JP2001278602A - 脱硫剤、脱硫方法及び燃料電池用水素の製造方法 - Google Patents

脱硫剤、脱硫方法及び燃料電池用水素の製造方法

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JP2001278602A
JP2001278602A JP2000096872A JP2000096872A JP2001278602A JP 2001278602 A JP2001278602 A JP 2001278602A JP 2000096872 A JP2000096872 A JP 2000096872A JP 2000096872 A JP2000096872 A JP 2000096872A JP 2001278602 A JP2001278602 A JP 2001278602A
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desulfurization
petroleum
petroleum hydrocarbons
desulfurizing
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Takashi Katsuno
尚 勝野
Satoshi Matsuda
聡 松田
Masahiro Yoshinaka
正浩 吉仲
Kazuhito Saito
一仁 齋藤
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石油系炭化水素油中の硫黄分を効果的に除去
することができ、かつ寿命の長い脱硫剤、該炭化水素油
中の硫黄分を低濃度まで効率よく除去する脱硫方法及び
燃料電池用水素の製造方法を提供すること。 【解決手段】 担体に周期律表第17族元素の中から選
ばれる少なくとも一種を担持してなる石油系炭化水素油
用脱硫剤、この脱硫剤を用いて、石油系炭化水素油を脱
硫処理し、場合により、第二の脱硫剤と接触させる脱硫
方法、並びに上記第二の脱硫剤と接触させた石油系炭化
水素油を、水蒸気改質触媒と接触させて燃料電池用水素
を製造する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱硫剤、脱硫方法
及び燃料電池用水素の製造方法に関する。さらに詳しく
は、本発明は、石油系炭化水素中の硫黄分を効果的に除
去可能で、かつ寿命の長い脱硫剤、この脱硫剤を用い
て、石油系炭化水素中の硫黄分を低濃度まで効率よく除
去し、下流設備である水蒸気改質部分での改質触媒の性
能を長時間にわたり維持させ得る脱硫方法、及びこの脱
硫方法で処理された石油系炭化水素を水蒸気改質処理
し、燃料電池用水素を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題から新エネルギー技術が
脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして
燃料電池が注目されている。この燃料電池は、水素と酸
素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギ
ーを電気エネルギーに変換するものであって、エネルギ
ーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、
産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極
的になされている。この燃料電池には、使用する電解質
の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物
型、固体高分子型などのタイプが知られている。一方、
水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化
天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然
ガスを原料とする合成液体燃料、さらには石油系のLP
G、ナフサ、灯油などの炭化水素の使用が研究されてい
る。燃料電池を民生用や自動車用などに利用する場合、
上記石油系炭化水素は保管及び取扱いが容易である上、
ガソリンスタンドや販売店など、供給システムが整備さ
れていることから、水素源として有利である。しかしな
がら、石油系炭化水素は、メタノールや天然ガス系のも
のに比べて、硫黄分の含有量が多いという問題がある。
この石油系炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般
に、該炭化水素を、改質触媒の存在下に水蒸気改質又は
部分酸化改質処理する方法が用いられる。このような改
質処理においては、上記改質触媒は、炭化水素中の硫黄
分により被毒するため、触媒寿命の点から、該炭化水素
に脱硫処理を施し、硫黄分含有量を、通常0.2重量p
pm以下にすることが肝要である。
【0003】石油系炭化水素の脱硫方法としては、これ
まで多くの研究がなされており、例えばCo−Mo/ア
ルミナやNi−Mo/アルミナなどの水素化脱硫触媒と
ZnOなどの硫化水素吸着剤を用い、常圧〜5MPaの
圧力下、200〜400℃の温度で水素化脱硫する方法
が知られている。この方法は、厳しい条件下で水素化脱
硫を行い、硫黄分を硫化水素にして除去する方法であ
り、しかも硫黄分を0.2重量ppm以下にすることは
困難であるため、燃料電池用炭化水素に適用しにくい。
一方、石油留分の脱硫方法として、硫黄化合物の一部を
物理吸着により除去する方法が知られており(米国特許
第4188285号明細書、特開平3−128989号
公報、特開平6−154615号公報、米国特許第54
82617号明細書、米国特許第5807475号明細
書、国際特許公開98151762号、米国特許第59
35422号明細書)、また除去に用いられる物質とし
ては活性炭やゼオライトが知られている。さらに、物理
吸着により硫黄化合物の一部を除去した石油留分をさら
に脱硫剤と接触させる方法も知られている(米国特許第
5114689号明細書、特表平7−504214号公
報)。しかしながら、活性炭やゼオライトは、硫黄化合
物に対する吸着性能が低く、また上記方法において用い
られる物理吸着剤は、燃料電池用脱硫剤としては、寿命
の面で実用的なレベルに至っていないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下で、
本発明の第1の目的は、石油系炭化水素中の硫黄分を効
果的に除去することができ、かつ寿命の長い脱硫剤を提
供することにある。また本発明の第2の目的は、この脱
硫剤を用いて、石油系炭化水素中の硫黄分を低濃度まで
効率よく除去し、下流設備である水蒸気改質部分での改
質触媒の性能を長時間にわたり維持させ得る脱硫方法を
提供することにある。さらに、本発明の第3の目的は、
上記脱硫方法で処理された石油系炭化水素を用いて、燃
料電池用水素を効率よく製造する方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、まず石油系炭化水素中の硫黄化合物
の性状について、詳細に解析し、石油系炭化水素に含ま
れる硫黄化合物は、ベンゾチオフェン類又はジベンゾチ
オフェン類がその脱硫性能において支配的であることを
解明した。そこで、石油系炭化水素中の硫黄化合物、す
なわち、メルカプタン、チオフェン、スルフィド、ジス
ルフィド、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン類等
のうち、脱硫されにくいベンゾチオフェン、ジベンゾチ
オフェン類を効果的に除去するには、ベンゾチオフェン
類、ジベンゾチオフェン類の硫黄と強く反応する物質と
石油系炭化水素を接触させ、硫黄を含む反応生成物を吸
着除去すればよいことに着目した。本発明者らは、この
着目に基づき、ベンゾチオフェン類、ジベンゾチオフェ
ン類の硫黄と強く反応する物質を含む脱硫剤を開発すべ
く、鋭意研究を重ねた結果、担体、特に多孔質担体に周
期律表第17族元素を担持してなるものは、ベンゾチオ
フェン類、ジベンゾチオフェン類と反応して硫黄を選択
的に吸着除去することができ、石油系炭化水素用の脱硫
剤として、前記第1の目的に適合し得ることを見出し
た。また、上記脱硫剤を用い、石油系炭化水素を脱硫処
理し、さらに場合により第二の脱硫剤に接触させること
により、前記第2の目的を達成し得ることを見出した。
【0006】さらに、上記脱硫方法において、第二の脱
硫剤と接触させた後の石油系炭化水素を、水蒸気改質触
媒と接触させることにより、前記第3の目的を達成し得
ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完
成したものである。すなわち、本発明は、(1)担体に
周期律表第17族元素の中から選ばれる少なくとも一種
を担持してなる石油系炭化水素用脱硫剤、(2)上記脱
硫剤を用いることを特徴とする石油系炭化水素の脱硫方
法、(3)上記(2)の方法により石油系炭化水素を脱
硫処理したのち、第二の脱硫剤と接触させることを特徴
とする石油系炭化水素の脱硫方法、及び(4)上記
(3)の方法により石油系炭化水素を脱硫処理したの
ち、水蒸気改質触媒と接触させることを特徴とする燃料
電池用水素の製造方法、を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】まず、本発明の脱硫剤について説
明する。本発明の脱硫剤は、担体に周期律表第17族元
素の中から選ばれる少なくとも一種を担持させたもので
あって、周期律表第17族元素としては特に臭素が好ま
しい。この臭素は硫黄と反応してベンゾチオフェン類、
ジベンゾチオフェン類よりも吸着能力が高い臭化硫黄に
変化する。本発明においては、該周期律表第17族元素
の性状としては水素化物が好適である。また、該第17
族元素を担体に担持させる方法としては、その水素化物
を直接ガス吸着させるか、あるいは該水素化物の水溶液
を含浸させる方法が好ましく用いられる。第17族元素
として臭素を用いた場合、反応で生成した臭化硫黄は多
孔質体に容易に吸着され、石油系炭化水素中の硫黄分濃
度を低減させることができる。
【0008】担体への周期律表第17族元素の担持量
は、脱硫剤全量に基づき、0.1〜20重量%の範囲が
好ましい。この量が0.1重量%未満では脱硫性能が充
分に発揮されないおそれがあり、一方20重量%を超え
ると該第17族元素が炭化水素中に溶出することがあ
り、好ましくない。このような理由から、より好ましい
担持量は0.1〜10重量%の範囲である。本発明にお
いては、担体としては多孔質のものが好ましい。このよ
うな多孔質担体としては、多孔質無機酸化物、例えばシ
リカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、チタ
ニア、ジルコニア、マグネシア、酸化亜鉛、白土、粘
土、珪藻土などを好ましく挙げることができ、また活性
炭も使用することができる。これらの多孔質担体は単独
で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい
がこれらの中では、特に活性炭が好適である。また、脱
硫剤の形状としては特に制限はなく、例えば粉砕状、ペ
レット状、錠剤状、ハニカム状、あるいは脱硫剤粉末を
他のハニカム状基材にコーティングした状態などを挙げ
ることができる。本発明の脱硫剤が適用される石油系炭
化水素としては、例えばLPG、ガソリン、ナフサ、灯
油、軽油などが挙げられるが、これらの中で灯油が好ま
しい。灯油以下の沸点を有する石油系炭化水素にあって
は、硫黄分含有量が80重量ppm以下のJIS1号灯
油に適用するのが好ましい。
【0009】次に、本発明の脱硫方法について説明す
る。本発明の脱硫方法には、(1)前述の本発明の脱硫
剤を用いて、石油系炭化水素を脱硫処理する方法(以
下、本発明の脱硫方法Iと称す。)、及び(2)上記脱
硫方法Iにより石油系炭化水素を脱硫処理したのち、第
二の脱硫剤と接触させる方法(以下、本発明の脱硫方法
IIと称す。)の2つの態様がある。本発明の脱硫方法I
においては、脱硫様式として、脱硫剤に石油系炭化水素
を流通させる方法、脱硫剤を内部に固定したタンクなど
の容器に石油系炭化水素を入れ、静置又は撹拌する方法
などを好ましく挙げることができる。また、この場合、
該脱硫剤と石油系炭化水素を接触させる温度は、−40
〜100℃の範囲が好ましい。この温度が−40℃以下
では該炭化水素の流動性が低下するので好ましくない
し、100℃を超えると脱硫剤の吸着性能が低下するの
で好ましくない。なお、この際、圧力は通常、常圧〜1
MPaである。
【0010】本発明の脱硫方法IIにおいては、前述の本
発明の脱硫剤を予備脱硫剤として用い、石油系炭化水素
を前記のようにして脱硫処理したのち、第二の脱硫剤と
接触させることにより、該炭化水素の吸着脱硫を効率的
に行うことができる。これは、本発明の脱硫剤を予備脱
硫剤として用いることにより、難脱硫性硫黄化合物が選
択的に吸着除去されるからである。上記第二の脱硫剤と
しては特に制限はなく、別の吸着脱硫剤を用いてもよい
し、Co−Mo/アルミナ、NI−Mo/アルミナなど
の水素化脱硫触媒を用いてもよい。前者の別の吸着脱硫
剤としては、例えばCr,Mn,Fe,Co,Ni,C
u,Zn,Pd,Ir及びPtの中から選ばれる少なく
とも一種を、多孔質担体に担持したものが好ましい。特
にニッケルを多孔質担体に担持したものが好適である。
これらの金属成分の担持量は、脱硫性能などの点から、
脱硫剤全量に基づき40〜80重量%であることが好ま
しい。これらの吸着脱硫剤は、予め水素還元することに
より、脱硫性能を向上させることができる。また、第二
の脱硫剤として、後者の水素化脱硫触媒を用いる場合に
は、石油系炭化水素を該水素化脱硫触媒と接触させる際
に、少量の水素を添加してもよい。
【0011】この第二の脱硫剤による脱硫方法として
は、本発明の脱硫剤により脱硫処理された石油系炭化水
素を、直接第二の脱硫剤と接触させるのが好ましい。ま
た、別の場所で予め、石油系炭化水素を本発明の脱硫剤
により脱硫処理しておき、反応時に第二の脱硫剤と接触
させてもよい。石油系炭化水素を第二の脱硫剤に接触さ
せる際の反応条件としては、使用する第二の脱硫剤の種
類に応じて適宜選定することができる。例えば第二の脱
硫剤として、ニッケル系吸着脱硫剤を、石油系炭化水素
として灯油を用いた場合、接触温度は、通常130〜2
30℃の範囲であり、また圧力は、通常常圧〜1MPa
・G程度である。このような本発明の脱硫方法IIにおい
ては、脱硫条件を適当に選択することにより、石油系炭
化水素中の硫黄分を、0.2重量ppm以下にすること
が可能である。
【0012】次に、本発明の燃料電池用水素の製造方法
について説明する。この方法においては、前記本発明の
脱硫方法IIにおいて脱硫処理された石油系炭化水素を、
水蒸気改質触媒と接触させることにより、燃料電池用の
水素を製造する。本発明の方法において用いられる水蒸
気改質触媒としては特に制限はなく、従来炭化水素の水
蒸気改質触媒として知られている公知のものの中から、
任意のものを適宜選択して用いることができる。このよ
うな水蒸気改質触媒としては、例えば適当な担体に、ニ
ッケルやジルコニウム、あるいはルテニウム、ロジウ
ム、白金などの貴金属を担持したものを挙げることがで
きる。上記担持金属は一種担持させてもよく、二種以上
を組み合わせて担持させてもよい。これらの触媒の中
で、ルテニウムを担持させたもの(以下、ルテニウム系
触媒と称す。)が好ましく、水蒸気改質反応中の炭素析
出を抑制する効果が大きい。
【0013】このルテニウム系触媒の場合、ルテニウム
の担持量は、担体基準で0.05〜20重量%の範囲が
好ましく、より好ましくは0.05〜15重量%、特に
好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。このルテニ
ウムを担持する場合、所望により、他の金属と組み合わ
せて担持することができる。該他の金属としては、例え
ばジルコニウム、コバルト、マグネシウムなどが挙げら
れる。一方、担体としては、無機酸化物が好ましく、具
体的にはアルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア及
びこれらの混合物などが挙げられる。これらの中で、特
にアルミナ及びジルコニアが好適である。水蒸気改質処
理における反応条件としては、水蒸気と石油系炭化水素
に由来する炭素との比S/C(モル比)は、通常2〜
5、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3の範囲で
選定される。S/Cモル比が2未満では水素の生成量が
低下するおそれがあり、また5を超えると過剰の水蒸気
を必要とし、熱ロスが大きく、水素製造の効率が低下す
るので好ましくない。
【0014】また、水蒸気改質触媒層の入口温度を63
0℃以下、さらには600℃以下に保って水蒸気改質を
行うのが好ましい。入口温度が630℃を超えると炭化
水素の熱分解が促進され、触媒あるいは反応管壁に炭素
が析出して、運転が困難になる場合がある。なお、触媒
層出口温度は特に制限はないが、650〜800℃の範
囲が好ましい。触媒層出口温度が650℃未満では水素
の生成量が充分ではないおそれがあり、800℃を超え
ると反応装置は耐熱材料を必要とする場合があり、経済
的に好ましくない。反応圧力は、通常常圧〜3MPa、
好ましくは常圧〜1MPaの範囲であり、また、LHS
Vは、通常0.1〜100h-1、好ましくは0.2〜5
0h-1の範囲である。このようにして、燃料電池用水素
を効率よく製造することができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。なお、脱硫試験に用いた灯油は、
硫黄分65重量ppmのJIS1号灯油である。 実施例1 (1)脱硫剤の調製 0.1モル/リットル濃度の臭化水素水溶液50ミリリ
ットルと市販の活性炭(比表面積1000m2 /g、細
孔容積0.98ミリリットル/g)100gを混合し、
室温で1時間撹拌したのち、70℃で乾燥して、臭素担
持活性炭からなる脱硫剤を調製した。この脱硫剤におけ
る臭素担持量は1重量%であった。 (2)脱硫試験 上記(1)で得た脱硫剤50gとJIS1号灯油200
ミリリットルを、容量500ミリリットルのガラス容器
に収容し、室温で24時間撹拌したのち、灯油分を分離
回収した。回収した灯油中の硫黄分濃度は10重量pp
mであった。
【0016】実施例2 (1)脱硫剤の調製 実施例1(1)において、活性炭の代わりにY型ゼオラ
イト(Si/Alモル比34)を用いた以外は、実施例
1(1)と同様にして、臭素担持Y型ゼオライトからな
る脱硫剤を調製した。この脱硫剤における臭素担持量
は、0.5重量%であった。 (2)脱硫試験 上記(1)で得た脱硫剤を用い、実施例1(2)と同様
にして脱硫試験を実施したところ、回収後の灯油中の硫
黄分濃度は15重量ppmであった。 比較例1 (1)脱硫剤の調製 実施例1(1)において、臭化水素水溶液を用いなかっ
たこと以外は、実施例1(1)と同様にして、無担持活
性炭からなる脱硫剤を調製した。 (2)脱硫試験 上記(1)で得た脱硫剤を用い、実施例1(2)と同様
にして脱硫試験を実施したところ、回収後の灯油中の硫
黄分濃度は50重量ppmであった。
【0017】比較例2 (1)脱硫剤の調製 実施例2(1)において、臭化水素水溶液を用いなかっ
たこと以外は、実施例2(1)と同様にして、無担持Y
型ゼオライトからなる脱硫剤を調製した。 (2)脱硫試験 上記(1)で得た脱硫剤を用い、実施例2(2)と同様
にして脱硫試験を実施したところ、回収後の灯油中の硫
黄分濃度は53重量ppmであった。 実施例3 (1)予備脱硫処理 実施例1で調製した脱硫剤500gとJIS1号灯油2
リットルを、容量5リットルの容器に収容し、室温で2
4時間撹拌して、予備脱硫処理したのち、灯油分を分離
回収した。予備脱硫処理灯油中の硫黄分濃度は10重量
ppmであった。 (2)ニッケル担持珪藻土脱硫剤による脱硫処理 第二の脱硫剤として、ニッケル担持珪藻土(Ni担持
量:金属ニッケルとして54.3重量%)15ミリリッ
トルを400℃で焼成したのち、内径17mmのステン
レス鋼製反応管に充填した。次いで、常圧下水素気流中
にて120℃に昇温し、1時間保持したのち、さらに昇
温して、380℃で1時間保持し、ニッケル担持珪藻土
脱硫剤を活性化した。その後、150℃に保持した。次
に、上記予備脱硫処理灯油を常圧下、液時空間速度(L
HSV)5h-1にて反応管に流通させ、5時間経過後の
処理灯油中の硫黄分濃度を分析した。その結果、硫黄分
濃度は0.4重量ppmであった。
【0018】実施例4 実施例2において、液時空間速度(LHSV)を2h-1
としたこと以外は同様にして、反応管を通過させ、更に
下流において、ルテニウム系改質触媒(Ru担持量:
0.5重量%)15ccを充填した改質器により水蒸気
改質処理を行った。改質条件は、圧力:常圧、水蒸気/
炭素(S/C)モル比2.5、LHSV2h-1、入り口
温度500℃、出口温度750℃であった。この結果、
750時間経過後の改質器出口での転化率は100%で
あった。また、この期間中の脱硫処理灯油の硫黄分は
0.2重量ppm以下であった。 比較例3 実施例3において(1)を行うことなく(2)におい
て、予備脱硫処理灯油の代わりに新しいJIS1号灯油
を用いた以外は、実施例3(2)と同様にして実施し
た。その結果、処理灯油中の硫黄分濃度は2.3重量p
pmであった。
【0019】比較例4 実施例3において(1)を行うことなく(2)におい
て、予備脱硫処理灯油の代わりに、JIS1号灯油を硫
黄を含まないデカンで希釈して、硫黄分濃度を10重量
ppmにしたものを用いた以外は、実施例3(2)と同
様にして実施した。その結果、処理液中の硫黄分濃度は
1.7重量ppmであった。以上、実施例3及び比較例
3,4から、本発明の脱硫剤により、灯油中の硫黄化合
物の一部が吸着除去された結果、第二の脱硫剤と接触し
た灯油の硫黄分濃度が低減していることが分かる。 比較例5 比較例4と同様の方法により調製した硫黄分10重量p
pmの灯油を用いた以外は、実施例4と同様にして水蒸
気改質処理を行った。この結果、520時間経過後に転
化率が100%を下回った。その時の脱硫処理灯油の硫
黄分は4ppmであった。
【0020】
【発明の効果】本発明の脱硫剤は、担体に周期律表第1
7族元素を担持してなるものであって、石油系炭化水
素、特に灯油中の硫黄分を効果的に除去し得ると共に、
寿命が長い。また、本発明の脱硫方法によれば、石油系
炭化水素中の硫黄分を低濃度まで効率よく除去し、下流
設備である水蒸気改質部分での改質触媒の性能を長時間
にわたり維持させることができる。また、この脱硫方法
で処理された石油系炭化水素を水蒸気改質処理すること
により、燃料電池用水素を効率よく製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/06 B01J 20/06 B 5H027 23/46 301 23/46 301M C10G 29/02 C10G 29/02 53/08 53/08 H01M 8/06 H01M 8/06 G Fターム(参考) 4D017 AA04 BA11 CA02 CA06 CB01 DA07 4G040 EA03 EA06 EB01 EC03 4G066 AA05C AA16C AA20C AA22C AA23C AA25B AA26B AA27B AA28B AA32B AA61C AA63C AA70C AD13B BA22 BA36 CA22 DA09 FA03 FA12 FA15 FA34 FA37 4G069 AA03 BC70A BC70B CC17 DA06 EA02Y 4H029 DA06 5H027 AA02 BA01 BA16 KK01 KK42

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体に、周期律表第17族元素の中から
    選ばれる少なくとも一種を担持してなる石油系炭化水素
    用脱硫剤。
  2. 【請求項2】 石油系炭化水素が灯油である請求項1記
    載の石油系炭化水素用脱硫剤。
  3. 【請求項3】 担体が多孔質である請求項1又は2記載
    の石油系炭化水素用脱硫剤。
  4. 【請求項4】 担体がシリカ、アルミナ、シリカ−アル
    ミナ、ゼオライト、チタニア、ジルコニア、マグネシ
    ア、酸化亜鉛、白土、粘土、珪藻土及び活性炭の中から
    選ばれる少なくとも一種からなるものである請求項1〜
    3のいずれかに記載の石油系炭化水素用脱硫剤。
  5. 【請求項5】 周期律表第17族元素が臭素である請求
    項1〜4のいずれかに記載の石油系炭化水素用脱硫剤。
  6. 【請求項6】 担体に、周期律表第17族元素の中から
    選ばれる少なくとも一種を、脱硫剤全量に基づき、0.
    1〜20重量%担持させてなる請求項1〜5のいずれか
    に記載の石油系炭化水素用脱硫剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の脱硫剤
    を用いることを特徴とする石油系炭化水素の脱硫方法。
  8. 【請求項8】 −40〜100℃の温度において、石油
    系炭化水素を脱硫剤と接触させる請求項7記載の石油系
    炭化水素の脱硫方法。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の方法により石油系
    炭化水素を脱硫処理したのち、第二の脱硫剤と接触させ
    ることを特徴とする石油系炭化水素の脱硫方法。
  10. 【請求項10】 第二の脱硫剤がCr,Mn,Fe,C
    o,Ni,Cu,Zn,Pd,Ir及びPtの中から選
    ばれる少なくとも一種の金属を含むものである請求項9
    記載の石油系炭化水素の脱硫方法。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10記載の方法により石
    油系炭化水素を脱硫処理したのち、水蒸気改質触媒と接
    触させることを特徴とする燃料電池用水素の製造方法。
  12. 【請求項12】 水蒸気改質触媒がルテニウム系触媒で
    ある請求項11記載の燃料電池用水素の製造方法。
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