JP2015101466A - エレベータ用調速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータ用調速機におけるガバナロープの把持機構において、把持位置まで降下した後における可動掴みの逆戻りを従来よりも抑制すること。【解決手段】先端部に可動掴み108が設けられ、基端部がシャフト118に取着されたアーム122が水平方向から上方へ傾き可動掴み108が上方へ持ち上がった待機位置から、アーム122が下方へ揺動し可動掴み108が固定掴み102と対向する把持位置まで降下することにより、固定掴み102と可動掴み108でガバナロープ22を把持する把持機構100において、可動掴み108が前記把持位置まで一旦降下した後における可動掴み108の逆戻りを規制するため、シャフト118に取着された爪車142とこれに噛み合う爪146とを含むラチェット機構からなる逆戻り規制手段140を設けた。【選択図】図3

Description

本発明は、エレベータ用調速機に関し、特に、非常止め装置を作動させるため、ガバナロープを把持する把持機構に関する。
人や荷物を運搬するかごを昇降させるための主ロープの破断などの原因で、かごが規定速度を超えて下降した場合、かごに付設した非常止め装置が作動されてかごは安全に停止される。
非常止め装置は、例えば、図9(a)に示すように、かごの昇降を案内するガイドレール302を間に挟んで設けられた一対のくさび状のシュー304を有する。シュー304が引き上げロッド306によって引き上げられると、シュー304はくわえ金308に当接し、くさび効果によってガイドレール302に押し付けられ、図9(b)に示すように、ガイドレール302を挟み込み、その摩擦力によってかごが停止される。
引き上げロッド306は、不図示の非常止めレバーに不図示の連結機構を介して連結されており、前記非常止めレバーが引き上げられるのに連動して引き上げロッド306が引き上げられる。
次に、非常止めレバーを引き上げる機構について説明する。
エレベータ最上部の機械室に設けられた調速機のガバナシーブと、エレベータ最下部のピットに設けられた張り車との間に、無端状のガバナロープが張架されている。当該ガバナロープの所定部分は前記非常止めレバーに固定されている。このため、かごが昇降するたびにガバナロープは走行され、これに伴い、通常、ガバナシーブは昇降速度と同じ速度(周速)で回転される。
また、調速機は、図10(a)に示すように、ガバナロープ310を把持して制動するための把持機構312を有する。把持機構312は、固定掴み314と可動掴み316を有する。固定掴み314は、ベース318に固定されている。一方、可動掴み316は、ベース318に対し、以下のようにして回転自在に取り付けられている。
図10(b)に示すように、ベース318には、衝立状をした第1ブラケット320および第2ブラケット322からなる一対のブラケットが立設されている。第1および第2ブラケット320,322の各々には、同軸上に貫通孔が開設されており、貫通孔には、シャフト324が挿入されている。第1ブラケット320と第2ブラケット322の対向領域において、ばね座部材326が、シャフト324に回転自在に軸支されている。
ばね座部材326とシャフト324の双方には、相互に連通する貫通孔が開設されており(ばね座部材の方の貫通孔は不図示)、両貫通孔には、アーム328の一端部が挿入されている。
アーム328の他端部側には、フランジ330が設けられており、フランジ330とばね座部材326との間には、アーム328に外挿された圧縮コイルばね332が、若干圧縮された状態で取り付けられている。なお、アーム328の前記一端部側は、ナット334でばね座部材326およびシャフト324の貫通孔からの抜け止めがなされている。また、アーム328のフランジ330よりも更に端部側には、可動掴み316が取り付けられている。
上記の構成により、可動掴み316は、アーム328等を介して、ベース318に対し、シャフト324の軸心を中心として上下方向に揺動自在に取り付けられており、可動掴み316には重力により反時計回りに回転させようとする力が作用しているが、通常は、不図示のトリップレバーによって、可動掴み316は、図10(a)に示す位置(以下、「待機位置」と言う。)で支持されている。
紙面の左右方向における、固定掴み314と可動掴み316との間のベース318部分には、挿通孔318Aが開設されており、挿通孔318Aにガバナロープ310が挿通されている。
調速機は、ガバナロープ310の走行速度(すなわち、かごの昇降速度)と同速度で回転するガバナシーブの回転速度を検出する機構が設けられていて、かごの昇降速度が定格速度の大きさを超えた第1の速度(日本の法令では、定格速度の130%以内)になると、主ロープの巻き上げ機を構成するモータにブレーキがかけられる。
しかし、主ロープが破断した場合等には、モータを止めてもかごの降下は止まらないため、かごの降下速度(ガバナシーブの回転速度)が、第1の速度よりもさらに大きい第2の速度(日本の法令では、定格速度の140%)を超えた場合には、前記トリップレバーによる支持が解除されて、可動掴み316がその自重により下方へ揺動(降下)する。
これにより、可動掴み316と固定掴み314との間隔が徐々に狭まっていき、可動掴み316がその間を下方に走行するガバナロープ310と接触した後は、ガバナロープ310との間に生じる摩擦力も加わって、可動掴み316は、さらに降下する。
そして、可動掴み316が固定掴み314と対向する位置(以下、「把持位置」と言う。)まで降下し、ガバナロープ310が可動掴み316と固定掴み314で把持されて、ガバナロープ310の走行が停止される。なお、このとき、圧縮コイルばね332は、さらに圧縮され、その復元力で、ガバナロープ310を強圧して、確実にガバナロープ310が固定される。
かごは降下し続けているにもかかわらず、ガバナロープ310の走行が停止されてしまうと、ガバナロープ310に固定されている前記非常止めレバーがガバナロープ310に引っ張られる格好で、相対的に引き上げられ、上述したように、非常止め装置が作動されてかごは安全に停止されることとなる。
特開2011−63436号公報 特開2003−118948号公報 特開平8−26625号公報 特開平7−157229号公報
しかしながら、上記従来の把持機構312では、トリップレバーによる支持が解除されて、可動掴み316が降下し、可動掴み316と固定掴み314とでガバナロープ310を把持した瞬間に、反動で可動掴み316が跳ね返され、可動掴み316が逆戻りするといった現象が認められることがある。可動掴み316は、ガバナロープ310から離隔するまで(ガバナロープ310と非接触となるまで)逆戻りし(跳ね返され)、一旦、掴んだガバナロープ310を完全に放してしまう。この場合でも、可動掴み316の再度の降下で、最終的には、ガバナロープ310は確実に把持されて、固定されるのであるが、最初の落下によってガバナロープ310を掴んだ際には、非常止めレバーが引き上げきれないため、逆戻りが生じない場合と比較して、かごの制動距離が長くなってしまう。
本発明は、上記した課題に鑑み、可動掴みの上記逆戻りを従来よりも抑制することができる把持機構を備えたエレベータ用調速機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るエレベータ用調速機は、かごの昇降に伴って走行するガバナロープを把持機構で把持して、当該ガバナロープの走行を停止させることにより、前記かごに付設された非常止め装置を作動させるエレベータ用調速機において、前記把持機構は、ベースに設けられた固定掴みと、上下方向に揺動自在となるように基端部が前記ベースに取り付けられると共に、先端部に可動掴みが設けられたアームと、を有し、前記アームが水平方向から上方へ傾き前記可動掴みが前記固定掴みよりも上方へ持ち上がった待機位置から、自重により、前記アームが下方へ揺動し前記可動掴みが前記固定掴みと対向する把持位置まで降下することにより、当該固定掴みと当該可動掴みで前記ガバナロープを把持する把持機構であって、前記可動掴みが前記把持位置まで一旦降下した後、少なくとも、前記待機位置から前記把持位置に至る際の前記可動掴みの前記ガバナロープとの接触開始位置を超えた前記可動掴みの逆戻りを規制する逆戻り規制手段を備えたことを特徴とする。
また、前記逆戻り規制手段は、前記可動掴みを制止することにより前記逆戻りを規制することを特徴とする。
さらに、前記逆戻り規制手段は、前記可動掴みに形成された切欠きと、前記ベースに取り付けられた爪と、を有し、前記可動掴みが前記待機位置から前記把持位置に至ったときに、前記爪が前記切欠きに係合することにより前記可動掴みを制止して、当該可動掴みの前記逆戻りを規制することを特徴とする。
この場合に、前記爪は、前記固定掴みを介して前記ベースに取り付けられていることを特徴とする。
また、前記逆戻り規制手段は、前記可動掴みに取り付けられた爪と、前記ベースに設けられたブロック部材に形成された切欠きと、を有し、前記可動掴みが前記待機位置から前記把持位置に至ったときに、前記爪が前記切欠きに係合することにより前記可動掴みを制止して、当該可動掴みの前記逆戻りを規制することを特徴とする。
この場合に、前記ブロック部材は前記固定掴みであることを特徴とする。
あるいは、前記逆戻り規制手段は、上下方向に揺動自在となるように一端部が前記ベースに取り付けられると共に、他端部を、前記待機位置から前記把持位置に至る前記可動掴みの経路中に進入させて設けたストッパであって、当該ストッパは、前記可動掴みが前記待機位置から前記把持位置まで降下する際には、前記可動掴みに前記一端部が押下されて下方へ揺動し前記可動掴みの前記経路の進行を許容すると共に、可動掴みの通過後は、前記他端部が前記経路中に進入する位置に復帰して、前記可動掴みの前記経路の逆進を制止することにより、前記可動掴みの前記逆戻りを規制することを特徴とする。
また、前記アームは、軸心が水平方向となる姿勢で前記ベースに回転自在に軸支されたシャフトに前記基端部が固定されて、前記ベースに取り付けられており、前記逆戻り規制手段は、周方向に歯列を有し、前記シャフトに取着された爪車と、前記爪車と噛み合う爪と、を有するラチェット機構であって、当該ラチェット機構が、前記シャフトの、前記アームが下方へ揺動する向きの回転は許容すると共に、これとは逆向きの回転を規制するように設けられていることを特徴とする。
上記の構成からなるエレベータ用調速機によれば、可動掴みが待機位置からガバナロープを固定掴みとで把持する把持位置まで一旦降下した後においては、前記待機位置から前記把持位置に至る際の前記可動掴みの前記ガバナロープとの接触開始位置を超える逆戻りが規制されるため、ガバナロープから離隔するまで(ガバナロープと非接触となるまで)逆戻りする従来の調速機よりも、可動掴みの逆戻りを抑制することができる。
実施形態1に係るエレベータ用調速機を備えるエレベータの昇降路内における概略構成を示す図である。 上記エレベータ用調速機の概略構成を示す正面図である。 (a)は、掛金の一部とトリップレバーの斜視図であり、(b)は、掛金とトリップレバーの係合の解除を説明するための図である。 (a)は把持機構の平面図であり、(b)は同正面図であり、(c)は図(b)におけるA−A線断面図である。 実施形態2に係る調速機における把持機構の一状態を示す(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は図(b)におけるB−B線断面図である。 実施形態2における把持機構の一状態を示す正面図である。 実施形態2の変形例に係る把持機構の一状態を示す(a)は平面図であり、(b)は(a)に対応する正面図であり、(c)は同把持機構の他の状態を示す正面図である。 実施形態3に係る調速機における把持機構を模式的に表した、(a)は、平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は一部構成部材の左側面図である。 非常止め装置を模式的表した図であって、(a)は、当該非常止め装置の非作動状態を表したものであり、(b)は、作動状態を表したものである。 (a)は、従来の調速機における把持機構の正面図であり、(b)は、(a)におけるC−C線断面図である。
以下、本発明に係るエレベータ用調速機の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施形態1>
図1に示すように、エレベータ10において、本例では、昇降路の最上部に巻上機12が設置されている。巻上機12の主シーブ14には、主ロープ16が掛けられている。主ロープ16の一端部にはかご18が、他端部にはカウンタウエイト20が連結されている。
また、主ロープ16と平行してガバナロープ22が、エレベータ用調速機24(以下、単に「調速機24」と言う。)のガバナシーブ26とテンションシーブ28とで張架されている。ガバナロープ22の中間部には、かご18に付設された公知の非常止め装置(不図示)を作動させるための非常止めレバー30が固定されている。
上記の構成を有するエレベータ10において、不図示の電動機からの回転動力が不図示の動力伝達機構を介し、巻上機12の主シーブ14に伝達されて、主シーブ14が回転駆動されると、主シーブ14に掛けられた主ロープ16に連結されているかご2が、不図示のガイドレールに案内されて、昇降路内を昇降する。これに伴い、非常止めレバー30が固定されているガバナロープ22が走行し、ガバナシーブ26はかご28の昇降速度と同じ速度(周速)で回転される。
調速機24は、かご28の昇降速度と同期するガバナシーブ26の回転速度を検知し、かご28が定格速度よりも大きい所定の速度(日本の法令では定格速度の140%)を超えると、後述する把持機構100によりガバナロープ22を把持して、ガバナロープ22の走行を停止させる。これにより、既述したように、非常止めレバー30が引き上げられて、非常止め装置(不図示)が作動し、かご18が安全に停止される。
この把持機構100を有する調速機24の詳細について、図2を参照しながら説明する。調速機24は、いわゆるフライボール型の調速機である。調速機24は、ベース32の上面に立設された支柱34を有する。支柱34には、水平軸36を介してガバナシーブ26が回転自在に取り付けられている。ガバナシーブ26には、ガバナロープ22(図2において不図示)が掛けられている(図1)。ベース32には、ガバナロープ22の走行路を確保するための開口部32Aが開設されている。
水平軸36には、ガバナシーブ26に取着されて、ガバナシーブ26と一体的に回転する第1かさ歯車(不図示)が回転自在に取り付けられている。
また、支柱34には、垂直軸38が回転自在に設けられている。垂直軸38には、前記第1かさ歯車と歯合すると共に、垂直軸38と一体となって回転するように設けられた第2かさ歯車40が取着されている。垂直軸38には、また、筒状をしたスライダ42が、上下方向(垂直軸38の軸心方向)にスライド自在に外挿されている。
垂直軸38の上部には、受け金44が固定されており、受け金44とスライダ42との間の垂直軸38部分には、圧縮コイルばね46が挿入されている。
垂直軸38において、受け金44よりもさらに上(最上部)には、取付部材48を介して、バー50の先端に錘(フライボール)52が取着されてなる一対の振り子54が揺動自在に取り付けられている。取付部材48は、垂直軸38と一体的に回転するよう、垂直軸38に固定されており、振り子54の各々は、バー50の一端部が取付部材48にピン56を介し、垂直平面内において揺動自在に取り付けられている。
スライダ42には、スライダ42を上方へスライドさせる(引き上げる)ための引上部材58が取付けられている。引上部材58は、筒状部を有し、当該筒状部がスライダ42に対しその軸心周りに回転自在に遊挿されている。また、スライダ42の上端部に形成された不図示のフランジ部と前記筒状部の上端面との間にはスラスト玉軸受(不図示)が挿入されていて、前記上端面が前記スラスト玉軸受を介して前記フランジ部を押し上げることにより、スライダ42が上方へスライドされる構成となっている。
一対の振り子54の各々のバー50と引上部材58とは、図2に示すように、一対の第1リンク60で連結されている。
スライダ42には、以下のようにして、第2リンク62が回転自在に取り付けられている。すなわち、第2リンク62には、不図示の貫通孔が開設されており、スライダ42には、不図示の雌ねじが形成されている。そして、前記貫通孔に挿入されたボルト(不図示)が前記雌ねじに螺合されることにより、当該ボルトの軸心を中心として回転自在に第2リンク62がスライダ42に取り付けられている。第2リンク62の一端部は第3リンク64を介して支柱34に連結されており、他端部には、引上げロッド66の上端部が連結されている。
引上げロッド66の下端部には、第4リンク68の一端部が連結されている。第4リンク68の他端部は、ベース32に立設された取付壁70にシャフト72を介して回転自在に取り付けられている。引上げロッド66と第4リンク68とは、ピン74を介して連結されており、ピン74には、紙面に垂直方向において第4リンク68を間に挟んで引上げロッド66の手前側となる部分に、円筒部材76が回転自在に取り付けられている。
シャフト72には、また、紙面に垂直方向において第4リンク68の手前側となる部分に板状をした掛金78の一端部が回転自在に取り付けられている。なお、シャフト72の軸心を中心とする円筒部材76の回転軌道内に掛金78の一側面78Bが在り、後述するように、引上げロッド66が上方に引き上げられると、これに伴って上昇する円筒部材76の周面が掛金の一側面78Bに当接するようになっている。
一方、支柱34から突設されたステム80の先端部分にトリップレバー82がシャフト84を介して回転自在に取り付けられており、掛金78の他端部とトリップレバー82の一端部とが係合している。
トリップレバー82は、金属板が板金加工されてなるものであり、図3(a)に示すように、全体的に略「く」字状をした金属板の一端部が直角に屈曲されており、当該端部部分には、断面「コ」字状をした切欠き部82Aが形成されている。切欠き部82Aに掛金78の他端部に形成された凸部78Aが嵌入することにより、掛金78とトリップレバー82とが係合している(図2)。
トリップレバー82の長手方向における中間部分には、貫通孔82Bが開設されており、貫通孔82Bにシャフト84(図2)が挿入されている。トリップレバー82は、他端部に「U」字状をした切欠き部82Cが形成されている。通常、切欠き部82Cには、ガバナロープ22を把持する把持機構100の後述するピン130(図4(a)、図4(b)等)が進入している。
把持機構100について、図4を参照しながら説明する。なお、図4(a)、図4(b)は、後述する可動掴み108が固定掴み102とでガバナロープ22を把持する位置にある状態を表している。また、図4(a)においてガバナロープ22は図示していない。
把持機構100は、固定掴み102と可動掴み108を有する。固定掴み102は、ベース32に立設されたブロック部材である固定壁104と固定壁104に接合された鋼板からなる第1制動片106とを含む。可動掴み108は、略直方体をしたヘッド110とヘッド110に接合された鋼板からなる第2制動片112とを含む。
第1制動片106の一面(可動掴み108と対向する面)には、円弧状をした断面を有する第1溝106Aが上下方向に形成されている。また、第2制動片112の一面(固定掴み102と対向する面)にも円弧状をした断面を有する第2溝112Aが上下方向に形成されている。固定掴み102と可動掴み108は、後述するように、第1溝106Aと第2溝112Aとの間でガバナロープ22を把持する。
可動掴み108は、ベース32に対し、以下のようにして回転自在に取り付けられている。
図4(a)、図4(c)に示すように、ベース32には、衝立状をした第1ブラケット114および第2ブラケット116からなる一対のブラケットが立設されている。第1ブラケット114および第2ブラケット116の各々には、同軸上に貫通孔114A,116Aが開設されており、両貫通孔114A,116Aには、シャフト118が挿入されている。
第1ブラケット114と第2ブラケット116には、その対向領域において、ばね座部材120が、シャフト118を介して回転自在に取り付けられている。ばね座部材120とシャフト118の双方には、相互に連通する貫通孔が開設されており(ばね座部材の方の貫通孔は不図示)、両貫通孔には、バー材からなるアーム122の一端部が挿入されている。
アーム122の他端部側には、フランジ124が設けられており、フランジ124とばね座部材120との間には、アーム122に外挿されて、圧縮コイルばね126が若干圧縮された状態で取り付けられている。なお、アーム122の一端部部分には雄ねじ122Aが形成されており、これに螺合するナット128によって、ばね座部材120およびシャフト118からのアーム122の抜け止めがなされている。これにより、アーム122は、ベース32に対し、シャフト118の軸心を中心として上下方向に揺動自在に取り付けられていることとなる。
アーム122のフランジ124よりもさらに端部側には、可動掴み108を構成するヘッド110が取り付けられている。
可動掴み108の側面には、図4(a)、図4(b)に示すように、ピン130が突出させた状態で設けられている。可動掴み108は、通常、図2に示すように、ピン130にトリップレバー82の切欠き部82Cが係合していて(引っ掛けられていて)、ベース32上面に対し、固定掴み102よりも上方へ持ち上がった位置(以下、この位置を「待機位置」とする。)に維持されている。
そして、主ロープ16(図1)が破断した場合などの非常時においては、後述するようにして上記係合が解除されて、可動掴み108は支えを失い、その自重によって、シャフト118の軸心を中心としてベース32の上面に当接するまで反時計回りに回転し(降下し)、図4(b)に示すように、固定掴み102と対向して固定掴み102との間でガバナロープ22を把持する(以下、可動掴み108が固定掴み102と対向して固定掴み102との間でガバナロープ22を把持する位置を、可動掴み108の「把持位置」とする。)。
把持機構100は、可動掴み108が時計回りに逆戻りすることを規制するための逆戻り規制手段140を有している。逆戻り規制手段140は、シャフト118に取着された爪車142と爪車142とかみ合う爪146を含むラチェット機構からなる。
爪車142は、周方向に複数個の歯144が等ピッチで形成された歯列を有する。爪車142は、シャフト118と一体となって回転するよう、しまりばめ状態でシャフト118に嵌め込まれている。なお、しまりばめに限らず、キーを用いて爪車142とシャフト118を連結しても構わない。
爪146は、その一端部がベース32に立設されたブロック部材148にシャフト150を介して取り付けられており、爪146はシャフト150の軸心周りに回転可能になっている。爪146とブロック部材148との間には、不図示のねじりコイルばねが掛け渡されており、当該ねじりコイルばねの復元力によって、爪146には、シャフト150の軸心周りに、反時計方向に回転させようとする力が働いている。これにより、爪146の先端は、常に、爪車142の外周に当接状態にある。
また、可動掴み108が把持位置にあるときに、爪146が、図4(b)に示すように、いずれかの歯144と係合するように、爪車142のシャフト118への取付角度(回転角)が設定されている。図4(b)では符号144Aで指し示す歯に爪146が係合している。
図1に戻り、かご18が下降すると、かご18と非常止めレバー30を介して連結されているガバナロープ22がかご18と同じ速さで、矢印Aの向きに走行する。これにより、ガバナシーブ26が反時計回りに回転される。
ガバナシーブ26の回転動力は、不図示の第1かさ歯車から図2に示す第2かさ歯車40、さらに垂直軸38へと伝達され、垂直軸38に取付部材48を介して揺動自在に取り付けられている一対の振り子54が垂直軸38の軸心周りに回転される。
振り子54の回転速度が、かごの定格速度に対応する速度を超えると、主として錘52に働く遠心力により、圧縮コイルばね46の付勢力に抗して、一点鎖線で示すように、ピン56を中心として上方へ揺動する。
これにより、振り子54と第1リンク60によって連結されている引上部材58が上方へ引き上げられるのに伴って、スライダ42が上方へスライドする。
スライダ42が上方へスライドされると、スライダ42の不図示のボルトで回転自在に連結されている第2リンク62が、前記ボルトを中心として時計回りに回転し、これに伴って、第2リンク62の左端部に連結されている引上げロッド66が、上方へと引き上げられる。
引上げロッド66の引上げに伴い、引上げロッド66の下端部に取り付けられている円筒部材76も上昇し、図3(b)に示すように、円筒部材76の周面が掛金78の一側面78Bに当接して、掛金78が押し上げられる。これにより、掛金78がシャフト72の軸心を中心に反時計回りに回転し、掛金78とトリップレバー82の係合が解除される。
掛金78による支持を失ったトリップレバー82は、切欠き部82Cに係合するピン130によって、切欠き部82Cが押下され、一点鎖線で示すように時計回りに回転される。これにより、ピン130からトリップレバー82が外れ、その結果、可動掴み108は、その自重によって、シャフト118の軸心を中心に反時計回りに回転する(降下する)。
降下する可動掴み108の先端(第2制動片112(図4))が、矢印Aの向きに走行するガバナロープ22に接触すると、自重に加えて、ガバナロープ22との間で生じる摩擦力によって、可動掴み108は、ベース32の上面と当接するまで降下する。
このとき、圧縮コイルばね126は、さらに圧縮され、その復元力でガバナロープを強圧して、可動掴み108と固定掴み102とでガバナロープ22が把持される(図4(b))。
上述したように、従来、可動掴みと固定掴みとで、一旦、ガバナロープを把持した後に、反動で可動掴みが、ガバナロープと非接触になるまで跳ね返されることがあった。
これに対し、本実施形態では、可動掴み108が待機位置(図3(b))から把持位置まで回転するのに伴って、爪車142も回転し、この間に、爪146の先端は、爪車142の歯144Aを乗り越えて、当該歯144Aに係合し、爪車142およびこれが取り付けられたシャフト118、ひいては、可動掴み108の逆戻り(時計方向への回転)が阻止される。
このように、可動掴み108の把持位置からの逆戻りが規制されるため、可動掴みが把持位置からガバナロープと離隔するまで逆戻りしている従来の調速機と比較して、短時間でガバナロープ22の走行を停止することができるため、非常止めレバー30(図1)が引き上げられることによって作動する非常止め装置によるかご18(図1)の制動距離を従来よりも短縮することができる。
<実施形態2>
上記実施形態1では、可動掴み108に対する逆戻り規制手段140をシャフト118側に設けたが、実施形態2では、可動掴み側に設けることとしている。換言すると、実施形態1では、シャフト118の回転を制止することにより、可動掴み108の逆戻りを規制したが、実施形態2では、可動掴みを直接制止することにより、当該可動掴みの逆戻りを規制することとしている。
実施形態2に係る調速機は、把持機構における逆戻り規制手段が異なる以外は、基本的に実施形態1の調速機と同様の構成である。よって、実施形態2を示す図5、図6において実施形態1と同様の構成部分については同じ符号を付して、その説明は必要に応じて言及するに止め、以下、異なる部分を中心に説明する。また、実施形態2において、実施形態1と実質的に同じ構成部材については同じ名称を付して、その詳細な説明については省略する。なお、図5(a)、図5(b)は、実施形態2の把持機構160における可動掴み170が把持位置にある状態を示しており、図6は可動掴み170が待機位置にある状態を示している。
把持機構160において、可動掴み170の逆戻り規制するための逆戻り規制手段162は、ベース32に固定掴み164の固定壁166を介して取り付けられた爪168と可動掴み170のヘッド172に形成された切欠き部174とを含む。
固定壁166の側面から水平方向に突出させてシャフト176が設けられており、爪168は、その基端部168Aがシャフト176を介して固定壁166に取り付けられていて、爪168はシャフト176の軸心周りに回転可能になっている。
爪168と固定壁166との間には、不図示のねじりコイルばねが掛け渡されており、当該ねじりコイルばねの復元力により、爪168にはシャフト176の軸心周りに、反時計方向に回転させようとする力が働いている。
爪168は、基端部168Aからシャフト176の径方向に突出した短冊状の突出部168Bを有している。固定壁166の前記側面には、ピン178が突出状態で設けられていて、ピン178に突出部168Bが当接して、爪168の反時計方向への回り止め(回転止め)がなされている。これにより、図6に示すように、可動掴み170が待機位置に在るときに、爪168は、その先端部168Cがヘッド172の下方となる回転位置に位置決めされる。換言すると、爪168は、その先端部168Cが、待機位置から把持位置に至る可動掴み170の経路中に進入するように位置決めされている。
切欠き部174は、ヘッド172の先端面172A(可動掴み170が把持位置にあるときに、その一部が固定掴み164と対向することとなる面)に形成されている。可動掴み170が把持位置にある場合に、切欠き部174には、爪168の先端部168Cが係合して、ヘッド172(可動掴み170)の時計方向への跳ね返り(逆戻り)が規制される。
上記構成からなる把持機構160において、可動掴み170が図6に示す待機位置から図5(b)に示す把持位置まで回転して(降下して)、ガバナロープ22を固定掴み102とで把持するまでの動作は、上記した実施形態1の場合と同様である。
可動掴み170が待機位置から、シャフト118の軸心を中心として、反時計回りに回転すると(降下すると)、ヘッド172の先端面172Aと下面172Bの成す角部172Cが爪168の先端部168Cの近傍に当接し、当該当接部分を押し下げる。これにより、爪168は、シャフト176の軸心を中心として、時計回りに回転する。可動掴み170が、さらに回転すると(降下すると)、爪168の先端部168Cがヘッド172の先端面172Aと摺接しながらさらに押し下げられて、可動掴み170が把持位置まで回転(降下)したときに、爪168の先端部168Cが切欠き部174に係合する。
これによって、一旦、把持位置に到達した後の可動掴み170の跳ね返り(逆戻り)が規制される。
このように、可動掴み170の把持位置からの逆戻りが規制されるため、可動掴みが把持位置からガバナロープと離隔するまで逆戻りしている従来の調速機と比較して、実施形態1と同様、短時間でガバナロープ22の走行を停止することができるため、非常止めレバー30(図1)が引き上げられることによって作動する非常止め装置によるかご18(図1)の制動距離を従来よりも短縮することができる。
また、シャフト118の軸心からの爪168(の先端)までの距離が、実施形態1の場合のシャフト118の軸心から爪146(の先端)までの距離よりも長いため、可動掴みの逆戻りを規制するために爪168に掛かる力が爪118に係る力よりも低減される。このため、実施形態2の逆戻り規制手段162の信頼性を実施形態1の逆戻り規制手段140との比較において向上させることができる。
なお、上記の例では、爪168が係合する切欠き部174をヘッド172に形成したが、これに限らず、例えば、同様な形状の切欠き部を有するプレートをヘッド172にボルトなどで固定することにより、可動掴みに切欠き部を形成することとしてもよい(この場合は、切欠き部を有する前記プレートも可動掴みの一部を構成することとなる。)。
また、上記の例では、爪168と切欠き部174を一組設けたが、これに限らず、二組設けることとしても構わない。すなわち、図5(a)において、ヘッド172の切欠き部174が形成されている側面とは反対側の側面にも同様の切欠き部を形成し、固定壁166において、爪168が設けられている側面とは反対側の側面にも爪168と同様の爪を取付けることとしても構わない。
さらに、上記の例では、爪168は、固定掴み102(固定壁104)を介してベース32に取り付けたが、これに限らず、爪168の取付用壁をベース32に立設し、当該取付用壁を介して、爪168をベース32に取り付けることとしても構わない。
(変形例)
上記実施形態2の逆戻り規制手段162では、固定掴み164(固定壁166)に爪168を取り付け、可動掴み170(ヘッド172)に切欠き部174を形成したが、変形例に係る把持機構161の逆戻り規制手段163では、これとは逆に、図7に示すように、可動掴み171(ヘッド173)に爪169を取り付け、固定掴み165(固定壁167)に切欠き部175を形成している。なお、図7(a)、図7(b)は、図5(a)、図5(b)と同様、把持機構161における可動掴み171が把持位置にある状態を示しており、図5(c)は、図6と同様、可動掴み171が待機位置にある状態を示している。
ヘッド173の側面から水平方向に突出させてシャフト176が設けられており、爪169は、その基端部169Aがシャフト176を介してヘッド173に取り付けられていて、爪169はシャフト176の軸心周りに回転可能になっている。
爪169とヘッド173との間には、不図示のねじりコイルばねが掛け渡されており、当該ねじりコイルばねの復元力により、爪169にはシャフト176の軸心周りに、反時計方向に回転させようとする力が働いている。
爪169は、基端部169Aからシャフト176の径方向に突出した短冊状の突出部169Bを有している。ヘッド173の前記側面には、ピン178が突出状態で設けられていて、ピン178に突出部169Bが当接して、爪169の反時計方向への回り止め(回転止め)がなされている。これにより、図7(c)に示すように、可動掴み171が待機位置に在るときに、爪169は、その先端部169Cが固定壁167の上方となる回転位置に位置決めされる。
切欠き部175は、固定壁167のヘッド173が存する側の面に形成されている。可動掴み171が把持位置にある場合に、切欠き部175には、爪169の先端部169Cが、図7(b)に示すように係合して、ヘッド173(可動掴み171)の時計方向への跳ね返り(逆戻り)が規制される。
上記構成からなる把持機構161において、可動掴み171が待機位置から、シャフト118の軸心を中心として、反時計回りに回転すると(降下すると)、爪169は固定壁167の上面167Aに当接し、シャフト176の軸心を中心として、時計回りに回転し始める。可動掴み171が、さらに回転すると(降下すると)、爪169は、固定壁167の角部167Bと摺接しながらさらに時計回りに回転する。そして、可動掴み171が把持位置まで回転(降下)したときに、前記ねじりコイルばねの復元力によって、爪169は、シャフト176の軸心を中心として、反時計回りに回転し、爪169の先端部169Cが切欠き部175に係合する(図7(b))。
その結果、一旦、把持位置に到達した後の可動掴み171の跳ね返り(逆戻り)が規制されるのは、上記実施形態2と同様である。
これにより、非常止めレバー30(図1)が引き上げられることによって作動する非常止め装置によるかご18(図1)の制動距離を従来よりも短縮することができるのも実施形態2と同様である。
また、逆戻り規制手段163の信頼性を実施形態1の逆戻り規制手段140との比較において向上させることができるのも、実施形態2の逆戻り規制手段162の場合と同様である。
なお、上記の例では、爪169と切欠き部175を一組設けたが、これに限らず、二組設けることとしても構わないのは、実施形態2の場合と同様である。
また、上記の例では、爪169が係合する切欠き部175を、ブロック部材である固定壁167に形成したが、これに限らず、固定壁167とは別個にブロック部材をベース32に設け(立設し)、当該ブロック部材に切欠き部を形成することとしても構わない。
<実施形態3>
実施形態3に係る調速機は、把持機構における逆戻り規制手段が異なる以外は、基本的に実施形態1、2と同様の構成である。よって、実施形態3を示す図8において、実施形態2、3と同様の構成部分については同じ符号を付して、その説明は必要に応じて言及するに止め、以下、異なる部分を中心に説明する。また、実施形態3において、実施形態1、2と実質的に同じ構成部材については同じ名称を付して、その詳細な説明については省略する。なお、図8は、実施形態3に特有の構成部分の説明に必ずしも必要でない構成(例えば、圧縮コイルばね126(図2〜図6)など)についての図示は省略している。
実施形態3の把持機構180において、可動掴み184の逆戻りを規制するための逆戻り規制手段182は、ベース32に対し、固定掴み186の固定壁188を介して取り付けられたストッパ190を含む。
ストッパ190は、略短冊状をした金属板体からなる。固定壁188の側面から水平方向に突出させてシャフト192が設けられており、ストッパ190は、その基端部がシャフト192を介して固定壁188に取り付けられていて、ストッパ190はシャフト192の軸心周りに回転可能になっている。
ストッパ190の基端部からシャフト192の径方向に延出された延出部194が形成されている。延出部194と固定壁188との間には、不図示のねじりコイルばねが掛け渡されており、当該ねじりコイルばねの復元力により、ストッパ190にはシャフト192の軸心周りに、反時計回りに回転させようとする力が働いている。
固定壁188は、ストッパ190の一部の上方に張り出した庇部196を有しており、反時計回りの回転力が作用しているストッパ190は、庇部196に当接して、図8(b)に、実線で示すように位置決めされる。このように位置決めされたストッパ190の位置を以下「基本位置」と言う。
ストッパ190と可動掴み184(のヘッド198)とは、以下のような位置関係となるように設けられている。(i)基本位置にあるストッパ190の先端部が、待機位置から把持位置に至る可動掴み184の経路(以下、この経路を「降下経路」と称する。)中に進入しており、(ii)可動掴み184が、図8(b)において実線で示す把持位置にあるときに、可動掴み184(ヘッド198)が、シャフト192の軸心を中心とするストッパ190(の先端部)の回転軌道外に在り、(iii)ヘッド198の先端面198Aと上面198Bの成す角部198Cが、二点鎖線で表したように、基本位置に在るストッパ190に当接した状態で、可動掴み184がガバナロープ22(図8において不図示)と接触しているように、ストッパ190と可動掴み184との位置関係が設定されている。
上記構成からなる把持機構180において、可動掴み184が一点鎖線で示す待機位置から、シャフト118の軸心を中心として、反時計回りに回転して(落下して)、前記降下経路を進行すると、ヘッド198がストッパ190の先端部に当接し、当該先端部を押し下げる。これにより、ストッパ190は、シャフト192の軸心を中心として、基本位置から時計回りに回転する。可動掴み198が、さらに回転すると(落下すると)、破線で示すように、ストッパ190の先端部が前記ねじりコイルばね(不図示)の付勢力に抗して、ヘッド198の先端面198Aと摺接しながらさらに押し下げられ、可動掴み198の前記降下経路の進行を許容する。そして、可動掴み184が把持位置まで回転(降下)する直前に、ストッパ190先端部のヘッド198との接触状態が解除され、その結果、ストッパ190は、ねじりコイルばね(不図示)の復元力によって、基本位置に復帰する。
したがって、把持位置までに至った可動掴み184が跳ね返ったとしても、ヘッド198(の角部198C)が基本位置にあるストッパ190に当接して、それ以上の跳ね返り(逆戻り)が防止される。換言すると、基本位置に復帰したストッパ190によって、可動掴み184の前記降下経路の逆進が制止される。角部198Cがストッパ190に当接している状態で、可動掴み184は、ガバナロープ22と接触しているため、可動掴みが把持位置からガバナロープと離隔するまで逆戻りしている従来よりも可動掴みの逆戻りを抑制することができる。
これにより、従来の調速機と比較して、短時間でガバナロープ22の走行を停止することができるため、非常止めレバー30(図1)が引き上げられることによって作動する非常止め装置によるかご18(図1)の制動距離を従来よりも短縮することができる。
また、実施形態3では、可動掴み170に切欠き部174(図5、図6)のような比較的複雑な形状の加工を施すことなく、可動掴み184を直接制止することができるため、把持装置のコストダウンを図ることができる。
なお、上記の例では、ストッパ190を1個設けたが、これに限らず、2個設けることとしても構わない。すなわち、図8において、庇部196と反対側の固定壁188部分に同様の庇部を形成し、当該庇部の下方にストッパ190と同様のストッパをストッパ190と同様に取り付けることとしても構わない。
さらに、上記の例では、ストッパ190は、固定掴み186(固定壁188)を介してベース32に取り付けたが、これに限らず、ストッパ190の取付用壁をベース32に立設し、当該取付用壁を介して、ストッパ190をベース32に取り付けることとしても構わない。
以上、本発明に係るエレベータ用調速機をいわゆるフライボール型の調速機を例に説明したが、言うまでもなく、本発明に係るエレベータ用調速機は、ディスク型の調速機にも適用できる。
本発明に係るエレベータ用調速機は、例えば、エレベータにおけるかごの非常止め装置を作動させるための調速機として好適に利用可能である。
24 エレベータ用調速機
32 ベース
100,160,161,180 把持機構
102,164,165,186 固定掴み
108,170,171,184 可動掴み
122 アーム
140,162,163,182 逆戻り規制手段

Claims (8)

  1. かごの昇降に伴って走行するガバナロープを把持機構で把持して、当該ガバナロープの走行を停止させることにより、前記かごに付設された非常止め装置を作動させるエレベータ用調速機において、
    前記把持機構は、
    ベースに設けられた固定掴みと、
    上下方向に揺動自在となるように基端部が前記ベースに取り付けられると共に、先端部に可動掴みが設けられたアームと、
    を有し、
    前記アームが水平方向から上方へ傾き前記可動掴みが前記固定掴みよりも上方へ持ち上がった待機位置から、自重により、前記アームが下方へ揺動し前記可動掴みが前記固定掴みと対向する把持位置まで降下することにより、当該固定掴みと当該可動掴みで前記ガバナロープを把持する把持機構であって、
    前記可動掴みが前記把持位置まで一旦降下した後、少なくとも、前記待機位置から前記把持位置に至る際の前記可動掴みの前記ガバナロープとの接触開始位置を超えた前記可動掴みの逆戻りを規制する逆戻り規制手段を備えたことを特徴とするエレベータ用調速機。
  2. 前記逆戻り規制手段は、
    前記可動掴みを制止することにより前記逆戻りを規制することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用調速機。
  3. 前記逆戻り規制手段は、
    前記可動掴みに形成された切欠きと、
    前記ベースに取り付けられた爪と、
    を有し、
    前記可動掴みが前記待機位置から前記把持位置に至ったときに、前記爪が前記切欠きに係合することにより前記可動掴みを制止して、当該可動掴みの前記逆戻りを規制することを特徴とする請求項2に記載のエレベータ用調速機。
  4. 前記爪は、前記固定掴みを介して前記ベースに取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のエレベータ用調速機。
  5. 前記逆戻り規制手段は、
    前記可動掴みに取り付けられた爪と、
    前記ベースに設けられたブロック部材に形成された切欠きと、
    を有し、
    前記可動掴みが前記待機位置から前記把持位置に至ったときに、前記爪が前記切欠きに係合することにより前記可動掴みを制止して、当該可動掴みの前記逆戻りを規制することを特徴とする請求項2に記載のエレベータ用調速機。
  6. 前記ブロック部材は前記固定掴みであることを特徴とする請求項5に記載のエレベータ装置。
  7. 前記逆戻り規制手段は、
    上下方向に揺動自在となるように一端部が前記ベースに取り付けられると共に、他端部を、前記待機位置から前記把持位置に至る前記可動掴みの経路中に進入させて設けたストッパであって、
    当該ストッパは、前記可動掴みが前記待機位置から前記把持位置まで降下する際には、前記可動掴みに前記一端部が押下されて下方へ揺動し前記可動掴みの前記経路の進行を許容すると共に、可動掴みの通過後は、前記他端部が前記経路中に進入する位置に復帰して、前記可動掴みの前記経路の逆進を制止することにより、前記可動掴みの前記逆戻りを規制することを特徴とする請求項2に記載のエレベータ用調速機。
  8. 前記アームは、軸心が水平方向となる姿勢で前記ベースに回転自在に軸支されたシャフトに前記基端部が固定されて、前記ベースに取り付けられており、
    前記逆戻り規制手段は、
    周方向に歯列を有し、前記シャフトに取着された爪車と、
    前記爪車と噛み合う爪と、
    を有するラチェット機構であって、
    当該ラチェット機構が、前記シャフトの、前記アームが下方へ揺動する向きの回転は許容すると共に、これとは逆向きの回転を規制するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用調速機。
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