JP6296973B2 - 調速機及びエレベータ装置 - Google Patents

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本発明は、調速機及びエレベータ装置に関する。
エレベータ装置には、一般に、乗りかごの昇降速度を常時監視して、所定の過速状態に陥った乗りかごを非常停止させるための調速機が備えられている。具体的には、調速機は、乗りかごの昇降速度が定格速度を超えて第1過速度(通常は定格速度の1.3倍)に達すると、乗りかごを駆動する巻上機の電源及びこの巻上機を制御する制御装置の電源をそれぞれ遮断する。また、調速機は、乗りかごの下降速度が第1過速度を超えて第2過速度(通常は定格速度の1.4倍)に達すると、乗りかごに設けられた非常止め装置を動作させて、乗りかごを機械的に非常停止させる。
ところで、エレベータ装置の保守点検時には、調速機を強制的にトリップ動作させて、非常止め装置を動作させる点検が行われ、エレベータ装置の安全機能が確認される。調速機が機械室に配置されているエレベータ装置においては、作業者が機械室に入って調速機を直接操作して強制的にトリップ動作させることができる。
しかし、エレベータ装置としては、調速機が昇降路内の上部又は下部に配置されているものもある。昇降路内に作業者が立ち入った状態で、乗りかごを昇降させることはできない。したがって、調速機が昇降路内に配置されている場合は、昇降路の外部から調速機を操作して強制的にトリップ動作させる必要がある。
昇降路の外部から調速機を強制的にトリップ動作させる方法としては、例えば、昇降路の壁に点検用の開口部を設けて、その開口部から調速機を直接操作する方法や、特許文献1に示すような遠隔操作装置を用いて調速機を直接操作する方法が提案されている。
特開2001−106454号公報
しかし、昇降路の壁に点検用の開口部を設けられない場合や、遠隔操作装置を昇降路内に設置できない場合であっても、調速機を強制的にトリップ動作させて保守点検することが求められている。
本発明の目的は、点検用の開口部を不要とし、遠隔操作装置を昇降路内に設置できない場合であっても、強制的にトリップ動作を行うことができる調速機及びエレベータ装置を提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の調速機は、綱車と、振り子と、振り子付勢部材と、回転体と、シュー機構と、作動片と、作動片操作機構とを備える。綱車は、昇降路内に回転可能に配置され、昇降体に接続された調速用ロープが巻き掛けられている。振り子は、綱車に回動可能に取り付けられ、綱車が回転した場合に作用する遠心力により回動する。振り子付勢部材は、振り子の回動に抗する方向へ該振り子を付勢し、遠心力が所定値以上になると、振り子の回動を許可する。
回転体は、昇降路内に回転可能に配置され、遠心力により回動した振り子に係合して回転する。シュー機構は、回転体に連結され、回転体の回転により動作して調速用ロープを制動する。作動片は、回転体に移動可能に係合し、且つ、回転体と一緒に回転する。作動片操作機構は、作動片を移動させて、遠心力による回動を行う前の振り子に係合させる。そして、作動片操作機構は、作動片に連結されたワイヤと、ワイヤとの間に摩擦力を発生させて該ワイヤを把持するワイヤ把持部とを有する。
また、本発明のエレベータ装置は、昇降体と、昇降体を吊持する主ロープと、主ロープが巻き掛けられ、主ロープを駆動して昇降体を昇降させるトラクションシーブと、昇降体に接続され、該昇降体と一緒に移動する調速用ロープとを備える。また、昇降体を非常停止させる非常止め装置と、昇降体の昇降速度が定格速度よりも速い過速度に達した場合に、非常止め装置を動作させて昇降体を非常停止させる上述の調速機とを備える。
上記構成の調速機及びエレベータ装置によれば、点検用の開口部が不要となり、遠隔操作装置を昇降路内に設置できない場合であっても、強制的にトリップ動作を行うことができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係るエレベータ装置の構成例を示す構成図である。 本発明の一実施形態に係る調速機の構成例を示す正面図である。 図2に示すA−A線に沿う断面図である。 本発明の一実施形態に係る作動片操作機構を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る通常運転時における調速機の作動片の状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る調速機の作動片を移動させた状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る調速機の作動片と振り子が係合して歯付きラチェットを回転させて強制トリップ動作を行った状態を示す説明図である。 図7に示す強制トリップ動作から昇降体を上昇させた状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る調速機の作動片が待機位置に復帰した状態を示す説明図である。
以下、本発明の調速機及びエレベータ装置を実施するための形態について、図1〜図9を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
<エレベータ装置>
まず、本発明の一実施形態に係るエレベータ装置の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエレベータ装置の構成例を示す構成図である。
図1に示すように、エレベータ装置100は、昇降体(乗りかご)300と、釣合いおもり400と、主ロープ500と、トラクションシーブ600と、ガイドレール700と、非常止め装置800と、作動レバー900と、調速機200とを備えている。
昇降体300は、建築物1000に設けられた昇降路1100内に配置されている。この昇降体300は、複数のスライダ(不図示)を有しており、複数のスライダは、ガイドレール700に摺動可能に係合する。したがって、昇降体300は、ガイドレール700に案内されて昇降路1100内を昇降する。
以下、昇降体300及び釣合いおもり400が昇降する方向を昇降方向とする。すなわち、ガイドレール700は、昇降体300を昇降方向に案内する。
釣合いおもり400は、複数のスライダ(不図示)を有している。釣合いおもり400の複数のスライダは、昇降路1100の壁面に固定されたガイドレール(不図示)に摺動可能に係合する。したがって、釣合いおもり400は、ガイドレール(不図示)によって昇降方向に案内されて昇降路1100内を昇降する。
主ロープ500には、昇降体300及び釣合いおもり400が吊り下がっている。トラクションシーブ600は、建築物1000に設けられた機械室1200に配置されている。このトラクションシーブ600には、主ロープ500が巻掛けられている。また、機械室1200には、トラクションシーブ600を駆動し、且つ、制動する駆動装置(不図示)が配置されている。駆動装置は、トラクションシーブ600を回転させることにより、主ロープ500を摩擦駆動して、昇降体300及び釣合いおもり400を昇降させる。
非常止め装置800は、昇降体300に設けられており、非常時に楔によってガイドレール700を把持し、昇降体300の昇降を停止させる。作動レバー900は、昇降体300に軸支されており、非常止め装置800を駆動する。この作動レバー900は、後述する調速用ロープ1に連結されている。
調速機200は、昇降体300の昇降速度が定格速度を超えて第1過速度(例えば、定格速度の1.3倍)に達すると、トラクションシーブ600を駆動する駆動装置(不図示)の電源及びこの駆動装置を制御する制御装置(不図示)の電源をそれぞれ遮断する。また、調速機200は、昇降体300の下降速度が第2過速度(例えば、定格速度の1.4倍)に達すると、昇降体300に設けた作動レバー900を作動させて、非常止め装置800を動作させる。これにより、昇降体300が機械的に非常停止される。
<調速機>
次に、調速機200の構成について図2及び図3を参照して説明する。
図2は、調速機200の構成例を示す正面図である。図3は、図2に示すA−A線に沿う断面図である。
図2及び図3に示すように、調速機200は、基台2と、綱車3と、振り子4,5と、歯付きラチェット6と、作動片7と、シュー機構8と、作動片操作機構9とを備えている。
基台2は、昇降路1100の上部に配置されており、ガイドレール700の上部に固定されている。綱車3は、基台2に固定された支軸11に回転可能に支持されている。この綱車3には、無端状の調速用ロープ1が巻き掛けられている。調速用ロープ1は、昇降体300(図1参照)に接続されており、昇降体300と一緒に移動して綱車3を回転させる。
本実施形態では、昇降体300が降下すると、綱車3が支軸11を中心としたR1方向へ回転し、昇降体300が上昇すると、綱車3が支軸11を中心としたR2方向へ回転する。
また、昇降路1100の下部には、調速用ロープ1が巻き掛けられる綱車91が配置されている。この綱車91は、昇降方向において綱車3に対向しており、ガイドレール700の下部に固定された支持部材(不図示)に回転可能に支持されている。
綱車3には、アーム12が固定されている。したがって、アーム12は、綱車3と一緒に回転する。このアーム12には、後述の平衡ばね20の一端が固定されるばね固定部13が設けられている。
振り子4,5は、アーム12に固定された振り子軸15a,15bに回動可能に支持されている。振り子4,5は、略円弧状に形成されており、振り子軸15a,15bは、振り子4,5の重心からずれた位置を貫通している。振り子4は、振り子軸15aを境にした一端部4aと他端部4bを有しており、一端部4aは、他端部4bよりも重い。また、振り子5は、振り子軸15bを境にした一端部5aと他端部5bを有しており、一端部5aは、他端部5bよりも重い。
綱車3と一緒にアーム12が回転すると、遠心力により振り子4,5が振り子軸15a,15bを中心に回動する。そして、振り子4,5の一端部4a,5aが、支軸11から離れる方向(外側)に変位し、振り子4,5の他端部4b,5bが支軸11に接近する方向に変位する。また、振り子4,5は、連結棹17によって連結されており、遠心力が作用した場合の変位量(回動量)が同じになる。
振り子4の他端部4bには、ばね固定片18と、振り子爪19が設けられている。ばね固定片18には、平衡ばね20の他端が固定される。平衡ばね(圧縮コイルばね)20は、本発明に係る振り子付勢部材の一具体例を示すものであり、振り子4の他端部4bが支軸11に接近する方向へ変位することに対して抵抗力を生じさせる。すなわち、振り子4,5に作用する遠心力が平衡ばね20の抵抗力を超えた場合に、平衡ばね20が弾性変形(圧縮)し、振り子4,5が振り子軸15a,15bを中心に回動する。
振り子爪19は、振り子4における内側(支軸11側)の辺から突出している。遠心力により振り子4,5が回動して、振り子4の他端部4bが支軸11に接近する方向に変位すると、振り子爪19は、歯付きラチェット6の後述する歯部(不図示)に係合する。
振り子4,5の一端部4a,5aには、検出用突部4c,5cが設けられている。この検出用突部4c,5cは、振り子4,5における外側(支軸11と反対側)の辺から突出している。検出用突部4c,5cは、振り子4,5が振り子軸15a,15bを中心に回動した場合に、検出スイッチ(不図示)に接触する。
歯付きラチェット6は、本発明に係る回転体の一具体例を示すものであり、支軸11に回転可能に支持されている。この歯付きラチェット6は、円板状に形成されており、一方の平面が振り子4,5に対向している。歯付きラチェット6の外周面には、歯部(不図示)が形成されている。歯付きラチェット6の歯部には、振り子軸15aを中心に回動した振り子4の振り子爪19が係合する。
また、歯付きラチェット6には、係合片21が固定されている。この係合片21は、歯付きラチェット6の外径よりも外側に突出する突出部21aを有している。突出部21aは、歯付きラチェット6が初期状態からR1方向へ所定の角度まで回転した場合に、調速機200に設けられたストッパ22(図5参照)に当接して、歯付きラチェット6の回転を制限する。
係合片21の突出部21aには、回転体付勢部材27が接続されている、この回転体付勢部材27は、例えば、ばねやゴムなどの弾性部材であり、支軸11を中心としたR2方向へ歯付きラチェット6を付勢している。これにより、歯付きラチェット6は、通常、突出部21aとストッパ22が離れた状態である初期状態を維持している。
歯付きラチェット6は、回転体付勢部材27の付勢力に抗する力が加えられると、R1方向へ回転する。一方、回転体付勢部材27の付勢力に抗する力が解除されると、歯付きラチェット6は、初期状態に復帰する。すなわち、歯付きラチェット6は、回転体付勢部材27に付勢された初期状態から、突出部21aがストッパ22に当接する作動状態まで回転する。
また、歯付きラチェット6には、ブラケット23が取り付けられている。初期状態の歯付きラチェット6において、ブラケット23は、歯付きラチェット6の下方に位置している。このブラケット23には、本発明に係る作動片付勢部材の一具体例を示す引きばね(引っ張りコイルばね)24の一端が固定されている。
作動片7は、略長方形の板状に形成されており、一方の平面が歯付きラチェット6の他方の平面に摺動可能に係合している。作動片7には、厚み方向に貫通する貫通孔25が設けられている(図2参照)。この貫通孔25は、作動片7の長手方向に沿って延びており、支軸11が貫通する第1貫通部25aと、後述する接続軸28が貫通する第2貫通部25bとを有している。
第1貫通部25aの幅の長さは、支軸11の直径と略等しく、第2貫通部25bの幅の長さは、接続軸28の直径と略等しい。したがって、作動片7は、支軸11及び接続軸28に案内され、支軸11と接続軸28を結ぶ線に沿って移動する。歯付きラチェット6が初期状態である場合に、支軸11と接続軸28を結ぶ線は、昇降方向と平行或いは略平行となる。そして、作動片7の第1貫通部25aは、第2貫通部25bの下方(降下方向)に連続している。
作動片7の長手方向の一端には、係合突起26が設けられている。通常運転時において、係合突起26は、歯付きラチェット6の外径より内側に位置し、振り子4,5が回動した場合であっても振り子爪19と係合しない。また、作動片7の長手方向の他端には、引きばね24の他端が固定されている。
歯付きラチェット6が初期状態である場合に、作動片7は、引きばね24のばね力に引っ張られて、ブラケット23側へ付勢された待機位置に配置される。そして、作動片7は、引きばね24の付勢力(ばね力)に抗する力が加えられると、支軸11及び接続軸28に案内されてブラケット23から離れる方向へ移動する。
シュー機構8は、接続レバー31と、ばね軸32と、把持腕33と、付勢ばね34と、制動シュー35とを有している。
接続レバー31は、棒状に形成されており、歯付きラチェット6に固定された接続軸28に回転可能に支持されている。接続軸28は、歯付きラチェット6の他方の平面から突出しており、上述したように、作動片7の第2貫通部25bを貫通している。そして、接続軸28における作動片7を貫通した部分が、接続レバー31の一端部を回転可能に支持している。
ばね軸32は、接続レバー31の他方の端部に摺動可能に挿入されている。ばね軸32の接続レバー31と反対側の端部には、ばね受け部32aが設けられている。そして、ばね軸32は、把持腕33と、付勢ばね34を貫通している。
把持腕33は、ばね軸32が貫通する軸貫通部33aと、この軸貫通部33aに連続する被支持部33bとを有している。軸貫通部33aは、接続レバー31と付勢ばね34との間に配置されている。被支持部33bは、基台2に固定された支持ピン36に回動可能に支持されている。
付勢ばね34は、例えば、圧縮コイルばねであり、把持腕33の軸貫通部33aを接続レバー31側へ付勢している。すなわち、付勢ばね34の一端は、ばね受け部32aに当接しており、付勢ばね34の他端は、把持腕33の軸貫通部33aに当接している。
なお、本実施形態では、把持腕33の軸貫通部33aを接続レバー31側へ付勢する付勢部材として、圧縮コイルばねを適用したが、本発明に係る把持腕33を付勢する付勢部材としては、圧縮コイルばね以外のばねであってもよく、また、ゴムなどの他の弾性部材を適用してもよい。
制動シュー35は、把持腕33の被支持部33bに回動可能に支持されており、綱車3に巻き掛けられた調速用ロープ1に対向している。この制動シュー35は、歯付きラチェット6の回転に応じてシュー機構8が動作した場合に、調速用ロープ1に押し付けられる。
次に、作動片操作機構9について、図3及び図4を参照して説明する。
図4は、作動片操作機構9を示す概略図である。
図3に示すように、作動片操作機構9は、作動片7に固定された支持棒41と、支持棒41に接続されたワイヤ42と、摩擦力を用いてワイヤ42を把持するワイヤ把持部43とを有している。支持棒41は、作動片7の他方の平面に固定されており、歯付きラチェット6と反対側に突出している。ワイヤ42は、昇降方向(上下方向)に延びており、下端が支持棒41に接続されている。
図4に示すように、ワイヤ把持部43は、ワイヤ42を挟んで対向する固定側把持片45及び回動側把持片46と、回動側把持片46を回動可能に支持する軸47と、回動側把持片46を固定側把持片45側へ付勢する付勢ばね48と有している。このワイヤ把持部43は、固定側把持片45及び固定側把持片45とワイヤ42との間に摩擦力を発生させて、ワイヤ42を把持する。
固定側把持片45及び回動側把持片46とワイヤ42との間に生じる摩擦力は、引きばね24(図3参照)のばね力よりも大きい。したがって、固定側把持片45及び回動側把持片46とワイヤ42との間に生じる摩擦力に抗してワイヤ42を引き上げると、作動片7が支軸11及び接続軸28に案内されて上昇する。そして、ワイヤ42の引き上げを解除すると、ワイヤ42がワイヤ把持部43に把持されるため、作動片7は上昇した位置で保持される。
[通常運転時の調速機の動作]
次に、通常運転時の調速機200の動作について、図5を参照して説明する。
図5は、通常運転時における作動片7の状態を示す説明図である。
図5に示すように、通常運転時のエレベータ装置100において、調速機200の歯付きラチェット6は初期状態になっており、作動片7は待機位置に配置されている。したがって、作動片7の係合突起26は、歯付きラチェット6の外径より内側に位置している。
昇降体300(図1参照)が下降すると、調速用ロープ1は、昇降体300と一緒に移動して綱車3をR1方向(図2参照)へ回転させる。これにより、振り子4,5に遠心力が作用し、その遠心力が平衡ばね20の抵抗力を超えると、振り子4,5が振り子軸15a,15bを中心に回動する。
昇降体300(図1参照)の下降速度が第1過速度(例えば、定格速度の1.3倍)に達すると、振り子軸15a,15bを中心に回動した振り子4,5の一端部4a,5aが検出スイッチ(不図示)に接触する。これにより、調速機200は、昇降体300の昇降速度が第1過速度に達したことを検出する。そして、調速機200は、トラクションシーブ600を駆動する駆動装置(不図示)の電源及びこの駆動装置を制御する制御装置(不図示)の電源をそれぞれ遮断する。
また、昇降体300の下降速度が第2過速度(例えば、定格速度の1.4倍)に達すると、振り子軸15aを中心に回動した振り子4の振り子爪19が、歯付きラチェット6の歯部に係合し、歯付きラチェット6をR1方向へ回転させる。すなわち、調速機200は、トリップ動作を行う。歯付きラチェット6が回動すると、接続レバー31がR1方向へ移動して、把持腕33が支持ピン36を中心にR1方向へ回動する。
把持腕33がR1方向へ回動すると、制動シュー35が、綱車3に巻き掛けられた調速用ロープ1に押し付けられて、調速用ロープ1に張力を加える。これにより、調速用ロープ1の移動が停止され、昇降体300は、降下を継続する。その結果、調速用ロープ1に連結された作動レバー900(図1参照)が引き上げられ、非常止め装置800を作動させて、昇降体300を機械的に非常停止させる。
[保守点検作業時の調速機の動作]
次に、保守点検作業時の調速機200の動作について、図6〜図9を参照して説明する。
図6は、作動片7を待機位置から移動させた状態を示す説明図である。図7は、作動片7と振り子4が係合して歯付きラチェット6を回転させて強制トリップ動作を行った状態を示す説明図である。図8は、図7に示す強制トリップ動作から昇降体300を上昇させた状態を示す説明図である。図9は、作動片7が待機位置に復帰した状態を示す説明図である。
保守点検作業では、非常止め装置800が正常に作動するかを確認する。
非常止め装置800が正常に作動するかを確認するには、図6に示すように、作業者が昇降路1100内に入って、ワイヤ把持部43とワイヤ42との間に生じる摩擦力に抗して、ワイヤ42を引き上げる。
これにより、作動片7が支軸11及び接続軸28に案内されて上昇する。作業者によって引き上げられたワイヤ42は、ワイヤ把持部43によって把持されるため、作業者がワイヤ42を放しても、作動片7は上昇した位置で保持される。作動片7が上昇した位置で保持されていることを確認すると、作業者は、昇降路1100から出る。
作業者が昇降路1100から出た後、昇降体300を下降させる。これにより、綱車3及び振り子4,5がR1方向へ回転し、振り子4の振り子爪19が作動片7の係合突起26に係合する。その後、さらに昇降体300が下降して綱車3及び振り子4,5が回転すると、図7に示すように、作動片7が振り子4に押圧されて、支軸11を中心に回動する。
作動片7の第2貫通部25bには、歯付きラチェット6に固定された接続軸28が貫通している。そのため、支軸11を中心に回転する作動片7が、接続軸28をR1方向へ押圧し、作動片7と一緒に歯付きラチェット6がR1方向へ回転する。すなわち、調速機200は、強制トリップ動作を行う。
歯付きラチェット6がR1方向へ回転すると、昇降体300の下降速度が第2過速度に達した場合と同様に、接続レバー31(図2参照)がR1方向へ移動して、把持腕33が支持ピン36を中心にR1方向へ回動する。
把持腕33がR1方向へ回動すると、制動シュー35が、綱車3に巻き掛けられた調速用ロープ1に押し付けられて、調速用ロープ1に張力を加える。その結果、調速用ロープ1に連結された作動レバー900(図1参照)が引き上げられ、非常止め装置800を作動させて、昇降体300を機械的に非常停止させる。
なお、歯付きラチェット6がR1方向へ回転すると、係合片21の突出部21aがストッパ22に当接し、歯付きラチェット6のR1方向へ回転が制限される。これにより、制動シュー35が、綱車3に巻き掛けられた調速用ロープ1に際限なく押し付けられないようにすることができ、制動シュー35や綱車3等が傷つかないようにすることができる。
また、作動片7がR1方向へ回転すると、作動片7に固定された支持棒41がR1方向へ回動する。このとき、ワイヤ42は、ワイヤ把持部43とワイヤ42との間に生じる摩擦力を超える力で引っ張られる。したがって、ワイヤ42は、ワイヤ把持部43から支持棒41側へ引き出される。
非常止め装置800の作動を確認した後、作業者は、昇降体300を上昇させる。これにより、綱車3及び振り子4,5がR2方向へ回転し、振り子4の振り子爪19による作動片7の係合突起26への押圧が解除される。そして、歯付きラチェット6は、回転体付勢部材27の付勢力によってR2方向へ回転して、初期状態に復帰する。
歯付きラチェット6がR2方向へ回転すると、歯付きラチェット6に固定された接続軸28が、作動片7をR2方向へ押圧し、歯付きラチェット6と一緒に作動片7がR2方向へ回転する。なお、作動片7がR1方向へ回転したときにワイヤ42がワイヤ把持部43から支持棒41側へ引き出されているため、作動片7がR2方向へ回転すると、図8に示すように、引き出された分のワイヤ42が撓むことになる。
引き出された分のワイヤ42が撓むことにより、作動片7を上昇した位置で保持する力が無くなり、作動片7は、引きばね24のばね力によって引っ張られて、図9に示すように、待機位置に移動する。
このように、本実施形態では、ワイヤ42を用いて作動片7を引き上げれば、その後に作業者が調速機200を操作しなくても、非常止め装置800が正常に作動するか否かを確認することができる。また、非常止め装置800が正常に作動することを確認した後に、作業者が調速機200を操作しなくても、昇降体300を上昇させるだけで、調速機200を保守点検前(ワイヤ42を用いて作動片7を引き上げる前)の状態に戻すことができる。
また、本実施形態では、支軸11及び接続軸28が作動片7の移動を案内する構成とした、これにより、作動片7の移動を案内するための部材を新たに設ける必要が無く、部品点数の削減を図ることができる。
以上、本発明の調速機及びエレベータ装置の実施形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の調速機及びエレベータ装置は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述の実施形態では、支軸11が歯付きラチェット6を回転可能に支持する構成とし、綱車3の支軸11が歯付きラチェット6の軸を兼ねる構成にした。しかし、本発明に係る回転体(歯付きラチェット)としては、綱車3とは異なる軸を中心に回転する構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、作動片付勢部材として引きばね24を適用した。しかし、本発明に係る作動片付勢部材としては、ブラケット23側に作動片7を押し付ける圧縮ばねであってもよい。また、本発明に係る作動片付勢部材としては、ばねに限定されるものではなく、ゴムなどのその他の弾性部材を用いてもよい。
また、上述した実施形態では、振り子付勢部材として平衡ばね(圧縮コイルばね)20を適用した。しかし、本発明に係る振り子付勢部材としては、振り子4の他端部4bが支軸11に接近する方向へ変位することに対して抵抗力を生じさせる引っ張りコイルばねであってもよい。また、本発明に係る振り子付勢部材としては、ばねに限定されるものではなく、ゴムなどのその他の弾性部材を用いてもよい。
また、上述した実施形態では、乗りかごを昇降体300とした。しかし、本発明に係る昇降体としては、釣合いおもり400であってもよい。
1…調速用ロープ、 2…基台、 3,90…綱車、 4,5…振り子、 6…歯付きラチェット、 7…作動片、 8…シュー機構、 9…作動片操作機構、 11…支軸、 12…アーム、 13…ばね固定部、 15a,15b…振り子軸、 17…連結棹、 18…固定片、 19…振り子爪、 21…係合片、 21a…突出部、 22…ストッパ、 23…ブラケット、 25…貫通孔、 25a…第1貫通部、 25b…第2貫通部、 26…係合突起、 27…回転体付勢部材、 28…接続軸、 31…接続レバー、 32…ばね軸、 32a…ばね受け部、 33…把持腕、 33a…軸貫通部、 33b…被支持部、 35…制動シュー、 36…支持ピン、 41…支持棒、 42…ワイヤ、 43…ワイヤ把持部、 45…固定側把持片、 46…回動側把持片、 47…軸、 100…エレベータ装置、 200…調速機、 300…昇降体、 500…主ロープ、 600…トラクションシーブ、 700…ガイドレール、 800…装置、 900…作動レバー、 1000…建築物、 1100…昇降路、 1200…機械室

Claims (4)

  1. 昇降路内に回転可能に配置され、昇降体に接続された調速用ロープが巻き掛けられた綱車と、
    前記綱車に回動可能に取り付けられ、前記綱車が回転した場合に作用する遠心力により回動する振り子と、
    前記振り子の回動に抗する方向へ該振り子を付勢し、前記遠心力が所定値以上になると、前記振り子の回動を許可する振り子付勢部材と、
    前記昇降路内に回転可能に配置され、前記遠心力により回動した前記振り子に係合して回転する回転体と、
    前記回転体に連結され、前記回転体の回転により動作して前記調速用ロープを制動するシュー機構と、
    前記回転体に移動可能に係合し、且つ、前記回転体と一緒に回転する作動片と、
    前記作動片を移動させて、前記遠心力による回動を行う前の前記振り子に係合させる作動片操作機構と、を備え、
    前記作動片操作機構は、
    前記作動片に連結されたワイヤと、
    前記ワイヤとの間に摩擦力を発生させて該ワイヤを把持するワイヤ把持部と、を有する
    ことを特徴とする調速機。
  2. 前記作動片を付勢して、前記遠心力による回動を行う前の前記振り子に係合しない待機位置に配置させる作動片付勢部材と、
    前記回転体を付勢して、前記シュー機構を動作させない初期状態にする回転体付勢部材と、を有し、
    前記ワイヤ把持部により発生する前記摩擦力は、前記作動片付勢部材の付勢力よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の調速機。
  3. 前記回転体は、前記綱車を回転可能に支持する支軸に回転可能に支持され、
    前記シュー機構は、前記回転体に固定された接続軸に回転可能に支持され、
    前記作動片は、前記支軸及び前記接続軸に案内されて移動する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の調速機。
  4. 昇降路内に配置された昇降体と、
    前記昇降体を吊持する主ロープと、
    前記主ロープが巻き掛けられ、前記主ロープを駆動して前記昇降体を昇降させるトラクションシーブと、
    前記昇降体に接続され、該昇降体と一緒に移動する調速用ロープと、
    前記昇降体を非常停止させる非常止め装置と、
    前記昇降体の昇降速度が定格速度よりも速い過速度に達した場合に、前記非常止め装置を動作させて前記昇降体を非常停止させる調速機と、を備えたエレベータ装置において、
    前記昇降路内に回転可能に配置され、前記調速用ロープが巻き掛けられた綱車と、
    前記綱車に回動可能に取り付けられ、前記綱車が回転した場合に作用する遠心力により回動する振り子と、
    前記振り子の回動に抗する方向へ該振り子を付勢し、前記遠心力が所定値以上になると、前記振り子の回動を許可する振り子付勢部材と、
    前記昇降路内に回転可能に配置され、前記遠心力により回動した前記振り子に係合して回転する回転体と、
    前記回転体に連結され、前記回転体の回転により動作して前記調速用ロープを制動するシュー機構と、
    前記回転体に移動可能に係合し、且つ、前記回転体と一緒に回転する作動片と、
    前記作動片を移動させて、前記遠心力による回動を行う前の前記振り子に係合させる作動片操作機構と、を備え、
    前記作動片操作機構は、
    前記作動片に連結されたワイヤと、
    前記ワイヤとの間に摩擦力を発生させて該ワイヤを把持するワイヤ把持部と、を有する
    ことを特徴とするエレベータ装置。
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