JP2012531411A - トコトリエノールまたはトコトリエノール濃縮抽出物を用いた広汎性発達障害の処置 - Google Patents

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Abstract

自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)などの広汎性発達障害(PDD)を処置または抑制する方法であって、上記方法を必要としている被験体に、治療有効量のトコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物、またはこれらの混合物を投与することを含む、方法。広汎性発達障害に罹患しているヒト患者に、患者の通常の食事を制限せずに投与すると、本発明の組成物は、広汎性発達障害の症状、特に自閉症の症状の1つまたは複数を軽減したり、または改善したりすることができる。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2009年6月25日に出願された米国仮特許出願番号61/269,627の優先権の利益を主張する。上記米国仮特許出願の内容は、本明細書によって、その全容が本明細書に参考として援用される。
発明の分野
本出願は、トコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物、またはこれらの混合物を用いて自閉症スペクトラム障害(Autistic Spectrum Disorder)などの広汎性発達障害の疾患、発達遅延、および症状を処置、予防または抑制する有用な方法を開示する。
広汎性発達障害(PDD:Pervasive Developmental Disorder)は、社会的相互作用およびコミュニケーション能力などいくつかの発達領域における重度の広汎性機能障害を特徴とする神経障害の一分類である。PDDの5つの下位障害として、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD:Childhood Disintegrative Disorder)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)がある。これらの障害それぞれの具体的な診断基準は、米国精神医学界(APA:American Psychiatric Association)から刊行されたDiagnostic & Statistical Manual of Mental Disorders(DSM−IV−TR)で確認することができる。自閉症スペクトラム障害(ASD)は、自閉症、アスペルガー障害およびPDD−NOSをひとまとめにして、多様な障害を表すために使用する包括的な用語である。
自閉症は、最も多く見られる広汎性発達障害であり、出生児約150人に1人の割合で罹患すると推定される。ASDの有病率は、自閉症および発達障害モニタリングネットワークサーベイランス(Autism and Developmental Disabilities Monitoring Network Surveillance)(Year 2002)に基づけば1000人当たり6.5〜6.6であると推計される。実際、2003年〜2004年時点で、1.5百万人もの米国人が、何らかの形で自閉症を患っていると考えられる。自閉症は、社会的相互作用およびコミュニケーションの欠如と、反復的および常同的行動とを特徴とする小児期エンセファロパシーである。米国教育省(Department of Education)および他の政府機関の統計によれば、自閉症は、毎年10〜17パーセントの割合で増加している。この割合で行くと、アメリカ自閉症協会(ASA:Autism Society of America)は、米国では次の10年で自閉症の有病率が4百万人に容易に達し得ると推計している。
PDDの他の4つの形態のうち、アスペルガー症候群は、徴候および可能性の高い原因が自閉症に最も近く;レット障害および小児期崩壊性障害は、自閉症と同じ徴候をいくつか持っているものの、原因が無関係である場合があり;特定不能のPDD(PDD−NOS)は、より具体的な障害の基準に適合しない場合に診察される(非特許文献1)。
自閉症は特に、社会的相互作用およびコミュニケーション能力の領域における脳の正常な発達を阻害し、極端な興味の偏りおよび反復行動を引き起こす複雑で重篤な発育障害である。典型的には、自閉症の小児および成人は、言語および非言語コミュニケーション、社会的相互作用、ならびに余暇または遊びの活動が困難である。自閉症は、理解不足による言語障害、反響言語、代名詞の逆転(自分自身についていうとき、「私(I)」または「私(me)」の代わりに「あなた(you)」を使うなど)、儀式的行動および強迫現象、ならびに精神遅滞を伴う不均衡な知能の発達を含み得る。自閉症の小児はまた、特に十代において発作性疾患を発症するリスクも高い。自閉症は典型的には、生後3年間に出現するもので、脳の機能に影響する神経障害による。
自閉症の総発生率は、ほとんどの場合、世界的に一致している。実際、自閉症は、人種、民族または社会に関係がなく、家計所得、生活習慣、および教育レベルも自閉症の発生に影響を与えない。しかしながら、女児より男児で4倍多く見られることが明らかになっている。一方、レット障害は、男児より女児で多く見られる。
1943年にDr.Leo Kannerにより最初に記載されて以来、自閉症の理解は非常に進んだ。自閉症は、ある種の行動により定義されるけれども、その症状および特徴が、軽度から重度に至るまで様々に組み合わされて存在することがあるという点で、スペクトラム障害である。このため、自閉症の小児および成人は、任意の程度の重症度でどのような行動の組み合わせも示し得る。共に同じ診断を受けた2人が、異なる能力を持ち、非常に異なった行動を示すことがある。軽度に罹患しただけの人が、言語またはコミュニケーションにやや遅れを示すこともあり、社会的相互作用のより大きな課題に直面することもある。たとえば、会話を開始し、および/または維持することが困難な場合がある。自閉症の小児または成人によるコミュニケーションは、多くの場合、他人に執拗に話しかけるものとして表れる(たとえば、他人が言葉を挟もうとしても、好きな対象に1人で話し続ける)。
自閉症に罹患した人は、自閉症が原因で独特の様式で情報を処理し、それに反応するように見える。自閉症などPDDの一部の人では、攻撃および/または自傷行動が現れることがある。自閉症の人には、ASAにより示されたような以下の特色が現れることもある:同一性保持現象、または変化に対する抵抗;要求を表現するのが苦手;(すなわち言葉の代わりに身振りまたは指さしを使う);通常の応答言語の代わりに単語または語句を繰り返す;他人には明らかでない理由で笑う、泣く、または苦痛を示す;1人でいること、または孤立している状態を好む;癇癪;他人との交流が苦手;抱擁したり、またはされたりすることを望まないことがある;視線をほとんど、あるいはまったく合わせない;通常の指導法に無反応;妙な遊びを続ける;物を回転させる;物への異常な愛着;痛みに対して明らかに過敏または鈍感;危険に対する現実的な恐怖の欠如;著しい身体的な過活性または極端な活動の低下;全体的/微細な運動能力の不均衡;および/または言語的手がかりへの無反応(すなわち聴覚検査では通常の範囲であるが、難聴者のように行動する)。
自閉症の人々の社会的機能障害は、小児期の初期に現れ、成人期まで続く。自閉症の乳児は、社会的刺激への注意力の低さを示し、他人に微笑んだり他人を見たりする頻度が低く、自分自身の名前にあまり反応しない。自閉症の幼児は、社会的逸脱がより著しい;たとえば、自閉症の幼児は、視線を合わせず、予測的姿勢をとらないうえ、別の人の手を使ってコミュニケートする傾向がより強い(非特許文献2)。3〜5歳の自閉症の小児は、社会的理解を示したり、自発的に他人に近づいたり、感情を模倣して感情に反応したり、非言語的にコミュニケートしたり、さらに他人と交代で行ったりする傾向がより低い。一方で、3〜5歳の自閉症の小児は、彼らの主な介護者には愛着を抱く。(非特許文献3)。3〜5歳の自閉症の小児は、極端ではないが通常より愛着の安定性が低いものの、この特徴は、精神の発達がより高いか、または自閉症スペクトル障害の重症度が低い小児では消失する。より年齢の高いASDの小児および成人は、表情および情動認知検査の成績が悪い(非特許文献3,上掲を参照)。一般的な認識とは異なり、自閉症の小児は、1人でいることを好まない。自閉症の人には、多くの場合、友人関係を築き維持することが困難であることが明らかになっている。自閉症の人の場合、友人の数ではなく、友人関係の質から、どの程度孤独であるかが予測される。
自閉症の人々と異なり、アスペルガー症候群の人々は、通常周囲から引きこもることなく;たとえば退屈である、または急いでいるといった様子など聞き手の感情または反応に気付かないまま、好きな話題について一方的にだらだらと長い話しをして、不適切ではあったとしても、他人と親しくなろうとする。
自閉症の人の約3分の1から半分は、日常のコミュニケーションの必要性を満たすに足る自然な言語能力が発達しない;(非特許文献4)。コミュニケーションの差は、生後1年目から現れることがあり、喃語の開始の遅れ、異常な身振り、反応の低下、および介護者と音声パターンが一致しないなどを挙げることができる。生後2年および3年の自閉症の小児は、喃語、子音、単語、および単語の組み合わせの頻度および多様性が低く;その身振りが単語と一体化する頻度が低い。自閉症の小児は、要求したり、または経験を共有したりする傾向が低く、他人の単語を単純に繰り返したり、または代名詞を逆転させたりする傾向が高い。
自閉症の人の場合、感覚統合が共通の問題である。特に、自閉症の人の感覚が、過敏あるいは鈍感のどちらかであることがある。実際にキウイの毛を痛いと感じることがあり;甘い果物のような香りが、咽頭反射を引き起こす場合がある。一部の自閉症の小児または成人は特に音に敏感であるため、極めて日常的な雑音にさえ苦痛を感じる。
自閉症に公知の単一の原因はないが、自閉症は脳の構造または機能の異常によって引き起こされることが一般に認められている。自閉症の小児と非自閉症の小児との脳の形状および構造は、脳のスキャン写真を見ると相違を示す。現在、遺伝、遺伝学と医学的問題との関係のほか、いくつかの他の理論が研究者により検討されている。障害の遺伝的根拠の理論は、多くの家族で自閉症または関連する障害に、あるパターンが存在するようであるという事実により支持されている。自閉症を引き起こす遺伝子は1つも同定されていないけれども、研究者は、自閉症の小児が受け継いだ可能性のある遺伝コードの変則的なセグメントを探し求めている。研究者は、自閉症を発症させる単一のトリガーをまだ同定されていないが、一部の小児は、生まれつき自閉症に罹りやすいとも思われる。
他の研究者は、一定の条件下、一群の不安定な遺伝子が脳の発達を阻害し、自閉症に至ることがある可能性を調査している。なお他の研究者は、妊娠または分娩中の問題のほか、ウイルス感染、代謝の不均衡、および環境化学物質の曝露などの環境要因を調査している。なお他の研究者は、自閉症と化学毒性、特に水銀を含むワクチン防腐剤チメロサールとの関係を調査している。
自閉症の一部の症例は、一部の患者で高いラクテートレベルが検出されたこと(非特許文献5;非特許文献6;および非特許文献7)と、脳代謝の異常を実証した核磁気共鳴イマジニング、および陽電子放射断層撮影スキャニングと、から示唆される生体エネルギー代謝の欠乏など、いくつかの異なる器官の状態に関連している。高乳酸血症のメカニズムは依然として不明であるが、想定される可能性として、神経細胞のミトコンドリアの酸化的リン酸化の機能不全がある。文献には、呼吸鎖複合体IまたはIIIの欠損と診断された自閉症患者の小さなサブセットが報告されている(非特許文献8;および非特許文献9)。しかしながら、ミトコンドリアの機能不全を示すいくつかの証拠がある自閉症の多くの症例では、筋生検におけるミトコンドリア病変などのミトコンドリア疾患と関連した古典的な特徴が存在しない(Rossignol,D.A.et al.,Am J.Biochem.& Biotech,4(2)208−217を参照されたい)。
処置の主な目標は、関連する弱点および家族の苦痛を軽減し、生活の質および機能的自立を改善することである。単一処置でない処置が最良であり、処置は通常、小児の必要に応じて調整される。集中的かつ持続的な専門の教育プログラム、および幼児期の行動療法は、小児がセルフケア能力、社会的能力、および職業技能を獲得し(Myers SM,et al.「Management of children with autism spectrum disorders」 Pediatrics(2007)120(5):1162−82)、およびAngley M,et al.「Children and autism−part 1−recognition and pharmacological management」Aust Fam.Physician(2007)36(9):741−4)、多くの場合、機能を改善し、症状の重症度および不適応な行動を低下させる;(Rogers SJ,et al.,.「Evidence−based comprehensive treatments for early autism」J Clin.Child Adolesc.Psychol.(2008)37(1):8−38)のにするのに役立つ。
薬物療法は、ASDの弱点を矯正することが明らかになっておらず、第1選択療法ではない。薬物療法は、自閉症障害に関連する問題、たとえば、教育的前進、社会化、健康または安全性、および生活の質を阻害する、関連する不適応な行動または精神疾患の併発を処置するために使用される。自閉症と診断された半数を超える米国の小児は、向精神薬または抗痙攣薬を処方され、最も一般的な薬剤クラスは、抗鬱薬、刺激剤、および抗精神病剤である。(Oswald DP,et al.「Medication use among children with autism spectrum disorders」.J Child Adolesc Psychopharmacol(2007)17(3):348−55)。抗精神病剤のほかに、ASDの小児、青年または成人の薬剤処置の有効性または安全性に関する信頼できる研究は少ない。ASDの人は、薬物療法に非定型的な反応を示すことがあり、薬物療法は、有害作用を持つ恐れがあり、社会的およびコミュニケーション機能障害といった自閉症の主要症状を軽減する薬物療法は知られていない。自閉症の小児の代替の栄養療法として、その優れた酸化防止特性のためイデベノンおよびCoQ10を挙げることができるが、その有効性を証明する研究は行われていない。
特許文献1には、ピリミジンヌクレオチド前駆体で認知機能、運動機能、言語機能、実行機能または社会的能力の発達遅延を処置するための化合物、組成物および方法が開示されているが、そこには本発明の化合物で処置するための化合物、組成物または方法はまったく開示されていない。
Krajcovicova−Kudlackova et al,Bratisl Lek Listy,(2009),110(4):247−250には、自閉症の被験体においてビタミンEおよびAならびにリコペンなど外因性の酸化防止剤の血漿中濃度が、不足していることが明らかにされている。
「Treatment of Pervasive Development Disorders with Redox−active Therapeutics」を発明の名称とする共有の米国特許仮出願第61/191,696号、国際出願PCT/US2009/056254号、および米国特許出願第12/555,700号には、広汎性発達障害(pervasive development disorder)を処置または抑制するある種のレドックス活性化合物の使用が開示されている。
米国特許出願公開第2005/0203066号明細書
Lord C,et al.「Autism spectrum disorders」 Neuron(2000)28(2):355−63 Volkmar F,et al 「Autism in infancy and early childhood」Annu Rev Psychol(2005)56:315−36 Sigman M,et al.「Early detection of core deficits in autism」 Ment Retard Dev Disabil Res Rev.(2004)10(4):221−33 Noens I,et al,「The ComFor:an instrument for the indication of augmentative communication in people with autism and intellectual disability」.J Intellect Disabil Res(2006)50(9):621−32 Coleman M.et al,Autism and Lactic Acidosis,J.Autism Dev Disord.,(1985)15:1−8 Laszlo et al,Serum serotonin,lactate and pyruvate levels in infantile autistic children,Clin.Chim.Acta(1994)229:205−207 Chugani et al.,Evidence of altered energy metabolism in autistic children,Progr.Neuropsychopharmacol Biol Psychiat.,(1999)23:635−641 Oliveira,G.,Developmental Medicine & Child Neurology(2005)47 185−189 Filipek,PA et al.,Journal of Autism and Developmental Disorders(2004)34:615−623
以上のように、小児に安全であり、容易に投与できる治療剤で、広汎性発達障害の症状、特に自閉症の症状を示す患者を処置する方法の改良に対する要望は満たされていない。
本発明は、ヒト患者の広汎性発達障害の症状、特に自閉症の症状を軽減する、回復させる、あるいは処置することができる方法を提供する。簡単に説明すると、本方法および組成物は、生理的有効量または治療有効量のトコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物もしくは組成物、またはこれらの混合物を、広汎性発達障害の症状、特に自閉症の症状の少なくとも1つ、好ましくは広汎性発達障害、特に自閉症の症状の全部を軽減する、回復させる、または処置するのに十分な量で投与することを含む。広汎性発達障害に罹患している、特に自閉症に罹患しているヒト患者に、患者の通常の食事を制限せずに投与すると、本組成物および方法は、視線を合わせるようになる、代名詞の理解および使用の改善、疲労の改善、旋律および歌詞と共に歌を歌い、歌全体を理解できる、年齢相応の仲間と遊ぶ、癇癪の減少、睡眠パターンの改善、礼儀および協調性の向上、愛着の向上、他人の感情の理解、ならびに音声と言葉との関連性の増加など、広汎性発達障害の症状、特に自閉症の症状の1つまたは複数を軽減したり、または改善したりすることができる。いくつかの実施形態では、本組成物は、α−トコトリエノール、またはそのエステルもしくはエーテル、または混合物を含み、特に本製剤は、α−トコトリエノールを含む。他の実施形態では、本組成物は、トコトリエノール濃縮抽出物を含む。
別の態様では、本発明は、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、またはこれらの混合物からなる群より選択される治療有効量の1つまたは複数の作用物質を含む(comprises)、治療有効量または生理的有効量の製剤を投与することにより、その処置を必要とする患者において、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)などの広汎性発達障害(PDD)に関連する症状を軽減する、回復させる、または処置するか、あるいは、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)などの広汎性発達障害(PDD)を処置または抑制する方法を包含する。
いくつかの実施形態では、トコトリエノールは、本質的に純粋なα−トコトリエノールである。他の実施形態では、トコトリエノールは、任意にβ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールおよびγ−トコトリエノールなどをさらに含むトコトリエノールのα−トコトリエノール濃縮組成物であるが、トコフェロールが40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満または2%未満であるか、またはトコフェロールを検出できない。いくつかの実施形態では、トコトリエノールは、トコフェロールを本質的に含まないα−トコトリエノールである。本発明の精神では、「トコフェロールを本質的に含まない」とは、トコトリエノール/トコフェロールの総重量のうちトコフェロールが20%未満、15%未満、10%未満、5%未満または2%未満であることを意味する。他の実施形態では、トコトリエノールは、任意にβ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールおよびγ−トコトリエノールをさらに含むトコトリエノールのα−トコトリエノール濃縮組成物であるが、α−トコフェロールが40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満または2%未満であるか、またはα−トコフェロールを検出できない。いくつかの実施形態では、トコトリエノールは、α−トコフェロールを本質的に含まないα−トコトリエノールである。本発明の精神では、「α−トコフェロールを本質的に含まない」とは、トコトリエノール/トコフェロールの総重量のうちα−トコフェロールが20%未満、15%未満、10%未満、5%未満または2%未満であることを意味する。
別の態様では、本発明は、α−トコトリエノールエステル、β−トコトリエノールエステル、γ−トコトリエノールエステル、δ−トコトリエノールエステル、およびこれらの混合物からなる群より選択される治療有効量または生理的有効量の1つまたは複数の作用物質を投与することにより、その処置を必要とする患者において、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)などの広汎性発達障害(PDD)に関連する症状を軽減する、回復させる、または処置するか、あるいは、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)などの広汎性発達障害(PDD)を処置または抑制する方法を包含する。
別の態様では、本発明は、α−トコトリエノールエーテル、β−トコトリエノールエーテル、γ−トコトリエノールエーテル、δ−トコトリエノールエーテル、およびこれらの混合物からなる群より選択される治療有効量または生理的有効量の1つまたは複数の作用物質を投与することにより、その処置を必要とする患者において、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)などの広汎性発達障害(PDD)に関連する症状を軽減する、回復させる、または処置するか、あるいは、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)などの広汎性発達障害(PDD)を処置または抑制する方法を包含する。いくつかの実施形態では、トコトリエノールエーテルは、ポリエトキシル化トコトリエノールである。いくつかの実施形態では、トコトリエノールエーテルは、ポリエトキシル化α−トコトリエノールエーテル、ポリエトキシル化β−トコトリエノールエーテル、ポリエトキシル化γ−トコトリエノールエーテル、ポリエトキシル化δ−トコトリエノールエーテル、およびこれらの混合物である。
いくつかの実施形態では、トコトリエノールエステルは、酢酸エステル、ニコチン酸エステル、リン酸エステル、グルタミン酸エステル、リノール酸エステル、パルミチン酸エステル、アスパラギン酸エステル、およびコハク酸エステルからなる群より選択される。他の実施形態では、トコトリエノールは、ポリエトキシル化トコトリエノールである。他の実施形態では、トコトリエノールは、トコトリエノールポリエチレングリコールのコハク酸誘導体である。前述の実施形態のいずれかを含む他の実施形態では、トコトリエノールエステルはα−トコトリエノールエステルである。
他の実施形態では、トコトリエノールエステルは、コハク酸α−トコトリエノール、コハク酸β−トコトリエノール、コハク酸γ−トコトリエノール、コハク酸δ−トコトリエノール;酢酸α−トコトリエノール、酢酸β−トコトリエノール、酢酸γ−トコトリエノール、酢酸δ−トコトリエノール;ニコチン酸α−トコトリエノール、ニコチン酸β−トコトリエノール、ニコチン酸γ−トコトリエノール、ニコチン酸δ−トコトリエノール;リン酸α−トコトリエノール、リン酸β−トコトリエノール、リン酸γ−トコトリエノール、リン酸δ−トコトリエノール、グルタミン酸α−トコトリエノール、グルタミン酸β−トコトリエノール、グルタミン酸γ−トコトリエノール、グルタミン酸δ−トコトリエノール、リノール酸α−トコトリエノール、リノール酸β−トコトリエノール、リノール酸γ−トコトリエノール、リノール酸δ−トコトリエノール、パルミチン酸α−トコトリエノール、パルミチン酸β−トコトリエノール、パルミチン酸γ−トコトリエノール、パルミチン酸δ−トコトリエノール、アスパラギン酸α−トコトリエノール、アスパラギン酸β−トコトリエノール、アスパラギン酸γ−トコトリエノール、およびアスパラギン酸δ−トコトリエノールから選択される。
特定の実施形態では、トコトリエノールエステルは、コハク酸α−トコトリエノール、酢酸α−トコトリエノール、ニコチン酸α−トコトリエノール、リン酸α−トコトリエノール、グルタミン酸α−トコトリエノール、リノール酸α−トコトリエノール、パルミチン酸α−トコトリエノール、およびアスパラギン酸α−トコトリエノールから選択される。別の実施形態では、トコトリエノールエステルは酢酸α−トコトリエノールである。別の実施形態では、トコトリエノールエステルはコハク酸α−トコトリエノールである。別の実施形態では、トコトリエノールエステルはニコチン酸α−トコトリエノールである。別の実施形態では、トコトリエノールエステルはグルタミン酸α−トコトリエノールである。別の実施形態では、トコトリエノールエステルはリン酸α−トコトリエノールである。別の実施形態では、トコトリエノールエステルはパルミチン酸α−トコトリエノールである。別の実施形態では、トコトリエノールエステルはリノール酸α−トコトリエノールである。別の実施形態では、トコトリエノールエステルはアスパラギン酸α−トコトリエノールである。
他の実施形態では、トコトリエノールエステルは、ポリエトキシル化α−トコトリエノール、ポリエトキシル化β−トコトリエノール、ポリエトキシル化γ−トコトリエノール、またはポリエトキシル化δ−トコトリエノールである。いくつかの実施形態では、トコトリエノールエステルはポリエトキシル化α−トコトリエノールである。他の実施形態では、トコトリエノールエステルはα−トコトリエノールポリエチレングリコールスクシネートである。
別の態様では、本発明は、治療有効量の、パーム油、米糠油、オオムギまたはアナトーの濃縮トコトリエノール抽出物を含む治療有効量または生理的有効量の製剤を投与することにより、その処置を必要とする患者において、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)などの広汎性発達障害(PDD)に関連する症状を軽減する、回復させる、または処置するか、あるいは、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)などの広汎性発達障害(PDD)を処置または抑制する方法を包含する。別の実施形態では、本発明の製剤は、Carotech、Golden Hope Bioorganic、Carotech、Davos Life Science、Beijing Gingko Group、Eisai、Eastman Corporation、またはPalm Nutraceuticalsによって販売されるパーム油の濃縮トコトリエノール抽出物を含む。いくつかの実施形態、および前述の実施形態のいずれかでは、トコトリエノール抽出物はTocomin−50(登録商標)である。別の実施形態では、本発明の製剤は、アナトー由来の濃縮トコトリエノール抽出物を含む。
前述の実施形態のいくつかでは、本発明の化合物により処置される症状は、視線を避ける、集団生活に適応できない、注意欠陥、気分の落ち込み、機能亢進、不安、常同行動、理解力が乏しい、不適当な言語、音への過敏、消化不良、睡眠の中断、および固執からなる症状の群から選択され、この場合、未処置の個体の発生率に対して発生率の低下を測定する。
一実施形態では、本発明は、生理的有効量のトコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物もしくは組成物、またはこれらの混合物と、生理学的に許容されるキャリア、アジュバント、賦形剤、緩衝液および希釈液とを含む、患者の自閉症の症状を軽減することができる医薬組成物または栄養補助食品組成物を提供する。
なおさらなる態様では、本発明は、トコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物もしくは組成物、またはこれらの混合物と、生理学的または栄養学的に許容可能なキャリア、アジュバント、賦形剤、緩衝液および希釈液からなる群の少なくとも1つとの組成物を含む食品、医療食品、食事食品、機能性食品、食品サプリメント、またはダイエタリーサプリメントを提供する。
なお別の態様では、本発明はまた、自閉症スペクトラム障害の処置または抑制に有用な材料を含む製品およびキットも提供する。本発明はまた、トコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物もしくは組成物、またはこれらの混合物を含むキットも提供する。いくつかの実施形態では、本発明のキットは、トコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物もしくは組成物、またはこれらの混合物を保存するのに好適な容器を含む。いくつかの実施形態では、本発明のキットは、トコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物もしくは組成物、またはこれらの混合物と、生理学的または栄養学的に許容可能なキャリア、アジュバント、賦形剤、緩衝液および希釈液からなる群の少なくとも1つとを保存するのに好適な容器を含む。
他の態様では、たとえば、ASD障害の個体を処置する、または個体のASD障害を抑制するなど、本明細書に記載の方法のいずれかのためにキットを使用してもよい。
本発明は、複数の態様、特徴および実施形態を含むものであり、そうした複数の態様、特徴および実施形態については、任意の所望のやり方で組み合わせて、順序を変えてもよい。
本発明のこれらおよび他の態様、特徴および実施形態は、以下の課題を解決するための手段など、これ以降の本出願を参照すると明らかになるであろう。さらに、本明細書には、ある種の組成物および/または方法をより詳細に説明する様々な参考文献を示す。こうした参考文献については、すべて参照によってその全体を本明細書に援用する。
本発明は、患者の自閉症スペクトラム障害など広汎性発達障害の症状を軽減することができる方法および組成物を提供する。簡単に説明すると、本組成物および方法は、トコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物もしくは組成物、またはこれらの混合物を自閉性疾患の影響を軽減するのに十分な量でヒト患者に投与することを含む。患者の通常の食事を制限せずに、トコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物もしくは組成物、またはこれらの混合物のヒト患者への投与を一度試みれば、視線を合わせるようになる、代名詞の理解および使用の改善、疲労の改善、旋律および歌詞と共に歌を歌い、歌全体を理解できる、年齢相応の仲間と遊ぶ、癇癪の減少、睡眠パターンの改善、礼儀および協調性の向上、愛着の向上、他人の感情の理解、音声と言葉との関連性の向上など、かなりの数の患者の1つまたは複数の症状が著しく軽減するであろう。
「被験体」、「個体」または「患者」は同義で使われ、哺乳動物、好ましくはヒトをいう。
本明細書で考察した化合物および方法で疾患を「処置する」とは、疾患、または疾患の1つもしくは複数の症状を軽減するまたは排除するため、あるいは、疾患、または疾患の1つもしくは複数の症状の進行を遅延させるため、あるいは、疾患、または疾患の1つもしくは複数の症状の重症度を軽減するため、追加の治療薬を用いてあるいは用いずに、本明細書で考察した化合物の1つまたは複数を投与することと定義される。本明細書で考察した化合物および方法による疾患の「抑制」とは、疾患の臨床症状を抑制するため、あるいは、疾患の有害な症状の発現を抑制するため、追加の治療薬を用いてあるいは用いずに、本明細書で考察した化合物の1つまたは複数を投与することと定義される。処置と抑制との違いは、処置が、疾患の有害な症状が被験体に発現してから行われるのに対して、抑制は、疾患の有害な症状が被験体に発現する前に行われることにある。抑制は、部分的であっても、実質的に全部であっても、あるいは全部であってもよい。自閉症障害は遺伝性であるため、遺伝子スクリーニングを用いて疾患のリスクがある患者を同定してもよい。次いで任意の有害な症状の出現を抑制するため、疾患の臨床症状を示すリスクがある無症候性患者に本発明の化合物および方法を投与すればよい。
本明細書で考察した化合物の「治療用途」とは、上記で定義した疾患を処置または抑制するため、本明細書で考察した化合物の1つまたは複数を使用することと定義される。化合物の「治療有効量」は、被験体に投与される際に、疾患または疾患の1つもしく複数の症状を軽減または排除する、あるいは、疾患または疾患の1つもしく複数の症状の進行を遅延させる、あるいは、疾患または疾患の1つもしく複数の症状の重症度を軽減する、あるいは、疾患の臨床症状を抑制する、あるいは、疾患の有害な症状の発現を抑制するのに十分な量の化合物である。治療有効量は、1回または複数回の投与で投与してもよい。
活性物質の「生理的有効量」とは、外部から観察可能な著しい効果を患者に与えるのに適当な活性物質の量を示す。このため、こうした生理的有効量は、その効果を判定する特別な機器を必要とせずに、患者の特徴の1つまたは複数に影響を及ぼす。たとえば、生理的有効量の本発明の化合物は、自閉症または他の広汎性発達障害の症状の1つまたは複数を軽減することにより、外部から観察可能な著しい効果を患者の行動に与える。したがって、患者を注視し、活性物質により患者に変化が起きたどうかを観察することにより、適当な量の活性物質が投与されているかどうかを判定することができる。
トコトリエノールとアスパルテートとのエステルは、アスパルテートのα−カルボキシ基、アスパルテートの側鎖(γ−カルボキシ)基によりエステル化してもよいし、あるいは、アスパルテートのα−カルボキシ基でエステル化したトコトリエノールを、アスパルテートの側鎖カルボキシ基でエステル化したトコトリエノールと任意の比率で混合してもよい。トコトリエノールとグルタマートとのエステルは、グルタマートのα−カルボキシ基、グルタマートの側鎖(δ−カルボキシ)基によりエステル化してもよいし、あるいは、グルタマートのα−カルボキシ基でエステル化したトコトリエノールを、グルタマートの側鎖カルボキシ基でエステル化したトコトリエノールと任意の比率で混合してもよい。
本発明は、ジアステレオマーおよびエナンチオマーなど、本化合物のすべての異性体と、本方法でのそれらの使用とをさらに含む。本発明は、以下に限定されるものではないが、ラセミ混合物など、任意の比率の立体異性体の混合物と、本方法でのそれらの使用とをさらに含む。
第1の態様では、本発明は、ヒト患者の自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)など、広汎性発達障害(PDD)の症状を軽減することができるトコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物もしくは組成物、またはこれらの混合物を含む組成物を提供する。たとえば、この組成物は、視線を合わせるようになる、代名詞の理解および使用の改善、疲労の改善、癇癪の減少、睡眠パターンの改善、礼儀および協調性の向上、ならびに音声と言葉との関連性の向上など、1つまたは複数の症状を軽減することができる。言い換えれば、本組成物は、顕微鏡または化学分析装置など特別な装置を使用せずに、親、医師または介護者などのヒト観察者に観察可能な程度で、自閉症の観察可能な特徴の1つまたは複数を適切に軽減することができる。本組成物は、生理的有効量のトコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物もしくは組成物、またはこれらの混合物と、化合物の包装、送達、吸収、または生理学的作用を助ける物質を表すのに使用される通常の意味の用語としての、生理学的に許容されるキャリア、アジュバント、賦形剤、緩衝液および希釈液からなる群の少なくとも1つとを与えることにより、こうした症状を軽減する。生理学的に許容されるキャリア、アジュバント、賦形剤、緩衝液および希釈液は、好ましくは採用する投与量および濃度で被投与者に無毒である。代表的な実例として、油、水、好ましくは生理的pHで緩衝処理した等張食塩水溶液(リン酸塩緩衝生理食塩水またはトリス緩衝食塩水など)、マンニトール、デキストロース、グリセロール、およびエタノールのほか、ヒト血清アルブミンなどの特定のポリペプチドまたはタンパク質、マルトデキストリン、L−リジン、ラクターゼおよび他のカルボヒドラターゼ、リパーゼ、およびパパインなどの非特異的プロテアーゼがある。キャリア、アジュバント、賦形剤、緩衝液、または希釈液を、本明細書に開示された組成物と組み合わせて、液体溶液として組成物を得ても、あるいは好ましくは固体形態の組成物を得てもよい。たとえば、本組成物を経口投与する場合、粉末、錠剤またはカプセル形態のいずれで本組成物を作製してもよい。本組成物はさらに、エリキシル剤、液体、溶液、懸濁液、エマルジョン、軟質ゼラチンカプセル、および硬質ゼラチンカプセルとして投与してもよい。上記の剤形は、当該技術分野において周知である。
本発明の組成物は、好ましくは経口投与するけれども、直腸など他の直接経路により投与しても、あるいは、製剤設計された組成物の場合、動脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、眼内、および静脈内など経皮的な方法により投与してもよい。必要に応じて、頬粘膜/舌下投与、経鼻投与、局所(経皮など)投与、経肺投与、および中枢神経系(CNS:central nervous system)投与(髄腔内、脳室内または視床下部など)など他の経路を使用してもよい。本組成物は、典型的にはヒトに投与するけれども、自閉症に類似した症状を示している動物、好ましくは哺乳動物に投与してもよい。
本発明の化合物
本発明の製剤の成分の1つまたは複数は、トコトリエノールである。トコトリエノールは、ビタミンEファミリーに属し、側鎖または尾の化学的性質と、トコフェロールと明確に異なるその特性と、がトコフェロールと異なる。トコトリエノールは、脂溶性の水不溶性油であり、老化過程および加齢に関係のある疾患に関連するいくつかのメカニズムを調節する。
トコトリエノールは、健康的なコレステロールレベルを促進し、かつ、トコフェロールが示さないことが多い神経保護作用、酸化防止活性、および抗癌作用を示すことが明らかにされている。トコトリエノールの商業的に使用されている供給源は、米糠油、パーム油、およびアナトービーンの3つである。アナトーのトコトリエノール抽出物はおおよそ、α−トコトリエノールを含まず、δ−トコトリエノールを90%、γ−トコトリエノールを10%含み、トコフェロールを含まない。米糠の抽出物はおおよそ、α−トコトリエノールを2%未満、γ−トコトリエノールを51.6%、およびトコフェロールを48%含む。パーム油の抽出物はおおよそ、α−トコトリエノールを22.1%、δ−トコトリエノールを10%、γ−トコトリエノールを45.7%、およびトコフェロールを21.8%含む。トコトリエノールは、多くの場合、分解を防止し、製剤の他の成分の安定性を高めるため酸化防止剤として少量で使用されるけれども、本発明では、ヒト患者の自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)などの広汎性発達障害(PDD)の予防および回復のため、医療食品または食事食品の不可欠な成分の1つとしてトコトリエノールを使用する。
本発明のいくつかの製剤は特に、合成的に製造しても、または上述の商業的供給源の1つから得てもよいα−トコトリエノールを含む。本質的に純粋なα−トコトリエノールを製造するのに好ましいプロセスは、参照によってその全体を本明細書に援用する、「Process for Enrichment and Isolation of alpha−Tocotrienol and Derivatives」を発明の名称とする、共有の米国出願USAN第12/606,923号に記載されている。
d,l体または(RS)体のトコトリエノールファミリーの様々なメンバーの合成が公開されており、たとえばSchudel et al.,Helv.Chim.Acta(1963)46,2517−2526;Mayer et al.,Helv.Chim.Acta(1967)50,1376−1393;Kabbe et al.,Synthesis(1978),888−889;Kajiwara et al.,Heterocycles(1980)14,1995−1998;Urano et al.,Chem.Pharm.Bull.(1983)31,4341−4345;Pearce et al.,J.Med Chem.(1992),35,3595−3606;および Pearce et al.,J.Med.Chem.(1994).37,526−541を参照されたい。これらの報告されたプロセスで天然型のトコトリエノールが得られるものはなく、これらの報告されたプロセスは、むしろラセミ混合物を製造するものである。天然型d−トコトリエノールの合成については、公開されている。たとえば、Scott et al.,Helv.Chim.Acta(1976)59,290−306;Sato et al.の日本特許第63063674号;Sato et al.の日本特許第01233278号;およびCouladouros et al(米国特許第7,038,067号)がある。
本発明のいくつかの他の製剤は、酢酸α−トコトリエノール、コハク酸α−トコトリエノール、リン酸α−トコトリエノール、アスパラギン酸α−トコトリエノール、グルタミン酸α−トコトリエノール、パルミチン酸α−トコトリエノール、ニコチン酸α−トコトリエノール、およびポリエトキシル化α−トコトリエノールから選択されるトコトリエノールエステルを含む。
本発明のいくつかの他の製剤は特に、パーム油、米糠油およびオオムギの抽出物由来のトコトリエノールを含む。合成および天然トコフェロールが市場で容易に入手できるのに対して、天然トコトリエノールの供給は限られており、一般にトコトリエノールの混合物を含む。トコトリエノール(800〜1500ppm)を豊富に含む粗製パーム油は、天然トコトリエノールの有望な供給源である。Carotech,Malaysiaは、米国特許第5,157,132号で特許を取得したプロセスにより、粗製パーム油からトコトリエノールを抽出し、濃縮できる工場プラントである。Tocomin−50(登録商標)は典型的には、約25.32%の混合トコトリエノール(7.00%のα−トコトリエノール、14.42%のγトコトリエノール、3.30%のδトコトリエノール、および0.6%のβトコトリエノール)、6.90%のα−トコフェロール、ならびに植物スクアレン、フィトステロール、補酵素Q10および混合カロテノイドなど他の植物栄養素を含む。
本発明のいくつかの他の製剤は、アナトービーンの抽出物由来のトコトリエノールを含む。
本発明に使用してもよい市販されている他の製品として、たとえば、Nu Triene Tocotrienol(登録商標)(30%含有量、Eastman Chemical Companyの製品)、トコフェロール/トコトリエノールの総含有量が70%で、14%のα−トコトリエノールおよび24%のγ−トコトリエノールを含むトコトリエノールの総含有量が40%のOryzaトコトリエノール−70、およびトコフェロール/トコトリエノールの総含有量が90%で、トコトリエノールの総含有量が60%のOryzaトコトリエノール−90などのOryza Oil & Fat Co.Ltd製の、トコトリエノール濃度が異なる様々なOryza(登録商標)トコトリエノール製品;Golden Hope Plantations Berhad Tocotrienol油(70%含有量)、Davos Life Science TRF(63%含有量)、ならびにPalm Nutraceuticals Sdn Bhd(89%含有量)がある。Beijing Gingko Groupから市販されている製品のDelta Tocotrienol−92(登録商標)(HPLCによる純度92%)も、本発明に使用してもよい。
ある種の植物油および植物油の副生成物からトコトリエノールを単離または濃縮する他の方法については、文献に記載されている。そうした単離および精製プロセスのいくつかの例として、たとえばTop et al.の米国特許第5,190,618号;Lane et al.の米国特許第6,239,171号;Bellafiore et alの米国特許第6,395,915号;May et al.の米国特許第6,656,358号;Jacobs et al.の米国特許第6,838,104号;Sumner et al.の国際公開第99/38860号、Jacobsの国際公開第2002/500054号、およびBhaggan et al.の国際公開第2008/142433号を参照されたい。
自閉症の臨床評価
いくつかの生化学的マーカーが、広汎性発達障害に関連している。これらのバイオマーカーは、処置の有効性を評価するため、本発明の方法および組成物による処置中にモニターしてもよい。
カルニチンの欠乏:J,Autism Dev.Diosrd.(2004)34:615−23でFilipek,PA et alが考察したように、自閉症の小児100例の血清中カルニチンレベルを、血清中のピルベートレベル、ラクテートレベル、アンモニアレベル、およびアラニンレベルと同時に調査した。自閉症被験体の遊離カルニチンおよび全カルニチンの値(p<0.001)と、遊離ピルベートおよび全ピルベートの値(p=0.006)とは有意に低下したのに対して、アンモニアおよびアラニンのレベルはかなり上昇した(p<0.001)。ラクテートの若干の上昇と、アラニンおよびアンモニアのレベルの著しい上昇とを伴う、これらの患者の相対的なカルニチンの欠乏からは、ピルベート、ラクテート、カルニチンおよびアンモニアのレベルを評価することが、ASD小児の通常の評価の際に測定する場合、有用であり得ることが示唆される。
乳酸(ラクテート)レベル:自閉症のいくつかの症例では、ピルベートレベルが上昇し、ピルベートがラクテートに変換されて解糖能を維持するため、異常なレベルの乳酸が認められている(Coleman,M.et al.Journal of Autism and Developmental Disorders(1985)15,1−8を参照されたい)。ラクテートレベルについては、全血、血漿、または脳脊髄液など適切な体液のサンプルを採取することにより測定することができる。脳など所望の身体であれば、実質的にどのような量でも、磁気共鳴を用いてラクテートレベルを測定することができる。全血、血漿、および脳脊髄液のラクテートレベルは、YSI 2300 STAT Plus Glucose & Lactate Analyzer(YSI Life Sciences,Ohio)など市販されている機器で測定してもよい。
脂質過酸化:自閉症では脂質過酸化が亢進することが確認されており、この疾患では酸化ストレスが増大することが示唆される。脂質過酸化については、脂肪酸酸化の最終生成物マロニルジアルデヒド(MDA:malonyldialdehyde)のレベルを定量することにより測定することができる。血漿、尿、および他の検体中のMDAのアッセイがいくつか存在する。こうしたアッセイは、HPLC(Steghens,J.P.,et al.,Free Radic Biol Med(2001)31:242およびPilz,J.Chromatogr B Biomed Sci appl(2000)742:315、およびキャピラリー電気泳動(Korizis,K.N.et al.,Biomed Chromatogr 15:287(2001))によるUV検出のための特異的試薬を含む。チオバルビツール酸反応を用いて、MDAを含む様々な脂質過酸化生成物を定量することができる(K Fukanaga et al.,Biomed Chromatogr(1998)12:300)。
脂質過酸化についてはさらに、自閉症の被験体と健常対照被験体とのガスクロマトグラフィー−質量分析法を用いて、脂質過酸化のマーカーのイソプロスタンF(2α)−VI;血小板活性化を反映する2,3−ジノル−トロンボキサンB(2);および内皮活性化のマーカー6−ケト−プロスタグランジンF(1α)の尿中レベルを測定することにより、定量することもできる。酸化ストレス関連生成物の検出の方法も同様に当該技術分野において公知である。たとえば、イソプロスタンF(2α)−VI(Cayman Chemicalカタログ番号516301);2,3−ジノル−トロンボキサンB(2)(Cayman Chemicalカタログ番号519051)、および6−ケト−プロスタグランジンF(1α)(Cayman Chemicalカタログ番号5152111)の判定のためのエンザイムイムノアッセイキットがCayman Chemicalから市販されている。
抗酸化タンパク質:自閉症の小児では、正常発達した非自閉症の兄弟に比べて血清中の主要な抗酸化タンパク質、すなわちトランスフェリン(鉄−結合タンパク質)、およびセルロプラスミン(銅−結合タンパク質)のレベルが著しく低下する。これらのタンパク質のレベルの低下と、自閉症の小児の以前に獲得した言語能力の喪失との間に著しい相関関係が観察された。これらの結果は、獲得した言語能力を喪失する自閉症の小児ではトランスフェリンおよびセルロプラスミンの調節が変化することを示しており、患者の評価の際に疾患の診断として使用することができる。
医薬製剤、栄養補助食品製剤および栄養製剤
本明細書に記載の化合物は、薬学的に許容される賦形剤、薬学的に許容されるキャリア、および薬学的に許容されるビヒクルなどの添加剤と共に製剤化して医薬組成物として、あるいは、栄養補助的にまたは栄養学的に許容可能な賦形剤、栄養補助的にまたは栄養学的に許容可能なキャリア、および栄養補助的にまたは栄養学的に許容可能なビヒクルなどの添加剤と共に栄養補助製剤または栄養製剤として、製剤化してもよい。
好適な薬学的に許容される賦形剤、キャリアおよびビヒクルとして、たとえば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、単糖類、二糖類、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロース、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ポリビニルピロリジノン、低融点ワックス、イオン交換樹脂、および同種のもののほか、これらの任意の2つ以上の組み合わせなどの加工剤、ならびに薬物送達調整剤および促進剤が挙げられる。他の好適な薬学的に許容される賦形剤については、参照によって本明細書に援用する「Remington’s Pharmaceutical Sciences」,Mack Pub.Co.,New Jersey(1991)、および「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」,Lippincott Williams & Wilkins,Philadelphia,20th edition(2003)and 21st edition(2005)に記載されている。
医薬組成物は、単位用量が治療効果または抑制効果を与えるのに十分な用量である単位用量製剤を構成してもよい。単位用量は、治療効果または抑制効果を与える単回用量として十分な用量であってもよい。あるいは、単位用量は、障害の処置または抑制の期間中に定期的に投与される用量であってもよい。単位用量は、本明細書に開示される治療有効量の組成物を含んでもよい。あるいは、単位用量は、本明細書に開示される生理的有効量の組成物を含んでもよい。
本発明の化合物を含む医薬組成物は、たとえば、溶液、懸濁液、またはエマルジョンなど、投与の意図した方法に好適であれば、どのような形態であってもよい。溶液、懸濁液、およびエマルジョンの調製には、液体キャリアを使用するのが一般的である。本発明の実施に際して使用を意図している液体キャリアとして、たとえば、水、食塩水、薬学的に許容される有機溶媒(単数または複数)、薬学的に許容される油または脂肪、および同種のもののほか、これらの2つ以上の混合物が挙げられる。液体キャリアとして、可溶化剤、乳化剤、栄養素、緩衝液、防腐剤、懸濁化剤、粘度付与剤、粘度調節剤、安定剤、および同種のものなど他の好適な薬学的に許容される添加剤を挙げることもできる。好適な有機溶媒として、たとえば、エタノールなどの一価アルコール、およびグリコールなどの多価アルコールがある。好適な油として、たとえば、大豆油、ヤシ油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油、および同種のものが挙げられる。非経口投与の場合、キャリアはさらに、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および同種のものなどの油性エステルであってもよい。本発明の組成物はまた、微小粒子、マイクロカプセル、リポソーム封入体、および同種のもののほか、これらの任意の2つ以上の組み合わせの形態であってもよい。
上記のような組成物については、医療または機能性食品およびダイエタリーサプリメントといった食品など栄養製剤として調製してもよい。「医療または機能性食品」とは、基本的な栄養機能よりも生理的効果を有する、および/または慢性疾患のリスクを低下させることが明らかになっている通常食の一部として摂取されるものと定義される。「ダイエタリーサプリメント」とは、ヒトの食事の補助を意図し、典型的にはピル、カプセル、錠剤、または類似の製剤の形態で提供される製品と定義される。たとえば、以下に限定されるものではないが、ダイエタリーサプリメントとして、以下の成分:ビタミン、ミネラル、草本、植物成分、アミノ酸、総食事摂取量の増加による食事の補助を意図した食物質、および前述のいずれかの濃縮物、代謝産物、構成成分、抽出物または組み合わせの1つまたは複数を挙げることができる。ダイエタリーサプリメントはさらに、健康を増進する、または疾患または障害を予防するように設計された機能性食品などの食料品に加えてもよい。本組成物を医薬調製物として投与する場合、多くの方法のいずれかで、予防あるいは処置として患者に投与してもよい。本組成物は、単独投与しても、または他の医薬品と組み合わせて投与してもよく、その生理学的に許容されるキャリアと組み合わせてもよい。個別の製剤の投与の有効量および方法については、個々の被験体、病期、および当業者に明らかな他の因子によって異なることがある。処置の期間中に、本組成物の濃度をモニターして(たとえば、血漿レベルをモニターしてもよい)、所望のレベルを確実に維持するようにしてもよい。
「栄養補助食品」という用語は、食品または食品の一部であり、かつ疾患の予防および処置などの医学的効果または健康効果をもたらす任意の物質という意味で使用されている。このため、「栄養補助食品」という用語に該当する組成物は、栄養素、ダイエタリーサプリメントおよび特定の食事から、遺伝子改変デザイナーフード、ハーブ製品、ならびにシリアル、スープおよび飲料などの加工食品まで様々である場合がある。より専門的な意味では、この用語は、食品から単離または精製され、かつ通常食品と関連がない医薬形態で販売されているのが一般であり、かつ生理的効果を有するか、または慢性疾患を予防することが明らかになっている製品という意味で使用されている。好適な栄養補助的に許容可能な賦形剤として、植物由来油および/または動物由来油および/または魚由来油を含む溶液などの液体溶液を挙げることができる。
本発明の組成物は、大豆油、ヒマワリ油、オリーブ油、または通常種子から得られる他の類似の油など食品添加物として適切な植物油(vegetable oil)に溶解させてもよい。分散液またはエマルジョンについては、分散させて凝集させても、または噴霧乾燥させて凝集させてもよい。
本発明の組成物は、濃縮物として提供しても、または直ちに摂取できるように単位用量包装で提供してもよい乳化した液体溶液の形態で投与してもよい。米国特許第7,118,688号に記載されたいくつかの乳化剤は、ソルビトール卵黄リン脂質、ならびにソルビトールおよび大豆リン脂質であってもよく、任意にチョコレートなどの香料を含む。乳化剤の他の例として、レシチン、好ましくは天然大豆レシチン、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アンモニウムホスファチド、脂肪酸のモノ−またはジ−グリセリドのクエン酸エステル、および脂肪酸のモノ−またはジ−グリセリド酒石酸エステルがあるが、これに限定されるものではない。乳化剤は、水中油型エマルジョンを得るときに効果的である乳化剤にすべきである。
一実施形態では、エマルジョンを粉末として製剤化し、前記エマルジョンを粉末物質と混合し、形成された懸濁液を噴霧乾燥させるか、または凍結乾燥させる。こうした製剤のプロセスについては、たとえばYokoi et al.の米国特許第6,562,372号に記載されているように当該技術分野において公知である。エマルジョンを微粉砕するため、シクロデキストリンまたはマルトデキストリンなどのデキストリンを加えてもよい。
この粉末組成物は、所望の量の炭水化物を含んでもよい。水性食品組成物は典型的には、約5.0%〜約35重量%の炭水化物を含む。例示的な炭水化物は、炭水化物のよい供給源を組み合わせた穏やかな甘味料であるため、Maltodextrin DE 10である。マルトデキストリンは、コーンスターチから得られる。マルトデキストリンは、存在する還元糖をデキストロースとして算出し、全乾燥物質に対する割合で表した指標であるデキストロース当量、すなわちDEで分類される。マルトデキストリンは、最大20DEであってもよい。この生成物は、20DE以上では、コーンシロップ固形物として分類される。DEが低いほど、マルトデキストリンは甘みが薄く、よりデンプンに近くなる。DEが20から1に低下するにつれ、マルトデキストリンは、溶解度も低下する。DEが20を超えると、この生成物はコーンシロップ固形物であり、完全に可溶性であり、したがって甘みが強くなる。
あるいは、本発明の製剤は、飲料製品の形態で投与してもよい。本発明の液体飲料は、直ちに摂取できるように上記のような粉末を水、乳、炭酸飲料および果汁などの摂取可能な液体に溶解して、周囲温度で個々に調製してもよい。水または他の摂取可能な水性ビヒクルで調製した経口投与のための液体組成物としては、活性化合物と共に湿潤剤、甘味料、着色剤および着香剤を含む溶液、エマルジョン、シロップおよびエリキシル剤を挙げることができる。あるいは、本発明の製剤は、すぐに摂取できる飲料製品の形態で投与してもよい。
本発明の製剤は、特にタンパク質の摂取の補助を必要とする個体に、タンパク質の摂取の補助に使用してもよい高タンパク棒状食品の形態で投与してもよい。この製剤は、すぐに食べられる包装の形態であってもよい。高タンパク棒状食品の形態で投与される製剤は、炭水化物および食物繊維を含んでいてもよい。
「タンパク源」という用語は、以下に限定されるものではないが、植物タンパク質、動物タンパク質、単細胞生物由来のタンパク質、および遊離アミノ酸を含む。高タンパク棒状食品のタンパク質源として、乳、乳清、牛肉、卵、豆類、ピーナッツコムギ、大豆およびこれらの組み合わせ由来のタンパク質、たとえば乳清タンパク質、大豆タンパク質、カゼイン、牛肉タンパク加水分解物、水素添加ピーナッツ油およびこれらの組み合わせがあるが、これに限定されるものではない。
「炭水化物」という用語は、単純な炭水化物(単糖および二糖類)および複雑な炭水化物(多糖類)を含む。単純な炭水化物は、デキストロース、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、スクロース、マルトース、高マルトースコーンシロップ、マルトデキストリン、ラクトース、グルコース、オリゴ糖、高糖類、コーンスターチ、セルロース、または使用に応じたこれらの混合物など消化できる炭水化物のいずれであってもよい。複雑な炭水化物は、以下に限定されるものではないが、コムギ、カラスムギ、トウモロコシ、オオムギ、米、ライムギ、モロコシなどの穀物;大豆などの乾燥豆類と成熟豆類;ならびにピーナッツなどの堅果、および同種のもののような供給源から得られる。穀物はさらに繊維の原料となってもよく、丸めたり、焼いたり、成形したり、さらに他の方法で処理したりして咀嚼生地に加えてもよい。
炭水化物は、穀粒、フレーク、穀粉および粗粉の形態であってもよい。フルクトースなどの単純な炭水化物は、炭水化物の約30〜60%を構成すべきである。複雑な炭水化物は、炭水化物の約40〜70%を構成すべきである。エネルギーの持続を促すには、繊維を含む炭水化物のブレンドを選択する。
食物繊維は、おおまかに2つの種類、すなわち不溶性食物繊維と水溶性食物繊維とに分類することができる。最適なのは、その不溶性食物繊維含有量が比較的高いことから、穀物糠およびその混合物である。本発明に有用なこれらの穀物糠は、米、コムギ、トウモロコシ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、エンドウマメおよびこれらの混合物からなる群より選択される。コムギ、カラスムギおよびトウモロコシの糠が、最も好ましい。これらの糠由来の不溶性食物繊維の成分は、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンであることが知られている。
可溶性食物繊維は、アルギネート、ガム、ペクチン、粘液および類似の植物滲出液などの膜形成親水コロイド材料であってもよい。有用な可溶性繊維の例には、アラビアガム、トラガント、カラヤガム、ガティガム、寒天、アルギネート、カラゲナン、およびファーセレランなどの海藻抽出物;ペクチン;ならびにサイリウムなどの粘液がある。食物繊維は、炭水化物の約2〜15%を構成すべきである。不溶性繊維と可溶性繊維との比率は、50:50〜約99:1までの幅があってもよいが、約80:20〜約99:1の範囲の比率が好ましい。また、高度に不溶性のものと可溶性のものとブレンドは、棒状食品の味覚特徴の改善を促進する。
本発明の製剤の別の送達形態は、ホイルでも、プラスチックでも、または不活性な条件下で使い捨てできる他の材料でもよいパケットなどの小型で使い捨ての不透過性包装(たとえば、大きさ11/2インチ×2インチ)、または小型チューブ(たとえば、直径1/4インチ×長さ2インチ)で混合物として包装する、好ましくはマイクロカプセル化する。これらの形態のいくつかでは、製剤を含む包装の内容物を、包装から直接、あるいは、食品または摂取可能な冷たい液体と混合して患者に投与する。別の送達形態では、窒素封入缶に本発明の固体組成物を包装する。
たとえば、Lee,「Diffusion−Controlled Matrix Systems」,pp.155−198、およびRon and Langer,「Erodible Systems」,pp.199−224,in「Treatise on Controlled Drug Delivery」,A.Kydonieus Ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York 1992に記載されているような拡散制御マトリックス系または侵食系など、徐放または放出制御送達系を使用してもよい。マトリックスは、たとえば、加水分解、または、たとえば、プロテアーゼによる酵素的切断によりin situおよびインビボで自然に分解し得る生分解性材料であってもよい。送達系は、たとえば、ヒドロゲル形態の天然もしくは合成ポリマーまたはコポリマーであってもよい。切断可能な結合を持つ例示的なポリマーとして、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、多糖類、ポリ(ホスホエステル)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(イミドカルボネート)およびポリ(ホスファゼン)がある。
本発明の化合物は、望ましいような通常の無毒の薬学的に許容されるキャリア、アジュバント、およびビヒクルを含む投与単位製剤で、経腸投与、経口投与、非経口投与、舌下投与、吸入投与(たとえばミストまたは噴霧として)、直腸内投与、または局所投与してもよい。たとえば、好適な投与モードとして、経口投与、皮下投与、経皮投与、経粘膜投与、イオントフォレーシス投与、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、鼻腔内投与(たとえば鼻粘膜経由)、硬膜下投与、直腸投与、消化管投与、および同種のもの、ならびに特定の器官もしくは組織または患部器官もしくは組織への直接投与が挙げられる。中枢神経系に送達するには、脊髄投与および硬膜外投与、または脳室への投与を使用してもよい。局所投与はさらに、経皮パッチまたはイオントフォレーシス装置などの経皮投与の使用を含む。本明細書で使用する場合、非経口という用語は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、または注入法を含む。本化合物は、所望の投与経路に適切な薬学的に許容されるキャリア、アジュバント、およびビヒクルと混合する。経口投与が好ましい投与経路であり、経口投与に好適な製剤は、好ましい製剤である。使用のために本明細書に記載した化合物は、固体形態、液体形態、エアロゾル形態、または錠剤、ピル、粉末混合物、カプセル、顆粒、注射剤、クリーム、溶液、坐剤、浣腸剤、腸内洗浄剤、エマルジョン、分散液、食品プレミックスの形態、および他の好適な形態で投与してもよい。本化合物はさらに、リポソーム製剤で投与してもよい。本化合物はさらに、処置される被験体内で治療上有効な形態に変換されるプロドラッグとして投与してもよい。他の投与方法については、当該技術分野において公知である。
好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて従来技術に従い、注射用調製物、たとえば、無菌の注射用水性または油性懸濁液を製剤化してもよい。無菌の注射用調製物はさらに、無毒の非経口的に許容可能な希釈液または溶媒中の無菌の注射用溶液または懸濁液、たとえば、プロピレングリコールの溶液としてもよい。利用してもよい許容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、溶媒または懸濁媒体として無菌の不揮発性油が通常使用されている。このため、合成モノ−またはジ−グリセリドなど任意の刺激のない不揮発性油を利用してもよい。注射剤の調製にはさらに、オレイン酸などの脂肪酸も使用される。
経口投与の固形剤形として、カプセル、錠剤、ピル、粉末、および顆粒を挙げることができる。こうした固形剤形の場合、活性化合物を、スクロース、ラクトースまたはデンプンなど少なくとも1種の不活性希釈液と混合してもよい。こうした剤形は、不活性希釈液以外に他の物質、たとえば、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤をさらに含んでもよい。カプセル、錠剤およびピルの場合の剤形は、緩衝剤をさらに含んでもよい。錠剤およびピルはさらに、腸溶コーティングで調製してもよい。
経口投与の液体剤形として、水など当該技術分野において一般に用いられる不活性希釈液を含む薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤を挙げることができる。こうした組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、シクロデキストリンなどのアジュバント、ならびに甘味料、香味料、および香料を含んでいてもよい。
本発明の化合物はさらに、リポソームの形態で投与してもよい。当該技術分野において公知のように、リポソームは一般に、リン脂質または他の脂質物質から得られる。リポソームは、水性媒体に分散している単層または多層水和液晶により形成される。生理学的に許容され代謝可能で無毒であり、リポソームの形成が可能であれば、どのような脂質を使用してもよい。リポソーム形態の本組成物は、本発明の化合物以外に、安定剤、防腐剤、賦形剤および同種のものを含んでもよい。好ましい脂質は、天然と合成の両方のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームの形成方法については、当該技術分野において公知である。たとえば、Prescott,Ed.,Methods in Cell Biology,Volume XIV,Academic Press,New York,N.W.,p.33以下参照(1976)を参照されたい。
好ましい実施形態では、医療もしくは食事食品、または食品サプリメントとして本組成物を患者に提供する。たとえば、食品として提供する場合、本発明の組成物を、成長、修復、生命過程の維持、およびエネルギーの供給のために体内、好ましくは人体内で使用されるタンパク質、炭水化物および/または脂肪から主になる材料と組み合わせる。食品サプリメントとして提供する場合、本組成物は、食品と同時、またはほぼ同時に食べることができるように選択された物質を含む。食品サプリメントについては一般に、食品を食べる前後約1時間以内に、典型的には食品を食べる前後約30分以内に、好ましくは食品を食べてから約15分以内に、一層好ましくは食品を食べた時間から1〜5分以内に食べる。食品サプリメントはまた、食品と同時に、あるいはさらに食品と一緒に食べてもよい。
本発明はまた、自閉症などのPDDの処置または抑制、あるいは、PDDの1つまたは複数の症状うちの症状の軽減に有用な材料を含む製品およびキットも提供する。本発明はまた、トコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物もしくは組成物、またはこれらの混合物を含む(comprising of)キットも提供する。いくつかの実施形態では、本発明のキットは、上述の容器を含む。
他の態様では、たとえば、自閉症スペクトラム障害などの広汎性発達障害の個体を処置するための、または個体の自閉症スペクトラム障害などの広汎性発達障害を抑制するための本明細書に記載の方法のいずれかに、キットを使用してもよい。
単一剤形を製造するためにキャリア材料と組み合わせてもよい活性成分の量は、活性成分を投与する宿主、および個々の投与モードによって異なる。しかしながら、任意の特定の患者の具体的な用量レベルは、利用する個々の化合物の活性、年齢、体重、体面積、ボディマスインデックス(BMI:body mass index)、全身状態、性別、食事、投与期間、投与経路、排泄速度、薬剤の組み合わせ、ならびに治療を受けている個々の疾患の種類、進行、および重症度など様々な因子により決定されることが理解されよう。選択した医薬品の単位投与量は通常、血液、組織、器官または身体の他の標的領域において薬剤が決められた最終濃度となるように製造し、投与する。治療有効量または個々の状況の有効量は、通常の実験により容易に判定することができ、一般の臨床医の技術および判断の範囲内にある。本組成物は、1日1回投与しても、1日2回投与しても、または1日3回投与してもよい。本組成物は、推奨された最大臨床投与量で投与しても、またはより低用量で投与してもよい。本発明の製剤の活性化合物の投与量レベルについては、疾患の重症度および患者の反応に応じて所望の治療反応が得られるように変化させてもよい。
使用してもよい投与量の例として、約0.1mg/kg体重〜約500mg/kg体重、0.1mg/kg体重〜約300mg/kg体重の投与量範囲内、または約1.0mg/kg体重〜約100mg/kg体重以内、または約1.0mg/kg体重〜約50mg/kg体重以内、または約1.0mg/kg体重〜約30mg/kg体重以内、または約1.0mg/kg体重〜約10mg/kg体重以内、または約10mg/kg体重〜約100mg/kg体重以内、または約50mg/kg体重〜約150mg/kg体重以内、または約100mg/kg体重〜約200mg/kg体重以内、または約150mg/kg体重〜約250mg/kg体重以内、または約200mg/kg体重〜約300mg/kg体重以内、または約250mg/kg体重〜約300mg/kg体重以内の有効量がある。本発明の化合物については、1日1回投与してもよいし、または1日総投与量を1日2回、3回もしくは4回に分割して投与してもよい。
本発明の化合物は、活性医薬品として単独で投与してもよい一方、障害の処置または抑制に使用される1つまたは複数の他の作用物質と組み合わせて使用してもよい。複数の化合物を一緒に投与する場合、同じ経路、または同じ製剤で投与する必要はない。ただし、望ましいように複数の化合物を組み合わせて1つの製剤にしてもよい。
いくつかの実施形態では、PDDまたはASDの症状を処置または抑制するための本発明の化合物および方法と組み合わせると有用である代表的な作用物質として、以下に限定されるものではないが、酸化防止剤化合物、および/または、以下に限定されるものではないが、カルニチン、ケルセチン、マンゴスチン、アサイー、ウリジン、N−アセチルシステイン(NAC:N−acetyl cysteine)、およびグルタチオンなどの薬剤がある。
他の実施形態では、PDDまたはASDの症状を処置または抑制するための本発明の化合物および方法と組み合わせると有用である代表的な作用物質として、α−リポ酸、L−カルニチンまたはアセチルL−カルニチン、ビタミンC、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB4(ナイアシンアミド)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB8(イノシトール)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB10(PABA)およびビタミンB12(コバラミン)から選択されるビタミンBの少なくとも1つ、N−アセチルシステイン(NAC)、ロイシン、クレアチン、タウリンおよびカフェインから選択される1つまたは複数の化合物が挙げられる。
本発明の化合物および方法と組み合わせると有用な他の作用物質には、神経伝達物質、特にセロトニンおよびドーパミンに影響を与える化合物および/または薬剤であり、抗鬱薬、抗不安剤、鎮痙薬、神経遮断薬および非定型神経遮断薬、ならびに刺激剤などの化合物および/または薬剤がある。抗鬱薬として、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI:Selective Serotonin Reuptake Inhibitor)(フルオキセチン(プロザック);フルボキサミン(ルボックス);パロキセチン(パキシル);セルトラリン(ゾロフト);シタロプラム(セレクサ));三環系抗鬱薬(アミトリプチリン(エラビル);アミトリプチリン/クロルジアゼポキシド(リンビトロール);アモキサピン(アセンジン);クロミプラミン(アナフラニール);デシプラミン(ノルプラミン);ドキセピン(シネクアン);イミプラミン(トフラニール);ノルトリプチリン(アベニトル、パメロール);プロトリプチリン(ビバクチル);トリミプラミン(スルモンチール));MAO阻害剤(モクロベミド(オーロレックス);フェネルジン(ナーディル);硫酸トラニルシプロミン(パルネート));ブプロプリオン;リチウム;ミルタザピン;ネファゾドン(セルゾン);レボキセチン(エドロナックス);ベンラファクシン(エフェクサー、エフェクサーXR);およびセントジョーンズワート(St.John’s Wart)などの「天然の」抗鬱薬があるが、これに限定されるものではない。抗不安剤として、アルプラゾラム(ザナックス);クロルジアゼポキシド(リブリウム);クロナゼパム(クロノピン);クロラゼペート(トランキセン(Tranxene));ジアゼパム(バリウム);ロラゼパム(アチバン);オキサゼパム(セラックス);およびプラゼパム(セントラックス)があるが、これに限定されるものではない。鎮痙剤として、カルマゼピン(テグレトール);クロナゼパム(クロノピン);エトスクシミド(ザロンチン);エトトイン(ペガノン);ホスフェニトイン(セレビックス);ガバペンチン(ニューロンチン);ラモトリジン(ラミクタール);メフェニトイン(メサントイン);フェノバルビタール(ルミノール、ソルホトン);フェニトイン(ディランチン);プリミドン(マイソリン);トイラマート(トパマックス);バルプロ酸(デパケン);ジバルプロエクスナトリウム(デパコート、デパコートスプリンクルズ);およびガバペンチン(ニューロンチン)があるが、これに限定されるものではない。刺激剤として、硫酸デキストロアンフェタミン(ダス(Das)、デキサンペックス(Dexampex)、デキセドリン、デキセドリンスパンスレス(Dexedrine Spansules)、デキストロスタット(Dextrostat)、フェルンデックス(Ferndex)、オキシデス(Oxydess));デキストロアンフェタミン/アンフェタミン(アデロール);メタンフェタミン(MTH);塩酸メチルフェニデート(リタリン);およびペモリン(シクレルト(Cyclert));およびフェニルプロパノールアミン(PPA)があるが、これに限定されるものではない。非定型神経遮断薬として、クロザピン(クロザリル);オランザピン(ジプレキサ);リスペリドン(リスパダール);クエチアピン(セロクエル);およびジプラシドン(ゼルドックス)があるが、これに限定されるものではない。
本発明の方法に使用される、本明細書に開示された化合物は、以下に限定されるものではないが、鉄、カルシウム、カリウム、亜鉛、マンガン、リン(phosphorous)、クロム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、スズ、ニッケル、硫黄、セレン、銅、コバルト、クロリド、フッ化物またはヨージドなど1つまたは複数のミネラルと組み合わせて投与してもよい。ミネラルは、大量に投与しても、または微量で投与してもよい。本化合物は、ミネラルと一緒に1つの製剤で投与しても、または異なる製剤で投与してもよい。
本発明の化合物および方法と組み合わせて他の活性作用物質を使用する場合、他の活性作用物質については一般に、Physicians’ Desk Reference(PDR)53rd Edition(1999)に示されているような治療量で利用しても、または当業者に知られているような治療上有用な量で利用してもよい。
本発明の化合物、および本発明の方法に使用される、本明細書に開示された他の治療上の活性作用物質は、推奨された最大臨床投与量で投与しても、またはより低用量で投与してもよい。本発明の組成物の活性化合物の投与量レベルは、投与経路、疾患の重症度および患者の反応に応じて所望の治療反応が得られるように変化させてもよい。他の治療薬と組み合わせて投与する場合、治療薬は、同時にまたは別の時間に投与される別々の組成物として製剤化してもよいし、あるいは、治療薬は、単一の組成物として投与してもよい。
本発明の理解は、以下の非限定的な例により深まるであろう。
自閉症の患者由来のヒト皮膚線維芽細胞を用いた本発明の化合物のスクリーニング
ASDの回復に有効な化合物を同定するため、スクリーニングを行った。被検サンプル、および溶媒対照を、L−ブチオニン−(S,R)−スルホキシミン(BSO)を添加してストレスを与えたASDの線維芽細胞を救う能力について検査した。
MEM(アミノ酸およびビタミンが豊富な培地、カタログ番号Gibco 11965)およびウシ胎仔血清をInvitrogenから入手した。塩基性線維芽細胞増殖因子および上皮増殖因子をPeproTechから購入した。ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン混合物、L−ブチオニン(S,R)−スルホキシミン、およびウシ膵臓由来のインスリンをSigmaから購入した。カルセインAMをMolecular Probesから購入した。細胞培養基(ATP)を、75mlのウシ胎仔血清、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、2mMのグルタミン、10ng/mlのEGF、および10ng/mlのbFGFを組み合わせて作製した。MEM EBSを加えて容積を最大500mlとした。444mgのBSOを200mlの培地に溶解し、その後濾過滅菌を行い、10mMのBSO溶液を調製した。実験の期間中、この溶液を+4℃で保存した。細胞をDr.J.M.Shoffner,Medical Neurogenetics,Atlanta,GAから入手し、10cmの組織培養プレートで増殖させた。週に1回、細胞を1:3の比率で分割した。
サンプルを1.5mlガラスバイアルに供給した。この化合物をDMSO、エタノールまたはPBSで希釈して5mMの原液を得た。溶解したら、これを−20℃で保存した。
以下のプロトコルに従いサンプルをスクリーニングした:
ASDの線維芽細胞の培養は、液体窒素で保存した約500,000個の細胞を含む1mlのバイアルから始めた。週に1回、細胞を1:3の比率で分割して9枚のプレートが利用できるようになるまで、10cmの細胞培養ディッシュで細胞を増殖させた。コンフルエントになったら、線維芽細胞を回収した。54枚のマイクロタイタープレート(96ウェル−MTP)に、合計14.3百万個の細胞(8継代)を480mlの培地に再懸濁した。これは、100μlの培地に3,000細胞/ウェルとなる。残りの細胞を10cmの細胞培養プレートに分配して(500,000細胞/プレート)増殖させた。プレートを、95%湿度および5%COの雰囲気、37℃で一晩インキュベートして細胞を培養プレートに付着させた。
マイクロタイタープレートのウェルにMTP培地(243μl)を加えた。被検化合物を解凍し、5mMの原液7.5μlを、243μlの培地を含むウェルに溶解させ、150μMのマスター溶液を得た。マスター溶液から希釈系列を作製した。各段階希釈の間隔の時間を可能な限り短く保った(通常1秒未満)。
プレートを細胞培養インキュベーターで一晩維持した。翌日、各ウェルに10mMのBSO溶液10μlを加え、1mMの最終BSO濃度を得た。48時間後、3枚のプレートを位相差顕微鏡下で調べて、0%対照(ウェルE1〜H1)の細胞が明らかに死んでいることを確認した。全プレート培地を捨て、プレートを逆さにし軽く叩いてペーパータオルに残りの液体を除去した。
次いで各ウェルに1.2μMのカルセインAMを含む100μlのPBSを加えた。プレートを室温で50〜70分間インキュベートした。この後、PBSを捨て、ペーパータオル上でプレートを軽く叩いて、Gemini蛍光リーダーで蛍光(励起/発光波長はそれぞれ485nmおよび525nm)を読み取った。データをMicrosoft Excel(EXCELは、表計算プログラムのためのMicrosoft Corporationの登録商標である)にインポートし、データを用いて各化合物のEC50濃度を計算した。
化合物を3回検査し、すなわち、実験を3回行い、繰り返す度に細胞の継代数が1つ増加した。
溶媒(DMSO、エタノール、PBS)は、非BSO処理細胞の生存率に不利な影響を与えず、さらに、検査対象の最高濃度(1%)でもBSO処理線維芽細胞に有利な作用も与えなかった。自動蛍光を示す化合物は、なかった。非BSO処理線維芽細胞の生存率を100%とし、この値と比較してBSOおよび化合物処理細胞の生存率を計算した。α−トコトリエノールは、約50nM未満のEC50でASDに対する保護作用を示した。
特定して引用し、本明細書に言及した刊行物、特許、特許出願および公開された特許出願の開示内容は、参照によってその全体を本明細書に援用する。

Claims (20)

  1. 広汎性発達障害(PDD)の処置を必要とする患者において、広汎性発達障害(PDD)に関連する症状を軽減するか、または、広汎性発達障害(PDD)を処置もしくは抑制する方法であって、トコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物、またはこれらの混合物を含む治療有効量または生理的有効量の組成物を投与する工程を含む、方法。
  2. 前記処置を必要とする前記患者が、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)に関連する症状を示す、請求項1に記載の方法。
  3. 前記組成物が、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールおよびこれらの混合物からなる群より選択される治療有効量の1つまたは複数の作用物質を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記組成物が、治療有効量のα−トコトリエノールを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記組成物が、酢酸トコトリエノール、コハク酸トコトリエノール、リン酸トコトリエノール、アスパラギン酸トコトリエノール、グルタミン酸トコトリエノール、パルミチン酸トコトリエノール、ニコチン酸トコトリエノール、およびポリエトキシル化トコトリエノールから選択される治療有効量の1つまたは複数の作用物質を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記組成物が、酢酸α−トコトリエノール、コハク酸α−トコトリエノール、リン酸α−トコトリエノール、アスパラギン酸α−トコトリエノール、グルタミン酸α−トコトリエノール、パルミチン酸α−トコトリエノール、ニコチン酸α−トコトリエノール、およびポリエトキシル化α−トコトリエノールから選択される治療有効量の1つまたは複数の作用物質を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記組成物が、治療有効量のトコトリエノール濃縮抽出物を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 広汎性発達障害(PDD)の処置を必要とする患者において、広汎性発達障害(PDD)に関連する症状を軽減するための医療食品または食事食品であって、トコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物、またはこれらの混合物を含む治療有効量または生理的有効量の組成物を含む、医療食品または食事食品。
  9. 前記処置を必要とする前記患者が、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)に関連する症状を示す、請求項8に記載の医療食品または食事食品。
  10. α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールおよびこれらの混合物からなる群より選択される治療有効量の1つまたは複数の作用物質を含むものである、請求項8に記載の医療食品または食事食品。
  11. 治療有効量のα−トコトリエノールを含むものである、請求項10に記載の医療食品または食事食品。
  12. 酢酸トコトリエノール、コハク酸トコトリエノール、リン酸トコトリエノール、アスパラギン酸トコトリエノール、グルタミン酸トコトリエノール、パルミチン酸トコトリエノール、ニコチン酸トコトリエノール、およびポリエトキシル化トコトリエノールから選択される治療有効量の1つまたは複数の作用物質を含むものである、請求項8に記載の医療食品または食事食品。
  13. 酢酸α−トコトリエノール、コハク酸α−トコトリエノール、リン酸α−トコトリエノール、アスパラギン酸α−トコトリエノール、グルタミン酸α−トコトリエノール、パルミチン酸α−トコトリエノール、ニコチン酸α−トコトリエノール、およびポリエトキシル化α−トコトリエノールから選択される治療有効量の1つまたは複数の作用物質を含むものである、請求項12に記載の医療食品または食事食品。
  14. 治療有効量のトコトリエノール濃縮抽出物を含むものである、請求項8に記載の医療食品または食事食品。
  15. 広汎性発達障害(PDD)の処置を必要とする患者において、広汎性発達障害(PDD)に関連する症状を軽減するための、または、広汎性発達障害(PDD)を処置もしくは抑制するためのトコトリエノール、トコトリエノールエステル、トコトリエノールエーテル、トコトリエノール濃縮抽出物、またはこれらの混合物を含む治療有効量または生理的有効量の組成物の使用。
  16. 前記処置を必要とする前記患者が、自閉症、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)に関連する症状を示す、請求項15に記載の使用。
  17. 前記組成物が、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールおよびこれらの混合物からなる群より選択される治療有効量の1つまたは複数の作用物質を含む、請求項15に記載の使用。
  18. 前記組成物が、治療有効量のα−トコトリエノールを含む、請求項17に記載の使用。
  19. 前記組成物が、酢酸α−トコトリエノール、コハク酸α−トコトリエノール、リン酸α−トコトリエノール、アスパラギン酸α−トコトリエノール、グルタミン酸α−トコトリエノール、パルミチン酸α−トコトリエノール、ニコチン酸α−トコトリエノール、およびポリエトキシル化α−トコトリエノールから選択される治療有効量の1つまたは複数の作用物質を含む、請求項15に記載の使用。
  20. 前記組成物が、治療有効量のトコトリエノール濃縮抽出物を含む、請求項15に記載の使用。
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