JP2011134595A - 金属空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電電圧を向上させることができる金属空気電池を提供する。
【解決手段】少なくとも空気極と、負極と、当該空気極と当該負極との間に介在した電解液とを有する金属空気電池であって、前記電解液がイオン液体を含有し、前記空気極が、少なくとも、空気極触媒として、下記式(1)に示す骨格を有する鉄フタロシアニン誘導体を含有することを特徴とする、金属空気電池。
Figure 2011134595

【選択図】なし

Description

本発明は、放電電圧を向上させることができる金属空気電池に関する。
金属空気電池は、金属単体又は金属化合物を負極活物質に、酸素を正極活物質に利用した、充放電可能な電池である。正極活物質である酸素は空気から得られるため、電池内に正極活物質を封入する必要がないことから、理論上、金属空気電池は、固体の正極活物質を用いる二次電池よりも大きな容量を実現できる。
金属空気電池の一種であるリチウム空気電池においては、放電の際、負極では式(I)の反応が進行する。
2Li → 2Li + 2e (I)
式(I)で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、正極に到達する。そして、式(I)で生じたリチウムイオン(Li)は、負極と正極に挟持された電解質内を、負極側から正極側に電気浸透により移動する。
また、放電の際、空気極では式(II)及び式(III)の反応が進行する。
2Li + O + 2e → Li (II)
2Li + 1/2O + 2e → LiO (III)
生じた過酸化リチウム(Li)及び酸化リチウム(LiO)は、固体として空気極に蓄積される。
充電時においては、負極において上記式(I)の逆反応、空気極において上記式(II)及び式(III)の逆反応がそれぞれ進行し、負極において金属リチウムが再生するため、再放電が可能となる。
従来から、金属空気電池においては、空気極側の酸素還元触媒としてフタロシアニン錯体を用いることが知られている。
このようなフタロシアニン錯体を触媒として空気極中に含有させた技術としては、特許文献1に、所定量のフタロシアニン誘導体を正極中に含有することを特徴とする非水電解質空気電池の技術が開示されている。
特開2004−63262号公報
特許文献1に開示された非水電解質空気電池の技術は、大電流放電特性の向上を目的としており、当該文献の実施例においては、非水電解質空気電池の放電電圧変化について開示されている。しかし、当該文献の図3から分かるように、当該文献中に開示された非水電解質空気電池の放電電圧はいずれも3V未満であり、格段に高い放電特性を示しているとはいえない。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、放電電圧を向上させることができる金属空気電池を提供することを目的とする。
本発明の金属空気電池は、少なくとも空気極と、負極と、当該空気極と当該負極との間に介在した電解液とを有する金属空気電池であって、前記電解液がイオン液体を含有し、前記空気極が、少なくとも、空気極触媒として、下記式(1)に示す骨格を有する鉄フタロシアニン誘導体を含有することを特徴とする。
Figure 2011134595
このような構成の金属空気電池は、従来のフタロシアニン金属錯体を空気極の触媒として用いた場合よりも、放電電圧を向上させることができる。
本発明の金属空気電池の一形態としては、前記鉄フタロシアニン誘導体が、下記式(2)に示す構造式を有する鉄フタロシアニン誘導体であるという構成をとることができる。
Figure 2011134595
(上記式(2)中、R〜Rは互いに独立であり、水素原子、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基及び炭素数1〜40の芳香族炭化水素基からなる群から選択される基である。)
本発明によれば、従来のフタロシアニン金属錯体、代表例としてはコバルトフタロシアニンを空気極の触媒として用いた場合よりも、放電電圧を向上させることができる。
本発明に用いられる金属空気電池の層構成の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。 実施例の金属空気電池セルの断面模式図である。 実施例及び比較例1の放電電圧を示すグラフである。 市販の電池である比較例2の放電電圧を示すグラフである。
本発明の金属空気電池は、少なくとも空気極と、負極と、当該空気極と当該負極との間に介在した電解液とを有する金属空気電池であって、前記電解液がイオン液体を含有し、前記空気極が、少なくとも、空気極触媒として、下記式(1)に示す骨格を有する鉄フタロシアニン誘導体を含有することを特徴とする。
Figure 2011134595
上述した特許文献1においては、大電流放電特性の向上を目的とする非水電解質空気電池が開示されており、当該文献の実施例においては、コバルトフタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン又はニッケルフタロシアニンを空気極触媒として用いた非水電解質空気電池の放電電圧変化について開示されている。しかし、当該文献の図3から分かるように、当該文献中に開示された非水電解質空気電池の放電電圧はいずれも3V未満であり、格段に高い放電特性を示しているとはいえない。また、中心金属に鉄を有するフタロシアニン誘導体を空気極触媒として用いた非水電解質空気電池の実験結果については一切開示されていない。
後述する実施例において示すように、コバルトフタロシアニンを空気極の触媒として用いた従来の金属空気電池は、放電電圧が2.7V未満であるのに対し、鉄フタロシアニン誘導体を空気極の触媒として用いた本発明の金属空気電池は、放電電圧が2.7V以上である。2.7Vの放電電圧を有する金属空気電池は、実用上、例えば、酸素ラジカルの発生を抑制できる等の利点がある。
上記特許文献1に開示された空気電池に用いられた、コバルトフタロシアニンやニッケルフタロシアニン等は、中心金属が貴金属であるため、入手が比較的困難である。しかし、本発明に用いられる鉄フタロシアニンは、中心金属が安価な鉄であるため、入手が容易である。
さらに、鉄フタロシアニンは、コバルトフタロシアニンと比較して、空気極内の他の材料との親和性が高い。
鉄フタロシアニン誘導体を用いることにより、コバルトフタロシアニンを用いた従来の場合よりも放電電圧を向上させることができる理由としては、金属の酸化還元電位、イオン化傾向等が影響していると推測される。
本発明の金属空気電池の一形態としては、前記鉄フタロシアニン誘導体が、下記式(2)に示す構造式を有する鉄フタロシアニン誘導体であるという構成をとることができる。
Figure 2011134595
(上記式(2)中、R〜Rは互いに独立であり、水素原子、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基及び炭素数1〜40の芳香族炭化水素基からなる群から選択される基である。)
上記式(2)中、R〜Rがいずれも水素原子、又は、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基からなる群から選択される基であることが好ましく、R〜Rがいずれも水素原子であることが最も好ましい。
図1は、本発明に用いられる金属空気電池の層構成の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。なお、本発明に用いられる金属空気電池は、必ずしもこの例のみに限定されるものではない。
金属空気電池100は、空気極層2及び空気極集電体4を含有する空気極6と、負極活物質層3及び負極集電体5を含有する負極7と、空気極6及び負極7に挟持される電解液層1を有する。
以下、本発明に係る金属空気電池の空気極、負極、電解液層、及び、その他の構成要素の詳細について、順に説明する。
(空気極)
本発明に係る金属空気電池の空気極は、好ましくは空気極層を備えるものであり、通常、これに加えて、空気極集電体、及び当該空気極集電体に接続された空気極リードを備えるものである。
(空気極層)
本発明に係る金属空気電池中の空気極層は、少なくとも導電性材料を含有するものである。さらに、必要に応じて、触媒および結着材の少なくとも一方を含有していても良い。
上記空気極層に用いられる導電性材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料、ペロブスカイト型導電性材料、多孔質導電性ポリマー及び金属多孔体等を挙げることができる。特に、炭素材料は、多孔質構造を有するものであっても良く、多孔質構造を有しないものであっても良いが、本発明においては、多孔質構造を有するものであることが好ましい。比表面積が大きく、多くの反応場を提供することができるからである。多孔質構造を有する炭素材料としては、具体的にはメソポーラスカーボン等を挙げることができる。一方、多孔質構造を有しない炭素材料としては、具体的にはグラファイト、アセチレンブラック、カーボンナノチューブおよびカーボンファイバー等を挙げることができる。空気極層における導電性材料の含有量としては、例えば65質量%〜99質量%の範囲内、中でも75質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましい。導電性材料の含有量が少なすぎると、反応場が減少し、電池容量の低下が生じる可能性があり、導電性材料の含有量が多すぎると、相対的に触媒の含有量が減り、充分な触媒機能を発揮できない可能性があるからである。
上記空気極層に用いられる触媒としては、上記式(1)に示す鉄フタロシアニン誘導体を用いることができる。空気極層における触媒の含有量としては、例えば1質量%〜30質量%の範囲内、中でも5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。触媒の含有量が少なすぎると、充分な触媒機能を発揮できない可能性があり、触媒の含有量が多すぎると、相対的に導電性材料の含有量が減り、反応場が減少し、電池容量の低下が生じる可能性があるからである。
上記式(1)に示す鉄フタロシアニン誘導体は、触媒として単独で用いてもよいし、他の触媒と混合させて用いてもよい。鉄フタロシアニン誘導体と合わせて空気極層に用いることができるその他の触媒としては、例えば、酸素活性触媒が挙げられる。酸素活性触媒の例としては、例えば、ニッケル、パラジウム及び白金等の白金族;コバルト、マンガン又は鉄等の遷移金属を含むペロブスカイト型酸化物;ルテニウム、イリジウム又はパラジウム等の貴金属酸化物を含む無機化合物;ポルフィリン骨格を有する金属配位有機化合物;酸化マンガン等が挙げられる。
電極反応がよりスムーズに行われるという観点から、上述した導電性材料は触媒が担持されていることが好ましい。
上記空気極層は、少なくとも導電性材料を含有してれば良いが、さらに、導電性材料を固定化する結着材を含有することが好ましい。結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、スチレン・ブタジエンゴム(SBRゴム)等のゴム系樹脂等を挙げることができる。空気極層における結着材の含有量としては、特に限定されるものではないが、例えば30質量%以下、中でも1質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
上記空気極層の厚さは、空気電池の用途等により異なるものであるが、例えば2μm〜500μmの範囲内、中でも5μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
(空気極集電体)
本発明に係る金属空気電池中の空気極集電体は、空気極層の集電を行うものである。空気極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、カーボン等を挙げることができる。空気極集電体の形状としては、例えば箔状、板状およびメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。中でも、本発明においては、集電効率に優れるという観点から、空気極集電体の形状がメッシュ状であることが好ましい。この場合、通常、空気極層の内部にメッシュ状の空気極集電体が配置される。さらに、本発明に係る金属空気電池は、メッシュ状の空気極集電体により集電された電荷を集電する別の空気極集電体(例えば箔状の集電体)を有していても良い。また、本発明においては、後述する電池ケースが空気極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
空気極集電体の厚さは、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも20μm〜400μmの範囲内であることが好ましい。
(負極)
本発明に係る金属空気電池中の負極は、好ましくは負極活物質を含有する負極層を有するものであり、通常、これに加えて負極集電体、及び当該負極集電体に接続された負極リードを有するものである。
(負極層)
本発明に係る金属空気電池中の負極層は、金属及び合金材料を含む負極活物質を含有する。負極活物質に用いることができる金属及び合金材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等の第2族元素;アルミニウム等の第13族元素;亜鉛、鉄等の遷移金属;又は、これらの金属を含有する合金材料や化合物を例示することができる。
リチウム元素を有する合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。また、リチウム元素を有する金属酸化物としては、例えばリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。
また、上記負極層は、負極活物質のみを含有するものであっても良く、負極活物質の他に、導電性材料および結着材の少なくとも一方を含有するものであっても良い。例えば、負極活物質が箔状である場合は、負極活物質のみを含有する負極層とすることができる。一方、負極活物質が粉末状である場合は、負極活物質および結着材を有する負極層とすることができる。なお、導電性材料および結着材については、上述した「空気極」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(負極集電体)
本発明に係る金属空気電池中の負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅、ステンレス、ニッケル、カーボン等を挙げることができる。上記負極集電体の形状としては、例えば箔状、板状およびメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。本発明においては、後述する電池ケースが負極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
(電解液層)
本発明に係る金属空気電池中の、イオン液体を含有する電解液は、空気極層および負極層の間に形成され、空気極層および負極層との間で金属イオンを交換する層である。イオン液体を含有する電解液としては、イオン液体そのものを用いてもよいし、イオン液体を含むポリマー電解質又はゲル電解質等を用いてもよい。
なお、イオン液体とは、カチオンとアニオンとを組み合わせたイオン分子のみから成る物質であり、且つ、常温(15℃〜25℃)において液体である物質のことを指す。
本発明において用いることができるイオン液体のカチオン種としては、2−エチルイミダゾリウム、3−プロピルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム;ジエチルメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、メチルトリ−n−オクチルアンモニウム、トリエチル(2−メトキシエトキシメチル)アンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム等のアンモニウム;その他にもアルキルピリジニウム、ジアルキルピロリジニウム、テトラアルキルフォスフォニウム、トリアルキルスルフォニウム等が挙げられる。
本発明において用いることができるイオン液体のアニオン種としては、Cl、Br、Iなどのハロゲン化物アニオン;BF 、B(CN) 、B(C 等のホウ素化物アニオン;(CN)、[N(CF、[N(SOCF等のアミドアニオン又はイミドアニオン;RSO (以下、Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を指す)、RSO 、RSO (以下、Rは含フッ素ハロゲン化炭化水素基を指す)、RSO 等のスルフェートアニオン又はスルフォネートアニオン;R P(O)O、PF 、R PF 等のリン酸アニオン;SbF等のアンチモンアニオン;その他、ラクテート、硝酸イオン、トリフルオロアセテート等が挙げられる。
さらに、イオン液体には支持塩を溶解させてもよい。支持塩としては、リチウムイオンと上記アニオンとから成る塩、例えばLiPF、LiBF、LiN(CFSO、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO及びLiClO等が挙げられる。このような支持塩を2種以上組み合わせて用いてもよい。また、イオン液体に対する支持塩の添加量は特に限定されないが、0.1〜1mol/kg程度とすることが好ましい。
イオン液体と共に用いることのできるポリマー電解質は、リチウム塩およびポリマーを含有するものであることが好ましい。リチウム塩としては、一般的なリチウム二次電池に用いられるリチウム塩であれば特に限定されるものではなく、例えば、上述した支持塩として用いられるリチウム塩等を挙げることができる。ポリマーとしては、リチウム塩と錯体を形成するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
イオン液体と共に用いることのできるゲル電解質は、リチウム塩とポリマーと非水溶媒とを含有するものであることが好ましい。
リチウム塩としては、上述したリチウム塩を用いることができる。
非水溶媒としては、上記リチウム塩を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの非水溶媒は、一種のみ用いてもよく、二種以上を混合して用いても良い。また、非水電解液として、常温溶融塩を用いることもできる。
ポリマーとしては、ゲル化が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロプレンオキシド、ポリアクリルニトリル、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリウレタン、ポリアクリレート、セルロース等が挙げられる。
(セパレータ)
本発明に係る金属空気電池が、空気極−電解液−負極の順番で配置されている積層体を、繰り返し何層も重ねる構造を取る場合には、安全性の観点から、異なる積層体に属する空気極および負極の間に、セパレータを有することが好ましい。上記セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜;および樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。
(電池ケース)
また、本発明に係る金属空気電池は、通常、空気極、負極、電解液等を収納する電池ケースを有する。電池ケースの形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。電池ケースは、大気開放型の電池ケースであっても良く、密閉型の電池ケースであっても良い。大気開放型の電池ケースは、少なくとも空気極層が十分に大気と接触可能な構造を有する電池ケースである。一方、電池ケースが密閉型電池ケースである場合は、密閉型電池ケースに、気体(空気)の導入管および排気管を設けることが好ましい。この場合、導入・排気する気体は、酸素濃度が高いことが好ましく、純酸素であることがより好ましい。また、放電時には酸素濃度を高くし、充電時には酸素濃度を低くすることが好ましい。
1.金属空気電池セルの製造
[実施例]
まず、空気極層となる原料として、ケッチェンブラック(KB)(三菱化学株式会社製:ECP600JD)100mg、鉄フタロシアニン誘導体(アルドリッチ社製)16mg、ポリフッ化ビニリデン樹脂のN−メチル−2−ピロリドン溶液(PVdF/NMP)(株式会社クレハ製:KF1320)100mgを、また溶媒として、アセトン0.5gを、それぞれ軟膏容器に加え、パラフィルム(登録商標)で密封した。
次に、自転・公転方式混練機に軟膏容器用アダプタをセットし、上記原料及び溶媒を加えた軟膏容器を、当該アダプタ内にセットした。混練回転数2000rpm、混練時間5分の条件で混練し、脱泡回転数2200rpm、脱泡時間5分の条件で脱泡した。
次に、空気極集電体として、カーボンペーパー(東レ株式会社製)を用意した。脱泡を終えた空気極層ペースト適量を、塗工用ピンセットにとり、空気極集電体を挟むように100μmの厚さで塗布した。その後、見た目が乾燥するまで、ドライヤーにてプレ乾燥を行った。
プレ乾燥後、ホットプレートを使用して、乾燥温度150℃、乾燥時間30分の条件で本乾燥を行い、空気極が完成した。
図2は、上記工程により作製した空気極を組み込んだ、実施例の金属空気電池セルの断面模式図である。なお、図中の白丸は気密性を保つためのパッキンを示し、二重波線は図の省略を意味している。
空気極11には、酸素タンク(図示せず)から酸素(1atm)が供給されている。空気極11は、電解液12を挟んで、リチウム金属箔からなる負極活物質層13と対峙している。電解液として、イオン液体の一種であるN−メチル−N−プロピルピペリジニウム−ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)アミン(PP13−TFSA)を用い、電解液中にリチウム塩としてLiN(SOCF(Li−TFSA)を、リチウム塩濃度が0.32mol/kgとなるように調整して加えた。
空気極11、電解液12及び負極活物質層13は、ステンレス製筐体14及びテフロン(登録商標)製筐体15に収納されている。なお、ステンレス製筐体14と電解液12との間は、ニッケル層16によって仕切られている。さらに、負極活物質層13側には負極リード17を、空気極11側には空気極リード18を、それぞれ設置した。空気極11と負極活物質層13との距離は5mmとした。
[比較例1]
まず、空気極層となる原料として、ケッチェンブラック(KB)(三菱化学株式会社製:ECP600JD)100mg、コバルトフタロシアニン(アルドリッチ社製)16mg、ポリフッ化ビニリデン樹脂のN−メチル−2−ピロリドン溶液(PVdF/NMP)(株式会社クレハ製:KF1320)100mgを、また溶媒として、アセトン0.5gを、それぞれ軟膏容器に加え、パラフィルム(登録商標)で密封した。
後は上記実施例と同様に空気極を作製した。
比較例1のリチウム二次電池セルの作製は、上記実施例と同様に行った。
[比較例2]
比較例2の金属空気電池セルとしては、市販品のペルメレック社製膜・電極接合体を用いた。
2.放電電圧の測定
上記実施例、並びに、比較例1及び2の金属空気電池セルを用いて、放電電流を変化させた際の放電電圧を測定した。なお、空気極においては、充電時に上述した式(II)の逆反応が起こる。
電池セルを組み立てた後に、3時間開放回路電位(open circuit potential)で保持し、その後、2.55mA/g−electrodeのレートで充放電試験に供した。
図4は、市販の電池である比較例2の放電電圧を示すグラフであり、縦軸に電圧(V)を、横軸に放電容量(mAh/g)を、それぞれとったグラフである。放電容量が0mAh/gの点(グラフの左端)、すなわち放電電圧に着目すると、2.8V未満であることが分かる。
図3は、実施例及び比較例1の放電電圧を示すグラフであり、縦軸に電圧(V)を、横軸に放電容量(mAh/g)を、それぞれとったグラフである。図3中の比較例1(図中の「Co」と記載されたグラフ)の放電電圧は2.7Vであり、3.0Vに満たないのに対し、実施例(図中の「Fe」と記載されたグラフ)の放電電圧は3.1Vであり、3.0Vを超える値である。
以上の結果から、鉄フタロシアニン誘導体を空気極触媒として用いた本発明の金属空気電池は、コバルトフタロシアニンを空気極触媒として用いた従来の金属空気電池と比較して、放電電圧を向上させることができることが分かった。
1 電解液層
2 空気極層
3 負極活物質層
4 空気極集電体
5 負極集電体
6 空気極
7 負極
11 空気極
12 電解液
13 負極活物質層
14 ステンレス製筐体
15 テフロン(登録商標)製筐体
16 ニッケル層
17 負極リード
18 空気極リード
100 金属空気電池

Claims (2)

  1. 少なくとも空気極と、負極と、当該空気極と当該負極との間に介在した電解液とを有する金属空気電池であって、
    前記電解液がイオン液体を含有し、
    前記空気極が、少なくとも、空気極触媒として、下記式(1)に示す骨格を有する鉄フタロシアニン誘導体を含有することを特徴とする、金属空気電池。
    Figure 2011134595
  2. 前記鉄フタロシアニン誘導体が、下記式(2)に示す構造式を有する鉄フタロシアニン誘導体である、請求項1に記載の金属空気電池。
    Figure 2011134595
    (上記式(2)中、R〜Rは互いに独立であり、水素原子、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基及び炭素数1〜40の芳香族炭化水素基からなる群から選択される基である。)
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