JP2008508854A - エリスロポイエチンタンパク質変異体 - Google Patents

エリスロポイエチンタンパク質変異体 Download PDF

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Abstract

エリスロポイエチン(EPO)変異体、特に安定性改善を有する変異体、それらの製造、ならびに例えば治療における使用。

Description

本発明は、エリスロポイエチン変異体、特に安定性改善を有する変異体に関する。本発明はさらに、変異体の製造、ならびに例えば治療における変異体の使用に関する。
エリスロポイエチン(EPO)は、造血成長因子ファミリーの一成員であり、ホルモンとして振舞う。それは赤色血液細胞(赤血球)産生(赤血球生成)の調節に関与し、身体の赤血球量を最適レベルに保持する。EPO産生は、酸素感受性である転写因子により媒介される腎動脈循環中の酸素含量低減により刺激される。EPOは、腎臓の尿細管周囲毛細管内皮の細胞により主に産生される。分泌EPOは、骨髄赤血球前駆細胞の表面でEPO受容体と結合して、それらの迅速複製および機能性赤血球への成熟を生じる。この刺激は、赤血球数の急速上昇およびその結果としてのヘマトクリット(血液中の赤血球%)の上昇を生じる(D’Andrea et al Cell 1989 57: 277-285;Lodish et al Cold Spring Harb Symp Quant Biol 1995 60: 93-104)。
ヒトEPOは先ず、Lin等(Proc Natl Acad Sci USA 1985 82: 7582-4)およびJacobs等(Nature 313: 806-810 1985)によりクローン化され、アミノ酸配列が報告された。
ヒトEPOは、約30400ダルトンの分子量を有する酸性糖タンパク質である。それは、4つのシステイン残基(位置7、29、33および161に)を含有する不変165アミノ酸単一ポリペプチド鎖からなり、これは内部ジスルフィド結合を形成する(Lai et al. J Biol Chem 1986 261: 3116-3121; Recny et al J Biol Chem 1987 262: 17156-17163)。システイン7および161間のジスルフィド架橋は、生物学的活性に不可欠であることが既知である。EPOの炭水化物部分は、Asn24、38および83の3つのN結合糖鎖、ならびにSer126の1つのO結合糖から成る(Browne JK et al Cold Spring Harb Symp Quant Biol 1986 51: 693-702;Egrie JC et al Immunbiology 1986 172: 213-224)。
ヒトEPOの構造が報告されている(Cheetham et al 1988 Nat Struct Biol 5: 861-866;Syed et al 1998 Nature 395: 511-516)。ヒトEPOは、造血成長因子ファミリーの成員の典型である4本へリックスバンドルである。不変アミノ酸配列と対照して、炭水化物構造は可変性であり、ミクロ不均一性と呼ばれる特徴である。炭水化物部分における差異は、分枝パターン、複雑性サイズおよび電荷に関して、EPOの薬物動態および薬力学に及ぼす顕著な作用を有する。異なるグリコシル化パターンの作用は、十分に研究されている(Darling et al 2002 Biochemistry 41: 14524-14531; Storring et al 1998 Br J Haematol 100: 79-89; Halstenson et al 1991 Clin Pharmacol Ther 50: 702-712; Takeuchi et al 1990 J Biol Chem 265: 12127-12130)。
以下のEPOは、組換えヒトEPO(rhEPO)と同一のアミノ酸配列を有し、産生およびグリコシル化の方法における変異は、これらの生成物を区別する。エポエチンアルファ(ゲノムDNA)およびエポエチンベータ(cDNA)は、米国特許第4,703,008号および第5,955,422号に記載されている。これらはヒトEPOと同一アミノ酸配列を有し、そしてチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で産生される。エポエチンアルファは、商標名プロクリット(Ortho Biotech)、エプレックス(Johnson & Johnson)、エポギン(Chugai)またはエポゲン(Amgen)下で入手可能である。エポエチンベータは、商標名ネオレコルモンまたはレコルモン(Hoffmann-La Roche)下で入手可能である。それは、腎疾患に関連した貧血の治療のために、Genetics Instituteにより開発された。米国特許第号に記載されたエポエチンオメガはヒトEPOと同一アミノ酸配列を有し、そして幼仔ハムスター腎細胞(BHK‐21)中で産生される。エポエチンオメガは、商標名エポマックス(Elanex)下で入手可能である。
ダルベポエチンアルファ(新規の赤血球生成刺激タンパク質、NESP)はAmgenにより開発されたものであり、そして商標名ARANESP(Macdougall IC, Kidney Int Suppl. 2002 May; (80): 55-61)下で入手可能である。それは、5つのN結合炭水化物鎖(rhEPOより2つ多い)を含有するよう設計された。Aranespのアミノ酸配列は、5つの置換(Ala30Asn、His32Thr、Pro87Val、Trp88Asn、Pro90Thr)で、rhEPOのものとは異なり、したがって位置30および88のアスパラギン残基での付加的オリゴ糖結合を可能にする。その炭水化物含量増大のため、Aranespは、より高い分子量(37,100(30,400ダルトンと比較して))、シアル酸含量(22(14個のシアル酸残基と比較))および負電荷増大の結果として、rhEPOと異なる。Aranespの炭水化物含量増大は、その異なる生化学的および生物学的特性を、特に静脈内(IV)または皮下(SC)経路により投与される場合、他の現存するエリスロポイエチンより3倍長い循環半減期を説明する。しかしながら相対的EPO受容体結合親和性は、炭水化物含量と逆相関し、Aranespは、rhEPOより4.3倍低いEPO受容体に関する相対的親和性を示した。SC投与後、Aranespの吸収は遅くそして速度限定性であり、血清レベルは平均54時間で最大に達する。最大濃度に達する時間は、おそらくはAranespの分子サイズ増大のため、rhEPOに関して報告された時間より長い。しかしながら一般に、循環半減期延長は、その低頻度投与のために、プロクリットより有意の臨床的利点をAranespに与える。しかしながら、その受容体に関するAranespの親和性に対して考え得る改善を探求するための、あるいはSC投与後の吸収率を検討するための機会が存在し得る。
Transkaryotic Therapies(Aventis Pharmaと一緒に)は、エリスロポイエチン刺激薬ディネポ(エポエチンデルタ)を開発中である。ディネポは、腎不全を有する患者における貧血の治療のための、ヒト細胞培養中で産生される遺伝子活性化ヒトエリスロポイエチンである。
Rocheは、化学療法に関連した貧血の考え得る治療のための、第二世代エリスロポイエチンである連続エリスロポイエチン受容体活性剤(CERA)であるR‐744を開発中である。CERAは、この作用物質の半減期を延長する約30 kDaの単一メトキシポリエチレングリコールポリマーを含有する。
EPO構造活性関係(Elliot et al 1997 Blood 89: 493-502; Elliot et al 1996 Blood 87: 2702-2713; Syed et al 1998 Nature 395: 511-516)を、あるいはグリコシル化の作用(O’Narhi et al 2001 Protein Engineering 14: 135-140; Bill et al 1995 Biochimica et Biophysica Acta 1261: 35-43; Yamaguchi et al 1991 J Biol Chem 266: 20434-20439)を研究するために、多数のEPO個別点突然変異体が作製されてきた。公開突然変異と本出願で開示されるものとの間に、有意の重複は認められない。アミノ酸突然変異が重複する4つの突然変異(Lys20Arg、Thr27Ala、Val61AlaおよびThr107Ala)は、EPOフォールディングまたは生物活性に影響を及ぼさないことが以前に報告されており(Elliot et al 1997 Blood 89: 493-502)、そしてこれらの位置で観察されるアミノ酸変異は、今までのところ、本発明に開示された変異と有意に重複しない。
EPOは主要生物薬学的製品であり、世界的売上高は30億米ドルを超える。それは、慢性腎不全、癌化学療法、HIV感染、小児科学的用法、未熟児に関連した貧血を治療するために、そして選択的非心臓性および非血管性手術を受けている貧血患者における輸血の必要性を低減するために、主に用いられる。
本発明は、安定性改善を示すEPO変異体を提供する。
安定性は一般に、そのフォールディング化および活性状態で残存する分子の傾向と定義され得る。天然分子は通常は、それらの代謝、そしてしばしばそれらの迅速代謝が身体中の作用のそれらの内在的メカニズムの重要な特質である場合、限定安定性を有する。
通常は、そのフォールディング化およびネイティブ構造中の安定タンパク質は、プロテアーゼまたはその他のメカニズムにより分解され得る。それは、タンパク質が通常は身体中で排除される安定状態からの2つのキーオフ経路のためである。これら2つは、アンフォールディングおよび凝集である。それらは通常は関連づけられる。アンフォールディングは、フォールディング化活性分子を低フォールディング化状態に戻す経路である。凝集は、分子が非可逆的に非活性状態に変えるようなミスフォールディングの結果である。アンフォールディングおよび凝集はともに、タンパク質分解性またはその他の消化に対するタンパク質の感受性を有意に増大する。本発明において、結果的に生じる存在物がより安定であるよう、EPOのフォールディングおよびアンフォールディングをわれわれは修飾した。タンパク質の熱力学的安定性増大の進展は以前に実証されている(Jermutus et al, 2001 Proc Natl Acad Sci 98: 75-80)が、しかしこれは、このプロセスからのin vitro進展およびその結果生じるアミノ酸変化は生物療法の実在する利益を生じ得る、という最初の記載である。
本発明の一態様によれば、野生型ヒトEPOと比較して、安定性改善を示すEPO変異体が提供される。
本発明のさらなる態様および実施形態は本明細書中に開示されており、そして好ましい態様および実施形態は以下に包含される特許請求の範囲に支配される。
本発明の情況で用いられる安定性の測定値は、ラジオイムノアッセイ(RIA)で確定した場合、ジチオトレイトール(DTT)、例えば10 mMのDTTの存在下でEPO受容体を結合するEPO変異体の能力と、同一ラジオイムノアッセイでDTTの非存在下でEPO受容体を結合するEPO変異体の能力の比率として表わされ得る。その比率の値が大きいほど、EPO変異体の安定性は、それゆえ還元環境中のフォールディング化状態でのその存在はより大きくなる。
野生型EPOと比較して、EPO変異体は、少なくとも約5倍、さらに好ましくは少なくとも約10倍、15倍、20倍、25倍または30倍改善されるような比率を有し得る。
安定性改善を示す変異体は、下記の実験で同定される。例えば、野生型EPO(0.02)および種々の変異体(0.13〜0.51の範囲)に関してDTTの存在下および非存在下で結合するEPO受容体の測定比率を提示する表1を参照されたい。
本発明の情況で用いられる安定性のさらなる測定値は、抗EPO HRP融合抗体を用いてELISAにより確定した場合に、DTT、例えば10 mMのDTTの存在下でEPO受容体を結合するEPO変異体の能力と、同一ELISAでDTTの非存在下でEPO受容体を結合するEPO変異体の能力の比率として表わされ得る。DTTの非存在下および存在下でのEPO変異体のEPO受容体との相対的結合の比較は、安定性の指標を提供する。結合がパーセンテージ値として測定される場合、パーセンテージ値が大きいほど、EPO変異体の安定性は、それゆえ還元環境でフォールディング化状態でのその存在はより大きくなる。
野生型EPOと比較して、好ましいEPO変異体は、少なくとも約10%、20%、30%または40%、さらに好ましくは50%、60%または70%といったようなパーセンテージ値を有し得る。
安定性改善を示す変異体は、下記の実験で同定される。例えば、野生型EPO(1%)および種々の変異体(1%〜75%の範囲)に関してDTTの存在下および非存在下で結合するEPO受容体により確定されるパーセンテージ値を提示する表3を参照されたい。
本発明の情況で用いられ得る安定性の別の測定は、経時的なEPO変異体の凝集を野生型EPOの凝集とを比較することである。例えば野生型EPOおよび変異体EPOはともに、一連の温度(例えば5℃〜45℃)で保存され、次に当該技術分野で既知のルーチン方法を用いて分解生成物および凝集物質に関して分析され得る。安定タンパク質はより良好にフォールディング化状態で残存し、そして分解および凝集傾向が低い。
安定性改善を示すEPO変異体ポリペプチドは、野生型タンパク質が90%残留活性を保持するより2〜10℃高い温度で、例えば2、3、4、5、6、7、8、9または10℃高い温度で、90%残留活性を保持し得る。残留(即ちフォールディング化、活性)タンパク質のパーセンテージは、HPLC、SDS PAGEのようなルーチンの生化学的技法により、あるいは結合検定または細胞から応答を引き出すといったような活性検定により、測定され得る。
安定性改善を示す変異体は一般に下流プロセシングにおいてより高い発現およびより高い収率を提供し、これが商品コスト(COG)改善をもたらす。
さらに、安定性改善を示すEPO変異体は、保存寿命改善を示す。より長い保存寿命は、それが商品コストにも影響を及ぼすので、有益である。
安定性改善を示すEPO変異体は、より長い半減期に起因する身体における効率増大を有する。さらに、安定性改善を示すEPO変異体は、凝集低減のため、皮下投与のような投与経路により応じやすく、これは、効率を増大するだけでなく、引き出されている抗体を中和するかまたは結合する危険も低減する。
本発明による好ましいEPO変異体は、本明細書中で同定されるような一組の突然変異を含む。
本発明のさらに好ましいEPO変異体は、配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17から成る群から選択されるアミノ酸配列を有する。
さらなる好ましいEPO変異体は、配列番号18、19、20、21および22を有する。
本明細書中に開示された変異体の各々およびすべてのものは、コード核酸、このような核酸を含むベクター、このようなベクターを含む宿主細胞、変異体を含む組成物、ヒトまたは動物身体の治療方法に用いるための本発明の変異体、貧血の治療のための薬剤の製造における変異体の使用、変異体およびその他の組成物の製造方法、本明細書中に開示されるような方法および使用の場合と同様に、本発明の一態様を表わす。
本発明によるEPO変異体は、出発タンパク質と、あるいは野生型または天然タンパク質と比較して、1つまたは複数の付加的変化を含有し得る。EPOに対する多数の異なる修飾は機知であり(天然突然変異体および人工的作製変異体の両方)、野生型と比較して修飾された特性を有する。1つまたは複数のこれらの特性は、本発明によるEPO変異体中に保持されるかまたは提供され得る。
さらに、出発タンパク質と、あるいは野生型または天然タンパク質と比較して、1つまたは複数の付加的変化を含有する本発明のEPO変異体は、1つまたは複数の突然変異の相乗的組合せに起因する安定性増大を示し得る。
野生型EPOは、位置7、29、33および161に4つのシステイン残基を有し、これは、2つの分子内ジスルフィド架橋を形成する。好ましくは本発明のEPO変異体は、偶数のシステイン残基、好ましくは4以下のシステイン残基、さらに好ましくは2以下のシステイン残基を有する。好ましくは本発明によるEPO変異体は、4つのシステイン残基または2つのシステイン残基を有する。システイン残基は、位置7、29、33および161に、さらに好ましくは位置7および161に存在する。
奇数のシステイン残基の存在は、これが分子内ジスルフィド架橋による分子の交差結合のための凝集を生じ得るので、望ましくない。奇数のシステイン残基を含有する変異体では、非対合システインは、除去され、元々システインがない場合は本来の野生型残基と、または任意のアミノ酸残基、例えばアラニンと置き換えられるべきである。
位置29または位置33のシステイン残基が突然変異化される場合、位置29または位置33の突然変異をその元のシステイン残基に戻すことにより、非対合システイン残基が対合されるのが好ましい。
非対合システイン残基が位置29にある場合、一選択肢は、この非対合システインを任意の他のアミノ酸と置き換えることである。さらなる選択肢は、位置29の非対合システインをバリンと置き換えて、そしてさらに位置33のアミノ酸残基をアラニンと置き換えることである。バリンおよびアラニンは、ジスルフィドか京都類似の立体要件を有することが既知であり、そこで、ジスルフィド架橋のための有用な代替物と考えられる(Worn and Pluckthun, 1998, FEBS Letter 427: 357-361)。
さらに、EPO変異体の位置29がシステイン以外のアミノ酸残基を有する場合、位置33にチロシンまたはアルギニンを有するのが好ましい。
EPO変異体の炭水化物含量増大は循環半減期を増大する、ということが当該技術分野では既知である(ARANESPでは、5つのN結合グリコシル化部位、2つより多い野生型EPOが存在する)。本発明のEPO変異体は、特に哺乳類発現系で発現される場合、5以上の、好ましくは4以上の、さらに好ましくは3以上のN結合グリコシル化部位を有するのが好ましい。好ましくは本発明の変異体は、5、4または3つのN結合グリコシル化部位を有する。N結合グリコシル化部位の数は、EPO変異体が原核生物発現系で発現される場合、関連がない。本発明のEPO変異体の哺乳類発現に関しては、N結合グリコシル化部位の数は、好ましくは好ましい数に戻される。
本発明による好ましいEPO変異体は、配列番号3、6、7、9および17から選択されるアミノ酸配列を有する。本発明のさらに好ましい変異体は、配列番号17で示されるアミノ酸配列を有する。
さらなる好ましい変異体としては、1つまたは複数の突然変異が、本明細書中で同定される突然変異組のいずれかのほかに作製されるもの、そして1つまたは複数のシステイン残基あるいはN‐グリコシル化に関与する1つまたは複数の残基、即ち、モチーフNXZでは、NまたはZ(ここで、Nはアスパラギンであり、Zはセリンまたはトレオニンであって、この場合、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸である)が生じるものが挙げられる。したがって、例えばシステインまたはアスパラギンあるいはN‐グリコシル化に関与するその他の残基に変化が存在する一組の突然変異が本明細書中に開示される変異体に関しては、システインへの復帰(本明細書中の別の箇所に示される原理に従って)および/またはN‐グリコシル化モチーフを提供するための復帰が存在するこのさらなる変異体が本発明により提供される。さらに、本明細書中に開示される一組の突然変異において、システインまたはアスパラギンあるいはN‐グリコシル化に関与するその他の残基に変化が認められない場合、システインでの1つまたは複数の突然変異(本明細書中の別の箇所に示される原理に従って)および/またはN‐グリコシル化のための1つまたは複数の付加的部位を提供するための1つまたは複数の突然変異が提供されるさらなる変異体が本発明により提供される。
本発明により提供されるさらなる変異体の実施形態としては、以下の位置:6、29、33、45、48、49、61、64、74、88、92、107、109、133、135、154、157および158のうちのいずれか1つまたは複数での付加的突然変異を有するものが挙げられる。これらの位置のいずれか1つまたは複数で提供される残基は、以下の表で同定されるものから選択され得る:
Figure 2008508854
本発明による好ましい変異体は、それらが基礎にする最初の組の突然変異の同定と一緒に、ここに示される:
最初の突然変異組(配列番号3に見出される)
I25F T27S R139H G158E;
さらなる突然変異体:
T27S R139H G158E;
I25F R139H G158E;
R139H G158E;
I25F T27S G158E;
I25F G158E;
T27S G158E;
G158E。
最初の突然変異組(配列番号4に見出される)
T26A D43G V61A L75R V82A I133T A135V T157I;
さらなる変異体:
D43G V61A L75R V82A I133T A135V T157I;
T26A D43G V61A V82A I133T A135V T157I;
D43G V61A V82A I133T A135V T157I;
T26A D43G V61A L75R I133T A135V T157I;
T26A D43G V61A L75R V82A I133T A135V T157I;
D43G V61A L75R I133T A135V T157I;
T26A D43G V61A I133T A135V T157I;
D43G V61A I133T A135V T157I。
最初の突然変異組(配列番号5に見出される)
N24D T27A T40A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
さらなる変異体:
T27A T40A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
N24D T27A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
T27A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
N24D T40A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
T40A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
N24D K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E。
最初の突然変異組(配列番号6に見出される)
I6T D8G K20R K52R W64R V74F T107A L109F I133N T157I;
さらなる変異体:
I6T D8G K52R W64R V74F T107A L109F I133N T157I;
I6T D8G K20R W64R V74F T107A L109F I133N T157I;
I6T D8G W64R V74F T107A L109F I133N T157I。
最初の突然変異組(配列番号7に見出される)
I25F C29V C33A W64R Q92R I133V G158E;
さらなる突然変異体:
C29V C33A W64R Q92R I133V G158E;
I25F C33A W64R Q92R I133V G158E;
I25F C29V W64R Q92R I133V G158E;
C33A W64R Q92R I133V G158E;
C29V W64R Q92R I133V G158E;
I25F W64R Q92R I133V G158E;
W64R Q92R I133V G158E。
最初の突然変異組(配列番号8に見出される)
T26A T27A K45R N47D Y49N E89G Q92R G158E;
さらなる変異体:
T27A K45R N47D Y49N E89G Q92R G158E;
T26A K45R N47D Y49N E89G Q92R G158E;
K45R N47D Y49N E89G Q92R G158E;
T26A T27A K45R N47D E89G Q92R G158E;
T26A K45R N47D E89G Q92R G158E;
T27A K45R N47D E89G Q92R G158E;
T26A T27A K45R N47D Y49N Q92R G158E;
T26A T27A K45R N47D Q92R G158E;
T26A K45R N47D Q92R G158E;
T27A K45R N47D Q92R G158E;
K45R N47D Y49N Q92R G158E;
K45R N47D Q92R G158E;
T27A K45R N47D Y49N Q92R G158E;
K45R N47D E89G Q92R G158E;
T26A K45R N47D Y49N Q92R G158E。
最初の突然変異組(配列番号9に見出される)
I25F V82A Q92R I133V A135V K154M;
さらなる変異体:
V82A Q92R I133V A135V K154M;
I25F Q92R I133V A135V K154M;
Q92R I133V A135V K154M。
最初の突然変異組(配列番号10に見出される)
V74F Q86L W88R G158E;
さらなる変異体:
V74F W88R G158E。
最初の突然変異組(配列番号11に見出される)
T27A W64R V82A N83S R139H K154M T157I;
さらなる変異体:
T27A W64R V82A R139H K154M T157I;
W64R V82A N83S R139H K154M T157I;
T27A W64R N83S R139H K154M T157I;
T27A W64R V82A N83S K154M T157I;
W64R K154M T157I;
W64R N83S R139H K154M T157I;
W64R V82A R139H K154M T157I;
W64R V82A N83S K154M T157I;
W64R V82A K154M T157I;
W64R R139H K154M T157I;
T27A W64R R139H K154M T157I;
T27A W64R V82A K154M T157I;
T27A W64R N83S K154M T157I。
最初の突然変異組(配列番号12に見出される)
Y49H W64R A68T E72K Q92R E116G A135V K154T;
さらなる変異体:
Y49H W64R E72K Q92R E116G A135V K154T;
Y49H W64R A68T Q92R E116G A135V K154T;
Y49H W64R A68T E72K Q92R A135V K154T;
Y49H W64R E72K Q92R E116G A135V K154T;
Y49H W64R A68T Q92R A135V K154T;
Y49H W64R Q92R A135V K154T;
Y49H W64R Q92R E116G A135V K154T。
最初の突然変異組(配列番号13に見出される)
T26A T40A W64R V74F Q86P T107A;
さらなる突然変異:
T40A W64R V74F Q86P T107A;
T26A W64R V74F Q86P T107A;
T26A T40A W64R V74F T107A;
T40A W64R V74F T107A;
T26A W64R V74F T107A;
W64R V74F T107A。
最初の突然変異組(配列番号14に見出される)
I25F N38Y K45R F48L W64R W88R A128T I133T K154M;
さらなる変異体:
N38Y K45R F48L W64R W88R A128T I133T K154M;
I25F K45R F48L W64R W88R A128T I133T K154M;
I25F N38Y K45R F48L W64R W88R I133T K154M;
K45R F48L W64R W88R A128T I133T K154M;
N38Y K45R F48L W64R W88R I133T K154M;
I25F K45R F48L W64R W88R I133T K154M;
K45R F48L W64R W88R I133T K154M。
最初の突然変異組(配列番号15に見出される)
I25F W64R V82A T107A I133A K154M;
さらなる変異体:
W64R V82A T107A I133A K154M;
I25F W64R T107A I133A K154M;
W64R T107A I133A K154M。
最初の突然変異組(配列番号16に見出される)
I25F K52R V56A N83S E89G Q92R G158E;
さらなる変異体:
K52R V56A N83S E89G Q92R G158E;
I25F K52R V56A E89G Q92R G158E;
K52R V56A E89G Q92R G158E;
I25F V56A N83S E89G Q92R G158E;
V56A N83S E89G Q92R G158E;
I25F V56A E89G Q92R G158E;
I25F K52R N83S E89G Q92R G158E;
I25F N83S E89G Q92R G158E;
I25F K52R V56A E89G Q92R G158E;
V56A E89G Q92R G158E;
I25F K52R E89G Q92R G158E;
N83S E89G Q92R G158E;
I25F V56A E89G Q92R G158E;
K52R N83S E89G Q92R G158E;
I25F K52R V56A N83S Q92R G158E;
K52R V56A N83S Q92R G158E;
I25F K52R N83S Q92R G158E;
K52R N83S Q92R G158E;
I25F K52R N83S Q92R G158E;
K52R Q92R G158E;
K52R V56A E89G Q92R G158E;
K52R V56A Q92R G158E;
N83S E89G Q92R G158E;
N83S Q92R G158E;
I25F V56A N83S Q92R G158E;
I25F N83S Q92R G158E;
V56A N83S Q92R G158E;
Q92R G158E;
V56A N83S Q92R G158E;
I25F E89G Q92R G158E。
最初の突然変異組(配列番号17に見出される)
T27A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
さらなる変異体:
K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
T27A K45R W64R L130P A135V T157I G158E;
T27A K45R K52E W64R A135V T157I G158E;
T27A K45R W64R A135V T157I G158E;
K45R K52E W64R A135V T157I G158E;
K45R W64R A135V T157I G158E;
K45R W64R L130P A135V T157I G158E。
以下のような突然変異を有するさらなる変異体が、さらなる選択方法を用いて同定されている:
L16I I25F T27M V61A R139H T157V;
D8V T26A T27A S126P G158E;
D8V T27A Y49N W64R V82A E89G S126P G158E;
T26A W64R A135V G158E;
D8V V74F T107A N147D。
本明細書中に開示される突然変異組は各々、同定突然変異組からなる一組の突然変異を有するEPO変異体内に含まれる。これらの突然変異組は各々、同定突然変異組、ならびに1つまたは複数の付加的突然変異、特に好ましい突然変異として本明細書中に開示される1つまたは複数の突然変異を含むEPO変異体内に含まれ得る。
本発明によるポリペプチドは、例えばコード核酸からの発現による産生後に、単離されるおよび/または精製され得る(例えば抗体を用いて)(これに関しては下記参照)。したがって夾雑物を含有しないかまたは実質的に含有しないポリペプチドが提供され得る。他のポリペプチドを含有しないかまたは実質的に含有しないポリペプチドが提供され得る。単離および/または精製ポリペプチドは、少なくとも1つの付加的構成成分を含み得る組成物、例えば製薬上許容可能な賦形剤、ビヒクルまたは担体を含む製剤組成物の処方に用いられ得る。本発明のポリペプチドを含む組成物は、以下で考察されるような予防的および/または治療的処置に用いられ得る。
本発明によるポリペプチドの産生の便利な方法は、発現系での核酸の使用により、それをコードする核酸を発現することである。したがって本発明は、ポリペプチドをコードする核酸(一般に本発明による核酸)からの発現を含めたポリペプチドの製造方法(開示されているような)、も包含する。これは、ポリペプチドの発現を引き起こすかまたは発現を可能にする適切な条件下で、このようなベクターを含有する培地中の宿主を増殖させることにより達成され得るのが便利である。ポリペプチドは、in vitro系、例えば網状赤血球溶解物中でも発現され得る。
種々の異なる宿主細胞中でのポリペプチドのクローニングおよび発現のための系が周知である。適切な宿主細胞としては、細菌、真核生物細胞、例えば哺乳類および酵母、ならびにバキュロウイルス系が挙げられる。異種ポリペプチドの発現のための当該技術分野で利用可能な哺乳類細胞株としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞、HeLa細胞、幼仔ハムスター腎細胞、COS細胞等が挙げられる。一般的な好ましい細菌宿主は、大腸菌である。適切な調節配列、例えばプロモーター配列、ターミネーター配列、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子およびその他の配列を適宜含有する適切なベクターが選択されるかまたは構築され得る。ベクターは、適宜、プラスミド、ウイルス、例えばファージ、またはファージミドであり得る。さらなる詳細に関しては、例えば、Molecular Cloning: a Laboratory Manual: 3rd edition, Sambrook and Russell, 2001, Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい。例えば核酸構築物の調製、突然変異誘発、シーケンシング、細胞中へのDNAの導入ならびに遺伝子発現における核酸の操作のための、そしてタンパク質の分析のための多数の既知の技法およびプロトコールは、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel et al. eds., John Wiley & Sons, 1992に詳細に記載されている。
本発明のポリペプチドをコード刷る核酸は、本発明のさらなる一態様として提供される。
一般に本発明の核酸は、単離および/または精製形態での、あるいは夾雑物を含有しないかまたは実質的に含有しない、単離物として提供される。核酸は、全部または一部合成性であり、そしてゲノムDNA、cDNAまたはRNAを包含し得る。
核酸は、複製可能ベクターの一部として提供され、そして本発明のEPO変異体をコードする核酸を含むベクター、特にコード化ポリペプチドが適切な条件下で発現され得る任意の発現ベクターも本発明により提供され、そして宿主細胞は任意のこのようなベクターまたは核酸を含有する。この情況での発現ベクターは、in vitro発現系中での、例えば網状赤血球溶解物中での、あるいはin vivoでの例えば真核生物細胞、例えばCOSまたはCHO細胞中での、あるいは原核生物細胞、例えば大腸菌中での、当該ポリペプチドをコードする核酸およびポリペプチドの発現のための適切な調節配列を含めた核酸分子である。
本発明のさらなる態様は、本明細書中に開示されるような核酸を含有する宿主細胞を提供する。本発明の核酸は、宿主細胞のゲノム(例えば染色体)中に組み込まれ得る。組込みは、標準技法に従って、ゲノムを用いた組換えを促す配列の含入により促進され得る。核酸は、細胞内の染色体外ベクター上に存在し得る。
さらなる態様は、宿主細胞中に核酸を導入することを包含する方法を提供する。一般的に「形質転換」または「トランスフェクション」として限定を伴わずに言及され得る導入(特にin vitro導入に関して)は、任意の利用可能な技法を用い得る。真核生物細胞に関しては、適切な技法としては、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE‐デキストラン、電気穿孔、リポソーム媒介性トランスフェクション、ならびにレトロウイルスまたはその他のウイルス、例えばワクシニアあるいは昆虫細胞に関してはバキュロウイルスを用いた形質導入が挙げられ得る。細菌細胞に関しては、適切な技法としては、塩化カルシウム形質転換、電気穿孔、ならびにバクテリオファージを用いたトランスフェクションが挙げられる。
マーカー遺伝子、例えば抗生物質耐性または感受性遺伝子は、当該技術分野で周知であるように、当該核酸を含有するクローンの同定に用いられ得る。
導入の後には、例えばコード化ポリペプチドが産生されるよう、遺伝子の発現のための条件下で、宿主細胞(実際に形質転換される細胞を含み得るが、しかしおそらくは細胞は形質転換細胞の子孫である)を培養することにより、核酸からの発現が引き起こされるかまたは可能になる。ポリペプチドが適切なシグナルリーダーペプチドに結合されて発現される場合、それは、細胞から培地中に分泌され得る。発現による産生後、ポリペプチドは、宿主細胞および/または培地から単離されおよび/または精製され、場合によって、そしてその後、所望により、例えば1つまたは複数の付加的構成成分を含み得る組成物、例えば1つまたは複数の製薬上許容可能な賦形剤、ビヒクルまたは担体を含む製剤組成物の処方に用いられ得る(例えば下記参照)。
発現によるEPO変異体の産生後、その活性、例えばEPO受容体を結合するその活性、または細胞増殖を引き出す活性がルーチンに試験され得る。
本発明のさらなる態様によれば、野生型ヒトEPOを上回る安定性改善を示すEPO変異体の製造方法であって、以下の:
コード核酸からの発現によりEPO変異体ポリペプチドを産生し;
例えば安定性の測定値として、ラジオイムノアッセイにおいてDTTの存在下でのEPO受容体との結合活性と、同一検定においてDTTの非存在下でEPO受容体との結合活性の比率を用いて、野生型ヒトEPOと比較した場合の安定性改善に関してEPO変異体を試験する
ことを包含する方法が提供される。
比率は、本明細書中の別の箇所に示されるように、少なくとも5倍またはそれ以上、改善され得る。
変異体は、本明細書中に開示されるような一組の突然変異を、例えばシステイン残基を復帰させるかまたは導入するかまたは除去するために、N‐グリコシル化部位を復帰させるかまたは導入するかまたは除去するために、あるいはO‐結合グリコシル化部位を復帰させるかまたは導入するために、1つまたは複数の付加的突然変異および/または1つまたは複数の野生型への復帰とともに含有する変異体であり得る。
保存的置換はまた、例えば本明細書中の他の箇所で同定される1つまたは複数の位置で、本発明の種々の実施形態において好ましい。
「保存的置換」とは、第二の異なるアミノ酸残基による第一のアミノ酸残基の置換を意味し、この場合、第一および第二のアミノ酸残基は、類似の生物物理学的特質を有する側鎖を有する。類似の生物物理学的特質としては、疎水性、電荷、極性、水素結合を提供するかまたは受容する能力が挙げられる。保存的置換の例としては、セリンをトレオニンまたはトリプトファンに、グルタミンをアスパラギンに、リシンをアルギニンに、アラニンをバリンに、アスパルテートをグルタメートに、バリンをイソロイシンに、アスパラギンをセリンに変えることが挙げられる。
このような方法は、その産生後に、そして試験の前に、EPO変異体を単離するかおよび/または精製することを任意に包含し得る。
本方法を実施する者は、EPO変異体のアミノ酸配列を変更することにより、例えば上記のような1つまたは複数のアミノ酸の置換および/または挿入により、EPO変異体を提供するステップの前に、付加的に実施し得る。例えば本発明に従って所望される特性を有する1つまたは複数の変異体を一連の変異体から同定するために、種々の異なる変異体が提供され、所望の活性に関して試験され得る。普通は、EPOのアミノ酸配列の変更は、EPOをコードする核酸のコード配列を変えることによりなされる。1つまたは複数のヌクレオチドは、1つまたは複数のコドンを、したがってコード化アミノ酸(単数または複数)を変えるために変更され得る。本明細書中の他の箇所に記述されるように、そして当業者に明らかであるように、EPO変異体に関するコード配列を、したがってコード化アミノ酸配列を変更するために、突然変異誘発、特に定方向または部位特異的突然変異誘発のための任意の適切な技法が用いられ得る。
本発明のさらなる態様は、野生型ヒトEPOと比較して安定性改善を示すEPO変異体を同定しまたは獲得する方法であって、以下の:
EPO変異体ポリペプチドをコードする核酸を突然変異化して、変更アミノ酸配列を有する1つまたは複数のEPOポリペプチド(「EPO変異体」)をコードする配列を有する1つまたは複数の核酸を提供し;
単数または複数の核酸を発現して、単数または複数のコード化EPO変異体を生成し;
このように生成された単数または複数のEPO変異体を野生型ヒトEPOと比較して改善された安定性に関して試験する
ことを包含する方法を提供する。
EPO変異体のライブラリーまたは多様な集団が産生され、所望の能力に関して試験され得る。
突然変異は、本明細書中に開示されるような一組の突然変異内に同定される任意の残基、任意のシステインおよび/またはN‐グリコシル化が起こる任意の残基(例えば野生型配列では、N24、N38またはN83)、あるいはN‐グリコシル化のためのアルギニンの認識に寄与する残基(例えば野生型配列では、残基26または40)に存在し得る。
突然変異を受けるEPOポリペプチドは、本明細書中に開示される任意組の突然変異を含み、そして配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17から選択されるアミノ酸配列を有し得る。
ライブラリーまたは多様な集団からの選択は、表示系、例えばファージ表示および/またはリボソーム表示を用い得る(再検討のためには、Lowe D and Jermutus L, 2004, Curr. Pharm, Biotech, 517-27; WO92/01047参照)。安定性改善を有する変異体に関する選択は、例えば本明細書中に開示されるように、DTTの存在下または非存在下で変異体が産生される場合、結合またはその他の活性の指標の比較を包含し得る。
所望の特性を有する1つまたは複数のEPO変異体が、同定されまたは選択され得る。
本発明のEPO変異体が同定されるかまたは獲得された後、それは単離および/または精製形態で提供され、それは望ましい場合に用いられ、そしてそれは少なくとも1つの付加的構成成分、例えば製薬上許容可能な賦形剤または担体を含む組成物に処方され得る。EPO変異体をコードする核酸を用いて、その後の使用のために変異体を産生し得る。記載されたように、このような核酸は、例えば最初に提供されるライブラリーまたは多様集団から、そしてEPO変異体が産生および同定されたものから、単離され得る。
本発明によるEPO変異体は、目的のヒトまたは動物身体、好ましくはヒトの診断または治療の方法に用いられ得る。
したがって本発明のさらなる態様は、提示されたようなEPO変異体の投与を包含する治療方法、このようなEPO変異体を含む製剤組成物、ならびに投与のための薬剤の製造における、例えばEPO変異体を製薬上許容可能な賦形剤とともに処方することを包含する薬剤または製剤組成物の製造方法における、このようなEPO変異体の使用を提供する。
治療的利益を提供するためにEPO変異体が用いられ得る臨床的適応症としては、貧血、例えば慢性腎不全、癌化学療法またはHIV感染に関連した、あるいは未熟児における小児科学的使用に関連した貧血が挙げられる。あるいはEPO変異体は、選択的非心臓性および非血管性手術を受けている貧血患者における輸血の必要性を低減するために用いられ得る。
本発明に従って、EPO変異体は、好ましくは「予防的有効量」または「治療的有効量」(場合によって。しかし予防は治療とみなされ得る)での投与により個体に投与され、これは、個体に対して利益を示すのに十分である。投与される実際量、ならびに投与の速度および時間‐経過は、治療されているものの性質および重症度によっている。治療の処方箋、例えば投薬量等に関する決定は、開業医およびその他の医者の責務内である。
組成物は、治療されるべき症状によって、単独で、または他の治療と組合せて、同時的にまたは逐次的に、投与され得る。
本発明による、そして本発明に従って用いるための製剤組成物は、活性成分のほかに、製薬上許容可能な賦形剤、担体、緩衝剤、安定剤または当業者に既知のその他の物質を含み得る。このような物質は非毒性であるべきであり、そして活性成分の効力を妨げるべきでない。担体またはその他の物質の厳密な性質は投与経路によっており、これは任意の適切な経路であり得るが、しかし十中八九注射(有針または無針)、特に皮下注射である。その他の好ましい投与経路としては、吸入による投与または鼻内投与が挙げられる。
静脈内、皮下または筋肉内注射に関しては、活性成分は、発熱性物質無含有であり、そして適切なpH、等張性および安定性を有する非経口的許容可能な水溶液の形態である。当業者は、例えば等張性ビヒクル、例えば塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液または乳酸加リンガー注射液を用いて、適切な溶液を良好に調製し得る。防腐剤、安定剤、緩衝剤、酸化防止剤および/またはその他の添加剤が、必要に応じて含まれ得る。
本発明のさらなる態様および実施形態は、以下の実験的例証を含めた本発明の開示に鑑みて、当業者に明らかである。
本明細書中のどこかに記述された文書はすべて、参照により援用される。
実験
実施例1
EPO cDNAをInvitrogenから入手し、変異体のライブラリーを作製して、数回の選択に付し、そしてさらに8.1ヌクレオチド突然変異/分子の誤差率を有するエラー・プローンPCRにより突然変異化した。これは、4つの突然変異/分子ならびに約2.5×1010の変異体分子のライブラリーを導入した。
特定の変異体を単離し、下記のように特性化した。
安定性に関する選択
下記の事項を除いて、Jermutus et al 2001に記載されたように、DTTの存在下および非存在下で、in vitro翻訳および選択を実施した:
1. 30℃で10分間、翻訳を実行した。
2. 野生型を上回る改善を実証するために、EPO野生型(WT)を包含した。
3. PCRサイクル数を、実時間PCRで確定した。実時間PCR組入れは、特定生成物を増幅するためのPCRサイクルの数を使用者に選択させる。これは、非特異的バックグラウンドを最小限にして、そして相対的定量値(RQV)を算定することにより野生型を上回る産出量改善の比較を可能にする。
要するに、選択を実施し、それにより、EPO受容体融合タンパク質を伴うライブラリーを用いてインキュベーション後、融合タンパク質を捕獲し、結合三元複合体(mRNA‐リボソーム‐EPO変異体)を磁気分離により回収する一方、非結合複合体を洗い落とした。次にRT‐PCRにより結合EPO変異体をコードするmRNAを回収し、漸増濃度のDTT(4回に亘って0.5 mMを10 mMに増大)を用いて選択プロセスを反復した。
ラウンド1選択を0.5 mMDTTで実施し、これからのPCR産物を10 mMDTTでのラウンド2選択に進めた。ラウンド2選択からのPCR産物は、野生型対照と同一強度を有した(RQV=1)。ラウンド2後、2つの選択ストランドが後に続いた。
第一のストランド(3A)では、ラウンド2からのPCR産物を、10 mMDDT中で2回より多い回数の選択を通して進行させた。ラウンド4APCR産物は、ゲル上で、そしてRQVにより示されるようなより安定な変異体に関する濃化を示した(ラウンド3A RQV=6、ラウンド4A RQV=11)。
第二のストランド(3B)に関しては、ライブラリーサイズをさらに増大するために、4突然変異/分子の誤差率を有するエラー・プローンPCRを用いて、第2回PCR産物をさらに突然変異化した。突然変異誘発後、5 mMDDTでのラウンド3Bおよび10 mMDDTでのラウンド4Bで、突然変異体のライブラリーを選択した。ゲル上およびRQVで示されるように、ラウンド4Bは、野生型およびラウンド4Aから単離される変異体を上回るより安定な変異体に関する濃化を示した(ラウンド4B RQV=23)。
選択前の本来のライブラリー、ならびにラウンド4Aおよびラウンド4B産出物のPCR産物を、in vitro発現ベクターpIVEX2.3d(Roche)中にクローン化した。要するに産出物をPCR増幅して、5’Nco1制限部位をそして3’末端に停止コドンを導入し、その直ぐ後ろにNot1制限部位を導入した。停止コドンは、非標識変異体EPOの発現を可能にした。生成物をゲル精製し、Not1およびNco1(New England Biolabs)で二重消化して、ゲル精製した。消化産物をNot1 Nco1消化pIVEX2.3dに結紮し、大腸菌TG1細胞中で形質転換した。スクリーニングおよびシーケンシングのために、個々のコロニーを96ウエルプレート中に摘み入れた。
一次安定性RIAにおける単一EPO変異体のスクリーニング
Jermutus et al 2001に記載されたように、一次安定性RIA(ラジオイムノアッセイ)を用いて、安定性に関してEPO変異体をスクリーニングした。要するに、各変異体に関して、線状DNA鋳型を増幅し、転写し、G25セファデックスカラム上でmRNA精製して、定量した。各変異体に関して、S‐35標識化メチオニンの存在下でのin vitro翻訳を、30℃で30分間、二重反復試験で、1つは非還元条件で、そして1つは10 mMDTT(ジチオトレイトール)中で設定した。0.05%トゥイーン20を含有するPBSを、翻訳と同一濃度のDTTとともに用いて、翻訳を停止した。翻訳混合物を、EPO受容体を被覆したプレート上で、室温で1時間インキュベートした。プレートを、0.05%トゥイーン20を含有するPBS中で3回、PBS中で3回洗浄した。残存する放射能を0.1 Mトリエチルアミンで溶離し、液体シンチレーション計数により定量した。10 mMDDT中のRIAシグナルをDTTの非存在下でのRIAシグナルで割ることにより、変異体の安定性の測定値を算定した。変異体が安定であるほど、その比率は大きく、即ちDTT中で不活性である場合、その比率=0であり、DTT中で完全活性である場合、その比率=1である。
1回の選択からの85のクローン化EPO変異体を、上記と同様にスクリーニングした。これから、WTより大きい比率を有する20のEPO変異体を同定した。これらの変異体を再試験して、これらから、WTより安定である16のEPO変異体を同定した(表1)。これらのEPO変異体は、それらが成長ホルモン受容体またはBSAと結合しなかったということを実証することにより、コグネイト受容体に特異的であることが示された。
EPO変異体の配列分析
EPO変異体をシーケンシングし、16より多い安定変異体の配列を、それらがWT EPO配列番号2とアミノ酸レベルがどれほど異なるか、以下に記載する。
配列番号3
I25F T27S R139H G158E;
配列番号4
T26A D43G V61A L75R V82A I133T A135V T157I;
配列番号5
N24D T27A T40A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
配列番号6
I6T D8G K20R K52R W64R V74F T107A L109F I133N T157I;
配列番号7
I25F C29V C33A W64R Q92R I133V G158E;
配列番号8
T26A T27A K45R N47D Y49N E89G Q92R G158E;
配列番号9
I25F V82A Q92R I133V A135V K154M;
配列番号10
V74F Q86L W88R G158E;
配列番号11
T27A W64R V82A N83S R139H K154M T157I;
配列番号12
Y49H W64R A68T E72K Q92R E116G A135V K154T;
配列番号13
T26A T40A W64R V74F Q86P T107A;
配列番号14
I25F N38Y K45R F48L W64R W88R A128T I133T K154M;
配列番号15
I25F W64R V82A T107A I133A K154M;
配列番号16
I25F K52R V56A N83S E89G Q92R G158E;
配列番号17
T27A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E。
二次安定性検定
この検定では、哺乳類細胞株、例えばCHOまたはHEK中で、タグを用いた場合と用いない場合とで、EPO変異体を発現させて、精製し、生物学的活性に関して試験する。
EPO変異体は、SEC‐HPLCにより査定した場合、発現および精製後に凝集物の比率の低減を示した(図1)。
これらの精製変異体の安定性を、それらが由来したEPO WTならびに市販形態と比較して、二次安定性スクリーニングで査定する。
タンパク質凝集を経時的に測定する。
要するに、金属波形蓋を有する滅菌ガラスバイアル中に、5℃、37℃および45℃で2週間、タンパク質試料を保存する。設定時点(0週目、1週目および2週目)で、HPLC、SDS‐PAGE、還元および非還元、吸光度およびIEFにより試料を分析し、選定変異体およびWT間の凝集および分解産物における差を同定する。
関連細胞検定、例えばTF‐1細胞増殖検定でも、WTおよび変異体の活性を測定する(以下の実施例2参照)。
結果
ここで、EPOモノマーに関して、凝集物は高分子量種と呼ばれ、分解産物は低分子量種と呼ばれる。野生型EPOおよび本発明の代表的EPO変異体は5℃で安定であり、モノマー、凝集物および分解産物の割合は、SEC‐HPLCおよびSDS‐PAGEにより査定した場合、変化は認められなかった。
しかしながら野生型EPOは、SEC‐HPLCおよびSDS‐PAGE(還元および非還元)により検出した場合、37℃および45℃で不安定であった。SEC‐HPLCは、45℃で2週目の野生型EPO試料に関して、モノマーの割合がゼロ時点で80%から20%に低減し、夾雑物は凝集物および分解産物中で上昇する、ということを明示した。
EPO変異体(配列番号17および配列番号9)は、この検定ではより安定であると思われる。SDS‐PAGEおよびSEC‐HPLCにより査定した場合、37℃および45℃で2週間にわたるモノマー、凝集物および分解産物の割合の有意の変化は認められなかった。これは、図2Bにおける配列番号17のEPO変異体に関するデータで例証される。
実施例2
TF‐1細胞増殖検定におけるEPO変異体の潜在能
TF‐1細胞増殖検定を用いて、野生型EPOおよび本発明のEPO変異体の潜在能を査定した。
TF‐1は、赤白血病を有する患者から確立されたヒト前骨髄球様細胞株である(Kitamura et al 1989, Blood: 73 p375-80)。TF‐1細胞株は、生存および増殖に関して因子依存性である。この点で、TF‐1細胞はEPOに応答し、ヒトGM‐CSFを含有する培地(4 nm/ml, R & D Systems)中に保持された。分裂中の細胞の新規合成DNA中へのトリチウム化チミジンの組込みの低減を測定することにより、EPO依存性増殖を確定した。
TF‐1検定プロトコール
TF‐1細胞をR & D Systemsから入手し、供給されたプロトコールに従って保持した。検定培地は、5%ウシ胎仔血清および1%ピルビン酸ナトリウムを含有するGLUTAMAX Iを伴うRPMI‐1640を含んだ。各検定前に、TF‐1細胞を300 × gで5分の遠心分離によりペレット化し、培地を吸引により除去して、細胞を検定蜂中に再懸濁した。このプロセスをさらに3回反復し、細胞を最終濃度105/mlで検定培地中に再懸濁した。EPO変異体(三重反復実験)を検定培地中で所望の濃度に希釈した。次に100 μlの再懸濁細胞を各検定点に付加して、総検定容積を200 μl/ウエルとした。検定プレートを37℃で5%CO2下で72時間インキュベートした。次に20 μlのトリチウム化チミジン(5 μCi/ml, NEN)を各検定点に付加し、検定プレートをさらに4時間、インキュベーターに戻した。細胞採取機を用いて、ガラス繊維フィルタープレート(Perkin Elmer)上に細胞を採取した。Packard TopCountマイクロプレート液体シンチレーション計数器を用いて、チミジン組込みを確定した。Graphpad Prismソフトウエアを用いてデータを分析した。
結果
野生型EPOおよびEPO変異体をTF‐1増殖検定で生物学的活性に関して試験し、CHO細胞(Research Diagnostics)中で産生された組換えヒトEPO(rh EPO)と比較した。野生型EPOは18 pMのEC50を有したが、これはrhEPOの27 pMのEC50と類似した。配列番号9の代表的EPO変異体は、4 pMのEC50を有したが、これはWT EPOの約4.5倍であった(図3)。
安定性スクリーンからのEPO WTおよび変異体の生物学的活性を、TF1検定で査定した。5℃で2週間後、WT EPOおよびEPO変異体のEC50は影響を受けなかった。しかしながら45℃で2週間インキュベーション後、野生型EPOのEC50は5℃の場合より60倍高かった。比較した場合、EPO変異体は、EC50の2倍増を示しただけである(図4)。これは、EPO変異体が野生型EPOより安定であるだけでなく、45℃で2週間インキュベーション後により生物学的に活性であることも実証する。
哺乳類細胞株における野生型EPOおよびEPO変異体の発現
野生型ヒトEPOのcDNAは、Invitrogenから入手した。野生型EPOまたは本発明のEPO変異体の完全コード領域をPCRにより増幅し、pEE12.4発現ベクター中に挿入した。トランスフェクションとその後のMSX耐性に関する選択により、野生型または変異体EPOを発現するCHO‐K1SV細胞の安定細胞株を確立した。次に状態調節培地上で、組換えタンパク質の精製を実施した。最初に、30,000分子量限外濾過装置(Vevascience)を用いて、試料容積を低減した。濃縮試料を100%エタノールで1:1に希釈し、沈殿物質を遠心分離により除去し、残留溶液を50 mMMES、pH4.75で1:1に希釈することにより状態調節した。次にSPセファロースを用いてイオン交換を実施して、組換えタンパク質をNaClで溶離した。ゲル濾過を実行して、セファデックス75を用いて単量体タンパク質を得た。
次に野生型EPOおよびEPO変異体を精製し、EPOGENの同一市販処方物中に処方した。本実施例に記載したように、安定性および生物学的活性に関して試料を試験した。
実施例3
EPO変異体のライブラリーの構築ならびに安定性改善に関するEPO変異体の選択
ライブラリー構築
EPO cDNAは、Invitrogenから入手した。成熟配列をリボソーム表示線状鋳型に再編成して、これをその後、ライブラリー作製のために用いた。DNAレベルで、T7プロモーターをmRNAへの効率的転写のために5’末端に付加した。mRNAレベルで、構築物は原核生物リボソーム結合部位(シャイン・ダルガーノ配列)を含有した。3’末端では、スペーサーとして作用するようgIIIの一部を付加した(Hanes et al., (2000) Meth Enzymol 328: 404)。メーカーのプロトコール(BD Bioscience)に従って、8.1ヌクレオチド突然変異/分子のエラー率で、エラープローンPCRを用いて、変異体のライブラリーを作製した。これは、4突然変異/分子ならびに約2.5×1010変異体分子のライブラリーを導入した。
安定性に関する選択
少なくとも2つの同時安定性選択圧、例えば:DTT、HICを用いて、そして温度を上げて選択を実施し、その後、機能的活性に関して選択した。
還元剤ジチオトレイトール(DTT)が、翻訳および選択中に存在した。DTTはジスルフィド架橋形成を妨げるが、これはEPO安定性の重要な一構成成分である。翻訳後、DTTとの翻訳混合物を、25℃で疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)マトリックスとともにインキュベートした。DTT、HIC、ならびに通常の4℃と比較して25℃という高い温度の組合せは、選択圧のためにアンフォールディングおよび/またはミスフォールディングした低安定性変異体を捕獲して、除去するはずである。HICマトリックスを、例えば遠心分離または濾過により、混合物から除去する。機能的選択に進行する前には、緩衝液交換ステップも必要であり得る。
下記の事項を除いて、Jermutus et al 2001に記載されたように、DTTの存在下および非存在下で、in vitro翻訳および選択を実施した:
1. 30℃で10分間、翻訳を実行した。
2. HICおよび温度増大を、付加選択圧として用いた。DTTを用いた場合と用いない場合の翻訳後、KCl(1 Mを3 Mに増大)および翻訳と同一濃度のDTTを含有する緩衝液中で翻訳を停止した。次に翻訳混合物を、1 mlの床容積のHICビーズ(ブチル‐、オクチル‐およびフェニル‐セファロース、Amersham)とともにインキュベートした。25℃で30分間振盪後、HICビーズを室温での遠心分離により除去した。
3. 次に上清を4℃に冷却し、機能的選択を実施して、それにより、EPO受容体融合タンパク質とともに安定性選択ライブラリーをインキュベート後、融合タンパク質を捕獲し、結合複合体を磁気分離により回収する一方で、非結合複合体を洗い落とした。次にRT‐PCRにより結合EPO変異体をコードするmRNAを回収し、漸選択プロセスを反復した。DTT、HICおよび温度増大のより不安定にする組合せを用いて4回の選択を実施した。
ラウンド4からのPCR産物を、in vitro発現ベクターpIVEX2.3d(Roche)中にクローン化した。要するに産出物をPCR増幅して、5’Nco1制限部位を、そして3’末端に停止コドンを導入し、その直ぐ後ろにNot1制限部位を導入した。停止コドンは、非標識変異体EPOの発現を可能にした。生成物をゲル精製し、Not1およびNco1(New England Biolabs)で二重消化して、ゲル精製した。消化産物をNot1 Nco1消化pIVEX2.3dに結紮し、大腸菌TG1細胞中で形質転換した。スクリーニングおよびシーケンシングのために、個々のコロニーを96ウエルプレート中に摘み入れた。
一次安定性RIAにおける単一EPO変異体のスクリーニング
Jermutus et al 2001に記載されたように、一次安定性RIA(ラジオイムノアッセイ)を用いて、安定性に関してEPO変異体をスクリーニングした。要するに、各変異体に関して、線状DNA鋳型を増幅し、転写し、G25セファデックスカラム上でmRNA精製して、定量した。各変異体に関して、S‐35標識化メチオニンの存在下でのin vitro翻訳を、30℃で30分間、二重反復試験で、1つは非還元条件で、そして1つは10 mMDTT(ジチオトレイトール)中で設定した。0.05%トゥイーン20を含有するPBSを、翻訳と同一濃度のDTTとともに用いて、翻訳を停止した。翻訳混合物を、EPO受容体を被覆したプレート上で、室温で1時間インキュベートした。プレートを、0.05%トゥイーン20を含有するPBS中で3回、PBS中で3回洗浄した。残存する放射能を0.1 Mトリエチルアミンで溶離し、液体シンチレーション計数により定量した。10 mMDDT中のRIAシグナルをDTTの非存在下でのRIAシグナルで割ることにより、変異体の安定性の測定値を算定した。変異体が安定であるほど、その比率は大きく、即ちDTT中で不活性である場合、その比率=0であり、DTT中で完全活性である場合、その比率=1である。
ラウンド4からの48のクローン化EPO変異体を、上記と同様にスクリーニングした。これから、WTより安定である5つのEPO変異体を同定した。(表2)。
EPO変異体の配列分析
ラウンド4からのEPO変異体をシーケンシングし、5より多い安定変異体の配列を、配列番号2として示されるアミノ酸配列を有するWT EPOからのアミノ酸配列レベルでの差として、以下に記載する。
配列番号18
L16I I25F T27M V61A R139H T157V;
配列番号19
D8V T26A T27A S126P G158E;
配列番号20
D8V T27A Y49N W64R V82A E89G S126P G158E;
配列番号21
T26A W64R A135V G158E;
配列番号22
D8V V74F T107A N147D;
実施例4
安定性改善を付与する単一および組合せ突然変異の確定
EPO変異体に安定性改善を付与する突然変異を確定するために、配列番号3(I25F、T27S、R139H、G158E)を参照しながら、単一、二重および三重突然変異の14の組合せを構築した。I25F、T27S、R139HおよびG158E殻選択される単一および組合せ突然変異は、表3に記述したものと同じである。
EPO安定性ELISA
EPO変異体を、DTTの存在下および非存在下で無細胞翻訳し、そのプレートを、安定性RIAに関する場合と同様に被覆した。プレートを1×PBSで3回洗浄し、50 μlの翻訳化EPO試料を各ウエルに付加し、室温で1時間インキュベートした。プレートをPBS/トゥイーン中で3回洗浄し、50 μlの抗EPO HRP接合体(part 890127 R & D Quantikine kit DEP00)を付加し、室温で2時間インキュベートした。プレートを1×PBS/トゥイーン中で3回洗浄した。50 μlのTMBを付加し、反応を0.5 MHSO中で停止させたが、そのとき発色した。吸光度を450 nmで読取り、安定性RIAに関する場合と同様に、相対安定性を算定した。
表3に示したように、突然変異の数の増大はEPO変異体の安定性を増大し、変異体配列番号3の安定性増大は、4つの突然変異すべての相乗的組合せによるものであった。
表1
非還元条件後の絶対RIAシグナルを有する16の変異体に関する安定性RIAの結果(DTT−)、ならびに上記と同様に算定した安定性の測定値(DTT+/DTT−)
Figure 2008508854
表2
非還元条件後の絶対RIAシグナルを有する5つの変異体に関する安定性RIAの結果(DTT−)、ならびに上記と同様に算定した安定性の測定値(DTT+/DTT−)
Figure 2008508854
表3
配列番号3を基礎にした突然変異の14の組合せに関する安定性ELISAの結果(I25F、T27S、R139HおよびG158Eのいずれかの組合せ)、ならびに上記と同様に算定した安定性の測定値(DTT+/DTT−)
Figure 2008508854
配列番号1
野生型ヒトEPOをコードするヌクレオチド配列
配列番号2
野生型ヒトEPOのアミノ酸配列
Figure 2008508854
図1Aは、SEC‐HPLCにより査定した場合の、HEK EBNA発現および親和性精製後の、EPO WTならびに配列番号17および配列番号9のEPO変異体の相対数度パーセンテージ(%RA)を示す。 図1Bは、親和性精製WT EPOおよび配列番号17のEPO変異体のSEC‐HPLC痕跡を示す。 図2Aは、45℃で2週間に亘って保存され、SEC‐HPLCにより分析された野生型EPOの相対数度パーセンテージ(%RA)を示す。 図2Bは、45℃で2週間に亘って保存され、SEC‐HPLCにより分析された配列番号17のEPO変異体の%RAを示す。 図3は、rhEPOと比較した場合の精製後の野生型EPOおよび配列番号9のEPO変異体TF1増殖検定の結果を示す:
Figure 2008508854
図4は、5℃および45℃で2週間後の野生型EPOおよびEPO変異体のTF‐1増殖検定の結果を示す。図4Aは、WT EPOに関する結果を示す。 図4Bは、配列番号9のEPO変異体に関する結果を示す。 図4Cは、配列番号17のEPO変異体に関する結果を示す。 図4A、図4Bおよび図4Cに略記した各試料のEC50(pM):
Figure 2008508854

Claims (28)

  1. 配列番号2のヒト野生型エリスロポイエチン(EPO)と比較して安定性の測定値における少なくとも5倍の改善を示すエリスロポイエチン(EPO)変異体ポリペプチドであって、安定性の測定値がラジオイムノアッセイにおけるDTTの存在下でのEPO受容体との結合活性の、ならびに同一検定におけるDTTの不存在下でのEPO受容体との結合活性の比率であるEPO変異体ポリペプチド。
  2. 以下の組の突然変異から成る群から選択される配列番号2のヒト野生型配列における一組の突然変異を含む、請求項1記載のEPO変異体ポリペプチド:
    (1)T27A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
    (2)I25F T27S R139H G158E;
    (3)T26A D43G V61A L75R V82A I133T A135V T157I;
    (4)N24D T27A T40A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
    (5)I6T D8G K20R K52R W64R V74F T107A L109F I133N T157I;
    (6)I25F C29V C33A W64R Q92R I133V G158E;
    (7)T26A T27A K45R N47D Y49N E89G Q92R G158E;
    (8)I25F V82A Q92R I133V A135V K154M;
    (9)V74F Q86L W88R G158E;
    (10)T27A W64R V82A N83S R139H K154M T157I;
    (11)Y49H W64R A68T E72K Q92R E116G A135V K154T;
    (12)T26A T40A W64R V74F Q86P T107A;
    (13)I25F N38Y K45R F48L W64R W88R A128T I133T K154M;
    (14)I25F W64R V82A T107A I133A K154M;
    (15)I25F K52R V56A N83S E89G Q92R G158E。
  3. 配列番号17、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16から成る群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項2記載のEPO変異体ポリペプチド。
  4. 1つまたは複数の付加的突然変異を含む、請求項2記載のEPO変異体ポリペプチド。
  5. システイン以外である位置29のアミノ酸を提供するための突然変異を含む、請求項4記載のEPO変異体ポリペプチド。
  6. 位置33にチロシンまたはアルギニンを含む、請求項4または請求項5記載のEPO変異体ポリペプチド。
  7. 位置6、29、33、45、48、49、61、64、74、88、92、107、109、133、135、154、157および158から成る群から選択される1つまたは複数の位置に突然変異を含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載のEPO変異体ポリペプチド。
  8. 前記1つまたは複数の位置の突然変異で提供される残基が以下の表:
    Figure 2008508854
    中で同定される残基から選択される、請求項7記載のEPO変異体ポリペプチド。
  9. 野生型ヒトEPOと比較して安定性改善を有し、そして以下の組の突然変異:
    (1)T27A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
    (2)I25F T27S R139H G158E;
    (3)T26A D43G V61A L75R V82A I133T A135V T157I;
    (4)N24D T27A T40A K45R K52E W64R L130P A135V T157I G158E;
    (5)I6T D8G K20R K52R W64R V74F T107A L109F I133N T157I;
    (6)I25F C29V C33A W64R Q92R I133V G158E;
    (7)T26A T27A K45R N47D Y49N E89G Q92R G158E;
    (8)I25F V82A Q92R I133V A135V K154M;
    (9)V74F Q86L W88R G158E;
    (10)T27A W64R V82A N83S R139H K154M T157I;
    (11)Y49H W64R A68T E72K Q92R E116G A135V K154T;
    (12)T26A T40A W64R V74F Q86P T107A;
    (13)I25F N38Y K45R F48L W64R W88R A128T I133T K154M;
    (14)I25F W64R V82A T107A I133A K154M;
    (15)I25F K52R V56A N83S E89G Q92R G158E
    から成る群から選択される配列番号2のヒト野生型配列における一組の突然変異を含むEPO変異体ポリペプチドであり、突然変異組内の突然変異のある位置での残基が野生型EPOにおけるその位置の残基に復帰されるか、あるいは保存的アミノ酸置換を受けるEPO変異体ポリペプチドであって、当該位置が残基20、24、25、26、27、29、33、38、40、49、52、56、68、72、75、82、83、89、116、128、130および139のうちの1つまたは複数から成る群から選択されるEPO変異体ポリペプチド。
  10. 復帰されるかまたは保存的アミノ酸置換を受ける位置が位置24、26、29、33、38、40および83のうちの1つまたは複数から成る群から選択される、請求項9記載のEPO変異体ポリペプチド。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のEPO変異体ポリペプチドをコードする核酸。
  12. 請求項11記載の核酸を含むベクター。
  13. 請求項12記載のベクターを含む宿主細胞。
  14. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のEPO変異体ポリペプチドを含む組成物。
  15. 製薬上許容可能な賦形剤を含む、請求項14記載の組成物。
  16. ヒトまたは動物身体の治療方法に用いるための、請求項1〜10のいずれか一項に記載のEPO変異体ポリペプチド。
  17. 貧血の治療に用いるための薬剤の製造における、請求項1〜10のいずれか一項に記載のEPO変異体ポリペプチドの使用。
  18. 貧血が慢性腎不全、癌化学療法またはHIVに関連する、請求項17記載の使用。
  19. 野生型ヒトEPOと比較して安定性改善を有するEPO変異体ポリペプチドの製造方法であって、以下の:
    コード核酸からの発現により請求項1〜10のいずれか一項に記載のEPO変異体ポリペプチドを産生し;
    安定性改善に関して試験する
    ことを包含する方法。
  20. 試験前にEPO変異体を単離するステップを包含する、請求項19記載の方法。
  21. それからの発現の前にEPO変異体をコードする核酸を提供するよう、野生型ヒトEPOポリペプチドまたはEPO変異体ポリペプチドであるEPOポリペプチドをコードする核酸を突然変異化することを包含する、請求項19または請求項20記載の方法。
  22. 野生型ヒトEPOと比較して安定性改善を有するEPO変異体を同定するかまたは生成する方法であって、以下の:
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のEPO変異体ポリペプチドをコードする核酸を突然変異化して、変更アミノ酸配列を有する1つまたは複数のEPOポリペプチド(「EPO変異体」)をコードする配列を有する1つまたは複数の核酸を提供し;
    単数または複数の核酸を発現して、単数または複数のコード化EPO変異体を生成し;
    このように生成された単数または複数のEPO変異体を野生型ヒトEPOと比較して改善された安定性に関して試験する
    ことを包含する方法。
  23. EPO変異体のライブラリーを産生し、そして安定性改善に関して前記ライブラリーの変異体を試験することを包含する、請求項22記載の方法。
  24. 安定性改善を有する1つまたは複数のEPO変異体を同定することを包含する、請求項23記載の方法。
  25. 前記1つまたは複数のEPO変異体を単離することを包含する、請求項24記載の方法。
  26. 前記1つまたは複数のEPO変異体をコードする核酸配列を単離することを包含する、請求項24または請求項25記載の方法。
  27. 少なくとも1つの付加的構成成分を含む組成物中に前記1つまたは複数の単離EPO変異体を処方することを包含する、請求項26記載の方法。
  28. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のEPO変異体ポリペプチドをそれを必要とする個体に投与することを包含する治療方法。
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