JP2015101532A - 結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成長した結晶の品質を向上させること。
【解決手段】 本発明の結晶の製造方法は、種結晶3、溶液6、坩堝5および加熱装置11を準備する準備工程と、種結晶3の下面に結晶2を成長させる結晶第1成長工程と、結晶2を成長させた後、坩堝5の一部分の温度が坩堝5の他の部分の温度よりも大きくなるように坩堝5の一部分を加熱装置11で加熱することによって、溶液6内の温度勾配を大きくして溶液6内に粒状結晶7を形成する粒状結晶形成工程と、成長した結晶2の下面に粒状結晶7を付着させるとともにさらに結晶2を成長させて、結晶2内に位置した粒状結晶7の一部が結晶2の下面から突出するように結晶2を成長させる結晶第2成長工程と、粒状結晶7の一部が下面から突出した結晶2を溶液6から引き離す引き離し工程とを備える。これによって、成長した結晶2の品質を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化珪素の結晶の製造方法に関する。
現在、トランジスタ等のデバイスを形成する基板材料として、炭素と珪素との化合物である炭化珪素(Silicon Carbide:SiC)が注目されている。炭化珪素は、バンドギャ
ップがシリコンに比べて広く、絶縁破壊に至る電界強度が大きいこと等を理由に注目されている。炭化珪素の結晶は、炭素および珪素を含む溶液を用いて溶液成長法で製造される(例えば、特許文献1参照)。
特開2000―264790号公報
特許文献1に記載された発明では、成長した結晶を溶液から引き離す際に、溶液が結晶の下面に付着する。そして、付着した溶液が冷めて固化するときに溶液の固化に伴って生じる収縮によって、平面方向に成長した結晶に対して圧縮応力が加わり、成長した結晶の表面に亀裂または転位等が発生するおそれがあった。
本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法は、炭化珪素の種結晶、炭素および珪素を含む溶液、該溶液を保持する坩堝、および該坩堝を収容して前記坩堝を加熱する加熱装置を準備する準備工程と、前記種結晶の下面を前記溶液に接触させる接触工程と、前記坩堝を前記加熱装置で加熱するとともに前記種結晶を引き上げることによって、前記種結晶の下面に炭化珪素の結晶を成長させる結晶第1成長工程と、前記炭化珪素の結晶を成長させた後、前記坩堝の一部分の温度が前記坩堝の他の部分の温度よりも大きくなるように前記坩堝の一部分を前記加熱装置で加熱することによって、前記溶液内の温度勾配を大きくして前記溶液内に粒状結晶を形成する粒状結晶形成工程と、成長した前記炭化珪素の結晶の下面に前記粒状結晶を付着させるとともにさらに前記炭化珪素の結晶を成長させて、前記炭化珪素の結晶内に位置した前記粒状結晶の一部が前記炭化珪素の結晶の下面から突出するように前記炭化珪素の結晶を成長させる結晶第2成長工程と、前記粒状結晶の一部が下面から突出した前記炭化珪素の結晶を前記溶液から引き離す引き離し工程とを備える。
本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法によれば、成長した結晶の下面から粒状結晶の一部を突出させていることから、成長した炭化珪素の結晶を溶液から引き離す際に、成長した炭化珪素の結晶の下面に直接付着する溶液の量を低減することができる。したがって、付着した溶液の固化時に、成長した炭化珪素の結晶に加わる圧縮応力が低減するので、成長した炭化珪素の結晶の下面における亀裂または転位等を発生させることを抑えることができる。よって、成長した結晶の品質を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法に使用する結晶製造装置の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法で製造した結晶の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法で製造した結晶の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法の一工程を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法の一工程を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法の一工程を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法の一工程を説明する断面図である。
<結晶製造装置>
以下に、本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法に使用する結晶製造装置の一例について、図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は、本例の結晶製造装置の概略を示している。図2および図3は、本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法で製造した結晶の一例を示す断面図であり、結晶と粒状結晶との関係を例示している。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
結晶製造装置1は、半導体部品等に使用される炭化珪素の結晶を製造する装置であり、種結晶3の下面に結晶2を成長させて、結晶を製造する。結晶製造装置1は、図1に示すように、主に保持部材4および坩堝5を含んでいる。この保持部材4には種結晶3が固定されて保持され、坩堝5内には溶液6が溜められる。結晶製造装置1は、種結晶3の下面を溶液6に接触させて、種結晶3の下面に結晶2を成長させる。
結晶2は、製造された後に加工されてウェハーになり、半導体部品製造プロセスを経て半導体部品の一部となる。結晶2は、種結晶3の下面に成長した炭化珪素の結晶の塊であり、例えば円状または多角形状の断面形状を有する柱状に形成されている。結晶2は、炭化珪素の単結晶から成る。結晶2の下面には、図2および図3に示したように、種結晶3の下面から突出するように、粒状結晶7が配される。なお、結晶2の下面の面積は、例えば480mm以上18000mm以下に設定されている。また、結晶2の下面の面積は、例えばノギス等を使用して測定することができる。
粒状結晶7は、前記の通り、一部が結晶2の下面から突出するように結晶2内に配されて、結晶2の下端に付着する溶液6の量を低減するものである。粒状結晶7は、例えば図2に示すように、結晶2の下面全体に分布するように複数配される。また、粒状結晶7は、図3に示すように、結晶2の下面の縁部に配されてもよい。粒状結晶7は、炭化珪素の単結晶または多結晶から成る。
種結晶3は、結晶製造装置1で成長させる結晶2の種となる。種結晶3は、例えば円状または多角形状の平面形状を有する平板状である。種結晶3は、結晶2と同じ材料からなる結晶である。すなわち、本実施形態では、炭化珪素の結晶2を製造するため、炭化珪素の結晶からなる種結晶3を用いる。また、本実施形態では、種結晶3は単結晶からなる。
種結晶3は、保持部材4の下面に固定されている。種結晶3は、例えば炭素を含んだ接着材(図示せず)によって、保持部材4に固定されている。また、種結晶3は、保持部材4によって、上下方向に移動可能となっている。
保持部材4は、種結晶3を保持して、溶液6に対して種結晶3の搬入出を行なう。具体
的に、保持部材4は、種結晶3を溶液6に接触させたり、溶液6から結晶2を遠ざけたりする機能を有する。保持部材4は、図1に示すように、移動装置8の移動機構(図示せず)に固定されている。移動装置8は、移動装置8に固定されている保持部材4を例えばモータを利用して上下方向に移動させる移動機構を有している。その結果、移動装置8によって、保持部材4は上下方向に移動する。その結果、種結晶3は保持部材4の移動に伴って上下方向に移動する。
保持部材4は、例えば柱状に形成されている。保持部材4は、例えば炭素の多結晶体または炭素を焼成した焼成体等からなる。保持部材4は、上下方向に伸びた軸の周囲に回転可能な状態で移動装置8に固定されていてもよい。
溶液6は、坩堝5の内部に溜められて(保持されて)おり、結晶2の原料を種結晶3に供給して結晶2を成長させるものである。溶液6は、結晶2と同じ材料を含む。すなわち、結晶2は炭化珪素の結晶であるから、溶液6は炭素と珪素とを含む。本実施形態では、溶液6は、炭素(溶質)を珪素の液体(溶媒)に溶かして溶液6としている。なお、溶液6は、炭素の溶解度を向上させるために、例えばクロム等の金属材料を含んでいてもよい。
坩堝5は、溶液6を貯留するものである。また、坩堝5は、結晶2の原料を内部で融解させる器としての機能を担っている。坩堝5は、例えば黒鉛で形成されている。本実施形態では、坩堝5は、坩堝5の中で結晶2の原料のうち珪素を融解させて溶媒とし、珪素の溶媒に坩堝5の一部(炭素)が溶解することで、炭素と珪素とを含む溶液6となっている。坩堝5は、溶液6を貯留するために、例えば上面に開口を有する凹状に形成されている。
本実施形態では、炭化珪素の結晶2を成長させる方法として溶液成長法を用いている。溶液成長法では、溶液6を、種結晶3の下面において局所的に準安定状態(熱力学的に非平衡状態であるが、その状態で一時的に安定している状態)にすることによって、種結晶3の下面に結晶2として析出させている。すなわち、溶液6では、珪素(溶媒)に炭素(溶質)を溶解させており、炭素の溶解度は、溶媒の温度が高くなるほど大きくなる。ここで、加熱して高温になった溶液6が種結晶3への接触で冷えると、溶解した炭素が過飽和状態となって、溶液6が局所的に準安定状態となる。そして、溶液6が安定状態(熱力学的に平衡状態)に移行しようとして、種結晶3の下面に炭化珪素の結晶2として析出する。その結果、種結晶3の下面に結晶2が成長していく。
坩堝5は、坩堝容器9の内部に配されている。坩堝容器9は、坩堝5を保持する機能を担っている。この坩堝容器9と坩堝5との間には、保温材10が配されている。この保温材10は、坩堝5の周囲を囲んでいる。保温材10は、坩堝5からの放熱を抑制し、坩堝5の温度を安定して保つ。坩堝5は、回転可能な状態で坩堝容器9の内部に配されていてもよい。
坩堝5は、加熱装置11によって、熱が加えられる。本実施形態の加熱装置11は、コイル12および交流電源13を含んでおり、例えば電磁波を利用した電磁加熱方式によって坩堝5の加熱を行なう。なお、加熱装置11は、例えば、カーボン等の発熱抵抗体で生じた熱を伝熱する方式等の他の方式を採用することができる。この伝熱方式の加熱装置を採用する場合は、(坩堝5と保温材10との間に)発熱抵抗体が配されることになる。
コイル12は、導体によって形成され、坩堝5の周囲を囲んでいる。コイル12は、坩堝5を円筒状に囲むように、坩堝5の周囲に配されている。すなわち、コイル12を有する加熱装置11は、コイル12による円筒状の加熱領域を有している。交流電源13は、
コイル12に交流電流を流すためのものであり、交流電流の周波数が高いものを用いることによって、坩堝5内の設定温度までの加熱時間を短縮することができる。
本実施形態では、交流電源13および移動装置8が制御装置14に接続されて制御されている。つまり、結晶製造装置1は、制御装置14によって、溶液6の加熱および温度制御と、種結晶3の搬入出とが連動して制御されている。制御装置14は、中央演算処理装置およびメモリ等の記憶装置を含んでおり、例えば公知のコンピュータから成る。
<結晶の製造方法>
本発明の実施形態に係る結晶の製造方法について、図4から図7を参照しつつ説明する。結晶の製造方法は、準備工程、接触工程、結晶第1成長工程、粒状結晶形成工程、結晶第2成長工程および引き離し工程を有する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
図4は、本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法の一工程を説明する断面図であり、種結晶3を溶液6に接触させた様子を示している。図5は、本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法の一工程を説明する断面図であり、種結晶3の下面に結晶2が成長している様子を示している。図6は、本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法の一工程を説明する断面図であり、結晶2の下面から粒状結晶7が突出するように結晶2を成長させる様子を示している。図7は、本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法の一工程を説明する断面図であり、結晶2を溶液6から引き離している様子を示している。
(準備工程)
種結晶3を準備する。種結晶3としては、例えば昇華法等によって製造された炭化珪素の結晶の塊を平板状に加工したものを用いる。なお、平板状への加工は、例えば機械加工によって炭化珪素の塊を切断することによって行なう。
保持部材4を準備し、保持部材4の下面に種結晶3を固定する。具体的には、保持部材4を準備した後、保持部材4の下面に炭素を含有する接着材を塗布する。次いで、接着材を挟んで保持部材4の下面上に種結晶3を配して、保持部材4の下面に種結晶3を固定することができる。なお、本実施形態では、種結晶3を保持部材4に固定した後、保持部材4の上端を移動装置8に固定する。移動装置8への固定は、上述した通り、保持部材4の中心部分を含んで上下方向に伸びた軸の周囲を回転可能となるように行なわれる。
坩堝5と、坩堝5内に溜まった、炭素および珪素を含む溶液6とを準備する。具体的には、まず、坩堝5を準備する。次いで、坩堝5内に、珪素の原料となる珪素粒子を入れて、坩堝5を珪素の融点(1420℃)以上に加熱する。このとき、融解して液化した珪素(溶媒)内に坩堝5を形成している炭素(溶質)が溶解する。その結果、坩堝5内に炭素および珪素を含む溶液6を準備することができる。なお、溶液6に含まれる炭素は、予め原料として炭素粒子を加えることによって、珪素を融解させると同時に炭素を溶解させてもよい。
加熱装置11を準備して、坩堝5を加熱装置11内に収容する。本実施形態では、坩堝5は、加熱装置11のコイル12に囲われた坩堝容器9内に保温材10を介して配されることで、加熱装置11内に収容される。なお、溶液6の準備は、坩堝5を加熱装置11に収容して、加熱装置11によって坩堝5を加熱することで行なってもよい。また、予め、坩堝5を結晶製造装置1の外で加熱して溶液6を形成した後に、坩堝5を加熱装置11内に配してもよい。また、溶液6を坩堝5以外の他の容器等で形成した後、加熱装置11内に設置された坩堝5に溶液6を注ぎ込んでもよい。
(接触工程)
種結晶3の下面を溶液6に接触させる。種結晶3は、図4に示すように、保持部材4を下方に移動させることで溶液6に接触させる。なお、本実施形態では、種結晶3を下方向へ移動させることで種結晶3を溶液6に接触させているが、坩堝5を上方向へ移動させることで種結晶3を溶液6に接触させてもよい。
種結晶3は、下面の少なくとも一部が溶液6の液面に接触していればよい。また、種結晶3の下面全体が溶液6に接触するようにしてもよいし、種結晶3の側面または上面が浸かるように溶液6に接触させてもよい。種結晶3の側面または上面が浸かるように溶液6に入れた場合には、種結晶3の下面全体を確実に溶液6に接触させることができ、生産性を向上させることができる。
(結晶第1成長工程)
接触工程で溶液6に接触させた種結晶3の下面に、溶液6から結晶2を成長させる。結晶2の成長は、上記の接触工程にて、種結晶3の下面を溶液6に接触させたときから始まる。すなわち、種結晶3の下面を溶液6に接触させることによって、種結晶3の下面と種結晶3の下面付近の溶液6との間に温度差ができる。そして、その温度差によって、溶液6中に溶解している炭素が過飽和状態になり、溶液6中の炭素および珪素が結晶2として種結晶3の下面に析出し始める。
図5に示すように、種結晶3を引き上げることによって、結晶2を柱状に成長させることができる。すなわち、結晶2の平面方向および下方への成長速度を調整しながら種結晶3を上方向に少しずつ引き上げることによって、一定の幅または径を保った状態で結晶2を成長させることができる。なお、種結晶3の引き上げの速度は、例えば50μm/h以上500μm/h以下に設定することができる。
溶液6の温度は、例えば1400℃以上2100℃以下となるように設定されている。溶液6の温度が変動する場合には、溶液6の温度として、例えば一定時間において複数回測定した温度を平均した温度を用いることができる。溶液6の温度を測定する方法としては、例えば熱電対で直接的に測定する方法、または放射温度計を用いて間接的に測定する方法等を用いることができる。
(粒状結晶形成工程)
溶液6内に粒状結晶7を形成する。粒状結晶7の形成は、坩堝5の一部分を加熱装置11で加熱することによって行なう。すなわち、坩堝5の一部分の温度を坩堝5の他の部分の温度よりも大きくすることで、坩堝5内に保持されている溶液6内の温度勾配が大きくなる。その結果、溶液6内に炭素の過飽和度が大きい領域ができ、溶液6内の種結晶3または結晶2以外の箇所において炭化珪素の結晶が粒状結晶7として徐々に形成されていく。
坩堝5の部分加熱は、例えば加熱装置11に対して、坩堝5の位置を相対的に変化させることによって行なうことができる。また、例えば加熱装置11のコイル12の一部に流す電流を大きくしたり小さくしたりすることで、坩堝5を部分的に加熱することもできる。なお、溶液6の最も冷たい箇所と最も熱い箇所との温度差は、例えば1℃以上100℃以下に設定されている。
坩堝5の部分加熱は、坩堝5の側部の下方の温度が坩堝5の他の部分の温度よりも大きくなるように行なってもよい。上記のように加熱することによって、最も冷えやすい溶液6の液面中央部から最も遠い位置にある坩堝5の側部下方が熱くなるため、溶液6内の温度勾配を大きくしやすい。その結果、溶液6内の広い領域で炭素の過飽和度を大きくする
ことができ、粒状結晶7を形成しやすく、また粒状結晶7を大きく形成することができる。したがって、粒状結晶形成工程を短時間に行なうことができ、結晶2の生産効率を向上させることができる。なお、坩堝5の側部の下方の温度を大きくするには、例えば加熱装置11に対して坩堝5の位置を上方にずらすことによって行なう。
粒状結晶7の形成時には、溶液6内に粒状結晶7の形成を促進する促進材を添加してもよい。上記のように促進材を添加することによって、促進材を粒状結晶7の核とすることができ、粒状結晶7を形成しやすくすることができる。促進材としては、炭化珪素の結晶等を粉末状にしたもの等が挙げられる。
促進材は、投入する際に、溶液6の温度よりも小さくてもよい。上記のような温度とすることによって、促進材の周囲が冷やされて、溶液6内の炭素の過飽和度を大きくすることができることから、粒状結晶7を形成しやすくなる。
(結晶第2成長工程)
結晶第1成長工程で成長した結晶2をさらに成長させる。結晶2の成長は、図6に示すように、結晶2の下面に粒状結晶形成工程によって生じさせた粒状結晶7を付着させつつ行なう。これにより、粒状結晶7の一部が結晶2内に位置して、結晶2の下面から粒状結晶7を突出させることができる。結晶2の下面から粒状結晶7の一部を突出させるように結晶2を成長させるには、粒状結晶7が形成されている溶液6を用いて、一定時間、結晶2を成長させればよい。このとき、溶液6中を漂う粒状結晶7が結晶2の下面に到達して付着する。そして、粒状結晶7の周囲を埋めるように結晶2が成長することから、粒状結晶7の一部が結晶2内に位置して、粒状結晶7のその他の部分が結晶2の下面から露出することになる。
このように結晶2の下面から粒状結晶7が突出した状態で結晶2を成長させるのは、以下のような理由による。すなわち、成長した結晶2を溶液6から引き離す際に、溶液6が結晶2の下面に付着する。従来は、付着した溶液6が冷めて固化するときに溶液6の固化に伴って生じる平面方向への収縮によって、結晶2に圧縮応力が加わり、結晶2の表面に亀裂または転位等が発生するおそれがあった。
これに対して、本実施形態では、結晶2の下面に粒状結晶7を突出させることによって、結晶2の下面に付着する溶液6の量を低減することができる。すなわち、成長が完了した結晶2を溶液6から引き離す際に、結晶2の下面に付着する溶液6に重力が加わり、付着した溶液6は結晶2の下面から突出している粒状結晶7の側に移動して、その突出した先端から落ちようとする。このとき、結晶2に付着した溶液6は粒状結晶7の周辺に集まり、結晶2に直接付着する量が少なくなるため、結晶2に加わる圧縮応力も小さくなる。したがって、結晶2の表面での亀裂または転位等の発生を低減することができ、ひいては結晶2の品質を向上させることができる。
また、結晶2に付着する溶液6の量が多く、複数の粒状結晶7にわたって溶液6が付着している場合には、粒状結晶7を楔として機能させることができ、溶液6の収縮を抑制することもできる。また、粒状結晶7と結晶2との間には境界が形成されることから、仮に粒状結晶7に溶液6の収縮によって亀裂が生じた場合でも、粒状結晶7と結晶2との境界面において亀裂が結晶2の側に進行することを低減することができる。
なお、結晶第2成長工程は、結晶第1成長工程の後、成長した結晶2を溶液6に接触させたまま、粒状結晶形成工程に連続して行なってもよい。また、結晶第1成長工程の後、成長した結晶2を溶液6から一旦離し、粒状結晶形成工程の後、再び溶液6に接触させて結晶第2成長工程を開始してもよい。なお、結晶2を溶液6から一旦離す場合は、結晶2
に付着する溶液6が固化しないよう、結晶2を溶液6の直上に位置させることが望ましい。
結晶第2成長工程において、坩堝5を回転させてもよい。上記のように回転させることによって、坩堝5が回転を始めて加速するときに、坩堝5の底に位置している溶液6が坩堝5の底との摩擦で加速され、溶液6を坩堝5の壁部に沿って上昇するように流すことができる。その結果、溶液6の流れに乗った粒状結晶7を大きく成長させることができる。すなわち、溶液6は液面近傍において蒸発または熱放射等によって放熱しやすく、溶液6中の炭素の過飽和度は液面近傍において大きくなりやすい。そのため、溶液6を坩堝5の壁部から上昇させて液面中央部から下降させるように流すことによって、流れに乗った粒状結晶7を過飽和度の大きい溶液6の液面近傍を通過させることができる。したがって、結晶第2成長工程中において、粒状結晶7を成長させることができ、ひいては結晶2に付着する溶液6の量を低減することができる。なお、坩堝5は、坩堝5の中心部分を含んで上下方向に伸びた軸の周囲を回転する。このとき、坩堝5の回転速度は、例えば5rpm以上110rpm以下に設定される。
結晶第2成長工程において、坩堝5を回転させるとともに、結晶2を坩堝5の回転速度よりも小さい速度で坩堝5と反対方向に回転させてもよい。上記のように回転させることよって、坩堝5の回転によって生じる溶液6の液面近傍の流れを妨げることができ、流れの速い坩堝5の底近傍の溶液6を坩堝5の壁部に沿って上昇させることができる。その結果、溶液6を坩堝5の壁部に沿って上昇して溶液6の液面中央部から下降するように安定して流すことができる。したがって、粒状結晶7を効果的に大きく成長させることができる。なお、このとき、結晶2の回転速度は、例えば3rpm以上100rpm以下に設定されている。
溶液6の液面のうち、結晶2が溶液6に接触している接触面積が残りの面積よりも大きくてもよい。上記のように接触面積を調整することによって、溶液6の液面近傍の流れを効果的に妨げることができ、坩堝5の壁部に沿って上昇して溶液6の液面中央部から下降するような溶液6の流れを効率的に発生させることができる。なお、このとき、溶液6の液面の面積、すなわち坩堝5の開口面積は、例えば1800mm以上200000mm以下に設定されている。
粒状結晶7は、図3に示すように、結晶2の下面の縁部のみに形成されてもよい。上記のように粒状結晶7を形成することによって、結晶第2成長工程にかかる時間を短縮することができ、結晶2の生産効率を向上させることができる。なお、この場合、後の引き離し工程において、結晶2を回転させてもよい。結晶2の下面に付着した溶液6に遠心力を加えて、付着した溶液6を効果的に結晶2の下面から突出した粒状結晶7に導くことができるからである。なお、このとき、結晶2の回転速度は、例えば10rpm以上1000rpm以下に設定されている。
一方、結晶2を溶液6の液面中央部で溶液6に接触させるとともに、結晶2のみを回転させてもよい。このように回転させることによって、溶液6の液面部において遠心力を加えることができ、溶液6を液面中央部から上昇するように流すことができる。その結果、結晶2の下面に粒状結晶7を付着させやすくすることができ、より多くの粒状結晶7を短時間に結晶2の下面に配することができる。したがって、結晶2の生産効率を向上させることができる。なお、このとき、結晶2の回転速度は、例えば10rpm以上1000rpm以下に設定されている。
結晶第2成長工程は、図2に示すように、粒状結晶7が結晶2の下面の半分以上の領域を占めるまで継続してもよい。上記のように成長工程を継続することによって、結晶2の
下面と溶液6との間に無数の粒状結晶7を介在させることができ、結晶2の下面に対する溶液の付着を低減することができる。
(引き離し工程)
結晶2を成長させた後、図7に示すように、成長した結晶2を溶液6から引き離し、結晶成長を終了する。このとき、上述した通り、結晶第2成長工程で結晶2の下面から粒状結晶7を突出させていることから、成長した結晶2の下面に対する溶液6の付着量を少なくすることができる。これにより、結晶2に亀裂が生じることを抑えることができる。
結晶2を溶液6から引き離す際に、結晶2の引き上げを、結晶2の先端が溶液6の液面よりも上方で溶液6と接触した状態で一時停止させてもよい。その結果、結晶2に付着した溶液6を、坩堝5に溜まった溶液6の表面張力によって坩堝5内に引き戻すことができ、結晶2に付着する溶液6の量を低減することできる。
1 結晶製造装置
2 結晶
3 種結晶
4 保持部材
5 坩堝
6 溶液
7 粒状結晶
8 移動装置
9 坩堝容器
10 保温材
11 加熱装置
12 コイル
13 交流電源
14 制御装置

Claims (7)

  1. 炭化珪素の種結晶、炭素および珪素を含む溶液、該溶液を保持する坩堝、および該坩堝を収容して前記坩堝を加熱する加熱装置を準備する準備工程と、
    前記種結晶の下面を前記溶液に接触させる接触工程と、
    前記坩堝を前記加熱装置で加熱するとともに前記種結晶を引き上げることによって、前記種結晶の下面に炭化珪素の結晶を成長させる結晶第1成長工程と、
    前記炭化珪素の結晶を成長させた後、前記坩堝の一部分の温度が前記坩堝の他の部分の温度よりも大きくなるように前記坩堝の一部分を前記加熱装置で加熱することによって、前記溶液内の温度勾配を大きくして前記溶液内に粒状結晶を形成する粒状結晶形成工程と、成長した前記炭化珪素の結晶の下面に前記粒状結晶を付着させるとともにさらに前記炭化珪素の結晶を成長させて、前記炭化珪素の結晶内に位置した前記粒状結晶の一部が前記炭化珪素の結晶の下面から突出するように前記炭化珪素の結晶を成長させる結晶第2成長工程と、
    前記粒状結晶の一部が下面から突出した前記炭化珪素の結晶を前記溶液から引き離す引き離し工程とを備える結晶の製造方法。
  2. 前記粒状結晶形成工程において、前記坩堝の側部の下方の温度が前記坩堝の他の部分の温度よりも高くなるように前記坩堝を加熱する、請求項1に記載の結晶の製造方法。
  3. 前記結晶第2成長工程において、前記坩堝を回転させるとともに、前記炭化珪素の結晶を前記坩堝の回転速度よりも小さい速度で前記坩堝の回転と反対方向に回転させることによって、前記溶液を前記坩堝の壁部に沿って上昇して前記溶液の液面中央部から下降するように流す、請求項1または2に記載の結晶の製造方法。
  4. 前記溶液の液面のうち、前記炭化珪素の結晶が前記溶液に接触している接触面積が残りの面積よりも大きい、請求項3に記載の結晶の製造方法。
  5. 前記結晶第2成長工程において、前記炭化珪素の結晶を前記溶液の液面中央部で溶液に接触させるとともに、前記炭化珪素の結晶のみを回転させることによって、前記溶液を前記溶液の液面中央部から上昇するように流す、請求項1または2に記載の結晶の製造方法。
  6. 前記結晶第2成長工程において、前記炭化珪素の結晶の下面から突出した前記粒状結晶の一部が前記炭化珪素の結晶の下面の半分以上の領域を占めるように、前記粒状結晶を付着させるとともに前記炭化珪素を成長させる請求項5に記載の結晶の製造方法。
  7. 前記粒状結晶形成工程において、前記溶液内に前記粒状結晶の形成を促進する促進材を入れる、請求項1〜6のいずれかに記載の結晶の製造方法。
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