JP4079743B2 - 炭化水素含有ガス用脱硫剤及び燃料電池用水素の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスの脱硫方法及び燃料電池用水素の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、予め還元処理を施すことなく、燃料電池用燃料などとして用いられる硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスの脱硫処理に使用し得る脱硫剤を用いた脱硫方法、該脱硫方法て脱硫処理された炭化水素含有ガスを改質して、燃料電池用水素を効率よく、かつ経済的に有利に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目されている。燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極的になされている。
この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型などのタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とするジメチルエーテルなどの合成液体燃料、さらには石油系のLPG、ナフサ、灯油などの石油系炭化水素の使用が研究されている。
これらのガス状又は液状炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般に、該炭化水素を改質触媒の存在下に部分酸化改質、オートサーマル改質又は水蒸気改質などで処理する方法が用いられている。
LPGや都市ガスなどを改質して燃料電池用水素を製造する場合、改質触媒の被毒を抑制するためには、ガス中の硫黄分を0.1ppm以下に低減させることが要求される。また、プロピレンやブテンなどは、石油化学製品の原料として使用する場合、やはり触媒の被毒を防ぐためには、硫黄分を0.1ppm以下に低減させることが要求される。
前記LPG中には、硫黄化合物として、一般にメチルメルカプタンや硫化カルボニル(COS)などに加えて、付臭剤として添加されたジメチルサルファイド(DMS)、t−ブチルメルカプタン(TBM)、メチルエチルサルファイド(MES)などが含まれている。このようなLPGなどの燃料ガス中の硫黄分を吸着除去するための各種吸着剤、例えばゼオライト系や遷移金属系の吸着剤などが知られている。
【0003】
しかしながら、ゼオライト系吸着剤は、吸着容量が不十分であるし、一方遷移金属系吸着剤においては、脱硫性能を発揮させるには、前処理として還元処理が必要であり、また、還元処理後に空気が混入した場合には、脱硫性能が低下するなどの問題があり、必ずしも十分に満足し得るものではなかった。
一方、疎水性ゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co、Niなどをイオン交換により担持させた脱硫剤(例えば特許文献1参照)や、Y型ゼオライト、β型ゼオライト又はX型ゼオライトにAg又はCuを担持した脱硫剤(例えば、特許文献2参照)が開示されている。しかしながら、これらの脱硫剤は、メルカプタン類やサルファイド類を室温において効率的に吸着除去し得るものの、硫化カルボニルをほとんど吸着しないことがわかった。
また、銅−亜鉛系脱硫剤が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この脱硫剤においては、150℃以上の温度ではCOSを含む各種硫黄化合物を吸着除去できるが、100℃以下の低い温度では、硫黄化合物に対する吸着性能が低い。さらに、アルミナなどの多孔質担体に銅を担持した脱硫剤が開示されている(例えば、特許文献4参照)。この脱硫剤は100℃以下の温度でも使用できるとしているが、その吸着性能については十分に満足し得るものではない。また、銅−亜鉛−酸化アルミニウム系の脱硫剤が開示されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、この脱硫剤においては、前処理として水素による還元処理が必要となる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−286753号公報
【特許文献2】
特開2001−305123号公報
【特許文献3】
特開平2−302496号公報(第2頁)
【特許文献4】
特開2001−123188号公報(第3頁)
【特許文献5】
特開平11−139803号公報
【0005】
本発明は、このような状況下で、予め還元処理を施すことなく、硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスの脱硫処理に使用することができる脱硫剤を用い、かつ該炭化水素含有ガス中の硫化カルボニルを含有する硫黄分を、室温においても低濃度まで効率よく除去し得る硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスの脱硫方法及び上記脱硫方法を用いて脱硫処理した炭化水素含有ガスを改質して、燃料電池用水素を効率よく、経済的に有利に製造する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、担体に、酸化ニッケル、又は酸化ニッケルと酸化銅を担持してなる脱硫剤が、炭化水素含有ガス用脱硫剤として、その目的に適合し得ること、そして、この脱硫剤を用いて脱硫処理した炭化水素含有ガスに、部分酸化改質、オートサーマル改質、水蒸気改質などの改質処理を施すことにより、効率よく、経済的に有利に燃料電池用水素が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)担体(表面積が600m 2 /g以上の活性炭を少なくとも50質量%以上含む担体を除く)上に酸化ニッケル、又は酸化ニッケルと酸化銅を、脱硫剤全量に基づき酸化ニッケル含有量が40〜85質量%となるように担持してなる脱硫剤を、これに予め還元処理を施すことなく、硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスの脱硫処理に使用することを特徴とする硫化カルボニル含有炭化水素含有ガスの脱硫方法。
(2)脱硫剤全量に基づき、酸化ニッケル含有量が40〜85質量%、酸化銅含有量が0〜85質量%及び酸化ニッケルと酸化銅の合計含有量が60〜90質量%である脱硫剤を用いる上記(1)に記載の脱硫方法、
(3)担体が、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、珪藻土、白土及び粘土の中から選ばれる少なくとも一種の無機多孔質担体である上記(1)又は(2)に記載の脱硫方法、
(4)硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスが、LPG、天然ガス、都市ガス又はジメチルエーテルである上記(1)、(2)又は(3)に記載の脱硫方法、
(5)−20〜100℃の温度で行う上記(1)〜(4)のいずれかに記載の脱硫方法、
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の脱硫方法で、硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスを脱硫処理したのち、改質することを特徴とする燃料電池用水素の製造方法、
(7)改質が、部分酸化改質、オートサーマル改質又は水蒸気改質である上記(6)に記載の燃料電池用水素の製造方法、
(8)部分酸化改質触媒、オートサーマル改質触媒又は水蒸気改質触媒が、ルテニウム系又はニッケル系触媒である上記(7)に記載の燃料電池用水素の製造方法、
及び
(9)触媒に用いられる担体が、酸化マンガン、酸化セリウム及びジルコニアの中から選ばれる少なくとも一種を含むものである上記(8)に記載の燃料電池用水素の製造方法、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスの脱硫方法は、担体(表面積が600m 2 /g以上の活性炭を少なくとも50質量%以上含む担体を除く)上に酸化ニッケル、又は酸化ニッケルと酸化銅を担持してなり、かつ予め還元処理が施されていない炭化水素含有ガス用脱硫剤を、該硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスの脱硫処理に用いるものである。
当該脱硫剤における担体としては、無機多孔質担体が好ましく、例えばシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、珪藻土、白土及び粘土などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、特にシリカ−アルミナが好適である。
【0009】
これらの担体上に担持される酸化ニッケルの担持量は、脱硫剤全量に基づき、40〜85質量%の範囲である。この量が40質量%未満では十分な脱硫性能が発揮されないおそれがあり、一方90質量%を超えると担体の割合が少なくなって、脱硫剤の機械的強度や脱硫性能が低下する原因となる。また、酸化銅の担持量は、脱硫剤全量に基づき、0〜85質量%の範囲が好ましい。この量が85質量%を超えると脱硫剤の機械的強度や脱硫性能が低下する場合がある。該酸化銅のより好ましい担持量は、0〜80質量%の範囲である。また、酸化ニッケルと酸化銅の合計担持量は、脱硫性能及び機械的強度のバランスなどの点から、脱硫剤全量に基づき、60〜90質量%の範囲が好ましく、特に65〜85質量%の範囲が好ましい。
【0010】
該担体に酸化ニッケル、又は酸化ニッケルと酸化銅を担持させる方法については特に制限はなく、含浸法、共沈法、混練法などの公知の任意の方法を採用することができる。本発明の好ましい脱硫剤である、シリカ−アルミナ担体上に酸化ニッケル、又は酸化ニッケルと酸化銅を担持させてなる脱硫剤は、例えば以下に示すような共沈法によって製造することができる。
この共沈法においては、まずニッケル源及びアルミニウム源、必要に応じ銅源を含む酸性水溶液又は酸性水性分散液と、ケイ素源及び無機塩基を含む塩基性水溶液を調製する。前者の酸性水溶液又は酸性水分散液に用いられるニッケル源としては、例えば塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル及びこれらの水和物などが挙げられる。また銅源としては、例えば塩化銅、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅及びこれらの水和物が挙げられる。更にアルミニウム源としては、硝酸アルミニウム、擬ベーマイト、ベーマイトアルミナ、バイヤライト、ジブサイトなどのアルミナ水和物や、γ−アルミナなどが挙げられる。
【0011】
一方、塩基性水溶液に用いられるケイ素源としては、アルカリ水溶液に可溶であって、焼成によりシリカになるものであればよく、特に制限されず、例えばオルトケイ酸、メタケイ酸及びそれらのナトリウム塩やカリウム塩、水ガラスなどが挙げられる。また、無機塩基としては、アルカリ金属の炭酸塩や水酸化物などが挙げられる。
次に、このようにして調製した酸性の水溶液又は水分散液と塩基性水溶液を、それぞれ50〜90℃程度に加温して、両者を混合し、さらに50〜90℃程度の温度に保持して反応を完結させる。
次に、生成した固形物を充分に洗浄したのち固液分離するか、あるいは生成した固形物を固液分離したのち充分に洗浄し、次いで、この固形物を公知の方法により80〜150℃程度の温度で乾燥処理する。このようにして得られた乾燥処理物を、好ましくは200〜400℃の範囲の温度において焼成することにより、シリカ−アルミナ担体上に酸化ニッケル、又は酸化ニッケルと酸化銅が担持された脱硫剤が得られる。
【0012】
本発明の脱硫方法は、上記脱硫剤を、予め還元処理を施すことなく用いて硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスの脱硫処理を行うものである。上記硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスとしては、例えばLPG、天然ガス、ジメチルエーテル、都市ガス、あるいはエタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタンなどの中から選ばれる少なくとも一種を含むガスなどが挙げられるが、これらの中で市場での流通の面でLPG、天然ガス、都市ガス又はジメチルエーテルの脱硫処理に、本発明の脱硫剤を用いるのが好ましい。
本発明の脱硫方法で用いられる脱硫剤が適用される硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガス中の硫黄化合物の濃度としては、0.001〜10,000容量ppmが好ましく、特に0.1〜100容量ppmが好ましい。また、脱硫条件としては、通常温度は−20〜100℃、好ましくは−10〜80℃の範囲で選ばれ、GHSV(ガス時空間速度)は100〜100,000h-1の範囲で選ばれる。
【0013】
本発明の脱硫方法に用いる脱硫剤は、以下に示す効果を奏する。
(1)硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガス中の硫黄分を、室温においても低濃度まで効率よく除去することができる。
(2)予め還元処理を施すことなく、硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスの脱硫処理に使用し得るので、脱硫コストの低減を図ることができる。
(3)燃料電池システムに組み込んだ場合、脱硫剤を交換するたびに、還元処理を施す必要がなく、例えば予め別の場所で還元処理を行った脱硫剤を交換する際にも、空気の流入を気にすることがないため、利便性が高い。また、仮に停止時に空気が混入しても、還元処理した遷移金属系脱硫剤のような、急激な発熱や酸化による脱硫剤の劣化のおそれがない。
【0014】
次に、本発明の燃料電池用水素の製造方法においては、前述の本発明の脱硫方法を用いて、硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガス中の硫黄化合物を脱硫処理したのち、脱硫処理炭化水素含有ガスを改質することにより、水素を製造する。
この際、改質方法として、部分酸化改質、オートサーマル改質、水蒸気改質などの方法を用いることができる。この改質方法においては、脱硫処理炭化水素含有ガス中の硫黄化合物の濃度は、各改質触媒の寿命の点から、0.1容量ppm以下が好ましく、特に0.05容量ppm以下が好ましい。
前記部分酸化改質は、炭化水素の部分酸化反応により、水素を製造する方法であって、部分酸化改質触媒の存在下、通常、反応圧力常圧〜5MPa、反応温度400〜1100℃、GHSV1000〜100,000h-1、酸素(O2)/炭素比0.2〜0.8の条件で改質反応が行われる。
【0015】
また、オートサーマル改質は、部分酸化改質と水蒸気改質とを組み合わせた方法であって、オートサーマル改質触媒の存在下、通常、反応圧力常圧〜5MPa、反応温度400〜1100℃、酸素(O2)/炭素比0.1〜1、スチーム/炭素比0.1〜10、GHSV1000〜100,000h−1の条件で改質反応が行われる。
さらに、水蒸気改質は、炭化水素に水蒸気を接触させて、水素を製造する方法であって、水蒸気改質触媒の存在下、通常、反応圧力常圧〜3MPa、反応温度200〜900℃、スチーム/炭素比1.5〜10、GHSV1000〜100,000h−1の条件で改質反応が行われる。
【0016】
本発明においては、前記の部分酸化改質触媒、オートサーマル改質触媒、水蒸気改質触媒としては、従来公知の各触媒の中から適宜選択して用いることができるが、特にルテニウム系及びニッケル系触媒が好適である。また、これらの触媒の担体としては、酸化マンガン、酸化セリウム及びジルコニアの中から選ばれる少なくとも一種を含む担体を好ましく挙げることができる。該担体は、これらの金属酸化物のみからなる担体であってもよく、アルミナなどの他の耐火性多孔質無機酸化物に、上記金属酸化物を含有させてなる担体であってもよい。
【0017】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
硫酸ニッケル・6水和物[和光純薬(株)製、特級]360.1g及び硫酸銅・5水和物[和光純薬(株)製、特級]85.2gを80℃に加温したイオン交換水4Lに溶解し、これに擬ベーマイト[触媒化成工業(株)製、「C−AP」、Al2O3として67質量%]7.2gを混合した(調製液A)。
一方、80℃に加温したイオン交換水4Lに炭酸ナトリウム300.0gを溶解し、これに水ガラス[日本化学工業(株)製、「J−1号」、Si濃度29質量%]93.6gを加えた(調製液B)。
次に、前記調製液Aと調製液Bをそれぞれ温度80℃に保ちながら混合し、1時間攪拌したのち、イオン交換水60Lを用いて沈殿ケーキを洗浄、ろ取し、送風乾燥機にて120℃で12時間乾燥した。その後、350℃で3時間焼成処理して、CuO16質量%、NiO64質量%及びSiO2・Al2O320質量%を含む脱硫剤A[CuO(16)NiO(64)/SiAl(20)と示す。]を得た。
【0018】
実施例2
実施例1において、硫酸ニッケル・6水和物427.6g及び硫酸銅・5水和物21.3gを用いた以外は、実施例1と同様にして、CuO4質量%、NiO76質量%及びSiO2・Al2O320質量%を含む脱硫剤B[CuO(4)NiO(76)/SiAl(20)と示す。]を得た。
実施例3
実施例1において、硫酸ニッケル・6水和物225.1g及び硫酸銅・5水和物213.0gを用いた以外は、実施例1と同様にして、CuO40質量%、NiO40質量%及びSiO2・Al2O320質量%を含む脱硫剤C[CuO(40)NiO(40)/SiAl(20)と示す。]を得た。
【0019】
実施例4
実施例1において、硫酸ニッケル・6水和物444.5g及び硫酸銅・5水和物5.3gを用いた以外は、実施例1と同様にして、CuO1質量%、NiO79質量%及びSiO2・Al2O320質量%を含む脱硫剤D[CuO(1)NiO(79)/SiAl(20)と示す。]を得た。
実施例5
実施例1において、硫酸ニッケル・6水和物450.1gを用い、かつ硫酸銅・5水和物を用いることなしに、実施例1と同様にして、NiO80質量%及びSiO2・Al2O320質量%を含む脱硫剤E[NiO(80)/SiAl(20)と示す。]を得た。
【0020】
比較例1
硫酸銅・5水和物[和光純薬(株)製、特級]426.0gを80℃に加温したイオン交換水4Lに溶解し、これに擬ベーマイト[触媒化成工業(株)製、「C−AP」、Al2O3として67質量%]7.2gを混合した(調製液A)。
一方、80℃に加温したイオン交換水4Lに炭酸ナトリウム300.0gを溶解し、これに水ガラス[日本化学工業(株)製、「J−1号」、Si濃度29質量%]93.6gを加えた(調製液B)。
次に、前記調製液Aと調製液Bをそれぞれ温度80℃に保ちながら混合し、1時間攪拌したのち、イオン交換水60Lを用いて沈殿ケーキを洗浄、ろ取し、送風乾燥機にて120℃で12時間乾燥した。その後、350℃で3時間焼成処理して、CuO80質量%、及びSiO2・Al2O320質量%を含む脱硫剤F[CuO(80)/SiAl(20)と示す。]を得た。
【0021】
比較例2
ズードケミー触媒社製の脱硫剤「G132B」[CuO32質量%及びZnO68質量%を含む。CuO(32)/ZnO(68)と示す。]を比較例2の触媒として用いた。
比較例3
ズードケミー触媒社製の脱硫剤「T2552」[Ag5質量%及びAl2O395質量%を含む。Ag(5)/Al2O3(95)と示す。]を比較例3の触媒として用いた。
【0022】
比較例4
脱硫剤Aを反応管に1.0cm3充填し、100%水素ガスを100cm3/minで流通させ、300℃で3時間還元処理したのち、反応管上下部に設置したバルブを開放し、空気が反応管内に入るようにして、3時間放置したものを、比較例4の触媒として用いた。
試験例1
実施例1〜5及び比較例1〜4の各脱硫剤を0.5〜1mmに成型し、脱硫剤1cm3を内径9mmの脱硫管に充填した。脱硫剤温度を20℃とし、COS、ジメチルサルファイド(DMS)、t−ブチルメルカブタン(TBM)及びジメチルジサルファイド(DMDS)を各10volppm(合計40volppm)含むプロパンガスを、常圧、GHSV(ガス時空間速度)30,000h−1の条件で流通させた。
脱硫管出口ガスの各硫黄化合物濃度をSCD(化学発光イオウ検出器:Sulfur Chemiluminescence Detector)ガスクロマトグラフィーにより、1時間毎に測定した。第1表に各硫黄化合物濃度が0.1volppmを超える時間を示した。
比較例5
脱硫剤Aを0.5〜1mmに成型し、脱硫剤1cm3を内径9mmの脱硫管に充填した後、比較例4と同様に300℃で3時間還元処理した。その後、還元処理した脱硫剤を空気に触れさせることなく試験例1と同様に試験した。結果を第1表に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
第1表から明らかなように、本発明の脱硫剤(実施例1〜5)は、未還元処理で高性能を示すことが分かる。
また、実施例1の脱硫剤を還元処理した後に空気に接触させることで、大幅な性能低下が見られた(比較例4)。
Claims (9)
- 担体(表面積が600m 2 /g以上の活性炭を少なくとも50質量%以上含む担体を除く)上に酸化ニッケル、又は酸化ニッケルと酸化銅を、脱硫剤全量に基づき酸化ニッケル含有量が40〜85質量%となるように担持してなる脱硫剤を、これに予め還元処理を施すことなく、硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスの脱硫処理に使用することを特徴とする硫化カルボニル含有炭化水素含有ガスの脱硫方法。
- 脱硫剤全量に基づき、酸化ニッケル含有量が40〜85質量%、酸化銅含有量が0〜85質量%及び酸化ニッケルと酸化銅の合計含有量が60〜90質量%である脱硫剤を用いる請求項1に記載の脱硫方法。
- 担体が、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、珪藻土、白土及び粘土の中から選ばれる少なくとも一種の無機多孔質担体である請求項1又は2に記載の脱硫方法。
- 硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスが、LPG、天然ガス、都市ガス又はジメチルエーテルである請求項1、2又は3に記載の脱硫方法。
- −20〜100℃の温度で行う請求項1〜4のいずれかに記載の脱硫方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の脱硫方法で、硫化カルボニルを含有する炭化水素含有ガスを脱硫処理したのち、改質することを特徴とする燃料電池用水素の製造方法。
- 改質が、部分酸化改質、オートサーマル改質又は水蒸気改質である請求項6に記載の燃料電池用水素の製造方法。
- 部分酸化改質触媒、オートサーマル改質触媒又は水蒸気改質触媒が、ルテニウム系又はニッケル系触媒である請求項7に記載の燃料電池用水素の製造方法。
- 触媒に用いられる担体が、酸化マンガン、酸化セリウム及びジルコニアの中から選ばれる少なくとも一種を含むものである請求項8記載の燃料電池用水素の製造方法。
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