JP2010515736A - エリスロポイエチン活性またはトロンボポイエチン活性を有する化合物を用いる呼吸鎖障害の治療 - Google Patents

エリスロポイエチン活性またはトロンボポイエチン活性を有する化合物を用いる呼吸鎖障害の治療 Download PDF

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Abstract

本発明は、呼吸鎖障害、すなわち、ミトコンドリア呼吸鎖に含まれる成分の欠損または障害によりミトコンドリア、細胞、組織、または個体による酸素利用の低下をもたらす障害を治療する方法を包含する。エリスロポイエチン活性またはトロンボポイエチン活性を有する化合物を用いて、ミトコンドリア呼吸鎖障害を治療する方法が、開示される。治療の効果を評価するための指標が記載される。一実施形態においては、本発明は、呼吸鎖障害を有する個体に、エリスロポイエチン活性またはトロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、呼吸鎖障害を治療する方法を包含する。

Description

関連する出願への相互参照
本願は、2007年1月10日に出願された米国仮特許出願第60/879,943号の利益を主張する。米国仮特許出願第60/879,943号の全ての内容は、本明細書中に参考として援用される。
本出願は、エリスロポイエチン活性またはトロンボポイエチン活性を有する化合物を用いて、呼吸鎖タンパク質障害等のミトコンドリア呼吸鎖障害を治療する方法を開示する。
ミトコンドリアは、一般に細胞の「パワーハウス」と呼ばれる、真核細胞の細胞小器官である。分子アデノシン三リン酸(ATP)は細胞のエネルギー「通貨」またはエネルギー担体として機能し、真核細胞はミトコンドリアが担う生化学的プロセスからそのATPの大部分を得る。これらの生化学的プロセスには、酸化ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)から還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH+H)を生成するクエン酸回路(トリカルボン酸サイクルまたはKrebのサイクル)およびNADH+HがNADへ再び酸化される酸化的リン酸化が含まれる。(クエン酸回路は、フラビンアデニンジヌクレオチド、またはFADもFADHに還元し;FADHも酸化的リン酸化に関わる。)
呼吸鎖はミトコンドリア内膜に存在し、五つの多量体タンパク質複合体からなる:複合体I;(約46サブユニット)、複合体II(約4サブユニット)、複合体III(約11サブユニット)、複合体IV(約13サブユニット)、および複合体V(約16ユニット)。呼吸鎖は、二つの小さな電子担体、ユビキノン(コエンザイムQ10)およびチトクロームcも必要とする。ATP合成は、二つの協調的プロセスを伴う。最初に、電子(実際には中間代謝におけるNADHおよびFADHに由来する水素イオン)が、複合体IおよびIIからコエンザイムQから複合体IIIからチトクロームcから複合体IV、および最後には最終電子受容体、分子酸素へ水平に輸送され、これにより水が生成される。同時に、プロトンが、複合体I、II、II、およびIVによりミトコンドリア内膜を横断して「垂直に」(すなわちマトリクスから内膜スペースへ)ポンプ輸送される。これらのプロトンの、複合体Vを通じたミトコンドリアマトリクスへの再流入により、ATPが生成される(ミトコンドリアATPシンターゼ)(非特許文献1)。これらの電子が複合体を通り抜ける際に放出されるエネルギーを用いて、ミトコンドリア内膜のプロトン勾配が生成され、これにより内膜の電気化学電位が生じる。
複合体I(NADH:ユビキノンオキシドレダクターゼとも呼ばれるNADHデヒドロゲナーゼ)は、NADHから二つの電子を除去し、それらを脂溶性担体ユビキノンへ伝達する。還元生成物ユビキノールは、膜内で自由に拡散する。同時に、複合体Iは四つのプロトン(H)を膜に横断させ、プロトン勾配を生成する。複合体Iは、酸素への尚早な電子漏出が生じる主な部位の一つであり、したがってスーパーオキシドと呼ばれる有害なフリーラジカル産生の主な部位の一つである。
複合体II(コハク酸デヒドロゲナーゼ)は、プロトンポンプではない。それは、コハク酸から電子を除去し、それらを(FADを介して)キノンプールへ伝達することにより、追加的な電子をキノンプールに送る役割をする。複合体IIは、四つのタンパク質サブユニットからなる:SDHA、SDHB、SDHC、およびSDHD。他の電子供与体(例えば脂肪酸およびグリセロール3―リン酸)も、やはりプロトン勾配を生成することなく、電子をキノンプールに(FADを介して)送る。
複合体III(チトクロームbc複合体)はQHから二つの電子を除去し、それらをチトクロームcの二つの分子、膜間スペースに位置する水溶性の電子担体に伝達する。同時に、それは二つのプロトンを膜に横断させ、プロトン勾配を生成する(全部で四つのプロトン:二つのプロトンは移動され、二つのプロトンはユビキノールから放出される)。電子移動が(高い膜電位、点変異またはアンチマイシンA等の呼吸阻害剤により)阻害されると、複合体IIIは酸素に電子を漏出し、老化を含めて多数の病気の症状に寄与すると考えられる毒性の強い種、スーパーオキシドの形成を生じうる。
複合体IV(チトクロームcオキシダーゼ)はチトクロームcの四つの分子から四つの電子を除去し、それらを分子酸素(O)に伝達し、二つの水(HO)の分子を生成する。同時に、それは四つのプロトンを膜に横切らせ、プロトン勾配を生成する。
複合体I、II、III、およびIVと直接関係しない複合体V(ミトコンドリアATPシンテターゼ)は、電気化学的勾配により蓄えられたエネルギーを利用して、ADPをATPに転換する。
クエン酸回路および酸化的リン酸化の前に解糖が行われ、グルコースの分子が、グルコースの分子につき正味二つのATPの分子の生成を伴って二つのピルベートの分子に分解される。ピルベート分子は、それからミトコンドリアに入り、そこで酸化的リン酸化を介してCOおよびHOに完全に酸化される(全体のプロセスは、好気的呼吸として知られる)。二酸化炭素および水への二つのピルベート分子の完全酸化は、グルコースを二つのピルベート分子に転換することにより生成される2つのATP分子に加えて、少なくとも28〜29のATP分子を生じる。酸素がない場合にはピルベート分子はミトコンドリアに入らず、嫌気呼吸のプロセスにおいてラクテートに転換される。
したがってグルコース分子あたりの全体的な正味生成量は、およそ少なくとも30〜31ATP分子である。ATPは、細胞内の他のほぼ全ての生化学反応を直接または間接的に動かすために利用される。したがって、好気的呼吸の間に酸化的リン酸化により寄与される追加の(およそ)少なくとも28または29のATP分子は、細胞の適切な機能に重要である。酸素の不足は好気的呼吸を妨げ、ほぼ全ての好気性生物の死を最終的にもたらし;イースト等のわずかな生物だけが、好気的呼吸または嫌気的呼吸のいずれかを利用して生存することが可能である。
生物の細胞が一時的に酸欠になると、酸素が再び利用可能になるか細胞が死ぬまで、嫌気的呼吸が利用される。解糖の間に生成されるピルベートが、嫌気的呼吸の間にラクテートに転換される。酸素が筋細胞に供給され得ない激しい運動の最中の筋疲労は、乳酸の蓄積によると考えられる。酸素が再び利用可能になると、ラクテートがピルベートに再び転換されて酸化的リン酸化に利用される。
細胞のエネルギー状態に影響する遺伝子欠損は、深刻な病態につながりうる。呼吸鎖の不全に関連するそのような病気の一つは、レーベル遺伝性視神経症(LHON)である。この病気は、平均27〜34歳に生じる失明を特徴とする(World―Wide―Webアドレス.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/dispomim.cgi?id=535000)。失明は両眼同時に、または順次に(片眼が失明を発症した後まもなく、他方の眼球が失明)発症しうる。心臓異常および神経学的合併症等の、他の症状も生じうる。
呼吸鎖障害から生じるさらに別の恐ろしい症候群は、ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、および卒中(MELAS)である。この病気は、乳児、子供、または若年成人に現れうる。嘔吐および発作を伴う卒中は、最も重篤な症状の一つであり、虚血性発作で生じるような血流障害ではなく、脳の一定の領域のミトコンドリアの代謝障害が原因で細胞死および神経障害が生じるとされる。神経症状を含む他の深刻な合併症も存在することが多く、血液中の乳酸レベルの上昇が生じる。
呼吸鎖障害から生じるさらに別の恐ろしい症候群は、ミトコンドリア脳筋症と呼ばれる珍しい筋疾患群の一つ、赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)症候群である。ミトコンドリア脳筋症は、エネルギーを放出する細胞構造の部分(ミトコンドリア)から遺伝形質の異常が生じる障害である。これは、脳および筋肉の機能不全(脳筋症)を引き起こしうる。ミトコンドリアの異常ならびに「赤色ぼろ線維」(顕微鏡下で見たときの組織の異常)が常に存在する。MERRF症候群の最も特徴的な症状は、四肢または全身に影響しうる、通常は突然かつ短時間の痙攣である、ミオクローヌス発作である。運動調整能力の障害(運動失調)ならびに血液中の乳酸の異常な蓄積(乳酸アシドーシス)も罹患者に存在しうる。発話困難(構音障害)、視神経萎縮症、低身長、聴力障害、痴呆症、および非自発的眼球痙攣(眼振盪)も生じうる。
呼吸鎖障害から生じるさらに別の恐ろしい症候群は、骨髄および膵臓機能不全を伴う症状を特徴とするピアソン症候群である。それは、単一のミトコンドリアDNA欠失により引き起こされる。幼児期を生存した者は通常、カーンズ・セイヤー症候群を発症する。
呼吸鎖障害から生じるさらに別の恐ろしい症候群は、コエンザイムQ10欠損である。その症状には、脳筋症、精神障害、運動不耐性、赤色ぼろ線維、および再発性ミオグロビン尿症が含まれる。
呼吸鎖障害から生じるさらに別の恐ろしい症候群は、複合体I欠損またはNADHデヒドロゲナーゼNADH―CoQレダクターゼ欠損である。その症状は三つの主な形に分類される:(1)発育遅滞、筋肉虚弱、心疾患、先天性乳酸アシドーシスおよび呼吸不全を特徴とする致死的な小児多系統疾患;(2)運動不耐性または虚弱として現れる、幼児期または成人期に始まるミオパチー、および(3)幼児期または成人期に始まりうる、眼筋麻痺、発作、痴呆症、運動失調症、聴力障害、色素性網膜症、感覚性ニューロパチー、および制御不能運動を含む症状および兆候の様々な組み合わせからなるミトコンドリア脳筋症(MELASを含む)。
呼吸鎖障害から生じるさらに別の症候群は、複合体II欠損またはコハク酸デヒドロゲナーゼ欠損である。その症状には、脳筋症、および成長障害、発育遅延、低血圧症、無気力、呼吸不全、運動失調、ミオクローヌスおよび乳酸アシドーシスを含む様々な症状が含まれる。
呼吸鎖障害から生じるさらに別の恐ろしい症候群は、複合体III欠損またはユビキノン―チトクロームcオキシドレダクターゼ欠損である。その症状は四つの主な形に分類される:(1)致死的な乳児の脳筋症、先天性乳酸アシドーシス、低血圧、ジストロフィー姿勢、発作、および昏睡;(2)後発的(幼児期〜成人期)脳筋症:虚弱、低身長、運動失調、痴呆、聴力障害、感覚性ニューロパチー、色素性網膜症、および錐体路兆候の様々な組み合わせ。(3)ミオパチー、および虚弱の固定に進行する運動不耐性;および(4)乳児の組織球様心筋症。
呼吸鎖障害から生じるさらに別の症候群は、呼吸鎖の複合体IVの欠損により引き起こされる複合体IV欠損またはチトクロームcオキシダーゼ欠損である。その症状は二つの主な形に分類されうる:(1)通常は生後最初の6〜12ヶ月に正常な発達が見られ、その後発育退行、運動失調、乳酸アシドーシス、視神経萎縮症、眼筋麻痺、眼振盪、ジストニア、錐体路兆候、呼吸系疾患および頻繁な発作が生じる、脳筋症;および(2)ミオパチー。ミオパチーは、二つの主なタイプを有する:(a)低血圧、虚弱、乳酸アシドーシス、赤色ぼろ線維、呼吸不全および腎障害を伴って生後間もなく開始しうる、致死的な乳児ミオパチー:および(b)低血圧、虚弱、乳酸アシドーシス、赤色ぼろ線維、呼吸系疾患を伴って生後間もなく開始しうるが、その後(子供が生存した場合には)自発的改善が生じうる良性の乳児ミオパチー。
呼吸鎖障害から生じるさらに別の症候群は、緩除に進行するミオパチー等の症状を含む、複合体V欠損またはATPシンターゼ欠損である。
呼吸鎖障害から生じるさらに別の症候群は、視覚性ミオパチー、色素性網膜炎、または中枢神経系の機能不全等の症状を含む、CPEOまたは慢性進行性外眼筋麻痺症候群である。
呼吸鎖タンパク質に関わる別の病気は、カーンズ・セイヤー症候群(KSS)である。KSSは、以下を含む三つの特徴をもつ:(1)典型的に年齢20歳以下の人に発病;(2)慢性的な進行性の外眼筋麻痺;および(3)網膜色素変性症。さらにKSSは、心伝導系障害、小脳性運動失調、および脳脊髄液(CSF)タンパク質レベルの上昇(例えば>100mg/dL)を含みうる。KSSに関連する他の特徴には、ミオパチー、ジストニア、内分泌異常(例えば糖尿病、成長遅延または低身長、および副甲状腺機能低下症)、両側性感音難聴、痴呆、白内障、および近位尿細管性アシドーシスが含まれうる。したがって、KSSは多くの器官系統に影響しうる。
フリードライヒ失調症(FRDAまたはFA)は、タンパク質フラタキシンのレベルの低下により引き起こされる常染色体劣性の神経変性および心臓変性疾患である。ミトコンドリアにおけるフラタキシンの役割についてのいくつかの仮説がある:フラタキシンは、ミトコンドリア呼吸鎖複合体における鉄―硫黄クラスタの形成に重要であると考えられ;鉄の輸送に関与し得;鉄の蓄積に関与し得;酸化的リン酸化を刺激し得;抗酸化機能を有しうる(非特許文献2を参照)。しかし、フラタキシン自体は、ミトコンドリアI―V複合体のいずれにも組み込まれないようである。米国におけるFRDAの有病率の推定値は、22,000〜29,000人に1人(World―Wide―Webアドレス.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/001411.htmを参照) から50,000人に1人(World―Wide―Webアドレス.umc―cares.org/health_info/ADAM/Articles/001411.asp)の範囲である。病気により、随意運動協調性の進行性喪失(運動失調)および心臓合併症が生じる。症状は典型的に幼児期において始まり、患者が成長するにしたがい病気は次第に悪化する;患者は最終的には運動障害により車椅子になる。エリスロポイエチンが、FRDAの治療に提唱されている;特許文献1および非特許文献3を参照。MitoQが、FRDAの治療に提唱されている(特許文献2を参照)。化合物イデベノンも、FRDAの治療に提唱されている。イデベノンの臨床効果は比較的小さいが、ミトコンドリア病の合併症は非常に深刻でありうるため、有用性が少ない療法でも未治療の経過よりは好ましい。
リー病は、中枢神経系の変性を特徴とする珍しい遺伝性神経代謝性疾患である。リー病は、ミトコンドリアDNAの変異、またはピルベートデヒドロゲナーゼの欠損により引き起こされうる。リー病の症状は通常、生後3ヶ月〜2歳の間に開始し、急速に進行する。ほとんどの子供においては、最初の兆候は、吸引能力の弱さ、首のすわりおよび運動能力の喪失である。これらの症状は、食欲不振、嘔吐、過敏性、持続的な泣き、および発作を伴いうる。障害が進行すると、症状には全身性虚弱、筋張力の欠如、および乳酸アシドーシスの症状発現も含まれ、呼吸および腎臓機能の損傷につながりうる。心臓疾患も生じうる。珍しいケースでは、リー病は、思春期後期または成人期初期に始まり、より緩除に進行しうる。
これらの病気を患う患者が利用可能な治療は、極めて少ない。コエンザイムQ10(CoQ10)およびビタミン剤の投与は、個々のケースで一時的な効果しか示していない。したがって、呼吸鎖障害に関わる病気の有効な治療に対する、いまだ満たされていない深刻なニーズがある。
国際公開第2006/050819号パンフレット 米国特許出願公開第2005/0043553号明細書
Di Mauro,S.,Mitochondrial Medicine,7―9(2006) Sturm等、J.Biol.Chem.280:6701(2005) Sturm等、Eur.J.Clin.Invest.35:711(2005)
本発明は、呼吸鎖障害、すなわち、ミトコンドリア呼吸鎖に含まれる成分の欠損または障害によりミトコンドリア、細胞、組織、または個体による酸素利用の低下をもたらす障害を治療する方法を包含する。
一実施形態においては、本発明は、呼吸鎖タンパク質障害、すなわち、ミトコンドリア呼吸鎖に含まれるタンパク質の欠損または障害によりミトコンドリア、細胞、組織、または個体による酸素利用の低下をもたらす異常を治療する方法を包含する。
一実施形態においては、本発明は、呼吸鎖障害を有する個体に、エリスロポイエチン(EPO)活性またはトロンボポイエチン(TPO)活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、呼吸鎖障害を治療する方法を包含する。別の実施形態においては、呼吸鎖障害は、呼吸鎖タンパク質障害である。一実施形態においては、組成物は、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む。一実施形態においては、組成物は、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む。EPO活性を有する一つ以上の分子を含む組成物は、EPOまたはそのバイオシミラー、変異体、または突然変異体;EPOのタンパク質またはペプチドミメティック;またはEPOの小分子ミメティックでありうる。TPO活性を有する一つ以上の分子を含む組成物は、TPOまたはそのバイオシミラー、変異体、または突然変異体;TPOのタンパク質またはペプチドミメティック;またはTPOの小分子ミメティックでありうる。一実施形態においては、EPO活性を有する一つ以上の分子を含む組成物が、投与される。別の実施形態においては、TPO活性を有する一つ以上の分子を含む組成物が、投与される。別の実施形態においては、EPO活性を有する一つ以上の分子およびTPO活性を有する一つ以上の分子の両方を含む組成物が、投与される。
別の実施形態においては、本発明は、ミトコンドリア病がフリードライヒ失調症またはリー症候群でないという条件で、ミトコンドリア病を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、ミトコンドリア病を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含し、ミトコンドリア病が、呼吸鎖の正常な機能に影響する呼吸鎖タンパク質の欠損および異常より選択される。
さらなる実施形態においては、本発明は、レーバー遺伝性視神経萎縮症(LHON);ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、および卒中(MELAS);カーンズ・セイヤー症候群(KSS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);ピアソン症候群;コエンザイムQ10欠損;複合体I欠損;複合体II欠損;複合体III欠損;複合体IV欠損;複合体V欠損;ロイコジストロフィー;傍神経節腫;褐色細胞腫;GRACILE症候群;およびミトコンドリアDNAの突然変異から生じるII型糖尿病より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、レーバー遺伝性視神経萎縮症(LHON)を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、および卒中(MELAS);および赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、カーンズ・セイヤー症候群(KSS)および慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、複合体I欠損;複合体II欠損;複合体III欠損;複合体IV欠損;および複合体V欠損より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、コエンザイムQ10欠損より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、ミトコンドリア病を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。さらなる実施形態においては、ミトコンドリア病は、フリードライヒ失調症またはリー症候群ではない。
さらなる実施形態においては、本発明は、ミトコンドリア病を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法であり、ミトコンドリア病が、呼吸鎖の正常な機能に影響する呼吸鎖タンパク質の欠損および異常より選択される、方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、レーバー遺伝性視神経萎縮症(LHON);ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、および卒中(MELAS);カーンズ・セイヤー症候群(KSS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);ピアソン症候群;コエンザイムQ10欠損;複合体I欠損;複合体II欠損;複合体III欠損;複合体IV欠損;複合体V欠損;ロイコジストロフィー;傍神経節腫;褐色細胞腫;GRACILE症候群;およびミトコンドリアDNAの突然変異から生るII型糖尿病より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、レーバー遺伝性視神経萎縮症(LHON)を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、および卒中(MELAS);および赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、カーンズ・セイヤー症候群(KSS)および慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、複合体I欠損、複合体II欠損、複合体IV欠損、および複合体V欠損より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
さらなる実施形態においては、本発明は、コエンザイムQ10欠損より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップを含む、ミトコンドリア病を治療する方法を包含する。
前述の方法のいずれにおいても、治療効果のある量は、ピルビン酸(ピルベート)レベル、ラクテート/ピルベート比率、ATPレベル、無気的閾値、還元コエンザイムQ(CoQred)レベル、酸化コエンザイムQ(CoQox)レベル、全コエンザイムQ(CoQtot)レベル、酸化チトクロームcレベル、還元チトクロームcレベル、チトクロームc酸化/チトクロームc還元比率、アセトアセテートレベル、β―ヒドロキシブチレートレベル、アセトアセテート/β―ヒドロキシブチレート比率、8―ヒドロキシ―2’―デオキシグアノシン(8―OHdG)レベル、および活性酸素種のレベル、または運動耐容性等の一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルを、対象における平均の少なくとも二標準偏差内に、より好ましくは、対象における平均の少なくとも一標準偏差内に、ノルマルの少なくとも約二分の一標準偏差内に、または平均の少なくとも四分の一標準偏差内に改善するために十分な量でありうる。改善のためにエネルギーバイオマーカのレベルの増加が要求される場合には、レベルまたは一つ以上のエネルギーバイオマーカが、上述のように増加される;改善のためにエネルギーバイオマーカのレベルの減少が要求される場合には、一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルが上述のように減少される。前述の方法のいずれかの別の実施形態においては、一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルの増加が望ましい場合には、治療効果のある量は、一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルを、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約10%上に、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約20%上に、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約30%上に、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約40%上に、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約50%上に、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約75%上に、または治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約100%上に増加させるために十分な量でありうる。前述の方法のいずれかの別の実施形態においては、一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルの減少が望ましい場合には、一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルが、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約10%下に、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約20%下に、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約30%下に、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約40%下に、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約50%下に、治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約75%下に、または治療前の対象の各一つ以上エネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約90%下に減少されうる。
「呼吸鎖障害」とは、ミトコンドリア呼吸鎖に含まれる成分の欠損または障害により、ミトコンドリア、細胞、組織、または個体による酸素利用の低下をもたらす障害を意味する。「呼吸鎖」とは、ミトコンドリア複合体I、II、III、IV、および/またはVを含む成分(タンパク質、テトラピロール、およびチトクロームを含むがこれに限れない)を意味し;「呼吸鎖タンパク質」は、それらの複合体のタンパク質成分をいう。「呼吸鎖タンパク質障害」とは、ミトコンドリア呼吸鎖に含まれるタンパク質の欠損または障害により、ミトコンドリア、細胞、組織、または個体による酸素利用の低下をもたらす障害を意味する。呼吸鎖タンパク質障害は、呼吸鎖障害のサブセットである。したがって、血液中の酸素を運ぶ細胞の欠如により酸素利用を減少させる貧血等の障害は、「ミトコンドリア鎖障害」という語に包含されない。同様に、フラタキシン(ミトコンドリア呼吸鎖複合体における鉄―硫黄クラスタの形成に重要なタンパク質であるが、タンパク質が呼吸鎖自体の部分を形成しない)の欠損から生じると思われるフリードライヒ失調症等の病気は、病気がミトコンドリア呼吸鎖に含まれるタンパク質の欠損または障害から生じないため、呼吸鎖タンパク質障害とは考えられない。
「治療効果のある」とは、個体における酸素利用の測定可能な増加を提供するために十分な量;および/または、病気もしくは病気の一つ以上の症状を減少または除去するため、または、病気もしくは病気の一つ以上の症状の進行を遅延させるため、または、病気もしくは病気の一つ以上の症状の重症度を減少するため、または、病気の臨床症状を抑制するため、または、病気の有害な症状の出現を抑制するために、十分な分量を意味する。治療効果のある量は、一回以上の投与において与えられうる。
「エリスロポイエチン活性」を有する組成物(または分子等)とは、エリスロポイエチン(EPO)の生物活性の全てを有するか、骨髄細胞による網状赤血球および/または赤血球細胞の産生増加をもたらすEPOのin vivoまたはin vitro活性等、EPOの生物活性の少なくとも一つを有する、任意の組成物(または分子等)を意味する。したがって、骨髄細胞による網状赤血球および/または赤血球細胞の産生増加をもたらすin vivoまたはin vitro活性を欠くが、EPOの他の生物活性を保持する分子も、EPO活性を有する組成物または分子に包含される。組成物(または分子等)は、EPO自体と比較して濃度ベースで、一つ以上のEPO活性の少なくとも約0.1%、または一つ以上のEPO活性の少なくとも約1%、または一つ以上のEPO活性の少なくとも約10%、または一つ以上のEPO活性の少なくとも約20%を有しなければならない。
「トロンボポイエチン活性」を有する組成物(または分子等)とは、トロンボポイエチン(TPO)の生物活性の全てを有するか、骨髄細胞による巨核球および/または血小板の産生増加をもたらすTPOのin vivoまたはin vitro活性等、TPOの生物活性の少なくとも一つを有する、任意の組成物(または分子等)を意味する。したがって、骨髄細胞による巨核球および/または血小板の産生増加をもたらすin vivoまたはin vitro活性を欠くが、TPOの他の生物活性を保持する分子も、TPO活性を有する組成物または分子に包含される。組成物(または分子等)は、TPO自体と比較して濃度ベースで、一つ以上のTPO活性の少なくとも約0.1%、または一つ以上のTPO活性の少なくとも約1%、または一つ以上のTPO活性の少なくとも約10%、または一つ以上のTPO活性の少なくとも約20%を有しなければならない。
エリスロポイエチン(EPO)およびトロンボポイエチン(TPO)は、いくつかの重病の治療におけるその有用性により、有意義な研究活動の焦点となっている。EPOは現在、透析を受けている慢性腎不全患者の貧血の治療のために、米国で承認されている(組換えヒトエリスロポエチンが、カリフォルニア州サウザンドオークス、Amgen,Inc.,の登録商標、商標名Epogen(登録商標)の下で販売される)。EPOは、他の様々な障害の治療にも有用であると考えられている;例えば、免疫反応の増強および一定のリンパ増殖性障害の治療のためのEPOの使用を目的とした国際公開第2006/006165号;エリスロポイエチンの投与による、心筋梗塞等による心筋虚血症の治療または予防処置を目的とした米国特許出願公開第2006/0094648号;または高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、および糖尿病等の様々な障害の治療のためのEPOの使用を目的とした米国特許出願公開第2005/0272634号を参照。
トロンボポイエチン(TPO)は、約332残基の糖タンパク質である(Gurney等、Blood 85:981(1995);cDNAは、353残基のポリペプチドをコードし、N―末端21残基がシグナルペプチドを含み、残りの332残基が成熟ポリペプチドを含む)。トロンボポイエチンは、Mpl―リガンドまたは巨核球成長分化因子(MGDF)としても知られる。エリスロポイエチンに対して21%の配列同一性および46%の相同性を示し、生物活性を保持する、レセプター結合ドメインからのTPOの155アミノ末端残基。残りの177残基は、公知のタンパク質に対する相同性を一切示さない(Kaushansky,NewEngland J.Med.339:746(1998))。
エリスロポイエチン(EPO)活性を有する分子には、ヒトエリスロポエチンの生物活性の少なくとも一つを有するポリペプチドおよびタンパク質が含まれる。エリスロポイエチン活性を有する分子には、同の生物活性に関わらず、cDNAまたはゲノムDNAから生成される組換え、合成、トランスジェニックおよび遺伝子活性法を含むがこれに限られないその合成または製造方法にも関わらず、エリスロポイエチン自体、組換え型ヒトエリスロポエチン、エリスロポイエチンアナログ、エリスロポイエチン後発生物製剤、エリスロポイエチンバイオシミラー、エリスロポイエチンアイソフォーム、エリスロポイエチンミメティクス、エリスロポイエチンフラグメント、ハイブリッドエリスロポイエチンタンパク質、前述の任意の分子の変異体、共有結合置換を伴うエリスロポイエチン、変異グリコシル化パターンを伴う前述の任意の分子が含まれるがこれに限られない。エリスロポイエチンの市販の製剤の例には、PROCRIT(登録商標)(エポエチンアルファ)、RETACRIT(商標)(エポエチンゼータ)、EPREX(登録商標)、およびERYPRO(登録商標)が含まれる。EPO活性を有する他の分子は、欧州特許第640619号、国際公開第05/051327号;第99/66054号、第99/38890号、米国特許第5,688,679号、国際公開第99/11781号、欧州特許第1064951号、国際公開第98/05363号、米国特許第5,643,575号、国際公開第99/05268号、第95/05465号、第94/12650号;および第91/05867;に開示され、各特許公報に説明されるそれらの分子の使用の開示が、参照により本明細書に組み込まれる。内因性ヒトエリスロポエチンの発現のために修飾された細胞系統の具体例が、国際公開第99/05268号および第94/12650号に記載される。
エリスロポイエチン―ミメティクスは、EPOレセプターに対する結合においてEPOとして機能しうる分子であり、ミメティクスは、天然のEPOに対する明白な構造的類似性をほとんどまたは全く有し得ない。EPOミメティクスは、当業者に周知である。二種類のEPO―ミメティクスが説明されている:ペプチドおよび非ペプチド。エリスロポイエチンミメティクスの具体例は、米国特許第5,767,078号および第5,773,569号に記載される。
EPOの持効性の形も予定され、本発明のいくつかの実施形態において投与セグメントにおける第二または第三の曝露として投与するために好まれうる。本明細書で使用されるところの、「持効性のEPO」は、免疫原性および/またはクリアランス速度の減少等の修飾により典型的に達成される循環半減期の増加を伴う、EPOの徐放性組成物および製剤、およびポリマーミクロスフィアに封入されたEPOを含む。「持効性のEPO」の例には、国際公開第2002049673号(Burg等)に開示されるポリエチレングリコール(PEG)とのエリスロポイエチンの結合体、国際公開第02/32957号(Nakamura等)に開示されるPEG―修飾EPO、国際公開第94/28024号(Chyi等)に開示される、エリスロポイエチン活性を有し、非抗原性のポリマーに共有結合された少なくとも一つの酸化された炭化水素部分を有する糖タンパク質の結合体、およびSCM―PEG、SPA―PEGおよびSBA―PEGを用いて調製される他のPEG―EPOが含まれるがこれに限られない。
「変異体」とは、その結合特性を保持する修飾ペプチドであり、修飾が、一つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸と置換される保存的置換;結合特性または二次構造に対する影響が最小限のアミノ酸の欠失または添加;リンカーの結合;および、例えば官能基の添加等の翻訳後修飾を含むがこれに限られない、修飾ペプチドを意味する。保存的アミノ酸置換は、類似の電荷密度、親水性/疎水性、サイズ、および/または形態の代替アミノ酸により置換されるアミノ酸である(例えばIleとVal)。保存的置換のそのような説明の一つは、BLOSUM62置換マトリクスにより定義され(HenikoffおよびHenikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915―10919(1992))、正の値は保存的置換を示すが;保存的置換は、その刊行物に記載される正の値の置換に限られない。このような修飾を行う手段は、公知技術である。
「バイオシミラー」とは、既存の生物工学的産物のコピーを意味する。バイオシミラーは、起案者の分子クローンおよび元のセルバンクにアクセスせずに、異なる発酵および精製プロセスで製造される。バイオシミラーは既存の承認された産物と同一ではないが、それらはそのような承認された産物に対する「比較可能性」を示している。バイオシミラーは、「後続生物製剤」と呼ばれることもある。「エリスロポイエチンバイオシミラー」とは、既存のエリスロポイエチン産物のコピーを意味する。「トロンボポイエチンバイオシミラー」とは、既存のトロンボポイエチン産物のコピーを意味する。
トロンボポイエチン(TPO)活性を有する分子には、ヒトトロンボポイエチンの生物活性の少なくとも一つを有するポリペプチドおよびタンパク質が含まれる。トロンボポイエチン活性を有する分子には、同の生物活性に関わらず、cDNAまたはゲノムDNAから生成される組換え、合成、トランスジェニックおよび遺伝子活性法を含むがこれに限られないその製造の方法または合成にも関わらず、トロンボポイエチン自体、組換え型ヒトトロンボポイエチン、トロンボポイエチンアナログ、トロンボポイエチン後発生物製剤、トロンボポイエチンバイオシミラー、トロンボポイエチンアイソフォーム、トロンボポイエチンミメティクス、トロンボポイエチンフラグメント、ハイブリッドトロンボポイエチンタンパク質、前述の任意の分子の突然変異体、共有結合置換を伴うトロンボポイエチンおよび様々なグリコシル化パターンを有する前述の任意の分子が含まれるがこれに限られない。
EPOまたはTPO活性を有する組成物の投与により治療できる呼吸鎖障害には、レーバー遺伝性視神経萎縮症(LHON);ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、および卒中(MELAS);カーンズ・セイヤー症候群(KSS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);ピアソン症候群;コエンザイムQ10欠損;複合体I欠損;複合体II欠損;複合体III欠損;複合体IV欠損;複合体V欠損;ロイコジストロフィー;傍神経節腫;褐色細胞腫;GRACILE症候群;ミトコンドリアDNAの突然変異から生じるII型糖尿病;および、呼吸鎖タンパク質の欠損または障害が呼吸鎖の正常な機能に影響する任意の他の病気が含まれる。
エリスロポイエチンおよびEPO活性を伴う分子の製剤および投与
市販のPROCRIT(登録商標)(エポエチンアルファ)、RETACRIT(商標)(エポエチンゼータ)、EPREX(登録商標)、およびERYPRO(登録商標)等、多数のエリスロポイエチンの製剤が従来技術で公知である。他の様々な製剤も利用可能であり;例えば米国特許第4,806,524号;第4,992,419号;第5,376,632号;第5,661,125号;第6,120,761号;および第7,129,267号を参照。前述の文書において説明されるように、エリスロポイエチンの投与も従来技術で公知である。EPOおよびEPO活性を有する分子は、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脳内、脳室内、側脳室内、クモ膜下、大槽内、髄腔内および脊髄周辺投与を含むがこれに限らない非経口投与を介して対象に投与されうる。EPOは、ポンプデバイスを介して、持続性または半持続性に送達されてもよい。EPOは、免疫原性および/またはクリアランス速度の減少等の修飾により典型的に達成される循環半減期の増加を伴うEPOの徐放性組成物および製剤を含む「持効性EPO」、およびポリマーミクロスフィアに封入されたEPOとしても送達されうる。投与の経路は、公知の原理にしたがって医療専門家により選択されうる。EPO活性を伴う分子が投与されるときには、製剤、投与量、および投与経路も公知の原理にしたがって医療専門家により選択され;治療の効力をモニタするために、本明細書に記載のエネルギーバイオマーカが用いられうる。
トロンボポイエチンおよびTPO活性を伴う分子の製剤および投与
米国特許第6,790,439号;第5,744,587号;第5,879,673号;および第5,986,049号に開示されるもの等、トロンボポイエチンの多数の生産、製剤の方法および投与方法が公知技術である。TPOおよびTPO活性を有する分子は、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脳内、脳室内、側脳室内、クモ膜下、大槽内、髄腔内および、脊髄周辺投与を含むがこれに限られない非経口投与を介して対象に投与されうる。TPOは、ポンプデバイスを介して持続的または半持続的に送達されてもよい。投与の経路は、公知の原理にしたがって医療専門家により選択されうる。TPO活性を有する分子が投与されるときには、製剤、投与量および投与経路も、公知の原理にしたがって医療専門家により選択され;本明細書に説明されるエネルギーバイオマーカが、治療の効力をモニタするために用いられうる。
呼吸鎖障害および治療効果の臨床的評価
いくつかの容易に測定可能な臨床的マーカが、呼吸鎖障害の患者の代謝状態を評価するために用いられる。これらのマーカは、マーカのレベルが病的値から健常値へ移行することから、所与の療法の効果の指標としても使用されうる。これらの臨床的マーカには、全血液、血漿、脳脊髄液または脳室液のいずれかにおける乳酸(ラクテート)レベル;全血液、血漿、脳脊髄液または脳室液のいずれかにおけるピルビン酸(ピルベート)レベル;全血液、血漿、脳脊髄液または脳室液のいずれかにおけるラクテート/ピルベート比率;クレアチンリン酸レベル、NADH(NADH+H)またはNADPH(NADPH+H)レベル;NADまたはNADPレベル;ATPレベル;無気的閾値;還元コエンザイムQ(CoQred)レベル;酸化コエンザイムQ(CoQox)レベル;全コエンザイムQ(CoQtot)レベル;酸化チトクロームcレベル;還元チトクロームcレベル;酸化チトクロームc/還元チトクロームc比率;アセトアセテートレベル、β―ヒドロキシブチレートレベル、アセトアセテート/β―ヒドロキシブチレート比率、8―ヒドロキシ―2’―デオキシグアノシン(8―OHdG)レベル;活性酸素種のレベル;および酸素消費(VO2)レベル、二酸化炭素放出(VCO2)レベル、および呼吸商(VCO2/VO2)等の一つ以上のエネルギーバイオマーカが含まれるがこれに限られない。これらの臨床的マーカのいくつかは、運動生理学研究所においてルーチン的に測定され、対象の代謝状態の便利な評価を提供する。本発明の一実施形態においては、LHON、MELAS、MERFF、コエンザイムQ10欠損、複合体I欠損、複合体II欠損、複合体III欠損、複合体IV欠損、複合体V欠損、またはKSS等の呼吸鎖障害を患う患者の一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルが、健康者の平均レベルの二標準偏差内に改善される。本発明の別の実施形態においては、LHON、MELAS、MERFF、コエンザイムQ10欠損、複合体I欠損、複合体II欠損、複合体III欠損、複合体IV欠損、複合体V欠損、またはKSS等の呼吸鎖障害を患う患者のこれらの一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルが、健康者の平均レベルの一標準偏差内に改善される。運動不耐性も、所与の療法の効果の指標として使用でき、運動耐容性の改善(すなわち、運動不耐性の減少)が所与の療法の効果を示す。
すでにいくつかの代謝バイオマーカが、CoQ10の効果を評価するために使用されており、これらの代謝バイオマーカは、本発明の方法に使用するエネルギーバイオマーカとしてモニタされうる。グルコースの嫌気的代謝の産物であるピルベートが、嫌気的場面における乳酸への還元により、または機能的ミトコンドリア呼吸鎖に依存する酸化的代謝により除去される。呼吸鎖の機能不全は、循環からのラクテートおよびピルベートの不適切な除去をもたらし、ミトコンドリア細胞症において高いラクテート/ピルベート比率が観察される(Scriver,C.R.,The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease,7th ed.,New York:McGraw―Hill,Health Professions Division,1995;およびMunnich等,J.Inherit.Metab.Dis.15(4):448―55(1992)を参照)。したがって、血液のラクテート/ピルベート比率(Chariot等、Arch.Pathol.Lab.Med.118(7):695―7(1994))は、ミトコンドリア細胞症(Scriver C.R.,The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease,7th ed.,New York:McGraw―Hill,Health Professions Division,1995;およびMunnich等,J.Inherit.Metab.Dis.15(4):448―55(1992)を参照)および中毒性ミトコンドリアミオパチー(Chariot等、Arthritis Rheum.37(4):583―6(1994))の検出のための非侵襲的テストとして広く使用される。肝ミトコンドリアのレドックス状態の変化は、動脈のケトン体比(アセトアセテート/3―ヒドロキシブチレート:AKBR)を測定することにより調査されうる(Ueda等、J.Cardiol.29(2):95―102(1997))。8―ヒドロキシ―2’―デオキシグアノシン(8―OHdG)の尿排泄が、臨床および研究において、ROS誘発性DNA損傷の修復の程度を評価するバイオマーカとして、多くの場合に使用されている(Erhola等、FEBS Lett.409(2):287―91(1997);Honda等、Leuk.Res.24(6):461―8(2000);Pilger等、Free Radic.Res.35(3):273―80(2001);Kim等、Environ Health Perspect 112(6):666―71(2004))。
磁気共鳴分光(MRS)は、プロトンMRS(1H―MRS)を用いて脳脊髄液(CSF)および脳白質ラクテートの上昇を示すことにより、ミトコンドリア細胞症の診断において有用となっている(Kaufmann等、Neurology 62(8):1297―302(2004))。リンMRS(31P―MRS)は、低いレベルの皮質クレアチンリン酸(PCr)(Matthews等、Ann.Neurol.29(4):435―8(1991))および骨格筋の運動後のPCr回復キネティクスの遅れ(Matthews等、Ann.Neurol.29(4):435―8(1991);Barbiroli等、J.Neurol.242(7):472―7(1995);Fabrizi等、J.Neurol.Sci.137(l):20―7(1996))を示すために用いられている。直接的な生化学的測定によっても、ミトコンドリア細胞症の患者において、低い骨格筋PCrが確認されている。
運動負荷試験は、ミトコンドリアミオパチーにおける評価およびスクリーニングのツールとして特に有用である。ミトコンドリアミオパチーの特質の一つは、全身酸素消費量の最大値(VO2max)の減少である(Taivassalo等、Brain 126(Pt2):413―23(2003))。VO2maxが心臓血液拍出量(Qc)および末梢酸素摂取(動脈―静脈全酸素含量)差により決定されることを前提に、いくつかのミトコンドリア細胞症は、送達が変更されうる場合に心機能に影響する;しかし、ほとんどのミトコンドリアミオパチーでは、末梢酸素摂取(A―VO2差)の特徴的欠損および酸素送達の増強(過動循環)がみられる(Taivassalo等、Brain 126(Pt2):413―23(2003))。これは、直接的AVバランス測定による運動による静脈血の酸素の減少の欠如(Taivassalo等、Ann.Neurol.51(l):38―44(2002))および、非侵襲的に近赤外分光法(Lynch等、Muscle Nerve 25(5):664―73(2002);van Beekvelt等、Ann.Neurol.46(4):667―70(1999))により示されうる。
これらのエネルギーバイオマーカのいくつかが、以下にさらに詳述される。本明細書において一定のエネルギーバイオマーカが論議され、数え挙げられるが、本発明はこれらの数え挙げられたエネルギーバイオマーカの調節、標準化または改良だけに限られないことが強調されなければならない。
乳酸(ラクテート)レベル:ミトコンドリア機能不全は通常、ピルベートレベルが増加し、解糖の能力を維持するためにピルベートがラクテートに転換されるため、乳酸の不正常なレベルをもたらす。ミトコンドリア機能不全は、還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドが呼吸鎖により効率的に処理されないため、NADH+H、NADPH+H、NAD、またはNADPの不正常なレベルももたらしうる。ラクテートレベルは、全血液、血漿、または脳脊髄液等の適切な体液をサンプリングすることにより測定されうる。磁気共鳴を用いて、脳等、事実上望ましい任意の身体の体積においてラクテートレベルが測定されうる。
MELAS患者における磁気共鳴を用いた脳乳酸アシドーシスの測定が、Kaufmann等、Neurology 62(8):1297(2004)に記載される。脳の側脳室の乳酸レベルの値が、MELAS、A3243GおよびA8344Gを生じる二つの突然変異について提示される。全血液、血漿、および脳脊髄液のラクテートレベルが、YSI 2300 STAT Plus Glucose & Lactate Analyzer(YSI Life Sciences、オハイオ州)等の市販の装置により測定されうる。
NAD、NADP、NADHおよびNADPHレベル:NAD、NADP、NADH(NADH+H)またはNADPH(NADPH+H)の測定は、様々な蛍光、酵素、または電気化学的技術、例えば米国特許出願第2005/0067303号に記載される電気化学的アッセイにより測定できる。
酸素消費(vOまたはVO2)、二酸化炭素放出量(vCOまたはVCO2)、および呼吸商(VCO2/VO2):vOは通常、静止中(静止vO)または最大運動強度(vOmax)で測定される。最適には、両方の値が測定される。しかし重度の障害の患者では、vOmaxの測定は非実用的でありうる。様々な供給業者、例えばKorr Medical Technologies,Inc.(ユタ州ソルトレークシティ)からの標準的な装置を使用して、両方の形のvOの測定が容易に達成される。VCO2も容易に測定でき、同じ条件下(静止中または最大の運動強度でのVCO2/VO2)のVO2に対するVCO2の比率が呼吸商(RQ)を提供する。
酸化チトクロームc、還元チトクロームc、および還元チトクロームcに対する酸化チトクロームcの比率:酸化チトクロームcレベル(Cyt Cox)、還元チトクロームレベル(Cyt Cred)、および酸化チトクロームc/還元チトクロームc比率(Cyt Cox)/(Cyt Cred)等のチトクロームcパラメータは、in vivo近赤外分光法により測定できる。例えば、Rolfe,P.,“In vivo near―infrared spectroscopy,”Ann.Rev.Biomed.Eng.2:715―54(2000)およびStrangman等、“Non―invasive neuroimaging using near―infrared light”Biol.Psychiatry 52:679―93(2002)を参照。
運動耐容性/運動不耐性:運動不耐性は、「呼吸困難または疲労の症状により、大きな骨格筋のダイナミックな動きを伴う活動を行う能力の減少」として定義される(Pina等、Circulation 107:1210(2003))。運動不耐性は、筋組織の破壊およびその後の筋肉ミオグロビンの尿排泄のため、ミオグロビン尿症を伴うことが多い。トレッドミル上での歩行または走行により消耗の前に費やされる時間、運動用自転車(静止自転車)において消耗の前に費やされる時間等、様々な運動不耐性の測定が使用されうる。本発明の化合物または方法による治療により、運動耐容性の約10%以上の改善(例えば、消耗までの時間の約10%以上の増加、例えば10分から11分へ)、運動耐容性の約20%以上の改善、運動耐容性の約30%以上の改善、運動耐容性の約40%以上の改善、運動耐容性の約50%以上の改善、運動耐容性の約75%以上の改善、または運動耐容性の約100%以上の改善がもたらされうる。運動耐容性は、厳密にはエネルギーバイオマーカでないが、本発明の目的においては、治療効果を評価するために使用できる。
同様に、ピルビン酸(ピルベート)レベル、ラクテート/ピルベート比率、ATPレベル、無気的閾値、還元コエンザイムQ(CoQred)レベル、酸化コエンザイムQ(CoQox)レベル、全コエンザイムQ(CoQtot)レベル、酸化チトクロームcレベル、酸化チトクロームcレベル、酸化チトクロームc/還元チトクロームc比率、アセトアセテートレベル、β―ヒドロキシブチレートレベル、アセトアセテート/β―ヒドロキシブチレート比率、8―ヒドロキシ―2’―デオキシグアノシン(8―OHdG)レベル、および活性酸素種のレベルの、正常および異常値のテストが従来技術において周知であり、治療的介入の効果を評価するために使用できる。
以下の表1は、様々な機能不全が、生化学およびエネルギーバイオマーカに有しうる影響を示す。他所で数え挙げられるエネルギーバイオマーカに加えて、表に列挙されるエネルギーバイオマーカの任意のものも、治療効果を追跡するためにモニタされうることに留意されたい。RQ=呼吸商;BMR=基礎代謝率;HR(CO)=心拍数(心拍出量);T=体温(中核体温として測定されるのが好ましい);AT=無気的閾値;pH=血液pH(静脈および/または動脈)。
Figure 2010515736
本発明の方法による、呼吸鎖障害を患う対象の治療により、対象の症状の減少または軽減の誘発による、例えば障害のさらなる進行の停止がもたらされうる。
呼吸鎖障害の一部または完全な抑制は、対象が本来なら経験するはずの一つ以上の症状の重症度の低減をもたらしうる。例えば、MELASの一部抑制により、卒中様または発作の症状を患う回数が減少しうる。
本明細書に説明されるエネルギーバイオマーカの任意の組み合わせいずれも、治療または抑制療法の有効性を測定するための、便利に測定可能なベンチマークを提供する。さらに、他のエネルギーバイオマーカが当業者に公知であり、治療または抑制療法の効果を評価するためにモニタされうる。ここでも、運動耐容性は、厳密にはエネルギーバイオマーカではないが、本発明の目的においては、以下のエネルギーバイオマーカの増加または減少に関する議論等で、治療効果を評価するために使用できる。
一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルの増加が望ましい場合には、エネルギーバイオマーカのレベルが、本発明のEPO活性またはTPO活性を有する組成物による治療により、対象における平均の少なくとも約二標準偏差内に増加され、より好ましくは対象における平均の少なくとも約一標準偏差内に増加され、対象における平均の少なくとも約二分の一標準偏差内に増加され、または平均の少なくとも約四分の一標準偏差内に増加されうる。あるいは、レベルは、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約10%上に増加され、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約20%上に増加され、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約30%上に増加され、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約40%上に増加され、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約50%上に増加され、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約75%上に増加され、または治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約100%上に増加されうる。
一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルの減少が望ましい場合には、一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルが、本発明のEPO活性またはTPO活性を有する組成物による治療により、対象における平均の少なくとも約二標準偏差内に減少され、より好ましくは対象における平均の少なくとも約一標準偏差内に減少され、平均の少なくとも約二分の一標準偏差内に減少され、または平均の少なくとも約四分の一標準偏差内のレベルに減少されうる。あるいは、一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルが、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約10%下に減少され、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約20%下に減少され、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約30%下に減少され、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約40%下に減少され、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約50%下に減少され、治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約75%下に減少され、または治療前の対象の各一つ以上のエネルギーバイオマーカのレベルより少なくとも約90%下に減少されうる。
(実施例A)
酸化的ストレスからのレスキューのためのレーベル遺伝性視神経症患者からの繊維芽細胞におけるEPO化合物スクリーニング。
Coriell Cell Repositories(Camden,NJ;repository number GM03858)から購入された、レーベル遺伝性視神経症(LHON)の患者から得られた一次ヒト繊維芽細胞が、10cmの組織培養プレートにおいて成長させられる。それらは、三日毎に1:3の比率で分割される。ミトコンドリア病患者からのヒト皮膚繊維芽細胞は、GSHシンセターゼの特異的阻害剤L―ブチオニン―(S,R)―スルホキシイミン(BSO)によるグルタチオン(GSH)のde novo合成の阻害に対して超感受性であることが示されている(Jauslin等、Hum.Mol.Genet.11(24):3055(2002))。Jauslin等、Hum.Mol.Genet.11(24):3055(2002)、Jauslin等、FASEB J.17:1972―4(2003)、および国際公開第2004/003565号に記載されるように、健常患者ではなくLHON患者の繊維芽細胞の細胞生育力が減少されるように、L―ブチオニン―(S,R)―スルホキシイミン(BSO)の添加によりLHON繊維芽細胞にストレスが加えられた。ストレスの前に、細胞がEPOで前処置され、細胞生育力がモニタされる。細胞生育力の増加は、EPOが全体的な細胞の健康を調節することにより酸化的ストレスに対する細胞感受性に影響することを示唆する。
材料:
Earle’s Balanced Saltsおよびウシ胎仔血清を伴うMEM培地199(Invitrogen、カリフォルニア州カールズバッド)
塩基性線維芽細胞成長因子および上皮細胞成長因子(PeproTech、ニュージャージー州ロッキーヒル)。
ペニシリン―ストレプトマイシン―グルタミンミックス(Sigma、ミズーリ州セントルイス)、
L―ブチオニン(S,R)―スルホキシイミン(Sigma、ミズーリ州セントルイス)
ウシ膵臓からのインシュリン(Sigma、ミズーリ州セントルイス)
カルセインAM(Anaspec、カリフォルニア州サンノゼ)。
手順:
125mlのMl99、50mlのウシ胎仔血清、100U/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン、2mMのグルタミン、10ug/mlのインシュリン、10ng/mlのEGF、および10ng/mlのbFGFを組み合わせることにより、細胞培養培地が作られ;体積を500mlにするようにMEMが加えられる。10mMのBSO溶液が、200mlの培地に444mgのBSOを溶解した後フィルター―滅菌を行うことにより調製される。実験中にはこの溶液が+4℃で保存される。
LHON繊維芽細胞による培養は、液体窒素中に保存された約500,000の細胞を伴う1mlバイアルから開始される。三日毎に1:3の比率に分割しながら、10cm細胞培養皿で細胞が増殖させられる。コンフルエントになったら、繊維芽細胞が採取されて、96ウェルプレートにおいて3,000細胞/ウェルが得られる。残りの細胞は、増殖のために10cm細胞培養プレート(600,000細胞/プレート)に分散される。プレートは、95%湿度および5%COを伴う大気中で、37℃で一晩インキュベートされて、培養プレートに細胞が付着させられる。
プレートは、一晩細胞培養インキュベータに保たれる。翌日、EPOテスト化合物ならびに10ulの300uM BSO溶液がウェルに加えられ、30uMのBSO最終濃度とされる。四十八時間後、位相差顕微鏡下でプレートが検査されて、コントロールウェルの細胞が明らかに死んでいることが検証される。全てのプレートからの培地が廃棄され、残りの液体が、ペーパータオル上に逆さにしたプレートを軽くたたくことにより除去される。
100ulのPBSにより二度洗浄したあと、1.2uMカルセイン―AMを含む100ulのPBSが各ウェルに加えられる。プレートは37℃で30分間インキュベートされ、M2 Molecular Devices蛍光リーダーで蛍光(それぞれ485nmおよび525nmの励起/放出波長)が読み取られる。データがMicrosoft Excel(商標)にインポートされ、xCell Fitを用いて各化合物のEC50濃度が計算される。BSO処置されていない繊維芽細胞の生存率が100%としてセットされ、この値に対して、BSO―およびEPO―処置された細胞の生存率が計算される。
(実施例B)
酸化的リン酸化に対する効果についてのレーベル遺伝性視神経症の患者からの繊維芽細胞におけるEPO化合物のスクリーニング。
細胞酸化的リン酸化に対するEPOの効果が、成長細胞における酸素消費の測定により評価される。処置された細胞はETCの利用が増加し、Seahorse機器により測定される酸素消費速度が高まり、HPLCにより測定されるATP/ADPを、より高い全体的比率で含むはずである。上で説明したように、しかしピルベートの存在下で細胞が成長させられ、3BrPa、ヨード酢酸、フッ化物、または2―デオキシグルコース等の解糖阻害剤の存在下または非存在下において検定される。良好に機能するETCを伴う細胞は、解糖による培地酸性化速度の減少と同時に、酸素消費の増加を示すはずである。EPOは、LHON患者一次繊維芽細胞の酸素消費の増加および解糖の減少を促進することが期待される。
(実施例C)
ETC成分のアップレギュレーションについてのレーベル遺伝性視神経症の患者からの繊維芽細胞におけるEPO化合物のスクリーニング
EPOによるLHON細胞の処置により、細胞ETCタンパク含有量の増加がもたらされうる。上述のように成長させられたEPO処置された細胞が、ETCおよび他の調節タンパク質分量につきウエスタンブロットにより分析され、未処置細胞と相関させられる。
このようなタンパク質の例には、アコニターゼ、SOD、および複合体I、II、III、IV、およびVの成分が含まれるがこれに限られない。ETCタンパク含有量の増加は、ミトコンドリア機能および酸化的リン酸化の改善に相関づけられうる。
(実施例D)
酸化的ストレスからのレスキューについてのMELAS患者からの繊維芽細胞におけるEPO化合物のスクリーニング。
本発明の化合物が、実施例Aに記載されるようにスクリーンを用いて、しかしLHON細胞を、ミトコンドリアDNAを枯渇させた不死化繊維芽細胞(rho0細胞)およびMELAS患者の繊維芽細胞からのミトコンドリアからつくられたMELAS細胞に置き換えてテストされる。サイブリッド細胞系統がスクリーニングされて、変異ミトコンドリアゲノムを持つ均質なミトコンドリア集団が得られる。
本明細書において引用文献の特定により言及される全ての刊行物、特許、特許出願、および発行された特許出願の開示は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
以上の発明は理解の明確のために図および実施例をあげて詳細に説明されているが、一定の軽微な変更および修正が行われうることは当業者に明白である。したがって、記載および実施例が本発明の範囲を制限するものと解釈されてはならない。

Claims (28)

  1. 呼吸鎖障害を治療する方法であり、
    エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物、またはトロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、呼吸鎖障害をもつ個体に、治療効果のある量、投与するステップを含む、方法。
  2. 前記呼吸鎖障害が、呼吸鎖タンパク質障害である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記組成物が、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記組成物が、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記組成物が、EPO、またはそのバイオシミラー、変異体、もしくは突然変異体を含む、請求項1、2、または3に記載の方法。
  6. 前記組成物が、TPO、またはそのバイオシミラー、変異体、もしくは突然変異体を含む、請求項1、2、または4に記載の方法。
  7. 前記組成物が、EPOのタンパク質またはペプチドミメティックを含む、請求項1、2、または3に記載の方法。
  8. 前記組成物が、TPOのタンパク質またはペプチドミメティックを含む、請求項1、2、または4に記載の方法。
  9. 前記組成物が、EPOの小分子ミメティックを含む、請求項1、2、または3に記載の方法。
  10. 前記組成物が、TPOの小分子ミメティックを含む、請求項1、2、または4に記載の方法。
  11. ミトコンドリア病を治療する方法であり、
    前記ミトコンドリア病がフリードライヒ失調症またはリー症候群でないという条件で、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、ミトコンドリア病を有する個体に、治療効果のある量、投与するステップを含む、方法。
  12. 前記ミトコンドリア病が、呼吸鎖の正常な機能に影響する呼吸鎖タンパク質の欠損および/または異常により引き起こされる、請求項11に記載の方法。
  13. レーバー遺伝性視神経萎縮症(LHON);ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、および卒中(MELAS);カーンズ・セイヤー症候群(KSS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);ピアソン症候群;コエンザイムQ10欠損;複合体I欠損;複合体II欠損;複合体III欠損;複合体IV欠損;複合体V欠損;ロイコジストロフィー;傍神経節腫;褐色細胞腫;GRACILE症候群;およびミトコンドリアDNAの変異から生じるII型糖尿病より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項11に記載の方法。
  14. レーバー遺伝性視神経萎縮症(LHON)を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項11に記載の方法。
  15. ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、および卒中(MELAS);および赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項11に記載の方法。
  16. カーンズ・セイヤー症候群(KSS)または慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項11に記載の方法。
  17. 複合体I欠損;複合体II欠損;複合体III欠損;複合体IV欠損;および複合体V欠損より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項11に記載の方法。
  18. ミトコンドリア病がコエンザイムQ10欠損であるを有する個体に、エリスロポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項11に記載の方法。
  19. ミトコンドリア病を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、ミトコンドリア病を治療する方法。
  20. ミトコンドリア病を有する個体に、前記ミトコンドリア病がフリードライヒ失調症またはリー症候群でないという条件で、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、ミトコンドリア病を治療する方法。
  21. 前記ミトコンドリア病が、呼吸鎖の正常な機能に影響する呼吸鎖タンパク質の欠損および異常により引き起こされる、請求項19に記載の方法。
  22. レーバー遺伝性視神経萎縮症(LHON);ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、および卒中(MELAS);カーンズ・セイヤー症候群(KSS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);ピアソン症候群;コエンザイムQ10欠損;複合体I欠損;複合体II欠損;複合体III欠損;複合体IV欠損;複合体V欠損;ロイコジストロフィー;傍神経節腫;褐色細胞腫;GRACILE症候群;およびミトコンドリアDNAの変異から生じるII型糖尿病より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項19に記載の方法。
  23. レーバー遺伝性視神経萎縮症(LHON)を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項19に記載の方法。
  24. ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、および卒中(MELAS);および赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項19に記載の方法。
  25. カーンズ・セイヤー症候群(KSS)または慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項19に記載の方法。
  26. 複合体I欠損;複合体II欠損;複合体III欠損;複合体IV欠損;および複合体V欠損より選択されるミトコンドリア病を有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項19に記載の方法。
  27. ミトコンドリア病がコエンザイムQ10欠損であるを有する個体に、トロンボポイエチン活性を有する一つ以上の分子を含む組成物を、治療効果のある量、投与するステップ
    を含む、請求項19に記載の方法。
  28. 前記治療効果のある量が、ピルビン酸(ピルベート)レベル、ラクテート/ピルベート比率、ATPレベル、無気的閾値、還元コエンザイムQ(CoQred)レベル、酸化コエンザイムQ(CoQox)レベル、全コエンザイムQ(CoQtot)レベル、酸化チトクロームcレベル、還元チトクロームcレベル、酸化チトクロームc/還元チトクロームc比率、アセトアセテートレベル、β―ヒドロキシブチレートレベル、アセトアセテート/β―ヒドロキシブチレート比率、8―ヒドロキシ―2’―デオキシグアノシン(8―OHdG)レベル、および活性酸素種のレベル、または運動耐容性を、対象における平均の少なくとも二標準偏差内程度に改善するために十分な量である、請求項1〜27のいずれかに記載の方法。
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