JP2015101254A - 車両の車体側部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持されるサイドパネルの形成作業が容易にできるようにした場合において、車両の操安性や乗り心地が良好に維持されるようにする。
【解決手段】車両の車体側部構造において、車体2の側壁を構成し、前、後端部がわが前、後車輪6,7によって走行面8上に支持されるサイドパネル11を設ける。サイドパネル11の車体2の外部がわ面を形成するサイドアウタパネル15に前、後ドア開口19,20を形成すると共にサイドアウタパネル15を一体的に形成する。サイドアウタパネル15の一部分15aに車体部品28を取り付け可能とする。サイドアウタパネル15の他部分15bを補強するよう、サイドアウタパネル15の各部分のうち、前、後ドア開口19,20に挟まれた部分を含むサイドアウタパネル15の前後方向の中途部分31にのみ接合される補強パネル32を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持されるサイドパネルを設けた車両の車体側部構造に関するものである。
上記車両の車体側部構造には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持される板金製サイドパネルが設けられる。このサイドパネルは、車体の外部がわ面を形成するサイドアウタパネルと、このサイドアウタパネルに結合され、車体の内部がわ面を形成するサイドインナパネルとを有し、これら両パネルにはそれぞれが互いに連通する前、後ドア開口が形成される。また、特に[図11]の(a)に示されるように、上記サイドアウタパネルは一体的にプレス加工により形成されるが、従来、これと同様に、上記サイドインナパネルが一体的に形成される場合がある。
ここで、上記車体の側壁は、上記前、後ドア開口をそれぞれ開閉可能に閉じるドアを有している。そして、通常、このドアをサイドアウタパネルやサイドインナパネルに枢支させる枢支具やドアを上記各パネルに対し解除可能に係止させる係止具が、車体部品として上記各パネルの一部分に取り付け可能とされる。また、これら各パネルの一部分には、上記係止具などの取付部を補強するための補強材も、車体部品として取り付け可能とされる。
そして、上記した従来のサイドアウタパネルやサイドインナパネルは、これらがそれぞれ一体的にプレス加工により形成されたものであることから、第1に、これら各パネルの形成作業が容易にでき、その分、サイドパネルの形成作業が容易にでき、これは車体の生産性の点で好ましい。
また、第2に、上記サイドアウタパネルやサイドインナパネルは、それぞれその面方向で構造的な連続性が確保されるため、この面方向の各部剛性が滑らかに変化して急激な変化が防止され、つまり、応力集中が生じ易い剛性断点の発生が防止される。このため、車両の走行時に、前、後車輪を介し走行面から車体に衝撃力が与えられるとき、上記剛性断点に応力集中が生じてサイドパネルが変形し易くなるということは防止され、これは操安性や乗り心地の点で好ましい。
特開2001−334957号公報
ところで、上記したようにサイドパネルは、車両の走行面に対し前、後車輪により両端支持される。このため、車両の走行時、前、後車輪を介し走行面からサイドパネルに衝撃力が与えられるとき、この衝撃力により上記サイドアウタパネルやサイドインナパネルのそれぞれ前、後ドア開口に挟まれた部分であるセンタピラーの各パネルを含む前後方向の中途部分には大きい曲げモーメントが与えられがちとなる。
この結果、上記サイドアウタパネルやサイドインナパネルを一体的に形成した場合において、特に、前記した車体部品の取り付けがある上記各パネルの一部分に比べ、上記車体部品の取り付けが無く、これによる剛性の向上ができないままの上記各パネルの他部分では、上記衝撃力により、その厚さ方向である車体の幅方向に弾性的に大きく屈曲変形するおそれが生じる。そして、このように、上記各パネルの他部分が大きく屈曲変形した場合には、上記サイドパネルには捩れなどの変形が生じがちとなって、車両の操安性や乗り心地が低下するおそれを生じる。
そこで、特に、上記センタピラーの各パネルの長手方向各部の幅寸法や断面積を大きくして、その剛性を向上させ、このセンタピラーの各パネルの屈曲変形を防止することが考えられる。しかし、単にこのようにすると、幅寸法や断面積を大きくした上記センタピラーの各パネルに因り上記前、後ドア開口が狭められ、これらドア開口を通しての車体の内部の車室への乗降が阻害されるおそれが生じて、好ましくない。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の主目的は、車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持されるサイドパネルの形成作業が容易にできるようにした場合において、車両の操安性や乗り心地が良好に維持されるようにすることである。
請求項1の発明は、図1〜3に例示するように、車体2の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪6,7によって走行面8上に支持されるサイドパネル11を設け、このサイドパネル11の車体2の外部がわ面を形成するサイドアウタパネル15に前、後ドア開口19,20を形成すると共にこのサイドアウタパネル15を一体的に形成し、このサイドアウタパネル15の一部分15aに車体部品28を取り付け可能とした車両の車体側部構造において、
上記サイドアウタパネル15の他部分15bを補強するよう、このサイドアウタパネル15の各部分のうち、上記前、後ドア開口19,20に挟まれた部分を含む上記サイドアウタパネル15の前後方向の中途部分31にのみ接合される補強パネル32を設けたことを特徴とする車両の車体側部構造である。
請求項2の発明は、図3に例示するように、車体2の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪6,7によって走行面8上に支持されるサイドパネル11を設け、このサイドパネル11の車体2の内部がわ面を形成するサイドインナパネル16に前、後ドア開口19,20を形成すると共にこのサイドインナパネル16を一体的に形成し、このサイドインナパネル16の一部分16aに車体部品28を取り付け可能とした車両の車体側部構造において、
上記サイドインナパネル16の他部分16bを補強するよう、このサイドインナパネル16の各部分のうち、上記前、後ドア開口19,20に挟まれた部分を含む上記サイドインナパネル16の前後方向の中途部分31にのみ接合される補強パネル33を設けたことを特徴とする車両の車体側部構造である。
請求項3の発明は、図4に例示するように、車体2の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪6,7によって走行面8上に支持されるサイドパネル11を設け、このサイドパネル11が車体2の幅方向で互いに対面すると共に互いに結合されるサイドアウタ、サイドインナパネル15,16を有し、これら両パネル15,16にそれぞれが互いに連通する前、後ドア開口19,20を形成すると共に上記両パネル15,16をそれぞれ個別に一体的に形成し、これら両パネル15,16の一部分15a,16aに車体部品28を取り付け可能とした車両の車体側部構造において、
上記両パネル15,16の他部分15b,16bを補強するよう、これら両パネル15,16のそれぞれ各部分のうち、上記前、後ドア開口19,20に挟まれた各部分を含む上記両パネル15,16のそれぞれ前後方向の各中途部分31にのみ跨ってそれぞれに接合される補強パネル34を設けたことを特徴とする車両の車体側部構造である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持されるサイドパネルを設け、このサイドパネルの車体の外部がわ面を形成するサイドアウタパネルに前、後ドア開口を形成すると共にこのサイドアウタパネルを一体的に形成し、このサイドアウタパネルの一部分に車体部品を取り付け可能とした車両の車体側部構造において、
上記サイドアウタパネルの他部分を補強するよう、このサイドアウタパネルの各部分のうち、上記前、後ドア開口に挟まれた部分を含む上記サイドアウタパネルの前後方向の中途部分にのみ接合される補強パネルを設けている。
このため、上記したようにサイドアウタパネルが一体的に形成されている分、このサイドアウタパネルの形成作業が容易にでき、よって、このサイドアウタパネルを構成要素とするサイドパネルの形成作業は容易にできる。
一方、車両の走行時に、前、後車輪を介し走行面からサイドパネルに衝撃力が与えられるとき、上記サイドアウタパネルの前、後ドア開口で挟まれた部分であるセンタピラーアウタパネルを含む上記サイドアウタパネルの前後方向の中途部分には大きい外力が負荷されがちとなる。しかも、このサイドアウタパネルの中途部分において、特に、上記車体部品が取り付けられることにより剛性の向上が期待できる上記サイドアウタパネルの一部分に比べ、上記のような車体部品の取り付けが無く、これによる剛性の向上ができないままの上記サイドアウタパネルの他部分では、その厚さ方向である車体の幅方向に弾性的に大きく屈曲変形するおそれが生じる。
しかし、上記したようにサイドアウタパネルの他部分を補強するよう、このサイドアウタパネルの前後方向の中途部分に接合される補強パネルを設けたため、上記したサイドアウタパネルの中途部分における上記他部分は上記補強パネルによって剛性の向上が達成され、よって、上記サイドアウタパネルの中途部分が上記衝撃力により容易に屈曲変形することは、より確実に防止される。よって、車両の走行中の衝撃力により上記サイドパネルに捩れなどの変形が生じることは、より確実に防止され、この結果、車両の操安性や乗り心地が良好に維持される。
また、車体の側面に対し何らかの物体が衝突(側突)した時には、その衝撃力は、上記したように補強パネルによって剛性が大きくされた上記サイドアウタパネルの中途部分によって強固に支持され、この中途部分が車体の内部がわに大きく変形することは、より確実に防止される。そして、これは、上記サイドアウタパネルの前、後ドア開口に対応する車体の内部に居る乗員の保護にとって、極めて有益である。
また、上記したようにサイドアウタパネルの中途部分は、これに接合される補強パネルによって剛性が大きくされるため、このサイドアウタパネルの中途部分の剛性の向上は、特に、上記センタピラーアウタパネルの長手方向各部の幅寸法や断面積が大きくなることを抑制しつつ達成できる。よって、上記したようにサイドアウタパネルの中途部分の剛性を向上させた場合でも、上記センタピラーアウタパネルに因り上記前、後ドア開口が狭められることは防止され、これらドア開口を通しての車体の内部への乗降が円滑にできる。
また、上記諸効果は、上記サイドアウタパネルを一体的に形成したことと、上記サイドアウタパネルの中途部分にのみ補強パネルを接合したこととにより達成可能である。よって、上記サイドアウタパネルの各部にそれぞれ補強材を設けていた一般的な従来の技術に比べて、上記補強パネルは小型かつ軽量にすることができ、その分、車体の構成をより簡単に、かつ、軽量にできて、その生産性を向上させることができる。
請求項2の発明は、車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持されるサイドパネルを設け、このサイドパネルの車体の内部がわ面を形成するサイドインナパネルに前、後ドア開口を形成すると共にこのサイドインナパネルを一体的に形成し、このサイドインナパネルの一部分に車体部品を取り付け可能とした車両の車体側部構造において、
上記サイドインナパネルの他部分を補強するよう、このサイドインナパネルの各部分のうち、上記前、後ドア開口に挟まれた部分を含む上記サイドインナパネルの前後方向の中途部分にのみ接合される補強パネルを設けている。
このため、上記請求項1による上記効果の記載において、サイドアウタパネルをサイドインナパネルと、センタピラーアウタパネルをセンタピラーインナパネルと、それぞれ読み替えた効果が生じる。
請求項3の発明は、車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持されるサイドパネルを設け、このサイドパネルが車体の幅方向で互いに対面すると共に互いに結合されるサイドアウタ、サイドインナパネルを有し、これら両パネルにそれぞれが互いに連通する前、後ドア開口を形成すると共に上記両パネルをそれぞれ個別に一体的に形成し、これら両パネルの一部分に車体部品を取り付け可能とした車両の車体側部構造において、
上記両パネルの他部分を補強するよう、これら両パネルのそれぞれ各部分のうち、上記前、後ドア開口に挟まれた各部分を含む上記両パネルのそれぞれ前後方向の各中途部分にのみ跨ってそれぞれに接合される補強パネルを設けている。
このため、上記請求項1と請求項2とによる上記各効果が生じる。
また、上記補強パネルは上記サイドアウタ、サイドインナパネルに共用されることから、その分、上記各効果は、より簡単な構成で達成される。
実施例1を示し、車体の簡略側面図である。 実施例1を示し、図1のII−II線矢視拡大断面図である。 実施例2を示し、図2に相当する図である。 実施例3を示し、図2に相当する図である。
本発明の車両の車体側部構造に関し、車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持されるサイドパネルの形成作業が容易にできるようにした場合において、車両の操安性や乗り心地が良好に維持されるようにする、という主目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、車両の車体側部構造には、車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持されるサイドパネルが設けられる。このサイドパネルの車体の外部がわ面を形成するサイドアウタパネルに前、後ドア開口が形成されると共にこのサイドアウタパネルは一体的に形成される。このサイドアウタパネルの一部分に車体部品が取り付け可能とされる。上記サイドアウタパネルの他部分を補強するよう、このサイドアウタパネルの各部分のうち、上記前、後ドア開口に挟まれた部分を含む上記サイドアウタパネルの前後方向の中途部分にのみ接合される補強パネルが設けられる。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1,2に従って説明する。
図1,2において、符号1は、自動車で例示される車両であり、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。
上記車両1の車体2は、この車体2の下部を構成すると共にこの車体2の骨格部材を構成する車体フレーム3と、この車体フレーム3上に支持され、内部が車室4とされる板金製の車体本体(ボデー)5と、上記車体フレーム3の前、後部にそれぞれ不図示の懸架装置により支持される左右一対の前、後車輪6,7とを備え、これら前、後車輪6,7によって車体2が走行面8上に支持される。
上記車体本体5は、その左右側壁を構成し、その前、後端部がわが上記前、後車輪6,7によって走行面8上に支持される左右サイドパネル11と、これら左右サイドパネル11の各上端縁部に架設され、上記車室4の上面を形成するルーフパネル12とを有している。
上記サイドパネル11は、このサイドパネル11の車体2の外部がわ面を形成するサイドアウタパネル15と、上記サイドパネル11の車体2の内部がわ面を形成するサイドインナパネル16とを有している。上記サイドアウタパネル15とサイドインナパネル16とは、車体2の幅方向で互いに対面し、上記サイドアウタ、サイドインナパネル15,16には、それぞれが互いに連通する前、後ドア開口19,20が形成される。上記サイドアウタ、サイドインナパネル15,16は、それぞれ個別に一枚の金属製板材から一体的にプレス加工により形成される。上記サイドアウタ、サイドインナパネル15,16において、それぞれ上記前、後ドア開口19,20で挟まされた部分はセンタピラーアウタパネル22およびセンタピラーインナパネル23とされる。上記センタピラーアウタ、センタピラーインナパネル22,23により、センタピラー24が形成される。
上記サイドアウタ、サイドインナパネル15,16のそれぞれ面方向の外縁部同士と、前、後ドア開口19,20のそれぞれ開口縁部同士とはスポット溶接S1により互いに結合され、上記サイドパネル11の各部は中空閉断面構造とされて剛性の向上が図られている。また、上記サイドアウタ、サイドインナパネル15,16の前、後端部のそれぞれ少なくとも一部分は、車体2の側面視(図1)で、前、後車輪6,7の上方に位置している。
上記センタピラーアウタパネル22およびセンタピラーインナパネル23のそれぞれ長手方向各部の断面は車体2の外側方に向かって凸となるハット形状とされている。この場合、上記センタピラーアウタパネル22の上記ハット形状は公知のものであるが、上記センタピラーインナパネル23を上記ハット形状としたことにより、その断面係数が大きくされ、もって、このセンタピラーインナパネル23と共にセンタピラー24の剛性が向上させられている。具体的には、上記センタピラーアウタパネル22は、車体2の前後方向で離れて対面する前、後部パネル22a,22bと、これら前、後部パネル22a,22bの各外側端縁部同士を一体的に結合する側部パネル22cと、上記前、後部パネル22a,22bの各内側端縁部にそれぞれ一体的に形成される外向きフランジ22dとを有している。また、上記センタピラーインナパネル23は、上記センタピラーアウタパネル22と同構成となるよう前部パネル23a、後部パネル23b、側部パネル23c、および外向きフランジ23dを有している。そして、上記センタピラーアウタパネル22とセンタピラーインナパネル23との各外向きフランジ22d,23d同士がスポット溶接S1により互いに結合されている。
上記車体2の側壁は、上記前、後ドア開口19,20をそれぞれ開閉可能に閉じるドア27を有している。そして、このドア27を上記サイドアウタパネル15やサイドインナパネル16に枢支される枢支具や、ドア27を上記各パネル15,16に対し解除可能に係止させる係止具が車体部品28として上記各パネル15,16の一部分15a,16aに取り付け可能とされる。また、これら各パネル15,16の一部分15a,16aには、上記係止具などの取り付け部を補強するための補強材も車体部品28として取り付け可能とされる。
上記サイドアウタパネル15の他部分15bを補強するよう、このサイドアウタパネル15の各部分のうち、上記前、後ドア開口19,20で挟まれた部分であるセンタピラーアウタパネル22を含む上記サイドアウタパネル15の前後方向の中途部分31にのみ接合される補強パネル32が設けられる。具体的には、この補強パネル32は、上記サイドアウタパネル15の中途部分31において、上記サイドアウタパネル15の一部分15aと他部分15bとに跨って、上記センタピラーアウタパネル22の側部パネル22cの内面にスポット溶接S2により接合される。また、上記補強パネル32の上端部は、上記サイドアウタパネル15の中途部分31における上記前、後ドア開口19,20の上部開口縁部の内面にも接合される。
なお、上記補強パネル32は、上記サイドアウタパネル15の中途部分31において、上記サイドアウタパネル15の他部分15bにのみ接合させてもよい。また、上記補強パネル32の下端部は、上記サイドアウタパネル15の中途部分31における上記前、後ドア開口19,20の下部開口縁部の内面にも接合させてもよい。また、上記接合は、スポット(点)溶接の他、各種抵抗溶接やアーク溶接によるものであってもよく、各種ボルトを用いた締結具によるものであってもよい。
上記サイドアウタパネル15およびサイドインナパネル16は、高張力や超高張力鋼板とされる。一方、上記補強パネル32は、上記サイドアウタパネル15およびサイドインナパネル16よりも大きい板厚とされ、かつ、より大きい強度を有するものとされる。
上記構成によれば、センタピラーアウタパネル22やセンタピラーインナパネル23の断面係数を大きくしてその剛性を向上させている。このため、車両1の走行時に、前、後車輪6,7を介し走行面8から上記サイドパネル11に与えられる衝撃力や、車体2の外側方から上記サイドパネル11に対し与えられる外力Fは、上記サイドアウタパネル15やサイドインナパネル16のそれぞれの中途部分31により強固に支持される。
また、前記したように、サイドアウタパネル15の他部分15bを補強するよう、このサイドアウタパネル15の各部分のうち、上記前、後ドア開口19,20に挟まれた部分を含む上記サイドアウタパネル15の前後方向の中途部分31にのみ接合される補強パネル32を設けている。
ここで、前記したようにサイドアウタパネル15やサイドインナパネル16がそれぞれ一体的に形成されている分、このサイドアウタパネル15やサイドインナパネル16の形成作業が容易にでき、よって、これら各パネル15,16を構成要素とするサイドパネル11の形成作業は容易にできる。
一方、車両1の走行時に、前、後車輪6,7を介し走行面8から車体2のサイドパネル11に衝撃力が与えられるとき、前記従来の技術に詳述したように、上記サイドアウタパネル15の前、後ドア開口19,20で挟まれた部分であるセンタピラーアウタパネル22を含む上記サイドアウタパネル15の前後方向の中途部分31には大きい外力が負荷されがちとなる。しかも、このサイドアウタパネル15の中途部分31において、特に、上記車体部品28が取り付けられることにより剛性の向上が期待できる上記サイドアウタパネル15の一部分15aに比べ、上記のような車体部品28の取り付けが無く、これによる剛性の向上ができないままの上記サイドアウタパネル15の他部分15bでは、その厚さ方向である車体2の幅方向に弾性的に大きく屈曲変形するおそれが生じる。
しかも、上記サイドパネル11の前、後端部のそれぞれ少なくとも一部分は、車体2の側面視(図1)で、上記前、後車輪6,7の上方に配置されている。このため、このようにサイドパネル11が上記前、後車輪6,7に跨るよう形成された分、上記サイドパネル11は、その車体2の前後方向における長さが長くなりがちである。この結果、上記サイドパネル11のサイドアウタパネル15やサイドインナパネル16のそれぞれ中途部分31は、上記した車両1の走行時の衝撃力により、その厚さ方向に、より大きく弾性的に屈曲変形するおそれが生じる。
しかし、上記したようにサイドアウタパネル15の他部分15bを補強するよう、このサイドアウタパネル15の前後方向の中途部分31に接合される補強パネル32を設けたため、上記したサイドアウタパネル15の中途部分31における上記他部分15bは上記補強パネル32によって剛性の向上が達成され、よって、上記サイドアウタパネル15の中途部分31が上記衝撃力により容易に屈曲変形することは、より確実に防止される。よって、車両1の走行中の衝撃力により上記サイドパネル11に捩れなどの変形が生じることは、より確実に防止され、この結果、車両1の操安性や乗り心地が良好に維持される。
また、車体2の側面に対し何らかの物体が衝突(側突)した時には、その外力Fである衝撃力は、上記したように補強パネル32によって剛性が大きくされた上記サイドアウタパネル15の中途部分31によって強固に支持され、この中途部分31が車体2の内部がわに大きく変形することは、より確実に防止される。そして、これは、上記サイドアウタパネル15やサイドインナパネル16の前、後方の前、後ドア開口27,28に対応する車体2の内部に居る乗員の保護にとって、極めて有益である。
また、上記したようにサイドアウタパネル15の中途部分31は、これに接合される補強パネル32によって剛性が大きくされるため、このサイドアウタパネル15の中途部分31の剛性の向上は、特に、上記センタピラーアウタパネル22の長手方向各部の幅寸法や断面積が大きくなることを抑制しつつ達成できる。よって、上記したようにサイドアウタパネル15の中途部分31の剛性を向上させた場合でも、上記センタピラーアウタパネル22に因り上記前、後ドア開口27,28が狭められることは防止され、これらドア開口27,28を通しての車体2の内部への乗降が円滑にできる。
また、上記諸効果は、上記サイドアウタパネル15やサイドインナパネル16を一体的に形成したことと、上記サイドアウタパネル15の中途部分31にのみ補強パネル32を接合したこととにより達成可能である。よって、上記サイドアウタパネル15やサイドインナパネル16の各部にそれぞれ補強材を設けていた一般的な従来の技術に比べて、上記補強パネル32は小型かつ軽量にすることができ、その分、車体2の構成をより簡単に、かつ、軽量にできて、その生産性を向上させることができる。
なお、上記サイドアウタパネル15やサイドインナパネル16は、アルミニウム合金などの金属材製や、炭素繊維(カーボン)材製や、射出形成されたり繊維で強化されたりした樹脂製のものであってもよい。
以下の図3,4は、実施例2,3を示している。これら各実施例は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図3に従って説明する。
図3において、上記センタピラーインナパネル23の長手方向各部の断面は車体2の前後方向にほぼ直線的に延びるほぼ平坦な形状とされる。
上記センタピラーアウタパネル22を含む上記サイドアウタパネル15の中途部分31にのみ接合される補強パネル32は、その長手方向の各部断面が車体2の内側方に向かって開くコの字形状とされる。一方、上記サイドインナパネル16の他部分16bを補強するよう、このサイドインナパネル16の各部分のうち、上記センタピラーインナパネル23を含む上記サイドインナパネル16の前後方向の中途部分31にのみ接合される他の補強パネル33が設けられる。この他の補強パネル33は上記センタピラーインナパネル23の内面にスポット溶接S3によって接合される。
上記サイドインナパネル16に対する上記他の補強パネル33についての作用、効果は、前記実施例1にて説明のサイドアウタパネル15に対する補強パネル32についてのものと同様である。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例3を添付の図4に従って説明する。
図4において、上記サイドアウタパネル15とサイドインナパネル16との他部分15b,16bを補強するよう、これら両パネル15,16のそれぞれサイドインナパネル16,16にのみ跨ってそれぞれにスポット溶接S1により接合される更に他の補強パネル34が設けられる。
上記サイドアウタパネル15とサイドインナパネル16とに対する上記更に他の補強パネル34についての作用、効果は、前記実施例1,2にて説明のサイドアウタパネル15とサイドインナパネル16とに対する上記各補強パネル32,33についてのものと同様であるが、これに加え、上記更に他の補強パネル34は上記サイドアウタ、サイドインナパネル15,16に共用されることから、その分、前記した各効果は、より簡単な構成で達成される。
1 車両
2 車体
3 車体フレーム
4 車室
5 車体本体
6 車輪
7 車輪
8 走行面
11 サイドパネル
15 サイドアウタパネル
15a 一部分
15b 他部分
16 サイドインナパネル
16a 一部分
16b 他部分
19 前ドア開口
20 後ドア開口
22 センタピラーアウタパネル
23 センタピラーインナパネル
24 センタピラー
27 ドア
28 車体部品
31 中途部分
32 補強パネル
33 (他の)補強パネル
34 (更に他の)補強パネル
F 外力
S1〜S3 スポット溶接

Claims (3)

  1. 車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持されるサイドパネルを設け、このサイドパネルの車体の外部がわ面を形成するサイドアウタパネルに前、後ドア開口を形成すると共にこのサイドアウタパネルを一体的に形成し、このサイドアウタパネルの一部分に車体部品を取り付け可能とした車両の車体側部構造において、
    上記サイドアウタパネルの他部分を補強するよう、このサイドアウタパネルの各部分のうち、上記前、後ドア開口に挟まれた部分を含む上記サイドアウタパネルの前後方向の中途部分にのみ接合される補強パネルを設けたことを特徴とする車両の車体側部構造。
  2. 車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持されるサイドパネルを設け、このサイドパネルの車体の内部がわ面を形成するサイドインナパネルに前、後ドア開口を形成すると共にこのサイドインナパネルを一体的に形成し、このサイドインナパネルの一部分に車体部品を取り付け可能とした車両の車体側部構造において、
    上記サイドインナパネルの他部分を補強するよう、このサイドインナパネルの各部分のうち、上記前、後ドア開口に挟まれた部分を含む上記サイドインナパネルの前後方向の中途部分にのみ接合される補強パネルを設けたことを特徴とする車両の車体側部構造。
  3. 車体の側壁を構成し、その前、後端部がわが前、後車輪によって走行面上に支持されるサイドパネルを設け、このサイドパネルが車体の幅方向で互いに対面すると共に互いに結合されるサイドアウタ、サイドインナパネルを有し、これら両パネルにそれぞれが互いに連通する前、後ドア開口を形成すると共に上記両パネルをそれぞれ個別に一体的に形成し、これら両パネルの一部分に車体部品を取り付け可能とした車両の車体側部構造において、
    上記両パネルの他部分を補強するよう、これら両パネルのそれぞれ各部分のうち、上記前、後ドア開口に挟まれた各部分を含む上記両パネルのそれぞれ前後方向の各中途部分にのみ跨ってそれぞれに接合される補強パネルを設けたことを特徴とする車両の車体側部構造。
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