JP2015093966A - ポリイミド、ポリイミド溶液、成型体、及び光学デバイス - Google Patents

ポリイミド、ポリイミド溶液、成型体、及び光学デバイス Download PDF

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淳一 石井
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友康 須永
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Abstract

【課題】熱と光に長期間同時に曝される環境下においても光透過率と色調変化の経時変化量が小さく、優れた加工性(溶液加工性や成形性)を持つポリイミドの提供。【解決手段】化学式1に示す構造単位を含むポリイミドであって、前記ポリイミドから得られるポリイミドフィルムの膜厚が10μmの場合で波長400nmにおける初期光透過率が40%以上であり、且つ、120℃環境下で波長365nmの照射エネルギーが、3.6mW/cm2の超高圧水銀ランプによって、200時間照射した後の波長400nmにおける光透過率の経時変化の割合が25%以下であることを特徴とするポリイミド。特定構造のテトラカルボン酸二無水物と特定構造の芳香族ジアミン化合物より合成される前記ポリイミド。【選択図】なし

Description

本発明は、無機発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)等の半導体素子、フラットパネルディスプレイ(FPD)、太陽電池等に用いられる光学材料として長期間の連続使用でも高い透明性と色調を維持することのできるポリイミド、前記ポリイミドを含有するポリイミド溶液、及び成型体、並びに該ポリイミドを用いた光学デバイスに関するものである。
照明分野に使用されるLEDやOLED等の発光素子(デバイス)、FPDなどの表示デバイス、そして太陽電池などの光電変換デバイスは、長期間の使用でも光取り出し効率が低下せず色調が変化しない特性、または光電変換効率を低下させないことが求められている。これらの要求を満たすためには、発光デバイス、光電変換デバイスに使用される封止材、接着剤、反射材、基板等に用いられている有機材料の高性能化が必要不可欠となる。具体的には、これらのデバイスを構成する多くの有機物、例えば、エポキシ材料に代表される高分子化合物は、デバイス自体から発せられる熱と光、または外部からの熱と光によって同時に曝されると劣化が生じ、長期間の連続使用環境下では光透過率の低下、黄色度(イエローネスインデックス;YI)の増加によって著しくこれらのデバイスの特性を損ねる懸念があった。
そこで、従来の汎用樹脂よりも耐熱性の優れるポリイミドが当該分野で注目されている。ポリイミドは、優れた電気絶縁性、耐熱性、機械特性、耐薬品性等を有しており、エレクトロニクス、およびオプトエレクトロニクス分野において絶縁材料、基板材料、封止材料、接着材料等に用いられ、電子デバイスの高信頼性、高性能化、小型化、軽量化に大きく貢献している材料である。
しかしながら、ポリイミドから成型されるフィルムの多くは、半田実装に耐える極めて優れた耐熱性を有するものの高分子鎖中の共役構造部位に加え、ポリイミド特有の分子内・分子間電荷移動相互作用により強く着色している(例えば、非特許文献1参照)。よって、例えばLEDやOLED等の発光デバイス、FPDや太陽電池に用いられる高い透明性が必要な部材にポリイミドを適用した場合、ポリイミドの光吸収により光取り出し効率の低下や、光電変換効率の低下といった問題が生じる。
そこで、ポリイミドフィルムの初期着色を低減させるために様々な方法が提案されている。例えば、ポリイミド主鎖中に脂肪族である直鎖脂肪族構造または脂環構造を導入することで共役構造や電荷移動相互作用を低減させ、ポリイミドフィルムの初期透明性の高いポリイミドが報告されている(例えば、非特許文献2参照)。また、特許文献1には、耐熱性、非着色性、透明性等に優れたポリイミドが開示されている。具体的に、熱劣化加速試験前後でのYIの変化が小さいポリイミドが開示されている。特許文献1には、LEDやOLED等の半導体素子、太陽電池、FPDの材料に好適であることが記載されている。
また、別の方法として、嵩高い構造で、尚且つ電子求引性置換基であるトリフルオロメチル基をポリイミド構造中に導入することで電荷移動相互作用を弱め、ポリイミドフィルムの初期透明性を高める技術が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、非特許文献2および特許文献2では、熱と光が同時に曝される実用環境を想定した長期間連続作動条件での経時劣化(光透過率変化やYI変化)については開示されていない。また、特許文献1では、熱劣化加速試験前後でのYIの変化については記載されているが、熱と光が同時に曝される実用環境を想定した長期間連続作動条件での経時劣化(光透過率変化やYI変化)については開示されていない。
以上の先行技術では、デバイスから発せられる熱と光、または外部からの熱と光によって同時に曝される環境下での長期間連続使用では光透過率の低下、YIの増加によって著しくデバイスの特性を損ねる懸念がある。
熱や光の影響を同時に受けるLED、OLED等の半導体素子、太陽電池、FPD等の材料としてポリイミドを用いる場合には、初期の透明性に加え、長期間の連続使用でも透明性を維持し、色調変化が少ないことが必要となる。即ち熱と光が同時にかかる劣化(エージング)試験において光透明性の維持と色調変化が小さいことが必要となる。しかしながら、非特許文献2、特許文献1、そして特許文献2には、ポリイミドの熱と光によるエージング試験での色調変化については記載されていない。これら先行技術に記載されているポリイミドでは、LED、OLED等の半導体素子、太陽電池、FPD等の熱や光の影響を受ける部材にポリイミドを使用した場合に色調変化が生じるおそれがあり、このような部材の材料として最適ではない。
また、ポリイミドの多くは溶媒に殆ど不溶であり溶液加工性に乏しい。更に、ポリイミドは熱可塑性を示さず、ポリイミドを加工することは困難である。ポリイミドの加工は、ポリイミド前駆体、例えばポリアミド酸などの溶媒に可溶な前駆体を成型し、その後に熱的または化学的にイミド化することによって行われる。よって、工程が複雑となるため、ポリイミドを用いてデバイスを製作するには、溶媒に可溶なポリイミドであることが望ましい。
以上の技術背景から、ポリイミドの高い初期光透明性と、熱と光に同時に長期間曝された条件下でも透明性と色調が維持され、尚且つ、優れた加工性(溶液加工性や成型性)を全て同時に実現できるポリイミドは知られていない。
特開2010−116476号公報 米国特許第7,550,194号
Prog.Polym.Sci.26(2001)259−335 High Perform.Polym.19(2007)175−193
そこで、本発明は、このような従来の実状に鑑みて提案されたものであり、熱と光に同時に曝される環境下においても光透過率の経時変化量が小さく、加工性の優れたポリイミドを提供することを目的とする。
更に、本発明は、前記ポリイミドを含有するポリイミド溶液、及び成型体、並びに該ポリイミドを用いた光学デバイスを提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明に係るポリイミドは、
下記化学式1に示す構造単位を含むポリイミドであって、
前記ポリイミドから得られるポリイミドフィルムの波長400nmにおける初期光透過率が40%以上であり、且つ、加熱及び光照射による同時暴露下においても波長400nmにおける光透過率の経時変化の割合が25%以下であることを特徴とする。
(式中、Xは下記化学式2の構造から1つ以上選択され、式中のYは下記化学式3から1つ以上選択される)
上述した目的を達成する本発明に係るポリイミド溶液は、上記ポリイミドと有機溶媒とを含有することを特徴とする。
上述した目的を達成する本発明に係る成型体は、上記ポリイミドからなることを特徴とする。
上述した目的を達成する本発明に係る光学デバイスは、上記ポリイミドを用いたことを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、透明性を維持でき、色調変化が小さいポリイミドを提供できる。前記ポリイミドは、熱と光の影響を受けるLED等の半導体素子、太陽電池、FPD等の光学材料に好適である。
以下、本発明が適用されたポリイミド、ポリイミド溶液、成型体、および光学デバイスについて詳細に説明する。尚、本発明は、特に限定がない限り、以下の詳細な説明に限定されるものではない。
本発明の形態に係る化学式1のポリイミドは、化学式4で示すテトラカルボン酸二無水物と化学式5に示す芳香族ジアミン化合物をそれぞれ1つ以上使用し合成され、初期透明性、耐熱性、熱可塑性、機械特性、成型性、光学特性等に優れ、熱と光が同時に長期間曝される当該分野のエレクトロニクス、およびオプトエレクトロニクス用の光学材料として用いることができる。
前記ポリイミドから得られるポリイミドフィルムの波長400nmにおける初期光透過率が40%以上であり、且つ、加熱及び光照射による同時暴露下においても波長400nmにおける光透過率の経時変化の割合が25%以下である。
前記ポリイミドから得られるポリイミドフィルムの膜厚が10μmの場合で、波長400nmにおける初期の光透過率が40%以上であり、且つ120℃環境下で波長365nmの照射エネルギーが3.6mW/cmの超高圧水銀ランプによって200時間照射した後の光透過率変化が25%以下であることが好ましい。
具体的には、化学式1のポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物として下記の化学式6に示す2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、化学式7に示す2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸二無水物、または化学式8に示す2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物と、芳香族ジアミン化合物として化学式9に示す2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、または化学式10に示す4,4’−(オキシジ−p−フェノキシ)ジアニリンの芳香族ジアミン化合物とをそれぞれ1つ以上使用し、溶媒中で開環付加重合させて得られたポリイミド前駆体(ポリアミド酸)をイミド化する工程を経て製造することができる。
本発明に係る化学式1に示すポリイミドの原料である下記化学式4で示されるテトラカルボン酸二無水物の化学構造的特徴は、嵩高い置換基を有するヘキサフルオロイソプロピリデン結合、イソプロピリデン結合、そして屈曲構造を有するエーテル結合が少なくとも1つ以上連結基として介在するという点である。このテトラカルボン酸二無水物を1つ以上用いて合成されたポリイミドは、共役が切断され、更に電荷移動相互作用をも抑制し、ポリイミドフィルムの初期透明性が高まり、更に熱と光に同時に曝された条件下での光透過率の減少が抑制される。これらの効果は、下記化学式5の構造を有する芳香族ジアミン化合物を1つ以上用いることで、相乗的に高めることができ、更にポリイミドの成型に必要な溶剤加工性を同時に実現できる。
(式中のXは下記化学式2の構造から1つ以上選択される)
(式中のYは下記化学式3から1つ以上選択される)
本発明に係るポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を重合する際に、当該分野における要求特性を著しく損なわない範囲で、化学式4で示されるテトラカルボン酸二無水物以外の芳香族または脂肪族テトラカルボン酸二無水物を共重合成分として併用することができる。
その際に使用可能な芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されないが、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸無水物、2,3,3’,4’−オキシジフタル酸無水、2,2’,3,3’−オキシジフタル酸無水物等が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されないが、例えば、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。また、これらを2種類以上併用することもできる。
化学式4で表されるテトラカルボン酸二無水物と併用する上記芳香族又は脂肪族テトラカルボン酸二無水物の含有量は、全テトラカルボン酸二無水物使用量の20モル%以下の範囲である。
本発明に係るポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を重合する際に、当該分野における要求特性を著しく損なわない範囲で、化学式5で示される芳香族ジアミン化合物以外に芳香族または脂肪族ジアミンを共重合成分として併用することができる。
その際に使用可能な芳香族ジアミンとしては、特に限定されないが、例えば、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2’−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
また、脂肪族ジアミンとしては、鎖状脂肪族または脂環式ジアミンであり、脂環式ジアミンとしては、特に限定されないが、例えば、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、鎖状脂肪族ジアミンとしては、特に限定されないが、例えば、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシロキサン等が挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。この際、上記ジアミンの含有量は全ジアミン使用量の20モル%以下の範囲である。
本発明に係るポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を重合する際に使用する溶媒(重合溶媒)としては、原材料が溶解し、生成するポリイミド前駆体及び、そのポリイミド前駆体をイミド化したポリイミドが溶解する溶媒であれば特に限定はされないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性アミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール系溶媒、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒などが使用でき、これらを2種類以上混合して用いてもよい。
化学式1に示す本発明のポリイミドは、化学式4に示すテトラカルボン酸二無水物と化学式5に示す芳香族ジアミン化合物とをそれぞれ1つ以上使用し、溶媒中で開環付加重合させて得られたポリイミド前駆体であるポリアミド酸を得た後、次いでこれをイミド化することにより、当該産業分野で極めて有用な本発明のポリイミドを得ることができる。具体的には、先に述べた重合溶媒を十分に乾燥させ、その溶媒中に化学式5に示す芳香族ジアミン化合物を含む全ジアミン化合物をメカニカルスターラーなどで撹拌溶解した後、化学式4に示すテトラカルボン酸二無水物を含む全テトラカルボン酸二無水物粉末を徐々に加え、−5〜120℃、好ましくは10℃〜50℃で1〜168時間撹拌することでポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を得る。
ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)の固有粘度は、0.1dl/g以上が好ましい。0.1dl/g未満では、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)の重合度が小さく、その前駆体から得られるポリイミドフィルムの強度が得られ難くなる。
固有粘度は、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を合成する際の全テトラカルボン酸二無水物と全ジアミン化合物のそれぞれの量により調整可能である。具体的には、合成に使用する全テトラカルボン酸二無水物に対して、全ジアミン化合物が0.8〜1.2倍モルの範囲であり、高分子量体のポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を得るためには、より好ましくは、0.9〜1.1倍モルの範囲が好適である。
また、テトラカルボン酸二無水物全量の一部を一官能性の酸無水物化合物(酸無水物末端封止剤)に置き換えても重合度は調整できる。例えば、特に限定はされないが、無水マレイン酸、無水フタル酸、ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物などが使用でき、これらを2種類以上混合して用いてもよい。
酸無水物末端封止剤の使用量は、全テトラカルボン酸二無水物の内、10モル%以下であり、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)の分子量を著しく低下させないために、より好ましくは5モル%以下である。
一方、ジアミン化合物の全量の一部を一官能性のアミン化合物(アミン末端封止剤)に置き換えることもできる。例えば、特に限定はされないが、アニリン、シクロヘキシルアミン、p−トルイジン、アミノメチルシクロヘキサン、4−アミノベンゾトリフルオリドなどが使用でき、これらを2種類以上混合して用いてもよい。
アミン末端封止剤の使用量は、全ジアミン化合物の内、10モル%以下であり、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)の分子量を著しく低下させないために、より好ましくは、2モル%以下である。
末端封止剤が含有されたポリイミドは、そのポリイミドから得られるポリイミドフィルムを熱と光に同時に曝された条件下においた時、光透過率の減少やYIの増加が抑制される効果や、ポリイミド溶液の保存安定性やポリイミドが溶融した時の溶融粘度上昇も低減できる効果、そして無水マレイン酸、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物などを含むポリイミドでは熱架橋させることも可能となる。
ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を合成する際の溶質濃度は、3〜45質量%の範囲であり、溶質濃度が低いと重合度が上がり難く、高すぎるとゲル化が生じ易くなるので、より好ましくは、5〜40質量%である。
得られたポリイミド前駆体(ポリアミド酸)のイミド化方法について説明する。前記方法で得られたポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を重合時に使用した溶媒と同一の溶媒で撹拌し易い適度な溶液粘度に調整した後、ポリアミド酸溶液をメカニカルスターラーなどで撹拌しながら、有機酸の無水物と、塩基性化合物として3級アミンからなる脱水閉環剤(化学イミド化剤)を滴下し、−5〜150℃、好ましくは10〜120℃で1〜72時間撹拌することで化学的にイミド化を完結させる(化学イミド化)。その際に使用可能な有機酸無水物としては特に限定されないが、無水酢酸、トリフルオロ酢酸無水物、無水プロピオン酸等が挙げられる。試薬の取り扱いや精製のし易さから無水酢酸が好適に使用される。また塩基性化合物としては、ピリジン、トリエチルアミン、キノリン等が使用できるが試薬の取り扱いや分離のし易さからピリジンが好適に用いられるが、これらに限定されない。化学イミド化剤中の有機酸無水物量は、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)の理論脱水量の1〜10倍モルの範囲であり、より好ましくは1〜5倍モルである。また塩基性化合物の量は、有機酸無水物量に対して0.1〜5倍モルの範囲であり、より好ましくは0.1〜2倍モルの範囲である。
上記のように化学イミド化後の反応溶液中には、化学イミド化剤や有機酸などの不純物が混入しているため当該分野の材料として適用する場合、絶縁抵抗の低下や金属配線の腐食、そしてポリイミドフィルムの着色などデバイスへの悪影響が懸念されるため好ましくない。したがって、不純物を取り除く精製工程が必要となる。精製は公知の方法が利用できる。例えば、最も簡便な方法としては、イミド化したポリイミド溶液を撹拌しながら大量の貧溶媒中に滴下してポリイミドを析出させた後、ポリイミド粉末を回収して不純物が除去されるまで繰返し洗浄し、減圧乾燥して、ポリイミド粉末を得る方法などが適用できる。
ポリイミド粉末の再溶解は、ポリイミド粉末が完全に溶解する溶媒であれば、特に限定はされないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール系溶媒、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレンなどが使用でき、これら溶媒を2種類以上混合して用いてもよい。
このようにして得られたポリイミドの固有粘度は、0.1dl/g以上が好ましい。0.1dl/g未満では、ポリイミドの重合度が小さく、そのポリイミド溶液から得られるポリイミドフィルムの強度が得られ難くなる。
また、別のイミド化方法の一例を挙げる。前記方法で得られたポリイミド前駆体(ポリアミド酸)溶液をディーンスタークトラップと凝縮器を付与した反応容器に入れ、イミド化反応で発生する脱離水を除去するために共沸剤であるトルエンやキシレン等を滴当量加えた後、乾燥窒素を流す。メカニカルスターラーなどで撹拌しながら、溶媒の沸点にもよるが、150〜220℃で環流させ1〜12時間撹拌することで熱的にイミド化を完結させる(溶液熱イミド化)。
その際に触媒として、安息香酸やp−トルエンスルホン酸などの有機酸、または塩基性触媒としてピリジンやトリエチルアミンなどをそれぞれ単独で使用してもよいし、混合して用いてもよい。その触媒量は、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)全質量の10質量%以下が好ましい。
上記の溶液熱イミド化で触媒を使用しない場合は、精製せずにそのままで使可能でもあるが、触媒を使用した場合には、触媒が残留しているため当該分野の材料として好ましくない。したがって、残留物を取り除く精製工程が必要となる。精製は公知の方法が利用でき、化学イミド化で説明した精製方法がそのまま適用でき、ポリイミド粉末の再溶解についても同様の方法を用いることができる。
このようにして得たポリイミドの固有粘度は、0.1dl/g以上が好ましい。0.1dl/g未満では、ポリイミドの重合度が小さく、そのポリイミド溶液から得られるポリイミドフィルムの強度が得られ難くなる。
更に別のイミド化方法としては、前記方法で得られたポリイミド前駆体(ポリアミド酸)溶液を直接デバイス上に流延し、または支持基板上に流延した後、空気または不活性ガスの下50℃〜150℃の熱風乾燥器等で乾燥させてポリイミド前駆体(ポリアミド酸)フィルムを形成させ、その後、空気、不活性ガスまたは減圧下で150℃〜350℃で脱水閉環させて熱的にイミド化を完結させることができる(熱イミド化)。支持基板上で形成されたポリイミドフィルムについては、その基板から物理的に剥離することでポリイミドフィルム単体を得ることができる。
本発明のポリイミドの使用可能な形態は、特に限定されるものではないが、例えば、得られたポリイミド前駆体(ポリアミド酸)溶液、またはポリイミド溶液中に当該分野における要求特性を著しく損なわない範囲で、消泡剤、レベリング剤、無機フィラー、有機フィラー、顔料、染料、金属不活性化剤、架橋剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤・光安定剤、導電性粒子等を配合し、ポリイミド組成物とすることができる。
レベルリング助剤、または消泡剤の添加量は、約100ppm〜10000ppmであることが好ましく、これにより、発泡を抑えるとともに、塗膜を平滑にすることができる。レベルリング助剤、または消泡剤の好適な例としては、信越化学工業(株)製フロロシリコーン系FA−600、BYK社製シリコーン系BYK−065、BYK−066N、BYK−077、ポリマー系BYK−052、BYK−051、BYK−055、レベリング剤BYK−337、BYK−344などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、光・熱に曝されても透明性を維持し、色調変化も少ない本発明のポリイミドを用いて光反射機能も持たせたポリイミドフィルムを成型することもできる。そのポリイミドフィルムの光反射効率を良好にするために、無機フィラー、有機フィラーなどを使用することができ、好適な例としては、平均粒子径が0.001〜100μm、特に0.005〜50μmの粒子をポリイミド前駆体(ポリアミド酸)溶液中、またはポリイミド溶液中に混合する。また、これらのフィラーには、加工性(製膜性や熱加工性)を高める働きもある。使用量としては、光反射効率が高まる量、または加工性を改善できる量であればよく、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)またはポリイミドに対して100質量部以下、好ましくは、50質量部以下が好ましい。この範囲外のものを使用すると得られるフィルムの靭性が低下する恐れがある。フィラーとしては、例えば、アエロジル(二酸化化ケイ素)、タルク、マイカ、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉛などの微細無機フィラーや架橋NBR(ニトリルブタジエンゴム)微粒子などの樹脂改質剤などが挙げられる。
また、本実施の形態においては、有機着色顔料、無機着色顔料などを所定量、例えばポリイミド前駆体(ポリアミド酸)またはポリイミド100質量部に対して、100質量部以下で使用してもよい。
また、本発明のポリイミドには、金属不活性剤が含有されていてもよい。この金属不活性剤としては、例えば、ヒドラジド系の金属不活性剤である2,3−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]プロピオノヒドラジド(ADEKA社製、CDA−10)が挙げられ、金属と接触するポリイミドの樹脂劣化を防止することができる。CDA−10以外の金属不活性剤としては、ヒドラジド系のものとしてデカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、トリアゾール系のものとして3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。使用量としては、樹脂劣化を改善できる量であればよくポリイミド前駆体(ポリアミド酸)またはポリイミドに対して10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
また、本実施の形態において得られたポリイミドには、ベンゾオキサジン系、エポキシ系、マレイミド系やアクリル系の架橋剤が含有されていてもよい。架橋剤の量としては、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)またはポリイミド100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましい。架橋剤の量が50質量部を超えると、ポリイミド組成物の保存安定性が悪くなり、溶液粘度が上昇してしまうため、溶液としての取り扱いが悪くなる。
好適な架橋剤の例としては、エポキシ基含有化合物やマレイミド基含有化合物が挙げられる。これらは、溶剤に溶解するものであれば特に限定するものではないが、例えば下記のような化合物を挙げることができる。官能基としてエポキシ基を有する架橋剤としては、ビスF型エポキシ化合物、ビスA型エポキシ化合物、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル化合物、フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル化合物、ジブロモネオペンチルグリコールグリシジルエーテル等のハロゲン化された難燃性エポキシ化合物、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。
また、本発明のポリイミドには、難燃剤が含有されていてもよい。この難燃剤としては、例えば、縮合リン酸エステル系難燃剤、ポリホスファゼン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。使用量としては、樹脂の難燃性を改善できる量であればよくポリイミド前駆体(ポリアミド酸)またはポリイミド100質量部に対して100質量部以下、好ましくは、50質量部以下である。
また、本実施の形態において得られたポリイミドには、酸化防止剤が含有されていてもよい。この酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、4,4’,4”−(1−メチルプロパニル−3−イリデン)トリス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、ホスファイト系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジtert−ブチルフェニル)フォスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルフォスファイト、チオエーテル系酸化防止剤としてジ(トリデシル)3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。使用量としては、樹脂の劣化が改善できる量であればよくポリイミド前駆体(ポリアミド酸)またはポリイミド100質量部に対して10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
また、本発明のポリイミドには、紫外線吸収剤・光安定剤が含有されていてもよい。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、トリアジン系紫外線吸収剤として2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として[2−ヒドロキシ−4−(オクチロキシ)フェニル](フェニル)メタノン、ヒンダードアミン系光安定剤としてテトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。使用量としては、樹脂の劣化が改善できる量であればよくポリイミド前駆体(ポリアミド酸)またはポリイミド100質量部に対して10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
更に、本発明のポリイミドの使用可能な形態は、特に限定されるものではないが、導電性粒子が含有されてもよい。例えば、直径0.1〜50μmのカーボン粒子、ニッケル粒子、銅粒子、銀粒子、半田粒子、導電メッキ樹脂粒子(金メッキやニッケルメッキが被覆された樹脂粒子)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。使用量としては、導電性が発現できる量であればよくポリイミド前駆体(ポリアミド酸)またはポリイミド100質量部に対して100質量部以下、好ましくは、50質量部以下である。
ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)組成物またはポリイミド組成物を直接デバイス上に塗布製膜できる。または、ポリエチレンテレフタラートフィルム、ステンレス基板、銅箔、ガラス基板等の支持基板上に塗布も可能である。ポリイミド組成物を塗布する方法としては、インクジェット法、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法、バーコーターを用いる方法、ドクターブレードを用いる方法等を使用することができる。デバイス上に塗布された溶液または支持基板上に塗布された溶液は、熱風乾燥器、赤外線乾燥炉、真空乾燥器、イナートオーブン等を用いて、通常、40〜350℃の範囲、好ましくは、50〜250℃の範囲で乾燥させる。また、支持基板上に製膜したポリイミドフィルムは、支持基板上から剥離することでポリイミドフィルム単体またはポリイミド組成物フィルムを得ることができる。
以上のようなポリイミド、ポリイミド組成物、ポリイミドフィルムは、LED、OLED等の半導体素子、FPD、太陽電池等に使用することができ、具体的には、耐熱性透明フィルム、熱可塑性透明フィルム、光反射フィルム、導電性フィルム、導電性ペースト等として光学デバイスに使用できる。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明が前述の実施の形態に限定されるものでないことはいうまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
次に、本発明の具体的な実施例について、実際に行った実験結果に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各物性値は、次の方法により測定した。
<赤外吸収スペクトル:IR>
フーリエ変換赤外分光光度計FT/IR350(日本分光社製)を用い、KBr法にてテトラカルボン酸二無水物の赤外線吸収スペクトルを測定した。
H−NMRスペクトル>
フーリエ変換核磁気共鳴JNM―ECP400(JEOL製)を用い、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)中で合成物およびイミド化したポリイミド粉末のH−NMRスペクトルを測定した。標準物質はテトラメチルシランを使用した。
<示差走査熱量分析:DSC>
テトラカルボン酸二無水物の融点は、示差走査熱量分析装置DSC3100(ブルカーエイエックスエス社)を用いて、窒素雰囲気中、昇温速度5℃/分で測定した。
<固有粘度:ηinh
溶媒としてDMAcを用いて、0.5質量%のポリアミド酸溶液、または、ポリイミド溶液をオストワルド粘度計(柴田科学製)を用いて30℃で固有粘度を測定した。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:GPC>
LC−2000Plus HPLC system(日本分光社製)、GPCカラム(Shodex,KF−806L)、検出器UV−2075(日本分光社製)検出波長300nm、溶離液THF、流速1mL/min、標準ポリスチレンによる平均分子量(数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw)を算出した。
<ガラス転移温度:Tg>
動的粘弾性測定装置Q800(TA Instruments社製)、昇温速度5℃/min、周波数0.1Hzで測定し、損失弾性率の極大値より求めた。
<5%重量減少温度:T
熱重量分析装置TG−DTA2000(ブルカーエイエックス社)を用いて、窒素中、昇温速度10℃/分での昇温過程において、初期重量から5%減少した時の温度を測定した。
<400nmの光透過率:T400
紫外可視分光光度計V−650(日本分光社)を用いて、ポリイミドフィルムの200−800nmにおける光透過率を測定し、400nmの波長における光透過率を透明性の指標として用いた。
<カットオフ波長:Cut−off>
紫外可視分光光度計V−650(日本分光社)を用いて、ポリイミドフィルムの200−800nmにおける光透過率を測定し、光透過率が0.5%になった際の波長を測定した。
<黄色度(イエローネスインデックス):YI>
紫外可視分光光度計V−650(日本分光社)を用いて380−780nmの波長範囲の光透過率からVWCT−615型 カラー診断プログラム(日本分光社製)によって算出した。
<熱・光劣化加速試験による波長400nmの光透過率変化:ΔT400
ポリイミド溶液を石英板上に流延し、60℃で2時間熱風乾燥した後、真空下で200℃で1時間熱処理をしてポリイミドフィルム/石英板の積層体を得た。この積層体を石英板を下にして、デジタルホットプレートND−1(ASONE製)上に静置し120℃(±1℃)で保持すると同時に、超高圧水銀ランプ(光学フィルター無し)をUV照射装置TOSCURE401(東芝ライテック社)で照射した。その時のエネルギー値は3.6mW/cm(@365nm)、2.2mW/cm(405nm)であった。この条件下で10時間毎に各測定(T400とYI)を行い合計200時間まで変化を確認した。波長400nmにおける初期光透過率(T400)と200時間後の光透過率(T400)を測定し、初期光透過率(T400)から200時間後の光透過率(T400)を差し引いた値を光透過率変化量ΔT400として評価した。このΔT400が小さいほど、熱と光による透明性に変化が少なく、当該分野として相応しい材料と評価できる。
<合成例1>
化学式6に示す2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン酸二無水物の合成
(テトラシアノ体の合成)
窒素気流下、磁気回転子を備えた100mL三口フラスコに、3,4−ジシアノニトロベンゼン3.47g(20.0mmol)、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.11g(9.24mol)、ジメチルホルムアミド17.7mL、及び炭酸カリウム3.44g(24.91mmol)を加え、室温で一日撹拌した。水中に沈殿させ、ろ過により回収した。回収物をメタノールにて洗浄の後、減圧下で、乾燥させた。アセトニトリルより再結晶を行い、下記構造式のテトラシアノ体を白色粉末として単離した。収量4.86g(8.25mmol)、収率89.3%。反応式を以下に示した。
得られたテトラシアノ体のH−NMR、IR、及び融点の測定結果を以下に示した。
H−NMR(DMSO−d,δ):8.16(d,J=8.8Hz,1H)、7.96(d,J=2.5Hz,1H)、7.55(dd、J=8.8,2.5Hz,1H)、7.49(d,J=8.7Hz,2H)、7.41(d,J=9.0Hz,2H).
IR(KBrプレート):3088cm−1(芳香族CH伸縮)、2235cm−1(CN伸縮)、1248cm−1(COC伸縮)
融点(DSC):232℃
(テトラカルボン酸の合成)
還流冷却管及び磁気回転子を備えた100mL三口フラスコに、テトラシアノ体2.85g(4.83mmol)、水酸化カリウム5.86g(104.6mmol)、エタノール25mL、及び蒸留水25mLを加えた。80℃で2時間、続いて100℃で60時間加熱撹拌した。熱ろ過により不溶解分を除去の後、200mLの蒸留水に反応液を加え、塩酸によりpHを2にしたところ、白色沈殿が生じた。ろ過、洗浄後、真空乾燥を行い下記構造式のテトラカルボン酸の白色粉末を得た。しかし、H−NMRを確認したところ、テトラカルボン酸と最終目的物である化学式6に示すテトラカルボン酸二無水物の混合物と思われるスペクトルであった。よって、テトラカルボン酸の精製と単離を行わず、混合物のまま閉環反応へと進めた。反応式を以下に示した。
(テトラカルボン酸二無水物の合成)
還流冷却管及び磁気回転子を備えた100mL三口フラスコに、テトラカルボン酸とテトラカルボン酸二無水物の混合物3.08g、無水酢酸20mL、及び酢酸10mLを加えた。100℃で1時間加熱撹拌の後室温まで冷却したところ、針状晶を確認した。ろ過、洗浄の後、真空乾燥を行い最終目的物である化学式6に示すテトラカルボン酸二無水物、つまり2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン酸二無水物を淡黄色針状結晶として単離した。収量2.50g(3.97mmol)、収率85.6%。反応式を以下に示した。
得られた化学式6に示す2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン酸二無水物のH−NMR、IR、及び融点の測定結果を以下に示した。
H−NMR(DMSO−d,δ):8.12(d,J=8.8Hz,1H)、7.66(d,J=2.5Hz,1H)、7.63(dd,J=8.3,2.2Hz,1H)、7.52(d,J=8.6Hz,2H)、7.32(d,J=8.9Hz,2H)
IR(KBrプレート):3099cm−1(芳香族CH伸縮)、1850cm−1(酸無水物環C=O伸縮)、1781cm−1(酸無水物環C=O伸縮)、1286cm−1(COC伸縮)
融点(DSC):231℃
<合成例2>
化学式10に示す4,4’−(オキシジ−p−フェノキシ)ジアニリンの合成
(ジニトロ体の合成)
窒素気流下、磁気回転子を備えた100mL三口フラスコに、4−フルオロニトロベンゼン4.08g(28.9mmol)、4,4’−オキシジフェノール2.31g(11.4mmol)、ジメチルアセトアミド20mL、及び炭酸カリウム3.48g(25.2mmol)を加え、160℃で3時間加熱撹拌した。室温まで冷却後、水中に沈殿させ、ろ過により回収した。回収物を減圧下80℃で乾燥させた。アセトンとエタノールの混合溶媒で再結晶を行い、下記構造式のニトロ体を淡黄色粉末として単離した。収量4.30g(9.68mmol)収率は84.9%。反応式を以下に示した。
得られたニトロ体のH−NMR、IR、及び融点の測定結果を以下に示した。
H−NMR(DMSO−d,δ):8.26(d,J=9.3Hz,2H)、7.26(d,J=8.8Hz,2H),7.20−7.13(m,4H)
IR(KBrプレート):1514cm−1(NO逆対称伸縮)、1342cm−1(NO対称伸縮)、1223cm−1(COC伸縮)、1110cm−1(COC伸縮)
融点(DSC):149℃
(ジアミンの合成(ジニトロ体の還元))
磁気回転子を備えた200mL三口フラスコに、ジニトロ体3.87g(8.71mmol)、パナジウム/炭素触媒0.318g、テトラヒドロフラン100mLを加え、水素場部リング下、室温で5時間撹拌した。ろ過により触媒を除去後、反応溶液を濃縮し、水中に沈澱させ、ろ過により回収して減圧下90℃で、乾燥させた。エタノールより再結晶を行い、化学式10に示すジアミン化合物である4,4’−(オキシジ−p−フェノキシ)ジアニリンを桃色鱗片結晶として単離した。収量3.06g(7.96mmol)、収率91.4%。反応式を以下に示した。
得られた化学式10に示す4,4’−(オキシジ−p−フェノキシ)ジアニリンのH−NMR、IR、元素分析及び融点の測定結果を以下に示した。
H−NMR(DMSO−d,δ):6.93(d,J=9.12Hz,2H)、6.86(d,J=9.13,2H)、6.74(d,J=8.74,2H)、6.57(d,J=8.79Hz,2H)、4.95(s,2H)
IR(KBrプレート):3438cm−1(NH伸縮)、3339cm−1(NH伸縮)、3042cm−1(芳香族CH伸縮)、1212cm−1(COC伸縮)、1098cm−1(COC伸縮)
融点(DSC):121℃
元素分析:(理論値)C:74.98%、H:5.24%、N:7.29%
(実測値)C:74.53%、H:5.17%、N:7.15%
<実施例1>
磁気回転子を備えた70mL密閉容器に、1.0369g(2mmol)の2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(和歌山精化工業製)を5.4gの脱水ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解した。ここに1.2567g(2mmol)の2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン酸二無水物を加え、30質量%濃度で撹拌重合し、途中DMAcを加えていきながら室温で72時間撹拌した。最終的な濃度は20質量%であった。得られた溶液をDMAcで7.4質量%に希釈後、2.04g(20mmol)の無水酢酸と0.79g(10mmol)のピリジンの混合溶媒を室温下でゆっくりと滴下し、その後24時間攪拌した。得られた溶液を大量のメタノール/イオン交換水(体積比1:1)に加え、目的生成物を沈殿させた。得られた沈澱は、更に多量のメタノール中で24時間撹拌させて十分洗浄した後、100℃で24時間真空乾燥した。得られたポリイミド粉末は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)に溶解し、H−NMRによってイミド化の完結を確認した。反応式を以下に示した。得られたポリイミド粉末を脱水DMAcで再溶解して濃度20質量%のポリイミド溶液を得た。この溶液をガラス基板上または石英板上に流延し、60℃で2時間熱風乾燥した。その後、真空下で200℃で1時間熱処理をしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの膜厚は10〜11μmであった。
<実施例2>
磁気回転子を備えた70mL密閉容器に、1.0369g(2mmol)の2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(和歌山精化工業製)を4.8gの脱水DMAcに溶解した。ここに1.0410g(2mmol)の2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸二無水物(アルドリッチ製)を加え、30質量%濃度で撹拌重合し、室温で72時間撹拌した。得られた溶液をDMAcで6.9質量%に希釈後、2.04g(20mmol)の無水酢酸と0.79g(10mmol)のピリジンの混合溶媒を室温下でゆっくりと滴下し、その後24時間攪拌した。得られた溶液を大量のメタノール/イオン交換水(体積比1:1)に加え、目的生成物を沈殿させた。得られた沈澱は更に多量のメタノール中で24時間撹拌させて十分洗浄した後、100℃で24時間真空乾燥した。得られたポリイミド粉末は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)に溶解し、H−NMRによってイミド化の完結を確認した。反応式を以下に示した。得られたポリイミド粉末を脱水DMAcで再溶解して濃度30質量%のポリイミド溶液を得た。この溶液をガラス基板上または石英板上に流延し60℃で2時間熱風乾燥した。その後、真空下で200℃で1時間熱処理をしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの膜厚は16〜19μmであった。
<実施例3>
磁気回転子を備えた70mL密閉容器に、1.0369g(2mmol)の2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(和歌山精化製)を4.5gの脱水DMAcに溶解した。ここに0.8885g(2mmol)の2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(東京化成製)を加え、30質量%濃度で撹拌重合し、途中DMAcを加えていきながら室温で120時間撹拌した。最終的な濃度は14.8質量%であった。得られた溶液をDMAcで6.5質量%に希釈後、2.04g(20mmol)の無水酢酸と0.79g(10mmol)のピリジンの混合溶媒を室温下でゆっくりと滴下し、その後24時間攪拌した。得られた溶液を大量のメタノール/イオン交換水(体積比1:1)に加え、目的生成物を沈殿させた。得られた沈澱は、更に多量のメタノール中で24時間撹拌させて十分洗浄した後、100℃で24時間真空乾燥した。得られたポリイミド粉末は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)に溶解し、H−NMRによってイミド化の完結を確認した。得られたポリイミド粉末を脱水DMAcで再溶解して濃度10質量%のポリイミド溶液を得た。この溶液をガラス基板上または石英板上に流延し、60℃で2時間熱風乾燥した。その後、真空下で200℃で1時間熱処理をしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの膜厚は13〜15μmであった。
<比較例1>
磁気回転子を備えた70mL密閉容器に、0.6405g(2mmol)の2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化製)を3.6gの脱水DMAcに溶解した。ここに0.8885g(2mmol)の2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(東京化成製)を加え、30質量%濃度で撹拌重合し、途中DMAcを加えていきながら室温で120時間撹拌した。最終的な濃度は19.4質量%であった。得られた溶液をDMAcで5.4質量%に希釈後、2.04g(20mmol)の無水酢酸と0.79g(10mmol)のピリジンの混合溶媒を室温下でゆっくりと滴下し、その後24時間攪拌した。得られた溶液を大量のメタノール/イオン交換水(体積比1:1)に加え、目的生成物を沈殿させた。得られた沈澱は、更に多量のメタノール中で24時間撹拌させて十分洗浄した後、100℃で24時間真空乾燥した。得られたポリイミド粉末は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)に溶解し、H−NMRによってイミド化の完結を確認した。反応式を以下に示した。得られたポリイミド粉末を脱水DMAcで再溶解して濃度10質量%のポリイミド溶液を得た。この溶液をガラス基板上または石英板上に流延し、60℃で2時間熱風乾燥した。その後、真空下で200℃で1時間熱処理をしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの膜厚は14〜15μmであった。
<比較例2>
磁気回転子を備えた70mL密閉容器に、0.6405g(2mmol)の2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化製)を4.4gの脱水DMAcに溶解した。ここに1.2569g(2mmol)の2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン酸二無水物を加え、30質量%濃度で撹拌重合し、72時間撹拌した。得られた溶液をDMAcで6.4質量%に希釈後、2.04g(20mmol)の無水酢酸と0.79g(10mmol)のピリジンの混合溶媒を室温下でゆっくりと滴下し、その後24時間攪拌した。得られた溶液を大量のメタノール/イオン交換水(体積比1:1)に加え、目的生成物を沈殿させた。得られた沈澱は、更に多量のメタノール中で24時間撹拌させ、十分洗浄した後、100℃で真空乾燥した。得られたポリイミド粉末は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)に溶解し、H−NMRによってイミド化の完結を確認した。反応式を以下に示した。得られたポリイミド粉末を脱水DMAcで再溶解して濃度20質量%のポリイミド溶液を得た。この溶液をガラス基板上または石英板上に流延し、60℃で2時間熱風乾燥した。その後、真空下で200℃で1時間熱処理をしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの膜厚は14〜17μmであった。
<比較例3>
磁気回転子を備えた70mL密閉容器に、0.6405g(2mmol)の2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化製)を3.9gの脱水DMAcに溶解した。ここに1.0410g(2mmol)の2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸二無水物(アルドリッチ製)を加え、30質量%濃度で撹拌重合し、72時間撹拌した。得られた溶液をDMAcで5.8質量%に希釈後、2.04g(20mmol)の無水酢酸と0.79g(10mmol)のピリジンの混合溶媒を室温下でゆっくりと滴下し、その後24時間攪拌した。得られた溶液を大量のメタノール/イオン交換水(体積比1:1)に加え、目的生成物を沈殿させた。得られた沈澱は、更に多量のメタノール中で24時間撹拌させ、十分洗浄した後、100℃で真空乾燥した。得られたポリイミド粉末は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)に溶解し、H−NMRによってイミド化の完結を確認した。反応式を以下に示した。得られたポリイミド粉末を脱水DMAcで再溶解して濃度20質量%のポリイミド溶液を得た。この溶液をガラス基板上または石英板上に流延し、60℃で2時間熱風乾燥した。その後、真空下で200℃で1時間熱処理をしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの膜厚は17〜18μmであった。
<比較例4>
磁気回転子を備えた70mL密閉容器に、0.8210g(2mmol)の2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業製)を4.3gの脱水DMAcに溶解した。ここに1.0410g(2mmol)の2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸二無水物を加え、30質量%濃度で撹拌重合し、室温で72時間撹拌した。撹拌途中でDMAc加え最終濃度は23質量%であった。得られた溶液をDMAcで6.9質量%に希釈後、2.04g(20mmol)の無水酢酸と0.79g(10mmol)のピリジンの混合溶媒を室温下でゆっくりと滴下し、その後24時間攪拌した。得られた溶液を大量のメタノール/イオン交換水(体積比1:1)に加え、目的生成物を沈殿させた。得られた沈澱は、更に多量のメタノール中で24時間撹拌させて十分洗浄した後、100℃で24時間真空乾燥した。得られたポリイミド粉末は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)に溶解し、H−NMRによってイミド化の完結を確認した。反応式を以下に示した。得られたポリイミド粉末を脱水DMAcで再溶解して濃度30質量%のポリイミド溶液を得た。この溶液をガラス基板上または石英板上に流延し、60℃で2時間熱風乾燥した。その後、真空下で200℃で1時間熱処理をしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの膜厚は17〜20μmであった。
<比較例5>
磁気回転子を備えた70mL密閉容器に、0.6685g(2mmol)の2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(東京化成製)を3.6gの脱水DMAcに溶解した。ここに0.8885g(2mmol)の2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(東京化成製)を加え、30質量%濃度で撹拌重合し、途中DMAcを加えていきながら室温で120時間撹拌した。最終的な濃度は22質量%であった。得られた溶液をDMAcで5.5質量%に希釈後、2.04g(20mmol)の無水酢酸と0.79g(10mmol)のピリジンの混合溶媒を室温下でゆっくりと滴下し、その後24時間攪拌した。得られた溶液を大量のメタノール/イオン交換水(体積比1:1)に加え、目的生成物を沈殿させた。得られた沈澱は、更に多量のメタノール中で24時間撹拌させて十分洗浄した後、100℃で24時間真空乾燥した。得られたポリイミド粉末は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)に溶解し、H−NMRによってイミド化の完結を確認した。反応式を以下に示した。得られたポリイミド粉末を脱水DMAcで再溶解して濃度20質量%のポリイミド溶液を得た。この溶液をガラス基板上または石英板上に流延し、60℃で2時間熱風乾燥した。その後、真空下で200℃で1時間熱処理をしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの膜厚は18〜20μmであった。
実施例及び比較例のポリイミドの固有粘度、GPCによる平均分子量(重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散Mw/Mn)、ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)と窒素雰囲気下での5%重量減少温度(Td)を表1に示す。
実施例及び比較例のポリイミドフィルムの波長400nmにおける初期光透過率T400、カットオフ波長、YIの値と、熱・光劣化加速試験200時間後のT400、カットオフ波長、YIの値、そして波長400nmにおける初期光透過率(T400)と200時間後の光透過率(T400)を測定し、初期光透過率(T400)から200時間後の光透過率(T400)を差し引いた値である光透過率変化量ΔT400を表2に示す。
実施例1のポリイミドは、溶液加工性に優れ、そのポリイミドから得られたフィルムの初期光透過率T400が76.5%、YIが1.8と初期光学特性に優れていることが分かる。本発明の最も重要な値である光透過率変化量ΔT400は、15.5%であり、従来の透明性ポリイミドフィルムに比べ優れた値を示した。これらの特性は、テトラカルボン酸二無水物に化学式4に示すような嵩高い置換基を有するヘキサフルオロイソプロピリデン結合と屈曲構造を有するエーテル結合で連結された構造により、共役が切断され、更に電荷移動相互作用をも抑制し、ポリイミドフィルムの初期透明性が高まり、更に熱と光に同時に曝された条件下での光透過率の減少が抑制されたと考えられる。この効果は、化学式5に示す構造を有する2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンをポリイミドの原料として用いることで、それらの光学特性が相乗的に高められたと考えられる。
実施例2のポリイミドは、溶液加工性に優れ、そのポリイミドから得られたフィルムの初期光透過率T400が64.4%、YIが2.4と初期光学特性に優れていることが分かる。本発明の最も重要な値である光透過率変化量ΔT400は、10.5%であり、従来の透明性ポリイミドフィルムに比べ優れた値を示した。これらの特性は、テトラカルボン酸二無水物に化学式4に示すような嵩高い置換基を有するイソプロピリデン結合と屈曲構造を有するエーテル結合で連結された構造により、共役が切断され、更に電荷移動相互作用をも抑制し、ポリイミドフィルムの初期透明性が高まり、更に熱と光に同時に曝された条件下での光透過率の減少が抑制されたと考えられる。この効果は、化学式5に示す構造を有する2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンをポリイミドの原料として用いることで、それらの光学特性が相乗的に高められたと考えられる。
実施例3のポリイミドは、溶液加工性に優れ、そのポリイミドから得られたフィルムの初期光透過率T400が57.9%、YIが1.8と初期光学特性に優れていることが分かる。本発明の最も重要な値である光透過率変化量ΔT400は、6.2%であり、従来の透明ポリイミドに比べ極めて優れた値を示した。これらの特性は、テトラカルボン酸二無水物に化学式4に示すような嵩高い置換基を有するヘキサフルオロイソプロピリデン結合により、共役が切断され、更に電荷移動相互作用をも抑制し、ポリイミドフィルムの初期透明性が高まり、更に熱と光に同時に曝された条件下での光透過率の減少が抑制されたと考えられる。この効果は、化学式5に示す構造を有する2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンをポリイミドの原料として用いることで、それらの光学特性が相乗的に高められたと考えられる。
比較例1のポリイミドは、光学フィルムとして実用化されている組成物である。テトラカルボン酸二無水物に化学式4に示した本発明の嵩高い置換基を有するヘキサフルオロイソプロピリデン結合を有しているテトラカルボン酸二無水物を使用しているため、T400が87.0%と極めて高い初期透明性を示すが、光透過率変化量ΔT400が28.1と高い値を示した。これは、本発明のもう一つの重要な要素である化学式5の構造を含まない2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンを原料として用いているため、相乗効果が発現できなかった結果と考えられる。したがって、当該分野において相応しい材料とは言えない。
比較例2のポリイミドは、実施例1と同様のテトラカルボン酸二無水物を用いているため、T400が87.0%と極めて高い初期透明性を示すが、光透過率変化量ΔT400が28.1と高い値を示した。実施例1と同様のテトラカルボン二無水物を使用しているにも関わらず悪いということは、化学式5の構造を含まない2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンを原料として用いているためで、相乗効果が発現しなかった結果と考えられる。したがって、当該分野において相応しい材料とは言えない。以上のことから、化学式4に示すテトラカルボン酸二無水物と化学式5に示す芳香族ジアミン化合物の組み合わせで相乗効果が発現していることが分かる。
比較例3のポリイミドは、実施例2と同様のテトラカルボン酸二無水物を用いているため、T400が81.8%と極めて高い初期透明性を示すが、光透過率変化量ΔT400が26.1と高い値を示した。実施例2と同様のテトラカルボン二無水物を使用しているにも関わらず悪いということは、化学式5の構造を含まない2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンを原料として用いているためで、相乗効果が発現しなかった結果と考えられる。したがって、当該分野において相応しい材料とは言えない。以上のことから、化学式4に示すテトラカルボン酸二無水物と化学式5に示す芳香族ジアミン化合物の組み合わせで相乗効果が発現していることが分かる。
比較例4のポリイミドは、実施例2と同様のテトラカルボン酸二無水物を用いているが、T400が1.2%と極めて低い値を示した。実施例2と同様のテトラカルボン二無水物を使用しているにも関わらず悪いということは、化学式5の構造を含まない2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを原料として用いているためで、相乗効果が発現しなかった結果と考えられる。したがって、当該分野において相応しい材料とは言えない。以上のことから、化学式4に示すテトラカルボン酸二無水物と化学式5に示す芳香族ジアミン化合物の組み合わせで相乗効果が発現していることが分かる。
比較例5のポリイミドは、実施例3と同様のテトラカルボン酸二無水物用いているため、T400が81.7%と極めて高い初期透明性を示すが、光透過率変化量ΔT400が41.6と高い値を示した。これは、本発明のもう一つの重要な要素である化学式5の構造中にエーテル結合を含まない2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンを原料として用いているため、相乗効果が発現しなかった結果と考えられる。したがって、当該分野において相応しい材料とは言えない。
以上の実施例と比較例から、本発明に係る化学式1のポリイミドは、原料である化学式4の構造に示すように嵩高い置換基を有するヘキサフルオロイソプロピリデン結合、イソプロピリデン結合、そして屈曲構造を有するエーテル結合が少なくとも1つ以上連結基として介在するテトラカルボン酸二無水物から成り、このテトラカルボン酸二無水物を1つ以上用いて合成されたポリイミドは、共役が切断され、更に電荷移動相互作用をも抑制し、ポリイミドフィルムの初期透明性が高まり、化学式5の構造を有する芳香族ジアミン化合物を1つ以上用いることで、熱と光に同時に曝された条件下での光透過率の減少が抑制される。つまり、化学式4に示す構造と化学式5に示す構造の組み合わせが必要不可欠である。そして、それらの原材料から合成されるポリイミドは、成型に必要な溶剤加工性を同時に実現できることができる。したがって、化学式1に示すポリイミドは、高い初期光透明性と、熱と光に同時に長期間曝された条件下でも透明性と色調が維持され、尚且つ、優れた加工性(溶液加工性や成型性)を全て同時に実現できるポリイミドとして光学デバイスに最適である。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 下記化学式1に示す構造単位を含むポリイミドであって、
前記ポリイミドから得られるポリイミドフィルムの波長400nmにおける初期光透過率が40%以上であり、且つ、加熱及び光照射による同時暴露下においても波長400nmにおける光透過率の経時変化の割合が25%以下であることを特徴とするポリイミドである。
(式中、Xは下記化学式2の構造から1つ以上選択され、式中のYは下記化学式3から1つ以上選択される)
<2> ポリイミドから得られるポリイミドフィルムの膜厚が10μmの場合で、波長400nmにおける初期の光透過率が40%以上であり、且つ120℃環境下で波長365nmの照射エネルギーが3.6mW/cmの超高圧水銀ランプによって200時間照射した後の光透過率変化が25%以下である前記<1>に記載のポリイミドである。
<3> 下記化学式4に示すテトラカルボン酸二無水物と下記化学式5に示す芳香族ジアミン化合物とをそれぞれ1つ以上使用し合成される前記<1>に記載のポリイミドである。
(式中のXは下記化学式2の構造から1つ以上選択される)
(式中のYは下記化学式3から1つ以上選択される)
<4> 化学式4に示すテトラカルボン酸二無水物が下記化学式6、化学式7、または化学式8で表され、それらを1つ以上使用して合成される請求項1に記載のポリイミドである。
<5> 化学式5に示す芳香族ジアミン化合物が下記化学式9、または化学式10で表され、それらを1つ以上使用して合成される前記<1>に記載のポリイミドである。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のポリイミドと有機溶媒とを含有することを特徴とするポリイミド溶液である。
<7> 前記<1>に記載のポリイミドからなることを特徴とする成型体である。
<8> 成型体が、フィルムである前記<7>に記載の成型体である。
<9> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のポリイミドを用いたことを特徴とする光学デバイスである。
<10> 無機発光ダイオード、有機発光ダイオード、太陽電池、及びフラットパネルディスプレイのいずれかに用いられる前記<9>に記載の光学デバイスである。

Claims (10)

  1. 下記化学式1に示す構造単位を含むポリイミドであって、
    前記ポリイミドから得られるポリイミドフィルムの波長400nmにおける初期光透過率が40%以上であり、且つ、加熱及び光照射による同時暴露下においても波長400nmにおける光透過率の経時変化の割合が25%以下であることを特徴とするポリイミド。
    (式中、Xは下記化学式2の構造から1つ以上選択され、式中のYは下記化学式3から1つ以上選択される)
  2. ポリイミドから得られるポリイミドフィルムの膜厚が10μmの場合で、波長400nmにおける初期の光透過率が40%以上であり、且つ120℃環境下で波長365nmの照射エネルギーが3.6mW/cmの超高圧水銀ランプによって200時間照射した後の光透過率変化が25%以下である請求項1に記載のポリイミド。
  3. 下記化学式4に示すテトラカルボン酸二無水物と下記化学式5に示す芳香族ジアミン化合物とをそれぞれ1つ以上使用し合成される請求項1に記載のポリイミド。
    (式中のXは下記化学式2の構造から1つ以上選択される)
    (式中のYは下記化学式3から1つ以上選択される)
  4. 化学式4に示すテトラカルボン酸二無水物が下記化学式6、化学式7、または化学式8で表され、それらを1つ以上使用して合成される請求項1に記載のポリイミド。
  5. 化学式5に示す芳香族ジアミン化合物が下記化学式9、または化学式10で表され、それらを1つ以上使用して合成される請求項1に記載のポリイミド。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のポリイミドと有機溶媒とを含有することを特徴とするポリイミド溶液。
  7. 請求項1に記載のポリイミドからなることを特徴とする成型体。
  8. 成型体が、フィルムである請求項7に記載の成型体。
  9. 請求項1から5のいずれかに記載のポリイミドを用いたことを特徴とする光学デバイス。
  10. 無機発光ダイオード、有機発光ダイオード、太陽電池、及びフラットパネルディスプレイのいずれかに用いられる請求項9に記載の光学デバイス。
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