JP2015091578A - 酸素の電気化学的還元用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の触媒と比較しても、活性の高い酸素の電気化学的還元用触媒を安価に提供する。
【解決手段】酸素の電気化学的還元用触媒であって、ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物(好ましくは複合体、より好ましくはメカニカルミリング処理物)上に、コバルトポルフィリンが担持されている、触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸素の電気化学的還元用触媒及びその製造方法に関する。
アルカリ型燃料電池(AFC)においては、水酸化物イオンをイオン伝導体とし、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ電解液を電極間のセパレータに含浸させてセルを構成しており、室温〜100℃程度の低温で作動する燃料電池である。このアルカリ型燃料電池は、低温作動型のため扱いやすく、最も構造が簡単であり、アルカリ雰囲気での使用であることから、白金以外の安価な電極触媒を利用できる。
このアルカリ型燃料電池に使用される触媒としては、ペロブスカイト型酸化物を炭素質材料に担持した触媒が知られている。しかしながら、ペロブスカイト型酸化物の触媒活性は酸素の還元よりも、過酸化水素から水(水酸化物イオン)への2電子還元反応の反応速度が大きいことから、酸素から過酸化水素への還元に関しては炭素質材料自身の触媒活性に依存せざるを得ず、活性が十分ではなかった。
また、アルカリ型燃料電池に使用される酸素の2電子還元活性を有する触媒としては、コバルト、鉄のポルフィリン化合物やフタロシアニン化合物等も知られている(例えば、非特許文献1等)。しかしながら、これらの錯体は、酸素から過酸化水素への2電子還元に対しては高い活性を有するものの、過酸化水素から水への還元については、活性が十分ではなかった。このため、燃料電池カソード触媒に資するに十分な酸素還元特性が得られなかった。
このような状況下、特許文献1には、酸素から過酸化水素を生成する触媒A(ポルフィリン等)と、過酸化水素から水を生成する触媒B(ペロブスカイト酸化物等)とを有する酸素還元用複合電極が記載されている。この発明は、触媒Aによって生成する過酸化水素を、触媒B等の不均化反応によって水と酸素に分解し(過酸化水素を水に還元しているわけではない)、さらに触媒Aが酸素を再び還元する反応を繰り返すことを特徴としている。しかしながら、特許文献1では、触媒B(ペロブスカイト酸化物等)は、電気的に絶縁することが好ましいとされているため、触媒Bは不均化反応触媒としてのみ働き、電気化学的な過酸化水素還元触媒として機能できない。さらに、特許文献1の酸素還元用複合電極においては、酸素を水に直接還元する触媒としては機能していない。
特開2003−151567号公報
F. Van Den Brink, W. Visscher, E. Barendrecht, Journal of Electroanalytical Chemistry and Interfacial Electrochemistry, Volume 157, Issue 2, 25 October 1983, Pages 283-304.
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、従来の触媒と比較しても、活性の高い酸素の電気化学的還元用触媒を安価に提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、電池用電極触媒層に所望の性能を付与すべく、鋭意研究を重ねてきた。その結果、ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との複合体(好ましくはメカニカルミリング処理物)に、特定の金属錯体を担持することで、上記課題を解決した触媒が得られることを見出した。この触媒により得られる酸素還元活性は、ペロブスカイト型酸化物による酸素還元活性と、特定の金属錯体により得られる酸素還元活性を単に足し合わせた以上の酸素還元活性を有する。本発明は、このような知見に基づきさらに研究を重ね完成されたものである。
すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.酸素の電気化学的還元用触媒であって、
ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物上に、金属成分としてコバルト又は鉄を含み、配位子としてポルフィリン化合物又はフタロシアニン化合物を含む金属錯体が担持されている、触媒。
項2.前記混合物において、前記ペロブスカイト型酸化物と前記炭素質材料とが複合化されている、項1に記載の触媒。
項3.前記混合物は、ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料とのメカニカルミリング処理物である、項1又は2に記載の触媒。
項4.前記ペロブスカイト型酸化物が、A、B及び酸素からなり、
前記Aはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、希土類元素、Cd、Pb及びBiよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、
前記Bは少なくとも1種の遷移金属元素である、項1〜3のいずれかに記載の触媒。
項5.前記Bが、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、Ga、Ge、As、Se、In、Sn、Sb、及びTeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素である、項4に記載の触媒。
項6.前記ペロブスカイト型酸化物が、ABO、AB、A、A、A12、又はA15の組成を有する、項4又は5に記載の触媒。
項7.前記金属錯体がコバルトポルフィリンである、項1〜6のいずれかに記載の触媒。
項8.前記金属錯体が、一般式(1):
[式中、4個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、ハロゲン原子、アミノ基、−SO(Mは水素原子、アルカリ金属又はNH)、又は−(CH−COOM(Mは水素原子、アルキル基、アルカリ金属又は−NH;nは0〜5の整数);8個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、−SO(Mは水素原子、アルカリ金属又はNH)、又は−(CH−COOM(Mは水素原子、アルキル基、アルカリ金属又は−NH;nは0〜5の整数)である。]
で示されるコバルトポルフィリンである、項1〜7のいずれかに記載の触媒。
項9.前記炭素質材料が、導電性炭素材料である、項1〜8のいずれかに記載の触媒。
項10.前記炭素質材料が、カーボンブラックである、項1〜9のいずれかに記載の触媒。
項11.カソード触媒である、項1〜10のいずれかに記載の触媒。
項12.アルカリ型燃料電池用カソード触媒である、項1〜11のいずれかに記載の触媒。
項13.酸素の電気化学的還元用触媒の製造方法であって、
(1)ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料とをメカニカルミリング処理に供し、混合物を得る工程、並びに
(2A)金属成分としてコバルト又は鉄を含み、配位子としてポルフィリン化合物又はフタロシアニン化合物を含む金属錯体を含む溶液と前記混合物とを混合し、その後蒸発させる工程、若しくは
(2B)金属成分としてコバルト又は鉄を含み、配位子としてポルフィリン化合物又はフタロシアニン化合物を含む金属錯体を、気相法により前記混合物上に担持させる工程
を備える、製造方法。
本発明によれば、従来の触媒と比較しても、活性の高い酸素の電気化学的還元用触媒を安価に提供することができる。
本発明の触媒を用いた酸素の電気化学的還元の反応機構の一例を示す図面である。 実施例1にて作製したLSMF−Vulcan複合体について、メカニカルミリング前後の試料を用いたサイクリックボルタモグラムである。メカニカルミリング処理後では、掃引の最大電位である1V近辺(0.95〜1V程度)で、電気二重層容量の増加を示す電流値の上昇が見られる。 実施例3にて作製したLSMF−Ketjen複合体、及び実施例5にて作製したLSMF−Denka複合体についてのサイクリックボルタモグラムである。ともに、掃引の最大電位である1V近辺(0.95〜1V程度)で、電気二重層容量の増加を示す電流値の上昇が見られる。 実施例1、比較例1及び比較例2の触媒についてのサイクリックボルタモグラムである。実施例1では、比較例1及び2と比較し、酸素還元活性が向上していることが示されている。 実施例5及び比較例3の触媒についてのサイクリックボルタモグラムである。実施例5では、比較例3と比較し、酸素還元活性が向上していることが示されている。 実施例7、比較例1及び比較例4の触媒についてのサイクリックボルタモグラムである。実施例7では、比較例1及び4と比較し、酸素還元活性が向上していることが示されている。 実施例8、比較例1及び比較例5の触媒についてのサイクリックボルタモグラムである。実施例8では、比較例1及び5と比較し、酸素還元活性が向上していることが示されている。 実施例8、比較例1及び比較例5の触媒についてのサイクリックボルタモグラムのうち、0.9〜1Vにおける拡大図である。掃引の最大電位である1V近辺(0.95〜1V程度)で、電気二重層容量の増加を示す電流値の上昇が見られる。 実施例9、比較例1及び比較例6の触媒についてのサイクリックボルタモグラムである。実施例9では、比較例1及び6と比較し、酸素還元活性が向上していることが示されている。 実施例10、比較例1及び比較例7の触媒についてのサイクリックボルタモグラムである。実施例10では、比較例1及び7と比較し、酸素還元活性が向上していることが示されている。 実施例11及び比較例2の触媒についてのサイクリックボルタモグラムである。実施例11では、比較例2と比較し、酸素還元活性が向上していることが示されている。 実施例12、比較例2及び比較例8の触媒についてのサイクリックボルタモグラムである。実施例12では、比較例2及び8と比較し、酸素還元活性が向上していることが示されている。 実施例1、比較例1及び比較例2の触媒についての過酸化水素発生電流の測定結果を示すグラフである。実施例1では、比較例1及び2と比較し、過酸化水素の発生を抑制しており、十分な酸素還元活性を有していることが示されている。
1.酸素の電気化学的還元用触媒
本発明の酸素の電気化学的還元用触媒は、酸素を電気化学的に還元するために用いられる触媒であり、ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物上に、特定の金属錯体が担持されている。
反応機構は必ずしも明らかではないが、例えば、図1に示されるように、このような構成を採用することにより、金属錯体により酸素から過酸化水素への2電子還元を十分に行わせ、且つ、ペロブスカイト型酸化物により過酸化水素から水への2電子還元を十分に行わせることができる。このように、本発明の酸素の電気化学的還元用触媒は、酸素から過酸か水素への2電子還元と、過酸化水素から水への2電子還元とを有効に組合せ、結果的に、酸素から水への4電子還元を有効に行わせることができるため、十分な酸素還元活性を有すると考えられる。なお、炭素質材料を使用しない場合には、導電性が不十分であり、触媒活性を十分に発現することができない。また、炭素質材料は、酸素から過酸化水素への2電子還元触媒としても機能し得る。
<ペロブスカイト型酸化物>
本発明において使用されるペロブスカイト型酸化物は、過酸化水素から水への還元活性を有するものであれば特に制限されるものではなく、A、B及び酸素からなり、前記Aはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、希土類元素、Cd、Pb及びBiよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、前記Bは少なくとも1種の遷移金属元素であるものが好ましい。
ペロブスカイト型酸化物において、A元素としては、アルカリ金属元素(Na、K等)、アルカリ土類金属元素(Ca、Sr、Ba等)、希土類元素(Sc、Y、La等)、Cd、Pb、Bi等が挙げられ、過酸化水素から水への還元活性の観点から、La、Sr、Ca、Ba等が好ましい。これらのA元素は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
ペロブスカイト型酸化物において、B元素としては、遷移金属元素(Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、Ga、Ge、As、Se、In、Sn、Sb、Te等)等が挙げられ、過酸化水素から水への還元活性の観点から、Mn、Fe、Co、Ni等が好ましい。これらのB元素は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
ペロブスカイト型酸化物の組成としては、過酸化水素から水への還元活性を有するものであれば特に制限されるものではなく、ABO、AB、A、A、A12、又はA15の組成を有するものが挙げられ、過酸化水素から水への還元活性の観点から、ABO、AB、A、A等が好ましい。
このようなペロブスカイト型酸化物としては、具体的には、LaMnO、LaFeO、SrMnO、SrFeO、LaSr1−xMnFe1−y(0<x<1、0<y<1)等が挙げられ。過酸化水素から水への還元活性の観点から、LaSr1−xMnFe1−y(0<x<1、0<y<1)等が好ましい。
ペロブスカイト型酸化物の平均粒子径は、1〜100000nmが好ましく、5〜50000nmがより好ましい。
このようなペロブスカイト型酸化物は、例えば、各種の金属硝酸塩、金属酢酸塩、金属炭酸塩等を、所望の割合で水性溶媒中に溶解し、蒸発乾固させた後、空気中で焼成することにより得られる。なお、水性溶媒としては、水(特に超純水)が好ましく使用される。また、蒸発乾固及び焼成の条件は、従来から常法にて採用されている条件を採用すればよい。
ただし、上記方法のみに限定されず、他の方法によりペロブスカイト型酸化物を得てもよいし、市販又は公知のペロブスカイト型酸化物を使用してもよい。
<炭素質材料>
炭素質材料としては、従来から酸素を電気化学的に還元するための触媒の導電性担体に使用されるものであれば特に制限はなく、導電性炭素粒子、導電性炭素繊維等の導電性炭素材料が好ましく使用される。
導電性炭素粒子としては、公知又は市販の材料を使用できる。例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等のカーボンブラック;黒鉛;グラフェン;活性炭等が挙げられ、金属錯体との相互作用がより大きく、金属錯体をより安定させることができ、さらに、導電性に優れ、比表面積も高いことから、カーボンブラックが好ましい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
導電性炭素粒子の平均粒子径は、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましく、1〜10μmがさらに好ましい。なお、カーボンブラックを用いる場合には、例えば、BET法による比表面積が50〜1600m/g程度の範囲内にあるものが好ましく、100〜1200m/g程度の範囲内にあるものがより好ましい。この様なカーボンブラックの具体例としては、例えば、Vulcan XC-72R(Cabot社製)の商標名で市販されているものを用いることができる。
導電性炭素繊維としては、特に制限されるわけではないが、例えば、気相成長法炭素繊維(VGCF(登録商標))、カーボンナノチューブ、カーボンナノカップ、カーボンナノウォール等が挙げられる。これらの導電性炭素繊維は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性炭素繊維の平均繊維径は、触媒と複合体化させやすく、錯体を担持できる程度の大きさである観点から、50〜450nm程度が好ましく、100〜250nm程度がより好ましい。平均繊維長は限定的でなく、4〜500μm程度、が好ましく、4〜300μm程度がより好ましい。また、平均アスペクト比は、5〜600程度が好ましく、10〜500程度がより好ましい。また、導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定した画像等により測定するものとする。
<金属錯体>
本発明で使用する金属錯体は、酸素から過酸化水素への還元活性を有する化合物であれば特に制限されないが、触媒活性(特に酸素から過酸化水素への2電子還元活性)の観点から、金属成分としてコバルト又は鉄を含み、配位子としてポルフィリン化合物又はフタロシアニン化合物を含む金属錯体が好ましい。このような金属錯体としては、コバルトポルフィリン、鉄ポルフィリン、コバルトフタロシアニン、鉄フタロシアニン等が挙げられ、触媒活性(特に酸素から過酸化水素への2電子還元活性)の観点から、コバルトポルフィリン、コバルトフタロシアニン又は鉄フタロシアニンが好ましい。
コバルトポルフィリン
コバルトポルフィリンとしては、一般式(1):
[式中、4個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、ハロゲン原子、アミノ基、−SO(Mは水素原子、アルカリ金属又はNH)、又は−(CH−COOM(Mは水素原子、アルキル基、アルカリ金属又は−NH;nは0〜5の整数);8個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、−SO(Mは水素原子、アルカリ金属又はNH)、又は−(CH−COOM(Mは水素原子、アルキル基、アルカリ金属又は−NH;nは0〜5の整数)である。]
で示される化合物が好ましい。
一般式(1)において、4個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、ハロゲン原子、アミノ基、−SO、又は−(CH−COOMである。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等の炭素数1〜6程度の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、後述のアリール基、後述のアシル基、後述のアルケニル基、低級アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−SO(Mは水素原子;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH)、−(CH−COOM(Mは水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH;nは0〜5の整数;具体例としては−COOH、−COOCH、−COOC、−COOK、−COONa、−COONH、−CHCOOH、−CHCOOCH等)等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ピリジル基等が挙げられる。
アリール基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、前記したアルキル基、後述のアシル基、後述のアルケニル基、低級アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−SO(Mは水素原子;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH)、−(CH−COOM(Mは水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH;nは0〜5の整数;具体例としては−COOH、−COOCH、−COOC、−COOK、−COONa、−COONH、−CHCOOH、−CHCOOCH等)等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基等の炭素数2〜20のアシル基が挙げられる。
アシル基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、前記したアルキル基、前記したアリール基、後述のアルケニル基、低級アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−SO(Mは水素原子;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH)、−(CH−COOM(Mは水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH;nは0〜5の整数;具体例としては−COOH、−COOCH、−COOC、−COOK、−COONa、−COONH、−CHCOOH、−CHCOOCH等)等が挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチルアリル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等の炭素数2〜20の直鎖又は分岐鎖アルケニル基が挙げられる。
アルケニル基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、前記したアルキル基、前記したアリール基、前記したアシル基、低級アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−SO(Mは水素原子;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH)、−(CH−COOM(Mは水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH;nは0〜5の整数;具体例としては−COOH、−COOCH、−COOC、−COOK、−COONa、−COONH、−CHCOOH、−CHCOOCH等)等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
−SOにおいて、Mとしては、水素原子、アルカリ金属又はNHである。アルカリ金属としては、カリウム、ナトリウム等が挙げられる。このような−SOとしては、具体的には、−SOH、−SOK、−SONa、−SONH等が挙げられる。
−(CH−COOMにおいて、Mは水素原子、アルキル基、アルカリ金属又は−NHである。アルキル基及びアルカリ金属としては、上記したものが挙げられる。また、nは0〜5の整数が好ましく、0〜3の整数がより好ましい。このような−(CH−COOMとしては、具体的には、−COOH、−COOCH、−COOC、−COOK、−COONa、−COONH、−CHCOOH、−CHCOOCH等が挙げられる。
これらのなかでも、Rとしては、触媒活性(特に酸素から過酸化水素への2電子還元活性)が高く、平面的な分子とすることができ多層吸着を抑制できる観点から、いずれも水素原子又は置換基を有していてもよいアリール基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
一般式(1)において、8個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、−SO、又は−(CH−COOMである。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等の炭素数1〜6程度の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、後述のアリール基、後述のアシル基、後述のアルケニル基、後述のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−SO(Mは水素原子;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH)、−(CH−COOM(Mは水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH;nは0〜5の整数;具体例としては−COOH、−COOCH、−COOC、−COOK、−COONa、−COONH、−CHCOOH、−CHCOOCH等)等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ピリジル基等が挙げられる。
アリール基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、前記したアルキル基、後述のアシル基、後述のアルケニル基、後述のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−SO(Mは水素原子;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH)、−(CH−COOM(Mは水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH;nは0〜5の整数;具体例としては−COOH、−COOCH、−COOC、−COOK、−COONa、−COONH、−CHCOOH、−CHCOOCH等)等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基等の炭素数2〜20のアシル基が挙げられる。
アシル基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、前記したアルキル基、前記したアリール基、後述のアルケニル基、後述のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−SO(Mは水素原子;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH)、−(CH−COOM(Mは水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH;nは0〜5の整数;具体例としては−COOH、−COOCH、−COOC、−COOK、−COONa、−COONH、−CHCOOH、−CHCOOCH等)等が挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチルアリル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等の炭素数2〜20の直鎖又は分岐鎖アルケニル基が挙げられる。
アルケニル基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、前記したアルキル基、前記したアリール基、前記したアシル基、後述のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−SO(Mは水素原子;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH)、−(CH−COOM(Mは水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH;nは0〜5の整数;具体例としては−COOH、−COOCH、−COOC、−COOK、−COONa、−COONH、−CHCOOH、−CHCOOCH等)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6程度の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルコキシ基が挙げられる。
アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、前記したアリール基、前記したアシル基、前記したアルケニル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−SO(Mは水素原子;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH)、−(CH−COOM(Mは水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;又はNH;nは0〜5の整数;具体例としては−COOH、−COOCH、−COOC、−COOK、−COONa、−COONH、−CHCOOH、−CHCOOCH等)等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
−SOにおいて、Mとしては、水素原子、アルカリ金属又はNHである。アルカリ金属としては、カリウム、ナトリウム等が挙げられる。このような−SOとしては、具体的には、−SOH、−SOK、−SONa、−SONH等が挙げられる。
−(CH−COOMにおいて、Mは水素原子、アルキル基、アルカリ金属又は−NHである。アルキル基及びアルカリ金属としては、上記したものが挙げられる。また、nは0〜5の整数が好ましく、0〜3の整数がより好ましい。このような−(CH−COOMとしては、具体的には、−COOH、−COOCH、−COOC、−COOK、−COONa、−COONH、−CHCOOH、−CHCOOCH等が挙げられる。
これらのなかでも、Rとしては、触媒活性(特に酸素から過酸化水素への2電子還元活性)が高く、平面的な分子とすることができ多層吸着を抑制できる観点から、いずれもアルキル基、特に炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。特に、より溶媒に溶けやすく、より平面的な分子とすることができることから、いずれもエチル基が好ましい。
このような条件を満たすコバルトポルフィリンとしては、具体的には、
等が挙げられ、
等が好ましい。
このようなコバルトポルフィリンとしては、例えば、一般式(2):
[式中、4個のR及び8個のRは前記に同じである。]
で示されるポルフィリン化合物と、コバルト原子とでキレートを形成することによって得られる。
具体的には、一般式(2)で示される化合物を溶媒に十分に溶解させた後、コバルトの塩、錯体等を添加し、その後加熱還流し、必要に応じて反応混合物を通常の方法により精製することにより得られる。
コバルトの塩としては、特に制限されない。また、用いる溶媒は、上記ポルフィリン化合物とコバルトの塩とが両方溶解しさえすれば特に制限はないが、トルエン、エタノール等が好ましい。
鉄ポルフィリン
鉄ポルフィリンとは、前記したコバルトポルフィリンの金属成分をコバルトではなく、鉄を採用したものである。
このような鉄ポルフィリンとしては、一般式(2):
[式中、4個のRは同じか又は異なり、前記に同じ;8個のRは同じか又は異なり、前記に同じである。]
で示される化合物が好ましい。
一般式(2)において、R及びRは前記に同じであり、好ましい基も同様である。つまり、
等が好ましく、
等が好ましい。
コバルトフタロシアニン
コバルトフタロシアニンとは、前記したコバルトポルフィリンの配位子をポルフィリンではなく、フタロシアニンを採用したものである。
このようなコバルトフタロシアニンとしては、一般式(3):
[式中、8個のRは同じか又は異なり、前記に同じ;8個のRは同じか又は異なり、前記に同じである。]
で示される化合物が好ましい。
一般式(3)において、R及びRは前記に同じであり、好ましい基はR及びRがいずれも水素原子の場合である。つまり、
等が好ましい。
鉄フタロシアニン
鉄フタロシアニンとは、前記したコバルトポルフィリンの配位子をポルフィリンではなく、フタロシアニンを採用し、金属成分をコバルトではなく鉄を採用したものである。
このような鉄フタロシアニンとしては、一般式(4):
[式中、8個のRは同じか又は異なり、前記に同じ;8個のRは同じか又は異なり、前記に同じである。]
で示される化合物が好ましい。
一般式(4)において、R及びRは前記に同じであり、好ましい基はR及びRがいずれも水素原子の場合である。つまり、
等が好ましい。
<ペロブスカイト型酸化物、炭素質材料及び金属錯体の関係>
本発明の酸素の電気化学的還元用触媒においては、前記ペロブスカイト型酸化物と前記炭素質材料との混合物(特に複合体)上に、前記金属錯体が担持されている。なお、本発明において、混合物とは、2種類以上の成分(ペロブスカイト型酸化物及び炭素質材料)を含むものを示す。また、複合体とは、混合物に含まれる成分の接触をより高めたものを指す。
ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物は、より十分に密着した状態(複合体)で得るために、メカニカルミリング処理物であることが好ましい。メカニカルミリング処理物であるか否かは、ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物についてCV曲線によって酸素還元活性の変化を測定した際に、掃引する電位の最大電位付近(例えば、0〜1Vで掃引する場合は0.95〜1V付近、0〜1.2Vで掃引する場合は1.15〜1.2V付近)において、電流値の増加が見られるか否かによって判断することができる。なお、このように、掃引する電位の最大電位付近で電流値が増加することは、電気二重層容量の増加を意味している。
ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物において、両成分の混合比は特に制限されないが、炭素質材料の含有量はペロブスカイト型酸化物100重量部に対して10〜500重量部が好ましく、20〜150重量部がより好ましい。
ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物(特に複合体)の形状は特に制限はなく、粒子状、繊維状、板状等種々多様な形状を採用することができる。
本発明では、金属錯体は、導電性担体である前記ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物に担持させることにより、二量化反応、不均化反応等の分子間反応を抑制して、金属錯体を安定化させることができる。その結果、高い触媒活性を有するものとすることができる。これは、該金属錯体が、導電性担体との相互作用によって該担体に強固に吸着担持されることによるものと思われる。
また、金属錯体の担持量は特に制限されないが、ある程度複合体上に担持させ、触媒活性をより向上させる観点から、ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との合計100重量部に対して0.001〜20重量部が好ましい。
<酸素の電気化学的還元用触媒>
本発明の酸素の電気化学的還元用触媒には、ペロブスカイト型酸化物、炭素質材料及び金属錯体以外に、他の添加剤も、本発明の効果を損なわない範囲であれば含まれていてもよい。
本発明の酸素の電気化学的還元用触媒の比表面積は、特に制限されないが、より十分な触媒活性(酸素還元反応能)を有する観点から、5〜500m/gが好ましく、10〜300m/gがより好ましい。比表面積は、例えば、窒素吸着測定によるBET法等により測定することができる。
このような本発明の酸素の電気化学的還元用触媒は、上記のような構成を採用することから、そのままでも十分な酸素還元活性を有する。また、本発明の酸素の電気化学的還元用触媒に、白金、白金合金、白金ルテニウム、金、パラジウム等の他の触媒金属や、金属化合物(特に周期表4〜5族の遷移金属の酸化物、炭化物、窒化物等の酸素還元反応能を有する材料)を担持させてもよい。カソード触媒に用いる場合は、触媒金属としては、白金が好ましい。白金合金としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄、コバルト等の金属と、白金との合金等が挙げられる。このように、触媒金属を担持させると、より触媒活性を向上させることができるが、本発明の酸素の電気化学的還元用触媒自身が高い触媒活性を有しているため、触媒金属の使用量を抑制することができ、より安価な触媒とすることができる。
触媒金属又は金属化合物の粒子の大きさは限定的ではないが、1〜10nm程度が望ましい。特に、単味白金粒子の場合は1〜5nm程度が、白金合金粒子の場合は1〜7nm程度が望ましい。また、触媒金属又は金属化合物が本発明の触媒全体に占める重量は、5〜75%が望ましく、10〜60%がより望ましい。
触媒金属又は金属化合物を本発明の酸素の電気化学的還元用触媒に担持させる方法は特に制限はなく、常法を採用することができる。例えば、白金を本発明の酸素の電気化学的還元用触媒に担持させる場合には、本発明の酸素の電気化学的還元用触媒を、必要に応じて酢酸溶液又は過酸化水素水中に浸漬して前処理及び乾燥をした後、塩化白金酸溶液を塗布すればよい。また、本発明の酸素の電気化学的還元用触媒を、必要に応じて酢酸溶液又は過酸化水素水中に浸漬して前処理及び乾燥をした後、塩化白金酸溶液中に浸漬し、水素等で還元することで、白金を担持させてもよい。
本発明の酸素の電気化学的還元用触媒を燃料電池触媒として用いる場合は、本触媒材料と電解質材料、炭素材料等を水や溶剤等で分散させたものを、電解質膜に塗布したり、基材に塗布した触媒層を電解質膜に転写させたり等により電解質膜に触媒層を形成することができる。
このような本発明の酸素の電気化学的還元用触媒は、例えば、固体高分子型燃料電池の電極触媒(特にカソード触媒)、固体高分子型燃料電池の電極触媒の担体(特にカソード側)、ダイレクトメタノール型燃料電池の電極触媒(特にカソード触媒)、ダイレクトメタノール型燃料電池の電極触媒の担体(特にカソード側)、過酸化水素製造用電極材料等として好ましく用いることができる。つまり、アルカリ型燃料電池のカソード触媒として特に有用である。また、燃料電池用途以外にも、一酸化炭素、窒素酸化物等を分解する触媒、化学合成用の非貴金属触媒等としても有用である。
本発明の触媒をアルカリ型燃料電池のカソード触媒とする場合には、本発明の触媒をカソード触媒物質として用いること以外は、カソード極の構造、及びこのカソード極を用いるアルカリ型燃料電池の構造については、特に限定はなく、公知の燃料電池と同様とすればよい。即ち、高分子電解質膜、電極触媒、膜−電極接合体、セル構造等については、公知のアルカリ型燃料電池と同様とすればよい。
例えば、アノード極の触媒金属としては、従来から知られている種々の金属、金属合金等を使用することができる。具体例としては、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、白金−ルテニウムをはじめとする各種金属触媒、又はこれらの触媒微粒子をカーボン等の担体上に分散させた担持触媒等が挙げられる。
高分子電解質膜としては、パーフルオロカーボン系、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体系、ポリベンズイミダゾール系をはじめとする各種イオン交換樹脂膜、無機高分子イオン交換膜、有機−無機複合体高分子イオン交換膜等を使用することができる。
固体高分子電解質膜と電極触媒との接合体は、公知の方法により作製することができる。例えば、触媒粉末と電解質溶液とを混合して作製した触媒インクを薄膜化させた後、電解質膜上にホットプレスする方法、あるいは直接高分子膜上に塗布・乾燥する方法等が適用される。
得られた膜−電極接合体の両面をカーボンペーパー、カーボンクロス等の集電体で挟んでセルに組み込むことによって、燃料電池セルを作製することができる。
本発明の触媒をアノード触媒とする燃料電池では、一酸化炭素を燃料としてアノードに供給し、カソード側には、空気又は酸素を供給又は自然拡散させればよい。
本発明の燃料電池の作動温度は、使用する電解質膜によって異なるが、通常0〜100℃程度であり、好ましくは10〜80℃程度である。
2.酸素の電気化学的還元用触媒の製造方法
本発明の酸素の電気化学的還元用触媒は、例えば、
(1)ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料とをメカニカルミリング処理に供し、混合物を得る工程、及び
(2)金属錯体を含む溶液と前記混合物とを混合し、その後蒸発させる工程
を備える方法により、得ることができる。
<工程(1)>
工程(1)では、ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料とをメカニカルミリング処理に供し、混合物を得る。
ペロブスカイト型酸化物及び炭素質材料は、前記したものである。
メカニカルミリング処理を施す際のペロブスカイト型酸化物と炭素質材料の混合比は特に制限されず、上記したペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物における組成範囲となるように投入すればよい。つまり、炭素質材料の添加量はペロブスカイト型酸化物の添加量100重量部に対して10〜500重量部が好ましく、20〜150重量部がより好ましい。
メカニカルミリング処理は、試料を、機械的エネルギーを付与しながら粉砕する方法である。工程(1)においては、ペロブスカイト型酸化物及び炭素質材料に対して、機械的エネルギーを付与することで、より密着性を向上させ、十分且つ均一に混合した混合物が得られる。
このようなメカニカルミリング処理としては、例えば、振動ミル、ボールミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を用いる方法が挙げられ、なかでも、ペロブスカイト型酸化物が炭酸塩等へ分解することをより防ぎながら、より簡便に本発明の混合物(特に複合体が得られる)観点から、振動ミル及びボールミルが好ましい。
ボールミルを採用する場合、ボールミルの条件は、均一且つ密着性の高い混合物を得ることができるものであれば特に限定されるものではない。一般的には、回転数が大きいほど、混合物の生成速度は速くなり、処理時間が長いほど、原料から混合物への転化率は高くなる。遊星型ボールミルを行う際の台盤回転数としては、例えば100〜1000rpmが好ましく、200〜600rpmがより好ましい。また、遊星型ボールミルを行う際の処理時間は、例えば15分〜4時間が好ましく、20分〜2時間がより好ましい。
メカニカルミリング処理を行う際には、同時に加熱してもよい。加熱する場合、加熱温度は、カーボンの燃焼や炭酸塩の生成を防ぐ観点から、0〜300℃が好ましく、0〜200℃がより好ましい。
<工程(2)>
工程(2)では、金属錯体を含む溶液と前記混合物とを混合し、その後蒸発させる(工程2A)か、金属錯体を、混合物上に担持させる(工程2B)。
工程(2A)
金属錯体は、前記したものである。
金属錯体を含む溶液を使用する場合、使用される溶媒は、金属錯体を溶解させるものであれば特に制限されず、トルエン、エタノール等の低級アルコール、ジクロロメタン等のハロゲン系の溶媒、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。なお、コバルトポルフィリンを合成により得る場合は、その際使用する反応溶媒をそのまま使用してもよい。
金属錯体を含む溶液を使用する場合、混合方法は特に制限されない。金属錯体を含む溶液に前記混合物を投入してもよいし、前記混合物に金属錯体を含む溶液を添加してもよい。
ただし、金属錯体を含む溶液と前記混合物とを混合する際、5分〜3時間、特に10分〜60分間攪拌することが好ましい。これにより、より強固に金属錯体を前記混合物上に担持させることができる。
金属錯体を含む溶液と前記混合物との混合比は特に制限されず、結果的に得られる本発明の酸素の電気化学的還元用触媒における金属錯体の担持量の範囲となるようにすればよい。つまり、属錯体の量が、ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物100重量部に対して0.001〜20重量部含まれるように、両成分を混合すればよい。
この後、蒸発させることにより、溶媒を除去し、本発明の触媒が得られる。
蒸発の条件は、溶媒を留去できる程度の条件であれば特に制限されない。
なお、溶媒中に金属錯体が大量に含まれる場合は、平衡に達するまで金属錯体を前記混合物に吸着させた後、濾過することによって、前記混合物に担持していない金属錯体を除去して、前記混合物と相互作用している金属錯体のみを前記混合物の表面に残すことができる。
また、濾過によって得られた分散物を、さらに有機溶媒を用いて洗浄液が透明になるまで洗浄すれば、前記混合物との相互作用の弱い金属錯体を洗い流すことができ、前記混合物に強固に担持している金属錯体のみを含む高活性な触媒を得ることができる。
このようにして、本発明の酸素の電気化学的還元用触媒が得られるが、必要に応じて焼成を施してもよい。焼成することにより、触媒活性がより向上することが見込まれるが、金属錯体が分解しない程度の条件とすることが好ましい。
工程(2B)
本発明において、上記した工程(2A)では、溶液乾燥法を採用しているが、気相法を採用して金属錯体を担持させることもできる。
気相法で担持させる場合は、例えば、プラズマ蒸着法、CVD法、加熱蒸着法等公知の方法を採用できる。
金属錯体は、上記したものである。
金属錯体と前記混合物との混合比は特に制限されず、結果的に得られる本発明の酸素の電気化学的還元用触媒における金属錯体の担持量の範囲となるようにすればよい。つまり、金属錯体の量が、ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物100重量部に対して0.001〜20重量部含まれるように、金属錯体を前記混合物上に担持させればよい。
なお、金属錯体は、白金又は白金合金の粒子とともに、混合物上に担持されていてもよい。このように、金属錯体を白金又は白金合金の粒子とともに混合物上に担持した場合には、より触媒活性を向上させることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、ポルフィリン化合物及びフタロシアニン化合物としては、以下のものを使用した。
コバルトオクタエチルポルフィリン(CoOEP):シグマアルドリッチ社製
コバルトテトラフェニルポルフィリン(CoTPP):シグマアルドリッチ社製
鉄フタロシアニン(FePC):シグマアルドリッチ社製
また、以下の試薬については、以下のものを使用した。
三硝酸ランタン・6水和物(La(NO・6HO):和光純薬工業(株)製、99.9%。
硝酸ストロンチウム(Sr(NO):シグマアルドリッチ社製、99.95%。
硝酸マンガン・6水和物(Mn(NO・6HO):和光純薬工業(株)製、99.9%。
硝酸鉄・9水和物(Fe(NO・9HO):和光純薬工業(株)製、99.9%。
硝酸カルシウム・4水和物(Ca(NO・4HO):和光純薬工業(株)製、99.9%。
硝酸コバルト・6水和物(Co(NO・6HO):和光純薬工業(株)製、99.9%。
三酸化二ランタン(La):和光純薬工業(株)製、99.5%。
炭酸ストロンチウム(SrCO):和光純薬工業(株)製、99.9%。
酸化マンガン(MnO):シグマアルドリッチ社製、99.99%。
三酸化二鉄(Fe):シグマアルドリッチ社製、99.99%。
[合成例1:ペロブスカイト型酸化物(LSMF)の作製]
三硝酸ランタン・6水和物(La(NO・6HO)2.5982g、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)0.8465g、硝酸マンガン・6水和物(Mn(NO・6HO)1.7222g、及び硝酸鉄・9水和物(Fe(NO・9HO)1.616gを、超純水(200mL)に溶解させ、100℃で4時間程度蒸発させた。その後、空気中で、600℃で6時間焼成し、ペロブスカイト型酸化物:La0.6Sr0.4Mn0.6Fe0.4(以下、「LSMF」と言うこともある。)を得た。得られたLSMFは、比表面積が31.1m/gであった。
[合成例2:ペロブスカイト型酸化物(LCMF)の作製]
三硝酸ランタン・6水和物(La(NO・6HO)2.5982g、硝酸カルシウム・4水和物(Ca(NO・4HO)0.9446g、硝酸マンガン・6水和物(Mn(NO・6HO)1.7222g、及び硝酸鉄・9水和物(Fe(NO・9HO)1.616gを、超純水(200mL)に溶解させ、100℃で4時間程度蒸発させた。その後、空気中で、600℃で6時間焼成し、ペロブスカイト型酸化物:La0.6Ca0.4Mn0.6Fe0.4(以下、「LCMF」と言うこともある。)を得た。得られたLCMFは、比表面積が31.8m/gであった。
[合成例3:ペロブスカイト型酸化物(LSCF)の作製]
三硝酸ランタン・6水和物(La(NO・6HO)3.4640g、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)0.4233g、硝酸コバルト・6水和物(Co(NO・6HO)1.7462g、及び硝酸鉄・9水和物(Fe(NO・9HO)1.616gを、超純水(200mL)に溶解させ、100℃で4時間程度蒸発させた。その後、空気中で、600℃で6時間焼成し、ペロブスカイト型酸化物:La0.8Sr0.2Co0.6Fe0.4(以下、「LSCF」と言うこともある。)を得た。得られたLSCFは、比表面積が26.2m/gであった。
[合成例4:ペロブスカイト型酸化物(LSM)の作製]
三硝酸ランタン・6水和物(La(NO・6HO)3.4640g、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)0.4233g、及び硝酸マンガン・6水和物(Mn(NO・6HO)2.8704gを、超純水(200mL)に溶解させ、100℃で4時間程度蒸発させた。その後、空気中で、600℃で6時間焼成し、ペロブスカイト型酸化物:La0.8Sr0.2MnO(以下、「LSM」と言うこともある。)を得た。得られたLSMは、比表面積が30.0m/gであった。
[合成例5:ペロブスカイト型酸化物(LSMF)の作製]
三酸化二ランタン(La)0.9775g、炭酸ストロンチウム(SrCO)0.5905g、酸化マンガン(MnO)0.5216g、及び三酸化二鉄(Fe)0.3194gを乳鉢で0.5時間程度混合した。その後、空気中で、1300℃で10時間焼成し、ペロブスカイト型酸化物:La0.6Sr0.4Mn0.6Fe0.4(以下、「LSMF」と言うこともある。)を得た。得られたLSMFは、比表面積が0.4m/gであった。
[実施例1]
合成例1で得たLSMF1.5gと、カーボンブラック(Cabot社製のVulcan XC72R)0.5gとを、遊星型ボールミル(フリッチュジャパン製のP−7)にて、400rpmで1時間混合し、LSMF−Vulcan複合体を得た(LSMFとカーボンブラックの重量比は3:1)。比表面積は58.6m/gであった。
市販のコバルトオクタエチルポルフィリン30μMのジクロロメタン溶液20mLに、担体として、前記のLSMF−Vulcan複合体を30mg投入した。その後常温で溶媒を蒸発させ、溶媒を留去することにより、実施例1の触媒を得た。この実施例1の触媒は、比表面積が58.6m/gであり、LSMF−Vulcan複合体上にコバルトオクタエチルポルフィリンが担持されていた。
[実施例2]
カーボンブラックの投入量を0.3g(LSMFとカーボンブラックとの重量比は5:1)とすること以外は実施例1と同様に、LSMF−Vulcan複合体及び実施例2の触媒を得た。この実施例2の触媒は、LSMF−Vulcan複合体上にコバルトオクタエチルポルフィリンが担持されていた。
[実施例3]
カーボンブラックとして、Cabot社製のVulcan XC72Rの代わりに、ケッチェンブラック(ライオン製)を用いること以外は実施例1と同様に、LSMF−Ketjen複合体及び実施例3の触媒を得た。この実施例3の触媒は、LSMF−Ketjen複合体上にコバルトオクタエチルポルフィリンが担持されていた。なお、この実施例3の途中で作製したLSMF−Ketjen複合体の比表面積は117.0m/gであり、実施例3の触媒の比表面積は117.0m/gであった。
[実施例4]
カーボンブラックとして、Cabot社製のVulcan XC72Rの代わりに、ケッチェンブラック(ライオン製)を用い、カーボンブラックの投入量を0.5g(LSMFとカーボンブラックとの重量比は3:1)とすること以外は実施例1と同様に、LSMF−Ketjen複合体及び実施例4の触媒を得た。この実施例4の触媒は、LSMF−Ketjen複合体上にコバルトオクタエチルポルフィリンが担持されていた。
[実施例5]
カーボンブラックとして、Cabot社製のVulcan XC72Rの代わりに、デンカブラック(電気化学工業(DENKA)製)を用いること以外は実施例1と同様に、LSMF−Denka複合体及び実施例5の触媒を得た。この実施例5の触媒は、LSMF−Denka複合体上にコバルトオクタエチルポルフィリンが担持されていた。なお、この実施例5の途中で作製したLSMF−Denka複合体の比表面積は50.7m/gであり、実施例5の触媒の比表面積は50.7m/gであった。
[実施例6]
カーボンブラックとして、Cabot社製のVulcan XC72Rの代わりに、デンカブラック(電気化学工業(DENKA)製)を用い、カーボンブラックの投入量を0.5g(LSMFとカーボンブラックとの重量比は3:1)とすること以外は実施例1と同様に、LSMF−Denka複合体及び実施例6の触媒を得た。この実施例6の触媒は、LSMF−Denka複合体上にコバルトオクタエチルポルフィリンが担持されていた。
[実施例7]
合成例1で得たLSMFの代わりに、合成例2で得たLCMFを使用したこと以外は実施例1と同様に、LCMF−Vulcan複合体及び実施例7の触媒を得た。この実施例7の触媒は、LCMF−Vulcan複合体上にコバルトオクタエチルポルフィリンが担持されていた。
[実施例8]
合成例1で得たLSMFの代わりに、合成例3で得たLSCFを使用したこと以外は実施例1と同様に、LSCF−Vulcan複合体及び実施例8の触媒を得た。この実施例8の触媒は、LSCF−Vulcan複合体上にコバルトオクタエチルポルフィリンが担持されていた。
[実施例9]
合成例1で得たLSMFの代わりに、合成例4で得たLSMを使用したこと以外は実施例1と同様に、LSM−Vulcan複合体及び実施例9の触媒を得た。この実施例9の触媒は、LSM−Vulcan複合体上にコバルトオクタエチルポルフィリンが担持されていた。
[実施例10]
合成例1で得たLSMFの代わりに、合成例5で得たLSMFを使用したこと以外は実施例1と同様に、LSMF−Vulcan複合体及び実施例10の触媒を得た。この実施例10の触媒は、LSMF−Vulcan複合体上にコバルトオクタエチルポルフィリンが担持されていた。
[実施例11]
コバルトオクタエチルポルフィリンの代わりに、コバルトテトラフェニルポルフィリンを使用したこと以外は実施例1と同様に、LSMF−Vulcan複合体及び実施例11の触媒を得た。この実施例11の触媒は、LSMF−Vulcan複合体上にコバルトオクタフェニルポルフィリンが担持されていた。なお、この実施例11の途中で作製したLSMF−Vulcan複合体は実施例1の途中で作製したLSMF−Vulcan複合体と同じものである。
[実施例12]
コバルトオクタエチルポルフィリンの代わりに、鉄フタロシアニンを使用したこと以外は実施例1と同様に、LSMF−Vulcan複合体及び実施例12の触媒を得た。この実施例12の触媒は、LSMF−Vulcan複合体上に鉄フタロシアニンが担持されていた。なお、この実施例12の途中で作製したLSMF−Vulcan複合体は実施例1の途中で作製したLSMF−Vulcan複合体と同じものである。
[参考例1:メカニカルミリングなし]
合成例1で得たLSMF0.15gと、カーボンブラック(Cabot社製のVulcan XC72R)0.05gとを、超純水とエタノールとの混合溶液に懸濁させ、その後乾燥させることにより、LSMF−Vulcan混合物を得た(LSMFとカーボンブラックの重量比は3:1)。
市販のコバルトオクタエチルポルフィリン30μMのジクロロメタン溶液20mLに、担体として、前記のLSMF−Vulcan混合物を30mg投入した。その後常温で溶媒を蒸発させ、溶媒を留去することにより、参考例1の触媒を得た。この参考例1の触媒は、LSMF−Vulcan混合物上にコバルトオクタエチルポルフィリンが担持されていた。
[比較例1:LSMFなし]
合成例1で得たLSMFを使用せず、Vulcan上にコバルトオクタエチルポルフィリンを担持した(担体として、LSMF−Vulcan複合体の代わりにVulcanを使用した)こと以外は実施例1と同様に、比較例1の触媒を得た。
[比較例2:ポルフィリン及びフタロシアニンなし(LSMF)]
市販のコバルトオクタエチルポルフィリンを使用しなかったこと以外は実施例1と同様に、比較例2の触媒を得た。この比較例2の触媒は、実施例1で作製したLSMF−Vulcan複合体と同じものである。
[比較例3:ポルフィリン及びフタロシアニンなし(LSMF)]
市販のコバルトオクタエチルポルフィリンを使用しなかったこと以外は実施例5と同様に、比較例3の触媒を得た。この比較例3の触媒は、実施例5で作製したLCMF−Denka複合体と同じものである。
[比較例4:ポルフィリン及びフタロシアニンなし(LCMF)]
市販のコバルトオクタエチルポルフィリンを使用しなかったこと以外は実施例7と同様に、比較例3の触媒を得た。この比較例3の触媒は、実施例7で作製したLCMF−Vulcan複合体と同じものである。
[比較例5:ポルフィリン及びフタロシアニンなし(LSCF)]
市販のコバルトオクタエチルポルフィリンを使用しなかったこと以外は実施例8と同様に、比較例4の触媒を得た。この比較例4の触媒は、実施例8で作製したLSCF−Vulcan複合体と同じものである。
[比較例6:ポルフィリン及びフタロシアニンなし(LSM)]
市販のコバルトオクタエチルポルフィリンを使用しなかったこと以外は実施例9と同様に、比較例5の触媒を得た。この比較例5の触媒は、実施例9で作製したLSM−Vulcan複合体と同じものである。
[比較例7:ポルフィリン及びフタロシアニンなし(LSMF)]
市販のコバルトオクタエチルポルフィリンを使用しなかったこと以外は実施例10と同様に、比較例6の触媒を得た。この比較例6の触媒は、実施例10で作製したLSMF−Vulcan複合体と同じものである。
[比較例8:LSMFなし]
合成例1で得たLSMFを使用せず、Vulcan上に鉄フタロシアニンを担持した(担体として、LSMF−Vulcan複合体の代わりにVulcanを使用した)こと以外は実施例12と同様に、比較例8の触媒を得た。
[製造例1:電極の作製]
以下の触媒活性の試験(試験例1〜4)に使用する電極を、以下のようにして作製した。
各実施例、参考例又は比較例の触媒をグラッシーカーボン上に固定し、直径4mmのディスク電極を作製した。このディスク電極の外部に、テフロン(登録商標)で絶縁しつつ、白金からなる内径5mm、外径7mmのリング電極を形成し、リングディスク電極とした。
[試験例1:メカニカルミリング有無による酸素還元活性の変化]
電解液を0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液(pH13)、作用極を実施例1にて作製したLSMF−Vulcan複合体(比較例2の触媒)について、メカニカルミリング処理前後の試料を用いたリングディスク電極、対極を白金板、参照極を標準水素電極として電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、酸素雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図2に示す。
その結果、実施例1にて作製したLSMF−Vulcan複合体では、掃引の最大電位である1V近辺(0.95〜1V程度)で、電気二重層容量の増加を示す電流値の上昇が見られた。
同様に、実施例3にて作製したLSMF−Ketjen複合体、及び実施例5にて作製したLSMF−Denka複合体についても、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流(酸素の還元電流)を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図3に示す。
その結果、実施例3にて作製したLSMF−Ketjen複合体、及び実施例5にて作製したLSMF−Denka複合体においても、掃引の最大電位である1V近辺(0.95〜1V程度)で、電気二重層容量の増加を示す電流値の上昇が見られた。
[試験例2:酸素還元活性の比較(その1)]
実施例1、比較例1及び比較例2の触媒について、リングディスク電極を用いた試験例1と同様の電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、酸素雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流(酸素の還元電流)を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図4に示す。
[試験例3:酸素還元活性の比較(その2)]
実施例5及び比較例3の触媒について、リングディスク電極を用いた試験例1と同様の電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、酸素雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流(酸素の還元電流)を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図5に示す。
[試験例4:酸素還元活性の比較(その3)]
実施例7、比較例1及び比較例4の触媒について、リングディスク電極を用いた試験例1と同様の電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、酸素雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流(酸素の還元電流)を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図6に示す。
[試験例5:酸素還元活性の比較(その4)]
実施例8、比較例1及び比較例5の触媒について、リングディスク電極を用いた試験例1と同様の電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、酸素雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流(酸素の還元電流)を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図7A及び図7Bに示す。図7Bは、図7Aの0.9〜1Vにおける拡大図である。
[試験例6:酸素還元活性の比較(その5)]
実施例9、比較例1及び比較例6の触媒について、リングディスク電極を用いた試験例1と同様の電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、酸素雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流(酸素の還元電流)を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図8に示す。
[試験例7:酸素還元活性の比較(その6)]
実施例10、比較例1及び比較例7の触媒について、リングディスク電極を用いた試験例1と同様の電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、酸素雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流(酸素の還元電流)を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図9に示す。
[試験例8:酸素還元活性の比較(その7)]
実施例11及び比較例2の触媒について、リングディスク電極を用いた試験例1と同様の電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、酸素雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流(酸素の還元電流)を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図10に示す。
[試験例9:酸素還元活性の比較(その8)]
実施例12、比較例2及び比較例8の触媒について、リングディスク電極を用いた試験例1と同様の電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、酸素雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流(酸素の還元電流)を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図11に示す。
試験例2〜8の結果、種々のペロブスカイト型酸化物及び種々のポルフィリン化合物又はフタロシアニン化合物を用いた場合において、ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物上に、ポルフィリン化合物又はフタロシアニン化合物を担持した構造とすることにより、酸素還元活性の向上が確認された。この結果は、ペロブスカイト型酸化物による還元活性と、ポルフィリン化合物又はフタロシアニン化合物による還元活性とを足し合わせた以上の還元活性が得られており、予測し得ない効果が得られた。なかでも、試験例2〜8で示されるように、メカニカルミリングでペロブスカイト型酸化物と炭素質材料とを複合化した場合には、酸素還元活性をより向上させることができた。
[試験例3:過酸化水素発生電流の測定]
実施例1、比較例2及び比較例3の触媒について、リングディスク電極を用いた試験例1と同様の電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、酸素雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、リング電極における電流(過酸化水素の酸化電流)を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図12に示す。
[試験例4:2電子還元率]
電解液を1mmol/Lフェリシアン化カリウムの0.1mol/Lの水酸化カリウム希釈溶液(pH13)、作用極を実施例1又は比較例1からなるリングディスク電極、対極を白金板、参照極を銀/塩化銀電極として電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、アルゴン雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に標準水素電位換算で1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流(I)(酸素の還元電流)及びリング電極における電流(I)(過酸化水素の酸化電流)を測定した。ただし、ディスク電極上で酸素が還元されて生成する過酸化水素の量は、リング電極において酸化される過酸化水素の量とは一致しない(生成した過酸化水素がすべてリング電極で捕捉されるわけではない)。そこで、電極の「捕捉率」と回転電極測定の結果から2電子還元率(全酸素還元反応における酸素から過酸化水素までの2電子還元の割合)を算出した。
なお、捕捉率は、目的の酸化物を塗布した電極を用いて、フェリシアン化カリウムK[Fe(CN)]水溶液中での回転電極測定を行い(Ar雰囲気中)、[Fe(CN)3−から[Fe(CN)4−への還元(リングでは逆反応)によって得られる−I/Iの値を酸化物塗布電極の捕捉率(N)とする。
また、2電子還元率は、U.A. Paulus et al, J. Electrochem. Soc., 134, 495 (2001).において記載されており、以下の式:
2電子還元率XH2O=(2I/N)÷(I+I/N)
[式中、Nは捕捉率(−I/I)である。]
により得られる。
この結果、以下:
実施例1 0.11
比較例1 0.75
の結果が得られた。
その結果、電気化学的還元反応に関与する酸素(4電子還元反応と2電子還元反応をした酸素の和)のうち、2電子還元反応(過酸化水素中間体の生成)で留まった酸素の割合が、実施例1では小さかった(ほとんどの酸素が水酸化物イオンまで還元された)のに対し、比較例1では酸素の多く(75%)が水酸化物イオンまで還元されていなかった。
[製造例1:電極の作製]
以下の触媒活性の試験(試験例1〜11)に使用する電極を、以下のようにして作製した。
[試験例10:過酸化水素発生電流の測定]
実施例1、比較例及び比較例の触媒について、リングディスク電極を用いた試験例1と同様の電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、酸素雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、リング電極における電流(過酸化水素の酸化電流)を測定することにより、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図12に示す。
[試験例11:2電子還元率]
電解液を1mmol/Lフェリシアン化カリウムの0.1mol/Lの水酸化カリウム希釈溶液(pH13)、作用極を実施例1又は比較例1からなるリングディスク電極、対極を白金板、参照極を銀/塩化銀電極として電気化学セルを作製し、回転電極装置により電極を900rpmで回転させることにより攪拌しつつ、アルゴン雰囲気下、液温25℃、走査速度10mV/sの条件で、リング電極に標準水素電位換算で1.4Vの定電位をかけつつ、ディスク電極の電位を0.5〜1Vの間で掃引し、ディスク電極における電流(ID)(酸素の還元電流)及びリング電極における電流(IR)(過酸化水素の酸化電流)を測定した。ただし、ディスク電極上で酸素が還元されて生成する過酸化水素の量は、リング電極において酸化される過酸化水素の量とは一致しない(生成した過酸化水素がすべてリング電極で捕捉されるわけではない)。そこで、電極の「捕捉率」と回転電極測定の結果から2電子還元率(全酸素還元反応における酸素から過酸化水素までの2電子還元の割合)を算出した。

Claims (13)

  1. 酸素の電気化学的還元用触媒であって、
    ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料との混合物上に、金属成分としてコバルト又は鉄を含み、配位子としてポルフィリン化合物又はフタロシアニン化合物を含む金属錯体が担持されている、触媒。
  2. 前記混合物において、前記ペロブスカイト型酸化物と前記炭素質材料とが複合化されている、請求項1に記載の触媒。
  3. 前記混合物は、ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料とのメカニカルミリング処理物である、請求項1又は2に記載の触媒。
  4. 前記ペロブスカイト型酸化物が、A、B及び酸素からなり、
    前記Aはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、希土類元素、Cd、Pb及びBiよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、
    前記Bは少なくとも1種の遷移金属元素である、請求項1〜3のいずれかに記載の触媒。
  5. 前記Bが、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、Ga、Ge、As、Se、In、Sn、Sb、及びTeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素である、請求項4に記載の触媒。
  6. 前記ペロブスカイト型酸化物が、ABO、AB、A、A、A12、又はA15の組成を有する、請求項4又は5に記載の触媒。
  7. 前記金属錯体がコバルトポルフィリンである、請求項1〜6のいずれかに記載の触媒。
  8. 前記金属錯体が、一般式(1):
    [式中、4個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、ハロゲン原子、アミノ基、−SO(Mは水素原子、アルカリ金属又はNH)、又は−(CH−COOM(Mは水素原子、アルキル基、アルカリ金属又は−NH;nは0〜5の整数);8個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、−SO(Mは水素原子、アルカリ金属又はNH)、又は−(CH−COOM(Mは水素原子、アルキル基、アルカリ金属又は−NH;nは0〜5の整数)である。]
    で示されるコバルトポルフィリンである、請求項1〜7のいずれかに記載の触媒。
  9. 前記炭素質材料が、導電性炭素材料である、請求項1〜8のいずれかに記載の触媒。
  10. 前記炭素質材料が、カーボンブラックである、請求項1〜9のいずれかに記載の触媒。
  11. カソード触媒である、請求項1〜10のいずれかに記載の触媒。
  12. アルカリ型燃料電池用カソード触媒である、請求項1〜11のいずれかに記載の触媒。
  13. 酸素の電気化学的還元用触媒の製造方法であって、
    (1)ペロブスカイト型酸化物と炭素質材料とをメカニカルミリング処理に供し、混合物を得る工程、並びに
    (2A)金属成分としてコバルト又は鉄を含み、配位子としてポルフィリン化合物又はフタロシアニン化合物を含む金属錯体を含む溶液と前記混合物とを混合し、その後蒸発させる工程、若しくは
    (2B)金属成分としてコバルト又は鉄を含み、配位子としてポルフィリン化合物又はフタロシアニン化合物を含む金属錯体を、気相法により前記混合物上に担持させる工程
    を備える、製造方法。
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