JP2015091929A - ポリスチレン系樹脂発泡シート及び発泡容器 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂発泡シート及び発泡容器 Download PDF

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Abstract

【課題】低温下での熱成形においても成形性に優れるポリスチレン系樹脂発泡シートを提供すること。【解決手段】 ポリスチレン系樹脂を含有する樹脂組成物が押出発泡されてなるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、前記ポリスチレン系樹脂が、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体を含有し、表面をATR法による赤外分光分析で分析して得られた吸光度比D1728/D1600が0.1以上1.6以下であり、前記押出発泡における押出方向と直交する方向を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際の破断点伸び(%)を見掛け密度(g/cm3)で除した値が1000%・cm3/g以上であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シートを提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂を含む樹脂組成物が押出発泡されてなるポリスチレン系樹脂発泡シート及び発泡容器に関する。
従来、ポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、単に「発泡シート」ともいう。)は、トレー型や丼型の食品容器といった発泡容器の原材料として広く用いられている。
発泡シートから発泡容器を作製する際には、発泡シートに対して真空成形や圧空成形といった熱成形を行うことによって発泡容器を作製することが行われている(例えば、特許文献1)。
特開2009−263512号公報
ところで、発泡シートの製造において、環境への負荷を抑制したり、生産性を向上させることが望ましい。
例えば、発泡シートの熱成形の際には、加熱温度を従来よりも低温で行うことができれば、加熱のために消費するエネルギーを抑制でき、その結果、環境への負荷の抑制が期待できる。また、発泡シートの熱成形によって得られた発泡容器の脱型までに要する時間(冷却時間)を短縮でき、生産性の向上も期待できる。
しかし、単に発泡シートを従来よりも低温で熱成形して発泡容器を作製しようとすると、発泡容器にひび割れが生じるおそれがある。
そこで、本発明は、上記要望点に鑑み、低温下での熱成形においても成形性に優れるポリスチレン系樹脂発泡シートを提供することを課題とし、ひいては、低温下での熱成形によって製造し易い発泡容器を提供することを課題とする。
本発明は、ポリスチレン系樹脂を含有する樹脂組成物が押出発泡されてなるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、
前記ポリスチレン系樹脂が、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体を含有し、
表面をATR法による赤外分光分析で分析して得られる吸光度比D1728/D1600が0.1以上1.6以下であり、
前記押出発泡における押出方向と直交する方向を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際の破断点伸び(%)を見掛け密度(g/cm)で除した値が1000%・cm/g以上であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シートである。
斯かるポリスチレン系樹脂発泡シートは、前記ポリスチレン系樹脂が、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体を含有し、表面をATR法による赤外分光分析で分析して得られる吸光度比D1728/D1600が0.1以上1.6以下であり、前記押出発泡における押出方向と直交する方向を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際の破断点伸び(%)を見掛け密度(g/cm)で除した値が1000%・cm/g以上であることにより、低温下での熱成形においても成形性に優れる。
また、本発明は、上記のようなポリスチレン系樹脂発泡シートが熱成形されてなる発泡容器である。
本発明によれば、低温下での熱成形においても成形性に優れるポリスチレン系樹脂発泡シートを得ることができ、低温下での熱成形によって製造し易い発泡容器を得ることができる。
本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡シートは、樹脂を含有する樹脂組成物が押出発泡されてなり、前記樹脂がポリスチレン系樹脂を含有するポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、「発泡シート」ともいう。)である。
前記樹脂は、ポリスチレン系樹脂を80質量%以上含んでいることが好ましく、85質量%以上含んでいることがより好ましい。
前記ポリスチレン系樹脂を80質量%以上含んでいることにより、前記樹脂組成物(以下、「ポリスチレン系樹脂組成物」ともいう。)を用いて成形された発泡シートにおいて、ポリスチレン系樹脂に起因する優れた機械的特性や成形性をより顕著に発揮させやすくなるという利点がある。
前記ポリスチレン系樹脂は、分子内にスチレン系モノマーを構成単位として有する重合体であり、通常、スチレンモノマーを主たる構成単位として有するものである。
前記ポリスチレン系樹脂としては、スチレンモノマーの単独重合体や、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
斯かる共重合体としては、スチレン−アクリル酸エステル系共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体などが挙げられる。
前記スチレン−アクリル酸エステル系共重合体としては、スチレン−無水マレイン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体などが挙げられる。
また、斯かる共重合体としては、スチレン重合体由来の優れた機械的特性や成形性などをより顕著に発泡シートに発揮させる上においてスチレンモノマー60質量%以上と他のモノマー40質量%以下との共重合体が好ましい。
前記ポリスチレン系樹脂は、前記スチレン−アクリル酸エステル系共重合体のうち、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体を含有することが重要である。
前記樹脂においては、スチレン重合体由来の優れた機械的特性や成形性などをより顕著に発泡シートに発揮させる上においてスチレンモノマーのモノマー換算での含有量が60質量%以上であることが好ましい。
吸光度比D1728/D1600は、ATR法による赤外分光分析により測定された、赤外吸収スペクトル中の、1600cm−1での吸光度に対する1728cm−1での吸光度の比を意味する。ここで、1728cm−1の吸収はアクリル酸エステルに含まれるエステル基のC=O間の伸縮振動に由来するピークを示している。1600cm−1の吸収はポリスチレン系樹脂に含まれるベンゼン環の面内振動に由来するピークの存在を示している。
ここで、本発明における赤外分光分析とは、全反射吸収(Attenuated Total Reflectance)を利用する一回反射型ATR法により赤外吸収スペクトルを測定する分析方法である。この分析方法は、高い屈折率を持つATRプリズムを試料に密着させ、ATRプリズムを通して赤外線を試料に照射し、ATRプリズムからの出射光を分光分析する方法である。
ATR法赤外分光分析は、試料とATRプリズムとを密着させるだけでスペクトルを測定できるという簡便さ、深さ数μmまでの表面分析が可能である等の理由で高分子材料等の有機物をはじめ、種々の物質の表面分析に広く利用されている。
本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡シートの表面の吸光度比D1728/D1600は、0.1〜1.6の範囲であることが重要である。吸光度比が0.1未満の場合、低温成型性が低く省エネルギー性に劣ることがある。吸光度比が1.6より大きい場合、高温保管において容器変形量が大きくなることがある。好ましい吸光度比は0.1〜1.45の範囲であり、より好ましい吸光度比は0.2〜1.40の範囲であり、さらに好ましい吸光度比は0.3〜1.3の範囲であり、さらにより好ましくは0.6〜1.2の範囲である。
本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡シートにおいては、前記押出発泡における押出方向(MD)と直交する方向(TD)を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際に破断点伸びが、100%以上となるように形成されたものを採用することが好ましく、110%以上(通常、上限値は200%程度)となるように形成されたものを採用することがより好ましい。「前記押出発泡における押出方向(MD)と直交する方向(TD)を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際の破断点伸び」は、従来公知の方法で高く調整することが可能である。例えば、後述するようなサーキュラーダイ及び冷却マンドレルを用いてポリスチレン系樹脂発泡シートを作製する態様では、サーキュラーダイの吐出口口径(d)に対する冷却マンドレルの外径(D)の比(D/d)を3.0〜4.5にすることでこの破断点伸びを高く調整することができる。また、押出温度や押出発泡後の発泡体に対する冷却条件を適宜調整することでこの破断点伸びを高く調整することができる。
また、本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡シートにおいては、前記押出発泡における押出方向(MD)を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際に破断点伸びが85%以上(通常、上限値は150%程度)となるように形成されたものを採用することが好ましい。
前記発泡シートは、上記のような好ましい破断点伸びを有することで熱成形における成形性を良好なものとすることができ、当該熱成形によって軽量で厚み均一性に優れ、強度や外観にも優れる発泡容器を得られやすくなるという利点を有する。
該破断点伸びは、JIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」に準拠して測定することができる。
具体的には、発泡シートから、その長さ方向が押出方向(MD)、巾方向(TD)となるようにそれぞれ切り出した試験片を使って測定することができ、該試験片としては、IS01798規定のダンベル状試験片Type1を採用することができる。
そして、MD、TDの試験片を発泡シートから切り出した後、温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気下にて20時間以上保持し、該試験片の状態を調節し、該調製後の試験片を恒温槽を有する引張試験機で引張試験を行って破断時の「伸び」を測定することにより、本明細書の「破断点伸び」を求めることができる。
測定には、例えば、オリエンテック社製の商品名「テンシロン万能試験機UCT−10T」を使用することができ、該引張試験機を用いての破断点伸びの測定は、恒温槽内の雰囲気温度を100℃に設定し、チャック間距離100mmにて引張治具に試験片を挟み、前記雰囲気温度(100℃)において2.5分間保持した後に試験速度500mm/分の条件で測定することができる。
前記発泡シートは、見掛け密度が0.045〜0.3g/cmであることが好ましく、0.050〜0.2g/cmであることがより好ましい。
見掛け密度が0.045g/cm以上であることにより、発泡シートを強度に優れたものとし易く、該発泡シートを用いて成形される発泡容器等の保形性をより優れたものとし得る。
また、見掛け密度が、0.3g/cm以下であることにより、発泡シートがより軽量となり、発泡シートの嵩高さを抑えることができるという利点がある。
前記発泡シートの見掛け密度は、JIS K7222:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」に記載されている方法によって測定することができる。
本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡シートにおいては、前記押出発泡における押出方向と直交する方向を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際の破断点伸び(%)を見掛け密度(g/cm)で除した値が1000%・cm/g以上であることが重要であり、1020%・cm/g以上であることが好ましい。
また、本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡シートにおいては、中間点ガラス転移温度(Tmg)が、90℃以上102℃以下であることが好ましい。
前記中間点ガラス転移温度(Tmg)は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法に基づいて示差走査熱量計装置(DSC)を用いて測定することができる。
より具体的には、例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製の型名「DSC6220型」を使用し、該DSCのサンプル側には、アルミニウム製測定容器の底にできるだけ隙間ができないように試料を約6.5mg充填したものを置き、リファレンス側にはアルミナを入れたアルミニウム製測定容器を置き、窒素ガス流量25ml/minのもと20℃/minの昇温速度で30℃から200℃まで昇温し、10分間保持後速やかに取出し、25±10℃の環境下にて放冷させた後、再び20℃/minの昇温速度で200℃まで昇温した時に得られるDSC曲線より、中間点ガラス転移温度(Tmg)を求めることができる。
なお、中間点ガラス転移温度(Tmg)は、同規格の「9.3 ガラス転移温度の求め方」に従って求めることができる。
さらに、本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡シートにおいては、前記ポリスチレン系樹脂がスチレン単独重合体を含有し、ポリスチレン系樹脂の質量平均分子量が、24万以上であることが好ましく、40万以下であることが好ましい。
前記質量平均分子量は、高分子化学の分野において従来規定されているものを意味し、以下の分子量測定によって求められるものである。
詳しくは、前記質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求められるものである。
より詳しくは、ポリスチレン系樹脂の質量平均分子量は、試料約30mgをクロロホルム10mLに溶解した溶液を非水系0.45μmクロマトディスクでろ過した後にWaters社製 HPLC(Detector 484、Pump 510)を用いてポリスチレン換算分子量を測定して求めることができる。
測定条件については、カラム「Shodex GPC K−806L(φ8.0×300mm)」(昭和電工社製)を2本用い、カラム温度を40℃とし、移動相をクロロホルムとし、移動相流量を1.2mL/分とし、注入ポンプ温度を室温とし、検出波長を254nmとし、注入量を50μLとすることができる。
検量線作成用の標準ポリスチレンは、昭和電工社製の分子量1,030,000のもの、並びに、東ソー社製の分子量5,480,000、3,840,000、355,000、102,000、37,000、9,100、2,630、及び495のものとすることができる。
本実施形態の発泡シートを形成させるために用いる前記ポリスチレン系樹脂組成物は、上記のようなポリスチレン系樹脂の他に、発泡剤、気泡調整剤などの添加剤が含まれ得るものである。
前記発泡剤としては、揮発性発泡剤又は分解性発泡剤等が挙げられる。
前記揮発性発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタジエン、ヘキサン等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、石油エーテル等のエーテル化合物などが挙げられる。
また、前記揮発性発泡剤としては、二酸化炭素、窒素、アンモニア、水なども採用可能である。
前記揮発性発泡剤としては、大気圧における沸点が−45〜40℃の炭化水素が好ましく、プロパン、ブタン、ペンタン等が好ましい。
なお、前記揮発性発泡剤は、1種が単独で、又は2種以上が組み合わされて用いられ得る。
なかでも前記揮発性発泡剤としては、ノルマルブタンやイソブタンなどのブタンの単独物、又はノルマルブタンとイソブタンとが任意の割合で混合されたブタン混合物などが好ましい。
前記分解性発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの有機系分解性発泡剤、クエン酸などの有機酸又はその塩と重炭酸ナトリウムなどの重炭酸塩とが組み合わされた無機系分解性発泡剤等が挙げられる。
該分解性発泡剤についても、1種単独で、又は2種以上組み合わされて用いられ得る。
前記発泡剤は、前記揮発性発泡剤と前記分解性発泡剤との内の何れか一方のみを用いても良く、これらを組み合わされて用いてもよい。
前記発泡剤は、前記樹脂100質量部に対して1〜10質量部用いられていることが好ましい。
前記添加剤としては、タルクなどの気泡調整剤、無機充填剤、有機顔料、難燃剤、難燃助剤、滑剤、可塑剤などが挙げられる。
前記発泡シートは、発泡により生じた気泡を内在させたシート状のものであれば特に限定されず、一般的な押出発泡によってシート状に形成されたものを採用することができる。
前記発泡シートは、例えば、円環状の吐出口を有するサーキュラーダイを先端に装着した押出機に前記ポリスチレン系樹脂や気泡調整剤などの添加剤を供給し、該押出機内で前記ポリスチレン系樹脂をその軟化点よりも高温に加熱して前記添加剤などと溶融混練して溶融混練物を形成させるとともにこの押出機の途中から炭化水素系の発泡剤を圧入して前記溶融混練物に混合し、得られた発泡剤を含んだ前記溶融混練物をサーキュラーダイの吐出口から押出させて形成させることができる。
より詳しくは、発泡剤を含んだ溶融混練物をサーキュラーダイの吐出口から押出させて円筒状の発泡体を形成させ、該サーキュラーダイの下流側(押出方向前方)に配した直径が前記吐出口よりも径大な冷却用マンドレルの外周面に前記発泡体の内面を摺接させつつ該発泡体に引取りをかけ、該冷却用マンドレルで発泡体を拡径するとともに該発泡体を内側から冷却し、該冷却用マンドレルの下流側に設けたカッターで前記発泡体を押出方向に向けて連続的に切断して平坦なシートとなるように展開し、長尺帯状となるように作製された発泡シートを本実施形態における発泡シートとして採用可能である。
前記発泡シートは、連続気泡率が15%以下であることが好ましく、5〜12%であることがより好ましい。
連続気泡率が15%以下であることにより、発泡シートが加熱による体積変化が生じ難く、強度にも優れたものとなる。
なお、連続気泡率は、ASTM D−2856−87に準拠して1−1/2−1気圧法にて測定することができる。
前記発泡シートは、厚みが0.7mm〜3.0mmであることが好ましく、0.9mm〜2.5mmであることがより好ましい。
厚みが0.7mm以上であることにより、発泡シートに優れた強度が発揮され易く、該発泡シートを用いて成形された発泡容器等の保形性がより優れたものとなり得る。
また、厚みが3.0mm以下であることにより、発泡シートを、切断加工性に優れたものとすることができ、軽量で、嵩の低いものとさせうる。
前記発泡シートの厚みは、シート幅方向に50mm間隔でマイクロゲージによって測定し、その算術平均値を発泡シートの厚みとする。
前記発泡シートは、坪量が80〜250g/mであることが好ましく、100〜220g/mであることがより好ましい。
坪量が80g/m以上であることにより、発泡シートを強度に優れたものとし易く、該発泡シートを用いて成形される発泡容器等の保形性をより優れたものとし得る。
また、坪量が250g/m以下であることにより、より軽量となり、嵩高さが抑えられ得るという利点がある。
前記発泡シートの坪量は、発泡シートの幅方向の両端20mmを除いた部分を、幅方向に等間隔に10cm×10cmに切り取り、各切片の質量〔g〕を0.01g単位まで測定し、各切片の質量〔g〕の平均値を平米当たりの質量に換算した値を、発泡シートの坪量〔g/m〕とする。
上記のような好ましい態様の発泡シートは、押出発泡における発泡剤の種類や使用量、押出温度、樹脂圧、サーキュラーダイの吐出口口径(d)に対する冷却マンドレルの外径(D)の比(D/d)、押出発泡後の発泡体に対する冷却条件などによって調製が可能である。
本実施形態の発泡容器は、本実施形態の発泡シートを一般的な熱成形方法(真空成形、圧空成形、真空圧空成形、マッチモールド成形などの方法)によって、熱成形して得ることができる。
本実施形態の発泡容器は、トレー型食品容器、丼型食品容器、カップ型容器などとして用いることができる。
本実施形態の発泡容器は、60℃で24時間加熱した際の加熱寸法変化率が3%未満であることが好ましい。加熱寸法変化率が3%以上であると、夏場において倉庫保管する際や、60℃以上の高温物を容器に入れた場合に変形量が大きくなるために、発泡容器と、容器蓋やラップフィルムとの密閉性が低下しうる。
なお、加熱寸法変化率は、発泡容器の長辺側(平面視正方形状の場合は何れかの辺側、平面視円形状の場合はその円の直径)のリップ中央部から垂直間の寸法を加熱前の寸法とし、60℃の熱風循環式乾燥機の中に24時間置いた後に取出し、標準状態(25℃、1気圧)の場所に1時間放置後の同じ箇所の寸法を加熱後の寸法とし、下記式によって加熱寸法変化率を求める。
S=|(L−L)|/L×100
S:加熱寸法変化率(%)、L:加熱後の平均寸法(mm)、L:加熱前の平均寸法
なお、本発明の発泡シートや発泡容器は、上記例示に限定されるものではない。
また、本発明では、従来公知のポリスチレン系樹脂発泡シート又は発泡容器において採用される種々の形態を、本発明の効果が著しく損なわれない範囲において採用することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は以下のようなものに限定されるものでもない。
(実施例1)
下記のごとく発泡シートを製造した。
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を70質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(PSJ社製、商品名:「SC−004」)を30質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いた。
このポリスチレン系樹脂100質量部に対して、気泡調整剤としてタルク練り込みポリスチレン(ポリスチレン樹脂:60質量%、タルク含有量:40質量%)(東洋スチレン社製、商品名:「DSM1401A」)0.5質量部をドライブレンドして混合物とした。
次に、二台の押出機が接続されたタンデム押出機(上流側の第1押出機がφ115mmの単軸押出機、下流側の第2押出機がφ150mmの単軸押出機)を用い、上記混合物を、第1押出機のホッパーに供給し、最高温度設定が230℃になるように前記第1押出機内で混合物を加熱し溶融混練した。
さらに、発泡剤としてブタンガス(イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンガス)を前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が4.6質量部となるように第1押出機に圧入して前記混合物との溶融混練を続けた。
続いて、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて145℃まで低下させ、該第2押出機の先端に装着されたサーキュラーダイ(口径:φ160mm、スリットクリアランス:0.4mm)から発泡剤を含んだ前記溶融混練物を吐出量210kg/hで押出発泡させて円筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体の内方側及び外方側に、内方側2.2N・m/分、外方側2.2N・m/分となる風量で冷却エア(温度30℃)を吹き付け、その後、φ675mm、長さ800mmの冷却マンドレルの外周面を前記発泡体の内面に摺接させて該発泡体を内側から冷却し、該冷却マンドレルの後段側においてこの円筒状の発泡体の左右2箇所を押出方向に沿って連続的に切断し、該発泡体を上下に分割して2枚の長尺帯状の発泡シートを得、これらをそれぞれロール状に巻き取った。
(実施例2)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を90質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(PSJ社製、商品名:「SC−004」)を10質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて147℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
(実施例3)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を80質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(PSJ社製、商品名:「SC−004」)を20質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて146℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
(実施例4)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を60質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(PSJ社製、商品名:「SC−004」)を40質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて144℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
(実施例5)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を30質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(DIC社製、商品名:「HP250」)を70質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
(実施例6)
ポリスチレン系樹脂として、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(DIC社製、商品名:「HP250」)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて142℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
(実施例7)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を50質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(PSJ社製、商品名:「SC−004」)を50質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて142℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
(比較例1)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)(アクリル酸ブチルの含有量:0質量%)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて152℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
(比較例2)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(PSJ社製、商品名:「HH102」)(アクリル酸ブチルの含有量:0質量%)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて152℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
(実施例8)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を60質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(DIC社製、商品名:「HP−250」)を40質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いた。
このポリスチレン系樹脂100質量部に対して、気泡調整剤としてタルク練り込みポリスチレン(ポリスチレン樹脂:60質量%、タルク含有量:40質量%)(東洋スチレン社製、商品名:「DSM1401A」)0.55質量部をドライブレンドして混合物とした。
次に、二台の押出機が接続されたタンデム押出機(上流側の第1押出機がφ115mmの単軸押出機、下流側の第2押出機がφ180mmの単軸押出機)を用い、上記混合物を、第1押出機のホッパーに供給し、最高温度設定が240℃になるように前記第1押出機内で混合物を加熱し溶融混練した。
さらに、発泡剤としてブタンガス(イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンガス)を前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が5.0質量部となるように第1押出機に圧入して前記混合物との溶融混練を続けた。
続いて、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて146℃まで低下させ、該第2押出機の先端に装着されたサーキュラーダイ(口径:φ160mm、スリットクリアランス:0.5mm)から発泡剤を含んだ前記溶融混練物を吐出量400kg/hで押出発泡させて円筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体の内方側及び外方側に、内方側2.4N・m/分、外方側2.4N・m/分となる風量で冷却エア(温度30℃)を吹き付け、その後、φ675mm、長さ800mmの冷却マンドレルの外周面を前記発泡体の内面に摺接させて該発泡体を内側から冷却し、該冷却マンドレルの後段側においてこの円筒状の発泡体の左右2箇所を押出方向に沿って連続的に切断し、該発泡体を上下に分割して2枚の長尺帯状の発泡シートを得、これらをそれぞれロール状に巻き取った。
(比較例3)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)(アクリル酸ブチルの含有量:0質量%)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて152℃まで低下させたこと以外は、実施例8と同様にして発泡シートを製造した。
(比較例4)
サーキュラーダイ(口径:φ145mm、スリットクリアランス:0.6mm)を用いたこと以外は、実施例8と同様にして発泡シートを製造した。
(実施例9)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製、商品名:「HRM−26」)を60質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(DIC社製、商品名:「HP−250」)を40質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いた。
このポリスチレン系樹脂100質量部に対して、気泡調整剤としてタルク練り込みポリスチレン(ポリスチレン樹脂:60質量%、タルク含有量:40質量%)(東洋スチレン社製、商品名:「DSM1401A」)0.5質量部をドライブレンドして混合物とした。
次に、二台の押出機が接続されたタンデム押出機(上流側の第1押出機がφ115mmの単軸押出機、下流側の第2押出機がφ150mmの単軸押出機)を用い、上記混合物を、第1押出機のホッパーに供給し、最高温度設定が230℃になるように前記第1押出機内で混合物を加熱し溶融混練した。
さらに、発泡剤としてブタンガス(イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンガス)を前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が3.8質量部となるように第1押出機に圧入して前記混合物との溶融混練を続けた。
続いて、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて154℃まで低下させ、該第2押出機の先端に装着されたサーキュラーダイ(口径:φ190mm、スリットクリアランス:0.3mm)から発泡剤を含んだ前記溶融混練物を吐出量200kg/hで押出発泡させて円筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体の内方側及び外方側に、内方側0.5N・m/分、外方側0.5N・m/分となる風量で冷却エア(温度30℃)を吹き付け、その後、φ675mm、長さ800mmの冷却マンドレルの外周面を前記発泡体の内面に摺接させて該発泡体を内側から冷却し、該冷却マンドレルの後段側においてこの円筒状の発泡体の左右2箇所を押出方向に沿って連続的に切断し、該発泡体を上下に分割して2枚の長尺帯状の発泡シートを得、これらをそれぞれロール状に巻き取った。
(比較例5)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製、商品名:「HRM−26」)(アクリル酸ブチルの含有量:0質量%)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて158℃まで低下させたこと以外は、実施例9と同様にして発泡シートを製造した。
(比較例6)
サーキュラーダイ(口径:φ180mm、スリットクリアランス:0.3mm)を用いたこと以外は、実施例9と同様にして発泡シートを製造した。
(実施例10)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を60質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(DIC社製、商品名:「HP−250」)を40質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いた。
このポリスチレン系樹脂100質量部に対して、気泡調整剤としてタルク練り込みポリスチレン(ポリスチレン樹脂:60質量%、タルク含有量:40質量%)(東洋スチレン社製、商品名:「DSM1401A」)0.6質量部をドライブレンドして混合物とした。
次に、二台の押出機が接続されたタンデム押出機(上流側の第1押出機がφ115mmの単軸押出機、下流側の第2押出機がφ150mmの単軸押出機)を用い、上記混合物を、第1押出機のホッパーに供給し、最高温度設定が230℃になるように前記第1押出機内で混合物を加熱し溶融混練した。
さらに、発泡剤としてブタンガス(イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンガス)を前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が3.5質量部となるように第1押出機に圧入して前記混合物との溶融混練を続けた。
続いて、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて153℃まで低下させ、該第2押出機の先端に装着されたサーキュラーダイ(口径:φ175mm、スリットクリアランス:0.5mm)から発泡剤を含んだ前記溶融混練物を吐出量350kg/hで押出発泡させて円筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体の内方側及び外方側に、内方側2.6N・m/分、外方側2.6N・m/分となる風量で冷却エア(温度30℃)を吹き付け、その後、φ675mm、長さ800mmの冷却マンドレルの外周面を前記発泡体の内面に摺接させて該発泡体を内側から冷却し、該冷却マンドレルの後段側においてこの円筒状の発泡体の左右2箇所を押出方向に沿って連続的に切断し、該発泡体を上下に分割して2枚の長尺帯状の発泡シートを得、これらをそれぞれロール状に巻き取った。
(比較例7)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)(アクリル酸ブチルの含有量:0質量%)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて157℃まで低下させたこと以外は、実施例10と同様にして発泡シートを製造した。
各実施例及び各比較例の発泡シートの各種パラメータを上述した方法で求めた。測定結果を表1〜4に示す。また、各実施例及び各比較例の発泡シートを下記試験に供した。試験結果も表1〜4に示す。
<低温成形性>
発泡シートを27±3℃、相対湿度60±5%にて24時間に亘って放置した。
次に、発泡シートから縦700mm×横1040mmの平面長方形状の試験片を切り出した。
そして、単発成形機(東成産業社製 商品名「ユニック自動成形機 FM−3A」)を用意し、この単発成形機の上側ヒーターの平均温度を255℃、下側ヒーターの平均温度を210℃、上側雰囲気温度を175℃、下側雰囲気温度を168℃にした。
次に、実施例1〜7及び比較例1〜2については、上記試験片を単発成形機に導入して5秒間加熱した後に熱成形により上部に開口部を有する直方体状の発泡容器(縦140mm×横90mm×高さ17mm)を作製した。
そして、得られた容器を目視し下記基準で成形性を評価した。
○:ひび割れが見られなかった。
△:わずかにひび割れや皺が見られた。
×:○及び△以外
実施例8及び比較例3、4については、上記試験片を単発成形機に導入して6秒間加熱した後に熱成形により上部に開口部を有する直方体状の発泡容器(縦140mm×横90mm×高さ40mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に低温成形性を評価した。
実施例9及び比較例5、6については、上記試験片を単発成形機に導入して5秒間加熱した後に熱成形により上部に開口部を有し、底面が正方形状である直方体状の発泡容器(縦80mm×横80mm×高さ25mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に低温成形性を評価した。
実施例10及び比較例7については、上記試験片を単発成形機に導入して9秒間加熱した後に熱成形により上部に開口部を有し、円筒状の発泡容器(直径:175mm、高さ:90mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に低温成形性を評価した。
<容器腰強度>
発泡シートを27±3℃、相対湿度60±5%にて24時間に亘って放置した。
次に、発泡シートから縦700mm×横1040mmの平面長方形状の試験片を切り出した。
そして、実施例1〜7及び比較例1〜2については、上記試験片を単発成形機に導入して加熱した時の試験片の厚みが略4.0mmになるように単発成型機のヒーター温度を調整した後に、熱成形により上部に開口部を有する直方体状の発泡容器(縦140mm×横90mm×高さ17mm)を作製した。
得られた容器の腰強度は、アイコーエンジニアリング社製:小型卓上荷重測定機(FTN1−13A/500、解析ソフト:FTN−3000)を用い、本評価で作製した発泡容器について、対応する開口部の長辺側の中央部どうしを接近する方向に400mm/minの速度で10mm圧縮したときの最大荷重を測定し、発泡容器30個の算術平均値より求めた。
実施例8及び比較例3、4については、上記試験片を単発成形機に導入して加熱した時の試験片の厚みが略4.5mmになるように単発成型機のヒーター温度を調整した後に、熱成形により上部に開口部を有する直方体状の発泡容器(縦140mm×横90mm×高さ40mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に容器腰強度を評価した。
実施例9及び比較例5、6については、上記試験片を単発成形機に導入して加熱した時の試験片の厚みが略2.5mmになるように単発成型機のヒーター温度を調整した後に、熱成形により上部に開口部を有する直方体状の発泡容器(縦80mm×横80mm×高さ25mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に容器腰強度を評価した。
実施例10及び比較例7については、上記試験片を単発成形機に導入して加熱した時の試験片の厚みが略4.5mmになるように単発成型機のヒーター温度を調整した後に、熱成形により上部に開口部を有する円筒状の発泡容器(直径:175mm、高さ:90mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に容器腰強度を評価した。但し、腰強度の測定箇所は、開口部の直径線上の端点どうしとした。
<加熱寸法変化率>
加熱寸法変化率は、容器腰強度の評価用に作製した発泡容器を用いて、上述した方法で求めた。
<スチレン−アクリル酸ブチル吸光度比の測定方法>
スチレンとのアクリル酸ブチルとの吸光度比測定は以下の方法により行った。
具体的には、3cm×3cmにカットしたポリスチレン系樹脂発泡シートの表面のみを下記の測定装置および測定条件により、一回反射型ATR法にて赤外吸収スペクトルを得た。
・測定装置:フーリエ変換赤外分光光度計 Nicolet iS10(Thermo SSCIENTIFIC社製)および一回反射型水平状ATR Smart−iTR(Thermo SSCIENTIFIC社製)
・ATRクリスタル:ダイヤモンド貼付KRS−5(角度=45°)
・測定法:一回ATR法
・測定波数領域:4000cm−1〜400cm−1
・測定深度の波数依存性:補正せず
・検出器:重水素化硫酸トリグリシン(DTGS)検出器およびKBrビームスプリッター
・分解能:4cm−1
・積算回数:16回(バックグランド測定時も同様)
得られた赤外吸収スペクトルにより、スチレンとアクリル酸ブチルの吸光度比=D1728/D1600を求める。
D1728とは、赤外吸収スペクトル曲線における波数1770cm−1±5cm−1での最低吸収位置と、赤外吸収スペクトル曲線における波数1515cm−1±5cm−1での最低吸収位置とを結ぶ直線をベースラインとした波数1728cm−1±5cm−1の領域の赤外吸収スペクトル曲線におけるベースラインとの吸光度差(測定された吸光度−ベースラインの吸光度)の最大値のことであり、それを波数1728cm−1での吸光度D1728とする。
また、D1600とは、赤外吸収スペクトル曲線における波数1770cm−1±5cm−1での最低吸収位置と、赤外吸収スペクトル曲線における波数1515cm−1±5cm−1での最低吸収位置とを結ぶ直線をベースラインとした波数1600cm−1±5cm−1の領域の赤外吸収スペクトル曲線におけるベースラインとの吸光度差(測定された吸光度−ベースラインの吸光度)の最大値のことであり、それを波数1600cm−1での吸光度D1600とする。なお、得られたアクリル酸ブチル吸光度比は、ポリスチレンのみを対象とした値である。
Figure 2015091929
Figure 2015091929
Figure 2015091929
Figure 2015091929
表1〜4に示すように、本発明の範囲内である実施例のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて発泡容器を作製した場合は、比較例1〜7のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて発泡容器を作製した場合に比して、低温での成形性に優れていた。
このことから、本発明によれば、低温下での熱成形においても成形性に優れるポリスチレン系樹脂発泡シート、及び、低温下での熱成形で成形しても成形性に優れた発泡容器を提供することができることがわかる。
また、実施例1〜6のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて発泡容器を作製した場合は、実施例7のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて発泡容器を作製した場合に比して、加熱寸法変化率が小さかった。

Claims (6)

  1. ポリスチレン系樹脂を含有する樹脂組成物が押出発泡されてなるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、
    前記ポリスチレン系樹脂が、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体を含有し、
    表面をATR法による赤外分光分析で分析して得られる吸光度比D1728/D1600が0.1以上1.6以下であり、
    前記押出発泡における押出方向と直交する方向を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際の破断点伸び(%)を見掛け密度(g/cm)で除した値が1000%・cm/g以上であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シート。
  2. 前記押出発泡における押出方向と直交する方向を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際に破断点伸びが100%以上となる請求項1に記載のポリスチレン系樹脂発泡シート。
  3. 中間点ガラス転移温度が、90℃以上102℃以下である請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂発泡シート。
  4. 連続気泡率が15%以下であり、厚みが0.7mm以上3.0mm以下であり、見掛け密度が0.045g/cm以上0.3g/cm以下であり、坪量が80g/m以上250g/m以下である請求項1〜3の何れか1項に記載のポリスチレン系樹脂発泡シート。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のポリスチレン系樹脂発泡シートが熱成形されてなる発泡容器。
  6. 60℃で24時間加熱した際の加熱寸法変化率が3%未満である請求項5に記載の発泡容器。
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