JP2015101703A - 燃料中の硫黄化合物の脱硫方法及び脱硫装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾンを用いた硫黄化合物の脱硫において、効率的に硫黄化合物を脱硫することができる燃料中の硫黄化合物の脱硫方法及び脱硫装置を提供する。
【解決手段】燃料中の硫黄化合物の脱硫方法は、反応槽12内に、酸化触媒が担持されたメソポーラスシリカを添加し、また、硫黄化合物を含有する燃料を投入し、オゾン発生装置14により発生したオゾンをオゾン供給ライン16を通して反応槽12内に供給することで、酸化触媒が担持されたメソポーラスシリカの存在下で、前記硫黄化合物とオゾンとを反応させ、硫黄化合物を硫黄酸化物に酸化させる方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料中の硫黄化合物の脱硫方法及び脱硫装置に関する。
内燃機関の排ガスには、各種の有害物質(窒素酸化物NOx、炭化水素HC、一酸化炭素CO、粒子状物質PM)が含まれており、これらを除去するために、排ガス浄化装置が設けられる。排ガス浄化装置の排ガス浄化触媒としては、三元触媒、酸化触媒、NOx吸蔵還元触媒等が知られているが、これらの排ガス浄化触媒は、排ガス中の硫黄化合物により被毒され、浄化性能が低下するという問題がある。したがって、排ガス浄化触媒の被毒を極力抑えるために、燃料中の硫黄濃度の低減が求められている。
これまで、燃料中の脱硫方法として、吸着脱硫方法や抽出脱硫方法等が数多く研究されているが、燃料中に含まれる多環式硫黄化合物は同じく燃料中に含まれる芳香族化合物と物性が近く、両者を区別して選択的に硫黄化合物のみを除去することは困難である。
近年では、吸着脱硫方法や抽出脱硫方法の代替方法として、酸化脱硫方法が研究されている。この酸化脱硫方法とは、燃料中の硫黄化合物を硫黄酸化物(例えばスルホン誘導体)へと酸化する方法である。これにより、分子の極性が大きい硫黄酸化物は、極性の小さい炭化水素成分(燃料)から、容易に分離除去される。
例えば、特許文献1には、オゾン等の酸化剤、金属触媒を用いて、燃料中の硫黄化合物をスルホンに酸化させる酸化脱硫方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、酸素ガスに光照射して、オゾンを生成し、生成したオゾンにより硫黄化合物を酸化させる酸化脱硫方法が開示されている。
特開2012−25933号公報 特開2009−249447号公報
ところで、酸化剤として過酸化水素を用いる方法が知られているが、過酸化水素を用いると副生成物として酸素と水が生成する。しかし、酸化剤としてオゾンを用いた場合、副生成物としては主に酸素が生成するのみであり、水の分離が不要であることから、酸化剤として好ましい。
しかし、オゾンは気体であり、燃料との接触時間が限られるため、オゾンの利用率((生成した硫黄酸化物量×2/使用オゾン量)×100)が低く、反応効率の点で課題があり、効率的に硫黄化合物を脱硫することは困難である。また、オゾンの利用率を向上させるために、酸化触媒を用いることは有効であると考えられるが、これまで、有効な酸化触媒についての検討は十分になされていない。
そこで、本発明の目的は、オゾンを用いた硫黄化合物の脱硫において、効率的に硫黄化合物を脱硫することができる燃料中の硫黄化合物の脱硫方法及び脱硫装置を提供することにある。
本発明の燃料中の硫黄化合物の脱硫方法は、硫黄化合物を含有する燃料とオゾンとを、酸化触媒が担持されたメソポーラスシリカに接触させて、前記硫黄化合物を硫黄酸化物に酸化させる工程を含むものである。
前記燃料中の硫黄化合物の脱硫方法において、前記酸化触媒は、銀、モリブデン、銅のうちから選択される少なくとも1種の金属又は酸化物であることが好ましい。
また、前記燃料中の硫黄化合物の脱硫方法において、前記硫黄化合物は、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン又はそれらのアルキル誘導体であることが好ましい。
また、本発明の燃料中の硫黄化合物の脱硫装置は、酸化触媒が担持されたメソポーラスシリカが充填される反応槽と、前記反応槽にオゾンを供給するオゾン供給手段と、を備え、前記反応槽内で、硫黄化合物を含有する燃料と前記オゾンとを、前記酸化触媒が担持されたメソポーラスシリカに接触させて、前記燃料中の硫黄化合物を硫黄酸化物に酸化させるものである。
本発明によれば、燃料中の硫黄化合物を効率的に脱硫することができる。
本実施形態に係る硫黄化合物の脱硫装置の構成の一例を示す模式図である。 ジベンゾチオフェンとオゾンとの反応メカニズムの一例を示す図である。 実施例1〜3及び比較例1〜4の処理時間に対するジベンゾチオフェンの濃度推移を示す図である。 実施例1、4及び5の処理時間に対するジベンゾチオフェンの濃度推移を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る硫黄化合物の脱硫装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示す硫黄化合物の脱硫装置1は、反応槽12、オゾン供給手段の一例としてのオゾン発生装置14及びオゾン供給ライン16、排気管18を備えている。オゾン供給ライン16の一端は、オゾン発生装置14に接続され、他端は、反応槽12内に配置されている。本実施形態では、オゾン供給ライン16の他端に、フィルタ20が設けられている。また、排気管18の一端は、反応槽12に接続され、他端は系外に開放されている。また、本実施形態では、排気管18には、オゾントラップ22が設けられている。
本実施形態の反応槽12内には、酸化触媒を担持したメソポーラスシリカが充填される。ここで、本実施形態のメソポーラスシリカとは、2nm以上〜10nm以下の範囲のみの細孔径を有するシリカである。特に、メソポーラスシリカは、2nm以上〜10nm以下の範囲内で、単一の細孔径(例えば5nmのみ)を有するものであることが好ましい。メソポーラスシリカを担体として用いることにより、アルミナ、活性炭等のその他の担体と比べて、酸化触媒の分散性を高め、酸化触媒の触媒性能を向上させることができる。これにより、硫黄化合物と反応するオゾンの利用率が上昇し、硫黄化合物を効率的に硫黄酸化物に酸化することが可能となる。また、メソポーラスシリカは、酸化触媒の担体として機能するだけでなく、吸着剤としても機能する。これにより、オゾンにより酸化された硫黄酸化物はメソポーラスシリカの細孔内等に吸着される。
酸化触媒は、主に硫黄化合物とオゾンとを反応させて硫黄酸化物に酸化させる触媒として機能するものであり、例えば、銀、モリブデン等が挙げられる。酸化触媒の種類、担持方法等については後述する。
本実施形態のオゾン発生装置14としては、例えば、光化学反応、電解反応、放電反応、放射線反応等を利用してオゾンガスを発生する周知の装置が用いられる。なお、高純度のオゾンの生成・供給が可能であり、コスト、スペース等の点からも有利である電解反応を利用した装置を用いることが望ましい。電解反応を利用した装置とは、例えば、水の電気分解によりオゾンと水素を生成する装置のことであり、陽イオン交換膜で隔てられた陽極側で水を分解してオゾンが生成されるとともに、陰極側で陽イオン膜を通過してきた水素イオンから水素ガスが生成される。
本実施形態のオゾントラップ22は、排気管18から排出される未反応のオゾンを処理するものであり、例えば、オゾンを分解する装置、オゾンを吸着する装置等が挙げられる。オゾンを分解する装置としては、例えば、多孔質セラミックスから構成される網目構造の基体に、オゾンを分解(還元)する触媒(例えば、ニッケル酸化物、マンガン酸化物)を担持したもの等が挙げられる。また、オゾンを吸着する装置としては、例えば、ゼオライト、活性炭等の吸着剤が充填されたカートリッジ等が挙げられる。
本実施形態の燃料としては、分子中に炭素原子と水素原子とを含む化合物(酸素等、他の元素を含んでいてもよい)又はその混合物等の炭化水素系燃料等である。炭化水素系燃料としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、エーテル類、バイオ燃料等が挙げられ、これらの炭化水素系燃料には、従来の石油・石炭等の化石燃料由来のもの、合成ガス等の合成系燃料由来のもの、バイオマス由来のもの等が挙げられる。通常、燃料の精製等において、燃料中に硫黄化合物が含まれ易く、特に、ベンゾチオフェン(BT)、ジベンゾチオフェン(DBT)及びそれらのアルキル誘導体等の硫黄化合物が含まれやすい。
以下に、本実施形態の燃料中の硫黄化合物の脱硫方法を説明する。
まず、酸化触媒を担持したメソポーラスシリカ(不図示)が反応槽12内に充填(添加)され、また、硫黄化合物を含む燃料24が、反応槽12内に投入される。次いで、オゾン発生装置14によって発生したオゾンが、オゾン供給ライン16を通って反応槽12に供給される。オゾンは、反応槽12内のフィルタ20によって、微泡化される。これにより、燃料24等との接触面積が増加される。反応槽12内では、硫黄化合物を含有する燃料24とオゾンとが、酸化触媒を担持したメソポーラスシリカに接触し、硫黄化合物とオゾンとが反応することで、硫黄化合物が酸化され、硫黄酸化物となる。
図2は、ジベンゾチオフェンとオゾンとの反応メカニズムの一例を示す図である。図2に示すように、反応槽12内では、例えば、酸化触媒を担持したメソポーラスシリカの存在下で、ジベンゾチオフェン(硫黄化合物)とオゾンとが反応し、ジベンゾチオフェンが酸化され、ジベンゾチオフェンスルホンが生成される。このように硫黄化合物を硫黄酸化物(硫黄化合物のスルホン誘導体)に酸化することにより、酸化前の硫黄化合物と比較して極性が非常に高くなるため、反応槽12内のメソポーラスシリカにより吸着され、燃料中から脱硫処理(除去)される。
本実施形態では、脱硫処理された燃料は、反応槽12から取り出された後、フィルタ等により固液分離され、燃料中から酸化触媒を担持したメソポーラスシリカが除去される。また、脱硫処理により生成する酸素(及び未反応のオゾン)は、排気管18から排出される。また、未反応のオゾンは、排気管18中のオゾントラップ22により処理される。
次に、本実施形態で用いられる反応槽12や酸化触媒を担持したメソポーラスシリカについて、詳細に説明する。
本実施形態の反応槽12は、硫黄化合物を含有する燃料24を反応槽12に投入し、硫黄化合物を脱硫処理した後、脱硫処理した燃料を反応槽12から取り出すバッチ式反応槽を例に説明したがこれに制限されるものではない。例えば、硫黄化合物を含有する燃料24を反応槽12に連続的に供給し、硫黄化合物の脱硫処理を行いながら、脱硫処理した燃料を反応槽12から連続的に排出する連続式反応槽であってもよい。なお、連続式反応槽の場合には、脱硫処理した燃料を排出する反応槽12の排出口にフィルタを設け、反応槽12から酸化触媒を担持したメソポーラスシリカが排出されることを抑えることが望ましい。
本実施形態で用いられるメソポーラスシリカは、前述したように、2nm以上〜10nm以下の範囲のみの細孔径を有するシリカであれば特に制限されるものではないが、酸化触媒の分散性が高く、酸化触媒の触媒性能を向上させることができる点等で、2nm以上〜4nm以下の範囲のみの細孔径を有するシリカを用いることが好ましい。
メソポーラスシリカの表面積は、硫黄酸化物の吸着性能の点等で、例えば、700m/g以上範囲で設定されることが好ましい。
本実施形態で用いられる酸化触媒は、硫黄化合物とオゾンとを反応させて硫黄酸化物に酸化させる触媒としての機能を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、銀、モリブデン、ニッケル、マンガン、バナジウム、鉄、コバルト、銅、亜鉛のうちから選択される少なくとも1種の金属又は酸化物等が挙げられ、触媒性能の点で、銀、モリブデン、銅のうちから選択される少なくとも1種の金属又は酸化物が好ましく、特に銀が好ましい。
酸化触媒を担持させる担体としてメソポーラスシリカを用いることで、硫黄化合物とオゾンとの反応効率が向上する原因については明らかではないが、メソポーラスシリカを担体とすると、酸化触媒が高分散化して担体上に担持され、また、担持された酸化触媒が、触媒機能を発揮しやすい状態(イオン状態、金属状態等)で担持されるためではないかと考えられる。なお、メソポーラスシリカ上に担持される銀は、イオン状態より金属状態(又は金属に近い状態)で、且つ高分散化して担持されており、この高分散化した金属状態の銀が、硫黄化合物とオゾンとの反応効率を向上させる一つの原因ではないかと考えられる。
メソポーラスシリカへの酸化触媒の担持方法は、特に制限されるものではなく、例えば、含浸法、共沈法、混練法、蒸着法、イオン交換法、蒸発乾固法等の公知の方法を採用することができる。例えば、蒸発乾固法では、硝酸銀溶液等の酸化触媒の元素を含む溶液中にメソポーラスシリカを添加して攪拌した後、エバポレータ等で蒸発乾燥させ、例えば、300℃〜800℃の範囲、好ましくは450℃〜550℃の範囲で焼成することにより、銀等の酸化触媒が担持されたメソポーラスシリカが得られる。また、上記焼成後に還元処理(水素雰囲気で焼成)を行うことにより、酸化触媒の触媒としての機能(酸化性能)をより向上させることができる。
メソポーラスシリカへの酸化触媒の担持量は、燃料中の硫黄化合物の濃度、供給されるオゾン量等により適宜設定されればよいが、例えば、酸化触媒を担持した状態でのメソポーラスシリカの全重量に対して1重量%から10重量%以下の範囲に設定されることが好ましい。酸化触媒の担持量が10重量%を超えると、酸化触媒中の金属量に対して酸化量が減少する場合がある。
本実施形態では、燃料中に硫黄化合物が多量に含まれている場合には、反応槽12内に充填されたメソポーラスシリカの吸着機能が低下する虞がある。このような場合には、反応槽12内で硫黄化合物を硫黄酸化物に酸化した後、反応槽12内に吸着剤や抽出溶媒を添加し、燃料から硫黄酸化物を除去することが望ましい。吸着剤は、硫黄酸化物を吸着することができるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ゼオライト、シリカ、メソポーラスシリカ、アルミナ、活性炭、活性炭素繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられ、吸着性能の点で、メソポーラスシリカが好ましい。抽出溶媒としては、硫黄酸化物に対して溶解性を有する溶媒であれば特に制限されるものではないが、例えば、酢酸、蟻酸、過酸、メタノール、エタノール、ブタノール、ジメチルスルホキシド、イミダゾリウム系イオン液体等が挙げられ、硫黄酸化物に対する溶解性の点で、イミダゾリウム系イオン液体が好ましい。
反応槽12に供給するオゾン濃度は、安全性、硫黄化合物との所望の反応速度の点等から適宜設定されるものである。本実施形態では、酸化触媒を担持したメソポーラスシリカを用いることで、オゾン利用率(すなわち、硫黄化合物とオゾンとの反応効率)を向上させることができるため、酸化触媒を担持したメソポーラスシリカ以外の触媒を用いた場合と比較して、反応槽12に供給するオゾン濃度を低減させることができる。
以上のように、本実施形態の硫黄化合物の脱硫方法によれば、燃料中の硫黄化合物を効率的に除去することができる。そのため、エンジン燃焼用の燃料として用いれば、排ガス中の硫黄分を大幅に減少させることができる。従って、排ガス浄化触媒の硫黄被毒を抑制して、排ガス浄化性能を向上させることができる。また、排ガス浄化触媒の硫黄被毒を解除するための触媒再生の頻度を減少して、触媒再生に必要なエネルギーを減少することができる。同様に、燃料電池の燃料に適用すれば、燃料の改質に用いられる改質触媒の硫黄被毒を抑制することができるため、触媒寿命の低下を抑制することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
硝酸銀0.79g(銀0.5g相当)を50mlの水に溶解した水溶液にメソポーラスシリカ(自家合成社製、FSM−16、細孔径2.7nm、比表面積1192m/g、細孔容積0.74cc/g)9.5gを添加し、室温で3時間攪拌した。実施例1のメソポーラスシリカの細孔径分布は、2nm以上10nm以下の範囲のみにピークを有するものである。次に、その溶液をロータリーエバポレータで蒸発させ、得られた固体を110℃で3時間乾燥した後、電気炉で500℃、5時間焼成し、銀担持メソポーラスシリカを得た。
実施例1の試験条件は以下の通りである。
モデル炭化水素(n−テトラデカン)に、ジベンゾチオフェン(DBT)を硫黄重量基準で500ppmになるように添加したモデル軽油をバイアル容器に25g入れた。そして、バイアル容器内のモデル軽油に、上記調製した銀担持メソポーラスシリカを0.5g添加し、次いで、室温でオゾン(200ml/min、オゾン濃度1600ppm)を流通した。その後、モデル軽油をろ過して、銀担持メソポーラスシリカを分離し、モデル軽油中のジベンゾチオフェン濃度をガスクロマトグラフィにより測定し、ジベンゾチオフェンの減少量からジベンゾチオフェンの除去率を求めた。その結果を表1及び図3にまとめた。
(実施例2)
実施例2では、硝酸銀の代わりにモリブデン酸アンモニウム四水和物0.93gを用い、モリブデン担持メソポーラスシリカを調製したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。実施例2の結果を表1及び図3にまとめた。
(実施例3)
実施例3では、硝酸銀の代わりに酢酸銅1.43gを用い、銅担持メソポーラスシリカを調製したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。実施例3の結果を表1及び図3にまとめた。
(比較例1)
比較例1では、銀担持メソポーラスシリカを添加せず、オゾンのみを流通させたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。比較例1の結果を表1及び図3にまとめた。
(比較例2)
比較例2では、オゾンの代わりに空気を流通させたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。比較例2の結果を表1及び図3にまとめた。
(比較例3)
比較例3では、銀担持メソポーラスシリカの代わりに、銀を担持していないメソポーラスシリカ(自家合成社製、FSM−16、細孔径2.7nm、比表面積1192m/g、細孔容積0.74cc/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。比較例3の結果を表1及び図3にまとめた。
(比較例4)
比較例4では、銀を担持するメソポーラスシリカの代わりに、シリカ(JRC−SIO−9、触媒学会参照触媒、細孔径11.0nm、比表面積336m/g、細孔容積0.65cc/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。比較例4の結果を表1及び図3にまとめた。
図3は、実施例1〜3及び比較例1〜4の処理時間に対するジベンゾチオフェンの濃度推移を示す図である。表1及び図3から判るように、銀担持メソポーラスシリカ、モリブデン担持メソポーラスシリカ、銅担持メソポーラスシリカを用いて、ジベンゾチオフェンとオゾンとを反応させた実施例1〜3では、処理時間120分でのジベンゾチオフェンの除去率が55%以上となり、処理時間240分でのジベンゾチオフェンの除去率が70%以上となった。これに対し、酸化触媒担持メソポーラスシリカを添加していない比較例1、オゾンの代わりに空気とジベンゾチオフェンとを反応させた比較例2、酸化触媒を担持していないメソポーラスシリカを添加した比較例3、銀を担持する担体をシリカにした比較例4では、処理時間120分でのジベンゾチオフェンの除去率は、25%以下と実施例1〜3と比較して非常に低くかった。また、比較例4は、処理時間を240分まで延長させたが、ジベンゾチオフェンの除去率はほとんど上昇していなかった。また、処理時間120分後での実施例1〜3のオゾン利用率((生成した硫黄酸化物量×2/使用オゾン量)×100)は、実施例1で29%、実施例2で25%、実施例3で最大27%となった。一方、処理時間120分後での比較例1,4のオゾン利用率は、比較例1で1%、比較例4で11%であり、いずれも実施例1〜3より低い値となった。
このように、酸化触媒担持メソポーラスシリカを用いて、硫黄化合物とオゾンとを反応させることにより、硫黄化合物が効率的に硫黄酸化物に酸化され、メソポーラスシリカに吸着させることができることを確認した。したがって、燃料から硫黄化合物を効率的に除去することができ、また、オゾンの利用率も向上させることができたと言える。なお、比較例2の結果から分かるように、酸化触媒担持メソポーラスシリカを用いても、空気では硫黄化合物を十分に酸化させることはできず、また、比較例4の結果から分かるように、オゾンを硫黄化合物と反応させても、酸化触媒を担持する担体がメソポーラスシリカでなければ、硫黄化合物を硫黄酸化物に酸化させて、吸着処理することはできないことを確認した。
(実施例4)
実施例4では、硝酸銀を0.31g(銀0.2g相当)、メソポーラスシリカ(自家合成社製、FSM−16、細孔径2.7nm、比表面積1192m/g、細孔容積0.74cc/g)を9.8gとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。実施例4の結果を表2及び図4にまとめた。
(実施例5)
実施例5では、硝酸銀を1.57g(銀1.0g相当)、メソポーラスシリカ(自家合成社製、FSM−16、細孔径2.7nm、比表面積1192m/g、細孔容積0.74cc/g)を9.0gとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。実施例5の結果を表2及び図4にまとめた。
図4は、実施例1、4及び5の処理時間に対するジベンゾチオフェンの濃度推移を示す図である。表2及び図4に示すように、銀の担持量を変化させることにより、ジベンゾチオフェンの除去率も変動することを確認した。実施例1の銀担持量は、銀を担持した状態でのメソポーラスシリカの全重量に対して5重量%であり、実施例4の銀担持量は、銀を担持した状態でのメソポーラスシリカの全重量に対して2重量%であり、実施例5の銀担持量は、銀を担持した状態でのメソポーラスシリカの全重量に対して10重量%である。銀の担持量は、燃料中のジベンゾチオフェンの濃度や、オゾンの供給量にもよるが、実施例1、4、5の結果から、硫黄化合物を効率的に除去する点で、1重量%から10重量%以下であることが好ましいと言える。
1 硫黄化合物の脱硫装置、12 反応槽、14 オゾン発生装置、16 オゾン供給ライン、18 排気管、20 フィルタ、22 オゾントラップ、24 硫黄化合物を含む燃料。

Claims (4)

  1. 硫黄化合物を含有する燃料とオゾンとを、酸化触媒が担持されたメソポーラスシリカに接触させて、前記硫黄化合物を硫黄酸化物に酸化させる工程を含むことを特徴とする燃料中の硫黄化合物の脱硫方法。
  2. 前記酸化触媒は、銀、モリブデン、銅のうちから選択される少なくとも1種の金属又は酸化物であることを特徴とする請求項1記載の燃料中の硫黄化合物の脱硫方法。
  3. 前記硫黄化合物は、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン又はそれらのアルキル誘導体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料中の硫黄化合物の脱硫方法。
  4. 酸化触媒が担持されたメソポーラスシリカが充填される反応槽と、
    前記反応槽にオゾンを供給するオゾン供給手段と、を備え、
    前記反応槽内で、硫黄化合物を含有する燃料と前記オゾンとを、前記酸化触媒が担持されたメソポーラスシリカに接触させて、前記燃料中の硫黄化合物を硫黄酸化物に酸化させることを特徴とする燃料中の硫黄化合物の脱硫装置。
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