JP2017512753A - 炎症性貧血の処置におけるパリカルシトールの使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、好ましくは赤血球生成刺激剤と組み合わせた、炎症性貧血の処置におけるパリカルシトール、即ち合成ビタミンDアナログの使用を開示する。前述の病状の処置におけるパリカルシトールの使用は、患者における、赤血球生成刺激剤の必要量の低減、鉄吸収の最適化、及び血漿エリスロポイエチンレベルの増加に関連する。本発明はまた、赤血球生成刺激剤及び薬学的に許容可能な賦形剤と組み合わせたパリカルシトールを含む医薬組成物、加えて、炎症性貧血の処置における薬物としての医薬組成物の使用も開示する。【選択図】なし

Description

本発明は通常、医薬の分野、より具体的には炎症性の貧血の処置の分野に関するものである。特に、本発明は、前記病状の処置における、パリカルシトール、即ち選択的なビタミンD受容体活性化剤の使用を定義する。
炎症の貧血とも知られる炎症性貧血は、主に慢性である明白な炎症過程に付随する異なる病理学的単位において常習的な合併症であるが、急性の重病、癌、又は老化にも関連する。その主な機構は、炎症過程中に放出されたIL−6によるヘプシジン遺伝子プロモーター刺激による、高い循環レベルのヘプシジンによる鉄の遮断によるものであり、過度の赤血球崩壊に加えて機能的な鉄欠乏及びエリスロポイエチン(EPO)の不十分な産生を生じさせる。
ヘプシジンは、フェロポーチン、即ち細胞質の貯蔵所から血流までの主な鉄輸送体の分解を引き起こし、それにより、十二指腸の鉄の吸収及びマクロファージからの鉄の放出を遮断することにより作用し、鉄はその内部で捕捉されたままである。このことは、赤芽球のヘモグロビン化のための鉄の利用可能性を制限する。赤血球形成の減少はまた、赤血球寿命の減少と共に、異なるサイトカインのため、直接作用により、及び、その作用に対する耐性の増加と同様にエリスロポイエチンの合成を減らすことにより、炎症性貧血に起因する。
炎症性貧血の存在は、異なる慢性の病状において悪化した予後に関連付けられる要因であり、この関係は、中でも心不全、新生物、呼吸器疾患、及び慢性腎疾患(CKD)などの実体において明白であり、その存在は、この疾患に悩む患者の群の処置に高い経済的影響を与える。
炎症状態においては、特定の炎症促進性サイトカイン(とりわけ、IL−6、IL−1β、TNFα、及びINFy)のレベルの存在は、炎症性貧血の進行に関連付けられてきた。これに関連して、例えばトシリズマブ、IL−6受容体阻害剤、又はインフリキシマブ及び/又はエタネルセプト、TNFα阻害剤などの前記炎症性マーカーを阻害及び/又は中和することを目的とした異なる処置が、関節リウマチなどのリウマチ疾患に向けた治療として使用されてきた。このような処置は、このような高レベルのサイトカインの阻害又は中和が炎症性貧血を改善させるので、前記の病状に悩む患者により進行される炎症性貧血に対する優れた反応に関連付けられてきた。更に、ビタミンD、同様にそのアナログ及び/又は前駆体の可能な抗炎症作用も知られている。これに関連して、ビタミンD受容体活性化は、異なる炎症性マーカー(IL−6、IL−1β、INFy、及びTNFα)の阻害に関連付けられてきた。
ビタミンD及びその合成類似体の投与は、観察研究において、赤血球生成刺激剤(ESA)により処置されている慢性腎疾患(CKD)の炎症性貧血に悩む患者の赤血球生成反応における改善に関連付けられてきた(Capuano A. et al., J Nephrol 2009;22:59−68; Albitar S, et al., Nephrol Dial Transplant 1997;12:514−8; Shuja SB, et al., AdvPerit Dial 2003;19:231−5; Goicoechea M, et al., Nephron 1998;78:23−7)。この有益な効果は、前記患者により示された二次性副甲状腺機能亢進症の制御に直接関連付けられる。
CKDにおける貧血は、炎症性貧血のものと同様の物理病原性(physico−pathogenic)機構を分ける。CKDを患う患者は頻繁に炎症状態が常習的であることを提示し、それは、EPOの合成の減少、及びそれに対する反応の不足に関連する。CKDの生理病理学は、心不全を患う人などの他のタイプの患者における貧血のものに共通し、そしてIL−1β及びIL−6などの他のサイトカインの過剰発現に関して類似性を共有する。CKDを患う患者の貧血の処置は、ESA、及び鉄補給食品などの他の薬物の使用において持続される。ESAは、このような患者を管理する全体的な経済的費用に対して最も大きく寄与するものである。同様に、高用量のESAの使用は、高血圧症の進行又はその制御の難しさ、発作、血栓症現象、及び心臓血管の罹患率増加などの副作用に関連付けられてきた。これに関連して、炎症性貧血を処置するためのESA及び鉄補給食品の使用は、CKDを患う患者において記載されるものと同様の合併症の進行に関連付けられてきた。それ故、ESAの効果を増加させ、且つ必要な用量を安全に低減することが可能な新たな治療手段に関する調査が、炎症性貧血を患う患者の処置において、経済的観点から新たな治療の重要な影響力に加えて、得策である。
以前に言及されたように、様々な研究、そして大半の観察により、ビタミンD、並びにカルシトリオール(Goicoechea et al. Nephron. 1998;78:23−7)、パリカルシトール(Shuja SB, et al., AdvPerit Dial 2003;19:231−5)、及びアルファカルシドール(Albitar S, et al., Nephrol Dial Transplant 1997;12:514−8)などのその合成類似体の投与が、腎臓病に関連した貧血を患うと共にESAで処置されている患者の赤血球生成の反応の改善に関連付けられてきたことが明らかにされた。前述の品質は、中度から重度までの副甲状腺機能亢進症を患う患者の高用量のビタミンDアナログの投与後に観察され、加えて、副作用は1年より長いESAの投与期間後に観察され、そのような高用量のビタミンDに関連する副作用により前記処置を勧められなくすることに、注意されたい。また、赤血球生成の反応の改善に関する前記研究に示される結果は、前記患者の二次性副甲状腺機能亢進症の制御によるものであり、赤血球生成の反応の特異的な制御によるものではないことに、注意されたい。
カルシトリオールの使用の主な制限因子である1.25(OH)ビタミンDの合成類似体は、高カルシウム血症、高リン酸塩血症、及び血管石灰化を誘導することも知られている。更に、Shuja S.B.ら(ASAIO Journal; 2003; 49(2):194)は、血液透析中の貧血患者における赤血球生成の必要量に関するパリカルシトール(Zemplar)を投与する効果を開示する。その結果は、より低用量のパリカルシトール(0.1μg/hd)が、より高用量(>10μg/hd)で処置された患者に関してEPOに対する相対抵抗を示し、前者は後者に関してより高濃度のEPOを必要とすることを開示する。この研究で示される、血液透析中のCKDを患う患者におけるパリカルシトールによる貧血の処置の有益な効果は実際に、パリカルシトールにより生成されたEPOの必要量の減少によるものではないが、むしろ、前記研究で観察され得るように、EPOの必要性の前記改善は、一方では栄養不良状態(群A)、及び他方ではPTHレベルの制御(群C)によることを、注意されたい。群Aの患者は150pg/mL未満のPTHレベルを備えており、それは、より多くのEPO必要量が前記栄養不良状態によるものであるので、栄養不良状態である患者の標準レベルである。更に、群Cの患者は1037pg/mLのPTHレベルを備えており、この最後の群の貧血に対する利益はPTHレベルの制御に起因するので、重度の副甲状腺機能亢進症が生じる。前記理由のため、前記研究におけるパリカルシトールによる処置は赤血球生成反応において有益な効果を示すと、考慮することはできない。更に、Shuja S.B.らにより使用されたパリカルシトールの用量は非常に多く(>10μg/透析、30μg/週の週平均量に等しい)、そして国際ガイドラインで推奨される最大レベルを超える高カルシウムレベル(9.8mg/dl)にも関連付けられる。
更に、Riccio Eら(50th ERA−EDTA Congress, Istanbul (Turkey). May 2013)は、パリカルシトールの経口投与はEKDを患う患者のヘモグロビン(Hb)レベルを改善することを開示しているが、前記患者のESAに対する必要性の減少については何の言及も行っていない。一方で、先行技術において記載されるように、パリカルシトールによる処置の有益な効果はPTHレベルの減少の結果であると思われるため、対照群における146pg/mLから142pg/mL(3%)までのPTHレベルの変動と比較して、パリカルシトールで処置された患者の群がPTHレベルを147pg/mLから93pg/mL(基礎レベルに関して40%近く)まで減らしたことが、この研究において注目される価値がある。更に、前記研究の著者は、パリカルシトールで処置された患者のヘモグロビンレベルの増加は、平均ヘモグロビンレベルを減少した群である、特に赤血球前駆体に対する利益がカルシトリオールによる処置について先行技術で記載される場合に、前記主張の証拠を提供することなく、赤血球前駆体の直接刺激によるものであり、そのため前記研究の結論を一貫性の無いものとしていると言及していることにも、注意されたい。
それ故、前述の研究に開示されるように、炎症性貧血の処置におけるESAの必要量の減少に関して、パリカルシトールによる処置は、二次性副甲状腺機能亢進症に及ぼされた制御によるものである。加えて、炎症性貧血の処置に使用されるビタミンDの異なる形態は、Riccio E.ら(ERA−EDTA 50TH Congress, Istanbul (Turkey). May 2013)により研究で実証されるように、貧血と鉄代謝に対する異なる効果に関連付けられるように思われる。
それ故、ビタミンD又はそのアナログ/アゴニストの使用による炎症性貧血の有効な処置に関して、先行技術には一致(consensus)が無い。更に、貧血管理に関する現行の2012 KDIGOガイドライン(Kidney Disease: Improving Global Outcomes)(KDIGO Clinical Practice Guidelines for Anaemia in Chronic Kidney Disease)は、腎疾患における貧血の管理及び処置(KDIGO)における、ESAで処置される患者のビタミン(2Dの証拠)による付加的な処置を、その使用が習慣的でないという理由で推奨していない。
これに関連して、本発明は、先行技術に記載されるものとは反対に、炎症性貧血の処置におけるパリカルシトールの使用を提唱しており、前記化合物は、血漿ヘプシジンレベルに加えてIL−6などの炎症性マーカーのレベルを低減し、細胞沈着からの放出を介して鉄の利用可能性を改善し、遊離血漿鉄(free plasma iron)の増加並びに血漿フェリチンレベルの漸進的な減少を生じさせることを実証する。更に、本発明は、赤血球前駆体がより多くの鉄供給量を備えていることを理由に、細胞沈着からの鉄のより大きな動員の結果として、パリカルシトールの使用が高レベルのトランスフェリン飽和度指標(TSI)に関連付けられ、それにより最適な赤血球生成反応を得るのに必要とされるESAの濃度を減らし、同様に、エリスロポイエチンのより多くの合成を誘導することで、順にESA供給量の減少を生じさせることを開示する。それ故、本発明は、炎症性貧血を患う患者へのパリカルシトールの投与が、最適化された鉄吸収、及び、血漿EPOレベルの増加並びに炎症性マーカーの減少を理由に、前記患者のESA必要量を減らすことを実証する。
炎症性貧血を患う患者に有効な処置の条件に関連して先行技術に存在する問題を解消するために、本発明は、ESA必要量の減少、鉄吸収の最適化、Hbレベルの安定化、血漿EPOレベルの増加、及び前記患者の炎症性マーカーの減少に関連付けられる、前述の病状の処置におけるパリカルシトールの使用を記載する。
パリカルシトール(CAS:131918−61−1)は、Abbvie Laboratoriesにより商標名Zemplarで市場に出ている合成ビタミンDアナログである。これは現在までに、主に慢性腎疾患に関連した二次性副甲状腺機能亢進症(副甲状腺ホルモンの過度の分泌物)の予防と処置に使用された化合物である。化学的に、この化合物は、19−nor−1,25−(OH)2−ビタミンD2又は19−nor−1.25−ジヒドロキシビタミンD2であり、これは、1.25−ジヒドロキシコレカルシフェロールのアナログ、即ちビタミンD2の活性型(エルゴカルシフェロール)である。その化学構造は次の通りである:
具体的に、本発明は、炎症性貧血の処置のための医薬組成物の製造におけるパリカルシトールの使用を開示し、好ましくはパリカルシトールの用量は5−10μg/週の間で含まれる。代替的に、本発明は、炎症性貧血の処置に使用される、5−10μg/週の間の好ましい用量のパリカルシトールを開示する。
本発明の目的のために、炎症性貧血は、炎症系における脱制御による鉄欠乏症を提示する病状として定義される。通常は炎症性貧血に関連する疾患は例えば、慢性腎疾患、癌、感染症などである。身体の組織に貯蔵される鉄の量が正常、或いはより高くても、炎症性貧血を患う被験体は、新たな赤血球を生成するために鉄を効果的に吸収することができず、その結果、組織損傷が生じる。その結果、新たな健康な赤血球の数が徐々に減少する。同様に、ヘモグロビンの量、身体組織及び筋肉に酸素を運ぶ赤血球の構成要素も、減少する。
本発明の全体にわたり記載されるように、炎症性貧血の処置に使用するためのパリカルシトールは、赤血球生成刺激剤と組み合わせて使用され得る。炎症性貧血を処置するためにパリカルシトールを伴う前記薬剤の投与は、同時に又は連続して組み合わせられ得る。加えて、本発明の全体にわたり実証されるように、ESAで処置されている炎症性貧血を患う患者は、パリカルシトールを投与された場合に前記化合物の必要量を下げられ、その利点は、主に前記ESAの副作用に関連する前記ESA必要量の減少により生じる。
本発明の目的のために、赤血球生成刺激剤は、赤血球の生成に起因する赤血球生成過程を刺激することが可能なエリスロポイエチンに類似する、そのような薬剤又は化合物として定義される。ESAは、天然のエリスロポイエチン、及び、その化学構造がEPOのものに類似する合成ESAを含み、そしてEPOと同じ生物学的作用を生成することができる。先行技術に記載される合成ESAは、最も著しい例として以下を含む:
−第一世代ESA:Epoetinaアルファ:(CAS No.:113427−24−0):Eprex、Epopen;Epocept、Nanokine、Epofit、Epogin、Binocrit、Procrit;Epoietinベータ(CAS No.:122312−54−3):Neorecormon、Recormon;Epoietinデルタ(CAS No.:0261356−80−3):Dynepo;Epoietinゼータ(CAS No:0604802−70−2):
−第二世代ESA:Darbepoietinアルファ(Aranesp)(CAS No.:11096−26−7)
−第三世代ESA:CERA:「連続的エリスロポエチン受容体活性化因子」(Micera)
本発明に開示される別の目的は、パリカルシトールを含む医薬組成物に関し、好ましくは、ESA及び薬学的に許容可能な賦形剤又はビヒクルと組み合わせて、5−10μg/週の間で含まれる用量で、必要とする患者に投与するためのものである。
好ましい実施形態において、本発明の組成物はまた、別の有効成分を含み得る。より好ましい実施形態において、前記有効成分は好ましくは鉄補給食品である。
本発明に開示される別の目的は、薬物としての使用のための前述の医薬組成物に関し、又は代替的に、薬物の製造における本発明の組成物の使用に関する。
本発明に開示される別の目的は、炎症性貧血の処置に使用される前述の医薬組成物に関し、又は代替的に、炎症性貧血の処置のための薬物の製造における本発明の組成物の使用に関する。
本発明に開示される別の目的は、炎症性貧血を処置する方法に関し、5−10μg/週の間で含まれる用量で、パリカルシトール又は本発明に記載されるような医薬組成物が前記疾患を患う被験体に投与されることを特徴とする。
本明細書及び以下に列挙される引用文献にわたって引用される特許を含む、前述の参照全ての内容は、本出願に対する言及と共に明白に含まれてきた。抵触が生じる場合には、本明細書に含まれる定義を優先する。
図1は、MIR−EPO研究(研究A)を示す。ESA:NeorecormonおよびCERA。最初の3か月(月0−3)は、ESA用量漸増段階に相当し、残りの3か月(月3−6)は、ESA用量維持段階に相当する(n:各群に含まれる患者の数)。 図2は、回帰分析を示す。グラフは、パリカルシトールの5−10μg/週の投与量範囲(X軸)が、ESA投与量(UI/週(weel))の濃度(Y軸)の大きな減少を予測することを示している。10μg/週では、使用されるESA投与量は増加する(n=58、F=3.65、p=0.03、R=0.11)。 図3は、回帰分析を示す。グラフは、パリカルシトールの5−10μg/週を含んだ投与量が、10−12g/dlの範囲内の血漿Hbレベルを予測することを示している。パリカルシトール(μg/週)の濃度は、X軸上に示され、Hb(g/dl)の濃度は、Y軸上に示される(n=58、P<0.01、F=6.952、R=0.27)。 図4は、二次性副甲状腺機能亢進症の処置のためにパリカルシトールまたはカルシトリオールで処置された患者の群におけるESA必要量の分析を示す(p=0.002)。 図5は、パリカルシトールまたはカルシトリオールで処置された患者におけるHbレベル(g/dl)の分析を示す。図5は、カルシトリオール(11.10±1.16g/dl)で処置された群に対する、(11.89±0.13 g/dl)で処置された患者の群におけるより高いレベルのHbの存在を明らかにしている(p=0.007)。 図6は、IV Fe(鉄静注)補給食品の使用に依存する又はそれのないESA必要量の変更の分析を示す。IV Fe補給食品のない群におけるESAの増加した投与量(p=0.05、F=3.935、偏(partial)Eta:0.44、n=6)(灰色線)は、IV Fe補給食品を用いる群におけるESAの減少した投与量(p<0.01、F=5.783、偏Eta:0.19、n=25)(黒線)と比較さる。何か月も表示されるフォローアップ時間は、X軸上に示され、ESAのパーセンテージ投与量の対数表示はY軸上に示される。 図7は、パリカルシトール(ESA群、黒線)なしで及びパリカルシトール(ESA群+PRC、灰色線)を用いて処置された患者の群におけるESA投与必要量の分析を示す。グラフは、パリカルシトール(黒線)なしで処置された患者の群(n=8;p=0.39、F=1.09、Eta 偏:0.26)と比較した、パリカルシトール(灰色線)(n=18、p=0.01、F=4.89、Eta 偏:0.22)で処置された患者の群におけるESA必要量の減少を示す。何か月も表示されるフォローアップ時間は、X軸上に示され、ESAの投与量の対数表示は、Y軸上に示される。 図8は、IV Fe(n=25)で処置されている患者の亜群におけるESA投与必要量の分析を示す。IV Fe(n=7)を補足されたESAで独占的に処置されている患者の群において、必要とされるAEの投与量の減少は、次のものから具体化された:ESA+PRCで処置され、IV Fe(n=18):3.00±0.0から2.66±0.18および2.42±0.21(F=4.891、p=0.01、偏Eta:0.22)を補足された患者の群と比較した、3.00±0.0から2.91±0.05および2.70±0.28(%投与量、対数)(F=1.09、p=0.40、偏Eta:0.30)。2つの群間の処置の6か月目における平均差は、ESAの投与量の24%に相当する。 図9は、研究の0、3および6か月の間にパリカルシトール(ESA、破線)なしでESAで処置された患者の群:35.0±6.5、33.0±5.2および29.7±3.2(F=1.849、p=0.23)、および併用処置を受ける患者(ESA+PRC;実線):28.9±2.4、28.9±2.4および29.8±3.9(F=0.021、p=0.98)、における(%として表わされる)TSIレベルの変化を示す。 図10は、研究の開始(0か月目)、3か月目、および研究の終わり(6か月目)にTSIレベルの測定とともに6か月間、静脈内のFe(IV Fe)(n=25)で処置されている、およびパリカルシトールで処置されている(不連続線)又は処置されていない(実線)患者の群における、(%として表わされる)TSIレベルの変化を示す。 図11は、増加した25のビタミンDレベル(ボックス中に現われる数字は、ng/mlとして表わされる、25(OH)ビタミンDレベルを指す)のHidroferol(カルシフェジオール)での処置(実線)またはそれなしでの処置(不連続線)に関連する(%として表わされる)TSIレベルの変化を示す。 図12は、IV Fe補給食品(n=25)で処置されている、およびパリカルシトールで処置されている(不連続線)またはそれなしで処置されている(実線)患者の亜群における研究の全体にわたるFe2+レベルの変化を示す。何か月も表示されるフォローアップ時間は、X軸上に示され、血漿鉄(μg/dl)の濃度は、Y軸上に示される。 図13は、研究の全体にわたる血漿鉄レベル(ng/ml)の変化を示す。併用処置を受ける患者において、進行性の直線的減少が観察され得(ESA+PRC、灰色線):873±102、701±81および632±69(ng/ml)(F=8.294、p<0.01、偏Eta:0.44)、一方で、ESAで独占的に処置された患者において(黒線)、前記レベルの増加が3か月目に観察され、劇的な減少が6か月目に観察された:650±131、876±197および500±96(ng/ml)(F=3.370、p=0.06、偏Eta:0.32)。 図14は、研究の3か月目および6か月目に、併用処置(PRC+ESA、不連続線)を受ける患者:0.78±0.11および0.82±0.09(F=0.14、p=0.70)と比較した、ESAで独占的に処置されている患者(実線):1.11±0.19および1.07±0.16(F=3.87、p=0.10)におけるIL−6レベルの変化を示す。ESAを用いる患者におけるIL−6の平均レベルは、併用処置を受ける患者(PRC+ESA、不連続線)0.80±0.08(F=2.36およびp=0.13)と比較して、1.09±0.15であった。 図15は、併用処置を受ける患者(不連続線):2.68±0.17から2.69±0.12(p=0.95、F=0.003)と比較した、ESAで独占的に処置されている患者(実線):2.82±0.12から2.50±0.16(p=0.03、F=7.763)におけるベンジジン(pg/ml(対数))の減少を示す。 図16は、ESA(実線)で独占的に処置されている患者:2.82±0.11から2.50±0.17(p=0.24、F=1.827)と比較した、併用処置を受ける患者の群(ESA+PRC、不連続線):2.80±0.12から2.72±0.12(p=0.54、F=0.38)に対するPTHi(副甲状腺ホルモン・インタクト(parathormona intacta))およびGSV(血球沈降速度)のレベルに従って調整されたモデルにおけるヘプシジンレベル(pg/ml(対数))の変化を示す。 図17は、研究の3か月目から6か月目の間のヘプシジンレベル(pg/ml)とHbレベル(g/dl)との間の相関分析を示す。 図18は、赤血球レベル(M/ul)と血漿ヘプシジンレベル(pg/ml)との変動間で併用処置を受ける患者(ESA+PRC)(右のグラフ)と比較した、ESAで処置されている患者の群(左のグラフ)間の相関分析を示す。 図19は回帰分析を示す。ヘプシジンレベル(pg/ml)(y軸)と血漿エリトロポイエチンレベル(mUI/ml(対数))(x軸)との間の二次回帰曲線(F=6.66、p<0.01、R:0.44(n=20))。 図20は、研究の3か月目と6か月目の間のKlothoレベル(pg/ml、対数)の変化を示す。ESAで独占的に処置されている患者(実線)と比較して、併用処置を受ける群(ESA+PRC)(不連続線):2.74±0.02対2.57±0.02 pg/ml(対数)(p<0.01、F=11−08、偏Eta:0.29)におけるフォローアップ間にKlothoレベルがどれほど高いかが観察され得る。 図21は、TSI(%)およびKlotho(pg/ml)レベル間の相関分析を示す。併用処置を受ける群(n=20)(ESA+PRC)において、正相関が観察され得る。ESA(n=8)で独占的に処置されている群においては、正相関が観察されない。ESA:赤血球生成刺激剤。PRC:パリカルシトール。 図22は、研究の3か月目および6か月目の血漿エリトロポイエチンレベル(mUI/ml)の変化を示す。ESAで独占的に処置されている群(n=8)における血漿エリトロポイエチンレベルの有意でない減少と比較して、併用治療を受ける群(ESA+PRC)(n=20)において、血漿エリトロポイエチンレベルの有意な増加が観察され得る。 図23は、ESAのタイプに従うエリトロポイエチン(mUI/ml)の中央値レベルの変化を示す。エリトロポイエチンレベルのパーセンテージ増加が、パリカルシトール(+PRC)による併用処置を受ける患者(AAE Neorecormonで処置されている患者およびESA CERAで処置されている患者の両方)においてより大きいことが観察され得る。 図24は、併用処置を受ける患者(ESA+PRC)(n=18)に対する、ESAで独占的に処置されている患者の群(n=6)における血漿エリトロポイエチン(mUI/ml)およびヘモグロビン(g/dl)レベル間の相関分析を示す。 図25は、併用処置を受ける患者の群(ESA+PRC)間の及びESAで独占的に処置されている患者の群におけるIV Fe補給食品(mg/月)の投与量の経過を示す。グラフは、中央値±SDとして表わされた値を示す。 図26は、併用処置を受ける患者(ESA+PRC、灰色線):11.7±0.1、11.6±0.3および11.5±0.2(g/dl)(p=0.82、F=0.19)と比較した、0、3および6か月目、それぞれにおける、ESAで処置されている患者の群(黒線)(n=8):12.0±0.3、11.3±0.3および11.5±0.3(g/dl)(p=0.24、F=1.55)におけるHbレベル(g/dl)の変化を示す。 図27は、パリカルシトール(0.73±1.30および−0.22±1.17g/dl、p=0.25、n=8)なしで処置されている患者の群および併用処置を受ける患者の群(ESA+PRC)(0.10±0.14および0.10±1.70g/dl、p=0.99、n=23)における0−3か月(灰色線)間および3−6か月(黒線)間の中央値±DEとして表わされるHbレベル(g/dl)の変動を示す。
本発明の目的の1つは、炎症性貧血の処置のための医薬組成物の製造におけるパリカルシトールの使用に関し、ここで、投与されるパリカルシトールの用量は、5−10μg/週で含まれ、好ましくは、投与されるパリカルシトールの用量は、1μg/日であり、より好ましくは、投与されるパリカルシトールの用量は、週に2回、5μgである。代替的に、本発明は、次に、炎症性貧血の処置に使用するための、5−10μg/週を含んだ用量で投与されるパリカルシトールについて記載している。好ましくは、炎症性貧血の処置に使用するための、投与されるパリカルシトールの用量は、1μg/日であり、より好ましくは、投与されるパリカルシトールの用量は、週に2回、5μgである。
別の好ましい実施形態では、パリカルシトールは、少なくとも1つの赤血球生成刺激剤と組み合わせて、上に示される用量で使用され得る。ESAの投与は、パリカルシトールの使用に関連して、組み合わせられ得るか、同時であり得るか、または連続的であり得る。
別の好ましい実施形態では、ESAは、下記のいずれかから選択される:EPO、第一世代ESA:エポエチンアルファ:(CAS No:113427−24−0):Eprex、Epopen;エポエチンベータ:(CAS No:122312−54−3)
Neorecormon;エポエチンデルタ:(CAS No:0261356−80−3):Dynepoおよびエポエチンゼータ(CAS No:0604802−70−2);第二世代ESA:ダーベポエチンアルファ(Aranesp)(CAS No:11096−26−7)及び/又は第三世代ESA:CERA:「連続的エリスロポエチン受容体活性化因子」(Micera)。
別のさらにより好ましい実施形態では、本発明で使用するための好ましいESAは、次から選択される。エポエチンベータ、Neorecormon、エポエチンゼータ、ダーベポエチンアルファおよびCERA。
本発明に記載される別の目的は、少なくとも1つのESAと組み合わせて、および薬学的に認可されたビヒクルまたは賦形剤と一緒に、5−10μg/週を含んだ用量で投与されるパリカルシトールを含む医薬組成物に関連した。
好ましい実施形態では、必要としている患者に投与される、医薬組成物に含まれるパリカルシトールの用量は、1μg/日である。別の好ましい実施形態では、投与されるパリカルシトールの用量は、週に2回、5μgである。
別の好ましい実施形態では、本発明の組成物中に存在するESAは、次から選択される:EPO、第一世代ESA:エポエチンアルファ(CAS:113427−24−0):Eprex、Epopen;エポエチンベータ(CAS:122312−54−3):Neorecormon;エポエチンデルタ(CAS:0261356−80−3):Dynepoおよびエポエチンゼータ(CAS No:0604802−70−2);第二世代ESA:ダーベポエチンアルファ(Aranesp)(CAS:11096−26−7)及び/又は第三世代ESA:CERA:「連続的エリスロポエチン受容体活性化因子」(Mircera)、下記のいずれかが好ましい:エポエチンベータ、Neorecormon、エポエチンゼータ、ダーベポエチンアルファおよびCERA。
本発明に開示される別の目的は、以前に記載された医薬組成物に関し、これは、別の有効成分を含み得ることを特徴とする。より好ましい実施形態では、前記有効成分は、好ましくは、少なくとも鉄補給食品である。
本発明に開示される別の目的は、薬物の製造いおける本発明の全体にわたって記載されるパリカルシトールの投与量を用いる医薬組成物の使用に関する。代替的に、本発明はまた、薬物として使用するための、本発明の全体にわたって記載されるパリカルシトールの投与量を用いる医薬組成物に関する。
本発明に開示される別の目的は、炎症性貧血の処置のための薬物の製造における、本発明の全体にわたって記載されるパリカルシトールの投与量を用いる医薬組成物の使用に関する。代替的に、本発明はまた、炎症性貧血の処置において薬物として使用するための、本発明の全体にわたって記載されるパリカルシトールの投与量を用いる医薬組成物に関する。
本明細書で使用されるように、用語「有効成分」、「活性物質」、「薬学的に活性な物質」、「有効成分」または「薬学的に有効な成分」は、疾患の診断、治療、緩和、処置または予防において薬理活性または他の異なる効果を提供する可能性のある、あるいはヒトの身体または他の動物の構造または機能に影響する、あらゆる要素を意味する。該用語は、薬物の製造における化学変化を促進する、および具体的な活性また効果を提供する予期された変更済の形態でそこに存在する、これらの要素を含む。
本発明の医薬組成物は、当該技術分野に既知の様々な形態で、動物への、およびより好ましくは、ヒトを含む哺乳動物への投与のために製剤され得る。したがって、それらは、限定されないが、無菌液剤あるいは血清などの生体液中に存在し得る。水溶液は、緩衝されてもされなくてもよく、追加の有効成分または非有効成分を有してよい。追加の成分は、イオン力を調整するための塩、限定されないが、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、および同等のものを含む保存剤、およびグルコース、デキストロース、ビタミンおよびミネラルを含む栄養素を含む。代替的に、組成物は、固体形態での投与のために調製され得る。組成物は、限定されないが、微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチンなどの結合剤;デンプンまたはラクトースなどの賦形剤;アルギン酸またはトウモロコシデンプンなどの分散剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの摺動剤(sliding agents);スクロースまたはサッカリンなどの甘味剤;あるいはミントまたはサリチル酸メチルなどの薬剤を含む、様々な不活性のビヒクルまたは賦形剤と組み合わせられ得る。
そのような組成物及び/又はそれらの製剤は、限定されないが、腹腔内、静脈内、筋肉内、皮下、鞘内、心室内、経口、腸内、非経口、鼻腔内、または皮膚を含む、様々な形態で、哺乳動物を含む動物、および故にヒトに投与され得る。好ましくは、投与経路は、経口または静脈内である。
治療上有効な量を得るための投与量は、哺乳動物の例えば、年齢、体重、性別、耐性などの様々な因子に依存する。本記載において使用される意味では、表現「治療上有効な量」は、化合物の量に関し;本発明の場合には、それは、所望の効果を生む、パリカルシトールまたは付随する有効成分、またはその塩、プロドラッグ、副産物またはアナログ、あるいはその組み合わせの量に関し、一般に、前記プロドラッグ、副産物およびアナログに固有の特性、および達成される治療効果によってとりわけ決定されるものとする。前記組成中で使用することができる「薬学的に許容可能な補助剤」、「賦形剤」および「ビヒクル」は、当業者に既知のビヒクルである。
用語「補助剤」、「賦形剤」、「添加剤」、またはその同義語はいずれも、本発明の有効成分のいずれかの吸収、分配または作用を助ける、活性物質を安定化する、あるいは一貫性を与える又はより良い風味を加えるという意味で薬物の製造を助ける、物質に関する。したがって、賦形剤は、本段落で言及されない他のタイプの賦形剤を除外することなく、例えば、デンプン、糖またはセルロースなどの成分を一緒に結合する機能、甘味をつける機能、着色機能、例えば、空気及び/又は湿気から離すなどの、薬物の保護機能、丸剤、カプセル、または例えば、リン酸水素カルシウムなどの提示の他の形態の充填機能、構成要素の溶解および腸内のその吸収を促進する分解機能を有し得る。
「薬学的に許容可能な」との用語は、賦形剤が投与される生命体に損傷を与えないように許可され評価されるという事実に関する。さらに、賦形剤は薬学的に適切でなければならない。つまり、活性成分または複数の活性成分の活性を許可する賦形剤であり、つまり、それは活性成分適合性を持つものでなければならない;この場合、活性成分はパリカルシトールである。
「薬学的に許容可能な」ビヒクルは、投与の剤形の製造で使用される、医薬品部門で知られている物質または物質の組み合わせを指し、限定されないが、固体、液体、溶媒、または界面活性剤を含む。
ビヒクルは、賦形剤のように、本発明の化合物のいずれかを特定の容量または重量まで希釈するために薬物中で使用される物質である。薬学的に許容可能なビヒクルは、不活性な物質であるか、または本発明の細胞のいずれかに対する同一な作用を含む物質である。ビヒクルの機能は、他の化合物の追加を促すか、投薬と投与の改善を可能にするか、または医薬組成物に一貫性と形状を与えることである。
本発明で開示される別の目的は、本明細書全体にわたって記載されるように、5−10μg/週の間に含まれるパリカルシトールの投与量が前記疾患を抱えた被験体、または本発明の組成物に投与されるということを特徴とする炎症性の貧血を処置する方法に関する。
好ましい実施形態では、本発明の方法は、投与されるパリカルシトールの投与量が1μg/日であるということを特徴とする。別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、投与されるパリカルシトールの投与量が週に2度5μgであるということを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、パリカルシトールが前述の投与量で、少なくとも1つのESAと組み合されて使用されてもよいということを特徴とする。本発明のさらにより好ましい実施形態では、ESAの投与は、パリカルシトールの使用に関して、組み合わされるか、同時であるか、連続的であり得る。
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、ESAが以下のいずれかの中から選択されるということを特徴とする:EPO、第一世代ESA:エポエチンアルファ(CAS:113427−24−0):Eprex、Epopen;エポエチンベータ(CAS:122312−54−3):Neorecormon;エポエチンデルタ(CAS:0261356−80−3):Dynepoとエポエチンゼータ(CAS No:0604802−70−2);第二世代ESA:ダルベポエチンアルファ(Aranesp)(CAS:11096−26−7)、および/または第三世代ESA:CERA:「連続的なエリスロポイエチン受容体アクチベーター」(Mircera)。別のさらにより好ましい実施形態では、本発明で使用される好ましいESAは、以下の中から選択される:エポエチンベータ、Neorecormon、エポエチンシータ、ダルベポエチンアルファ、およびCERA。
「個体」または「被験体」との用語は、本記載で使用されるように、動物、好ましくは哺乳動物、およびより好ましくはヒトに関する。「個体」または「被験体」との用語は、任意の態様において制限することを意図しておらず、任意の年齢、性別、および身体的な状態であり得る。
本記載と請求項の全体にわたって、「含む(comprises)」との単語とその変異形は、例えば、用語「含む(includes)」などの包括的または網羅的な意味とは対立するものとして、包括的な意味で解釈されなければならない。すなわち、用語「含む(comprises)」は「・・・含む(includes)がこれに限定されない」の意味で解釈されなければならないが、「含む(includes)」との用語は「・・・を含み、かつ、これに限定される」という意味で解釈されなければならない。したがって、「含む(comprises)」との単語とその変異形は、他の技術特性、構成要素、または工程を除外することを目標とはしていない。
当業者にとって、本発明の他の目的、利点、および特性は、本記載から部分的に、および本発明の実際的な部分から部分的に推論されるものとする。
以下の例と図面は実例として提供され、本発明を制限することを目的とはしていない。
方法:
炎症特性の貧血におけるパリカルシトールの使用の利益を評価する目的で、3つの様々な研究が開発されている。最初の研究では、パリカルシトールを用いて炎症特性の貧血を抱える患者を処置する生理病理学的利点を分析した(研究A:MIR−EPO)。さらに、2つの横断的研究を行い、一方ではパリカルシトールの適量(研究B)を、他方では臨床診療(カルシトリオール対パリカルシトール)で規則的に使用される2つのビタミンDアナログ間の違いを確認した。
研究の記載:
a)研究A(MIR−EPO研究):
ESA投与量、Fe補給食品投与量の変化、Feの、フェリチンの、トランスフェリン飽和指数の、ヘモグロビンレベルの、および炎症性の貧血に関連した従来にないマーカーの変化を測定した計画的な対照研究:赤血球産生反応の改善に関連付けられるヘプシジンとIL−6とホルモンの分析。ヘモグロビンの可変性も評価された。合計で31人の患者がこの研究に含まれた。患者により使用されるESAはエポエチンベータ(Neorecormon)とCERAであった。
この研究は、症例と対照に関する観察的および分析的な計画的な対照研究である。研究は6か月続いた。最初の3か月でESAの用量滴定が得られ、残りの3か月では、維持段階に一致した。本発明で示されるデータは、MIR−EPO研究(EudraCT:2009−015511−40) 「<https://www.clinicaltrialsregister.eu>)の一部を形成する。MIR−EPO研究の設計は、赤血球産生剤(エポエチン−ベータ−NeorecormonまたはCERA)で処置されている患者を評価した。上記患者において、本発明で示されるどの結果がとりわけ以下の群に関連するかによって、パリカルシトールを用いた群と用いなかった群との間の差は分析した:
* パリカルシトール(パリカルシトール+ESA)、つまり併用治療で処置されている患者の群、および、
* もっぱらESAのみで処置されている患者の群。
患者。すべての患者は研究に参加する前にインフォームドコンセントに署名した。これは地域の倫理委員会とスペインの薬物と医療機器の機関によって承認された。合計で31人の患者が含まれていた。選択された患者は、パルマ・デ・マヨルカのHospital Universitario Son Espases (HUSE)の慢性透析部とPoliclinica Miramarの慢性血液透析部に属する。この研究に含まれる患者のベースライン特性を表1に示す。
研究の包含基準:患者≧18歳、研究への参加前に3か月間の同じタイプのフィルタで血液透析、KT/V≧1.2(Dauguirdasの第二世代技術によって)、研究への参加前に少なくとも12週間10.5〜12g/dlの間のHbの濃度、研究への参加前に12週間にわたって安定容量のEPO(ベータ−エポエチン)+/−1000UIによる前処置、トランスフェリン飽和度≧20%、および、血清フェリチンレベル>100ng/ml。
研究の除外基準:グレードIVの心不全(NYHA)、研究期間中に出血症状が続くこと、または輸血の病歴、貧血の腎外性の原因、新生物、葉酸またはビタミンB12の欠乏症、異常ヘモグロビン症、溶血、エリスロポイエチンによる処置に続発する赤芽球ろう、急性または慢性の感染症、あるいは徴候的または制御不能な炎症性疾患、ヒト組み換えEPO(hrEPO)の停止を必要とする制御困難な高血圧(HTA)、制御不能なヘモグロビンとの免疫抑制剤併用療法、血小板症、および/または髄質の形成不全。
ESA投与量調整プロトコル:ESAの投与量は、2つの処置群で月単位で血球数を測定し、処置の開始4週間後にプロトコルに従ってESAの投与量を調節し、あるいはあらかじめ臨床的または分析的に必要な場合に開始時期を24週延長させることによって、評価された(図1)。
ESAの投与量は以下のパラメータによって増加する:
○Hbの減少が<2g/dLで生じるか、またはHb≧9かつ<11g/dLである場合に、25%。
○Hbの減少が≧2g/dLで生じるか、またはHb<9g/dLである場合に、50%。
ESAの投与量は以下のパラメータによって減少する:
○Hbの増加が≧1g/dLで生じるか、またはHbレベルが12〜13g/dLである場合に、25%。
○Hb>2g/dLの増加がある場合に、50%。
それは1か月間一時的に停止され、Hb>14g/dLの場合に、投与されるESAの最低投与量を25%減らして再導入された。
続発性の副甲状腺機能亢進症の安全かつ適切な処置を維持するために、パリカルシトールを用いる処置をそれを必要とする患者で始めることができる;しかしながら、これは研究の排除基準と考えられる。
鉄補給食品の投与は、20%を超えるトランスフェリン飽和指数(TSI%)を維持する目的で常に静脈内であるとする。
分析的な測定:臨床診療で規則的に用いられる方法を適用して、HUSEの中央検査室で血液サンプルをすべて分析した:
○Hb:ヘモグロビンは透析期間の前に、対応する平日に月単位で決定された。サンプルの分析は、HUSEの中央検査室でフローサイトメトリー(CELL−DYN SapphireR−Abbott)を使用して行われた。
○Klotho:ヒトの溶解可能なα−Klotho分析キット−IBL。2つのタイプの高特異性抗ヒトKlotho抗体(67G3と91F1)を使用するELISA(酵素−LinkedImmunoSorbentAssay)サンドイッチタイプ。発色剤(chromogeneous agent)としてTeTraMeltilBenzidina(TMB)を使用する。
○ヘプシジン:DGR ヘプシジンプロホルモン ELISAキット。抗プロ−ヘプシジン(ポリクローナル)抗体を含む競合的なタイプのELISA(酵素−LinkedImmunoSorbentAssay)。
○IL−6:QuantikineのELISAヒトIL−6イムノアッセイ。マウスのモノクローナルとポリクローナルのIL−6に特異的な抗体を使用するELISA(酵素−LinkedImmunoSorbentAssay)サンドイッチタイプ。
○エリスロポイエチン:QuantikineのIVD ELISAヒトエリスロポイエチンイムノアッセイ。ヒト組み換えのエリスロポイエチンに対するマウスのモノクローナルとウサギのポリクローナルの抗体を含むELISA(酵素−LinkedImmunoSorbentAssay)「DAS」サンドイッチタイプ(DoubleAntibodySandwich)。
先に記載したように、研究の最初の三か月をESAの用量滴定に、最後の三か月を維持段階に費やしたことを考慮するという事実から、研究の3か月目と6か月目に従来ではない炎症性のパラメータを測定した。血球数測定の場合のように、週半ばの透析期間の前に抽出を行った。
バイオバンク:炎症性の貧血マーカー:IL−6、ヘプシジン、エリスロポイエチン、および血漿Klothoレベルを分析するために、HUSEのバイオバンクのプロトコルに従って入手・保存されたサンプルは回収し(コード:PNT/BB/PA/000.01)、これは3か月目と6か月目に相当する。
b)研究B:
両方とも二次性副甲状腺機能亢進症の処置で使用される、ESAの使用に関連付けられる、カルシトリオールとパリカルシトールの間の差を評価するために設計された横断的研究。パルマ・デ・マヨルカのHospital Universitario Son Espases (HUSE)の慢性透析部とPoliclinica Miramarの慢性血液透析部からの合計で92人の患者が含まれていた。合計31人の患者がカルシトリオールで処置され、合計で61人の患者がパリカルシトールで処置された。分析されたESAはエポエチンベータ(Neorecormon)であった。
研究Bに含まれていた患者の臨床的特徴が表2に示される。
c)研究C:
より大きな赤血球産生反応に関連付けられるパリカルシトールの投与量(μg/週)の分布を評価するために設計される横断的研究。すなわち、その目的は、Hbレベル(g/dl)を予測し、かつ、最適であると考えられる10〜12g/dlの範囲の特定のHbレベルに関連付けられるパリカルシトールの投与量を特定するためにパリカルシトールの投与量を評価することに加えて、ESA(UI/週)の投与量以上のパリカルシトールの投与量(μg/週)の予測能力を評価することである。
合計で58人の患者がこの研究に含まれていた。分析されたESAはエポエチンベータ(Neorecormon)であった。前記患者の臨床的特徴が表3に示される。前記表3はESAで処置されている患者群と併用治療(ESA+パリカルシトール)を受けている患者群との間の相対的な結果も示している。
統計分析:取得された結果は、要求にしたがって、百分率として表現された中央値±DEとして示される。量的変数間の比較は、それらの分布に従って、スチューデントt検定またはマンホイットニーU検定を使用して行なわれた。カイ2乗検定またはフィッシャー正確検定が、質的変数を比較するために使用された。フォローアップ時間の全体にわたって繰り返される平均値間の比較が、それらの分布に従って、関連のあるサンプルに対するスチューデントt検定またはウィルコクソン検定を使用して行われ、多重比較に対する重要性のポイントを調節した。サンプルの正規分布を保証するための事前の対数変換を用いる、繰り返し測定のための線形モデルを使用して、研究全体にわたり、研究の一部門における変数の変化が分析された。適切な正規分布が得られない場合は、ノンパラメトリック法が使用されるものとする。相関するデータ対間の多重比較には、ボンフェローニ補正が使用されるものとする。統計分析は、Windows用の統計ソフトウェアSPSS18.0を使用して行なわれるものとする。
2つの異なるタイプのESA(エポエチンベータおよびCERA)が、これら薬剤に対する必要量に関連する結果を均質化する目的で使用されたので、ESAの用量は、それらの百分率の値に転換された。ただし、百分率は、用量の100%が、ポイントゼロ(0か月)に対応する。
改善された赤血球造血反応の取得のため及び血漿Hbレベル(研究Cから得られたデータ)の安定のためのパリカルシトールの最適用量
最良のHbレベルを取得するのに必要な最適用量を決定し、ESAの必要量を低減するために、研究Cの患者群におけるHbレベル、ESAの用量、パリカルシトールの用量の間の回帰分析が実行された(図2)。前記図2に観察されるように、5−10μgを含む用量は、ESAの低減された必要量と関連性が有った。この傾向は、パリカルシトールの用量を増大する際に修正され、それにより、この回帰モデルに従って、10μg/週を超えるパリカルシトールの用量の投与は、より大量のESAの使用を予測する。
パリカルシトールの用量とHbレベルとの間の関係を分析すると、回帰分析は、5−10μg/週の間に含まれる用量の範囲内で、Hbレベルは、この患者群(研究C)におけるHbレベルに対し最適と考えられ、必要量からもたらされるか、またはESAに対するものではない値である、10‐12g/dの間にとどまることを明らかにする(図3)。
したがって、10−12g/dlの間の理想的な血漿Hbレベルを取得するためのパリカルシトールの最適用量は、炎症性貧血を患う患者の処置におけるESA必要量の少量化を伴って、5−10μg/週の間に含まれる範囲内に存在する。
さらに、Hbレベルが10g/dl以上有する可能性が、研究Cに含まれる、現在のガイドラインに従うとESAの投与が必要でないレベルと考えられる患者群において見積もられ、10g/dlより高いか、または等しいHbレベルを示す可能性は、ESAだけで処置された患者に対し、併用治療(ESA+PRC)を受けた患者において6倍大きいことが観察された(73%対27%、p<0.01、X:7.91、OR:6.1(IC95%:1.6−23.38))。
さらに、併用治療(ESA+PRC)を受けた患者群(研究A)を分析すると、ESAだけで処置された患者群と比較して、より高いHbレベルに関する重大な関連性が前記群において観察された。さらに、表1および4に示されるように、ESAの用量を45%低減して受けたにもかかわらず、前記利点が観察された。
パリカルシトールは、使用される特定のESAとともに投与されるものとして、1週当たり1回から3回まで透析患者に投与され、それにより、共同投与は、これら患者の通常の処置計画に困難性も変化ももたらさないことになる。パリカルシトールの用量範囲は、5μg/週の用量を含む。これらの用量は、カルシウム‐リン代謝に関してカルシトリオールのようなビタミンDの他のアゴニストと比較されたパリカルシトールによって示される改善されたプロファイルにより、および同様に、動的な骨疾患の発生に関連したPHTホルモンレベルの過剰抑制が生じないという理由により、CKDを患っていない貧血の患者におけるそれらの使用を可能にし、これは、パリカルシトール投与に対する重要な安全性様相となるであろう。すなわち、本発明によって提示された用量範囲は、CKDおよび二次性副甲状腺機能亢進症を患う患者と、CKDも二次性副甲状腺機能亢進症も患わず炎症性の貧血のみを患う患者との両方において、安全に使用することができる。
パリカルシトールとカルシトリオールとの間の比較分析(研究B)
カルシトリオールでの処置が、パリカルシトールでの処置で得られたのと同じ結果をもたらすことができるかどうかを決定するために、研究Bに含まれる患者群が分析された(表2)。群のうちの1つはパリカルシトールで処置され(n=61)、他の群はカルシトリオールで処置された(n=31)。
図4に明白に示されるように、対照の二次性副甲状腺機能亢進症(p=0.002 マン・ホイットニー検定)に対し、パリカルシトールで処置された患者群は約4000UI/週のESA用量を必要とし、一方、カルシトリオールで処置された患者群は9000UI/週を必要とした。
加えて、患者の2つの群の間のHbレベルの関連性も分析され(パリカルシトール対カルシトリオール)、図5に観察され得るように、カルシトリオール(11.10±1.16)(p=0.007)で処置した患者群に対して、パリカルシトールで処置された患者群はより高いHbレベル(11.89±0.13)を示した。
したがって、これらの結果は、パリカルシトールの使用が、カルシトリオールの使用と比較して、ESAに対する必要量の低減に関連することを明らかにする。カルシトリオールで処置されたそれらの患者の平均Hbレベルは著しくより低かったが、パリカルシトールの使用とより高いHbレベルとの関連性も観察することができる。2つの群の間で、二次性副甲状腺機能亢進症の程度についての有意差は観察されなかった;しかしながら、以下の表(表5)において示すように、研究時に受けた静脈内Feが低用量であるにもかかわらず、パリカルシトールで処置された患者はより高いレベルのTSI(%)を有した:
これらの結果は、2つのビタミンD類似体間の違いを示すものであり、そこでは、パリカルシトールが、より高いHbレベルを有するESA要求量と、カルシトリオールよりも改善された鉄動態パターンとの両方に関連する改善されたプロファイルとを提示した。
併用処置を受けた患者およびESAのみで処置された患者の群におけるESA必要量の分析(研究A)
取得されたデータは、先に詳細に記述(表1)した、MIR−EPO研究(研究A)に属する。
研究に含まれる31人の患者における3か月間および6か月間のESAの用量の変化率は:それぞれ94±8%(それぞれ)(76―112%)および93±11%(69−116%)(p=0.87)であり、この結果は、前記患者は、投与されたESAの用量に関して安定であることを示した。
赤血球造血剤に対する必要量の主要な予測因子としての鉄(IV Fe2+)の静脈内の補給は、36±14%のESA用量の平均減少を示した(IC95%:5−66%)。(p=0.02)(図6)。
パリカルシトールで処置された、およびパリカルシトールなしで処置された患者の群内のESA必要量の変化の比較分析は、パリカルシトール(n=8、p=0.39、F=1.09、偏Eta:0.26)で処置した患者の群に対し、パリカルシトール(n=18、p=0.01、F=4.89、偏Eta:0.22)による群における著しい減少を明らかにした(図7)。
ESAにおける変化が、鉄(Fe2+)での処置に依存するかどうか判定するために、Fe(IV Fe)(n=25)の静脈内補給を受けた患者のサブグループにおけるESA必要量の変化の分析が反復された。取得された結果は、研究の6か月において、パリカルシトールで処置された患者群は、24%低減したESA用量を使用したことを明らかにする(図8)。したがって、ESAで処置されたサブグループ(n=7)は、次のような用量の減少を示した:3.00±0.0から2.91±0.05および2.70±0.28(UI/週、log)(F=1.09、p=0.40、偏Eta:0.30)、ESA+PRC(n=18)での併用治療を受けたサブグループに対し比較された研究中:3.00±0.0から2.66±0.18および2.42±0.21(F=4.891、p=0.01、偏Eta:0.22)。
トランスフェリン飽和指数(TSI)の変化の分析(研究A)
研究Aに含まれる患者における研究中の平均TSIレベル(%)の変化は:それぞれ、0、3および6か月において、30.5±15、30.0±13、および29±17であった。
パリカルシトールを使用した又は不使用の患者の2つの群の間の変化を分析すると、パリカルシトールなしで処置された群の患者においてTSIのレベルがより高かったことを観察することができる(図9)。
鉄の非投与がTSIレベルの減少と関連したことを確認した後、パリカルシトールを使用した及び不使用の患者の群の間のTSIレベルの振る舞いにおける鉄吸収量を独立して決定するために、IV鉄のみで処置された群を含む、2つの群の間のTSIレベルで変化が評価された(n=25)。結果は、パリカルシトールを使用しない群は、研究の初めに示されたレベルと比較して、研究の終わりにTSIレベルがより低くなることを示すが、パリカルシトールを使用した群は、研究の初めのレベルと比較して、研究の終わりにTSIレベルがより高くなることを示すことを実証した(図10)。前記図10に観察し得るように、パリカルシトール(n=7)なしで処置された患者の群において、0、3および6か月における平均TSI(%)はそれぞれ、34±19、31±15および29±9(F=1.05、p=0.41)であり、パリカルシトール(n=18)で処置された患者群においてはそれぞれ、25±6、24±5および30±19(F=0.92、p=0.41)であった。
ビタミンD欠乏は、貧血の危険性に関連していること、そのため、ビタミンDまたはその類似体の補給は、明確に有益な効果に関連し得ることが想定されることに注目すべきである;しかしながら、ハイドロフェロールhidroferol(カルシフェジオールcalcifediol)の効果、ビタミンDの生物学的活性形態は、TSIに有益ではないことが観察された。加えて、カルシフェジオールで処置された患者は、研究の終わりで、より低いTSIレベルを示すことが観察された(6か月)(図11)。前記図11で観察され得るように、ハイドロフェロールで処置された患者の群において、TSIレベル(%)の重大な変化が存在する:29±12、33±14および25±9(F=3.33、p=0.04、偏Eta:0.17)、ハイドロフェロールを使用しない患者の群と比較して:31±15、25±8および35±22(F=1.38、p=0.26、偏Eta:0.09)。これは、ビタミンDにより生成されるカルシウムの吸収による、腸の鉄の吸収の欠陥を説明するであろう。25(OH)ビタミンDのより高いレベルが、低いTSIの数値(%)に関連していることが観察された(図11)。この生理学的特徴は、カルシトリオールにより分配することが可能であり、それは、パリカルシトールとカルシトリオールとの間の比較研究で観察されたことを部分的に説明するであろう(研究B)。しかしながら、TSIに対するこの不適当な効果は、パリカルシトールを使用する場合に、その化学構造が、より低い腸のCa2+吸収能力を与えるので、制御され、それによって、腸の鉄吸収の低減を回避するであろう。
ESAのみで処置した患者の群に対する併用治療(ESA+PRC)を受ける患者の群における鉄レベルの変化の分析(研究A)
研究の0、3および6か月における鉄(Fe2+)レベルは次のとおりであった:70±28、68±30および65±32μg/dl(F=0.21、p=0.80)。パリカルシトールを使用した、および不使用の群の間の分析において、パリカルシトール(n=8)を使用しない群は、次の平均値を示すことが観察された:78±40、70±36および64±18μg/dl(F=2.82、p=0.13)およびパリカルシトール(n=23)を使用した群において:68±23、68±28および66±37μg/dl(F=0.01、p=0.98)。
IV鉄補給食品(n=25)で処置された患者内のFe2+レベルの変化の分析は、パリカルシトールを不使用のまたは使用した群の両方に属し、図12に示される。前記図12に観察し得るように、パリカルシトール(n=7)を使用しない処置を受けた患者のサブグループ間の分析は、次の平均値を示した:79±43、67±37および64±20μg/dl(F=2.03、p=0.22)。また、パリカルシトール(n=18)を使用した群は次のとおり:61±16、57±14、68±37μg/dl(F=0.80、p=0.46)。
結果を統合すると、一般的な平均値は、血漿Fe2+レベルにおいて下落傾向を示したが、この減少は、パリカルシトールで処置されていない患者において示された減少によって決定される、と結論することができる。したがって、研究の終わりに観察することができるパリカルシトールで処置された患者におけるFe2+の増加は、Fe2+がTSI(%)と正の相関を有するので、このサブグループにおいて観察されたTSI(%)の増加を説明するであろう。
血漿フェリチンレベルの変化の分析(研究A)
研究Aに含まれる患者の群において示される結果は、研究の全体にわたる鉄沈殿の減少を明らかにし、以下の値を示す:それぞれ0、3および6か月において、815±469、744±435および598±320ng/ml(F=5.63、p<0.01、偏Eta:0.15)。ESAのみで処置された患者の群の分析の際、フェリチンレベルの減少についても観察され(n=8)(650±373、867±558および500±271(ng/ml)、F=8.65、p=0.01、偏Eta:0.74)、併用治療(ESA+PRC)(n=23)を受ける患者の群においてと同様の方法で、0、3および6か月の次の平均値を示す:873±492、701±389、F=8、29および632±334(ng/ml)、p<0.01、偏Eta:0.41(図13)。
異なる炎症性マーカーの発現の分析(研究A)
インターロイキン−6(IL−6)レベルの変化
IL−6レベル(pg/ml、log)は、研究全体にわたって変化しなかった(0.89±0.46および0.91±0.83;p=0.83、F=0.04)。
ESAのみで処置された群に対する併用治療(ESA+PRC)を受けた群との間の比較分析はフォローアップ時間中の変化を明らかにしなかったが、パリカルシトールを使用した併用治療を受ける群は、このサイトカインの低レベルを示した。
これらのマーカーの変化に影響を及ぼす要因についてほとんど知られていないので、統計モデルは、PTHiおよびGSVの値に従って調節された。取得された結果は、2つの群において同様の変化を示し、併用治療を受ける群におけるより低いIL−6レベルを示した(図14)。
ヘプシジンレベルの変化
研究中の平均ヘプシジン値は次のとおりであった:2.72±0.57対2.62±0.45pg/ml、log(F=0.67、p=0.42)。パリカルシトールを使用しない患者の群において、ヘプシジンレベルの減少が研究の終わりに観察され(2.82±0.12対2.50±0.16pg/ml、log、p=0.03、F=7.76)、パリカルシトールを使用した患者における変化は、2.62±0.17対2.69±0.12、p=0.95、F=0.00であった。2つの群の間のこの炎症誘発性マーカーの平均値における有意差は観察されなかった(ESA対PRC+ESA:2.66±0.16対2.68±0.11pg/ml、log、p=0.91)(図15)。
PTHiおよびGSVのレベルに従って調整された比較分析を実行すると、研究の3か月および6か月での血漿ヘプシジンの平均値が、ESAで処置された患者の群、およびESA+PRCで処置された群において、同様の態様で変化した(図16)。2つの処置群におけるこのパラメーターの類似の変化は、研究の3および6か月において、研究の前記段階が維持段階であると考えられることを考慮すると、この事実により、前記メンテナンス段階(3か月−6か月)の間のヘプシジンレベルの変化が、ヘモグロビンレベルにおいて観察された変化と逆相関しているということは重要である(図17)。前記逆相関は、パリカルシトールを受けた群における赤血球の個数の変化においても観察される;しかしながら、この相関性は、パリカルシトールを受けなかった患者の群においては示されなかった(図18)。
これらの結果は、研究の終わりに実行された、ヘプシジン(pg/ml)とエリトロポイエチン(mU/ml)(log)のレベルの間の回帰分析によって観察されたように、ヘプシジンレベルの主要な決定要因が血漿エリトロポイエチンの濃度であるので、パリカルシトールを使用する処置の利点を確認する(図19)。
さらに、この研究は、ESAのみで処置された患者および併用治療(ESA+PRC)を受けた患者の両方において、後者が受けたのがESAのより低い用量であるという事実にもかかわらず、ヘプシジンレベルが同様の態様で減少したということを明らかにする。併用治療を受けた患者の群において、ヘプシジンレベルの減少はより高いHbレベルと関連し、これが適切な生理学的反応を表わすということも興味深い。
さらに本発明は、ヘプシジンレベルがフェリチンレベルとどのように直接関係しているか示し、(併用治療(r=0.55、p=0.03)を受ける患者において)、それによって、ESAの多用量に基づくのではなく、併用治療からもたらされるフェリチンの減少が、今までの技術水準で述べられていなかった、Fe2++が過剰負荷されて減少した組織に存在する、併用治療の異なる効果を発揮し(高血漿フェリチンレベルの生成)、それによって、それに関連する悪影響を回避する(Garcia−YebenesI,et al.,NeurochemInt.2012 Dec:61:1364−9;Gujja P,et al.,J Am Coll Cardiol.2010 Sep:56:1001−12)。
可溶性血漿Klothoレベルの変化
取得された結果は、研究の全体にわたるKlothoレベルの著しい減少を明らかにし、3および6か月で平均値を示す:それぞれ2.72±0.14から2.66±0.14pg/ml、log(p<0.01、F=12.74、偏Eta:0.31)。
ESA+PRCの併用治療を受けた患者の群に対するESAのみで処置された患者の群との間の比較分析は、フォローアップ時間(3か月から6か月)の間での患者の2つの群におけるKlothoレベル(pg/ml)(log)の減少を明らかにした:併用治療を受けた群におけるKlothoレベルは次のとおり:2.59±0.10から2.55±0.09pg/ml(log)(p=0.22、F=1.77、偏Eta:0.20)、これに対し、ESAのみで処置された群において取得しらものは2.77±0.12から2.70±0.14pg/ml(log)(p<0.01、F=11.08、偏Eta:0.36)。しかしながら、パリカルシトールを使用しない患者の群のレベルの減少にもかかわらず、平均Klothoレベルが、併用治療を受けた群においてより高かったことも観察された。2.74±0.02対2.57±0.02pg/ml(log)(p<0.01、F=11.08、偏Eta:0.29)(図20)。
そのうえ、併用治療(ESA+PRC)を受けた患者における、3か月および6か月でのTSIおよびKlothoの値の変化との正の相関も同様に明示されたが、その一方、ESAのみで処置された患者において前記相関性は観察されなかった(図21)。
Klothoレベルの変化と、研究の3か月および6か月の間の遊離鉄の存在量との間の相関分析が実行され、それにより、ESA(r=0.31、p=0.45、n=8)のみで処置された患者における非重要相関に対する、併用治療(p<0.01、r=0.60、n=20)を受けた患者における統計的有意性が示された。
したがって、示された結果は、併用治療を受けた患者におけるより高い血漿Klothoレベルは、遊離血漿鉄および改善されたTSI(%)のより高いレベルと関係があることを実証し、これは、赤血球破壊(エリプトーシスeryptosisの阻害)のより低い速度を決定し、さらに付け加えると、これは、骨髄レベルで赤血球を産生するためのより大きな能力に関連するであろう。
血漿エリスロポイエチンレベル内変化の分析(研究A)。
CKDの患者における貧血の進行の主な要因のうちの1つは、腎臓機能の劣化に関連する第2のエリスロポイエチンレベルの減少から発生する。腎臓がエリスロポイエチン合成の原因である主な器官であるから、エリスロポイエチンのより低い用量の投与によって、このホルモンの血漿レベルが論理的に減少することになる。最先端技術では、ビタミンDまたはその類似化合物の投与はエリスロポイエチンに対する縮小された抵抗に関連する;しかしながら、前記の化合物を用いる治療が、ESA必要量の縮小に加えて内因性のエリスロポイエチン合成の増加を引き起こすとは評価されていない。
この点について、本発明は、併用治療(ESA+PRC)を受けている患者の群においての血漿エリスロポイエチンの増加を示し、ESAのみで処置されている患者(図22)から得られた値に対し、3か月から6か月の平均値:それぞれ、10.1 mUI/ml(4.96‐16.8 mUI/ml)および18.1 mUI/ml(8.2‐26.1 mUI/ml)(p=0.01)であった。前記の図22に観察されるように、パリカルシトールの無い患者の群における3か月から6か月の平均EPO値は次の通りであった:14.5(4.7‐19)から13.3(10‐21)mUI/ml(p=0.46)、および、パリカルシトールを投与した群においては、値は8.6(4.6‐16.7)から20.2(7.2‐33.6)mUI/ml(p=0.02)に増大した。
研究の間に2つの異なる形式のESAが使用されたという事実により、ESAのタイプ(NeorecormonおよびCERA)によるエリスロポイエチンレベルの変化の下位分析が(図23)、各患者およびパリカルシトールの有無に関する群から得られ、それによって両方の群の中で、パリカルシトールを用いた共同使用は血漿エリスロポイエチンレベルのより高いパーセンテージの値に関係している事が観察された。
血漿エリスロポイエチンレベルの上昇の効果を評価するため、血漿エリスロポイエチンレベルにおける変化とヘモグロビンレベルにおける変化との間の相関分析が行われ、併用治療(ESA+PRC)を受けた患者では、予期された生理反応と関係する正相関が認められる事が観察された;しかしながら、ESAのみを用いて処置された群では著しい負の相関が観察され、おそらく、ESAの用量の増加によって上昇するエリスロポイエチンレベルは、赤血球生成反応の改善を伴わない事を示す(図24)。
パリカルシトールを処置されていない患者およびパリカルシトールを処置された患者の群の間のIV Feの投与における変化の分析(研究A)。
研究期間の間にはIV Feの用量における変化は観察されなかった(図25)。パリカルシトールを用いない群は113±22mg、75±25および100±46 mg/週(p=0.20、F=2.091)が得られ、一方、パリカルシトールを用いた群における変化は96±13、109±20および96±19(p=0.64、F=0.43)であった。
パリカルシトールを処置された患者およびパリカルシトールを処置されていない患者の群におけるヘモグロビンレベルの安定性の分析(研究A)。
MIR−EPO研究(研究A)を通してHbレベルは著しく変化せず、図26に観察されるように、それらの変化はESAを用いた処置を受けた群の間で、併用治療(ESA+PRC)を受けたものに対して異なっている事が観察された。
前述のように、ヘモグロビン変異性はESAを用いて処置されている患者において、目立たない程度であるがより高い死亡率に関係している。この点について、患者の両方の群の研究を通してHbレベル変異性を分析した。結果は、この変異性が、ESAとパリカルシトールを用いた併用治療を受けた患者においてESAのみで処置されている患者に対してより低いことを示す(図27)。前記の図は、0−3か月(灰色の線)と3−6か月(黒の線)の間の、ESA(n=8)で処置されている患者の群におけるHbレベルが:0.73±1.30および−0.22±1.17(p=0.25)、並びに併用治療(n=23)を受けた患者の群では0−3か月と3−6か月の間で、それぞれ:の0.10±0.14および0.10±1.70(p=0.99)であった事を示す。
併用治療を受けた患者の群におけるヘモグロビン値の安定化のこの著しい程度は、現在まで分析されない効力を黙示的に伴い、および赤血球形成反応に特別な関連性を有することになる。我々が観察したように、ESAとパリカルシトールの併用が改善されたHbレベルと関連していた場合、Hbと、明らかであるが赤血球レベルの制御されていない上昇は、健康に有害な真性赤血球増加症および過粘稠を発症させ得る。
併用治療(ESAとパリカルシトール)を受けた患者対ESAを用いた処置を受けた患者のHbレベルの平均変化量を分析した結果、月0から3および3から6(r=−0.57、P=0.004)の間に含まれる逆の線形相関が観察され、換言すれば、平均Hbレベルが3か月目で月0に対し増大した患者は、相関的にその研究の月3と6の間で平均ヘモグロビンレベルが減少する事が観察された。
したがって、結果は、併用治療を受けた患者の群の中のパリカルシトールの使用がヘモグロビンレベル以上の緊縮調節を引き起こした事を明らかにし、それによってこの条件下で、ビタミンDレセプタの選択的な活性化が、本発明を通じて示されるように、パリカルシトールの使用を通じ、炎症性の貧血の治療において不可欠であると考えられ得る。
本発明で示される結果は全て、パリカルシトールを用いた治療が鉄動態に有益な効果があることを証明し、前記の有益な効果は、組織鉄の沈殿物のより良い利用に関係する炎症性のサイトカインおよびヘプシジンレベルの順に最良のプロファイル(profile)と関係する。さらに、より低いヘプシジンレベルは高いHbレベルおよび赤血球のより高い数量に関係し、この逆の相関はパリカルシトールで処置されている患者に起こり、ヘプシジンに起因する特性と一致している;しかしながら、本発明で示されるデータでは、ヘプシジンレベルの減少と、パリカルシトールを用いて処置されていない患者の中の赤血球の数量の仮説的な増加の間では相関関係は観察されておらず、それは、患者のこの群の中のヘプシジンの減少中の生理的な閉塞現象を示唆する。また、IV Feの用量の増加にもかかわらずTSIが減少した事が観察され、血漿フェリチンレベルの減少に加えて、それによって我々は、パリカルシトールで処置された群に対してより多くのESA用量が必要である事を理由として、エリスロポイエチン活性が増大したことからより多くの鉄吸収が起こったと結論付けた。
反対に、パリカルシトールを用いて処置された患者の群でヘプシジンレベルと赤血球の数量の間の逆の相関、およびTSIのレベルの増加が、IV Feのより低い用量にもかかわらず観察され、フェリチンレベルの減少に加えて、一定の血漿ヘモグロビンレベルを維持する間の、内因性の鉄分の供給の存在、すなわち細胞内の鉄分沈殿物の適切な動員を示す。
また、パリカルシトールを処置された患者の群におけるヘプシジンレベルがESAのみで処置された群、すなわちESAのより高用量を必要とした群と似た変化を示したことに注目するべきである。本発明を通じて示されるように、ヘプシジン発現レベル中の抑制を引き起こすのは血漿エリスロポイエチンのレベルであるという事実により、これは、パリカルシトールを処置された患者でのエリスロポイエチンレベルの増加によって正当化される。
さらに、パリカルシトールで処置されている患者の中のより高いKlothoレベルの存在は、炎症性の貧血の治療における新規の特性であり得る。CKD、鉄分欠乏、エリスロポイエチン欠乏、および、動物実験レベルにおいてはKlotho欠乏などの疾病を持った患者の中の赤血球は、eryptosisと呼ばれる早期の死亡過程に関係していると、これまで記述されている。Klothoレベルは血漿鉄レベルと正相関を有すると観察されている。
併用治療を受けた患者の比較分析では、血漿鉄とKlothoのレベルの変化間に直接の相関があり、一方で、パリカルシトールを処置されなかった群ではこの関係は観察されなかった。
ESAの使用は、パリカルシトールを用いた処置を受けている群が、同様の血漿Hbレベルを維持するためにパリカルシトールのない群に対してより少ない赤血球形成作用薬の用量を必要としたことを示した。研究において観察されるように、この効果は鉄分サプリメントの投与から独立している。血漿エリスロポイエチンレベルの決定は、時間とともに、パリカルシトールで処置されている患者が、彼らの血漿レベルをどのように上昇させたかを示す。この効果は、正確には患者のこの群では投与された用量がより低かったため、ESAの投与とその用量から独立している。この現象への説明は血漿エリスロポイエチンレベルのより低い排出、または、より起こりそうであるが、そのより大きな内因性の合成に関連し得る。
併用治療を受けた患者の群の中の平均Hbレベルの変化は、前記の分子の非常に著しい安定性を示し他の処置によって記述されておらず、0−3か月の間のHbレベルにおける変化の程度と研究の3−6か月の間で観察された変化の間の著しい逆相関が観察され、それによって、パリカルシトールを用いた処置に、赤血球形成に調節の効果を与える。
本発明で示される結果で観察できるように、パリカルシトールを処置されなかった患者の群では、Hbレベルの著しい増加、またはTSIの増加に鉄分(月3と6の間で)の用量の増加は関連しなかった;さらに、得られた結果を考慮すると、ESAの用量の増加およびその結果として生じる血漿エリスロポイエチンレベルの増加は、改良されたHb反応に関係していない場合がある。これはさらに、患者のこの群の貧血の治療が、そのより有効でない治療法により制限されていることから、ヘモグロビンレベルの低下を導く可能性がある事が明らかになった。これに対して、パリカルシトールの使用は最適化された鉄分吸収、エリスロポイエチンレベルの増加およびその適切な反応に関連していた。
要約すると、最適化された鉄分吸収および赤血球形成作用薬の必要量の減少の結果、抗炎症の特性は、パリカルシトールを投与された患者の中のエリスロポイエチンレベルの増加と共に、炎症性の特性を有する貧血の患者の補助療法としての興味深い役割をそれに与える。

Claims (13)

  1. 炎症性貧血を処置するための医薬組成物の製造におけるパリカルシトールの使用であって、投与されるパリカルシトールの用量は5−10μg/週の間で含まれる、ことを特徴とする使用。
  2. 投与されるパリカルシトールの用量は1μg/日である、ことを特徴とする請求項1に記載のパリカルシトールの使用。
  3. 投与されるパリカルシトールの用量は週に2回で5μgである、ことを特徴とする請求項1に記載のパリカルシトールの使用。
  4. 少なくとも1つの赤血球生成刺激剤と組み合わせた、請求項1乃至3の何れかに記載のパリカルシトールの使用。
  5. 赤血球生成刺激剤は、EPO、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、及びエポエチンデルタの何れかの中から選択される第一世代の赤血球生成刺激剤;第二世代の赤血球生成刺激剤、及び/又は第三世代の赤血球生成刺激剤の中から選択される、ことを特徴とする請求項4に記載のパリカルシトールの使用。
  6. 赤血球生成刺激剤は、EPO、エポエチンベータ、Neorecormon、Dynepo、Darbepoetinアルファ、及び/又はCERAの何れかの中から選択される、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のパリカルシトールの使用。
  7. 医薬組成物であって、少なくとも1つの赤血球生成刺激剤、及び薬学的に許容可能なビヒクル又は賦形剤と組み合わせて、5−10μg/週の間で含まれる用量で投与されるパリカルシトールを含む、医薬組成物。
  8. パリカルシトールの用量は1μg/日である、ことを特徴とする請求項7に記載の医薬組成物。
  9. パリカルシトールの用量は週に2回で5μgである、ことを特徴とする請求項7に記載の医薬組成物。
  10. 赤血球生成刺激剤は、EPO、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、及びエポエチンデルタの何れかの中から選択される第一世代の赤血球生成刺激剤;第二世代の赤血球生成刺激剤、及び/又は第三世代の赤血球生成刺激剤の中から選択される、ことを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の医薬組成物。
  11. 赤血球生成刺激剤は、EPO、エポエチンベータ、Neorecormon、Dynepo、Darbepoetinアルファ、及び/又はCERAである、ことを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の医薬組成物。
  12. 薬物の製造における、請求項7乃至11の何れかに記載の医薬組成物の使用。
  13. 炎症性貧血を処置するための薬物の製造における、請求項7乃至11の何れかに記載の医薬組成物の使用。
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