JP2020076755A - センサ素子及びガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】被測定ガスの流れが遅い条件下で長時間使用しても、NH3の検出感度が低下しにくいセンサ素子及びガスセンサを提供する。【解決手段】被測定ガスのNH3濃度を検出可能なガスセンサ100に用いられるセンサ素子10において、センサ素子10の表面に形成された外側電極44を、被測定ガスから外側電極44への酸素の通過を許容しつつも外側電極44からPtの放出を阻止する緻密度及び厚みを有する多孔質保護層60で覆うことで、NH3分解性を有する物質の保護カバー102への付着を防ぐようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質を用いたセンサ素子及びガスセンサに関する。
従来より、排気ガスのような、酸素の存在下に共存する、NO(酸化窒素)やNH3(アンモニア)等の濃度を測定するガスセンサが提案されている。このようなガスセンサは、センサ素子の周囲の排気ガスの流れを均一に整えるとともに、エンジン始動時に発生する凝縮水の付着を防止するための保護カバーに覆われている。
ところが、ガスセンサを長期間使用していると、保護カバーが劣化し、NH3等の酸素の存在下で分解されやすい成分が、保護カバー内で分解されて、NH3の検出感度が低下するという問題がある。
このようなガスセンサのNH3感度の低下を解消する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ステンレス鋼製の保護カバーの表面にNH3との反応を防止するためのコーティング層を設けることが記載されている。
また、特許文献2には、保護カバーからガスセンサに至る被測定ガスの流路の表面積を所定値以下にすることで、排ガス中のNH3の分解を抑制することが記載されている。
特開2011−39041号公報 特開2016−109693号公報
しかしながら、上記のガスセンサであっても、被測定ガスの流れの遅い条件下で長時間使用し続けると、条件によってはNH3の検出感度が低下するおそれがあることが判明した。
そこで、本発明は、被測定ガスの流れが遅い条件下で長時間使用しても、NH3の検出感度が低下しにくいセンサ素子及びガスセンサを提供することを目的とする。
本発明の一観点は、被測定ガスのNH3濃度を検出可能なガスセンサに用いられるセンサ素子であって、酸素イオン伝導性を有する固体電解質よりなる構造体と、前記構造体の外表面に設けられた外側電極と、前記外側電極を覆う多孔質保護層と、前記構造体の内部に設けられた内部空室と、前記内部空室に設けられた内側電極と、を備え、前記外側電極は、NH3分解性を有する物質を含み、前記多孔質保護層は、前記被測定ガスから前記外側電極への酸素の通過を許容しつつも前記外側電極からの前記NH3分解性を有する物質の放出を阻止する、センサ素子にある。
本発明の別の一観点は、上記のセンサ素子と、被測定ガスの前記センサ素子への流入を規制するとともに前記センサ素子を保護する保護カバーと、を備えたガスセンサにある。
上記観点のセンサ素子及びガスセンサは、センサ素子の外側電極に含まれるNH3分解性を有する物質に着目し、NH3分解性を有する物質の放出を阻止する多孔質保護層で外側電極を覆うこととした。これにより、外側電極に含まれるNH3分解性を有する物質の保護カバーへの付着を防止し、NH3の検出感度の低下を防ぐことができる。
図1Aは、第1実施形態に係るガスセンサの断面図であり、図1Bは図1Aのガスセンサの正面図である。なお、図1Aの断面は図1BのIA―IA線で示す部分の断面である。 図1Aのガスセンサのセンサ素子の断面図である。 図2のセンサ素子の外側電極付近を拡大した断面図である。 実施例1〜11及び比較例1〜5について、NH3感度変化率及び応答時間の評価結果を示す表である。 実施例1〜11及び比較例1〜5について、大気中での駆動時間とNH3検出感度の変化率の測定結果を示すグラフである。 図6Aは、第2実施形態に係るガスセンサの断面図であり、図6Bは図6Aのガスセンサの正面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書において、数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限又は上限として含むものとする。
(第1実施形態)
図1Aに示す本実施形態のガスセンサ100は、例えば、エンジンの排ガスが流れる配管に取り付けられて使用される。エンジンから排出された排ガスは、窒素酸化物(以下、NOと表記する。)が含まれており、そのNOを無害化するべく、SCR装置が排ガスに尿素を噴射して加水分解して発生するアンモニア(以下、NH3と表記する)と反応させるようになっている。ガスセンサ100は、過剰なNH3又はNOを検出することで、SCR装置による尿素の噴射量の制御に用いられる。
ガスセンサ100は、NO及びNH3の濃度を検出するセンサ素子10と、センサ素子10の周囲を覆う保護カバー102と、ハウジング132と、固定部材136と、センサ支持部138とを備えている。固定部材136は、円筒状に形成されており、排気ガスの配管(不図示)に溶接又はねじ止めなどにより接合される。ハウジング132は、円筒状に形成された金属部材であり、固定部材136に接合されている。ハウジング132の外周部には、保護カバー102が装着される。センサ支持部138は、固定部材136の中心部に接合されており、センサ素子10の基端部を支持する。
保護カバー102は、センサ素子10の周囲を取り囲むように配置されている。保護カバー102は、センサ素子10の先端を覆う有底筒状の内側保護カバー108と、内側保護カバー108を覆う外側保護カバー104とを有している。また、内側保護カバー108と外側保護カバー104とに囲まれた部分には、第1ガス室110と、第2ガス室112とが形成されており、内側保護カバー108の内側には、センサ素子室114が形成されている。保護カバー102は、例えばステンレス鋼等の金属で形成されている。
内側保護カバー108は、内側部材106と、外側部材109と、を備えている。内側部材106は、円筒状の大径部106aと、円筒状で大径部106aよりも径の小さい小径部106bと、大径部106aと小径部106bとを接続する段差部106cとを有している。内側部材106は、センサ素子10の外方に離間してセンサ素子10の側部を囲むように配置されている。
外側部材109は、内側部材106の小径部106bよりも大きな径に形成された円筒状の筒状部109aと、筒状部109aの先端側に設けられた円錐部109bと、筒状部109aと円錐部109bとの間に設けられた中間部109cとを有している。筒状部109aは、小径部106bの外方を覆うように配設されるとともに、一部に径方向内方に突設された複数の突出部109dにおいて、内側部材106の小径部106bに当接している。中間部109cは、外側保護カバー104の段差部104cの内周面に沿う形状に形成されており、中間部109cは外側保護カバー104と当接している。円錐部109bは、先端側に向けて径が小さくなる円錐形状に形成されており、センサ素子10の先端側を覆うように配置されている。円錐部109bの先端側は平坦に形成されており、その円錐部109bの先端部には、第2ガス室112とセンサ素子室114とを連通させる円形の素子室出口120が形成されている。
内側保護カバー108の基端部は、内側部材106の大径部106aにおいてハウジング132に固定される。内側保護カバー108の内側部材106と外側部材109との隙間は、センサ素子10への被測定ガスの流路を形成する。
外側保護カバー104は、円筒状の大径部104aと、大径部104aの先端側に一体的に形成された円筒状の胴部104bと、胴部104bの先端側に形成され、径方向内方に縮径する段差部104cと、段差部104cから先端側に延在する円筒状の先端部104dと、先端部104dの先端側を塞ぐように形成された先端面104eとを備えている。外側保護カバー104は、大径部104aにおいてハウジング132に固定されている。
胴部104bと段差部104cには、排ガス用の配管と第1ガス室110とを連通させる第1ガス室出口118が、図1Bに示すように、周方向に60°程度の間隔を開けてそれぞれに6つ配置されている。また、先端部104d及び先端面104eには、排ガス用の配管と第2ガス室112とを連通させる第2ガス室出口116が複数設けられている。このうち、先端面104eには、3つの第2ガス室出口116が周方向に120°の間隔を開けて配置されている。また、先端部104dにも、3つの第2ガス室出口116が周方向に120°の間隔を開けて配置されている。これらの第1ガス室出口118及び第2ガス室出口116から流入する被測定ガス(例えば、排ガス)が、保護カバー102の第1ガス室110、第2ガス室112、及びセンサ素子室114を介して、センサ素子10に導かれるように構成されている。
センサ素子10は、固定部材136及びハウジング132の中空部を介してガスセンサ100の先端側(図の下方)に延在している。センサ素子10は、細長く形成された板状に形成された素子であり、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質を積層してなる。すなわち、図2に示すように、センサ素子10は、第1基板層22aと、第2基板層22bと、第3基板層22cと、第1固体電解質層24と、スペーサ層26と、第2固体電解質層28との6つの層が、図示の下側から順に積層された構造体27を有している。これらの各層は、それぞれジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質によって構成されている。
センサ素子10の先端側(図2の左側)の内部には、内部空室200が設けられている。内部空室200は、第2固体電解質層28の下面と、第1固体電解質層24の上面との間に設けられている。内部空室200は、入口側から奥に向けて順に、ガス導入口16と、予備空室21と、主空室18aと、副空室18bと、測定空室20とを有している。
ガス導入口16、予備空室21、主空室18a、副空室18b及び測定空室20は、スペーサ層26をくり抜いた態様で設けられている。予備空室21と、主空室18aと、副空室18bと測定空室20は、いずれも、上部が第2固体電解質層28の下面で画定され、下部が第1固体電解質層24の上面で画定されている。ガス導入口16は、外部空間に対して開口している部位であり、ガス導入口16を通じて外部空間から予備空室21に被測定ガスが取り込まれる。
ガス導入口16と、予備空室21との間には、第1拡散律速部30が設けられている。また、予備空室21と主空室18aとの間には、第2拡散律速部32が設けられている。さらに、主空室18aと副空室18bとの間には第3拡散律速部34が設けられ、副空室18bと測定空室20との間には、第4拡散律速部36が設けられている。
第1拡散律速部30、第3拡散律速部34及び第4拡散律速部36は、いずれも2本の横長なスリット(紙面奥行き方向に長手方向を有する開口)として設けられている。第2拡散律速部32は、一本の横長のスリット(紙面奥行き方向に長手方向を有する開口)として設けられている。
第1拡散律速部30は、ガス導入口16から予備空室21に導入される被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与する部位である。第2拡散律速部32は、予備空室21から主空室18aに導入される被測定ガスに、所定の拡散抵抗を付与する部位である。第3拡散律速部34は、主空室18aから副空室18bに導入される被測定ガスに、所定の拡散抵抗を付与する部位である。第4拡散律速部36は、副空室18bから測定空室20に導入される被測定ガスに、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
予備空室21には、予備ポンプ電極40が設けられ、主空室18aに主ポンプ電極42が設けられ、副空室18bには副ポンプ電極46が設けられ、測定空室20には測定ポンプ電極48が設けられている。また、構造体27の外表面である第2固体電解質層28の上面には、主ポンプ電極42に対応する部分に、外側電極44が形成されている。外側電極44は、主ポンプ電極42と略同じ平面形状に形成されている。
外側電極44と、予備ポンプ電極40、主ポンプ電極42、副ポンプ電極46、及び測定ポンプ電極48の間に所定の電流を流すことにより、第2固体電解質層28を介して、各空室に酸素を汲み入れ又は各空室の酸素を汲み出すことができるように構成されている。予備ポンプ電極40は、金(Au)等の、NH3に対する反応性が低くかつNO還元能力の弱い材料を含む多孔質サーメット電極よりなる。外側電極44及び主ポンプ電極42は、白金(Pt)等のNOx還元能力の弱い材料を含む多孔質サーメット電極よりなる。測定ポンプ電極48は、ロジウム(Rh)等のNOx還元能力を有する材料を含んだサーメット電極よりなる。本実施形態の内側電極は、予備ポンプ電極40、主ポンプ電極42、副ポンプ電極46、及び測定ポンプ電極48によって構成される。
また、第3基板層22cの上面と、スペーサ層26の下面との間であって、内部空室200の基端側には、基準ガス導入空間38が設けられている。基準ガス導入空間38は、上部がスペーサ層26の下面で、下部が第3基板層22cの上面で、側部が第1固体電解質層24の側面で区画された内部空間である。基準ガス導入空間38には、基準ガスとして、例えば、大気が導入される。基準ガス導入空間38の奥側には、基準電極50が設けられている。基準電極50は多孔質セラミック層52に覆われた態様で配設されている。
センサ素子10によるNOx濃度の測定は、主として、測定空室20に設けられた測定ポンプ電極48によって行われる。測定空室20に導入された被測定ガスのNOxは、測定空室20内で還元されてN2とO2に分解される。測定ポンプ電極48は、NOxの分解で生じたO2を汲み出して、その発生量を測定ポンプ電流Ip3、すなわち、センサ出力として検出する。その際に、主空室18a及び副空室18bは、被測定ガスの酸素濃度を一定値に整えるように作用する。予備空室21は、一定時間ごとに予備ポンプ電極40の動作状態を切り換えることで、NO濃度とNH3濃度とを分離して求めることを可能としている。
また、センサ素子10において、第2基板層22bと第3基板層22cとに上下から挟まれた態様にて、ヒータ54が形成されている。ヒータ54は、第1基板層22aの下面に設けられた不図示のヒータ電極を介して外部から給電されることにより発熱する。ヒータ54は、予備空室21と主空室18a及び副空室18bの全域に亘って形成されており、センサ素子10の所定箇所を所定の温度(例えば、800℃以上)に保温することができるようになっている。また、ヒータ54の上下には、第2基板層22b及び第3基板層22cとの電気絶縁性を得る目的で、アルミナ等からなるヒータ絶縁層56が形成されている。
さらに、センサ素子10の先端部は、多孔質保護層60により覆われている。多孔質保護層60は、センサ素子10の第2固体電解質層28の上面の上方と、第1基板層22aの下面と、センサ素子10の先端面と、センサ素子10の側面とを覆うように形成されている。多孔質保護層60は、外側電極44の全域を覆うように形成されている。そして、外側電極44が内部空室200に汲み入れる酸素を供給可能とするべく、多孔質保護層60は酸素が通過可能な多孔質セラミックよりなる。
従来のセンサ素子においても、被測定ガスの水分が付着してセンサ素子にクラックが生じるのを防ぐ目的や、被測定ガスのオイルなどの炭化水素が外側電極に付着するのを防ぐ目的で、センサ素子を覆うコーティング層を設ける場合がある。しかし、従来のコーティング層では、長期間、高温の条件下でガスセンサを使用した際に、外側電極のPtの放出を十分に防ぐことができず、被測定ガスの流速が低い場合に、保護カバーがNH3分解性の高いPtで覆われてしまうのを防ぐことができない。
そこで、本実施形態では、長期間に亘って外側電極44のPtの放出を阻止可能な緻密度及び厚みを有する多孔質保護層60により外側電極44を覆っている。外側電極44を長期間使用していると、その一部が酸化白金(PtO)に酸化される。PtOは蒸気圧が高く、300℃程度の比較的低い温度でも揮発する。本実施形態の多孔質保護層60は、このような揮発性の高いPtOを封じ込めることができるように構成されている。
具体的には、多孔質保護層60は、センサ素子10を通常の動作温度である800℃とし、酸素濃度が1000ppmの被測定ガスを流し、外側電極44と内側電極(予備ポンプ電極40、主ポンプ電極42、副ポンプ電極46及び測定ポンプ電極48)との間に500mVの電圧を印加した条件の下で、外側電極44の単位面積に流れる限界電流密度が270μA/mm2以下となる程度の緻密度及び厚みを有することが好ましい。外側電極44に流れる限界電流密度が270μA/mm2以下に制限される程度の酸素しか通過させない緻密度及び厚みの組み合わせを有する多孔質保護層60を用いれば、外側電極44からのPt等のNH3分解性を有する物質の放出を防ぐことができる。外側電極44に流れる限界電流密度が270μA/mm2を大きく超える多孔質保護層60では、センサ素子10の応答速度が向上するものの、長期間使用した場合に、外側電極44からのPt等の放出を防ぐことができず、NH3検出感度が低下してしまう。
多孔質保護層60の緻密度及び厚みを増大させて、外側電極44に流れる限界電流密度を270μA/mm2よりも小さくすると、より効果的に外側電極44からのPt等の放出を防ぐことができて好適である。但し、外側電極44に流れる限界電流密度を小さくしすぎると、被測定ガスの濃度変化に対するセンサ素子10の出力の応答時間(応答速度)が遅くなってしまう。被測定ガスを高濃度の所定値から低濃度の所定値に二値的に変化させた際の応答時間を、排気ガスの測定における実用的な目安とされる300ms以下とする観点から、多孔質保護層60の緻密度及び厚みは、外側電極44に流れる限界電流密度が15μA/mm2以上となる程度にすることが好ましい。なお、応答速度が遅くてもよい用途に用いる場合には、多孔質保護層60による限界電流密度を15μA/mm2未満としてもよい。
ガスセンサ100の長期耐久性及びセンサ素子10の応答速度を両立させる観点から、多孔質保護層60の緻密度及び厚みは、外側電極44に流れる限界電流密度が70μA/mm2程度となるものを用いると好適である。
上記の多孔質保護層60は、例えば、アルミナ多孔質体、ジルコニア多孔質体、スピネル多孔質体、コージライト多孔質体、マグネシア多孔質体、又はチタニア多孔質体で構成することができる。また、多孔質保護層60の、気孔率は10〜25%とし、厚さ200〜600μmとすることができる。
このような多孔質保護層60は、アルミナなどのセラミック粉末をキャリアガスとともにプラズマガンに供給し、センサ素子10の表面に溶射することで形成できる。なお、多孔質保護層60は、セラミック粉末とバインダーとを含む溶液にセンサ素子10を浸漬させた後、焼成する方法で形成することもできる。また、多孔質保護層60は、CVD法、PVD法などによって形成してもよい。
また、多孔質保護層60は、密着性を向上させるべく、多層構造としてもよい。すなわち、図3に示す多孔質保護層60は、外側電極44の上に形成された内側保護層62と、内側保護層62の上に形成された中間保護層64と、中間保護層64の上に形成された外側保護層66との3層構造を備えてなる。
内側保護層62は、例えば、アルミナ多孔質体、ジルコニア多孔質体、スピネル多孔質体、コージライト多孔質体、マグネシア多孔質体、又はチタニア多孔質体で構成される。内側保護層62は、気孔率が20〜50%であり、その厚みを10〜300μmとすることができる。内側保護層62は、気孔率が相対的に大きく、外側電極44及び第2固体電解質層28との密着性のよい膜とすると好適である。
中間保護層64は、内側保護層62と同様の材料よりなる多孔質体で構成することができ、気孔率を25〜80%及び厚さを100〜700μmとすることができる。中間保護層64は、少なくとも外側保護層66よりも低い緻密度を有する材料で構成される。また、内側保護層62と外側保護層66との中間の緻密度を有する材料で構成してもよく、この場合には外側保護層66の剥離を防止することができる。なお、中間保護層64を設けずに、外側保護層66と内側保護層62との2層のみで多孔質保護層60を構成してもよい。さらに、中間保護層64を内側保護層62よりも低い緻密度を有する材料で構成するとともに、中間保護層64の厚さを外側保護層66よりも厚く形成してもよい。
外側保護層66は、内側保護層62と同様の材料よりなる多孔質体で構成され、気孔率を10〜25%、厚みを200〜600μmとすることができる。外側保護層66は、内側保護層62よりも気孔率の小さな緻密な保護層として形成することが好ましい。また、外側保護層66は、内側保護層62よりも厚く形成することが好ましい。
上記の多層構造の多孔質保護層60においては、内側保護層62、中間保護層64及び外側保護層66を含めた全体の厚み及び緻密度により、外側電極44に流れる限界電流密度が270μA/mm2以下であればよい。
また、外側電極44からのPtの放出量を抑制する観点から、多孔質保護層60を設ける際に、外側電極44の面積を抑制すると好適であり、例えば、外側電極44の面積を10mm2以下とすると、ガスセンサ100の長期信頼性が向上する。なお、外側電極44の面積を小さくしすぎると、センサ素子10の応答速度が低下してしまう。そこで、排気ガスの測定の際の実用的な目安とされる300ms以下の応答速度(応答時間)を得る観点から、外側電極44の面積は5mm2以上とすることが好ましい。
さらに、センサ素子10においては、内側電極にも白金(Pt)やロジウム(Rh)等のNH3分解性を有する貴金属類が用いられており、内側電極からのNH3分解性を有する物質の放出を防止することが好ましい。内側電極からのNH3分解性を有する物質の放出を防止する観点からは、内部空室200のガス導入口16及び拡散律速部の開口面積を抑制することが好ましい。このガス導入口16及び拡散律速部を通じたNH3分解性物質の放出量は、酸素を1000ppm含む被測定ガスを接触させつつ、内側電極から外側電極44に酸素が輸送される方向に500mVの電圧を印加した際に流れる内側電極の面積当たりの限界電流密度で評価することができる。本実施形態においては、内側電極と外側電極44との間に流れる限界電流密度を0.5〜3.0μA/mm2の範囲となるように、ガス導入口16及び拡散律速部を構成すると好適である。また、外側電極44から内側電極に酸素イオンが流れる方向に電圧を印加した際の限界電流密度Aと、内側電極から外側電極44に酸素イオンが流れる方向に電圧を印加した際の限界電流密度Bとの比率A/Bが10〜300であると、ガスセンサ100の長期信頼性とセンサ素子10の応答速度が両立できて好適である。
[実施例1〜11及び比較例1〜5]
以下、気孔率及び厚みの異なる多孔質保護層60を形成した実施例及び比較例に係るセンサ素子10及びガスセンサ100を種々作製し、その評価を行った結果について説明する。第1の評価は、大気中でガスセンサ100を実際の使用時と同じ温度(800℃)で3000時間駆動させた後、センサ素子10のNH3検出感度比を測定し、その変化率が−20%以下のものを合格と判定し、変化率が−20%を超えるものとを不良と判定した(判定1)。第1の評価の詳細は、特開2016−109693号公報の段落[0080]に記載されたものと同様である。すなわち、NH3を100ppm及びO2を0.5%含有する混合ガス(NH3含有ガス)を流したときの測定ポンプ電流Ip3の値と、NOを100ppm及びO2を0.5%含有する混合ガス(NO含有ガス)を流したときの測定ポンプ電流Ip3の値を取得する。そして、NH3含有ガスを流したときの測定ポンプ電流Ip3とNO含有ガスを流した時の測定ポンプ電流Ip3の比(%)を第1の評価の評価値として求める。
実施例1〜11及び比較例1〜5の各試料の構成を図4に示す。また、第1の評価の評価結果は図5に示す。図5において、縦軸はNH3含有ガスを流したときの測定ポンプ電流Ip3とNO含有ガスを流したときの測定ポンプ電流Ip3の比(第1の評価の評価値(%))である。図5に示されるように、全ての試料において、時間の経過とともに、第1の評価の評価値(%)が低下する傾向を示している。この評価値が低下する原因は、NH3含有ガスを流した際の測定ポンプ電流Ip3が低下するためである。NH3含有ガスを流した際に測定ポンプ電流Ip3が下がるのは、白金が保護カバーに付着することで、NH3の分解反応が発生し、NOxセンサの内部空所にNH3分子が到達する前に、保護カバー内で分解されることによる。
また、第2の評価は、実施例及び比較例に係るセンサ素子10の応答速度を評価した。相対的にNO濃度及びNH3濃度の高い被測定ガスから、相対的にNO濃度及びNH3濃度の低い被測定ガスに二値的に切り替えた際のセンサ素子10の応答時間を測定し、その応答時間が300ms以下のものと合格と判定し、応答時間が300msを超えるものを不良と判定した(判定2)。
図4及び図5において、実施例1〜11に示すように、外側電極44の限界電流密度の値が270μA/mm2以下の多孔質保護層60を形成した場合には、3000時間駆動してもNH3検出感度が低下せず、長期信頼性に優れることがわかる。また、外側電極44の限界電流密度が15μA/mm2以上の場合には、応答速度(応答時間)が300ms以下に収まり、排ガス用のガスセンサ100として良好な応答速度が得られることがわかる。
なお、実施例8に示すように、外側電極44の限界電流密度の値が5μA/mm2の多孔質保護層60を形成した場合には、NH3検出感度は低下せず耐久性に優れるものの、応答時間が300msを超えてしまい、排ガス用の測定には応答速度が若干不足するとの評価になった。したがって、排ガスの測定に好適な応答速度を確保する観点からは、外側電極44は、その限界電流密度が15μA/mm2以上となる量の酸素の通過を許容するように構成することが好ましいことがわかる。
一方、図4の比較例1〜3に示すように、多孔質保護層を設けない場合には、3000時間の駆動後に、図5に示すように、ガスセンサ100のNH3検出感度の変化率が−20%を超えてしまい、十分な耐久性が得られなかった。
また、図4の比較例4、5に示すように、多孔質保護層を設けた場合であっても、その限界電流密度が270μA/mm2を大幅に超える場合には、図5に示すように、時間の経過とともにNH3検出感度が低下してしまい、3000時間経過後のNH3検出感度の変化率が−20%を超えてしまい、十分な耐久性が得られなかった。
これに対し、実施例1〜11では、図5に示すように、3000時間経過後のNH3検出感度の変化率が−10%程度にとどまり、長期耐久性に優れるガスセンサ100を実現できることが確認できた。
以上のセンサ素子10及びガスセンサ100は、以下の効果を奏する。
ガスセンサ100及びそのセンサ素子10において、多孔質保護層60は、被測定ガスから外側電極44への酸素の通過を規制することにより、酸素濃度が1000ppmの被測定ガスの下で外側電極44と内側電極との間に500mVの電圧を印加したときに外側電極44から内側電極に向かって流れる酸素イオンによって生じる限界電流密度を270μA/mm2以下に規制する。多孔質保護層60が上記の限界電流密度を有することにより、外側電極44からのNH3分解性を有する物質の放出を抑制することができ、ガスセンサ100のNH3検出感度の低下を防ぐことができる。
ガスセンサ100及びそのセンサ素子10において、多孔質保護層60は、外側電極44と内側電極とに流れる限界電流密度が15μA/mm2以上となる量の酸素の通過を許容する緻密度及び厚みを有してもよい。これにより、センサ素子10に、排ガス用センサとしての実用に適する応答速度を与えることができる。
ガスセンサ100及びそのセンサ素子10において、多孔質保護層60は、気孔率の異なる2以上の保護層よりなり、外側保護層66の気孔率が内側保護層62の気孔率よりも小さく、かつ外側保護層66の厚みが内側保護層62の厚みよりも大きくてもよい。
ガスセンサ100及びそのセンサ素子10において、多孔質保護層60は、最外層に形成され、気孔率が10〜25%の外側保護層66と、外側電極44の上に形成され、気孔率が20〜50%の内側保護層62と、を有してもよい。このように構成することにより、多孔質保護層60の密着性を向上させることができ、多孔質保護層60の剥離を防ぐことができて好適である。
ガスセンサ100及びそのセンサ素子10において、外側保護層66の厚みが200〜600μmであり、内側保護層62の厚みが10〜300μmである、多層構造の多孔質保護層60としてもよい。このように構成することで、外側保護層66の剥離を防ぐことができて好適である。
ガスセンサ100及びそのセンサ素子10において、外側電極44の面積を5〜10mm2としてもよい。外側電極44の面積を上記の範囲にすることで、センサ素子10の応答速度を犠牲にすることなく、外側電極44からのNH3分解性物質の放出を抑制できる。
ガスセンサ100及びそのセンサ素子10において、酸素濃度が1000ppmの被測定ガスの下で外側電極44と内側電極との間に500mVの電圧を印加したときに、内側電極から外側電極44に向けて流れる限界電流密度が0.5〜3.0μA/mm2となるように構成してもよい。このように構成することにより、センサ素子10の応答速度を犠牲にすることなく、内側電極に含まれるPt等のNH3分解性物質の放出を抑制できる。
ガスセンサ100及びそのセンサ素子10において、外側電極44から内側電極に向けて流れる限界電流密度Aと、内側電極から前記外側電極に向けて流れる限界電流密度Bとの比率A/Bが10〜300となるように構成してもよい。このように構成することにより、内側電極に含まれるPt等のNH3分解性物質の放出を抑制することができ、ガスセンサ100のNH3検出感度の低下を抑制できる。
ガスセンサ100及びそのセンサ素子10において、センサ素子10から放出されNH3分解性を有する物質は、Pt(白金)であってもよい。Ptは、ガスセンサ100を長期間駆動している間に揮発性の高いPtOに酸化され、徐々にセンサ素子10から放出されやすい。これに対し、本実施形態のセンサ素子10は、多孔質保護層60が所定の緻密度及び厚みを有することにより、Ptの放出を長期間抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態のガスセンサ100Aは、図6A及び図6Bに示すように、第2ガス室出口116の配置を変えた外側保護カバー104Aを備えている点で図1A及び図1Bに示すガスセンサ100と異なる。なお、ガスセンサ100Aにおいて、ガスセンサ100と同様の構成には、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
ガスセンサ100Aのカバー体102Aは、外側保護カバー104Aと、内側保護カバー108とを備えている。外側保護カバー104Aは、円筒状の大径部104aと、大径部104aの先端側に一体的に形成された円筒状の胴部104bと、胴部104bの先端側に形成され、径方向内方に縮径する段差部104cと、段差部104cから先端側に延在する円筒状の先端部104dと、先端部104dの先端側を塞ぐように形成された先端面104eとを備えている。外側保護カバー104Aは、大径部104aにおいてハウジング132に固定されている。
外側保護カバー104Aの先端面104eには、第2ガス室112と排気ガスの配管(不図示)とを連通させる第1排気ガス出口116Aが設けられている。第1排気ガス出口116Aは、先端面104eにおいて、外側保護カバー104Aの軸回りに周方向に60°の角度間隔を開けて6個形成されている。なお、外側保護カバー104Aの先端部104dには、第1排気ガス出口116Aが設けられておらず、第2ガス室112には、先端面104eのみから被測定ガスが流入するように構成されている。
以上のような、本実施形態のガスセンサ100Aによっても、第1実施形態のガスセンサ100と同様の効果が得られる。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10…センサ素子 27…構造体
44…外側電極 60…多孔質保護層
62…内側保護層 64…中間保護層
66…外側保護層 100、100A…ガスセンサ
102…保護カバー 200…内部空室

Claims (22)

  1. 被測定ガスのNH3濃度を検出可能なガスセンサに用いられるセンサ素子であって、
    酸素イオン伝導性を有する固体電解質よりなる構造体と、
    前記構造体の外表面に設けられた外側電極と、
    前記外側電極を覆う多孔質保護層と、
    前記構造体の内部に設けられた内部空室と、
    前記内部空室に設けられた内側電極と、を備え、
    前記外側電極は、NH3分解性を有する物質を含み、
    前記多孔質保護層は、前記被測定ガスから前記外側電極への酸素の通過を許容しつつも前記外側電極からの前記NH3分解性を有する物質の放出を阻止する、
    センサ素子。
  2. 請求項1記載のセンサ素子であって、前記多孔質保護層は、前記被測定ガスから前記外側電極への酸素の通過を規制することにより、酸素濃度が1000ppmの被測定ガスの下で前記外側電極と前記内側電極との間に500mVの電圧を印加したときに前記外側電極から前記内側電極に向かって流れる酸素イオンによって生じる限界電流密度を270μA/mm2以下に規制する、センサ素子。
  3. 請求項2記載のセンサ素子であって、前記多孔質保護層は、前記外側電極と前記内側電極とに流れる前記限界電流密度が15μA/mm2以上となる量の酸素の通過を許容する、センサ素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ素子であって、前記多孔質保護層は、気孔率の異なる2以上の保護層よりなり、外側保護層の気孔率が内側保護層の気孔率よりも小さく、かつ外側保護層の厚みが内側保護層の厚みよりも大きい、センサ素子。
  5. 請求項4記載のセンサ素子であって、前記多孔質保護層は、最外層に形成され、気孔率が10〜25%の外側保護層と、前記外側電極の上に形成され、気孔率が20〜50%の内側保護層と、を有するセンサ素子。
  6. 請求項5記載のセンサ素子であって、前記外側保護層の厚みが200〜600μmであり、前記内側保護層の厚みが10〜300μmである、センサ素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサ素子であって、前記外側電極の面積が5〜10mm2であるセンサ素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサ素子であって、前記多孔質保護層は、前記外側電極の上に形成され気孔率が20〜50%の内側保護層と、前記内側保護層の上に形成され気孔率が25〜80%の中間保護層と、前記中間保護層の上に形成され、気孔率が10〜25%の外側保護層とを備え、前記中間保護層の厚さが100〜700μmである、センサ素子。
  9. 請求項2記載のセンサ素子であって、酸素濃度が1000ppmの被測定ガスの下で前記外側電極と前記内側電極との間に500mVの電圧を印加したときに、前記内側電極から前記外側電極に向けて流れる限界電流密度が0.5〜3.0μA/mm2である、センサ素子。
  10. 請求項9記載のセンサ素子であって、前記外側電極から前記内側電極に向けて流れる限界電流密度Aと、前記内側電極から前記外側電極に向けて流れる限界電流密度Bとの比率A/Bが10〜300である、センサ素子。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のセンサ素子であって、前記NH3分解性を有する物質は、Pt(白金)である、センサ素子。
  12. 被測定ガスのNH3濃度を検出可能なセンサ素子と、
    前記被測定ガスの前記センサ素子への流入を規制するとともに前記センサ素子を保護する保護カバーと、を備えたガスセンサであって、前記センサ素子は、
    酸素イオン伝導性を有する固体電解質よりなる構造体と、
    前記構造体の外表面に設けられた外側電極と、
    前記外側電極を覆う多孔質保護層と、
    前記構造体の内部に設けられた内部空室と、
    前記内部空室に設けられた内側電極と、を備え、
    前記外側電極は、NH3分解性を有する物質を含み、
    前記多孔質保護層は、前記被測定ガスから前記外側電極への酸素の通過を許容しつつも前記外側電極からの前記NH3分解性を有する物質の放出を阻止する、
    ガスセンサ。
  13. 請求項12記載のガスセンサであって、前記多孔質保護層は、前記被測定ガスから前記外側電極への酸素の通過を規制することにより、酸素濃度が1000ppmの被測定ガスの下で前記外側電極と前記内側電極との間に500mVの電圧を印加したときに前記外側電極から前記内側電極に向かって流れる酸素イオンによって生じる限界電流密度を270μA/mm2以下に規制する、ガスセンサ。
  14. 請求項13記載のガスセンサであって、前記多孔質保護層は、前記外側電極と前記内側電極とに流れる前記限界電流密度が15μA/mm2以上となる量の酸素の通過を許容する、ガスセンサ。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載のガスセンサであって、前記多孔質保護層は、気孔率の異なる2以上の保護層よりなり、外側保護層の気孔率が内側保護層の気孔率よりも小さく、かつ外側保護層の厚みが内側保護層の厚みよりも大きい、ガスセンサ。
  16. 請求項15記載のガスセンサであって、前記多孔質保護層は、最外層に形成され、気孔率が10〜25%の外側保護層と、前記外側電極の上に形成され、気孔率が20〜50%の内側保護層と、を有するガスセンサ。
  17. 請求項16記載のガスセンサであって、前記外側保護層の厚みが200〜600μmであり、前記内側保護層の厚みが10〜300μmである、ガスセンサ。
  18. 請求項12〜17のいずれか1項に記載のガスセンサであって、前記多孔質保護層は、前記外側電極の上に形成され気孔率が20〜50%の内側保護層と、前記内側保護層の上に形成され気孔率が25〜80%の中間保護層と、前記中間保護層の上に形成され、気孔率が10〜25%の外側保護層とを備え、前記中間保護層の厚さが100〜700μmである、ガスセンサ。
  19. 請求項12〜18のいずれか1項に記載のガスセンサであって、前記外側電極の面積が5〜10mm2であるガスセンサ。
  20. 請求項13記載のガスセンサであって、酸素濃度が1000ppmの被測定ガスの下で前記外側電極と前記内側電極との間に500mVの電圧を印加したときに、前記内側電極から前記外側電極に向けて流れる限界電流密度が0.5〜3.0μA/mm2である、ガスセンサ。
  21. 請求項20記載のガスセンサであって、前記外側電極から前記内側電極に向けて流れる限界電流密度Aと、前記内側電極から前記外側電極に向けて流れる限界電流密度Bとの比率A/Bが10〜300である、ガスセンサ。
  22. 請求項12〜21のいずれか1項に記載のガスセンサであって、前記NH3分解性を有する物質は、Pt(白金)である、ガスセンサ。
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