極3の表面300上には、W、Mo、Ta、及びNbから選択される少なくとも一種の元素を含有する酸化物又は複合酸化物からなる電極被覆部5を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体電解質体と被測定ガス側電極と基準ガス側電極とを有するガスセンサ素子、及びガスセンサに関する。
従来、自動車エンジン等の内燃機関から排気される排ガスを浄化するため、内燃機関の下流側に排ガス浄化装置が設けられている。排ガス浄化装置は、例えば、排ガスを浄化するための三元触媒と、センサ出力により排ガス中の空気過剰率(λ)を検出するガスセンサとを有している。排ガス浄化装置は、三元触媒を通過した後の排ガスの空気過剰率(λ)を内燃機関の制御部にフィードバックし、三元触媒が有効に機能するように内燃機関の運転条件を制御することにより排ガスを浄化している。
具体的には、排ガス中に含まれるNOxは、一般に、空気過剰率λが1以下のリッチ領域から空気過剰率λが1であるストイキまでの間においてはほとんど排出されず、空気過剰率λが1より大きいリーン領域において主に排出される。そのため、ストイキ(λ=1)を検出できるガスセンサを用い、検出される空気過剰率λがリーン領域に入らないように内燃機関を制御することにより、NOxの排出抑制が行われている。そして、ガスセンサには、排気ガスの組成がリーン領域になったときに、できるだけ早くその判定を行うことができる高い応答性が望まれている。
上記ガスセンサとしては、酸化物イオン伝導性の固体電解質体とPt(白金)電極とからなるガスセンサ素子を有するものが知られている。また、特許文献1には、電極周囲にある多孔質保護層内にPt等の触媒を担持することにより、排ガス等の被測定ガスが電極に到達する前に被測定ガスを平衡化させる技術が提案されている。
特開平2−190758号公報
しかしながら、例えば600℃未満の低温ではPt等の貴金属自体の触媒性能が低下するため、多孔質保護層内の触媒を活性化させることが困難になる。そのため、被測定ガスが電極に到達する前に、被測定ガスを平衡化させることが困難になる。また、低温では、貴金属からなる電極上でも被測定ガスの平衡化反応が遅くなるため、応答性が低下してしまう。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、低温でも高い応答性を発揮することができるガスセンサ素子及びガスセンサを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、酸化物イオン伝導性の固体電解質体と、
該固体電解質体の一方の面に設けられ、被測定ガスを接触させるための被測定ガス側電極と、
上記固体電解質体の他方の面に設けられ、基準ガスを接触させるための基準ガス側電極とを有し、
上記被測定ガス側電極は、貴金属又は貴金属合金からなり、
上記被測定ガス側電極の表面上には、W、Mo、Ta、及びNbから選択される少なくとも一種の元素を含有する酸化物又は複合酸化物からなる電極被覆部を有することを特徴とするガスセンサ素子にある。
本発明の他の態様は、上記ガスセンサ素子を有することを特徴とするガスセンサにある。
上記ガスセンサ素子は、貴金属又は貴金属合金からなる被測定ガス側電極の少なくとも表面上に、上記特定の酸化物又は複合酸化物からなる電極被覆部を有する。該電極被覆部の存在により、上記被測定ガス側電極を構成する貴金属又は貴金属合金自体の触媒反応速度を向上させることができる。それ故、上記ガスセンサ素子においては、例えば600℃未満という低温においても、高い応答性を発揮することができる。
また、上記ガスセンサ素子を有するガスセンサも、上述のガスセンサ素子の高い応答性をいかして、低温でも高い応答性を発揮することができる。
実施例1における、ガスセンサ素子の側面図。 実施例1における、ガスセンサ素子の部分断面拡大図。 図2における領域IIIの拡大図。 実施例1におけるガスセンサの断面を示す説明図。 実施例1における排ガス浄化装置の構成を示す説明図。 実験例1における計測開始点からの経過時間とセンサ出力との関係を示す説明図。 実験例2におけるガスセンサ素子の表面温度(センサ素子温度)と応答時間との関係を示す説明図。 実験例3における電極被覆率と応答時間との関係を示す説明図。 実施例4におけるガスセンサ素子の別例を示す断面説明図。
次に、上記ガスセンサ素子の好ましい実施形態について説明する。
上記電極被覆部は、少なくとも上記被測定ガス側電極の表面上に存在していればよい。上記電極被覆部の構成成分の一部が、被測定ガス側電極中に拡散していてもよい。また、後述の実施例において示すように、被測定ガス側電極を覆う多孔質の保護層を形成する場合には、該保護層中に電極被覆部の構成成分の一部が拡散していてもよい。保護層は、例えばMgAl24、Al23、TiO2等から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物の多孔体を用いることができる。
電極被覆部は、W、Mo、Ta、及びNbから選択される少なくとも一種の元素を含有する酸化物又は複合酸化物からなる。これらの酸化物、複合酸化物としては、例えばWO3、MoO3、Ta25、Nb25、MgWO4、MgMoO4、CaWO4、CaMoO4、AlNbO4、AlTaO4等がある。これらは、1種又は2種以上を用いることできる。
これらのうち、W、Moは、周期律表における第6族元素におけるそれぞれ5周期、6周期に属する。また、Ta、Nbは、周期律表における第5族元素におけるそれぞれ5周期、6周期に属する。これらの元素は、電気陰性度が高く、貴金属又は貴金属合金を金属の状態で安定化することができる。これにより、貴金属又は貴金属合金からなる被測定ガス側電極をより活性化させることができる。特に、上述のW、Mo、Ta、及びNbは、固体電解質体を構成する例えばZr等の元素よりも電気陰性度が高く、さらに耐久性にも優れている。したがって、例えば排ガス環境下においても、被測定ガス側電極を安定して活性化することができる。同様の観点から、電極被覆部は、少なくともWを含む酸化物又は複合酸化物からなることが好ましい。
上記被測定ガス側電極を構成する貴金属としては、例えばPt、Pd、Au等を用いることができる。貴金属合金としては、これらの合金を用いることができる。好ましくは、被測定ガス側電極は、Ptからなることがよい。この場合には、電極被覆部による触媒反応速度の向上効果がより顕著になる。上記基準ガス側電極の材質は、上述の被測定ガス側電極と同様の貴金属又は貴金属合金から選択することができる。
上記固体電解質体の形状は、例えば、有底筒状、板状等とすることができる。また、上記固体電解質体の材質は、酸化物イオン伝導性を有していればよい。上記固体電解質体の材質としては、例えば、ZrO系セラミックス等が挙げられる。また、上記固体電解質体の厚みは、0.2〜3mm程度とすることができる。
上記被測定ガスとしては、例えば、窒素酸化物ガス、Oガス、水蒸気、炭化水素ガス、COガス、Hガス、これらの組合せによるガス等が挙げられる。上記基準ガスとしては、例えば、空気、酸素ガス等を用いることができる。
次に、上記ガスセンサについて説明する。
上記ガスセンサは、上記ガスセンサ素子を有している。具体的には、上記ガスセンサは、上記ガスセンサ素子と、このガスセンサ素子を加熱し活性化させるためのヒータとを有する構成とすることができる。
上記ガスセンサは、例えば、自動車用エンジン等の内燃機関の排気系等に設置され、排ガスの検出に適用することができる。具体的には、例えば、内燃機関等から排気される排ガスを浄化するための三元触媒等の触媒と、触媒の下流側に設置され、排ガスの空気過剰率に基づいて信号を出力するガスセンサとを備えた排ガス浄化装置におけるガスセンサとして好適に用いることができる。
上記排ガス浄化装置は、排ガスを浄化するための触媒と、上記ガスセンサ素子を有するガスセンサとから構成することができる。上記排ガス浄化装置は、例えば、自動車用エンジン等の内燃機関の排気系等に設けられ、内燃機関等から排気される排ガスを浄化する。
上記触媒に使用される貴金属としては、例えば、Pt、Pd、Rh等が挙げられる。これらの触媒は、例えば、セラミックス製のハニカム構造体等からなる担体に担持させることができる。
上記排ガス浄化装置は、この装置が有するガスセンサのセンサ出力値がある規定値を超えた場合または下回った場合に、センサ出力値が規定値に近づくように内燃機関の運転条件を制御する構成とすることができる。また、上記制御の指標となる規定値を出力する際の空気過剰率の値は、NOx排出量の低減効果が得やすくなる等の観点から、好ましくは0.9863以上0.9983以下、より好ましくは0.9880以上0.9966以下、さらに好ましくは0.9897以上0.9932以下とすることができる。
(実施例1)
次に、ガスセンサ素子、これを用いたガスセンサの実施例について図面を用いて説明する。
図1〜図3に示すごとく、本例のガスセンサ素子1は、酸化物イオン伝導性の固体電解質体2と、固体電解質体2の一方の面(第1面201)に設けられ、被測定ガスを接触させるための被測定ガス側電極3と、固体電解質体2の他方の面(第2面202)に設けられ、基準ガスを接触させるための基準ガス側電極4とを有する。図3に示すように、被測定ガス側電極3の表面300上には、Wの酸化物(WO3)からなる電極被覆部5を有している。以下、これを詳説する。
図1〜図3に示すように、ガスセンサ素子1は、後述する図4に示すガスセンサ7に内蔵され、後述する図5に示す自動車エンジンの排気系に設けられる排ガス浄化装置8に用いられる。
図1、図2に示すように、ガスセンサ素子1において、固体電解質体2は、一方が閉塞されており、内部に大気を導入して基準ガス室100となる有底円筒状に形成されている(いわゆるコップ型)。固体電解質体2の外側面のうち、固体電解質体2の最先端から基端部側に向かって長さLの範囲が、被測定ガスの接触面とされる。本例の固体電解質体2は、ZrOセラミックスからなる。
同図に示すごとく、被測定ガス側電極3は、固体電解質体2の外側面に設けられており、基準ガス側電極4は、基準ガス室100と対面する内側面に設けられている。本例の被測定ガス側電極3及び基準ガス側電極4は、Ptからなる。また、被測定ガス側電極3、基準ガス側電極4には、ガスセンサ素子1に電圧を印加するため、電気的に導通したリード電極101、端子電極102がそれぞれ接続されている。図1には、固体電解質体2の外側面において、被測定ガス側電極3に一端が接続するリード電極101と、リード電極101の他端に接続する端子電極102とが記載されている。
図2に示すように、被測定ガス側電極3は、多孔質の保護層6で覆われている。なお、図1においては、説明の便宜のため、保護層を省略して示してある。この保護層6はスピネル型酸化物であるMgAlを主成分としており、被測定ガスである排ガス中の有害成分のトラップ効果を向上させる等の役割がある。
図3に示すように、被測定ガス側電極3の表面300上には、電極被覆部5が設けられている。すなわち、電極被覆部5は、被測定ガス側電極3と保護層6との間に設けられている。同図に示すように、電極被覆部5を構成する酸化物は粒子状である。その平均粒子径は、例えば0.01〜0.5μmの範囲にすることができる。平均粒子径は、走査型電子顕微鏡にて被測定ガス側電極3の断面写真を撮影し、任意の10点について測定した酸化物の直径又は円相当直径の平均値である。ここで、上記にいう「円相当直径」は、粒子の輪郭が略円形ではなく、いびつな形をしている場合に適用する概念であり、粒子の輪郭の内側の面積と同じ面積を有する円の直径である。
電極被覆部5は、被測定ガス側電極3の表面300全体にわたって万遍なく、つまり偏在することなく均一に設けられている。また、電極被覆部5は、被測定ガス側電極3の表面300全体を覆うことなく、間欠的に設けられている。本例では、複数の電極被覆部5が被測定ガス側電極3の表面300全体に均一に分散された状態で存在している。
電極被覆部5の厚み(被測定ガス側電極の厚み方向の幅)は、例えば10μm程度以下とすることができ、好ましくは3μm程度以下とすることができる。この場合には、電極被覆部を構成する酸化物によって被測定ガス側電極3を構成する貴金属又は貴金属合金の触媒性能を向上させるという効果を十分に得ることができる。
次に、本例のガスセンサ7について説明する。
図4に示すように、ガスセンサ7は、ハウジング103と、ハウジング103に挿入されたガスセンサ素子1とを有する。ハウジング103の先端側には、ガスセンサ素子1の先端部を保護するための二重の被測定ガス側カバー104が設けられており、その内部は被測定ガス室105とされている。一方、ハウジング103の基端側には、二重の大気側カバー106、107が設けられている。
同図に示すように、ガスセンサ素子1の基準ガス室100には、棒状のセラミック製のヒータ108が挿入配置されている。ヒータ108は、固体電解質体2の内側面と先端部で接触しており、さらに所望のクリアランスを確保した状態で挿入配置されている。大気側カバー106、107の基端側には、リード線109、110、111を挿入した弾性絶縁部材112が設けられている。リード線109、110によってガスセンサ素子1に電圧が印加され、ガスセンサ素子1のセンサ出力が外部へ取り出される。また、リード線111は、ヒータ108に対し通電し、これを発熱させるためのものである。
同図に示すように、リード線109、110の先端側には、接続端子113、114が設けられている。接続端子113、114により、ガスセンサ素子1に固定したターミナル115、116との電気的導通が確保される。なお、ターミナル115は、ガスセンサ素子1における端子電極102に対して接触固定されている。また、ターミナル116は、ガスセンサ素子1における端子電極(固体電解質体の内側面、図示略)に対して接触固定されている。
次に、本例の排ガス浄化装置8について説明する。
図5に示すように、排ガス浄化装置8は、排ガスを浄化するための触媒81と、ガスセンサ素子1を有するガスセンサ7とを備えている。そして、触媒81に使用される車両一台当たりの貴金属の総量は、5.0g以下である。なお、触媒81は三元触媒であり、ハニカム構造を有するセラミックス製の担体に担持された状態で排気経路に配置されている。
同図に示すように、排ガス浄化装置8は、具体的には、自動車エンジンEの排気系に設けられている。排ガス浄化装置8は、排ガスを浄化するための触媒81と、触媒81の上流側の排気管82に設けられた上流側のガスセンサ83と、触媒81の下流側の排気管84に設けられた下流側のガスセンサ7とを有する。なお、ガスセンサ83は、A/Fセンサであり、自動車エンジンEから排出された排気濃度を触媒81の上流側にて測定するために配設されたものである。また、ガスセンサ7は、上述した構成を有する。
また、排ガス浄化装置8は、センサ出力値がある規定値を超えた場合又は下回った場合に、センサ出力値が規定値に近づくようにその検出結果を自動車エンジンEの制御部85にフィードバックするよう構成されている。
本例のガスセンサ素子1の作製にあたっては、まず、図1に示す形状を有するZrO系セラミックスからなるコップ型の固体電解質体2を作製した。固体電解質体2の厚みは0.1〜3mmである。そして、固体電解質体2の外側面(第1面201)に、ジベンジリデンPtをPt含有量で0.0002質量%含むペーストをパッド印刷により塗布し、印刷部を形成した。なお、印刷部の形状は、図1に示した被測定ガス側電極3、リード電極101、端子電極102と同形状である。
次いで、この印刷部に対して40℃で熱処理した後、Pt錯体を含むメッキ液を用いて50℃で無電解メッキを施した。これにより、固体電解質体2の外側面(第1面201)に、被測定ガス側電極3、リード電極101、端子電極102を形成した。また、上記パッド印刷に代えてディスペンサーを用いた以外は同様にして、固体電解質体2の内側面202に、基準ガス側電極4、リード電極、端子電極を形成した。なお、形成した被測定ガス側電極3、基準ガス側電極4、リード電極101、端子電極102はいずれもPtからなり、厚みは1.0μm程度である。
次いで、固体電解質体2の外側面(第1面201)における被測定ガス側電極3を、WO3換算でWを1.5質量%含有するタングステン酸アンモニウム水溶液中に浸漬し、真空ポンプで減圧しながら10分間保持した。そして、合成空気雰囲気中で、温度1000℃で1時間熱処理し、Wの酸化物(WO3)を被測定ガス側電極3の表面300において析出させた。これにより、WO3からなる電極被覆部5を被測定ガス側電極3の表面300に形成した。次いで、公知の方法により、保護層6を形成した。以上により、本例のガスセンサ素子1を得た。
(実施例2)
タングステン酸アンモニウム水溶液の代わりに、Nb25換算でNbを1.5質量%含有する五塩化ニオブ水溶液を用いた点を除いては、実施例1と同様にしてガスセンサ素子1を作製した。本例のガスセンサ素子1においては、Nbの酸化物(Nb25)が被測定ガス側電極3の表面300に析出している。即ち、Nb25からなる電極被覆部5が被測定ガス側電極3の表面300に形成されている。その他の構成は実施例1と同様である。本例において、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
(実施例3)
タングステン酸アンモニウム水溶液の代わりに、MoO3換算でMoを1.5質量%含有するモリブデン酸アンモニウム水溶液を用いた点を除いては、実施例1と同様にしてガスセンサ素子1を作製した。本例のガスセンサ素子1においては、Moの酸化物(MoO3)が被測定ガス側電極3の表面に析出している。即ち、MoO3からなる電極被覆部5が被測定ガス側電極3の表面300に形成されている。その他の構成は実施例1と同様である。本例において、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
(比較例1)
本例は、タングステン酸アンモニウム水溶液中に被測定ガス側電極を浸漬することなく作製したガスセンサ素子である。本例のガスセンサ素子は、被測定ガス側電極の表面に電極被覆部を有していない。その他の構成は実施例1と同様である。
(実験例1)
本例は、実施例1〜3及び比較例1のガスセンサ素子の低温での応答時間を比較する例である。
具体的には、まず、実施例1〜3及び比較例1の各ガスセンサ素子を用いて実施例1と同様の構成のガスセンサをそれぞれ構築した。次いで、各ガスセンサに対して、N2ガス(流速:3000cc/分)とCOガス(流速:60cc/分)とを供給し、センサ出力が安定になるまで100秒間保持した。次いで、NOガス(流速:120cc/分)をガスセンサに対して供給した。そして、NOガス供給開始時点を計測開始点とし、この計測開始点からセンサ出力が低下して0.5Vに達すまでの時間(応答時間)を測定した。計測開始点からの経過時間(秒)と、センサ出力(V)との関係を図6に示し、応答時間の結果を表1に示す。なお、ガスセンサ素子の表面温度は550℃に制御した。
Figure 2015102401
表1より知られるごとく、所定の電極被覆部を有する実施例1〜3は、電極被覆部を有していない比較例1に比べて応答時間が向上していた。
また、図6及び表1には示していないが、Ta25からなる電極被覆部が被測定ガス側電極の表面に形成されたガスセンサ素子についても、実施例1〜3と同様に応答時間が向上することを別途確認している。このようなガスセンサ素子は、タングステン酸アンモニウム水溶液の代わりに、Ta25換算でTaを1.5質量%含有する五塩化タンタル水溶液を用いる点を除いては実施例1と同様にして作製することができる。これにより、Taの酸化物(Ta25)が被測定ガス側電極の表面に析出し、Ta25からなる電極被覆部が被測定ガス側電極の表面に形成されたガスセンサ素子を得ることができる。
(実験例2)
本例においては、実施例1及び比較例1のガスセンサ素子について、センサ素子温度(℃)と応答時間(秒)との関係を調べた。具体的には、ガスセンサ素子の表面温度を350〜600℃の各温度に設定した点を除いては、実験例1と同様にして、応答時間を測定した。その結果を図7に示す。
同図より知られるごとく、実施例1のガスセンサ素子は、比較例1に比べて低温でも応答時間が短い。即ち、実施例1のガスセンサ素子は、低温でも高い応答性を発揮することができる。なお、同図には示していないが、上述の実施例2、実施例3、及びTa25からなる電極被覆部が被測定ガス側電極の表面に形成されたガスセンサ素子についても、低温で高い応答性を示した。
(実験例3)
本例は、被測定ガス側電極の表面のうち電極被覆部によって被覆されている部分の割合である電極被覆率と応答時間との関係を調べる例である。
具体的には、まず、濃度の異なるタングステン酸アンモニウム水溶液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして、ガスセンサ素子を作製した。これにより、電極被覆率の異なる複数のガスセンサ素子を作製した。
電極被覆率は、XPS(X線光電子分光法)による分析装置(ESCALAB250、サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製)を用いて、被測定ガス側電極の表面を分析することにより求めた。具体的には、XPS分析により算出した表面組成比からPtとWとの比率を求め、電極被覆率(%)=Wの組成比/(Wの組成比+Ptの組成比)の式から求めた。なお、XPS分析では、X線源としてMgのKα線を使用した。
次いで、電極被覆率が異なる各ガスセンサ素子について、実験例1と同様にして応答時間を測定した。電極被覆率(%)と応答時間(秒)との関係を図8に示す。なお、同図には、電極被覆率が0、即ち、比較例1の結果を併記する。
図8より知られるごとく、電極被覆率を40%以下にすることにより、応答性を高めることができる。応答性をより高めるという観点から、電極被覆率は30%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。電極被覆率は0%超えることが必要であり、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上がよい。
なお、本例においては、WO3からなる電極被覆部の電極被覆率について検討したが、Nb25、MoO3、又はTa25からなる電極被覆部についても、同様の結果が得られることを別途確認している。
(実施例4)
上述の実施例1では、図1〜図4等に示すように、コップ型のガスセンサ素子1、このガスセンサ素子1を有するガスセンサ7について説明した。これらに対し、図9に示すように、積層型のガスセンサ素子1であっても、少なくとも被測定ガス側電極3及び電極被覆部(図示略)の構成を実施例1と同様の構成とすることによって、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本例のガスセンサ素子1は、同図に示すごとく、平板状の固体電解質体2の一方の面(第1面201)に設けられた被測定ガス側電極3と、他方の面(第2面202)に設けられた基準ガス側電極4とを有している。また、基準ガス室117を構成するスペーサ118の背面に一体的に発熱体119を内蔵したヒータ120が設けられている。また、被測定ガス側電極3は、二層構造の第1保護層121及び第2保護層122によって覆われている。そして、被測定ガス側電極3の表面300上には、電極被覆部(図示略)が設けられている。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 ガスセンサ素子
2 固体電解質体
3 被測定ガス側電極
300 表面(被測定ガス側電極の表面)
4 基準ガス側電極
5 電極被覆部

Claims (3)

  1. 酸化物イオン伝導性の固体電解質体(2)と、
    該固体電解質体(2)の一方の面(201)に設けられ、被測定ガスを接触させるための被測定ガス側電極(3)と、
    上記固体電解質体(2)の他方の面(202)に設けられ、基準ガスを接触させるための基準ガス側電極(4)とを有し、
    上記被測定ガス側電極(3)は、貴金属又は貴金属合金からなり、
    上記被測定ガス側電極(3)の表面(300)上には、W、Mo、Ta、及びNbから選択される少なくとも一種の元素を含有する酸化物又は複合酸化物からなる電極被覆部(5)を有することを特徴とするガスセンサ素子(1)。
  2. 上記被測定ガス側電極(3)の表面(300)のうち上記電極被覆部(5)によって被覆されている部分の割合である電極被覆率が、40%以下であることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ素子(1)。
  3. 請求項1又は2に記載のガスセンサ素子(1)を有することを特徴とするガスセンサ(7)。
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