JP6567855B2 - 車体ルーフ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体ルーフの側面視での見栄えを向上させるようにするための車体ルーフ構造に関するものである。
上記車体ルーフ構造には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車体ルーフは、車体幅方向の中央部がわを構成するルーフパネルと、このルーフパネルの外側方に並設されて車体の前後方向に延び、上記ルーフパネルがわの端縁部がこのルーフパネルの外側端縁部と接合されるルーフサイドレールとを備える。このルーフサイドレールは、車体の骨格部材を構成するものであって、上記ルーフパネルを強固に支持することが要求され、また、空力特性などの面で、構造的な特定が要求される。
そこで、上記ルーフサイドレールは次のように構成される。
即ち、上記ルーフサイドレールは、上下方向で互いに対面するレールアウタ、レールインナパネルを有して、これら両パネルのそれぞれ幅方向の端縁部同士の接合により剛性の大きい中空閉断面構造とされると共に、これら両パネルのそれぞれ幅方向の中途部の幅寸法が大きくされている。
また、上記ルーフサイドレールの上部外面を形成するレールアウタパネルの幅方向の中途部が、その横断面視で、車体の外側方に向かうに従い下方に向かうよう傾斜すると共に、全体的に見て上方に向かって凸の円弧形状となるよう形成されている。
特開2000−142467号公報
ところで、上記したようにレールアウタパネルの幅方向の中途部は、その幅寸法が大きくされると共に、その横断面視で、車体の外側方に向かうに従い下方に向かうよう傾斜すると共に、全体的に見て上方に向かって凸の円弧形状となるよう形成されており、このため、第1に、車体ルーフを側面視したとき、上記レールアウタパネルの幅方向の中途部は単なる幅広の平坦材に見えがちとなり、これは、車体ルーフの側面視での見栄えを低下させるものであって好ましくない。
また、第2に、上記したようにレールアウタパネルの幅方向の中途部は幅寸法が大きいため、車両の洗車時などに、作業者が上記レールアウタパネルの中途部に手を掛けて手掛け外力を負荷した場合には、このレールアウタパネルの中途部が容易に凹むおそれがあり、これは、レールアウタパネルに対する触覚的なフィーリング上好ましくない。
そこで、上記レールアウタパネルを補強する補強材を設けることが考えられるが、このようにすると、車体ルーフの部品点数が増加して構成が複雑となり、その生産性が低下するおそれを生じる。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車体ルーフの側面視での見栄えを向上させると共に、車体ルーフ側部のルーフサイドレールの上部外面を形成するレールアウタパネルに対する触覚上のフィーリングを向上させるようにし、かつ、上記見栄えやフィーリングの向上が簡単な構成で達成できるようにすることである。
請求項1の発明は、車体2幅方向の中央部がわを構成するルーフパネル17と、このルーフパネル17の外側方に並設されて車体2の前後方向に延び、上記ルーフパネル17がわの端縁部がこのルーフパネル17の外側端縁部と接合されるルーフサイドレール18とを備え、このルーフサイドレール18の上部外面を形成するレールアウタパネル19の幅方向の中途部23を、その横断面視(図1)で、車体2の外側方に向かうに従い下方に向かうよう傾斜すると共に、全体的に見て上方に向かって凸の円弧形状となるよう形成した車両の車体ルーフ構造において、
上記レールアウタパネル19の中途部23における車体2の外側方がわに車体2の前後方向に延び、かつ、下方に向かって凸の円弧形状となる凹部24を形成したことを特徴とする車両の車体ルーフ構造である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、車体幅方向の中央部がわを構成するルーフパネルと、このルーフパネルの外側方に並設されて車体の前後方向に延び、上記ルーフパネルがわの端縁部がこのルーフパネルの外側端縁部と接合されるルーフサイドレールとを備え、このルーフサイドレールの上部外面を形成するレールアウタパネルの幅方向の中途部を、その横断面視で、車体の外側方に向かうに従い下方に向かうよう傾斜すると共に、全体的に見て上方に向かって凸の円弧形状となるよう形成した車両の車体ルーフ構造において、
上記レールアウタパネルの中途部における車体の外側方がわに車体の前後方向に延び、かつ、下方に向かって凸の円弧形状となる凹部を形成してあり、次の効果が生じる。
即ち、第1点として、車体ルーフを側面視したとき、上記レールアウタパネルの幅方向の中途部に車体の前後方向に延びる凹部を形成したことから、上記レールアウタパネルの中途部が単なる幅広の平坦材に見えることが防止されて、幅狭に見えるようにすることが可能とされる。よって、その分、車体ルーフの側面視での見栄えの向上が達成される。
また、第2点として、上記レールアウタパネルの幅方向の中途部において、上記ルーフパネルがわに位置し、上方に向かって凸の円弧形状をなす上部分と、下方に向かって凸の円弧形状をなす上記凹部との間の中間部分は、上記上部分から凹部に向かうに従い曲がりの方向が変わる変曲部であって、剛性が大きくなる部分である。
このため、上記レールアウタパネルの横断面視で、このレールアウタパネルの中途部の上部分は、上記したように剛性が大きくなる上記レールアウタパネルの中途部の中間部分と、前記したようにルーフパネルの外側端縁部との接合で剛性が大きくなる上記レールアウタパネルの端縁部とにより両端支持される。
よって、車両の洗車時などに、作業者が上記したレールアウタパネルの中途部の上部分に手掛け外力を負荷したとしても、この上部分が容易に凹むことは防止され、また、仮に凹んだとしても、これは弾性的な凹みにとどめられて、上記手掛け外力の解除に伴い直ちに復元される。この結果、上記レールアウタパネルの中途部の上部分に対する触覚的なフィーリングを向上させることができる。
また、上記レールアウタパネルの横断面視で、上記凹部は下方に向かって凸の円弧形状であるため、この凹部に手掛け外力を負荷した場合には、この手掛け外力に対し上記凹部に生じる引張応力が強固に対抗し、上記凹部が容易に凹むことは、より確実に防止される。この結果、上記レールアウタパネルの凹部に対する触覚的なフィーリングを向上させることもできる。
また、第3点として、上記第1点として示した車体ルーフの側面視での見栄えの向上や、第2点として示したレールアウタパネルに対する触覚上のフィーリングの向上は、このレールアウタパネルに車体の前後方向に延びる上記凹部を形成することで達成されるのであって、補強材を設けるなど別途構成の追加は可及的に回避可能である。よって、上記第1、第2点の効果は、簡単な構成で達成できる。
図2のI-I線矢視拡大断面図である。 車両の全体側面図である。
本発明の車体ルーフ構造に関し、車体ルーフの側面視での見栄えを向上させると共に、車体ルーフ側部のルーフサイドレールの上部外面を形成するレールアウタパネルに対する触覚上のフィーリングを向上させるようにし、かつ、上記見栄えやフィーリングの向上が簡単な構成で達成できるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、車体ルーフ構造は、車体幅方向の中央部がわを構成するルーフパネルと、このルーフパネルの外側方に並設されて車体の前後方向に延び、上記ルーフパネルがわの端縁部がこのルーフパネルの外側端縁部と接合されるルーフサイドレールとを備える。このルーフサイドレールの上部外面を形成するレールアウタパネルの幅方向の中途部が、その横断面視で、車体の外側方に向かうに従い下方に向かうよう傾斜すると共に、全体的に見て上方に向かって凸の円弧形状となるよう形成される。上記レールアウタパネルの中途部における車体の外側方がわに車体の前後方向に延び、かつ、下方に向かって凸の円弧形状となる凹部が形成される。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図中符号1は、自動車で例示される車両であり、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。また、下記する左右とは車両1の車体2幅方向をいうものとする。
車両1は、板金製の上記車体2と、この車体2に懸架され、この車体2を走行面3上に支持する前、後車輪4,5とを備える。車体2の内部が車室8とされ、車体2は、この車体2の左、右各側部を構成すると共に、車室8の側面を形成する左右車体側壁9と、これら左右車体側壁9の各上端部に架設される車体ルーフ10とを備える。上記車体側壁9には車室8の内外を連通させるドア開口11が形成され、このドア開口11を車体2の外側方から開閉可能に閉じる前、後サイドドア12,13が設けられる。
上記車体ルーフ10は、車体2幅方向の中央部がわを構成して車体2の前後方向に延び、その横断面が大きい曲率半径で上方に向かって凸の円弧形状をなすルーフパネル17と、上記車体ルーフ10の左、右各側部を構成するよう上記ルーフパネル17の外側方に並設されて車体2の前後方向に延びるルーフサイドレール18とを備え、上記ルーフパネル17の外側端縁部と上記各ルーフサイドレール18の上記ルーフパネル17がわの端縁部とはスポット溶接S1により互いに接合される。
上記ルーフサイドレール18は、車体2の骨格部材を構成するものであって、上記ルーフパネル17を強固に支持することが要求され、また、空力特性などの面で、構造的な特定が要求される。
そこで、上記ルーフサイドレール18は次のように構成される。
即ち、上記ルーフサイドレール18は、上下方向で互いに対面するレールアウタ、レールインナパネル19,20を有して、これら両パネル19,20の接合により剛性の大きい中空閉断面構造とされると共に、これら両パネル19,20の間にレール補強パネル21が介設され、かつ、これら両パネル19,20の幅寸法が大きくされている。上記各パネル19〜21はいずれもプレス加工により形成されたものである。
具体的には、上記レールアウタパネル19は、その横断面視(図1)で、幅方向の各端縁部22が上記レールインナパネル20の幅方向の各端縁部に上記スポット溶接S1,S2により接合される。上記レールアウタパネル19の各端縁部22は、それぞれL字形状に屈曲されて剛性が大きくされる。そして、上記レールアウタパネル19の幅方向の中途部23は、上記各端縁部22の頂部に架設されてこれら各端縁部22よりも高く位置させられる。
上記ルーフサイドレール18の上部外面を形成するレールアウタパネル19の幅方向の中途部23は、その横断面視(図1)で、車体2の外側方に向かうに従い下方に向かうよう傾斜すると共に、全体的に見て上方に向かって凸の円弧形状となるよう形成される。
上記レールアウタパネル19の中途部23における車体2の外側方がわに、車体2の前後方向に延び、かつ、下方に向かて凸の円弧形状となる浅い溝形状の凹部24が形成される。この凹部24は、車体2の前後方向のほぼ全体にわたり、直線的かつ連続的に延びるよう形成される。
上記レールアウタパネル19の横断面視(図1)で、このレールアウタパネル19の中途部23において、上記凹部24を挟む上記中途部23の上部分23aと下部分23bとはそれぞれ前記したように上方に向かって凸の円弧形状をなしている。また、上記レールアウタパネル19の中途部23において、この中途部23の上部分23aと上記凹部24との間の中間部分23cは、上記上部分23aから凹部24に向かうに従い曲がりの方向が変わる変曲部であって、平坦形状とされる。そして、上記レールアウタパネル19の中途部23の上部分23a、中間部分23c、凹部24、および下部分23bは滑らかに連続するよう形成される。
上記の場合、レールアウタパネル19の中途部23の上部分23aと凹部24とは幅寸法が互いに同じであるが、これら23a,24は上記中途部23の下部分23bや中間部分23cよりも幅寸法が大きくされる。また、上記レールアウタパネル19の幅方向で、上記凹部24の中央点は、上記レールアウタパネル19の中途部23の中央点よりも車体2の外側方がわに配置される。
なお、上記レールアウタパネル19の中途部23の下部分23bは上記凹部24の一部に含まれるようにしてもよい。また、上記中途部23における変曲部である中間部分23cは、上記レールアウタパネル19の中途部23の上部分23aを凹部24に円滑に連続させる変曲点であってもよい。また、この凹部24は、車体ルーフ10のレールアウタパネル19の長手方向の所望部位にのみ形成してもよく、断続的に形成してもよい。
上記構成によれば、次の効果が生じる。
即ち、第1点として、車体ルーフ10を側面視(図2)したとき、上記レールアウタパネル19の幅方向の中途部23に車体2の前後方向に延びる凹部24を形成したことから、上記レールアウタパネル19の中途部23が単なる幅広の平坦材に見えることが防止されて、幅狭に見えるようにすることが可能とされる。よって、その分、車体ルーフ10の側面視での見栄えの向上が達成される。
また、第2点として、上記レールアウタパネル19の幅方向の中途部23において、上記ルーフパネル17がわに位置し、上方に向かって凸の円弧形状をなす上部分23aと、下方に向かって凸の円弧形状をなす上記凹部24との間の中間部分23cは、上記上部分23aから凹部24に向かうに従い曲がりの方向が変わる変曲部であって、剛性が大きくなる部分である。
このため、上記レールアウタパネル19の横断面視(図1)で、このレールアウタパネル19の中途部23の上部分23aは、上記したように剛性が大きくなる上記レールアウタパネル19の中途部23の中間部分23cと、前記したようにルーフパネル17やレールインナパネル20の各端縁部とのスポット溶接S1による接合で剛性が大きくなる上記レールアウタパネル19の上記ルーフパネル17がわの端縁部22とにより両端支持される。
よって、車両1の洗車時などに、作業者が上記したレールアウタパネル19の中途部23の上部分23aに手掛け外力F1を負荷したとしても、この上部分23aが容易に凹むことは防止され、また、仮に図1中一点鎖線で示すように凹んだとしても、これは弾性的な凹みにとどめられて、上記手掛け外力F1の解除に伴い直ちに復元される。この結果、上記レールアウタパネル19の中途部23の上部分23aに対する触覚的なフィーリングを向上させることができる。
また、上記レールアウタパネル19の横断面視(図1)で、上記凹部24は、上記したように剛性が大きくなるレールアウタパネル19の中途部23の中間部分23cと、前記したようにレールインナパネル20の端縁部とのスポット溶接S2による接合で剛性が大きくなる上記レールアウタパネル19の車体2外側方がわの端縁部22とにより両端支持される。よって、上記凹部24に手掛け外力F2を負荷したとしても、この凹部24が容易に凹むことは防止される。
しかも、上記凹部24は下方に向かって凸の円弧形状であるため、この凹部24に手掛け外力F2を負荷した場合には、上記手掛け外力F2に対し上記凹部24に生じる引張応力が強固に対抗し、上記凹部24が容易に凹むことは、より確実に防止される。この結果、上記レールアウタパネル19の凹部24に対する触覚的なフィーリングを向上させることもできる。
また、第3点として、上記第1点として示した車体ルーフ10の側面視での見栄えの向上や、第2点として示したレールアウタパネル19に対する触覚上のフィーリングの向上は、このレールアウタパネル19に車体2の前後方向に延びる上記凹部24を形成することで達成されるのであって、補強材を設けるなど別途構成の追加は可及的に回避可能である。よって、上記第1、第2点の効果は、簡単な構成で達成できる。
1 車両
2 車体
8 車室
9 車体側壁
10 車体ルーフ
17 ルーフパネル
18 ルーフサイドレール
19 レールアウタパネル
20 レールインナパネル
22 端縁部
23 中途部
23a 上部
23b 下部
23c 中間部
24 凹部
F 手掛け外力
S スポット溶接

Claims (1)

  1. 車体幅方向の中央部がわを構成するルーフパネルと、このルーフパネルの外側方に並設されて車体の前後方向に延び、上記ルーフパネルがわの端縁部がこのルーフパネルの外側端縁部と接合されるルーフサイドレールとを備え、このルーフサイドレールの上部外面を形成するレールアウタパネルの幅方向の中途部を、その横断面視で、車体の外側方に向かうに従い下方に向かうよう傾斜すると共に、全体的に見て上方に向かって凸の円弧形状となるよう形成した車両の車体ルーフ構造において、
    上記レールアウタパネルの中途部における車体の外側方がわに車体の前後方向に延び、かつ、下方に向かって凸の円弧形状となる凹部を形成したことを特徴とする車両の車体ルーフ構造。
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