JP7317904B2 - 酸化還元バッファー金属酸化物を含む二機能性空気電極用の電極触媒組成物 - Google Patents

酸化還元バッファー金属酸化物を含む二機能性空気電極用の電極触媒組成物 Download PDF

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Description

本発明は、二機能性の特性を備える電極触媒に関する。特に、本発明は酸化還元バッファー酸化物を含む電極触媒に関し、これは電極-電解液界面での酸素還元反応および酸素発生反応に対する空気電極の二機能活性を高める。
US9048511B2は、式[M2+1-xM3+x(OH)2][An-x/n.yH2O]で表される層状複水酸化物触媒を開示している。ここで、M2+Mg2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu2+およびZn2+からなる群から選択される二価の金属イオンを示し、他方でM3+はAl3+,Cr3+,Fe3+,Co3+およびIn3+からなる群から選択される三価の金属イオンを示す。一方、An-はF,Cl,Br,I,CO 2-,SO42-,NO3-,OHおよびR-CO2-からなる群から選択されるn価の陰イオンを示す。ここで、Rは炭素原子数1~5を有するアルキル基からなる群から選択された置換基を示し、0<x<1、yは0より大きな実数である。これは金属空気バッテリーの空気電極触媒として用いられる。しかしながら、このような層状複水酸化物触媒組成物は、空気電極の製造工程の焼結手順で構造的に変化する可能性がある。また、これらの触媒は、有機電解液ベースのリチウム空気電池にのみ適しており、水系電解液ベースの金属空気バッテリーおよび燃料電池には適さない。
US20150349325A1には、化学蒸着処理を用いて、多孔質金属表面上に金属酸化物ナノワイヤ、好ましくは酸化コバルトまたはニッケル金属酸化物のナノワイヤを直接成長させることによる、金属空気バッテリー用の二機能性電極が開示されている。このように、従来技術では、多孔質金属シート上に形成された金属酸化物ナノワイヤを空気電極として使用している。
金属酸化物ナノワイヤを製造することは、多孔質金属基板上に直接的に成長させる必要があるため、スケールアップの際に困難を伴う。
US9647275B2は、分散された犠牲支持体(sacrificial support)と鋳型粒子の溶液を用いた多孔質金属酸化物複合体の触媒調製について開示している。シリカは犠牲支持体として使用され、アルカリ溶液を用いて化学的に除去される。遷移金属は、多孔質金属酸化物を作るためにCe,Cr,Cu,Fe,Mo,Ni,Ru,Ta,Ti,V,WおよびZrからなる群から選択される。この触媒の調製方法では、犠牲となるシリカテンプレートを使用した後、一連の熱処理を伴うため、化学的・エネルギー的に集約的な工程となるため、触媒の調製が厄介となっている。
US6291090B1は、炭素に水溶性の金属前駆体を含侵させた後に水分を蒸発させて調製される二機能性空気電極を開示している。ORR触媒は銀の金属前駆体から得られ、一方でOER触媒は鉄、コバルト、ニッケルの前駆体から得られる。触媒組成物はORR活性を発揮するために銀金属(silvermetal)を必要とする。
US20140045081A1は、窒素ドープ炭素上に担持される鉄/コバルトから得られる二機能性触媒を開示している。ここで、窒素含有量は0.1~10mol%の間で変化する。触媒調製の一つとして、炭素に担持された鉄またはコバルトの触媒の上に有機リンや有機窒素化合物を含侵し、その後、高温で熱分解して窒素ドープ炭素材を入手することを含む。開示した触媒は、金属に担持された触媒の最初の合成、酸洗浄、その後に窒素を含む分子を高温で処理することによる炭素の蒸着などの複数のステップの後に生じる。
US5306579Aは、CoTMPP,LaNi1-xCox Oy,Ag,Cox Oyなどの触媒、ならびに1~20重量%のCo,FeWO,NiSを有するWCなどの酸素発生触媒を開示している。開示された空気電極触媒の組成物は、有機金属と、遷移金属の酸化物と、銀などの貴金属との複合混合物である。
US8916296B2は、メソ多孔質炭素材料を二機能性触媒として開示している。この触媒は、酸素還元活性が報告されている鉄、ニッケルおよびマンガン金属を含む一方で、OER活性のために炭化タングステンが使用されている。開示された金属の一覧は、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、金、ハフニウム、プラチナ、チタン、レニウム、タンタル、タリウム、バナジウム、ニオビウム、スカンジウム、クロム、ガリウム、ジルコニウム、モリブデン、またはこれらの組み合わせまたは合金である。
US20120003548A1は、好ましくは式Nbを有する、第IV族の遷移金属や第V族の遷移金属の、特定の遷移金属から選択される酸炭窒化物(oxycarbonitride)から作られる二機能性触媒を開示している。ここで0.01≦a<1,0<b≦0.99,a+b=1,0.02≦x≦1.2,0.01≦y≦0.7,0.4≦z≦2.5および1≦x+y+z≦3.9であり、Mは、スズ、インジウム、プラチナ、銅、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、コバルト、マンガン、セリウム、ニッケル、イットリウム、ランタン、サマリウム、カルシウム、バリウムおよびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1つの金属である。
US9502717B2は、LaNiO-CNT複合物の二機能性触媒を開示している。ここでCNTは、高温で化学蒸着によってLaNiOに蒸着される。LaNiO触媒の調製では、クエン酸と硝酸とを活性金属前駆体に対して過剰モルで用いる。これは、特に大規模に触媒を製造する際に、酸/廃液の流出の原因となる。
US20150065333A1は、ペロブスカイトをベースにしたランタノイド触媒を開示している。このランタノイド触媒は、ランタノイド金属と2つの異なる遷移金属とからなり、式La(M)O3-δを有する。
US9941516B2は、酸化ジルコニウム上の二機能性ナノ多孔性銀触媒を開示している。ここで酸化ジルコニウムは、銀粒子の細孔内に配置されている。その触媒は、95~98%の銀金属を、担体としての酸化ジルコニウム上に含む。
酸素還元反応および酸素発生反応を促進することを目的とした様々な二機能活性触媒が報告されている。それらの中で、広く報告されている酸素還元反応(ORR)触媒は、銀、プラチナ、ペロブスカイトに基づくものである一方で、酸素発生反応(OER)触媒の多くは、コバルトおよびタングステンならびにLaNiO,NiCoおよびCoを含有する触媒に基づくものである。当技術分野で知られている触媒のほとんどは、普通でない組成物として、長々しい触媒調製工程を経て生成される、多種多様な金属を複雑に組み合わせたものである。したがって、電気化学的エネルギー貯蔵の用途で広範囲に使用するための強い活性と耐久性とを備えた、新しいタイプの進化した二機能性電解触媒を探索することが必要不可欠である。
概して、電極-電解液界面での電子伝導性が乏しいことと、酸素還元反応及び酸素発生反応の活性が不十分であることとは、非貴金属の酸化物触媒に共通の課題である。本発明において、酸化還元バッファーを有する電解触媒組成物は、酸素還元反応および酸素発生反応に対して格別の二機能活性を示す。またその電解触媒組成物は、非貴金属触媒に関連する厄介な問題を解決することにつながるアルカリ性媒質においてその耐久性を示す。
本発明は、二機能的な特徴を備える電解触媒、すなわち、金属‐空気バッテリーや燃料電池における空気電極として利用することのできる、酸化還元バッファーを備える二機能性の電解触媒を開示している。
好ましい一側面として、本発明は、一般式(Mn)(Co)n+/CeZr(式1)によって表される酸化還元バッファー金属を備え、x=1~5,y=2~8,n=2~3,i=0.01~0.75およびj=0.1~0.95である電解触媒組成物を開示している。
本発明の別の一側面として、電解触媒組成物中のマンガンが0.1~99wt%の範囲であり、コバルトが0.1~30wt%であり、セリウム-ジルコニウムが0.1~5wt%の範囲であり、ジルコニウムに対するセリウムの重量比が0~1の範囲である。
本発明の別の一側面として、一般式(Mn)(Co)n+/CeZr(式1)によって表され、x=1~5,y=2~8,n=2~3,i=0.01~0.75およびj=0.1~0.95である電解触媒を備える電極を開示している。
別の一側面として、本発明は、一般式(Mn)(Co)n+/CeZr(式1)によって表され、x=1~5,y=2~8,n=2~3,i=0.01~0.75およびj=0.1~0.95である電解触媒を備える電極を備える電気化学電池(セル)を開示している。
本発明の別の一側面として、電気化学電池が、燃料電池、バッテリー、酸化還元フローバッテリー、または再充電可能な金属/空気電池(セル)である。
本発明の別の一側面として、電解触媒組成物は、湿式含浸法(wet-impregnation)、連続沈殿法(sequentialprecipitation)、共沈法、析出沈殿法、ソルボサーマル合成法からなる群から選択される技術のいずれかによって調製される。
別の好ましい一側面として、本発明は、酸化還元バッファー金属を含む電解触媒組成物を調製する方法を開示している。この方法は、
(i)コバルト-マンガン水酸化物溶液を調製する手順を含み、この手順が、
a)コバルトの前駆体とマンガンの前駆体の個々の溶液を脱イオン水で調製するステップと、
b)コバルトとマンガンの前駆体溶液を混合するステップと、
c)NaOH,NaCO,NaHCO,NHOHの水溶液またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルカリ性塩基溶液をpH7~11で、ステップb)で得られたコバルトとマンガンの混合前駆体溶液に加え、沈殿したコバルト-マンガン水酸化物を得るステップとを含み、
(ii)酸化還元バッファー金属前駆体溶液を調製する手順を含み、この手順が、
a)セリウムの前駆体とジルコニルの前駆体の個々の溶液を脱イオン水で調製するステップと、
b)必要に応じてセリウム前駆体溶液とジルコニル前駆体溶液とを混合して複合溶液を得るステップとを含み、
(iii)コバルト-マンガン水酸化物の析出溶液を酸化還元バッファー金属前駆体溶液と混合する手順を含み、この手順が、
a)手順(i)のステップc)で得られたコバルト-マンガン水酸化物の析出溶液を、手順(ii)のステップa)で得られたセリウム前駆体溶液およびジルコニル前駆体溶液、または手順(ii)のステップb)で得られた複合溶液と混合するステップと、
b)その結果得られた懸濁液を12時間攪拌するステップと、
c)手順(iii)のステップb)で得られた懸濁液を吸引ろ過して触媒スラリーを得るステップと、
d)手順(iii)のステップc)で得られた触媒析出物を脱イオン水で繰り返し洗浄した後、得られた触媒ケーキを50~100℃のオーブンで乾燥させるステップと、
e)その触媒ケーキを400~600℃で焼成して、式(1)(Mn)(Co)n+/CeZrの酸化還元バッファー金属を含む電解触媒組成物を得るステップとを含み、ここで、x=1~5,y=2~8,n=2~3,i=0.01~0.75およびj=0.1~0.95である。
本発明の別の一側面として、電解触媒組成物中のコバルトの前駆体が、硝酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コバルトおよび硫酸コバルトからなる群から選択され、コバルトの前駆体は好ましくは硝酸コバルト六水和物である。
本発明の別の一側面として、電解触媒組成物中のマンガンの前駆体が、硝酸マンガン四水和物、酢酸マンガン四水和物、硫酸マンガンまたは塩化マンガンからなる群から選択され、マンガンの前駆体は好ましくは酢酸マンガン四水和物である。
本発明の別の一側面として、電解触媒組成物中のセリウムの前駆体が、硝酸セリウム、塩化セリウム七水和物、硝酸アンモニウムセリウム水和物、硫酸アンモニウムセリウム水和物からなる群から選択され、セリウムの前駆体は好ましくは硝酸アンモニウムセリウム水和物である。
本発明の別の一側面として、電解触媒組成物中のジルコニウムの前駆体が、塩化ジルコニル八水和物または硝酸ジルコニル水和物からなる群から選択され、ジルコニウム前駆体は好ましくは塩化ジルコニル八水和物である。
本発明の目的
本発明の主たる目的は、金属空気バッテリー及び燃料電池における空気電極として使用することのできる、酸化還元バッファーを有する二機能性電解触媒を開発することである。
本発明のさらなる目的は、酸化還元バッファーの酸化物を、空気電極-電解液界面での酸素還元反応および酸素発生反応に関して空気電極の二機能活性を促進する目的で電解触媒とともに使用されるように開発することである。
開示した発明の別の目的は、強い活性と耐久性を備える新しいタイプの進化した二機能電解触媒を開発して、それらを電気化学的エネルギー貯蔵の用途で広く用いられるようにすることである。
本発明の長所と態様とをさらに明確にするため、本発明のより具体的な説明を、添付の図面に示したその具体的な実施形態を参照することによって行う。なお、当然のことではあるが、本発明の図面は本発明の代表的な実施形態のみを示しており、したがってその範囲を限定するものとはみなされない。
図1は、線形掃引ボルタモグラムを示す。 図2は、クロノアンペロメトリーを用いたCM触媒およびCM-CZ-2-VC触媒に対するORRに関する安定性試験を示す。 図3は、1800rpmで0.5M KOH溶液における酸素発生反応に対する(CM,CMCZ-1-VC,CM-CZ-2-VC,CM-CZ-3-VCに関して得られた線形掃引ボルタモグラムを示す。 図4は、触媒に関して得られたナイキスト線図を示す。 図5は、OER安定性試験に関して10mA/cm2でなされたクロノポテンショメトリー試験を示す。 図6は、電流密度が200mA/cm2でのAl-空気電池におけるCM-CZ-2触媒の空気電極の性能評価を示す。 図7は、Al-空気電池におけるCM-CZ-2触媒の空気電極の耐久性研究を示す。 図8は、CM触媒とCM-CZ-2触媒とに関するZn-空気電池の帯電/放電プロファイルを示す。 図9は、25mA/cm2でのZn-空気電池のサイクル寿命を示す。各サイクルの持続時間は1時間45分である。 図10は、空気電極の構成を示す。
本発明によってカバーされる原理の理解を容易にするため、これから図面にさらに示した本発明の具体的な実施形態を参照し、具体的な用語を用いてこれについて説明する。上述した一般的な説明及び以下の詳細な説明は、本開示の説明的なものであって、それを制限しようとするものではない。それにもかかわらず、本開示の範囲を限定することは意図されておらず、本開示が関連する技術分野の当業者に通常生じるような、説明した組成物の変更やさらなる修正、および本明細書で説明した本開示の原理のさらなる適用が企図されていることは理解されたい。特に定義されない限り、本明細書で使用されているすべての技術的および科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に提供される方法および実施例は、例示的なものに過ぎず、限定することは意図していない。
本発明は、それぞれの金属前駆体を水に溶解させることを要する触媒組成物の調製について開示する。ここで、硝酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コバルト、硫酸コバルトから選択されるコバルトの前駆体は、適量の水、好ましくは硝酸コバルト六水和物に溶解される。一方で、マンガンの前駆体は、硝酸マンガン四水和物、酢酸マンガン四水和物、硫酸マンガンまたは塩化マンガン、好ましくは酢酸マンガン四水和物から選択される。酸化還元バッファー成分は、すなわちセリウムとジルコニウムの酸化物である。ここで、セリウムの前駆体は、硝酸セリウム、塩化セリウム七水和物、硝酸アンモニウムセリウム水和物、硫酸アンモニウムセリウム水和物、好ましくは硝酸アンモニウムセリウム水和物から選択される。一方で、ジルコニウムの前駆体は、塩化ジルコニル八水和物または硝酸ジルコニル水和物、好ましくは塩化ジルコニル八水和物から選択される。
さらに、本発明は、式(1)(Mn)(Co)n+/CeZrの酸化還元バッファーを含む電解触媒を開示する。(ここでx=1~5,y=2~8,n=2~3,i=0.01~0.75およびj=0.1~0.95)。電解触媒組成物は、マンガンを0.1~99wt%の範囲で含み、コバルトを0.1~30wt%の範囲で含み、酸化還元バッファーすなわちセリウム-ジルコニウムを0.1~5wt%の範囲で含み、ジルコニウムに対するセリウムの重量比は0~1で変化する。触媒組成物中のセリウムとジルコニウムの酸化物は、空気電極-電解液界面で酸素分子の活性化を促進する酸化還元バッファー酸化物として作用する。触媒の優れた酸化還元活性は、セリウム-ジルコニウムの酸化物とコバルト-マンガンの酸化物との間の相乗効果によって、余分な電子移動が生じることに起因する。
別の実施形態として、触媒調製を湿潤含浸法、連続沈殿法、共沈法、蒸着沈殿法、ソルボサーマル合成法で行うことができる。その触媒は、好ましくは連続沈殿法によって得られ、この方法は、アルカリ性溶液で沈殿されるコバルトとマンガンの前駆体溶液を混合することを含む。アルカリ性溶液は、NaOH,NaCO,NaHCO,NHOHの水溶液またはそれらの組み合わせから選択される。触媒のための沈殿条件はpH7~11の高pHで保持される。ここで、コバルトとマンガンの前駆体溶液は水酸化物として析出する。事前に計算した量の酸化還元バッファー金属前駆体溶液を、コバルトマンガン水酸化物の析出溶液に加えて、この溶液を定期的に攪拌しながら12時間保持する。このようにして上記工程から得られた触媒の塊を真空下でろ過する。この触媒ケーキ(catalyst cake)を水で数回洗浄し、残った不純物を取り除いたら、50~100℃の熱風炉中で乾燥させる。熱風炉で乾燥させた触媒はさらに400~600℃で焼いて触媒を仕上げる。
触媒の酸素還元活性および酸素発生活性は、回転ディスク電極実験(RDE)を使って確かめることができる。ここで、バルカン炭素でコーティングされた触媒は、ボールミルされて、希釈溶媒中に超音波処理を使って分散される。分散された触媒は、ガラス状炭素電極上にドロップキャストし、乾燥させて溶媒を蒸発させる。触媒でコーティングされた電極は、0.5M水酸化カリウム(KOH)電解液中に浸漬される。その電極はRDE組立体に接続され、電位はRHE参照電極に関して測定される。電圧は、電極を介して1.05V~0.25Vまで調べられる。RDEの研究によって、酸化還元バッファー電解触媒、すなわちCM-CZ-2が、0.93Vで著しい開始(onset)還元電位を示すということが明らかとなった。これは、高い電流密度3.3mA/cmとともに、よりプラス側にシフトされている。一方で、コントロールのCM触媒は、酸素還元に対して相対的にみじめな活性を示し、0.86Vで記録された開始還元電位では限界電流密度が2.5mA/cmであった。これらの結果から、酸化還元バッファー触媒は、電子移動に関して、より速い運動を促すことによって酸素還元活性を高めることを裏付けている。
酸化還元バッファー触媒の電子移動数は、3.2~3.9の範囲で記録された。ここで、酸化還元バッファーCM-CZ-2触媒についての電子移動数は3.9程度と記録され、コントロールの触媒であり最も低い電位移動数3.2を記録したCMと比較して高い。
詳細な実施形態として、CM-CZ-2触媒はORR工程の間、微量(2~3%)の過酸化水素(H)を産出し、一方でコントロールのCM触媒の場合は、多量(15~20%)のHが生成される。Hの生成は、不十分な電子移動に起因して起こり、その結果、ゆっくりとした酸素還元反応が起こる。Hの生成はORR活性に対する触媒効率の間接的な測定である。Hがより高い割合で生成されることは、触媒のORR活性に対する活性が低いことを示す。したがって、CM-CZ-2触媒は、直接的な4つの電子の移動プロセスのより高い効率を示すとともに、Hの生成がより少なくなっており、それがORR活性に好都合であるということを示唆している。
ORR活性の間の電極の耐久性について、RHEに関して一定の電位0.75Vでクロノアンペロメトリー試験によって測定した。ここで、電流はその反応に関して経時的に観察される。この研究では、触媒修飾した直径0.3cmのガラス状炭素電極を電極として用いた。その材料はその活性を95%以上保持するか、または20時間の操作中の電流を保持した(図2)。このことは、触媒がORR反応に対して電気化学的に安定であることを意味する。一方で、コントロール触媒(CM)の場合、わずか5時間で電流が急落(50~60%)した。
一実施形態として、本発明は、空気電極の構成が、豊富な炭素に微量の触媒成分を含む導電層、微量の導電性炭素成分を含む触媒層などの3つの層からなることを開示している。これらの2つの層は、ニッケルワイヤーメッシュの一面に密集しており、一方でニッケルワイヤーメッシュの別の一面は微多孔性の疎水性ポリマー層で覆われている。微多孔性疎水性ポリマー層は、別の電極面から電解液があふれ出るのを防ぎつつ、空気を透過させるために必要不可欠である。
一実施形態として、本発明が開示するのは、導電層が、例えばカーボンブラック、バルカン炭素、炭素ナノチューブ、グラフェンまたはヘテロ原子をドープした炭素ナノ材料などの適切な導電炭素を触媒と混合することによって作製されるということである。したがって、得られた触媒‐炭素合成物は、疎水性の結合剤と混合される。この結合剤は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二フッ化ポリビニル(PVDF)、スチレン‐ブタジエンゴム(SBR)、天然ラテックスゴム、または石油ワックスから選択することができる。さらに、結合剤を混ぜた触媒‐炭素合成物は、グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルから選択される溶媒中に、適切な割合で分散される。この割合は、通常は固体よりも多く、好ましくは2:1の割合である。触媒スラリーを生成するための溶媒は、環境にやさしく、非腐食性であり、毒性の低い物を選択する。
一実施形態として、本発明が開示するのは、結合剤を混合した触媒‐炭素合成物が、ホモジナイザーを使って、溶媒、好ましくはジエチレングリコールモノブチルエーテル内に分散されて、触媒スラリーを得るということである。その後、触媒スラリーは、導電性の金属基板、好ましくは0.1~0.5mmの細孔開口を有し、かつ、0.1~1.0mmの厚みを有する発泡多孔質ニッケル上にコーティングされるのが好ましい。活性触媒層の鋳造は、スプレーコーティング、スクリーン印刷、カレンダリングによってなされてもよく、好ましくはカレンダー法が採用される。さらに、多孔質ニッケルメッシュ上の鋳造された触媒層を乾燥させて溶媒を蒸発させた後、200~500℃、より好ましくは250~350℃の範囲の温度で焼結する。焼結工程で電極表面に細孔を形成し、これは酸素活性化のための活性部位として作用することとなる。他方で、多孔質PTFEフィルムは、触媒コーティングされたニッケルメッシュの後ろ側に積層されており、電解液が空気負極を通してあふれ出るのを防ぐことができる。一方で、それは大気中に広がる。
一実施形態として、本発明が開示するのは、作製した空気電極が、電極として適切な濃度の水溶性の水酸化カリウムを採用したAl-空気電池について評価されるということである。ここで、電解液の濃度は1モーラーから10モーラーの範囲であり、好ましくは、3モーラーから7モーラーである。電解液は、外部の電解液タンクに接続されたぜん動ポンプを使って電池内で連続的に循環される状態となっている。さらに、アルミニウム金属組成物は99%超から95%の純金属形態であるかまたは2~3%のマグネシウムを含むAl合金のいずれかであり、1~2%のスズ(Sn)が陽極板として使用される一方で、空気電極が陰極として作用する。
一実施形態として、本発明が開示するのは、構成されたAl-空気電池の開回路電圧(OCV)が1.5V~1.8Vの範囲であるが、一方で放電条件下では、適用される放電電流密度に応じて電池電位は1.3V~1Vの範囲であるということである。
一実施形態として、本発明が開示するのは、Al-空気電池の性能が、10~300mA/cm、好ましくは50~200mA/cmの範囲の様々な電流密度で適用する放電条件下で評価されるということである。Al-空気電池のエネルギー密度は、前述の放電電流密度の範囲に関して、アルミニウム1kgあたり2.0~3.0kWhと測定されている。
別の一実施形態として、空気電極の酸素発生活性は、RDE研究によって確認されている。ここで、最適化されたCM-CZ-2触媒のOER活性は、コントロール触媒(CM)と比較したときに、RHEに対して1.48Vで最も低い開始酸化電位を示し、開始酸化電位は1.59Vで記録された(図3)。この開始酸化電位は、電流が急騰するのに伴い、およそ110mV低くなるが、これは酸素がより速い電荷移動速度で発生するということを意味している。
別の一実施形態として、0.5M KOHにおいて評価された酸化還元バッファー触媒の電気化学インピーダンス、および、RHEに対して1.6Vの電圧で記録された測定値を図(4)に示す。このデータによると、CM-CZ-2-VCの電荷移動抵抗(11Ωcm)が、コントロール触媒であるCMの電荷移動抵抗(61Ωcm)よりもずっと小さいということが明らかとなっている。
別の一実施形態として、クロノポテンシオメトリーによる、電流密度10mA/cmでの酸素発生反応用の電極耐久性は、最適化されたCM-CZ-2触媒が20時間の試験の間、その活性の95%以上を保持することを示唆しており(図5)、一方でコントロール触媒(CM)が、操作の5時間後に電位の最大設定限界と交差することを示唆している。このことは、酸化還元バッファーを有する触媒がその活性を高めるだけでなく、発生反応中の腐食からその材料を安定化させることを示唆している。
別の一実施形態として、二機能性空気電極の性能は、電解液として適切な濃度の水溶性の水酸化カリウムを採用した、再充電可能なZn-空気電池について評価された。ここで、亜鉛金属前駆体は、亜鉛末、酸化亜鉛、酢酸亜鉛またはそれらの組み合わせのいずれかから選択され、飽和水酸化カリウム電解液中に分散される。この電解液濃度は、7モーラーから10モーラーの範囲であることが好ましい。
別の一実施形態として、Zn-空気電池の性能は充放電下で評価される。ここで電池の充電は一定電流または一定電圧の充電によって実施した。一方で、電池の放電は10mA/cmから100mA/cmの範囲の変化する電流密度でかかる一定電流によって実施した。なお、構成したZn-空気電池の開回路電圧(OCV)は、1.4Vから1.6Vの範囲であることに留意されたい。放電状態のZn-空気電池の電圧は2.2Vまで増加する一方で、放電状態下で1.3Vから1Vの範囲において記録された電池電位は放電電流密度に依存する。Zn-空気電池のエネルギー密度は、亜鉛1Kgあたり600~750whと測定され、電池の往復効率は50%超を達成した。
実施例
触媒組成物の調製
実施例1:マンガンコバルト酸化物触媒(Mn)(Con+)(CM)(コントロール触媒)の調製
ビーカーにおいて、14グラム(gm)の硝酸コバルト六水和物を250ミリリットル(ml)の脱イオン水に溶解させる。さらに、別のビーカーにおいて、98gmの酢酸マンガン四水和物を500mlの脱イオン水に溶解させる。このように、硝酸コバルトと酢酸マンガンの調製溶液を一緒に混合し、容器1に移す。別のビーカーにおいて、80グラムの水酸化ナトリウムを1リットルの水に溶解させて2Mの水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を調製し、これを容器2に移す。金属前駆体溶液と塩基溶液とを、蠕動ポンプを使って、200mlの水の入った別の容器3に同時に加える。pHを10.5で一定に保つ間、金属前駆体溶液の沈殿が容器3内で起こる。沈殿物を得た後、スラリーの混合物を12時間攪拌し続ける。その結果として生じた沈殿物をろ過して触媒ケーキを得て、これをさらに100℃の熱風炉において12時間乾燥させる。その後、それをマッフル炉において400℃で4時間か焼し、式(Mn)(Co)n+の触媒組成物CoMn酸化物を得る。ここで、x=3~5,y=4~8,n=2~3である。結果として得られた触媒はMnおよびMnの形態の酸化マンガンの混合相組成物(mixed phase composition)を有したが、コバルトは酸化数が2~3の酸化マンガンと強い配位関係(co-ordination)にある。
実施例2:(MnxOy)(Con+)/Ce0.5Zr0.5O2触媒(CM-CZ-1)の調製
ビーカーにおいて、14gmの硝酸コバルト六水和物を250mlの脱イオン水に溶解させる。さらに、別のビーカーにおいて、98gmの酢酸マンガン四水和物を500mlの脱イオン水に溶解させる。このようにして、硝酸コバルト溶液と酢酸マンガンの調製溶液を一緒に混合し、容器1に移す。別のビーカーにおいて、80グラムのNaOHを1リットルの水に溶解させて2MのNaOH溶液を調製し、これを容器2に移す。金属前駆体溶液と塩基溶液とを、蠕動ポンプを使って、200mlの水の入った容器3に同時に加える。pHを10.5で一定に保つ間、金属前駆体溶液の沈殿が容器3内で起こる。
さらに、0.43gmの硝酸セリウムアンモニウムと0.21gmの塩化ジルコニルとを別々に20mlの脱イオン水に溶解させる。セリウムとジルコニウムの前駆体溶液の混合物を、蠕動ポンプを使ってゆっくりと30分間で、コバルトマンガンの沈殿混合物に加え、その結果生じるスラリーを12時間攪拌し続ける。このようにして、沈殿混合物をろ過して触媒ケーキを得て、これをさらに100℃の熱風炉において12時間乾燥させる。その後、それをマッフル炉において400℃で4時間か焼し、式(Mn)(Co)n+/Ce0.5Zr0.5のCe-ZrドープされたCoMn酸化物を得る。ここで、x=3~5,y=4~8,n=2~3である。結果として得られた触媒はMnおよびMnの形態の酸化マンガンの混合相組成物を有するが、コバルトは酸化数が2~3のマンガン酸化物と強い配位関係にある。その触媒をCM-CZ-1と示す。
実施例3:(Mn)(Con+)/CeZrO触媒(CM-CZ-2)の調製
ビーカーにおいて、14gmの硝酸コバルト六水和物を250mlの脱イオン水に溶解させる。さらに、別のビーカーにおいて、98gmの酢酸マンガン四水和物を500mlの脱イオン水に溶解させる。このようにして、硝酸コバルト溶液と酢酸マンガンの調製溶液を一緒に混合し、容器1に移す。別のビーカーにおいて、80グラムのNaOHを1リットルの水に溶解させて2MのNaOH溶液を調製し、これを容器2に移す。金属前駆体溶液と塩基溶液とを200mlの水の入った容器3に同時に加える。pHを10.5で一定に保つ間、金属前駆体の沈殿が容器3内で起こる。
さらに、0.9gmの硝酸セリウムアンモニウムと0.45gmの塩化ジルコニルとを別々に20mlの脱イオン水に溶解させる。セリウムとジルコニウムの前駆体溶液の混合物を、蠕動ポンプを使って30分間で、コバルトマンガンの沈殿混合物に加え、結果として生じるスラリーを12時間攪拌し続ける。このようにして、沈殿混合物をろ過して触媒ケーキを得て、これをさらに100℃の熱風炉において12時間乾燥させる。その後、それをマッフル炉において400℃で4時間か焼し、式(Mn)(Co)n+/CeZrOを有する2wt%のCe-Zrドープされたコバルトマンガン酸化物を得る。ここで、x=3~5,y=4~8,n=2~3である。
結果として得られた触媒は、MnおよびMnの形態の酸化マンガンの混合相組成物を有するが、コバルトは、酸化数が2~3の酸化マンガンと強い配位関係にある。その触媒をCM-CZ-2と示す。
実施例4:(Mn)(Con+)/Ce1.5Zr1.5触媒(CM-CZ-3)の調製
ビーカーにおいて、14gmの硝酸コバルト六水和物を250mlの脱イオン水に溶解させる。さらに、別のビーカーにおいて、98gmの酢酸マンガン四水和物を500mlの脱イオン水に溶解させる。このようにして、硝酸コバルト溶液と酢酸マンガンの調製溶液を一緒に混合し、容器1に移す。別のビーカーにおいて、80グラムのNaOHを1リットルの水に溶解させて2MのNaOH溶液を調製し、これを容器2に移す。金属前駆体溶液と塩基溶液とを200mlの水の入った容器3に同時に加える。pHを10.5で一定に保つ間、金属前駆体の沈殿が容器3内で起こる。
さらに、1.4gmの硝酸セリウムアンモニウムと0.7gmの塩化ジルコニルとを別々に20mlの脱イオン水に溶解させる。セリウムとジルコニウムの前駆体溶液の混合物をコバルトマンガンの沈殿混合物に加え、12時間攪拌し続ける。このようにして、沈殿物をろ過して触媒ケーキを得て、これをさらに100℃の熱風炉において12時間乾燥させる。その後、それをマッフル炉において400℃で4時間か焼し、式(Mn)(Co)n+/Ce1.5Zr1.5を有する3wt%のCe-Zrドープされたコバルトマンガン酸化物を得る。ここで、x=3~5,y=4~8,n=2~3である。結果として得られた触媒は、MnおよびMnの形態の酸化マンガンの混合相組成物を有するが、コバルトは、酸化数が2~3のマンガン酸化物と強い配位関係にある。その触媒をCM-CZ-3と示す。
実施例5:調製した触媒上での酸素還元反応に関する電気化学的研究
別の実験として、3mgの触媒粉末と6.5mgのバルカン炭素(Vulcan carbon)の混合物を細かくボールミルし、伝導性触媒と呼ばれる触媒‐炭素複合物を得る。得られた伝導性触媒はその後、イソプロパノール‐水(30:70vol/vol)混合物を使って超音波処理によってスラリーにした。得られたスラリーを使って、前もって洗浄した直径0.3cmのガラス状炭素電極にコーティングした。その後、電極を室温で乾燥させた。触媒でコーティングされた電極は、作用電極として機能する。銅接点を備える白金コイルは、対極として機能し、0.5MのKOHと接触するHg/HgOは参照電極として使用される。参照電極の電位校正は、高純度の水素飽和化した0.5MのKOH溶液内で行った。
RDE実験において、回転軸は作用電極として接続される。回転軸を使えば、電極の角速度を正確に制御することができる。線形掃引ボルタンメトリーを200~2600rpmの異なる回転速度で行った。すべての実験は酸素のブランケット内で行った。実験中、電極の回転速度の上昇に伴い、電流が増加することが観察された。比較のため、標準的な40wt%Pt/C触媒で同様の実験を行った。異なる触媒から得られたすべての結果の比較プロットを図1に示す。
還元反応に関与する電子数などの速度論的パラメータと、K‐Lプロットから得られる反応電流とが、すべての触媒について推定され、参照Pt/C触媒について表1にまとめた。測定した電子移動数は3.2~3.9の範囲である。特に、最も低い電子移動数3.2を記録したコントロール触媒CMと比較した場合、酸化還元バッファーCM-CZ-2触媒についての電子移動数は3.9を記録した。さらに、CM-CZ-2触媒は、反応電流と速度定数とに関して、標準的な40wt%のPt/CとドープされていないCM触媒と比較してより高い活性を示した。
表1:CM-CNT、CM-CZ-1-CNT、CM-CZ-2-CNT、CM-CZ-3-CNT、及びPt/Cの速度論的パラメータの比較
Figure 0007317904000001
実施例6:最適化されたCM-CZ-2触媒とCM(コントロール)触媒についてのORR安定性の比較研究
ORRについての電極耐久性は、RHEに関して0.75Vの定電位でクロノアンペロメトリーによってなされる。ここで電流はその反応について経時的に監視されている。この実験において使用した電極は、直径が0.3cmの触媒修飾したガラス状炭素電極であった。その材料は、20時間の操作の間、その活性またはその電流の95%以上を保持している(図2)。このことは、触媒がORR反応に対して安定していることを示唆している。しかし、コントロール触媒(CM)の場合、ちょうど2時間の操作で電流の急落(50~60%)が見られた。さらに、コントロール触媒の電流密度もまた、CM-CZ-2触媒(-0.25mA/cm)よりもかなり低い(-0.1mA/cm)電流密度を記録している。
実施例7:調製し触媒に対する酸素発生反応に関する電気化学的研究
別の実験として、調製した触媒の酸素発生反応の活性について、触媒で修飾した回転ガラス状炭素電極を使って評価した。線形掃引ボルタンメトリーは、0.5M KOH溶液において、RHEに関して1.05Vから1.95Vで行った。それぞれの触媒の得られた性能は図3に示す通りである。酸化還元バッファー触媒であるCM-CZ-2は、RHEに関して1.48Vで開始酸化電位(onset oxidation potential)を示す。酸化還元バッファー触媒の挙動の傾向は、ORR活性の傾向と同様のものを示した。
実施例8:触媒に関するOERについての電気化学的インピーダンスの研究
0.5M KOHにおけるすべての触媒について、電気化学的インピーダンスを、100kHz~0.1Hzの範囲の周波数域のAC電圧を採用することによって記録した。使用したAC電圧の振幅は±5mVである。記録したすべての触媒のすべてのスペクトルは、RHEに対して1.6Vの電圧で記録した。すべての触媒について得られたナイキスト線図を図(4)に示す。図中に示されるように、CM-CZ-2-VCについて得られた電荷移動抵抗(charge transfer resistance)(11Ωcm)は、すべての触媒と比較してかなり小さく、電荷移動抵抗で観察された傾向は線形掃引ボルタンメトリーで観察されたものと同じ順番である。
実施例9:最適化されたCM-CZ-2触媒とCM(コントロール)触媒に関するOER安定性の比較研究
酸素発生反応に関する電極耐久性は、クロノポテンショメトリーによってなされる。実験は、電極を電流密度10mA/cmで保持し、かつ、経時的にその電位を監視することによって行った。与えられた最大電位限界は、RHEに対して1.95Vである。CM-CZ-2触媒の場合、その活性の95%以上を保持するか、または20時間後の電位の変化が操作の限界内にあり(図5)、反応に対する触媒の安定性を示唆している。しかし、コントロール触媒(CM)の場合、それは操作の5時間後に最大電位限界と交差している。この実験により、酸化還元バッファー触媒はその活性を高めるだけでなく、発生反応中の腐食から材料を安定化させるということが明らかとなった。
実施例10:CMCZ-2/バルカン炭素と、当業界で周知の他の触媒とのORR/OER活性の比較
Figure 0007317904000002

Yu等(2015)の通り、従来技術の触媒であるMnNiCoO/N-MWCNTは、窒素ドープされた多層カーボンナノチューブ(N-MWCNT)上に沈着されたCo,Mn,Niの酸化物を含み、これを電気化学的性質について実施例5のCMCZ-2/バルカン炭素の触媒と比較した。OER開始電位によって示されるように、実施例5のCMCZ-2/バルカン炭素のOER活性が、Yuの触媒よりも優れているということが観察された。さらに、CMCZ-2/バルカン炭素触媒は、Yuの触媒の場合の5mA/cmの電流密度と比較すると、RHEに対してE10mA/cm(OER)/Vの電流密度を有する。Yuの触媒の場合の5mA/cmの電流密度は、本願で説明したCMCZ-2/バルカン炭素触媒の電流密度よりも50%低い。
実施例11:ガス拡散電極の調製
空気電極またはガス拡散電極(GDE)は、多孔質で、薄く、軽量なものを得るために製造される。GDEは障壁として機能し、周囲の空気から電気化学的システム内の液体電解質を分離することができる。GDEの一方側は周囲の空気に面し、同時に他方側は水性電解質(KOH)に面する。GDEに面する電解質は、最適な湿潤性を備えた導電面となるように設計されているが、空気側に面するGDEは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムを鋳造することによって得られる多孔質の撥水・疎水性表面となるように設計されている。
0.3mmの開口で、厚さが0.5mmの一定の細孔径の、拡げられた薄いニッケルメッシュは集電体として働き、これは導電層と疎水性層との間に挟まれ、電気化学的反応の間、空気電極の電子を輸送することができる。GDEの性能は、GDEの導電面上にコーティングされる二機能性触媒の性質によって強く影響される。
多孔質の導電炭素層は導電炭素フィルムを形成することによって構成される。導電炭素フィルムは、多孔質炭素(70wt%)を疎水性結合剤(30wt%)すなわちPTFE粉末と混合することによって得られ、有機溶媒中に分散されて導電ペーストを形成することができる。このようにして得られた導電ペーストは、ローラープレスを使って炭素生地を引き延ばすことによってシートにされる。その圧延されたシートは、拡げられたニッケルメッシュの片方の面上に敷かれた後、油圧によって100トンの圧力でプレスされ、シートにしっかりと固定される。その結果得られた導電シートは80℃で12時間、炉乾燥され、250℃で2時間、焼結される。
触媒スラリーは触媒-炭素組成物の粉末を30wt%のポリマーPTFE結合剤材料と均一に混合することによって調製され、これはさらにジエチレングリコールモノブチルエーテル溶媒に分散されて、1時間、超音波処理される。その溶媒内に分散された触媒は、スプレーノズルを使ってガス拡散導電層上に均一にスプレーコーティングされ、30mg/cmの触媒充填を実現することができる。触媒コーティングされたガス拡散導電層は、さらに乾燥されて(cured)溶媒を蒸発させ、300℃で2時間、焼結される。
実施例12:金属-空気電池の構造
主な金属-空気電池はポリプロピレン(PP)またはアクリル板を使って構成される。ここで、アルミニウムまたは亜鉛の金属板は2つの空気電極間に差し込まれている。空気電極は、空気電極のための支持板として機能するポリプロピレン(PP)またはアクリル板の上に配置される。ここで、電極の活性表面積は50cmである。中央の金属アノード板から空気電極まで1cmの隙間が保持され、電解液の循環を促進している。その溝は、金属板を差し込めるように最上部から中間のPP板にかけて設けられており、したがって金属板を容易に交換可能にしている。PPケーシング板は、端から端までねじ止めされており、電解液が漏れるのを防ぐことができる。中間のPPケーシング板には2つのノズルが備えられており、一つは底部にあり、もう一つは電解液の循環のために最上部にある。底部のノズルは電解液の入口に使用され、最上部のノズルは電解液の出口に使用される。2つのノズルには、耐アルカリ性の柔軟性のあるチューブが装着されている。その入口のチューブは、電解液の循環のために蠕動ポンプに接続される。端部の支持PP板には、空気電極に通気するための孔が開けられている。2つの電極の集電体は、はんだ付けによって結合されて正端子に接続され、一方で金属板はバッテリーテスターの負端子に接続される。蠕動ポンプによって電解液を最適なスピードである1000~2000ml/分で循環させ、アノードの腐食と放熱とを回避することができる。
実施例13:アルミニウム-空気電池における空気電極の性能評価
したがって、上記の構成された金属-空気電池を、Al-空気電池における空気電極の評価に用いる。ここで、1.5mmの厚さで100cmの活性表面積を備える薄いアルミニウムアノード板は、一組の空気電極間に配置される。Alアノードはバッテリーテスターの負端子に接続され、一方で一組の空気電極はバッテリーテスターの正端子に接続される。Alアノード板の最初の測定重量は30gmである。他方で空気電極は、炭素-触媒-結合剤混合物を100mg/cm搭載しており、活性触媒の荷重は30mg/cmである。
この実験において、6M KOHは電解液として用いられ、電解液タンクに保管されている。蠕動ポンプを用いて1000ml/分の一定流量で電解液を電池との間で循環させた。電池内で電解液を循環させることにより、電池の放電中に、沈殿した水酸化アルミニウムを洗い流すことができ、アノードの腐食と放熱とを最小限に抑えることができる。このようにして組み立てられた電池は、電気負荷のない条件下で1.4V~1.7Vの範囲の開回路電位(OCV)を示している。
最適化されたCM-CZ-2触媒について、Al-空気電池の放電性能を評価した。高い電流密度で記録されたAlの比容量(specific capacity)は、2.7~2.9Ah/gmであるが、これに対応するAlのエネルギー密度2.8kWh/kgが、図(6)に記録されている。Al板が80%消耗した後、Alアノード板の交換によってCM-CZ-2触媒の空気電極について耐久性試験を実施した。その試験は300時間行った。期間全体の電池の累積的エネルギー密度を算出すると、Al1kgあたり2.5kWhである(図7)。
CM-CZ-2触媒とコントロールCM触媒の空気電極は、例10で述べた手順に従って製造された。CM-CZ-2触媒とCM触媒から得られた一組の空気電極は、Al-空気電池において評価されてきた。2つの空気電極についてのAl-空気電池の性能のデータを表3に示す。ここで、Al-空気電池の電圧、比容量およびエネルギー密度は、75~150mA/cmにわたる異なる放電電流密度で報告されている。なお、最適化されたCM-CZ-2ベースの空気電極の場合、放電電流密度が増加するにつれて、電池の電圧がわずかに減少することに留意されたい。一方で、コントロールCM触媒ベースの空気電極と比較すると、これはCM-CZ-2触媒のより速いORRの速度論的電流に起因する可能性がある(表1にデータを示す)。Alの比容量は、より高い電流密度でアノードを有効利用することに起因して増大され、したがって結果的に、アルミニウムの重量当たり、より高いエネルギー密度となる。
表3:CM触媒(コントロール)およびCM-CZ-2触媒についてのAl-空気バッテリーの性能の比較
Figure 0007317904000003
実施例14:Zn-空気電池の構造および空気電極の評価
Zn-空気電池の基本的な構造は次の例11におけるものと同じであるが、電池内の電解液は固定相内にある。さらに、導電基板は亜鉛の沈着(deposition)に用いられている。ここで基板は、1mmの厚さのニッケル金属板とすることができる。亜鉛の前駆体溶液は、0.5Mの酸化亜鉛を9MのKOH溶液に溶解させることによって調製することができ、これは金属-空気電池内に満たされる。2つの空気電極はバッテリーテスターの正端子に接続され、ニッケル基板は亜鉛の沈着のために負端子に接続される。ニッケル基板の活性表面積は100cmであり、充放電の両方についての電流密度はそれぞれ40および80mA/cmでそれぞれ適用される。別の実験として、亜鉛-空気バッテリー性能の比較のために、コントロール触媒の空気電極と、最適化された酸化還元バッファー触媒すなわちCM-CZ-2とについて試験した。このように、組み立てたZn-空気電池は、負荷のない条件下で1.54V~1.7Vの範囲のOCVを示した。
亜鉛をニッケル基板上に沈着させるため、最初に40mA/cmの電流密度で充電ステップを行う。ここで、電池電位は1.5Vから2.3Vまでゆっくりと上昇し、その後、電池を80mA/cmの電流密度で放電に供する。ここで、電池電位は1.1Vまで下がり、定常状態に保持される。図8には、電池容量に対する、コントロール触媒(CM)と酸化還元バッファーCM-CZ-2触媒の充電/放電電位を表すプロットが示されている。
Zn-空気電池の寿命の研究を、25mA/cmの電流密度で充放電するプロトコルの下、CM-CZ-2触媒ベースの空気電極を使って行った。各サイクルの継続時間は1時間45分である。Zn-空気電池のサイクルライフ研究のためのプロットを図9に示す。ここには、総計325の充放電サイクルが記録されている。
本発明の利点
l 触媒のORR活性は、標準的なPt/C触媒に匹敵する性能である。
l 酸化還元バッファー触媒は二機能性活性であり、さらにOER活性は、酸化還元バッファーなしの基準触媒と比較したときに非常に有意である。
l 電極-電解液の界面での酸素活性化に対する酸化還元活性が改善される。

Claims (9)

  1. 電解触媒組成物であって、一般式(1)(Mnxy)(Co)n+/CeiZrj2によって表される酸化還元バッファー金属を備え、x=1~5,y=2~8,n=2~3,i=0.01~0.75,1,及び1.5、j=0.1~0.95,1,及び1.5であり、
    電解触媒組成物が、CoMn酸化物にドープされたセリウムとジルコニウムの酸化還元金属酸化物を含み、
    電解触媒組成物のうち、Mnが0.1~99wt%の範囲であり、Coが0.1~30wt%であり、Ce-Zrが0.1~5wt%の範囲であり、
    Zrに対するCeの原子数比が1である電解触媒組成物。
  2. 請求項1に記載の電解触媒組成物を備える電極。
  3. 請求項2に記載の電極を備える電気化学電池。
  4. 請求項3に記載の電気化学電池であって、燃料電池、バッテリー、酸化還元フローバッテリー、または一次または再充電可能な金属空気電池である電気化学電池。
  5. 請求項1に記載の酸化還元バッファー金属を含む電解触媒組成物を調製する方法であって、
    (i) コバルト-マンガン水酸化物溶液を調製する手順を含み、この手順が、
    a)コバルトの前駆体とマンガンの前駆体との個々の前駆体溶液を脱イオン水で調製するステップと、
    b)コバルトとマンガンの前駆体溶液を混合して混合前駆体溶液を形成するステップと、
    c)NaOH,Na2CO3,NaHCO3,NH4OHの水溶液またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルカリ性塩基の溶液を、pH7~11で、混合前駆体溶液に加え、コバルト-マンガン水酸化物の析出溶液を得るステップとを含み、
    (ii)酸化還元バッファー金属の前駆体溶液を調製する手順を含み、この手順が、
    a)酸化還元バッファー金属の個々の前駆体溶液を脱イオン水で調製するステップを含み、酸化還元バッファー金属がセリウムとジルコニウムとを含み、
    b)必要に応じてセリウム前駆体溶液とジルコニル前駆体溶液とを混合して複合溶液を得るステップを含み、
    (iii)コバルト-マンガン水酸化物の析出溶液を酸化還元バッファー金属の前駆体溶液と混合する手順を含み、
    a)コバルト-マンガン水酸化物の析出溶液を、セリウム前駆体溶液およびジルコニル前駆体溶液、または複合溶液と混合して懸濁液を生成するステップと、
    b)その結果得られた懸濁液を12時間攪拌するステップと、
    c)懸濁液を吸引ろ過して触媒スラリーを得るステップと、
    d)触媒スラリー由来の触媒析出物を脱イオン水で繰り返し洗浄した後、得られた触媒ケーキを50~100℃のオーブンで乾燥させるステップと、
    e)その触媒ケーキを400~600℃で焼成して、式(1)(Mnxy)(Co)n+/CeiZrj2の酸化還元バッファー金属を含む電解触媒組成物を得るステップとを含み、x=1~5,y=2~8,n=2~3,i=0.01~0.75,1,及び1.5、j=0.1~0.95,1,及び1.5である方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、コバルトの前駆体が、硝酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コバルト、硫酸コバルトからなる群から選択され、コバルトの前駆体が好ましくは硝酸コバルト六水和物である方法。
  7. 請求項5に記載の方法であって、マンガンの前駆体が、硝酸マンガン四水和物、酢酸マンガン四水和物、硫酸マンガンまたは塩化マンガンからなる群から選択され、マンガンの前駆体が好ましくは酢酸マンガン四水和物である方法。
  8. 請求項5に記載の方法であって、セリウムの前駆体が、硝酸セリウム、塩化セリウム七水和物、硝酸アンモニウムセリウム水和物、硫酸アンモニウムセリウム水和物からなる群から選択され、セリウムの前駆体が好ましくは硝酸アンモニウムセリウム水和物である方法。
  9. 請求項5に記載の方法であって、ジルコニウムの前駆体が、塩化ジルコニル八水和物または硝酸ジルコニル水和物からなる群から選択され、ジルコニウム前駆体が好ましくは塩化ジルコニル八水和物である方法。

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