JP5973316B2 - エレベーターの非常止め装置 - Google Patents

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本発明はエレベーターの非常止め装置であって、特に高速エレベーターであっても安定した制動力を発生する非常止め装置に関する。
従来、エレベーターは、乗りかごが一定の制限速度を越えて下降した際に、適切な減速度で乗りかごを停止させるための安全装置として非常止め装置を設置している。
非常止め装置は、乗りかごが所定の下降速度以上に達した場合、昇降路の内に設置されたガイドレールに、2個のくさび形の摩擦材を配した制動子を制動ばね内に引き上げ、制動ばねの弾性変形による復元力で制動力を発生させるものであり、制動子は適度な摩擦係数と耐摩耗性を有する鋳鉄や銅系焼結合金、或いはセラミックス等の材料により形成されることが一般的である。
また、高層ビルの建設に伴ってエレベーターは高速化しており、非常止め装置は、制動子とガイドレール間に発生する摩擦熱による高温環境下でも安定した制動力を発生することが要求されている。
制動力を発生させる時は、乗りかご下降中に制動子を乗りかごに取り付けた非常止め装置本体に対して引き上げて制動ばねを押し広げる動作によって行う。そして、制動力は非常止め装置本体に対する制動子の引き上げ量によって決定される。
従って、エレベーターを確実に所定減速度で停止させるために、制動子を所定の高さ位置に少ない誤差で正確に位置決めすることが重要である。具体的には、制動子上面と非常止め装置本体の天板を当接させて制動子を位置決めする。
ここで、両者の当接速度は、エレベーターの仕様(下降速度)が高速化するほど高くなるため、高速エレベーターでは、両者の当接時に制動子が天板に衝突した後に跳ね返る現象が生じて、所定の制動ばね力すなわち所定の制動力が得られなくなる。
また、高速エレベーターでは一般に制動子とガイドレール間の摩擦力が低下する傾向にあり、制動子とガイドレール間に生じる上向きの摩擦力とくさび状の制動子が受ける制動ばね力の重力方向(鉛直下方向)成分との差が小さいと制動子の跳ね返り量が大きくなる。これを防ぐためにくさび状の制動子の斜面勾配を緩くすれば、前記重力方向成分をより小さくする事ができる。
しかし、斜面勾配を緩くすると制動子をガイドレールに当接するまで引き上げる時の制動子引上げ量が多く必要になり、装置高さが高くなってしまう。通常、非常止め装置は乗りかご下部に取り付けられるため、装置高さが高くなるとピット寸法も深くしなければならず、施工時間に多くの時間を費やさなければならない。
そこで、跳ね返りを抑えるのに制動子上面に緩衝体を備えて天板との当接の際の衝撃を抑える構造が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1は、エレベーターの非常止め装置の初期制動時に発生する制動力の変動をなくして、安定した制動力を得るようにする。このため、制動体の上面又は上板の下面に緩衝体を設け、非常止め装置が動作し制動体が上昇して上板が衝突したとき、緩衝体が制動体の運動エネルギーを吸収して衝突時の衝撃を緩和する。
特開平05−147856号公報
上記引用文献1では、衝突時の衝撃を抑えることはできるものの、緩衝体の弾性が温度湿度や、経年劣化などにより変化することから、その変形量も変化するので再現性に欠ける。よって制動子上面と非常止め装置本体の天板との距離も変化してしまうため、制動子を所定の高さ位置に少ない誤差で位置決めすることが困難となり、非常止め装置として安定した制動力を得られないという課題があった。
さらに緩衝体にゴムなどの弾性体を用いる場合は、吸湿による加水分解が発生することがあり、その場合は、弾性特性が全く発生できなくなることから、衝撃吸収の機能を喪失し、その結果、従来同様に所定の制動力を得られないという懸念もあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、制動子の跳ね返りを確実に抑えて高速走行時でも安定した制動力を発生し、確実に所定の減速度でエレベーターを停止させることのできる非常止め装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、エレベーターの乗りかごを停止させるため、昇降路に設置されたガイドレールを制動子で押付けて摺動させることで制動力を発生させる非常止め装置を備えたエレベーターにおいて、制動子を引き上げた際に引上げ部材を乗りかごに保持して制動子の脱落を抑止するとともに、復帰時に乗りかご引上げ動作で保持機構と引上げ部材の接触部を切り離す保持機構を備え、保持機構は制動子を引き上げる引上げ部材を保持して、制動子の非常止め装置から下方への脱落を防止することを特徴とする。ここで、保持機構は、回転リンクを固定リンクに回転可能に連結し、固定リンクを前記引上げ部材に近接する斜め方向に摺動自在に支持してばねで斜め上方に付勢し、引上げ部材の係止部は回転リンクの上方に位置して引上げ部材の下方への脱落を防止する。あるいは、保持機構は、回転リンクを固定リンクに回転可能に連結して、固定リンクをつめ車に固定し、つめ車の外周につめを回動自在に当接し、引上げ部材の係止部は回転リンクの上方に位置して引上げ部材の脱落を抑え、乗りかごには上下に変位可能な吊り上げ部材を設け、吊り上げ部材とつめを接続する接続部材を設け、乗りかごの吊り上げ時につめをつめ車から離脱させ、つめ車の回転及びこれに係合した固定リンク及び回転リンクの移動を許容した。
本発明によれば、制動子の引上げ後に非常止め装置の制動子を引き上げ位置に保持する保持機構を備える事により、高速仕様でも安定した制動力を発生し、確実に所定の減速度でエレベーターを停止させる非常止め装置を提供することができる。
また、制動子の斜面勾配を緩くする必要が無いので装置高さを低く抑えられる結果、コンパクトな非常止め装置により、ピット深さが浅く施工容易なエレベーターを提供することが可能である。
本発明の実施例1による非常止め装置を示す模式図。 本発明の実施例1による非常止め装置の拡大斜視図。 本発明の実施例1によるエレベーターの全体構成を示す模式図。 本発明の実施例1による非常止め装置の動作状態の模式図。 本発明の実施例1による非常止め装置の引上げ動作の模式図。 本発明の実施例1による非常止め装置の引上げ動作の模式図。 本発明の実施例1による非常止め装置の引上げ動作の模式図。 本発明の実施例1による非常止め装置の復帰動作の模式図。 本発明の実施例1による非常止め装置の復帰動作の模式図。 本発明の実施例1による非常止め装置の復帰動作の模式図。 本発明の実施例2による非常止め装置の模式図。 本発明の実施例2による非常止め装置の引上げ動作の模式図。 本発明の実施例2による非常止め装置の引上げ動作の模式図。 本発明の実施例2による非常止め装置の引上げ動作の模式図。 本発明の実施例2による非常止め装置の復帰動作の模式図。 本発明の実施例2による非常止め装置の復帰動作の模式図。 本発明の実施例2による非常止め装置の復帰動作の模式図。 本発明の実施例3による非常止め装置の模式図。
以下に、本発明のエレベーター用非常止め装置について実施例と図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1の非常止め装置を示す模式図である。非常止め装置10は、ガイドレール2を挟んで左右対称構造を持って構成されている。一対の制動子1は、ガイドレール2を挟持可能にガイドレール7と僅かな隙間を持って略平行に配置されている。制動子1の背面は上方が狭くなるくさび状の平滑な傾斜面になっている。
制動子1の背面にはガイド部材3が配置されている。ガイド部材3は、内側が制動子1の傾斜面と平行な傾斜面を成し、外側は垂直面となっており、垂直面を制動ばね6で挟み込んでいる。制動子1とガイド部材3の間には制動子1の移動を案内するローラ5が設置されている。4は天板である。
ガイド部材3の外周部は、ガイドレール2に対向する側が開放されたU字状に形成された制動ばね6に囲まれている。制動子1、ガイド部材3、制動ばね6は、非常止め装置10の本体7内に収容されている。
本体7の天板4には、制動子1の引上げ量すなわち制動ばね力を所定の値に設定するシム(shim)8が設置されており、制動子1が引き上げられた時にシム8に当接して所定制動ばね力を得る構造になっている。制動子1の底面には、制動子1を引き上げて非常止め装置10を駆動させる引上げ部材9が設置されている。
引上げ部材9の上方には、引き上げられた制動子1が左右のガイド部材3間に入り込みガイドレール2と接触して制動力を発生する際に、制動子1を引き上げ位置に留めて安定した制動力が得られるようにする保持機構11を備えている。また、非常止め装置を復帰させる際には、乗りかご上昇動作により保持機構11を解除する。以下、詳細を説明する。
図2は、本発明の実施例1による非常止め装置の拡大斜視図である。図2は、制動子1の引上げ部材9を保持する保持機構を示す。引上げ部材9には、水平方向に延びる円柱状の係止部20が取り付けてある。係止部20は引上げ部材9の一部を変形させて形成しても良い。一方、図示しない乗りかごには係止部20を保持する保持機構11が設けられている。
すなわち、回転軸15を持つ固定リンク16が配置され、回転軸15を中心に回転可能な回転リンク14が設けられている。固定リンク16は図示しない乗りかごに固定したスライド軸17に嵌合しており、スライド軸17上を回転リンク14と共に斜め上下方向に移動可能に構成してある。スライド軸17の軸方向上部はガイドレール2側に傾斜して近接するように設けられている。固定リンク16の上端は図示しない抜け止めが設けられ、上端位置で回転リンク14と係止部20が係合する。
スライド軸17と同軸上に圧縮型の復帰ばね18が挿入され、ばね受板19で下端を固定し、上端は固定リンク16と接触している。回転リンク14の根元の下方には固定リンク16と係合する係合部54が設けられ、回転リンク14が図示位置より時計方向に回転しないように制限している。よって、回転リンク14に復帰ばね18のばね力を越える下方向の力が作用すれば、回転リンク14は固定リンク16と共に斜め下方向に移動する事が出来る。逆に回転リンク14に上方向の力が作用した場合は、回転軸15を中心に回転リンク14のみが回転し、係止部20及び引上げ部材9を上方に移動可能とする。
回転リンク14の高さ位置は、図示しない制動子が引き上げられていない状態の時は、図1に示す様に引上げ部材9に備えた係止部20よりも高い位置になるように設置されている。復帰ばね18は圧縮ばねを用いているが、引張ばねを用いても良い。
図3は、非常止め装置10を備えたエレベーターの全体構成を示す模式図である。乗りかご12は、巻き上げ機22、プーリ30に巻き掛けられた複数本の主ロープ21の一端に接続され、他端には錘53が取り付けてある。乗りかご12は左右のガイドレール2に案内されて昇降する。非常止め装置10は乗りかご12の下部にガイドレール2毎にそれぞれ取り付けられ、左右連結バー27で連結されほぼ同時のタイミングで動作する。
エレベーターには、異常速度を検出するためにガバナ装置24が備えてある。ガバナ装置24は、上下のプーリ25、29に無端のガバナロープ28が巻きかけられ、ガバナロープ28と乗りかご側を連結バー26で接続して乗りかご12の昇降速度を所定の方法で調速する。所定の異常速度に達した場合はガバナロープ28を把持する把持部材23が備えてある。連結バー26は非常止め装置10の引上げ部材9に連結されている。
次に、非常止め装置を作動させる動作について説明する。乗りかご12の下降速度が規定の異常速度に達した場合は把持部材23でガバナロープ28を把持する。ガバナロープ28が把持されるとガバナロープ28の移動速度は、乗りかご速度よりも遅くなる結果、ガバナロープ28に取り付けた連結バー26によって引上げ部材9が引き上げられ、非常止め装置10の制動子1が引き上げられ、制動子1とガイドレール2が当接して制動力を発生し、乗りかご12を所定の減速度で停止させる。
図4は、非常止め装置10が動作した状態を示す。非常止め装置10が動作したときは、制動子11がローラ5に沿ってガイド部材3に対して引き上げられると、制動子1は互いの距離が狭まるように移動する。このときに制動子1はガイド部材3、制動ばね6を矢印13の方向に押し広げる。ガイド部材3、制動ばね6が押し広げられた反力が制動子1に作用してガイドレール2を挟み込む。よって、制動ばね6を押し広げる量、すなわち制動子1がガイドレール2を押付ける力は制動子1がガイド部材3に対してどこまで上方に引き上げられるかによって決定される。
小さい押付力で良い場合は、制動子1の引き上げ高さを低く設定する。そのためには、天板4にシム8を入れて、シム8に制動子1を当接させて位置決めする。大きい押付力が必要な場合は、制動子1の食い込み高さを高く設定するために薄いシムを設置する。いずれにしても、制動子1の高さ位置で押付力が決定される。一般的に非常止め装置に使用される弾性体のばね定数は数十kN/mm以上と高く、制動子1の位置決め精度が悪いと所定ばね力を作用させることができなくなり所定の減速度でエレベーターを停止できない。よって、制動子1の位置を精度よく、かつ早く設定できる構成にすることが重要となる。
図5A〜5Cは、非常止め装置10の引上げ部材9を保持する動作を示す模式図である。図5Aは非常止め装置が動作する前の状態を示す模式図である。制動子1はガイド部材3よりも下方に位置する。そして、引上げ部材9に備えた係止部20は乗りかごに備えた回転リンク14よりも下方に位置する。
図5Bは非常止め装置の引上げ部材9が動作中の状態を示す模式図である。引上げ部材9が矢印a方向に引き上げられると制動子1はガイド部材3の間に挿入され徐々に制動ばね6を外側に押し広げる。引上げ部材9の係止部20が回転リンク14と接触すると回転リンク14は回転軸を中心に矢印b方向に回転する。
図5Cは非常止め装置の引上げ部材9が動作完了した状態を示す模式図である。引上げ部材9が図5Bに対してさらに引き上げられると制動子1は制動ばね6をさらに押し広げ、シム8に接触する位置まで引き上げられる。一方、回転リンク14は係止部20に押し上げられ、さらに回転した後は係止部20との接触が無くなり、回転リンク14の自重または図示しないばねによりもとの位置に戻る。その時には、係止部20は回転リンク14の上方に位置する。
この状態で制動子1には矢印c方向に脱落しようとする力が発生する可能性がある。これは、制動子1がくさび状を成しているため横方向から制動ばね6で押付力作用させると制動子背面の斜面の勾配によって制動ばね力の鉛直方向下成分が発生するからである。制動子1の斜辺と垂直方向の辺で成す角度をθ、制動ばね力をPとすると下方向の制動ばね分力Pyは、(1)式で表される。但し制動子斜面とローラ間の転がり抵抗力は考慮しない場合である。
Py=Pcosθsinθ ・・・・・・(1)
これに対して、制動子1とガイドレール2間に発生する摩擦力F1は、摩擦係数をμ1とすると(2)式で表わされる。
F1=μ1P ・・・・・・(2)
通常は、F1>Pyなる関係が保たれているが、例えば制動子1が勢いよくシムに当接して大きい反発力が作用した場合や、乗りかご振動などでμが小さくなってしまうと上記関係が保たれるものの、裕度が少なくなったり不等式が逆転する可能性もある。
これに対して上述したような機構を用いて、復帰ばね18のばね力をFfとした場合、引上げ部材9を上記の様に保持することで、(3)式の関係に設定して制動子1のガイドレール2からの脱落を抑止できる。
Ff>μ1P-Pcosθsinθ ・・・・・・(3)
図6A〜6Cは、非常止め装置の復帰動作を示す図である。図6Aは非常止め装置が動作して非常制動が終了した状態の模式図である。図5Cの状態と同じなので説明は割愛する。
図6Bは、乗りかご12を矢印d方向に引き上げたときの保持機構の動作を示す模式図である。乗りかご12が引き上げられると回転リンク14の上面には係止部20から下方向の力を受ける。復帰ばね18力Ffを制動子1とガイドレール2間の静摩擦力よりも小さくなるように設定すると、乗りかご12が引き上げられるにつれて復帰ばね18は矢印方向に圧縮され、固定リンク16および回転リンク14はスライド軸に沿って斜め下方向に移動する。すると、回転リンク14は矢印f方向に移動して係止部20より外れる。非常止め装置10は乗りかご12に取り付けられているので、制動ばね6やガイド部材3は矢印g方向に乗りかご10と一緒に引き上げられる。
図6Cは、乗りかごを図6Bに対してさらに矢印d方向に引き上げたときの保持機構の動作を示す模式図である。乗りかご12がさらに引き上げられると、係止部20より外れた回転リンク14は復帰ばね18の圧縮力が解放されて斜め上方の元の位置へと移動する。同時に、制動ばね6やガイド部材3も矢印g方向に引き上げられ、その結果、制動子1はガイド部材3よりも下方に位置して制動ばね6からの力が解放されてガイドレール2から離れた位置に戻る。
以上のように制動子1が接続された引上げ部材9を引き上げた際に保持機構で乗りかご12に保持することで、万一、制動子に下方向の脱落する力が作用しても復帰ばね18の力でそれを抑止できる。そして、非常止め装置を復帰する際には、乗りかご12の上昇動作によって復帰ばね18を解放して保持機構を外す事により非常止め装置10が自動復帰できる。さらに、制動子勾配を急斜面に設定できるので短い引上げ量で制動子をガイドレール2に接触できるので非常止め装置の高さを低く抑える事が出来る。
図7は、本発明の実施例2の非常止め装置の模式図を示す。上述した実施例1との違いは、引上げ部材31の保持機構36である。よって、ガイドレールを把持する制動部Aについては説明を割愛する。
引上げ部材31には、水平方向に延びる円柱状の係止部32が取り付けてある。一方、乗りかご45には、係止部32を保持する各部材が備わっている。具体的には、回転軸34を中心に回転可能な回転リンク33と固定リンクが配置されている。回転リンク33の根元の下方には係合部46が設けられており図示する位置よりも時計方向には回転しないようになっている。
逆に回転リンク33に上方向の力が作用した場合は、回転軸中心に回転リンク33のみが回転する。また、固定リンク53は回転可能なつめ車44に固定されている。つめ車44の外周は凹凸部となっている。つめ車44の上方に位置する凹凸部には、回転軸37を備えたつめ43が当接され、つめ車44の時計方向への回転を抑止する。回転軸37と固定リンクの間には抑止ばね35が接続されている。また、つめ43には解除バー42の一端が接続され、他端は乗りかご45を吊りあげるかご吊りバー38に固定されている。かご吊りバー38には乗りかご45を吊り上げるための吊り輪41が設けられている。乗りかご45にはかご吊りバー38が所定量上昇した後に乗りかご45が吊り上げられるように、吊りバー受けフレーム40が設置されている。
回転リンク33の高さ位置は、図示しない制動子が引き上げられていない状態の時は、引上げ部材31に備えた係止部32の高さ位置よりも高くなるように設置されている。
図8A〜8Cは、非常止め装置の制動子引上げ動作をした時の引上げ部材保持機構の動作示す模式図である。制動部の図示は割愛する。
図8Aは非常止め装置が動作する前の状態を示す模式図である。引上げ部材31に備えた係止部32は乗りかごに備えた回転リンク33よりも下方に位置する。
図8Bは非常止め装置の引上げ部材31が動作中の状態を示す模式図である。引上げ部材31が矢印h方向に引き上げられ係止部32が回転リンク33と接触すると回転リンク33は回転軸を中心に矢印i方向に回転する。つめ車44は回転しない。
図8Cは非常止め装置の引上げ部材31が動作完了した状態を示す模式図である。引上げ部材31が図8Bに対してさらに引き上げられると回転リンク33は係止部32に押し上げられさらに回転した後は、係止部32との接触が無くなりもとの位置に戻る。その時には、係止部32は回転リンク33の上方に位置する。
この状態で引上げ部材31に下方向の力、すなわち制動子が脱落る力が作用してもつめ車44がつめ43によって時計方向の回転を抑止するので引上げ部材31は下がらない。よって、図示しない制動子は引き上げられたままの位置を保持して安定した制動力を発生する。
図9A〜9Cは、非常止め装置の復帰動作を示す模式図である。
図9Aは非常止め装置が動作して非常制動が終了した状態の模式図である。図8Cの状態と同じなので説明は割愛する。
図9Bは、乗りかごを矢印j方向に引き上げたときの保持機構の動作を示す模式図である。吊り輪41を引き上げると先ずかご吊りバー38が引き上げられ解除バー42を介してつめ43が矢印k方向に回転してつめ車44より離れる。かご吊りバー38はさらに引き上げられると吊りバー受けフレーム40に当接する。
図9Cは、吊り輪を図9Bに対してさらに矢印j方向に引き上げたときの保持機構の動作を示す模式図である。吊り輪41がさらに引き上げられると今度は、乗りかご45が引き上げられる。すると、回転リンク33の上面には係止部32から下方向の力を受けるために係止部32よって回転リンク33、固定リンクおよびつめ車44ごと時計方向に回転する。そして、この動作で抑止ばねは伸ばされる。乗りかご45がさらに引き上げられると、回転リンク33と係止部32から離れると同時に抑止ばねが基の状態に戻ろうとする力でつめ車44、固定リンク、および回転リンク33反時計方向に回転する。乗りかご引上げ動作を終えるとかご吊りバー38は基の位置に戻り、つめ43はつめ車44の凹部位置に嵌め合い戻る。復帰完了の状態は、図9Aの状態になる。
実施例2では、機構のみの構成で固定動作と復帰動作を実現できるため、制動ばね力や摩擦力などのばらつきを考慮する必要がなく、より安定な動作を実現できる。
図10は、本発明の実施例3の非常止め装置を示す模式図である。
図10において、保持機構55は、駆動機構47と、電磁アクチュエータ50と、駆動回路51と、制御回路52とからなる。
引上げ部材48の係止部49を保持するのに水平方向に移動可能な電磁アクチュエータ50を備えた駆動機構47を乗りかごに設置する。駆動機構47は、制御回路52と駆動回路51を介して駆動される。引上げ部材48を引き上げて非常止めを作動させる時は通電して電磁アクチュエータ50を矢印l方向に引き、引き上げ終わったら通電を遮断して基の位置に戻す。復帰時も同様に通電しながら乗りかごを引き上げ、終了後に通電を遮断すれば基の状態に戻せる。実施例3のような電磁駆動機構を用いれば、本発明を簡単な構造で実現できる。
以上のように、制動子引上げ後に制動子をその位置に保持する保持機構を備える事で
高速仕様でも安定した制動力を発生し、確実に所定の減速度でエレベーターを停止させることができる。
1 制動子
2 ガイドレール
4 ガイド部材
6 制動ばね
9、31、48 引上げ部材
10 非常止め装置
11、36、55 保持機構
12 乗りかご
14 33 回転リンク
16 固定リンク
17 スライド軸
18 復帰ばね
20、32、49 係止部
38 かご吊りバー
43 つめ
44 つめ車
40 吊りバー受けフレーム
41 吊り輪
47 駆動機構
50 電磁アクチュエータ
51 駆動回路
52 制御回路

Claims (4)

  1. 制限速度を越えて下降する乗りかごを停止させるため、昇降路に設置されたガイドレールを引上げ部材で引上げられた制動子と制動ばねで押圧して制動力を発生させる非常止め装置を備えたエレベーターにおいて、
    前記制動子と、前記制動子を引き上げた際に該制動子を前記乗りかごに保持することにより前記制動子の前記非常止め装置からの脱落を抑止するとともに、前記制動子の復帰時に前記乗りかご引上げ動作で前記引上げ部材を前記乗りかごから切り離して前記制動子の制動力を解除する保持機構を前記乗りかごに設け
    前記保持機構は前記制動子を引き上げる前記引上げ部材を保持して、前記制動子の前記非常止め装置から下方への脱落を防止し、
    前記保持機構は、回転リンクを固定リンクに回転可能に連結し、前記固定リンクを前記引上げ部材に近接する斜め方向に摺動自在に支持してばねで斜め上方に付勢し、前記引上げ部材の係止部は前記回転リンクの上方に位置して前記引上げ部材の下方への脱落を防止することを特徴とする非常止め装置を備えたエレベーター。
  2. 請求項1に記載の非常止め装置を備えたエレベーターにおいて、前記回転リンクは、前記固定リンクに当接して前記回転リンクの回転を制限する係合部を有することを特徴とする非常止め装置を備えたエレベーター。
  3. 請求項2に記載の非常止め装置を備えたエレベーターにおいて、前記回転リンクは前記引上げ部材の係止部に押圧されて前記固定リンクを押圧し、前記固定リンクは前記ばねを伸縮してスライド軸に沿って斜め下方に移動し、前記回転リンクと前記係止部との係合を解除することを特徴とする非常止め装置を備えたエレベーター。
  4. 制限速度を越えて下降する乗りかごを停止させるため、昇降路に設置されたガイドレールを引上げ部材で引上げられた制動子と制動ばねで押圧して制動力を発生させる非常止め装置を備えたエレベーターにおいて、
    前記制動子と、前記制動子を引き上げた際に該制動子を前記乗りかごに保持することにより前記制動子の前記非常止め装置からの脱落を抑止するとともに、前記制動子の復帰時に前記乗りかご引上げ動作で前記引上げ部材を前記乗りかごから切り離して前記制動子の制動力を解除する保持機構を前記乗りかごに設け、
    前記保持機構は前記制動子を引き上げる前記引上げ部材を保持して、前記制動子の前記非常止め装置から下方への脱落を防止し、
    前記保持機構は、前記回転リンクを前記固定リンクに回転可能に連結して、前記固定リンクをつめ車に固定し、該つめ車の外周につめを回動自在に当接し、前記引上げ部材の係止部は前記回転リンクの上方に位置して前記引上げ部材の脱落を抑え、前記乗りかごには上下に変位可能な吊り上げ部材を設け、該吊り上げ部材と前記つめを接続する接続部材を設け、前記乗りかごの吊り上げ時に前記つめを前記つめ車から離脱させ、前記つめ車の回転及びこれに係合した固定リンク及び回転リンクの移動を許容したことを特徴とする非常止め装置を備えたエレベーター。
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