JP2015091899A - 脳虚血を予防または処置する方法 - Google Patents

脳虚血を予防または処置する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脳虚血を予防または処置する方法の提供。【解決手段】本発明は、式(I)の化合物を含む組成物を投与することを含む、脳虚血と関連している神経損傷の症状の処置、改善または予防のための方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、脳虚血性状態の処置および/または改善を、かかる処置を必要とする哺乳動物被験体において行なうための方法であって、該被験体に有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与することを含み、該被験体がミトコンドリア病に苦しんでいる被験体、またはミトコンドリア病を有する被験体ではないものとする方法を提供する。【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2009年8月26日に出願された米国仮特許出願第61/275,269号の利益を主張する。この出願の全内容は本明細書においてその全体が参照として援用される。
説明
技術分野
本発明は、一般的に、脳虚血性事象が生じているか、脳虚血性状態と関連している症状もしくは脳虚血性状態による症状が生じているか、または脳虚血性状態のリスクがある被験体の脳虚血を予防または処置するための、レドックス活性治療薬、特にトコトリエノールキノンを含む組成物および方法に関する。また、本発明は、頭部または脳への外傷後、かかる処置を必要とする被験体において、脳虚血から脳組織を保護するためのトコトリエノールキノンを含む組成物および方法に関する。また、本発明は、被験体の脳内の梗塞のサイズおよび重症度を最小限にするための、有効量のレドックス活性治療薬(トコトリエノールキノンなど)での脳虚血の予防または処置に関する。また、本発明は、かかる組成物の作製方法に関する。本発明は、脳卒中の処置および予防に関する;本発明は、脳卒中が症状の1つであるミトコンドリア病(「ミトコンドリア筋症・脳症・乳酸アシドーシス・脳卒中」(MELAS)など)の処置、改善または予防に関するものではない。
背景
虚血は組織への血流の減少と定義され得る。脳虚血は、脳卒中としても知られており、脳に供給される動脈内血流の遮断または低減である。特定の血管領域への血流の減少は局所虚血として知られている;脳全体への血流の減少は全虚血として知られている。血液が喪失し、したがって酸素およびグルコースが喪失すると、脳組織に虚血性の壊死または梗塞形成が起こり得る。かかる細胞の変性および死滅の下地となっていると考えられている代謝事象としては、ATP枯渇によるエネルギー不足;細胞内アシドーシス;グルタメート放出;カルシウムイオン流入;膜リン脂質分解の刺激および後続する遊離脂肪酸の蓄積;ならびにフリーラジカルの生成が挙げられる。
トコフェロールとトコトリエノールは、一般的に全体的な化学構造は類似しているが、生物学的機能において異なり得る。α−トコフェロールは、一般的に、ビタミンEの最も生物学的に活性な形態であると考えられている;また、これは、成人ヒトの血清中に最も豊富に存在している(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。α−トコフェロールは、他のトコフェロール類よりも大きな抗酸化活性を有する(非特許文献4)。α−トコフェロールはプロテインキナーゼC機能を阻害するが、β−トコフェロールは阻害しない(非特許文献5)。しかしながら、α−トコフェロールおよびβ−トコフェロールはどちらも、ブタ膵臓ホスホリパーゼA2活性を阻害する(非特許文献6)。α−、β−、γ−およびδ−トコフェロールはすべて、好中球によるスーパーオキシドの生成を阻害する能力を有していた(非特許文献7)。δ−トコフェロールは、EvansのビタミンEの再吸収不能(resorption sterility)試験において天然α−トコフェロールの100分の1の活性しか有しない。
Khannaらには、天然ビタミンEであるα−トコトリエノールの神経保護特性が記載されている(非特許文献8)。脳卒中依存性の脳組織損傷が、α−トコトリエノールを経口補給した12−Lox−欠損マウスおよび自然発生高血圧ラットにおいて試験された。神経細胞において、α−トコフェロールではなくnM/L濃度のα−トコトリエノールにより、c−Srcキナーゼおよび12−リポキシゲナーゼの早期活性化が抑制されることによってグルタメート誘導性細胞死がブロックされた。
特許文献1には、虚血、再灌流、外傷または大量出血によって起こるグルタメートおよび/または誘導型の神経変性障害および神経損傷の処置または予防のための方法が開示されている。
特許文献2には、予防有効量の該組成物が動脈の内側表面に移動するように、血管形成術用バルーンの外側表面をトコトリエノールを含む組成物でコーティングし、動脈の血管形成術を行なうことを含む、血管形成術を用いた再狭窄の予防が開示されている。
脳虚血の処置には、脳内血流および/または神経学的転帰を改善するために、フリーラジカルスカベンジャー/抗酸化剤が使用されている。一般に、このような化合物の梗塞体積に対する効果には一貫性がない;特許文献3参照。例えば、スーパーオキシドジスムターゼ阻害薬は、脳室内に注射した場合でのみ梗塞体積を低減させることがわかっている(非特許文献9)。他の化合物、例えば、ルベルゾールは脳虚血に対して臨床有益性を有するが、安全域は非常に狭いことが示されている(非特許文献10)。
脳虚血は、ヒトの神経系の病気の罹病率および死亡率の主要原因の1つであり、脳卒中の回復に関連する予後は不良である。したがって、脳虚血と関連している傷害時に細胞の生存および回復の補助される、または脳虚血と関連している傷害のリスクがある哺乳動物被験体に有効な組成物の特定および方法の必要性が依然として存在している。
本明細書において挙げたすべての特許および刊行物の開示は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
国際公開第00/078296号 国際公開第99/025336号 米国特許第5,872,108号明細書
Neuzilら,(1998)Card.Drugs.Ther.12:421−423 Strohscheinら,(1998)Anal.Chem.70:13−18 Gonzalez(1990)Med.Hypothes.32:107−110 Fukuzawaら,(1982)Lipids 17:511−13 Ricciarelliら,(1998)Biochem.J.334:243−249 Grauら,(1998)Chem.Phys.Lipids 91:109−118 Kannoら,(1996)Free Radic.Res.24:181−189 Stroke(2005);36、e144−e152 Kinouchiら,(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:11158−11162 Dienerら,(1996)Stroke 27:76−81
発明の開示
本発明は、哺乳動物被験体の脳虚血の処置および予防のための組成物および方法に関する。本発明は、脳卒中の処置および予防に関するものであり、脳卒中が症状の1つであるミトコンドリア病の処置、改善または予防に関するものではない。
本発明は、被験体に、
(式中、
、RおよびRは、互いに独立して、水素、(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシであり;
mは、1〜12(両端を含む)の整数である)
で表される有効量の1種類以上の式Iの化合物またはその任意の立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、塩、結晶性形態、非結晶性形態、水和物もしくは溶媒和物を投与することを含む、哺乳動物被験体の脳虚血性事象の症状を処置および/または改善するための方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、脳虚血性状態の処置および/または改善を、かかる処置を必要とする哺乳動物被験体において行なうための方法であって、該被験体に有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与することを含み、該被験体がミトコンドリア病に苦しんでいる被験体、またはミトコンドリア病を有する被験体ではないものとする方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、脳虚血性状態の処置および/または改善を、かかる処置を必要とする哺乳動物被験体において行なうための方法であって、該被験体に有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与することを含み、該被験体が、脳虚血性事象前の約1週間以内、脳虚血性事象前の約1ヶ月以内、脳虚血性事象前の約3ヶ月以内、脳虚血性事象前の約6ヶ月以内、または脳虚血性事象前の約1年以内に有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与されていないものとする方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、脳虚血性状態の処置および/または改善を、かかる処置を必要とする哺乳動物被験体において行なうための方法であって、該被験体に有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与することを含み、該被験体は、有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与されたことがないものとする方法を提供する。
本発明は、被験体に、
(式中、
、RおよびRは、互いに独立して、水素、(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシであり;
mは、1〜12(両端を含む)の整数である)
で表される有効量の1種類以上の式Iの化合物またはその任意の立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグ、代謝産物、塩、結晶性形態、非結晶性形態、水和物もしくは溶媒和物を投与することを含み、
前記被験体は、脳卒中が症状の1つであるミトコンドリア病に苦しんでいる被験体でないものとする、
脳虚血性状態の予防を、かかる予防を必要とする哺乳動物被験体において行なうための方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、脳虚血性状態の予防を、かかる処置を必要とする哺乳動物被験体において行なうための方法であって、該被験体に有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与することを含み、該被験体が、ミトコンドリア病に苦しんでいる被験体、またはミトコンドリア病を有する被験体ではないものとする方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、脳虚血性状態の予防を、かかる予防を必要とする哺乳動物被験体において行なうための方法であって、該被験体に有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与することを含み、該被験体が、脳虚血性事象前の約1週間以内、脳虚血性事象前の約1ヶ月以内、脳虚血性事象前の約3ヶ月以内、脳虚血性事象前の約6ヶ月以内、または脳虚血性事象前の約1年以内に有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与されていないものとする方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、脳虚血性状態の予防を、かかる予防を必要とする哺乳動物被験体において行なうための方法であって、該被験体に有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与することを含み、該被験体は、有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与されたことがないものとする方法を提供する。
一部の実施形態において、本発明は、式中のRおよびRが互いに独立して(C〜C)アルコキシであり、Rが(C〜C)アルキルである有効量の式Iの化合物を含む組成物および方法に関する。他の実施形態において、本発明は、式中のR、RおよびRが互いに独立して(C〜C)アルキルである有効量の式Iの化合物を含む組成物および方法に関する。
一部の実施形態において、本発明は、式中のRおよびRが互いに独立して(C〜C)アルコキシであり、Rが(C〜C)アルキルである有効量の式Iの化合物を含む組成物および方法に関する。他の実施形態において、本発明は、式中のR、RおよびRが互いに独立して(C〜C)アルキルである有効量の式Iの化合物を含む組成物および方法に関する。
一部の実施形態において、本発明は、式中のRおよびRが互いに独立してメトキシであり、Rがメチルである有効量の式Iの化合物を含む組成物および方法に関する。他の実施形態において、本発明は、式中のR、RおよびRが各々メチルである有効量の式Iの化合物を含む組成物および方法に関する。
一部の実施形態において、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される。一部の実施形態において、mは、1、2または3から選択される。一部の実施形態において、mは2である。
さらなる実施形態において、本発明は、被験体に、有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与することを含み、前記式Iの化合物が、下記の構造:
のトコトリエノールキノンまたはその単一の立体異性体(steroisomer)もしくは立体異性体の混合物であり、前記投与により前記脳虚血性状態に関連している神経損傷が低減される、哺乳動物被験体の脳虚血性事象の症状を処置および/または改善するための方法を提供する。
他の実施形態において、式Iの化合物はトコトリエノールキノンである。他の実施形態において、式Iの化合物はα−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、式Iの化合物はβ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、式Iの化合物はγ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、式Iの化合物はδ−トコトリエノールキノンである。
他の実施形態において、被験体に、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノンおよびδ−トコトリエノールキノンから選択される2種類以上のトコトリエノールキノンの有効量の混合物が投与される。
一部の実施形態において、本発明は、被験体に、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノンまたはδ−トコトリエノールキノンから選択される1種類以上の化合物を含む有効量の組成物を投与することを含む、哺乳動物被験体の脳虚血性状態の症状を処置および/または改善するための方法を提供する。特定の一部の実施形態において、本発明は、被験体に、α−トコトリエノールキノンを含む有効量の組成物を投与することを含む、哺乳動物被験体の脳虚血性状態の症状を処置および/または改善するための方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、被験体に、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノンまたはδ−トコトリエノールキノンから選択される1種類以上の化合物を含む有効量の組成物を投与することを含み、該被験体は、脳卒中が症状の1つであるミトコンドリア病に苦しんでいる被験体でないものとする、または該被験体はミトコンドリア病に苦しんでいる被験体でないものとする、または該被験体は、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノンまたはδ−トコトリエノールキノンから選択される有効量の1種類以上の化合物を過去ほぼ1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月もしくは1年以内に投与されていないものとする、または該被験体は、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノンまたはδ−トコトリエノールキノンから選択される有効量の1種類以上の化合物を投与されたことがないものとする、哺乳動物被験体の脳虚血性状態の予防方法を提供する。特定の一部の実施形態において、本発明は、哺乳動物被験体の脳虚血性状態の予防方法であって、該被験体に、α−トコトリエノールキノンを含む有効量の組成物を投与することを含み、該被験体は、脳卒中が症状の1つであるミトコンドリア病に苦しんでいる被験体でないものとする、または該被験体はミトコンドリア病に苦しんでいる被験体でないものとする、または該被験体は、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノンまたはδ−トコトリエノールキノンから選択される有効量の1種類以上の化合物を過去ほぼ1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月もしくは1年以内に投与されていないものとする、または該被験体は、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノンまたはδ−トコトリエノールキノンから選択される有効量の1種類以上の化合物を投与されたことがないものとする方法を提供する。
本発明の一部の実施形態において、脳虚血性状態は脳血管構造の閉塞に続発性のものであり、他の実施形態において、該閉塞が血栓塞栓症によるものである。さらなる実施形態において、脳虚血は冠動脈血管構造の攣縮によるものであり、該被験体は、冠動脈血管構造の攣縮後に起こる脳卒中が症状の1つであるミトコンドリア病に苦しんでいる被験体でないものとする、または該被験体はミトコンドリア病に苦しんでいる被験体でないものとする、または該被験体は、過去ほぼ1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月もしくは1年以内に有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与されていないものとする、または該被験体は、有効量の1種類以上の式Iの化合物を投与されたことがないものとする。さらなる実施形態において、脳虚血性状態は心機能の停止に続発性のものである。さらなる実施形態において、脳虚血性状態は心肺バイパス術に続発性のものである。またさらなる実施形態において、脳虚血性状態は脳血管構造内の出血性事象に続発性のものである。
また他の態様において、本明細書に記載の方法における使用のためのトコトリエノールキノン組成物は、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%がトコトリエノールキノンで構成されている。他の態様において、本明細書に記載の方法における使用のためのα−トコトリエノールキノン組成物は、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%がα−トコトリエノールキノンで構成されている。
本発明の一部の実施形態において、本明細書に記載の方法における使用のための組成物は、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約1〜約1000mgの範囲のトコトリエノールキノンを含むものである。また他の実施形態において、本明細書に記載の方法における使用のための組成物は、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約1〜約500mgの範囲のトコトリエノールキノンを含むものである。さらなる実施形態において、該組成物は、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約5〜約100mgの範囲のトコトリエノールキノンを含むものである。
本発明の一部の実施形態において、本明細書に記載の方法における使用のための組成物は、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約1〜約1000mgの範囲のαトコトリエノールキノンを含むものである。また他の実施形態において、本明細書に記載の方法における使用のための組成物は、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約1〜約500mgの範囲のα−トコトリエノールキノンを含むものである。さらなる実施形態において、本明細書に記載の方法における使用のための組成物は、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約5〜約100mgの範囲のα−トコトリエノールキノンを含むものである。
また、本発明は、本明細書に記載の方法における使用のための、かかる組成物を作製するための新規な組成物および方法を包含する。一部の実施形態において、該組成物は医薬組成物である。他の実施形態において、該組成物は医療食である。一部の実施形態において、該組成物の投与は経腸経路によるものである。他の実施形態において、該組成物の投与は経口経路によるものである。またさらなる実施形態において、投与は非経口経路によるものである。
他の態様において、本発明は、α−トコトリエノールキノンを、それを必要とする患者に投与したとき脳虚血性状態に関連している神経損傷が低減されるのに有効な量に富化した組成物を含むトコトリエノールキノン組成物を提供する。一部の実施形態において、本発明は、α−トコトリエノールキノンを、それを必要とする患者に投与したとき脳虚血性状態に関連している神経損傷が低減されるのに有効な量に富化した組成物を含むトコトリエノールキノン組成物を提供し、該患者は、脳虚血が症状の1つであるミトコンドリア病に苦しんでいる患者でないものとする、または該被験体はミトコンドリア病に苦しんでいる被験体でないものとする、または該被験体は、α−トコトリエノールキノンを富化した組成物を含む有効量のトコトリエノールキノン組成物を過去ほぼ1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月もしくは1年以内に投与されていないものとする、または該被験体は、α−トコトリエノールキノンを富化した組成物を含む有効量のトコトリエノールキノン組成物を投与されたことがないものとする。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
脳虚血性事象と関連している神経損傷の処置、予防および/または改善を、かかる処置を必要とする哺乳動物被験体において行なうための方法であって、該被験体に、式I:

(式中、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシであり;
mは、1〜12(両端を含む)の整数である)
の1種類以上の化合物またはその任意の立体異性体または立体異性体の混合物を含む有効量の組成物を投与することを含み、
前記被験体はミトコンドリア病に苦しんでいる被験体でないものとする、
方法。
(項目2)
かかる処置を必要とする前記被験体に、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノンおよびδ−トコトリエノールキノンならびにその混合物、ならびにその単一の立体異性体ならびに立体異性体の混合物から選択されるトコトリエノールキノンを含む有効量の組成物を投与することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記組成物が、α−トコトリエノールキノンまたはその任意の立体異性体または立体異性体の混合物を含むものである、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記脳虚血性事象が脳血管構造の閉塞に続発性のものである、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記閉塞が血塞栓によるものである、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記脳虚血が冠動脈血管構造の攣縮によるものである、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記脳虚血性事象が心機能の停止に続発性のものである、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記脳虚血性事象が心肺バイパス術に続発性のものである、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記脳虚血性事象が脳血管構造内の出血性事象に続発性のものである、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記トコトリエノールキノン組成物が少なくとも約65%のα−トコトリエノールキノンを含む、項目3に記載の方法。
(項目11)
前記トコトリエノールキノン組成物が少なくとも約75%のα−トコトリエノールキノンを含む、項目3に記載の方法。
(項目12)
前記トコトリエノールキノン組成物が少なくとも約85%のα−トコトリエノールキノンを含む、項目3に記載の方法。
(項目13)
前記トコトリエノールキノン組成物が少なくとも約90%のα−トコトリエノールキノンを含む、項目3に記載の方法。
(項目14)
前記トコトリエノールキノン組成物が少なくとも約95%のα−トコトリエノールキノンを含む、項目3に記載の方法。
(項目15)
前記組成物が、さらに、薬学的に許容され得る担体を含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記組成物が経口投与される、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記組成物が非経口投与される、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記組成物が、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約1〜約1000mgの範囲のα−トコトリエノールキノンを含む、項目3に記載の方法。
(項目19)
前記組成物が、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約1〜約50mgの範囲のα−トコトリエノールキノンを含む、項目3に記載の方法。
(項目20)
前記神経損傷が、神経細胞死、全脳梗塞体積、脳虚血性損傷、脳組織浮腫、および認知機能障害から選択される、項目1に記載の方法。
(項目21)
脳虚血性事象の処置および/または改善を、かかる処置を必要とする哺乳動物被験体において行なうための方法であって、該被験体に、式I:

(式中、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシであり;
mは、1〜12(両端を含む)の整数である)
の1種類以上の化合物またはその任意の立体異性体または立体異性体の混合物を含む有効量の組成物を投与することを含み、
前記被験体は、脳卒中が症状の1つであるミトコンドリア病に苦しんでいる被験体でないものとする、
方法。
(項目22)
かかる処置を必要とする前記被験体に、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノンおよびδ−トコトリエノールキノンならびにその混合物、ならびにその単一の立体異性体ならびに立体異性体の混合物から選択されるトコトリエノールキノンを含む、有効量の組成物を投与することを含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記組成物が、α−トコトリエノールキノンまたはその任意の立体異性体または立体異性体の混合物を含むものである、項目22に記載の方法。
(項目24)
脳虚血性事象の処置および/または改善を、かかる処置を必要とする哺乳動物被験体において行なうための方法であって、該被験体に、式I:

(式中、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシであり;
mは、1〜12(両端を含む)の整数である)
の1種類以上の化合物またはその任意の立体異性体または立体異性体の混合物を含む有効量の組成物を投与することを含み、
前記被験体は、脳虚血性事象前の1ヶ月以内に式Iの化合物を投与されていないものとする、
方法。
(項目25)
かかる処置を必要とする前記被験体に、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノンおよびδ−トコトリエノールキノンならびにその混合物、ならびにその単一の立体異性体ならびに立体異性体の混合物から選択されるトコトリエノールキノンを含む、有効量の組成物を投与することを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記組成物が、α−トコトリエノールキノンまたはその任意の立体異性体または立体異性体の混合物を含むものである、項目25に記載の方法。
図1は、実施例2に記載の再灌流時にα−トコトリエノールキノンおよびビヒクル(対比)を投与したときの全梗塞の体積測定比較(c)におけるα−トコトリエノールキノンの効果を示す。再灌流時にビヒクル(a)またはα−トコトリエノールキノン(b)を投与したラットの脳薄片の画像も示す;囲みの部分は梗塞領域を示す。
発明を実施するための形態
本発明は、一般的に、脳虚血(脳卒中)において保護的である医薬組成物に使用され得るトコトリエノールキノンに関する。本発明は、例えば、神経細胞死を低減させること、組織浮腫を低減させること、および/または脳虚血性障害と関連している認知機能障害を低減させることなどにより、脳虚血を予防または処置するための組成物および方法を提供する。本発明は、脳虚血性状態と関連している症状および/または病状、例えば、微小塞栓の存在または低酸素状態と関連している梗塞サイズ、組織浮腫または認知障害などを低減させるための組成物および方法を提供する。本発明は、ミトコンドリア病に苦しんでいる被験体の脳卒中の処置に関するものではない。特に、本発明は、脳卒中が症状の1つであるミトコンドリア病に苦しんでいる被験体の脳卒中の処置に関するものではない。
本発明は、少なくとも約50%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約55%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約60%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約65%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約70%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約75%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約80%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約85%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約90%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約95%がα−トコトリエノールキノン、または少なくとも約98%がα−トコトリエノールキノンで構成されたトコトリエノールキノン組成物を提供する。本明細書で用いる場合、「活性成分」は、哺乳動物被験体の脳虚血を処置または予防できるものである。一部の実施形態において、トコトリエノールキノン組成物は、α−トコトリエノールキノンを単独の活性成分として含むものである。好ましい実施形態において、活性成分は、本明細書に記載のものなどの実験モデルにおいて、脳虚血と関連している神経損傷を少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、さらには、より好ましくは少なくとも約90%低減できるものである。一部の実施形態において、神経損傷の低減は、処置した実験モデル系および非処置(対照)実験モデル系(対比)での体積の比較によって測定される。
さらなる好ましい実施形態において、トコトリエノールキノン組成物は、α−トコトリエノールキノンを、神経細胞死の低減、梗塞サイズの低減、脳虚血性状態と関連している組織浮腫の低減および/または認知機能障害の低減に有効な量で含むものであり、さらにトコフェロールキノンを含んでいてもよい。他の好ましい実施形態において、本発明のトコトリエノールキノン組成物は、さらなる活性成分を含むものである。一部の実施形態において、トコトリエノールキノンとさらなる成分(1種類または複数種)を含む組成物は、相乗効果をもたらすものである。トコトリエノールキノンとさらなる成分は、併用効果が個々の効果の相加的効果よりも大きい場合、相乗的とみなす。他の実施形態において、該組成物は、α−トコトリエノールキノンとさらなる成分を含み、相乗効果をもたらすものである。
主題の化合物は、当該技術分野で知られたさまざまな異なる細胞株系でのインビトロアッセイを用いて、また、適切な動物または器官全体でのアッセイ(例えば、心機能については単離した心臓モデル、炎症についてはラット空気嚢モデル、ラット中脳動脈閉塞(MCAO)脳卒中モデル、および当業者に知られた他のもの)によってインビボで薬理学的に有効であると評価および確認され得る。
処置の効果のモニタリングは、核磁気共鳴画像法(「MRI」)を用いて追跡することができる。実例としてのMRI法としては、細胞特異的画像法、磁化移動画像法(「MTI」)、ガドリニウム造影MRI、プロトン核磁気共鳴分光法(MRS)、および拡散強調画像法(死滅脳組織が表示される)、灌流強調画像法(酸素が不足しているが生存脳組織が表示される)、および機能的MR画像法(fMRI)が挙げられる。例えば、虚血による半影は、Duong,T.Q.およびFisher,M.,(2004)Curr.Atheroscl.Rep.6:267−273に記載のように、灌流強調画像法および拡散強調画像法によって画定される異常領域における違いを観察することにより確認され得る。この画定領域における違いは、灌流−拡散ミスマッチとして知られている。灌流−拡散ミスマッチ領域は、おおよそ虚血による半影であると推定される。血管収縮および血管攣縮は、通常、当該技術分野で知られたデジタルサブトラクションアンギオグラフィを用いて検出される。
また、脳内病変部の限局性酸化的ストレスおよびグルコース代謝は、陽電子断層撮影法(PET)に代表される画像法によって評価され得る。Ikawa M.ら,(2009)Mitochondrion 9,144−148に記載のような[62Cu]−ジアセチル−ビス(N4−メチルチオセミカルバゾン(62Cu−ATSM)と[18F]−フルオロデオキシグルコース(18FDG)を用いたPETを使用し、脳卒中様病変部の異なる病期のレドックス状態およびエネルギー状態の新規な機能的二重画像法がインビボで行なわれ得る。62Cu−ATSM−PETは、酸化的ストレスおよび脳の血流を評価するために適用され得、一方、18FDG−PETは、脳卒中病変部におけるグルコース代謝を診断するために適用され得る。
本明細書に開示した実例としての実施形態において、α−トコトリエノールキノン組成物は、強制供給によって投与した場合、MCAOの時および再灌流の時に全梗塞が低減されることが示されている。
定義
用語「アルキル」は、明記した数の炭素原子を有する、または数を明記していない場合は、12個までの炭素原子を有する飽和脂肪族基(直鎖、分枝鎖、環式基およびその組合せを含む)をいう。アルキル基のサブセットの1つは、(C〜C)アルキルであり、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、n−ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの基、および1〜6個の炭素原子を含む任意の他のアルキル基が挙げられ、ここで、該アルキル基上に任意の結合価でさらなる(C〜C)アルキル基が結合していてもよいが、炭素の総数は6であるか、または6より小さいものとする。アルキル基の別のサブセットは(C〜C)アルキルであり、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、およびシクロブチルなど(as)の基が挙げられる。
用語「アルコキシ」は、−O−アルキル基(該アルキルは本明細書において定義したとおりである)をいう。アルコキシ基のサブセットの1つは(C〜C)アルコキシであり、限定されないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、シクロ−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、シクロ−ブトキシ、n−ペントキシ、シクロペントキシ、n−ヘキソキシ、シクロヘキソキシ、および1,2−ジメチルブトキシなどの基が挙げられる。アルコキシ基の別のサブセットは(C〜C)アルコキシであり、限定されないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、シクロ−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、およびシクロ−ブトキシなどの基が挙げられる。
「脳虚血」または「脳虚血性の」または「脳虚血性状態」は、起源が病的である疾病事象をいうか、あるいは一時的(血管攣縮もしくは一過性虚血発作(TIA)の場合など)または永久的(医療介入なし)(血栓性もしくは塞栓性閉塞の場合など)のいずれかで脳領域への循環を阻止または遮断する被験体に強いられた外科的介入をいう。罹患領域は、虚血事象の結果として酸素と栄養分が喪失している。この喪失により、罹患領域において梗塞という障害がもたらされる。虚血は、例えば、血栓塞栓性脳卒中、出血性脳卒中、脳血管攣縮、頭部外傷、心停止、負傷または内出血による重度の失血、および正常な血流を妨げる他の同様の病状時に脳内で起こる。また、浮腫によって引き起こされる圧力によって脳内部の動脈および静脈が圧迫されて押しつぶされ、それにより脳全体に血液を運ぶ能力が低下するため、頭部外傷後にも起こることがあり得る。また、脳虚血は、巨大塞栓または微小塞栓の結果として起こることもあり得る(例えば、心肺バイパス手術後に起こることがあり得る)。
「梗塞」または「梗塞形成」は、虚血に供された、および虚血の生理学的続発症を被った組織または器官の領域に関連している。梗塞形成は、例えば、塞栓、血栓、血管のねじれまたは肉眼的壊死領域をもたらす圧力のため、動脈または静脈内の血液供給が突然不充分になることにより生じる。また、梗塞形成は、出血に対する曝露の結果として障害された領域にも関連している。
「脳内血流の増大」により、処置した被験体において、未処置の被験体と比べて脳内血流の統計学的または生理学的に有意な増大(当該技術分野でよく知られた手法、例えば、血管画像法などを用いて測定)を誘導することによって臨床転帰を改善する行為を意図する。
「梗塞サイズの低減」により、処置した被験体において、未処置の被験体と比べて梗塞サイズの統計学的または生理学的に有意な低減(当該技術分野でよく知られた手法、例えば、血管画像法などを用いて測定)を誘導することによって臨床転帰を改善する行為を意図する。
「薬剤」は、本明細書において、脳虚血性状態および/または脳虚血による細胞損傷と関連している神経損傷もしくはその症状を低減させることなどにより脳虚血を予防または処置できる化合物、混合物、または化合物の製剤と定義する。「改善」は、虚血性状態または虚血性状況のマイナス面の抑制、低減、緩和または反対作用を意味する。改善には、脳虚血性状態の完全な回復または完全な抑制を必要とするものではない。化合物または薬剤は、脳虚血性事象の前、同時期、および/または起こった後に保護活性をもたらすものであり得る。
「医薬組成物」は、患者または被験体への投与に適した薬剤を含む組成物である。また、医薬組成物は、薬学的に許容され得る賦形剤、薬学的に許容され得る担体、および薬学的に許容され得るビヒクルなどのさらなる成分を含むものであり得る。「処方医薬組成物」は、投与に医師の処方箋を必要とする組成物である。医薬組成物は、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約1〜約1000mgの範囲で投与される式Iの化合物(例えば、α−トコトリエノールキノンなどのトコトリエノールキノン)を含むものであり得る。「栄養組成物」は、天然に存在する成分(好ましくは、サプリメント、機能性食品または食品成分などの食品供給物にみられるもの)が、式Iの化合物(例えば、α−トコトリエノールキノンなどのトコトリエノールキノン)などの薬剤と一緒に混合された状態で含まれた組成物である。
本明細書で用いる場合、薬剤は、該薬剤の投与により脳虚血性状態の症状が低減および/または改善される場合、および/または細胞、組織、器官および/または生物体が被った脳虚血に続発的に誘導された傷害が低減および/または改善される場合、「細胞保護的」である、または「細胞保護特性」もしくは「細胞保護活性」を有するという。細胞保護活性および傷害は、傷害の結果(細胞死および代謝活性の阻害など)を測定するアッセイにおいて定量され得る;これは、例えば、適切な蛍光色素を使用すること、酵素活性を測定すること、および/または適切な指示薬での染色によって罹患組織のインタクトな細胞膜を測定することで測定され得る。細胞保護剤としては、細胞保護性トコトリエノールキノン、その代謝産物、およびその誘導体が挙げられる。
「共力剤」は、存在させると、薬剤または化合物の効果が相加的より大きく増大、増強または強化される薬剤または化合物と定義する。一部の場合において、混合物中のどの化合物が最重要であり、どれがあまり重要でないかを判定することが困難な場合があり得る。したがって、化合物の相乗性混合物では、該混合物中の任意の活性化合物が共力剤とみなされ得る。「相乗活性」または「相乗性混合物」を含む組成物は、併用効果が個々の効果の相加よりも大きくなる化合物の組合せである。相乗作用は、ある範囲または濃度でのみ見られる場合もあり得る。
「有効量」または「脳虚血性状態および/または脳虚血による症状と関連している神経損傷が低減されるのに有効な量」により、細胞保護剤(1種類または複数種)(例えば、トコトリエノールキノン)が患者に、脳虚血性状態および/または脳虚血による症状と関連している傷害を低減させるのに充分な量で、および/または罹患組織において脳虚血性状態および/または脳虚血による症状と関連している傷害を低減させるのに充分な最終濃度をもたらすのに充分な量で投与することを意図する。この量としては、限定されないが、神経損傷の症状を完全に予防もしくは処置する機能が果される濃度、または神経損傷の症状を一部予防もしくは処置する機能が果される濃度が挙げられる。「有効量」は、有益な結果または所望の結果がもたらされるのに充分な量である。有効量は1回以上の投与で投与されるものであってもよい。本発明の解釈上、細胞保護組成物の有効量は、i)脳虚血性状態のリスクがある、またはii)脳虚血性状態の症状を伴う哺乳動物被験体の傷害の進行が改善、安定化、逆転、遅滞または遅延されるのに充分な量である。好ましくは、脳虚血性状態による傷害の改善は、例えば、細胞死および/または酵素不活性の低減;および/または組織浮腫の低減;および/または認知障害の低減;および/または梗塞サイズの低減を測定するアッセイによって定量され得る。脳虚血性状態と関連している傷害の場合、被験体の脳内の梗塞のサイズおよび/または重症度は、例えば、当業者に知られた種々の非侵襲性の放射線学的手順および/または種々の症状および診断による手順(例えば、核磁気共鳴画像法(MRI)、コンピュータ連動断層撮影(CT)スキャン、陽電子断層撮影法(PET)、拡散強調画像法(DWI)など)によって測定され得る。また、脳虚血性状態と関連している傷害としては、脳浮腫およびかかる浮腫と関連している傷害も挙げられる。脳虚血性状態に関して用いる場合、用語「有効な」は、用量サイズ、頻度もしくは持続期間、または用量の「有効性」の概念について記載している場合、実際の脳梗塞のサイズおよび重症度の低減、または任意のかかる脳梗塞が起こる可能性、サイズおよび重症度が低減される可能性がもたらされる投与に関連している。改善は、好ましくは少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約30%、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%、さらにより好ましくは少なくとも約80%、さらには、より好ましくは少なくとも約90%の神経損傷の低減である。
「低酸素」は、広義に、特定の細胞、器官または組織が受ける酸素供給が、正常な機能を可能にするのに不充分である病状と定義する。より具体的には、低酸素は、測定される平均(“average”または“mean”)環境酸素飽和レベルが90%未満または約90%未満であり得る。血液供給が遮断された場合はいつでも酸素供給も遮断されるため、低酸素は虚血の直接的な結果である。しかしながら、低酸素は、血流が変わらないままの場合であっても、他の条件(例えば、限定されないが、一酸化炭素中毒、溺死、窒息および他の形態の仮死)において起こることがあり得る。
用語「エネルギー的にコンピテントな」は、細胞、細胞株または生物体が有気呼吸(酸化的代謝)を行なうことをいう。「エネルギー的インコンピテンス」は、有気呼吸を行なうことができない細胞の特質をいう;かかる細胞は嫌気性呼吸(醗酵)しか行なわない。
「処置」または「処置すること」により、哺乳動物の疾患または障害の任意の処置であって、該疾患が抑止される、すなわち、臨床症状の発現が緩和、停止もしくは抑制される;および/または該疾患が軽減される、すなわち、臨床症状の後退が引き起こされる処置を意図する。
「予防(“prevention”または“prophylaxis”)」により、疾患または障害が予防または保護される、すなわち、疾患の臨床症状が発現されないようにするレジメンを意図する。予防は、一部であっても完全であってもよい。
「トコトリエノールキノン組成物」により、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノンおよび/またはその混合物を含む組成物を意図する。また、トコトリエノールキノンという用語は、単一の立体異性体およびその立体異性体の混合物、塩、結晶性形態、非結晶性形態、水和物もしくは溶媒和物を包含する。
一般的な方法
一部の特定の実施形態において、本発明の製剤はトコトリエノールキノンを含むものであり、該トコトリエノールキノンは、それぞれのトコトリエノールから、適当な酸化剤(例えば、硝酸セリウムアンモニウム(CAN))での酸化によって合成により作製され得る。特に、本発明の製剤は、本質的に純粋なα−トコトリエノールの酸化によって作製されるα−トコトリエノールキノン(CAS Reg.No.1401−66−7)を含むものである。本質的に純粋なα−トコトリエノールまたはα−トコトリエノールキノンの好ましい作製方法は、共有米国特許出願公開第2010/0105930号(発明の名称は「αトコトリエノールおよび誘導体の作製方法」)に記載されている。
本明細書に示した実例としての例は、α−トコトリエノールキノンを活性成分として含む、脳虚血と関連している損傷、傷害および/または症状に対する細胞保護剤としての使用のための組成物に関するものである。
α−トコトリエノールキノン組成物は、α−トコトリエノールキノンを脳虚血と関連している傷害および/または症状が改善されるのに有効な量で含むものである。α−トコトリエノールキノン組成物は、少なくとも約50%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約55%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約60%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約65%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約70%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約75%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約80%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約85%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約90%がα−トコトリエノールキノン、少なくとも約95%がα−トコトリエノールキノンで構成された富化組成物であり得る。
本明細書に開示した実例としての例において、α−トコトリエノールキノン組成物により、MCAO時に500mg/kgで強制供給によって投与した場合、および再灌流時に投与した場合(それぞれ、実施例2および図1参照)、全梗塞サイズを40%低減することができた。
本発明において、栄養組成物には、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約1〜約50mgの範囲で投与される式Iの化合物(例えば、α−トコトリエノールキノンなどのトコトリエノールキノン)を含める。さらなる実施形態において、栄養組成物には、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり少なくとも約1、約1.5、約2、約2.5、約5、約7.5、約10、約12.5、約15、約17.5、約20、約22.25、約25、約30、約35、約40、約45または約50mgの下限で投与される式Iの化合物(例えば、α−トコトリエノールキノンなどのトコトリエノールキノン)を含める。医薬組成物には、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約1〜約1000mgの範囲で投与される式Iの化合物(例えば、α−トコトリエノールキノンなどのトコトリエノールキノン)を含める。さらなる実施形態において、医薬組成物には、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり少なくとも約1、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約200、約300、約400、または約500mgの下限で投与される式Iの化合物(例えば、α−トコトリエノールキノンなどのトコトリエノールキノン)を含める。さらなる実施形態において、医薬組成物には、前記哺乳動物被験体の体重1kgあたり約5〜約500mgの範囲で投与される式Iの化合物(例えば、α−トコトリエノールキノンなどのトコトリエノールキノン)を含める。
本発明の化合物の使用方法
本発明の組成物は被験体に神経細胞の損傷が低減される量で投与される。被験体は、脳虚血性状態が生じている被験体であってもよく、脳虚血性状態と関連している症状もしくは脳虚血性状態による症状が生じている被験体であってもよく、脳虚血性状態のリスクがある被験体であってもよい。被験体は、MELASなどのミトコンドリア病に起因する虚血性状態の予防のために処置される被験体ではない。
一態様において、本発明の方法は、脳虚血性状態による傷害が発生するリスクがある(例えば、脳内での梗塞形成などにより)哺乳動物被験体の神経損傷の予防に関するものである。この神経損傷の低減方法は、脳虚血性状態と関連している脳内の傷害もしくは脳虚血性状態による脳内の傷害の程度および/または重症度を、該方法以外の場合では起こり得る該傷害を改善することにより、または低減させることにより、最小限にすることに関するものである。該方法は、α−トコトリエノールキノン組成物を被験体に投与することを含む。投与される量および処置の持続期間は、哺乳動物被験体の神経損傷のサイズおよび/または重症度(例えば、神経細胞死の低減および/または脳虚血性状態と関連している組織浮腫の低減および/または認知障害の低減および/または梗塞サイズの低減によって測定される)を最小限にするのに有効なものである。したがって、かかる処置の結果、発生する神経損傷(あれば)のサイズおよび/または重症度が最小限になることが予測される。
本発明は、神経損傷、例えば、虚血性、低酸素性/無酸素性もしくは出血性の事象によるものであり得る細胞死および/または組織浮腫の存在および/または認知機能障害および/または脳梗塞の予防的処置を提供する。本発明の組成物は、脳虚血性状態と関連している神経損傷または該状態によるものである神経損傷が生じるリスクがある被験体に投与され、該損傷が発生した場合は、該損傷を抑制するか、またはその重症度を改善する。該方法は、急性的または慢性的な疾病状態と関連している、または該疾病状態に起因している神経損傷のリスクがある被験体が対象である。かかる状態は、被験体のために計画された医療処置もしくは外科処置(例えば、血管形成術)の結果、または急な疾病状態(脳卒中もしくは重度の失血など)の結果、生じ得る。被験体が脳虚血性状態と関連している神経損傷のリスク下に置かれる他の状態としては、脳卒中に対する遺伝的素因、または脳梗塞になる可能性を増大させると理解されている条件(アテローム性動脈硬化、脳卒中または一過性脳虚血発作の既往、真性糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、喫煙歴など)が挙げられ、また、統合失調症、癲癇および神経変性障害も挙げられ得る。脳卒中になった人の診断的および/または病理学的特性評価により、脳卒中をもたらす数多くのさらなる疾病状態が確認されており、これらは、内科医および神経科医に広く知られている。
被験体が脳虚血性状態と関連している神経損傷または脳虚血性状態によるものである神経損傷のリスク下に置かれるさらなる疾病状態としては、限定されないが、血管炎(例えば、膠原血管病、側頭(巨細胞性)動脈炎、結節性多発性動脈炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、高安動脈炎、および梅毒と関連している血管炎);髄膜炎(例えば限定されないが、結核、真菌、梅毒、細菌またはヘルペスによって引き起こされる髄膜炎、例えば、帯状疱疹);動脈切開(例えば、頚動脈、椎骨動脈、または脳基部の頭蓋内動脈);血液系の障害(例えば限定されないが、赤血球増加症、血小板増加症、血栓症、血小板減少性紫斑病、播種性血管内凝固症候群、異常蛋白血症、および異常血色素症(鎌状赤血球症など));コカインまたはアンフェタミンによって誘発される血管の損傷;モヤモヤ病;線維筋性形成異常;ビンスヴァンガー病;塞栓症(例えば、心臓起源、例えば、律動異常、冠動脈心臓疾患、リウマチ性心臓疾患など);冠状動脈バイパス移植(CABG)、ならびにアテローム血栓性動脈起源(例えば限定されないが、総頚動脈の分岐部、頚動脈サイホン、遠位椎骨動脈、および大動脈弓)が挙げられる。
被験体が脳虚血性状態と関連している神経損傷または脳虚血性状態によるものである神経損傷のリスク下に置かれる他の疾病状態としては、限定されないが、全身性疾患に続発性の凝固能亢進状態;癌腫(特に、膵臓);子癇;経口避妊薬;狼瘡;血栓性疾患(例えば、C因子またはS因子欠損症および第V因子変異(第V因子ライデン変異など));血管収縮、例えば、血管攣縮(例えば、クモ膜下出血後の脳血管攣縮)および可逆性の脳血管収縮(例えば、特発性、偏頭痛、子癇、外傷);ならびに静脈の病状(例えば、脱水症、全頭蓋(pancranial)感染、分娩後状態および術後状態ならびに全身性の癌)と関連している病状が挙げられる。
被験体が頭蓋内出血による脳虚血性状態と関連している神経損傷または脳虚血性状態によるものである神経損傷のリスク下に置かれる疾病状態としては、限定されないが、自然脳内出血(例えば、高血圧性アミロイド血管症);破裂性大動脈瘤(例えば、小嚢性、真菌性);破裂性動静脈奇形;薬物使用(例えば、コカイン、アンフェタミン);外傷;脳腫瘍に伴う出血;全身性出血障害(例えば、抗凝固療法)および出血性梗塞形成が挙げられる。
本発明は、ヒト被験体および非ヒト哺乳動物被験体の処置を提供する。非ヒト哺乳動物は、該動物が、脳虚血性状態を誘発させ、例えば脳梗塞形成に至らしめる施術に供される場合、またはヒト被験体についての先の段落で特定したものと同等の外科的もしくは侵襲的施術を受ける場合、被験体と特定される。
本発明では、トコトリエノールキノン組成物は哺乳動物被験体に投与される。個体が虚血事象(脳卒中または窒息の結果など)に苦しんでいると診断された場合、本発明の組成物の投与は、虚血事象が起こった後できるだけ早急に、好ましくは該事象の2〜3日以内(例えば、約1日以内、約2日以内もしくは約3日以内)、またはより好ましくは数時間以内(例えば、約12時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約4時間未満、約2時間未満、または約1時間未満)に開始するのがよい。個体に、切迫性の外科的介入もしくは同様の介入の結果として梗塞が発生するリスクがある場合、あるいは梗塞形成のリスクが高い場合、本発明の組成物の投与は、好ましくは、介入計画の決定が行なわれたらすぐに、またはリスクが確認されたらすぐに開始する。いずれの場合も、処置の持続期間は2〜3日間、数日間、または2〜3週間であり、虚血性傷害が起こっていると理解または予測される時間枠によって決定される。
投与されるトコトリエノールキノン組成物の用量サイズは、投与経路および被験体の疾病状態、ならびに被験体の他の個々のパラメータ(年齢、体格および体重など)に依存する。虚血事象に苦しんでいる個体に該組成物を投与することは、虚血事象が既に起こっており、梗塞形成による傷害の即時の最小化の必要性が急務であるため、本発明において考慮されるもののうち最も急性の状況を表す。これには、その状況に適切な特定の用量サイズが必要となり得る。緊急な手術または医療介入が計画されたヒト被験体または非ヒト動物は、いくぶん急性度の低い疾病状況(medical state)である。その結果、各用量サイズは、異なることがあり得、いくぶん大きくばらつく余地があり得るが、なお本発明の実施の範囲に含まれる。一般に、投与のための各用量サイズは本明細書に記載したものである。非ヒト哺乳動物に対する用量サイズは、一般的に、mg/kg基準で同じ範囲である。
手短に述べたばかりの該理由のため、投与頻度も種々であり得る。より急性の疾病持続状態(medical status)では、いくぶん急性度が低いものとは異なる投与レジメン(regime)が提案されることがあり得る。一般に、本発明は、当該用量を週に約1回もしくは2回から1日約1回、2回、3回もしくは4回の範囲の頻度で投与すること、または当該用量を連続注入によって投与することにより実施され得る。
上記に示した理由と同様に、投与期間もばらつく対象である。例えば、脳卒中になった人は、極めて急性の疾病状態にあり、本発明の方法の効果ができるだけ早期に実現されることが必要とされる人である。これは、投与過程は短い期間に重点が置かれることを明白に示す。計画された手術もしくは医療介入に直面しているか、あるいは脳卒中のリスクが高く、急性度が低い疾病持続状態を有する被験体は、一般的には長期間の異なる持続期間の投与に供され得る。一般に、脳卒中になった人には、該組成物は約3日間〜約10日間の範囲の期間で投与され得る。他方、脳内の脳虚血性状態のリスクを改良する医療的または外科的処置を受けようとしている被験体は、該介入の前に、約5日間〜約14日間の範囲の期間で投与され得る。慢性的な疾病状態(脳卒中に対する遺伝的素因、真性糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、および喫煙歴など)と関連している脳梗塞が発生するリスクがある被験体は、長期間、予防的に処置され得る。
本発明の方法は、1種類以上の式Iの化合物、例えば、トコトリエノールキノン(αトコトリエノールキノンなど)を含む組成物を有効量で投与することを必要とするものである。脳虚血性状態に関して、有効量は、脳虚血性状態に起因する神経損傷が低減されるのに充分なものである。神経損傷の低減は、本発明の処置がなければ脳虚血性事象が生じている被験体において起こったであろう脳に対する傷害の任意の抑制である。脳の傷害の低減の評価には、いくつかの生理学的パラメータが使用され得る。限定されないが、例えば、処置前の患者パラメータ、非処置の脳虚血患者または対照のみを受けた脳虚血患者と比較したときの梗塞サイズの縮小、脳内の局所血流の改善および頭蓋内圧の低下が挙げられる。脳卒中に苦しんでいるヒト患者の梗塞サイズは、例えば、医学の当業者、特に、放射線学および神経学の当業者に知られた種々の非侵襲性の放射線学的手順によって測定され得る。当該技術分野の利用可能な方法の例としては、限定されないが、コンピュータ連動断層撮影(CT)スキャン、核磁気共鳴画像法(MRI)、陽電子断層撮影法(PET)、拡散強調画像法(DWI)、超音波画像法、およびターゲテッド(targeted)放射性トレーサ画像法が挙げられる。
脳卒中に苦しんでいるヒト患者の梗塞の重症度は、先の段落で論考した放射線学的および解剖学的診断の結果の評価に加えて、例えば、医学の当業者、特に、神経学、血液学および物理療法医学の当業者に知られた種々の症候学的および診断学的手順によって判定され得る。脳卒中患者では、運動、知覚および認知の行動が障害される。医療診断には、常套的に、かかる評価を、脳卒中の持続状態の人の解析に含める。例えば、種々の用量の特許請求の範囲に記載の組成物の有効性は、当該技術分野で知られた標準的な測定法を用いて、例えば限定されないが、バーセルインデックス、修正ランキンスケール、NIH脳卒中スケール合計、NIH脳卒中スケールの運動項目、退院までの日数、死亡率および他の神経心理学的バッテリースコア(battery score)を用いて評価され得る。
また、脳卒中患者は血液学的方法によって診断され得る。これは、循環系中の免疫細胞の集団および細胞特徴、ならびに種々の酵素活性または脳組織由来の細胞成分を評価するために使用され得る。このような活性または成分は、一般的に、脳卒中になった人の血中には見られるが、典型的には、脳卒中に苦しんでいない被験体には存在しないか、または低レベルでのみ存在する。同様の手順が、医療的または外科的施術の結果、虚血性傷害に苦しんでいる非ヒト哺乳動物にも適用され得る。このような診断試験で得られた種々の結果の量または値は、正常または病的な状況を表す種々の分野の既知の値と相対して評価され得る。上記に概要を示したようにして得られた一群の診断結果の評価の結果、梗塞形成の重症度が、医学分野の技能者によって評価され得る。本発明の方法による用量サイズ、頻度および処置期間は、梗塞形成の重症度および患者の全体的な疾病状態に基づいて相応して調整され得る。
該組成物は、上記のように、薬用調製物として、または種々の他の媒体中に含めて調製され得る(ヒトまたは動物用の食品、例えば、医療食およびダイエタリーサプリメントなど)。「医療食」は、特殊な栄養要件が存在する疾患または病状のための特別な食事管理を目的とした製品である。一例として、限定されないが、医療食は、ビタミンおよびミネラル製剤を含み、癌または火傷を被った人に栄養管を通して供送される(経腸投与または強制供給投与という)ものであり得る。「ダイエタリーサプリメント」は、ヒトの食事を補うことを目的とした製品であり、典型的には、丸剤、カプセル剤、錠剤または同様の製剤の形態で提供される。一例として、限定されないが、ダイエタリーサプリメントは、以下の成分:ビタミン類、ミネラル類、ハーブ、植物成分;アミノ酸、総食物摂取量を増大させることにより食事を補うことを目的とした食物物質、および濃縮液、代謝産物、構成成分、エキスまたは前述のものの任意の組合せの1種類以上を含むものであり得る。また、ダイエタリーサプリメントを、食品、例えば限定されないが、食品バー、飲料、粉末、シリアル、調理済食品、食品添加物およびキャンディ;または脳の健康が促進されるように、もしくは脳虚血が予防されるように設計された他の機能性食品に組み込んでもよい。動物では、該組成物は、主要な動物飼料に組み込まれ得る。薬用調製物として投与される場合、該組成物は、予防剤または処置剤のいずれかとして、患者にいくつかの方法のいずれかで投与され得る。トコトリエノールキノン組成物は、単独で投与してもよく、他の医薬用薬剤と組み合わせて投与してもよく、その生理学的に許容され得る担体と合わせてもよい。一部の実施形態において、トコトリエノールキノン組成物には、さらに、薬学的に許容され得る担体が含まれる。具体的な細胞保護製剤の有効量および投与方法は、個々の被験体、疾患の病期、および当業者に自明の他の要素に基づいて異なり得る。処置過程の間、主題の組成物の濃度は、所望のレベルの維持が確保されるようにモニタリングされ得る。主題の組成物を、摂食することができる他の生理学的に許容され得る物質(例えば限定されないが、食品)に配合してもよい。
本明細書に記載の化合物は、薬学的に許容され得る賦形剤、薬学的に許容され得る担体、および薬学的に許容され得るビヒクルなどの添加物と製剤化することにより、医薬組成物として製剤化され得る。好適な薬学的に許容され得る賦形剤、担体およびビヒクルとしては、加工処理剤ならびに薬物送達の改良剤および向上剤、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、単糖類、二糖類、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロース、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ポリビニルピロリジノン、低融点ワックス、イオン交換樹脂など、ならびにその任意の2種類以上の組合せが挙げられる。他の適当な薬学的に許容され得る賦形剤は、“Remington’s Pharmaceutical Sciences,”Mack Pub.Co.,New Jersey(1991)、ならびに“Remington:The Science and Practice of Pharmacy,”Lippincott Williams & Wilkins,Philadelphia,第20版(2003)および第21版(2005)(引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
本発明の化合物を含む医薬組成物は、意図される投与方法に適した任意の形態、例えば、液剤、懸濁剤または乳剤などであり得る。液状担体は、典型的には、液剤、懸濁剤および乳剤の調製において使用される。本発明の実施における使用に想定される液状担体としては、例えば、水、生理食塩水、薬学的に許容され得る有機溶媒(1種類または複数種)、薬学的に許容され得る油脂など、ならびにその2種類以上の混合物が挙げられる。液状担体に、他の適当な薬学的に許容され得る添加剤、例えば、可溶化剤、乳化剤、栄養分、緩衝剤、保存料、懸濁化剤、増粘剤、粘度調整剤、安定剤などを含めてもよい。好適な有機溶媒としては、例えば、一価アルコール(エタノールなど)、および多価アルコール(グリコールなど)が挙げられる。好適な油類としては、例えば、ゴマ油、ダイズ油、ココナッツ油、オリーブ油、ベニバナ油、綿実油などが挙げられる。また、非経口投与では、担体は、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルなどの油性エステルなどであり得る。また、本発明の組成物は、マイクロ粒子、マイクロカプセル、リポソーム封入体など、ならびにその任意の2種類以上の組合せの形態であってもよい。
時限的放出または制御放出送達系を使用してもよい(例えば、Lee,“Diffusion−Controlled Matrix Systems”,pp.155−198、ならびにRonおよびLanger,“Erodible Systems”,pp.199−224,“Treatise on Controlled Drug Delivery”,A.Kydonieus編,Marcel Dekker,Inc.,New York 1992に記載されているような拡散制御マトリックス系または腐食性の系など)。マトリックスは、例えばインサイチュおよびインビボで、例えば加水分解または酵素的切断(例えば、プロテアーゼによる)によって自発的に分解され得る生分解性物質であり得る。送達系は、例えば、天然に存在する、または合成であるポリマーまたはコポリマー(例えば、ヒドロゲルの形態のもの)であり得る。切断可能な結合を有する例示的なポリマーとしては、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリ無水物、多糖類、ポリ(ホスホエステル)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(イミドカーボネート)およびポリ(ホスファゼン)が挙げられる。
本発明の化合物は、経腸、経口、非経口、舌下、吸入(例えば、ミスト剤またはスプレー剤として)、経直腸または経表面で、所望により慣用的な無毒性の薬学的に許容され得る担体、佐剤およびビヒクルを含めた投薬単位製剤にて投与され得る。例えば、適当な投与様式としては、経口、皮下、経皮、経粘膜、イオン導入、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内(例えば、鼻粘膜から)、硬膜下、直腸、胃腸経由など、および特定の器官もしくは組織または罹患した器官もしくは組織に直接が挙げられる。中枢神経系への送達では、脊髄投与および硬膜外投与、または脳室への投与が使用され得る。また、経表面投与は、経皮パッチまたはイオン導入デバイスなどの経皮投与の使用を伴うものであってもよい。非経口という用語は、本明細書で用いる場合、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射、または注入手法を包含する。該化合物は、所望の投与経路に適切な薬学的に許容され得る担体、佐剤およびビヒクルと混合される。経口投与は好ましい投与経路であり、経口投与に適した製剤が好ましい製剤である。本明細書における使用のための記載の化合物は、固形形態、液状形態、エーロゾル形態、または錠剤、丸剤、粉末剤混合物、カプセル剤、顆粒剤、注射用剤、クリーム剤、液剤、坐剤、注腸剤、腸内洗浄剤、乳剤、分散剤、食品プレミックスの形態、および他の適当な形態で投与され得る。また、該化合物はリポソーム製剤にて投与してもよい。さらなる投与方法は当該技術分野で知られている。
注射用調製物、例えば、水性または油性の滅菌注射用懸濁剤は、既知技術に従って、適当な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて製剤化され得る。また、滅菌注射用調製物は、許容され得る無毒性の非経口用希釈剤または溶媒中に含めた滅菌された注射用の液剤または懸濁剤(例えば、プロピレングリコール中の液剤)であってもよい。中でも、使用され得る許容され得るビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液である。また、滅菌固定油は溶媒または懸濁媒体として慣用的に使用されている。この目的には、任意の無刺激性の固定油(例えば、合成モノ−またはジグリセリド)が使用され得る。また、オレイン酸などの脂肪酸も注射用剤の調製に使用される。
薬物の経直腸投与のための坐剤は、薬物を、適当な非刺激性賦形剤(室温で固体であるが、直腸温度では液体となり、したがって直腸内で融解して該薬物を放出するココアバターおよびポリエチレングリコールなど)と混合することにより調製され得る。
経口投与のための固形投薬形態としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられ得る。かかる固形投薬形態では、活性化合物は、少なくとも1種類の不活性な希釈剤(スクロース、ラクトース、またはデンプンなど)と混合される。また、かかる投薬形態に不活性な希釈剤以外のさらなる物質(例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤)を含めてもよい。また、カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投薬形態には緩衝剤が含まれ得る。さらに、錠剤および丸剤は、腸溶コーティングを伴って調製してもよい。
経口投与のための液状投薬形態としては、薬学的に許容され得る乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられ得、当該技術分野で一般的に使用されている不活性な希釈剤(水など)を含有している。また、かかる組成物に、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、シクロデキストリン、ならびに甘味剤、フレーバー剤および香料剤などの佐剤を含めてもよい。
また、本発明の化合物はリポソームの形態で投与してもよい。当該技術分野で知られているように、リポソームは、一般的に、リン脂質または他の脂質物質から誘導されたものである。リポソームは、水性の媒体中に分散された単一膜または多重膜の水和液晶で形成されている。リポソームを形成することができる無毒性の生理学的に許容され得る代謝可能な任意の脂質が使用され得る。リポソーム形態の本発明の組成物には、本発明の化合物に加えて、安定剤、保存料、賦形剤などが含まれ得る。好ましい脂質はリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)(ともに、天然および合成)である。リポソームの形成方法は当該技術分野で知られている。例えば、Prescott,Ed.,Methods in Cell Biology,第XIV巻,Academic Press,New York,N.W.,p.33以降(1976)を参照のこと。
投与のために、該製剤は単位投薬形態にて簡便に提示され得、製薬技術分野でよく知られた任意の方法によって調製され得る。かかる方法は、活性成分を1種類以上の補助成分を構成する担体と合わせる工程を含むものである。一般に、製剤は、活性成分を液状担体または微粉化した固形担体または両方と均一かつ充分に合わせ、次いで、必要であれば製品に成形することにより調製される。また、本発明は、脳虚血性状態の処置または抑制に有用な物質を含む製造物品およびキットを提供する。製造物品は、ラベル表示を有する容器を含むものである。好適な容器としては、例えば、ビン、バイアルおよび試験管が挙げられる。容器は、さまざまな材質(ガラスまたはプラスチックなど)で形成されたものであり得る。容器には、脳虚血性状態の処置または抑制に有効な活性薬剤を有する組成物が収容されている。組成物中の活性薬剤は1種類以上の本発明の化合物である。容器上のラベル表示には、該組成物が脳虚血性状態(例えば脳卒中)の処置または抑制に使用されることが示されており、また、インビボ使用またはインビトロ使用いずれかのための指示が示されていてもよい。
また、本発明は、任意の1種類以上の本発明の化合物を含むキットを提供する。一部の実施形態において、本発明のキットは上記の容器を含むものである。他の実施形態において、本発明のキットは、上記の容器と、バッファーを内包する第2の容器とを含むものである。さらに、商業的観点およびユーザーの観点から望ましい他の物質、例えば、他のバッファー、希釈剤、充填剤、針、シリンジおよび本明細書に記載の任意の方法を実施するための使用説明を伴う添付文書が含まれていてもよい。
他の態様において、キットは、本明細書に記載の任意の方法に、例えば、脳虚血性状態(脳卒中など)を有する個体を処置するため、または個体の脳虚血性状態(脳卒中など)を抑制するためなどに使用され得る。
摂取、消費あるいは投与される該組成物の量は、所望の最終濃度に依存する。典型的には、単独投与の本発明の組成物の量は約100mg〜約500mg/用量、または約200mg〜約1500mg/日であり得る。このような用量はいずれも、さらに細分して別々に投与してもよく、反復投薬量を任意の個体患者に与えてもよい。
上記の組成物および投与方法は、本発明の方法および組成物の限定ではなく説明を意図する。種々の組成物およびデバイスの作製方法は当業者の能力の範囲内であり、本明細書に詳細に記載していない。
組成物および神経損傷の低減方法の確認に有用なに種々のアッセイ、組成物および方法を本実施例に示す。以下の実施例は本発明を限定するためでなく、例示するために示している。
実施例
実施例1
組成物が虚血誘導性神経細胞の傷害および細胞死に反対作用する能力を調べるための細胞系アッセイ
脳は、血液供給を妨げるような(虚血の場合など)、または酸素供給を妨げるような(低酸素(酸素が少ない)もしくは無酸素(酸素ゼロ)の場合など)発作が起こると、急激な神経の不均衡が引き起こされ、細胞死に至る(Flynnら(1989)Ischemia and Hypoxia,pp.783−810,In:Basic Neurochemistry,Siegelら(編),Raven Press,New York)。脳虚血性発作は、頭蓋への血管または頭蓋内の血管を閉塞させることにより、動物においてモデル設計される(Molinari(1986)Experimental models of ischemic stroke,pp.57−73,In:Stroke:Pathophysiology,Diagnosis and Management,第1巻,Barnettら(編),Churchill Livingstone,N.Y.)。虚血のインビトロモデルには種々の酸素およびグルコース喪失手段が使用される(例えば、神経培養物を大型の無酸素性または低酸素性のチャンバ内に入れ、培養培地を、無酸素の規定されたイオン組成の培地と交換するなど)(Goldbergら,(1990)Stroke 21:75−77)。神経グルタミン酸受容体、特に、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体の毒性過剰刺激は、低酸素性虚血性の神経傷害(Choi(1988)Neuron 1:623−634)、反応性酸素種(ROS)の虚血性誘導(Watsonら,(1988)Ann.NY Acad.Sci.59:269−281)、過剰カルシウム流入(Grottaら,(1988)Stroke 19:447−454)、アラキドン酸の増大(Siesjo(1981)J.Cereb.Blood Flow Metab.1:155−185)、およびDNA損傷(MacManusら,(1993)Neurosci.Lett.164:89−92)に寄与し、神経変性カスケードを引き起こす。
種々の型の神経一次培養物の中でも、胚性海馬の神経一次培養物は、いくつかの理由で広く使用されている。海馬は、中枢神経系(CNS)の神経単位一般に典型的な充分に特性評価された性質を有する比較的均一な神経単位集団の供給源である。海馬内の主要細胞型である神経錐体細胞は、全神経単位集団の85%〜90%を占めていると推測されている(Bankerら,(1998)Culturing Nerve Cells,第2版,The MIT Press,Cambridge,Mass.)。また、海馬は、シナプス機能の活性依存性変化に対して注目すべき能力(長期増強など)を示す(Hawkinsら,(1993).Annu.Rev.Neurosci.16:625−665)。
海馬の培養物は、典型的には、18〜19日齢の胎仔ラットから調製される。この年齢では、一般的に、錐体状神経単位の発生(これは、約E15のラットにおいて始まる)が完了している。組織は容易に解離し、髄膜は容易に取り除かれるが、グリア細胞の数は依然として比較的適量である(Parkら,(2000)J Neurochem 74:114−124)。
一次細胞培養物
以下のプロトコルは、海馬の一次神経細胞を胚性ラット脳から単離し、本明細書に記載の細胞系アッセイにおける使用のために培養するために使用される手順を示す。
細胞の単離前に、1mm、0.4〜0.5mmおよび0.25mmの開口部を有するロングチップパスツールピペットを先端熱加工し、70%エタノールで清浄にし、シリコーン被覆し(Sigmacote,Sigma Chemicalカタログ番号SL−2)、オートクレーブ処理する。切開用の他の器具はすべて、切開前に少なくとも2時間、70%エタノール中に浸漬させる。また、細胞の単離前に、培養フラスコ(T75cm)およびプレートをポリ−D−リシン(Sigma Chemical,カタログ番号P−6407)でコートする。このコーティングのため、50μg/mlのポリ−D−リシンをフラスコまたはプレート(5mL/T75cmフラスコおよび50μL/ウェル(96ウェルプレート))に1時間添加する。次いで、フラスコまたはプレートを滅菌蒸留水で2回洗浄し、使用前に培養フード内で1時間風乾させる。HBSS(Ca-Mg無含有)を以下のようにして調製する:10.0mLの10×HBSS(ハンクスCMF−−Gibco #310−4180)、3.3mLの0.3M HEPES(pH7.3)、10mLの0.35%重炭酸ナトリウム、1.0mLのペニシリン/ストレプトマイシン(100×)および1.0mLの100mMピルベートを74.7mlのHOと混合し、100mLの液剤を作製する。
妊娠ラット(E18〜E19)をCOで安楽死させ、子宮を取り出す。胚を子宮嚢内から取り出し、断頭し、脳を取り出す。脳を小型のペトリ皿の中で冷(4℃)BSS(Ca/Mg無含有)中に浸漬させる。皿(100mm)をパラフィン被覆し、切開のためにより良好な表面を作製する。海馬を脳から解剖顕微鏡下で取り出し、パラフィン被覆皿上に置く。髄膜を剥がし、解離した海馬を小型のペトリ皿の中のHBSS(Ca/Mg無含有)中に収集する。
同腹子のうちの1匹の海馬を15mL容遠心チューブ内に入れ(一般的に、10〜12個の脳部分/同腹子)、チューブにHBSS(Ca/Mg無含有)を充填する。卓上型遠心分離機を用いて1000rpmで2分間の遠心分離後、上清みを除去する。2mlのHBSS(Ca/Mg無含有)を各チューブに添加し、3種類の異なる開口サイズを有するロングチップ型シリコーン被覆ピペットを用いて2回、組織をすり潰す(合計6〜7回)。このすり潰しは、普通の開口サイズを有するピペットから始め、次いで、さらに小径のもの(半分のサイズ)、次いで、最も小さい孔のもので行なう。1000rpmで2分間の遠心分離後、上清みを廃棄し、2mlのNeurobasal/B27i(抗生物質含有)を各チューブに添加する。Neurobasal/B27i培地は、Neurobasal培地(Life Technologies Cat No.21103−049)を、1×B27補給物(Life Technologiesカタログ番号17504−044)、0.5μM L−グルタミン、25μM L−グルタミン酸および1×ペニシリン/ストレプトマイシンとともに含むものである。3種類の異なる開口サイズを有するシリコーン被覆ロングチップピペットを使用し、細胞を1回すり潰す。このすり潰しは、普通の開口サイズを有するピペットから始め、次いで、さらに小径のもの(半分のサイズ)、最後に最も小さい孔のもので行なう。細胞密度を、血球計においてトリパンブルー排除法を用いて調べる。0.4%のトリパンブルーを含む0.9%NaClのストック液剤を1回1回、2〜3滴の細胞懸濁剤と混合し、4分間放置した後、色素排除細胞画分を計数する。典型的な収量は3×10〜6×10細胞/脳である。
所望の数の生存細胞を、ポリ−D−リシンコートした12ウェルプレート、フラスコまたはMetTek培養皿の中のNeurobasal/B27i中に添加し、5%COを含む空気雰囲気中、37℃でインキュベートする。細胞は、一般的に、1.5×10細胞/T75cmフラスコの密度、およびおよそ100,000細胞/ウェル(12ウェルプレート)の密度で播種する。各T75cmフラスコには15mLの培地を入れ、12ウェルプレートの各ウェルには1mLの培地を入れた。
培養状態で3〜4日間の後、培地の半分を各ウェルまたはフラスコから除去し、等量の新鮮なNeurobasal/B27m培地(1×B27補給物,0.5μM L−グルタミンを含むNeurobasal培地)に5μMのシトシンアラビノシド(AraC)を含めたものを加える。培養開始から7〜8日目、培地の半分を各ウェルまたはフラスコから除去し、等量の新鮮なNeurobasal/B27m培地(Ara−Cなし)を加える。
細胞傷害アッセイ
以下のアッセイでは、海馬の培養神経細胞において無酸素−再酸素供給によって虚血を誘導し、試験薬剤を、虚血誘導性の神経細胞の傷害および細胞死に対する効力および/または有効性について評価する。アッセイプロトコルを以下に模式的に示す。
海馬の一次神経細胞を、上記のようにして調製し、ポリ−D−リシンコート12ウェルプレートにプレーティングする。細胞を、上記のようにして10〜11日間培養する。
T150cmフラスコ内の100mLのLoG−Neurobasal培地を低酸素チャンバ内で一晩、事前に平衡化し、T75cmフラスコ内の20mLのLoG−Neurobasal培地を標準的なインキュベータ内(5%CO)で一晩、事前に平衡化する。LoG−Neurobasal培地は、NoG−Neurobasal培地(グルコースなし)(Life Technologies,特注)+0.5mMグルコース、0.5mM L−グルタミンおよび0.25×ペニシリン/ストレプトマイシンを含むものである。T150cm内の100mLのNeurobasal/B27AO培地を標準的なインキュベータ内(5%CO)で一晩、事前に平衡化する。Neurobasal/B27AO培地は、Neurobasal培地(Life Technologies,カタログ番号21103−049)を、2×B27のAO補給物(Life Technologies,カタログ番号10889−038)なし、0.5mM L−グルタミンおよび0.25×ペニシリン/ストレプトマイシンとともに含むものである。
T150cmフラスコ内の平衡化した100mlのLoG−Neurobasalを低酸素チャンバから取り出し、該培地中で100%Nを30分間軽く起泡させ、完全に酸素を除去する。存在している培養培地(Neurobasal/B27m)を、各12ウェルプレート内の培養細胞から、滅菌ガラス製パスツールピペットが取り付けられた真空ポンプを用いて吸引する。細胞を2mLのグルコース無含有−BSS(pH7.4)で1回洗浄する。グルコース無含有−BSS(pH7.4)は、143.6mMのNaCl、5.4mMのKCl、1.8mMのCaCl、0.8mMのMgSO、1mMのNaHPO、26.2mMのNaHCO、10mg/Lのフェノールレッドおよび0.25×ペニシリン/ストレプトマイシンを含むものである。
培養神経単位(培養開始から10〜11日目)に、脱酸素LoG−Neurobasal(12ウェルプレートの各ウェルに対して1mLの/ウェル)を補給する。試験薬剤を各ウェルに直接添加する(通常、3種類の濃度の化合物+陽性対照,各々、三連)。一般的には、試験薬剤を100%DMSOに溶解させる。細胞に対するDMSOの効果を少なくするため、高濃度の化合物を少量で添加する(典型的には、200倍濃度)。培養液中のDMSOの濃度は0.5%を超えない。
プレートを、蓋を開けた状態で無酸素チャンバ内に5時間入れる。酸素正常状態対照では、事前に平衡化した酸素正常状態のLoG−Neurobasal培地を各ウェルに添加し、プレートを、今度は標準的なインキュベータ(5%CO)内に5時間入れる。5時間の低酸素後、培養培地を注意深く吸引し、2mLの新たな酸素供給(事前に平衡化した)Neurobasal/B27AOを各ウェルに添加する。再酸素供給培地は、培地を培養インキュベータ内に一晩入れることにより得られる。同じ濃度の同じ試験薬剤をまた、対応するウェルに添加する。プレートを細胞培養インキュベータ内に入れ、20〜24時間再酸素供給する。20〜24時間の再酸素供給後、セルトラッカーグリーン蛍光法を用いて以下のようにして生存神経単位の数を計数する。培養培地を12ウェルプレートの各ウェルから吸引し、神経単位を2mLのHBSS(30〜37℃まで昇温させたもの);25mM HEPES,100mM NaCl,5mM KCl,1.2mM MgCl,1.3mM CaCl,1.0mM KHPO(pH7.4),濾過滅菌済)で1回洗浄する。HBSSに溶解させた1mLの5μMのCell Tracker
Green蛍光色素(Molecular Probes,カタログ番号2925)を細胞に添加し、プレートを室温の暗所内に15分間置く。神経単位を2mLのHBSSで1回洗浄後、1mLのHBSSを各ウェルに添加し、蛍光顕微鏡を用いて蛍光細胞を計数する。
実施例2
動物の脳梗塞アッセイ
このアッセイを使用し、ラットにおいて誘導した脳虚血後の壊死に対する脳の保護における試験薬剤の有効性を評価した。中脳動脈閉塞(MCAO)は、動物モデルにおいて一過性で限局性の脳虚血を誘発させるために広く使用されている手法である。MCAOのラットモデルは、ヒトの虚血性損傷の適切な擬態であることが示されている。さらに、このモデルは、ヒト脳卒中で最も障害される血管である中脳動脈(MCA)の関与を忠実に表し、また、ヒトにおいて行なわれるような再灌流も可能である。
中脳動脈閉塞(MCAO)
雄Sprague−Dawleyラット(Hadan,Ind.)(体重225〜250g)に、標準的な実験室条件下で水と市販の齧歯類用飼料を自由に摂取させた。室温を20〜23℃に維持し、室内の照明を12/12時間の明/暗サイクルにした。試験前の5〜7日間、ラットをこの実験室環境に馴化させた。
外科処置前、動物を絶食させず、水は自由に摂取させた。外科処置の4時間前に動物に対象化合物を経口強制供給によって投与した。該化合物は、ゴマ油中に500mg/kgで5ml/kgの最終用量に希釈した。対照動物にはゴマ油を与えた;化合物投与の4時間後、ラットを0.8%の酸素中で3.0%チオブタバルビタール(Inactin;100mg/kg)で麻酔し、定位装置内に置いた。側頭鱗(squamosal)骨を除き、中脳動脈(MCA)を露出させた。血管に沿って神経解剖学的に指定される3つの位置に縫合糸を配置した。縫合糸を所定の位置に置いたら、タイマーを「0」にリセットした。縫合糸を引き抜くことにより再灌流を開始した(タイマーを再度リセットし、ここから「再灌流」と称する期間を始めた)。再灌流をさらに5.5時間持続させ、この時点で動物を枠から外し、動物にリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)を灌流することにより脳を取り出した。脳を脳マトリックス中に入れ、冠部の(coronal)1mm厚の薄片を切り出し、室温で10分間、TTC中に入れた。この薄片を、10%ホルマリンを入れたバイアルに移した。翌日、薄片をフラットベッドスキャナにてスキャンし、試験に盲検的であるデータ解析者に送り、デジタル画像の梗塞体積をNIH Image Jソフトウェアを用いて定量した。
薬物投与:強制供給
標準的なラット用強制供給チューブ(Popper & Sons Inc,NY)を3cc容皮下注射シリンジに取り付けた。動物を肩で垂直位に保持した。栄養管を口内に入れ、次いで、胃に達するまで押し進めた(入れる前に、チューブの概算挿入長を測定した)。シリンジの内容物をゆっくり送達し、次いで、チューブを引き抜いた(is withdrawn)。トコトリエノールキノンはゴマ油に溶解させ、梗塞の4時間前に送達した。
再灌流時でのα−トコトリエノールキノン組成物の投与により、対照のものと比べて全梗塞体積、全虚血性損傷および脳浮腫の40%の低減がもたらされた。図1は、再灌流時にビヒクル(図1(a))またはα−トコトリエノールキノン(図1(b))を投与したラットの脳薄片の画像を示す。図1(c)は、再灌流時におけるビヒクルとα−トコトリエノールキノン(対比)の投与での全梗塞の体積測定比較を示す。
実施例3:
ヒト被験体での治験
この治験は、急性虚血性脳卒中を示す患者における本明細書に記載の治療薬の無作為二重盲検プラセボ対照比較有効性試験として設計され得る。患者は、各試験に対して決定され得る一組の適格基準に基づいて治験に選択する。例えば、該基準としては、年齢(例えば、18〜85歳)、局所神経障害が少なくとも60分間持続すること、急性虚血性脳卒中の臨床診断に適合するCT(またはMRI)、およびNIH脳卒中スケールが少なくとも8であることが挙げられ得る。除外基準としては、例えば、重度の全身性合併疾患、参加の妨げとなり得る疾病状態が既に存在していること、および外科処置が24時間以内に必要とされていることが挙げられ得る。試験のプロトコルは、治験が行なわれる施設の施設内審査委員会によって承認されたものでなければならない。すべての患者またはその法的代理人は、インフォームドコンセントに署名しなければならない。
この試験の主目的は、急性虚血性脳卒中の患者において、6週間の処置期間および6週間の追跡期間に経口投与した治療薬の回復に対する効果を調べることである。回復を評価するために以下のパラメータが測定され得る。脳卒中病変部体積は、慣用的なT2荷重MRIを用いて、治験の全患者について評価され得る。また、拡散強調画像法(DWI)は、ベースラインの病変部体積と12週目の体積の変化を比較するために行なわれ得る。
この試験に適格であるためには、患者は、臨床検査で、中脳動脈領域に起因しているといえる急性虚血性脳卒中と整合する症状が24時間以内に提示されなければならない。さらに、患者はNIHSSにおいて少なくとも8得点を有しており、この得点のうち少なくとも2得点は運動部のものでなければならない。
ベースラインCTまたは慣用的なMRIスキャンを行ない、虚血性脳卒中の診断と整合していることを確認する。
組み入れ基準と除外基準に従って資格を得、インフォームドコンセントを得たすべての患者を、無作為に一人ずつ交互にプラセボまたは併用療法剤のいずれかでの6週間の処置に割り当てる。併用療法剤およびプラセボはどちらも、1日1回または2回のいずれかで経口投与され得る。他の投与経路および他の投与スケジュールを使用してもよいことに注意されたい。患者が嚥下不可能な場合は、薬物送達のために胃管を配置する。
患者を治験担当者がベースライン時、1週目、退院時、3週目、6週目、および12週目に調べ、このとき、副作用プロフィールおよび薬物の有効性を測定する。
治療の有効性は、いくつかの様式で測定され得る。主要転帰の尺度は、例えば、プラセボ群と治療群での、12週目においてNIHSSトータルスコアで少なくとも7得点のベースラインからの改善を有する患者の割合の比較であり得る。さらなる尺度としては、例えば、12週目においてClinician’s Global Impressions(CGI)スケール(Guy W.,Early clinical drug evaluation unit(ECDEU) assessment manual for psychopharmacology,1976,217−222参照)で1得点または2得点の改善がみられる患者のパーセント、CGI重症度スケールで少なくとも2得点の改善を有する患者のパーセント、および死亡率の評価が挙げられ得る。先に記載のように、DWIは、ベースライン時と12週目での病変部体積の変化を評価するために使用され得る。
実施例4
PET手順
62Cuは62Zn/62Cu陽電子発生装置から溶出され、62Cu−ATSMは、発生装置の溶出物(62Cu−グリシン)と、既報の方法(Fujibayashiら,(1997)Copper−62 ATSM:a new hypoxia imaging agent with high membrane permeability
low redox potential.J.Nucl.Med.38,1155−1160)によって合成したATSMを単純に混合することにより得られる。前肘静脈から、およそ555MBqで、10秒×12、60秒×8および10分×1の持続時間枠で62Cu−ATSMのボーラス注射をしながら20分間の動的PETスキャンを行なう。初期および遅延画像は、最初の3分間のPETデータおよび最後の動的データフレームを用いて計算する。初期相での62Cu−ATSMの蓄積は冠動脈の血流を反映している(Fujibayashiら,(1997),J.Nucl.Med.(1997)38(7)1155−1160);Lewisら,(2001)J.Nucl.Med.42,655−661;Obataら,(2001)Ann.Nucl.Med.15,499−504;およびDearlingら,(2002)J.Biol.Inorg.Chem 7,249−259)。18FDG−PETでは、およそ150MBqまたはトレーサを、62Cu−ATSM注射の約1時間後に投与する。トレーサ注射の50分後、10分間のPET取得を開始する。
次いで、再構築画像をデータ解析のために、注射用量と被験体の体重(=標準化取込み値:SUV)によって補正した半定量的画像に変換させる。直径1cmの多数の対象円形領域を各病変部と小脳に配置し、次いで、平均SUV値を計算する。SUV比は、小脳のSUVに対する各病変部のSUVの比率から誘導される。
前述の本発明を、明瞭な理解の目的で実例ならびに一例としてある程度詳細に記載したが、当業者には、一定の軽微な変更および修正が行なわれるであろうことは自明である。したがって、本記載および実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。

Claims (1)

  1. 明細書に記載された発明。
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